JP2016037403A - セメント成形品及びその製造方法 - Google Patents

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一葉 門脇
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Abstract

【課題】高い耐火性、及び高い塗膜密着性を有するセメント成形品を提供する。【解決手段】セメントとマイカとを含有するセメント混合材料を成形して得られる。マイカは、アスペクト比が80〜150の範囲であり、平均粒径が50〜150μmの範囲である。セメント混合材料におけるマイカの含有量は2.5〜8.5質量%である。【選択図】なし

Description

本発明は、マイカを含有するセメント混合材料を成形して得られるセメント成形品及びその製造方法に関する。
建材として用いるサイディングボード等のセメント成形品は、燃焼時に収縮、反り、クラックの発生等が起こりやすいという問題がある。そのため、建材として用いるセメント成形品には、高い耐火性や寸法安定性が必要である。
そこで、従来、サイディングボードに用いるセメント材料には、強熱時の収縮などを抑え、耐火性や寸法安定性を向上させるために、マイカが配合されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−069806号公報
しかし、特許文献1に記載されたセメント材料では、平均粒径が200〜700μmのマイカが使用されているため、セメント成形品の表面にマイカが存在した場合、塗膜の密着性が低下してしまうおそれがある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされ、高い耐火性、及び高い塗膜密着性を有するセメント成形品及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るセメント成形品は、
セメントとマイカとを含有するセメント混合材料を成形して得られ、
前記マイカは、アスペクト比が80〜150の範囲であり、平均粒径が50〜150μmの範囲であり、
前記セメント混合材料における前記マイカの含有量は2.5〜8.5質量%であることを特徴とする。
本発明に係るセメント成形品の製造方法は、
セメントとマイカとを含有するセメント混合材料と水とを混練して、スラリーを調製する第一工程と、
前記スラリーからグリーンシートを成形する第二工程と、
前記グリーンシートを養生硬化する第三工程と
を有し、
前記マイカは、アスペクト比が80〜150の範囲であり、平均粒径が50〜150μmの範囲であり、
前記セメント混合材料における前記マイカの含有量は2.5〜8.5質量%であることを特徴とする。
前記セメント成形品の製造方法では、前記第一工程では、スラリー濃度は、7〜30質量%の範囲であることが好ましい。
前記セメント成形品の製造方法では、前記第二工程は、抄造方式であることが好ましい。
本発明によれば、高い耐火性、及び高い塗膜密着性を有するセメント成形品を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本実施形態のセメント成形品は、セメントとマイカとを含有するセメント混合材料を成形して得られる。すなわち、セメント混合材料と水とを混練してスラリーを調製し、このスラリーからグリーンシートを成形し、このグリーンシートを養生硬化することにより、セメント成形品が得られる。
セメントとしては、例えば、ポルトランドセメント、フライアッシュセメント、高炉セメント、アルミナセメントが挙げられる。セメントは、一種類を用いてもよく、複数種類を併用してもよい。
マイカとしては、例えば、金マイカ、白マイカ、黒マイカが挙げられる。一般的に、マイカの形状は、フレーク状である。本実施形態で用いるマイカは、アスペクト比が80〜150の範囲である。マイカのアスペクト比は、マイカの長径と短径の比率であり、長径/短径である。マイカのアスペクト比が80未満であると、十分な耐火性を有するセメント成形品が得られない。また、アスペクト比が150より大きいと、スラリーの混練中にマイカが割れやすくなり、十分な耐火性を有するセメント成形品が得られない。マイカのアスペクト比が80〜150の範囲であれば、マイカの配合量が少なくても、十分な耐火性が得られる。マイカの配合量が少なければ、セメント混合材料が均一に混合されやすくなり、またセメント成形品の塗膜密着性が向上し、さらに材料コストも削減することができる。セメント混合材料におけるマイカの含有量は2.5〜8.5質量%である。マイカの含有量が2.5質量%より少ないと、高い耐火性を得ることができないおそれがある。マイカの含有量が8.5質量%より多いと、高い塗膜密着性を得ることができないおそれがある。なお、マイカの含有量とは、マイカを含めたセメント混合材料全量に占めるマイカの質量%をいう。
マイカのアスペクト比は、さらに100〜120の範囲であることが好ましい。マイカのアスペクト比が100〜120の範囲であれば、セメント成形品の耐火性がより向上するため好ましく、マイカの配合量がより少なくても十分な耐火性が得られるため好ましい。なお、セメント成形品を900℃で20分間加熱したときの加熱収縮率が5.5%以下であれば、十分な耐火性を有しているといえる。
本実施形態で用いるマイカは、平均粒径が50〜150μmの範囲である。マイカの平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置による測定で得られるメディアン径(50%径、中位径、D50)である。マイカの平均粒径が50μm未満であると、セメント成形品の耐火性が低下してしまう。また、マイカの平均粒径が50μm未満であると、スラリーの脱水性が低下してしまい、製造工程においてスラリーの脱水に時間がかかるため、生産性が低下してしまう。また、マイカの平均粒径が150μmより大きいと、セメント等の他の材料と混合する際に分散性が低下し、またマイカ自身が壊れて小さくなり、マイカの平均粒径のコントロールが困難となり、さらに材料が均一に混合されにくくなる。また、マイカの平均粒径が150μmより大きい場合、セメント成形品の表面にマイカが存在していると、このマイカによって塗膜密着性が低下してしまう。
マイカの平均粒径は、さらに55〜145μmの範囲であることが好ましい。マイカの平均粒径が55〜145μmの範囲であれば、より高い耐火性及び塗膜密着性を有するセメント成形品が得られる。また、分散性がより向上し、材料の均一性がより向上するため好ましい。
セメント混合材料は、必要に応じて、ケイ酸質物質、補強材、増量材、増粘剤、混和剤、及びその他の材料を含有していてもよい。
ケイ酸質物質は、蒸気養生やオートクレーブ養生を行う際に、強固なマトリックス構造を得るために配合される。ケイ酸質物質としては、例えば、フライアッシュ、ケイ砂、ケイ石粉、シリカヒューム、高炉スラグ、珪藻土、シラス、各種焼却灰、鋳物砂ダストが挙げられる。
補強材は、セメント成形品の機械的強度などの物理的特性を向上させるために配合される。補強材としては、例えば、繊維状補強材、粒子状補強材が挙げられる。繊維状補強材としては、例えば、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維等の合成繊維や、炭素繊維、ガラス繊維、パルプが挙げられる。また、粒子状補強材としては、例えば、砂利、パーライト、シラスバルーン、ガラス粉、アルミナシリケートなどの無機粒子が挙げられる。無機粒子としては、例えば、多孔質状あるいは中空状の無機粒子が挙げられる。
増量材としては、適宜必要に応じて、任意のものを使用することができる。例えば、微粒パーライト、炭酸カルシウム、石膏、セメント系・石膏系・珪酸カルシウム系等のボード廃材、スクラップ材、汚泥・製紙汚泥等の焼却灰、石灰石粉末等が挙げられる。特に珪酸カルシウム系等のボード廃材は、高温高圧下でも耐性があり、セメント成形品の機械的特性が良好となることから、増量材として好ましい。
増粘剤は、スラリーに粘性を付与し、セメント成形品の表面を平滑にするために配合される。増粘剤としては、例えば、メチルセルロース(MC)などのセルロース誘導体が挙げられる。
混和剤としては、例えば、ケイ酸ソーダ、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、蟻酸カルシウム等のセメント硬化促進剤、シリコーン系、炭化水素系、金属石鹸系、界面活性剤等の撥水剤や吸水抑制剤が挙げられる。セメント混合材料は、さらに、分散剤、パーライト、焼成バーミキュライト、合成樹脂ビーズ、合成樹脂発泡体等の軽量骨材、砕石等の各種骨材、セメント板の廃材粉砕物などの材料が配合されていてもよい。これらの各材料の配合割合は、材料の種類や、セメント成形品の用途などに応じて任意に設定される。
セメント混合材料におけるセメントの含有量は25〜45質量%であることが好ましい。セメントの含有量が25質量%以上であると、得られるセメント成形品の曲げ強度が低下しにくいので好ましい。セメントの含有量が45質量%以下であると、得られるセメント成形品のかさ比重が小さくなり、切断性等が低下しにくいので好ましい。セメントの含有量は30〜40質量%であることがより好ましい。
またセメント混合材料にケイ酸質物質を配合する場合には、セメント混合材料におけるケイ酸質物質の含有量は20〜40質量%であることが好ましい。ケイ酸質物質の含有量がこの範囲であると、得られるセメント成形品において、Ca/Siモル比のバランスが良好であり、かつ、充分な量のトバモライトが生成され、マトリクスの緻密化が進み、得られるセメント成形品の曲げ強度や吸水性が低下しにくいので好ましい。ケイ酸質物質の含有量は30〜37質量%であることがより好ましい。
またセメント混合材料に補強材を配合する場合には、セメント混合材料における補強材の含有量は5〜10質量%であることが好ましい。補強材の含有量が5質量%以上であると、セメント成形品の強度が低下しにくいため好ましい。補強材の含有量が10質量%以下であると、補強材が原料中に均一に分散しやすくなるため好ましい。
またセメント混合材料に増量材を配合する場合には、セメント混合材料における増量材の含有量は25質量%以下であることが好ましい。増量材の含有量が25質量%以下であることによって、セメント混合材料中におけるセメントの比率(ケイ酸質物質も含有されている場合にはセメント及びケイ酸質物質の比率)の減少を抑えて、セメント成形品の強度を十分に確保することができる。
次に本実施形態のセメント成形品の製造方法について説明する。セメント成形品の製造方法は、下記の第一工程、第二工程、及び第三工程を有する。
第一工程は、セメントとマイカとを含有するセメント混合材料と水とを混練して、スラリーを調製する工程である。第一工程では、上述のセメントとマイカと、必要に応じて、ケイ酸質物質、補強材、増量材などのその他の材料とを含有したセメント混合材料と、水とを混練することによって、スラリーが調製される。スラリー濃度は、7〜30質量%の範囲であることが好ましい。スラリー濃度は、スラリー中のセメント混合材料の配合割合である。スラリー濃度が7質量%以上であると、脱水時における生産性の低下が生じにくいため好ましい。また、スラリー濃度が30質量%以下であると、スラリーの混練中に、マイカにかかるせん断力が増大しにくく、マイカが割れるのを抑制することができるため、セメント成形品が十分な耐火性を有しやすくなる。マイカは、アスペクト比が80〜150の範囲であり、平均粒径は50〜150μmの範囲である。これらの各材料の配合割合は、材料の種類や、セメント成形品の用途などに応じて任意に設定される。
第二工程は、スラリーからグリーンシートを成形する工程である。第二工程は、公知の方法を用いることができ、例えば、抄造方式であることが好ましい。スラリーを抄造方式で抄造してグリーンシートを成形する場合、水平方向にマイカが配向されやすく、セメント成形品の耐火性が向上しやすくなるため好ましい。抄造方式としては、例えば、フローオン方式、長網方式、丸網方式が挙げられる。この中ではフローオン方式がより好ましい。フローオン方式では、自然脱水の後、振動によるレベリングが行われるため、水平方向にマイカがより配向しやすく、セメント成形品の耐火性がより向上するため好ましい。得られたグリーンシートをプレス成形して、所望の形状に成形したり、表面に凹凸模様を形成してもよい。
第三工程は、グリーンシートを養生硬化する工程である。第三工程では、まず、第二工程で得られたグリーンシートが常温養生により硬化される。常温養生の条件は、任意に設定され、例えば、20〜40℃、0〜12時間である。常温養生は行わなくてもよい。次に、常温養生後のシートが常圧蒸気養生(一次養生)により硬化される。一次養生の条件は、任意に設定され、例えば、40〜90℃、4〜12時間である。一次養生温度が40℃以上であれば、硬化が十分に進行しやすく、90℃以下であれば、セメントが活性を失いにくく、セメントが硬化しなくなるおそれがない。また、一次養生時間が4時間以上であれば、グリーンシートの硬化が十分に進行しやすく、12時間以下であれば、生産性が低下しにくくなる。一次養生時間は6〜10時間であればさらに好ましい。常温養生を行わない場合は、第二工程で得られたグリーンシートを一次養生してよい。そして、一次養生後のシートがオートクレーブ養生(二次養生)により硬化される。二次養生の条件は、任意に設定され、例えば、160〜180℃、5000〜8000hPa、4〜12時間である。これらの養生硬化を経て、セメント成形品が得られる。養生硬化の後、ジェットドライヤー等で乾燥し、セメント成形品の含水率を調整してもよい。セメント成形品を、建築用の外壁材や屋根材などの外装材として仕上げるために、得られたセメント成形品の表面に、化粧や防水などのための塗装を施してもよい。塗装用の塗料としては、例えば、アクリル系樹脂塗料、ウレタン系樹脂塗料、シリコン系樹脂塗料が挙げられる。これらの塗料で形成された塗膜に対して本実施形態のセメント成形品は高い密着性を有している。
セメント成形品の表面にシーラー塗膜を形成した後に塗装してもよい。シーラー塗膜はオートクレーブ養生前に形成することが好ましい。シーラー塗膜を形成するのに用いられるシーラー塗料としては、低分子量の樹脂や小粒径のエマルションからなる浸透性タイプの下塗り材等を用いることができる。塗装用の塗料としては、上述のように、例えば、アクリル系樹脂塗料、ウレタン系樹脂塗料、シリコン系樹脂塗料が挙げられる。特に、下地の隠蔽力が高く耐久性に優れた着色塗料を用いることが好ましい。例えば、アクリルエマルション樹脂に、酸化チタン、酸化鉄系顔料、カーボンブラック、硫酸バリウム等の顔料、ブチルセロソルブ、消泡剤、増粘剤等の添加剤、水等を加えて撹拌分散して調製したものを水性エナメル塗料として用いることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
マイカとしては、表1に示すアスペクト比及び平均粒径を有するマイカA〜マイカGを用いた。
Figure 2016037403
また、セメントとして普通ポルトランドセメント、ケイ酸質物質としてフライアッシュ、増量材としてスクラップ材、補強材としてパルプを用いた。
(実施例1〜7、比較例1〜4)
表2に示す組成(質量%)のセメント混合材料を用い、スラリーを調製した。
このスラリーをフローオン方式で抄造してグリーンシートを成形し、このグリーンシートをプレス機で加圧成形した。そして、80℃、9時間の条件で一次養生した後、170℃、6000hPa、4時間の条件で二次養生し、180℃で15分間乾燥して、実施例1〜7、比較例1〜4のセメント成形品を得た。
各実施例及び比較例について、セメント成形品の生産性、比重、曲げ強度、加熱収縮率、塗膜密着性、材料均一性を以下のように評価した。評価結果は表2に示す。
[生産性]
セメント成形品の生産性は、スラリーの脱水性により評価した。具体的には、ヌッチェ漏斗(内径110mm)を吸引フラスコ(容量2000ml)に差し込み、ヌッチェ漏斗にADVANTEC社製濾紙をセットし、この濾紙上に1kgのスラリーを投入した。吸引フラスコにつないだ真空ポンプにより、1.33kPa(10mmHg)、30秒間の条件で減圧濾過を行い、吸引フラスコ内に溜まった水量を計量した。この水量は、スラリーから取り除かれた水量(脱水量)である。
そして、上記の水量から、脱水指数(=脱水量(g)/スラリー中の水量(g))を求め、生産性の良否を以下の基準により判定した。
「○」:脱水指数が0.1以上
「×」:脱水指数が0.1未満
[比重]
セメント成形品の試験体(幅100mm×長さ100mm×厚み15mm)を105℃の乾燥炉の中で72時間静置し、絶乾状態とした。そして、この絶乾状態のセメント成形品の重量(絶乾重量)及び体積を測定し、セメント成形品の比重を以下の式によって求めた。
比重=絶乾重量/体積
[曲げ強度]
JIS A1408に準じて、セメント成形品の試験体(幅40mm×長さ120mm×厚み15mm)を用いて、スパン100mm、速度2mm/分の条件で曲げ試験を行って、セメント成形品の曲げ強度を測定した。
[加熱収縮率]
セメント成形品の試験体(幅30mm×長さ30mm×厚み15mm)の加熱前の幅及び長さの寸法(初期寸法)をデジタルノギスで正確に測定した。次にこの試験体を900℃の電熱炉の中で20分間静置した。その後、試験体を電熱炉より取り出し、放冷して試験体の温度が100℃を下回ってから、再びデジタルノギスで試験体の幅及び長さの寸法(試験後寸法)を正確に測定した。そして、セメント成形品の加熱収縮率を以下の式によって求めた。
加熱収縮率(%)=(初期寸法−試験後寸法)/初期寸法/100
[塗膜密着性]
JIS A5422に準じて、次のように塗膜の密着性試験を行った。まずセメント成形品の試験体(幅200mm×長さ150mm×厚み15mm)の1か所にJIS Z1522に規定された幅24mmのセロハン粘着テープ(以下、単にテープともいう)を接着部分の長さが約50mmになるように貼り付け、JIS S6050に規定された消しゴムでこすり、塗膜にテープを十分に付着させた。塗膜は、試験体の表面にシーラー塗膜及び水性エナメル塗膜をこの順に積層して形成されている。次にテープを付着させてから2分後にテープの一端を持って試験体に直角に保ち、瞬間的に引き剥がした。その後、引き剥がしたテープを1mm目盛りの方眼紙の上に貼り付け、塗膜剥離面積を1mm単位で読み取った。そして、塗膜剥離面積率を以下の式によって求めた。
塗膜剥離面積率(%)=(S/S)×100
:試験体に付着させたセロハン粘着テープ面積(mm
:塗膜の剥離面積(mm
塗膜密着性の良否は、以下の基準により判定した。
「○」:塗膜剥離面積率が5%以下
「×」:塗膜剥離面積率が5%を超過
[材料均一性]
材料均一性は、補強材(パルプ)の分散性と関連があり、この分散性は、スラリーの脱水性のばらつきと関連がある。そこで、材料均一性は、スラリーの脱水性のばらつきにより評価した。
具体的には、上記[生産性]と同様の減圧濾過を各実施例及び比較例のスラリーについて5回ずつ行って水量(脱水量)を計量し、その標準偏差を求めた。
そして、材料均一性の良否を以下の基準により判定した。
「○」:標準偏差が8未満
「△」:標準偏差が8以上16以下
「×」:標準偏差が16を超過
Figure 2016037403
表2から明らかなように、実施例1〜7のセメント成形品は、高い耐火性及び高い塗膜密着性を有していることが確認された。
これに対して、比較例1のセメント成形品は、マイカのアスペクト比が80未満であるので、耐火性が低い。
また比較例2のセメント成形品は、マイカのアスペクト比が150を超え、平均粒径が50μm未満であるので、耐火性が低く、曲げ強度も低い。
また比較例3のセメント成形品は、マイカのアスペクト比が80未満であり、平均粒径が150μmを超えているので、耐火性が低く、塗膜密着性も低い。
また比較例4のセメント成形品は、実施例1、5〜7と同じマイカが用いられているが、その含有量が2.5質量%未満であるので、耐火性が低く、曲げ強度も低い。
また実施例1、6、7のセメント混合材料の組成は同じであるが、スラリー濃度の低い実施例6、スラリー濃度の高い実施例7に比べて、スラリー濃度が7〜30質量%の範囲内である実施例1の方が生産性及び材料均一性にも優れていることが確認された。

Claims (4)

  1. セメントとマイカとを含有するセメント混合材料を成形して得られ、
    前記マイカは、アスペクト比が80〜150の範囲であり、平均粒径が50〜150μmの範囲であり、
    前記セメント混合材料における前記マイカの含有量は2.5〜8.5質量%であることを特徴とする
    セメント成形品。
  2. セメントとマイカとを含有するセメント混合材料と水とを混練して、スラリーを調製する第一工程と、
    前記スラリーからグリーンシートを成形する第二工程と、
    前記グリーンシートを養生硬化する第三工程と
    を有し、
    前記マイカは、アスペクト比が80〜150の範囲であり、平均粒径が50〜150μmの範囲であり、
    前記セメント混合材料における前記マイカの含有量は2.5〜8.5質量%であることを特徴とする
    セメント成形品の製造方法。
  3. 前記第一工程では、スラリー濃度は、7〜30質量%の範囲であることを特徴とする
    請求項2に記載のセメント成形品の製造方法。
  4. 前記第二工程は、抄造方式であることを特徴とする
    請求項2又は3に記載のセメント成形品の製造方法。
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