本発明の実施の形態(以下、本実施形態と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明する。なお、図面は、各部材、各構成部を模式的に示したものであり、その寸法や間隔等を正確に示したものではない。
[構成]
[電子部品及び実装対象]
本実施形態における電子部品は、図1(A)に示すようなフィルム状電子部品F、及び図1(B)に示すようなチップ状電子部品Cである。フィルム状電子部品Fは、柔軟性のある樹脂製のフィルムに電子部品が実装されており、一方の面の端部に電極が形成されている部品である。このフィルム状電子部品Fは、複数のフィルム状電子部品Fがシート状またはテープ状の薄板状部材に一体的に形成されたものを、個別に打ち抜くことにより実装される部品として準備される。また、本実施形態におけるフィルム状電子部品Fには、様々な寸法のものがある。チップ状電子部品Cは、ドライバICである。このチップ状電子部品Cは、あらかじめ個別に製品に分離された状態で、トレイT(図3参照)に搭載されて準備される。
フィルム状電子部品F、チップ状電子部品Cの実装対象は、フィルム状電子部品Fまたはチップ状電子部品Cの電極と電気的な接続を行う部品である。本実施形態では、実装対象は、表示装置を構成する表示パネルDである。つまり、表示機能及び電極を備えた部材である。
[電子部品実装装置]
(全体構成)
本実施形態の電子部品実装装置の全体構成を、図2及び図3を参照して説明する。図2に示すように、電子部品実装装置は、打抜供給装置10、トレイ供給装置20、受渡装置40、貼着装置50、実装装置60、制御装置80を有する。
打抜供給装置10は、薄板状部材STからフィルム状電子部品Fを打ち抜いて、フィルム状電子部品Fを供給する装置である。トレイ供給装置20は、チップ状電子部品Cが収容されたトレイTを供給する装置である。
受渡装置40は、打抜供給装置10からフィルム状電子部品Fを受け取り、貼着装置50を介して、フィルム状電子部品Fを実装装置60に渡す装置である。また、受渡装置40は、トレイ供給装置20からチップ状電子部品Cを受け取り、実装装置60に渡す装置でもある。打抜供給装置10から受渡装置40へのフィルム状電子部品Fの受け渡しには、第1の保持ヘッドH1が用いられる。トレイ供給装置20から受渡装置40へのチップ状電子部品Cの受け渡しには、第2の保持ヘッドH2が用いられる。第1の保持ヘッドH1及び第2の保持ヘッドH2は、受渡装置40に着脱可能に設けられている。
貼着装置50は、フィルム状電子部品Fの電極にACF(Anisotropic Conductive Film)と称される異方性導電部材を貼着する装置である。ACFは、基材となる樹脂の中に、小さな導電粒子が多数入ったシート状の部材である。実装装置60は、フィルム状電子部品Fまたはチップ状電子部品Cを、実装対象である表示パネルDに圧着する装置である。
制御装置80は、打抜供給装置10と、トレイ供給装置20と、受渡装置40と、貼着装置50と、実装装置60と、を制御する装置である。この制御装置80は、例えば、専用の電子回路若しくは所定のプログラムで動作するコンピュータ等によって構成される。制御装置80は、各部の制御内容がプログラムされており、PLCやCPUなどの処理装置によりそのプログラムが実行される。
なお、電子部品実装装置の設置面に平行な面において、打抜供給装置10から実装装置60に向かう直線をY方向、これに直交する一方向をX方向として、Y方向に沿う軸をY軸、X方向に沿うX軸とする。Y軸及びX軸が形成するXY平面は、フィルム状電子部品F、チップ状電子部品C及び表示パネルD及びこれを支持する各平面に平行である。以下の説明では、XY平面を水平面と呼ぶ場合もある。
また、XY平面に直交し、設置面から上方に向かう方向をZ方向とし、Z方向に沿う軸をZ軸とする。設置面が水平である場合には、Z軸は鉛直方向となる。Z軸は、フィルム状電子部品F、チップ状電子部品C及び表示パネルD及びこれを支持する各平面に垂直である。以下の説明では、Z方向を上方、これと逆方向を下方とする。さらに、Z軸を中心としてXY平面に平行な回転方向をθ方向、Y軸を中心として、XY平面に垂直な回転方向をα方向とする。これらの方向は、電子部品実装装置の各構成の位置関係を述べるための表現であり、設置面に設置される際の位置関係や方向を限定するものではない。
(打抜供給装置)
打抜供給装置10は、図2及び図4に示すように、供給部110、テーブル120、金型130、昇降機構140を有する。
供給部110は、電子部品が形成された薄板状部材STを巻回したリールを備え、電子部品の打ち抜き部分を順次送り出す機構である(図2参照)。このため、供給部110には、リールの回転中心が装着され、リールの回転軸を担うシャフトと、薄板状部材STを送り出す送りローラが設けられている。
テーブル120は、金型130を支持する台である。金型130は、ダイ131、パンチ132を有する。
ダイ131は、供給部110から送り出される薄板状部材STが載置される平面を有し、抜き孔131aが形成された平板状の部材である。抜き孔131aは、フィルム状電子部品Fの外形と略一致する貫通孔である。ダイ131は、テーブル120の上面に固定されており、テーブル120には、抜き孔131aに対応する位置に、抜き孔131aよりも大きな貫通孔である開口120aが設けられている。
パンチ132は、抜き孔131aの内縁と略一致する外縁を有する略直方体形状の抜き型である。パンチ132の底面は、ダイ131に載置された薄板状部材STに向かい、Z軸に沿って、抜き孔131aに挿入されるまで移動することにより、薄板状部材STからフィルム状電子部品Fを打ち抜く。パンチ132の底面には、図示はしないが、空気圧回路に接続された吸着穴が形成されており、打ち抜かれたフィルム状電子部品Fを負圧により吸着保持する。
昇降機構140は、パンチ132をZ軸に沿って移動させることにより、フィルム状電子部品Fの打ち抜きを行う機構である。昇降機構140は、支持部141、駆動部142を有する。
支持部141は、パンチ132を昇降可能に支持する構成部である。支持部141は、支柱141a、支持板141bを有する。支柱141aは、ダイ131上に立ち上げられた4本の棒状の部材である。支持板141bは、支柱141aの上端にダイ131の上面に平行に取り付けられた板状体である。
駆動部142は、パンチ132に接続され、パンチ132をダイ131に接離する方向に駆動する装置である。駆動部142の駆動源としては、エアシリンダ等を用いることができる。駆動部142は、シャフト142aを有する。シャフト142aは、駆動源に接続されるとともに、支持板141bを貫通してパンチ132に接続されている。駆動源によってシャフト142aが昇降することにより、パンチ132がフィルム状電子部品Fを打ち抜く。なお、パンチ132の下方の移動端は、第1の保持ヘッドH1の受け取り位置となる。つまり、パンチ132は、下降して打ち抜いたフィルム状電子部品Fを吸着保持しながら、第1の保持ヘッドH1が受け取り可能な位置まで達して停止する。
以上のような打抜供給装置10は、図2に示すように、平面視で、X軸に沿って左右に一対設けられている。一方の打抜供給装置10aと他方の打抜供給装置10bとは、平面視で後述する移送装置430を挟む位置に配設されている。以下、打抜供給装置10a、10bを区別しない場合には、打抜供給装置10とする。
[トレイ供給装置]
トレイ供給装置20は、図5に示すように、フレーム210、把持部220を有する。フレーム210は、平行な一対の長尺の部材である。一対のフレーム210の間隔は、トレイTの幅に近似しているが、トレイTが上下に通過可能となっている。把持部220は、フレーム210の対向する側面に設けられ、図示しない駆動機構によって、トレイTの側面に接離する方向に進退可能に設けられている。
トレイ供給装置20においては、把持部220によって、一枚のトレイTが把持され、その上に複数枚のトレイTが積層される(図5(A))。最下層のトレイTの下面は、チップ状電子部品Cを収容した面とは反対側の面であり、第2の保持ヘッドH2の受け取り位置となる(図5(B))。
以上のようなトレイ供給装置20は、図2に示すように、平面視で、X軸に沿って左右に一対設けられている。一方のトレイ供給装置20aと他方のトレイ供給装置20bとは、平面視で後述する移送装置430を挟む位置に設けられている。以下、トレイ供給装置20a、20bを区別しない場合には、トレイ供給装置20とする。
(受渡装置)
受渡装置40は、図2及び図3に示すように、打抜供給装置10からフィルム状電子部品Fを受け取り、貼着装置50を介して、実装装置60に渡す装置である。また、受渡装置40は、トレイ供給装置20からチップ状電子部品Cを受け取り、実装装置60に渡す装置でもある。受渡装置40は、図3、図6乃至図8に示すように、装着部410と、移動機構420と、移送装置430と、を有する。
(装着部)
装着部410には、第1の保持ヘッドH1または第2の保持ヘッドH2が着脱される。装着部410は、載置部411、係止部412を有する。載置部411は、第1の保持ヘッドH1または第2の保持ヘッドH2が搭載される円柱形状の部材である。係止部412は、載置部411の上面から立設された複数本のピンである。このような装着部410に着脱される第1の保持ヘッドH1、第2の保持ヘッドH2を、図6を参照して説明する。
第1の保持ヘッドH1は、打抜供給装置10から供給されるフィルム状電子部品Fを保持する(図3参照)。第1の保持ヘッドH1は、保持部H11、接続部H12、支柱部H13を有する。
保持部H11は、長手方向が、フィルム状電子部品Fの電極が並べられた辺に対応する略直方体形状の部材である。保持部H11の上面には、図示はしないが、空気圧回路に接続された吸着穴が形成されており、打ち抜かれたフィルム状電子部品Fを負圧により吸着保持する。
接続部H12は、装着部410に載置される略直方体形状の部材である。接続部H12の底面には、図示はしないが、係止部412が挿入される穴が設けられている。支柱部H13は、接続部H12の上面から立ち上げられ、保持部H11の底部を支持する略直方体形状の部材である。
第2の保持ヘッドH2は、トレイ供給装置20から供給されるトレイTを保持する(図3参照)。第2の保持ヘッドH2は、保持部H21、接続部H22、支柱部H23を有する。
保持部H21は、上面の外縁がトレイTの外縁以上のサイズの略直方体形状である。保持部H21の上面には、図示はしないが、空気圧回路に接続された吸着穴が形成されており、トレイTを負圧により吸着保持する。なお、トレイTの底面には、静電気防止の観点から、凹凸形状が設けられている場合がある。この場合、凹凸部分では十分な吸着力が得られない可能性があるため、凹凸部分を避けて、平坦面に対応する位置に、吸着穴を形成することが好ましい。例えば、トレイTの底面の縁部に対応する位置に、吸着穴を設けて、安定した吸着を確保する。
接続部H22は、装着部410に載置される略直方体形状の部材である。接続部H22の底面には、図示はしないが、係止部412が挿入される穴が設けられている。つまり、第1の保持ヘッドH1、第2の保持ヘッドH2の接続部H12、H22は、共通の装着部410に着脱可能となるように、共通の構成を有している。支柱部H23は、接続部H22の上面から立ち上げられ、保持部H21の底部を支持する略直方体形状の部材である。
(移動機構)
移動機構420は、図7(A)に示すように、第1の保持ヘッドH1が装着された装着部410を、打抜供給装置10と後述する移送装置430との間で移動させる。または、移動機構420は、図7(B)に示すように、第2の保持ヘッドH2が装着された装着部410を、トレイ供給装置20と移送装置430との間で移動させる。移動機構420は、移送装置430の下方に、例えば図示しない駆動源及びボールねじ、スライダなどを組み合わせて構成され、XYZ方向に移動可能に設けられる。
(移送装置)
移送装置430は、図2に示すように、第1の保持ヘッドH1が保持したフィルム状電子部品Fを受け取り、貼着装置50を介して、実装装置60に渡す装置である。また、移送装置430は、第2の保持ヘッドH2が保持したトレイTからチップ状電子部品Cを受け取り、実装装置60に渡す装置でもある。
移送装置430は、図2及び図3に示すように、第1のアーム431と、清掃装置Bと、ゲージング装置Gと、第2のアーム432と、を有する。
第1のアーム431は、XY平面に平行な面上を、図示しないモータ等の駆動源によって回動可能に設けられた部材である。第1のアーム431は、中心から十字方向に4つの略直方体形状のアームが延びてなる十字形状のアームであって、中心が図示しない駆動源の回転軸に固定される。4つのアームの先端には、空気圧回路に接続された吸着ノズル431aが設けられている。吸着ノズル431aは、空気圧回路の真空源による負圧によって、第1の保持ヘッドH1に保持されたフィルム状電子部品Fの電極部分の裏面を、フィルム状電子部品Fの電極が並ぶ方向の幅全部にわたって上方から吸着保持する。
第1のアーム431は、90°ずつ間欠回転を行う。より具体的には、第1のアーム431の回転軸から見て、打抜供給装置10が位置するY方向側を時計の12時方向とした場合に、12時の位置、9時の位置、6時の位置、3時の位置に停止するように、反時計回り方向または時計回り方向に間欠回転を行う。第1のアーム431は、12時の位置で第1の保持ヘッドH1からフィルム状電子部品Fを受け取り、9時の位置で貼着装置50によるACFの貼着を介し、6時の位置でACFが貼着されたフィルム状電子部品Fを第2のアーム432に渡し、3時の位置を通過するという順で反時計回りに間欠回転する。
図8(A)、(B)に示すように、第1のアーム431の4つのアームの先端には、フィルム状電子部品Fを受け取る位置を規定する基準位置R1a、R1bが設定される。
基準位置R1aは、例えば各アームが延びる方向に平行な基準線であって、第1のアーム431の中心側から見て各アーム先端の右側に寄って設定されている。基準位置R1aは、第1のアーム431に吸着保持されたフィルム状電子部品Fが、第1のアーム431の回動によって9時の位置に位置づけられた時、後述する貼着装置50aにおいて、フィルム状電子部品FにACFが貼着される基準の位置であり、ここでは、貼着装置50aの加圧ヘッド530のテープ状部材TPの供給側の端部である。基準位置R1aは、第1のアーム431が反時計回りに回動して後述の貼着装置50aに対向する場合に、フィルム状電子部品Fの端部(第1のアーム431の中心から見て右辺)が合わせられる位置である。これにより、フィルム状電子部品Fは、その寸法に拘わらず、その一辺が基準位置R1aに合うように第1のアーム431に受け渡される。換言すると、フィルム状電子部品Fは、12時の位置において基準位置R1aを基準にX方向に位置合わせされ、これにより、第1のアーム431の回動により貼着装置50aに対向するとき、貼着装置50aに対してY方向に位置合わせされている。
基準位置R1bは、例えば各アームが延びる方向に平行な基準線であって、第1のアーム431の中心側から見て各アーム先端の左側に寄って設定されている。基準位置R1bは、第1のアーム431に吸着保持されたフィルム状電子部品Fが、第1のアーム431の回動によって3時の位置に位置づけられた時、後述する貼着装置50bにおいて、フィルム状電子部品FにACFが貼着される基準の位置であり、ここでは、貼着装置50bの加圧ヘッド530のテープ状部材TPの供給側の端部である。基準位置R1bは、第1のアーム431が時計回りに回動して後述の貼着装置50bに対向する場合に、フィルム状電子部品Fの端部(第1のアーム431の中心から見て左辺)が合わせられる位置である。これにより、フィルム状電子部品Fは、その寸法に拘わらず、その一辺が基準位置R1bに合うように第1のアーム431に受け渡される。換言すると、フィルム状電子部品Fは、12時の位置において基準位置R1bを基準にX方向に位置合わせされ、これにより、第1のアーム431の回動により貼着装置50bに対向するとき、貼着装置50bに対してY方向に位置合わせされている。
清掃装置Bは、上述の12時の位置において、第1のアーム431の下方に配設されている。清掃装置Bは、打ち抜かれたフィルム状電子部品Fの電極部分に付着したゴミ等を除去する装置である。清掃装置Bは、ブラシB1を有する。ブラシB1は、X軸方向の軸を中心に、図示しないモータ等の駆動源によって回動可能に設けられている。清掃装置Bは、図示しない駆動機構によって、第1のアーム431に保持されたフィルム状電子部品Fの電極部分に対して、接離する方向に移動可能に設けられている。
ゲージング装置Gは、上述の12時の位置において、第1のアーム431の下方に配設されている。ゲージング装置Gは、XZ平面に平行な迫出面G1を有する。この迫出面G1は、図示しない駆動機構により、Y方向に移動可能となっている。これにより、ゲージング装置Gの迫出面G1は、フィルム状電子部品Fが吸着ノズル431aに吸着された状態で打抜供給装置10側に押し出し、吸着ノズル431aに対するフィルム状電子部品Fの相対位置をずらす。すなわち、ゲージング装置Gは、吸着ノズル431aに吸着されたフィルム状電子部品FをY方向に位置合わせする。これにより、フィルム状電子部品Fは、第1のアーム431の回動により貼着装置50に対向した時、貼着装置50に対してX方向に位置合わせされている。換言すると、ゲージング装置Gは、12時の位置でY方向にフィルム状電子部品Fの位置合わせを行うことにより、9時の位置でX方向にフィルム状電子部品Fの位置合わせを行ったことになる。この位置合わせにより、貼着装置50で供給されるACFの位置に、フィルム状電子部品Fの電極の位置が位置づけられ、貼着装置50によるACFの貼着が精度良く行われる。
第2のアーム432は、第1のアーム431と実装装置60との間に配設されている。第2のアーム432は、XY平面と平行な面上を、モータ等の駆動源によって回動可能に設けられた長尺の部材である。第2のアーム432の一端は、不図示の駆動源の回転軸に固定される。第2のアーム432の先端には、回転ヘッド432aが設けられている。回転ヘッド432aは、第2のアーム432の長手方向を軸としてα方向に回動可能に設けられている。第2のアーム432は、180°ずつ間欠回転を行う。より具体的には、12時の位置及び6時の位置に停止するように、反時計回り方向または時計回り方向に間欠回転を行う。
回転ヘッド432aには、回転円の半径方向に沿って延びる吸着ノズル432bが設けられている。吸着ノズル432bは、図示はしないが、空気圧回路に接続され、真空源による負圧によって、フィルム状電子部品Fまたはチップ状電子部品Cを吸着保持する。吸着ノズル432bの先端の方向は、回転ヘッド432aによって180°変換される。つまり、第2のアーム432は、受け取った部品を反転させることができる反転移送装置として構成されている。
このため、吸着ノズル432bは、第1のアーム431の吸着ノズル431aに保持されたフィルム状電子部品Fを受け取る時は、フィルム状電子部品Fの電極側を下方から吸着保持し、第2の保持ヘッドH2に保持されたトレイTからチップ状電子部品Cをピックアップするときは、チップ状電子部品Cの上方から一つずつ吸着保持する。すなわち、打抜供給装置10は電極部分が下を向くようにフィルム状電子部品Fを打ち抜き、第1の保持ヘッドH1は打抜供給装置10で打ち抜かれたフィルム状電子部品Fを電極部分が下を向いた姿勢のままで下方から保持して第1のアーム431に受け渡す。第1のアーム431の吸着ノズル431aは、第1の保持ヘッドH1によって下方から保持されたフィルム状電子部品Fを上方から吸着保持する。そのため、吸着ノズル432bが、吸着ノズル431aからフィルム状電子部品Fを受け取るときには、フィルム状電子部品Fは、電極部分が下を向いた状態で吸着ノズル431aによって上方から保持されているので、吸着ノズル432bは電極側を下方から吸着保持する。また、第2の保持ヘッドH2に保持されたトレイTには、チップ状電子部品Cが電極部分を上に向けた状態で収容されているので、吸着ノズル432bはチップ状電子部品Cを上方から吸着保持する。
回転ヘッド432aは、吸着ノズル432bがフィルム状電子部品Fを吸着保持した場合、電極側が下向きの状態のままで実装装置60に達する。つまり、この場合、回転ヘッド432aは反転しない。回転ヘッド432aは、吸着ノズル432bがチップ状電子部品Cを吸着保持した場合、実装装置60に達するまでに、チップ状電子部品Cの電極側を下向きにする。つまり、この場合、回転ヘッド432aを反転させる。
[貼着装置]
貼着装置50は、第1のアーム431の吸着ノズル431aが保持するフィルム状電子部品Fの電極部分に対して、ACFを貼着する。本実施形態の貼着装置50は、平面視で、X軸に沿って左右に一対設けられている。一方の貼着装置50aと他方の貼着装置50bとは、平面視で移送装置430を挟む位置に設けられている。具体的には、貼着装置50aは、第1のアーム431の9時の位置に、貼着装置50bは、第1のアーム431の3時の位置に、それぞれ設けられる。以下、貼着装置50a、50bを区別しない場合には、貼着装置50とする。貼着装置50は、図9に示すように、供給部51と、切断部52と、貼着部53と、剥離部54と、搬送部55と、回収部56と、を備える。なお、図9に示す貼着装置50は、貼着装置50aであり、貼着装置50bは、YZ平面を境に貼着装置50aに対称な構成を備えるものとして説明する。
(供給部)
供給部51は、貼着部53にテープ状部材TPを供給する。テープ状部材TPは、例えば、ACFからなる粘着テープT1が、離型テープT2に貼着されたものである。離型テープT2は、粘着テープT1から剥離可能なテープであり、例えば、ポリイミド等の樹脂フィルムによって形成されている。なお、本実施形態のテープ状部材TPの幅は、0.5~3.5mm程度である。
供給部51は、供給リール510、テンション機構511、経路ローラ512を有する。供給リール510は、テープ状部材TPを巻装し、回動によりテープ状部材TPを送り出すリールである。テンション機構511は、テープ状部材TPに張力を与える。テンション機構511は、供給リール510から引き出されるテープ状部材TPの移動を案内するように、上下に距離を空けて配置された一対のローラである。一方のローラは上下動しない固定ローラ511aであり、他方のローラが上下動可能な可動ローラ511bである。可動ローラ511bは、図示しない昇降機構によって上下に移動する。つまり、図中、黒塗りの矢印方向に移動する。経路ローラ512は、テンション機構511からのテープ状部材TPの移動方向を変えて、切断部52に向けて送り出すローラである。
(切断部)
切断部52は、テープ状部材TPにおける粘着テープT1を切断する。このように粘着テープT1だけを切断することを、以下、ハーフカットと呼び、切断部52の切断により粘着テープT1に形成された切れ目を、ハーフカットラインHCと呼ぶ。このハーフカットラインHCは、フィルム状電子部品Fの寸法に対応する間隔で形成される。ハーフカットラインHC間の間隔は、フィルム状電子部品Fの表示パネルと接続される辺の長さと略同じである。すなわち、ハーフカットラインHC間の間隔は、実装されるフィルム状電子部品Fの表示パネルと接続される辺の寸法に合わせて規定される。
切断部52は、貼着部53の上流側に設けられ、カッター520、バックアップ部材521を有する。カッター520は、粘着テープT1を幅方向に切断する部材である。すなわち、カッター520の先端の刃は、テープ状部材TPの幅方向に延びている。また、カッター520は、図示しない移動機構により、その先端の刃が粘着テープT1に接離する。カッター520は、上述のように、供給部51によって供給されたテープ状部材TP上にフィルム状電子部品Fの寸法に合わせてハーフカットラインHCを形成する。バックアップ部材521は、略直方体形状のブロックである。このバックアップ部材521は、カッター520との間でテープ状部材TPを挟み、離型テープT2に接する平坦面521aを有する。
(貼着部)
貼着部53は、フィルム状電子部品Fの電極部分に対して、テープ状部材TPにおける粘着テープT1を貼着する。貼着部53は、加圧ヘッド530、バックアップ部材531を有する。加圧ヘッド530は、図示しない昇降装置により上下に移動することにより
テープ状部材TPを押し上げ、フィルム状電子部品Fの電極部分に対して粘着テープT1の加熱、加圧を行う。そのため、加圧ヘッド530には、図示しないヒータが設けられ、テープ状部材TPとの接触面が、所定の温度に加熱されている。さらに、加圧ヘッド530におけるテープ状部材TPとの接触面には、緩衝部材530aが設けられている。この緩衝部材530aは、例えば、弾性体により形成されたシートであり、加熱によって軟化した粘着テープT1が加圧ヘッド530に付着することを防止する。バックアップ部材531は、加圧ヘッド530によってフィルム状電子部品Fの電極部分に粘着テープT1を加熱圧着するとき、第1のアーム431を上から支持する部材である。バックアップ部材531は、加圧ヘッド530に対向する位置に一対の支持ローラ531aを有し、その支持ローラ531aの外周面で、フィルム状電子部品Fが吸着ノズル431aによって保持され、回動して貼着装置50に位置合わせされた第1のアーム431の上面を支持する。
貼着部53には、貼着位置R2が設定されている。貼着位置R2は、後述の搬送部55によりテープ状部材TPにおける粘着テープT1のハーフカットラインHCが位置合わせされる基準位置であり、ここでは、テープ状部材TPの走行方向における、加圧ヘッド530の供給部51側端部の位置である。
(剥離部)
剥離部54は、フィルム状電子部品Fに貼着された粘着テープT1から離型テープT2を剥離する。剥離部54は、剥離棒540、541を有する。剥離棒540、541は、例えば丸棒であり、離型テープT2と接する部材である。剥離棒540は、離型テープT2の表面、すなわち、粘着テープT1側の面と接し、剥離棒541は、離型テープT2の裏面と接する。剥離棒540、541は、図示しない移動機構によって、図9に示すように、離型テープT2を挟んだ状態でテープ状部材TPの上流側(点線の矢印方向)に水平移動することにより、フィルム状電子部品Fに圧着された粘着テープT1から離型テープT2を剥離する。
(搬送部)
搬送部55は、テープ状部材TPを供給部51から貼着部53を介して回収部56に送る。特に、搬送部55は、ハーフカットラインHCが貼着位置R2に合うように、テープ状部材TPを貼着部53に送り出す。搬送部55は、送りローラ550、図示しない送り用モータを有する。送りローラ550は、一対のローラで離型テープT2を挟み、ローラの回動によってテープ状部材TPを供給部51側から回収部56側へ移動させる。送り用モータは、送りローラ550を回動させる駆動源である。送り用モータは、その回転軸が送りローラ550と連結されており、当該モータの駆動により回転軸が当該軸周りに回転することにより、送りローラ550を回転軸周りに回動させる。
(回収部)
回収部56は、貼着部53において、フィルム状電子部品Fの電極部分に貼着された粘着テープT1から剥離された離型テープT2を回収する。回収部56は、回収リール560、経路ローラ561を有する。回収リール560は、離型テープT2を巻き取って回収するリールである。経路ローラ561は、貼着部53側からの離型テープT2の移動方向を変えて、回収リール560に向けて送り出すローラである。
[実装装置]
実装装置60は、図2及び図3に示すように、表示パネルDの電極に対して、フィルム状電子部品Fの電極またはチップ状電子部品Cの電極を、ACFを介して加熱圧着する装置である。
実装装置60は、テーブル610、圧着部620を有する。テーブル610は、表示パネルDが載置される水平な板状体である。テーブル610の上面には、図示はしないが、空気圧回路に接続された吸着穴が形成され、表示パネルDを負圧により吸着保持する。テーブル610は、図示しない駆動機構によって、X軸、Y軸に沿う方向及びθ方向に移動可能に設けられている。
圧着部620は、図3に示すように、加圧部材621、バックアップ622を有する。加圧部材621は、図示しない駆動機構によって、テーブル610に支持された表示パネルDにフィルム状電子部品Fまたはチップ状電子部品Cを重ね合わせ、加熱及び加圧する。加圧部材621は、図示しない保持部によってフィルム状電子部品Fまたはチップ状電子部品Cを吸着保持し、図示しない加熱装置によって加熱される。バックアップ622は、加圧部材621によってACFを介して、フィルム状電子部品Fまたはチップ状電子部品Cを加熱圧着する際、表示パネルDを支持する部材である。
なお、本実施形態では詳細な説明を省略するが、チップ状電子部品Cを加熱圧着する場合には、予め表示パネルD側にACFが貼着されているものとする。また、フィルム状電子部品Fを加熱圧着する場合であっても、予め表示パネルD側にACFが貼着されていてもよい。この場合には、貼着装置50によるACFの貼着は行われない。
圧着部620は、最終的な圧着を行う前の仮圧着を行うための装置である。圧着部620による仮圧着後に、図示はしないが、後流の工程に配置された本圧着部による本圧着が行われる。
[制御装置]
制御装置80は、図10に示すように、機構制御部81、記憶部82、入出力制御部83を有する。機構制御部81は、打抜供給装置10、トレイ供給装置20、受渡装置40、貼着装置50及び実装装置60の各部の動作を制御する。記憶部82は、上記の各部を実現するためのプログラム、データ等、本実施形態の制御に必要な情報を記憶する。入出力制御部83は、制御対象となる各部との間での信号の変換や入出力を制御するインタフェースである。
さらに、制御装置80には、入力装置91、出力装置92が接続されている。入力装置91は、オペレータが、制御装置80を介して電子部品実装装置を操作するためのスイッチ、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力手段である。出力装置92は、電子部品実装装置の状態を確認するための情報を、オペレータが視認可能な状態とする表示装置等の出力手段である。
[作用]
以上のような電子部品実装装置の作用を、フィルム状電子部品Fを実装する場合、チップ状電子部品Cを実装する場合に分けて説明する。
(フィルム状電子部品の実装)
まず、フィルム状電子部品Fを実装する手順を、図3(A)、図11乃至図13を参照して説明する。装着部410に対しては、第1の保持ヘッドH1が予め装着されているものとする。また、搬送部55により、ハーフカットラインHCが形成されたテープ状部材TPが、そのハーフカットラインHCを貼着位置R2に位置決めされている。図11に示すように、移動機構420は、装着部410に装着された第1の保持ヘッドH1を、打抜供給装置10の直下に来るように移動させる(ステップS01)。打抜供給装置10においては、フィルム状電子部品Fが打ち抜かれる(ステップS02)。打ち抜かれたフィルム状電子部品Fは、パンチ132により吸着された状態で下降して、吸着の解除とともに、第1の保持ヘッドH1の保持部H11により吸着される。これにより、第1の保持ヘッドH1が、フィルム状電子部品Fを受け取る(ステップS03)。
移動機構420は、フィルム状電子部品Fを受け取った第1の保持ヘッドH1を、第1のアーム431の端部の吸着ノズル431aの下部に移動させる(ステップS04)。すなわち、移動機構420は、第1のアーム431の4つのアームのうち、上述の12時の位置に位置付けられたアームの吸着ノズル431aの直下にフィルム状電子部品Fが位置するように第1の保持ヘッドH1を移動させる。
さらに、移動機構420は、フィルム状電子部品Fの端部が第1のアーム431の基準位置R1aまたはR1bに合うように、フィルム状電子部品FをX方向に位置付ける(ステップS05)。フィルム状電子部品Fの端部を基準位置R1aまたはR1bのいずれに合わせるかは、第1のアーム431の回動方向によって決まる。すなわち、第1のアーム431を反時計回りに回動させてフィルム状電子部品Fを貼着装置50aに対向させる場合には、フィルム状電子部品Fの端部(第1のアーム431の中心から見て右辺)を基準位置R1aに合わせる。また、第1のアーム431を時計回りに回動させてフィルム状電子部品Fを貼着装置50bに対向させる場合には、フィルム状電子部品Fの端部(第1のアーム431の中心から見て左辺)を基準位置R1bに合わせる。フィルム状電子部品Fの端部を基準位置R1aまたはR1bに合わせた後、第1の保持ヘッドH1の保持部H11の吸着の解除とともに、吸着ノズル431aによる吸着を行うことにより、第1のアーム431は、フィルム状電子部品Fの端部を基準位置R1aまたはR1bに合わせた状態で、フィルム状電子部品Fを受け取る(ステップS06)。
次に、上述の12時の位置において、清掃装置Bが上昇し、回転するブラシB1が接触することにより、フィルム状電子部品Fの電極部分を清掃する(ステップS07)。さらに、清掃を終えた清掃装置Bが下降すると、ゲージング装置Gの迫出面G1が12時の位置に向いて移動して、フィルム状電子部品Fに当接することで、吸着ノズル431aに吸着されたフィルム状電子部品FをY方向に位置合わせする(ステップS08)。
次に、図12を参照しつつ、フィルム状電子部品Fに対するACFの貼着及び表示パネルDに対するフィルム状電子部品Fの仮圧着について説明する。12時の位置において清掃装置Bによる清掃及びゲージング装置Gによる位置合わせを終えた後、第1のアーム431を反時計回りまたは時計回りに回動させることにより、9時の位置に設けられた貼着装置50aまたは3時の位置に設けられた貼着装置50bにフィルム状電子部品Fを位置付ける(ステップS11)。より詳細には、バックアップ部材531とテープ状部材TPとの間に、第1のアーム431の上面が支持ローラ531aに当接しながら入り込み、フィルム状電子部品Fとフィルム状電子部品Fを吸着した第1のアーム431が挟まれる形で位置づけられる。
この時、第1のアーム431に設定されている基準位置R1aまたはR1bは、第1のアーム431が12時の位置において、第1のアーム431が回動して貼着装置50に位置づけられた時、ACFが貼着される位置に設定されているので、第1のアーム431に設定されている基準位置R1aまたはR1bと加圧ヘッド530に設定されている貼着位置R2とが一致している。また、上述のように、ハーフカットラインHCが形成されたテープ状部材TPが、そのハーフカットラインHCを貼着位置R2に位置決めされている。すなわち、図13(A)に示すように、基準位置R1a、ハーフカットラインHC、貼着位置R2の全てが一致している。また、図13(B)に示すように、基準位置R1b、ハーフカットラインHC、貼着位置R2の全てが一致している。これにより、貼着装置50において、フィルム状電子部品Fの寸法が変わる毎に、テープ状部材TPのハーフカットラインHCを位置合わせする制御や、加圧ヘッド530の端部を移動させる移動機構を設ける事無く、寸法の異なったフィルム状電子部品FにACFを貼着する事が出来る。
この状態で、バックアップ部材531の支持ローラ531aが第1のアーム431の上面を支持している。次に、加圧ヘッド530が上昇することにより(ステップS12)、テープ状部材TPを離型テープT2側から押し上げ、ハーフカットされた粘着テープT1をフィルム状電子部品Fの電極部分に貼着させる(ステップS13)。粘着テープT1を貼着させた後、加圧ヘッド530を下降させ、剥離棒540、541をテープ状部材TPの上流側に水平移動させることにより、フィルム状電子部品Fの電極部分に貼着された粘着テープT1から離型テープT2を剥離する(ステップS14)。このように、フィルム状電子部品Fに粘着テープT1、すなわちACFが貼着される。
フィルム状電子部品FにACFが貼着された後、第1のアーム431を回動させることにより、6時の位置にフィルム状電子部品Fを位置付け、フィルム状電子部品Fを、12時の位置で待機する第2のアーム432の吸着ノズル432bの上部に移動させる(ステップS15)。そして、第1のアーム431の吸着ノズル431aによる吸着を解除するとともに、吸着ノズル432bによる吸着を行うことにより、フィルム状電子部品Fは、第2のアーム432に渡される(ステップS16)。
第2のアーム432は、XY平面を180°回動して、フィルム状電子部品Fを実装装置60の圧着部620に移動させる(ステップS17)。第2のアーム432の吸着ノズル432bによる吸着を解除するとともに、加圧部材621による吸着を行うことにより、フィルム状電子部品Fを加圧部材621に保持させる。そして、フィルム状電子部品Fを吸着した加圧部材621が下降することにより、フィルム状電子部品Fの電極が、ACFを介して、表示パネルDの電極に加熱圧着される(ステップS18)。加圧部材621による吸着が解除されて、フィルム状電子部品Fが仮圧着された表示パネルDは、本圧着部に搬送されて本圧着が行われる。
なお、上記のフィルム状電子部品Fの供給は、まず、一方の打抜供給装置10aによって行われる。そして、打抜供給装置10aの供給部110の薄板状部材STが無くなると、他方の打抜供給装置10bに切り替えて、継続してフィルム状電子部品Fの供給が行われる。その間に、打抜供給装置10aの薄板状部材STのリールが交換され、他方の打抜供給装置10bの薄板状部材STが無くなると、再び打抜供給装置10aによるフィルム状電子部品Fの供給に切り替わる。これにより、電子部品実装装置を停止させることなく、実装を継続して行うことができる。
また、図2に示すように、上記のテープ状部材TPの供給及び貼着は、まず、一方の貼着装置50aによって行われる。そして、貼着装置50aの供給部51のテープ状部材TPが無くなると、他方の貼着装置50bに切り替えて、継続してテープ状部材TPの供給が行われる。この場合、図8(B)に示すように、第1のアーム431の回動方向が時計回りになり、フィルム状電子部品Fの端部を合わせる位置を基準位置R1aから基準位置R1bに変更する。これにより、電子部品実装装置を停止させることなく、ACFの貼着を継続して行うことができる。また、この間に、貼着装置50aのテープ状部材TPのリールが交換され、他方の貼着装置50bのテープ状部材TPが無くなると、再び貼着装置50aによるテープ状部材TPの供給に切り替わり、図8(A)に示すように、第1のアーム431の回動方向が再び反時計回りになり、フィルム状電子部品Fの端部を合わせる位置を基準位置R1bから基準位置R1aに戻す。
(チップ状電子部品の実装)
次に、チップ状電子部品Cの実装の手順を、図3(B)、図5、図14を参照して説明する。装着部410に対しては、第2の保持ヘッドH2が予め装着されているものとする。移動機構420は、図5(A)に示すように、装着部410に装着された第2の保持ヘッドH2を、トレイ供給装置20の直下に来るように移動させる(ステップS21)。トレイ供給装置20においては、図5(B)に示すように、第2の保持ヘッドH2の保持部H21が、最下層のトレイTの底面に接して吸着保持する(ステップS22)。そして、以下のような手順によって、第2の保持ヘッドH2の保持部H21が、トレイTを受け取る(ステップS23)。
図5(C)に示すように、トレイ供給装置20は、把持部220による把持を解除する。そして、図5(D)に示すように、第2の保持ヘッドH2がトレイTの一枚分だけ下降する。把持部220は、図5(E)に示すように、最下層から一つ上のトレイTを把持部220によって把持する。図5(F)に示すように、第2の保持ヘッドH2が下降して、保持部H21にトレイTが渡される。
移動機構420は、トレイTを受け取った第2の保持ヘッドH2を、第2のアーム432の吸着ノズル432bの下部に移動させる(ステップS24)。すなわち、移動機構420は、上述の12時の位置に位置付けられた第2のアーム432の吸着ノズル432bの下方にトレイTが位置するように第2の保持ヘッドH2を移動させる。第2のアーム432の吸着ノズル432bは、回転ヘッド432aの回転によって、第2の保持ヘッドH2に保持されたトレイTに対向する。
移動機構420は、トレイT上の各チップ状電子部品Cを、第2のアーム432の吸着ノズル432bに対向する位置に順次位置決めする。なお、この位置決めは、図示しない走査部がトレイTを走査することにより行われる。より具体的には、トレイTには格子状に区切られた各収容部が設けられ、これらの収容部内にチップ状電子部品Cが収容されている。そこで、第2のアーム432の吸着ノズル432bがチップ状電子部品Cを受け取る位置、つまり、第2のアーム432が12時の位置に停止したときに吸着ノズル432bの直下となる位置に各収容部を順次位置決めする。そして、トレイT上の一つの収容部が位置決めされたら、吸着ノズル432bによる吸着を開始することにより、チップ状電子部品Cは、第2のアーム432に渡される(ステップS25)。
第2のアーム432は、XY平面を180°回動して、チップ状電子部品Cを実装装置60の圧着部620に移動させる(ステップS26)。この移動の途中で、回転ヘッド432aがα方向に回転して、チップ状電子部品Cの電極が下方を向くように反転する。第2のアーム432の吸着ノズル432bによる吸着を解除するとともに、圧着部620の加圧部材621による吸着を行うことにより、チップ状電子部品Cを加圧部材621が保持する。そして、チップ状電子部品Cの電極部分が、ACFを介して、表示パネルDの電極に加熱圧着される(ステップS27)。加圧部材621による吸着が解除されて、チップ状電子部品Cが仮圧着された表示パネルDは、本圧着部に搬送されて本圧着が行われる。
なお、一枚のトレイTからチップ状電子部品Cを取り終えると、移動機構420は、空のトレイTを保持した第2の保持ヘッドH2を、トレイ供給装置20に用意された空のトレイTの収容部まで搬送して、この収容部にトレイTを渡す。そして、上記のように、移動機構420は、第2の保持ヘッドH2により、チップ状電子部品Cを収容したトレイTを受け取らせて、チップ状電子部品Cの実装を行う。なお、空のトレイTの収容部は、例えば、トレイ供給装置20の隣接位置に、トレイ供給装置20と同様の構成にて設けることができる。このように構成することで、トレイ供給装置20と逆の手順、つまり、図5における(F)、(E)、(D)、(C)、(B)、(A)の手順で空のトレイTを積層して収容することができる。
このようなトレイTの供給は、まず、一方のトレイ供給装置20aによって行われる。そして、トレイ供給装置20aから、チップ状電子部品Cを収容したトレイTが無くなると、他方のトレイ供給装置20bに切り替えて、継続してトレイTの供給が行われる。その間に、トレイ供給装置20aのトレイTが交換され、他方のトレイ供給装置20bのトレイTが無くなると、再びトレイ供給装置20aによるトレイTの供給に切り替わる。これにより、電子部品実装装置を停止させることなく、実装を継続して行うことができる。
[効果]
(1)本実施形態の電子部品実装装置は、フィルム状電子部品Fを供給する供給装置と、フィルム状電子部品Fに異方性導電部材を貼着する第1の貼着装置50aと、フィルム状電子部品Fに異方性導電部材を貼着する第2の貼着装置50bと、表示パネルDに、異方性導電部材が貼着されたフィルム状電子部品Fを実装する実装装置60と、打抜供給装置10からフィルム状電子部品Fを受け取り、第1の貼着装置50aまたは第2の貼着装置50bにより異方性導電部材が貼着された後、実装装置60に渡す受渡装置40と、を備える。
これにより、例えば第1の貼着装置50aでテープ状部材TPが無くなっても、第2の貼着装置50bにより引き続き粘着テープT1、すなわちACFの貼着を行うことが出来るので、生産性を向上させることが出来る。また、第2の貼着装置50bによりACFの貼着を行っている間に第1の貼着装置50aにテープ状部材TPを補充することが出来るので、電子部品実装装置を停止すること無くACFの貼着を続けることが出来る。さらに、例えば第1の貼着装置50aが故障した場合でも、第2の貼着装置50bを稼働させることが出来るので、直ちに生産性が低下するおそれが無い。
(2)本実施形態の受渡装置40には、第1の貼着装置50aまたは第2の貼着装置50bが異方性導電部材を貼着する貼着位置R2に合わせるための基準位置が設定され、受渡装置40は、基準位置にフィルム状電子部品Fの端部を合わせて供給装置からフィルム状電子部品Fを受け取る。
従来技術においては、様々な寸法のCOFにACFを貼着する場合、COFの寸法が変わる毎にACFの切れ目に対する加圧ヘッドの端部の位置合わせが必要であった。例えば、図16に示すように、寸法の異なったCOFに対応する為には、COFの端面にACFに切れ目を合わせる調整と、加圧ヘッドの端部をACFの切れ目に合わせる移動機構と、その調整等、手間と移動機構の増設が必要であった。
一方で、本実施形態の電子部品実装装置においては、図15に示すように、寸法の異なるフィルム状電子部品Fであっても、その端部は基準位置R1に合わせられる。そのため、供給されるフィルム状電子部品Fの寸法が変わっても、貼着装置50の加圧ヘッド530を移動させる移動機構を設ける事無く、フィルム状電子部品FにACFを正確に貼着することが出来る。これにより、貼着装置50の加圧ヘッド530の位置合わせにかかる時間及び手間を省略することが出来るので、生産性を向上させることが出来る上、加圧ヘッド530を移動させる移動機構を省くことが出来るので、コストの削減も出来る。
(3)本実施形態の基準位置は、第1の貼着装置50aの貼着位置R2に合わせるための第1の基準位置R1aと、第2の貼着装置50bの貼着位置R2に合わせるための第2の基準位置R1bと、を備える。このように、貼着装置50毎に基準位置を個別に設けることにより、電子部品実装装置の全体構成において、貼着装置50を自由に配置することが出来る。特に、第1のアーム431に対称に基準位置R1a、R1bを設けることにより、受渡装置40に対称に貼着装置50a、50bを設けることが出来るので、スペースを有効活用することが出来る。
(4)本実施形態の受渡装置40は、打抜供給装置10からフィルム状電子部品Fを受け取る第1のアーム431と、フィルム状電子部品Fの端部を基準位置R1に合わせた状態で、第1のアーム431がフィルム状電子部品Fを受け取った位置を調整するゲージング装置Gと、を備える。これにより、異方性導電部材の幅方向においても、異方性導電部材とフィルム状電子部品Fとの位置合わせを行うことが出来る。
(5)本実施形態の電子部品実装装置は、チップ状電子部品Cが収容されたトレイTを供給するトレイ供給装置20を更に備え、受渡装置40は、トレイ供給装置20から、チップ状電子部品Cを受け取り、実装装置60に渡し、実装装置60は、予め異方性導電部材が貼着された表示パネルDにチップ状電子部品Cを実装する。これにより、表示パネルDに対する異方性導電部材を貼着させたフィルム状電子部品Fの実装と、異方性導電部材を貼着させた表示パネルDに対するチップ状電子部品Cの実装とを選択的に行うことが出来る。
[変形例]
(1)上記実施形態では、単に一方の打抜供給装置10aと他方の打抜供給装置10bとを交互に切り替える構成で説明したが、一方の打抜供給装置10aと他方の打抜供給装置10bとに、異なる寸法のフィルム状電子部品Fが形成された薄板状部材STを装着しても良い。本実施形態により、COFの寸法が変わる毎に、COFの端部に対するACFの切れ目の位置合わせが不要なので、電子部品実装装置を停止させる事無く、容易に表示パネルDに異なる寸法のフィルム状電子部品Fを複数実装することが出来る。
(2)上記実施形態では、フィルム状電子部品Fを供給する構成として薄板状部材STからフィルム状電子部品Fを打ち抜く打抜供給装置10を採用したが、これに限られない。例えば、予め薄板状部材STから打ち抜いておいたフィルム状電子部品Fを供給する供給装置を採用しても良い。
(3)上記実施形態の貼着装置50は、供給部51、切断部52、貼着部53、剥離部54、搬送部55及び回収部56を備えるものとしたが、これに限られない。貼着装置50は、少なくとも貼着部53を備えればよく、他の構成、すなわち供給部51、切断部52、剥離部54、搬送部55及び回収部56については、貼着装置50とは異なる構成としてもよい。
(4)上記実施形態の粘着テープT1には、切断部52により切れ目となるハーフカットラインHCが形成されたが、これに限られない。粘着テープT1は、予めフィルム状電子部品Fの寸法に合わせて切れ目が形成されたものを用いても良い。また、粘着テープT1には必ずしも切れ目が形成されている必要はなく、例えば粘着テープT1の全面に亘って微細な穴が無数に開けられており、剥離部54によってフィルム状電子部品Fの端部を境目にして引き裂かれるようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、貼着装置50aの供給部51のテープ状部材TPが無くなった場合に貼着装置50bに切り替えることとしたが、これに限られない。貼着装置50a、50bを並行して作動させても良い。例えば、まず、フィルム状電子部品Fの端部を基準位置R1aに合わせて第1のアーム431を反時計回りに回動させ、貼着装置50aがフィルム状電子部品FにACFを貼着させた後、第2のアームにフィルム状電子部品Fを渡す。その後、フィルム状電子部品Fの端部を基準位置R1bに合わせて第1のアーム431を時計回りに回動させ、貼着装置50bがフィルム状電子部品FにACFを貼着させた後、第2のアームにフィルム状電子部品Fを渡すようにしても良い。この場合も一方の貼着装置50が故障した場合でも、他方の貼着装置50を稼働させることが出来る。
(6)電子部品実装装置には、第1の保持ヘッドH1、第2の保持ヘッドH2の装着部410があればよく、両者を交換可能とする構成には限定されない。例えば、装着部410を複数有し、一方に第1の保持ヘッドH1、他方に第2の保持ヘッドH2が固定された装置であってもよい。これにより、第1の保持ヘッドH1及び第2の保持ヘッドH2を交換することなく、フィルム状電子部品Fの実装、チップ状電子部品Cの実装を切り換えることができる。
(7)移動機構420は、移送装置430を挟んでX軸方向に一対設けられても良い。つまり、一方の打抜供給装置10a及びトレイ供給装置20aに対応して一方の移動機構420が設けられ、他方の打抜供給装置10b及びトレイ供給装置20bに対応して他方の移動機構420が設けられてもよい。なお、第1の保持ヘッドH1、第2の保持ヘッドH2についても、それぞれ一対の移動機構420に対応して、一対設けられても良い。
(8)フィルム状電子部品F、チップ状電子部品Cの移動経路は、第2のアーム432において共通化されているので、第2のアーム432の2か所の停止位置(12時の位置と6時の位置)において、フィルム状電子部品F、チップ状電子部品Cを撮像するカメラを設置することにより、共通のカメラによって位置決め等を行うことができる。例えば、12時の位置には、吸着ノズル432bの上方の位置に、プリアライメント用カメラを1台配置する。このカメラを用いて、吸着ノズル432bにフィルム状電子部品Fが保持されたときには、フィルム状電子部品Fにおける電極部分の両端に設けられたアライメントマークを撮像し、このアライメントマークに基づいてフィルム状電子部品Fの位置を認識する。認識は、制御装置80によって、公知の画像認識技術を用いて行えばよい。この認識位置に基づいて、フィルム状電子部品Fを加圧部材621に渡すときに、吸着ノズル432bと加圧部材621の相対位置を調整する。このようにすることで、加圧部材621へのフィルム状電子部品Fの受渡し位置精度が確保できる。
また、トレイTからチップ状電子部品Cを取り出すときには、チップ状電子部品Cの電極面に設けられたアライメントマークを撮像し、このアライメントマークに基づいてチップ状電子部品Cの位置を認識する。この認識位置に基づいて、チップ状電子部品Cを取り出すときの吸着ノズル432bとチップ状電子部品Cの相対位置を調整する。このようにすることで、加圧部材621へのフィルム状電子部品Fの受渡し位置精度が確保できる。
一方、6時の位置には、仮圧着用としての同時認識カメラを一対配置する。同時認識カメラは、フィルム状電子部品F及びチップ状電子部品Cの電極部分の一方の端部に設けられたアライメントマークと、それに対応する表示パネルDのアライメントマークとを、視野内に同時に取り込んで撮像するものである。同時認識カメラは、フィルム状電子部品F、チップ状電子部品Cの両端のアライメントマークに対応して一対配置される。これにより、フィルム状電子部品Fを仮圧着するときであっても、チップ状電子部品Cを仮圧着するときであっても、その精度を確保できる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。