JP7804841B1 - ガスバリア性積層体 - Google Patents

ガスバリア性積層体

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Abstract

紙基材と、該紙基材の少なくとも一方の面上に、酸素バリア層と水蒸気バリア層とをこの順に有するガスバリア性積層体であって、前記酸素バリア層が、水溶性樹脂と、アスペクト比が50以下かつ平均粒子径が3μm以下である無機化合物とを含有し、前記水溶性樹脂が、ケン化度が93%以上の、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有し、前記無機化合物の含有量が、前記水溶性樹脂100質量部に対して150質量部以上540質量部以下であり、前記水蒸気バリア層が水分散性樹脂を含有する、ガスバリア性積層体。

Description

本発明は、ガスバリア性積層体に関する。
従来、紙基材にガスバリア性(酸素バリア性)および水蒸気バリア性を付与するために、紙基材上に、酸素バリア層と、水蒸気バリア層とをこの順に備えて構成されるガスバリア性積層体が知られている。
特許文献1には、紙基材と、該紙基材の少なくとも一方の面上に、ガスバリア層と水蒸気バリア層とをこの順に有するバリア性積層体であって、前記ガスバリア層が、水溶性樹脂バインダーおよび水分散性樹脂バインダー1よりなる群から選ばれる1種以上を含有し、前記水蒸気バリア層が、層状無機化合物、カチオン性樹脂、および水分散性樹脂バインダー2を含有し、水分散性樹脂バインダー1と水分散性樹脂バインダー2は非同一であり、前記層状無機化合物のアスペクト比が特定値以上であり、前記層状無機化合物の厚さが特定値以下であり、前記水蒸気バリア層中の前記層状無機化合物の含有量が、特定の範囲である、バリア性積層体が記載されている。
特許第6870797号
特許文献1に記載されたバリア性積層体は、ガスバリア層が水溶性樹脂バインダーを含有する場合、特に、該ガスバリア層上に水系の水蒸気バリア層塗料を付与すると、酸素バリア性に改善の余地があった。また、耐水性を向上させるために、前記ガスバリア層が水分散性樹脂バインダーを含有する場合、積層体を再利用する際の離解性に課題があった。
本発明は、上記課題の存在に鑑みてなされたものであり、酸素バリア性および水蒸気バリア性に優れ、かつ離解性に優れるガスバリア性積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、紙基材と、該紙基材の少なくとも一方の面上に、酸素バリア層と水蒸気バリア層とをこの順に有するガスバリア性積層体であって、酸素バリア層が、水溶性樹脂と、アスペクト比が特定値以下かつ平均粒子径が特定値以下である無機化合物とを含有し、水溶性樹脂が、ケン化度が93%以上の、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有し、無機化合物の含有量が特定の範囲であり、水蒸気バリア層が水分散性樹脂を含有することにより、酸素バリア性および水蒸気バリア性に優れ、かつ離解性に優れることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の<1>~<18>に関する。
<1> 紙基材と、該紙基材の少なくとも一方の面上に、酸素バリア層と水蒸気バリア層とをこの順に有するガスバリア性積層体であって、前記酸素バリア層が、水溶性樹脂と、アスペクト比が50以下かつ平均粒子径が3μm以下である無機化合物とを含有し、前記水溶性樹脂が、ケン化度が93%以上の、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有し、前記無機化合物の含有量が、前記水溶性樹脂100質量部に対して150質量部以上540質量部以下であり、前記水蒸気バリア層が水分散性樹脂を含有する、ガスバリア性積層体。
<2> 前記水溶性樹脂が、粘度平均重合度が100以上700未満であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールと、粘度平均重合度が700以上2500以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールとを含有する、<1>に記載のガスバリア性積層体。
<3> 前記水溶性樹脂中、粘度平均重合度が100以上700未満であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの含有割合と、粘度平均重合度が700以上2500以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの含有割合との比が、5:95~60:40である、<2>に記載のガスバリア性積層体。
<4> 前記水溶性樹脂が、粘度平均重合度が300以上500以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールと、粘度平均重合度が900以上1200以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールとを含有する、<1>に記載のガスバリア性積層体。
<5> 前記水溶性樹脂中、粘度平均重合度が300以上500以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの含有割合と、粘度平均重合度が900以上1200以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの含有割合との比が、5:95~60:40である、<4>に記載のガスバリア性積層体。
<6> 前記酸素バリア層がさらにアスペクト比が80以上の層状無機化合物を含有し、該層状無機化合物の含有量が前記水溶性樹脂100質量部に対して25質量部以下である、<1>~<5>のいずれか1つに記載のガスバリア性積層体。
<7> 前記無機化合物がカオリンを含有する、<1>~<6>のいずれか1つに記載のガスバリア性積層体。
<8> 前記水分散性樹脂がスチレン/アクリル系共重合体を含有する、<1>~<7>のいずれか1つに記載のガスバリア性積層体。
<9> 前記水蒸気バリア層がさらにワックスを含有する、<1>~<8>のいずれか1つに記載のガスバリア性積層体。
<10> 前記ワックスがパラフィンワックスを含有する、<9>に記載のガスバリア性積層体。
<11> 前記酸素バリア層の付与量が、1g/m以上15g/m以下である、<1>~<10>のいずれか1つに記載のガスバリア性積層体。
<12> 前記水蒸気バリア層の付与量が、4g/m以上8g/m以下である、<1>~<11>のいずれか1つに記載のガスバリア性積層体。
<13> 水蒸気透過度が20g/(m・day)以下である、<1>~<12>のいずれか1つに記載のガスバリア性積層体。
<14> 酸素透過度が30mL/(m・day・atm)以下である、<1>~<13>のいずれか1つに記載のガスバリア性積層体。
<15> 包装材用である、<1>~<14>のいずれか1つに記載のガスバリア性積層体。
<16> <1>~<15>のいずれか1つに記載のガスバリア性積層体を用いてなる、包装袋。
<17> <1>~<15>のいずれか1つに記載のガスバリア性積層体の製造方法であって、前記紙基材の少なくとも一方の面上に、酸素バリア層と水蒸気バリア層とを積層する工程を含み、前記水溶性樹脂が、20℃における4%水溶液の粘度が2mPa・s以上6mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールと、20℃における4%水溶液の粘度が11mPa・s以上35mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールとを含有する、ガスバリア性積層体の製造方法。
<18> 20℃における4%水溶液の粘度が2mPa・s以上6mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの含有割合と、20℃における4%水溶液の粘度が11mPa・s以上35mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの含有割合との比が5:95~60:40である、<17>に記載のガスバリア性積層体の製造方法。
[ガスバリア性積層体]
本実施形態のガスバリア性積層体(以下、単に「ガスバリア性積層体」ともいう)は、紙基材と、該紙基材の少なくとも一方の面上に、酸素バリア層と水蒸気バリア層とをこの順に有するガスバリア性積層体であって、前記酸素バリア層が、水溶性樹脂と、アスペクト比が50以下かつ平均粒子径が3μm以下である無機化合物とを含有し、前記水溶性樹脂が、ケン化度が93%以上の、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有し、前記無機化合物の含有量が、前記水溶性樹脂100質量部に対して150質量部以上540質量部以下であり、前記水蒸気バリア層が水分散性樹脂を含有する。
本実施形態のガスバリア性積層体は、紙基材の少なくとも一方の面上に、特定値以上のケン化度を有する水溶性樹脂と、特定値以下のアスペクト比および特定値以下の平均粒子径を有する無機化合物を特定量含有する酸素バリア層を備え、該酸素バリア層上に、水分散性樹脂を含有する水蒸気バリア層を備えることにより、酸素バリア性および水蒸気バリア性に優れ、かつ離解性に優れるガスバリア性積層体を提供できることが明らかになった。上記効果のメカニズムは不明であるが、以下のように推測される。
紙基材上に、酸素バリア性、水蒸気バリア性およびヒートシール性を持つバリア層を2層構成で形成する場合、現状、酸素バリア性およびヒートシール性を併せ持つ単層が実現されていないため、最外層である2層目に、水蒸気バリア性およびヒートシール性を持たせる必要がある。そのため、紙基材上の少なくとも一方の面上の1層目が、酸素バリア性を有する酸素バリア層である必要がある。酸素バリア層に酸素バリア性を付与するために、該酸素バリア層に水分散性樹脂を含有させると、ガスバリア性積層体を再利用する際の離解性に劣る。そこで、離解性を向上させるために、酸素バリア層に水溶性樹脂を含有させた場合、特に、該酸素バリア層上に水系の水蒸気バリア層塗料を付与すると、該酸素バリア層が溶解されて適切に機能しなくなり、その結果として酸素バリア性に劣る傾向がある。
また、紙基材上の少なくとも一方の面上に、水蒸気バリア層および酸素バリア層に加えて、ヒートシール層を備えた場合、さらに離解性に劣る。
そこで、紙基材上の少なくとも一方の面上の酸素バリア層に、特定値以上のケン化度を有するポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する水溶性樹脂と、特定値以下のアスペクト比および特定値以下の平均粒子径を有する無機化合物を特定量含有させることにより、水系の水蒸気バリア層塗料を付与した場合であっても、酸素バリア層が適切に機能し、その結果として酸素バリア性に優れ、さらに、離解性に優れるガスバリア性積層体を提供できる。
また、酸素バリア層に含まれる無機化合物の含有量に関し、水溶性樹脂100質量部に対して150質量部以上であれば、耐水性にも優れた酸素バリア層となり、酸素バリア層上に水系の水蒸気バリア層塗料を付与した場合であっても、酸素バリア層が溶解等の影響を受けず、その結果として、優れた酸素バリア性および水蒸気バリア性を発現する。さらに、酸素バリア層に溶解等の影響がないことで水蒸気バリア層の成膜性が向上し、その結果として、優れた水蒸気バリア性を発現する。
また、酸素バリア層に含まれる無機化合物の含有量が、水溶性樹脂100質量部に対して540質量部以下であれば、無機化合物の周囲を水溶性樹脂で十分に埋めることができ、隙間が生じず、その結果として、酸素バリア性に優れたものとなる。さらに、酸素バリア層表面の平滑性が向上するため、水蒸気バリア層の成膜性が向上し、その結果として、水蒸気バリア性に優れたものとなる。
なお、上記メカニズムは推測によるものであり、本発明はこれに制限されるものではない。
本実施形態のガスバリア性積層体は、紙基材の少なくとも一方の面上に、酸素バリア層と水蒸気バリア層とをこの順に有していればよく、他方の面上にも、酸素バリア層と水蒸気バリア層とをこの順に有していてもよい。また、本実施形態のガスバリア性積層体は、酸素バリア層と水蒸気バリア層とをこの順に複数層有していてもよく(紙基材/酸素バリア層/水蒸気バリア層/酸素バリア層/水蒸気バリア層・・・)、酸素バリア層を複数層、および水蒸気バリア層を複数層有していてもよい(紙基材/酸素バリア層/酸素バリア層・・・/水蒸気バリア層/水蒸気バリア層・・・)。
本実施形態のガスバリア性積層体を、たとえば食品等の包装体に用いる場合には、紙基材の一方の面上のみに、酸素バリア層と水蒸気バリア層とをこの順に有していることが好ましい。このような構成により、本実施形態のガスバリア性積層体をヒートシールした場合、袋状の包装袋を容易に作製できる。
<紙基材>
本実施形態のガスバリア性積層体に用いられる紙基材は、植物由来のパルプを主成分として一般的に用いられる紙であることが好ましく、木材パルプを主成分とする紙であることがより好ましい。また、機械的離解作用により水中で分散しやすいパルプを主成分とする紙であることが好ましい。
具体的には、晒または未晒クラフト紙、上質紙、板紙、ライナー紙、塗工紙、片艶紙、グラシン紙、グラファン紙等が挙げられ、これらの中でも、晒または未晒クラフト紙、上質紙、片艶紙が好ましい。
本実施形態のガスバリア性積層体は、紙基材を使用することで、環境負荷低減、リサイクル性、廃棄容易性に優れる。
(カナダ標準ろ水度(CSF))
JIS P 8121-2:2012に準拠して測定される、紙基材を構成するパルプのカナダ標準ろ水度(CSF)は、ガスバリア性および水蒸気バリア性を向上させる観点から、好ましくは800mL以下、より好ましくは600mL以下であり、そして、その下限値は、特に限定されないが、好ましくは150mL以上である。
紙基材を構成するパルプのCSFは、JIS P 8220-1:2012に準拠して離解した紙基材パルプを試料として、JIS P 8121-2:2012に準拠して測定される。
紙基材には、公知の内添剤を添加してもよい。内添剤としては、二酸化チタン、カオリン、タルク、炭酸カルシウム等の填料、内添サイズ剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、歩留まり向上剤、pH調整剤、濾水性向上剤、耐水化剤、柔軟剤、帯電防止剤、消泡剤、スライムコントロール剤、染料、顔料等が挙げられる。
紙基材の抄紙においては、公知の湿式抄紙機(たとえば、長網抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等の抄紙機)を適宜選択して使用することができる。抄紙機によって形成された紙層は、たとえば、フェルトにて搬送し、ドライヤーで乾燥させることが好ましい。ドライヤー乾燥前にプレドライヤーとして、多段式シリンダードライヤーを使用してもよい。
また、上述のようにして得られた紙基材に、カレンダーによる表面処理を施して厚みやプロファイルの均一化を図ってもよい。カレンダー処理としては公知のカレンダー処理機を適宜選択して使用することができる。
(坪量)
紙基材の坪量は、ガスバリア性積層体として適度な強度(剛性)を得る観点および成形加工性の観点から、好ましくは20g/m以上、より好ましくは30g/m以上、さらに好ましくは40g/m以上であり、そして、好ましくは500g/m以下、より好ましくは400g/m以下、さらに好ましくは300g/m以下、よりさらに好ましくは200g/m以下、一層好ましくは100g/m以下である。紙基材の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定される。
(厚さ)
紙基材の厚さは、ガスバリア性積層体として適度な強度(剛性)を得る観点および成形加工性の観点から、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは40μm以上、よりさらに好ましくは50μm以上であり、そして、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下、さらに好ましくは150μm以下、よりさらに好ましくは100μm以下である。紙基材の厚さは、JIS P 8118:2014に準拠して測定される。
(密度)
紙基材の密度は、ガスバリア性積層体として適度な強度(剛性)を得る観点および成形加工性の観点から、好ましくは0.5g/cm以上、より好ましくは0.6g/cm以上、さらに好ましくは0.7g/cm以上であり、そして、好ましくは1.2g/cm以下、より好ましくは1.0g/cm以下である。紙基材の密度は、上述した測定方法により得られた、紙基材の坪量および厚さから算出される。
<酸素バリア層>
酸素バリア層は、特に酸素ガスの透過を阻止する酸素バリア性を有する層である。酸素バリア層は、水溶性樹脂と、アスペクト比が50以下かつ平均粒子径が3μm以下である無機化合物とを含有し、前記水溶性樹脂が、ケン化度が93%以上の、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有し、前記無機化合物の含有量が、前記水溶性樹脂100質量部に対して150質量部以上540質量部以下である。
(水溶性樹脂)
水溶性樹脂とは、水に溶解可能な樹脂をいう。水に溶解可能な樹脂とは、0℃以上100℃以下のいずれかの温度において、水100gに1g以上溶解する樹脂をいう。水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、デンプンおよびその誘導体、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ウレタン系樹脂、ポリアクリル酸およびその塩、カゼイン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。これらの中でも、酸素バリア性向上の観点から、水溶性樹脂は、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有し、好ましくは変性ポリビニルアルコールを含有し、より好ましくは変性ポリビニルアルコールである。
≪ケン化度≫
ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールのケン化度は、結晶性を高め、酸素バリア性を向上させる観点、および酸素バリア層上に後述する水蒸気バリア層を付与する際の酸素バリア層への影響を抑制する観点から、93%以上であり、好ましくは95%以上、より好ましくは96%以上、さらに好ましくは97%以上である。ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールのケン化度は、JIS K 6726:1994に準拠して測定される。
≪粘度平均重合度≫
ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールの粘度平均重合度は、ガスバリア性を向上させる観点から、好ましくは100以上、より好ましくは200以上、さらに好ましくは300以上であり、そして、層形成容易性の観点から、好ましくは2500以下、より好ましくは2000以下、さらに好ましくは1700以下、よりさらに好ましくは1400以下、一層好ましくは1200以下である。ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールの粘度平均重合度は、カタログ値等がある場合にはカタログ値等を採用してもよく、カタログ値等がない場合は、JIS K 6726:1994に準拠して測定される。
≪粘度≫
ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールの粘度(20℃、4%溶液)は、ガスバリア性を向上させる観点から、好ましくは1mPa・s以上、より好ましくは2mPa・s以上、さらに好ましくは3mPa・s以上、よりさらに好ましくは10mPa・s以上であり、そして、ガスバリア層を塗工により形成する場合に塗工液の粘度を適度な範囲として層形成を容易にする観点から、好ましくは40mPa・s以下、より好ましくは35mPa・s以下、さらに好ましくは30mPa・s以下である。ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールの粘度(20℃、4%溶液)は、カタログ値等がある場合にはカタログ値等を採用してもよく、カタログ値等がない場合は、JIS K 6726:1994に準拠して測定される。
変性ポリビニルアルコールとしては、エチレン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらの中でも、変性ポリビニルアルコールは、エチレン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、およびアセトアセチル変性ポリビニルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、エチレン変性ポリビニルアルコール、およびカルボキシ変性ポリビニルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することがより好ましく、エチレン変性ポリビニルアルコールを含有することがさらに好ましく、エチレン変性ポリビニルアルコールであることがよりさらに好ましい。
水溶性樹脂として市販品を用いてもよく、たとえば、変性ポリビニルアルコールとして、株式会社クラレ製の「エクセバール(商品名)」等が挙げられる。
水溶性樹脂は、酸素バリア層塗工液の凝集を抑制する観点から、粘度平均重合度が100以上700未満であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールと、粘度平均重合度が700以上2500以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールとを含有することが好ましく、粘度平均重合度が300以上500以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールと、粘度平均重合度が900以上1200以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールとを含有することがより好ましい。
水溶性樹脂において、粘度平均重合度が100以上700未満であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの質量割合と、粘度平均重合度が700以上2500以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの質量割合との比(粘度平均重合度100以上700未満であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコール:粘度平均重合度700~2500であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコール)は、酸素バリア層塗工液の凝集を抑制する観点から、好ましくは5:95~60:40、より好ましくは6:94~55:45、さらに好ましくは7:93~40:60、よりさらに好ましくは8:92~35:65である。
水溶性樹脂において、粘度平均重合度が300以上500以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの質量割合と、粘度平均重合度が900以上1200以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの質量割合との比(粘度平均重合度300~500であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコール:粘度平均重合度700~2500であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコール)は、酸素バリア層塗工液の凝集を抑制する観点から、好ましくは5:95~60:40、より好ましくは6:94~55:45、さらに好ましくは7:93~40:60、よりさらに好ましくは8:92~35:65である。
水溶性樹脂は、酸素バリア層塗工液の凝集を抑制する観点から、20℃における4%水溶液の粘度が2mPa・s以上6mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールと、20℃における4%水溶液の粘度が11mPa・s以上35mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールとを含有することが好ましく、20℃における4%水溶液の粘度が3mPa・s以上5mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールと、20℃における4%水溶液の粘度が11mPa・s以上17mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールとを含有することがより好ましい。
酸素バリア層中の水溶性樹脂の含有量は、酸素バリア性および離解性向上の観点から、酸素バリア層の固形分中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上、よりさらに好ましくは18質量%以上であり、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、よりさらに好ましくは35質量%以下である。
水溶性樹脂中のポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールの含有量は、酸素バリア性向上の観点から、水溶性樹脂の固形分中、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、よりさらに好ましくは95質量%以上であり、そして、その上限は特に限定されず、100質量%以下である。
(無機化合物)
本実施形態において、無機化合物は、酸素バリア層から突出することを抑制し、酸素バリア性を向上させる観点から、アスペクト比が50以下かつ平均粒子径が3μm以下である。
上記の観点から、無機化合物のアスペクト比は、好ましくは2以上、より好ましは5以上であり、そして、好ましくは45以下、より好ましくは40以下、さらに好ましくは38以下である。無機化合物のアスペクト比は、実施例に記載の方法により測定される。
同様の観点から、無機化合物の平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上であり、そして、好ましくは2μm以下、より好ましくは1.5μm以下、さらに好ましくは1.2μm以下である。無機化合物の平均粒子径は、実施例に記載の方法により測定される。
前記無機化合物としては、マイカ、カオリン、パイロフィライト、タルク、ベントナイト、モンモリロナイト、バーミキュライト、緑泥石、セプテ緑泥石、蛇紋石、スチルプノメレーン等が挙げられる。これらの中でも、マイカ、ベントナイト、カオリンおよびタルクよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、マイカおよびカオリンよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することがより好ましく、カオリンを含有することがさらに好ましい。
酸素バリア層中の無機化合物の含有量は、酸素バリア性および水蒸気バリア性向上の観点から、水溶性樹脂100質量部に対して、150質量部以上540質量部以下であり、好ましくは160質量部以上であり、より好ましくは170質量部以上、さらに好ましくは180質量部以上であり、そして、好ましくは480質量部以下、より好ましくは420質量部以下、さらに好ましくは360質量部以下、よりさらに好ましくは320質量部以下である。
(層状無機化合物)
酸素バリア層は、酸素バリア性向上の観点から、さらに、アスペクト比が好ましくは80以上である層状無機化合物を含有してもよい。層状無機化合物のアスペクト比は、より好ましくは100以上、さらに好ましくは300以上、よりさらに好ましくは500以上、一層好ましくは700以上、より一層好ましくは900以上であり、そして、その上限は特に限定されないが、好ましくは10000以下、より好ましくは5000以下、さらに好ましくは3000以下、よりさらに好ましくは1500以下である。
酸素バリア層に層状無機化合物を含有させる場合、層状無機化合物の含有量は、特に限定されないが、酸素バリア層中の水溶性樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは4質量部以上であり、そして、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、さらに好ましくは20質量部以下、よりさらに好ましくは15質量部以下、一層好ましくは13質量部以下である。
層状無機化合物としては、マイカ、カオリン、パイロフィライト、タルク、ベントナイト、モンモリロナイト、バーミキュライト、緑泥石、セプテ緑泥石、蛇紋石、スチルプノメレーン等が挙げられる。これらの中でも、マイカ、ベントナイト、カオリンおよびタルクよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、マイカおよびカオリンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、マイカであることがさらに好ましい。酸素バリア層に含有させる層状無機化合物は、酸素バリア層に含有させる無機化合物と同一の種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
酸素バリア層は、水溶性樹脂、無機化合物、および層状無機化合物以外に、必要に応じて適宜、顔料、分散剤、界面活性剤、消泡剤、濡れ剤、染料、色合い調整剤、増粘剤などを添加することが可能である。
酸素バリア層の付与量は、酸素バリア性向上の観点から、固形分として、片面あたり、好ましくは1g/m以上、より好ましくは1.5g/m以上、さらに好ましくは2.5g/m以上、よりさらに好ましくは3.5g/mであり、そして、塗工量が一定以上となると酸素バリア性が頭打ちとなるため経済性の観点から、好ましくは15g/m以下、より好ましくは13g/m以下、さらに好ましくは11g/m以下、よりさらに好ましくは7g/m以下である。なお、紙基材の一方の面上に複数の酸素バリア層を有する場合、前記酸素バリア層の付与量は、その合計付与量を意味する。
<水蒸気バリア層>
水蒸気バリア層は、水蒸気の透過を阻止する水蒸気バリア性を有する層である。水蒸気バリア層は、水分散性樹脂を含有する。
(水分散性樹脂)
水分散性樹脂とは、水溶性ではないが、エマルションやサスペンションのように水中で微分散された状態となる樹脂をいう。水分散性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/アクリル系共重合体、アクリロニトリル/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、ABS樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ-4-メチルペンテン-1樹脂、ポリブテン-1樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アセタール樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、オレフィン/不飽和カルボン酸共重合体、およびこれらの変性物等が挙げられる。水分散性樹脂は、エマルションであることが好ましく、スチレン/ブタジエン系共重合体、スチレン/アクリル系共重合体、およびオレフィン/不飽和カルボン酸系共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することがより好ましく、スチレン/アクリル系共重合体を含有することがさらに好ましい。
≪スチレン/ブタジエン系共重合体≫
スチレン/ブタジエン系共重合体としては、スチレン/ブタジエン系ゴム(SBR)、変性スチレン/ブタジエン系ゴム(変性SBR)等が挙げられる。
変性スチレン/ブタジエン系ゴムとしては、酸変性スチレン/ブタジエン系ゴム(酸変性SBR)等が挙げられる。
スチレン/ブタジエン系共重合体として市販品を用いてもよく、たとえば日本ゼオン株式会社製の「Nipol LX407Sシリーズ(商品名)」、「Nipol LX407BPシリーズ(商品名)」等が挙げられる。
≪スチレン/アクリル系共重合体≫
スチレン/アクリル系共重合体は、スチレン系単量体と、アクリル系単量体と、必要に応じてこれらと共重合可能なその他の単量体とを乳化重合することによって得られる共重合体である。スチレン系単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-t-ブチルスチレン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル化合物が挙げられる。アクリル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、ブテントリカルボン酸などの不飽和カルボン酸単量体、イタコン酸モノエチルエステル、フマル酸モノブチルエステル、マレイン酸モノブチルエステルなどの少なくとも1個のカルボキシ基を有する不飽和ポリカルボン酸アルキルエステル、アクリルアミドプロパンスルホン酸、アクリル酸スルホエチルナトリウム塩、またはメタクリル酸スルホプロピルナトリウム塩などの(メタ)アクリル系スルホン酸単量体もしくはその塩が挙げられる。その他の単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1~24)エステルが挙げられる。
スチレン系単量体としてはスチレンが好適である。アクリル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸が好適である。
スチレン/アクリル系共重合体として市販品を用いてもよく、たとえば、株式会社第一塗料製造所製の「ハービルシリーズC-3(商品名)」、BASF社製の「ACRONAL4160(商品名)」および「ジョンクリルHPB4130(商品名)」等が挙げられる。
≪オレフィン/不飽和カルボン酸系共重合体≫
オレフィン/不飽和カルボン酸系共重合体は、オレフィン単量体と不飽和カルボン酸系単量体とを乳化重合することにより得られる共重合体である。
オレフィン/不飽和カルボン酸系共重合体のオレフィン単量体としては、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα-オレフィンが挙げられ、これらの中でも、好ましくはエチレンである。
オレフィン/不飽和カルボン酸系共重合体の不飽和カルボン酸系単量体は、不飽和カルボン酸単量体、および加水分解によりカルボン酸を形成する不飽和カルボン酸のエステル単量体を含む。オレフィン/不飽和カルボン酸系共重合体の不飽和カルボン酸系単量体としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、ブテントリカルボン酸などの不飽和カルボン酸およびそのエステル;イタコン酸モノエチルエステル、フマル酸モノブチルエステル、マレイン酸モノブチルエステルなどの、少なくとも1個のカルボキシ基を有する不飽和ポリカルボン酸アルキルエステルが挙げられる。
オレフィン/不飽和カルボン酸系共重合体を構成する不飽和カルボン酸系単量体は、単独で、または2種以上用いてもよい。オレフィン/不飽和カルボン酸系共重合体は、オレフィンおよび不飽和カルボン酸系単量体と共重合可能なその他の単量体が少量共重合されていてもよい。
これらの中でも、オレフィン/不飽和カルボン酸系共重合体は、エチレン/アクリル酸系共重合体、およびエチレン/メタクリル酸系共重合体よりなる群から選ばれる1種以上であることが好ましく、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸ブチル共重合体、およびエチレン/メタクリル酸ブチル共重合体よりなる群から選ばれる1種以上であることがより好ましく、エチレン/アクリル酸共重合体であることがさらに好ましい。
オレフィン/不飽和カルボン酸系共重合体として市販品を用いてもよく、たとえば、エチレン/アクリル酸共重合体アンモニウム塩の水性分散液である、住友精化株式会社製の「ザイクセン(商品名)AC」等が挙げられる。
オレフィン/不飽和カルボン酸系共重合体は、不飽和カルボン酸系単量体単位の含有量が、好ましくは1mol%以上、より好ましくは10mol%以上であり、そして、好ましくは50mol%以下、より好ましくは30mol%以下である。
水分散性樹脂の含有量は、特に限定されないが、水蒸気バリア層の全固形分中、好ましくは20質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、よりさらに好ましくは70質量%以上である。
水蒸気バリア層は、滑り性付与およびブロッキング抑制の観点から、さらにワックスを含有することが好ましい。ワックスとしては、たとえば、動物または植物由来のワックス(たとえば、ミツロウ、カルナバワックスなど)、鉱物ワックス(たとえば、マイクロクリスタリンワックスなど)、石油ワックス等の天然ワックス;ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、ポリエステルワックス等の合成ワックス等が挙げられる。これらの中でも、パラフィンワックス、カルナバワックスおよびポリオレフィンワックスよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、パラフィンワックスを含有することがより好ましい。
水蒸気バリア層中のワックスの含有量は、水蒸気バリア層の全固形分中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
水蒸気バリア層は、水分散性樹脂およびワックス以外に、必要に応じて適宜、分散剤、界面活性剤、消泡剤、濡れ剤、染料、色合い調整剤、増粘剤などを添加することが可能である。
水蒸気バリア層の付与量は、固形分として、片面あたり、好ましくは1g/m以上、より好ましくは3g/m以上、さらに好ましくは4g/m以上であり、そして、好ましくは15g/m以下、より好ましくは10g/m以下、さらに好ましくは8g/m以下である。なお、紙基材の一方の面上に複数の水蒸気バリア層を有する場合、前記水蒸気バリア層の付与量は、その合計付与量を意味する。
<任意の層>
ガスバリア性積層体は、紙基材、酸素バリア層、および水蒸気バリア層に加えて任意の層を含んでもよい。任意の層としては、たとえば印刷層が挙げられる。任意の層として印刷層を有する場合、紙基材の酸素バリア層および水蒸気バリア層を有する側とは逆側に、印刷層を設けることが好ましい。印刷層は顔料およびバインダーを含有することが好ましい。
[ガスバリア性積層体の製造方法]
本実施形態に係るガスバリア性積層体の製造方法は、紙基材の少なくとも一方の面上に、酸素バリア層と水蒸気バリア層とを積層する工程を含むことが好ましく、紙基材の少なくとも一方の面に、酸素バリア層を積層する工程を施した後に、酸素バリア層上に水蒸気バリア層を積層する工程を施すことがより好ましい(紙基材/酸素バリア層/水蒸気バリア層、紙基材/酸素バリア層/水蒸気バリア層/酸素バリア層/水蒸気バリア層・・・、紙基材/酸素バリア層/酸素バリア層・・・/水蒸気バリア層/水蒸気バリア層・・・)。
酸素バリア層は、紙基材の少なくとも一方の面に、上述した酸素バリア層を構成する成分を含む塗工液を塗工することにより形成してもよく、前記成分を溶融押出ラミネートしてもよく、前記成分を含むフィルムを作製して接着剤等を介して貼り合わせることにより形成してもよい。これらの中でも、酸素バリア層は、上述した酸素バリア層を構成する成分を含む塗工液を塗工することにより積層されることが好ましい。
前記塗工液の溶媒としては、特に限定されず、水またはエタノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトンもしくはトルエンなどの有機溶媒を用いることができる。これらの中でも、揮発性有機溶媒の問題を生じない観点から、前記塗工液の分散媒としては、水が好ましい。
前記塗工液の固形分量は、特に限定されず、塗工性および乾燥容易性の観点から適宜選択すればよく、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは8質量%以上であり、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
前記塗工液を塗工するための塗工設備には特に制限はなく、公知の設備を用いればよい。塗工設備としては、たとえば、ブレードコーター、バーコーター、エアナイフコーター、スリットダイコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ゲートロールコーター等が挙げられる。
塗工された塗工液を乾燥するための乾燥設備は、特に限定されず、公知の設備を用いることができる。乾燥設備としては、たとえば、熱風乾燥機、赤外線乾燥機、熱板等が挙げられる。また、乾燥温度は、乾燥時間等を考慮して、適宜設定すればよい。
前記塗工液を構成する水溶性樹脂は、酸素バリア層塗工液の凝集を抑制する観点から、20℃における4%水溶液の粘度が2mPa・s以上6mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールと、20℃における4%水溶液の粘度が11mPa・s以上35mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールとを含有することが好ましく、20℃における4%水溶液の粘度が3mPa・s以上5mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールと、20℃における4%水溶液の粘度が11mPa・s以上17mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールとを含有することがより好ましい。
前記塗工液を構成する水溶性樹脂において、20℃における4%水溶液の粘度が2mPa・s以上6mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの含有割合と、20℃における4%水溶液の粘度が11mPa・s以上35mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの含有割合との比(粘度が2~6mPa・sであるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコール:粘度が11~35mPa・sであるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコール)は、酸素バリア層塗工液の凝集を抑制する観点から、好ましくは5:95~60:40、より好ましくは6:94~55:45、さらに好ましくは7:93~40:60、よりさらに好ましくは8:92~35:65である。
前記塗工液を構成する水溶性樹脂において、20℃における4%水溶液の粘度が3mPa・s以上5mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの含有割合と、20℃における4%水溶液の粘度が11mPa・s以上17mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの含有割合との比(粘度が3~5mPa・sであるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコール:粘度が11~17mPa・sであるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコール)は、酸素バリア層塗工液の凝集を抑制する観点から、好ましくは5:95~60:40、より好ましくは6:94~55:45、さらに好ましくは7:93~40:60、よりさらに好ましくは8:92~35:65である。
水蒸気バリア層は、上述した水蒸気バリア層を構成する成分を含む塗工液を塗工することにより形成してもよく、前記成分を溶融押出ラミネートしてもよく、前記成分を含むフィルムを作製して接着剤等を介して貼り合わせることにより形成してもよい。これらの中でも、水蒸気バリア層は、上述した水蒸気バリア層を構成する成分を含む塗工液を塗工することにより積層されることが好ましい。前記塗工液の溶媒、固形分量、塗工設備および乾燥設備は、酸素バリア層塗工液と同様に適宜設定できる。
ガスバリア性積層体は、紙基材、酸素バリア層、および水蒸気バリア層に加えて、上述した任意の層が積層されていてもよい。任意の層は、公知の方法により形成できる。
<ガスバリア性積層体の特性等>
(水蒸気透過度)
ガスバリア性積層体の水蒸気透過度は、低いほど水蒸気が透過されず好ましく、具体的には、好ましくは20g/(m・day)以下、より好ましくは18g/(m・day)以下、さらに好ましくは16g/(m・day)以下、よりさらに好ましくは13g/(m・day)以下、一層好ましくは11g/(m・day)以下、より一層好ましくは9g/(m・day)以下である。ガスバリア性積層体の水蒸気透過度は、実施例に記載の方法により測定される。
(酸素透過度)
ガスバリア性積層体の酸素透過度は、低いほど酸素が透過されず好ましく、具体的には、好ましくは35mL/(m・day・atm)以下、より好ましくは30mL/(m・day・atm)以下、さらに好ましくは25mL/(m・day・atm)以下、よりさらに好ましくは17mL/(m・day・atm)以下、一層好ましくは13mL/(m・day・atm)以下、より一層好ましくは10mL/(m・day・atm)以下、さらに一層好ましくは6mL/(m・day・atm)以下である。ガスバリア性積層体の酸素透過度は、実施例に記載の方法により測定される。
(ヒートシール剥離強度)
ガスバリア性積層体は、水蒸気バリア層同士を160℃、0.2MPa、1秒間の条件でヒートシールしたときのヒートシール剥離強度が、ヒートシール性および製造容易性の観点から、好ましくは1N/15mm以上、より好ましくは2N/15mm以上であり、そして、好ましくは15N/15mm以下、より好ましくは10N/15mm以下、さらに好ましくは7N/15mm以下である。ガスバリア性積層体のヒートシール剥離強度は、実施例に記載の方法により測定される。
(離解率)
ガスバリア性積層体の離解率は、リサイクル性向上の観点から、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上、さらに好ましくは90%以上である。ガスバリア性積層体の離解率は、実施例に記載の方法により測定される。
本実施形態のガスバリア性積層体は、優れた酸素バリア性、水蒸気バリア性および離解性を生かして、食品、果物、医療品、電子部品等の包装材用として好適であり、また、本実施形態のガスバリア性積層体を用いてなる包装袋も提供される。
[包装袋]
本開示の他の実施形態に係る包装袋は、上記ガスバリア性積層体を用いてなる包装袋である。包装袋としては、たとえば、スタンディングパウチ型、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型などの形態が挙げられる。
本実施形態の包装袋は、上記ガスバリア性積層体を折り曲げるか、または二枚重ね合わせ、上記形態となるようその周辺端部を接着剤により接着したものであってもよいが、上記ガスバリア性積層体の水蒸気バリア層を折り曲げるか、または二枚重ね合わせることで水蒸気バリア層を対向させ、上記形態となるようその周辺端部をヒートシールしたものであることが好ましい。
以下に実施例と比較例とを挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、実施例および比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を示す。
[分析および評価]
実施例および比較例で用いた無機化合物、水溶性樹脂、層状無機化合物、酸素バリア層塗工液について、以下の分析を行った。また、実施例および比較例のガスバリア性積層体について、以下の評価を行った。
<無機化合物および/または層状無機化合物>
(アスペクト比)
無機化合物および層状無機化合物のアスペクト比は、電子顕微鏡で撮影される拡大写真から求めた。具体的には、無機化合物および/または層状無機化合物を含有する積層体の断面について、電子顕微鏡を用いて画面内に顔料が20~50個程度含まれる倍率として拡大写真を撮影し、画面内の顔料の個々の長さと厚さを測定してアスペクト比を算出した。得られたアスペクト比の平均値を算出して、無機化合物および層状無機化合物のアスペクト比とした。
(平均粒子径)
無機化合物の平均粒子径は、レーザー回析・散乱式粒子径分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製、商品名:マイクロトラックMT3300EXII)により、体積基準の粒子径分布において、積算値が50%になる粒子径(D50)として求めた。
<水溶性樹脂>
(ケン化度)
水溶性樹脂のケン化度は、JIS K 6726:1994に準拠して測定した。
(粘度平均重合度)
水溶性樹脂の粘度平均重合度は、JIS K 6726:1994に準拠して測定した。
<酸素バリア層塗工液>
(凝集物の割合)
酸素バリア層塗工液の凝集物の割合は、マーロン安定度試験機(株式会社エスエムテー製、商品名:PM-9302MT)を使用し、固形分濃度が10質量%になるよう調整した塗工液を用いて測定した。具体的には、塗工液50g(有姿)をマーロン安定度試験機にて15kgの荷重をかけて1000rpmで20分間回転し、発生した凝集物を200メッシュのステンレス製金網で濾過、水洗後回収し、105℃の乾燥機で30分間乾燥させたのちに質量を測定し、塗工液50g(有姿)中に含まれる固形分に対する凝集物の割合を算出した。
<ガスバリア性積層体>
(水蒸気透過度)
ガスバリア性積層体の水蒸気透過度は、JIS Z 0208:1976(カップ法)B法(温度40±0.5℃、相対湿度90±2%)に準拠し、ガスバリア性積層体の水蒸気バリア層を内側にして測定した。
(酸素透過度)
ガスバリア性積層体の酸素透過度は、酸素透過率測定装置(MOCON社製、商品名:OX-TRAN2/22)を使用し、23℃、50%RHの条件にて測定した。具体的には、ガスバリア性積層体の水蒸気バリア層表面に、イソシアネート系接着剤(DIC株式会社製、「ディックドライLX-500(商品名)」を10部に対して「ディックドライKW-75(商品名)」を1部混合)を固形分で4g/m塗布した後、80℃に設定した送風乾燥機で10秒間乾燥し、厚さ20μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(北越化成株式会社製、商品名:GP-32)を貼合して積層シートを形成した。積層シートについて、JIS K 7126-2:2006に準拠して、23℃、50%RHにおける酸素透過度を測定した。酸素透過度の値は低いほど酸素バリア性に優れる。なお、無延伸ポリプロピレンフィルムを積層するのは、積層体の凹凸に影響されず測定しやすくするためであり、無延伸ポリプロピレンフィルムは酸素透過度に影響を与えない。
(ヒートシール剥離強度)
2枚1組のガスバリア性積層体を、水蒸気バリア層が向き合うようにして重ね、ヒートシールテスター(テスター産業株式会社製、商品名:TP-701-B)を用いて、160℃、0.2MPa、1秒間の条件でヒートシールした。ヒートシールされた試験片を温度23℃±1℃、相対湿度50%±2%の室内で4時間以上静置した。続いて、ヒートシールされた試験片を15mm幅にカットし、引張試験機を用いて、引張速度300mm/minでT字剥離し、記録された最大荷重をヒートシール剥離強度とした。
(離解率)
絶乾質量50gのガスバリア性積層体を約3cm角に断裁し、ガスバリア性積層体の濃度が2.5%となるように40℃の温水で希釈し、TAPPI標準離解機(熊谷理機株式会社製)を用いて3000rpmの回転数で10分間離解処理した。得られたパルプスラリーを6カット(スリット幅0.15mm)のスクリーンプレートをセットしたフラットスクリーン(熊谷理機株式会社製)に供し、8.6L/minの水流中で精選処理した。スクリーンプレート上に残った未離解物を回収して105℃のオーブンで乾燥して質量を測定し、以下の計算式から離解率を算出した。
離解率(%)={試験に供したガスバリア性積層体の絶乾質量(g)-未離解物の絶乾質量(g)}/試験に供したガスバリア性積層体の絶乾質量(g)×100
実施例1
<酸素バリア層塗工液の調製>
エチレン変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、「エクセバールHR-3010(商品名)」、ケン化度:99%、粘度平均重合度:1,000、粘度(20℃、4%水溶液):12.0-16.0mPa・s(カタログ値))の固形分濃度10%水溶液100質量部(固形分)に、カオリン(白石工業株式会社製、「コンツァーXtreme(商品名)」、粒子径:0.9μm、アスペクト比:約33)を水に分散した固形分濃度50%の水分散液200質量部(固形分)を加え、さらに固形分濃度が10質量%になるよう水を加えて撹拌し、酸素バリア層塗工液を調製した。
<水蒸気バリア層塗工液の調製>
パラフィンを含有するスチレンアクリル水系ディスパージョン(BASFジャパン株式会社製、「ジョンクリルHPB4130(商品名)」、固形分濃度42%)100質量部(固形分)に、固形分濃度が30質量%になるよう水を加えて撹拌し、水蒸気バリア層塗工液を調製した。
<ガスバリア性積層体の作製>
得られた酸素バリア層塗工液を、坪量50g/m、厚さ66μmの片艶晒クラフト紙(王子マテリア株式会社製、離解後のCSF:400mL)のザラ面に固形分で4g/mとなるようにバーコーターで塗工し、140℃に設定した送風乾燥機で20秒間乾燥することにより酸素バリア層を形成した。さらに、得られた水蒸気バリア層塗工液を酸素バリア層の上に固形分で6g/mとなるようにバーコーターで塗工し、140℃に設定した送風乾燥機で20秒間乾燥することにより水蒸気バリア層を形成しガスバリア性積層体を得た。その測定結果を表1に示す。
実施例2および8
酸素バリア層塗工液の調製において、カオリンの添加量を表1に示す値としたこと以外は実施例1と同様にしてガスバリア性積層体を得た。その測定結果を表1に示す。
実施例3
酸素バリア層塗工液の調製において、カオリンの添加量を表1に示す値とし、酸素バリア層の付与量を表1に示す値としたこと以外は実施例1と同様にしてガスバリア性積層体を得た。その測定結果を表1に示す。
実施例4~7
酸素バリア層の付与量を表1に示す値としたこと以外は実施例3と同様にしてガスバリア性積層体を得た。その測定結果を表1に示す。
実施例9
酸素バリア層塗工液の調製において、使用したエチレン変性ポリビニルアルコールを「エクセバールAQ-4104(商品名)」(株式会社クラレ製、ケン化度:99%、粘度平均重合度:400、粘度(20℃、4%水溶液)3.5-4.5mPa・s(カタログ値))に変更したこと以外は実施例7と同様にしてガスバリア性積層体を得た。その測定結果を表1に示す。
実施例10
酸素バリア層塗工液の調製において、使用したカオリンを「カオファイン90(商品名)」(白石工業株式会社製、粒子径:0.3μm、アスペクト比:約10)に変更したこと以外は実施例2と同様にしてガスバリア性積層体を得た。その測定結果を表1に示す。
実施例11
酸素バリア層塗工液の調製において、さらに合成マイカ(トピー工業株式会社製、「NTS-10NC(商品名)」、粒子径:19.8μm、アスペクト比:約1260)を水に分散した固形分濃度8%の水分散液10質量部(固形分)を加えたこと以外は実施例2と同様にしてガスバリア性積層体を得た。その測定結果を表1に示す。
実施例12
酸素バリア層塗工液の調製において、合成マイカの添加量を表1に示す値としたこと以外は実施例11と同様にしてガスバリア性積層体を得た。その測定結果を表1に示す。
実施例13
酸素バリア層塗工液の調製において、エチレン変性ポリビニルアルコールを、「エクセバールAQ-4104(商品名)」(株式会社クラレ製、ケン化度:99%、粘度平均重合度:400、粘度(20℃、4%水溶液)3.5-4.5mPa・s(カタログ値))の固形分濃度10%水溶液10質量部(固形分)と、「エクセバールHR-3010(商品名)」(株式会社クラレ製、ケン化度:99%、粘度平均重合度:1,000、粘度(20℃、4%水溶液):12.0-16.0mPa・s(カタログ値))の固形分濃度10%水溶液90質量部(固形分)とに変更したこと以外は実施例1と同様にしてガスバリア性積層体を得た。その測定結果を表2に示す。
実施例14および15
酸素バリア層塗工液の調製において、使用した「エクセバールAQ-4104(商品名)」(株式会社クラレ製、ケン化度:99%、粘度平均重合度:400、粘度(20℃、4%水溶液)3.5-4.5mPa・s(カタログ値))の固形分濃度10%水溶液の配合量(固形分)と、エチレン変性ポリビニルアルコール「エクセバールHR-3010(商品名)」(株式会社クラレ製、ケン化度:99%、粘度平均重合度:1,000、粘度(20℃、4%水溶液):12.0-16.0mPa・s(カタログ値))の固形分濃度10%水溶液の配合量(固形分)とを表2に示す値としたこと以外は実施例13と同様にしてガスバリア性積層体を得た。その測定結果を表2に示す。
実施例16
酸素バリア層塗工液の調製において、使用したエチレン変性ポリビニルアルコールを「エクセバールAQ-4104(商品名)」(株式会社クラレ製、ケン化度:99%、粘度平均重合度:400、粘度(20℃、4%水溶液)3.5-4.5mPa・s(カタログ値))100質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてガスバリア性積層体を得た。その測定結果を表2に示す。
比較例1および2
酸素バリア層塗工液の調製において、カオリンの添加量を表3に示す値としたこと以外は実施例1と同様にしてガスバリア性積層体を得た。その測定結果を表3に示す。
比較例3
酸素バリア層塗工液の調製において、使用したカオリンを「バリサーフHX(商品名)」(白石工業株式会社製、粒子径:9μm、アスペクト比:約100)に変更したこと以外は実施例5と同様にしてガスバリア性積層体を得た。その測定結果を表3に示す。
比較例4
酸素バリア層塗工液の調製において、使用したポリビニルアルコールを「PVA-217(商品名)」(株式会社クラレ製、ケン化度:88%、粘度平均重合度:1,700、粘度(20℃、4%水溶液):20.5-24.5mPa・s(カタログ値))に変更したこと以外は実施例5と同様にしてガスバリア性積層体を得た。その測定結果を表3に示す。
比較例5
酸素バリア層塗工液の調製において、ポリウレタンディスパージョン(三井化学株式会社製、「タケラックWPB-341」、固形分濃度30%)100質量部(固形分)に、固形分濃度が25質量%になるよう水を加えて撹拌し、酸素バリア層塗工液を調製したこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性積層体を得た。その測定結果を表3に示す。
表1および2からわかるように、本発明によれば、酸素バリア性および水蒸気バリア性に優れ、かつ離解性に優れるガスバリア性積層体が提供される。

Claims (17)

  1. 紙基材と、該紙基材の少なくとも一方の面上に、酸素バリア層と水蒸気バリア層とをこの順に有するガスバリア性積層体であって、
    前記酸素バリア層が、水溶性樹脂と、アスペクト比が50以下かつ平均粒子径が3μm以下である無機化合物とを含有し、
    前記水溶性樹脂が、ケン化度が93%以上の、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有し、
    前記無機化合物の含有量が、前記水溶性樹脂100質量部に対して150質量部以上540質量部以下であり、
    前記水蒸気バリア層が水分散性樹脂を含有し、
    前記水溶性樹脂が、粘度平均重合度が100以上700未満であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールと、粘度平均重合度が700以上2500以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールとを含有する、
    ガスバリア性積層体。
  2. 紙基材と、該紙基材の少なくとも一方の面上に、酸素バリア層と水蒸気バリア層とをこの順に有するガスバリア性積層体であって、
    前記酸素バリア層が、水溶性樹脂と、アスペクト比が50以下かつ平均粒子径が3μm以下である無機化合物とを含有し、
    前記水溶性樹脂が、ケン化度が93%以上の、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有し、
    前記無機化合物の含有量が、前記水溶性樹脂100質量部に対して150質量部以上540質量部以下であり、
    前記水蒸気バリア層が水分散性樹脂を含有し、
    前記水溶性樹脂が、粘度平均重合度が300以上500以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールと、粘度平均重合度が900以上1200以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールとを含有する、
    ガスバリア性積層体。
  3. 前記水溶性樹脂中、粘度平均重合度が100以上700未満であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの含有割合と、粘度平均重合度が700以上2500以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの含有割合との比が、5:95~60:40である、請求項に記載のガスバリア性積層体。
  4. 前記水溶性樹脂中、粘度平均重合度が300以上500以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの含有割合と、粘度平均重合度が900以上1200以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの含有割合との比が、5:95~60:40である、請求項に記載のガスバリア性積層体。
  5. 前記酸素バリア層がさらにアスペクト比が80以上の層状無機化合物を含有し、該層状無機化合物の含有量が前記水溶性樹脂100質量部に対して25質量部以下である、請求項1~のいずれか1項に記載のガスバリア性積層体。
  6. 前記無機化合物がカオリンを含有する、請求項1~のいずれか1項に記載のガスバリア性積層体。
  7. 前記水分散性樹脂がスチレン/アクリル系共重合体を含有する、請求項1~のいずれか1項に記載のガスバリア性積層体。
  8. 前記水蒸気バリア層がさらにワックスを含有する、請求項1~のいずれか1項に記載のガスバリア性積層体。
  9. 前記ワックスがパラフィンワックスを含有する、請求項に記載のガスバリア性積層体。
  10. 前記酸素バリア層の付与量が、1g/m以上15g/m以下である、請求項1~のいずれか1項に記載のガスバリア性積層体。
  11. 前記水蒸気バリア層の付与量が、4g/m以上8g/m以下である、請求項1~のいずれか1項に記載のガスバリア性積層体。
  12. 水蒸気透過度が20g/(m・day)以下である、請求項1~のいずれか1項に記載のガスバリア性積層体。
  13. 酸素透過度が30mL/(m・day・atm)以下である、請求項1~のいずれか1項に記載のガスバリア性積層体。
  14. 包装材用である、請求項1~のいずれか1項に記載のガスバリア性積層体。
  15. 請求項1~のいずれか1項に記載のガスバリア性積層体を用いてなる、包装袋。
  16. 請求項1~のいずれか1項に記載のガスバリア性積層体の製造方法であって、
    前記紙基材の少なくとも一方の面上に、酸素バリア層と水蒸気バリア層とを積層する工程を含み、
    前記水溶性樹脂が、20℃における4%水溶液の粘度が2mPa・s以上6mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールと、20℃における4%水溶液の粘度が11mPa・s以上35mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールとを含有する、ガスバリア性積層体の製造方法。
  17. 20℃における4%水溶液の粘度が2mPa・s以上6mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの含有割合と、20℃における4%水溶液の粘度が11mPa・s以上35mPa・s以下であるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールの含有割合との比が5:95~60:40である、請求項16に記載のガスバリア性積層体の製造方法。
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