JP7800486B2 - レーザ溶接方法 - Google Patents
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Description
積層した複数の金属板を立てた状態で溶接する場合、溶融池がある程度大きくなり、湯量が多くなると、溶融池に作用する重力によって、溶融池おける鉛直方向上側の板厚方向の厚さが薄くなる。そのため、レーザビームの照射によって溶融池に形成されるキーホールが大きくなり過ぎ、穴空き等の溶接不良が発生する虞があった。
積層された複数の金属板を立てた状態で、レーザビームを照射して前記複数の金属板を溶接するレーザ溶接方法であって、
前記複数の金属板に前記レーザビームを照射し、円形状の溶融池を形成するステップと、
前記溶融池の外周に沿って、前記レーザビームを1周走査させ、前記溶融池を拡大するステップと、を備え、
前記溶融池を拡大するステップにおいて、
前記レーザビームの走査開始点を、前記溶融池の鉛直方向真上を0度として、前記レーザビームの走査方向に135度から315度までの範囲とするものである。
当該構成では、溶融池おける鉛直方向上側にレーザビームが照射される際、溶融池が充分に拡大されておらず、溶融池の湯量が少ない。そのため、溶融池の鉛直方向上側に生じるくびれが小さく、溶融池おける鉛直方向上側に形成されるキーホールが大きくなり過ぎない。従って、穴空き等の溶接不良の発生を抑制できる。
積層された複数の金属板を立てた状態で、レーザビームを照射して前記複数の金属板を溶接するレーザ溶接方法であって、
前記複数の金属板に前記レーザビームを照射し、円形状の溶融池を形成するステップと、
前記溶融池の外周に沿って、前記レーザビームを1周走査させ、前記溶融池を拡大するステップと、を備え、
前記溶融池を拡大するステップにおいて、
前記レーザビームの照射エネルギ密度を、前記溶融池の鉛直方向下側よりも鉛直方向上側において小さくするものである。
そのため、溶融池おける鉛直方向上側に形成されるキーホールが大きくなり過ぎず、穴空き等の溶接不良の発生を抑制できる。
<レーザ溶接システムの構成>
まず、図1を参照して、第1の実施形態に係るレーザ溶接システムについて説明する。
図1は、第1の実施形態に係るレーザ溶接システムを示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係るレーザ溶接システムでは、積層された2枚の金属板M1、M2を立てた状態で、レーザビームLBを照射することによって、2枚の金属板M1、M2を貫く溶融池MPを形成し、2枚の金属板M1、M2を溶接する。
図1に示すレーザ溶接システムは、例えばマニピュレータ(ロボットアーム)に搭載される。
なお、当然のことながら、図1及びその他の図面に示した右手系xyz直交座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。図1等において、z軸正向きが鉛直上向き、xy平面が水平面であり、図面間で共通である。
また、溶接する金属板の枚数は、3枚以上でもよい。
レーザ発振器101及びガルバノスキャナ102は、溶接対象物である金属板M1、M2にレーザビームLBを照射するレーザ照射部を構成する。
さらに、形成された円形状の溶融池MPの外周に沿って、レーザビームLBを1周走査させ、溶融池MPを拡大する。
レーザ制御部104は、レーザビームLBの照射条件を制御する。具体的には、レーザ制御部104は、レーザ発振器101によって発振されるレーザビームLBの出力(レーザ出力)Pを制御する。また、レーザ制御部104は、ガルバノスキャナ102から照射されるレーザビームLBのスポット径ds、走査速度vs、軌跡を制御する。
次に、図2から図4を参照して、第1の実施形態に係るレーザ溶接方法について説明する。図2及び図3は、円形状の溶融池MPの外周に沿って、レーザビームLBを1周走査させ、溶融池MPを拡大する様子を示すxz平面による断面図である。図4は、第1の実施形態に係るレーザ溶接方法において、円形状の溶融池MPの外周に沿って、レーザビームLBを1周走査させ、溶融池MPを拡大する際の走査軌跡を模式的に示すyz平面図である。
この際、図2及び図3に示すように、溶融池MPが大きくなり、溶融池MPに作用する重力によって、溶融池MPおける鉛直方向上側の板厚方向の厚さが薄くなる。換言すると、溶融池MPおける鉛直方向上側に板厚方向のくびれが生じる。また、金属板M1、M2の隙間が大きくなる程、溶融池MPおける鉛直方向上側のくびれが大きくなる。
なお、レーザビームLBの照射エネルギ密度の詳細については、第2の実施形態において説明する。
なお、図4に示す円形状の走査軌跡の半径は、例えば1.0mm以上、好ましくは2.0mm以上である。
また、図4では、レーザビームLBを反時計回りに走査しているが、レーザビームLBを時計回りに走査してもよい。
図6に示す比較例では、レーザビームLBが溶融池MPおける鉛直方向真上部(図4における0度)に到達するまでに1周360度における315度走査される。そのため、溶融池MPが充分に拡大され、溶融池MPの湯量が多くなる。従って、図2及び図3に示す溶融池MPの鉛直方向上側に生じるくびれが大きくなり、キーホールKHが大きくなると考えられる。
なお、実施例及び比較例の詳細については後述する。
次に、図7を参照して、第2の実施形態に係るレーザ溶接方法について説明する。図7は、第2の実施形態に係るレーザ溶接方法において、円形状の溶融池MPの外周に沿って、レーザビームLBを1周走査させ、溶融池MPを拡大する際の走査軌跡を模式的に示すyz平面図である。
なお、本実施形態に係るレーザ溶接方法では、レーザビームLBの走査開始点は任意である。
E=P/(vs×ds)・・・式(1)
なお、本実施形態は、第1の実施形態と組み合わせられる。すなわち、溶融池MPを拡大する際、レーザビームLBの走査開始点をレーザビームLBの走査方向に135度から315度までの範囲とした上で、レーザビームLBの照射エネルギ密度を、溶融池MPの鉛直方向下側よりも鉛直方向上側において小さくしてもよい。
まず、実施例及び比較例に係るレーザ溶接方法の試験条件について説明する。
積層された3枚組み鋼板(上板、中板、及び下板)を立てた状態で、上板側からレーザビームLBを照射して溶接した。上板、中板、及び下板としては、溶融亜鉛めっき鋼板SCGA440を用いた。上板の厚さは1.4mm、中板の厚さは2.0mm、下板の厚さは1.8mmであった。
また、レーザビームLBの照射部すなわち溶接部には、流速3.0m/sの圧縮空気を供給した。
実施例に係るレーザ溶接方法では、3枚組み鋼板の隙間が0.1mm、0.3mm、及び0.6mmのいずれの場合においても、溶接不良は発生しなかった。
比較例に係るレーザ溶接方法でも、3枚組み鋼板の隙間が0.1mm及び0.3mmの場合には、溶接不良は発生しなかった。他方、比較例にレーザ溶接方法では、3枚組み鋼板の隙間が0.6mmの場合には、12%の溶接不良が発生した。
図6に示す比較例では、レーザビームLBが溶融池MPおける鉛直方向真上部(図4における0度)に到達するまでに1周360度における315度走査される。そのため、溶融池MPが充分に拡大され、溶融池MPの湯量が多くなる。従って、図2及び図3に示す溶融池MPの鉛直方向上側に生じるくびれが大きくなり、キーホールKHが大きくなると考えられる。
また、第1の実施形態に係るレーザ溶接方法は、金属板同士の隙間が大きくなる程、溶接不良の発生を効果的に抑制できることが分かった。
102 ガルバノスキャナ
103 重力センサ
104 レーザ制御部
KH キーホール
LB レーザビーム
M1、M2 金属板
MP 溶融池
Claims (6)
- 積層された複数の金属板を立てた状態で、レーザビームを照射して前記複数の金属板を溶接するレーザ溶接方法であって、
前記複数の金属板に前記レーザビームを照射し、円形状の溶融池を形成するステップと、
前記溶融池の外周に沿って、前記レーザビームを1周走査させ、前記溶融池を拡大するステップと、を備え、
前記溶融池を拡大するステップにおいて、
前記レーザビームの走査開始点を、前記溶融池の鉛直方向真上を0度として、前記レーザビームの走査方向に135度から315度までの範囲とする、
レーザ溶接方法。 - 前記溶融池を拡大するステップにおいて、
前記レーザビームの走査開始点を、前記レーザビームの走査方向に180度から270度までの範囲とする、
請求項1に記載のレーザ溶接方法。 - 前記溶融池を拡大するステップにおいて、
センサによって鉛直方向を検出し、
前記センサによって検出された鉛直方向に基づいて、前記レーザビームの走査開始点を決定する、
請求項1又は2に記載のレーザ溶接方法。 - 前記溶融池を拡大するステップにおいて、
前記レーザビームの照射エネルギ密度を、前記溶融池の鉛直方向下側よりも鉛直方向上側において小さくする、
請求項1又は2に記載のレーザ溶接方法。 - 積層された複数の金属板を立てた状態で、レーザビームを照射して前記複数の金属板を溶接するレーザ溶接方法であって、
前記複数の金属板に前記レーザビームを照射し、円形状の溶融池を形成するステップと、
前記溶融池の外周に沿って、前記レーザビームを1周走査させ、前記溶融池を拡大するステップと、を備え、
前記溶融池を拡大するステップにおいて、
前記レーザビームの照射エネルギ密度を、前記溶融池の鉛直方向下側よりも鉛直方向上側において小さくする、
レーザ溶接方法。 - 前記溶融池を拡大するステップにおいて、
前記レーザビームの照射エネルギ密度を、前記溶融池の鉛直方向下側から鉛直方向上側に向かって徐々に小さくし、前記溶融池の鉛直方向上側から鉛直方向下側に向かって徐々に大きくする、
請求項5に記載のレーザ溶接方法。
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