JP7616619B1 - 層状複水酸化物、硝酸イオンの除去方法、及び、硝酸イオンの回収方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 下記式[1]で表され、硝酸イオンの吸着分配係数Kdが70以上である層状複水酸化物。
[Mg3(Al1-xZrx)(OH)8]・[An-・mH2O] [1]
ただし、式[1]において、xは、0.2≦x≦0.4を満たす数であり、mは、0以上4以下の数であり、nは、1以上4以下の自然数であり、An-はn価のイオン交換性アニオンの少なくとも1種である。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、このような脱離方法は、簡便とは言い難い。
<1> 下記式[1]で表され、
下記測定方法にて測定される硝酸イオンの吸着分配係数Kdが70以上であることを特徴とする層状複水酸化物。
[Mg3(Al1-xZrx)(OH)8]・[An-・mH2O] [1]
ただし、式[1]において、xは、0.2≦x≦0.4を満たす数であり、mは、0以上4以下の数であり、nは、1以上4以下の自然数であり、An-はn価のイオン交換性アニオンの少なくとも1種である。
<測定方法>
1.層状複水酸化物1gを、硝酸イオン390ppm、塩化物イオン2300ppm、及び、硫酸イオン5800ppmを含む混合水溶液30mlに加え、27℃で1時間、攪拌する。
2.次に、上澄み液中の硝酸イオン濃度をイオンクロマトグラフで分析する。
3.次に、下記式により、硝酸イオンの吸着分配係数Kdを求める。
(硝酸イオンの吸着分配係数Kd(mL/g))=[層状複水酸化物1g中の硝酸イオン吸着量(mol/g)]/[吸着後溶液1mL中の硝酸イオン量(mol/mL)]。
以上、前記構成によれば、硝酸イオンを選択的に吸着することができ、且つ、吸着させた硝酸イオンを高効率で回収することができる。
<2> 前記xは、0.2≦x≦0.3を満たす数であることを特徴とする前記<1>に記載の層状複水酸化物。
<3> 前記<1>又は前記<2>に記載の層状複水酸化物を、硝酸イオンを含む陰イオン水溶液に接触させる工程を含むことを特徴とする硝酸イオンの除去方法。
<4> 硝酸イオンを含む陰イオン水溶液を、前記<1>又は前記<2>に記載の層状複水酸化物を充填したカラムに通水する工程を含む硝酸イオンの除去方法。
<5> 硝酸イオンが吸着された前記<1>又は前記<2>に記載の層状複水酸化物に、脱離液を接触させて硝酸イオンを回収する工程を含むことを特徴とする硝酸イオンの回収方法。
また、以下で示される各種パラメータ(測定値等)の最大値、最小値は、各成分の含有量(組成)に関係なく、それぞれ独立して本発明の好ましい最小値、最大値である。
本実施形態に係る層状複水酸化物は、
下記式[1]で表され、
下記測定方法にて測定される硝酸イオンの吸着分配係数Kdが70以上である。
[Mg3(Al1-xZrx)(OH)8]・[An-・mH2O] [1]
ただし、式[1]において、xは、0.2≦x≦0.4を満たす数であり、mは、0以上4以下の数であり、nは、1以上4以下の自然数であり、An-はn価のイオン交換性アニオンの少なくとも1種である。
<測定方法>
1.層状複水酸化物1gを、硝酸イオン390ppm、塩化物イオン2300ppm、及び、硫酸イオン5800ppmを含む混合水溶液30mlに加え、27℃で1時間、攪拌する。
2.次に、上澄み液中の硝酸イオン濃度をイオンクロマトグラフで分析する。
3.次に、下記式により、硝酸イオンの吸着分配係数Kdを求める。
(硝酸イオンの吸着分配係数Kd(mL/g))=[層状複水酸化物1g中の硝酸イオン吸着量(mol/g)]/[吸着後溶液1mL中の硝酸イオン量(mol/mL)]。
ここで、上記式の右辺の分母の[吸着後溶液1mL中の硝酸イオン量(mol/mL)]は、上記測定方法の2.において測定される上澄み液(吸収後溶液)の硝酸イオン濃度(μg/mL)の単位をmol/mLに換算して得られる。
また、上記式の右辺の分子に関して、まず、[層状複水酸化物1g中の硝酸イオン吸着量(μg/g)]は、以下の式で求められる。
[層状複水酸化物1g中の硝酸イオン吸着量(μg/g)]=[[390(μg/mL)]-[吸着後溶液の硝酸イオン濃度(μg/mL)]]×30(mL)]/1(g)
なお、上記式において、「390(μg/mL)」は初期の硝酸イオン濃度390ppm、「30(mL)」は混合水溶液の量、「1(g)」は層状複水酸化物の量である。
[層状複水酸化物1g中の硝酸イオン吸着量(μg/g)]を求めた後、単位を(mol)に変換することにより、上記式の右辺の分子[層状複水酸化物1g中の硝酸イオン吸着量(mol/g)]を得ることができる。
[Mg3(Al1-xZrx)(OH)8]・[An-・mH2O] [1]
ただし、式[1]において、xは、0.2≦x≦0.4を満たす数であり、mは、0以上4以下の数であり、nは、1以上4以下の自然数であり、An-はn価のイオン交換性アニオンの少なくとも1種である。
以上より、前記層状複水酸化物は、硝酸イオンを選択的に吸着することができ、且つ、吸着させた硝酸イオンを高効率で回収することができる。
前記xが0.2≦x≦0.3であると、層間距離がより硝酸イオンを吸着するのに適した距離となり、また、吸着させた硝酸イオンをより容易に脱離させるのに適した塩基性の調整ができる点でより好ましい。
例えば、前記mは、温度20℃、湿度65%で240時間静置した後、2時間以内の条件下でTG-DTA(示差熱-熱重量同時分析)を用いて分析した際に、0以上4以下の数であれば特に限定されない。
<測定方法>
1.層状複水酸化物1gを、硝酸イオン390ppm、塩化物イオン2300ppm、及び、硫酸イオン5800ppmを含む混合水溶液30mlに加え、27℃で1時間、攪拌する。
2.次に、上澄み液中の硝酸イオン濃度をイオンクロマトグラフで分析する。
3.次に、下記式により、硝酸イオンの吸着分配係数Kdを求める。
(硝酸イオンの吸着分配係数Kd(mL/g))=[層状複水酸化物1g中の硝酸イオン吸着量(mol/g)]/[吸着後溶液1mL中の硝酸イオン量(mol/mL)]。
また、前記層状複水酸化物は、他の粒子と混合して使用してもよい。
以下、層状複水酸化物の製造方法の一例について説明する。ただし、本発明の層状複水酸化物の製造方法は、以下の例示に限定されない。
pHを9以上10以下に保ちながら、塩化マグネシウムと塩化アルミニウムとオキシ塩化ジルコニウム八水和物との混合水溶液を作製する工程Aと、
前記混合水溶液を熟成する工程Bとを含む。
例えば、塩化マグネシウムと塩化アルミニウムとの混合水溶液に、オキシ塩化ジルコニウムの水溶液を加え、その混合溶液を、水酸化ナトリウム水溶液等でアルカリ状態(pH9以上10以下)に保ちながら純水中に滴下して混合水溶液を得る方法が挙げられる。
また、他の方法として、塩化マグネシウムと塩化アルミニウムとの混合水溶液を、水酸化ナトリウム水溶液等でアルカリ状態(pH9以上10以下)に保ちながら純水中に滴下し、その後、さらに、アルカリ状態(pH9以上10以下)に保ちながらオキシ塩化ジルコニウムの水溶液を滴下して混合水溶液を得る方法が挙げられる。
なお、上記の混合の間は、層状複水酸化物の層間に炭酸イオンの混入を最小限にするため、窒素ガス等のバブリングを行ってもよい。
以下、硝酸イオンの除去方法の一例について説明する。ただし、本発明の硝酸イオンの除去方法は、以下の例示に限定されない。
前記層状複水酸化物を、硝酸イオンを含む陰イオン水溶液に接触させる工程を含む。
硝酸イオンを含む陰イオン水溶液を、前記層状複水酸化物を充填したカラムに通水する工程を含む。
以下、硝酸イオンの回収方法の一例について説明する。ただし、本発明の硝酸イオンの回収方法は、以下の例示に限定されない。
硝酸イオンが吸着された前記層状複水酸化物に、脱離液を接触させて硝酸イオンを回収する工程を含む。
特に、前記層状複水酸化物は、塩基性の高いAl、Mgに対して、Alを両性元素のZrで置換することで、塩基性を調整している。そのため、吸着させた硝酸イオンを前記脱離液により、容易に脱離させることができる。
<式(X)>
([酸化ハフニウムの質量]/([酸化ジルコニウムの質量]+[酸化ハフニウムの質量]))×100(%)
(実施例1)
まず、塩化マグネシウム(MgCl2)と塩化アルミニウム(AlCl3)との混合水溶液(モル比で、Mg:Al=3:0.6)(MgCl2の濃度:1.5mol/L、AlCl3の濃度:0.3mol/L)を準備した。
次に、純水(200mL)の入ったビーカーに、準備した混合水溶液を500mL滴下した。このとき、ビーカーの溶液のpHが10となるように、3mol/LのNaOH水溶液を滴下し、層状複水酸化物の前駆体を得た。その後、30分間攪拌した。
次に、層状複水酸化物の前駆体が分散している前記の混合溶液に、オキシ塩化ジルコニウム水溶液(濃度:0.2mol/L)を、(モル比で、Mg:Al:Zr=3:0.6:0.4)となるように滴下し、層状複水酸化物を得た。滴下の間は、pHが10を保つように、3mol/LのNaOH水溶液を適宜、滴下した。
上記の混合の間は、層状複水酸化物の層間に炭酸イオンの混入を最小限にするため、窒素ガスのバブリングを行った。
その後、この混合水溶液を常温(25℃)で30分熟成し、蒸留水で十分ろ過洗浄した後、凍結乾燥器を用いて乾燥し、実施例1に係る層状複水酸化物を得た。
Mg、Al、Zrの比率が表1に記載の通りとなるように、塩化マグネシウム、塩化アルミニウムの混合比率を変更し、且つ、オキシ塩化ジルコニウム水溶液の滴下量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2-3、比較例1-5に係る層状複水酸化物を得た。
実施例、比較例の層状複水酸化物について、X線回折装置(「RINT2500」、リガク製)を用い、X線回折スペクトルを得た。測定条件は下記の通りとした。結果を図1、図2に示す。図1中、(a)は比較例1、(b)は比較例2、(c)は実施例1、(d)は実施例2のX線回折スペクトルである。図2中、(e)は実施例3、(f)は比較例3、(g)は比較例4、(h)は比較例5のX線回折スペクトルである。
<測定条件>
測定装置:X線回折装置(リガク製、RINT2500)
線源:CuKα線源
管電圧:40kV
管電流:30mA
走査速度:2θ=5~60°:2°/分
実施例、比較例で作製した層状複水酸化物の組成を、ICP-AES(「ULTIMA-2」HORIBA製)、エネルギー分散型X線分光法(EDX―7200、島津製作所製)を用いて分析した。H2O量は、層状複水酸化物の保管条件(気温、相対湿度)に応じて変動するため、温度25度、湿度40%で240時間静置した後、2時間以内の条件下でTG-DTA(「Thermo plus TG8120」株式会社リガク製)を用いて分析した。
実施例1:[Mg3(Al0.8Zr0.2)(OH)8]・[Cl-・2.8H2O]
実施例2:[Mg3(Al0.7Zr0.3)(OH)8]・[Cl-・2.6H2O]
実施例3:[Mg3(Al0.6Zr0.4)(OH)8]・[Cl-・3.0H2O]
比較例1:[Mg3Al(OH)8]・[Cl-・2.5H2O]
比較例2:[Mg3(Al0.9Zr0.1)(OH)8]・[Cl-・2.4H2O]
比較例3:[Mg3(Al0.5Zr0.5)(OH)8]・[Cl-・2.9H2O]
比較例4:[Mg3(Al0.3Zr0.7)(OH)8]・[Cl-・2.6H2O]
比較例5:[Mg3Zr(OH)8]・[Cl-・1.7H2O]
実施例、比較例の層状複水酸化物1gを、硝酸イオン390ppm、塩化物イオン2300ppm、及び、硫酸イオン5800ppmを含む混合水溶液30mlに加え、27℃で1時間、攪拌した。次に、上澄み液中の硝酸イオン濃度をイオンクロマトグラフ(「HIC-SP」島津製作所製)で分析した。その後、分配係数Kdを求めた。分配係数Kdは以下により求めた。
(硝酸イオンの吸着分配係数Kd(mL/g))=[層状複水酸化物1g中の硝酸イオン吸着量(mol/g)]/[吸着後溶液1mL中の硝酸イオン量(mol/mL)]。
(硫酸イオンの吸着分配係数Kd(mL/g))=[層状複水酸化物1g中の硫酸イオン吸着量(mol/g)]/[吸着後溶液1mL中の硫酸イオン量(mol/mL)]。
(塩化物イオンの吸着分配係数Kd(mL/g))=[層状複水酸化物1g中の塩化物イオン吸着量(mol/g)]/[吸着後溶液1mL中の塩化物イオン量(mol/mL)]。
<イオンクロマトグラフの機器・条件>
メーカ:島津製作所
機器名:HIC-SP
SPD-40V SPD-20A (吸光度検出器)は硝酸イオンの検出に使用
CTO-40C カラムオーブン
CDD-10 電気伝導度は硝酸イオン以外に使用
カラム IC-SA2,250L×4.0(陰イオン分析用カラム)
溶離液 (NaHCO3 12mmol/L、Na2CO3 0.6mmol/L)
流速:1mL/min
実施例、比較例の層状複水酸化物1gを、硝酸イオン濃度を500ppmに調製した水溶液30mLに加え、27℃で1時間、攪拌した。前記水溶液は、硝酸ナトリウムを用いて作製した。次に、吸引ろ過により固液分離し、得られた溶液中(ろ液中)の硝酸イオン濃度をイオンクロマトグラフで分析した。その後、下記式により、硝酸イオン吸着率を求めた。結果を表2に示す。
(硝酸イオン吸着率(%))=[1-[(ろ液の硝酸イオン濃度)/(水溶液中の硝酸イオン濃度(500ppm))]]×100
実施例、比較例の層状複水酸化物1gを、硝酸イオン500ppm、塩化物イオン2500ppm、及び、硫酸イオン6000ppmを含む混合水溶液(模擬排水)30mlに加え、27℃で1時間、攪拌した。前記水溶液は、硝酸ナトリウム0.6855g、塩化ナトリウム4.116g、硫酸ナトリウム8.878gをはかり取り、脱イオン水に溶解し、メスフラスコを用い全容を1Lに調製して作製した。次に、吸引ろ過により固液分離し、得られた溶液中(ろ液中)の各陰イオン濃度をイオンクロマトグラフで分析した。その後、下記式により、各陰イオンの吸着率を求めた。結果を表3に示す。
(硝酸イオン吸着率(%))=[1-[(ろ液の硝酸イオン濃度)/(模擬排水中の硝酸イオン濃度(500ppm))]]×100
(塩化物イオン吸着率(%))=[1-[(ろ液の塩化物イオン濃度)/(模擬排水中の塩化物イオン濃度(2500ppm))]]×100
(硫酸イオン吸着率(%))=[1-[(ろ液の硫酸イオン濃度)/(模擬排水中の硫酸イオン濃度(6000ppm))]]×100
粒径0.5~2.0mmに分級した実施例、比較例の層状複水酸化物10gをカラム(長さ:80mm、内径:18mm)に詰め、硝酸イオン濃度1000ppmに調製した水溶液1.0L(具体的には、硝酸ナトリウム1.371gをはかり取り、脱イオン水に溶解し、メスフラスコを用い全容を1Lにした)を、流速7.0mL/minで流した。カラム通水後の水溶液1.0L全量を回収し、硝酸イオン濃度をイオンクロマトグラフで分析した。その後、下記式により、硝酸イオン吸着率を求めた。結果を表4に示す。なお、比較例1は、粉化したため、カラム試験は実施できなかった。
(硝酸イオン吸着率(%))=[1-[(ろ液の硝酸イオン濃度)/(水溶液中の硝酸イオン濃度]]×100。
上記の「硝酸イオン水溶液を用いた場合のカラム吸着試験(連続式)での硝酸イオン吸着率」で使用したカラム(1.0Lの水溶液を通水させ、層状複水酸化物に硝酸イオンを吸着させた後のカラム)に、脱離液として0.005mol/LのHClと13質量%のNaClとの混合水溶液200mLを流速1.5mL/minで流した。カラム通水後の水溶液200mL全量を回収し、シリンジフィルターでろ過した後、硝酸イオン濃度をイオンクロマトグラフで分析した。その後、下記式により、硝酸イオン脱離率を求めた。結果を表5に示す。なお、比較例1は、粉化したため、カラム試験は実施できなかった。
(硝酸イオン脱離率(%))=([硝酸イオン脱着量(mol)]/[硝酸イオン吸着量(mol)])×100。
粒径0.5~2.0mmに分級した実施例、比較例の層状複水酸化物10gをカラム(長さ:80mm、内径:18mm)に詰め、模擬排水(硝酸イオン500ppm、塩化物イオン2500ppm、及び、硫酸イオン6000ppmを含む混合水溶液)1.0Lを、流速7.0mL/minで流した。カラム通水後の水溶液1.0L全量を回収し、シリンジフィルターでろ過した後、硝酸イオン濃度をイオンクロマトグラフで分析した。その後、下記式により、硝酸イオンの吸着率を求めた。結果を表6に示す。なお、比較例1は、粉化したため、カラム試験は実施できなかった。
(硝酸イオン吸着率(%))=[1-[(ろ液の硝酸イオン濃度)/(水溶液中の硝酸イオン濃度]]×100
上記の「模擬排水を用いた場合のカラム吸着試験(連続式)での硝酸イオン吸着率」で使用したカラム(1.0Lの模擬排水を通水させ、層状複水酸化物に各種陰イオンを吸着させた後のカラム)に、脱離液として0.005mol/LのHClと13質量%のNaClとの混合水溶液200mLを流速1.5mL/minで流した。カラム通水後の水溶液200mL全量を回収し、シリンジフィルターでろ過した後、硝酸イオン濃度をイオンクロマトグラフで分析した。その後、下記式により、硝酸イオン脱離率を求めた。結果を表6に示す。なお、比較例1は、粉化したため、カラム試験は実施できなかった。
(硝酸イオン脱離率(%))=([硝酸イオン脱着量(mol)]/[硝酸イオン吸着量(mol)])×100。
硝酸イオン濃度を500ppm、且つ、pHをそれぞれ2~10に調整した水溶液30mLを準備した。pHの調整には、1mol/LのHCl、又は、1mol/LのNaOHを用いた。
実施例1の層状複水酸化物0.1gを、上記各水溶液に加え、27℃で1時間、攪拌した。次に、吸引ろ過により固液分離し、得られた溶液中(ろ液中)の硝酸イオン濃度をイオンクロマトグラフで分析した。その後、下記式により、硝酸イオン吸着率を求めた。結果を表8に示す。
(硝酸イオン吸着率(%))=[1-[(ろ液の硝酸イオン濃度)/(水溶液中の硝酸イオン濃度(500ppm))]]×100
粒径0.5~2.0mmに分級した実施例3の層状複水酸化物10gをカラム(長さ:80mm、内径:18mm)に詰め、多摩川流域の採水地点2地点(多摩川緑地公園(東京都調布市染地2丁目43-43-1),矢口の渡し跡(東京都大田区矢口三丁目17番3号付近))の採水試料1.0Lを、流速7.0mL/minで流し、全量を回収し、シリンジフィルターでろ過した後、硝酸イオン濃度をイオンクロマトグラフで分析した。
その後、下記式により、硝酸イオンの吸着率を求めた。結果を表9に示す。
(硝酸イオン吸着率(%))= [1-[(ろ液の硝酸イオン濃度)/(水溶液中の硝酸イオン濃度]]×100
なお、採取時の多摩川緑公園の硝酸イオン濃度は12.8ppmであり、矢口の渡し跡の硝酸イオン濃度は12.5ppmであった。
粒径0.5~2.0mmに分級した実施例3の層状複水酸化物10gをカラム(長さ:80mm、内径:18mm)に詰め、横浜港で採水した海水1.0Lを7.0mL/minで流した。カラム通水後の水溶液1.0L全量を回収し、シリンジフィルターでろ過した後、硝酸イオン濃度をイオンクロマトグラフで分析した。その後、下記式により、硝酸イオンの吸着率を求めた。
(硝酸イオン吸着率(%))= [1-[(ろ液の硝酸イオン濃度)/(水溶液中の硝酸イオン濃度]]×100
ついで脱離液として0.005mol/LのHClと13質量%のNaClとの混合水溶液200mLを流速1.5mL/minで流した。カラム通水後の水溶液200mL全量を回収し、シリンジフィルターでろ過した後、硝酸イオン濃度をイオンクロマトグラフで分析した。その後、下記式により、硝酸イオン脱離率を求めた。結果を表10に示す。
(硝酸イオン脱離率(%))=([硝酸イオン脱着量(mol)]/[硝酸イオン吸着量(mol)])×100。
Claims (5)
- 下記式[1]で表され、
下記測定方法にて測定される硝酸イオンの吸着分配係数Kdが70以上80.93以下であることを特徴とする層状複水酸化物。
[Mg3(Al1-xZrx)(OH)8]・[An-・mH2O] [1]
ただし、式[1]において、xは、0.2≦x≦0.4を満たす数であり、mは、0以上4以下の数であり、nは、1以上4以下の自然数であり、An-はn価のイオン交換性アニオンの少なくとも1種である。
<測定方法>
1.層状複水酸化物1gを、硝酸イオン390ppm、塩化物イオン2300ppm、及び、硫酸イオン5800ppmを含む混合水溶液30mlに加え、27℃で1時間、攪拌する。
2.次に、上澄み液中の硝酸イオン濃度をイオンクロマトグラフで分析する。
3.次に、下記式により、硝酸イオンの吸着分配係数Kdを求める。
(硝酸イオンの吸着分配係数Kd(mL/g))=[層状複水酸化物1g中の硝酸イオン吸着量(mol/g)]/[吸着後溶液1mL中の硝酸イオン量(mol/mL)]。 - 前記xは、0.2≦x≦0.3を満たす数であることを特徴とする請求項1に記載の層状複水酸化物。
- 請求項1又は2に記載の層状複水酸化物を、硝酸イオンを含む陰イオン水溶液に接触させる工程を含むことを特徴とする硝酸イオンの除去方法。
- 硝酸イオンを含む陰イオン水溶液を、請求項1又は2に記載の層状複水酸化物を充填したカラムに通水する工程を含む硝酸イオンの除去方法。
- 硝酸イオンが吸着された請求項1又は2に記載の層状複水酸化物に、脱離液を接触させて硝酸イオンを回収する工程を含むことを特徴とする硝酸イオンの回収方法。
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