JP7608897B2 - 回転電機の制御装置及び回転電機の制御方法 - Google Patents

回転電機の制御装置及び回転電機の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、回転電機の制御装置及び回転電機の制御方法に関する。
例えば、大型の三相同期モータでは、U、V、Wの各相の巻線と、当該巻線に印加する電圧を生成するインバータの各々が2系統備えられる場合がある。2系統備わる巻線の各々は、同相において各々所定の電気角をもって配置される。2系統備わるインバータのうち、一方の系統のインバータは、他の系統のインバータが生成した電圧とは、位相が所定の電気角異なる電圧を生成して巻線に印加する。
図18は、インバータと巻線とが2系統備わる回転電機(モータ)における電力供給時の電流変化の一例を示した説明図である。図18では、回転電機の巻線に印加する電圧の制御に後述する空間ベクトル変調を用いている。図18に示したように、A系統のインバータに電圧指令として電圧ベクトル(A系統)が入力された結果、図18で「有効」と示されたインバータ電流(A系統)が生じる。そして、2系統備わるインバータの他方の系統であるB系統のインバータに電圧指令として電圧ベクトル(B系統)が入力された結果、図18で「有効」と示されたインバータ電流(B系統)が生じる。
インバータ電流(A系統)とインバータ電流(B系統)とにより、各々のインバータに電力を供給する電源と、各々のインバータとの間にインバータ電流(A+B)が生じる。かかるインバータ電流(A+B)は、電流リップルとして、電源電圧の平滑化に影響するので、電源と並列に電圧を平滑化するためのフィルタとして、コンデンサが設けられる。そして、当該コンデンサの電流は図18に示したコンデンサ電流のようになる。コンデンサ電流は、インバータ電流(A+B)と位相が反転した態様で生成される。
コンデンサ電流の振幅が大きい場合、フィルタとして実装されるコンデンサは大容量であることが求められるが、大容量のコンデンサの実装は、コスト、回路の小型化に相反するという問題があった。
フィルタであるコンデンサの容量を小さくするには、コンデンサ電流の振幅を抑制することが考えられる。図18には、A系統のインバータも、B系統のインバータも、回転電機の巻線に印加する電圧を生成しない、いわゆる非通電区間120、122が生じている。非通電区間が顕著に生じていると、インバータ電流(A+B)の振幅が大きくなり、結果としてコンデンサ電流の振幅も大きくなる。
特許文献1には、2系統間のPWM位相をずらすことで電流リップルを打ち消しあい電流リップルを低減するモータ駆動装置が提案されている。
また、特許文献2には、2系統間のPWM制御の位相をずらすと共に、電圧指令の系統間位相差を30度ずらすことで電流リップルを打ち消しあい電流リップルを低減する電力変換装置が提案されている。
また、特許文献3には、PWM制御において、デューティシフトすることで2系統の充放電タイミングをずらし電流リップルを低減する電力変換装置が提案されている。
特開2001-197779号公報 特開2012-50252号公報 特許第4941686号公報
しかしながら、特許文献1-3に係る各々の発明は、インバータを構成するスイッチング素子の動作の自由度が低く、効果的に電流リップルを抑制することが困難になるおそれがあった。
本発明は上記課題に鑑みて創作されたものであり、電流リップルを効果的に抑制可能な回転電機の制御装置及び回転電機の制御方法を得ることを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る回転電機の制御装置は、各々に複数のスイッチング素子(42UA~44WA、42UB~44WB)が設けられ、各々に設けられた複数のスイッチング素子(42UA~44WA、42UB~44WB)各々のスイッチング動作により、共通の直流電源の直流電力を交流電力に変換して出力する複数の電力変換回路(40A、40B)と、前記複数の電力変換回路(40A、40B)の各々から出力された交流電力が供給される回転電機(10)と、前記複数の電力変換回路(40A、40B)が前記回転電機(10)の巻線(14A、14B)へ通電する通電区間の各々が相補的となるように、前記複数の電力変換回路(40A、40B)の各々に設けられた複数のスイッチング素子(42UA~44WA、42UB~44WB)各々のスイッチング動作を制御する通電制御部(100)と、を含む。
この様に構成することで、電流リップルを効果的に抑制可能な回転電機の制御装置及び回転電機の制御方法を得ることができる。
回転電機の制御システムの電気回路図である。 本実施形態に係る回転電機の制御装置におけるインバータによる電力供給時の電流変化の一例を示した説明図である。 3系統のインバータによる通電区間及び非通電区間の一例を示した概略図である。 電圧指令ベクトルを有効電圧ベクトルの合成で表現した場合を示した説明図である。 インバータを構成するスイッチング素子の電圧ベクトルに対応するスイッチングの態様と、電圧ベクトルに対応するU相電圧、V相電圧、W相電圧と、を示した表である。 (A)は、60度変調の1スイッチング周期における電圧ベクトル及びスイッチングパターンの推移の一例を示し、(B)は、120度変調の1スイッチング周期における電圧ベクトル及びスイッチングパターンの推移の一例を、各々示した概略図である。 120度変調における瞬時空間電圧ベクトルの比率を示した表である。 (A)は、60度変調におけるセクションについて示した概略図であり、(B)は、60度変調における瞬時空間電圧ベクトルの比率を示した表である。 セクション判別に電流ベクトルを用いる場合の説明図である。 電圧指令ベクトルを複数の有効電圧ベクトルで表現する態様を示した概略図である。 (A)は、電圧指令ベクトルを4つの有効電圧ベクトルで表現する場合を示した概略図であり、(B)は、電圧指令ベクトルを4つの有効電圧ベクトルで表現する場合における瞬時空間電圧ベクトルの比率を示した表である。 (A)は、電圧指令ベクトルを6つの有効電圧ベクトルで表現する場合を示した概略図であり、(B)は、電圧指令ベクトルを6つの有効電圧ベクトルで表現する場合における瞬時空間電圧ベクトルの比率を示した表である。 (A)は、電圧指令ベクトルを8つの有効電圧ベクトルで表現する場合を示した概略図であり、(B)は、電圧指令ベクトルを8つの有効電圧ベクトルで表現する場合における瞬時空間電圧ベクトルの比率を示した表である。 本実施形態に係る回転電機の制御装置の処理の一例を示したフローチャートである。 (A)は、回転電機が複数のインバータに各々対応した複数系統の巻線を備えた場合を、(B)は、複数のインバータに各々対応した複数の回転電機を備えた場合を、各々示したブロック図である。 (A)は、U、V、Wの各相の指令値を各々変調して、A系統用の指令値と、B系統用の指令値とを生成して、搬送波との比較でPWM制御する場合を、(B)は、U、V、Wの各相のうち二相の指令値を搬送波の山又は谷のタイミングで立ち上がり又は立ち下がるようにオフセットして、搬送波との比較でPWM制御する場合を示した説明図である。 PWMによる三相変調と、搬送波の山又は谷で指令電圧をオフセットする変調とにおける、低変調及び高変調での電圧ベクトルの変化の一例を示した説明図である。 インバータと巻線とが2系統備わる回転電機における電力供給時の電流変化の一例を示した説明図である。
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態における回転電機は、例えば車両動力源として用いられる。ただし、回転電機は、産業用、車両用、家電用、OA機器用、又は遊技機用などとして広く用いられることが可能である。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一又は均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
図1は、回転電機10の制御システムの電気回路図であり、本実施形態に係る回転電機10は、三相同期モータである。
図1では、2組の巻線14A、14Bが示されており、巻線14AはU相巻線14UA、V相巻線14VA及びW相巻線14WAよりなり、巻線14BはU相巻線14UB、V相巻線14VB及びW相巻線14WBよりなる。巻線14A、14Bごとに、A系統インバータ40AとB系統インバータ40Bとがそれぞれ設けられている。A系統インバータ40A及びB系統インバータ40Bは、相巻線の相数と同数の上アームスイッチ及び下アームスイッチを有するフルブリッジ回路により構成されている。A系統インバータ40Aは、上アームスイッチであるスイッチング素子42UA、42VA、42WA、及び下アームスイッチであるスイッチング素子44UA、44VA、44WAの、B系統インバータ40Bは、上アームスイッチであるスイッチング素子42UB、42VB、42WB、及び下アームスイッチであるスイッチング素子44UB、44VB、44WBの各々のオンオフにより、電源30から供給された電力から巻線14A、14Bに印加する電圧を生成する。スイッチング素子42UA、42VA、42WA、44UA、44VA、44WA、42UB、42VB、42WB、44UB、44VB、44WBの各々は、一例として、FET(電界効果トランジスタ)又はIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)である。
A系統インバータ40A及びB系統インバータ40Bは、制御装置100によって制御される。外部から入力される指令信号と、通電状態とに基づいて、出力電圧演算部110AがA系統における電圧指令ベクトルVAを、出力電圧演算部110BがB系統における電圧指令ベクトルVBを各々生成する。そして、変調部112は、入力された電圧指令ベクトルVA、VBから、A系統インバータ40A及びB系統インバータ40Bの各々を構成するスイッチング素子のゲートに印加するゲート信号を生成する。
A系統インバータ40A及びB系統インバータ40Bの各々が動作することにより、図1に示した回路には、電源電流50、インバータ電流54、A系統インバータ電流54A及びB系統インバータ電流54Bが生じ、電源電圧を平滑化するコンデンサ20には、コンデンサ電流52が流れる。
図2は、インバータと巻線とが2系統備わる本実施形態に係る回転電機の制御装置100におけるインバータ40A、40Bによる電力供給時の電流変化の一例を示した説明図である。図2では、空間ベクトル変調によりインバータ40A、40Bの各々を制御している。空間ベクトル変調では、インバータ40A、40Bの各々を構成するスイッチング素子42UA~44WA、42UB~44WBの各々のスイッチングの態様を8種類のベクトルで表現すると共に、指令値である電圧指令ベクトルを、8種類のベクトルの合成(和)で表現する。
例えば、三相インバータであるインバータ40Aを構成するスイッチング素子42UA~44WAにおけるスイッチングの態様は、23=8通り存在する。うち、上アームスイッチであるスイッチング素子42UA、42VA、42WAの各々がオンになるスイッチングの態様は、回転電機10の巻線14Aに電圧が印加されない。従って、かかるスイッチングの態様を表現したベクトルは無効電圧ベクトルV7とされる。
同様に、下アームスイッチであるスイッチング素子44UA、44VA、44WAの各々がオンになるスイッチングの態様も、回転電機10の巻線14Aに電圧が印加されないので、かかるスイッチングの態様を表現したベクトルは無効電圧ベクトルV0とされる。
その他の、回転電機10の巻線14Aに電圧が印加されるようなスイッチングの態様を表現したベクトルは、有効電圧ベクトルV1、V2、V3、V4、V5、V6とされる。後述する図5に示したように、有効電圧ベクトルV1~V6の各々が示すスイッチングの態様には、同相の上アームスイッチと下アームスイッチとが同時にオンになる場合が含まれない。従って、空間ベクトル変調でインバータ40Aを構成するスイッチング素子42UA~44WAに、いわゆる貫通電流が生じることはない。
有効電圧ベクトルV1~V6、及び無効電圧ベクトルV0、V7、はインバータ40Bにも同様に適用され、インバータ40Bを構成するスイッチング素子42UB~44WBに貫通電流が生じないことは、インバータ40Bの場合も同様である。
図2では、電圧ベクトル(A系統)において、破線囲みで示した有効電圧ベクトルV2、V6に対応してインバータ電流(A系統)としてインバータ電流-IW、-IVが各々生じる通電区間が形成される。電圧ベクトル(A系統)は、有効電圧ベクトルV2、V6に後続して無効電圧ベクトルV0となり、インバータ電流(A系統)が無効となる非通電区間が生じる。
電圧ベクトル(B系統)では、電圧ベクトル(A系統)が前述のように有効電圧ベクトルV2、V6となった際に、無効電圧ベクトルV7となり、その結果、インバータ電流(B系統)が無効となる非通電区間が生じる。電圧ベクトル(B系統)は、無効電圧ベクトルV7に後続して、破線囲みで示した有効電圧ベクトルV2、V6となり、有効電圧ベクトルV2、V6に対応してインバータ電流(B系統)としてインバータ電流-IW、-IVが各々生じる通電区間が形成される。
以上説明したように、図2では、インバータ電流(A系統)の通電区間と、インバータ電流(B系統)の通電区間と、が相補的に出現する。また、インバータ電流(A系統)の非通電区間と、インバータ電流(B系統)の非通電区間と、が相補的に出現している。その結果、インバータ電流(A+B)の振幅(変動)が抑制され、インバータ電流(A+B)に対応して発生するコンデンサ20のコンデンサ電流52の振幅(変動)も抑制される。
通電区間と非通電区間とが相補的に出現する際に、インバータ40A、40Bの各々による通電区間と、インバータ40A、40Bの各々による非通電区間とが略同じ長さであることも、コンデンサ電流52の振幅の抑制に奏功し得る。
図1、及び図2では、インバータ40A、40B、及び巻線14A、14Bを備える場合を例示したが、図3に示したように、例えば、A系統、B系統及びC系統のインバータと巻線を備え、3系統以上のインバータと巻線とを含む構成でもよい。かかる構成においても、通電区間(図3における「有効」)及び非通電区間(図3における「無効」)は、A、B2系統の場合と同様に相補的に出現するようにする。そして、図3に示したような3系統のインバータと巻線とを含む構成における通電区間と非通電区間との関係は、通電区間の長さ:非通電区間の長さ=1/3:(1-1/3)=1:2となる。N系統(Nは2以上の自然数)のインバータと巻線とを有する構成では、通電区間と非通電区間との関係は、下記のように一般化される。下記の関係は、インバータ40A、40B、及び巻線14A、14Bを備える場合にも、通電区間の長さ:非通電区間の長さ=1/2:(1-1/2)=1:1となり、矛盾なく成立する。
通電区間の長さ:非通電区間の長さ=1/N:(1-1/N)
図4は、電圧指令ベクトル60を有効電圧ベクトルの合成で表現した場合を示した説明図である。空間ベクトル変調では、電圧指令ベクトル60を、位相差が120度の自然数倍となる有効電圧ベクトルの合成で表現する120度変調と、位相差が60度の自然数倍となる有効電圧ベクトルの合成で表現する60度変調とがある。図4では、主に120度変調について説明する。120度変調では、電圧ベクトルが存在する仮想的な空間の象限の各々をセクションA、B、C、D、E、Fと称する。電圧指令ベクトル60を2本の有効電圧ベクトルの合成として表現する場合、電圧指令ベクトル60がどの象限(セクション)に存在するかによって、どの有効電圧ベクトルの合成により電圧指令ベクトル60を表現するかを決定する。例えば、図4に示したように、電圧指令ベクトル60がセクションAに存在する場合、電圧指令ベクトル60は、有効電圧ベクトルV2と有効電圧ベクトルV6との合成で表現される。また、無効電圧ベクトルは120度変調では、無効電圧ベクトルV7となる。電圧指令ベクトル60は、有効電圧ベクトルV2と有効電圧ベクトルV6との合成で表現してもよい。
120度変調における電圧指令ベクトル60と、有効電圧ベクトルとの関係を一般化すると、電圧指令ベクトル60が存在するセクションに各々隣接するセクションに存在する有効電圧ベクトルを用いて電圧指令ベクトル60を表現する。従って、換言すれば、電圧指令ベクトル60に対する位相差D120が、30度<D120<90度である2本の有効電圧ベクトルの合成で電圧指令ベクトル60を表現することになる。
図4では、参考までに60度変調における電圧指令ベクトル60の有効電圧ベクトルの合成の態様を示す。60度変調では、電圧指令ベクトル60は、有効電圧ベクトルV1と有効電圧ベクトルV2との合成で表現される。なお、図4におけるα、βは、三相を二相に変換した場合の、回転電機10の二相固定座標系を規定するα軸及びβ 軸である。
図4に示したように、同じ電圧指令ベクトル60に対し、120度変調では、60度変調に比して、電圧指令ベクトル60を合成する有効電圧ベクトルの大きさが大きくなるので、表現可能な電圧指令ベクトル60の大きさは、60度変調に比して制限される。本実施形態では、後述するように、電圧指令ベクトルの大きさに比例する変調率が、所定の閾値Ma未満の場合は原則として120度変調を、所定の閾値Ma以上の場合は原則として60度変調を用いる。
また、120度変調は、使用する有効電圧ベクトルの位相差が60度変調よりも大きいので、通電区間の幅を拡張する際に、60度変調よりも若干有利となる。
図5は、インバータ40A、40Bを構成するスイッチング素子の電圧ベクトルV0~V7に対応するスイッチングの態様と、電圧ベクトルV0~V7に対応するU相電圧vu、V相電圧vv、W相電圧vwと、を示した表である。図5において、「ON/off」等で示した事項は、左が上アームスイッチの、右が下アームスイッチの各々の動作状態を示す。また、Ed/2は、電源30の正極側の電圧である電源電圧VDCに対応し、-Ed/2は、電源30の負極側の電圧である0に対応する。
図5の最下段に示したvαβは、回転電機10の二相固定座標系αβにおける各々の電圧ベクトルの電圧値である。vαβは、下記の式(1)によって定義され、その結果、各々の電圧ベクトルに対応するvαβの各値は、図5のようになる。後述するように、式(1)は、電圧指令ベクトルのような、空間ベクトルを記述する際にも用いられる。
図6(A)は、60度変調の1スイッチング周期における電圧ベクトル及びスイッチングパターンの推移の一例を示し、図6(B)は、120度変調の1スイッチング周期における電圧ベクトル及びスイッチングパターンの推移の一例を、各々示した概略図である。図6に示したように、60度変調の方がスイッチングパターンは単純化される場合がある。
図7は、120度変調における瞬時空間電圧ベクトルの比率を示した表である。図7に示したように、各セクションに存在する電圧指令ベクトルVrefは、図7に示した比率を係数とした和で表現される。一例として、電圧指令ベクトルが図5に示したようなセクションAに存在する場合、下記の式(2)によって表現される。
図7に示した各々の比率は、以下のように算出される。120度変調では、図4に示したように、位相差が各々60度である6種類の有効電圧ベクトル毎に6個のセクションA~Fが区画されている。一例として、電圧指令ベクトルVrefがセクションAに属する場合を説明する。かかる場合、前述の式(1) に基づいて、各相の電圧であるU相電圧vu、V相電圧vv、W相電圧vwを用いて電圧指令ベクトルVrefは下記の式(3)のように表される。
一方、図5に示した数値を用いて電圧指令ベクトルVrefは、下記の式(4)のように表される。式(4)において、s、tは係数である。
上記の式(3)、式(4)の右辺を比較することにより、係数s、tが算出され、電圧指令ベクトルVrefを上記の式(2)のように表すことができる。以下、同様にして、他のセクションB~Fに各々存在する電圧指令ベクトルVrefについても係数s、tが算出される。なお、無効電圧ベクトルV0の係数は、例えば1+(3vi/Ed)(i=u、v、w)、無効電圧ベクトルV7の係数は、例えば1-(3vi/Ed)(i=u、v、w)として、各々表現される。
図8(A)は、60度変調におけるセクションについて示した概略図であり、図8(B)は、60度変調における瞬時空間電圧ベクトルの比率を示した表である。図8(A)に示したように、60度変調では、各々の有効電圧ベクトルV1~V6で挟まれた領域を角セクションとして定義する。
60度変調においても、120度変調の場合と同様に、上記の式(1)と、図5に示した値とに基づいて、各セクションに存在する電圧指令ベクトルVrefを構成する有効電圧ベクトルの係数が、図8に示したように算出される。なお、無効電圧ベクトルV0、V7の係数である(1-M)/2中のMは、変調率指令であり、M≦1.0である。回転電機10の巻線14A、14Bへの電圧印加に係る変調率指令Mを1から減算した値は、回転電機10の巻線14A、14Bへの電圧印加に係らない無効な値となる。かかる無効な値を1/2にして、無効電圧ベクトルV0、V7の各々に均等に分配し、無効電圧ベクトルV0、V7の各々の係数(比率)を均等にしている。
図8(B)では、無効電圧ベクトルV0、V7は均等比率にしたが、均等比率にしなくてもよい。無効電圧ベクトルV0、V7を、均等比率してもよいし、均等比率にしなくてもよいことは、後述する図11(B)、図12(B)、図13(B)も同様である。
図9は、セクション判別に電流ベクトルを用いる場合の説明図である。図9には、60度変調を想定したセクション1~6(以下、図面では「S1~S6」と略記)が示され、セクション1において、電圧指令ベクトル60と、電圧指令ベクトル60との位相差がΔθである電流ベクトル66とが各々示されている。電流ベクトル66は、電流センサ46、48で検出した巻線14A、14Bの電流、巻線14A、14Bに発生した誘起電圧、回転電機10が永久磁石を回転子(ロータ)とするブラシレスモータ等であれば、ホール素子等を用いて検出した当該回転子の位置等に基づいて算出する。
電流ベクトル66をセクション判別では、電流ベクトル66が属するセクションにおけるスイッチング状態を採用すると共に、採用したスイッチング状態をどれくらいの長さにすべきかを電圧指令ベクトル60により決定する。すなわち、利用する有効電圧ベクトルを電流ベクトル66から決定し、電圧指令ベクトル60から利用する有効電圧ベクトルの各出力時間を決定することを意味する。
図9では、電圧指令ベクトル60も電流ベクトル66も、セクション1に存在するが、セクション1では、図8(B)の2行目に太枠線で囲んだ係数と、当該定数に対応した有効電圧ベクトルV1、V2とによるスイッチング状態が採用され、採用されたスイッチング状態の長さは、電圧指令ベクトル60により決定される。
電流ベクトル66でセクションを判別し、電圧指令ベクトル60でスイッチング状態の長さを決定してインバータ40A、40Bを制御するという事項は、位相が電流ベクトル66と同じで、振幅が電圧指令ベクトル60と同じであるベクトルを複数の有効電圧ベクトルV1~V6の和として表現し、当該和を構成する複数の有効電圧ベクトルV1~V6及び複数の有効電圧ベクトルV1~V6の係数に基づいて、インバータ40A、40Bの各々に設けられた複数のスイッチング素子42UA~44WBの各々のスイッチング動作を制御することに相当する。
電流ベクトル66でセクション判別をすることで、PWM制御において、回転電機の巻線への電圧印加のタイミングを遅らせる遅角制御と近似した効果が生じ、結果的に、コンデンサ電流の振幅を抑制して、いわゆる電流リップルを低減できる。
図9に示したような、電流ベクトル66でセクション判別する場合、電圧指令ベクトル60との位相差△θの大きさによって電流ベクトル66又は電圧指令ベクトル60のどちらかを用いてセクション判別を行うようにしてもよい。一例として、位相差Δθが所定の角度(例えば5度)未満の場合は、電流ベクトル66ではなく電圧指令ベクトル60でセクション判別をする。
また、電流ベクトル66でセクション判別をする場合、△θが例えば30度以上ある場合は、電圧指令ベクトル60から30度ずれた位相でセクション判別を行うようにしてもよい。
図10は、電圧指令ベクトル60を複数の有効電圧ベクトルV1~V6で表現する態様を示した概略図である。空間ベクトル変調において、2つの有効電圧ベクトルを用いて電圧指令ベクトル60を表現することが一般的に行われており、特に従来技術では、2つの有効電圧ベクトルを用いた60度変調が採用されている。しかしながら、60度変調では、使用する有効電圧ベクトルの位相差が60度と比較的狭いことが影響して、通電区間の拡大には不適だが、使用する有効電圧ベクトルの位相差が大きい120度変調であれば、有効電圧ベクトルを2つ使う場合でも60度変調よりも通電幅を大きくすることが可能となる。
また、有効電圧ベクトルを3つ以上使用することにより、通電区間を拡張することができる。図10には、3つの有効電圧ベクトル、4つの有効電圧ベクトル、6つの有効電圧ベクトル、8つの有効電圧ベクトルを各々用いて電圧指令ベクトル60を表現している。4つの有効電圧ベクトル、6つの有効電圧ベクトル、8つの有効電圧ベクトルを各々用いて電圧指令ベクトル60を表現する場合の詳細については、図11、12、13を用いて後述する。
図11(A)は、電圧指令ベクトル60を4つの有効電圧ベクトルで表現する場合を示した概略図であり、図11(B)は、電圧指令ベクトル60を4つの有効電圧ベクトルで表現する場合における瞬時空間電圧ベクトルの比率を示した表である。
図11(A)に示したように、電圧指令ベクトル60がセクション6に存在する場合、セクション6を挟む有効電圧ベクトルV1、V6で電圧指令ベクトル60を表現することに加えて、有効電圧ベクトルV2、V5も用いて電圧指令ベクトル60を表現する。
回転電機10の巻線14A、14Bに対して通電区間をどれくらい出力するか調整するためのパラメータである変調率指令Mから、回転電機10の巻線14A、14Bへの電圧印加に係らない値を減算して得た結果は、電圧指令ベクトルから決定される通電区間が期待する通電区間よりも少ない場合に、その差分だけ通電区間を広げる目安として用いることができ、通電区間を拡張する際の有効電圧ベクトルの比率(係数)となる。回転電機10の巻線14A、14Bへの電圧印加に係らない値は、図11(A)のように、有効電圧ベクトルV1、V6で電圧指令ベクトル60を表現することに加えて、有効電圧ベクトルV2、V5も用いて電圧指令ベクトル60を表現する場合、(vu-vv)/Edとなる。
かかる係数を1/2にして、図11(B)において太線で囲んだ領域の両端に均等に分配することにより、通電区間を拡張する有効電圧ベクトルの係数を得ている。
図12(A)は、電圧指令ベクトル60を6つの有効電圧ベクトルで表現する場合を示した概略図であり、図12(B)は、電圧指令ベクトル60を6つの有効電圧ベクトルで表現する場合における瞬時空間電圧ベクトルの比率を示した表である。
図12(A)に示したように、電圧指令ベクトル60がセクション6に存在する場合、セクション6を挟む有効電圧ベクトルV1、V6で電圧指令ベクトル60を表現することに加えて、有効電圧ベクトルV3、V4、さらには有効電圧ベクトルV1、V6も重畳的に用いて電圧指令ベクトル60を表現する。
図12(B)では、変調率指令Mと(vu-vv)/Ed等との差分を、有効電圧ベクトルV1、V6に加えて、4つの有効電圧ベクトルで表現することから四等分し、図8(B)に示した係数に加算している。
図13(A)は、電圧指令ベクトル60を8つの有効電圧ベクトルで表現する場合を示した概略図であり、図13(B)は、電圧指令ベクトル60を8つの有効電圧ベクトルで表現する場合における瞬時空間電圧ベクトルの比率を示した表である。
図13(A)に示したように、電圧指令ベクトル60がセクション6に存在する場合、セクション6を挟む有効電圧ベクトルV1、V6で電圧指令ベクトル60を表現することに加えて、有効電圧ベクトルV2、V3、V4、V5さらには有効電圧ベクトルV1、V6も重畳的に用いて電圧指令ベクトル60を表現する。
図13(B)では、変調率指令Mと(vu-vv)/Ed等との差分を、有効電圧ベクトルV1、V6に加えて、6つの有効電圧ベクトルで表現することから六等分し、図8(B)に示した係数に加算している。
図14は、本実施形態に係る回転電機の制御装置100の処理の一例を示したフローチャートである。ステップ130では、回転電機10を駆動するU、V、Wの各相の電流波形をモニタすると共に、回転電機10の実回転速度である回転数情報を取得するセンサ情報検出を行う。
ステップ132では、電圧指令ベクトル60を生成する。一例として、ステップ132では、U、V、Wの各相のアナログ電流値をデジタル電流値Iu、Iv、Iwに変換した後、2相の電流値Iα、Iβに変換する。さらに電流値Iα、Iβの座標系を固定座標から回転座標に変換した電流値Id、Iqを指令値との偏差を解消するようにPI制御で補正すると共に、電流値から電圧値Vd、Vqに変換する。さらに、電圧値Vd、Vqの座標系を回転座標から固定座標に逆座標変換を行って得たVα、Vβに空間ベクトル変換を施して電圧指令ベクトル60を生成する。
ステップ134、136、140は、電圧ベクトルの時間比率(係数)を算出する工程である。ステップ134では、ステップ132で生成した電圧指令ベクトル60の大きさに基づいて算出した変調率が、所定の閾値Ma未満か否かを判定する。変調率は、電圧指令ベクトル60の大きさに比例する0~1の値である。所定の閾値Maは、実機を用いた実験等を通じて具体的に決定する。
ステップ134で、変調率が所定の閾値Ma未満と判定した場合は、手順をステップ136に移行し、変調率が所定の閾値Ma以上と判定した場合は、手順をステップ140に移行する。
ステップ136では、120度変調を行う。120度変調は、例えば、図7に示した瞬時空間電圧ベクトルの比率に基づいて、電圧指令ベクトル60を有効電圧ベクトルで表現する。
ステップ138では、ステップ136で得た結果に基づいて、インバータ40A、40Bの各々を構成するスイッチング素子のゲートに印加するゲート信号を出力して処理を終了する。
ステップ140では、60度変調を行う。60度変調は、例えば、図8(B)、10(B)、11(B)、12(B)に示した瞬時空間電圧ベクトルの比率に基づいて、電圧指令ベクトル60を有効電圧ベクトルで表現する。ステップ140では、60度変調の他に、後述する三角波比較のPWM制御を行ってもよい。
ステップ142では、ステップ140で得た結果に基づいて、インバータ40A、40Bの各々を構成するスイッチング素子のゲートに印加するゲート信号を出力して処理を終了する。
図15(A)は、回転電機10が複数のインバータ40A、40Bに各々対応した複数系統の巻線を備えた場合を、図15(B)は、複数のインバータ40A、40Bに各々対応した複数の回転電機10A、10Bを備えた場合を、各々示したブロック図である。
図15(A)に示した例では、複数のインバータ40A、40Bで生成された電圧が、1つの回転電機10の、複数のインバータ40A、40Bの各々に対応した巻線に通電されるので、大出力が期待できると共に、円滑な回転が得られる。図15(A)に示した回転電機10は、電動パワーステアリング、及び電気自動車の主機のような冗長設計や大出力が求められる用途に適している。また、各系統のスイッチングパターンは必ずしも同じ有効電圧ベクトルに従ったものでなくてもよい。例えば、A系統は60度変調を用い、B系統は120度変調を用いて相補的に駆動する方法を採用してもよい。
図15(B)に示した例では、複数のインバータ40A、40Bで生成された電圧が、複数のインバータ40A、40Bの各々に対応した回転電機10A、10Bの巻線に通電されるので、複数の回転電機10A、10Bを同時に制御することができる。図15(B)に示した回転電機10A、10Bは、複数の回転電機を備える鉄道車両、並びにファン、及びポンプ駆動システム等の産業機器への用途に適している。また、回転電機10A、10Bの各々の巻線の通電区間の長さは必ずしも同一でなくてもよい。例えば、回転電機10Aの巻線の通電区間が全通電区間の80%であるのに対し、回転電機10Bの巻線の通電区間が全通電区間の20%であってもよい。又は、回転電機10Aの巻線の通電区間が全通電区間の20%であるのに対し、回転電機10Bの巻線の通電区間が全通電区間の80%であってもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る回転電機の制御装置100は、変調率が所定の閾値Ma未満の場合は通電幅を大きく設定しやすい120度変調を行うと共に、変調率が所定の閾値Ma以上の場合は120度変調とは異なる変調手段を用いることにより、インバータ40Aによる通電区間と、インバータ40Bによる通電区間とを拡張し、各々の通電区間が相補的に出現する制御を行う。120度変調とは異なる変調は、一例として、60度変調であり、より具体的には、2本又は3本以上の有効電圧ベクトルを使った60度変調である。
インバータ40Aによる通電区間と、インバータ40Bによる通電区間とを相補的に出現させることにより、インバータ電流の振幅が抑制され、さらにはインバータ電流に対応して振幅が変化するコンデンサ20を流れるコンデンサ電流の振幅が抑制されるので、電源30とインバータ40A、40Bとを含む回路上の電流リップルが抑制される。その結果、当該回路の電圧の平滑化をするコンデンサ20の容量を抑制することができる。
[第2の実施形態]
以下、第2の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、空間ベクトル変調以外の方法により、コンデンサ電流52を抑制する。本実施形態では、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、当該構成についての詳細な説明は省略する。
図16(A)は、U、V、Wの各相の指令値を各々変調(オフセット)して、インバータ40Aを含むA系統用の指令値と、インバータ40Bを含むB系統用の指令値とを生成して、搬送波82との比較でPWM制御する場合を、図16(B)は、U、V、Wの各相のうち二相の指令値を搬送波82A、82Bの山又は谷のタイミングで立ち上がり又は立ち下がるようにオフセットして、搬送波82A、82Bとの比較でPWM制御する場合を示した説明図である。
図16(A)に示した例では、U相の指令値を指令電圧80UA、80UB、V相の指令値を指令電圧80VA、80VB、W相の指令値を指令電圧80WA、80WB、とし、各々の指令値を搬送波82と比較して、電圧ベクトルV0~V7のようなPWM制御の信号を生成する。図16(A)に示した例では、例えば、元はU、V、Wの各相で各々1つだった指令値を、電圧指令ベクトル60又は電流ベクトル66に応じて正方向又は負方向にオフセットさせて指令電圧80UA、80UBと、指令電圧80VA、80VBと、指令電圧80WA、80WBと、のようにしてもよい。図16(A)では、元の指令値に対して、A系統の指令値を負方向、B系統の指令値を正方向にオフセットさせているが、B系統の指令値を負方向、A系統の指令値を正方向にオフセットさせてもよい。
かかる指令値のオフセットにより、回転電機10の線間電位差を維持したまま、A系統とB系統とで、V0、V7として示したような無効電圧の発生タイミングをずらすことが可能となる。
図16(B)に示した例では、搬送波82A、82Bの山又は谷で指令電圧に外乱を印可してオフセットさせ、電気角1周期で所望の電圧指令ベクトル60を実現する。搬送波82Aはインバータ40Aを含むA系統用であり、搬送波82Bはインバータ40Bを含むB系統用である。搬送波82Aと搬送波82Bとは、A系統による通電区間と、B系統による通電区間とが相補的に出現するように、所定の位相差を有している。さらに、搬送波82A、82Bの山又は谷で指令電圧に外乱を印可してオフセットさせることにより一種の電圧補償が可能となり、通電区間を拡張することができる。
図16(B)では、搬送波82Aが谷となった際に、指令電圧84Vを負方向にオフセットして指令電圧86Vとし、指令電圧84Wを正方向にオフセットして指令電圧86Wとしている。そして、搬送波82Aが山になる時間t1で、指令電圧84Vを正方向にオフセットして指令電圧86Vとし、指令電圧84Wを負方向にオフセットして指令電圧86Wとしている。図16(B)に示した例では、V相とW相との二相変調なので、U相の指令値である指令電圧86Uは変化しない。
図16(B)のA系統の電圧ベクトルは、搬送波82Aが山となる時間t1で指令電圧86Wが立ち下がり、指令電圧86Vが立ち上がることにより、V5からV3に切り替わる。
また、図16(B)において、搬送波82Bが山となる時間t2で指令電圧86Wが立ち下がり、指令電圧86Vが立ち上がるようにすると、図16(B)においてB系統として示したように、B系統の電圧ベクトルが変化する。その結果、A系統の通電区間とB系統の通電区間とが相補的に出現する。
図17は、PWMによる三相変調と、図16(B)に示した搬送波の山又は谷で指令電圧をオフセットする変調とにおける、低変調及び高変調での電圧ベクトルの変化の一例を示した説明図である。PWMによる三相変調は、変調率指令である指令電圧88U、88V、88Wの格差が比較的少ない低変調の場合も、変調率指令である指令電圧92U、92V、92Wの格差が大きい高変調の場合も、電圧ベクトルが示す電圧振幅が大きくなるため、高変調域は低変調域に比べて有効電圧ベクトル区間が大きくなっている。
搬送波90の山又は谷の際に変調率指令である指令電圧をオフセットさせる変調では、平均的には電圧ベクトルの振幅を維持したままでPWMによる三相変調よりも有効電圧を広げることができる。例えば、低変調の場合、PWMによる三相変調では無効電圧ベクトルV0、V7による非通電区間が、有効電圧ベクトルV2、V3による通電区間よりも長いが、指令電圧をオフセットさせる変調では有効電圧ベクトルV2、V4による通電区間が、無効電圧ベクトルV7による非通電区間よりも長くなっている。
また、高変調の場合、PWMによる三相変調では無効電圧ベクトルV0、V7による非通電区間が存在するが、指令電圧をオフセットさせる変調では無効電圧ベクトルV0、V7による非通電区間は存在せず、有効電圧ベクトルV2、V3、V4による通電区間のみが存在している。従って、指令電圧をオフセットさせる変調では三角波比較変調を用いても空間ベクトル変調における120度変調や3本以上の有効電圧ベクトルを用いた変調と同様の電圧ベクトルの出力が期待できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、搬送波の山又は谷の際に変調率指令である指令電圧をオフセットする変調により、コンデンサ20を流れるコンデンサ電流52の振幅が抑制されるので、電源30とインバータ40A、40Bとを含む回路上の電流リップルが抑制される。その結果、当該回路の電圧の平滑化をするコンデンサ20の容量を抑制することができる。
10、10A、10B 回転電機、14A、14B 巻線、14UA、14UB U相巻線、14VA、14VB V相巻線、14WA、14WB W相巻線、20 コンデンサ、30 電源、40A、40B インバータ、42UA、42VA、42WA、44UA、44VA、44WA、42UB、42VB、42WB、44UB、44VB、44WB スイッチング素子、46、48 電流センサ、50 電源電流、52 コンデンサ電流、54 インバータ電流、54A A系統インバータ電流、54B B系統インバータ電流、60 電圧指令ベクトル、66 電流ベクトル、80UA 指令電圧、80VA 指令電圧、80WA 指令電圧、100 制御装置、110A、110B 出力電圧演算部、112 変調部、V0、V7 無効電圧ベクトル、V1、V2、V3、V4、V5、V6 有効電圧ベクトル

Claims (9)

  1. 各々に複数のスイッチング素子(42UA~44WA、42UB~44WB)が設けられ、各々に設けられた複数のスイッチング素子(42UA~44WA、42UB~44WB)各々のスイッチング動作により、共通の直流電源の直流電力を交流電力に変換して出力する複数の電力変換回路(40A、40B)と、
    前記複数の電力変換回路(40A、40B)の各々から出力された交流電力が供給される回転電機(10)と、
    前記複数の電力変換回路(40A、40B)が前記回転電機(10)の巻線(14A、14B)へ通電する通電区間の各々が相補的となるように、前記複数の電力変換回路(40A、40B)の各々に設けられた複数のスイッチング素子(42UA~44WA、42UB~44WB)各々のスイッチング動作を制御する通電制御部(100)と、
    を含み、
    前記複数の電力変換回路(40A、40B)の各々による通電区間と、前記複数の電力変換回路(40A、40B)の各々による前記回転電機(10)の巻線(14A、14B)への非通電区間との関係は、前記複数の電力変換回路(40A、40B)がN系統存在する場合、通電区間の長さ:非通電区間の長さ=1/N:(1-1/N)である
    回転電機の制御装置。
  2. 前記通電制御部(100)は、前記複数のスイッチング素子(42UA~44WA、42UB~44WB)の動作パターンの各々を示す複数の有効電圧ベクトル(V1~V6)の和として表現された電圧指令ベクトル(60)における、前記複数の有効電圧ベクトル(V1~V6)及び前記複数の有効電圧ベクトル(V1~V6)各々の係数に基づいて前記複数の電力変換回路(40A、40B)の各々に設けられた複数のスイッチング素子(42UA~44WA、42UB~44WB)の各々のスイッチング動作を制御する請求項に記載の回転電機の制御装置。
  3. 前記回転電機(10)の巻線(14A、14B)の電流を検出する電流検出部(46、48)をさらに備え、
    前記通電制御部(100)は、前記電流検出部(46、48)で検出した電流に基づいて算出した前記巻線(14A、14B)の電流ベクトル66と位相が同じで、かつ振幅が電圧指令ベクトル60と同じであるベクトルを前記有効電圧ベクトル(V1~V6)の和として表現し、当該和における前記複数の有効電圧ベクトル(V1~V6)及び前記複数の有効電圧ベクトル(V1~V6)各々の係数に基づいて前記複数の電力変換回路(40A、40B)の各々に設けられた複数のスイッチング素子(42UA~44WA、42UB~44WB)の各々のスイッチング動作を制御する請求項に記載の回転電機の制御装置。
  4. 前記複数の有効電圧ベクトル(V1~V6)の和は、3以上の有効電圧ベクトル(V1~V6)の和である請求項又はに記載の回転電機の制御装置。
  5. 前記複数の有効電圧ベクトル(V1~V6)の和は、位相差が120度の自然数倍となる複数の有効電圧ベクトル(V1~V6)の和である請求項又はに記載の回転電機の制御装置。
  6. 前記電圧指令ベクトル(60)が示す変調率が所定の閾値以上の場合、前記複数の有効電圧ベクトル(V1~V6)の和は、位相差が60度の自然数倍となる複数の有効電圧ベクトル(V1~V6)の和であり、前記変調率が前記所定の閾値未満の場合、前記複数の有効電圧ベクトル(V1~V6)の和は、位相差が120度の自然数倍となる複数の有効電圧ベクトル(V1~V6)の和である請求項のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
  7. 前記回転電機(10)は、前記複数の電力変換回路(40A、40B)に各々対応した複数系統の巻線(14A、14B)を備え、
    前記複数の電力変換回路(40A、40B)は、前記各々対応した巻線(14A、14B)に通電する請求項1~のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
  8. 前記複数の電力変換回路(40A、40B)に各々対応した複数の回転電機(10A、10B)を備え、
    前記複数の電力変換回路(40A、40B)は、前記各々対応した回転電機(10A、10B)の巻線に通電する請求項1~のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
  9. 各々に複数のスイッチング素子(42UA~44WA、42UB~44WB)が設けられ、各々に設けられた複数のスイッチング素子(42UA~44WA、42UB~44WB)各々のスイッチング動作により、共通の直流電源の直流電力を交流電力に変換して出力する複数の電力変換回路(40A、40B)の各々から出力された交流電力が供給される回転電機(10)の制御方法であって、
    前記複数の電力変換回路(40A、40B)が前記回転電機(10)の巻線(14A、14B)へ通電する通電区間の各々が相補的となるように、前記複数の電力変換回路(40A、40B)の各々に設けられた複数のスイッチング素子(42UA~44WA、42UB~44WB)各々のスイッチング動作を制御し、
    前記複数の電力変換回路(40A、40B)の各々による通電区間と、前記複数の電力変換回路(40A、40B)の各々による前記回転電機(10)の巻線(14A、14B)への非通電区間との関係は、前記複数の電力変換回路(40A、40B)がN系統存在する場合、通電区間の長さ:非通電区間の長さ=1/N:(1-1/N)である
    回転電機の制御方法。
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