JP7608895B2 - 水処理方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アンモニア性窒素含有原水に塩素系酸化剤を添加して塩素処理し、塩素処理水に還元剤を添加して膜分離を行う水処理方法および装置に関するものである。さらに詳細にはアンモニア性窒素含有原水に塩素系酸化剤を添加して不連続点塩素処理方法により塩素処理し、塩素処理水に還元剤を添加して残留塩素を除去し膜分離を行う水処理方法および装置に関するものである。
用水・排水処理において、系内の殺菌や酸化を目的として、原水に次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系酸化剤を添加する処理が行われている。特許文献1(特開平1-104310号)には、RO膜用の殺菌剤として遊離塩素剤を添加して殺菌を行った後、アンモニウムイオンを添加してクロラミンを生成させる方法が提案されている。これは広く用いられている塩素、次亜塩素酸ナトリウム等の遊離塩素剤が、酸化剤としてRO膜を劣化させ性能低下させるので、酸化性を緩和させる目的でアンモニウムイオンを添加し、結合塩素剤(クロラミン)として酸化性が低い形でRO膜と接触させるようにしている。
特許文献2(WO2011/125764)には、被処理水を遊離塩素の存在下に前処理方法として、遊離または結合塩素剤を添加して凝集、固液分離、活性炭処理等の前処理を行い、亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤を添加して遊離または結合塩素剤を除去した後、新たに結合塩素剤を添加してRO膜処理する方法が記載されている。前処理に際して遊離または結合塩素剤を添加するのは、前処理工程におけるスライム障害を防止する目的であり、還元剤を添加するのは残留する遊離または結合塩素を除去した後、膜処理に適したスライム防止剤を適正量添加する目的であるとされている。
特許文献3(WO2012/133620)には、被処理水に遊離塩素剤を添加して殺菌した後、遊離塩素を含有する被処理水にスルファミン酸、結合塩素型スルファミン酸およびそれらの塩から選ばれる1種以上のスルファミン酸系化合物を添加して、被処理水に含まれる遊離塩素を結合塩素に転換した後、被処理水にさらに還元剤を添加し、遊離塩素濃度を低下させた後、膜分離装置に供給して膜分離する方法が記載されている。ここではスルファミン酸系化合物添加後の被処理水の遊離塩素濃度を測定し、被処理水の遊離塩素濃度が0.4mg/L以下になるように、スルファミン酸系化合物および/または還元剤の添加量を調整する方法が記載されている。
特許文献4(WO2019/031430)には、原水に塩素系酸化剤を添加して前処理を行い、前処理水に還元剤を添加して残留塩素を除去し、さらにスライム防止剤を添加して膜分離を行う水処理方法および装置において、塩素処理水の遊離塩素または全塩素を測定し、それらを還元するのに必要な還元剤を添加して残留塩素を除去した後に膜分離することが記載されている。
しかるに前処理に際して結合塩素剤を添加する場合、あるいは遊離塩素剤を添加する場合でも原水中にアンモニア性窒素が含まれている場合には、クロラミン等の結合塩素が形成されて酸化力が弱くなるので、殺菌や酸化を十分に行えない場合が生じる。また地下水を原水とし、鉄、マンガン等を酸化除去するために遊離塩素剤を添加する場合でも、原水中にアンモニア性窒素が含まれていると、結合塩素が形成されて酸化力が弱くなるため、鉄、マンガン等の酸化を十分に行えない場合が生じる。さらに塩素測定において結合塩素が過剰に存在すると、塩素の分析の妨害物質となり、正確に塩素が測定できない場合が生じる。さらに還元剤を添加する際結合塩素が存在すると、結合塩素をゼロにするための還元剤添加量の制御が困難である。またアンモニア性窒素と塩素が結合した結合塩素は分離膜に悪影響を与えやすいなどの問題点があった。
このように原水にアンモニア性窒素が含まれている場合、そのようなアンモニア性窒素を除去する方法として不連続点塩素処理方法が知られている。この方法では、アンモニア性窒素を含む原水に添加する塩素系酸化剤の添加量を増加していくと結合塩素の生成量が増加しいったん極大値を示すが、さらに塩素剤の添加量を増加すると結合塩素の量が低下して極小点に達し、さらに添加量を増加すると遊離残留塩素が増加する。上記の極小値が不連続点(ブレークポイント)であり、不連続点を超える領域の塩素濃度となるように、塩素系酸化剤を添加してアンモニア性窒素を除去する処理方法が不連続点塩素処理であるとされている。
ところがこのような不連続点塩素処理では、不連続点を少し超える領域の塩素濃度となるように塩素系酸化剤の添加量を制御することが求められるが、不連続点の検出は困難であり、また不連続点を超える領域でも結合塩素が検出される場合があり、結合塩素が残留すると還元剤添加量の制御が困難になる。一般に塩素系酸化剤や還元剤の添加量は、全塩素濃度、遊離塩素濃度、酸化還元電位などを測定して制御することが行われているが、これらをそれぞれ単独で指標としても、不連続点の検出は困難である。また測定された全塩素濃度、遊離塩素濃度、酸化還元電位などを用いて塩素の除去に必要な還元剤量を計算して添加しても、塩素の漏出を防止できない場合がある。このような場合、通常は安全率を乗じて還元剤量を計算することが行われるが、それでも塩素の漏出を防止できず、分離膜の劣化を招く場合があるなどの問題点があった。
特開平1-104310号 WO2011/125764 WO2012/133620 WO2019/031430
本発明の目的は、前記のような従来の問題点を解決するため、アンモニア性窒素含有原水に塩素系酸化剤を添加して処理する際、塩素系酸化剤を適正に添加してアンモニア性窒素を除去し、さらに残留する被酸化性物質の酸化処理を行うことができるとともに、還元剤を適正に添加して残留塩素を還元し、塩素の漏出を防止して、分離膜の劣化を防止できる水処理方法および装置を提案することである。
本発明は次の水処理方法および装置である。
(1) アンモニア性窒素含有原水に塩素系酸化剤を添加し、不連続点塩素処理によりアンモニア性窒素を除去する塩素処理工程、
塩素処理水に還元剤を添加して残留塩素を除去する残留塩素除去工程、
残留塩素除去水を分離膜により膜分離する膜分離工程、
塩素処理水の全塩素濃度と遊離塩素濃度を測定する水質測定工程、および
塩素処理水の全塩素濃度と遊離塩素濃度の測定値から還元剤の添加量を制御する制御工程を含み、
制御工程は、全塩素濃度(T-Cl)と遊離塩素濃度(F-Cl)の差から結合塩素濃度(C-Cl)を算出するとともに、下記式〔1〕により還元剤の添加量を算出して制御するように構成されていることを特徴とする水処理方法。

還元剤濃度=fs×〔((C-Cl)×m×a)+((F-Cl)×m)〕・・・・〔1〕
(式中、fsは安全率で1~1.2、mは反応当量の還元剤とClの分子量比、aは結合塩素係数で1.2~2である。)

(2) 還元剤は亜硫酸水素ナトリウム(SBS)であり、
制御工程は、下記式〔2〕により還元剤の添加量を制御するように構成されている上記(1)記載の水処理方法。

SBS濃度=fs×〔((C-Cl)×1.5×a)+((F-Cl)×1.5)〕・・・・・・〔2〕
(式中、fsは安全率で1~1.2、aは結合塩素係数で1.2~2である。)

(3) 膜分離工程は、残留塩素除去水にスライム防止剤を添加して膜分離するように構成されている上記(1)または(2)記載の水処理方法。
(4) アンモニア性窒素含有原水に塩素系酸化剤を添加し、不連続点塩素処理によりアンモニア性窒素を除去する塩素処理装置、
塩素処理水に還元剤を添加して残留塩素を除去する残留塩素除去装置、
残留塩素除去水を分離膜により膜分離する膜分離装置、
塩素処理水の全塩素濃度と遊離塩素濃度を測定する水質測定装置、および
塩素処理水の全塩素濃度と遊離塩素濃度の測定値から還元剤の添加量を制御する制御装置を含み、
制御装置は、全塩素濃度(T-Cl)と遊離塩素濃度(F-Cl)の差から結合塩素濃度(C-Cl)を算出するとともに、下記式〔1〕により還元剤の添加量を算出して制御するように構成されていることを特徴とする水処理装置。

還元剤濃度=fs×〔((C-Cl)×m×a)+((F-Cl)×m)〕・・・・〔1〕
(式中、fsは安全率で1~1.2、mは反応当量の還元剤とClの分子量比、aは結合塩素係数で1.2~2である。)

(5) 還元剤は亜硫酸水素ナトリウム(SBS)であり、
制御装置は、下記式〔2〕により還元剤の添加量を制御するように構成されている上記(4)記載の水処理装置。

SBS濃度=fs×〔((C-Cl)×1.5×a)+((F-Cl)×1.5)・・・・・・〔2〕
(式中、fsは安全率で1~1.2、aは結合塩素係数で1.2~2である。)

(6) 膜分離装置は、残留塩素除去水にスライム防止剤を添加して膜分離するように構成されている上記(4)または(5)記載の水処理装置。
本発明の水処理方法および装置に供給して処理するアンモニア性窒素含有原水は、アンモニア性窒素を含有する原水である。このようなアンモニア性窒素含有原水としては、アンモニア性窒素を含有する河川水、地下水等の天然水、工業用水、排水、排水処理水など、一般的なアンモニア性窒素含有水があげられる。このようなアンモニア性窒素含有原水としては、循環冷却水系、循環洗浄水系など、稼働中の処理系に含まれる原水であってもよい。またアンモニア性窒素含有原水のアンモニア性窒素の含有量は特に制限されない。さらに当初の原水にはアンモニア性窒素が含まれていなくても、途中からアンモニア性窒素が混入するような系の原水であってもよい。
塩素処理工程は、アンモニア性窒素含有原水に塩素系酸化剤を添加し、不連続点塩素処理によりアンモニア性窒素を除去する塩素処理を行う工程である。このような塩素処理工程は、塩素処理のための専用の工程としても、あるいは前処理工程において行われてもよい。この前処理工程としては、原水の凝集、ろ過、活性炭処理等の不純物除去のための前処理や、鉄、マンガン等の被酸化性物質の酸化除去のための前処理など、塩素処理に悪影響を与えないものが好ましい。
塩素系酸化剤としては、塩素ガス、次亜塩素酸またはその塩、トリクロロイソシアヌル酸、電解塩素など、一般に殺菌剤、消毒剤、酸化剤などとして用いられているものがあげられる。アンモニア性窒素含有原水に塩素系酸化剤を添加して塩素処理を行うと、アンモニア性窒素と塩素系酸化剤が結合してクロラミンのような結合塩素が形成される。特許文献1~4ではこのような結合塩素が形成される程度の塩素系酸化剤の添加量で塩素処理が行われているが、結合塩素が形成されると酸化力が弱くなり、菌類の殺菌や鉄、マンガン等の酸化を十分に行えない場合が生じる。これに対して本発明では、高い塩素系酸化剤添加量で不連続点塩素処理を行い、これにより結合塩素を分解してアンモニア性窒素を除去することができる。
不連続点塩素処理は、不連続点(ブレークポイント)を超える残留塩素濃度となるように、塩素系酸化剤を添加して行う塩素処理である。塩素処理方法において、アンモニア性窒素含有原水に添加する塩素系酸化剤の添加量を増加していくと、結合塩素の生成量が増加しいったん極大値を示すが、さらに塩素剤の添加量を増加すると結合塩素の量が低下して極小点に達する。さらに添加量を増加すると遊離塩素が増加して全塩素が増加する。上記の極小値が不連続点であり、このような不連続点を超える残留塩素濃度となるように塩素系酸化剤を添加して塩素処理を行うことによりアンモニア性窒素を含む被酸化性物質が分解除去される。
残留塩素除去工程は、上記塩素処理工程から得られる塩素処理水に還元剤を添加して残留塩素を除去する工程である。塩素処理水に含まれる残留塩素は膜分離工程で用いる分離膜の劣化原因になるので、残留塩素を除去した後の塩素処理水(残留塩素除去水)を膜分離工程へ送ることにより分離膜の劣化を防止する。残留塩素を除去するには、塩素処理水に還元剤を添加して塩素と反応させ残留塩素を除去する。還元剤としては、重亜硫酸、チオ硫酸、亜硫酸、チオグリコール酸、エリソルビン酸、アスコルビン酸、それらの塩類があげられるが、ナトリウム塩等の水溶性塩が好ましく、亜硫酸水素ナトリウム(SBS)が特に好ましい。
残留塩素除去工程における還元剤の添加量は、塩素処理水に含まれる残留塩素を除去するのに過不足のない量であるのが好ましいが、残留塩素の漏出は分離膜の劣化原因になるので、残留塩素の漏出が起きないように、還元剤の添加量を制御する必要がある。このような場合、通常は安全率を乗じて還元剤量を計算することが行われるが、それでも塩素の漏出を防止できず、分離膜の劣化を招くことがある。還元剤添加量の制御は、水質測定工程における水質測定結果に基づいて行われるが、残留塩素中の結合塩素量の測定は困難で、ばらつきが生じやすい。このようなばらつきが生じやすい結合塩素量の測定結果に基づいて還元剤の添加量を計算すると、還元剤添加量にもばらつきが生じることになり、還元剤添加量の制御は困難である。例えば結合塩素量が実際よりも少なく測定された場合、それに対応する少ない量の還元剤が添加されることになるが、そうすると残留塩素の除去は不十分となり、塩素の漏出が起きる。このような測定値のばらつきに基づく塩素の漏出を防止するために、通常の安全率とは別に、測定された結合塩素量に対して結合塩素係数を乗じて還元剤添加量を計算することにより、残留塩素の漏出を防止することができる。
膜分離工程は、残留塩素除去工程から送られる残留塩素除去水を分離膜に供給して膜分離する工程である。分離膜としては、UF膜、MF膜、RO膜等の膜分離により溶液を透過させる膜があげられるが、特にRO膜、なかでもポリアミド、アラミド系等の窒素含有基を有する高分子膜からなり塩素により劣化しやすいRO膜が適している。塩素除去水は残留塩素が除去されているので、分離膜の劣化原因は除かれている。このような塩素除去水はスライム障害が発生しやすい状況にあるので、塩素除去水にスライム防止剤を添加して膜分離するのが好ましい。スライム防止剤としては、スルファミン酸(塩)に塩素が結合した結合塩素剤、イソチアゾリン系殺菌剤、有機臭素系殺菌剤などがあげられる。これらの中では、スルファミン酸(塩)に塩素が結合した結合塩素剤を用いると、残留塩素除去工程において過剰に添加された還元剤を除去できるので好ましい。
水質測定工程は、塩素処理水の全塩素濃度(T-Cl)と遊離塩素濃度(F-Cl)を測定する工程である。水質測定工程では、塩素除去工程で添加する還元剤の添加量を決めるために塩素処理水の全塩素濃度と遊離塩素濃度の測定を行うように構成される。全塩素濃度と遊離塩素濃度の測定は、DPD法による比色方式や電極式の測定器を用いて行われる。全塩素濃度(T-Cl)、遊離塩素濃度(F-Cl)および結合塩素濃度(C-Cl)は、JIS K 0400-33-10:1999により測定され、Clとして示される値である。全塩素濃度(T-Cl)は(遊離塩素濃度(F-Cl)+結合塩素濃度(C-Cl))の合計量として測定される。
制御工程は、水質測定工程で測定された塩素処理水の全塩素濃度と遊離塩素濃度の測定値から還元剤の添加量を制御する工程である。制御工程は、全塩素濃度(T-Cl)と遊離塩素濃度(F-Cl)の差から結合塩素濃度(C-Cl)を算出するとともに、下記式〔1〕により還元剤の添加量を算出して制御するように構成される。
還元剤濃度=fs×〔((C-Cl)×m×a)+((F-Cl)×m)〕・・・・〔1〕
(式中、fsは安全率で1~1.2、mは反応当量の還元剤とClの分子量比、aは結合塩素係数で1.2~2、好ましくは1.3~1.8である。)
mはClを還元するための反応当量の還元剤とClの分子量比である。還元剤が亜硫酸水素ナトリウム(SBS)について考えると、Clが1モルの場合これを還元するための反応当量のSBSは1モルである。従ってその分子量比は104/71であり、四捨五入により1.5と算出される。
還元剤は亜硫酸水素ナトリウム(SBS)であるのが好ましく、この場合は制御工程が下記式〔2〕により還元剤の添加量を制御することができる。

SBS濃度=fs×〔((C-Cl)×1.5×a)+((F-Cl)×1.5)・・・・・・〔2〕
(式中、fsは安全率で1~1.2、aは結合塩素係数で1.2~2、好ましくは1.3~1.8である。)
制御工程は、請求項1、2などでは残留塩素除去工程における還元剤添加量の制御のために設けられているが、塩素処理工程における塩素系酸化剤添加量も制御できるように構成することができる。塩素処理工程における塩素系酸化剤添加量を制御する場合、制御工程は、塩素処理水の全塩素濃度(T-Cl)と遊離塩素濃度(F-Cl)が下記式〔3〕の関係を維持するよう、塩素処理工程における塩素系酸化剤の添加量を制御するように構成することができる。
(T-Cl)≒(F-Cl)・・・・・・〔3〕
式〔3〕において、(T-Cl)≒(F-Cl)は全塩素濃度(T-Cl)と遊離塩素濃度(F-Cl)がほぼ等しい値を示すことを意味し、不連続点付近であって、結合塩素が実質的にゼロの領域であることを示す。「(T-Cl)≒(F-Cl)」における(T-Cl)と(F-Cl)の差は、0.1~0.5mg(Cl)/L、好適には0.1~0.3mg(Cl)/Lの濃度差とすることができる。
不連続点塩素処理方法では、アンモニア性窒素含有原水に添加する塩素系酸化剤の添加量を増加していくと、結合塩素(C-Cl)は極大値に至るまでは増加するが、塩素系酸化剤の添加量をさらに増加すると、結合塩素は分解されて極小値の不連続点に達する。この間遊離塩素(F-Cl)はゼロに近い値を示し、さらに添加量を増加すると遊離塩素(F-Cl)は増加するが、結合塩素(C-Cl)は極小値を維持するか、あるいはさらに低下する。従って全塩素(T-Cl)、遊離塩素(F-Cl)のどちらか一方を測定するだけでは不連続点を正確に測定することは困難である。
不連続点塩素処理を行うためには、塩素処理工程においてアンモニア性窒素含有原水に塩素系酸化剤を添加して塩素処理を行い、水質測定工程において塩素処理水の全塩素(T-Cl)と遊離塩素(F-Cl)を測定し、制御工程において塩素処理水の全塩素と遊離塩素の測定値から式〔3〕の(T-Cl)≒(F-Cl)となるように塩素系酸化剤の添加量を制御することができる。全塩素(T-Cl)は(遊離塩素(F-Cl)+結合塩素(C-Cl))であるので、塩素系酸化剤の添加量を増加していくと、全塩素(T-Cl)は増加し、極大値からは減少して不連続点(極小値)に至り、さらに塩素系酸化剤の添加量を増加すると全塩素(T-Cl)は増加する。これに対し遊離塩素(F-Cl)は、結合塩素が存在する状態では、塩素系酸化剤を添加し添加量を増加してもゼロに近い値を示すが、結合塩素が分解されて不連続点に近づくと、遊離残留塩素(F-Cl)は増加し始める。従って式〔3〕の(T-Cl)≒(F-Cl)となるように塩素系酸化剤の添加量を制御することによって、アンモニア性窒素を除去した塩素処理水が得られる。
本発明の水処理装置は、上記水処理方法における各工程の操作を行うための装置の組合せにより構成される。まず塩素処理装置は、アンモニア性窒素含有原水に塩素系酸化剤を添加し、不連続点塩素処理によりアンモニア性窒素を除去する塩素処理を行うように、アンモニア性窒素含有原水が導入されあるいは通過する反応部と、その反応槽、流路等に塩素系酸化剤を添加するための薬剤槽、注入路、注入ポンプ、制御弁等を備えた薬注部を有するものが採用できる。このような塩素処理装置としては、前処理装置やその他の装置などを兼ねることができる。前処理装置としては、原水の凝集、ろ過、活性炭処理等の不純物除去のための前処理装置や、鉄、マンガン等の被酸化性物質の酸化除去のための前処理装置などがあげられ、このような前処理装置に薬注部を組み合わせることにより塩素処理装置として利用することができる。
残留塩素除去装置は、塩素処理装置から得られる塩素処理水に還元剤を添加して残留塩素を除去するように構成される。この残留塩素除去装置としては、塩素処理水に還元剤を添加して反応させ、酸化還元反応より残留塩素を還元して除去するように構成することができ、残留塩素を高い精度で除去することができる。この場合還元剤の添加量は、水質測定装置で測定された全塩素濃度(T-Cl)および遊離塩素濃度(F-Cl)から、前記式〔1〕、〔2〕により算出するように構成することができる。
膜分離装置は分離膜を備え、残留塩素除去装置から送られる残留塩素除去水を膜分離するように構成される。分離膜としては、UF膜、MF膜、RO膜等の膜分離により溶液を透過させる膜があげられるが、特にRO膜、なかでもポリアミド、アラミド系等の窒素含有基を有する高分子膜からなるRO膜が適している。残留塩素除去水は残留塩素が除去されているので、分離膜の劣化原因は除かれているが、スライム障害が発生しやすい状況にある場合は、スライム防止剤を添加する薬注部を設けるのが好ましい。スライム防止剤としては、前述のものがあげられるが、スルファミン酸(塩)に塩素が結合した結合塩素剤が好ましい。
水質測定装置は、塩素処理装置から得られる塩素処理水の全塩素濃度(T-Cl)と遊離塩素濃度(F-Cl)を測定する測定器であり、DPD法による比色方式や電極式のものなどが用いられる。このような水質測定装置は、塩素処理装置と残留塩素除去装置の間に設けられ、全塩素濃度(T-Cl)と遊離塩素濃度(F-Cl)の両方を測定できるものが好ましいが、別の測定器で測定するようにしてもよい。
制御装置は、水質測定装置で測定された塩素処理水の全塩素濃度(T-Cl)と遊離塩素濃度(F-Cl)の測定値から、前記式〔1〕または〔2〕により還元剤の添加量を算出して制御し、前記式〔3〕により塩素系酸化剤の添加量を算出して制御するように設けられた装置であり、演算により添加量の制御信号を出すコンピュータ等の演算装置を含み、制御信号により薬注部の注入ポンプの送液量や制御弁の開度等を制御するように構成される。
上記の水処理装置は、上記水処理方法における各工程に従ってアンモニア性窒素含有原水に塩素系酸化剤を添加して、不連続点塩素処理によりアンモニア性窒素を除去する塩素処理を行う。このとき水質測定装置により塩素処理水の全塩素濃度(T-Cl)と遊離塩素濃度(F-Cl)を測定し、制御装置では、水質測定装置で測定された塩素処理水の全塩素濃度(T-Cl)と遊離塩素濃度(F-Cl)の測定値から前記式〔3〕により塩素系酸化剤の添加量を制御することができる。これにより原水中のアンモニア性窒素を除去することができ、これにより酸化力を高め、残留する菌類の殺菌や、鉄、マンガンなど被酸化性物質の酸化除去などを行うことができる。
塩素処理装置から得られる塩素処理水は、残留塩素除去装置において還元剤を添加して残留塩素を除去され、残留塩素除去装置から送られる残留塩素除去水は膜分離装置において分離膜により膜分離されて処理水となる。残留塩素除去装置では、水質測定装置で測定された塩素処理水の全塩素濃度(T-Cl)と遊離塩素濃度(F-Cl)の測定値から、制御装置により前記式〔1〕または〔2〕により還元剤の添加量を算出して制御する。これにより不連続点を超える領域で結合塩素が検出される場合においても、残留塩素は効果的に還元除去されて塩素の漏出が防止され、膜分離装置における分離膜の劣化を防止することができる。膜分離装置においてスライム防止剤を添加して膜分離する場合は、薬注部からスライム防止剤を添加して膜分離することにより、分離膜のスライム防止を行い、膜分離効果を高めることができる。
不連続点塩素処理では、不連続点を少し超える領域の塩素濃度となるように塩素系酸化剤の添加量を制御することが求められるが、結合塩素が存在する場合における不連続点の検出は困難である。また不連続点を超える領域でも結合塩素が検出される場合があり、結合塩素が残留すると還元剤添加量の制御が困難になる。一般に塩素系酸化剤や還元剤の添加量は、全塩素濃度、遊離塩素濃度、酸化還元電位などを測定して制御することが行われているが、これらをそれぞれ単独で指標としても、不連続点の検出は困難である。また測定された全塩素濃度、遊離塩素濃度、酸化還元電位などを用いて塩素の除去に必要な還元剤量を計算して添加しても、塩素の漏出を防止できない場合がある。このような場合、通常は安全率を乗じて還元剤量を計算することが行われるが、それでも塩素の漏出を防止できず、分離膜の劣化を招く場合がある。
その原因を調べたところ結合塩素が残留する場合、結合塩素の組成や反応性に応じてDPD試薬や還元剤との反応性に差が生じるため、全塩素濃度の測定値にばらつきが生じ、その測定値に基づいて還元剤の添加量を計算して酸化還元反応を行うと、ばらつきがさらに拡大することが推測された。このようなばらつきが生じても塩素の漏出を防止するためには、遊離塩素を含めた全体の反応の安全率のほかに結合塩素についてのみに適用される結合塩素係数を導入した前記式〔1〕または〔2〕によって制御することにより塩素の漏出を防止することが可能になる。
本発明では、アンモニア性窒素含有原水に塩素系酸化剤を添加して処理する際、塩素系酸化剤を適正に添加してアンモニア性窒素を除去し、さらに残留する被酸化性物質の酸化処理を行うことができるとともに、還元剤を適正に添加して残留塩素を還元し、塩素の漏出を防止して、分離膜の劣化を防止することができるなどの効果がある。
発明の実施形態による水処理方法および装置を示すフロー図である。 実施例の参考例1における30分後の測定値を示すグラフである。 実施例の参考例1における60分後の測定値を示すグラフである。
図1は本発明の実施形態による水処理方法および装置を示し、1は塩素処理装置、2は残留塩素除去装置、3は保安フィルタ、4はRO膜分離装置、5は塩素系酸化剤槽、6は還元剤槽、7はスライム防止剤槽、8は制御装置である。塩素処理装置1はアンモニア性窒素含有原水に塩素系酸化剤を添加して、不連続点塩素処理によりアンモニア性窒素を除去する塩素処理を行うように構成されている。残留塩素除去装置2は塩素処理水に還元剤を添加して残留塩素を除去するように構成されている。RO膜分離装置4はRO膜モジュール4aにより濃縮液室4bと透過液室4cに区画され、RO膜分離するように構成されている。検出器C1は経路L2の遊離塩素(F-Cl)および全塩素(T-Cl)を測定して遊離/全塩素検出信号D1を制御装置8へ送り、検出器C2は経路L3の遊離塩素(F-Cl)および全塩素(T-Cl)を測定して遊離/全塩素検出信号D2を制御装置8へ送り、検出器C3は経路L4のスライム防止剤を測定してスライム防止剤信号D3を制御装置8へ送るように構成されている。制御装置8は、検出器C1の遊離/全塩素検出信号D1から得られる制御信号S1によりポンプP1を制御するとともに、検出器C1の遊離/全塩素検出信号D1から得られる制御信号S2によりポンプP2を制御し、検出器C2の遊離/全塩素検出信号D2により制御信号S2を補正し、スライム防止剤信号D3から得られる制御信号S3によりポンプP3を制御するように構成されている。
上記の装置による水処理方法は以下のように行われる。まずアンモニア性窒素含有原水を原水路L1より塩素処理装置1へ供給する際、制御装置8からの制御信号S1によりポンプP1を制御し、塩素系酸化剤槽5から経路L7を通して塩素系酸化剤を添加して塩素処理装置1へ供給する。これにより塩素処理装置1では、塩素処理工程としてアンモニア性窒素含有原水の塩素処理(クロリネーション)が行われ、原水中のアンモニア性窒素を含む被酸化性物質が酸化分解される。塩素処理装置1は塩素処理専用のものでもよいが、凝集、ろ過、活性炭処理等の前処理装置を兼ねているのが好ましく、この場合は前処理と塩素処理を同時に行うことができる。
塩素処理装置1の塩素処理水は、経路L2を通して残留塩素除去装置2へ送られる過程で、検出器C1により遊離塩素濃度(F-Cl)および全塩素濃度(T-Cl)が測定され、得られる遊離/全塩素検出信号D1は制御装置8へ送られる。制御装置8では、遊離/全塩素検出信号D1から全塩素濃度(T-Cl)と遊離塩素濃度(F-Cl)が前記式〔3〕の関係を維持するように、塩素処理工程における塩素系酸化剤の添加量を制御する制御信号S1が送られポンプP1が制御される。
塩素処理工程において不連続点塩素処理を行うために塩素系酸化剤添加量を制御するには、検出器C1により塩素処理水の全塩素(T-Cl)と遊離塩素(F-Cl)を測定して、遊離/全塩素検出信号D1を制御装置8に送り、制御装置8は式〔3〕の(T-Cl)≒(F-Cl)となるように制御信号S1をポンプP1に送り、アンモニア性窒素含有原水に塩素系酸化剤を添加するよう制御する。このとき(T-Cl)と(F-Cl)の差を、0.1~0.5mg(Cl)/L、好適には0.1~0.3mg(Cl)/Lの濃度差となるように、アンモニア性窒素含有原水に塩素系酸化剤を添加するよう指令を出す。この場合、(T-Cl)と(F-Cl)の差が0.5mg(Cl)/L以上の場合は塩素が不足しているので、塩素系酸化剤の添加量を増加する。また(T-Cl)と(F-Cl)の差が0.1mg(Cl)/L以下の場合は塩素が過剰となっているので、塩素系酸化剤の添加量を減少する。
これにより塩素処理装置1における塩素処理工程では、アンモニア性窒素含有原水の塩素処理が行われ、原水中のアンモニア性窒素を含む被酸化性物質が酸化分解されるが、酸化されやすい物質から順次分解される。本発明では不連続点塩素処理を行うことにより、アンモニア性窒素含有原水に塩素系酸化剤を添加してアンモニア性窒素を酸化分解し、さらに殺菌や鉄、マンガン等の酸化分解をも行うように塩素処理が行われる。
塩素処理装置1から得られる塩素処理水は、経路L2において還元剤を添加して残留塩素除去装置2に送り、酸化還元反応により残留塩素を除去する。このとき制御装置8では、遊離/全塩素検出信号D1の全塩素濃度(T-Cl)と遊離塩素濃度(F-Cl)の差から結合塩素濃度(C-Cl)を算出するとともに、前記式〔1〕または式〔2〕により還元剤の添加量を算出して制御信号S2を生成する。そしてこの制御信号S2によりポンプP2を制御し、還元剤槽6から経路L8を通して還元剤を添加した塩素処理水は残留塩素除去装置2へ送られ、ここで残留塩素は還元剤と反応して除去される。式〔1〕は還元剤一般に適用される式であるが、式〔2〕は還元剤が亜硫酸水素ナトリウム(SBS)に特定した式である。制御装置8において、検出器C1で測定された塩素処理水の全塩素濃度(T-Cl)と遊離塩素濃度(F-Cl)の測定値から、前記式〔1〕または〔2〕により還元剤の添加量を算出して制御することにより、不連続点を超える領域で結合塩素が検出される場合においても、残留塩素は効果的に還元除去されて塩素の漏出が防止され、膜分離装置における分離膜の劣化が防止される。
残留塩素除去水は経路L3から保安フィルタ3へ送られる過程で、検出器C2により遊離塩素(F-Cl)および全塩素(T-Cl)が測定され、得られる遊離/全塩素検出信号D2により制御信号S2を補正することができる。すなわちここでは遊離塩素(F-Cl)または全塩素(T-Cl)が検出されたときに、還元剤の添加量を増加するように補正することができる。また経路L3ではスライム防止剤槽7から経路L9を通してスライム防止剤を添加し、さらに経路L4からRO膜分離装置4に供給される過程で、検出器C3のスライム防止剤信号D3から得られる制御信号S3によりポンプP3を制御してスライム防止剤の添加量が制御される。RO膜分離装置4では、スライム防止剤添加水は濃縮液室4bに入り、溶媒はRO膜モジュール4aを透過して膜分離され、透過液室4cの透過液は経路L5から取り出され、濃縮液室4bに残る濃縮液は経路L6から排出される。
このように制御装置8による塩素系酸化剤添加量の制御において、検出器C1の遊離/全塩素検出信号D1から得られる制御信号S1により、ポンプP1を制御する際、前記式〔3〕による制御を行うことにより、不連続点塩素処理を行うことができ、塩素系酸化剤を適正に添加しアンモニア性窒素を除去して酸化処理を行うことができるとともに、殺菌や鉄、マンガン等の酸化除去が可能になる。また塩素処理水のアンモニア性窒素が除去され、全塩素(T-Cl)および遊離塩素(F-Cl)が少ない状態で残留塩素除去を行うことにより、還元剤量の算出は容易かつ正確であり、効率よく残留塩素除去を行うことができる。さらに残留塩素が少ない状態でRO膜分離を行えるので、RO膜の劣化を防止して効率よく膜分離を行うことができる。
残留塩素除去装置2では、検出器C1で測定された塩素処理水の全塩素濃度(T-Cl)と遊離塩素濃度(F-Cl)の測定値から、制御装置8により前記式〔1〕または〔2〕により還元剤の添加量を算出して制御することにより、効果的に塩素の漏出を防止することができ、これにより分離膜の劣化を防止して、効率的な膜分離を長期にわたって継続することが可能になる。
以下、本発明の実施例、比較例について説明する。各例中、%は質量%である。
〔参考例1〕:
(1)試料の調製
1)硫酸アンモニウム0.184%溶液:硫酸アンモニウム((NHSO)を0.368g計り取り、純水200gに溶解して、硫酸アンモニウム0.184%溶液を200ml調製した。
2)次亜塩素酸ナトリウム0.1(Cl)%溶液:約12%の次亜塩素酸ナトリウムを100倍希釈し、さらに100倍希釈し、塩素濃度を測定して有効塩素濃度を測定し、この有効塩素濃度に合せて、0.1(Cl)%溶液を調製した。この0.1(Cl)%溶液は0.5ml/500mlで(Cl)1mg/Lとなる。
3)ベース水:水道水を活性炭処理して脱塩素しベース水とした。
(2)試験方法
ベース水を(499-A)mL注入した500mLビーカーに、硫酸アンモニウム0.184%溶液を1mL添加して1分撹拌し、さらに次亜塩素酸ナトリウム0.1(Cl)%溶液をAmL添加して撹拌した(Aは、表1および表2の(Cl)添加量に相当する単位のない数値である)。次亜塩素酸ナトリウム0.1(Cl)%溶液添加30分後、および60分後の全塩素(T-Cl)、遊離塩素(F-Cl)、酸化還元電位(ORP)、アンモニア性窒素(NH-N)およびpHを測定した。30分後の結果を表1および図2に示し、60分後の結果を表2および図3に示す。図2および図3において、縦方向の破線は不連続点処理における制御目標値を示す。NH-NはJIS K0102インドフェノール青法により測定した。
〔30分後の結果〕
Figure 0007608895000001
〔60分後の結果〕
Figure 0007608895000002
上記の結果より、アンモニア性窒素含有原水に添加する塩素系酸化剤の添加量を増加していくことにより結合塩素((T-Cl)-(F-Cl))は増加する。全塩素(T-Cl)が極大値を示すまでの間は、アンモニア性窒素は実質的に変動しない状態を維持するが、極大値を超える領域では全塩素(T-Cl)が低下して極小点(不連続点)に達するまでの間にアンモニア性窒素は減少する。不連続点ではアンモニア性窒素は実質的にゼロになり、遊離塩素(F-Cl)が増加し始めるが、不連続点を超える領域でもアンモニア性窒素が検出され、結合塩素が形成されている。この領域では全塩素(T-Cl)と遊離塩素(F-Cl)の差は大きく、塩素処理水に被酸化性物質が存在することが分かる。さらに塩素剤の添加量を増すことにより、(T-Cl)≒(F-Cl)の状態になり、被酸化性物質が分解されることがわかる。
〔実施例1〕
参考例1の試験方法と同様に、ベース水を(499-A)mL注入した500mLビーカーに、硫酸アンモニウム0.184%溶液を1mL添加して1分撹拌し、さらに次亜塩素酸ナトリウム0.1(Cl)%溶液をAmL添加して撹拌した(Aは、表3の(Cl)添加量に相当する単位のない数値である)。次亜塩素酸ナトリウム0.1(Cl)%溶液添加30分後、全塩素濃度(T-Cl)および遊離塩素濃度(F-Cl)を測定し、下記式〔2.1〕(前記式〔2〕におけるfs=1.1、a=2)により還元剤として亜硫酸水素ナトリウム(SBS)を添加して残留塩素を除去し、全塩素濃度(T-Cl)を測定した。その後次亜塩素酸ナトリウムを1(Cl)mg/L添加して過剰のSBSを除去し、残留全塩素濃度(T-Cl)* (+1)を測定した。この残留全塩素濃度は過剰SBSの補数に相当し、1(Cl)mg/Lを超える部分はリークした塩素濃度を示す。結果を表3に示す。
SBS濃度=1.1×〔((C-Cl)×1.5×2)+((F-Cl)×1.5)〕・・・・・・〔2.1〕
〔実施例2〕
実施例1において、下記式〔2.2〕(前記式〔2〕におけるfs=1.1、a=1.3)により亜硫酸水素ナトリウム(SBS)を添加した結果を表3に示す。
SBS濃度=1.1×〔((C-Cl)×1.5×1.3)+((F-Cl)×1.5)〕・・・・・・〔2.2〕
〔比較例1〕
実施例1において、下記式〔2.3〕により亜硫酸水素ナトリウム(SBS)を添加した結果を表3に示す。
SBS濃度=1.1×((T-Cl)×1.5)・・・・・・〔2.3〕
Figure 0007608895000003
上記の結果より、式〔2.3〕により亜硫酸水素ナトリウム(SBS)の添加量を制御した比較例1では、Cl添加量7.5mg(Cl)/Lの場合の残留全塩素濃度(T-Cl)* (+1)が1(Cl)mg/Lを超えており、残留塩素除去装置から残留塩素が漏出していることが分かる。これに対して式〔2.1〕または式〔2.2〕により亜硫酸水素ナトリウム(SBS)の添加量を制御した実施例1、2では残留塩素除去装置からの残留塩素漏出がないことが分かる。この場合、亜硫酸水素ナトリウム(SBS)の添加量は少なく、過剰添加は少ない。特に式〔2.2〕により亜硫酸水素ナトリウム(SBS)の添加量を制御した実施例2では、残留塩素漏出がなく、亜硫酸水素ナトリウム(SBS)の過剰添加もより少なく制御できることが分かる。
本発明は、アンモニア性窒素含有原水に塩素系酸化剤を添加して塩素処理し、塩素処理水の残留塩素を除去して膜分離を行う水処理方法および装置に利用可能である。
1 塩素処理装置、2 残留塩素除去装置、3 保安フィルタ、4 RO膜分離装置、4a RO膜モジュール、4b 濃縮液室、4c 透過液室、5 塩素系酸化剤槽、6 還元剤槽、7 スライム防止剤槽、8 制御装置、P1、P2、P3 ポンプ、C1、C2、C3 検出器、S1、S2、S3 制御信号、D1、D2 遊離/全塩素検出信号、D3 スライム防止剤信号。

Claims (6)

  1. アンモニア性窒素含有原水に塩素系酸化剤を添加し、不連続点塩素処理によりアンモニア性窒素を除去する塩素処理工程、
    塩素処理水に還元剤を添加して残留塩素を除去する残留塩素除去工程、
    残留塩素除去水を分離膜により膜分離する膜分離工程、
    塩素処理水の全塩素濃度と遊離塩素濃度を測定する水質測定工程、および
    塩素処理水の全塩素濃度と遊離塩素濃度の測定値から還元剤の添加量を制御する制御工程を含み、
    制御工程は、全塩素濃度(T-Cl)と遊離塩素濃度(F-Cl)の差から結合塩素濃度(C-Cl)を算出するとともに、下記式〔1〕により還元剤の添加量を算出して制御するように構成されていることを特徴とする水処理方法。

    還元剤濃度=fs×〔((C-Cl)×m×a)+((F-Cl)×m)〕・・・・〔1〕
    (式中、fsは安全率で1~1.2、mは反応当量の還元剤とClの分子量比、aは結合塩素係数で1.2~2である。)
  2. 還元剤は亜硫酸水素ナトリウム(SBS)であり、
    制御工程は、下記式〔2〕により還元剤の添加量を制御するように構成されている請求項1記載の水処理方法。

    SBS濃度=fs×〔((C-Cl)×1.5×a)+((F-Cl)×1.5)〕・・・・・・〔2〕
    (式中、fsは安全率で1~1.2、aは結合塩素係数で1.2~2である。)
  3. 膜分離工程は、残留塩素除去水にスライム防止剤を添加して膜分離するように構成されている請求項1または2記載の水処理方法。
  4. アンモニア性窒素含有原水に塩素系酸化剤を添加し、不連続点塩素処理によりアンモニア性窒素を除去する塩素処理装置、
    塩素処理水に還元剤を添加して残留塩素を除去する残留塩素除去装置、
    残留塩素除去水を分離膜により膜分離する膜分離装置、
    塩素処理水の全塩素濃度と遊離塩素濃度を測定する水質測定装置、および
    塩素処理水の全塩素濃度と遊離塩素濃度の測定値から還元剤の添加量を制御する制御装置を含み、
    制御装置は、全塩素濃度(T-Cl)と遊離塩素濃度(F-Cl)の差から結合塩素濃度(C-Cl)を算出するとともに、下記式〔1〕により還元剤の添加量を算出して制御するように構成されていることを特徴とする水処理装置。

    還元剤濃度=fs×〔((C-Cl)×m×a)+((F-Cl)×m)〕・・・・〔1〕
    (式中、fsは安全率で1~1.2、mは反応当量の還元剤とClの分子量比、aは結合塩素係数で1.2~2である。)
  5. 還元剤は亜硫酸水素ナトリウム(SBS)であり、
    制御装置は、下記式〔2〕により還元剤の添加量を制御するように構成されている請求項4記載の水処理装置。

    SBS濃度=fs×〔((C-Cl)×1.5×a)+((F-Cl)×1.5)・・・・・・〔2〕
    (式中、fsは安全率で1~1.2、aは結合塩素係数で1.2~2である。)
  6. 膜分離装置は、残留塩素除去水にスライム防止剤を添加して膜分離するように構成されている請求項4または5記載の水処理装置。
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