JP7608873B2 - 樹脂組成物、硬化物、樹脂シート、プリント配線板及び半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物、硬化物、樹脂シート、プリント配線板及び半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂組成物に関する。さらには、当該樹脂組成物を用いて得られる、硬化物、樹脂シート、プリント配線板及び半導体装置に関する。
非特許文献1には、ダブルデッカー型シルセスキオキサン化合物を原料としたポリイミドが開示されている。
ところで、近年、例えば埋め込み型の配線層を備える配線板に使用される絶縁層には、誘電特性及び銅箔との間の密着性に優れることが求められる。
本発明の課題は、誘電特性及び銅箔との間の密着性(銅箔密着性)に優れる硬化物をもたらすことができる樹脂組成物;並びに、当該樹脂組成物を用いて得られる、硬化物、樹脂シート、プリント配線板及び半導体装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、樹脂組成物が、(A)硬化性樹脂、及び、(B)窒素原子を2つ以上含むヘテロ環構造と、かご型シルセスキオキサン構造とを分子中に有する化合物を含有することにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] (A)硬化性樹脂、及び(B)窒素原子を2つ以上含むヘテロ環構造と、かご型シルセスキオキサン構造とを分子中に有する化合物を含有する樹脂組成物。
[2] ヘテロ環構造が、3つの窒素原子を含む、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] (B)成分が、ヘテロ環構造に連結基を介して結合された、置換基を有していてもよい芳香族環構造を分子中に含む、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] かご型シルセスキオキサン構造が、ダブルデッカー型シルセスキオキサン構造である、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] かご型シルセスキオキサン構造が、下記式(B1)に示すかご型構造を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
Figure 0007608873000001
[上記式(B1)中、
Xは、それぞれ独立して、水素原子がハロゲン原子で置き換えられていてもよい炭素数1~40のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、水素原子がハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキル基で置き換えられていてもよいアリール基、及び、水素原子がハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキル基で置き換えられていてもよいアリール基が炭素数1~8のアルキレン基に結合したアリールアルキル基から選択される基であり;
Yは、それぞれ独立して、水素原子がハロゲン原子で置き換えられていてもよい炭素数1~40のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、水素原子がハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキル基で置き換えられていてもよいアリール基、及び、水素原子がハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキル基で置き換えられていてもよいアリール基が炭素数1~8のアルキレン基に結合したアリールアルキル基であり;
*は、結合手であり;
X又はYが炭素数1~40のアルキル基である場合、当該アルキル基に含まれる-CH-は、-O-又は-CH=CH-で置き換えられていてもよく;
X又はYがアリール基である場合において、当該アリール基の水素原子が炭素数1~20のアルキル基で置き換えられているときは、当該炭素数1~20のアルキル基の水素原子がハロゲン原子で置き換えられていてもよく、当該炭素数1~20のアルキル基に含まれる-CH-は、-O-又は-CH=CH-で置き換えられていてもよく;
X又はYがアリールアルキル基である場合、当該アリールアルキル基に含まれる-CH-は、-O-で置き換えられていてもよい。]
[6] Xがいずれもフェニル基である、[5]に記載の樹脂組成物。
[7] ヘテロ環構造と、かご型シルセスキオキサン構造との間に、イミド結合が介在する、[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8] さらに、(C)無機充填材を含む、[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9] (C)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、10質量%以上である、[8]に記載の樹脂組成物。
[10] (C)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、90質量%以下である、[8]又は[9]に記載の樹脂組成物。
[11] (C)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、40質量%以下である、[8]~[10]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12] (B)成分の含有量と(C)成分の含有量の合計が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、50質量%以上である、[8]~[11]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[13] (A)成分が、(A-2)ラジカル重合性樹脂を含有する、[1]~[12]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[14] (B)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、0.01質量%以上60質量%以下である、[1]~[13]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[15] 樹脂組成物の硬化物の誘電率(Dk)の値が3.2未満である、[1]~[14]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[16] 樹脂組成物の硬化物の誘電正接(Df)の値が0.0032未満である、[1]~[15]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[17] プリント配線板の絶縁層用である、[1]~[16]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[18] [1]~[17]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物。
[19] 支持体と、当該支持体上に設けられた[1]~[17]のいずれかに記載の樹脂組成物を含む樹脂組成物層とを有する樹脂シート。
[20] [1]~[17]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物により形成された絶縁層を含む、プリント配線板。
[21] [20]に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
本発明によれば、誘電特性及び銅箔との間の密着性(銅箔密着性)をもたらすことができる樹脂組成物;並びに、当該樹脂組成物を用いて得られる、硬化物、樹脂シート、プリント配線板及び半導体装置を提供することができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。ただし、本発明は、下記実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施され得る。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、(A)硬化性樹脂、及び(B)窒素原子を2つ以上含むヘテロ環構造と、かご型シルセスキオキサン構造とを分子中に有する化合物を含有する。これにより、本発明の樹脂組成物は、誘電特性及び銅箔との間の密着性(銅箔密着性)に優れる硬化物をもたらすことができる。
本発明の樹脂組成物は、(A)成分及び(B)成分に加えて、さらに任意の成分を含有していてもよい。任意の成分としては、例えば、(C)無機充填材、(D)硬化剤(ただし、(A)成分及び(B)成分を除く。)、(E)硬化促進剤、(F)重合開始剤、(G)その他の添加剤、及び(H)有機溶剤等が挙げられる。以下、本発明の樹脂組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
<(A)硬化性樹脂>
樹脂組成物は、(A)硬化性樹脂を含有する。(A)硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、及び、ラジカル重合性樹脂から選択される1種以上の樹脂を用いることができる。ラジカル重合性樹脂は、場合により重合開始剤の存在のもとで、熱又は光によってラジカル重合が進行する樹脂であり、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂に分類されてもよい。(A)成分は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。プリント配線板の絶縁層を形成する観点からは、(A)硬化性樹脂は、(A-1)熱硬化性樹脂から選択される1種以上の樹脂を含むことが好ましい。誘電正接がより低い硬化物をもたらす観点からは、(A)硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂から選択される1種以上の樹脂に加えて、(A-2)ラジカル重合性樹脂から選択される1種以上の樹脂を含むことが好ましい。ただし、(A)成分からは、後述する(B)成分に該当するものは除かれる。
(A-1)熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ウレタン樹脂、シアネート樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。一実施形態において、(A)硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を含む。樹脂組成物が(A-1)成分を含む場合、後述する(D)成分を含有することが好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、イソシアヌラート型エポキシ樹脂、フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂、フェノールフタレイン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
樹脂組成物は、エポキシ樹脂として、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂の不揮発成分100質量%に対して、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。
エポキシ樹脂には、温度25℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」ということがある。)と、温度25℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」ということがある。)とがある。本発明の樹脂組成物は、エポキシ樹脂として、固体状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、或いは液状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、或いは固体状エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂とを組み合わせて含んでいてもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する固体状エポキシ樹脂が好ましく、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する芳香族系の固体状エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状エポキシ樹脂としては、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂、フェノールフタレイン型エポキシ樹脂が好ましい。
固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP-4700」、「HP-4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂);DIC社製の「N-690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂);DIC社製の「N-695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP-7200」、「HP-7200HH」、「HP-7200H」、「HP-7200L」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂);DIC社製の「EXA-7311」、「EXA-7311-G3」、「EXA-7311-G4」、「EXA-7311-G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「EPPN-502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3000FH」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN475V」(ナフタレン型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN485」(ナフトール型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN375」(ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX4000H」、「YX4000」、「YX4000HK」、「YL7890」(ビキシレノール型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX7700」(フェノールアラルキル型エポキシ樹脂);大阪ガスケミカル社製の「PG-100」、「CG-500」;三菱ケミカル社製の「YX7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER1010」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「WHR991S」(フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
液状エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する液状エポキシ樹脂が好ましい。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましい。
液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「828US」、「828EL」、「jER828EL」、「825」、(ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER807」、「1750」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「630」、「630LSD」、「604」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂);ADEKA社製の「ED-523T」(グリシロール型エポキシ樹脂);ADEKA社製の「EP-3950L」、「EP-3980S」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂);ADEKA社製の「EP-4088S」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品);ナガセケムテックス社製の「EX-721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂);ダイセル社製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂);ダイセル社製の「PB-3600」、日本曹達社製の「JP-100」、「JP-200」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ZX1658」、「ZX1658GS」(1,4-グリシジルシクロヘキサン型エポキシ樹脂)、三菱ケミカル社製の「YX8000」(水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、信越化学社製「KF-101」(エポキシ変性シリコーン樹脂)等が挙げられる。これらは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂は、液状エポキシ樹脂、固体状エポキシ樹脂、又はそれらの組み合わせの何れであってもよいが、液状エポキシ樹脂を含むことが好ましく、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との組み合わせであることが特に好ましい。
エポキシ樹脂として、固体状エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂とを組み合わせて用いる場合、それらの質量比(固体状エポキシ樹脂:液状エポキシ樹脂)は、好ましくは20:1~1:20、より好ましくは10:1~1:10、特に好ましくは3:1~1:3である。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50g/eq.~5,000g/eq.、より好ましくは60g/eq.~1,000g/eq.、さらに好ましくは80g/eq.~500g/eq.、さらにより好ましくは100g/eq.~300g/eq.である。エポキシ当量は、エポキシ基1当量あたりの樹脂の質量である。このエポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができる。
エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは100~5,000、より好ましくは250~3,000、さらに好ましくは400~1,500である。樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン換算の値として測定できる。
エポキシ樹脂の含有量は、0質量%超であり、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、特に好ましくは5質量%以上であり、上限は特に限定されるものではないが、例えば、60質量%以下、40質量%以下、30質量%以下又は25質量%以下とし得る。
また、エポキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは6質量%以上、特に好ましくは10質量%以上であり、上限は特に限定されるものではないが、例えば、85質量%以下、65質量%以下、55質量%以下又は50質量%以下とし得る。樹脂成分とは、樹脂組成物中の不揮発成分のうち(B)成分を除いた成分をいう。
<(A-2)ラジカル重合性樹脂>
樹脂組成物は、(A-2)成分として、ラジカル重合性樹脂を含有していてもよい。ただし、(A-2)成分からは、後述する(B)~(F)成分に該当するものは除かれる。(A-2)成分は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。樹脂組成物が(A-2)成分を含む場合、後述する(F)成分を含有することが好ましい。
(A-2)成分は、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する化合物(以下、「ラジカル重合性化合物」という)を含む。ラジカル重合性化合物としては、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する限り特に限定されないが、ラジカル重合性不飽和基として、ビニル基、アリル基、スチリル基、ビニルフェニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、マレイミド基、フマロイル基、及びマレオイル基から選ばれる1種以上を有する化合物を含むことが好ましく、中でも、アリル基、スチリル基、ビニルフェニル基、アクリロイル基、及びメタクリロイル基から選ばれる1種以上を含む化合物を含むことがより好ましい。ラジカル重合性不飽和基を含む樹脂の例としては、SABIC社製「SA9000-111」が挙げられる。
(A-2)成分は、マレイミド樹脂、スチリル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、アリル樹脂、及びブタジエン樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、マレイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂及びスチリル樹脂から選ばれる1種以上であることがより好ましく、マレイミド樹脂、及びスチリル樹脂のいずれかであることがより好ましい。
(A-2)成分は、分子中にラジカル重合性不飽和基を2個以上有する化合物を含むことがより好ましい。上限については特に制限はないが、10個以下等とし得る。
(マレイミド樹脂)
本発明の樹脂組成物は、(A-2)成分として、マレイミド樹脂を含んでもよい。
(A-2)成分としては、
(A2-1)マレイミドの窒素原子と直接結合している炭素原子数5以上の脂肪族基を含むマレイミド化合物、
(A2-2)トリメチルインダン骨格を含むマレイミド化合物、及び
(A2-3)マレイミドの窒素原子と直接結合している芳香族環を有するマレイミド化合物、
から選択される1種以上であることが好ましい。
ここで、用語「直接」とは、(A2-1)成分にあっては、マレイミドの窒素原子と炭素原子数5以上の脂肪族基との間に他の基がないことをいい、(A2-3)成分にあっては、マレイミドの窒素原子と芳香族環との間に他の基がないことをいう。
マレイミド樹脂は、(A2-1)成分であるか、(A2-2)成分であるか、(A2-3)成分であるかの別を問わず、1分子中に2つ以上のマレイミド基(2,5-ジヒドロ-2,5-ジオキソ-1H-ピロール-1-イル基)を有することが好ましい。
以下、マレイミド樹脂の好適な態様である(A2-1)成分、(A2-2)成分、(A2-3)成分について説明するが、以下において、用語「置換基」は、特に説明のない限り、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールチオ基、1価の複素環基、アルケニル基、アルキリデン基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基及びオキソ基を意味する。置換基として用いられるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。置換基として用いられるアルキル基やアルケニル基は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。該アルキル基の炭素原子数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~14、さらに好ましくは1~12、さらにより好ましくは1~6、特に好ましくは1~3である。該アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、等が挙げられる。該アルケニル基の炭素原子数は、好ましくは2~20、より好ましくは3~14、さらに好ましくは3~12、さらにより好ましくは3~6、特に好ましくは3~4である。該アルケニル基としては、例えば、エテニル基、プロペニル基、n-ブテニル基、t-ブテニル基、等が挙げられる。置換基として用いられるシクロアルキル基の炭素原子数は、好ましくは3~20、より好ましくは3~12、さらに好ましくは3~6である。該シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。置換基として用いられるアルコキシ基は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。該アルコキシ基の炭素原子数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~12、さらに好ましくは1~6である。該アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。置換基として用いられるシクロアルキルオキシ基の炭素原子数は、好ましくは3~20、より好ましくは3~12、さらに好ましくは3~6である。該シクロアルキルオキシ基としては、例えば、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、及びシクロヘキシルオキシ基が挙げられる。置換基として用いられるアルキルチオ基の炭素原子数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~14、さらに好ましくは1~12、さらにより好ましくは1~6、特に好ましくは1~3である。置換基として用いられるアリール基は、芳香族炭化水素から芳香環上の水素原子を1個除いた基である。置換基として用いられるアリール基の炭素原子数は、好ましくは6~24、より好ましくは6~18、さらに好ましくは6~14、さらにより好ましくは6~10である。該アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、及びアントラセニル基が挙げられる。置換基として用いられるアリールオキシ基の炭素原子数は、好ましくは6~24、より好ましくは6~18、さらに好ましくは6~14、さらにより好ましくは6~10である。置換基として用いられるアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、及び2-ナフチルオキシ基が挙げられる。置換基として用いられるアリールアルキル基の炭素原子数は、好ましくは7~25、より好ましくは7~19、さらに好ましくは7~15、さらにより好ましくは7~11である。該アリールアルキル基としては、例えば、フェニル-C~C12アルキル基、ナフチル-C~C12アルキル基、及びアントラセニル-C~C12アルキル基が挙げられる。置換基として用いられるアリールアルコキシ基の炭素原子数は、好ましくは7~25、より好ましくは7~19、さらに好ましくは7~15、さらにより好ましくは7~11である。該アリールアルコキシ基としては、例えば、フェニル-C~C12アルコキシ基、及びナフチル-C~C12アルコキシ基が挙げられる。置換基として用いられるアリールチオ基の炭素原子数は、好ましくは6~24、より好ましくは6~18、さらに好ましくは6~14、さらにより好ましくは6~10である。置換基として用いられる1価の複素環基とは、複素環式化合物の複素環から水素原子1個を除いた基をいう。該1価の複素環基の炭素原子数は、好ましくは3~21、より好ましくは3~15、さらに好ましくは3~9である。該1価の複素環基には、1価の芳香族複素環基(ヘテロアリール基)も含まれる。該1価の複素環としては、例えば、チエニル基、ピロリル基、フラニル基、フリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、キノリル基、及びイソキノリル基が挙げられる。置換基として用いられるアルキリデン基とは、アルカンの同一の炭素原子から水素原子を2個除いた基をいう。該アルキリデン基の炭素原子数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~14、さらに好ましくは1~12、さらにより好ましくは1~6、特に好ましくは1~3である。置換基として用いられるアシル基は、式:-C(=O)-Rで表される基(式中、Rはアルキル基又はアリール基)をいう。Rで表されるアルキル基は直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。Rで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、及びアントラセニル基が挙げられる。該アシル基の炭素原子数は、好ましくは2~20、より好ましくは2~13、さらに好ましくは2~7である。置換基として用いられるアシルオキシ基は、式:-O-C(=O)-Rで表される基(式中、Rはアルキル基又はアリール基)をいう。Rで表されるアルキル基は直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。Rで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、及びアントラセニル基が挙げられる。該アシルオキシ基の炭素原子数は、好ましくは2~20、より好ましくは2~13、さらに好ましくは2~7である。上述の置換基は、さらに置換基(以下、「二次置換基」という場合がある。)を有していてもよい。二次置換基としては、特に記載のない限り、上述の置換基と同じものを用いてよい。
<(A2-1)成分>
(A2-1)成分は、マレイミドの窒素原子と直接結合している炭素原子数5以上の脂肪族基を含むマレイミド化合物である。斯かるマレイミド化合物は、例えば、脂肪族アミン化合物(ダイマージアミン化合物など)と、マレイン酸無水物と、必要に応じてテトラカルボン酸二無水物とを含む成分をイミド化反応させることにより得ることができる。
一実施形態において、(A2-1)成分は、下記式(A2-1-1)で表される化合物を含む。
Figure 0007608873000002
式(A2-1-1)中、
は、置換基を有していてもよい炭素原子数5以上の脂肪族基を表し、
は、単結合又は2価の連結基を表し、
nB1は0~20の整数を表す。Aが複数ある場合、それらは同一でも相異なってもよく、Lが複数ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。
で表される脂肪族基の炭素原子数は、5以上であり、好ましくは10以上、15以上又は20以上である。該炭素原子数の上限は特に限定されないが、例えば、100以下、80以下、60以下又は50以下などとし得る。なお、該炭素原子数に置換基の炭素原子数は含まれない。
一実施形態において、Aは、下記式(A2-1-2)で表される2価の基である。
Figure 0007608873000003
式(A2-1-2)中、
11は、単結合、アルキレン基又はアルケニレン基(好ましくはアルキレン基又はアルケニレン基)を表し、
環Zは、アルキル基及びアルケニル基から選ばれる基を有していてもよい非芳香族環(好ましくはアルキル基及びアルケニル基から選ばれる基を有していてもよいシクロアルカン環又はシクロアルケン環)を表し、
nB11は、0~3の整数(好ましくは0又は1、より好ましくは1)を表し、
*は、結合部位を示す。A11や環Zは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい。A11が複数ある場合、それらは同一でも相異なってもよく、環Zが複数ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。
で表される2価の連結基としては、炭素原子、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子から選ばれる2個以上(例えば2~3000個、2~1000個、2~100個、2~50個)の骨格原子からなる2価の有機基(好ましくは2価の環(例えば芳香族環又は非芳香族環)含有有機基)が挙げられ、中でも、下記式(A2-1-3)で表される2価の基が好ましい。
Figure 0007608873000004
式(A2-1-3)中、
12は、単結合、又は炭素原子、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子から選ばれる1個以上(例えば1~3000個、1~1000個、1~100個、1~50個)の骨格原子からなる2価の基を表し、
B1及びRB2は、それぞれ独立に、置換基を表し、
nB12は、0又は1を表し、
nB13及びnB14は、それぞれ独立に、0~3の整数(好ましくは0又は1)を表し、
*は、結合部位を示す。RB1が複数ある場合、それらは同一でも相異なってもよく、RB2が複数ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。
なお、nB12が0であるとき、式(A2-1-3)で表される2価の基は、下記式(A2-1-4)で表される構造を有する2価の基を示す。式中、RB1、nB13及び*は、式(A2-1-3)にて説明したとおりである。
Figure 0007608873000005
式(A2-1-3)中、nB12が1である実施形態において、A12で表される2価の基としては、下記式(A2-1-5)で表される2価の基が好ましい。
Figure 0007608873000006
式(A2-1-5)中、
は、単結合、アルキレン基、アルケニレン基、-O-、-CO-、-S-、-SO-、-SO-、-CONH-、-NHCO-、-COO-、又は-OCO-を表し、
環Zは、置換基を有していてもよい非芳香族環、又は置換基を有していてもよい芳香族環を表し、
nB15は、0~5の整数(好ましくは0~3)を表し、
*は、結合部位を示す。Yや環Zは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい。Yが複数ある場合、それらは同一でも相異なってもよく、環Zが複数ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。
12で表される2価の基の具体例としては、特に限定されるものではないが、-CH-、-CH(CH)-、-CH(CHCH)-、-C(CH-、-C(CH)(CHCH)-、-C(CHCH-、-O-、-CO-、-S-、-SO-、及び-SO-に加えて、下記で表される2価の有機基を挙げることができる。
Figure 0007608873000007
(A2-1)成分の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、好ましくは150~50000、より好ましくは300~20000であり、より詳細には、式(A2-1-1)中のnB1が1以上の整数である態様では、好ましくは500~50000、より好ましくは1000~20000であり、nB1が0である態様では、好ましくは150~5000、より好ましくは300~1000である。(A2-1)成分のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン換算の値として測定できる。
また、(A2-1)成分について、マレイミド基の官能基当量は、好ましくは50~20000g/eq.、より好ましくは100~20000g/eq.であり、より詳細には、式(A2-1-1)中のnB1が1以上の整数である態様では、好ましくは300g/eq.~20000g/eq.、より好ましくは500g/eq.~10000g/eq.であり、nB1が0である態様では、好ましくは50g/eq.~2000g/eq.、より好ましくは100g/eq.~1000g/eq.さらに好ましくは200g/eq.~600g/eq.、特に好ましくは300g/eq.~400g/eq.である。
本発明の所期の効果を奏する観点から、(A2-1)成分は、下記式(A2-1-6)で表される構造、下記式(A2-1-7)で表される構造、又は下記式(A2-1-8)で表される構造の何れかを有するマレイミド化合物を含むことが好ましい。
Figure 0007608873000008
式(A2-1-6)中、A11及び環Zは、先に説明したとおりであり、A11-環Z-A11の1ブロック当たりの炭素原子数は好ましくは20~100(より好ましくは30~60又は30~50)であり、いわゆるダイマー酸骨格(C36骨格;ダイマージアミン由来のC36脂肪族骨格)であることが特に好ましい。nB16は1~10の整数を表す。
Figure 0007608873000009
式(A2-1-7)中、A11、Y、環Z、環Z及びnB15は、先に説明したとおりであり、A11-環Z-A11の1ブロック当たりの炭素原子数は好ましくは20~100(より好ましくは30~60又は30~50)であり、いわゆるダイマー酸骨格(C36骨格;ダイマージアミン由来のC36脂肪族骨格)であることが特に好ましい。また、nB15+1個のY1とnB15個の環Zからなるブロックは、先に説明した2価の基A12に対応するが、中でも、酸素原子を含む2価の基であることが好ましい。nB17は1~10の整数を表す。
Figure 0007608873000010
式(A2-1-8)中、A11及び環Zは、先に説明したとおりであり、A11-環Z-A11の1ブロック当たりの炭素原子数は好ましくは20~100(より好ましくは30~60又は30~50)であり、いわゆるダイマー酸骨格(C36骨格;ダイマージアミン由来のC36脂肪族骨格)であることが特に好ましい。nB11は0~3の整数を表す。
式(A2-1-6)で表される構造を有するマレイミド化合物の市販品としては、例えば、デザイナーモレキュールズ社(デジグナーモレキュールズ社)製の「BMI-3000J」、「BMI-5000」等が挙げられる。式(A2-1-7)で表される構造を有するマレイミド化合物の市販品としては、例えば、デザイナーモレキュールズ社製の「BMI-1400」、「BMI-1500」、「BMI-1700」等が挙げられる。式(A2-1-8)で表される構造を有するマレイミド化合物の市販品としては、例えば、デザイナーモレキュールズ社製の「BMI-689」等が挙げられる。Annika Wagnerら,“Cure kinetics of bismaleimides as basis for polyimide-like inks for PolyJet(登録商標)-3D-printing”,「J. APPL. POLYM. SCI.」,2018,47244に開示されるデジグナーモレキュールズ社製の「BMI-1500」、「BMI-1700」等が挙げられる。
<(A2-2)成分>
(A2-2)成分は、トリメチルインダン骨格を含むマレイミド化合物である。トリメチルインダン骨格とは、下記式(A2-2-1)に示す骨格を表す。
Figure 0007608873000011
トリメチルインダン骨格中のベンゼン環は、置換基を有していてもよい。トリメチルインダン骨格中のベンゼン環が置換基を有する場合、該置換基の数は、1でもよく、2以上でもよい。トリメチルインダン骨格中のベンゼン環が有する置換基の数の上限は、通常、3以下である。置換基の数が2以上である場合、それらは、互いに同一でも相異なってもよい。中でも、トリメチルインダン骨格中のベンゼン環は、置換基を有していないことが好ましい。
(A2-2)成分が1分子中に含むトリメチルインダン骨格の数は、1でもよく、2以上でもよい。上限は、例えば、10以下、8以下、7以下、又は6以下とし得る。
(A2-2)成分は、上述したトリメチルインダン骨格に加えて、さらに芳香族環骨格を含むことが好ましい。芳香族環骨格としては、炭素環骨格及び複素環骨格の何れであってもよいが、炭素環骨格がより好ましい。該芳香族環骨格の環構成炭素の数は、好ましくは3~20、より好ましくは4~16、5~14又は6~10である。芳香族環骨格としては、例えば、ベンゼン環骨格、ナフタレン環骨格、アントラセン環骨格等が挙げられる。(A2-2)成分が1分子中に含む芳香族環骨格の数は、好ましくは1以上、より好ましくは2以上であり、好ましくは6以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下である。(A2-2)成分が、トリメチルインダン骨格に加えて、2以上の芳香族環骨格を含む場合、それら芳香族環骨格は、互いに同一でも相異なってもよい。
芳香族環骨格は、置換基を有していてもよい。芳香族環骨格が置換基を有する場合、該置換基の数は、1でもよく、2以上でもよい。芳香族環骨格が有する置換基の数の上限は、通常、4以下である。置換基の数が2以上である場合、それらは、互いに同一でも相異なってもよい。
(A2-2)成分は、トリメチルインダン骨格に加えて、さらに2価の脂肪族炭化水素基を含むことが好ましい。特に、(A2-2)成分が、トリメチルインダン骨格中のベンゼン環とは別に芳香族環骨格を含む場合、(A2-2)成分は2価の脂肪族炭化水素基を含むことが好ましい。この場合、2価の脂肪族炭化水素基は、トリメチルインダン骨格中のベンゼン環と芳香族環骨格との間を連結することが好ましい。また、2価の脂肪族炭化水素基は、芳香族環骨格同士を連結することが好ましい。
2価の脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは1以上であり、好ましくは12以下、より好ましくは8以下、さらに好ましくは5以下である。2価の脂肪族炭化水素基としては、2価の飽和炭化水素基及び2価の不飽和炭化水素基の何れであってもよいが、2価の飽和炭化水素基が好ましく、アルキレン基がより好ましい。2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の直鎖アルキレン基;モノメチルメチレン基(-CH(CH)-)、モノエチルモノメチレン基(-CH(CHCH)-)、ジメチルメチレン基(-C(CH-)、エチルメチルメチレン基(-C(CH)(CHCH)-)、ジエチルメチレン基(-C(CHCH-)等の分岐鎖アルキレン基等が挙げられる。(A2-2)成分が、トリメチルインダン骨格に加えて、2以上の2価の脂肪族炭化水素基を含む場合、それら2価の脂肪族炭化水素基は、互いに同一でも相異なってもよい。
(A2-2)成分は、下記式(A2-2-2)で表される構造を含んでいてもよい。(A2-2)成分の全体が式(A2-2-2)で表される構造を有していてもよく、(A2-2)成分の一部が式(A2-2-2)で表される構造を有していてもよい。
Figure 0007608873000012
式(A2-2-2)中、
Ara1は、置換基を有していてもよい2価の芳香族環基を表し、
a1及びRa2は、それぞれ独立に、置換基を表し、
a3は、2価の脂肪族炭化水素基を表し、
a1は、正の整数を表し、
a2は、それぞれ独立に、0~4の整数を表し、
a3は、それぞれ独立に、0~3の整数を表す。Ra1が複数ある場合、それらは同一でも相異なってもよく、Ra2が複数ある場合、それらは同一でも相異なってもよく、複数あるRa3は互いに同一でも相異なってもよい。
Ara1は、置換基を有していてもよい2価の芳香族環基を表す。2価の芳香族環基の炭素原子数は、好ましくは6以上であり、好ましくは20以下、より好ましくは16以下、14以下又は10以下である。2価の芳香族環基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基が挙げられる。2価の芳香族環基が有していてもよい置換基としては、先述の置換基が挙げられ、中でも、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルキルオキシ基、炭素原子数1~10のアルキルチオ基、炭素原子数6~10のアリール基、炭素原子数6~10のアリールオキシ基、炭素原子数6~10のアリールチオ基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、及びメルカプト基が好ましい。各置換基の水素原子は、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。2価の芳香族環基が置換基を有する場合、置換基の数は、好ましくは1~4である。2価の芳香族環基が有する置換基の数が2以上である場合、それら2以上の置換基は、互いに同一でも相異なってもよい。中でも、Ara1は、置換基を有していない2価の芳香族環基であることが好ましい。
a1は、置換基を表す。Ra1で表される置換基としては、先述の置換基が挙げられ、中でも、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルキルオキシ基、炭素原子数1~10のアルキルチオ基、炭素原子数6~10のアリール基、炭素原子数6~10のアリールオキシ基、炭素原子数6~10のアリールチオ基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、及びメルカプト基が好ましい。各置換基の水素原子は、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。
中でも、Ra1は、炭素原子数1~4のアルキル基、炭素原子数3~6のシクロアルキル基、及び、炭素原子数6~10のアリール基からなる群より選ばれる1種類以上の基であることがより好ましく、炭素原子数1~4のアルキル基がさらに好ましい。
a2は、置換基を表す。Ra2で表される置換基としては、先述の置換基が挙げられ、中でも、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルキルオキシ基、炭素原子数1~10のアルキルチオ基、炭素原子数6~10のアリール基、炭素原子数6~10のアリールオキシ基、炭素原子数6~10のアリールチオ基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、及びメルカプト基が好ましい。各置換基の水素原子は、さらにハロゲン原子で置換されていてもよい。
中でも、Ra2は、炭素原子数1~4のアルキル基、炭素原子数3~6のシクロアルキル基、及び、炭素原子数6~10のアリール基からなる群より選択される1種類以上の基であることがより好ましい。
a3は、2価の脂肪族炭化水素基を表す。好ましい2価の脂肪族炭化水素基の範囲は、上述したとおりである。
a1は、正の整数を表す。na1は、好ましくは1以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは8以下である。
a2は、それぞれ独立に、0~4の整数を表す。na2は、好ましくは2又は3であり、より好ましくは2である。複数のna2は、相異なってもよいが、互いに同一であることが好ましい。na2が2以上の場合、複数のRa1は、互いに同一でも相異なってもよい。
a3は、0~3の整数を表す。na3が複数ある場合、それらは相異なってもよいが、互いに同一であることが好ましい。na3は、好ましくは0である。
(A2-2)成分は、下記式(A2-2-3)で表される構造を含んでいてもよい。(A2-2)成分の全体が式(A2-2-3)で表される構造を有していてもよく、(A2-2)成分の一部が式(A2-2-3)で表される構造を有していてもよい。
Figure 0007608873000013
式(A2-2-3)中、Ra1、Ra2、na1、na2及びna3は、式(A2-2-2)にて説明したとおりである。
(A2-2)成分は、さらに、下記式(A2-2-4)で表される構造を含んでいてもよい。
Figure 0007608873000014
式(A2-2-4)中、Ra1、Ra2、na2及びna3は、式(A2-2-2)にて説明したとおりである。またnc1は、繰り返し単位数であり、1~20の整数を表す。*は、結合手を表す。
例えば、(A2-2)成分は、式(A2-2-2)において、na2が3以下であり、且つ、マレイミド基が結合するベンゼン環のマレイミド基結合位置に対するオルト位及びパラ位のうち、2つ以上に、Ra1が結合していない場合に、式(A2-2-2)で表される構造に組み合わせて上記式(A2-2-4)で表される構造を含みうる。
また、例えば、(A2-2)成分は、式(A2-2-3)において、na2が3以下であり、且つ、マレイミド基が結合するベンゼン環のマレイミド基結合位置に対するオルト位及びパラ位のうち、2つ以上に、Ra1が結合していない場合に、式(A2-2-3)で表される構造に組み合わせて上記式(A2-2-4)で表される構造を含みうる。
(A2-2)成分の製造方法は、特に制限はなく、例えば、発明協会公開技報公技番号2020-500211号に記載の方法によって製造してよい。この発明協会公開技報公技番号2020-500211号に記載の製造方法によれば、トリメチルインダン骨格の繰り返し単位数に分布があるマレイミド化合物を得ることができる。この方法で得られるマレイミド化合物は、下記式(A2-2-5)で表される構造を含む。よって、マレイミド樹脂は、式(A2-2-5)で表される構造を含むマレイミド化合物を含んでいてもよい。
Figure 0007608873000015
式(A2-2-5)中、R、R、n及びnは、それぞれ、式(A2-2-2)におけるRa1、Ra2、na2及びna3と同じであり、好適な種類や範囲もまた同じである。nは、0.95~10.0の平均繰り返し単位数を表す。
式(A2-2-5)において、nは、平均繰り返し単位数を表し、その範囲は0.95~10.0である。発明協会公開技報公技番号2020-500211号に記載の製造方法によれば、式(A2-2-5)で表される構造を含む一群のマレイミド化合物が得られる。
式(A2-2-5)において、平均繰り返し単位数nは、好ましくは0.95以上、より好ましくは0.98以上、さらに好ましくは1.0以上、特に好ましくは1.1以上であり、好ましくは10.0以下、より好ましくは8.0以下、さらに好ましくは7.0以下、特に好ましくは6.0以下である。
(A2-2)成分の具体的な構造の例としては、以下が挙げられる。
Figure 0007608873000016
式(A2-2-5)で表される構造を含むマレイミド化合物は、さらに、上記式(A2-2-4)で示す構造を含んでいてもよい。例えば、式(A2-2-5)で表される構造を含むマレイミド化合物は、式(A2-2-5)において、nが3以下であり、且つ、マレイミド基が結合するベンゼン環のマレイミド基結合位置に対するオルト位及びパラ位のうち、2つ以上に、Rが結合していない場合に、式(A2-2-5)で表される構造に組み合わせて式(A2-2-4)で表される構造を含みうる。
式(A2-2-5)で表される構造を含むマレイミド化合物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定から算出される分子量分布Mw/Mnが、特定の範囲にあることが好ましい。具体的には、式(A2-2-5)で表される構造を含むマレイミド化合物の分子量分布Mw/Mnは、好ましくは1.0~4.0、より好ましくは1.1~3.8、さらに好ましくは1.2~3.6、特に好ましくは1.3~3.4である。
(A2-2)成分について、マレイミド基の官能基当量は、好ましくは50g/eq.以上、より好ましくは100g/eq.以上、さらに好ましくは200g/eq.以上であり、好ましくは2000g/eq.以下、より好ましくは1000g/eq.以下、さらに好ましくは800g/eq.以下である。
<(A2-3)成分>
(A2-3)成分は、マレイミドの窒素原子と直接結合している芳香族環を有するマレイミド化合物である。斯かるマレイミド化合物は、例えば、芳香族アミン化合物(芳香族ジアミン化合物など)と、マレイン酸無水物とを含む成分をイミド化反応させることにより得ることができる。
一実施形態において、(A2-3)成分は、下記式(A2-3-1)で表される化合物を含む。
Figure 0007608873000017
式(A2-3-1)中、
環Arは、置換基を有していてもよい芳香族環を表し、
は、単結合又は2価の連結基を表し、
nB2は、1~100の整数を表す。複数ある環Arは同一でも相異なってもよく、Lが複数ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。
環Arで表される芳香族環としては、炭素環及び複素環の何れであってもよいが、炭素環がより好ましい。環Arで表される芳香族環の炭素原子数は、好ましくは3~20、より好ましくは5~14又は6~10である。該炭素原子数に置換基の炭素原子数は含まれない。
で表される2価の連結基としては、炭素原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1個以上(例えば1~3000個、1~1000個、1~100個、1~50個)の骨格原子からなる2価の基であれば特に限定されず、例えば、先述の式(A2-1-3)中のA12として記載した2価の基が挙げられる。
環Arは、例えば、置換基を有していてもよい炭素原子数6~10の芳香族炭素環(より好ましくは置換基を有していてもよいベンゼン環で)あり、また、Lは(Lが複数ある場合、少なくとも1つのLは)、ビフェニル骨格を有する2価の基であることが好ましい。したがって一実施形態において、(A2-3)成分はビフェニル骨格を有する。
なお、(A2-3)成分において、マレイミドの窒素原子と芳香族環は直接結合している。マレイミドと芳香族環の結合位置は、芳香族環と結合しているLを基準として、任意の位置であってよい。例えば、芳香族環がベンゼン環である場合、マレイミドと該ベンゼン環の結合位置は、該ベンゼン環と結合しているLを基準として、オルト位、メタ位、及びパラ位のいずれであってもよく、一実施形態では、パラ位に結合している。
好適な一実施形態において、(A2-3)成分は、下記式(A2-3-2)で表される化合物を含む。
Figure 0007608873000018
式(A2-3-2)中、
B3、RB4、RB5及びRB6は、それぞれ独立に、置換基を表し、
nB21は1~100の整数を表し、
nB22及びnB23は、それぞれ独立に、1~10の整数を表し、
nB24及びnB25は、それぞれ独立に、0~3の整数を表し、
nB26及びnB27は、それぞれ独立に、0~4の整数を表す。RB3が複数ある場合、それらは同一でも相異なってもよく、これは、RB4、RB5及びRB6についても同様である。
nB21は、好ましくは1~50、より好ましくは1~20、さらに好ましくは1~5である。
nB22及びnB23は、それぞれ独立に、好ましくは1~6、より好ましくは1~3、さらに好ましくは1又は2である。
nB24及びnB25は、それぞれ独立に、好ましくは0~2の整数、より好ましくは0又は1である。nB24、nB25が1以上である場合、RB3及びRB4で表される置換基は、それぞれ独立に、アルキル基又はアリール基であることが好ましい。
nB26及びnB27は、それぞれ独立に、好ましくは0~2の整数、より好ましくは0又は1である。nB26、nB27が1以上である場合、RB5及びRB6で表される置換基は、それぞれ独立に、アルキル基又はアリール基であることが好ましい。
中でも、nB26及びnB27は0であることが好ましい。したがって好適な一実施形態において、(A2-3)成分は、下記式(A2-3-3)で表される化合物を含む。
Figure 0007608873000019
式(A2-3-3)中、RB3、RB4、nB21、nB22、nB23、nB24及びnB25は、式(A2-3-2)にて説明したとおりである。
(A2-3)成分の分子量は、分子量分布を有する場合、重量平均分子量(Mw)にて、500以上であり、好ましくは550以上である。該Mwの上限は、特に限定されないが、好ましくは5000以下、より好ましくは2500以下である。(A2-3)成分のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン換算の値として測定できる。
また、(A2-3)成分について、マレイミド基の官能基当量は、好ましくは50g/eq.~2000g/eq.、より好ましくは100g/eq.~1000g/eq.さらに好ましくは150g/eq.~500g/eq.、特に好ましくは200g/eq.~300g/eq.である。
(A2-3)成分は、下記式(A2-3-4)で表される構造を有するマレイミド化合物であってもよい。
Figure 0007608873000020
式(A2-3-4)中、nB21は、先に説明したとおりである。
式(A2-3-4)で表される構造を有するマレイミド化合物の市販品としては、例えば、日本化薬社製の「MIR-3000-70MT」等が挙げられる。(A2-3)成分としてはまた、式(A2-3-1)で表される化合物として、大和化成社製の「BMI-4000」、ケイアイ化成社製の「BMI-80」等を使用してもよい。
樹脂組成物中の(A-2)成分の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分の合計を100質量%としたとき、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、2質量%、3質量%以上又は4質量%以上である。マレイミド樹脂の含有量の上限は、特に限定されないが、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、20質量%以下又は15質量%以下である。
(スチリル樹脂)
スチリル樹脂は、分子中にスチリル基及びビニルフェニル基から選択される1種以上の基を有し、ビニルフェニル基を有することが好ましい。ビニルフェニル基とは、以下に示す構造を有する基である。
Figure 0007608873000021
スチリル樹脂は、誘電正接が低い硬化物を得る観点から、2個以上のビニルフェニル基を有することがより好ましい。
スチリル樹脂は、誘電正接が低い硬化物を得る観点から、環状構造を有することが好ましい。環状構造としては、2価の環状基が好ましい。2価の環状基としては、非芳香族環、例えば脂環式構造を含む環状基及び芳香環構造を含む環状基のいずれであってもよい。また、2価の環状基は、複数有していてもよい。
2価の環状基は、本発明の所期の効果を顕著に得る観点から、好ましくは3員環以上、より好ましくは4員環以上、さらに好ましくは5員環以上であり、好ましくは20員環以下、より好ましくは15員環以下、さらに好ましくは10員環以下である。また、2価の環状基としては、単環構造であってもよく、多環構造であってもよい。
2価の環状基における環は、炭素原子以外にヘテロ原子により環の骨格が構成されていてもよい。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられ、酸素原子が好ましい。ヘテロ原子は前記の環に1つ有していてもよく、2つ以上を有していてもよい。
2価の環状基の具体例としては、下記の2価の基(xii)又は(xiii)が挙げられる。
Figure 0007608873000022
(2価の基(xii)、(xiii)中、R51、R52、R55、R56、R57、R61、及びR62は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素原子数が6以下のアルキル基、又はフェニル基を表し、R53、R54、R58、R59、及びR60は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数6以下のアルキル基、又はフェニル基を表す。)
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。炭素原子数が6以下のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、メチル基であることが好ましい。R51、R52、R55、R56、R57、R61、及びR62としては、メチル基を表すことが好ましい。R53、R54、R58、R59、及びR60は、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
また、2価の環状基は、複数の2価の環状基を組み合わせてもよい。2価の環状基を組み合わせた場合の具体例としては、下記の式(A2-d)で表される2価の環状基(2価の基(a)が挙げられる。
Figure 0007608873000023
(式(A2-d)中、R71、R72、R75、R76、R77、R81、R82、R85及びR86は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素原子数が6以下のアルキル基、又はフェニル基を表し、R73、R74、R78、R79、R80、R83及びR84は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数6以下のアルキル基、又はフェニル基を表す。d1及びd2は、0~300の整数を表す。但し、d1及びd2の一方は0である場合を除く。)
71、R72、R85及びR86は、式(xii)中のR51と同じである。R73、R74、R83及びR84は、式(xii)中のR53と同じである。R75、R76、R77、R81、及びR82は、式(xiii)中のR55と同じである。R78、R79、及びR80は、式(xiii)中のR58と同じである。
d1及びd2は0~300の整数を表す。但し、d1及びd2の一方は0である場合を除く。d1及びd2としては、1~100の整数を表すことが好ましく、1~50の整数を表すことがより好ましく、1~10の整数を表すことがさらに好ましい。d1及びd2は同じであってもよく、異なっていてもよい。
2価の環状基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールアルキル基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、オキソ基等が挙げられ、アルキル基が好ましい。
ビニルフェニル基は、2価の環状基に直接結合していてもよく、2価の連結基を介して結合していてもよい。2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、-C(=O)O-、-O-、-NHC(=O)-、-NC(=O)N-、-NHC(=O)O-、-C(=O)-、-S-、-SO-、-NH-等が挙げられ、これらを複数組み合わせた基であってもよい。アルキレン基としては、炭素原子数1~10のアルキレン基が好ましく、炭素原子数1~6のアルキレン基がより好ましく、炭素原子数1~5のアルキレン基、又は炭素原子数1~4のアルキレン基がさらに好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。このようなアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、1,1-ジメチルエチレン基等が挙げられ、メチレン基、エチレン基、1,1-ジメチルエチレン基が好ましい。アルケニレン基としては、炭素原子数2~10のアルケニレン基が好ましく、炭素原子数2~6のアルケニレン基がより好ましく、炭素原子数2~5のアルケニレン基がさらに好ましい。アリーレン基、ヘテロアリーレン基としては、炭素原子数6~20のアリーレン基又はヘテロアリーレン基が好ましく、炭素原子数6~10のアリーレン基又はヘテロアリーレン基がより好ましい。2価の連結基としては、アルキレン基が好ましく、中でもメチレン基が好ましい。
スチリル樹脂は、下記式(A2-10)で表される化合物を含むことが好ましい。
Figure 0007608873000024
(式(A2-10)中、R91及びR92はそれぞれ独立に2価の連結基を表す。環B1は、2価の環状基を表す。)
91及びR92はそれぞれ独立に2価の連結基を表す。2価の連結基としては、上記の2価の連結基と同様である。
環B1は、2価の環状基を表す。環Bとしては、上記の2価の環状基と同様である。
環B1は、置換基を有していてもよい。置換基としては、上記の2価の環状基が有していてもよい置換基と同様である。
以下、スチリル樹脂の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 0007608873000025
(q1は、式(A2-d)中のd1と同じであり、q2は、式(A2-d)中のd2と同じである。)
スチリル樹脂は、市販品を用いてもよく、例えば、三菱ガス化学社製の「OPE-2St」、「OPE-2St 1200」、「OPE-2St 2200」等が挙げられる。スチリル樹脂は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
スチリル樹脂の数平均分子量は、本発明の所期の効果を顕著に得る観点から、好ましくは3000以下、より好ましくは2500以下、さらに好ましくは2000以下、1500以下である。下限は、好ましくは100以上、より好ましくは300以上、さらに好ましくは500以上、1000以上である。数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して測定されるポリスチレン換算の数平均分子量である。
((メタ)アクリル樹脂)
(メタ)アクリル樹脂は、分子中にアクリロイル基、メタクリロイル基を有する化合物を含む。(メタ)アクリル樹脂としては、本発明の所期の効果を顕著に得る観点から、1分子あたり2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含むことが好ましい。用語「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基及びメタクリロイル基の総称である。
(メタ)アクリル樹脂は、本発明の所期の効果を顕著に得る観点から、環状構造を有することが好ましい。環状構造としては、2価の環状基が好ましい。2価の環状基としては、非芳香族環、例えば脂環式構造を含む環状基及び芳香環構造を含む環状基のいずれであってもよい。中でも、本発明の所期の効果を顕著に得る観点から、脂環式構造を含む環状基であることが好ましい。
2価の環状基は、本発明の所期の効果を顕著に得る観点から、好ましくは3員環以上、より好ましくは4員環以上、さらに好ましくは5員環以上であり、好ましくは20員環以下、より好ましくは15員環以下、さらに好ましくは10員環以下である。また、2価の環状基としては、単環構造であってもよく、多環構造であってもよい。
2価の環状基における環は、炭素原子以外にヘテロ原子により環の骨格が構成されていてもよい。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられ、酸素原子が好ましい。ヘテロ原子は前記の環に1つ有していてもよく、2つ以上を有していてもよい。
2価の環状基の具体例としては、下記の2価の基(i)~(xi)が挙げられる。中でも、2価の環状基としては、(x)又は(xi)が好ましい。
Figure 0007608873000026
2価の環状基は、置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールアルキル基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、オキソ基等が挙げられ、アルキル基が好ましい。
(メタ)アクリロイル基は、2価の環状基に直接結合していてもよく、2価の連結基を介して結合していてもよい。2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、-C(=O)O-、-O-、-NHC(=O)-、-NC(=O)N-、-NHC(=O)O-、-C(=O)-、-S-、-SO-、-NH-等が挙げられ、これらを複数組み合わせた基であってもよい。アルキレン基としては、炭素原子数1~10のアルキレン基が好ましく、炭素原子数1~6のアルキレン基がより好ましく、炭素原子数1~5のアルキレン基、又は炭素原子数1~4のアルキレン基がさらに好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。このようなアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、1,1-ジメチルエチレン基等が挙げられ、メチレン基、エチレン基、1,1-ジメチルエチレン基が好ましい。アルケニレン基としては、炭素原子数2~10のアルケニレン基が好ましく、炭素原子数2~6のアルケニレン基がより好ましく、炭素原子数2~5のアルケニレン基がさらに好ましい。アリーレン基、ヘテロアリーレン基としては、炭素原子数6~20のアリーレン基又はヘテロアリーレン基が好ましく、炭素原子数6~10のアリーレン基又はヘテロアリーレン基がより好ましい。2価の連結基としては、アルキレン基が好ましく、中でもメチレン基、1,1-ジメチルエチレン基が好ましい。
(メタ)アクリル樹脂は、下記式(A2-11)で表される化合物を含むことが好ましい。
Figure 0007608873000027
(式(A2-11)中、R101及びR104はそれぞれ独立にアクリロイル基又はメタクリロイル基を表し、R102及びR103はそれぞれ独立に2価の連結基を表す。環B2は、2価の環状基を表す。)
101及びR104はそれぞれ独立にアクリロイル基又はメタクリロイル基を表し、アクリロイル基が好ましい。
102及びR103はそれぞれ独立に2価の連結基を表す。2価の連結基としては、(メタ)アクリロイル基が結合していてもよい2価の連結基と同様である。
環B2は、2価の環状基を表す。環B2としては、上記の2価の環状基と同様である。環B2は、置換基を有していてもよい。置換基としては、上記の2価の環状基が有していてもよい置換基と同様である。
(メタ)アクリル樹脂の具体例としては、以下のものが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 0007608873000028
(メタ)アクリル樹脂は、市販品を用いてもよく、例えば、新中村化学工業社製の「A-DOG」、共栄社化学社製の「DCP-A」、日本化薬社製「NPDGA」、「FM-400」、「R-687」、「THE-330」、「PET-30」、「DPHA」、新中村化学工業社製の「NKエステルDCP」等が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂の(メタ)アクリロイル基当量は、本発明の所期の効果を顕著に得る観点から、好ましくは30g/eq.~400g/eq.、より好ましくは50g/eq.~300g/eq.、さらに好ましくは75g/eq.~200g/eq.である。(メタ)アクリロイル基当量は、1当量の(メタ)アクリロイル基を含む化合物の質量である。
(アリル樹脂)
アリル樹脂は、分子中にアリル基を少なくとも1つ有する。アリル樹脂は、1分子中に2個以上のアリル基を有することがより好ましい。上限は特に制限されないが、好ましくは10個以下、より好ましくは5個以下とし得る。
また、アリル樹脂は、本発明の所期の効果を顕著に得る観点から、アリル基に加えて、ベンゾオキサジン環、フェノール環、イソシアヌル環、及び環状構造を有するカルボン酸誘導体のいずれかを有することが好ましい。
ベンゾオキサジン環を有するアリル樹脂は、ベンゾオキサジン環の窒素原子及びベンゼン環のいずれかと結合していることが好ましく、窒素原子と結合していることがより好ましい。
フェノール環を有するアリル樹脂としては、例えば、アリル基を含むクレゾール樹脂、アリル基を含むノボラック型フェノール樹脂、アリル基を含むクレゾールノボラック樹脂等が挙げられる。
イソシアヌル構造を有するアリル樹脂は、イソシアヌル構造の窒素原子とアリル基とが直接結合していることが好ましい。イソシアヌル構造を有するアリル樹脂としては、イソシアヌル酸アリル、イソシアヌル酸ジアリル、イソシアヌル酸トリアリル等が挙げられる。
環状構造を有するカルボン酸誘導体を有するアリル樹脂としては、環状構造を有するカルボン酸アリルが好ましい。環状構造としては、非芳香族環、例えば脂環式構造を含む環状基及び芳香環構造を含む環状基のいずれであってもよい。また、環状基は、炭素原子以外にヘテロ原子により環の骨格が構成されていてもよい。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられ、窒素原子が好ましい。ヘテロ原子は前記の環に1つ有していてもよく、2つ以上を有していてもよい。
環状構造を有するカルボン酸としては、例えば、イソシアヌル酸、ジフェン酸、フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。環状構造を有するカルボン酸誘導体を有するアリル樹脂としては、例えば、イソシアヌル酸アリル、イソシアヌル酸ジアリル、イソシアヌル酸トリアリル、ジフェン酸ジアリル、ジフェン酸アリル、オルトジアリルフタレート、メタジアリルフタレート、パラジアリルフタレート、シクロヘキサンジカルボン酸アリル、シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル等が挙げられる。
アリル樹脂は、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、明和化成社製「MEH-8000H」、「MEH-8005」(フェノール環を有するアリル樹脂);四国化成工業社製「ALP-d」(ベンゾオキサジン環を有するアリル樹脂);四国化成工業社製「L-DAIC」(イソシアヌル環を有するアリル樹脂);日本化成社製「TAIC」(イソシアヌル環を有するアリル樹脂(トリアリルイソシアヌレート));大阪ソーダ社製「MDAC」(シクロヘキサンジカルボン酸誘導体を有するアリル樹脂);日触テクノファインケミカル社製「DAD」(ジフェン酸ジアリル);大阪ソーダ社製「ダイソーダップモノマー」(オルトジアリルフタレート)等が挙げられる。
アリル樹脂のアリル基当量は、本発明の所期の効果を顕著に得る観点から、好ましくは20g/eq.~1000g/eq.、より好ましくは50g/eq.~500g/eq.、さらに好ましくは100g/eq.~300g/eq.である。アリル基当量は、1当量のアリル基を含む化合物の質量である。
(ブタジエン樹脂)
ブタジエン樹脂は、ブタジエン骨格を有する。ポリブタジエン構造は主鎖に含まれていても側鎖に含まれていてもよい。なお、ポリブタジエン構造は、一部又は全てが水素添加されていてもよい。ブタジエン樹脂としては、水素化ポリブタジエン骨格含有樹脂、ヒドロキシ基含有ブタジエン樹脂、フェノール性水酸基含有ブタジエン樹脂、カルボキシ基含有ブタジエン樹脂、酸無水物基含有ブタジエン樹脂、イソシアネート基含有ブタジエン樹脂及びウレタン基含有ブタジエン樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂がより好ましい。
ブタジエン樹脂の具体例としては、日本曹達社製の「JP-100」、CRAY VALLEY社製の「Ricon100」、「Ricon150」、「Ricon130MA8」、「Ricon130MA13」、「Ricon130MA20」、「Ricon131MA5」、「Ricon131MA10」、「Ricon131MA17」、「Ricon131MA20」、「Ricon 184MA6」等が挙げられる。
(A-2)成分の含有量は、0質量%以上であり、本発明の所期の効果を高める観点、特には低誘電正接の硬化物を得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上であり、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。
(A-2)成分の含有量は、本発明の所期の効果を高める観点、特には低誘電正接の硬化物を得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上であり、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。
(A)成分が、(A-1)成分及び(A-2)成分の双方を含む場合、(A-2)成分の含有量(質量部)は、(A-1)成分の含有量(A-2)成分に対して、本発明の所期の効果を高める観点、特には低誘電正接の硬化物を得る観点から、0.01倍以上、0.05倍以上又は0.1倍以上であり、上限は限定されるものではないが、例えば、10倍以下、7倍以下又は5倍以下とし得る。
(A)硬化性樹脂の含有量は、0質量%超であり、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、特に好ましくは5質量%以上であり、上限は特に限定されるものではないが、例えば、65質量%以下、45質量%以下、35質量%以下又は30質量%以下とし得る。
(A)硬化性樹脂の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは6質量%以上、特に好ましくは10質量%以上であり、上限は特に限定されるものではないが、例えば、85質量%以下、70質量%以下、60質量%以下又は55質量%以下とし得る。樹脂成分とは、樹脂組成物中の不揮発成分のうち(B)成分を除いた成分をいう。
<(B)窒素原子を2つ以上含むヘテロ環構造と、かご型シルセスキオキサン構造とを分子中に有する化合物:改質かご型PSQ>
本発明の樹脂組成物は、(B)成分として、窒素原子を2つ以上含むヘテロ環構造(以下、「Nリッチヘテロ環状構造」ともいう)と、かご型シルセスキオキサン構造(以下、「かご型PSQ構造」ともいう)とを分子中に有する化合物を含有する。斯かる化合物を以下において「改質かご型PSQ」ともいう。(B)改質かご型PSQは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。本発明の樹脂組成物は、(A)成分と組み合わせてこの(B)成分を含有することにより所期の効果を奏することができる。(B)改質かご型PSQは、先述のかご型PSQ構造と、先述のNリッチヘテロ環状構造との間に、通常、連結基(以下、「主鎖中連結基」ともいう)を有する。主鎖中連結基については後述する。
(かご型シルセスキオキサン構造:かご型PSQ構造)
(B)改質かご型PSQにおいて、かご型PSQ構造の前駆体としうるシルセスキオキサン化合物(PSQ:ポリシルセスキオキサン)は、通常、シロキサン結合を含む骨格を有し、(RSiO3/2で表されるケイ素含有骨格を有しうる。前記ケイ素含有骨格におけるRは、炭化水素基等の有機基を表し、nは整数を表す。シルセスキオキサン化合物には、不定形構造、ラダー構造、不完全縮合型構造及び完全縮合型構造のものが知られている。本発明の樹脂組成物が含む改質かご型PSQは、先述のとおり、かご型PSQ構造を有する。かご型PSQ構造とは、ケイ素含有骨格で構成される環状構造を複数含み、斯かる複数の環状構造によって、閉じた空間を形成するか又は反応後に閉じた空間を形成し得る構造をいう。かご型PSQ構造には、例えば、T8型シルセスキオキサン化合物が有するかご型構造、ダブルデッカー型シルセスキオキサン化合物(以下、「DDSQ」ともいう)が有するかご型構造及びT12型シルセスキオキサンが有するかご型構造が含まれ、反応により閉じた空間を形成し得るT7型シルセスキオキサン化合物が有するかご型構造が含まれてもよい。他方で、かご型PSQからは、かご型構造を有していないPSQ、例えばラダー構造を有するPSQや不定形構造を有するPSQは除外される。
かご型PSQ構造は、本発明の所期の効果を高める観点から、DDSQが有するかご型構造であることが好ましい。
かご型PSQ構造は、好ましくは、下記式(B1)に示されるかご型構造を含む。
Figure 0007608873000029
[上記式(B1)中、
Xは、それぞれ独立して、水素原子がハロゲン原子で置き換えられていてもよい炭素数1~40のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、水素原子がハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキル基で置き換えられていてもよいアリール基、及び、水素原子がハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキル基で置き換えられていてもよいアリール基が炭素数1~8のアルキレン基に結合したアリールアルキル基から選択される基であり;
Yは、それぞれ独立して、水素原子がハロゲン原子で置き換えられていてもよい炭素数1~40のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、水素原子がハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキル基で置き換えられていてもよいアリール基、及び、水素原子がハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキル基で置き換えられていてもよいアリール基が炭素数1~8のアルキレン基に結合したアリールアルキル基であり;
*は、結合手であり;
X又はYが炭素数1~40のアルキル基である場合、当該アルキル基に含まれる-CH-は、-O-又は-CH=CH-で置き換えられていてもよく;
X又はYがアリール基である場合において、当該アリール基の水素原子が炭素数1~20のアルキル基で置き換えられているときは、当該炭素数1~20のアルキル基の水素原子がハロゲン原子で置き換えられていてもよく、当該炭素数1~20のアルキル基に含まれる-CH-は、-O-又は-CH=CH-で置き換えられていてもよく;
X又はYがアリールアルキル基である場合、当該アリールアルキル基に含まれる-CH-は、-O-で置き換えられていてもよい。]
X及びYにおいて、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、t-ブチル基、オクチル基、デシル基が挙げられる。水素原子がハロゲン原子で置き換えられたアルキル基としては、例えば、3,3,3-トリフルオロプロピル基、トリデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロオクチル基が挙げられる。アルキル基に含まれる-CH-が-O-で置き換えられた基としては、例えば、3-メトキシプロピル基、3-ヘプタフルオロイソプロポキシプロピル基が挙げられる。アルキル基に含まれる-CH-が-CH=CH-で置き換えられた基としては、例えば、エテニル基、3-ブテニル基、アリルオキシウンデシル基などが挙げられる。
X及びYにおいて、シクロアルキル基としては、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基およびデカリル基が挙げられる。
X及びYにおいて、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントニル基、フルオレニル基が挙げられる。水素原子がハロゲン原子で置き換えられたアリール基としては、例えば、4-フルオロフェニル基、4-クロロフェニル基、4-ブロモフェニル基などが挙げられる。水素原子がアルキル基で置き換えられたアリール基としては、例えば、4-メチルフェニル基、4-エチルフェニル基、4-ブチルフェニル基、4-オクチルフェニル基、4-デシルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル基、4-(2-エチルヘキシル)フェニル基などが挙げられる。アリール基の水素原子がアルキル基で置き換えられ、且つ、このアルキル基に含まれる-CH-が-O-で置き換えられた基としては、例えば、4-メトキシフェニル基、4-エトキシフェニル基、4-ブトキシフェニル基、4-ヘプチルオキシフェニル基、メトキシエチルフェニル基が挙げられる。
誘電正接が低い硬化物を得る観点から、好ましくは、上記式(B1)に示すかご型構造において、X及びYの少なくとも一方、より好ましくは双方が疎水性基を含む。疎水性基としては、炭素数1~40の炭化水素基、好ましくは炭素数1~20の炭化水素基が挙げられる。斯かる炭化水素基は、直鎖状であってもよいし、側鎖を含んでいてもよいし、脂肪族環を含んでいてもよいし、芳香族環を含んでいてもよい。Xは、芳香族環を含むことが好ましく、置換又は無置換のアリール基を含むことがより好ましく、置換又は無置換のアリール基が更に好ましく、無置換のアリール基が特に好ましい。また、Yは、置換又は無置換の脂肪族炭化水素基が好ましく、置換又は無置換のアルキル基がより好ましい。好適な一実施形態においては、上記式(B1)に示すかご型構造において、複数あるXがいずれもフェニル基である。より好適な一実施形態においては、上記式(B1)に示すかご型構造において、複数あるXがいずれもフェニル基であり、複数あるYがいずれもアルキル基、例えばメチル基である。
(窒素原子を2つ以上含むヘテロ環構造:Nリッチヘテロ環構造)
(B)改質かご型PSQにおいて、Nリッチヘテロ環構造は、3員環以上の環構造における骨格原子として窒素原子を2つ以上含む環構造である。一実施形態において、Nリッチヘテロ環構造は、単環構造である(すなわち縮合環構造でない)。Nリッチヘテロ環構造は、通常、先述のかご型PSQ構造との間に介在し得る連結基に結合するための結合手を任意の位置に有する。一実施形態において、斯かる結合手は、Nリッチヘテロ環構造を構成する骨格原子のうち、窒素原子以外の骨格原子(例えば炭素原子)が有する。
Nリッチヘテロ環構造を構成する骨格原子の数(環員数)は、3以上であり、好ましくは5以上、より好ましくは6以上であり、ヘテロ環構造が単環である限り上限は限定されないが、例えば9以下、8以下又は7以下としうる。Nリッチヘテロ環構造に含まれる骨格原子の数は、好適な実施形態において、5(すなわち5員環)及び6(すなわち6員環)のいずれかであり、特に好適な実施形態においては6(すなわち6員環)である。
Nリッチヘテロ環構造は、イミダゾリジン構造、イミダゾール構造、1,2,3-トリアゾール構造、1,2,4-トリアゾール構造、ピペラジン構造、ピラジン構造、ピリミジン構造、ピリダジン構造、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン構造、1,2,3-トリアジン構造、1,2,4-トリアジン構造、1,3,5-トリアジン構造、1,2,3,5-テトラジン構造、1,2,4,5-テトラジン構造及びペンタジン構造からなる群から選択されることが好ましい。
Nリッチヘテロ環構造において、銅箔密着性に優れる硬化物を得る観点から、骨格原子を構成する窒素原子の数は、多い方が好ましく、より好ましくは3以上である。一実施形態において、Nリッチヘテロ環構造は3つの窒素原子を含む。したがって、Nリッチヘテロ環構造の好適な例としては、1,2,3-トリアゾール構造、1,2,4-トリアゾール構造、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン構造、1,2,3-トリアジン構造、1,2,4-トリアジン構造、1,3,5-トリアジン構造が挙げられる。特定の実施形態において、Nリッチヘテロ環構造は、1,3,5-トリアジン構造である。他の実施形態において、Nリッチヘテロ環構造に代えて、骨格原子のすべてが窒素原子で構成された単素環式化合物による環構造であってもよい。
一実施形態において、Nリッチヘテロ環構造は3つの窒素原子を含む。したがって、Nリッチヘテロ環構造の好適な例としては、1,2,3-トリアゾール構造、1,2,4-トリアゾール構造、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン構造、1,2,3-トリアジン構造、1,2,4-トリアジン構造、1,3,5-トリアジン構造が挙げられる。銅箔密着性により優れる硬化物を得る観点から、特定の実施形態において、Nリッチヘテロ環構造は、1,3,5-トリアジン構造である。
Nリッチヘテロ環構造には、任意の置換基(以下、「ヘテロ環結合置換基」ともいう)が結合されていてもよい。斯かるヘテロ環結合置換基は、Nリッチヘテロ環状構造を構成する骨格原子のうち、窒素原子以外の原子(例えば炭素原子)に結合されていてもよいし、窒素原子に結合されていてもよく、一実施形態では、窒素原子以外の原子に結合されている。
ヘテロ環結合置換基は、二次置換基で置換されていてもよい脂肪族構造、及び、二次置換基で置換されていてもよい芳香族環構造から選択された1種以上を含んでいてもよい。斯かる脂肪族構造又は斯かる芳香族環構造は、直接に、又は、任意の連結基(以下、「側鎖中連結基」ともいう)を介して、Nリッチヘテロ環構造に結合される。脂肪族構造は、直鎖状であってもよいし。分岐鎖状であってもよいし、環構造を含んでいてもよい。脂肪族構造に含まれる炭素数は、例えば1~20の範囲内、好ましくは1~6の範囲内にあり、脂肪族構造の典型例は、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基である。芳香族環構造の炭素数は、例えば6~14の範囲内、好ましくは6~10の範囲内にあり、芳香族環構造の典型例は、ベンゼン環構造又はナフタレン環構造である。したがって、一実施形態において、改質かご型PSQは、Nリッチヘテロ環構造に側鎖中連結基を介して結合された、二次置換基で置換されていてもよい芳香族環構造、例えばベンゼン環構造を含む。二次置換基の例としては、ハロゲン原子(例えばフッ素原子)、炭素数1~3のアルキル基、及び炭素数1~3のハロゲン化アルキル基(例えばフルオロアルキル基)を挙げることができ、ある実施形態では、誘電特性により優れた硬化物を得る観点から、二次置換基として、トリフルオロメチル基が採用される。
側鎖中連結基は、2価以上の任意の連結基であれば制限されず、例えば、-O-、-S-、-CO-、-NH-、-NR’-及びこれらを組み合わせた基が挙げられる。側鎖中連結基におけるR’としては、置換基を有していてもよい炭素数1~10、好ましくは1~3のアルキル基、及び、置換基を有していてもよい炭素数1~10、好ましくは1~3のハロゲン化アルキル基を挙げることができる。銅箔密着性により優れる硬化物を得る観点からは、側鎖中連結基は、窒素原子を含む基であることが好ましい。好適な実施形態において、側鎖中連結基は、-NH-、-NR’-、-NH-CO-、-CO-NH-、-NR’-、-NR’-CO-、-CO-NR’-から選択され、例えば-NH-である。したがって、特定の実施形態においては、改質かご型PSQは、Nリッチヘテロ環構造に-NH-を介して結合された、置換基を有していてもよい芳香族環構造を分子中に含むか、又は、Nリッチヘテロ環構造に-NH-を介して結合された、置換基を有していてもよい脂肪族構造と、置換基を有していてもよい芳香族環構造とを分子中に含む。
(主鎖中連結基)
先述のとおり、(B)改質かご型PSQは、通常、かご型PSQ構造とNリッチヘテロ環状構造との間に、主鎖中連結基を有する。主鎖中連結基は、かご型PSQ構造とNリッチヘテロ環状構造とを連結可能である限り限定されないが、一実施形態では、主鎖中連結基は、イミド結合及びエーテル結合から選択された少なくとも一方を含み、例えば耐熱性に優れる硬化物を得る観点から好ましくはイミド結合を少なくとも含み、場合によりイミド結合及びエーテル結合の双方を含む。耐熱性に優れる硬化物を得る観点からは、主鎖中連結基は、芳香族環構造を含むことが好ましい。斯かる芳香族環構造としては、ベンゼン環構造、ナフタレン環構造を挙げることができる。
また、主鎖中連結基は、イミド結合を包含する構造として、下記式に表される構造のいずれかを含み得る。下記式中、*は結合手を表す。
Figure 0007608873000030
上記式に表される構造のうち、一実施形態では、主鎖中連結基は下記構造を含む。下記構造は、かご型PSQ構造の前駆体化合物(モノマー)として、相応の酸無水物基を有するかご型PSQ化合物を用いた場合に、当該かご型PSQ化合物をイミド化することによって生じ得る。斯かるかご型PSQ化合物としては、市販品を用いることができる。斯かる市販品としては、日本材料技研社製の2官能性のダブルデッカー型シルセスキオキサン「脂環式ダブルデッカーシルセスキオキサン-DDSQ-01」又は「シルセスキオキサン脂環式酸二無水物DDSQ」、CAS番号:948849-07-8)、日本材料技研社製「DDSQ-02」を挙げることができる。
Figure 0007608873000031
主鎖中連結基は、上述したイミド結合を包含する構造を含む場合、エーテル結合及び先述の芳香族環構造を包含する構造として、下記式に表される構造のいずれかを含み得る。
*-L-Ar-(Ln2-O-*
[上記式中、Arは、芳香族環構造であり、Lは、単結合であるか又は芳香族環構造を含まない2価の基であり、Lは、芳香族環構造を含まない2価の基であり、n2は、0又は1であり、*は結合手を表す。]
上記式に表される構造におけるLの一方の結合手は、イミド結合に含まれる窒素原子と結合する。上記式に表される構造におけるエーテル結合の一方の結合手は、直接に又は任意の連結基を介してNリッチヘテロ環構造と結合することが好ましい。
一実施形態では、上記式中、Arがベンゼン環構造であり、Lがエチレン基であり、n2が0である。上記構造は、かご型PSQ化合物として、酸無水物基を有するかご型PSQ化合物を用いた場合において、当該かご型PSQ化合物をイミド化するためのモノマーとして、芳香族環構造を有するモノアミンモノヒドロキシ化合物(例えば、チラミン)を用いることによって生じ得る。
特定の実施形態では、改質かご型PSQは、先述のNリッチヘテロ環構造と、先述のかご型PSQ構造とが、互いに先述のイミド結合を少なくとも含む主鎖中連結基を介して結合された連結構造体を複数有するイミド化合物であり、好ましくは、斯かる連結構造体を複数有するポリイミド化合物である。例えば、かご型PSQ構造をX、Nリッチヘテロ環構造をY、置換基を有していてもよい芳香族環構造をZ、イミド結合を少なくとも含む主鎖中連結基をLp、側鎖中連結基をLsとしたとき、改質かご型PSQは、以下の式で表される構造を連結構造体(繰り返し単位)として含んでよい。
[-Lp-X-Lp-Y(-Ls-Z)n-]
式中、nは0又は1である。
繰り返し単位の数は限定されるものではないが、斯かるポリイミド化合物が重合反応によって得られる場合、得られる重合体の重量平均分子量(Mw)が後述する範囲内にあることが好ましい。
(その他の構造)
改質かご型PSQは、先述のとおり、窒素原子を2つ以上含むヘテロ環構造と、かご型PSQ構造とを有する限り限定されず、反応性官能基を有していてもよいし、有していなくてもよい。反応性官能基は、加熱又は光照射によってその反応性を発現するものであってもよい。改質かご型PSQが反応性官能基を有することにより、(A)成分が形成する架橋構造に(B)成分を組み入れることが可能となる。反応性官能基の数は、1分子当たり1つ以上、好ましくは2つ以上であり、その上限は分子中に導入可能である限り制限されない。
反応性官能基としては、酸無水物基、エポキシ基、オキセタニル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基及びビニル基並びにこれらの基のいずれか1種以上の基を含有する基(例えば、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基)が挙げられる。「酸無水物基」とは、別に断らない限り、-CO-O-CO-を含む基を表す。
反応性官能基は、先述のNリッチヘテロ環構造、側鎖中連結基、かご型構造及び主鎖中連結基から選択された1種以上の構造部位の一部をなしていてもよいし、斯かる構造部位に直接的に結合されていてもよいし、任意の連結基を介して結合されていてもよい。
(B)成分が重合によって得られる場合、得られる重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは3000以上、より好ましくは5000以上、さらに好ましくは7000以上であり、好ましくは50000以下、より好ましくは45000以下、さらに好ましくは40000以下である。重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン換算の値として測定できる。
(B)成分の含有量は、0質量%超であり、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは7質量%以上、特に好ましくは10質量%以上であり、好ましくは60質量%以下、より好ましくは55質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。
(B)成分の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは10質量%以上、より好ましくは14質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。
(B)成分と後述する(C)成分の含有量の合計は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、特に好ましくは50質量%以上であり、上限は特に限定されないが、例えば98質量%以下、97質量%以下、96質量%以下又は95質量%以下とし得る。
<(C)無機充填材>
樹脂組成物は、(C)成分として、無機充填材を含有していてもよい。(C)無機充填材を樹脂組成物に含有させることで、機械特性に優れる硬化物(絶縁層)をもたらすことができる。また、(C)無機充填材を樹脂組成物に含有させることで、線熱膨張係数が低い硬化物を得ることが可能となる。
無機充填材としては、無機化合物を用いる。無機充填材の材料の例としては、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でもシリカが特に好適である。シリカとしては、例えば、無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等が挙げられる。また、シリカとしては、球状シリカが好ましい。(C)無機充填材は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)無機充填材の市販品としては、例えば、電化化学工業社製の「UFP-30」;新日鉄住金マテリアルズ社製の「SP60-05」、「SP507-05」;アドマテックス社製の「YC100C」、「YA050C」、「YA050C-MJE」、「YA010C」;デンカ社製の「UFP-30」;トクヤマ社製の「シルフィルNSS-3N」、「シルフィルNSS-4N」、「シルフィルNSS-5N」;アドマテックス社製の「SC2500SQ」、「SO-C4」、「SO-C2」、「SO-C1」、「SC-C2」;などが挙げられる。
(C)無機充填材の平均粒径は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上、特に好ましくは0.1μm以上であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。
(C)無機充填材の平均粒径は、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的には、レーザー回折散乱式粒径分布測定装置により、無機充填材の粒径分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材100mg、メチルエチルケトン10gをバイアル瓶に秤取り、超音波にて10分間分散させたものを使用することができる。測定サンプルを、レーザー回折式粒径分布測定装置を使用して、使用光源波長を青色及び赤色とし、フローセル方式で無機充填材の体積基準の粒径分布を測定し、得られた粒径分布からメディアン径として平均粒径を算出する。レーザー回折式粒径分布測定装置としては、例えば堀場製作所社製「LA-960」等が挙げられる。
(C)無機充填材の比表面積は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは1m/g以上、より好ましくは2m/g以上、特に好ましくは3m/g以上である。上限に特段の制限は無いが、好ましくは60m/g以下、50m/g以下又は40m/g以下である。比表面積は、BET全自動比表面積測定装置(マウンテック社製「Macsorb HM-1210」)を使用して、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することで無機充填材の比表面積を測定することで得られる。
(C)無機充填材は、耐湿性及び分散性を高める観点から、表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤としては、例えば、フッ素含有シランカップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、アルコキシシラン、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。また、表面処理剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業社製「KBM403」(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM803」(3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBE903」(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM573」(N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「SZ-31」(ヘキサメチルジシラザン)、信越化学工業社製「KBM103」(フェニルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM-4803」(長鎖エポキシ型シランカップリング剤)、信越化学工業社製「KBM-7103」(3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製のN-フェニル-8-アミノオクチル-トリメトキシシラン等が挙げられる。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の分散性向上の観点から、所定の範囲に収まることが好ましい。具体的には、無機充填材100質量部は、0.2質量部~5質量部の表面処理剤で表面処理されていることが好ましく、0.2質量部~3質量部で表面処理されていることが好ましく、0.3質量部~2質量部で表面処理されていることが好ましい。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上が更に好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度及びシート形態での溶融粘度の上昇を抑制する観点から、1mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下が更に好ましい。
(C)無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、堀場製作所社製「EMIA-320V」等を使用することができる。
(C)無機充填材の含有量は、0質量%超であり、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、上限は特に限定されないが、例えば90質量%以下、85質量%以下、又は80質量%以下とし得るが、低誘電率(Dk)の硬化物を得る観点及び銅箔密着性に優れる硬化物を得る観点の少なくとも一方の観点からは、50質量%以下、45質量%以下又は40質量%以下としてもよい。
<(D)硬化剤>
樹脂組成物は、(D)硬化剤を含有していてもよい。(D)成分としては、(A)成分、特には(A-1)成分を硬化する機能を有するものを用いることができる。ただし、(D)成分からは、(A)成分及び(B)成分に該当するものは除かれる。樹脂組成物が(A-1)成分を含まない場合、(D)成分を含んでいなくてもよい。樹脂組成物が(A-1)成分とともに(D)成分を含有することで、耐熱性に優れる硬化物を得ることができる。
(D)硬化剤としては、活性エステル系硬化剤、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、及び、シアネートエステル系硬化剤から選択される1種以上の硬化剤などが挙げられる。めっき密着性により優れる硬化物を得る観点からは、活性エステル系硬化剤を用いることが好ましい。硬化剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
活性エステル系硬化剤としては、特に制限はないが、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の、反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
具体的には、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物が好ましく、中でもナフタレン構造を含む活性エステル化合物、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物がより好ましい。「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン-ジシクロペンチレン-フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物として、「EXB―9451」、「EXB―9460」、「EXB―9460S」、「HPC-8000-65T」、「HPC-8000H-65TM」、「HPC-8000L-65TM」(DIC社製)、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物として、「EXB―9416-70BK」、「EXB-8100L-65T」、「EXB-8150-65T」、「EXB-8150L-65T」、「HPC-8150-60T」、「HPC-8150-62T」、「HP-B-8151-62T」(DIC社製)、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物として「DC808」(三菱ケミカル社製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物として「YLH1026」(三菱ケミカル社製)、フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系硬化剤として「DC808」(三菱ケミカル社製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル系硬化剤として「YLH1026」(三菱ケミカル社製)、「YLH1030」(三菱ケミカル社製)、「YLH1048」(三菱ケミカル社製)、スチリル基を含む活性エステル化合物として「PC1300-02-65MA」(エア・ウォーター社製)等が挙げられる。
フェノール系硬化剤(活性エステル化合物を除く)及びナフトール系硬化剤(活性エステル化合物を除く)としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造又はクレゾールノボラック構造を有するフェノール系硬化剤、又はノボラック構造を有するナフトール系硬化剤が好ましい。また、導体層との密着性の観点から、含窒素フェノール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤がより好ましい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成社製の「MEH-7700」、「MEH-7810」、「MEH-7851」、日本化薬社製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、新日鉄住金化学社製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN-495V」、「SN375」、「SN395」、DIC社製の「TD-2090」、「LA-7052」、「LA-7054」、「LA-1356」、「LA-3018-50P」、「EXB-9500」、「KA-1160」等が挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤の具体例としては、日清紡ケミカル社製の「V-03」、「V-05」、「V-07」、「V-09」、「Elastostab H01」等が挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、JFEケミカル社製の「JBZ-OP100D」、「ODA-BOZ」、昭和高分子社製の「HFB2006M」、四国化成工業社製の「P-d」、「F-a」が挙げられる。ベンゾオキサジン系硬化剤は、ベンゾオキサジン構造を有する化合物である。ベンゾオキサジン構造とは、置換若しくは非置換のベンゾオキサジン環(例えば、1,2-ベンゾオキサジン環、1,3-ベンゾオキサジン環)、又は、一部の二重結合が水素化されたベンゾオキサジン環(例えば、3,4-ジヒドロ-2H-1,3-ベンゾオキサジン環)をいう。
酸無水物系硬化剤としては、1分子内中に1個以上の酸無水物基を有する硬化剤が挙げられ、1分子内中に2個以上の酸無水物基を有する硬化剤が好ましい。酸無水物系硬化剤の具体例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(例えば、3,4,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(「BPDA」)、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3’-4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-C]フラン-1,3-ジオン、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、スチレンとマレイン酸とが共重合したスチレン・マレイン酸樹脂などのポリマー型の酸無水物などが挙げられる。酸無水物系硬化剤の市販品としては、新日本理化社製のリカシッドシリーズ「BT-100」、「HNA-100」、「MH-700」、「MTA-15」、「DDSA」、「OSA」、三菱ケミカル社製の「YH-306」、「YH-307」、日立化成社製の「HN-2200」、「HN-5500」等が挙げられる。
アミン系硬化剤としては、1分子内中に1個以上、好ましくは2個以上のアミノ基を有する硬化剤が挙げられ、例えば、脂肪族アミン類、ポリエーテルアミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類等が挙げられ、中でも、本発明の所望の効果を奏する観点から、芳香族アミン類が好ましい。アミン系硬化剤は、第1級アミン又は第2級アミンが好ましく、第1級アミンがより好ましい。アミン系硬化剤の具体例としては、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルアニリン)、ジフェニルジアミノスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、m-フェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジヒドロキシベンジジン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3-ジメチル-5,5-ジエチル-4,4-ジフェニルメタンジアミン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、等が挙げられる。アミン系硬化剤は市販品を用いてもよく、例えば、日本化薬社製の「KAYABOND C-200S」、「KAYABOND C-100」、「カヤハードA-A」、「カヤハードA-B」、「カヤハードA-S」、三菱ケミカル社製の「エピキュアW」等が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート、オリゴ(3-メチレン-1,5-フェニレンシアネート)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェニルシアネート)、4,4’-エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2-ビス(4-シアネート)フェニルプロパン、1,1-ビス(4-シアネートフェニルメタン)、ビス(4-シアネート-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,3-ビス(4-シアネートフェニル-1-(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4-シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4-シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、ロンザジャパン社製の「PT30」及び「PT60」(フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「ULL-950S」(多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」、「BA230S75」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
(A)成分と(D)成分との量比は、[(A)成分の反応基の合計数]:[(D)成分の反応基の合計数]の比率で、1:0.01~1:20の範囲が好ましく、1:0.05~1:3がより好ましく、1:0.1~1:1.5がさらに好ましい。ここで、(D)成分の反応基とは、活性エステル基、活性水酸基等であり、(D)硬化剤の種類によって異なる。(D)成分の反応基の合計数とは、(D)成分の各々の不揮発分質量を反応基当量で除した値をすべての硬化剤について合計した値である。(A)成分の反応基の合計数とは、(A)成分の各々の不揮発分質量を反応基当量で除した値をすべての硬化剤について合計した値である。(A)成分と(D)成分との量比を斯かる範囲とすることにより、本発明の所期の効果を高めることができる。
(D)成分の含有量は、上述した(A)成分と(D)成分との量比の範囲を満たすように決定されることが好ましい。(D)成分の含有量は、0質量%以上であり、本発明の所期の効果を高める観点から、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、1質量%以上、2質量%以上、3質量%以上又は3.5質量%以上、50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下又は15質量%以下としうる。
<(E)硬化促進剤>
本発明の樹脂組成物は、任意の成分として、(E)硬化促進剤を含有する場合がある。(E)硬化促進剤は、(A)成分の硬化反応を促進させる機能を有する。ただし、(E)硬化促進剤からは、(A)成分~(D)成分に該当するものは除かれる。(E)硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(E)硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、金属系硬化促進剤等が挙げられる。中でも、(H)硬化促進剤としては、より高い光反射率を達成する観点から、リン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤が好ましく、リン系硬化促進剤がより好ましい。
リン系硬化促進剤としては、より高い光反射率を達成する観点から、ホスホニウム塩及びホスフィンからなる群より選ばれる1以上を含むことが好ましい。
ホスホニウム塩としては、例えば、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムデカノエート、テトラブチルホスホニウムラウレート、ビス(テトラブチルホスホニウム)ピロメリテート、テトラブチルホスホニウムハイドロジェンヘキサヒドロフタレート、テトラブチルホスホニウム2,6-ビス[(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)メチル]-4-メチルフェノラート、ジ-tert-ブチルメチルホスホニウムテトラフェニルボレート等の脂肪族ホスホニウム塩;メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、プロピルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、p-トリルトリフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラp-トリルボレート、トリフェニルエチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリス(3-メチルフェニル)エチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリス(2-メトキシフェニル)エチルホスホニウムテトラフェニルボレート、(4-メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等の芳香族ホスホニウム塩等が挙げられる。
ホスフィンとしては、例えば、トリブチルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、ジ-tert-ブチル(2-ブテニル)ホスフィン、ジ-tert-ブチル(3-メチル-2-ブテニル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等の脂肪族ホスフィン;ジブチルフェニルホスフィン、ジ-tert-ブチルフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ-o-トリルホスフィン、トリ-m-トリルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、トリス(4-エチルフェニル)ホスフィン、トリス(4-プロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4-イソプロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(4-tert-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,5-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6-トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメチル-4-エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-tert-ブトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニル-2-ピリジルホスフィン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)アセチレン、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)ジフェニルエーテル等の芳香族ホスフィン;トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン等の芳香族ホスフィン・ボラン複合体;トリフェニルホスフィン・p-ベンゾキノン付加反応物等の芳香族ホスフィン・キノン付加反応物等が挙げられる。
リン系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、北興化学工業社製の「TBP-DA」等が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられ、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾールが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、三菱ケミカル社製の「P200-H50」、四国化成社製の「1B2PZ」、「1B2PZ-10M」等が挙げられる。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン等が挙げられ、4-ジメチルアミノピリジン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセンが好ましい。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニド等が挙げられ、ジシアンジアミド、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンが好ましい。
金属系硬化促進剤としては、例えば、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体等が挙げられる。有機金属塩としては、例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
(E)硬化促進剤の含有量は、0質量%超であり、本発明の効果を顕著に得る観点又は硬化時間を制御する観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下であり、例えば、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上である。
<(F)重合開始剤>
本発明において、樹脂組成物は、(F)成分として、重合開始剤をさらに含んでもよい。一実施形態においては、(A)成分が(A-2)成分を含み、かつ、樹脂組成物は(F)成分を含有する。ただし、(F)重合開始剤からは、(A)成分~(E)成分に該当するものは除かれる。(F)重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。(F)成分としての重合開始剤の典型例は、過酸化物系重合開始剤である。
(F)成分としては、例えば、t-ブチルクミルパーオキシド、t-ブチルパーオキシアセテート、α,α’-ジ(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t-ブチルパーオキシラウレート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエートt-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート等の過酸化物が挙げられる。
(F)成分の市販品としては、例えば、日油社製の「パーブチル(登録商標)C」、「パーブチル(登録商標)A」、「パーブチル(登録商標)P」、「パーブチル(登録商標)L」、「パーブチル(登録商標)O」、「パーブチル(登録商標)ND」、「パーブチル(登録商標)Z」、「パーヘキシル(登録商標)D」、「パークミル(登録商標)P」、「パークミル(登録商標)D」等が挙げられる。
樹脂組成物が(F)成分を含む場合、(F)成分の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
<(G)その他の添加剤>
本発明の樹脂組成物は、不揮発成分として、さらに任意の添加剤を含有する場合がある。このような添加剤としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられ、中でも、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂;ゴム粒子等の有機充填材;シリコーン系レベリング剤、アクリルポリマー系レベリング剤等のレベリング剤;ベントン、モンモリロナイト等の増粘剤;シリコーン系消泡剤、アクリル系消泡剤、フッ素系消泡剤、ビニル樹脂系消泡剤等の消泡剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤;尿素シラン等の接着性向上剤;ヒンダードフェノール系酸化防止剤等の酸化防止剤;スチルベン誘導体等の蛍光増白剤;フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤;リン系難燃剤(例えばリン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、ホスフィン酸化合物、赤リン)、窒素系難燃剤(例えば硫酸メラミン)、ハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤(例えば三酸化アンチモン)等の難燃剤;リン酸エステル系分散剤、ポリオキシアルキレン系分散剤、アセチレン系分散剤、シリコーン系分散剤、アニオン性分散剤、カチオン性分散剤等の分散剤;ボレート系安定剤、チタネート系安定剤、アルミネート系安定剤、ジルコネート系安定剤、イソシアネート系安定剤、カルボン酸系安定剤、カルボン酸無水物系安定剤等の安定剤等が挙げられる。(G)その他の添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。(G)その他の添加剤の含有量は当業者であれば適宜設定できる。
<(H)有機溶剤>
本発明の樹脂組成物は、上述した不揮発成分以外に、揮発性成分として、さらに任意の有機溶剤を含有する場合がある。(H)有機溶剤としては、公知のものを適宜用いることができ、その種類は特に限定されるものではない。(H)有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ-ブチロラクトン等のエステル系溶剤;テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル等のエーテル系溶剤;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶剤;酢酸2-エトキシエチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルジグリコールアセテート、γ-ブチロラクトン、メトキシプロピオン酸メチル等のエーテルエステル系溶剤;乳酸メチル、乳酸エチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル等のエステルアルコール系溶剤;2-メトキシプロパノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)等のエーテルアルコール系溶剤;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等のアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶剤;ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤等を挙げることができる。(H)有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
(H)有機溶剤の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の全成分を100質量%とした場合、例えば、60質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下、5質量%以下等であり得る。
<樹脂組成物の製造方法>
本発明において、樹脂組成物は、例えば、任意の調製容器に(A)成分及び(B)成分また、必要に応じて(C)成分、(D)成分、(E)成分、(F)成分、(G)成分、(H)成分を、任意の順で及び/又は一部若しくは全部同時に加えて混合することによって、製造することができる。また、各成分を加えて混合する過程で、温度を適宜設定することができ、一時的に又は終始にわたって、加熱及び/又は冷却してもよい。また、加えて混合する過程において又はその後に、樹脂組成物を、例えば、ミキサーなどの撹拌装置又は振盪装置を用いて撹拌又は振盪し、均一に分散させてもよい。また、撹拌又は振盪と同時に、真空下等の低圧条件下で脱泡を行ってもよい。
<樹脂組成物の物性、用途>
先述のとおり、本発明の樹脂組成物は、(A)硬化性樹脂、及び(B)窒素原子を2つ以上含むヘテロ環構造と、かご型シルセスキオキサン構造とを分子中に有する化合物を含有することにより、誘電特性及び銅箔密着性に優れる硬化物をもたらすことができる。
誘電特性は、後述する<誘電特性(誘電率、誘電正接)の評価>欄に記載の方法で評価できる。本発明の樹脂組成物は、例えば、200℃で90分間熱硬化させて得られる硬化物の誘電率(Dk)が、好ましくは3.20未満であり、より好ましくは3.15以下であり、さらに好ましくは3.1以下であり、特に好ましくは3.1未満である。同硬化物の誘電正接(Df)が、好ましくは0.0032未満であり、より好ましくは0.0031以下であり、さらに好ましくは0.0031未満である。好適な一実施形態において、200℃で90分間熱硬化させて得られる硬化物の誘電率(Dk)が、好ましくは3.2未満であり、かつ、誘電正接(Df)が、好ましくは0.0032未満である。
銅箔密着性は、後述する<銅箔引き剥がし強度(銅箔密着性)の測定>欄に記載の方法で評価できる。本発明の樹脂組成物は、例えば、当該樹脂組成物を130℃、30分間、続けて200℃、90分間熱硬化させて得られる硬化物にラミネートした銅箔の剥離強度が、好ましくは0.40kgf/cm以上であり、より好ましくは0.42kgf/cm以上であり、さらに好ましくは0.44kgf/cm以上であり、特に好ましくは0.46kgf/cm以上である。
また、本発明の樹脂組成物の一実施態様では、反りの発生が抑制されている硬化物を得ることができるという傾向を示す。反りの発生が抑制されていること(低反り性)は、後述する<低反り性の評価>欄に記載の方法で評価できる。本発明の樹脂組成物は、例えば、200℃で90分間熱硬化させて得られる硬化物に生じる反り量は、好ましくは1.0cm未満、より好ましくは0.95cm未満、さらに好ましくは0.95cm以下である。
本発明の樹脂組成物は、誘電特性及び銅箔密着性に優れる硬化物を得ることができる。したがって、本発明の樹脂組成物は、プリント配線板の絶縁層用途、特には層間絶縁用途の樹脂組成物としても好適に使用することができる。したがって、本発明の樹脂組成物は、層間絶縁層を形成するための樹脂組成物として好適に使用することができる。また、本発明の樹脂組成物は、プリント配線板のソルダーレジスト層の絶縁用途の樹脂組成物(ソルダーレジスト層形成用樹脂組成物)としても好適に使用することができる。
樹脂組成物は、誘電特性及び銅箔密着性に優れる硬化物を得ることができる。したがって、本発明の樹脂組成物は、絶縁用途の樹脂組成物として好適に使用することができる。具体的には、絶縁層上に形成される導体層(再配線層を含む)を形成するための当該絶縁層を形成するための樹脂組成物(導体層を形成するための絶縁層形成用樹脂組成物)として好適に使用することができる。
また、後述する多層プリント配線板において、多層プリント配線板の絶縁層を形成するための樹脂組成物(多層プリント配線板の絶縁層形成用樹脂組成物)、プリント配線板の層間絶縁層を形成するための樹脂組成物(プリント配線板の層間絶縁層形成用樹脂組成物)として好適に使用することができる。また、本発明の樹脂組成物は、再配線層を形成するための絶縁層としての再配線形成層用の樹脂組成物(再配線形成層形成用の樹脂組成物)、及び半導体チップを封止するための樹脂組成物(半導体チップ封止用の樹脂組成物)としても好適に使用することができる。半導体チップパッケージの製造工程の一例については後述する。
[樹脂シート]
本発明の樹脂シートは、支持体と、該支持体上に設けられた、本発明の樹脂組成物で形成された樹脂組成物層を含む。
樹脂組成物層の厚さは、プリント配線板の薄型化、及び当該樹脂組成物の硬化物が薄膜であっても絶縁性に優れた硬化物を提供できるという観点から、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。樹脂組成物層の厚さの下限は、特に限定されないが、通常、5μm以上等とし得る。
支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミド等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体として金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
支持体は、樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理、帯電防止処理を施してあってもよい。
また、支持体としては、樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型層付き支持体は、市販品を用いてもよく、例えば、アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック社製の「SK-1」、「AL-5」、「AL-7」、東レ社製の「ルミラーT60」、帝人社製の「ピューレックス」、ユニチカ社製の「ユニピール」等が挙げられる。
支持体の厚みとしては、特に限定されないが、5μm~75μmの範囲が好ましく、10μm~60μmの範囲がより好ましい。なお、離型層付き支持体を使用する場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
一実施形態において、樹脂シートは、さらに必要に応じて、その他の層を含んでいてもよい。斯かるその他の層としては、例えば、樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)に設けられた、支持体に準じた保護フィルム等が挙げられる。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm~40μmである。保護フィルムを積層することにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを抑制することができる。
樹脂シートは、例えば、有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーター等を用いて支持体上に塗布し、更に乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。
乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の方法により実施してよい。乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。樹脂ワニス中の有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%~60質量%の有機溶剤を含む樹脂ワニスを用いる場合、50℃~150℃で3分間~10分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
樹脂シートは、ロール状に巻きとって保存することが可能である。樹脂シートが保護フィルムを有する場合、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
[プリント配線板]
本発明のプリント配線板は、本発明の樹脂組成物の硬化物により形成された絶縁層を含む。
プリント配線板は、例えば、上述の樹脂シートを用いて、下記(I)及び(II)の工程を含む方法により製造することができる。
(I)内層基板上に、樹脂シートの樹脂組成物層が内層基板と接合するように積層する工程
(II)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程
工程(I)で用いる「内層基板」とは、プリント配線板の基板となる部材であって、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が挙げられる。また、該基板は、その片面又は両面に導体層を有していてもよく、この導体層はパターン加工されていてもよい。基板の片面または両面に導体層(回路)が形成された内層基板は「内層回路基板」ということがある。またプリント配線板を製造する際に、さらに絶縁層及び/又は導体層が形成されるべき中間製造物も本発明でいう「内層基板」に含まれる。プリント配線板が部品内蔵回路板である場合、部品を内蔵した内層基板を使用し得る。
内層基板と樹脂シートの積層は、例えば、支持体側から樹脂シートを内層基板に加熱圧着することにより行うことができる。樹脂シートを内層基板に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ともいう。)としては、例えば、加熱された金属板(SUS鏡板等)又は金属ロール(SUSロール)等が挙げられる。なお、加熱圧着部材を樹脂シートに直接プレスするのではなく、内層基板の表面凹凸に樹脂シートが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスするのが好ましい。
内層基板と樹脂シートの積層は、真空ラミネート法により実施してよい。真空ラミネート法において、加熱圧着温度は、好ましくは60℃~160℃、より好ましくは80℃~140℃の範囲であり、加熱圧着圧力は、好ましくは0.098MPa~1.77MPa、より好ましくは0.29MPa~1.47MPaの範囲であり、加熱圧着時間は、好ましくは20秒間~400秒間、より好ましくは30秒間~300秒間の範囲である。積層は、好ましくは圧力26.7hPa以下の減圧条件下で実施する。
積層は、市販の真空ラミネーターによって行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、名機製作所社製の真空加圧式ラミネーター、ニッコー・マテリアルズ社製のバキュームアップリケーター、バッチ式真空加圧ラミネーター等が挙げられる。
積層の後に、常圧下(大気圧下)、例えば、加熱圧着部材を支持体側からプレスすることにより、積層された樹脂シートの平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理のプレス条件は、上記積層の加熱圧着条件と同様の条件とすることができる。平滑化処理は、市販のラミネーターによって行うことができる。なお、積層と平滑化処理は、上記の市販の真空ラミネーターを用いて連続的に行ってもよい。
支持体は、工程(I)と工程(II)の間に除去してもよく、工程(II)の後に除去してもよい。
工程(II)において、樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する。樹脂組成物層の熱硬化条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常採用される条件を使用してよい。
例えば、樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物の種類等によっても異なるが、硬化温度は好ましくは120℃~240℃、より好ましくは150℃~220℃、さらに好ましくは170℃~210℃である。硬化時間は好ましくは5分間~120分間、より好ましくは10分間~100分間、さらに好ましくは15分間~100分間とすることができる。
樹脂組成物層を熱硬化させる前に、樹脂組成物層を硬化温度よりも低い温度にて予備加熱してもよい。例えば、樹脂組成物層を熱硬化させるのに先立ち、50℃以上120℃未満(好ましくは60℃以上115℃以下、より好ましくは70℃以上110℃以下)の温度にて、樹脂組成物層を5分間以上(好ましくは5分間~150分間、より好ましくは15分間~120分間、さらに好ましくは15分間~100分間)予備加熱してもよい。
プリント配線板を製造するに際しては、(III)絶縁層に穴あけする工程、(IV)絶縁層を粗化処理する工程、(V)導体層を形成する工程をさらに実施してもよい。これらの工程(III)乃至工程(V)は、プリント配線板の製造に用いられる、当業者に公知の各種方法に従って実施してよい。なお、支持体を工程(II)の後に除去する場合、該支持体の除去は、工程(II)と工程(III)との間、工程(III)と工程(IV)の間、又は工程(IV)と工程(V)との間に実施してよい。また、必要に応じて、工程(II)~工程(V)の絶縁層及び導体層の形成を繰り返して実施し、多層配線板を形成してもよい。
工程(III)は、絶縁層に穴あけする工程であり、これにより絶縁層にビアホール、スルーホール等のホールを形成することができる。工程(III)は、絶縁層の形成に使用した樹脂組成物の組成等に応じて、例えば、ドリル、レーザー、プラズマ等を使用して実施してよい。ホールの寸法や形状は、プリント配線板のデザインに応じて適宜決定してよい。
工程(IV)は、絶縁層を粗化処理する工程である。通常、この工程(IV)において、スミアの除去も行われる。粗化処理の手順、条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常使用される公知の手順、条件を採用することができる。例えば、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理、中和液による中和処理をこの順に実施して絶縁層を粗化処理することができる。粗化処理に用いる膨潤液としては特に限定されないが、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられ、好ましくはアルカリ溶液であり、該アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液がより好ましい。市販されている膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン社製の「スウェリング・ディップ・セキュリガンスP」、「スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU」、「スウェリングディップ・セキュリガントP」等が挙げられる。膨潤液による膨潤処理は、特に限定されないが、例えば、30℃~90℃の膨潤液に絶縁層を1分間~20分間浸漬することにより行うことができる。絶縁層の樹脂の膨潤を適度なレベルに抑える観点から、40℃~80℃の膨潤液に絶縁層を5分間~15分間浸漬させることが好ましい。粗化処理に用いる酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。アルカリ性過マンガン酸溶液等の酸化剤による粗化処理は、60℃~100℃に加熱した酸化剤溶液に絶縁層を10分間~30分間浸漬させて行うことが好ましい。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は5質量%~10質量%が好ましい。市販されている酸化剤としては、例えば、アトテックジャパン社製の「コンセントレート・コンパクトCP」、「ドージングソリューション・セキュリガンスP」等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。また、粗化処理に用いる中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、例えば、アトテックジャパン社製の「リダクションソリューション・セキュリガントP」が挙げられる。中和液による処理は、酸化剤による粗化処理がなされた処理面を30℃~80℃の中和液に1分間~30分間浸漬させることにより行うことができる。作業性等の点から、酸化剤による粗化処理がなされた対象物を、40℃~70℃の中和液に5分間~20分間浸漬する方法が好ましい。
一実施形態において、粗化処理後の絶縁層表面の算術平均粗さ(Ra)は、好ましくは300nm以下、より好ましくは250nm以下、さらに好ましくは200nm以下である。下限については特に限定されないが、好ましくは30nm以上、より好ましくは40nm以上、さらに好ましくは50nm以上である。絶縁層表面の算術平均粗さ(Ra)は、非接触型表面粗さ計を用いて測定することができる。
工程(V)は、導体層を形成する工程であり、絶縁層上に導体層を形成する。導体層に使用する導体材料は特に限定されない。好適な実施形態では、導体層は、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムからなる群から選択される1種以上の金属を含む。導体層は、単金属層であっても合金層であってもよく、合金層としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金(例えば、ニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金及び銅・チタン合金)から形成された層が挙げられる。中でも、導体層形成の汎用性、コスト、パターニングの容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金、銅・チタン合金の合金層が好ましく、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層がより好ましく、銅の単金属層が更に好ましい。
導体層は、単層構造であっても、異なる種類の金属若しくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。導体層が複層構造である場合、絶縁層と接する層は、クロム、亜鉛若しくはチタンの単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層であることが好ましい。
導体層の厚さは、所望のプリント配線板のデザインによるが、一般に3μm~35μm、好ましくは5μm~30μmである。
一実施形態において、導体層は、めっきにより形成してよい。例えば、セミアディティブ法、フルアディティブ法等の従来公知の技術により絶縁層の表面にめっきして、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができ、製造の簡便性の観点から、セミアディティブ法により形成することが好ましい。以下、導体層をセミアディティブ法により形成する例を示す。
まず、絶縁層の表面に、無電解めっきによりめっきシード層を形成する。次いで、形成されためっきシード層上に、所望の配線パターンに対応してめっきシード層の一部を露出させるマスクパターンを形成する。露出しためっきシード層上に、電解めっきにより金属層を形成した後、マスクパターンを除去する。その後、不要なめっきシード層をエッチング等により除去して、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。
[半導体装置]
本発明の半導体装置は、本発明のプリント配線板を含む。本発明の半導体装置は、本発明のプリント配線板を用いて製造することができる。本発明の半導体装置は、本発明の樹脂組成物層の硬化物を含む絶縁層を含んでいてもよい。このような半導体装置としては、例えば、プリント配線板そのもの、半導体チップパッケージ、マルチチップパッケージ、パッケージオンパッケージ、ウェハレベルパッケージ、パネルレベルパッケージ、システムインパッケージ等が挙げられる。
半導体チップパッケージは、例えば、以下の(1)~(6)工程を経て製造される。半導体チップパッケージが製造される際、封止層上に更に再配線層を形成してもよい。
(1)基材に仮固定フィルムを積層する工程、
(2)半導体チップを、仮固定フィルム上に仮固定する工程、
(3)半導体チップ上に封止層を形成する工程、
(4)基材及び仮固定フィルムを半導体チップから剥離する工程、
(5)半導体チップの基材及び仮固定フィルムを剥離した面に、絶縁層としての再配線形成層を形成する工程、及び
(6)再配線形成層上に、導体層としての再配線層を形成する工程
半導体装置は、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される。
本発明の半導体装置は、プリント配線板の導通箇所に、部品(半導体チップ)を実装することにより製造することができる。「導通箇所」とは、「プリント配線板における電気信号を伝える箇所」であって、その場所は表面であっても、埋め込まれた箇所であってもいずれでも構わない。また、半導体チップは半導体を材料とする電気回路素子であれば特に限定されない。
半導体装置を製造する際の半導体チップの実装方法は、半導体チップが有効に機能しさえすれば、特に限定されないが、具体的には、ワイヤボンディング実装方法、フリップチップ実装方法、バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法、異方性導電フィルム(ACF)による実装方法、非導電性フィルム(NCF)による実装方法、等が挙げられる。ここで、「バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法」とは、「半導体チップをプリント配線板の凹部に直接埋め込み、半導体チップとプリント配線板上の配線とを接続させる実装方法」のことである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、量を表す「部」及び「%」は、別途明示のない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。特に温度の指定が無い場合の温度条件及び圧力条件は、室温(25℃)及び大気圧(1atm)である。
-実施例1~6及び比較例1~2-
以下、(A)成分及び(B)成分から選択された成分を含有する樹脂組成物の態様についての実施例及びその比較例を例示的に示す。
[合成例1:イミド化合物bの合成]
(ジヒドロキシ体の合成)
ジメチルホルムアミド(DMF)中の下記式で表されるかご型シルセスキオキサン化合物(日本材料技研社製「DDSQ-02」)1モル当量に対し、2モル当量のチラミン(4-ヒドロキシフェニルエチルアミン)を加えて、室温で2時間撹拌した。
Figure 0007608873000032
次いで、トルエンを加えて一晩加熱還流した。このようにしてイミド化反応を行った。得られたイミド化反応溶液に、酢酸エチル、水を加え、その後、有機層を抽出した。抽出した有機層をカラムで精製した。得られた所定留分を濃縮乾固してイミド化反応物(以下、「ジイミド体」という)を得た。反応経路から、ジイミド体は、下記式で表される構造を有するものと推定された。
Figure 0007608873000033
(ジクロロ体の合成)
Nリッチヘテロ環構造前駆体として3つの窒素原子を含むヘテロ環構造(具体的にはトリアジン構造)を有するシアヌル酸クロリドと、芳香族環構造を有するアニリンとを常法により反応させ、カラムで精製した後にヘキサン晶析することで、下記式で表されるジクロロ体を得た。下記式で表されるように、このジクロロ体において、Nリッチヘテロ環構造と芳香族環構造とは互いに連結基-NH-を介して結合されていた。
Figure 0007608873000034
(目的化合物の合成)
上述したようにして得られたジイミド体1.9質量部(0.001モル)と、ジクロロ体0.24質量部(0.001モル)とをアセトン中に溶解し、その後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、室温で一晩撹拌した。このようにして縮重合反応を行った。得られた縮重合反応溶液の有機層を、酢酸エチルで抽出した。その後、抽出した有機層を、濃縮乾固した。このようにして、目的化合物であるイミド化合物bを得た。得られたイミド化合物について、先述の方法と同様の方法にて重量平均分子量(Mw)を測定したところ、11000であった。イミド化合物bは、反応経路から、下記式で表される構造を有する化合物であることが推定された。すなわち、イミド化合物bは、Nリッチヘテロ環構造とかご型PSQ構造とを分子中に有する化合物であった。
Figure 0007608873000035
[合成例2:イミド化合物bの比較対象化合物としてのイミド化合物b’の合成]
イミド化合物bの比較対象化合物としてのイミド化合物b’を含むワニスを以下のようにして調製した。
還流冷却器を連結した水分定量受器、窒素導入管、及び攪拌器を備えた、500mLのセパラブルフラスコを用意した。このフラスコに、4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)20.3g、γ-ブチロラクトン200g、トルエン20g、及び、5-(4-アミノフェノキシ)-3-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,3-トリメチルインダン29.6gを加えて、窒素気流下で45℃にて2時間攪拌して反応を行い、反応溶液を得た。
次いで、この反応溶液を昇温し、約160℃に保持しながら、窒素気流下で縮合水をトルエンとともに共沸除去した。水分定量受器に所定量の水がたまっていること、及び水の流出が見られなくなっていることを確認した。確認後、反応溶液を更に昇温し、200℃で1時間攪拌した。その後、冷却した。このようにして、イミド化合物b’を20質量%含むワニスを得た。
イミド化合物b’は、下記式(X1)で表される繰り返し単位及び下記式(X2)で示す繰り返し単位を有していた。また、イミド化合物b’の重量平均分子量は、先述の方法と同様の方法にて測定したところ、12000であった。また、反応経路から、イミド化合物b’は、イミド化合物bとは異なり、Nリッチヘテロ環構造及びかご型PSQ構造のいずれをも分子中に有していない化合物であることは明らかであった。
Figure 0007608873000036
Figure 0007608873000037
[実施例1]
(1)樹脂ワニスAの調製
(A-1)成分としてのエポキシ樹脂a1a(日本化薬社製のビフェニル型エポキシ樹脂「NC3000L」、エポキシ当量:271g/eq.)5部と、(A-1)成分としてのエポキシ樹脂a1b(DIC社製のナフタレン型エポキシ樹脂「HP-4032SS」、エポキシ当量:144g/eq.)5部と、混合溶剤(ソルベントナフサ20部及びシクロヘキサノン10部)中で、撹拌しながら溶解させた。これにより、エポキシ樹脂含有溶液を得た。
エポキシ樹脂含有溶液へ、(C)成分としての無機充填材c(信越化学工業社製のN-フェニル-8-アミノオクチル-トリメトキシシランで表面処理されたアドマテックス社製の球形シリカ「SC-C2」、比表面積:5.9m/g、平均粒径:0.77μm)175部と、(B)成分としてのイミド化合物b(合成例1で得たイミド化合物)50部と、(D)成分としての硬化剤da(DIC社製の活性エステル系硬化剤「HPC-8150-62T」、活性基当量:229g/eq.、不揮発成分62質量%のトルエン溶液)8.1部(不揮発成分:5部)と、(E)成分としての硬化促進剤(四国化成社製のイミダゾール系硬化促進剤「1B2PZ」(1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール)の不揮発成分10質量%のMEK溶液)2部(不揮発成分:0.2部)とを添加し、混合し、さらに、高速回転ミキサーで均一に分散した。これにより、分散液を得た。
上述したようにして、(A)成分及び(B)成分を少なくとも含有する樹脂組成物の樹脂ワニスを調製した。以下、このように調製される樹脂ワニスを「樹脂ワニスA」ともいう。
(2)樹脂シートBの作製
支持体として、アルキド樹脂系離型剤(リンテック社製「AL-5」)で離型処理したPETフィルム(東レ社製「ルミラーR80」、厚み38μm、軟化点130℃、以下「離型PET」ということがある。)を用意した。
樹脂ワニスAを、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが25μmとなるよう、離型PET上にダイコーターにて均一に塗布し、80℃で1分間乾燥することにより、離型PET上に樹脂組成物層を得た。次いで、樹脂組成物層の支持体と接合していない面に、保護フィルムとしてポリプロピレンフィルム(王子エフテックス社製「アルファンMA-411」、厚み15μm)の粗面を、樹脂組成物層と接合するように積層した。これにより、離型PET(支持体)、樹脂組成物層、及び保護フィルムの順からなる樹脂シートを得た。以下、このように作製される樹脂シートを「樹脂シートB」ともいう。
[実施例2]
実施例1において、(D)成分としての硬化剤da(「HPC-8150-62T」(不揮発成分:62質量%))8.1部(不揮発成分:5部)を、硬化剤db(DIC社製の活性エステル系硬化剤「HPC-8000-65T」、活性基当量:223g/eq.、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)7.7部(不揮発成分:5部)に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、樹脂ワニスAを調製し、樹脂シートBを作製した。
[実施例3]
実施例1において、(C)成分としての無機充填材c(「SC-C2」)の配合量を175部から220部に変更し、かつ、さらに、(A-2)成分としてのラジカル重合性化合物a2a(日本化薬社製のビフェニルアラルキル型マレイミド化合物「MIR-3000-70MT」、不揮発成分70質量%のMEK/トルエン混合溶液)28.6部(不揮発成分:20部)と、(F)成分としての重合開始剤(日油社製「パーヘキシル(登録商標)D」)0.2部をエポキシ樹脂含有溶液へ配合した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、樹脂ワニスAを調製し、樹脂シートBを作製した。
[実施例4]
実施例3において、(A-2)成分としてのラジカル重合性化合物a2a(「MIR-3000-70MT」(不揮発成分:70質量%))28.6部(不揮発成分:20部)を、ラジカル重合性化合物a2b(デザイナーモレキュールズ社製のマレイミド化合物「BMI-689」(ダイマージアミンに由来する骨格を有するN-アルキルビスマレイミド、溶剤不含)20部に変更した。
以上の事項以外は実施例3と同様にして、樹脂ワニスAを調製し、樹脂シートBを作製した。
[実施例5]
実施例3において、(A-2)成分としてのラジカル重合性化合物a2a(「MIR-3000-70MT」(不揮発成分:70質量%))28.6部(不揮発成分:20部)を、ラジカル重合性化合物a2c((三菱ガス化学社製のビニルベンジル変性ポリフェニレンエーテル「OPE-2St 2200」、不揮発成分65%のトルエン溶液)30.7部(不揮発成分:20部)に変更した。
以上の事項以外は実施例3と同様にして、樹脂ワニスAを調製し、樹脂シートBを作製した。
[実施例6]
実施例1において、(C)成分としての無機充填材c(「SC-C2」)の配合量を175部から35部に変更し、かつ、(E)成分としての硬化促進剤(「1B2PZ」(不揮発成分:10質量%)の配合量を2部(不揮発成分:0.2部)から1部(不揮発成分:0.1部)に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、樹脂ワニスAを調製し、樹脂シートBを作製した。
[比較例1]
実施例1において、(B)成分としてのイミド化合物b(合成例1で得たイミド化合物)50部に代えて、(B’)成分としてのイミド化合物b’含有ワニス(合成例2で得たイミド化合物のワニス(不揮発成分:20質量%))250部(不揮発成分:50部)をエポキシ樹脂含有溶液へ配合した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、樹脂ワニスAを調製し、樹脂シートBを作製した。
[比較例2]
実施例3において、(B)成分としてのイミド化合物b(合成例1で得たイミド化合物)50部に代えて、(B’)成分としてのイミド化合物b’含有ワニス(合成例2で得たイミド化合物のワニス(不揮発成分:20質量%))250部(不揮発成分:50部)をエポキシ樹脂含有溶液へ配合した。
以上の事項以外は実施例3と同様にして、樹脂ワニスAを調製し、樹脂シートBを作製した。
続いて、各種測定方法・評価方法について説明する。
<低反り性の評価>
(1)樹脂シートのラミネート
実施例及び比較例で作製した各樹脂シートBを9.5cm角のサイズに切り出し、保護フィルムを剥離して、バッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製、2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)を用いて、10cm角に切り取った三井金属鉱業製銅箔「3EC-III(厚さ35μm)」の粗化面にラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とした後、120℃で30秒間、圧力0.74MPaにて圧着させることにより、樹脂組成物層付き金属箔を作製し、その後支持体であるPETフィルムを剥離した。
(2)樹脂組成物層の硬化
上記(1)で得られた樹脂組成物層付き金属箔の四辺を、樹脂組成物層が上面になるように厚さ1mmのSUS板にポリイミドテープで貼りつけ、200℃、90分間の硬化条件で樹脂組成物層を硬化させた。
(3)反り量の測定
上記(2)で得られた樹脂組成物層付き金属箔の四辺のうち、三辺のポリイミドテープを剥離し、SUS板から最も高い点の高さを求めることにより反り量を求め、以下の基準で評価した。
○:反り量の大きさが1cm未満。
×:反り量の大きさが1cm以上。
<銅箔引き剥がし強度(銅箔密着性)の測定>
(1)銅箔の下地処理
三井金属鉱山社製「3EC-III」(電界銅箔、35μm)の光沢面をマイクロエッチング剤((メック社製「CZ8101」)にて1μmエッチングして銅表面の粗化処理を行い、次いで防錆処理(CL8300)を施した。さらに、130℃のオーブンで30分間加熱処理した。この銅箔をCZ銅箔という。
(2)内層基板の用意
内層回路を形成したガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔の厚さ18μm、基板の厚さ0.4mm、パナソニック社製「R1515A」)の両面をマイクロエッチング剤(メック社製「CZ8101」)にて1μmエッチングして銅表面の粗化処理を行った。
(3)銅箔のラミネートと絶縁層の形成
作製した樹脂シートBから保護フィルムを剥がして、樹脂組成物層を露出させた。バッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製、2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)を用いて、樹脂組成物層が内層基板と接するように、内層基板の両面にラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下に調整した後、120℃、圧力0.74MPaにて30秒間圧着させることにより実施した。次いで、100℃、圧力0.5MPaにて60秒間熱プレスを行った。その樹脂組成物層上に、CZ銅箔の処理面を、上記と同様の条件で、ラミネートした。そして、200℃、90分の硬化条件で樹脂組成物層を硬化して絶縁層を形成することで、評価基板を作製した。
(4)信頼性試験前の銅箔密着性の測定
作製した評価基板を150×30mmの小片に切断した。小片の銅箔部分に、カッターを用いて幅10mm、長さ100mmの部分の切込みをいれて、銅箔の一端を剥がしてつかみ具で掴み、室温中にて、50mm/分の速度で垂直方向に35mmを引き剥がした時の荷重(kgf/cm)を測定し、剥離強度を求めた。測定には、引っ張り試験機(TSE社製「AC-50C-SL」)を使用した。測定は日本工業規格(JIS C6481)に準拠して行い、信頼性試験前の銅箔密着性について以下の基準で評価した。
〇:密着性が0.40kgf/cm以上
×:密着性が0.40kgf/cm未満
<誘電特性(誘電率、誘電正接)の評価>
実施例及び比較例で作成した各樹脂シートBから、保護フィルムを剥がして、200℃にて90分間加熱して樹脂組成物層を熱硬化させた後、支持体を剥離した。得られた硬化物を、幅2mm、長さ80mmの試験片に切断した。該試験片について、アジレントテクノロジーズ社製「HP8362B」を用いて、空洞共振摂動法により測定周波数5.8GHz、測定温度23℃にて誘電率(Dk)、誘電正接(Df)を測定した。3本の試験片について測定を行い、平均値を算出した。
また、誘電特性について以下の基準で評価した。
〇:誘電率が3.2未満であり、かつ、誘電正接が0.0032未満
×:誘電率が3.2以上、及び、誘電正接が0.0032以上の少なくとも一方を満たす
実施例1~6及び比較例1~2の結果を表1に示す。
Figure 0007608873000038
実施例1~6において、(A-1)成分及び(D)成分を含有しない場合であっても、硬化系が異なる場合、例えば(A-2)成分及び(F)成分を含む場合において、程度に差はあるものの、上記実施例と同様の結果に帰着することを確認している。

Claims (19)

  1. (A)硬化性樹脂、及び
    (B)窒素原子を2つ以上含むヘテロ環構造と、かご型シルセスキオキサン構造とを分子中に有する化合物
    を含有する樹脂組成物であって、
    (A)成分が、エポキシ樹脂を含み、
    (B)成分における、窒素原子を2つ以上含むヘテロ環構造が、トリアジン構造であり、
    (B)成分において、ヘテロ環構造と、かご型シルセスキオキサン構造との間に、イミド結合が介在し、
    (B)成分の重量平均分子量(Mw)が3000以上である、樹脂組成物
  2. (B)成分が、ヘテロ環構造に連結基を介して結合された、置換基を有していてもよい芳香族環構造を分子中に含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. かご型シルセスキオキサン構造が、ダブルデッカー型シルセスキオキサン構造である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. かご型シルセスキオキサン構造が、下記式(B1)に示すかご型構造を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
    Figure 0007608873000039
    [上記式(B1)中、
    Xは、それぞれ独立して、水素原子がハロゲン原子で置き換えられていてもよい炭素数1~40のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、水素原子がハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキル基で置き換えられていてもよいアリール基、及び、水素原子がハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキル基で置き換えられていてもよいアリール基が炭素数1~8のアルキレン基に結合したアリールアルキル基から選択される基であり;
    Yは、それぞれ独立して、水素原子がハロゲン原子で置き換えられていてもよい炭素数1~40のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、水素原子がハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキル基で置き換えられていてもよいアリール基、及び、水素原子がハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキル基で置き換えられていてもよいアリール基が炭素数1~8のアルキレン基に結合したアリールアルキル基から選択される基であり;
    *は、結合手であり;
    X又はYが炭素数1~40のアルキル基である場合、当該アルキル基に含まれる-CH-は、-O-又は-CH=CH-で置き換えられていてもよく;
    X又はYがアリール基である場合において、当該アリール基の水素原子が炭素数1~20のアルキル基で置き換えられているときは、当該炭素数1~20のアルキル基の水素原子がハロゲン原子で置き換えられていてもよく、当該炭素数1~20のアルキル基に含まれる-CH-は、-O-又は-CH=CH-で置き換えられていてもよく;
    X又はYがアリールアルキル基である場合、当該アリールアルキル基に含まれる-CH-は、-O-で置き換えられていてもよい。]
  5. Xがいずれもフェニル基である、請求項に記載の樹脂組成物。
  6. さらに、(C)無機充填材を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. (C)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、10質量%以上である、請求項に記載の樹脂組成物。
  8. (C)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、90質量%以下である、請求項又はに記載の樹脂組成物。
  9. (C)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、40質量%以下である、請求項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. (B)成分の含有量と(C)成分の含有量の合計が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、50質量%以上である、請求項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  11. (A)成分が、(A-2)ラジカル重合性樹脂を含有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  12. (B)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、0.01質量%以上60質量%以下である、請求項1~11のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  13. 樹脂組成物の硬化物の誘電率(Dk)の値が3.2未満である、請求項1~12のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  14. 樹脂組成物の硬化物の誘電正接(Df)の値が0.0032未満である、請求項1~13のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  15. プリント配線板の絶縁層用である、請求項1~14のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  16. 請求項1~15のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物。
  17. 支持体と、当該支持体上に設けられた請求項1~15のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む樹脂組成物層とを有する樹脂シート。
  18. 請求項1~15のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物により形成された絶縁層を含む、プリント配線板。
  19. 請求項18に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
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