JP7551313B2 - ポリアミド系フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアミド系フィルムに関する。
ナイロン樹脂を含むフィルムは、ガスバリア性、強靭性等を有するフィルムとして各方面で多用されており、特に、商品の包装に広く利用されている。このフィルムは、市場に流通する食品等の包装フィルムとして好ましく用いられる。しかし、その搬送、運搬等においてピンホールが生じる場合があり、内容物の保護の観点から、様々な改良が進められている。
本出願人は、ポリアミドを86重量%~98重量%、及び耐屈曲剤を2重量%~14重量%含有するポリアミド層を少なくとも有するポリアミド系フィルムを開発している(特許文献1)。このポリアミド系フィルムは、屈曲による耐ピンホール性及び繰り返し接触による耐ピンホール性に優れ、優れた耐突刺し性を示す。
特許第6573487号(特開2017-2114号公報)
本発明は、耐ピンホール性に優れたポリアミド系フィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行い、特定のポリアミド系フィルムが上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、下記のポリアミド系フィルムを提供する。
項1.
ポリアミド系フィルムであって、
該ポリアミド系フィルムは、少なくとも、ポリアミド層(B)を含み、
前記ポリアミド層(B)は、脂肪族ポリアミド及びポリエステル系エラストマーを含有し、
包装袋を作製した時の回転ドラム試験に従って測定したピンホールの合計数は、100mm×100mmのシートにおいて10個以下である、ポリアミド系フィルム。
項2.
更に、脂肪族ポリアミドを含有するポリアミド層(A)を有する、前記項1に記載のポリアミド系フィルム。
項3.
更に、エチレン-ビニルアルコール共重合体、又はポリメタキシリレンアジパミドを含有するバリア層(C)を有する、前記項1又は2に記載のポリアミド系フィルム。
項4.
更に、シーラント層(D)を有する、前記項1~3のいずれかに記載のポリアミド系フィルム。
項5.
ポリアミド系フィルムであって、
該ポリアミド系フィルムは、少なくとも、ポリアミド層(A)、ポリアミド層(B)、バリア層(C)及びシーラント層(D)を含み、
前記ポリアミド層(A)は、脂肪族ポリアミドを含有し、
前記ポリアミド層(B)は、脂肪族ポリアミド及びポリエステル系エラストマーを含有し、
前記バリア層(C)は、エチレン-ビニルアルコール共重合体、又はポリメタキシリレンアジパミドを含有する、ポリアミド系フィルム。
本発明のポリアミド系フィルムは、耐ピンホール性に優れる。
本発明の包装袋を用いて、回転ドラム試験を行う方法を説明する図である。回転ドラム試験機の操作機及び回転ドラムを記す。 本発明の包装袋を用いて、回転ドラム試験を行う方法を説明する図である。ダンボールケースを3個入れた回転ドラムを記す。 本発明の包装袋を用いて、回転ドラム試験を行う方法を説明する図である。ダンボールケースを記す。 本発明のポリアミド系フィルムを用いて、包装袋を作製する方法を説明する図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
[1]ポリアミド系フィルム
本発明のポリアミド系フィルムは、以下の態様を含む。
本発明のポリアミド系フィルムは、少なくとも、ポリアミド層(B)を含み、前記ポリアミド層(B)は、脂肪族ポリアミド及びポリエステル系エラストマーを含有し、包装袋(3袋)を作製した時の回転ドラム試験に従って測定したピンホールの合計数は、100mm×100mmのシートにおいて10個以下である。
本発明のポリアミド系フィルムは、好ましくは、更に、脂肪族ポリアミドを含有するポリアミド層(A)を有する。
本発明のポリアミド系フィルムは、好ましくは、更に、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)又はポリメタキシリレンアジパミド(MXD-ナイロン)を含有するバリア層(C)を有する。
本発明のポリアミド系フィルムは、好ましくは、更に、シーラント層(D)を有する。
本発明のポリアミド系フィルムは、少なくともポリアミド層(A)、ポリアミド層(B)、バリア層(C)及びシーラント層(D)を含み、前記ポリアミド層(A)は脂肪族ポリアミドを含有し、前記ポリアミド層(B)は脂肪族ポリアミド及びポリエステル系エラストマーを含有し、前記バリア層(C)は、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)又はポリメタキシリレンアジパミド(MXD-ナイロン)を含有する。
本発明のポリアミド系フィルムを用いて包装袋を作製すると、包装袋にピンホールが発生しないか、又はピンホールの発生が極力抑えられているので、フードロスを削減することが可能である。
本発明のポリアミド系フィルム(ナイロン樹脂を含むフィルム)は、耐ピンホール性に優れる。本発明のポリアミド系フィルムは、食品等の包装袋として用いられる際に、包装袋を段ボールに梱包後、常温又は低温下で、トラック等で長距離輸送する時に、包装袋が段ボールと繰り返し接触する場合であっても、包装袋にピンホールが発生しないか、又はピンホールの発生が極力抑えられる。
本発明のポリアミド系フィルムを用いて包装袋を作製すると、包装袋にピンホールが発生しないか、又はピンホールの発生が極力抑えられえいるので、内容物や臭気の漏れは抑えられ、酸素流入による内容物の酸劣化は抑えられ、細菌の侵入による腐敗も抑えられる。これにより、包装袋の内容物である食品は廃棄されずに済み、フードロスに繋がらないか、又はフードロスが極力抑えられる。
本発明のポリアミド系フィルムは、包装袋にピンホールが発生しないか、又はピンホールの発生が極力抑えられえいるので、フードロスを削減することが可能である。
本発明において、「常温」とは、食品、原材料等を、例えば10℃~35℃程度の温度で輸送又は貯蔵することをいう。本発明において、「低温」とは、食品、原材料等を、例えば10℃未満の温度で冷却して、凍結、貯蔵することをいう。
(1)ポリアミド層(A)
本発明のポリアミド系フィルムは、少なくとも、後述するポリアミド層(B)を含み、好ましくは、更に、脂肪族ポリアミドを含有するポリアミド層(A)を有する。
ポリアミド層(A)は、好ましくは、脂肪族ポリアミドを含有する。
ポリアミド
ポリアミド層(A)は、ポリアミドとして、好ましくは、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド等を含む。ポリアミドとして、耐ピンホール性がより優れる点で、より好ましくは、脂肪族ポリアミドを用いる。
脂肪族ポリアミド
ポリアミド層(A)は、脂肪族ポリアミドとして、好ましくは、脂肪族ナイロン及びその共重合体を用いる。
脂肪族ポリアミドとして、具体的には、好ましくは、ポリカプラミド(ナイロン-6)、ポリ-ω-アミノヘプタン酸(ナイロン-7)、ポリ-ω-アミノノナン酸(ナイロン-9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン-11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン-12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン-2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン-4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン-6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン-6,10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン-6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン-8,6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン-10,8)等を用いる。
脂肪族ポリアミドとして、具体的には、好ましくは、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン-6/12)、カプロラクタム/ω-アミノノナン酸共重合体(ナイロン-6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン-6/6,6)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン-12/6,6)、エチレンジアミンアジパミド/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン-2,6/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン-6,6/6,10)、エチレンアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン-6/6,6/6,10)等を用いる。
これら脂肪族ポリアミドは、1種の使用であっても、2種以上の併用であっても良い。
脂肪族ポリアミドとしては、好ましくは、ナイロン-6、ナイロン-6,6、ナイロン-6/6,6(ナイロン6とナイロン6,6の共重合体)であり、より好ましくは、ナイロン-6、ナイロン-6/6,6であり、特に好ましくは、ナイロン-6である。2種以上の脂肪族ポリアミドとして、好ましくは、ナイロン-6とナイロン-6/6,6との組み合わせである。前記組み合わせは、例えば、好ましくは、ナイロン-6:ナイロン-6/6,6の重量比が50:50~95:5程度である。
ポリアミドの相対粘度
本発明のポリアミド系フィルムでは、使用する脂肪族ポリアミドは、JIS K6920-2:2009に準拠した測定方法により、96% H2SO4を溶媒とし、試料濃度1.0重量%、温度25℃の条件で測定した相対粘度が、好ましくは、3.0~5.5であり、前記相対粘度は、より好ましくは、3.2~4.2である。
本発明のポリアミド系フィルムは、ポリアミドとして、前記相対粘度のポリアミドを用いることにより、耐ピンホール性をより向上することができる。
本発明のポリアミド系フィルムでは、2種以上のポリアミドを混合して用いる場合、前記ポリアミドの相対粘度は、混合される夫々のポリアミドの相対粘度を測定し、加重平均して得られた値を混合されたポリアミドの相対粘度とする。
本発明のポリアミド系フィルムは、各層で用いる脂肪族ポリアミドの相対粘度は同じであっても良く、異なっていても良い。
本発明のポリアミド系フィルムは、脂肪族ポリアミド以外のポリアミドを含有してもよい。
芳香族ポリアミド
ポリアミドとして、脂肪族ポリアミドに加えて、芳香族ポリアミドを含有しても良い。
芳香族ポリアミドとして、例えば、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン等の芳香族ジアミンと、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸又はその誘導体との重縮合反応で得られる結晶性芳香族ポリアミドが挙げられる。芳香族ポリアミドとしては、好ましくは、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD-ナイロン)等の結晶性芳香族ポリアミドである。芳香族ポリアミドの具体例としては、例えば、S-6007、S-6011(いずれも三菱ガス化学株式会社製)が例示される。
芳香族ポリアミドとして、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンとテレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸又はその誘導体との重縮合反応で得られる、非晶性芳香族ポリアミド(アモルファスナイロン)が挙げられる。芳香族ポリアミドとして、好ましくは、ヘキサメチレンジアミン-テレフタル酸-ヘキサメチレンジアミン-イソフタル酸の共重合体等である。上記芳香族ポリアミドの具体例としては、シーラーPA(三井・デュポンポリケミカル株式会社製)が例示される。
ポリアミドの組み合わせ
脂肪族ポリアミドと芳香族ポリアミドとの組み合わせは、好ましくは、例えば、ナイロン-6とMXD-ナイロンとの組み合わせ、ナイロン-6と非晶性芳香族ポリアミド(アモルファスナイロン)との組み合わせ等である。
ポリアミドとして、脂肪族ポリアミドと芳香族ポリアミドとを混合する場合、ポリアミド中の脂肪族ポリアミドの含有量は、ポリアミドの量を100重量%として、好ましくは、80重量%~100重量%であり、より好ましくは、90重量%~100重量%である。
ポリアミドとして、脂肪族ポリアミドと芳香族ポリアミドとを含有する場合、ポリアミド中の芳香族ポリアミドの含有量は、ポリアミドの量を100重量%として、好ましくは、0重量%~20重量%であり、より好ましくは、0重量%~10重量%である。
本発明のポリアミド系フィルムは、ポリアミドとして、脂肪族ポリアミド及び芳香族ポリアミドを含有する場合、より優れた延伸製膜性を示すことができる。
(2)ポリアミド層(B)
本発明のポリアミド系フィルムは、少なくとも、ポリアミド層(B)を含み、前記ポリアミド層(B)は、脂肪族ポリアミド及びポリエステル系エラストマーを含有する。
ポリアミド層(B)は、好ましくは、脂肪族ポリアミドを80重量%~99.5重量%含有し、ポリエステル系エラストマーを20重量%~0.5重量%含有する。
ポリアミド
ポリアミド層(B)が使用するポリアミドは、好ましくは、前記ポリアミド層(A)で使用するポリアミドを用いる。
ポリアミド層(B)は、ポリアミドとして、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド等を含む。ポリアミドとして、常温及び低温環境下の耐ピンホール性により優れる点で、好ましくは、脂肪族ポリアミドを用いる。
ポリアミド層(B)は、脂肪族ポリアミドを、好ましくは、80重量%~99.5重量%含有する。
ポリエステル系エラストマー
ポリエステル系エラストマーは、ゴム状弾性を有する物質としての熱可塑性材料である。ポリエステル系エラストマーは、ポリアミド系フィルムに常温及び低温環境下での柔軟性を付与する。
ポリアミド層(B)は、ポリエステル系エラストマーを含み、好ましくは、20重量%~0.5重量%含有する。
ポリエステル系エラストマーとして、好ましくは、変性ポリエステル系エラストマーを用いる。本明細書では、ポリエステル系エラストマーは変性ポリエステル系エラストマーを含む概念である。
変性ポリエステル系エラストマーは、熱可塑性エラストマーの変性体であり、熱可塑性エラストマーにおける改質としては、例えば、共重合やグラフト変性による改質、極性基の付与による改質等が挙げられる。極性基の付与は、グラフト変性により行われてもよい。このような極性基としては、例えば、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、アミノ基、オキソ基等が挙げられる。極性基は1種類で又は複数の種類を組み合わせて付与することができる。従って、極性基が付与された変性体には、例えば熱可塑性エラストマーのエポキシ変性体、カルボキシ変性体、酸無水物変性体、ヒドロキシ変性体、アミノ変性体等が含まれる。
変性ポリエステル系エラストマーは、ポリエステル系エラストマーを変性させたものであり、ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する飽和ポリエステル系熱可塑性エラストマーが、不飽和カルボン酸又はその誘導体により変性されたものである。
ポリエステル系エラストマーとして、具体的には、ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントの含有率が58重量%~73重量%である飽和ポリエステル系熱可塑性エラストマーを、ラジカル発生剤の存在下、不飽和カルボン酸又はその誘導体により変性処理して得られる変性ポリエステル系エラストマーである。不飽和カルボン酸又はその誘導体のグラフト反応及び末端付加反応により反応性基が導入されるため、多種の樹脂との化学結合性、水素結合性が向上する。
飽和ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有するソフトセグメントと、ポリエステルを含有するハードセグメントとからなるブロック共重合体であり、ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントの含有量が、該ポリエステル系エラストマー中の58重量%~73重量%程度である。
ソフトセグメントを構成するポリアルキレンエーテルグリコールとしては、好ましくは、例えば、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2及び1,3-プロピレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンエーテル)グリコール等である。ポリアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量は、好ましくは、400~6,000程度である。
不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、好ましくは、例えば、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸、その酸無水物、そのエステル又はその金属塩等である。
ラジカル発生剤としては、好ましくは、例えば、t-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の過酸化物、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等のアゾ化合物等である。
前記各成分の配合割合は、飽和ポリエステル系熱可塑性エラストマー100重量部に対して、好ましくは、不飽和カルボン酸又はその誘導体が0.01重量部~30重量部であり、ラジカル発生剤が0.001重量部~3重量部である。
変性ポリエステル系エラストマーの調製方法は特に限定されないが、例えば、特開2002-155135号公報等に記載されている方法により調製することができる。得られる変性ポリエステル系エラストマーのメルトフローレート(MFR)は、好ましくは、40g/10分~300g/10分である。
メルトフローレート(MFR)は、JIS K7210に準拠した測定方法により、230℃、2.16kgの条件により測定される値である。
ポリエステル系エラストマーの市販品としては、好ましくは、具体的には、テファブロック(三菱ケミカル株式会社製)を用いる。
ポリアミド層(B)は、ポリエステル系エラストマー(変性ポリエステル系エラストマーを含む)に加えて、好ましくは、ポリアミド系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、及びアイオノマー重合体からなる群から選ばれる含む熱可塑性エラストマーを含んでも良い。
ポリアミド層(B)は、ポリエステル系エラストマーの1種の使用であっても、これに加えて、他の熱可塑性エラストマーの2種以上の併用であっても良い。
ポリアミド層(B)の組成
ポリアミド層(B)は、脂肪族ポリアミド及びポリエステル系エラストマーの含有量は、ポリアミド層(B)層全体の重量を100重量%として、好ましくは、脂肪族ポリアミドを80重量%~99.5重量%含み、ポリエステル系エラストマーを20重量%~0.5重量%含む。
ポリアミド層(B)中の脂肪族ポリアミドの含有量は、ポリアミド層(B)層全体の重量を100重量%として、より好ましくは、85重量%~99重量%であり、更に好ましくは、88重量%~98重量%である。
ポリアミド層(B)中のポリエステル系エラストマーの含有量は、ポリアミド層(B)層全体の重量を100重量%として、より好ましくは、15重量%~1重量%であり、更に好ましくは、12重量%~2重量%である。
本発明のポリアミド系フィルムは、常温及び低温環境下の耐ピンホール性が優れている。ポリアミド層(B)層中の熱可塑性エラストマーの含有量を上記範囲とすることにより、ポリアミド系フィルムの常温及び低温環境下の耐ピンホール性をより向上させることができる。
(3)バリア層(C)
本発明のポリアミド系フィルムは、少なくとも、ポリアミド層(B)を含み、好ましくは、更に、エチレン-ビニルアルコール共重合体、又はポリメタキシリレンアジパミドを含有するバリア層(C)を有する。
本発明のポリアミド系フィルムは、バリア層(C)を有することで、より優れたガスバリア性を発揮することができる。本発明のポリアミド系フィルムは、通常のバリア性を必要とする場合、ポリアミド層(B)の樹脂を用いることができる。
エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)
バリア層(C)は、好ましくは、エチレン-ビニルアルコール共重合体を用いる。
エチレン-ビニルアルコール共重合体は、エチレン含量は、好ましくは、55モル%程度以下であり、より好ましくは、20モル%~50モル%程度、更に好ましくは、25モル%~44モル%程度のものを用いるる。
エチレン-ビニルアルコール共重合体は、酢酸ビニル成分のケン化度は、好ましくは、90モル%程度以上であり、より好ましくは、95モル%程度以上のものを用いる。
エチレン-ビニルアルコール共重合体には、必要に応じて、好ましくは、更に少量のプロピレン、イソブテン、α-オクテン、α-ドデセン、α-オクタデセン等のα-オレフィン;不飽和カルボン酸又はその誘導体(例えば、塩、部分アルキルエステル、完全アルキルエステル、ニトリル、アミド、無水物);不飽和スルホン酸又はその塩等のコモノマーを含んでも良い。
エチレン-ビニルアルコール共重合体のメルトインデックス(MI)は、好ましくは、0.5g/10分~50g/10分(210℃、2,160g荷重)であり、よりが好ましくは、1g/10分~35g/10分(210℃、2,160g荷重)である。
エチレン-ビニルアルコール共重合体は、MIが、好ましくは、0.5g/10分以上の粘度であることで、良好に溶融押出しすることができる。エチレン-ビニルアルコール共重合体は、MIが50g/10分以下であることで、製膜性が良好である。
エチレン-ビニルアルコール共重合体の市販品として、例えば、DC3203FB、DT2904RB(三菱ケミカル(株)製)等を好ましく用いることができる。
ポリメタキシリレンアジパミド(MXDNY)
バリア層(C)は、好ましくは、ポリメタキシリレンアジパミド用いる。
ポリメタキシリレンアジパミド(MXD-ナイロン)等の芳香族ナイロンである。芳香族ポリアミドは、例えば、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン等の芳香族ジアミンと、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸又はその誘導体との重縮合反応で得られる結晶性芳香族ポリアミドである。芳香族ナイロンとしては、例えば、S-6007、S-6011(三菱ガス化学(株)製)等を好ましく用いることができる。
その他の成分
バリア層(C)には、必要に応じて、変性エチレン酢酸ビニル共重合体、メタクリル酸共重合体アイオノマー等の他の成分を含有していても良い。熱可塑性樹脂層(C)に他の成分を含有する場合、それら他の成分の含有量は、通常、エチレン-ビニルアルコール共重合体又はポリメタキシリレンアジパミド100重量部に対して、通常15重量部程度以下であり、好ましくは、1.0重量部~7.5重量部程度であることが好ましい。
(4)各層のその他の成分
各層は、必要に応じて他の添加剤を含有していても良い。他の添加剤としては、滑剤、核剤、酸化防止剤等が挙げられる。
(5)層構成
本発明のポリアミド系フィルムは、少なくとも、ポリアミド層(B)(B層)を含み、好ましくは、更に、ポリアミド層(A)(A層)やバリア層(C)(C層)を有する。
本発明のポリアミド系フィルムは、少なくとも、B層の単層であり、好ましくは、A層/B層の2層、A層/B層/A層の3層、B層/A層/B層の3層、A層/B層/C層/B層/A層の5層、B層/A層/C層/A層/B層の5層等である。
本発明のポリアミド系フィルムは、より好ましくは、B層に加えてA層を含み、各層が対称と成る構造である。
本発明のポリアミド系フィルムは、常温及び低温環境下において優れた耐ピンホール性を発揮する。本発明のポリアミド系フィルムは、製品の内容物が(冷凍)凝固して、製品を輸送する時に、フィルムに強い衝撃が加わっても、破袋を起こさない。
各層の厚み
本発明のポリアミド系フィルムの総厚みは、10μm~50μm程度が好ましく、12μm~30μm程度がより好ましく、13μm~25μm程度が更に好ましく、15μm程度が特に好ましい。
本発明のポリアミド系フィルムでは、ポリアミド層(A)は、1層又は2層以上とする場合の合計で、厚みは、好ましくは、6.15μm~8.85μm程度であり、より好ましくは、6.45μm~8.55μm程度であり、更に好ましくは、6.75μm~8.25μm程度であり、特に好ましくは、6.8μm~7μm程度である。
本発明のポリアミド系フィルムでは、ポリアミド層(B)は、1層又は2層以上とする場合の合計で、厚みは、好ましくは、3.75μm~8.55μm程度であり、より好ましくは、4.35μm~7.95μm程度であり、更に好ましくは、4.95μm~7.35μm程度であり、特に好ましくは、6.4μm~6.8μm程度である。
本発明のポリアミド系フィルムでは、バリア層(C)、厚みは、好ましくは、0.3μm~2.4μm程度であり、より好ましくは、0.6μm~2.1μm程度であり、更に好ましくは、0.9μm~1.8μm程度であり、特に好ましくは、1.4μm~1.6μm程度である。
本発明のポリアミド系フィルムは、低温の状態で輸送される冷凍食品の包装用として、冷凍環境下において優れた耐ピンホール性を示すことができる。本発明のポリアミド系フィルムは、延伸性に優れておりフィルムの延伸破断はほとんど生じない。本発明のポリアミド系フィルムは、食品の包装、取り分け、水分を含む食品の包装等に好適であり、それら食品の低温の状態で輸送される冷凍食品の包装に好適に用いることができる。
[2]ポリアミド系フィルムの製造方法
本発明のポリアミド系フィルムを製造する方法は、特に限定されず、好ましくは、従来公知の積層体を形成する製造方法を採用することができる。
本発明のポリアミド系フィルムの各層の樹脂組成物を、例えば、少なくとも、ポリアミド層(B)を含み(単層)、好ましくは、ポリアミド層(A)及びポリアミド層(B)を含み、更に、バリア層(C)を有する態様で、例えば、ポリアミド層(A)/ポリアミド層(B)/バリア層(C)/ポリアミド層(B)/ポリアミド層(A)の順序になるように、好ましくは、Tダイスより冷却水が循環するチルロール上に共押出しして、フラット状の多層のポリアミド系フィルムを調製する製造方法を採用する。
得られたポリアミド系フィルムは、一軸延伸又は二軸延伸(同時二軸延伸、逐次二軸延伸)しても良い。延伸倍率は、例えば、縦延伸(MD)2.5~4.5倍、横延伸(TD)2.5~5.0倍である。
例えば、逐次二軸延伸の場合、50℃~80℃のロール延伸機により2.5~4.5倍に縦延伸し、80℃~140℃の雰囲気のテンター延伸機により2.5~5.0倍に横延伸せしめ、引き続いて同テンターにより180℃~220℃雰囲気中で熱処理して得ることができる。
本発明のポリアミド系フィルムは、一軸延伸又は二軸延伸(同時二軸延伸、逐次二軸延伸)しても良く、得られたポリアミド系フィルムは、必要に応じて、その両表面又は片表面にコロナ放電処理を施すこともできる。
本発明のポリアミド系フィルムは、ポリエステル系エラストマーを含み、耐ピンホール性が優れており、特に、低温環境下での耐ピンホール性の向上に効果的である。
[3]包装袋の製造方法
本発明のポリアミド系フィルムを用いて、好ましくは、袋状に加工し、包装袋を製造する。
シーラント層(D)
本発明のポリアミド系フィルムは、少なくとも、ポリアミド層(B)を含み、好ましくは、好ましくは、ポリアミド層(A)やバリア層(C)を含み、更に、好ましい態様として、シーラント層(D)を有する。
本発明のポリアミド系フィルムのもう一つの態様は、少なくとも、ポリアミド層(A)、ポリアミド層(B)、バリア層(C)及びシーラント層(D)を含み、前記ポリアミド層(A)は、脂肪族ポリアミドを含有し、前記ポリアミド層(B)は、脂肪族ポリアミド及びポリエステル系エラストマーを含有し、前記バリア層(C)は、エチレン-ビニルアルコール共重合体、又はポリメタキシリレンアジパミドを含有する。
シーラント層(D)のシーラントは、好ましくは、シール適性を表す熱可塑性樹脂である。シーラントは、例えば、好ましくは、低密度、中密度、高密度、直鎖状低密度等のポリエチレン、プロピレンホモポリマー、プロピレン-エチレンコポリマー等のプロピレンコポリマー等のポリプロピレンを用いる。シーラントは、例えば、好ましくは、ポリ酢酸ビニル系樹脂のオレフィン系シーラント、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)系シーラントを用いる。
シーラント層(D)の厚みは、好ましくは、10μm~200μmである。
包装袋を作製する為に、好ましくは、包装用フィルムの片面にシーラント層を積層したラミネートフィルムを用いる。シーラント層は、本発明の包装用フィルムを用いて、そのシールバーを用いて、袋を閉じる部分(シーラント層)であり、袋の最内側の層であり、樹脂層(A)を介して、シールバーとは反対側の層である。
本発明の包装用フィルムを用いて袋状に加工し、包装袋を製造する。
包装袋は、本発明のポリアミド系フィルムの片面に、シーラント層(D)(シーラントフィルム)を積層したラミネートフィルムを用いて、自動充てん包装機等により成形することができる。
ポリアミド系フィルムを袋状に加工し、食品を自動包装する装置としては、特に限定されないが、横型ピロータイプ包装機、縦型ピロータイプ包装機、三方シール包装機、四方シール包装機、スティック包装機等を挙げることができる。
本発明は、食品の包装袋に用いるフィルムを用いてピンホールの発生を抑える方法を包含し、本発明のポリアミド系フィルムを用いて、食品を包装する工程を含み、前記包装後の食品の冷凍及び解凍の後の、前記包装袋にピンホールの発生を抑える方法である。本発明の包装袋にピンホールの発生を抑える方法は、低温の状態で輸送される冷凍食品の包装袋に対して、ピンホールの発生を良好に抑えることができる。
本発明のポリアミド系フィルムは、低温の状態で輸送される冷凍食品の包装用としても、優れた耐ピンホール性を示すことができる。本発明のポリアミド系フィルムは、重量物の包装、取り分け、餅、ウィンナー等の食品の包装等に好適であり、それら食品の低温の状態で輸送される冷凍食品の包装に好適に用いることができる。
[4]ポリアミド系フィルムの物性
回転ドラム試験
本発明のポリアミド系フィルムは、少なくとも、ポリアミド層(B)を含み、包装袋(3袋)を作製した時の回転ドラム試験に従って測定したピンホールの合計数は、100mm×100mmのシート(ポリアミド系フィルム)において10個以下である。
回転ドラム試験は、本発明のポリアミド系フィルムから成る包装袋(大きさ:100mm×100mm)を対象に、使用機器:回転ドラム試験機を使用し、内容物としてポリプロピレン(PP)ペレット50gを入れて、温度:23℃(常温)、湿度:50%RHの条件で、回転数:9,000回転(50rpm×180分)の試験を行う。
先ず、包装袋の作製(図4)では、例えば、ポリアミド系フィルムをMD方向に長手にカットする。次いで、そのサンプルシートを二つ折りにして両端をヒートシールする。次いで、開口部から所定量のPPペレットを投入し、その開口部をヒートシールする。
次に、回転ドラム試験機へのセットでは、1個のサンプル包装袋(PPペレット入り)を、1個のダンボールケースに投入する(図3)。次いで、そのダンボールケースの蓋を閉める。これを3個作製する。回転ドラム試験機の回転ドラム内には、そのダンボールケースを3個入れる(n=3とする)(図2)。
回転試験を行い(図1)、包装袋を構成するポリアミド系フィルムにおいて、ピンホールの発生個数を測定する。
本発明のポリアミド系フィルムは、耐ピンホール性が優れており、特に、低温の状態で輸送される冷凍食品の包装用として有用である。
包装する食品が比較的尖った内容物(食品)である場合、包装袋は、搬送、運搬等の際に内容物によるピンホールの発生を抑えることが必要である。特に内容物が冷凍食品である場合、包装袋には優れた耐ピンホール性が求められる。包装する食品が常温時に液体である冷凍食品の場合、その重量が大きい場合もあり、包装袋は優れた耐ピンホール性が求められる。
本発明のポリアミド系フィルムは、食品包装用フィルム、特に低温充填商品、及び低温流通商品向けの包装に用いる場合に、耐ピンホール性、例えば低温下での耐ピンホールに優れるフィルムである。本発明のポリアミド系フィルムは、食品を包装し、食品の搬送、運搬等において、常温環境下に加えて、低温環境下においても、優れた強靭性を示し、ピンホールが発生し難いフィルムである。冷却技術の向上により、様々な食品を冷凍することができるようになり、食品の長距離移動が可能となっている。本発明のポリアミド系フィルムは、食品を低温状態で長距離移動する際に、有用である。
以下に、本発明を、実施例及び比較例を用いてより詳細に説明する。
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(1)ポリアミド系フィルムの原料
PA6:脂肪族ポリアミド、ナイロン6(NY6)、相対粘度4.08、融点220℃
変性ポリエステル系熱可塑性エラストマー:融点145℃
未変性ポリエステル系熱可塑性エラストマー:融点163℃
EVOH:エチレン-ビニルアルコール共重合体
(2)ポリアミド系フィルムの製造
前記原料を用い、表に示した配合により、各ポリアミド層を形成する為の樹脂組成物を調製した。
ポリアミド層(A):PA6
ポリアミド層(B):
PA6+変性ポリエステル系熱可塑性エラストマー
PA6+未変性ポリエステル系熱可塑性エラストマー
バリア層(C):EVOH
各ポリアミド層を構成する樹脂組成物を、250℃の押出機に供給し、単層又はA層/B層/C層/B層/A層の順序になる様に、250℃のTダイスより、冷却水が循環するチルロール上に共押出しして、フラット状の単層又は5層のポリアミド系フィルムを得た。
このフィルムを、65℃のロール延伸機により3.0倍に縦延伸し、次いで100℃の雰囲気のテンター延伸機により4.0倍に横延伸し、更に同テンターにより210℃の雰囲気中で熱処理して、厚さ15μmの単層又は5層のポリアミド系フィルムを得た。
(3)ポリアミド系フィルムを用いて、包装袋の製造
上記ポリアミドフィルムを、A4サイズにカットし、酢酸エチル/脂肪酸エステル系接着剤の混合物を塗布し、ドライヤーで乾燥させた。次いで、ハンドローラーを使用して、シーラントフィルムを貼り合わせ、再度ドライヤーで乾燥させた。その後、40℃で2日以上エージング(養生)する。
そのフィルムを二つ折りにして両端をヒートシールして、100mm×100mmの包装袋を製造した(図4)。内容物(ポリプロピレン(PP)ペレット)を50g詰めて、開口部をヒートシールした(図4)。
ポリアミド系フィルムを用いて製造した包装袋を用いて、次の評価を行った。
(4)ポリアミド系フィルムの評価
耐ピンホール性の測定方法(回転ドラム試験)
回転ドラム試験の使用機器:回転ドラム試験機(図1)
回転ドラム試験機は、一辺(図1のC)が250mmの正六角形であり、幅(奥行き、図1のB)が280mmの金属性(ステンレス)ドラムである。正六角形ドラムの直径(図1のA)は435mmである。ダンボールケース(図3)を3ケースセットして、蓋をする(図2)。
回転数:9,000回転(50rpm×180分)
雰囲気温度:23℃(常温)、50%RH
内容物:ポリプロピレン(PP)ペレット
PPペレットの型番:サンアロマー株式会社製のPC412A
包装袋:100mm×100mmの包装袋(ポリアミド系フィルムから成る包装袋)に、内容物として、PPペレット50gを詰める(図4)。
梱包形態:150mm×150mm×260mmのダンボールケースに、サンプル(内容物を詰めた包装袋)を梱包する(図3のダンボールケース)。ダンボールケースに、包装袋を1袋梱包する。
ダンボールの型番:
内ライナーは王子マテリア株式会社製のOFK-EM210(材質:K6)
中芯は丸三製紙株式会社製のHM120(材質:S120)
外ライナーは丸三製紙株式会社製のFMKS170(材質:K5)
ダンボールの厚み:Aフルート
回転ドラム試験機(ステンレスドラム)に、ダンボールケース(包装袋を1袋梱包したダンボールケース)を、3ケースセットして、蓋をする(図2)。
回転ドラム試験を、上記回転数で実施する(図1)。
回転ドラム試験後に、回転ドラム試験機からダンボールケースを取り出し、ダンボールケースから内容物(PPペレット50g)を詰めた包装袋を取り出す。
シールチェッカーで、包装袋(100mm×100mmの大きさ)において、ピンホールの個数を確認する。
耐ピンホール性の測定基準
耐ピンホール性○:包装袋3袋を対象に、回転ドラム試験に従って測定したピンホールの合計数は、包装袋を構成する100mm×100mmのシート(表又は裏)において、10個以下である。
耐ピンホール性×:包装袋3袋を対象に、回転ドラム試験に従って測定したピンホールの合計数は、包装袋を構成する100mm×100mmのシート(表又は裏)において、10個を越える。
(5)本発明のポリアミド系フィルムの効果のまとめ
本発明のポリアミド系フィルムを用いると、包装袋は、回転ドラム試験9,000回転後においても、包装袋の100mm×100mmのシート(表又は裏)において、発生したピンホールの3袋の合計数は10個以下であった。
Figure 0007551313000001
Figure 0007551313000002
本発明のポリアミド系フィルムを用いて作製する包装袋は、輸送中にピンホールが発生しないと評価できる。本発明のポリアミド系フィルムを用いると、低温の状態で輸送される冷凍食品の包装用としても、耐ピンホール性が優れると評価できる。本発明のポリアミド系フィルムを用いると、食品の包装、取り分け、水分を含む食品の包装等に好適であり、それら食品の低温の状態で輸送される冷凍食品の包装に好適に用いることができると評価できる。
本発明のポリアミド系フィルム(ナイロン樹脂を含むフィルム)は、耐ピンホール性に優れる。本発明のポリアミド系フィルムは、食品等の包装袋として用いられる際に、包装袋を段ボールに梱包後、常温又は低温下で、トラック等で長距離輸送する時に、包装袋が段ボールと繰り返し接触する場合であっても、包装袋にピンホールが発生しないか、又はピンホールの発生が極力抑えられる。
本発明のポリアミド系フィルムを用いて包装袋を作製すると、包装袋にピンホールが発生しないか、又はピンホールの発生が極力抑えられえいるので、内容物や臭気の漏れは抑えられ、酸素流入による内容物の酸劣化は抑えられ、細菌の侵入による腐敗も抑えられる。これにより、包装袋の内容物である食品は廃棄されるずに済み、フードロスに繋がらないか、又はフードロスが極力抑えられる。
本発明のポリアミド系フィルムは、包装袋にピンホールが発生しないか、又はピンホールの発生が極力抑えられえいるので、フードロスを削減することが可能である。

Claims (1)

  1. 食品を包装した冷凍された包装袋を輸送する方法であって、
    前記冷凍された包装袋は、少なくとも、ポリアミド層(A)、ポリアミド層(B)、バリア層(C)、ポリアミド層(B)、ポリアミド層(A)及びシーラント層(D)がこの順に積層されているポリアミド系フィルムを袋状に加工することにより製造された包装袋であり
    前記方法は、
    前記冷凍された包装袋を段ボールに梱包後、トラックで常温又は低温下で輸送するこ
    を含み、
    前記ポリアミド層(A)は、脂肪族ポリアミドを含有し、
    前記ポリアミド層(B)は、脂肪族ポリアミド及びポリエステル系エラストマーを含有し、
    前記ポリアミド層(B)中のポリエステル系エラストマーの含有量は、2~6重量%であり、
    前記バリア層(C)は、エチレン-ビニルアルコール共重合体、又はポリメタキシリレンアジパミドを含有し、
    前記冷凍された包装袋の製造に用いられる前記ポリアミド系フィルムは、当該ポリアミド系フィルムを用いて包装袋を作製し、段ボールに梱包して実施される回転ドラム試験に従ってピンホールの合計数を測定したときに、当該ピンホールの合計数100mm×100mmのシートにおいて5個以下となるように構成されるフィルムである、方法。
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