JP7542398B2 - 建具に用いる額縁、額縁の固定構造および建具の組立方法 - Google Patents

建具に用いる額縁、額縁の固定構造および建具の組立方法 Download PDF

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Description

本発明は、ドアや引戸などの建具に用いる額縁、建具の額縁構造および建具の組立方法に関する。
ドアや引戸などの建具において、本体の中央部に形成した開口内に板材(鏡板)を固定する際に額縁を用いることが広く行われている。従来、多くの場合は、図9に示すように、本体の表裏面を被覆するつば部2を有する額縁1,1を一対、表裏反転させて対象に配置して、ピンネイルなどの固定具3,3を開口5の内側から額縁越しに本体4に打ち込んで額縁1,1を固定し、これらの間に軟質材6を介して板材7の端縁部を挟持することにより、板材6を取り付けていた。
実開昭62-2620号(実開昭63-111585号)のマイクロフィルム
しかしながら、図9に示す従来技術によると、固定具3の頭部3aが額縁1,1の表面に露出し、これが板材7の表裏両側において開口5から見えてしまって外観を悪くするという問題があった。
特許文献1では、一方の額縁1のみに、その本体当接面16に当接する部分を他方の額縁7方向に突出させて凸条を形成し、この凸条から釘2を打ち込むことにより額縁1をドア本体(立框10)に固定すると共に、この凸条によって額縁1と額縁7との間に形成される隙間に鏡板3の端縁部を挿入して鏡板3を固定するようにしている(特に第1図、第6図参照)。これによれば、釘2の頭は鏡板3によって隠蔽されるので外部に露出せず、また、第1図に示されるように他方の額縁7の固定に際してダボ接合(栓溝17,18に栓棒19を挿入して固定)を採用した実施形態によれば、額縁1,7のいずれについても内面側に釘頭が露出しない額縁構造が得られる。
しかしながら、反面、特許文献1記載の従来技術によると、表裏一対で用いられる額縁1と額縁7とでは凸条の有無において形状が異なり、同一形状の額縁を使用することができないため、歩留まりが悪く、製造コストが嵩む。また、第1図に示されるようなダボ接合は、額縁7を取り付けたときに栓溝17,18が一直線に整列しないと栓棒19を挿入させることができず、さらには、栓棒19を挿入したときに緊密な固定状態が得られると抜けやすくなるので、厳密な寸法精度が要求されると共に、目に見えない箇所での作業になるので作業効率も悪いという問題がある。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、見栄えが良好で、建具への組立が容易で、固定強度にも優れた額縁を提供し、併せて、この額縁を用いた建具の額縁構造および建具の組立方法を提供することである。
この課題を解決するため、本願の請求項1に係る発明は、建具本体に形成した開口に板材を嵌め込んで固定具および接着により建具本体に固定する際に用いる額縁であって、建具本体に固定されて板材を両側から挟持する一対の額縁部材からなり、各額縁部材は、建具本体の開口面に接着される裏面を有し、少なくとも一方の額縁部材は、その板材に対向する内側面に、裏面側から建具本体と板材との間に少なくとも一部が入り込むように突出して固定具を斜め外方に向けて打ち込むための打込箇所となる凸条と、この凸条の表面側に隣接して凹設されて固定具打込機の先端を斜め外方に向けて収容可能な凹条と、を有することを特徴とする。
本願の請求項2に係る発明は、請求項1記載の額縁において、前記一対の額縁部材が略同一形状を有し、各額縁部材の裏面の幅がいずれも建具本体の厚さの半分以下であることを特徴とする。
本願の請求項3に係る発明は、請求項1記載の額縁において、前記一対の額縁部材が異なる形状を有し、一方の額縁部材の裏面の幅が建具本体の厚さの半分を超えるものであることを特徴とする。
本願の請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか記載の額縁を用いた固定構造であって、前記少なくとも一方の額縁部材の裏面が建具本体の開口面に接着されると共にその凸条から固定具が斜め外方に向けて建具本体に打ち込まれることにより建具本体の一側面側から建具本体の開口に固定され、他方の額縁部材が板材を挟んで建具本体の他側面側から建具本体開口に接着されてなることを特徴とする。
本願の求項5に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか記載の額縁を用いた建具の組立方法であって、前記一方の額縁部材を建具本体の一側面側から建具本体の開口に接着し、さらに、固定具打込機の先端部を斜め外方に向けて凹条に入り込ませて、凸条から固定具を建具本体に斜め外方に向けて打ち込み、このようにして接着および固定した額縁部材の内側面に板材を載置して建具本体の開口に嵌め込み、他方の額縁部材を板材を挟んで建具本体の他側面側から建具本体の開口に固定することを特徴とする。
本発明によれば、少なくとも一方の額縁部材の内側面に、少なくともその一部が建具本体と板材との間に入り込むように突出する凸条が形成されているので、この凸条から固定具を打ち込んで本体に固定することができ、接着剤による接着および固定具による固定を介して本体に強固に位置決め固定される。また、固定具の頭部が本体と板材との間に隠蔽されて外部に露見しないので、外観を低下させることがない。
また、該一方の額縁部材の内側面の凸条の表面側には、固定具打込機の先端部を収容可能な凹条が形成されているので、固定具を打ち込む際に固定具打込機を所望の角度で凸条表面近くまでスムーズに挿入することができる。したがって、固定具を斜めに打ち込んで、凸条を通過する長さを長くすることができるので、固定強度が増大する。
また、一対の額縁部材を同一形状に形成して反対向きに使用することができるので、製造コストを低減させると共に部品管理を容易にすることができる。
本発明による額縁が用いられる建具の正面図である。建具に設けられる引手や取手などの開閉操作手段は図示省略されている。 図1A-A断面図であり、本発明の一実施形態(実施例1)による額縁を用いた額縁構造ないし組立状態を示す部分断面図である。 図2に示す組立状態を得るための建具の組立方法を工程順に示す図1B-B断面図である。 実施例1の額縁を用いた場合の図3中の固定具打込工程2)における固定具打込機の使用状態(角度)を示す部分断面図である。 図2において額縁部材の入隅部と本体の出隅部との位置関係を誇張的に示す部分断面図である。 つば部を本体から外れにくくするための手段を設けた変形例(実施例2)による額縁部材を示す部分断面図である。 図1A-A断面図であり、本発明の他実施形態(実施例3)による額縁を用いた額縁構造ないし組立状態を示す部分断面図である。 額縁部材に形成される凹条についての変形例を示すと共に、この場合の図3中の固定具打込工程2)における固定具打込機の使用状態(角度)を示す部分断面図である。 従来技術による額縁を用いた額縁構造ないし組立状態を示す部分断面図である。
本発明による額縁20は、図1に示すようなドアや引戸などの建具10において、本体11に形成した開口12内に板材(鏡板)13を見栄え良く嵌め込んで固定するために用いられる。建具10に設けられる引手や取手などの開閉操作手段は図1において図示省略されている。
本体11は、木質材料、合成樹脂材料などの任意材料で形成される。図1では、本体11の上下左右に框部分を残して中央に開口12が形成されているが、開口12の形成箇所や形状は限定されず、嵌め込む板材13の形状や寸法に応じて形成される。板材13は、一般に木質板、ガラス板などの板状部材が用いられるが、その材質や形状は限定されない。本体11の厚さはたとえば20~50mmであり、板材13はそれより薄くたとえば3~10mmである。
図1に示す建具10に用いられる本発明の額縁20について、以下に実施例を挙げて説明する。
図2は実施例1による額縁20を用いた額縁構造ないし組立状態を示す図1A-A断面図である。この額縁20は、建具10の本体11に形成した縦長矩形状の開口12に略同形状の薄い板材13を嵌め込んで固定するために、開口12の四周縁に沿って嵌着されるものであり、この実施形態では、各一対の額縁部材20A,20Bが開口12の上下および左右の周縁に沿って嵌着されている。図1A-A断面図である図2には、図1において左側の開口縁に沿って嵌着される額縁部材20A,20Bについて本体11および板材13との位置関係ないし取付構造が示されているが、図1において右側の開口縁に沿って嵌着される額縁部材20A,20Bについての本体11および板材13との位置関係ないし取付構造は図2と左右対称に表れ、図1において上下の開口縁に沿って嵌着される額縁部材20A,20Bについての本体11および板材13との位置関係ないし取付構造は図2と同一または対称に表れることが明らかであるから、これらについては図示および説明を割愛する。
図2において、一方の額縁部材20Aは、本体11の板厚Lの半分より若干短い幅Waを有する主部21と、主部21の幅方向一端側から突出して本体11の一側面11aの開口12に臨む一定の領域を被覆するつば部22とを有し、開口12の高さ方向(図2紙面鉛直方向)の略全長に亘って延長する長尺部材である。主部21の裏面23は、開口12に臨む本体内面11cに当接し、つば部22の裏面は本体側面11aに当接し、本体側面11aと本体内面11cによる出隅部34は、額縁部材20Aの主部裏面23とつば部22裏面による入隅部33に実質的に隠蔽・被覆される(詳しくは図5を参照して後述する)。
主部21は概して方形断面形状を有するが、つば部22とは反対側の主部内側面21aにおいて、主部裏面23側部分が厚さ中心軸Xに直交する方向に向けて突出して凸条24が形成されると共に、凸条24の表面側には内方に入り込む凹条26が形成されている。凸条24を含む主部21の裏面23(本体内面11cとの当接面)の幅寸法Waは、本体11の板厚Lの半分より若干短く形成される。
他方の額縁部材20Bは、額縁部材20Aと同一形状・同一寸法に形成したものを反対向きにして、つば部22を外側に、凸条24および凹条26を内側にしてこれらが互いに向き合う位置関係で配置される。額縁部材20A,20Bが同一形状・同一寸法に形成されるので、製造コストを低減し、部品管理を容易にすることができる。上記したように額縁部材20A,20Bの本体内面11cに対する当接幅(Wa=Wb)は、本体11の板厚Lの半分よりも若干短く形成されるので、額縁部材20A,20Bを所定の位置に取り付けたときに、凸条24,24の先端面同士の間には(L-(Wa+Wb))に相当する幅の隙間(符号なし)が形成される。このようにすることで、本体11と額縁部材20A,20Bとの間に寸法誤差が生じた場合や、温度や湿度の変化によってこれらに寸法変化が生じた場合であっても、隙間内で吸収されるので、本体11の表裏面11a,11bにつば部22,22の裏面が密接した状態を確実に形成および維持することができるので、見栄えを良好に保つと共に、つば部22,22に手指などが引っ掛かって額縁部材20A,20Bがはずれやすくなることを防止することができる。また、これらの間にゴミが詰まって取れなくなることを防ぐことができる。
また、凸条24の表面および主部内側面21a(凹条26が形成されない領域)にはそれぞれ軟質材27,28が設けられている。軟質材27は、塩化ビニル、ウレタン、ポリエチレンなどの軟質合成樹脂、ゴム、合成ゴム、あるいはそれらの発泡体などの弾性を有する材料で形成され、軟質材27は板材13の端面と額縁部材20A,20Bの突条24,24との間に緩衝作用を与え、軟質材28は板材13の表裏面と額縁部材20A,20Bの主部内側面21a,21aとの間に緩衝作用を与えることにより、板材13をガタツキのない安定した状態に保持することに寄与する。ただし、額縁部材20A,20Bの間に板材13をガタツキなく強固に保持することができる場合は、軟質材27,28を省略しても良い。
額縁部材20A,20Bは、主部裏面23および/または本体11の開口内面11cに塗布した接着剤30によって本体11に固定されるが、接着剤30が硬化するまでの間に額縁部材20A,20Bを所定位置に不動に保持するために、固定具31による固定が併用される。固定具31には、ピンネイル、フィニッシュネイル、ステープルなどを任意に使用することができ、その種類に応じた打込機(ピンネイラーまたはピンタッカー、フィニッシュネイラー、タッカーなど)を用いて打ち込まれる。図2では、一方の額縁部材20Aのみについて、凸条24の表面側から固定具31を斜めに打ち込んで本体11に固定している。この固定方法について図3を参照して説明する。
図3は図1B-B断面図であるため、開口12を挟んで本体11の左右両側の本体開口内面11cにそれぞれ額縁20を取り付ける工程が示されているが、左右の各々において工程は同様であるので、以下においては、図3において開口12の左側に額縁部材20A,20Bを取り付ける工程について順に説明する。なお、図3において、各部は開口12について左右対称に表れるので、図示の便宜上、開口12の左側に示される部材にのみ符号を示した。
まず、工程1)において、本体11の開口内面11cおよび/または額縁部材20Aの主部裏面23に接着剤30を塗布した後、本体11を所定の略水平の作業面Yに寝かせた状態にして、このときに上面となる本体面11aにつば部22の裏面を、本体開口内面11cに主部裏面23を、それぞれ当接させて押し付けることにより、額縁部材20Aを開口12の本体面11a側の端縁部に接着する。図4に示されるように、額縁部材20Aの主部裏面23に凹凸29を形成しておくと、その凹部が接着剤溜まりとして働き、額縁部材20Aを本体11に押し付けたときに接着剤30の余剰分が本体11の側面11aや開口内面11cに溢れ出て見栄えを悪くすることがない。
次いで、この状態から本体11を表裏反転させ、工程2)に移行して、固定具31で額縁部材20Aを本体11に固定する。額縁部材20Aが接着剤30だけでなくさらに固定具31によって本体11に固定されるので、額縁部材20Aが所定の位置に強固に位置決めされる。固定具31は、額縁部材20Aの長さ方向に適宜間隔をおいて複数個所に打ち込まれる。
既述したように、固定具31は額縁部材20Aの凸条24の表面側から斜め下向きに本体11に打ち込むと良い。これにより、固定具31が凸条24を通過する長さが長くなるので、固定強度が増大する。このときの打込角度は、たとえば20~50度の範囲とすることが好ましい。
このように固定具31を斜め下方に打ち込む際には、固定具打込機32を図4に示すようにして使用することができる。すなわち、固定具打込機32の先端部を軟質材27,28に押し付けてその弾性変形により凹ませながら、凸条24表面の打込箇所に向けて前進させ、その下方角部を額縁部材20Aの凹条26に入り込ませて固定具31を打ち込む。凸条24の表面側に凹条26が形成されているので、固定具打込機32の先端部を凹条26に収容させることができ、斜め下方に向けてスムーズに押し込むことができる。
次いで、工程3)において、本体11に固定した額縁部材20A,20Aの上に跨るように板材13を載置して、開口12に嵌め込む。既述したように額縁部材20A,20Aは接着剤30および固定具31で本体11に強固に位置決め固定されているので、これらの上に載置される板材13も厚さ方向に位置ずれすることなく、所定の厚さ方向位置(その厚さ中心が本体11の厚さ中心軸Xに合致する位置関係)を取る。また、板材13の幅寸法は、額縁部材20A,20Aの凸条24,24間の間隔よりわずかに小さく形成されるので、板材13を額縁部材20A,20Aの上(主部内側面21a,21aに設けた軟質材28,28の上)に載置したときに、額縁部材20A,20Aの凸条24,24の表面に設けた軟質材27,27を圧縮させた状態で配置され、これら軟質材27,27が弾性復帰しようとする力を受けて所定の幅方向位置に保持される。なお、工程2)を終えた段階では、固定具31の頭部31aが凸条24の表面に露出しているが、工程3)で板材13を配置することにより、頭部31aが隠蔽され、外部から観察されることがなくなる。
次いで、工程4)において、上面になっている本体面11bにつば部22の裏面を、本体開口内面11cに主部裏面23を、それぞれ当接させて押し付けることにより、額縁部材20Bを開口12の本体面11b側の端縁部に接着する。板材13の厚さは、工程1)で接着剤30および固定具31で固定した額縁部材20Aの主部内側面21aと、工程4)において接着剤30で固定した額縁部材20Bの主部内側面21aとの間の間隔よりわずかに小さく形成されるので、板部材13は表裏両側から、額縁部材20A,20Bの主部内側面21a,21aに設けた軟質材28,28を弾性変形により収縮させた状態で挟持され、これら軟質材28,28が弾性復帰しようとする力を受けて所定の厚さ方向位置に保持される。
なお、額縁部材20Bは接着剤30のみによって本体11に固定され、固定具31による固定は行わない。既に工程3)で板材13が配置されているので、工程4)において固定具打込機32を挿入するスペースが無く、固定具31を額縁部材20Bの凸条24の表面から本体11に向けて打ち込むことができない。接着剤30が硬化して十分な接着力を発揮するまでには一定の時間を要するが、工程4)で額縁20を介して板材13を本体11の開口12に嵌め込んで固定する作業が完了するので、その後の養生中に接着剤30は十分に硬化して、額縁部材20Bも本体11に強固に接着固定される。
図5は、額縁部材20Aの入隅部33(つば部22の裏面22aと主部裏面23とによる角部)と本体11の出隅部34(側面11aと開口内面11cとによる角部)との位置関係を誇張的に示す説明図であり、額縁部材20Aの入隅部33が鋭角をなすように形成されている。本体11の出隅部34の近くには、本体11を加工した際に生ずるバリ35が残ることがあるが、上記のように入隅部33を鋭角に形成することにより、主部裏面23を本体開口内面11cに、つば部裏面22a側の先端部22bを本体側面11aに、それぞれ押し当てて額縁部材20Aを所定位置に固定したときに、本体11の出隅部34と額縁部材20Aの入隅部33との間に隙間36が形成され、この隙間36にバリ35を収容させることができるので、接着剤30による接着強度を高めることができる。額縁部材20Aの主部裏面23が本体側面11aに対して傾斜する角度、および、額縁部材20Aのつば部裏面22aが本体開口内面11cに対して傾斜する角度は、いずれも1~5度程度とすることができる。図示しないが、額縁部材20Bの入隅部と本体11の出隅部との位置関係も同様である。
図6は実施例1による額縁部材20Aの変形例を示し、より具体的には、つば部22を本体11から外れにくくするための手段として、凸条24の裏面(本体開口内面11cに対する当接面)に微小突起37を設けた額縁部材20A’を示す。このような微小突起37を設けることにより、凸条24から固定具31を打ち込んで本体11に固定した額縁部材20A’を変形させて、これを同図時計方向に回転させようとする回転力Faが作用するので、本体側面11aに露出するつば部22に対して同図反時計方向に回転させようとする外力Fbが作用しても、逆方向の回転力Faで打ち消されるので、つば部22を外れにくくする効果を発揮する。図示しないが、額縁部材20Bについても同様の微小突起37を設けることができる。微小突起37の高さは、たとえば0.2~0.5mmである。
図7は実施例3による額縁を用いた額縁構造ないし組立状態を示す図1A-A断面図である。実施例1を示す図2との対比から明らかなように、実施例1では一対の額縁部材20A,20Bが同一形状を有するものであるのに対し、この実施例では額縁部材20C,20Dが異なる形状を有している。より具体的には、一方の額縁部材20Cは、実施例1の額縁部材20Aとほぼ同様の形状であるが、凸条24の突出長をより大きくして、厚さ中心軸Xを超えて他方の額縁部材20Dの主部内側面25近くまで突出させた点において異なっている。一方、他方の額縁部材20Dは、つば部22を除いて略方形断面形状の主部21を有し、凸条24および凹条26が形成されないフラットな主部内側面25を有するものとされている。したがって、額縁部材20Cの凸条24を含む主部21の幅寸法Wcは本体11の板厚Lの半分より大きく、額縁部材20Dの主部21の幅寸法Wdは本体11の板厚Lの半分より小さい。額縁部材20Cの凸条24の表面に設けられる軟質材27には、実施例1において額縁部材20A,20Bの凸条24,24の表面に設けられる軟質材27,27より幅広のものが用いられる。
この実施例による額縁部材20C,20Dを用いた場合も、実施例1について図3を参照して説明したと同様にして固定および組立を行うことができる。既述したように、後から固定される額縁部材(実施例1の額縁部材20B,本実施例の額縁部材20D)については接着剤30のみが使用され、固定具31による固定は行われないので、固定具31の打ち込み箇所となる凸条24および固定具打込機32の押し込みを許容するための凹条26はいずれも不要であり、したがって、額縁部材20Dでは凸条24および凹条26が省略されている。
以上に本発明の幾つかの実施例について図面を参照して詳述したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって定められる発明の範囲内において多種多様に変形ないし変更して実施可能である。
たとえば、先に固定される額縁部材(実施例1の額縁部材20A,実施例2の額縁部材20A’,実施例3の額縁部材20C)に形成される凹条26の形状や大きさは、固定具打込機32を固定具31の打ち込みに適した所定の位置および所定の角度で挿入することを許容するものであれば特に限定されず、三角形、四角形、円弧形などの断面形状を有するものであっても良い。また、三角形の断面形状を有する凹条26であっても、図4に示す額縁部材20Aの凹条26は略二等辺三角形状を有しているが、図8に示す額縁部材20A”の凹条26は、その表面側の内面(固定具打込機32の下側先端部が当たる部分の内面)より裏面側の内面の方が大きな面積を有するように形成されている。このようにすると、固定具31を打ち込む際に固定具打込機32をより立てた状態で挿入することができるので、固定具31の打ち込み角度が大きくなり、したがって突条24を通過する距離が長くなるので、固定強度がさらに増大する。
また、額縁部材の主部内側面に凹設される凹条26は、額縁部材(主部)の全長に亘って連続するように延長形成することができるほか、固定具31の打ち込み箇所に応じて、短い凹条26を間隔をおいて複数形成しても良い。
また、図3を参照して既述した組立方法の工程4)では、額縁部材20Bの本体11に対する固定を接着剤30のみによって行い、固定具31による固定は行わないものとして説明したが、条件が許せば、後に固定する額縁部材20Bについても接着剤30による接着と共に、またはそれに代わるものとして、固定具31による固定を行っても良い。その条件は、後に固定する額縁部材20Cにも凸条24および凹条26が形成されていること(実施例3の額縁部材20Dでは不可)に加えて、板材13が撓みやすい材質で形成されていることにより、既に表裏一対の額縁部材が本体11に固定されていても、板材13を撓ませながら、一方側の額縁部材を乗り越えて他方側の額縁部材との間に嵌め込むことが可能であること、である。表裏一対の額縁部材を、共に、接着剤30による接着と固定具31による固定とを併用することができれば、固定強度が大きくなり、つば部22に外力が作用しても外れにくくする効果をより顕著に発揮させることができる。
また、額縁部材の主部裏面に接着剤溜まりとして形成される凹凸29は、図2や図7などに示されるように額縁部材の長さ方向に延長する複数の溝として形成することができるほか、額縁部材の幅方向に延長する複数の溝や、額縁部材の長さ方向および幅方向に延長する複数の直交溝として形成しても良く、その溝断面形状も四角形、三角形、円弧形など任意である。溝に代えて複数の穴を形成して接着剤溜まりとしても良い。
10 建具
11 本体
11a,11b 本体側面
11c 本体開口内面
12 開口
13 板材(鏡板)
20 額縁
20A,20B,20C,20D,20A’,20A” 額縁部材
21 主部
21a 主部内側面(凹条あり)
22 つば部
22a つば部の裏面
22b つば部の裏面側先端部
23 主部裏面
24 凸条
25 主部内側面(凹条なし)
26 凹条
27 軟質材
28 軟質材
29 主部裏面の凹凸
30 接着剤
31 固定具
31a 固定具の頭部
32 固定具打込機
33 額縁部材の入隅部
34 本体の出隅部
35 本体の出隅部に残るバリ
36 本体の出隅部と額縁部材の入隅部との間の隙間
37 凸条裏面の微小突起

Claims (5)

  1. 建具本体に形成した開口に板材を嵌め込んだ状態で固定具および接着により建具本体に固定される額縁であって、建具本体に固定されて板材を両側から挟持する一対の額縁部材からなり、各額縁部材は、建具本体の開口面に接着される裏面を有し、少なくとも一方の額縁部材は、その板材に対向する内側面に、裏面側から建具本体と板材との間に少なくとも一部が入り込むように突出して固定具を斜め外方に向けて打ち込むための打込箇所となる凸条と、この凸条の表面側に隣接して凹設されて固定具打込機の先端を斜め外方に向けて収容可能な凹条と、を有することを特徴とする額縁。
  2. 前記一対の額縁部材が略同一形状を有し、各額縁部材の裏面の幅がいずれも建具本体の厚さの半分以下であることを特徴とする、請求項1記載の額縁。
  3. 前記一対の額縁部材が異なる形状を有し、一方の額縁部材の裏面の幅が建具本体の厚さの半分を超えるものであることを特徴とする、請求項1記載の額縁。
  4. 請求項1ないし3のいずれか記載の額縁を用いた固定構造であって、前記少なくとも一方の額縁部材の裏面が建具本体の開口面に接着されると共にその凸条から固定具が斜め外方に向けて建具本体に打ち込まれることにより建具本体の一側面側から建具本体の開口に固定され、他方の額縁部材が板材を挟んで建具本体の他側面側から建具本体開口に接着されてなることを特徴とする、額縁の固定構造。
  5. 請求項1ないし3のいずれか記載の額縁を用いた建具の組立方法であって、前記一方の額縁部材を建具本体の一側面側から建具本体の開口に接着し、さらに、固定具打込機の先端部を斜め外方に向けて凹条に入り込ませて、凸条から固定具を建具本体に斜め外方に向けて打ち込み、このようにして接着および固定した額縁部材の内側面に板材を載置して建具本体の開口に嵌め込み、他方の額縁部材を板材を挟んで建具本体の他側面側から建具本体の開口に固定することを特徴とする、建具の組立方法。
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