JP7541495B2 - クレーン昇降システム、構造物の構築方法、および構造物の解体方法 - Google Patents

クレーン昇降システム、構造物の構築方法、および構造物の解体方法 Download PDF

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本発明は、クレーン昇降システム、このクレーン昇降システムを用いた構造物の構築方法、および、クレーン昇降システムを用いた構造物の解体方法に関する。
従来より、設備や躯体の老朽化を理由として、既存建物の解体が行われるが、この既存建物を解体する方法としては、以下のような方法がある。
例えば、特許文献1では、地表面から既存建物に沿ってマストを設置し、このマストにタワークレーンを取り付けて、このタワークレーンにより解体材を荷下ろしする方法がある。この場合、マストを既存建物の構造体に仮固定しておき、建物の解体に伴って、リフトダウンさせる。
特許文献1のように、地表面から既存建物に沿ってタワークレーンを用いた場合では、地表面から最上階まで大型のマストを構築する必要があるため、解体工事が大掛かりとなって、施工費用が増大する、という問題があった。
この問題を解決するため、以下の特許文献2のような解体方法が提案されている。すなわち、特許文献2には、既存構造物を解体する解体システムが示されている。解体システムは、クレーンが設置されたクレーン設置床と、クレーン設置床を支持する支持柱と、クレーン設置床を支持柱に沿って下降させる昇降装置と、を備える。昇降装置は、反力部材、吊り材、係止装置および昇降ジャッキを備える。この解体システムでは、支持柱の上端部に反力部材を取り付けて、この状態で昇降ジャッキを駆動することで、クレーン設置床を下降させる。
特許文献2の解体システムでは、支持柱を解体する際、反力部材を支持柱から一旦取り外す必要があり、工期が長期化する、という問題があった。
特開2010-255374号公報 特開2016-145477号公報
本発明は、建物の構築や解体を短工期で施工できる、クレーン昇降システムを提供することを課題とする。
第1の発明のクレーン昇降システム(例えば、後述の建物構築システム2、建物解体システム4)は、クレーン(例えば、後述のクレーン21)を本設柱(例えば、後述の柱11)に沿って昇降させるクレーン昇降システムであって、本設柱である支持柱(例えば、後述の支持柱11A)と、クレーンを支持するクレーン設置床(例えば、後述のクレーン設置床20)と、前記支持柱の上部に設置された反力部材(例えば、後述の反力部材41)と、前記反力部材に取り付けられて前記クレーン設置床を昇降させる昇降ジャッキ(例えば、後述のストランドジャッキ43)と、を備え、前記反力部材は、前記支持柱の側面に係止する一対の係止部(例えば、後述の係止部60)と、前記支持柱を跨いで配置されて前記一対の係止部同士を連結する連結梁(例えば、後述の連結梁61)と、前記係止部に設けられて前記連結梁を水平移動させる梁移動ジャッキ(例えば、後述の梁移動ジャッキ62)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、反力部材の一対の係止部を支持柱の側面に係止させ、この一対の係止部同士を連結梁で連結することにより、係止部と連結梁とで門形のフレームを形成し、反力部材の剛性を確保できる。この状態では、連結梁は、支持柱を跨いで配置される。その後、梁移動ジャッキを駆動して連結梁を水平移動させると、一対の係止部同士の連結が解除されるとともに、連結梁が支持柱の直上から退避する。
よって、建物の構築時や解体時に、反力部材を支持柱から一旦取り外す必要がなく、支持柱の上面から鉄筋が突出している場合であっても反力部材を上方に移動させることが可能であり、短工期で施工できる。
第2の発明の構造物の構築方法は、上述のクレーン昇降システムを用いて構造物(例えば、後述の建物1)を構築する方法であって、少なくとも4本の本設柱を支持柱とし、前記支持柱の上端部に反力部材を取り付けるとともに、前記支持柱に前記クレーン設置床を仮支持させる第1工程(例えば、後述のステップS1)と、前記クレーンを用いて、前記構造物を所定フロア分構築する第2工程(例えば、後述のステップS2)と、前記梁移動ジャッキを駆動して前記連結梁を前記支持柱の直上から退避させ、この状態で、前記支持柱の上に柱部材を取り付けて上方に延長し、次に、前記反力部材を揚重して上方に盛り替えて、前記梁移動ジャッキを駆動して再度前記連結梁で前記一対の係止部同士を連結する第3工程(例えば、後述のステップS3、S4)と、前記支持柱による前記クレーン設置床の仮支持を解除し、前記昇降装置により前記クレーン設置床を前記支持柱に沿って上昇させて、前記クレーン設置床を前記支持柱に再度仮支持させる第4工程(例えば、後述のステップS5~S7)と、前記第2工程から第4工程までを繰り返す第5工程(例えば、後述のステップS8)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、構造物の一部の本設柱を支持柱とし、この支持柱に仮支持させてクレーンが設置されたクレーン設置床を構築し、クレーンで構造物を構築しながら、クレーン設置床を支持柱に沿って上昇させる。
具体的には、支持柱によるクレーン設置床の仮支持、支持柱の延長、反力部材の上方への盛り替え、昇降ジャッキによるクレーン設置床の上昇、を順に繰り返す。このとき、梁移動ジャッキを駆動して連結梁を支持柱の直上から退避させた状態で、支持柱の上に部材を取り付けて上方に延長し、その後、反力部材を揚重して上方に盛り替えて、梁移動ジャッキを駆動して再度連結梁で一対の係止部同士を連結する。この作業を繰り返すことで、支持柱を構築して上方に延長しながら、反力部材を順次上方に盛り替えることができる。
第3の発明の構造物の構築方法は、上述のクレーン昇降システムを用いて構造物を解体する方法であって、少なくとも4本の本設柱を支持柱とし、前記支持柱の上端部に反力部材を取り付けるとともに、前記支持柱に前記クレーン設置床を仮支持させる第1工程(例えば、後述のステップS11)と、前記クレーンを用いて、前記構造物を所定フロア分解体する第2工程(例えば、後述のステップS12)と、前記支持柱による前記クレーン設置床の仮支持を解除し、前記昇降ジャッキにより前記クレーン設置床を前記支持柱に沿って下降させて、その後、前記クレーン設置床を前記支持柱に再度仮支持させる第3工程(例えば、後述のステップS13~S15)と、前記梁移動ジャッキを駆動して、前記連結梁を前記支持柱の直上から退避させ、この状態で、前記反力部材を揚重して下方に盛り替えて、前記支持柱の上部を解体し、次に、前記梁移動ジャッキを駆動して再度前記連結梁で前記一対の係止部同士を連結する第4工程(例えば、後述のステップS16、S17)と、前記第2工程から第4工程までを繰り返す第5工程(例えば、後述のステップS18)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、構造物の一部の本設柱を支持柱とし、この支持柱に仮支持させてクレーンが設置されたクレーン設置床を構築し、クレーンで構造物を解体しながら、クレーン設置床を支持柱に沿って下降させた。
具体的には、支持柱によるクレーン設置床の仮支持、昇降ジャッキによるクレーン設置床の下降、反力部材の下方への盛り替え、支持柱上部の解体、を順に繰り返す。このとき、梁移動ジャッキを駆動して連結梁を支持柱の直上から退避させ、この状態で、反力部材を揚重して下方に盛り替えて、その後、支持柱の上部を解体し、次に、梁移動ジャッキを駆動して再度連結梁で一対の係止部同士を連結する。この作業を繰り返すことで、支持柱を上から順に解体しながら、反力部材を順次下方に盛り替えることができる。
本発明によれば、建物の構築や解体を短工期で施工できる、クレーン昇降システムを提供できる。
本発明の第1実施形態に係るクレーン昇降システムが適用された建物構築システムの側面図である。 建物構築システムの平面図である。 図1の建物構築システムの破線Aで囲んだ部分の拡大図である。 図3の建物構築システムのI-I矢視図である。 図3の建物構築システムのII-II断面図である。 図3の建物構築システムのIII-III断面図である。、 建物構築システムを構成する反力部材の動作を示す図である。 建物構築システムを構成する係止装置の動作を示す模式図(その1)である。 建物構築システムを構成する係止装置の動作を示す模式図(その2)である。 建物構築システムを構成する振れ止め装置の拡大平面図である。 建物構築システムで建物を構築する手順のフローチャートである。 建物構築システムで建物を構築する手順の説明図(その1)である。図12(a)は、建物構築システムの初期状態を示す。図12(b)は、建物構築システムを1層分上方に盛り替えた状態を示す。 建物構築システムで建物を構築する手順の説明図(その2)であり、クレーン設置床を支持柱に再度仮支持させた状態を示す。 本発明の第1実施形態に係るクレーン昇降システムが適用された建物解体システムで既存建物を解体する手順のフローチャートである。 建物解体システムで建物を解体する手順の説明図(その1)である。 建物解体システムで建物を解体する手順の説明図(その2)である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るクレーン昇降システムが適用された建物構築システム2の側面図である。図2は、建物構築システム2の平面図である。
建物構築システム2は、構造物としての建物1を構築するためのものである。構築中の建物1は、鉄筋コンクリート造の高層建物であり、複数のプレキャスト鉄筋コンクリート造の柱11と、複数のプレキャスト鉄筋コンクリート造の梁12と、プレキャスト鉄筋コンクリート造の床13と、を備える。ここで、柱11の一部を、建物構築システム2を支持する支持柱11Aとする。
柱11は、柱部材としてのプレキャストコンクリート部材14を上下に連結したものであり、柱11の互いに背中合わせの側面には、継手部15が突出して設けられている。梁12は、柱11の継手部15同士をプレキャストコンクリート部材で連結して構成されている。
平面視で長方形状である。以下、この建物1(建物構築システム2)の長手方向をX方向とし、このX方向に略直交する短手方向をY方向とする。
建物構築システム2は、クレーン設置床20と、クレーン設置床20上に設置されたクレーン21と、支持柱11Aに取り付けられてクレーン設置床20を支持柱11Aに沿って下降させる昇降装置22と、クレーン設置床20に設けられて支持柱11Aの継手部15の上面に係止可能な係止装置23と、クレーン設置床20が水平方向に揺れるのを防止する振れ止め装置24(図4、図5参照)と、を備える。本実施形態では、支持柱11Aは6本であり、昇降装置22、係止装置23、振れ止め装置24は、6本の支持柱11Aのそれぞれについて設けられる。
クレーン設置床20は、昇降装置22同士を連結する複数のH形鋼である梁部材30と、これら梁部材30の上に載置される覆工板である板状の床部材31(図2中斜線で示す)と、を備える。
クレーン21は、クレーン設置床20上に鋼材を井桁に架設して設けられたベース32と、このベース32上に架設されたマスト33と、このマスト33に旋回可能に支持されたクレーン本体34と、このクレーン本体34に起伏可能に支持されたジブ35と、このジブ35の先端に吊り下げ支持された図示しないフックと、クレーン本体34に設けられてフックを昇降させる巻上装置36と、を備える。
図3は、図1の建物構築システム2の破線Aで囲んだ部分の拡大図である。図4は、図3のI-I矢視図である。図5は、図3のII-II断面図である。図6は、図3のIII-III断面図である。
昇降装置22は、支持柱11Aを囲んでクレーン設置床20の一部となる矩形枠状のフレーム40と、支持柱11Aの上端部に取り付けられた反力部材41と、フレーム40に設けられて反力部材41を引っ張る一対の昇降ジャッキとしてのストランドジャッキ43と、を備える。
フレーム40は、矩形枠状のフレーム基部50と、支持柱11Aを挟んでフレーム基部50に回動可能に設けられた一対の門形状のジャッキ支持部51と、を備える。クレーン設置床20の梁部材30は、昇降装置22のフレーム基部50同士を連結している。
フレーム基部50は、略平行にX方向に延びるH形鋼からなる一対の梁部材53Aと、この梁部材53A同士を連結して略平行にY方向に延びるH形鋼からなる一対の梁部材53Bと、を備える。
梁部材53Bの上面には、ジャッキ支持部51が回動可能に支持されている。ストランドジャッキ43は、ジャッキ支持部51に上向きに固定されている。
反力部材41は、支持柱11A側面の継手部15に係止する一対の係止部60と、支持柱11Aを跨いで配置されて一対の係止部60同士を連結する連結梁61と、一対の係止部60のそれぞれに設けられて連結梁61を水平移動させる梁移動ジャッキ62と、を備える。一対の係止部60には、それぞれ、ストランドジャッキ43の吊り材42が連結されている。このように、一対の係止部60と一対の連結梁61とで、側面視で門形の剛性の高いフレームが形成される。
以上の昇降装置22では、ストランドジャッキ43が吊り材42を引っ張ると、クレーン設置床20が支持柱11Aに対して上昇する。一方、ストランドジャッキ43が吊り材42を送り出すと、クレーン設置床20が支持柱11Aに対して下降する。
また、反力部材41の梁移動ジャッキ62を駆動すると、図7に示すように、連結梁61が水平移動して、支持柱11Aの上方から退避し、一対の係止部60同士の連結が解除される。
図8および図9は、係止装置23の動作を示す模式図である。
図5および図6にも示すように、係止装置23は、一対のかんぬき梁70と、この一対のかんぬき梁70同士を接近あるいは離間させる方向に略水平に移動する一対の開閉機構71A、71Bと、を備える。この係止装置23は、支持柱11Aの一対の継手部15の上面に一対のかんぬき梁70を載せて係止させる。
開閉機構71Aは、図5および図6にも示すように、フレーム基部50の一方の梁部材53A上に設けられており、一対のかんぬき梁70の一端側を下から支持する一対の支持部72と、この一対の支持部72を略水平に移動する移動機構73と、を備える。
支持部72は、かんぬき梁70の底面を下から支持する水平片721と、この水平片721の両端から鉛直方向に延びてかんぬき梁70の両側面に当接する一対の鉛直片722と、を備える。
支持部72の水平片721の上面から梁部材53Aの下面までの距離をhは、かんぬき梁70の高さ寸法hよりも僅かに高くなっている。これにより、かんぬき梁70を梁部材53Aに干渉することなく水平移動できる。
移動機構73は、モータ74と、モータ74から水平方向に離れた位置に回転自在に設けられた滑車75と、これらモータ74と滑車75との間に巻き回されたチェーン76と、を備える。一方の支持部72は、チェーン76の上側の部分に固定され、他方の支持部72は、チェーン76の下側の部分に固定されている。また、ねじ77を回転させることで、滑車75がモータ74に対して接近あるいは離隔し、これにより、チェーン76の張力を調整可能となっている。
開閉機構71Bは、図5および図6にも示すように、フレーム基部50の他方の梁部材53A上に設けられており、一対のかんぬき梁70の他端側を下から支持する一対の支持部72と、この一対の支持部72を略水平に移動する移動機構73と、を備える。これら開閉機構71Bの支持部72および移動機構73は、開閉機構71Aの支持部72および移動機構73と同様の構成である。
係止装置23では、以下のようにして、クレーン設置床20を支持柱11Aから側方に突出した継手部15の上面に係止する(図3参照)。
すなわち、開閉機構71A、71Bのモータ74を駆動して、チェーン76を図8中矢印方向に回転させることで、支持部72に支持された一対のかんぬき梁70同士を接近させ、一対のかんぬき梁70を支持柱11Aの継手部15の上に位置させる。
この状態で、昇降装置22によりクレーン設置床20を下降させると、かんぬき梁70が支持柱11Aの継手部15の上面に係止し、このかんぬき梁70にクレーン設置床20の梁部材53Aが係止する(図8参照)。これにより、クレーン設置床20が支持柱11Aに支持される。
このとき、かんぬき梁70は支持部72に対して上方に相対移動するが、支持部72の一対の鉛直片がかんぬき梁70の両側面に当接しているので、かんぬき梁70が上方に移動しても、このかんぬき梁70の脱落を防止できる。
一方、係止装置23では、以下のようにして、クレーン設置床20の継手部15の係止状態を解除する。
すなわち、昇降装置22によりクレーン設置床20を少し上昇させて、かんぬき梁70を支持部72に対して下方に相対移動させ、支持部72の水平片721の上に載せる。これにより、かんぬき梁70の上面と梁部材53Aの下面との間には、隙間が形成される。
この状態で、開閉機構71A、71Bのモータ74を駆動して、チェーン76を図9中矢印方向に回転させることで、支持部72に支持された一対のかんぬき梁70同士を離間させる。一対のかんぬき梁70を支持柱11Aの継手部15の上から退避させる。これにより、かんぬき梁70と梁部材53Aとが接触することなく、かんぬき梁70を円滑に水平移動できる(図5参照)。
図10は、振れ止め装置24の拡大平面図である。
振れ止め装置24は、クレーン設置床20に設けられて支持柱11Aの側面に当接することで、クレーン設置床20の水平方向の揺れを抑えるものである。
図5にも示すように、振れ止め装置24は、クレーン設置床20の梁部材53B間にY方向に水平移動可能に架設されてX方向に延びる一対の第1支持部材80と、各第1支持部材80に一対ずつX方向に水平移動可能に設けられた第2支持部材81と、各第2支持部材81に螺合されて第2支持部材からのY方向の突出寸法を調整可能なボルト82と、各第2支持部材81に設けられて表面が円滑な滑り材83と、を備える。
第1支持部材80は、一対の梁部材53B間に架設されて支持柱11AをY方向から挟んで配置されている。この第1支持部材80の両端側は、梁部材53Bに形成された図示しない複数のボルト挿通孔に選択的にボルト固定されている。これにより、第1支持部材80を梁部材53BのY方向の任意の位置に仮固定可能となっている。
第2支持部材81は、各第1支持部材80に設けられて支持柱11AをX方向から挟んで配置されている。第2支持部材81は、第1支持部材80に形成された複数のボルト挿通孔84に選択的にボルト固定されている。これにより、第2支持部材81を第1支持部材80のX方向の任意の位置に仮固定可能となっている。
滑り材83は、支持柱11Aの端縁の近傍に位置している。クレーン設置床20を昇降させる際に、この滑り材83が支持柱11Aに摺動することで、クレーン設置床20の円滑な昇降を確保する。
図10に示すように、振れ止め装置24では、ボルト82を回転させて前進させ、このボルト82の頭部を支持柱11Aの側面に当接させることにより、クレーン設置床20のX方向の振れ止めを行う。一方、ボルト82を回転させて後退させることで、クレーン設置床20のX方向の振れ止めを解除できる。
また、滑り材83と支持柱11Aの端縁との間にくさび85を打ち込むことで、クレーン設置床20のY方向の振れ止めを行う。一方、くさび85を取り外すことで、クレーン設置床20のY方向の振れ止めを解除できる。
以下、建物1を構築する手順について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。なお、図12および図13では、建物構築システム2の一部のみを示す。
ステップS1では、図12(a)に示すように、建物1の所定階(例えば、n階)に建物構築システム2を構築する。すなわち、建物1の所定階にクレーン設置床20、クレーン21、昇降装置22、係止装置23、振れ止め装置24を架設する。
具体的には、クレーン設置床20を構築する部分について、支持柱11Aの頂部に昇降装置22の反力部材41を取り付ける。また、係止装置23のかんぬき梁70を、支持柱11Aの継手部15上に載置することで、クレーン設置床20を支持柱11Aに仮支持させる。
また、振れ止め装置24のボルト82でクレーン設置床20のX方向の振れ止めを行うとともに、振れ止め装置24のくさび85を取り付けて、クレーン設置床20のY方向の振れ止めを行う。
ステップS2では、クレーン21を用いて建物1を1層分構築する。
ステップS3では、図12(a)に示すように、反力部材41の梁移動ジャッキ62を駆動して、連結梁61を支持柱11Aの直上から退避させ、この状態で、支持柱11Aの上にプレキャストコンクリート部材14を取り付けて、支持柱11Aを1層分上方に延長する。
ステップS4では、図12(b)に示すように、反力部材41をクレーン21で揚重して、1層分上方に盛り替えて、その後、梁移動ジャッキ62を駆動して、再度、連結梁61で一対の係止部60同士を連結する。
ステップS5では、支持柱11Aによるクレーン設置床20の仮支持を解除する。
すなわち、支持柱11Aによるクレーン設置床20の振れ止めを解除する。具体的には、振れ止め装置24のボルト82を後退させるとともに、振れ止め装置24のくさび85を取り外す。次に、ストランドジャッキ43により吊り材42に張力を導入して、クレーン設置床20を少し上方に持ち上げて地切りする。この状態で、係止装置23の開閉機構71A、71Bを駆動して、一対のかんぬき梁70を支持柱11Aの継手部15の上から退避させる。
ステップS6では、図13に示すように、ストランドジャッキ43を駆動して、クレーン設置床20を支持柱11Aに沿って1層分上昇させる。このとき、振れ止め装置24の滑り材83でクレーン設置床20の上昇をガイドする。
ステップS7では、クレーン設置床20を支持柱11Aに再度仮支持させる。
すなわち、係止装置23の開閉機構71A、71Bを駆動して、一対のかんぬき梁70を支持柱11Aの継手部15の上に位置させる。次に、ストランドジャッキ43によりクレーン設置床20を下降させて、かんぬき梁70を支持柱11Aの継手部15の上面に係止させる。次に、振れ止め装置24のボルト82でクレーン設置床20のX方向の振れ止めを行うとともに、振れ止め装置24のくさび85を取り付けて、クレーン設置床20のY方向の振れ止めを行う。
ステップS8では、ステップS2からステップS7までを繰り返す。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)反力部材41の一対の係止部60を支持柱11Aの側面の継手部15に係止させ、この一対の係止部60同士を連結梁61で連結することにより、係止部60と連結梁61とで門形のフレームを形成し、反力部材41の剛性を確保できる。この状態では、連結梁61は、支持柱11Aを跨いで配置される。その後、梁移動ジャッキ62を駆動して連結梁61を水平移動させると、一対の係止部60同士の連結が解除されるとともに、連結梁61が支持柱11Aの直上から退避する。
よって、建物1の構築時や解体時に、反力部材41を支持柱11Aから一旦取り外す必要がないので、短工期で施工できる。
(2)建物1の一部の本設柱11を支持柱11Aとし、この支持柱11Aに仮支持させてクレーン21が設置されたクレーン設置床20を構築し、クレーン21で建物1を構築しながら、クレーン設置床20を支持柱11Aに沿って上昇させる。
具体的には、支持柱11Aによるクレーン設置床20の仮支持、支持柱11Aの延長、反力部材41の上方への盛り替え、ストランドジャッキ43によるクレーン設置床20の上昇、を順に繰り返す。このとき、梁移動ジャッキ62を駆動して連結梁61を支持柱11Aの直上から退避させた状態で、支持柱11Aの上にプレキャストコンクリート部材14を取り付けて上方に延長し、その後、反力部材41を揚重して上方に盛り替えて、梁移動ジャッキ62を駆動して再度連結梁61で一対の係止部60同士を連結する。この作業を繰り返すことで、支持柱11Aを構築して上方に延長しながら、反力部材41を順次上方に盛り替えることができる。
〔第2実施形態〕
本実施形態では、第2実施形態に係るクレーン昇降システムが適用された建物解体システム4により、構造物としての鉄筋コンクリート造の既存建物3を解体する点が、第1実施形態と異なる。
建物解体システム4は、建物構築システム2と同様の構成である。
以下、建物解体システム4により既存建物3を解体する手順について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。なお、図15および図16では、建物構築システム2の一部のみを示す。
ステップS11では、図15(a)に示すように、ステップS1と同様に、既存建物3の所定階(例えば、n階)に建物解体システム4を構築する。
ステップS12では、クレーン21を用いて既存建物3を1層分解体する。
ステップS13では、ステップS5と同様に、支持柱11Aによるクレーン設置床20の仮支持を解除する。
ステップS14では、図15(b)に示すように、ストランドジャッキ43を駆動して、クレーン設置床20を支持柱11Aに沿って1層分下降させる。このとき、振れ止め装置24の滑り材83でクレーン設置床20の下降をガイドする。
ステップS15では、ステップS7と同様に、クレーン設置床20を支持柱11Aに再度仮支持させる。
ステップS16では、図16(a)に示すように、反力部材41の梁移動ジャッキ62を駆動して、連結梁61を支持柱11Aの直上から退避させ、反力部材41をクレーン21で揚重して下方に盛り替える。
ステップS17では、図16(b)に示すように、支持柱11Aを1層分撤去し、その後、梁移動ジャッキ62を駆動して、再度、連結梁61で一対の係止部60同士を連結する。
ステップS18では、ステップS12からステップS17までを繰り返す。
本実施形態によれば、上述の(1)の効果に加えて、以下のような効果がある。
(3)既存建物3の一部の本設柱11を支持柱11Aとし、この支持柱11Aに仮支持させてクレーン21が設置されたクレーン設置床20を構築し、クレーン21で既存建物3を解体しながら、クレーン設置床20を支持柱11Aに沿って下降させた。
具体的には、支持柱11Aによるクレーン設置床20の仮支持、ストランドジャッキ43によるクレーン設置床20の下降、反力部材41の下方への盛り替え、支持柱11A上部の解体、を順に繰り返す。このとき、梁移動ジャッキ62を駆動して連結梁61を支持柱11Aの直上から退避させ、この状態で、反力部材41を揚重して下方に盛り替えて、その後、支持柱11Aの上部を解体し、次に、梁移動ジャッキ62を駆動して再度連結梁61で一対の係止部60同士を連結する。この作業を繰り返すことで、支持柱11Aを上から順に解体しながら、反力部材41を順次下方に盛り替えることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述の第1実施形態のように、本発明のクレーン昇降システムを建物構築システム2に適用して、鉄筋コンクリート造の建物1を構築してもよいし、上述の第2実施形態のように、本発明のクレーン昇降システムを建物解体システム4に適用して、鉄筋コンクリート造の既存建物3を解体してもよい。
また、上述の各実施形態では、建物構築システム2および建物解体システム4を鉄筋コンクリート造の建物の構築および解体に適用したが、これに限らず、鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造の建物の構築や解体に適用してもよい。
また、上述の各実施形態では、開閉機構71A、71Bの移動機構73をモータ74で駆動したが、これに限らず、手動で駆動してもよい。
1…建物(構造物) 2…建物構築システム(クレーン昇降システム)
3…既存建物(構造物) 4…建物解体システム(クレーン昇降システム)
11…柱 11A…支持柱 12…梁 13…床
14…プレキャストコンクリート部材 15…継手部
20…クレーン設置床 21…クレーン 22…昇降装置
23…係止装置 24…振れ止め装置
30…梁部材 31…床部材 32…ベース 33…マスト 34…クレーン本体
35…ジブ 36…巻上装置
40…フレーム 41…反力部材 42…吊り材
43…ストランドジャッキ(昇降ジャッキ)
50…フレーム基部 51…ジャッキ支持部 53A、53B…梁部材
60…係止部 61…連結梁 62…梁移動ジャッキ
70…かんぬき梁 71A、71B…開閉機構 72…支持部 73…移動機構
74…モータ 75…滑車 76…チェーン 77…ねじ
80…第1支持部材 81…第2支持部材 82…ボルト 83…滑り材
84…ボルト挿通孔 85…くさび
721…水平片 722…鉛直片

Claims (3)

  1. クレーンを本設柱に沿って昇降させるクレーン昇降システムであって、
    本設柱である支持柱と、
    クレーンを支持するクレーン設置床と、
    前記支持柱の上部に設置された反力部材と、
    前記反力部材に取り付けられて前記クレーン設置床を昇降させる昇降ジャッキと、を備え、
    前記反力部材は、前記支持柱の側面に係止する一対の係止部と、前記支持柱を跨いで配置されて前記一対の係止部同士を連結する連結梁と、前記係止部に設けられて前記連結梁を水平移動させる梁移動ジャッキと、を備えることを特徴とするクレーン昇降システム。
  2. 請求項1に記載のクレーン昇降システムを用いて構造物を構築する方法であって、
    少なくとも4本の本設柱を支持柱とし、前記支持柱の上端部に反力部材を取り付けるとともに、前記支持柱に前記クレーン設置床を仮支持させる第1工程と、
    前記クレーンを用いて、前記構造物を所定フロア分構築する第2工程と、
    前記梁移動ジャッキを駆動して前記連結梁を前記支持柱の直上から退避させ、この状態で、前記支持柱の上に柱部材を取り付けて上方に延長し、次に、前記反力部材を揚重して上方に盛り替えて、前記梁移動ジャッキを駆動して再度前記連結梁で前記一対の係止部同士を連結する第3工程と、
    前記支持柱による前記クレーン設置床の仮支持を解除し、前記昇降ジャッキにより前記クレーン設置床を前記支持柱に沿って上昇させて、前記クレーン設置床を前記支持柱に再度仮支持させる第4工程と、
    前記第2工程から第4工程までを繰り返す第5工程と、を備えることを特徴とする構造物の構築方法。
  3. 請求項1に記載のクレーン昇降システムを用いて構造物を解体する方法であって、
    少なくとも4本の本設柱を支持柱とし、前記支持柱の上端部に反力部材を取り付けるとともに、前記支持柱に前記クレーン設置床を仮支持させる第1工程と、
    前記クレーンを用いて、前記構造物を所定フロア分解体する第2工程と、
    前記支持柱による前記クレーン設置床の仮支持を解除し、前記昇降ジャッキにより前記クレーン設置床を前記支持柱に沿って下降させて、その後、前記クレーン設置床を前記支持柱に再度仮支持させる第3工程と、
    前記梁移動ジャッキを駆動して、前記連結梁を前記支持柱の直上から退避させ、この状態で、前記反力部材を揚重して下方に盛り替えて、前記支持柱の上部を解体し、次に、前記梁移動ジャッキを駆動して再度前記連結梁で前記一対の係止部同士を連結する第4工程と、
    前記第2工程から第4工程までを繰り返す第5工程と、を備えることを特徴とする構造物の解体方法。
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