JP7527745B2 - スライド構造体及びそれを備えるプレス機械 - Google Patents

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Description

本発明は、スライド構造体及びそれを備えるプレス機械に関し、更に詳しくは、プレス荷重を大きくした場合であっても剛性が優れるスライド構造体及びそれを備えるプレス機械に関する。
プレス加工は、金型間でワークを挟み込み、金型の形に成形する、いわゆる塑性加工である。プレス加工においては、一般にプレス機械が用いられる。
プレス機械は、ベッド部、スライド部、クラウン部等を備えており、機械的且つ連続的にプレス加工を行うことで、プレス加工品の大量生産を可能としている。
近年、プレス加工に用いられるワークにおいては、一般的な鋼材に代わる素材として、鋼材に比べ強度が優れる、いわゆるハイテン材(高張力鋼)や更にその強度を超える超ハイテン材(超高張力鋼)等の新素材が注目されている。
これらの新素材によれば、上述したように強度が優れるため、従来の鋼材と同じ厚みで更なる強度向上を図ることができ、若しくは、従来の鋼板と同じ強度で薄肉化による軽量化を図ることが可能となる。
ところで、このような新素材を用いたワークは、強度が優れるため、一般的なプレス荷重では十分な塑性加工を行うことができず、プレス荷重を大きくする必要がある。
そして、プレス機械においては、プレス荷重を大きくするため、スライド部を大型化すると共に、かかるプレス荷重に耐え得る十分な剛性を備える必要がある。
高剛性のあるスライドとしては、例えば、プレス機のベッドに対して接近、離隔するように駆動されるプレス機のスライドであって、アルミニウムと20%以上含まれるセラミックスとを含み、鋳造によって形成されるスライドが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10-193196号公報
しかしながら、上記特許文献1記載のスライドは、上述の新素材を用いたワークのプレス加工を意図したものではなく、新素地を用いたワークの加工のためプレス荷重を大きくした場合、十分な剛性を発揮することができるとは必ずしもいえない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、プレス荷重を大きくした場合であっても、当該プレス荷重に対する十分な剛性を発揮することができるスライド構造体を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、外側フレーム部だけの構造ではなく、外側フレーム部に内側フレームを収容させた二重構造とすることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、プレス機械に用いられ、駆動機構により昇降移動するスライド構造体において、第1底板部、該第1底板部の縁部に立設された第1壁部、並びに、四方の第1壁部に囲まれた空間部を上側空間部及び下側空間部に区画する床部、を有する外側フレーム部と、第2底板部、及び、該第2底板部の縁部に立設された第2壁部、を有する内側フレーム部と、を備え、内側フレーム部が、外側フレーム部の上側空間部に収容された二重構造となっており、金型が第1底板部に取り付けられ、駆動機構が第2底板部に取り付けられるスライド構造体である。
本発明のスライド構造体においては、第2底板部が床部に着脱可能に取り付けられるものであり、床部には上方に向がって突出する位置決めピンが設けられ、第2底板部にはピン穴が設けられており、位置決めピンをピン穴に挿入することにより、外側フレーム部に対する内側フレーム部の位置決めがなされるものであることが好ましい。
本発明のスライド構造体においては、内側フレーム部が、第2底板部に設置される補強部を更に有し、補強部の両端が、前側の第2壁部と、後側の第2壁部とに連結されていることが好ましい。
このとき、補強部が一対の側板であることが好ましい。
または、補強部が一対の側板と、該側板間の上面を封鎖する上板とからなる直方体状であることが好ましい。
本発明のスライド構造体においては、第1底板部の上面には前後方向に延びる複数の板材が立設されており、該板材が下側空間部に配置されることが好ましい。
本発明のプレス機械は、上述したスライド構造体と、該スライド構造体が吊設された駆動機構と、該駆動機構が設置されたクラウン部と、クラウン部を支持するアプライト部と、該アプライト部が立設されたベッド部と、該ベッド部上に設置されるボルスタ部と、を備え、駆動機構が、スライド構造体を昇降移動させ、スライド構造体とボルスタ部との間に配置される金型間でワークをプレスするものである。
本発明のスライド構造体においては、一般的な外側フレーム部のみの構成ではなく、外側フレーム部に収容された内側フレーム部を更に備える二重構造となっているので、金型から上方に伝達されるプレス荷重の反力が、当該金型に直結された外側フレーム部から、床部を介して、外側フレーム部と内側フレームとに分散される。これにより、プレス時におけるスライド構造体の撓みの度合いを極力小さくする(撓み減少効果)ことができる。その結果、プレス荷重を大きくした場合であっても、十分な剛性を発揮することが可能となる。なお、当然、通常のプレス荷重であっても、優れた剛性を発揮することができる。
このとき、第2底板部が床部に対して着脱可能となっているので、第2底板部を床部に取り付けることにより、内側フレーム部を外側フレーム部に簡単に取り付けることができる。また、床部には位置決めが設けられ、第2底板部にはピン穴が設けられているので、位置決めもし易い。
一方で、第2底板部が床部に対して着脱可能となっているので、第2底板を床部から取り外すことにより、外側フレーム部と、内側フレーム部とを簡単に分離することができる。これにより、スライド構造体を大型化した場合であっても、スライド構造体を分割して個別に輸送することが可能となる。なお、道路交通法施行令第22条に規定する自動車の積載制限(以下単に「道路交通法に基づく自動車の積載制限」という。)があるため、スライド構造体の輸送時にはこれに適応させる必要がある。
本発明のスライド構造体においては、両端が向かい合う第2壁部に連結された補強部が第2底板部に設置されている場合、プレス荷重の反力の伝達が、補強部によっても更に分散されるので、スライド構造体の剛性をより向上させることができる。
このとき、補強部が、立設された一対の側板である場合、上下方向への撓みを軽減できるので、シンプルな構造でありながら、十分な剛性を発揮することが可能となる。
これに加え、補強部が、一対の側板間の上面を封鎖する上板とからなる直方体状である場合、上板も撓みを軽減するので、より十分な剛性を発揮することが可能となる。
また、上板を有することにより、上板の上面にスライド位置調整装置の駆動機構や配管部品等を配置することが可能となる。
本発明のスライド構造体においては、下側空間部に第1底板部に立設された板材が下側空間部に配置されている場合、スライド構造体の剛性をより一層向上させることができる。
本発明のプレス機械においては、上述のスライド構造体を備えるので、プレス荷重を大きくした場合であっても十分な剛性を有する。その結果、ハイテン材や超ハイテン材等の新素材を用いたワークであっても、安定した塑性加工を行うことが可能となる。
図1は、本発明に係るスライド構造体の一実施形態を示す斜視図である。 図2は、図1に示すスライド構造体の外側フレーム部と内側フレーム部とを分割した状態を示す分解図である。 図3は、図2に示す外側フレーム部をA-A線で鉛直に切断した断面を模式的に示す説明図である。 図4は、本発明に係るプレス機械の一実施形態を示す正面図である。 図5は、図4に示すプレス機械の側面図である。 図6は、他の実施形態に係るスライド構造体の内側フレーム部を示す斜視図である。 図7は、他の実施形態に係るスライド構造体の第1底板部及び板材を示す透過斜視図である。 図8は、プレス荷重発生時のプレス機械の状態を説明するための正面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本発明に係るスライド構造体は、プレス機械に用いられる、いわゆる「スライド」に相当し、JIS規格のプレス機械用語(JIS-B0111)において、「金型を取り付けて往復運動をする部分」と定義されるものである。
また、本明細書においては、便宜的に、上面視矩形状であるスライド構造体1の短辺方向を前後方向、長辺方向を左右方向としている。具体的には、図1に示すスライド構造体1の紙面左下を「前」側、紙面右上を「後」側としている。なお、図4に示すプレス機械Aにおいては、紙面手前側を「前」側、紙面奥側を「後」側としている。
図1は、本発明に係るスライド構造体の一実施形態を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係るスライド構造体1は、左右方向が長辺、前後方向が短辺となる上面視矩形状であり、且つ上面が開口した箱型となっている。
具体的には、スライド構造体1は、箱型の外側フレーム部10と、箱型の内側フレーム部20とを備え、内側フレーム部20が、外側フレーム部10の上側空間部に収容された二重構造となっている。なお、これらの構造の詳細については後述する。
スライド構造体1においては、二重構造となっているので、一般的な一重構造のスライドよりも、プレス時における撓み減少効果をより向上させることができる。その結果、プレス荷重を大きくした場合であっても、十分な剛性を発揮することが可能となる。
このとき、スライド構造体1においては、外側フレーム部10の四方の第1壁部11と、内側フレーム部20の四方の第2壁部21とが互いに接していない。
具体的には、前側に位置する第1壁部11及び前側に位置する第2壁部21、並びに、後側に位置する第1壁部11及び後側に位置する第2壁部21、の間にはそれぞれ一定の距離H1が設けられている。
同様に、左側に位置する第1壁部11及び左側に位置する第2壁部21、並びに、右側に位置する第1壁部11及び右側に位置する第2壁部21、の間にはそれぞれ一定の距離H2が設けられている。
ちなみに、外側フレーム部10と内側フレーム部20とは、後述するように、内側フレーム部20の第2底板部23と、外側フレーム部10の床部12とで接している。
スライド構造体1においては、第1壁部11と第2壁部21との間に一定の距離を設けることにより、プレス荷重による変形や振動で生じる、第1壁部11及び第2壁部21の衝突を防止することができる。
なお、一定の距離H1,H2は、100mm以上であることが好ましい。
図2は、図1に示すスライド構造体の外側フレーム部と内側フレーム部とを分割した状態を示す分解図である。
図2に示すように、スライド構造体1において、外側フレーム部10と内側フレーム部20とは、分割することが可能となっている。
スライド構造体1においては、外側フレーム部10と内側フレーム部20とを分割して個別に輸送することで、道路交通法に基づく自動車の積載制限に適応させて搬送することができる。
また、輸送後には、これらを組み立てることにより、所望の位置に大型のスライド構造体1を設置することが可能となる。
図3は、図2に示す外側フレーム部をA-A線で鉛直に切断した断面を模式的に示す説明図である。
図3に示すように、外側フレーム部10は、第1底板部13と、第1底板部13の四方の縁部に立設された第1壁部11と、第1壁部11の内部に設けられた床部12と、第1底板部13の上面に立設された複数の板材15とを有する。
なお、外側フレーム部10において、第1底板部13、第1壁部11,床部12及び板材15の素材は、特に限定されないが、例えば、一般構造用圧延鋼材、炭素鋼等を採用することが好ましい。これらは、互いに同一の素材であっても、異なる素材であってもよい。
第1底板部13は、上面視矩形状の板状である。
第1底板部13においては、その下面に、金型が取り付けられる(図4参照)。なお、かかる金型は、上型及び下型のうちの上型であり、型の形状は特に限定されない。
金型の取り付け方法は、公知の方法で行えばよい。取り付け方法の例として、例えば、第1底板部13の下面に鍵状の溝を設け、当該溝に係合させた金型固定用クランプを用いて、金型を取り付けれる方法が採用できる。
第1底板部13においては、その上面に、複数の板材15が立設されている。
これらの板材15は、前後方向に延びる板状であり、互いに平行となるように、略等間隔で配置されている。
また、これらの板材15は、互いに同形状であり、その上端が床部12の下面に当接されている。
スライド構造体1においては、複数の板材15を有し、これらが略等間隔で配置されているので、金型の形状等に起因して、金型から上方に伝達されるプレス荷重の反力が部分的に偏ったとしても、これを極力均等に分散させることが可能となる。
なお、板材15に伝わったプレス荷重の反力は、これらが当接される床部12に全体的に伝達されることになる。
第1底板部13においては、その四方の縁部に、第1壁部11が立設されている。
第1壁部11は、いずれも板状となっており、前後の第1壁部11と、左右の第1壁部11とがそれぞれ互いに対称構造となっている。
そして、四方の第1壁部11に囲まれた内部は、空間部となっている。これにより、スライド構造体1自体の軽量化が図られている。
前側の第1壁部11及び後側の第1壁部11においては、その外面の両側に、上下方向に延びる案内板11aが取り付けられている(図2参照)。すなわち、外側フレーム部10は、外面の四隅に案内板11aが取り付けられている。これにより、スライド構造体1の昇降動作をガイドする機構が取り付け可能となり、プレス加工の精度を向上させることができる。
床部12は、上述した第1底板部13と同様に、上面視矩形状の板材であり、第1底板部13の上方に第1底板部13と平行となるように設けられている。
換言すると、床部12は、第1壁部11の内部の上下方向における中腹部の位置で、第1壁部11に取り付けられ、第1底板部13は、第1壁部11の内部の下端の位置で、第1壁部に取り付けられている。
したがって、床部12は、第1壁部11に囲まれた空間部を、その上下方向における中腹部で、上側空間部S1と、下側空間部S2とに区画している。
ここで、上側空間部S1は、第1壁部11に囲まれた床部12の上方の空間であり、上面が開口している。かかる上側空間部S1には、内側フレーム部20が収容される(図1参照)。
一方で、下側空間部S2は、第1壁部11に囲まれた床部12と第1底板部13との間の空間である。かかる下側空間部S2には、上述した板材15が配置される。
図2に戻り、床部12には、複数の穴部12bが設けられている。これにより、床部12自体の軽量化を図れると共に、当該穴部12bから、下側空間部S2に配置される板材15のメンテナンスを行うことが可能となっている。
また、床部12には、上方に向かって突出する位置決めピン12aが左右に設けられている。
外側フレーム部10において、床部12及び第1底板部13は、それぞれ、第1壁部11に、ボルト等の留め具若しくは溶接等で互いに連結固定されている。
また、外側フレーム部10においては、軽量化の観点から、穴部12b以外に、剛性等を著しく低下させない範囲で適切な位置に穴を設けてもよい。
外側フレーム部10において、第1壁部11の厚さは、プレス荷重が大きい場合であっても十分な剛性を発揮するという観点から、50mm以上であることが好ましく、重量負荷や取り扱い性の観点から、100mm以下であることがより好ましい。
また、第1底板部13の厚さは、プレス荷重が大きい場合であっても十分な剛性を発揮するという観点から、140mm以上であることが好ましく、重量負荷や取り扱い性の観点から、200mm以下であることがより好ましい。
また、床部12の厚さは、プレス荷重が大きい場合であっても十分な剛性を発揮するという観点から、50mm以上であることが好ましく、重量負荷や取り扱い性の観点から、100mm以下であることがより好ましい。
また、板材15の厚さは、プレス荷重が大きい場合であっても十分な剛性を発揮するという観点から、50mm以上であることが好ましく、重量負荷や取り扱い性の観点から、100mm以下であることがより好ましい。
内側フレーム部20は、第2底板部23と、該第2底板部23の縁部に立設された第2壁部21と、第2底板部に設置される補強部25と、を有する。
なお、内側フレーム部20において、第2底板部23、第2壁部21及び補強部25の素材は、特に限定されないが、例えば、一般構造用圧延鋼材、炭素鋼等を採用することが好ましい。これらは、互いに同一の素材であっても、異なる素材であってもよい。
第2底板部23は、上面視矩形状の板状である。
第2底板部23は、床部12に着脱可能に取り付けられる。すなわち、第2底板部23と床部12とは、ボルト等の留め具を取り付けることにより連結される。なお、連結位置は特に限定されないが、複数個所で連結することが好ましい。これにより、スライド構造体1は、内側フレーム部20が外側フレーム部10に収容され、且つ取り付けられた二重構造となる。
一方で、内側フレーム部20と外側フレーム部10とは、留め具を取り外すことにより分割可能となる。
第2底板部23においては、上述した床部12における位置決めピン12aの位置に対応するように、ピン穴22aが左右に設けられている。
そして、スライド構造体1においては、内側フレーム部20を外側フレーム部10に取り付ける際に、床部12の位置決めピン12aを第2底板部23のピン穴22aに挿入することにより、外側フレーム部10に対する内側フレーム部20の位置決めを高精度且つ容易に行うことができる。
第2底板部23においては、駆動機構(図示しない)を取り付けるための取付部22bが四隅に設けられている。
なお、駆動機構としては、公知の、クランク機構、ナックル機構、リンク機構、スクリュー機構、フリクション機構、油圧機構、サーボ機構等を採用することができる。
また、駆動機構は、モータや減速機等の駆動源を備えていてもよい。なお、モータには、一般的なモータだけでなく、サーボモータも含まれる。
スライド構造体1においては、駆動機構が内側フレーム部20の第2底板部23に取り付けられ、内側フレーム部20の第2底板部23と外側フレーム部10の床部12とが連結され、外側フレーム部10の第1底板部13に金型が取り付けられる。そして、駆動機構により、これらが一体となって、昇降移動するようになっている。
第2底板部23においては、その四方の縁部に、第2壁部21が立設されている。
第2壁部21は、いずれも板状となっており、前後の第2壁部21と、左右の第2壁部21とがそれぞれ互いに対称的な構造となっている。
そして、四方の第2壁部21に囲まれた内部は、空間部となっている。これにより、スライド構造体1自体の軽量化が図られている。
また、かかる空間部を設けることにより、スライド位置調整装置や配管部品等を配置することが可能となる。
補強部25は、内側フレーム部20に収容されており、第2底板部23の上面に設置される。これにより、プレス時におけるスライド構造体1の撓み減少効果を十分に発揮することができる。その結果、スライド構造体1の剛性を向上させることができる。
ここで、スライド構造体1を備えたプレス機械におけるプレス荷重発生時の反力について説明する。
図8は、プレス荷重発生時のプレス機械の状態を説明するための正面図である。
通常のプレス機械Pにおいては、プレス時に、プレス荷重が発生すると、スライドSがその反力により上方に撓むことになる。このとき、図8に示すように、スライドSの中央の部分が撓みの度合いが最も大きくなる。
なお、撓んだスライドSは、プレス後、振動しつつ速やかに復元する。
プレス加工においては、このことが繰り返し高速で行われている。
ここで、スライドSにおける撓みの度合いは、スライドSの剛性に依存する。なお、剛性とは、プレス荷重発生時における装置自体の変形のしづらさの度合いを意味する。すなわち、剛性が高くなる程、変形し難くなる。
したがって、剛性を向上させることにより、撓みの度合いが小さくなり、それにより、耐久性が向上することになる。
図2に戻り、補強部25は、内側フレーム部20の第2底板部23の上面の中央に配置される。
スライド構造体1においては、撓みの度合いが最も大きくなる中央に(図8参照)、補強部25を配置することで、撓み減少効果をより発揮することができ、且つ、プレス荷重に対する耐久性をより向上させることが可能となる。
また、補強部25を中央に配置することより、四隅の取付部22bに取り付けられた駆動機構に干渉することを防止することができる。
補強部25は、左右に配置された一対の側板25aと、当該側板25a間の上面を封鎖する上板25bとからなる直方体状である。
そして、補強部25は、その両端が、前側の第2壁部21と、後側の第2壁部21とに連結されている。
補強部25は、立設された一対の側板25aと上板25bとを有する直方体状であるので、上下方向への撓みを効果的に軽減することができる。
また、補強部25の両端が第2壁部21に連結されているので、第2壁部21におけるプレス荷重の反力の伝達を分散させることができる。
これらのことから、スライド構造体1においては、プレス時における撓み減少効果をより向上させることができる。その結果、シンプルな構造でありながら、十分な剛性をより発揮することが可能となる。
なお、補強部25は、上板25bを有するので、上板25bの上面にスライド位置調整装置の駆動機構や配管部品等を配置することが可能となる。
内側フレーム部20において、補強部25は、第2底板部13に、ボルト等の留め具若しくは溶接等で互いに連結固定され、第2底板部13は、第2壁部21に、ボルト等の留め具若しくは溶接等で互いに連結固定されている。
また、内側フレーム部20においては、軽量化の観点から、剛性等を著しく低下させない範囲で適切な位置に穴を設けてもよい。
内側フレーム部20において、第2壁部21の厚さは、プレス荷重が大きい場合であっても十分な剛性を発揮するという観点から、50mm以上であることが好ましく、重量負荷や取り扱い性の観点から、100mm以下であることがより好ましい。
また、第2底板部23の厚さは、プレス荷重が大きい場合であっても十分な剛性を発揮するという観点から、150mm以上であることが好ましく、重量負荷や取り扱い性の観点から、180mm以下であることがより好ましい。
また、補強部25の側板25b及び上板25aの厚さは、プレス荷重が大きい場合であっても十分な剛性を発揮するという観点から、50mm以上であることが好ましく、重量負荷や取り扱い性の観点から、100mm以下であることがより好ましい。
図4は、本発明に係るプレス機械の一実施形態を示す正面図であり、図5は、図4に示すプレス機械の側面図である。
図4及び図5に示すように、本実施形態に係るプレス機械Aは、上述したスライド構造体1と、当該スライド構造体1が吊設された駆動機構Mと、当該駆動機構Mが設置されたクラウン部2と、クラウン部2を支持するアプライト部4と、当該アプライト部4が立設されたベッド部3と、当該ベッド部3上に設置されるボルスタ部6と、クラウン部2、アプライト部4及びベッド部3を上下方向に貫通して、これらを上下から挟持するようにネジで締め付けるタイロッド7と、を備える。
そして、スライド構造体1とボルスタ部6との間には、金型5が配置される。なお、金型5の内、上型(上側の金型)はスライド構造体1に連結され、下型(下側の金型)はボルスタ部6に固定される。
プレス機械Aにおいては、駆動機構Mが、スライド構造体1を昇降移動させ、金型間でワークをプレスする。なお、ワークのプレス機械Aへの搬入や搬出は、公知のロボットやトランスファー装置等により行われる。
なお、クラウン部2、アプライト部4、ベッド部3、ボルスタ部6及びタイロッド7は、公知のものを適宜採用することができるので、詳細な説明は省略する。
ここで、プレス機械Aは、3500t以上のプレス荷重を発揮することが可能な大型のものとなっている。このため、ワークの素材として、一般的な鋼材だけでなく、ハイテン材や超ハイテン材等の新素材を用いた場合であっても、安定した塑性加工を行うことが可能となる。なお、ワークの素材としては、これらの素材に限定されず、例えば、アルミ材やFRP(繊維強化プレスチック)等であってもよい。
プレス機械Aによれば、上述したスライド構造体1を備えるので、大きなプレス荷重に対しても十分な剛性を発揮することができる。
プレス機械Aにおいて、プレス荷重発生時(プレス時)におけるスライド構造体1の撓み剛性は、2.5×10-4以下であることが好ましい。
たわみ剛性が2.5×10-4を超えると、たわみ剛性が上記範囲内にある場合と比較して、金属疲労が蓄積され易いという欠点がある。
なお、たわみ剛性は、最大たわみ量D(mm)を、プレス荷重が付与される幅L(mm)(図8参照)で除した値(D/L)である。
また、最大たわみ量は、撓んでいない状態のスライド構造体1の下面から撓んだ状態のスライド構造体1の下面まで距離の最大値であり、プレス荷重が付与される幅Lは、撓んだ状態のスライド構造体1のたわみが開始される両端の位置同士の間のスライド構造体1が撓んでいない状態での距離である。
プレス機械Aにおいて、駆動機構M、クラウン部2、アプライト部4、ベッド部3及びボルスタ部6は、それぞれ互いに着脱可能となっていることが好ましい。すなわち、これらは、それぞれの境界部分で分割が可能であり、ボルト等の留め具やタイロッド等で互いに連結することが可能となっていることが好ましい。
この場合、それぞれを分割して個別に輸送することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係るスライド構造体1においては、床部12及び第1底板部13は、それぞれ、第1壁部11に、ボルト等の留め具若しくは溶接等で互いに連結固定されているが連結方法はこれに限定されない。
同様に、第2底板部23と床部12とが、ボルト等の留め具を取り付けることにより連結されているが連結方法はこれに限定されない。
同様に、補強部25は、第2底板部13に、ボルト等の留め具若しくは溶接等で互いに連結固定され、第2底板部13は、第2壁部21に、ボルト等の留め具若しくは溶接等で互いに連結固定されているが連結方法はこれに限定されない。
また、これらの連結における位置精度を向上させるため、これらとは別に、位置決めピン等を更に用いてもよい。
本実施形態に係るスライド構造体1においては、前後の第1壁部11と、左右の第1壁部11とがそれぞれ互いに対称構造となっているが、必須ではない。
同様に、前後の第2壁部21と、左右の第2壁部21とがそれぞれ互いに対称構造となっているが、必須ではない。
本実施形態に係るスライド構造体1においては、前側の第1壁部11及び後側の第1壁部11の外面の両側に、上下方向に延びる案内板11aが取り付けられているが、必須ではなく、別の形状としてもよい。
本実施形態に係るスライド構造体1においては、床部12に、複数の穴部12bが設けられているが必須ではない。
また、床部12に位置決めピン12aが設けられ、第2底板部23にピン穴22aが設けられているが、これらは必須ではなく、設ける位置もこれらの位置に限定されない。
本実施形態に係るスライド構造体1においては、補強部25は、左右に配置された一対の側板25aと、当該側板25a間の上面を封鎖する上板25bとからなる直方体状であるが、これに限定されない。
図6は、他の実施形態に係るスライド構造体の内側フレーム部を示す斜視図である。
図6に示すように、内側フレーム部20aは、補強部26が一対の側板26aのみからなるものであってもよい。すなわち、補強部26の側板26aが、内側フレーム部20aの内部の空間を区画するような構成であってもよい。この場合であっても、上下方向の撓みを軽減することができる。
本実施形態に係るスライド構造体1において、外側フレーム部10の下側空間部S2には、板状の板材15を配置しているが、枚数、形状、配置等はこれに限定されない。
図7は、他の実施形態に係るスライド構造体の第1底板部及び板材を示す透過斜視図である。
図7に示すように、板材15aは、第1底板部13aの上面に、間隔を変えて配置されていてもよい。なお、かかる間隔は、金型の形状やプレス荷重の反力のバランス等に応じて設定することが好ましい。
本実施形態に係るスライド構造体1は、単工程のプレス機械に用いられるものであってもよく、タンデムプレスラインのプレス機械に用いられるものであってもよい。
また、その他、トランスファープレスラインのプレス機械に用いられるものであってもよい。なお、この場合、プレス機械は、複数の金型がスライド部とボルスタ部との間に並設されることになる。
本発明に係るスライド構造体は、プレス機械のスライドとして利用できる。
また、本発明に係るプレス機械は、ワークを所望の形状にプレス加工するための機械として利用できる。
本発明に係るスライド構造体及びそれを備えるプレス機械によれば、プレス荷重を大きくした場合であっても、当該プレス荷重に対する十分な剛性を発揮することができる。
1・・・スライド構造体
10・・・外側フレーム部
11・・・第1壁部
11a・・・案内板
12・・・床部
12a・・・位置決めピン
12b・・・穴部
13,13a・・・第1底板部
15,15a・・・板材
2・・・クラウン部
20,20a・・・内側フレーム部
21・・・第2壁部
22a・・・ピン穴
22b・・・取付部
23・・・第2底板部
25,26・・・補強部
25a,26a・・・側板
25b・・・上板
3・・・ベッド部
4・・・アプライト部
5・・・金型
6・・・ボルスタ部
7・・・タイロッド
A・・・プレス機械
H1,H2・・・距離
M・・・駆動機構
S1・・・上側空間部
S2・・・下側空間部

Claims (7)

  1. プレス機械に用いられ、駆動機構により昇降移動するスライド構造体において、
    第1底板部、該第1底板部の縁部に立設された第1壁部、並びに、四方の前記第1壁部に囲まれた空間部を上側空間部及び下側空間部に区画する床部、を有する外側フレーム部と、
    第2底板部、及び、該第2底板部の縁部に立設された第2壁部、を有する内側フレーム部と、
    を備え、
    前記内側フレーム部が、前記外側フレーム部の前記上側空間部に収容された二重構造となっており、
    金型が前記第1底板部に取り付けられ、
    前記駆動機構が前記第2底板部に取り付けられるスライド構造体。
  2. 前記第2底板部が前記床部に着脱可能に取り付けられるものであり、
    前記床部には上方に向がって突出する位置決めピンが設けられ、
    前記第2底板部にはピン穴が設けられており、
    前記位置決めピンを前記ピン穴に挿入することにより、前記外側フレーム部に対する前記内側フレーム部の位置決めがなされる請求項1記載のスライド構造体。
  3. 前記内側フレーム部が、前記第2底板部に設置される補強部を更に有し、
    前記補強部の両端が、前側の前記第2壁部と、後側の前記第2壁部とに連結されている請求項1記載のスライド構造体。
  4. 前記補強部が一対の側板である請求項3記載のスライド構造体。
  5. 前記補強部が一対の側板と、該側板間の上面を封鎖する上板とからなる直方体状である請求項3記載のスライド構造体。
  6. 前記第1底板部の上面には前後方向に延びる複数の板材が立設されており、
    該板材が前記下側空間部に配置される請求項1記載のスライド構造体。
  7. 請求項1~6のいずれか1に記載のスライド構造体と、
    該スライド構造体が吊設された駆動機構と、
    該駆動機構が設置されたクラウン部と、
    前記クラウン部を支持するアプライト部と、
    該アプライト部が立設されたベッド部と、
    該ベッド部上に設置されるボルスタ部と、
    を備え、
    前記駆動機構が、前記スライド構造体を昇降移動させ、前記スライド構造体と前記ボルスタ部との間に配置される金型間でワークをプレスするプレス機械。
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