JP7353725B2 - プレス機械 - Google Patents
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Description
これらの新素材によれば、上述するように強度が優れるため、製品の更なる強度向上や薄肉化による軽量化を行うことが可能となる。
そのため、新素材にプレス加工を施す場合には、プレス機械のプレス荷重を増大させる必要がある。また、プレス荷重を増大させると、プレス荷重発生時におけるベッドのたわみが大きくなるため、ベッドにはそのプレス荷重に耐えうる剛性を付与する必要がある。
例えば、フレームを構成するベッドをベッド本体とその左右の分割部(ベッドレッグ)とに分割可能に結合するプレス機械のフレーム構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、フレームのベッドが、本体と、その左右の分割体とを備えるプレス機械のフレームが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、剛性を高めるためベッドを巨大化する場合、当該ベッドが、特許文献1又は2に記載のベッドである場合、ベッドの主要部分(剛性にかかわる部分)が分割されないので、道路交通法に基づく自動車の積載制限を超える可能性が高い。
また、サブフレーム部は、剛性が異なる複数のサブフレーム部から選択されたものであることが好ましい。この場合、適当なサブフレーム部を選択することにより、プレス機械を、プレス荷重に応じた所望の剛性を示すものとすることが可能となる。
なお、プレス機械においては、サブフレーム部に対応させることで、メインフレーム部として既存のものを採用することも可能である。この場合、新たに大型のプレス機械を導入する必要がなく、コスト負担を軽減でき、設置するためのスペースを新たに設ける必要もない。
また、連結部は、ベッドの四隅のうちの少なくとも対角線上の2か所に設けることが好ましい。この場合、上述したメインフレーム部に対してサブフレーム部がずれることをより防止することができる。
また、各ピン穴部は、メインフレーム部やサブフレーム部に、容易に設けることができる。
同様に、メインフレーム部を、中空部を有する四角柱状とし、中空部に補強板を取り付けることにより、比較的軽量でありながら、十分な剛性を発揮することが可能となる。
そして、上面視で、メインフレーム部の補強板の位置と、サブフレーム部の架橋板の位置とを一致させることにより、剛性をより向上させることができる。
そして、メインフレーム部の重量がサブフレーム部の重量よりも大きく、メインフレーム部の重量が、道路交通法に基づく自動車の積載制限を満たすものとすることにより、ベッドを安全且つ確実に輸送することが可能となる。
図1に示すように、本実施形態に係るプレス機械Aは、ベッド10と、ベッド10のサイドフレーム部13に立設されたアプライト20と、該アプライト20に支持されたクラウン30と、クラウン30に垂設されたスライド40と、ベッド10のサブフレーム部12の上面に取り付けられたボルスタ50と、を備える。
また、プレス機械Aにおいては、スライド40の下面に上金型2が取り付けられ、ボルスタ50の上面に下金型3が取り付けられる。
なお、プレス機械Aにおいて、アプライト20,クラウン30,スライド40、ボルスタ50、上金型2及び下金型3は、一般的なもの適宜採用すればよいので、詳細な説明は省略する。
そして、上金型2及び下金型3の間で、ブランク材を挟み込んでプレスすることにより、ブランク材を上金型2及び下金型3に沿った形状に成形加工することが可能となっている。
なお、プレス機械Aへのブランク材の搬入方向及び搬出方向は特に限定されない。
図2に示すように、プレス機械Aにおいては、プレス荷重発生時に、ヘッド10の中央の部分が下方にたわむことになる。
但し、プレス機械Aにおいては、剛性を向上させることにより、増大させたプレス荷重に耐え、且つ、たわみに対して十分に復元することができる。また、プレス荷重発生時におけるたわみの度合いを軽減することが可能となっている。
なお、プレス機械A全体におけるたわみの度合いは、ベッド10の剛性に依存する。
したがって、プレス機械Aにおいては、ベッド10の剛性を向上させ、ベッド10のたわみの度合いを軽減することにより、プレス機械A全体のたわみを軽減することができる。
また、剛性とは、プレス荷重発生時における変形のしづらさの度合いを意味する。すなわち、剛性が高くなる程、変形し難くなることを意味する。
たわみ剛性が2.5×10-4を超えると、たわみ剛性が上記範囲内にある場合と比較して、金属疲労が蓄積され易いという欠点がある。
なお、ベッドの上面の最大たわみ量は、たわんでいない状態のベッドの上面からたわんだ状態のベッドの上面まで距離の最大値であり、プレス荷重が付与される幅は、たわんだ状態のベッドのたわみが開始される両端の位置同士の間のベッドがたわんでいない状態での距離である。
図3に示すように、ベッド10は、メインフレーム部11と、該メインフレーム部11の上面に取り付けられたサブフレーム部12と、メインフレーム部11の両側にそれぞれ取り付けられたサイドフレーム部13とを有する。
すなわち、ベッド10は、メインフレーム部11を中心に、その上面にサブフレーム部12が配置され、メインフレーム部11の両側にサイドフレーム部13が配置され、これらが一体となった構造を有している。
また、ベッドの主要部分が、サブフレーム部12がメインフレーム部11の上に配置された、上下の二重構造となっているので、十分な剛性をバランス良く、安定して発揮することが可能となる。
これにより、輸送時には、道路交通法に基づく自動車の積載制限を満たすものとすることが可能となる。
例えば、メインフレーム部11として、道路交通法に基づく自動車の積載制限を満たす既存のメインフレーム部を採用し、道路交通法に基づく自動車の積載制限を満たすサブフレーム部12を採用すればよい。
したがって、プレス機械Aは、例えば、既存のプレス機械のメインフレーム部11とボルスタ50との間に、サブフレーム部12を追加することにより得られる。
例えば、プレス機械Aにおいては、メインフレーム部11に、サブフレーム部12と連結させるための穴を設けることにより、このメインフレーム部11及びこれに連結するサイドフレーム部等の既存の設備を利用することが可能である。このため、コスト負担を軽減できる。
また、既存の設備を利用できるので、巨大化した別のメインフレーム部を導入する必要もなく、別のメインフレーム部を設置するための新たなスペースも要さない。
この場合、複数のサブフレーム部から、適当なサブフレーム部を選択することにより、プレス機械Aを、プレス荷重に応じた所望の剛性を示すものとすることが可能となる。
ここで、本明細書において、「左右」とは、図1に示す上面視矩形状のメインフレーム部11aの中心からみて短辺側であり、「前後」とは、図1に示す上面視矩形状のメインフレーム部11aの中心からみて長辺側である。なお、図1でいう手前側を「前」とし、奥側を「後」としている。
そして、複数の補強板11dは、中空部11cに位置し、前後の側壁部11bに支持されている。
なお、骨格部11a、側壁部11b及び補強板11dは、互いに溶接され、一体となっている。
メインフレーム部11は、中空部11cを有することにより、比較的軽量としながら、補強板11bを有することにより、十分な剛性を発揮することが可能となっている。
また、側壁部の厚さは、50~150mmであることが好ましく、この中でも、前後の側壁部11bの厚さは、110~120mmであることがより好ましく、左右の側壁部11bの厚さは、70~75mmであることがより好ましい。側壁部11bの厚さが50mm未満であると、厚さが上記範囲内にある場合と比較して、十分な剛性が得られない場合があり、側壁部11bの厚さが150mmを超えると、厚さが上記範囲内にある場合と比較して、メインフレーム部11の重量が大きくなり、道路交通法に基づく自動車の積載制限を超えてしまう恐れがある。
また、補強板11dの厚さは、40~80mmであることが好ましく、65~70mmであることがより好ましい。補強板11dの厚さが40mm未満であると、厚さが上記範囲内にある場合と比較して、十分な剛性が得られない場合があり、補強板11dの厚さが80mmを超えると、厚さが上記範囲内にある場合と比較して、メインフレーム部11の重量が大きくなり、道路交通法に基づく自動車の積載制限を超えてしまう恐れがある。
また、上面視において、骨格部11aの中心点に対し、一方側に設けられた3か所の第1ピン穴部11aと、他方側に設けられた3か所の第1ピン穴部11aとは、点対称となっている。
また、サブフレーム部12は、横フレーム12a及び縦フレーム12bの互いの端部が近接した上面視矩形状となっている(図3参照)。
これにより、サブフレーム部12は、比較的軽量でありながら、十分な剛性を付加することが可能となる。
なお、横フレーム12a及び縦フレーム12bの幅(太さ)は、必ずしも、骨格部11aの一方のフレームの幅に対応させる必要はない。
また、架橋板12cの厚さは、40~80mmであることが好ましく、65~70mmであることがより好ましい。架橋板12cの厚さが40mm未満であると、厚さが上記範囲内にある場合と比較して、十分な剛性が得られない場合があり、架橋板12cの厚さが80mmを超えると、厚さが上記範囲内にある場合と比較して、プレス荷重発生時に補強板11dが破損する恐れがある。
すなわち、メインフレーム部11の上面側における第1ピン穴部14aと、サブフレーム部12の下面側おける第2ピン穴部14bとの位置は上面視で一致している。
図5の(a)に示すように、ボルスタ50は、サブフレーム部12の上面に配置される。
そして、ボルスタ50においては、ボルスタ下面板50aに上切欠き部50a1が設けられている。
具体的には、まず、ボルスタ下面板50aの上切欠き部50a1、サブフレーム部12の貫通穴17b、及び、メインフレーム部11の下切欠き部17aが上下直線状となるように配置される。これに、サブフレーム部12の下面に、貫通穴17bを覆うように油圧シリンダ51bが取り付けられ、上切欠き部50a1の上方から、貫通穴17bに留め具51aが挿入され、留め具51aと油圧シリンダ51bとが連結される。なお、油圧シリンダ51bは、下切欠き部17aに配置されるのでメインフレーム部11には干渉しない。
そして、油圧シリンダ51bが留め具51aを下方に移動させて締め込むことにより、留め具51aの経が大きい頭部と、サブフレーム部12との間で、ボルスタ下面板50aを挟み込み、ボルスタ50がベッド10に取り付け固定される。
ちなみに、サブフレーム部12を設けない場合は、ボルスタ50の上切欠き部50a1と、メインフレーム部11の下切欠き部17aとを直接取付具により取り付け固定すればよい。
連結部の位置は、メインフレーム部11の第1ピン穴部14aと、それに対応するサブフレーム部12の第2ピン穴部14bとの位置に相当する。すなわち、プレス機械Aにおいては、連結部は、メインフレーム部11の四隅に設けられた4か所と、対角線上にある2つの連結部それぞれの稍内側に設けられた2か所との6か所に連結部が設けられている。
図6に示すように、連結部5は、メインフレーム部11の上面側に設けられた第1ピン穴部14aと、サブフレーム部12の下面側に設けられた第2ピン穴部14bと、第1ピン穴部14a及び第2ピン穴部14bを連結するピン14とからなる。
プレス機械Aにおいては、例えば、設置されたメインフレーム部11の第1ピン穴部14aに、ピン14を挿入し、そのピン14の露出した部分を、第2ピン穴部14bに挿入されるようにしてサブフレーム部12が取り付けられる。
また、サブフレーム部12がメインフレーム部11に対して位置決めされるので、プレス荷重発生時に、サブフレーム部12及びメインフレーム部11にたわみが生じたとしても、メインフレーム部11に対してサブフレーム部12が横方向にずれることを防止することができる。
両側のサイドフレーム部13は、互いに面対称であり、メインフレーム部11よりも前後に延出した四角柱状の構造となっている。
サイドフレーム部13においては、その内側の面に設けられた凸部13aが、メインフレーム部11の左右の端部に設けられた凹部13bに取り付けられ、凸部13aと凹部13bとの間の隙間に、打込キー13cを打ち込むことにより取り付け固定される(図3参照)。
また、サイドフレーム部13の上面側には、アプライト20を取り付けるための穴が設けられている。なお、アプライト20の取付は公知の方法で行えばよい。
本実施形態に係るプレス機械Aの輸送方法においては、プレス機械Aを分割して輸送する。
上述したように、プレス機械Aは、ベッド10と、アプライト20と、クラウン30と、スライド40と、ボルスタ50と、を備えており、これらは互いに分割可能となっている。
なお、プレス機械Aにおいては、分割したこれらの部品のうち、最も重量が大きいものがベッドである。
したがって、これらは、分割して別々に輸送される。
そして、メインフレーム部11の重量が、道路交通法に基づく自動車の積載制限を満たしている。
これにより、ベッド10を安全且つ確実に輸送することが可能となる。
メインフレーム部11に対するサブフレーム部12の位置決めを行うという観点から、連結部は、ベッド10の四隅のうちの少なくとも対角線上の2か所に設けられていることが好ましい。
例えば、図6の(a)に示すように、連結部は、メインフレーム部111の上面側に設けられた第1溝部15aと、サブフレーム部121の下面側に設けられた第2溝部15bと、第1溝部15a及び第2溝部15bにより形成される横穴に挿入される挿入キー15とからなる、いわゆる打ち込みキー型であってもよい。
この場合、第1溝部15a及び第2溝部15bが互いに向き合うようにメインフレーム部111及びサブフレーム部121が配置され、第1溝部15a及び第2溝部15bにより形成される横穴に挿入キー15が打ち込まれる。これにより、メインフレーム部111及びサブフレーム部121が連結され、メインフレーム部111に対してサブフレーム部121の位置決めが行われる。
また、図6の(b)に示すように、連結部は、メインフレーム部112の上面側に設けられた溝部16aと、サブフレーム部121の下面側に突出する段状の突出部16bとからなる、いわゆる段付け型であってもよい。なお、サブフレーム部121と突出部16bとは一体となっている。
この場合、溝部16aに突出部16bが挿入されることにより、メインフレーム部112及びサブフレーム部122が連結され、メインフレーム部112に対してサブフレーム部122の位置決めが行われる。
サイドフレーム部13の取付構造は、公知のものを適宜採用することができる。
本発明に係るプレス機械Aによれば、増大させたプレス荷重に耐え得る剛性を有し、且つ、道路交通法に基づく自動車の積載制限を満たすようにベッドを分割することができる。また、本発明に係るプレス機械Aの輸送方法によれば、このようなプレス機械Aを道路交通法に基づく自動車の積載制限を満たした状態で輸送することができる。
11,111,112・・・メインフレーム
11a・・・骨格部
11b・・・側壁部
11c・・・中空部
11d・・・補強板
12,121,122・・・サブフレーム部
12a・・・横フレーム
12b・・・縦フレーム
12c・・・架橋板
13・・・サイドフレーム部
13a・・・凸部
13b・・・凹部
13c・・・打込キー
14・・・ピン
14a・・・第1ピン穴部
14a1・・・第1外側ピン穴
14a2・・・第1内側ピン穴
14b・・・第2ピン穴部
14b1・・・第2外側ピン穴
14b2・・・第2内側ピン穴
15・・・挿入キー
15a・・・第1溝部
15b・・・第2溝部
16a・・・溝部
16b・・・突出部
17a・・・下切欠き部
17b・・・貫通穴
2・・・上金型
20・・・アプライト
3・・・下金型
30・・・クラウン
40・・・スライド
5,51,52・・・連結部
50・・・ボルスタ
50a・・・ボルスタ下面板
50a1・・・上切欠き部
51・・・取付具
51a・・・留め具
51b・・・油圧シリンダ
A・・・プレス機械
Claims (6)
- メインフレーム部、該メインフレーム部の上面に取り付けられたサブフレーム部、及び、前記メインフレーム部の両側にそれぞれ取り付けられたサイドフレーム部、を有するベッドと、
前記サイドフレーム部に立設されたアプライトと、
該アプライトに支持されたクラウンと、
前記クラウンに垂設されたスライドと、
該サブフレーム部の上面に取り付けられたボルスタと、
を備え、
前記サブフレーム部が前記メインフレーム部及び前記ボルスタに対して着脱自在となっており、
前記サブフレーム部を前記メインフレーム部に取り付けることにより前記ベッドの剛性が向上するものであり、
前記サブフレーム部が、左右方向に延びる一対の横フレームと、前後方向に延びる一対の縦フレームと、前記横フレーム同士を架橋する複数の架橋板と、を有する上面視矩形状となっており、
前記メインフレーム部が、中空部を有する四角柱状であり、
前記中空部には、前記メインフレーム部の前記サイドフレームが取り付けられた側面に対して平行となるように、複数の補強板が取り付けられており、
上面視で、前記補強板の位置と、前記架橋板が位置とが一致しているプレス機械。 - 前記メインフレーム部及び前記サブフレーム部が連結部を介して連結されることにより、前記サブフレーム部が前記メインフレーム部に対して位置決めされている請求項1記載のプレス機械。
- 前記ベッドの四隅のうちの少なくとも対角線上の2か所に前記連結部が設けられている請求項2記載のプレス機械。
- 前記連結部が、前記メインフレーム部の上面側に設けられた第1ピン穴部と、前記サブフレーム部の下面側に設けられた第2ピン穴部と、前記第1ピン穴部及び前記第2ピン穴部を連結するピンとからなる請求項2又は3に記載のプレス機械。
- 前記サブフレーム部が、剛性が異なる複数のサブフレーム部から選択されたものである請求項1~4のいずれか1項に記載のプレス機械。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載のプレス機械の輸送方法であって、
前記メインフレーム部の重量が前記サブフレーム部の重量よりも大きく、
前記メインフレーム部の重量が、道路交通法に基づく自動車の積載制限を満たすものであり、
前記ベッドを、前記メインフレーム部、前記サブフレーム部及び前記サイドフレーム部に分割して輸送するプレス機械の輸送方法。
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2021
- 2021-06-23 JP JP2021104178A patent/JP7353725B2/ja active Active
Patent Citations (1)
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