JP5066119B2 - 門型プレスフレーム - Google Patents
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Description
船殻の曲げ用や板の矯正用には古くからクラウン上でラムが横移動するラム移動プレスが用いられている。このプレスで成形する被成形材である鋼板は、寸法が大きい(例えば、幅3m×長さ10m)ため逐次成形が行われる。逐次成形に際しては、プレスフレーム内の幅方向にラムを横移動させ、ラムに偏心荷重が作用しない状態下で被成形材に荷重をかけて成形を行うのがこのプレスの特徴である。ただし、当然のことながら、プレスフレームには大きな偏心荷重が作用する。
この特許文献1によると、プレスフレームはベッドとクラウンとこれらを結ぶコラムとからなる。クラウンの上面にはレールが設置され、ラム装置を固定した台車が横移動する。また、ラム装置の下面には上金型が取付けられている。ベッドの上面では下金型が設置され、ラム装置と同様に横移動するようになっている。
すなわち、プレス能力が大きくなるほど、また長辺板の左右寸法が大きいほどクラウンの強度確保が困難になる。
なお、サイドハウジング110とベッド130との間も、同様のキー120で負荷を受けるようになっている。
図8において、クラウン100の短辺板102に同形状の板が溶接されキーが組み込まれる凹部104が加工されている。一方、サイドハウジング110にはクラウン側に対応する板が溶接されキーが組み込まれる凹部106が加工されている。この凹部104,106にキー120が挿入されている。そして、キー120は長辺板101の延長線上に存在するようになっている。
図8に示す従来例では、キー120によりクラウン100に作用する荷重をサイドハウジング110に伝達している。しかしながら、このキー120に作用するせん断力をキー120の長さに渡り均一に分散させることは不可能である。このため、キー120を非常に大きな断面寸法とせざるを得ない。更に、プレス時に、クラウン100に上向きの力が加わると、キー120を介してサイドハウジング110を外向きに撓ませる力Fが発生し、クラウン100の端部にも捻りが発生する。この捻りが作用しないように、キー102に長辺板からの負荷を伝達することは非常に困難である。
すなわち、例えば3000tonのラム移動プレスの場合、一般的に、片側のサイドハウジング110に約2500ton、他方のサイドハウジング110には500ton程度の力が作用することになる。したがって、サイドハウジング110やキー120の設計はラム出力の70〜80%の力が作用するとして設計される。
第2発明の門型プレスフレームは、第1発明において、前記前後一対の長辺板および前記左右一対の短辺板の上面には天板が固定され、かつ下面には底板が固定されていることを特徴とする。
第3発明の門型プレスフレームは、第1または第2発明において、前記ロッド挿通箱は、前記長辺板および前記短辺板と同一縦長さを有する板材で外面と両側が閉じられ、一面が開放された断面U字形部材であり、開放面を前記短辺板に当接させて前記クラウンに固定されており、該ロッド挿通箱の上面は前記天板で閉じられ、かつ下面は前記底板で閉じられ、該ロッド挿通孔の上下面の前記天板と前記底板には、前記タイロッドを通す挿通孔が形成されていることを特徴とする。
第4発明の門型プレスフレームは、第1,2または第3発明において、前記クラウン上で上型取付台を支持したラムが横移動し、前記ベッド上で下型取付台が横移動することを特徴とする。
第2発明によれば、天板と底板が長辺板および短辺板に固定されたことにより剛性が高くなり、また、天板と底板を利用して補強板を取付けやすくなるので、さらなる剛性の向上が得られる。
第3発明によれば、ロッド挿通箱の上下の天板と底板に設けた挿通孔にタイロッドを通した状態でタイロッドに螺合したナットを締め付けると、その締め付け力がロッド挿通箱を経て短辺板と長辺板に伝えられ、またアプライトにも伝えられるので、タイロッドによるクラウンとアプライトの結合が強固となり、プレス時の耐負荷力が高くなる。
第4発明によれば、ラムと下型取付台が横移動すればするほどクラウンに作用する偏心荷重が大きくなるが、その荷重はタイロッドに直ぐ伝達されるので、クラウンに捻りが生じない。
図2および図3に示すプレスはラム移動プレスAであり、このプレスは門型プレスフレームを用いて構成されている。
この門型プレスフレームの基本構成は、クラウンCとベッドBとアプライトUと、これらを互いに結合するタイロッドTからなる。
クラウンCは後に詳述するように長方体状の箱形構造物であり、ベッドBも箱形構造物である。アプライトUは4本のコラム状材料からなり、1本づつクラウンCの下面4隅とベッドBの上面4隅の間に立てられている。このアプライトUの取付位置はキーで拘束されている。4本のタイロッドTは、それぞれクラウンCの4隅、4本のアプライトU、ベッドBの4隅に通され、このタイロッドTの上下両端にナットNが螺合されて、各部材を強固に締結している。
一方、ベッドBの上面には下金型取付台9が設置されており、図示しない移動装置でベッドB上を横行するようになっている。
板曲げや矯正をする場合は、上金型取付台8に上金型を固定し、下金取付台9に下金型を固定して、両方を同じ位置に横行させてプレス作用を行わせることになる。
このようにプレス機構部が横移動することから、クラウンCとベッドBは横寸法の長いものとなっており、またクラウンCは内部に空間のあいた構造となっている。
符号1,1は前後の長辺板であり、2,2は左右の短辺板である。この長辺板1,1と短辺板2,2で長方体状の箱に構成されている。長辺板1,1の横寸法がクラウンCの横寸法となり、その縦寸法がクラウンCの縦寸法となる。もちろん、この長辺板1,1がクラウンCに作用する負荷を主として支える強度部材となる。
前面の長辺板1の前面および後面の長辺板1の後面には、それぞれ縦向きの補強リブ21が数枚づつ溶接されている。図示の実施形態では4枚あるが、3枚以下でもよく、5枚以上であってもよい。この枚数は作用する負荷と板厚等で変動する負荷負担力から選択すればよい。
なお、長辺板1,1の内側にも、上下方向中段位において横向きに延びる補強材24が溶接されている。
そして、このロッド挿通箱10の上下面を塞ぐ天板3と底板4には、タイロッドTを通す挿通孔13が形成されている。
図1は天板3を除いた状態のクラウンCの斜視図である。図1から明らかなように、ロッド挿通箱10に通したタイロッドTは、その軸心が長辺板1の延長線f上に位置することになる。
また、タイロッドTに作用した負荷は、真っ直ぐに剛性を大きく設計できるベッドBに伝えられるので、プレスフレームにねじりなども生じない。
よって、門型プレスフレーム全体が強固になり、能力の大きなラム移動プレスの製造も可能となる。
B ベッド
U アプライト
T タイロッド
10 ロッド挿通箱
13 挿通孔
Claims (4)
- クラウンと、ベッドと、前記クラウンおよび前記ベッドの間に介在させたアプライトと、これらを互いに結合するタイロッドとからなり、
前記クラウンは、横方向に長い前後一対の長辺板と、該一対の長辺板の両端に結合された左右一対の短辺板からなる長方体状の箱組構造であり、
前記クラウンの4隅において、横方向外側に、前記タイロッドを通すロッド挿通箱が設けられており、
該ロッド挿通箱に通された前記タイロッドは、その軸芯が前記長辺板の延長線上に位置する
ことを特徴とする門型プレスフレーム。 - 前記前後一対の長辺板および前記左右一対の短辺板の上面には天板が固定され、かつ下面には底板が固定されている
ことを特徴とする請求項1記載の門型プレスフレーム。 - 前記ロッド挿通箱は、前記長辺板および前記短辺板と同一縦長さを有する板材で外面と両側が閉じられ、一面が開放された断面U字形部材であり、開放面を前記短辺板に当接させて前記クラウンに固定されており、該ロッド挿通箱の上面は前記天板で閉じられ、かつ下面は前記底板で閉じられ、
該ロッド挿通孔の上下面の前記天板と前記底板には、前記タイロッドを通す挿通孔が形成されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の門型プレスフレーム。 - 前記クラウン上で上型取付台を支持したラムが横移動し、前記ベッド上で下型取付台が横移動する
ことを特徴とする請求項1,2または3記載の門型プレスフレーム。
Priority Applications (1)
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JP2009057440A JP5066119B2 (ja) | 2009-03-11 | 2009-03-11 | 門型プレスフレーム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009057440A JP5066119B2 (ja) | 2009-03-11 | 2009-03-11 | 門型プレスフレーム |
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JP5066119B2 true JP5066119B2 (ja) | 2012-11-07 |
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Family Applications (1)
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JP2009057440A Active JP5066119B2 (ja) | 2009-03-11 | 2009-03-11 | 門型プレスフレーム |
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- 2009-03-11 JP JP2009057440A patent/JP5066119B2/ja active Active
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