JP7526586B2 - インクジェット印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット印刷装置に関する。
インクジェットヘッドの上流側に配置されたタンクと、インクジェットヘッドと、その下流側に配置されたタンクとの間でインクを循環させつつ、インクジェットヘッドからインクを吐出して印刷するインク循環式のインクジェット印刷装置が知られている。
このようなインク循環式のインクジェット印刷装置において、インクジェットヘッドの上流側のタンクおよび下流側のタンクを、インクジェットヘッドのノズル面より上方に配置することがある。
このような構成では、装置の電源がオフの期間中は、インクジェットヘッドの上流側のタンクおよび下流側のタンクが密閉状態とされる。タンクからインクジェットヘッドへインクが流れてノズルからインクが漏れることを防止するためである。
上記のようなインクジェット印刷装置では、電源がオフの期間中において、環境温度の変化により、密閉状態のタンクの圧力が変動することがある。タンクの圧力が変動すると、インクジェットヘッドのノズル圧が変動し、ノズル内のインクのメニスカスが破壊されるおそれがある。ノズル内のインクのメニスカスが破壊されると、ノズルからのインク漏れ等が生じることがある。
これに関し、密閉空間の圧力の変動を抑制する技術として、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1の技術では、温度変化に応じてベローズを伸縮させて密閉空間の容積を変更することにより、密閉空間の圧力を一定に保っている。
国際公開第2016/017330号
しかしながら、特許文献1の技術では、温度変化に応じてベローズを伸縮させる制御を行うため、電源がオフの期間中における密閉空間の圧力変動には対処できない。このため、特許文献1の技術を用いても、上述のような、電源がオフの期間中に発生する、密閉状態のタンクの圧力変動によるメニスカス破壊を低減することはできない。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、インクジェットヘッドのノズル内のインクのメニスカス破壊を低減できるインクジェット印刷装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のインクジェット印刷装置は、インクを吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドに接続され、インクを貯留し、本装置の電源がオフの期間に密閉状態とされるタンクと、前記電源がオフの期間における前記タンクの圧力の変動を緩和する緩和部とを備えることを特徴とする。
本発明のインクジェット印刷装置によれば、インクジェットヘッドのノズル内のインクのメニスカス破壊を低減できる。
実施の形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。 図1に示すインクジェット印刷装置の印刷部、圧力生成部、およびダンパ部の概略構成図である。 ダンパ部による圧力変動緩和動作の説明図である。 ダンパ部液面調整処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。図2は、図1に示すインクジェット印刷装置の印刷部、圧力生成部、およびダンパ部の概略構成図である。なお、以下の説明における上下方向は鉛直方向であり、図2における紙面の上下を上下方向とする。
図1に示すように、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1は、4つの印刷部2と、圧力生成部3と、ダンパ部(緩和部に相当)4と、搬送部5と、制御部6とを備える。
印刷部2は、インクを循環させつつ、搬送部5により搬送される用紙にインクを吐出して画像を印刷する。4つの印刷部2は、それぞれ異なる色(例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)のインクを吐出する。4つの印刷部2は、吐出するインクの色が異なる以外は、同様の構成を有する。
図2に示すように、印刷部2は、インクジェットヘッド11と、インク循環機構12と、インク供給部13とを備える。なお、図2に示す印刷部2の構成は1色分であり、上述のように、4つの印刷部2がそれぞれ同様の構成を有する。
インクジェットヘッド11は、インク循環機構12により供給されるインクを吐出する。インクジェットヘッド11は、複数のヘッドモジュール16を有する。
ヘッドモジュール16は、インクを貯留するインクチャンバ(図示せず)と、インクを吐出する複数のノズル(図示せず)と、ノズルが開口したノズル面16aとを有する。インクチャンバ内には、ピエゾ素子(図示せず)が配置されている。ピエゾ素子の駆動により、ノズルからインクが吐出される。ノズル面16aは、搬送部5により搬送される用紙に対向するヘッドモジュール16の下面である。
インク循環機構12は、インクを循環させつつインクジェットヘッド11にインクを供給する。インク循環機構12は、加圧タンク(タンクに相当)21と、加圧タンク液面センサ22と、分配器23と、集合器24と、負圧タンク(タンクに相当)25と、負圧タンク液面センサ26と、インク循環管27~29と、インク循環ポンプ30と、温度調整部31とを備える。
加圧タンク21は、インクジェットヘッド11に供給するインクを貯留する。加圧タンク21は、圧力生成部3により付与される正圧によりインクジェットヘッド11にインクを供給する。加圧タンク21のインクは、インク循環管27および分配器23を介してインクジェットヘッド11に供給される。すなわち、加圧タンク21は、インクの循環方向におけるインクジェットヘッド11の上流側に配置されている。加圧タンク21内には、インクの液面上に空間36が形成されている。加圧タンク21は、インクジェットヘッド11のノズル面16aより高い位置(上方)に配置されている。
加圧タンク液面センサ22は、加圧タンク21内のインクの液面高さが所定の基準高さに達しているか否かを検出する。加圧タンク液面センサ22は、加圧タンク21内のインクの液面高さが基準高さ以上である場合に「オン」を示す信号を出力し、基準高さ未満である場合に「オフ」を示す信号を出力する。
分配器23は、インク循環管27を介して加圧タンク21から供給されるインクを、インクジェットヘッド11の各ヘッドモジュール16に分配する。
集合器24は、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクを各ヘッドモジュール16から集める。集合器24により集められたインクは、インク循環管28を介して負圧タンク25へと流れる。
負圧タンク25は、圧力生成部3により付与される負圧によりインクジェットヘッド11で消費されなかったインクを集合器24から回収して貯留する。すなわち、負圧タンク25は、インクの循環方向におけるインクジェットヘッド11の下流側に配置されている。負圧タンク25内には、インクの液面上に空間37が形成されている。負圧タンク25は、加圧タンク21と同じ高さに配置されている。
負圧タンク液面センサ26は、負圧タンク25内のインクの液面高さが所定の基準高さに達しているか否かを検出する。負圧タンク液面センサ26は、負圧タンク25内のインクの液面高さが基準高さ以上である場合に「オン」を示す信号を出力し、基準高さ未満である場合に「オフ」を示す信号を出力する。
インク循環管27は、加圧タンク21と分配器23とを接続する。インク循環管28は、集合器24と負圧タンク25とを接続する。インク循環管29は、加圧タンク21と負圧タンク25とを接続する。インク循環管27~29、分配器23、および集合器24により、加圧タンク21、インクジェットヘッド11、および負圧タンク25の間でインクの循環を行うための循環経路が構成される。
インク循環ポンプ30は、インク循環時において、インク循環管29を介して負圧タンク25から加圧タンク21へインクを送液する。また、インク循環ポンプ30は、インク供給部13からインク循環機構12へのインク供給時において、後述の接続管47およびインク循環管29の一部を介して後述のバッファタンク41から加圧タンク21へインクを送液する。インク循環ポンプ30は、インク循環管29に配置されている。
温度調整部31は、インク循環機構12におけるインクの温度調整を行う。温度調整部31は、ヒートシンク38と、冷却ファン39と、ヒータ40とを備える。
ヒートシンク38は、インク循環機構12において循環されるインクを冷却するために放熱する。ヒートシンク38は、インク循環管29に設けられている。
冷却ファン39は、インク循環機構12において循環されるインクを冷却するためにヒートシンク38に冷却風を送る。
ヒータ40は、インク循環機構12において循環されるインクに加温する。ヒータ40は、インク循環管29に設けられている。
インク供給部13は、インク循環機構12にインクを供給する。インク供給部13は、バッファタンク41と、バッファタンク液面センサ42と、バッファタンク大気開放弁43と、バッファタンク大気開放管44と、エアフィルタ45と、インク供給弁46と、接続管47と、インクタンク48と、インク供給ポンプ49と、インク供給管50とを備える。
バッファタンク41は、インク循環機構12に供給するインクを貯留する。バッファタンク41は、インクタンク48からインクの供給を受け、供給されたインクを貯留する。バッファタンク41は、接続管47を介してインク循環管29に接続されている。
バッファタンク液面センサ42は、バッファタンク41内のインクの液面高さが所定の基準高さに達しているか否かを検出する。バッファタンク液面センサ42は、バッファタンク41内のインクの液面高さが基準高さ以上である場合に「オン」を示す信号を出力し、基準高さ未満である場合に「オフ」を示す信号を出力する。
バッファタンク大気開放弁43は、バッファタンク41を密閉状態(大気から遮断された状態)と大気開放状態(大気に通じた状態)との間で切り替えるために、バッファタンク大気開放管44内の空気の流路を開閉する。バッファタンク大気開放弁43は、非通電時に閉鎖されるノーマルクローズ型の電磁弁からなる。
バッファタンク大気開放管44は、バッファタンク41を大気開放するための空気の流路を形成する。バッファタンク大気開放管44は、一端がバッファタンク41内のインクの液面上の空間に接続され、他端(大気開放端)がエアフィルタ45を介して大気に通じている。
エアフィルタ45は、バッファタンク大気開放管44への空気中のゴミ等の進入を防止する。エアフィルタ45は、バッファタンク大気開放管44の大気開放端に設置されている。
インク供給弁46は、接続管47内のインクの流路を開閉する。インク供給弁46は、ノーマルクローズ型の電磁弁からなる。
接続管47は、インク循環管29とバッファタンク41とを接続する。接続管47は、一端がインク循環管29の負圧タンク25とインク循環ポンプ30との間の部分に接続され、他端がバッファタンク41に接続されている。
インクタンク48は、インクジェット11による印刷に用いられるインクを収容している。インクタンク48は、常時、大気開放されている。
インク供給ポンプ49は、インク供給管50を介してインクタンク48からバッファタンク41へインクを送液する。
インク供給管50は、バッファタンク41とインクタンク48とを接続する。
圧力生成部3は、各印刷部2の加圧タンク21および負圧タンク25にインク循環のための圧力を生成する。図2に示すように、圧力生成部3は、加圧共通気室61と、加圧連通管62と、加圧エアポンプ63と、加圧圧力生成管64と、加圧圧力調整弁65と、加圧圧力調整管66と、加圧圧力センサ67と、負圧共通気室68と、負圧連通管69と、負圧エアポンプ70と、大気連通管71と、エアフィルタ72と、負圧圧力調整弁73と、負圧圧力調整管74と、負圧圧力センサ75と、加負圧連通弁76と、加負圧連通管77とを備える。
加圧共通気室61は、各印刷部2の加圧タンク21の圧力を等しくするための気室である。加圧共通気室61は、各印刷部2に対応する加圧連通管62を介して、各印刷部2の加圧タンク21に接続されている。
加圧連通管62は、加圧共通気室61と加圧タンク21の空間36とを連通させる。加圧連通管62は、各印刷部2に1本ずつ対応して設けられている。加圧連通管62は、一端が加圧共通気室61に接続され、他端が加圧タンク21の空間36に接続されている。
加圧エアポンプ63は、加圧タンク21に正圧を付与するために、加圧共通気室61へ空気を送る。加圧エアポンプ63は、加圧圧力生成管64に配置されている。
加圧圧力生成管64は、加圧エアポンプ63により加圧共通気室61へ空気を送るための空気の流路を形成する。加圧圧力生成管64は、一端が加圧共通気室61に接続され、他端が大気連通管71の負圧エアポンプ70とエアフィルタ72との間の部分に接続されている。
加圧圧力調整弁65は、加圧共通気室61および加圧タンク21の圧力を調整するために、加圧圧力調整管66内の空気の流路を開閉する。加圧圧力調整弁65は、ノーマルクローズ型の電磁弁からなる。
加圧圧力調整管66は、加圧共通気室61および加圧タンク21の圧力調整のための空気の流路を形成する。加圧圧力調整管66は、一端が加圧共通気室61に接続され、他端が大気連通管71の負圧エアポンプ70とエアフィルタ72との間の部分に接続されている。
加圧圧力センサ67は、加圧共通気室61内の圧力を検出する。加圧共通気室61が加圧連通管62を介して加圧タンク21の空間36と連通されているため、加圧共通気室61内の圧力は、加圧タンク21内の圧力と等しい。
負圧共通気室68は、各印刷部2の負圧タンク25の圧力を等しくするための気室である。負圧共通気室68は、各印刷部2に対応する負圧連通管69を介して、各印刷部2の負圧タンク25に接続されている。
負圧連通管69は、負圧共通気室68と負圧タンク25の空間37とを連通させる。負圧連通管69は、各印刷部2に1本ずつ対応して設けられている。負圧連通管69は、一端が負圧共通気室68に接続され、他端が負圧タンク25の空間37に接続されている。
負圧エアポンプ70は、負圧タンク25に負圧を付与するために、負圧共通気室68から空気を吸引する。負圧エアポンプ70は、大気連通管71に配置されている。
大気連通管71は、負圧エアポンプ70により負圧共通気室68から空気を吸引するための空気の流路を形成する。大気連通管71は、一端が負圧共通気室68に接続され、他端(大気開放端)がエアフィルタ72を介して大気に通じている。大気連通管71には、加圧圧力生成管64、加圧圧力調整管66、および負圧圧力調整管74が接続されている。これにより、加圧圧力生成管64、加圧圧力調整管66、および負圧圧力調整管74が大気に連通される。
エアフィルタ72は、大気連通管71への空気中のゴミ等の進入を防止する。エアフィルタ72は、大気連通管71の大気開放端に設置されている。
負圧圧力調整弁73は、負圧共通気室68および負圧タンク25の圧力を調整するために、負圧圧力調整管74内の空気の流路を開閉する。負圧圧力調整弁73は、ノーマルクローズ型の電磁弁からなる。
負圧圧力調整管74は、負圧共通気室68および負圧タンク25の圧力調整のための空気の流路を形成する。負圧圧力調整管74は、一端が負圧共通気室68に接続され、他端が大気連通管71の負圧エアポンプ70とエアフィルタ72との間の部分に接続されている。
負圧圧力センサ75は、負圧共通気室68内の圧力を検出する。負圧共通気室68が負圧連通管69を介して負圧タンク25の空間37と連通されているため、負圧共通気室68内の圧力は、負圧タンク25内の圧力と等しい。
加負圧連通弁76は、加圧共通気室61と負圧共通気室68との間の連通、遮断を切り替えるために、加負圧連通管77内の空気の流路を開閉する。加負圧連通弁76は、非通電時に開放されるノーマルオープン型の電磁弁からなる。
加負圧連通管77は、加圧共通気室61と負圧共通気室68とを連通させるための空気の流路を形成する。加負圧連通管77は、一端が加圧共通気室61に接続され、他端が負圧共通気室68に接続されている。
ダンパ部4は、インクジェット印刷装置1の電源がオフの期間(電源オフ期間)における加圧タンク21および負圧タンク25の圧力の変動を緩和する。図2に示すように、ダンパ部4は、上側ダンパタンク(第1貯留部に相当)81と、ダンパタンク液面センサ82と、上側ダンパタンク大気開放弁83と、上側ダンパタンク大気開放管84と、エアフィルタ85と、ダンパ連通弁86と、ダンパ連通管87と、下側ダンパタンク(第2貯留部に相当)88と、下側ダンパタンク大気開放管89と、エアフィルタ90と、送液管91,92と、液面調整用ポンプ(送液部に相当)93とを備える。
上側ダンパタンク81は、ダンパ用の液体を貯留する。上側ダンパタンク81内には、液体の液面上に空間96が形成されている。上側ダンパタンク81は、送液管91(液体流路に相当)を介した下側ダンパタンク88との間の液体の移動による空間96の体積の変動により、加圧タンク21および負圧タンク25の圧力の変動を緩和するものである。
ここで、ダンパ用の液体としては、常温においてほとんど蒸発しない液体が用いられる。例えば、ダンパ用の液体として、顔料を含まない油性インクを用いることができる。
ダンパタンク液面センサ82は、上側ダンパタンク81内の液体の液面高さが所定の基準高さに達しているか否かを検出する。ダンパタンク液面センサ82は、上側ダンパタンク81内の液体の液面高さが基準高さ以上である場合に「オン」を示す信号を出力し、基準高さ未満である場合に「オフ」を示す信号を出力する。
上側ダンパタンク大気開放弁83は、上側ダンパタンク81を密閉状態と大気開放状態との間で切り替えるために、上側ダンパタンク大気開放管84内の空気の流路を開閉する。上側ダンパタンク大気開放弁83は、ノーマルクローズ型の電磁弁からなる。
上側ダンパタンク大気開放管84は、上側ダンパタンク81を大気開放するための空気の流路を形成する。上側ダンパタンク大気開放管84は、一端が上側ダンパタンク81の空間96に接続され、他端(大気開放端)がエアフィルタ85を介して大気に通じている。
エアフィルタ85は、上側ダンパタンク大気開放管84への空気中のゴミ等の進入を防止する。エアフィルタ85は、上側ダンパタンク大気開放管84の大気開放端に設置されている。
ダンパ連通弁86は、上側ダンパタンク81の空間96と負圧共通気室68との間の連通、遮断を切り替えるために、ダンパ連通管87内の空気の流路を開閉する。ダンパ連通弁86は、ノーマルオープン型の電磁弁からなる。
ダンパ連通管87は、上側ダンパタンク81の空間96と負圧共通気室68とを連通させるための空気の流路を形成する。ダンパ連通管87は、一端が上側ダンパタンク81の空間96に接続され、他端が負圧共通気室68に接続されている。
下側ダンパタンク88は、ダンパ用の液体を貯留し、上側ダンパタンク81との間で液体のやり取りを行う。下側ダンパタンク88は、上側ダンパタンク81より低い位置に配置されている。下側ダンパタンク88は、下側ダンパタンク大気開放管89を介して、常時、大気開放されている。
下側ダンパタンク大気開放管89は、下側ダンパタンク88を大気開放するための空気の流路を形成する。下側ダンパタンク大気開放管89は、一端が下側ダンパタンク88内の液体の液面上の空間に接続され、他端(大気開放端)がエアフィルタ90を介して大気に通じている。
エアフィルタ90は、下側ダンパタンク大気開放管89への空気中のゴミ等の進入を防止する。エアフィルタ90は、下側ダンパタンク大気開放管89の大気開放端に設置されている。
送液管91,92は、上側ダンパタンク81と下側ダンパタンク88とを接続する。送液管91は、上側ダンパタンク81と下側ダンパタンク88との間で移動する液体の流路を形成する。送液管92は、液面調整用ポンプ93が下側ダンパタンク88から上側ダンパタンク81へ液体を送液するための液体の流路を形成する。
液面調整用ポンプ93は、送液管92を介して下側ダンパタンク88から上側ダンパタンク81へ液体を送液する。
搬送部5は、給紙台(図示せず)から用紙を取り出し、その用紙を搬送経路に沿って搬送する。搬送部5は、用紙を搬送するためのローラ、ローラを駆動させるモータ(いずれも図示せず)等を有する。
制御部6は、インクジェット印刷装置1の各部の動作を制御する。制御部6は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成される。
次に、インクジェット印刷装置1の印刷時の動作について説明する。
印刷ジョブが入力されると、制御部6は、加負圧連通弁76を閉鎖する。これにより、加圧共通気室61と負圧共通気室68との間が遮断される。
なお、印刷ジョブが入力される前の待機状態のインクジェット印刷装置1では、加負圧連通弁76は開放されている。インク供給弁46、バッファタンク大気開放弁43、加圧圧力調整弁65、負圧圧力調整弁73、上側ダンパタンク大気開放弁83、およびダンパ連通弁86は閉鎖されている。
次いで、制御部6は、加圧エアポンプ63および負圧エアポンプ70を駆動させて、加圧タンク21および負圧タンク25にそれぞれのインク循環時の設定圧を生成させる。これにより、加圧タンク21からインクジェットヘッド11を経由して負圧タンク25へ向かうインクの流れが生じる。ここで、インク循環時の加圧タンク21および負圧タンク25のそれぞれの設定圧は、インクを循環させつつインクジェットヘッド11のノズル圧を適正値にするための圧力値として予め設定されたものである。加圧タンク21の設定圧は正圧であり、負圧タンク25の設定圧は負圧である。
加圧タンク21および負圧タンク25にそれぞれの設定圧が生成されると、制御部6は、印刷ジョブの実行を開始する。具体的には、制御部6は、印刷ジョブに基づき、搬送部5により搬送される用紙にインクジェットヘッド11からインクを吐出させて画像を印刷させる。
この印刷動作中において、制御部6は、加圧タンク21および負圧タンク25の圧力をそれぞれの設定圧で維持するよう加圧エアポンプ63、加圧圧力調整弁65、負圧エアポンプ70、および負圧圧力調整弁73を制御する。
また、印刷動作中において、制御部6は、液面維持制御を行う。液面維持制御は、加圧タンク21、負圧タンク25、およびバッファタンク41の液面高さを基準高さに維持しつつインク循環するための制御である。液面維持制御において、制御部6は、加圧タンク21、負圧タンク25、およびバッファタンク41の液面高さに応じて、インク循環ポンプ30、インク供給弁46、およびインク供給ポンプ49を制御する。
具体的には、加圧タンク液面センサ22および負圧タンク液面センサ26がともにオンの状態では、制御部6は、インク循環ポンプ30をオフとし、インク供給弁46を閉鎖する。加圧タンク液面センサ22がオンで負圧タンク液面センサ26がオフの状態でも同様に、制御部6は、インク循環ポンプ30をオフとし、インク供給弁46を閉鎖する。
加圧タンク液面センサ22がオフで負圧タンク液面センサ26がオンの状態では、制御部6は、インク循環ポンプ30をオンとし、インク供給弁46を閉鎖する。これにより、負圧タンク25から加圧タンク21へインクが送液される。
加圧タンク液面センサ22および負圧タンク液面センサ26がともにオフの状態では、制御部6は、インク循環ポンプ30をオンとし、インク供給弁46を開放する。これにより、バッファタンク41から加圧タンク21へインクが送液される。
また、バッファタンク液面センサ42がオフの状態では、制御部6は、インク供給ポンプ49をオンとする。これにより、インクタンク48からバッファタンク41へインクが送液される。バッファタンク液面センサ42がオンの状態では、制御部6は、インク供給ポンプ49をオフとする。
印刷動作中は、加圧タンク21からインクジェットヘッド11へインクが供給され、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクが負圧タンク25に回収される。加圧タンク液面センサ22がオフで負圧タンク液面センサ26がオンの状態になると、上述の液面維持制御により、インク循環ポンプ30が負圧タンク25から加圧タンク21へインクを送液する。このようにしてインクが循環されつつ、印刷が行われる。
また、加圧タンク液面センサ22および負圧タンク液面センサ26がともにオフの状態になると、上述の液面維持制御により、インク循環ポンプ30がバッファタンク41から加圧タンク21へインクを送液する。これにより、インク循環機構12にインクが供給される。
また、バッファタンク液面センサ42がオフの状態になると、上述の液面維持制御により、インク供給ポンプ49がインクタンク48からバッファタンク41へインクを送液する。これにより、バッファタンク41にインクが補給される。
また、印刷動作中において、制御部6は、インク循環機構12のインク温度が適正範囲内を維持するように、インク温度センサ(図示せず)により検出されるインク温度に基づき、インクの冷却、加温を行うよう温度調整部31を制御する。
印刷ジョブに基づく印刷が終了すると、制御部6は、液面維持制御および圧力生成部3による圧力制御を終了し、加負圧連通弁76を開放する。これにより、加圧タンク21の空間36と負圧タンク25の空間37とが連通される。
ここで、液面維持制御の終了に際し、インク循環ポンプ30が駆動中の場合、制御部6は、それを停止させる。また、制御部6は、インク供給弁46が開放されている場合、それを閉鎖する。また、インク供給ポンプ49が駆動中の場合、制御部6は、それを停止させる。
また、圧力制御の終了に際し、加圧エアポンプ63が駆動中の場合、制御部6は、それを停止させる。負圧エアポンプ70についても同様である。
また、圧力制御の終了に際し、加圧圧力調整弁65が閉鎖されている場合、制御部6は、それを開放する。加圧圧力調整弁65が開放されている場合は、制御部6は、その開放状態を維持する。負圧圧力調整弁73についても同様である。このように、制御部6は、印刷ジョブの終了による圧力制御の終了に際して加圧圧力調整弁65および負圧圧力調整弁73を開放状態とする。これにより、加圧タンク21および負圧タンク25の圧力がそれぞれのインク循環時の設定圧から大気圧へ移行する。
加圧タンク21および負圧タンク25の圧力が大気圧になると、制御部6は、加圧圧力調整弁65および負圧圧力調整弁73を閉鎖するとともに、インク供給弁46およびバッファタンク大気開放弁43を開放する。
これにより、加圧タンク21および負圧タンク25が、空間36,37が互いに連通された状態で密閉状態となるとともに、大気開放状態のバッファタンク41とインク循環管29とが連通される。これにより、インクジェットヘッド11のノズル面16aとバッファタンク41との間の水頭圧により、加圧タンク21および負圧タンク25に負圧が生成される。具体的には、負圧タンク25からインク循環管29の一部および接続管47を介してバッファタンク41へインクが流れることで、密閉状態の加圧タンク21および負圧タンク25の圧力が低下し、負圧が生成される。
ここで、停止中のインク循環ポンプ30はインク循環管29内のインクの流路を密閉しているため、加圧タンク21からバッファタンク41へはインクは流れない。また、加負圧連通弁76が開放されているため、加圧タンク21の圧力と負圧タンク25の圧力とは等しくなる。また、負圧タンク25からインク循環管29へインクが流出すると、加圧タンク21からインクジェットヘッド11を介して負圧タンク25へインクが流れ、加圧タンク21の液面と負圧タンクの液面とが同じ位置になる。
そして、加圧圧力センサ67および負圧圧力センサ75の検出値が微負圧である所定の待機設定圧になると、制御部6は、インク供給弁46およびバッファタンク大気開放弁43を閉鎖する。これにより、インクジェット印刷装置1が待機状態となる。ここで、待機設定圧は、待機状態におけるインクジェットヘッド11のノズル圧が所定の微負圧の値となるように設定されたものである。
待機状態のインクジェット印刷装置1では、各加圧タンク21の空間36および各負圧タンク25の空間37がすべて連通された状態で、密閉状態とされている。そして、加圧タンク21および負圧タンク25には、上述のように、待機設定圧が生成されている。インク供給弁46は閉鎖され、バッファタンク41は密閉状態である。また、上側ダンパタンク大気開放弁83およびダンパ連通弁86は閉鎖されている。
次に、電源オフ期間にダンパ部4が加圧タンク21および負圧タンク25の圧力変動を緩和する動作(圧力変動緩和動作)について説明する。
待機状態のインクジェット印刷装置1の電源がオフとされると、ノーマルオープン型の電磁弁であるダンパ連通弁86が開放される。これにより、待機状態のインクジェット印刷装置1における各加圧タンク21の空間36および各負圧タンク25の空間37を含む密閉空間(循環側空間)と、上側ダンパタンク81の空間96を含む密閉空間(ダンパ側空間)とが互いに連通される。
ここで、上記の循環側空間は、各印刷部2の加圧タンク21の空間36、各印刷部2の負圧タンク25の空間37、各印刷部2に対応する加圧連通管62、各印刷部2に対応する負圧連通管69、加圧共通気室61、負圧共通気室68、加圧圧力生成管64の加圧共通気室61と加圧エアポンプ63との間の部分、加圧圧力調整管66の加圧共通気室61と加圧圧力調整弁65との間の部分、負圧圧力調整管74の負圧共通気室68と負圧圧力調整弁73との間の部分、大気連通管71の負圧共通気室68と負圧エアポンプ70との間の部分、加負圧連通管77、およびダンパ連通管87の負圧共通気室68とダンパ連通弁86との間の部分からなる。
また、上記のダンパ側空間は、上側ダンパタンク81の空間96、ダンパ連通管87の上側ダンパタンク81とダンパ連通弁86との間の部分、上側ダンパタンク大気開放管84の上側ダンパタンク81と上側ダンパタンク大気開放弁83との間の部分からなる。
電源オフ期間において、環境温度の変化により、循環側空間とダンパ側空間とが連通された空間の温度が変化すると、それに応じて当該空間の圧力が変動する。この圧力の変動を緩和するように、ダンパ部4において、上側ダンパタンク81と下側ダンパタンク88との間で液体が移動して上側ダンパタンク81の空間96の体積が変動する。
例えば、循環側空間とダンパ側空間とが連通された空間の温度が低下すると、当該空間の圧力が低下する。これに応じて、ダンパ部4において、図3に示すように、送液管91を介して下側ダンパタンク88から上側ダンパタンク81へ液体が移動する。これにより、上側ダンパタンク81の空間96の体積が減少し、循環側空間とダンパ側空間とが連通された空間の圧力の低下が緩和される。
すなわち、環境温度の変化により、加圧タンク21の空間36および負圧タンク25の空間37の温度が低下すると、下側ダンパタンク88から上側ダンパタンク81へ液体が移動することで、加圧タンク21および負圧タンク25の圧力の低下が緩和される。
これとは逆に、加圧タンク21の空間36および負圧タンク25の空間37の温度が上昇した場合には、上側ダンパタンク81から下側ダンパタンク88へ液体が移動することで、加圧タンク21および負圧タンク25の圧力の上昇が緩和される。
ここで、待機状態のインクジェット印刷装置1における上述の循環側空間の体積をV1、ダンパ側空間の体積をV2とする。待機状態において、上側ダンパタンク81内の液体の液面高さは基準高さになっているため、体積V2は、上側ダンパタンク81内の液体の液面高さが基準高さであるときのダンパ側空間の体積である。
電源がオフされた時点における、循環側空間とダンパ側空間とが連通された空間の温度をTa、圧力をPaとする。また、電源オフ期間に環境温度の変化に応じて循環側空間とダンパ側空間とが連通された空間の温度が変化した場合の温度をTbとし、そのときの当該空間の圧力をPb、ダンパ側空間の体積をV3とする。そうすると、ボイル・シャルルの法則より、下記の式(1)が成り立つ。
Pa(V1+V2)/Ta=Pb(V1+V3)/Tb …(1)
すなわち、インクジェット印刷装置1では、電源オフ期間に循環側空間とダンパ側空間とが連通された空間の温度が変化すると、式(1)が成り立つように、ダンパ側空間の体積、および循環側空間とダンパ側空間とが連通された空間の圧力が変動する。
本実施の形態とは異なり、ダンパ部4がない構成の場合、電源オフ期間に加圧タンク21の空間36および負圧タンク25の空間37を含む密閉空間の温度が変化すると、当該密閉空間の体積は変化しないため、温度の変化が直接的に当該密閉空間の圧力の変化につながる。
これに対し、インクジェット印刷装置1では、上側ダンパタンク81と下側ダンパタンク88との間で液体が移動してダンパ側空間の体積が変動することで、循環側空間とダンパ側空間とが連通された空間の圧力の変動が緩和される。すなわち、加圧タンク21および負圧タンク25の圧力の変動が緩和されるので、インクジェットヘッド11のノズル圧の変動が緩和される。
次に、ダンパ部液面調整処理について説明する。
上述のように、電源オフ期間に上側ダンパタンク81と下側ダンパタンク88との間で液体が移動して上側ダンパタンク81の液面高さが変動することがある。ダンパ部液面調整処理は、変動した上側ダンパタンク81の液面高さを基準高さへリセットするための処理である。
図4は、ダンパ部液面調整処理のフローチャートである。図4のフローチャートの処理は、インクジェット印刷装置1の電源がオンされることにより開始となる。
図4のステップS1において、制御部6は、ダンパ連通弁86を閉鎖する。これにより、負圧共通気室68と上側ダンパタンク81との間が遮断される。すなわち、前述の循環側空間とダンパ側空間との間が遮断される。
次いで、ステップS2において、制御部6は、ダンパタンク液面センサ82がオンであるか否かを判断する。
ダンパタンク液面センサ82がオンであると判断した場合(ステップS2:YES)、ステップS3において、制御部6は、上側ダンパタンク大気開放弁83を開放する。これにより、上側ダンパタンク81が大気開放され、上側ダンパタンク81と下側ダンパタンク88との間の水頭圧により、送液管91を介して上側ダンパタンク81から下側ダンパタンク88へ液体が流れ始める。
次いで、ステップS4において、制御部6は、ダンパタンク液面センサ82がオフになったか否かを判断する。ダンパタンク液面センサ82がオンであると判断した場合(ステップS4:NO)、制御部6は、ステップS4を繰り返す。
ダンパタンク液面センサ82がオフになったと判断した場合(ステップS4:YES)、ステップS5において、制御部6は、上側ダンパタンク大気開放弁83を閉鎖する。これにより、上側ダンパタンク81が密閉状態となり、上側ダンパタンク81から下側ダンパタンク88への液体の移動が止まる。この結果、上側ダンパタンク81の液面高さが基準高さとなり、ダンパ部液面調整処理が終了となる。
ステップS2において、ダンパタンク液面センサ82がオフであると判断した場合(ステップS2:NO)、ステップS6において、制御部6は、上側ダンパタンク大気開放弁83を開放し、液面調整用ポンプ93の駆動を開始させる。これにより、上側ダンパタンク81が大気開放され、液面調整用ポンプ93の駆動により、送液管92を介して下側ダンパタンク88から上側ダンパタンク81へ液体が送液され始める。
次いで、ステップS7において、制御部6は、ダンパタンク液面センサ82がオンになったか否かを判断する。ダンパタンク液面センサ82がオフであると判断した場合(ステップS7:NO)、制御部6は、ステップS7を繰り返す。
ダンパタンク液面センサ82がオンになったと判断した場合(ステップS7:YES)、ステップS8において、制御部6は、液面調整用ポンプ93を停止させ、上側ダンパタンク大気開放弁83を閉鎖する。これにより、下側ダンパタンク88から上側ダンパタンク81への液体の送液が終了する。この結果、上側ダンパタンク81の液面高さが基準高さとなり、ダンパ部液面調整処理が終了となる。
上述のようなダンパ部液面調整処理により、インクジェット印刷装置1の電源がオンされると、上側ダンパタンク81の液面高さが基準高さへリセットされる。電源がオンの期間においては、ダンパ連通弁86が閉鎖されているため、上側ダンパタンク81の液面高さが基準高さである状態が維持される。このため、電源がオフされてダンパ連通弁86が開放される時点において、上側ダンパタンク81の液面高さは基準高さになっている。
ここで、上側ダンパタンク81の液面高さの基準高さは、上側ダンパタンク81と下側ダンパタンク88との間の水頭圧が、電源がオフされる時点における加圧タンク21および負圧タンク25の圧力相当となるように設定されている。
具体的には、上側ダンパタンク81の液面高さの基準高さは、上側ダンパタンク81と下側ダンパタンク88との間の水頭圧が、前述の待機設定圧と同等になるように設定されている。
これにより、電源がオフされてダンパ連通弁86が開放されることにより、加圧タンク21の空間36および負圧タンク25の空間37と、上側ダンパタンク81の空間96とが連通された際に、その前後で加圧タンク21および負圧タンク25の圧力が維持される。このため、電源がオフされてダンパ連通弁86が開放された際にインクジェットヘッド11のノズル圧が変動することが抑えられる。
以上説明したように、インクジェット印刷装置1では、ダンパ部4が、電源オフ期間における加圧タンク21および負圧タンク25の圧力の変動を緩和する。これにより、電源オフ期間に環境温度の変化により加圧タンク21および負圧タンク25の温度が変化しても、加圧タンク21および負圧タンク25の圧力の変動が抑えられるので、インクジェットヘッド11のノズル圧の変動が抑えられる。この結果、インクジェットヘッド11のノズル内のインクのメニスカス破壊を低減できる。
また、ダンパ部4は、上側ダンパタンク81の空間96と、加圧タンク21の空間36および負圧タンク25の空間37とを連通させた状態で、送液管91を介した上側ダンパタンク81と下側ダンパタンク88との間の液体の移動により上側ダンパタンク81の空間96の体積が変動することで、加圧タンク21および負圧タンク25の圧力の変動を緩和するものである。これにより、電力を用いることなく、加圧タンク21および負圧タンク25の圧力の変動を緩和することが可能になる。このため、電源オフ期間において、加圧タンク21および負圧タンク25の圧力の変動を抑え、インクジェットヘッド11のノズル圧の変動を抑えることを実現できる。
また、インクジェット印刷装置1では、電源がオフされてダンパ連通弁86が開放される時点において、上側ダンパタンク81と下側ダンパタンク88との間の水頭圧が、加圧タンク21および負圧タンク25の圧力相当になっている。これにより、ダンパ連通弁86が開放されることにより、加圧タンク21の空間36および負圧タンク25の空間37と、上側ダンパタンク81の空間96とが連通された際に、その前後で加圧タンク21および負圧タンク25の圧力が維持される。このため、ダンパ連通弁86が開放された際にインクジェットヘッド11のノズル圧が変動することが抑えられるので、メニスカス破壊をより低減できる。
また、ダンパ部4は、電源がオンされると、ダンパ部液面調整処理において、ダンパ連通弁86を閉鎖し、上側ダンパタンク81と下側ダンパタンク88との間で液体を移動させることにより、上側ダンパタンク81の液面高さが基準高さとなるよう調整する。これにより、ダンパ部4は、次回の圧力変動緩和動作のための準備を整えることができる。
なお、上述した実施の形態では、電源がオンされると、ダンパ部液面調整処理により、上側ダンパタンク81の液面高さが基準高さとなるよう調整した。しかし、上側ダンパタンク81の液面高さの調整は、ダンパ連通弁86が閉鎖されている期間、すなわち加圧タンク21の空間36および負圧タンク25の空間37と、上側ダンパタンク81の空間96との間が遮断されている期間であれば、他の期間に行ってもよい。例えば、印刷動作が比較的長い時間継続される場合には、その期間に上側ダンパタンク81の液面高さの調整を行うことが可能であるため、そのような印刷動作中に上側ダンパタンク81の液面高さの調整を行ってもよい。
また、上述した実施の形態では、ダンパ部4が、電源オフ期間に圧力変動緩和動作を行った。しかし、ダンパ部4が、電源オフ期間に加えて、電源がオンでインクジェット印刷装置1が待機状態の期間のうち、待機状態になってから所定時間経過後の期間においても、圧力変動緩和動作を行うようにしてもよい。
この場合、制御部6は、インクジェット印刷装置1が待機状態になってから所定時間が経過すると、ダンパ連通弁86を開放する。これにより、電源オフ期間と同様に、ダンパ部4による圧力変動緩和動作が行われる。この場合でも、ダンパ連通弁86が開放される時点で、上側ダンパタンク81の液面高さが基準高さとなるよう調整されている。所定時間以上の待機状態から復帰して印刷動作を行う際には、制御部6は、ダンパ連通弁86を閉鎖する。
ここで、インクジェット印刷装置1の待機状態は、電源がオンの状態で、インク循環機構12におけるインク循環を行っていない状態である。また、上記の所定時間は、待機状態への移行時点からの、加圧タンク21および負圧タンク25のインクの放熱や環境温度の変化により加圧タンク21および負圧タンク25の圧力変動が生じ得る時間として設定された時間である。この所定時間は、待機状態への移行時点におけるインクの温度および環境温度の少なくともいずれかに応じて調整してもよい。
待機状態が続くと、印刷動作中にインクジェットヘッド11の発熱や温度調整部31によるインクの温度調整等によりインクにため込まれた熱が放熱されることで、加圧タンク21および負圧タンク25の圧力変動が生じるおそれがある。また、待機状態が続くと、電源オフ期間と同様に、環境温度の変化により、加圧タンク21および負圧タンク25の圧力変動が生じるおそれがある。これに対し、上述のように、待機状態になってから所定時間経過後の期間に、ダンパ部4が圧力変動緩和動作を行うことで、インクジェットヘッド11のノズル圧の変動が抑えられる。この結果、インクジェットヘッド11のノズル内のインクのメニスカス破壊をより低減できる。
また、上述した実施の形態では、上側ダンパタンク81の液面高さの基準高さを、上側ダンパタンク81と下側ダンパタンク88との間の水頭圧が、待機設定圧と同等となるよう高さに設定した。しかし、圧力変動緩和動作を開始するためにダンパ連通弁86を開放した際に、加圧タンク21および負圧タンク25の圧力が変動しても、ノズル内のメニスカスが破壊されない程度であれば、上側ダンパタンク81の液面高さの基準高さが、上側ダンパタンク81と下側ダンパタンク88との間の水頭圧が待機設定圧とは異なるように設定されていてもよい。
また、待機状態において、加圧圧力センサ67および負圧圧力センサ75により検出された加圧タンク21および負圧タンク25の圧力と、待機設定圧との差が、所定の閾値以上になった場合に、印刷を行わずにインク循環動作を行って、加圧タンク21および負圧タンク25の圧力を待機設定圧に戻すようにしてもよい。これにより、インクジェットヘッド11のノズル圧の変動が抑えられ、インクジェットヘッド11のノズル内のインクのメニスカス破壊を低減できる。
ここで、印刷を行わずにインク循環動作を行う場合、前述した印刷動作と同様に、加圧タンク21および負圧タンク25に待機設定圧を生成して動作が終了となる。このため、インク循環動作を行うことで、加圧タンク21および負圧タンク25の圧力を待機設定圧に戻すことができる。
また、上述した実施の形態では、複数の印刷部2を有するインクジェット印刷装置1について説明したが、印刷部2が1つの構成でもよい。
また、ダンパ部4の構成は、電源オフ期間に空間36,37が互いに連通された状態で密閉状態とされた加圧タンク21および負圧タンク25の圧力の変動を緩和するものであれば、図2に示したものに限らず、適宜変更可能である。
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
[付記]
本出願は、以下の発明を開示する。
(付記1)
インクを吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドに接続され、インクを貯留し、本装置の電源がオフの期間に密閉状態とされるタンクと、
前記電源がオフの期間における前記タンクの圧力の変動を緩和する緩和部と
を備えることを特徴とするインクジェット印刷装置。
(付記2)
前記緩和部は、前記電源がオフの期間に加えて、前記電源がオンで本装置が待機状態の期間のうち、本装置が待機状態になってから所定時間経過後の期間において、前記タンクの圧力の変動を緩和することを特徴とする付記1に記載のインクジェット印刷装置。
(付記3)
前記緩和部は、
それぞれ液体を貯留する第1貯留部および第2貯留部と、
前記第1貯留部と前記第2貯留部とを接続する液体流路とを備え、
前記第1貯留部の液面上の空間と前記タンクの液面上の空間とを連通させた状態で、前記液体流路を介した前記第1貯留部と前記第2貯留部との間の液体の移動により前記第1貯留部の液面上の空間の体積が変動することで、前記タンクの圧力の変動を緩和するものであることを特徴とする付記1または2に記載のインクジェット印刷装置。
(付記4)
前記緩和部は、前記タンクの圧力の変動を緩和する動作を開始する際に前記第1貯留部の液面上の空間と前記タンクの液面上の空間とを連通させるものであり、
前記第1貯留部の液面上の空間と前記タンクの液面上の空間とを連通させる時点において、前記第1貯留部と前記第2貯留部との間の水頭圧が前記タンクの圧力相当になっていることを特徴とする付記3に記載のインクジェット印刷装置。
(付記5)
前記緩和部は、前記第1貯留部の液面上の空間と前記タンクの液面上の空間とを遮断している期間において、前記第1貯留部と前記第2貯留部との間で液体を移動させることにより前記第1貯留部の液面高さが所定の基準高さとなるよう調整することを特徴とする付記3または4に記載のインクジェット印刷装置。
1 インクジェット印刷装置
2 印刷部
3 圧力生成部
4 ダンパ部
5 搬送部
6 制御部
11 インクジェットヘッド
12 インク循環機構
13 インク供給部
16 ヘッドモジュール
16a ノズル面
21 加圧タンク
22 加圧タンク液面センサ
23 分配器
24 集合器
25 負圧タンク
26 負圧タンク液面センサ
27~29 インク循環管
30 インク循環ポンプ
31 温度調整部
36,37,96 空間
61 加圧共通気室
62 加圧連通管
63 加圧エアポンプ
64 加圧圧力生成管
65 加圧圧力調整弁
66 加圧圧力調整管
67 加圧圧力センサ
68 負圧共通気室
69 負圧連通管
70 負圧エアポンプ
71 大気連通管
73 負圧圧力調整弁
74 負圧圧力調整管
75 負圧圧力センサ
76 加負圧連通弁
77 加負圧連通管
81 上側ダンパタンク
82 ダンパタンク液面センサ
83 上側ダンパタンク大気開放弁
84 上側ダンパタンク大気開放管
86 ダンパ連通弁
87 ダンパ連通管
88 下側ダンパタンク
89 下側ダンパタンク大気開放管
91,92 送液管
93 液面調整用ポンプ

Claims (4)

  1. インクを吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドに接続され、インクを貯留し、本装置の電源がオフの期間に密閉状態とされるタンクと、
    前記電源がオフの期間における前記タンクの圧力の変動を緩和する緩和部とを備え、
    前記緩和部は、前記電源がオフの期間に加えて、前記電源がオンで本装置が待機状態の期間のうち、本装置が待機状態になってから所定時間経過後の期間において、前記タンクの圧力の変動を緩和することを特徴とするインクジェット印刷装置。
  2. インクを吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドに接続され、インクを貯留し、本装置の電源がオフの期間に密閉状態とされるタンクと、
    前記電源がオフの期間における前記タンクの圧力の変動を緩和する緩和部とを備え、
    前記緩和部は、
    それぞれ液体を貯留する第1貯留部および第2貯留部と、
    前記第1貯留部と前記第2貯留部とを接続する液体流路とを備え、
    前記第1貯留部の液面上の空間と前記タンクの液面上の空間とを連通させた状態で、前記液体流路を介した前記第1貯留部と前記第2貯留部との間の液体の移動により前記第1貯留部の液面上の空間の体積が変動することで、前記タンクの圧力の変動を緩和するものであることを特徴とするインクジェット印刷装置。
  3. 前記緩和部は、前記タンクの圧力の変動を緩和する動作を開始する際に前記第1貯留部の液面上の空間と前記タンクの液面上の空間とを連通させるものであり、
    前記第1貯留部の液面上の空間と前記タンクの液面上の空間とを連通させる時点において、前記第1貯留部と前記第2貯留部との間の水頭圧が前記タンクの圧力相当になっていることを特徴とする請求項に記載のインクジェット印刷装置。
  4. 前記緩和部は、前記第1貯留部の液面上の空間と前記タンクの液面上の空間との間を遮断している期間において、前記第1貯留部と前記第2貯留部との間で液体を移動させることにより前記第1貯留部の液面高さが所定の基準高さとなるよう調整することを特徴とする請求項またはに記載のインクジェット印刷装置。
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