JP7523254B2 - 通信装置、無線接続方法、およびプログラム - Google Patents

通信装置、無線接続方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、通信機器と無線通信を行うための無線接続方法、無線接続装置、およびプログラムに関する。
従来、複数のネットワークインタフェース(以後、NWIFと称す)を保有する通信装置(例えば、パソコン)が存在する。NWIFに割り当てられるIPアドレスと、同じパソコン内の他のNWIFに割り当てられるIPアドレスとが重複すると、パソコンは正常にネットワーク通信できない。そのためIPアドレスが重複して割り当てられることを検出し、IPアドレスを生成しなおす技術が既に存在する(特許文献1参照)。
特許第5950699号公報
しかしながら、IPアドレスの重複を検出してから、改めて新しいIPアドレスを取得する場合、通信を正常に開始できるようになるまで時間がかかってしまうという課題があった。また、IPアドレスを動的に割り当てるDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)機能がリセットされる場合を考慮すると、同一の接続先に接続要求する場合であってもIPアドレスが重複して割り当てられることが容易に起こりうる。このように、IPアドレスの重複割り当てが発生した結果、接続が失敗し、接続処理から通信開始までに時間がかかることが課題であった。
そこで本発明は、接続を正常に行うことを目的とする。
上述のような課題を解決するため、本発明に係る通信装置の一態様は、
複数の無線インタフェースと、
過去に確立した接続についてネットワーク識別子と前記複数の無線インタフェースのいずれかのインタフェース識別子とを対応付けた接続履歴情報を記憶する記憶手段と、
前記接続履歴情報に基づいて、前記複数の無線インタフェースのうち1つを選択して、前記選択された無線インタフェースを用いて前記他の装置へ接続要求を送信する、通信制御手段と、
を有し、
前記通信制御手段は、
接続可能な前記他の装置の前記ネットワーク識別子が一時的な通信のための接続のためのネットワーク識別子であるか否かを判定し、
前記他の装置の前記ネットワーク識別子に対応する接続履歴情報が前記記憶手段に記憶されている場合、かつ前記ネットワーク識別子が一時的な通信のための接続のためのネットワーク識別子ではない場合、
前記接続履歴情報に対応する前記通信装置に搭載していなかった新たな無線インタフェースが搭載されているか判断し、
前記新たな無線インタフェースが搭載されている場合に、新しい無線インタフェースを使用して接続するかを問い合わせる画面を表示する

本発明により、接続が正常に行われる。
本実施形態におけるシステム構成を説明するための図である。 本実施形態におけるパソコンとデバイスの構成図である。 一時接続による無線ネットワーク設定処理を示すフローチャートである。 パソコン内に保持するNWIF設定テーブルと無線プロファイルテーブルと接続履歴テーブル、およびデバイス内に保持するDHCPテーブルを示す図である。 無線接続処理を示すフローチャートである。 接続切断処理を示すフローチャートである。 無線接続処理を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<実施形態1>
(システム構成)
図1(a)及び図1(b)は本実施形態におけるシステム構成を説明するための図である。本実施形態におけるシステムは、アクセスポイント100、通信装置としてのパソコン200、およびデバイス250を含む。パソコン200は、アクセスポイント100は、以下のようにデバイス250と通信可能である。
図1(a)は、アクセスポイント(以降、APと称す)100を介して、パソコン200とデバイス250が無線で接続されている様子を示している。つまり、AP100が構築するネットワークにパソコン200とデバイス250が接続することにより、パソコン200とデバイス250が接続される。AP100はDHCPサービス150を提供し、AP100に接続する装置に対しIPアドレスなどのネットワークアドレスを割り当てる機能を持つ。図1(a)の例では、パソコン200とデバイス250は、AP100のDHCPサービス150によってIPアドレスがそれぞれ割り当てられる。
ここで、図4(a)を参照してAP100のDHCPテーブルの一例を説明する。図4(a)の例において、DHCPサービス150はパソコン200およびデバイス250の各IPアドレスと対応付けて、パソコン200およびデバイス250の各MACアドレス(ネットワークインタフェース(NWIF)識別子)を記憶する。AP100のDHCPテーブルのNo.1には、パソコン200のNWIFのMACアドレス「82:34::dw:12:14」と、パソコン200のNW IFに割り当てたIPアドレス「192.168.0.1」が保存されている。また、No.2として、デバイス250のNWIFのMACアドレス「7a:25::e1:12:34」と、デバイス250のNWIFに割り当てたIPアドレス「192.168.0.2」が保存されている。
なお、本実施形態ではAP100がDHCPサービス150を保有するものとして説明するが、AP100とネットワーク接続したDHCPサービスを保有する機器によって、パソコン200やデバイス250にIPアドレスが割り当てられてもよい。この場合、AP100はブリッジモードや拡張機(Extender)として動作しており、AP100がIPアドレスを割り当てる動作は行わなくてもよく、AP100はDHCPサービスを保有していなくてもよい。
図1(b)では、AP100にパソコン200とデバイス250は接続されていない状態である。また、図1(b)の例において、パソコン200はデバイス250が備えているAP270と直接無線で接続されている。つまり、AP270が構築するネットワークにパソコン200が接続することにより、パソコン200とデバイス250が接続される。図1(a)のようにAP100を介さず、図1(b)のようにパソコン200とデバイス250とが、外部のアクセスポイント(例えばAP100)を介さずに、直接接続することをダイレクト接続と称する。デバイス250が備えるAP270はDHCPサービス280機能を保有し、AP270に接続するパソコン200に対してIPアドレスを割り当てる機能を持つ。すなわち図1(b)の例において、パソコン200はAP270のDHCPサービス280によってIPアドレスが割り当てられる。
ここで、図4(b)を参照してAP270のDHCPテーブルの一例を説明する。図4(b)の例において、DHCPサービス280はIPアドレスを割り当てたパソコン200のMACアドレスを記憶している。このため、AP270のDHCPテーブルのNo.1として、パソコン200のNWIFのMACアドレス「82:34::dw:12:14」と、パソコン200のNWIFに割り当てたIPアドレス「172.16.0.1」が保存されている。
図2(a)及び図2(b)は本実施形態に係るパソコン200とデバイス250の構成を説明するための図である。図2(a)は通信装置であるパソコン200の構成を示す図であり、パソコン200はCPU(Central Processing Unit)201とROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を備える。また、パソコン200は、表示装置204、入力インタフェース(IF)205、ネットワークインタフェース1(NWIF1) 208、ネットワークインタフェース2(NWIF2) 209を有する。本実施形態において、パソコン200は2つのNWIFを保有するものとして説明するが、3つ以上のNWIFを保有する構成であってもよい。
ROM202はプログラム206やデータ207を記憶する記憶部である。CPU201がROM202からプログラム206を読み出し、RAM203に展開して実行する。CPU201は、プログラム206を実行する際にデータ207を参照することも可能である。プログラム206には、後述するネットワーク接続処理などの各種命令が記述されている。すなわち、CPU201は、通信制御に関するプログラム206を実行することで、通信制御部として機能する。データ207は、後述する各種テーブル(図4(c)~図4(h))などが格納されている。
表示装置204は、CPU201が実行するOSまたはプログラム206などによって制御され、ユーザインタフェース(UI)を表示するディスプレイなどの表示部である。入力IF205は、キーボード、マウス、タッチパネル、およびタッチパッドなどに代表されるポインティングデバイス、ならびにボタン、マイクの少なくともいずれかが接続されるインタフェースである。NWIF1 208およびNWIF2 209は、有線通信回路および無線通信回路を含む通信回路を有するネットワークインタフェースである。本実施形態では、NWIF1 208およびNWIF2 209は無線信号を送受信する無線インタフェースであるものとして説明を行う。NWIF1およびNWIF2には、後述するMACアドレスなどのインタフェース識別子が設定される。なお、本実施形態における通信装置は、パソコン200に限定されない。例えば、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、携帯端末、ノートPC、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ等、種々の情報処理装置を適用可能である。さらに、音楽再生デバイス、テレビ、プロジェクター、スピーカー、ホームシアター等でも適用可能であり、無線通信を行うことが可能な情報処理装置であれば、種々の情報処理装置を適用可能である。
図2(b)はプリンタ250の構成を示す図である。本実施形態において、デバイス250は印刷装置(以後プリンタと称す)である場合を例に挙げて説明する。すなわち、図1(a)の例では、AP100が形成する無線ネットワークに接続したプリンタ250に対し、無線通信を介してパソコン200がネットワーク印刷を指示することができる構成が図示されている。一方、図1(b)の例では、プリンタ250にダイレクト接続で無線ネットワークによって接続されたパソコン200が、ダイレクト接続を介してネットワーク印刷や無線ネットワーク設定(以後、無線設定)処理をプリンタ250に指示することができる。プリンタ250は、CPU251、ROM252、RAM253、表示装置254、入力IF255、NWIF258、および印刷部259を有する。本実施形態に係るプリンタ250は1つのNWIFを1つ保有する構成であるものとして説明するが、2つ以上のNWIFを保有する構成であってもよい。
ROM252にはプログラム256やデータ257が格納されており、CPU251がROM252からプログラム256を読み出し、RAM253に展開して実行する。CPU251は、プログラム256を実行する際にデータ257を参照してすることも可能である。プログラム256には、後述する無線設定処理などの各種命令が記述されている。データ257は図4(b)を用いて説明したDHCPテーブルなどが格納される。
表示装置254は、CPU251が実行するOSまたはプログラム256などによって制御され、ユーザインタフェース(UI)を表示するディスプレイなどの表示部である。入力IF255は、キーボード、マウス、タッチパネル、およびタッチパッドなどに代表されるポインティングデバイス、ならびにボタン、マイクの少なくともいずれかが接続されるインタフェースである。NWIF258は、有線通信回路および無線通信回路を含む通信回路を有するネットワークインタフェースである。本実施形態では、NWIF258は無線信号を送受信する無線NWIFであるものとして説明を行う。印刷部259は、カット紙、ロール紙、ビニールシート、金属を含む記録媒体上に画像を形成する印刷部である。なお、本実施形態ではデバイス250はプリンタであるものとして説明を行うが、デバイス250がプリンタでない場合には印刷部259は省略されてもよい。なお、本実施形態におけるデバイスは、プリンタに限定されない。例えば、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、携帯端末、ノートPC、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ等、種々の情報処理装置を適用可能である。さらに、音楽再生デバイス、テレビ、Wi-Fiルーターなどの無線AP、プロジェクター、スピーカー、ホームシアター等でも適用可能であり、無線通信を行うことが可能な装置であれば、種々の装置を適用可能である。
プリンタ250のCPU251は、図1(a)に示すようにアクセスポイント(親局)に接続するインフラストラクチャモードのクライアント(子局)としてNWIF258を動作させることができる。本実施形態では、NWIF258がインフラストラクチャのクライアントとして動作する動作モードのことをクライアントモードと称する。この場合、パソコン200は、アクセスポイント100を介してデバイス250との接続(インフラストラクチャ接続)を確立することができる。
また、プリンタ250のCPU251は、図1(b)に示すようにパソコン200などの外部機器からの接続を待ち受けるアクセスポイント(親局)としてNWIF258を動作させることができる。この場合、パソコン200は、アクセスポイント100を介さずにデバイス250に直接接続(ダイレクト接続)を確立することができる。本実施形態では、NWIF258がネットワークを構築する親局として動作する動作モードのことを親局モードと称する。なお、親局モードとしては、3つの動作モードをある。1つ目は、パソコン200から印刷指示を受け付け可能なネットワークを構築するアクセスポイントとして起動するAPモードである。2つ目は、Wi-Fi Direct(登録商標)(以下、WFDと称す)のGroup Ownerとして動作するGOモードである。3つ目は、以下で説明するとおり、一時的にアクセスポイントとして起動する無線設定モードである。いずれの動作モードもプリンタ250が親局として動作してネットワークを構築し、パソコン200がそのネットワークに子局として接続する。
ここで、クライアントモードとしてNWIF258を動作させるプリンタ250がAP100と無線接続を確立するためには、AP100の無線設定に用いられる情報(無線プロファイル)が必要である。例えば、無線設定において、AP100のネットワーク識別子(SSID)に対し、パスワードを添えて接続要求を行う場合、プリンタ250は、AP100のネットワーク識別子およびパスワードに関する情報を無線プロファイルとして有する必要がある。パスワードは、プリンタ250が保有する入力IF255によってユーザが入力操作を行うことで入手してもよいが、ユーザがパスワードを調べて入力操作を行う手間が発生する。その手間を省くため、本実施形態に係るプリンタ250は一時的にNWIF258を親局モードで動作させる無線設定モードを実行する。そして、パソコン200等の外部機器とダイレクト接続を確立し、AP100のパスワードなどの無線プロファイルを外部機器から入手することが可能となる。以下、プリンタ250が無線プロファイルを外部機器から受信して無線ネットワークの設定を行う処理(以下、無線設定処理と称す)について詳細に説明する。
(無線設定処理例)
図3は、外部機器であるパソコン200が無線設定処理の実行を指示する無線設定指示を実行し、無線設定処理の実行を指示されたプリンタ250が無線設定処理を実行する処理の一例を示すフローチャートである。図3は、パソコン200がプリンタ250へ無線設定処理を実行するよう指示し、プリンタ250が無線設定処理を実行する処理の一例である。図3において、「無線設定指示」は、パソコン200のCPU201がプログラム206を実行することで、「無線設定」は、プリンタ250のCPU251がプログラム256を実行することで実現される。
図3の無線設定指示および無線設定は、ユーザがパソコン200の入力IF205を介してパソコンに無線設定指示の実行を指示し、プリンタ250の入力IF255を介してプリンタ250に無線設定の実行を指示した場合に開始される。なお、ここではパソコン200がAP100とすでに有線または無線ネットワークを介して接続されており、AP100の無線プロファイルであるSSIDとパスワードがデータ207としてROM202に記憶されているものとする。
本実施形態では、上述したとおり、図3の無線設定指示を開始する前に、パソコン200はAP100に接続済みである。このため、図4(c)に示すように、パソコン200はAP100に関する無線プロファイルを有している。図4(c)はパソコン200が有する無線プロファイルをテーブルで管理する無線プロファイルテーブルを示している。図4(c)の1番目(No=1)には、SSID「WIFIROUTER2G」、パスワード「1234-abcd」、という情報がAP100の無線プロファイルとして保存されている。すなわち、パソコン200は、接続済みのAP100の無線プロファイルとして、SSID「WIFIROUTER2G」と、パスワード「1234-abcd」とを対応付けて記憶している。図4(c)の例では、No.2以降の情報は保存されていない。
なお、本実施形態における無線プロファイルとは、パソコン200のオペレーティングシステム(以後OSと称す)が管理している情報である。図3で説明する無線設定処理を指示するプログラムおよび無線設定処理を実行するプログラムなど、OS以外のプログラムから無線プロファイルにアクセスするためには管理者権限を必要とするなど、アクセス制限が課されている場合がある。本実施形態においては、OS以外のプログラムが無線プロファイルに保存された情報の参照や削除を行う権限を有するものとして説明する。
無線設定指示を開始すると、パソコン200は、無線設定モードのプリンタ250を検索する(S301)。具体的にはパソコン200は、所定の無線帯域のスキャンを行う。ここで、パソコン200がプリンタ250のAP270から送信される無線信号を受信すると、受信した無線信号に含まれる無線設定用のSSIDを取得する。S301の開始から所定の時間が経過した場合、または1つ以上のSSIDを取得した場合、パソコン200は、無線設定モードのプリンタ250のSSIDを取得できたか否かを判断する(S302)。なお、無線設定モードにおけるプリンタ250のAP270のSSIDは、すべての文字列あるいは特定の文字列部分があらかじめ定められており固定化されている。これによって、無線設定指示を実行するパソコン200は、無線設定を指示すべきプリンタ250のAP270のSSIDを自動で特定することができる。
S302で、無線設定モードのプリンタ250のSSIDを取得できない場合、パソコン200はプリンタ250とのダイレクト接続を確立できないため、処理をS315に進める。
ここで、図4(d)で示すように、パソコン200の無線プロファイルテーブルには、No.1として、SSID「PRINTER2G」、パスワードはオープン認証、という情報がAP270の無線プロファイルとして保存されている。すなわち、無線プロファイルテーブルのNo.1の無線プロファイルは、パソコン200が接続したAP270のSSIDは「PRINTER2G」であり、パスワード認証は不要である(パスワードなしで接続可能である)ことを示している。図4(d)の無線プロファイルテーブルのNo.2には、図3に示す処理の開始時に接続しており、S303で無線接続を切断したAP100のSSID「WIFIROUTER2G」およびパスワード「1234-abcd」が保存されている。無線プロファイルテーブルは接続優先順にNo.1から保存されており、最後に接続したSSID「PRINTER2G」を優先するよう管理されてもよい。あるいは、無線プロファイルテーブルは接続したタイミングが近い順番にNo.1から保存されており、最後に接続したSSID「PRINTER2G」がNo.1になるよう管理されてもよい。なお、ユーザがパソコン200を入力IF205で操作することにより無線プロファイルテーブルの順序(No)を入れ替えることができてもよい。
S302の処理において、無線設定モードにあるプリンタ250を検出した(無線設定処理用のSSIDが設定された無線信号をAP270から受信した)と判断した場合、パソコン200はAP100との無線接続を切断する(S303)。次にパソコン200はプリンタ250と無線設定処理のための一時接続(一時ダイレクト接続)を行い、プリンタ250のAP270のSSIDを含む無線プロファイルを無線プロファイルテーブルに追加する(S304)。具体的には、パソコン200は、無線NWIF1 208または無線NWIF2 209を介して、検出した無線プロファイル(図4(d)の例ではSSID「PRINTER2G」)を用いてAP270に接続する。
続いてパソコン200は、プリンタ250に対して、プリンタ250が有しているSSIDに関する情報の要求を行い、プリンタ250から要求に対する応答としてSSIDリストを受信する(S305)。このSSIDリストは、プリンタ250がサーチして得たAPに関する無線プロファイルを含み、詳細は後述する。またS305において、パソコン200は要求に対する応答として、プリンタ250の識別情報(MACアドレス等)もプリンタ250から受信する。
次にパソコン200は無線プロファイルテーブルを参照し(S306)、S303で無線接続を切断したAP100の無線プロファイルが、S305でプリンタ250から取得したSSIDリストに含まれるか否かを判断する(S307)。
S307において、AP100のSSIDが、プリンタ250から得たSSIDリストに存在した場合(S307でYes)、パソコン200はAP100へ接続するようプリンタ250に指示する(S308)。例えば、AP100のSSIDを含む接続指示パケットをプリンタ250に送信する。一方、AP100のSSIDが、プリンタ250のSSIDがプリンタ250から得たSSIDに存在していない場合(S307でNo)、パソコン200は処理をS306に進める。
次にパソコン200はプリンタ250とのダイレクト接続を切断し、AP100と再び接続する(S309)。データ207にAP100の無線プロファイル(図4(d)の例ではNo.2)が保存されているため、この無線プロファイルを利用して、パソコン200はユーザによるパスワード等の再入力を必要とせずにAP100と再接続を行うことができる。
次に、パソコン200は、プリンタ250に無線設定を指示するために一時的にダイレクト接続を行うために使用した無線プロファイルが存在する場合には、当該無線プロファイルを削除する(S310)。S310における処理は、プリンタ250とのダイレクト接続に使用した無線プロファイルが残り、ユーザの意図しないタイミングでプリンタ250のAP270に接続してしまうことなどを避けるため行われる。S310でプリンタ250との無線プロファイルを削除した結果、パソコン200の無線プロファイルテーブルは、図4(c)に示すように、AP270のSSIDの情報が削除されたテーブルとなる。その後パソコン200は、AP100に再接続してAP100を介したアクセスポイント接続で、プリンタ250を探索し(S311)、プリンタ250が検出できたかを判断する(S312)。具体的には、S311においてパソコン200は、AP100に接続されているデバイスから識別情報(MACアドレス等)を受信する。そしてパソコン200は、S305でプリンタ250から取得した識別情報が、S311で取得した識別情報に含まれているか否かを判断する(S312)。S305でプリンタ250から取得した識別情報が、S311で取得した識別情報に含まれている場合、パソコン200は、プリンタ250がAP100に接続していると判断することができる。
S312においてプリンタ250がAP100に接続していると判断した場合、パソコン200は表示装置204にプリンタ250による無線設定が成功した旨を表示し(S313)、パソコン200の無線設定指示処理を終了する。
一方、S312でプリンタ250がAP100に接続していないと判断した場合(S312でNO)、パソコン200はプリンタ250による無線設定に失敗した旨を表示装置204に表示し(S315)、パソコン200の無線設定指示処理を終了する。また、S307において、プリンタ250における無線設定に失敗したと判断された場合、パソコン200は無線設定に失敗した旨を表示装置204に表示(S316)した後、AP100に再接続(S317)し、パソコン200の無線設定指示を終了する。
なお、本実施形態に係るパソコン200は複数のNWIFを備えるものとして説明する。従って、NWIF1 208がAP100と接続しながら、NWIF2 209がAP270と接続することも可能である。この場合、AP100との接続を切断するS303の処理、AP100と再接続するS309およびS317の処理、プリンタ250との一時的なダイレクト接続に使用した無線プロファイルを削除するS310の処理、は省略されてもよい。すなわち、パソコン200が1つのNWIFを備える場合、またはNWIFが1つしか使用できない場合には、パソコン200は切断処理(S303)、再接続処理(S309およびS317)、および一時プロファイル削除処理(S310)を省略してもよい。
続いて、プリンタ250の無線設定処理を説明する。上述したように、ユーザがプリンタ250の入力IF255においてユーザが所定の操作を行うことで、プリンタ250の無線設定処理を開始する。無線設定処理を開始すると、プリンタ250は無線NWIF258を無線設定モードに遷移させ、先述した無線設定用のSSIDが設定されたAP270として動作させる。なお、無線設定処理の開始は、上述したようにユーザによる所定の操作をプリンタ250が受け付けたことにより開始されてもよいし、他の条件により開始されてもよい。他の条件とは例えば購入後初回の電源投入である場合などの条件により無線設定処理を実行する構成であってもよい。
NWIF258を無線設定モードに遷移させる前に、プリンタ250は、最初に周囲のアクセスポイントから送信されたSSIDをサーチして、検出されたSSIDを含むSSIDリストを作成する(S351)。その後、プリンタ250は、NWIF258を無線設定モードに遷移させてダイレクト接続を待ち受ける(S352)。具体的には、NWIF258を、先述の無線設定用のSSIDが設定されたAP270として動作させる。この状態でパソコン200によってS304の処理が実行されると、プリンタ250はパソコン200からの接続要求によりダイレクト接続を確立する。プリンタ250は、パソコン200からの情報要求が受信すると、SSIDリストを含む情報をパソコン200へ送信する(S353)。
続いて、プリンタ250はパソコン200からの無線設定指示を待ち受け(S354)、所定の時間内にパソコン200からの無線設定指示を受信したか否かを判断(S355)する。S355において無線設定指示を受信しなかったと判断した場合、プリンタ250は処理S354を再び実行する。S355において無線設定指示を受信したと判断した場合、プリンタ250は無線設定を終了し、プリンタ250のデータ257として保存してあったDHCPテーブル(図4(b))をクリア(初期化)する(S356)。即ち、AP270のDHCPテーブルには何も情報が残っていない状態となる。次にプリンタ250はパソコン200の無線設定指示により受信した無線プロファイルに含まれるSSIDおよびパスワードを使用して、AP100に接続処理を実行する(S357)。つまり、無線設定モードを終え、AP100に接続するクライアント(子局)としてNWIF258を動作させる。そして、プリンタ250は、接続処理が成功したかどうかを判断(S358)する。具体的にS358において、プリンタ250は、AP100と接続が確立し、AP100のDHCPサービス150によって、IPアドレスがプリンタ250のNWIF258に正常に割り当てられたか否かを判断する。S358の処理により、AP100との接続処理が成功したと判断された場合、プリンタ250は無線設定を終了する。一方、無線設定処理が失敗したと判断した場合、プリンタ250は表示装置254に接続処理が失敗した旨を表示し(S360)、無線設定を終了する。
このように、パソコン200がすでに接続しているAP100の無線プロファイルをプリンタ250に送信することで、プリンタ250の入力IF255を介したパスワードのユーザ入力を必要とせずにプリンタ250とAP100とを接続させることができる。
ここでDHCPサービスによる動的IP割り当てについて説明する。以下の動的IP割り当てでは、パソコン200のS304およびS309の処理におけるIP割り当てについて説明する。なお、S304の場合は、パソコン200が接続するDHCPサービス280からパソコン200にIPアドレスが割り当てられ、S309の場合は、DHCPサービス150からパソコン200にIPアドレスが割り当てられる場合について説明する。以下では、便宜上、S304とS309とをそれぞれまとめて説明する。
まず、パソコン200は、AP100又は270のSSIDを使用してAP100又は270に接続した後、DHCP DISCOVERメッセージをパソコン200が接続しているネットワーク上にブロードキャストする。DHCP DISCOVERを受信したDHCPサービス150又は280は、DHCP OFFERメッセージに提供するIPアドレスを乗せてネットワークにブロードキャストする。例えば、DHCPサービス150および280は、例えば172.16.0.0~172.32.255.255の範囲のIPアドレスを提供する。DHCP OFFERメッセージを受信したパソコン200は、提供されたIPアドレスを受け入れる場合は、ネットワーク上に提案されたIPアドレスを乗せたDHCP REQUESTメッセージをブロードキャストする。DHCP OFFERメッセージを受信したDHCPサービス150又は280は、DHCP OFFERメッセージとともに受信したIPアドレスの割り当てを容認する場合に、DHCP ACKメッセージに乗せて正式IPアドレスをユニキャストする。この時、DHCP OFFERメッセージで提供されるIPアドレスは、DHCPサービス150又は280のDHCPテーブル(例えば図4(a)および図4(b))で管理され、複数の機器でIPアドレスが重複しないように提供される。
ここで、プリンタ250の無線設定処理のための無線設定モードは、一時的にAPの役割を行うものであり、無線設定モードを終了したときにAPとしての役割を終える。このため、プリンタ250はDHCPサービス280の終了に伴いDHCPテーブル(図4(b))をクリアする。プリンタ250のDHCPテーブルのクリア処理(図3のS356)では、割り当て済みのDHCPテーブル(図4(b))を削除する。クリア処理の後に、再びDHCP DISCOVERを受信すると、AP270は割り当て可能なアドレス範囲の中で最も小さいアドレス「172.16.0.1」をDHCP OFFERメッセージで提供する。なお、AP100においても、物理的なリセットボタンが押下されたり、WEB UIにアクセスしたユーザからDHCPテーブルのリセット指示を受け付けた場合は、DHCPテーブル(図4(a))をクリアすることとなる。このように、DHCPテーブル(図4(a)および図4(b))は、初期化されることがあり得る。
パソコン200には、データ207としてIF設定テーブル(図4(e)および図4(f))が保存されている。図4(a)に示す通り、パソコン200のIF設定テーブルには、Index=1にNWIF1 208のMACアドレス「82:34::dw:12:14」、Index=2には、NWIF2 209のMACアドレス「8a:d3::d2:56:78」が登録されている。IF設定テーブル(図4(e)および図4(f))はOSが管理するものであり、パソコン200で動作するOSは、ハードウェアとして接続された順序(接続を認識した順序)でIF Indexを割り当てる。すなわち、図4(e)は、NWIF1 208が先に、NWIF2 209が後にOSが認識したこととなる。そして、パソコン200のNWIF1 208は、IPアドレス「172.16.0.1」が割り当てられており、このIPアドレスはIF設定テーブル(図4(e))においてIndex=1として登録されている。このIPアドレス「172.16.0.1」は、プリンタ250とダイレクト接続を行ったとき(図3のS303)にプリンタ250のDHCPサービス280によって割り当てられたものである。なお、NWIF2 209にはIPアドレスが割り当てられていないため、IF設定テーブル(図4(e))のIndex=2のIPアドレス欄は空の状態となっている。図4(f)で示すIF設定テーブルでは、図4(e)のIF設定テーブルのIndex=1と、IF Index 2と、が入れ替わった状態となっている。
図4(e)のIF設定テーブルの状態から、NWIF1 208をパソコン200から物理的に切断し、再びパソコン200に接続すると図4(f)のIF設定テーブルの状態に入れ替わる。なお、物理的に切断・再接続せずとも、ハードウェアの取り外しとPlug and Play処理をソフト的に命令しても同様にIF設定テーブル上のIndexが入れ替わることがある。さらに、図3のS317においてAP100に再接続する際に、NWIFの種類によっては、ハードウェアイジェクトと再Plug and Playが起こることがあり、この場合においても同様に入れ替わることがある。
このような場合、改めて図3のパソコン200の無線設定指示を開始すると、プリンタ250とダイレクト接続を行った(S304)際に、Index=1のNWIFにIPアドレス「172.16.0.1」が割り当てられる場合がある。これは、前回の無線設定処理(図3のS350以降の処理)以後AP270のDHCPテーブル(図4(b))をクリア(S356)しているためである。すなわち、図4(f)に示すNWIF設定テーブルをパソコン200が有している状態で、Index=1のNWIF2 209に、IPアドレス「172.16.0.1」が割り当てるよう提案するDHCP OFFERを受信する場合がある。しかしながら、DHCP OFFERで提案されたIPアドレス「172.16.0.1」と、Index=2のNWIF1 208にすでに割り当てられたIPアドレスとが重複してしまうことから、OSはNWIF2 209へのIP割り当てを拒否する。即ち、パソコン200はプリンタ250とダイレクト接続での通信を行うことができず、無線設定処理に失敗する。
この問題を解決するための本実施形態にかかるパソコン200の接続処理を、図5を参照して説明する。図5に示す処理は、パソコン200のCPU201がRAM203をワークスペースとして使用してプログラム206を実行することで実現される。パソコン200は、図3のS304やS309などの接続処理を行う際に図5の処理を開始する。
パソコン200は図5の接続処理を開始すると、接続履歴テーブル(図4(g))を参照し、これから接続するAPのSSIDが接続履歴テーブルに含まれるか、すなわちパソコン200が以前接続したことがあるSSIDであるか否かを判断する(S501)。例えば、図4(g)に示す接続履歴テーブルにおいて、プリンタ250の無線設定指示のためのAP270のSSID「PRINTER2G」が接続履歴テーブル(図4(g))のNo.2に登録されている。また、図4(g)のNo.2には、パソコン200がSSID「PRINTER2G」に、MACアドレス「82:34::dw:12:14」のNWIF1 208で接続したことがあると判断することができる。
すなわち、SSID「PRINTER2G」は接続履歴テーブル(図4(g))に登録されている場合、パソコン200からSSID「PRINTER2G」を有するAPへの接続処理においてNWIF1 208で接続したことがあると判断する。さらに、図4(g)のNo.2には、リース終了日時「20xx.5.8 17:45:07」として、20xx年5月8日の17時45分7秒までIPアドレスが有効である旨も登録されている。なお、リース終了日時は、プリンタ250のDHCPサービス280から提供されたIPアドレスの有効期間を示す情報であり、DHCPサービス280によってIPアドレスの提供時に指定される。接続履歴テーブルにSSIDが含まれ、現在時刻がアドレスの有効期限内である場合、パソコン200はまだ有効な接続履歴を有していると判定し(S502でYes)、NWIF1 208を使用してSSIDに接続する(S503)。続いて、パソコン200は、採用したNWIF1 208でSSID「PRINTER2G」をサーチし(S505)、SSID「PRINTER2G」に接続し(S506)、DHCPサービス280にIPアドレスの割り当てを要求する(S507)。続いて、接続情報として、使用したIFのMACアドレス「82:34::dw:12:14」と接続したSSID「PRINTER2G」、およびリース終了日時を接続履歴テーブル(図4(g))に記憶する(S508)。すでに登録されているSSIDだった場合は、パソコン200はMACアドレスおよびリース終了日時を更新する。その後、パソコン200は図5の接続処理を終了する。
一方、接続履歴テーブル(図4(g))にSSID「PRINTER2G」が登録されていない、又はIPアドレス有効期限外である場合、パソコン200は有効な接続履歴を有していないと判定し(S502でNo)、任意のNWIFを採用する(S504)。なお、S502でMACアドレス「82:34::dw:12:14」に対応するNWIF1 208がパソコン200から取り外されている場合も、有効な接続履歴を有していないと判定し(S502でNo)、任意のNWIFを採用する(S504)。
以上、説明したように、本実施形態によって、過去の確立した接続についての有効な接続履歴があるNWIFが使用可能な場合にはそのNWIFを使用する。これによって、NWIFのIndexが入れ替わるケースであっても、NWIFに重複したIPアドレスが割り当てられることを防ぐことができる。さらに、IPアドレス割り当てをDHCPに要求してから、重複を検知しIPを再要求する時間が不要となるため、正常にIPアドレスの割り当てが完了するまでの時間が短くて済むという効果が得られる。
なお、本実施形態においては、無線設定モード状態であるプリンタ250の一時的な接続のためのAP270から割り当てられるIPが重複する構成例について説明した。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。例えば、APモード状態もしくはGOモード状態であるプリンタ250から割り当てられるIPアドレスが重複する構成であっても、本実施形態に係る効果を得ることができる。このような場合、プリンタがAPモードで動作する場合であってもWFDにおけるGOモードで動作する場合であっても、プリンタ250が親局として動作し、DHCP機能によりIPを割り当てることができる。
また、プリンタ250以外のデバイスによって提供されるDHCPサービスから割り当てられるIPアドレスが重複する構成であっても、本実施形態に係る効果を得ることができる。
<実施形態2>
次に実施形態2について説明する。本実施形態では、一時接続のであればパソコン200内のIF設定テーブル(図4(e)および図4(f))からIPアドレスを削除する。これにより、再接続の際にIPアドレスが重複することを防ぐ。なお、以下では、実施形態1と重複する構成及び処理は説明を省略し、実施形態1と異なる構成及び処理を主に説明する。
図6を参照して、本実施形態における無線接続の切断処理(接続切断処理)を説明する。パソコン200の接続切断処理は、接続していたAPとの通信が終わり、接続を切断する処理(図3のS303およびS309)の際に開始する(S600)。パソコン200は接続切断処理を開始(S600)すると、これまで無線接続していた無線ネットワークの種類を判別する(S601)。ここで、無線接続の種類には、印刷用などの常時利用の用途と、無線設定用などの一時利用の用途とがあり、パソコン200は無線接続の種類として2種の用途を判別する(S601)。例えば、パソコン200は、SSIDに特定の文字列(例えば「CLS」や「SETUP」)が含まれる場合には一時的な無線接続であると判定し、SSIDに特定の文字列が含まれない場合には常時利用のためのAPであると判定してもよい。一時的な無線接続のためのAPである場合、接続が完了するとDHCP機能がリセットされる、すなわちDHCPテーブルがリセットされる場合がある。このような場合、プリンタ250が再びAP270の機能を実行した場合などに、パソコン200に重複したIPアドレスを割り当てる可能性が高い。一方、常時利用のAPの場合、一時的な無線接続に比べて所定の期間内にDHCPテーブルがリセットされる可能性が低い、すなわち、重複したIPアドレスを割り当てる可能性が一時的な無線接続のためのAPよりも低くてもよい。このため、常時利用のためのAPとの無線接続である場合、パソコン200はNWIF1 208の切断処理を行ったとしても(S604)、そのまま処理を終了する(S605)。一方、一時的な無線接続のためのAPとの接続であった場合、パソコン200は接続を切断する前にNWIF1 208に割り当てられているIPアドレスをリリース(解放)する(S602)。このリリース処理では、OSはパソコン200のIF設定テーブル(図4(e))からNWIF1 208に割り当てられたIPアドレスを削除するDHCP RELEASE信号を送信する。その後、パソコン200は、接続履歴テーブル(図4(e))からNWIF1 208の接続履歴情報No.1(SSID、MACアドレス、接続終了日時)を削除する(S603)。続いて、パソコン200は、NWIF1 208の切断処理を行い(S604)、処理を終了する(S605)。
処理S602のリリース処理により、NWIF1 208のIPアドレスは未割当となる。このため、その後、図4(f)に示すようにNWIF1 208、NWIF2 209のIndexが入れ替わったとしても、Index=2のIPアドレス「172.16.0.1」は未割当「-」である。このため、プリンタ250のAP270のDHCPテーブルがリセットされる場合であっても、S304のダイレクト接続の際にIndex=1にIPアドレス「172.16.0.1」が割り当てられたとしても、IPアドレスの重複割り当ては起こらない。このため、パソコン200はIndex=1に割り当てられたIPアドレスをDHCPリクエストで要求してネットワーク接続処理(S305)を継続することができる。
なお、本実施形態において、接続の切断処理を行う前にIPリリースを行うのは、無線設定などの一時接続のための無線接続の場合のみであり、印刷などの常時接続のための無線接続の場合は、IPリリース処理(S602)を実行しない。これは、S602のIPリリース処理を行うと、次に接続したときに再びDHCPサーバーにIPアドレスの要求を行う必要があり、IPアドレスの割り当てが完了するまでプリンタ250と無線接続が確立できず、印刷可能になるまで時間がかかるためである。上述したように、常時接続のためのAPは、一時接続のためのAPと比較してDHCPテーブルをクリアされる可能性が低いため、IPアドレスが重複して割り当てられる可能性が低い。このため、常時接続のための無線接続の場合にはIPアドレスをリリースしないことで、再接続を迅速に行うことができる。
<実施形態3>
実施形態2は無線設定などの一時接続用途のNWIFに対してIPアドレスが重複して割り当てられることを防ぐ処理について説明した。実施形態3では、常時接続用の用途のネットワーク接続対応できるよう、実施形態2の切断処理(S600~S605)に加えて行なうパソコン200の接続処理を、図7を用いて説明する。なお、実施形態1または実施形態2と同様の処理、構成、機能については説明を省略する。図7の処理は、パソコン200のCPU201がRAM203をワークスペースとして使用してプログラム206を実行することで実現される。パソコン200は、図3のS304やS309などの接続処理を行う際に図5の処理を開始する。
パソコン200はネットワーク接続処理を開始すると、無線接続が一時接続用であるか常時接続用であるかを判定する(S701)。無線接続の種類が無線設定用の一時接続用である場合、任意のNWIFを採用し(S709)、採用したNWIFを用いてSSIDサーチを実行し(S710)、対象のSSIDに接続する(S711)。続いて、パソコン200は、接続情報(SSID、MACアドレス、接続終了日時)を接続履歴テーブル(図4(g))に記憶する(S712)。その後、パソコン200はIF搭載情報(MACアドレス)をIF搭載履歴テーブル(図4(h))に記憶(S713)し、DHCPサービス(150又は280)にDHCPでIPアドレスを要求し(S714)処理を終了する(S715)。なお、実施形態3では、切断時に図6を参照して説明した切断処理が実行される。切断処理では、無線接続の種類が無線設定用の一時接続である場合は、IPアドレスがリリース(S602)されているために、どのNWIFを採用してもIPアドレスが重複することがない。
一方、判断処理(S701)において無線接続の種類が、印刷などの常時利用の用途であった場合、パソコン200は接続履歴テーブル(図4(g))を参照して接続したいSSIDを探す(S702)。接続履歴テーブル(図4(g))に接続したいSSIDが登録されているか判別し(S703)、未登録状態である場合、パソコン200は任意のIFを採用(S709)し、その後は本実施形態の説明として先述した通り、S710~S715の処理を行う。
また、接続履歴テーブル(図4(g))にSSIDが登録されていた場合(S703でYes)、パソコン200は図4(h)で示すNWIF搭載履歴テーブルを参照し、前回の無線接続後に新たに追加したNWIFがあるか否かを判断する(S704)。新たに追加したNWIFが存在しない場合、パソコン200は接続履歴テーブル(図4(g))の情報に従い、以前使用したNWIFを採用する(S708)。その後は本実施形態の説明として先述した通り、S710~S715の処理を行う。以前使用したNWIFを使用することにより、IPアドレスの再割り当て不要でプリンタ250との通信が可能となる。
一方、S704で新たなNWIFが存在していると判断した場合(S704でYes)、パソコン200は表示装置204に、新しいNWIFを使用するかを問う画面を表示し(S705)、ユーザが入力IF205に選択した結果を判断する(S706)。S706でユーザが新しいNWIFを使用しないと選択した場合(S706でNo)、パソコン200は図4(g)を参照して、接続に使用した履歴があるNWIFを採用する(S708)。その後は本実施形態の説明として先述した通り、S710~S715の処理を行う。S706でユーザが新しく追加されたNWIFを使用すると選択した場合(S706でYes)、パソコン200は新しく追加されたNWIFを採用し(S707)、その後は本実施形態の説明として先述した通り、S710~S715の処理を行う。
新しいNWIFを採用したい場合とは、例えばユーザがより通信速度の速いNWIFを購入し搭載した場合などを含む。ただし、以前接続に使用したNWIFにIPアドレスが残っており、IPアドレスが重複してしまうリスクがある。そのため、S707では、以前接続に使用したNWIFのIPアドレスをリリースする処理を実行し、S710以降の処理に進む。
以上説明した通り、本実施形態によって、印刷などの常時利用の用途の場合であっても、IPアドレスが重複して通信ができないという課題を解決できる。また、重複する可能性の高いIPアドレスを解放するための時間が必要となる場合を、新しいNWIFを使用したい場合に限定することも可能となる。
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100、270:アクセスポイント、200:パソコン、250:デバイス、150、280:DHCPサービス

Claims (7)

  1. 通信装置であって、
    複数の無線インタフェースと、
    過去に確立した接続についてネットワーク識別子と前記複数の無線インタフェースのいずれかのインタフェース識別子とを対応付けた接続履歴情報を記憶する記憶手段と、
    前記接続履歴情報に基づいて、前記複数の無線インタフェースのうち1つを選択して、前記選択された無線インタフェースを用いて他の装置へ接続要求を送信する、通信制御手段と、
    を有し、
    前記通信制御手段は、
    接続可能な前記他の装置の前記ネットワーク識別子が一時的な通信のための接続のためのネットワーク識別子であるか否かを判定し、
    前記他の装置の前記ネットワーク識別子に対応する接続履歴情報が前記記憶手段に記憶されている場合、かつ前記ネットワーク識別子が一時的な通信のための接続のためのネットワーク識別子ではない場合、
    前記接続履歴情報に対応する前記通信装置に搭載していなかった新たな無線インタフェースが搭載されているか判断し、
    前記新たな無線インタフェースが搭載されている場合に、新しい無線インタフェースを使用して接続するかを問い合わせる画面を表示する、ことを特徴とする通信装置。
  2. 前記通信制御手段は、接続を確立すべき他の装置のネットワーク識別子を含む有効な前記接続履歴情報が前記記憶手段に記憶されていることに基づいて、前記複数の無線インタフェースのうちの当該接続履歴情報において当該ネットワーク識別子に対応する無線インタフェースを用いて、前記他の装置へ接続要求を送信し、前記他の装置のネットワーク識別子を含む有効な前記接続履歴情報が前記記憶手段に記憶されていないことに基づいて、前記複数の無線インタフェースのうちのいずれかを用いて、前記他の装置へ接続要求を送信することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記記憶手段は、前記他の装置のネットワーク識別子を含む有効な前記接続履歴情報が前記記憶手段に記憶されていない場合に、当該ネットワーク識別子と、前記接続要求を送信した際に用いた無線インタフェースのインタフェース識別子と、を対応付けた前記接続履歴情報を記憶することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
  4. 前記記憶手段は、過去に確立した接続について、割り当てられたネットワークアドレスの有効期間をさらに対応付けた前記接続履歴情報を記憶することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
  5. 前記通信制御手段は、取得した前記ネットワーク識別子に対応する前記接続履歴情報が前記記憶手段に記憶され、前記接続履歴情報の前記ネットワークアドレスの有効期間が過ぎていない場合に、前記接続履歴情報が有効であると判定することを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
  6. 複数の無線インタフェースと、過去に確立した接続についてネットワーク識別子と前記複数の無線インタフェースのいずれかのインタフェース識別子とを対応付けた接続履歴情報を記憶する記憶部と、を備える通信装置が実行する通信制御方法であって、
    前記接続履歴情報に基づいて、前記複数の無線インタフェースのうち1つを選択して、前記選択された無線インタフェースを用いて他の装置へ接続要求を送信し、
    接続可能な前記他の装置の前記ネットワーク識別子が一時的な通信のための接続のためのネットワーク識別子であるか否かを判定し、
    前記他の装置の前記ネットワーク識別子に対応する接続履歴情報が前記記憶部に記憶されている場合、かつ前記ネットワーク識別子が一時的な通信のための接続のためのネットワーク識別子ではない場合、
    前記接続履歴情報に対応する前記通信装置に搭載していなかった新たな無線インタフェースが搭載されているか判断し、
    前記新たな無線インタフェースが搭載されている場合に、新しい無線インタフェースを使用して接続するかを問い合わせる画面を表示する、
    ことを含むことを特徴とする通信制御方法。
  7. 複数の無線インタフェースと、過去に確立した接続についてネットワーク識別子と前記複数の無線インタフェースのいずれかのインタフェース識別子とを対応付けた接続履歴情報を記憶する記憶部と、を備える通信装置によって実行されるプログラムであって、
    前記接続履歴情報に基づいて、前記複数の無線インタフェースのうち1つを選択して、前記選択された無線インタフェースを用いて他の装置へ接続要求を送信する送信工程を含み、
    前記送信工程では、
    接続可能な前記他の装置の前記ネットワーク識別子が一時的な通信のための接続のためのネットワーク識別子であるか否かを判定し、
    前記他の装置の前記ネットワーク識別子に対応する接続履歴情報が前記記憶部に記憶されている場合、かつ前記ネットワーク識別子が一時的な通信のための接続のためのネットワーク識別子ではない場合、
    前記接続履歴情報に対応する前記通信装置に搭載していなかった新たな無線インタフェースが搭載されているか判断し、
    前記新たな無線インタフェースが搭載されている場合に、新しい無線インタフェースを使用して接続するかを問い合わせる画面を表示する、ことを特徴とするプログラム。
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