以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同様の符号を付することにより重複説明を省略する。
<実施形態>
まず、本発明の一実施形態に係る自動車の構造部品について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る自動車の構造部品1の模式的な斜視図である。図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。図3は、構造部品1の主要部を示す模式的な分解斜視図である。
<構造部品の概略構成>
本実施形態に係る自動車の構造部品1は、図1に示すように湾曲形状を有する。このような構造部品1としては、例えば、シャシ部品が挙げられる。シャシ部品としては、例えば、サスペンション部品のアームあるいはリンク部品であり、具体的にはロアアーム、フロントアッパーアーム、リアアッパーアーム、トレーリングアーム等がある。本実施形態に係る構造部品1の形状は、サスペンション部品に限定されず、ボディ部品に対しても適用可能である。具体的には、ボディ部品の車両骨格として、サイドシル、ルーフサイドレール、Bピラー、Aピラーロア、Aピラーアッパー、キックリーンフォース等がある。また、ボディ部品の衝撃吸収骨格としては、リアサイドメンバー、フロントサイドメンバー等が挙げられる。
本実施形態では、構造部品1がサスペンションアームである形態を例に説明する。より具体的には、本実施形態では、構造部品1がフロントロアアームである形態を例に説明する。
また、本実施形態では、構造部品1が自動車に設置されているときの当該自動車の車長方向、車幅方向、および、車高方向に沿って、ロアアーム2の長さ方向X、幅方向Y、および、高さ方向Zをいう。また、長さ方向Xの一方側を前側といい、長さ方向Xの他方側を後側という。本実施形態では、図1の長さ方向Xを示す矢印の左側が前側であり、矢印の右側が後側である。また、幅方向Yの一方側を幅方向Yの内側といい、幅方向Yの他方側を外側という。本実施形態では、図1の幅方向Yを示す矢印の左側が内側であり、矢印の右側が外側である。また、高さ方向Zの一方側を上側といい、高さ方向Zの他方側を下側という。本実施形態では、図1の高さ方向Zを示す矢印の上側が上側であり、矢印の下側が下側である。また、構造部品1について、湾曲形状の曲率半径の大きい側を湾曲外側、湾曲形状の曲率半径の小さい側を湾曲内側とする。
構造部品1は、本実施形態では、平面視において略L字状に形成されている。構造部品1は、複数の鋼板を溶接することで形成された、閉断面を有する中空部材であり、幅方向Yに見た側面視で扁平な形状に形成されている。構造部品1は、一または複数の鋼板をプレス加工することによって形成されている。この鋼板は、好ましくは高張力鋼板であり、この鋼板(構造部品1)の引張強さは、好ましくは780MPa以上である。
構造部品1は、第1縁部11a,第2縁部11b,表面11cおよび裏面11dを有するベース板11と、ベース板11の縁部を境に表面11cおよび裏面11dの何れか一方側方向(本実施形態では、裏面11d側方向)に形成される縦壁としての前縦壁12、横縦壁13および湾曲縦壁(第1縦壁)14と、湾曲縦壁14に設けられた閉断面部30と、閉断面部30に設けられた隔壁51,52と、を有する。
ベース板11は、構造部品1の例えば上端部を形成する部分であり、平面視でL字状に形成されている。ベース板11は、平坦形状でなくともよく、図1に示すように凹凸形状を有していてもよい。また、ベース板11に貫通孔(図示せず)等が形成されていてもよい。ベース板11の前端縁部および幅方向内側の縁部が、第2縁部11bを構成している。第2縁部11bのうちベース板11の前側縁部の下方に前縦壁12が配置されている。前縦壁12は、本実施形態では長さ方向Xと直交している。第2縁部11bのうち幅方向Yにおけるベース板11の内側の縁部の下方に幅方向Yを向く横縦壁13が形成されている。前縦壁12および横縦壁13は、ベース板11の第2縁部11bを境に表面11cおよび裏面11dの何れか一方側(本実施形態では、裏面11d側)に形成される第2縦壁22の一要素である。
幅方向Yにおけるベース板11の外側且つ長さ方向Xの後側の縁部である第1縁部11aは、ベース板11を平面視したときに湾曲した形状としての湾曲縁部15(湾曲部)を有している。本実施形態では、湾曲縁部15は、長さ方向Xにおけるベース板11の後端から前側に進むに従い幅方向Yの外側に反っている。この湾曲縁部15に連続する湾曲縦壁14が湾曲縁部15の下方に設けられている。湾曲縦壁14は、本実施形態では長さ方向Xの後側に進むに従い横縦壁13との間隔が狭くなるように湾曲形状に形成されている。本実施形態では、湾曲縦壁14は、ベース板11側に凹となる湾曲形状に形成されている。本実施形態では、前縦壁12、横縦壁13および湾曲縦壁14は、ベース板11に対して略直交して起立した姿勢となるように配置されている。
上記のように、ベース板11の第1縁部11aの湾曲縁部15を境に、ベース板11の裏面11d側方向に、第1縦壁としての湾曲縦壁14が形成されている。また、ベース板11の第2縁部11bを境に、ベース板11の裏面11d側方向に前縦壁12および横縦壁13を含む第2縦壁22が形成されている。すなわち、本実施形態では、第1縦壁としての湾曲縦壁14、および、第2縦壁22は、何れも、上端がベース板11の裏面11dに連続している。そして、湾曲縦壁14および第2縦壁22の下端は自由端である。そのため、ベース板11と、湾曲縦壁(第1縦壁)14と、第2縦壁22と、によって、下向きに開放された開断面部25が形成されている。開断面部25は、湾曲縦壁14および第2縦壁22の下側先端が開口部とされている。
本実施形態では、「開断面」とは、断面形状が閉じていない形状であること(無端状ではなく、断面形状における周方向において端部が存在していること)をいう。一方、「閉断面」とは、断面形状が閉じている形状であること(無端状であり、断面形状における周方向において端部が存在していないこと)をいう。
構造部品1は、前述したように本実施形態では、フロントロアアームである。この構造部品1は、タイヤが取り付けられたホイールを回転自在に支持するナックル(図示せず)の下部を自動車車体に接続する。構造部品1の前端における幅方向Yの一端側の点P1は、ナックルに取り付けられるボールジョイントの設置位置を示している。また、ベース板11の前端における幅方向Yの他端側の点P2と、ベース板11の後端側の点P3は、サブフレーム等のボディ部品(図示せず)と接続される位置である。構造部品1は、点P2及び点P3に設けられる例えばブッシュジョイント(図示せず)を介してボディ部品に固定される。
例えば、構造部品1の点P2の部位は車体取付部16である。車体取付部16は、構造部品1の湾曲外側に配置されている。車体取付部16は、幅方向Yと直交する断面での形状が下側を開口部とした略U字形状である。
閉断面部30は、本実施形態では、湾曲縦壁14に設けられている。閉断面部30は、圧縮荷重に対する耐力部として湾曲縦壁14に設けられている。より具体的には、タイヤからナックルアームを介して点P1へ入力された後向きの荷重F1(図1参照)によって、構造部品1において点P1を点P3側に変位させるような曲げ力が構造部品1に作用したときに、湾曲縦壁14は圧縮荷重を受ける。閉断面部30は、この圧縮荷重によって湾曲縦壁14が面外変形を生じることを抑制するために、圧縮荷重に対する耐力部として機能する。この場合の面外変形は、高さ方向Zへの変形をいう。
閉断面部30は、湾曲縁部15に沿う方向としての長手方向Lに沿って形成されている。閉断面部30は、長手方向Lにおける湾曲縦壁14の一部または全部に形成されている。本実施形態では、閉断面部30は、長手方向Lにおける湾曲縦壁14の大部分に形成されている。湾曲縁部15の中央部15aを含む位置に閉断面部30が形成されていることが好ましい。すなわち、長手方向Lにおける湾曲縦壁14の中央部14aに閉断面部30が配置されていることが好ましい。湾曲縦壁14の中央部14aは、湾曲縦壁14の湾曲の底部であるといえる。中央部14aは、湾曲縦壁14のうち曲率半径が最も小さい部分であってもよい。長手方向Lにおいて閉断面部30の長さ範囲は、特に限定されないけれどもより長いほうが好ましい。
本実施形態では、閉断面部30は、高さ方向Zにおいて湾曲縦壁14の上端縁部(湾曲縁部15)に配置されている。高さ方向Zにおいて、閉断面部30の長さ(高さ)は、湾曲縦壁14の長さ未満であってもよいし、湾曲縦壁14の長さ以上であってもよい。また、高さ方向Zにおける湾曲縦壁14での閉断面部30の位置は、上部でも下部でもよい。
閉断面部30は、長手方向Lにおける少なくとも一部において、長手方向Lと直交する断面が閉断面となっている。本実施形態の場合、閉断面部30を形成している鋼板には貫通孔が形成されていない。そのため、本実施形態では、閉断面部30は、当該閉断面部30のうち長手方向Lの全域において、長手方向Lと直交する断面で閉断面を形成している。また、閉断面部30を形成している鋼板に貫通孔が形成されていない場合、長手方向Lと直交する断面において、閉断面部30は、無端環状に形成されていればよい。無端環状の一例として、円形状、多角形形状を挙げることができる。本実施形態では、閉断面部30の断面形状は、多角形形状の一例としての四角形状に形成されている。なお、本発明において、閉断面部30を形成する鋼板は貫通孔を有していてもよい。
本実施形態では、閉断面部30は、2つの鋼板を用いて形成されている。具体的には、第1の部材としての第1鋼板2によって、ベース板11、縦壁12,13,14、閉断面部30の一部である後述する前壁31、下壁34、および、隔壁51,52が形成されている。また、第2の部材としての第2鋼板3によって、閉断面部30の一部である後述する上壁32および後壁33が形成されている。第2鋼板3は、長手方向Lと直交する断面においてL字状に形成された鋼板であり、第1鋼板2に固定されている。第1鋼板2と第2鋼板3とを固定する固定構造の例として、スポット溶接、レーザ溶接、アーク溶接等を用いた溶接構造、リベット接合、かしめ接合、ボルト締結等を用いた機械接合構造、および、接着剤を用いた接着構造を挙げることができる。上述の固定構造を以下では単に「固定構造」ともいう。
閉断面部30は、長手方向Lに直交する断面において、上下に並ぶ上壁32および下壁34と、上壁32および下壁34が並ぶ方向に直交する方向に並ぶ前壁31および後壁33と、を有している。図2に示す断面では、閉断面部30は、長さ方向Xにおいて前後に並ぶ前壁31および後壁33と、高さ方向Zにおいて上下に並ぶ上壁32および下壁34と、を有している。前壁31は第1壁として設けられ、上壁32は第2壁として設けられ、後壁33は第3壁として設けられ、下壁34は第4壁として設けられている。すなわち、前壁31は第1壁ともいうことができ、上壁32は第2壁ともいうことができ、後壁33は第3壁ともいうことができ、下壁34は第4壁ともいうことができる。
本実施形態では、前壁31および下壁34は、一部にプレス加工が施された第1鋼板2の当該一部が凹んでいることで形成されている。例えば前壁31および下壁34の形状に沿う形状に形成されたパンチで第1鋼板2の素材となる鋼板をプレス加工することで、前壁31および下壁34が形成されている。前壁31は、ベース板11に連続している。前壁31の下端の後方に下壁34が形成されている。
上述の構成を有する閉断面部30に、隔壁51,52が設けられている。換言すれば、閉断面部30に隔壁51,52が連結されている。隔壁51,52は、長手方向Lにおいて空間を区切るように配置されている。本実施形態では、隔壁51,52は、第1鋼板2の素材の一部に上記プレス加工が施されて凹まされることで形成されている。閉断面部30において、長手方向Lの一部に隔壁51,52が配置されている。本実施形態では、隔壁51,52は、長手方向Lにおける閉断面部30の両端部に設けられている。隔壁51,52は、ベース板11の湾曲縁部15と、湾曲縦壁14とに繋がっている。隔壁51,52は、長手方向Lと交差していればよく、長手方向Lと直交していてもよいし、長手方向Lと直交する仮想面に対して傾斜していてもよい。本実施形態では、隔壁51,52は、長手方向Lと交差する断面において、閉断面部30内の空間、より具体的には、前壁31、上壁32、後壁33、および下壁34で囲まれた空間の全域を塞いでいる。この構成により、閉断面部30内の空間は、全方位において閉じられた空間である。このような、閉じられた空間であれば、外部からこの空間内に雨水やグリース等の異物が浸入することを防止できるので、閉断面部30における錆の発生を抑制できる。
なお、閉断面部30は、上記のように貫通孔を有してもよい。閉断面部30が貫通孔を有する場合、構造部品1の塗装時にこの貫通孔を通して塗料が閉断面部30の内面の全体に行き渡るようにしてもよい。この場合、閉断面部30に錆が生じるのを抑制できるように塗料を閉断面部30に塗布できる。
以上説明したように、本実施形態の構造部品1は、第1縦壁としての湾曲縦壁14に設けられた閉断面部30と、閉断面部30において長手方向Lの一部に配置され閉断面部30に連結される隔壁51,52と、を有している。この構成によると、構造部品1の点P1に作用する荷重、特に、タイヤが縁石に乗り上げる等によって点P1から入力される後向きの荷重F1(衝撃荷重)によって構造部品1に作用する曲げ力に対して、曲げの中立軸Bから遠い位置に閉断面部30を設けることで、構造部品1の断面二次モーメントを高くできる。また、上記の曲げ力に対する抵抗力としての前後曲げ強度を高めて、構造部品1の面外変形を抑制できる。その上、閉断面部30に隔壁51,52が設けられているので、上記の曲げ力に対する閉断面部30自体の変形強度が高められている。これにより、閉断面部30自体の断面崩壊を抑制できる。さらに、構造部品1が、薄い鋼板によって形成される場合、軽量かつ高い曲げ強度を有する構造部品1を実現できる。
また、構造部品1によると、ベース板11の湾曲縁部15に沿って形成される湾曲縦壁14に閉断面部30が設けられている。この構成によると、構造部品1のうち曲げ力が作用しやすい箇所に、面外変形を抑制するための閉断面部30および隔壁51,52を配置できる。さらに、上記の曲げ力によって構造部品1が曲げ変形するときの中立軸Bから遠い位置に閉断面部30および隔壁51,52を配置することで、重量効率に優れながら、閉断面部30の断面形状崩壊を抑制できる。これにより、構造部品1の曲げ変形強度を格段に高くできる。
また、構造部品1によると、湾曲縁部15の中央部15aに閉断面部30が配置されている。この構成によると、構造部品1に作用する曲げ力による負荷の高い箇所に、閉断面部30を配置できる。
また、構造部品1によると、縦壁14,22およびベース板11を含む開断面部25に、閉断面部30が連結されている。この構成によると、開断面形状であることから面外変形が生じやすい開断面部25について、湾曲縦壁14に設けられた閉断面部30によって面外変形を抑制しやすくなる。
また、構造部品1によると、ベース板11と湾曲縦壁14が閉断面部30の一部を形成している。この構成によると、湾曲縦壁14のうち面外変形を生じやすいベース板11との接続部分における面外変形を抑制しやすくなる。
また、構造部品1によると、長手方向Lに離隔して複数の隔壁51,52が設けられている。本発明において、隔壁は複数でなくてもよい。すなわち、隔壁51,52の一方が設けられていなくてもよい。ただし、複数の隔壁51,52が設けられることにより、長手方向Lにおけるより広い範囲において、閉断面部30の断面形状崩壊抑制効果を発揮できる。
また、構造部品1によると、隔壁51,52は、長手方向Lと交差する断面において閉断面部30内の空間の全域を塞いでいる。この構成によると、閉断面部30に曲げ力が作用したときにおいて閉断面部30内において隔壁51,52が突っ張ることで、閉断面部30の面外変形を抑制しやすくなる。
また、構造部品1によると、隔壁51,52は、ベース板11および湾曲縦壁14と一体に形成されている。この構成によると、隔壁51,52を別部材で形成しなくてよいので、構造部品1の部品点数を少なくできる。
また、構造部品1によると、隔壁51,52は、長手方向Lにおける閉断面部30の両端に設けられており、閉断面部30と協働して外部から閉じられた空間を形成している。この構成によると、閉断面部30および隔壁51,52が、高い強度を有するシェル構造を形成する。このような構成であれば、重量効率に優れながら、構造部品1に作用する曲げ力に対する閉断面部30の断面形状の崩壊を、より高い次元で抑制できる。
また、本実施形態では、構造部品1は、自動車の構造部品である。この構成によると、構造部品1を軽量で且つ高強度にできるので、軽量化と高強度化の要求の高い自動車に適した部品として構造部品1を適用できる。
また、本実施形態では、構造部品1は、自動車サスペンション部品である。この構成によると、自動車のいわゆるばね下部品として、軽量化且つ高強度化された構造部品1を用いることができる。これにより、自動車の走行性能、特に、ダンパーの応答性向上に伴う路面からの振動吸収効果と、旋回性能と、をより高くできる。
また、本実施形態では、構造部品1の引張強度は、780MPa以上である。この構成によると、構造部品1を構成する鋼板の厚みをより薄くしつつ、構造部品1の強度をより高くできる。
次に、本実施形態の変形例を説明する。
<隔壁の変形例>
<隔壁の第1変形例>
上述の実施形態では、長手方向Lにおける閉断面部30の両端部に隔壁51,52が配置された形態を例に説明した。しかしながら、この限りではない。図4は、隔壁の第1変形例について説明するための主要部の分解斜視図である。この図4に示されているように、長手方向Lにおける閉断面部30の中間部に中間隔壁としての隔壁53が設けられていてもよい。隔壁53は、隔壁51,52と同様に、第1鋼板2の素材である鋼板をプレス加工することにより形成されている。隔壁53は、長手方向Lにおける閉断面部30の中間部に設けられる。長手方向Lにおいて、隔壁51と隔壁53との間の長さは、隔壁53と隔壁52との間の長さと同じでもよいし、異なっていてもよい。なお、長手方向Lに沿って2つ以上の隔壁53を設けてもよい。また、隔壁53が設けられる場合において、隔壁51,52の少なくとも一方が省略されてもよい。この場合、閉断面部30は、長手方向Lの少なくとも一方の端部において、対応する隔壁51,52が設けられていない。第1変形例において、隔壁51,52,53のうちの一つまたは二つが省略されてもよい。
<隔壁の第2変形例>
上述の実施形態および隔壁の第1変形例では、第1鋼板2(ベース板11)と一体に隔壁51~53が形成される例を説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。図5(A)および図5(B)は、隔壁の第2変形例について説明するための主要部の図であり、図5(A)は主要部の分解斜視図であり、図5(B)は長手方向Lと直交する切断端面図である。図5(A)および図5(B)に示されているように、第1鋼板2および第2鋼板3とは別部材によって隔壁51A,52A,53Aが形成されていてもよい。この場合、閉断面部30は、第1鋼板2の素材である鋼板をプレス加工するとともに、第1鋼板2と第2鋼板3とを組み合わせることで形成されている。一方、隔壁51A,52A,53Aは、ベース板11、各縦壁12,13,14および閉断面部30とは別部材によって形成されて閉断面部30に固定されている。隔壁51A,52A,53Aと各鋼板2,3との固定構造は、前述した固定構造と同様である。
隔壁51A,52A,53Aは、それぞれ、隔壁51A,52A,53Aが設けられている箇所での閉断面部30の空間を塞ぐ形状(例えば、長手方向Lから見て、四角形形状)に形成されている。そして、隔壁51A,52Aは、長手方向Lにおける閉断面部30の両端部に配置されている。隔壁53Aは、長手方向Lにおける閉断面部30の中間部に配置されている。長手方向Lにおける隔壁53Aの位置は、湾曲縁部15の中央部15aであってもよいし、この中央部15aからずれていてもよい。隔壁51A,52A,53Aの厚み、すなわち、長手方向Lにおける各隔壁51A,52A,53Aの寸法は、各鋼板2,3の厚みと同じでもよいし、異なっていてもよい。また、隔壁51A,52A,53Aの互いの形状は、同じでもよいし異なっていてもよい。なお、隔壁51A,52A,53Aの何れか1つまたは何れか2つは、設けられていなくてもよい。
隔壁についての第2変形例である本変形例によると、隔壁51A,52A,53Aは、ベース板11、縦壁12,13,14、および、閉断面部30とは別部材によって形成されている。この構成によると、隔壁51A,52A,53Aの厚み、形状、および、長手方向Lにおける配置箇所の自由度をより高くできる。
<隔壁の第3変形例>
上述の実施形態、および、隔壁の第1,第2変形例では、隔壁51~53,51A~53Aは、長手方向Lから見て、閉断面部30内の空間の全域を塞ぐように設けられた。しかしながら、この通りでなくてもよい。図6(A)および図6(B)は、隔壁の第3変形例について説明するための主要部の図であり、図6(A)は斜視図であり、図6(B)は長手方向Lと直交する切断端面図である。図6(A)および図6(B)に示されているように、隔壁51B,52B,53Bが設けられている箇所における長手方向Lと直交する断面において、閉断面部30の空間の一部を塞ぐように隔壁51B,52B,53Bが設けられていてもよい。
隔壁51B,52Bは、隔壁51,52と同様に、長手方向Lにおける閉断面部30の両端部に配置されている。隔壁53Bは、隔壁53と同様に長手方向Lにおける閉断面部30の中間部に配置されている。隔壁51B,52B,53Bは、第1鋼板2および第2鋼板3とは別部材によって形成されている。隔壁51B,52B,53Bが設けられている箇所での長手方向Lと直交(交差)する断面において、隔壁51B,52B,53Bは、閉断面部30を構成する互いに繋がっている2つの壁同士を繋いでいる。
隔壁51B,52B,53Bは、それぞれ、4つのブレース61,62,63,64を含んでいる。各ブレース61~64は、長手方向Lに見て例えば直角三角形形状に形成されている。各ブレース61~64の厚みは、特に限定されないが、例えば各鋼板2,3と同程度(数mm程度)である。隔壁51B,52B,53Bのそれぞれにおいて、同一隔壁内での各ブレース61~64は、長手方向Lの位置を揃えられている。すなわち、各ブレース61~64は、長手方向Lに直交する同一断面内に配置される。また、各ブレース61~64の2辺が、閉断面部30に固定されている。より具体的には、ブレース61は、2つの鋼板2,3によって形成された前壁31の内側面と上壁32の内側面と、に固定されている。同様に、ブレース63は、2つの鋼板2,3によって形成された後壁33の内側面と下壁34の内側面と、に固定されている。一方、ブレース62は、同一の鋼板としての第2鋼板3によって形成された上壁32の内側面と後壁33の内側面と、に固定されている。同様に、ブレース64は、同一の鋼板としての第1鋼板2によって形成された前壁31の内側面と下壁34の内側面と、に固定されている。各ブレース61~64と閉断面部30との固定構造は、前述した固定構造と同様である。上記の構成により、長手方向Lに見て、隔壁51B,52B,53Bは、閉断面部30内の空間の一部を塞いでいる。
上記隔壁の第3変形例によると、隔壁51B,52B,53Bは、隔壁51B,52B,53Bが設けられている箇所での長手方向Lと直交する断面において閉断面部30における互いに繋がっている2つの壁同士を繋いでいる。この構成によると、隔壁51B,52B,53Bを軽量化しつつ、閉断面部30の断面形状が崩壊することを、隔壁51B,52B,53Bによってより確実に抑制できる。
また、上記隔壁の第3変形例によると、隔壁51B,52B,53Bは、隔壁51B,52B,53Bが設けられている箇所での長手方向Lと直交する断面において、閉断面部30内の空間の一部を塞いでいない。この構成であれば、隔壁51B,52B,53Bをより軽量化できる。
なお、隔壁の第3変形例において、隔壁51B,52B,53Bは、ブレース61~64の少なくとも一つを含んでいればよい。各隔壁51B,52B,53Bがブレース61~64の一部のみを含むとき、好ましくは、隔壁51B,52B,53Bは、ブレース61,63を含む。これにより、隔壁51B,52B,53Bは、別部材である第1鋼板2および第2鋼板3同士を繋ぐこととなり、隔壁51B,52B,53Bによる補強効果をより高くできる。なお、隔壁51B,52B,53Bのうちの一つまたは二つが省略されてもよく、更に多くの隔壁が設けられてもよい。また、隔壁51B,52B,53Bの少なくとも一つは、直接は繋がっていない前後の壁31B,33B同士を連結してもよいし、直接は繋がっていない上下の壁32B,34B同士を連結してもよい。
<閉断面部の変形例>
<閉断面部の第1変形例>
上述の実施形態では、プレス加工が施された第1鋼板2における湾曲縦壁14の外側面に第2鋼板3が固定されることで閉断面部30が形成されていた。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば第1鋼板における湾曲縦壁の内側面に第2鋼板が固定されていてもよい。図7は、閉断面部の第1変形例を示す図であり、図7(A)は、構造部品1Aの平面図であり、図7(B)は、図7(A)のVIIB-VIIB線に沿う断面図である。図7(A)および図7(B)に示されているように、閉断面部の第1変形例では、第1鋼板2Aと第2鋼板3Aとが互いに固定されることで、構造部品1Aが形成されている。
構造部品1Aは、ベース板11Aと、ベース板11Aの縁部と交差する方向に形成された縦壁としての前縦壁12、横縦壁13および湾曲縦壁14Aと、湾曲縦壁14Aに設けられた閉断面部30Aと、閉断面部30Aに設けられた隔壁51,52,53と、を有する。
ベース板11Aが上述の実施形態のベース板11と異なっている点として、ベース板11Aの湾曲縁部15Aは下方へ向かう凹みを有していない点が挙げられる。長手方向Lと直交する断面において、ベース板11Aと湾曲縦壁14Aとの接続部分がL字状に形成されている。
閉断面部30Aの一部を構成する第2鋼板3Aは、長手方向Lと直交する断面において、L字状に形成されている。第2鋼板3Aは、湾曲縁部15A付近において、第1鋼板2Aのベース板11Aの内側面、および、湾曲縦壁14Aの内側面に固定されている。この固定構造は、前述した固定構造と同様である。上記のように第1鋼板2Aと第2鋼板3Aとが固定されるため、ベース板11Aをベース板11Aの上方から目視したときに、第1鋼板2Aと第2鋼板3Aとの継目が隠れている。
上記の構成により、第1鋼板2Aによって、ベース板11A、縦壁12,13,14A、閉断面部30Aの一部である上壁32A、および、後壁33Aが形成されている。この変形例では、ベース板11Aと、湾曲縦壁14Aと、縦壁12,13を含む第2縦壁22と、によって、下向きに開放された開断面部25Aが形成されている。開断面部25Aは、湾曲縦壁14Aおよび第2縦壁22の下側先端が開口部とされている。また、第2鋼板3Aによって、閉断面部30Aの一部である前壁31Aおよび下壁34Aと、隔壁51,52,53と、が形成されている。ベース板11Aおよび湾曲縦壁14Aが閉断面部30Aの一部を構成している。閉断面部30Aは、長手方向Lに直交する断面において、上下に並ぶ上壁32Aおよび下壁34Aと、上壁32Aおよび下壁34Aが並ぶ方向に直交する方向に並ぶ前壁31Aおよび後壁33Aと、を有している。
この閉断面部30Aに設けられた隔壁51,52,53は、第2鋼板3Aの一部である。隔壁51,52,53は、第2鋼板3Aの素材である鋼板を第1鋼板2A側となる側に向けてプレス加工を施すことで形成される。
なお、閉断面部30Aにおいて、隔壁として、第1鋼板2Aおよび第2鋼板3Aとは別部材によって形成された隔壁51A,52A,53Aが設けられてもよいし、隔壁51B,52B,53Bが設けられてもよい。閉断面部30Aにブレース61~64を含む隔壁51B,52B,53Bが設けられる場合、例えば、ブレース61は、第1鋼板2Aの上壁32Aと第2鋼板3Aの前壁31Aとに固定される。ブレース62は、例えば、第1鋼板2Aの上壁32Aと後壁33Aとに固定される。ブレース63は、例えば、第1鋼板2Aの後壁33Aと第2鋼板3Aの下壁34Aとに固定される。ブレース64は、例えば、第2鋼板3Aの前壁31Aと下壁34Aとに固定される。
<閉断面部の第2変形例>
上述の実施形態および閉断面部の第1変形例では、2枚の鋼板によって閉断面部が形成される形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよく、例えば1枚の鋼板によって構造部品が形成されていてもよい。図8は、閉断面部の第2変形例を示す図であり、図8(A)は、構造部品1Bの平面図であり、図8(B)は、図8(A)のVIIIB-VIIIB線に沿う断面図である。図8(A)および図8(B)に示されているように、閉断面部の第2変形例では、第1の部品としての第1鋼板2Bによって構造部品1Bが形成されている。
第1鋼板2Bは、ベース板11B、前壁31B、下壁34B、後壁33B、及び、上壁32Bを有する。前壁31Bは、ベース板11Bの湾曲縁部15Bから下方に延びる。下壁34Bは、図8(B)に示す断面において、湾曲縦壁14Bの下端から後方に延びる。後壁33Bは、下壁34Bの後端から上方に延びる。上壁32Bは、図8(B)に示す断面において、後壁33Bの上端から前方に延びる。また、上壁32Bの前端は、ベース板11Bの上面に固定されている。この構成により、湾曲縁部15Bの後外側に閉断面部30Bが形成されている。閉断面部30は、長手方向Lに直交する断面において、上下に並ぶ上壁32Bおよび下壁34Bと、上壁32Bおよび下壁34Bが並ぶ方向に直交する方向に並ぶ前壁31Bおよび後壁33Bと、を有している。閉断面部30Bの前壁31Bは、湾曲縦壁14Bでもある。この変形例では、ベース板11Bと、湾曲縦壁(第1縦壁)14Bと、縦壁12,13を含む第2縦壁22と、によって、下向きに開放された開断面部25Bが形成されている。開断面部25Bは、湾曲縦壁14Bおよび第2縦壁22の下側先端が開口部とされている。そして、閉断面部30Bの前壁31B、上壁32B、後壁33B、および、下壁34Bが同一鋼板によって構成されている。この閉断面部の第2変形例では、隔壁51,52,53は、第1鋼板2Bによって形成されている。
なお、閉断面部30Bにおいて、第1鋼板2Bとは別部材によって形成された、隔壁51A,52A,53Aが設けられてもよいし、隔壁51B,52B,53Bが設けられてもよい。閉断面部30Bにブレース61~64を含む隔壁51B,52B,53Bが設けられる場合、例えば、ブレース61は、上壁32Bと前壁31Bとに固定される。ブレース62は、例えば、上壁32Bと後壁33Bとに固定される。ブレース63は、例えば、後壁33Bと下壁34Bとに固定される。ブレース64は、例えば、前壁31Bと下壁34Bとに固定される。
<閉断面部の第3変形例>
上述の実施形態では、第1鋼板2および第2鋼板3を互いに固定することで閉断面部30が形成されていた。また、閉断面部の第2変形例では、構造部品1Bの全体が1枚の鋼板2Bで形成されていた。しかしながら、この通りでなくてもよく、例えば、ベース板と閉断面部とを別々の鋼板で形成しつつ、閉断面部を一つの鋼板で形成してもよい。
図9は、閉断面部の第3変形例を示す図であり、図9(A)は、構造部品1Cの平面図であり、図9(B)は、図9(A)のIXB-IXB線に沿う断面図である。図9(A)および図9(B)に示されているように、閉断面部の第3変形例では、第1鋼板2Cおよび第2鋼板3Cによって構造部品1Cが形成されている。
第1鋼板2Cは、ベース板11Cと、前縦壁12と、横縦壁13と、を有している。第1鋼板2Cは、長手方向Lと直交する断面形状がL字状に形成されており、ベース板11Cの湾曲縁部15Cにおいて途切れた形状となっている。そして、この湾曲縁部15Cの下方に第2鋼板3C(閉断面部30C)が固定されている。第2鋼板3Cは、鋼製のチューブであり、長手方向Lと直交する断面形状が矩形状等の無端環状に形成されている。なお、第2鋼板3Cは、長手方向Lと直交する断面形状が円形状であってもよいし、多角形形状であってもよい。第2鋼板3Cの上面が、第1鋼板2Cの下面(ベース板11Cの裏面11d)に固定されている。第1鋼板2Cと第2鋼板3Cとの固定構造は、前述した固定構造と同様である。本変形例(閉断面部の第3変形例)では、第2鋼板3Cが、閉断面部30Cを形成している。閉断面部30Cは、長手方向Lに直交する断面において、上下に並ぶ上壁32Cおよび下壁34Cと、上壁32Cおよび下壁34Cが並ぶ方向に直交する方向に並ぶ前壁31Cおよび後壁33Cと、を有している。なお、構造部品1Cの湾曲縦壁14Cは、図9(A)および図9(B)に示すように第2鋼板3Cの後壁33Cによって形成されていてもよいし、図示していないが第2鋼板3Cの前壁31Cによって形成されていてもよい。この変形例では、ベース板11Cと、湾曲縦壁14Cと、縦壁12,13を含む第2縦壁22と、によって、下向きに開放された開断面部25Cが形成されている。開断面部25Cは、湾曲縦壁14Cおよび第2縦壁22の下側先端が開口部とされている。
この閉断面部の第3変形例では、隔壁51,52,53は、第2鋼板3Cの素材をプレス加工することによって形成されている。
なお、閉断面部30Cにおいて、第1鋼板2Cおよび第2鋼板3Cとは別部材によって形成された、隔壁51A,52A,53Aが設けられてもよいし、隔壁51B,52B,53Bが設けられてもよい。閉断面部30Cにブレース61~64を含む隔壁51B,52B,53Bが設けられる場合、ブレース61は、例えば、上壁32Cと前壁31Cとに固定される。ブレース62は、例えば、上壁32Cと後壁33Cとに固定される。ブレース63は、例えば、後壁33Cと下壁34Cとに固定される。ブレース64は、例えば、前壁31Cと下壁34Cとに固定される。
<閉断面部の第4変形例>
上述の実施形態、および、閉断面部の第1~第3変形例では、構造部品が自動車サスペンション部品のロアアームである形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、構造部品が自動車サスペンション部品のロアアーム以外の部品として、例えばアッパーアームに適用されてもよい。
図10は、閉断面部の第4変形例を示す図であり、図10(A)は、構造部品1Dの模式的な側面図であり、図10(B)は、図10(A)のXB-XB線に沿う切断端面図である。図10(A)および図10(B)に示されているように、閉断面部の第4変形例では、構造部品1Dは、幅方向Yに細長く形成されており、幅方向Yの中間部で長さ方向Xの一方側(例えば後側)に凸となる湾曲形状を有している。
構造部品1Dは、第1縁部(湾曲縁部)17a、第2縁部17b,表面17cおよび裏面17dを有するベース板17と、高さ方向Zにおけるベース板17の上下縁部を境に表面17cおよび裏面17dの何れか一方側方向(本変形例では、裏面17d側方向)に形成される縦壁としての第1縦壁91および第2縦壁92と、これらの縦壁91,92のうちの例えば第1縦壁91に設けられた閉断面部30Dと、閉断面部30Dに設けられた隔壁51A,52A,53Aと、を有する。
構造部品1Dのベース板17は、構造部品1Dの後端部を形成する部分であり、後方から見て弓なりに湾曲した形状を有している。ベース板17の上端縁部としての第2縁部17bの前方に第2縦壁92が形成されているとともに、ベース板17の下端縁部としての第1縁部17aの前方に、湾曲縦壁としての第1縦壁91が形成されている。第1縦壁91および第2縦壁92は、何れも、後端がベース板17の裏面17dに連続している。そして、第1縦壁91および第2縦壁92の前端は自由端である。そのため、ベース板17と、第1縦壁91と、第2縦壁92と、によって、前向きに開放された開断面部25Dが形成されている。開断面部25Dは、第1縦壁91および第2縦壁92の前側先端が開口部とされている。
幅方向Yにおける第1縦壁91の例えば中間部の内側面に、閉断面部30Dおよび隔壁51A,52A,53Aが設けられている。
構造部品1Dは、前述したように本変形例では、アッパーアームである。この構造部品1Dは、ナックル(図示せず)の上部を自動車車体に接続する。構造部品1Dのうち幅方向Yの一端側の点P4は、ナックルに取り付けられたボールジョイントの設置位置を示している。また、構造部品1Dのうち幅方向Yの他端側の点P5は、メンバ等のボディ部品(図示せず)と接続される位置である。
閉断面部30Dは、本変形例では、引張荷重に対する耐力部として第1縦壁91に設けられている。より具体的には、タイヤからナックルアームを介して点P4へ入力された幅方向Y外側の荷重F2によって、構造部品1Dにおいて点P4を点P5から遠ざける側に変位させるような変形力が構造部品1Dに作用したときに、第1縦壁91は、圧縮荷重を受ける。閉断面部30Dは、この圧縮荷重によって第1縦壁91が面外変形(高さ方向Zへの変形)を生じることを抑制するために、耐力部として機能する。
閉断面部30Dは、ベース板17の第1縁部17aに沿う長手方向Lに沿って形成されている。閉断面部30は、長手方向Lにおける第1縦壁91の一部または全部に形成されている。
閉断面部30Dは、長手方向Lにおける少なくとも一部において長手方向Lに直交する断面が、閉断面(無端環状)に形成されていればよい。本変形例では、第1鋼板2Dによって、ベース板17および縦壁91,92が形成されている。また、長手方向Lと直交する断面において、第1鋼板2DとL字状の第2鋼板3Dとの協働によって、閉断面部30Dおよび隔壁51A,52A,53Aが形成されている。第2鋼板3Dは、第1鋼板2Dに固定されている。第1鋼板2Dと第2鋼板3Dとを固定する固定構造として、前述した固定構造を例示できる。閉断面部30Dにおいて、隔壁51A,52A,53Aは、長手方向Lの一部に配置され閉断面部30Dに連結される。
なお、この第4変形例では、ベース板17が閉断面部30Dの一部を形成している形態を例に説明したけれども、この通りでなくてもよい。例えば、図11(A)および図11(B)に示すように、閉断面部30Dがベース板17から離隔して配置されていてもよい。この場合、第2鋼板3Dは、幅方向Yと直交する断面においてU字状に形成されており、第1縦壁91とともに閉断面部30Dを形成している。図11(A)では、長さ方向Xにおける第1縦壁91の中間部に閉断面部30Dが形成されている。図11(B)では、第1縦壁91の先端(ベース板17から最も離れた端側)に閉断面部30Dが形成されている。
なお、閉断面部30Dにおいて、第1鋼板2Dまたは第2鋼板3Dと一体に形成された隔壁51,52,53が設けられてもよいし、隔壁51B,52B,53Bが設けられてもよい。
<閉断面部の第5変形例>
上述の実施形態、および、閉断面部の第1~第3変形例では、湾曲縦壁に閉断面部が形成される形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよく、直線的に形成されている縦壁に閉断面部が形成されてもよい。また、構造部品が自動車サスペンション部品以外の部品として適用されてもよい。
図12は、閉断面部の第5変形例の主要部を示す模式的な斜視図である。図12に示されているように、閉断面部の第5変形例では、構造部品1Eは、自動車の車体部品の一例としてのキャビン形成部材(骨格部材)としてのサイドシルとして構成されている。構造部品1Eは、長さ方向Xに細長く形成されている。
構造部品1Eは、ハット形部品を上下一対重ね合わせた閉断面構造を有している。より具体的には、構造部品1Eは、第1ハット部品71と、第2ハット部品72と、を有している。
ハット部品71,72は、高さ方向Zに対称な形状を有している。各ハット部品71,72は、第1縁部81a、第1縁部81aに対向する第2縁部81b、表面81cおよび裏面81dを有し略水平なベース板81と、ベース板81の第1縁部81aを境に表面81cおよび裏面81dの何れか一方側方向(本変形例では、裏面81d側方向)に形成される第1縦壁84と、ベース板81の第2縁部81bを境に前記一方側に形成される第2縦壁85と、縦壁84,85に設けられた一対のフランジ86,87と、を含んでいる。
第1ハット部品71の一対のフランジ86,87と、第2ハット部品72の一対のフランジ86,87とが互いに固定されることで、構造部品1Eが形成されている。なお、このフランジ固定構造は、前述した固定構造と同様である。本変形例では、幅方向Yに平行なフランジ86,87が形成されているが、この通りでなくてもよい。例えば、高さ方向Zに平行なフランジ86,87が形成されてもよい。この場合、ベース板11が幅方向Yに2分割され、この2分割された部分同士がフランジ結合される。
そして、2つのハット部品71,72で囲まれた空間内に、閉断面部形成部材73が配置されている。閉断面部形成部材73は、ハット部品71,72とは別部材である。閉断面部形成部材73は、例えば、上下一対設けられており、対応するベース板81と、一対の縦壁84,85のうち車両の幅方向Yの外側の第1縦壁84と、に固定されている。すなわち、閉断面部形成部材73は、ベース板81の第1縁部81aに沿う方向が長手方向Lとなるように第1縦壁84に設けられている。閉断面部形成部材73は、例えば、長さ方向Xに見てL字状に形成されており、当該閉断面部形成部材73が固定されているハット部品71,72と協働して、閉断面部30Eを形成している。
本変形例では、閉断面部30Eは、縁部81a,81bの長手方向である長さ方向Xを長手方向Lとして形成されている。閉断面部30Eは、長手方向Lにおける少なくとも一部において、長手方向Lと直交する断面で閉断面を形成している。閉断面部30Eにおいて、長手方向Lの一部に隔壁51A,52A,53Aが配置されており、これらの隔壁51A,52A,53Aは、閉断面部30Eに連結されている。この変形例では、長手方向Lにおける各閉断面部30Eの両端部及び中央部に、隔壁51A,52A,53Aが形成されている。
なお、閉断面部30Eにおいて、各ハット部品71,72または閉断面部形成部材73と一体に形成された隔壁51,52,53が設けられてもよいし、隔壁51B,52B,53Bが設けられてもよい。
閉断面部の第5変形例の構成によると、構造部品1Eを含む自動車の側面に他の自動車等の物体が衝突する側面衝突が発生したときに、構造部品1Eは、幅方向Yの内側(車幅方向における自動車の中央側)に向かう衝撃荷重を受ける。この衝撃荷重を受けた構造部品1Eは、閉断面部30Eが圧縮荷重を受けるように車両内側へ向けて変形する。よって、閉断面部30Eに作用する圧縮荷重による面外変形を、耐力壁としての隔壁51A,52A,53Aによって抑制しやすくなる。
<ベース板が主閉断面部を形成する変形例>
(実施形態の変形例)
上述の実施形態において、構造部品がサスペンションアームである場合に開断面部25A,25B,25C,25Dが設けられ、これらの開断面部25A,25B,25C,25Dに閉断面部30A,30B,30C,30Dが設けられる形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。
例えば、実施形態の構造部品1の変形例として、図13(A)および図13(B)に示す例を挙げることができる。図13(A)は、実施形態の構造部品1の変形例の斜視図である。図13(B)は、図13(A)のXIIIB-XIIIB線に沿う断面図である。この変形例では、実施形態の構造部品1に、さらに、第2ベース板26が含まれている。第2ベース板26は、例えば、開断面部25の全体を下側から覆う形状に形成された板状部分である。第2ベース板26は、例えば、第1鋼板2と同じ材質で且つ第1鋼板2とは別の部材を用いて形成されている。第2ベース板26の外周縁部は、湾曲縦壁14の下側端部、および、第2縦壁22の下側端部にそれぞれ固定されている。すなわち、第2ベース板26は、下側方向における湾曲縦壁(第1縦壁)14の先端および第2縦壁22の先端同士を連結している。この構成により、ベース板11、湾曲縦壁14、第2縦壁22および第2ベース板26を含む主閉断面部27が形成されている。主閉断面部27は、閉断面部30とは別の閉断面を形成している。なお、第2ベース板26には、凹凸形状が付与されていてもよいし、貫通孔が形成されていてもよい。また、第2ベース板26の外周縁部に切り欠き等を形成することで、湾曲縦壁14の下側端部と部分的に固定されていてもよいし、第2縦壁22の下側端部と部分的に固定されていてもよい。
この変形例によると、閉断面形状である主開断面部27が形成されていることにより、ベース板11、湾曲縦壁14および第2縦壁22における面外変形を抑制しやすくなる。
(閉断面部の第1変形例に関する変形例)
図14(A)は、閉断面部の第1変形例に関する変形例を示す図であり、図7(A)のVIIB-VIIB線に沿う断面図に相当する断面図である。図14(A)に示すように、閉断面部の第1変形例に関する変形例では、構造部品1Aに、さらに、第2ベース板26Aが含まれている。第2ベース板26Aは、例えば、開断面部25Aの全体を下側から覆う形状に形成された板状部分である。第2ベース板26Aは、例えば、第1鋼板2Aと同じ材質で且つ第1鋼板2Aとは別の部材を用いて形成されている。第2ベース板26Aの外周縁部は、湾曲縦壁14Aの下側端部、および、第2縦壁22の下側端部にそれぞれ固定されている。すなわち、第2ベース板26Aは、下側方向における湾曲縦壁(第1縦壁)14Aの先端および第2縦壁22の先端同士を連結している。この構成により、ベース板11A、湾曲縦壁14A、第2縦壁22および第2ベース板26Aを含む主閉断面部27Aが形成されている。主閉断面部27Aは、閉断面部30Aとは別の閉断面を形成している。
(閉断面部の第2変形例に関する変形例)
図14(B)は、閉断面部の第2変形例に関する変形例を示す図であり、図8(A)のVIIIB-VIIIB線に沿う断面図に相当する断面図である。図14(B)に示すように、閉断面部の第2変形例に関する変形例では、構造部品1Bに、さらに、第2ベース板26Bが含まれている。第2ベース板26Bは、例えば、開断面部25Bの全体を下側から覆う形状に形成された板状部分である。第2ベース板26Bは、例えば、第1鋼板2Bと同じ材質で且つ第1鋼板2Bとは別の部材を用いて形成されている。第2ベース板26Bの外周縁部は、湾曲縦壁14Bの下側端部、および、第2縦壁22の下側端部にそれぞれ固定されている。すなわち、第2ベース板26Bは、下側方向における湾曲縦壁(第1縦壁)14Bの先端および第2縦壁22の先端同士を連結している。この構成により、ベース板11B、湾曲縦壁14B、第2縦壁22および第2ベース板26Bを含む主閉断面部27Bが形成されている。主閉断面部27Bは、閉断面部30Bとは別の閉断面を形成している。
(閉断面部の第3変形例に関する変形例)
図15(A)は、閉断面部の第3変形例に関する変形例を示す図であり、図9(A)のIXB-IXB線に沿う断面図に相当する断面図である。図15(A)に示すように、閉断面部の第3変形例に関する変形例では、構造部品1Cに、さらに、第2ベース板26Cが含まれている。第2ベース板26Cは、例えば、開断面部25Cの全体を下側から覆う形状に形成された板状部分である。第2ベース板26Cは、例えば、第1鋼板2Cと同じ材質の別部材を用いて形成されている。第2ベース板26Cの外周縁部は、湾曲縦壁14Cの下側端部、および、第2縦壁22の下側端部にそれぞれ固定されている。すなわち、第2ベース板26Cは、下側方向における湾曲縦壁(第1縦壁)14Cの先端および第2縦壁22の先端同士を連結している。この構成により、ベース板11C、湾曲縦壁14C、第2縦壁22および第2ベース板26Cを含む主閉断面部27Cが形成されている。主閉断面部27Cは、閉断面部30Cとは別の閉断面を形成している。
(閉断面部の第4変形例に関する変形例)
図15(B)は、閉断面部の第4変形例に関する変形例を示す図であり、図10(A)のXB-XB線に沿う端面図に相当する切断端面図である。図15(B)に示すように、閉断面部の第4変形例に関する変形例では、構造部品1Dに、さらに、第2ベース板26Dが含まれている。第2ベース板26Dは、例えば、開断面部25Dの全体を前側から覆う形状に形成された板状部分である。第2ベース板26Dは、例えば、第1鋼板2Dと同じ材質で且つ第1鋼板2Dとは別の部材を用いて形成されている。第2ベース板26Dの外周縁部は、第1縦壁91の前側端部、および、第2縦壁92の前側端部にそれぞれ固定されている。すなわち、第2ベース板26Dは、前側方向における第1縦壁91の先端および第2縦壁92の先端同士を連結している。この構成により、ベース板17、第1縦壁91、第2縦壁92および第2ベース板26Dを含む主閉断面部27Dが形成されている。主閉断面部27Dは、閉断面部30Dとは別の閉断面を形成している。
<その他の変形例>
(1)上述の実施形態および各変形例では、閉断面部内の領域のうち隔壁以外の箇所は空洞である形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。一例として、実施形態の閉断面部30内の空間に、図16に示すように樹脂を充填してもよい。図16は、本発明のさらに他の変形例の主要部を示す模式図であり、実施形態を一例に示している。実施形態の閉断面部30の場合、閉断面部30および隔壁51,52で閉じられた空間内の少なくとも一部(図16では全部)に樹脂90が充填されている。この樹脂として、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)等の構造体用樹脂を例示できる。実施形態以外の変形例においても、閉断面部内の空間の少なくとも一部に樹脂が充填されてもよい。このように、閉断面部30等の閉断面部内の空間に樹脂が充填されることで、構造部品に作用する圧縮荷重または引張荷重に対する断面二次モーメントをより高くできる。
なお、特許文献1として挙げたWO/2019/103152号公報には、[0056]段落および図6において、閉断面部105’の中空部分を中実構造とするために樹脂充填剤130が充填されている旨の記載がある。この中実構造のための樹脂の構成は、本願の隔壁の構成と大きく異なっている。
(2)上述の実施形態および各変形例では、構造部品が鋼板で形成されている形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。構造部品は、鋼、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金等の金属材料、または、ガラス繊維もしくは炭素繊維等の樹脂材料により形成されてもよい。また、当該部材は、金属材料および樹脂材料の複合材料等により形成されてもよい。
(3)また、上述の実施形態および各変形例では、構造部品が自動車に適用される形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。本発明の構造部品は、自動車以外の移動体としての自動二輪車、船舶、航空機等に用いられてもよいし、他の一般的な機械構造の構造部品として用いられてもよいし、建築用構造材に用いられてもよい。
図1~図3に示す実施形態の構造部品1をCAD(Computer Aided Design)ソフトを用いてコンピュータ上で作成した。すなわち、ベース板11と前縦壁12と横縦壁13と湾曲縦壁14と閉断面部30と隔壁51,52と、を有する構造部品1をコンピュータ上で作成した。そして、構造部品1の形状モデルについてCAE(Computer Aided Engineering)解析することで、すなわち、コンピュータシミュレーションを行うことで、比例限強度(変形量と荷重とが比例する荷重の上限)を算出した。比例限強度を算出したときの計算条件は、点P2と点P3とを固定した状態で点P1に長さ方向Xの後方への荷重を負荷するという条件とした。なお、第1鋼板2の厚みは3.6mm、第2鋼板3の厚みは2.0mmとした。また、隔壁51,52が設けられていない点以外は実施例と同じ構成の構造部品を比較例としてコンピュータ上で作成した。比較例についても、比例限強度を算出した。なお、比例限強度は、図17に示す、横軸が変形量で縦軸が荷重であるグラフの★印での荷重に相当する。
結果を図17に示す。図17では、比較例の比例限強度を1としたときに、実施例の比例限強度が1.2となり、隔壁51,52を設けたことによる強度向上効果、すなわち面外変形抑制効果が明確に示された。