JP7518455B2 - 溶銑製造方法 - Google Patents

溶銑製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7518455B2
JP7518455B2 JP2023551517A JP2023551517A JP7518455B2 JP 7518455 B2 JP7518455 B2 JP 7518455B2 JP 2023551517 A JP2023551517 A JP 2023551517A JP 2023551517 A JP2023551517 A JP 2023551517A JP 7518455 B2 JP7518455 B2 JP 7518455B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron
slag
furnace
electric furnace
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2023551517A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2023054345A1 (ja
Inventor
俊哉 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Publication of JPWO2023054345A1 publication Critical patent/JPWO2023054345A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7518455B2 publication Critical patent/JP7518455B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21BMANUFACTURE OF IRON OR STEEL
    • C21B11/00Making pig-iron other than in blast furnaces
    • C21B11/10Making pig-iron other than in blast furnaces in electric furnaces
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21BMANUFACTURE OF IRON OR STEEL
    • C21B13/00Making spongy iron or liquid steel, by direct processes
    • C21B13/0073Selection or treatment of the reducing gases
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21BMANUFACTURE OF IRON OR STEEL
    • C21B13/00Making spongy iron or liquid steel, by direct processes
    • C21B13/14Multi-stage processes processes carried out in different vessels or furnaces
    • C21B13/143Injection of partially reduced ore into a molten bath
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21BMANUFACTURE OF IRON OR STEEL
    • C21B3/00General features in the manufacture of pig-iron
    • C21B3/02General features in the manufacture of pig-iron by applying additives, e.g. fluxing agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C1/00Refining of pig-iron; Cast iron
    • C21C1/02Dephosphorising or desulfurising
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C5/00Manufacture of carbon-steel, e.g. plain mild steel, medium carbon steel or cast steel or stainless steel
    • C21C5/28Manufacture of steel in the converter
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C7/00Treating molten ferrous alloys, e.g. steel, not covered by groups C21C1/00 - C21C5/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C5/00Manufacture of carbon-steel, e.g. plain mild steel, medium carbon steel or cast steel or stainless steel
    • C21C5/52Manufacture of steel in electric furnaces
    • C21C5/5229Manufacture of steel in electric furnaces in a direct current [DC] electric arc furnace
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C5/00Manufacture of carbon-steel, e.g. plain mild steel, medium carbon steel or cast steel or stainless steel
    • C21C5/52Manufacture of steel in electric furnaces
    • C21C5/54Processes yielding slags of special composition
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C7/00Treating molten ferrous alloys, e.g. steel, not covered by groups C21C1/00 - C21C5/00
    • C21C7/04Removing impurities by adding a treating agent
    • C21C7/064Dephosphorising; Desulfurising
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C7/00Treating molten ferrous alloys, e.g. steel, not covered by groups C21C1/00 - C21C5/00
    • C21C7/04Removing impurities by adding a treating agent
    • C21C7/072Treatment with gases
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C7/00Treating molten ferrous alloys, e.g. steel, not covered by groups C21C1/00 - C21C5/00
    • C21C7/04Removing impurities by adding a treating agent
    • C21C7/076Use of slags or fluxes as treating agents

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Furnace Charging Or Discharging (AREA)

Description

本発明は、溶銑製造方法に関する。
本願は、2021年9月30日に、日本に出願された特願2021-161078号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
高炉法で製造される溶銑は、鉄鉱石をコークスで還元して製造するため、CO発生量が多い。CO排出量の削減を図る手段として、電気炉で鉄含有スクラップや還元鉄などの固体鉄源を溶解して溶銑を製造し、その後、既存の転炉を中心とする製鋼工程を利用して溶鋼を製造する方法がある。これまで、それぞれの鉄源を用いて電気炉で溶銑を製造する方法が提案されている(特許文献1~5)。
一方で、転炉で発生するスラグには酸化鉄とリン酸が相当量含まれており、それらを還元及び回収して鉄源やリン製品に転換する方法が提案されている(特許文献6~8)。
特許文献9には、種湯が収容された電気炉内に固体鉄源を装入し、固体鉄源の堆積部の上から溶融状態または高温の固化状態の製鋼スラグを装入し、直流または交流アーク加熱によって固体鉄源を部分溶解した後、溶融プールに還元材として炭材および、成分としてSiOとAlの少なくとも一方を含む成分調整用フラックスを投入して、スラグを還元すると共に溶解した溶鉄に加炭し、溶銑を出銑孔から種湯を残して排出した後、還元スラグを出滓孔から排出することを特徴とするスラグ還元を伴った固体鉄源の溶解方法が開示されている。
特許文献9に記載の方法により、電気炉において、溶融スラグから分離されたリンを含む高リン溶銑が回収されるとともに、製鋼スラグである溶融スラグが還元及び改質されて、高炉スラグ相当の高品質の還元スラグが回収される。この還元スラグは、還元前と比べてFeO及びPの濃度が低いため、セメント原料及びセラミック製品にリサイクルできる。
さらに、上記電気炉から回収された高リン溶銑に対して、取鍋において脱リン処理を施して、溶銑中のリンを酸化させてスラグ中に移行させる。これにより、高リン溶銑が高リン酸スラグと低リン溶銑とに分離される。高リン酸スラグは、リン酸肥料及びリン酸原料として製品化することができる。また、低リン溶銑は、製鋼工程にリサイクルされ、高炉溶銑と混合した上で転炉に投入される。
国際公開WO1999/011826号 日本国特開2011-80143号公報 日本国特開2017-57431号公報 日本国特開2018-193574号公報 国際公開WO2018/110171号 日本国特開2015-140294号公報 国際公開WO2014/003123号 日本国特開2017-128747号公報 日本国特開2021-134386号公報
特許文献1及び特許文献3では還元鉄、特許文献2では鉄含有スクラップ、特許文献4では鉄含有スクラップと鉄含有ダスト、をそれぞれ原料として電気炉に投入し溶銑を得る方法が記載されている。また、特許文献5には溶融スラグを直接装入できる電気炉について記載されている。それぞれ装入方法又は還元方法に違いがあるが、原料事情の変化への対応や、スラグのような副産物のリサイクルを容易にするためには、一つの電気炉に多種多様な原料を供給して、効率よく連続的に溶銑を製造する方法が必要である。そのために、炉蓋には、種々の原料を供給するための十分なスペースが必要である。
特許文献9においては、電気炉で固体鉄源を溶解して製造した溶銑と、高炉で製造した溶銑とを、1対1の割合で製鋼工程に供給し、溶鋼を製造している。製鉄におけるCO発生を大幅に削減するためには、高炉法の使用を中止することが重要である。しかし、特許文献9に記載の方法を用いて高炉溶銑の代替をしようとすると、大きな電気炉容量が求められる。電気炉の電源容量を大きくしようとしても、交流電気炉では電極サイズの製造限界によって電力容量に限界があり、スケールアップが難しい。また、傾動式電気炉では、通電と止電を繰り返すため、生産性が低下する(特許文献9)。
本発明は、高炉の代わりに固定式直流電気炉を用いることで製鉄におけるCO発生を大幅に削減し、効率よく連続的に溶銑を製造することを可能とする溶銑製造方法を提供することを課題とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)本発明の一態様は、固定式直流電気炉を用いた溶銑製造方法であって、炉内で、スラグ浴面と、炉蓋より挿入された上部電極の下端との間の高さ位置における、前記上部電極の外周からの水平方向離間距離が、前記上部電極の直径の0.5倍以内である空間を上部電極対向空間と定義し、前記炉内で、前記スラグ浴面の高さ位置よりも上の高さ位置における、炉壁の内壁面からの水平方向離間距離が、前記炉壁と前記上部電極対向空間との最短距離以内である空間を炉内周壁空間と定義したとき、前記炉内周壁空間に固体鉄源が存在する状態で、且つ、前記上部電極対向空間に前記固体鉄源が存在しない状態で、副原料を前記固定式直流電気炉に供給し、質量%で、C濃度が2~4%、温度が1400℃~1550℃である溶銑を出銑孔から出銑する。
(2)上記(1)に記載の溶銑製造方法では、前記炉内周壁空間における前記固体鉄源の頂部が、前記上部電極の下端よりも高い位置に存在してもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の溶銑製造方法では、前記炉内周壁空間の全周に沿って前記固体鉄源が存在してもよい。
(4)上記(1)~(3)のいずれか一項に記載の溶銑製造方法では、前記固定式直流電気炉は、二本以上の前記上部電極と、前記固定式直流電気炉の底部の耐火物内に設けられた二本以上の下部電極と、を有し、前記固定式直流電気炉を平面視したとき、前記二本以上の下部電極は、前記二本以上の上部電極に対応する位置に設けられてもよい。
(5)上記(1)~(4)のいずれか一項に記載の溶銑製造方法では、前記固体鉄源を供給するための供給口又は固体鉄源供給管が前記炉内周壁空間の上に配置されてもよい。
(6)上記(5)に記載の溶銑製造方法では、前記固体鉄源を供給するための供給口が前記炉内周壁空間の上に配置され、前記供給口から、前記固体鉄源を積載した固体鉄源装入器具を用いて、前記固体鉄源を供給してもよい。
(7)上記(1)~(6)のいずれか一項に記載の溶銑製造方法では、前記固体鉄源が、鉄含有スクラップ、還元鉄、及び、鉄含有ダスト、の少なくとも一種であってもよい。
(8)上記(1)~(7)のいずれか一項に記載の溶銑製造方法では、前記固体鉄源が少なくとも還元鉄を含み、前記還元鉄は、水素ガス、天然ガス、及び、COガスの少なくとも一種を用いて鉄鉱石を還元することによりC濃度が0~4質量%とされた還元鉄であり、前記還元鉄は、DRI又はHBIであってもよい。
(9)上記(1)~(8)のいずれか一項に記載の溶銑製造方法では、前記副原料が、炭材及び成分調整用フラックスの少なくとも一種であってもよい。
(10)上記(9)に記載の溶銑製造方法では、前記副原料が、粒径0.5mm~10mmの炭材であり、前記炭材を、前記上部電極の周辺の複数個所から前記上部電極対向空間に形成された前記スラグ浴面に供給してもよい。
(11)上記(1)~(10)のいずれか一項に記載の溶銑製造方法では、製鋼スラグを前記固定式直流電気炉に供給してもよい。
(12)上記(11)に記載の溶銑製造方法では、前記製鋼スラグとして、転炉スラグ、溶銑脱硫スラグ、二次精錬スラグ、及び、脱リンスラグ、の少なくとも一種のスラグを用い、前記製鋼スラグを、溶融状態で、前記炉内周壁空間に存在する前記固体鉄源に供給してもよい。
(13)上記(1)~(12)のいずれか一項に記載の溶銑製造方法では、前記固定式直流電気炉の底部における、前記上部電極の直下から1m以上の水平距離で離れた位置に、流量可変型の小径円または扁平なガス流路を有する一本または複数の底吹羽口を設け、前記一本または複数の底吹羽口から、一本あたり最大で200Nm/hの不活性ガスを前記固定式直流電気炉の内部に吹き込んでもよい。
(14)上記(1)~(13)のいずれか一項に記載の溶銑製造方法では、質量%で、T.Fe濃度が5%以下、CaO/SiO濃度比が1.0~1.3、Al濃度が8~20%である電気炉スラグを出滓孔から排出してもよい。
(15)上記(1)~(14)のいずれか一項に記載の溶銑製造方法では、前記溶銑のP濃度が0.15%より高い場合に、前記溶銑のP濃度が0.15%以下になるまで取鍋脱リン精錬による脱リン処理を施してもよい。
本発明によれば、高炉の代わりに固定式直流電気炉を用いることで製鉄におけるCO発生を大幅に削減し、効率よく連続的に溶銑を製造することが可能となる。
製銑製鋼工程の全体フローを示す図であり、(A)は従来例、(B)は本発明例である。 固定式直流電気炉の一例を示す図であり、(A)はA-A矢視正面断面図であり、(B)はB-B矢視側面断面図であり、(C)はC-C矢視側面断面図である。 取鍋脱リンの一例を示す図である。 本実施形態に係る溶銑製造方法のフロー図である。 シュートを用いて鉄含有スクラップを装入する状況を示す概略図である。
図1~図5を用いて本発明の実施形態に係る溶銑製造方法について説明する。
1.電気炉10
本実施形態に係る溶銑製造方法で用いる固定式直流電気炉10(以下、電気炉10)の一例について以下説明する。
図2に示すように、電気炉10は、下部11と、炉壁12と、炉蓋13と、上部電極14と、下部電極15により構成される。
電気炉10の下部11は、底部11aと壁部11bとにより構成される。
底部11aには、電気炉10の内部にガスを吹き込むための底吹羽口11a1が設けられている。
壁部11bには、溶銑210を出銑する出銑孔11b1と電気炉スラグ220を排出する出滓孔11b2とが設けられている。
炉壁12は、電気炉10の下部11の壁部11bの上端に取り付けられている。
炉蓋13には、固体鉄源供給管13a、副原料供給管13b、供給口13c、及び、ダクト連結口13dが設けられている。
また、炉蓋13は、炉壁12の上端から上方に向かうに連れて電気炉10の内部側に傾斜するように延在する傾斜部分13Aと、傾斜部分13Aの上端に連なり水平方向に延在する水平部分13Bとにより構成されている。
固体鉄源供給管13aと副原料供給管13bは、炉蓋13の水平部分13Bを貫通するように設けられる。
供給口13cとダクト連結口13dは、炉蓋13の傾斜部分13Aを貫通するように設けられる。
供給口13cには、その開口部と開閉するための蓋13c1が設けられ、ダクト連結口13dには電気炉10の内部のガスを吸引するためのダクト17が連結される。
尚、炉蓋13の形状は一例に過ぎず、例えば、供給口13cは、水平部分13Bに設けられてもよい。
上部電極14は、電気炉10の炉蓋13を貫通するように挿入される。下部電極15は、電気炉10の底部11aの耐火物内に設けられる。
ここで、電気炉10の内部でスラグ浴面221と上部電極14の下端との間の高さ位置における、上部電極14の外周からの水平方向離間距離(径方向離間距離)が、上部電極14の直径の0.5倍以内である空間を上部電極対向空間αと定義する。
また、電気炉10の内部でスラグ浴面の高さ位置よりも上の高さ位置における、炉壁12の内壁面からの水平方向離間距離が、「炉壁12と上部電極対向空間αとの最短距離」以内である空間を炉内周壁空間βと定義する。
また、図2において、(A)はA-A矢視正面断面図、(B)はB-B矢視側面断面図、(C)はC-C矢視側面断面図である。
本実施形態に係る溶銑製造方法では、炉内周壁空間βに主原料として用いられる固体鉄源100が存在する状態(すなわち、炉壁12に沿って固体鉄源100を山積みした状態)で、且つ、上部電極対向空間αに固体鉄源100が存在しない状態(すなわち、スラグ浴面221を露出させた状態)で、副原料として用いられる炭材121及び成分調整用フラックス123の少なくとも一種を電気炉10に供給する。
固体鉄源100を山積みできるのは、電気炉10が固定式で、かつ連続操業で完全溶落ちを必要としない溶銑製造炉であるためである。溶鋼製造炉の場合はバッチ操業となり、全量溶解して傾動出鋼するので、常時、原料山積み操業はできない。
また、底吹羽口11a1から吹き込むガスにより溶鉄内に循環流を起こすことによって、固体鉄源100の表面近傍の伝熱や加炭及び溶解促進を図ることができる。
さらに、電気炉10は、直流電気炉を採用することで電極数を減らし、炉蓋13に固体鉄源供給管13a、副原料供給管13b、供給口13cを配置するための有効スペースを確保することにより、一つの電気炉10に多種多様な原料を供給することが可能となる。
交流電気炉では電極サイズの製造限界によって電力容量に限界があり、スケールアップが難しいが、本実施形態によれば直流電気炉を用いるのでそのような制約がない。
また、傾動式電気炉では通電と止電を繰り返すため、生産性が低下するが、本実施形態で用いる電気炉10は固定式であって、溶銑210を出銑する出銑孔11b1と電気炉スラグ220を排出する出滓孔11b2を用いるので、効率よく連続的に溶銑210を製造することが可能になる。
電気炉10は、二本以上の上部電極14と、二本以上の下部電極15(炉底耐火物電極)とを有することが好ましい。また、電気炉10を平面視したとき、二本以上の下部電極15は、二本以上の上部電極14に対応する位置に設けられていることが好ましい。
また、電気炉10は、空気侵入を実質的に遮断可能に構成された密閉型の電気炉で、炉床からの高さの異なる出銑孔11b1と出滓孔11b2を具備することが好ましい。
本実施形態に係る溶銑製造方法で適用する電気炉10として固定式直流電気炉を用いることから、上部電極14の電極数は最低で一本から可能である。それに対して、二本以上の上部電極14と各上部電極14に対応した下部電極15(炉底耐火物電極)を具備することにより、直流電気炉の上部電極14を複数本配置し、それに合わせて炉形状及びサイズを決定することにより、電源容量の増加を容易にすることができ、高炉55を代替する規模の溶銑製造型の電気炉が可能となる。
また、炉体の開口部を実質的になくし、空気侵入を抑制することによって、炉内のスラグ浴面221に滞留する炭材121の酸化ロスを低減し、加炭効率を向上させることができる。例えば、30インチの直流型の上部電極14を三本、直線状に配置し、炉形状を直方体に近い形状とすることによって、電源容量200MWの規模を実現し、大型高炉の2分の1の規模に当たる200万t/yの出銑能力を持たせることができる。
2.固体鉄源100の供給
電気炉10には、固体鉄源100として、鉄含有スクラップ101、還元鉄103a、及び、鉄含有ダスト103bの三つの原料のうちの少なくとも一種を供給する(図4のステップS1参照)。すなわち、固体鉄源100として、鉄含有スクラップ101のみ、還元鉄103aのみ、又は、鉄含有ダスト103bのみを用いてもよく、また、固体鉄源100として、鉄含有スクラップ101、還元鉄103a、及び、鉄含有ダスト103bの内の二種又は全てを混合して用いてもよい。固体鉄源100は、固体鉄源供給管13a又は供給口13cから供給される。
固体鉄源供給管13aからは、主に、個々のサイズが比較的小さい固体鉄源100(例えば柱状の場合、最大長が100mm以下の固体鉄源100)である鉄含有スクラップ101(例えば、小型ポンチ屑)、還元鉄103a及び鉄含有ダスト103bを電気炉10に供給する。還元鉄103aとしては、DRI(Direct Reduced Iron)及びHBI(Hot Briquetted Iron)などを用いることができる。DRIは、高温DRI及び低温DRIを含む。HBIは、高温でブリケット化した還元鉄である。
鉄含有ダスト103bとしては、転炉ダストを用いることができる。
一方、供給口13cからは、主に、個々のサイズが比較的大きく、固体鉄源供給管から安定的に供給し難い固体鉄源100(例えば柱状の場合、最大長が100mm超の固体鉄源100)である鉄含有スクラップ101(例えば、ヘビー屑)を電気炉10に供給する。
例えば、図5に示すように、炉内周壁空間βの上に配置された供給口13cから鉄含有スクラップ101(固体鉄源100)を積載した固体鉄源装入器具18(例えば、シュートやバケット)を用いて供給することで、炉壁12に沿って山積みすることが好ましい。
例えば、個々のサイズが比較的大きい鉄含有スクラップ101は、下記の手順で電気炉10に供給することができる。
(1)固体鉄源装入器具18に鉄含有スクラップ101を積載する。
(2)そして、供給口13cの蓋13c1を開いて、スラグ浴面221を維持したまま、電気炉10の炉内周壁空間βに固体鉄源装入器具18を介して鉄含有スクラップ101を供給する。
尚、個々のサイズが比較的大きい鉄含有スクラップ101に限らず、個々のサイズが比較的小さい還元鉄103a及び鉄含有ダスト103b等の固体鉄源100についても、上記の手順で電気炉10に供給口13cから供給することができる。一方、鉄含有スクラップ101も固体鉄源供給管13aから投入可能なサイズであれば、固体鉄源供給管13aから投入してもよい。
また、鉄含有ダスト103bの供給方法として、
(1)造粒して固体鉄源供給管13aから供給すること、
(2)大塊の脱水ケーキのまま鉄含有スクラップ101と一緒に供給口13cから供給すること、または、
(3)酸化鉄粉体として、炭材粉と共に副原料供給管13bからスラグ浴面221に供給すること、
も可能である。
固体鉄源供給管13aは、供給する固体鉄源100が炉壁12に沿って山積みされるように配置される。このため、固体鉄源供給管13aは、炉内周壁空間βの上に配置されていることが好ましい。
供給口13cも同様に、供給する固体鉄源100が炉壁12に沿って山積みされるように配置される。このため、供給口13cは、炉内周壁空間βの上方に配置されていることが好ましい。
供給された固体鉄源100は、固体鉄源供給管13a及び供給口13cからの供給後においていずれも炉壁12に沿って山積み(すなわち、炉内周壁空間βに存在するように配置)される。
一方、電気炉10の上部電極対向空間αには固体鉄源100が存在しない、すなわち、電気炉スラグ220のスラグ浴面221が露出している。このような、固体鉄源100が存在しない上部電極対向空間αのスラグ浴面221は、上部電極14と、下部電極15との間の領域に形成される。
以上のように、電気炉10の炉内周壁空間βに存在するように供給した固体鉄源100は、炉壁12に沿って山積みした状態で配置される。それによって山積みされた固体鉄源100の上部はアークおよびスラグ浴面221の輻射熱によって予熱され、スラグ浴面221の下部に浸漬した固体鉄源100は溶解が進む。また、固体鉄源100が炉壁12に沿って山積みされるため、それが炉壁12の耐火物を保護し、炉壁12からの抜熱ロスを軽減して熱効率向上に寄与する。この効果をより好適に得るためには、電気炉10の炉内周壁空間βに存在するように供給した固体鉄源100の頂部は、上部電極14の下端よりも高い位置に存在することが好ましい。更には、上部電極対向空間αは、炉壁12に沿って山積みした状態の固体鉄源100によって全周が囲まれた領域に形成されていることが好ましい。
また、炉壁12の保護および炉壁12からの熱ロス低減の効果をより好適に得るためには、供給した固体鉄源100は、炉壁12の全周に沿って山積みされていることが好ましい。すなわち、炉内周壁空間βの全周に沿って固体鉄源100が存在することが好ましい。
本実施形態で電気炉10に供給する還元鉄103aは、水素ガス、天然ガス、及び、COガスの少なくとも一種を用いて鉄鉱石を還元することによりC濃度が0~4質量%とされたDRI又はHBIであることが好ましい。化石燃料由来の炭素による還元の比率を抑え、CO排出量削減に寄与するためである。還元鉄103aのC濃度は更に好ましくは2~4質量%である。電気炉内で炭材121を供給する場合は加炭効率が低いが、C濃度が2~4質量%の還元鉄を用いることにより、加炭処理を軽減できるためである。
尚、木炭などの炭材を内装したペレットから製造した還元鉄を還元鉄103aとして用いてもよい。
3.製鋼スラグ140の供給
電気炉10には、製鋼スラグ140を供給することができる(図4のステップS2参照)。
本実施形態に係る溶銑製造方法において、製鋼スラグ140とは、製鋼設備51あるいは取鍋脱リン精錬設備57で生成されるスラグの総称である。製鋼スラグ140として、製鋼設備51で生成される溶銑脱硫スラグ、製鋼設備51で生成される転炉スラグ、製鋼設備51で生成される二次精錬スラグ、および、取鍋脱リン精錬設備57で生成される脱リンスラグ320、の少なくとも一種のスラグを用いることができる。また、高温の溶融状態にある製鋼スラグ140を溶融スラグと称する。
製鋼スラグ140は低温の固化状態でも供給可能であるが、熱の有効利用の観点から高温の溶融状態で電気炉10の炉内周壁空間βに存在する固体鉄源100に供給することが望ましい。酸化度の高い溶融スラグをそのまま、露出したスラグ浴面221に供給すると、酸化度の高い溶融スラグ(電気炉スラグ220)と溶銑210との混合による直接反応が起き、突沸状態となって激しいスラグフォーミングを引き起こす。それを防ぐためには、山積み状に配置された鉄含有スクラップ101、還元鉄103a、及び、鉄含有ダスト103bの少なくとも一種の上部に溶融スラグを供給することが好ましい。それによって、供給した溶融スラグと溶銑210との直接反応を回避し、突沸を防止することができる。
図2に示す例では、電気炉10の炉蓋13(傾斜部分13A又は水平部分13B)に設けた供給口13cからまず鉄含有スクラップ101を供給して電気炉10の炉壁12に沿って鉄含有スクラップ101を山積みし、次に、同じ供給口13cから溶融状態の製鋼スラグ140を供給する。製鋼スラグ140は山積みされた鉄含有スクラップ101の上に注ぎ込まれる。
また、供給する製鋼スラグ140が固化状態の場合は、供給口13c及び固体鉄源供給管13a、副原料供給管13bのいずれか一つ以上から供給してもよい。
製鋼スラグ140のうち、転炉スラグや脱リンスラグ320は成分としてPを含有しており、また、高リン還元鉄も成分としてP及びPを含有している。これらを電気炉10に供給して、電気炉10で還元することで、リンが溶銑210に移行し、高リン溶銑が製造されることで、リンを回収することができる。
また、製鋼スラグ140のうち、溶銑脱硫スラグ及び二次精錬スラグに含まれるCaOとAlは電気炉スラグ220の成分調整に利用できる。
このように製鋼設備51で発生する製鋼スラグ140はすべて電気炉10に供給することが可能である。
結果として生成した電気炉スラグ220は、高炉スラグ42と同等の組成に調整することで、高炉セメント等の原料として利用することができる。
上記のように高リン還元鉄を用いるということは、高リン還元鉄を製造する際に高リン鉄鉱石を原料として用いることになる。従って、P濃度の高い低品位鉄鉱石の使用可能範囲が拡大する。
尚、高リン還元鉄とは、高リン鉄鉱石を原料として還元した還元鉄(DRIやHBIなど)であり、P濃度が0.15質量%以上のものを意味している。
電気炉10には、炉壁12に沿って固体鉄源100を山積みした状態で、且つ、上部電極対向空間αにスラグ浴面221を露出させた状態で、炭材121、及び、成分調整用フラックス123が供給される(図4のステップS3とステップS4参照)。
4.炭材121の供給
炭材121は、酸化物(製鋼スラグ140、鉄含有ダスト103bの中の酸化鉄、還元鉄103aの中の未還元酸化鉄など)の還元材及び加炭材として用いられる。炭材121には、コークス、石炭、木炭などを用いることができる。
炭材121の粒径は0.5mm~10mmであることが好ましい。炭材121が、粒径0.5mm~10mmであれば微粉ではないため飛散ロスが少なく、また小粒径のため反応速度が速い。ここで、粒径とは、粒子が通過できる篩の網目で定義し、粒径が10mm以下とは、10mmの篩を通過できるものとする。また、供給する炭材121の80質量%以上の粒径が0.5mm~10mmであればよい。
炭材121を添加することにより、酸化物の還元反応を進行させ、また、溶鉄に加炭して溶鉄のC濃度を上昇させる。
そして、C濃度が2~4質量%以上、温度が1400℃~1550℃である溶銑210とし、出銑孔11b1から出銑する。これにより、溶銑をそのまま、あるいは溶銑の脱リン処理を行った上で、単独で製鋼工程に供給することができる。
電気炉10で溶鉄に加炭して溶銑210を製造する場合、溶鉄に炭材121を上方からスラグ浴面221に供給しただけでは、比重差からスラグ浴面221に浮遊してしまい、溶鉄に到達できない場合がある。
本実施形態では、電気炉10として直流電気炉を用いる。直流電気炉においては、電極直下のスラグや溶鉄中に下向きの強い流れを起こし、それによって炭材121を下方の溶鉄に送り込み、炭材121の溶解を促進することができる。
また、本実施形態では、炭材121を電気炉10の上部電極14の周辺の複数個所から、上部電極対向空間αに形成されたスラグ浴面221に供給することが好ましい。このように炭材121を供給することにより、炉内スラグ(電気炉10の内部のスラグ)を還元すると同時に、当該スラグの循環流動により浮遊する炭材粉を速やかに溶鉄に運搬、溶解させ、溶鉄のC濃度が2%以上となるよう加炭することができる。
さらに、直流電気炉を用いることによって、電磁力により上部電極14の直下のスラグ及び溶鉄に下方へ向かう流れが形成され、スラグ浴に供給した炭材粉を下方の溶鉄に運搬しやすくなる。炭材供給位置に関し、上部電極14の周辺とは、上部電極14からの水平距離が1m以内が好ましい。複数個所とは、電極一本あたり二個所以上が好ましい。
加えて、電気炉10の底部11aにおける、上部電極14の直下から、1m以上の水平距離で離れた位置に、流量可変型の小径円または扁平なガス流路を有する一本または複数の底吹羽口11a1を設け、一本あたり最大で200Nm/hの不活性ガスを電気炉10の内部に吹き込む底吹羽口11a1を具備することが好ましい。電極直下から1m以上離れた場所にガスを吹き込むことにより、溶鉄とスラグの流動を促進し、中央部電極直下における下向きの強い流れを加速し、それによって炭材121を下方の溶鉄に送り込み、炭材121の溶解を促進することができる。なお、電気炉10の底部11aにおいて底吹羽口11a1が設けられる位置に関し、上部電極14の直下からの離間距離の上限値は例えば5m、又は3mであればよい。
底吹流量の上限を200Nm/h以下に限定する理由は、底吹羽口11a1の溶損速度を抑え、羽口交換の頻度を低減するためである。底吹きガスとしては、電気炉内を還元雰囲気に維持でき、かつ安価な窒素ガスを用いることが好ましい。
また、スラグ浴面221に浮遊する炭材121は電気炉10の内部に侵入する空気によって容易に燃焼するので、これを防ぐためにできるだけ電気炉10を密閉型にすることが有効である。炉体の開口部をなくし、空気侵入を防ぐことによって、炉内のスラグ浴面221に滞留する炭材121の酸化ロスを低減し、加炭効率を向上させることができる。
5.成分調整用フラックス123の供給
成分調整用フラックス123は、成分組成としてCaO、SiO、Alの少なくとも一種を含むフラックスである。
製鋼スラグ140や固体鉄源100に含有される酸化物の溶解、還元を速やかに進行させ、電気炉スラグ220を出滓孔11b2から円滑に排出するために、スラグ成分を調整し、融点と粘性を低下させて反応性と流動性を確保する必要がある。そこで、本実施形態では、電気炉10の内部には、成分組成としてCaO、SiO、Alの少なくとも一種を含む成分調整用フラックス123を投入する。炭材121及び成分調整用フラックス123を添加後の電気炉スラグ成分として、質量%で、
・T.Fe濃度:5%以下、
・CaO/SiO濃度比:1.0~1.3、
・Al濃度:8~20%
の範囲とすることが好ましい。
尚、製鋼スラグ140を供給しない場合であっても、成分調整用フラックス123は供給する。
成分調整用フラックス123の中のCaO濃度、SiO濃度、Al濃度、成分調整用フラックス123の添加量の好適範囲については、供給する製鋼スラグ140及び固体鉄源100に含まれる酸化物の成分によっても変動する。製鋼スラグ140や固体鉄源100に含まれる酸化物の成分と成分調整用フラックス123が混合した後において、電気炉スラグの成分が上記好適な範囲となれば良い。例えば、
・CaO濃度95質量%の生石灰、
・SiO濃度99質量%の珪砂、
・Al濃度83質量%のレンガ屑、および
・SiO濃度59質量%、Al濃度23質量%のフライアッシュ
を適切に配合することにより、スラグ組成を最適範囲に調整し、スラグ溶解を好適に促進させることができる。成分調整用フラックス123としては、生石灰、珪砂、レンガ屑、フライアッシュの他に、下水汚泥灰、アルミドロス、等を用いることができる。また、製鋼スラグ自体を成分調整用フラックスとして用いることもできる。
図2に示す例では、副原料供給管13bから露出したスラグ浴面221に向けて、炭材121と成分調整用フラックス123を供給している。
電気炉10の内部で製造された溶銑210は出銑孔11b1から出銑する。また、電気炉スラグ220は出滓孔11b2から排出する。製鋼スラグ140や固体鉄源100に含有される酸化物が還元及び改質されて、高炉スラグ42相当の高品質の還元スラグが電気炉スラグ220として回収される。この電気炉スラグ220は、還元前と比べてFeO、P等の濃度が低いため、例えば、セメント原料又はセラミック製品として利用できる。また、低膨張性となるため、路盤材、骨材、及び、石材のような土木用材料として使用できる。
6.取鍋脱リン精錬
製鋼スラグや高リン還元鉄を用いた場合、電気炉10から出銑した溶銑210は、P濃度の高い高リン溶銑である。この溶銑210のP濃度が0.15%より高い場合、溶銑210を取鍋24に収容し(図3参照)、P濃度が0.15%以下となるまで取鍋脱リン精錬による脱リン処理を施して脱リン処理後溶銑310と脱リンスラグ320を製造する(図4のステップS5)。
図1の(B)に示すように、脱リン処理後溶銑310は溶銑脱硫設備52、転炉53、および二次精錬設備54からなる製鋼設備51に送って溶鋼を製造する(図4のステップS6A参照)。
P濃度の高い溶銑210を、電気炉10から排出後、取鍋24で普通溶銑のP濃度レベル以下まで脱リンすることで、次工程の転炉53での脱リン負荷軽減を図ると同時に、P濃度の高い高リン酸スラグ321を得ることができる。高リン酸スラグ321はリン酸肥料やリン酸製品原料とすることができる。
なお、取鍋脱リン精錬で得られた脱リンスラグ320のP濃度が目標値よりも低い場合には、再度、電気炉10に供給して溶銑210のP濃度を高め、再度取鍋脱リン精錬することで脱リンスラグ320のP濃度をさらに高めることができる。P濃度が十分に高い場合は、リン酸肥料またはリン酸原料として利用できる。即ち、上記取鍋脱リン精錬で形成された脱リンスラグ320は、P濃度に応じて電気炉10へリサイクルするか、高リン酸スラグ321としてリン酸肥料またはリン酸原料として利用する(図4のステップS6B参照)。
上記の方法を用いることによって、P濃度の高い低品位鉄鉱石の使用可能範囲が拡大し、また、製鋼設備51で発生するスラグはすべて、より付加価値の高い高炉スラグ相当のスラグに転換できる。さらに、有価な鉄及びリンは回収し、鉄源およびリン酸肥料等の製品にすることができる。
脱リンスラグ320のP濃度が8%未満の場合は電気炉10にリサイクルし、脱リンスラグ320のP濃度が8%以上の場合はP、CaO、SiO、およびMgOを含むリン酸肥料かまたはリン酸原料とすると好ましい。P濃度に関し、8%を境界にしているのは、それ以下ではリン酸肥料としての肥料効果が著しく低下するからである。もちろん、リン酸原料としては、Pが高いほど効率よく製品化することができる。
取鍋脱リン精錬で行う脱リン処理方法として、図3に示すように、ランス21からの酸素上吹きと酸化鉄および石灰系脱リン剤の上方添加を行い、撹拌ガス吹き込み用に鍋底ポーラスプラグ23または浸漬ランス25から0.5~5NL/t/minのガスを吹き込むと好ましい。ランス21からの酸素上吹きと酸化鉄供給により、脱リン酸化精錬を行う。
取鍋脱リン精錬設備57において、P濃度を0.1%前後まで下げる脱リンであればスラグの塩基度は2以下で、肥料効果を阻害するF(フッ素)を含むホタル石を使わずに脱リンが可能である。
よりP濃度を下げるために高塩基度(例えば、塩基度2.5以上)のスラグを必要とする場合、望ましくは石灰系脱リン剤の一部を燃料バーナー22で投射し、石灰系脱リン剤の粉末を燃料バーナー22の燃焼炎中を通過させることによって溶融する。また、鍋底ポーラスプラグ23または浸漬ランス25から0.5~5NL/t/minの撹拌ガスを吹き込むことにより、溶銑210が撹拌され、脱リン反応効率の向上、燃料バーナー22の熱効率の向上、スラグ中のT.Fe濃度レベルの制御を容易に行うことが可能となる。窒素ガス吹き込み速度を5NL/t/min以下の好適範囲とすることにより、スラグ中のT.Fe濃度を好適範囲とすることができる。また、窒素ガス吹き込み速度を0.5NL/t/min以上の適正流量とすることにより、スラグ浴の表面更新をガス撹拌で促進し、燃料バーナー22の熱効率を向上させることができる。
図1には、本願の溶銑製造工程の概略図(図1(B))を、従来例(図1(A))と対比して示す。また溶銑製造型の電気炉の模式図を図2に、脱リン処理装置の概略図を図3に示す。
本実施例では、鉄含有スクラップ101、還元鉄103a、鉄含有ダスト103b、溶融した製鋼スラグ140、炭材121、及び成分調整用フラックス123を、それぞれの方法で電気炉10に供給し、
・炭材121からの炭素源により溶解還元して溶銑210と還元した電気炉スラグ220を製造する密閉型の固定式直流電気炉と、
・得られた溶銑210(高リン溶銑)を脱リンすることによって、転炉53にリサイクル可能な脱リン処理後溶銑310(普通溶銑)とリン酸肥料または取鍋リン酸原料となる高リン酸スラグ321とを製造する取鍋脱リン精錬設備57と、
を用いる溶銑及び溶鋼の製造工程を用いている。
以下、具体的に実施例を記す。
電気炉10として電源容量最大200MW、上部電極14を三本、下部電極15(炉底耐火物電極)として上部電極14の直下に導電性耐火物電極を備えて非導電性耐火物で分離し、高さ位置(レベル)の異なる出銑孔11b1と出滓孔11b2を二個ずつ有する固定式直流電気炉を用いた。電気炉10の諸元を表1に示す。
Figure 0007518455000001
還元鉄103a及び鉄含有ダスト103bは、炉蓋13における炉壁12の近傍に設けた12本の固体鉄源供給管13aを選択的に用いて供給した。鉄含有スクラップ101は炉蓋13に設けた二つの供給口13cのそれぞれの蓋13c1を開口してシュートで供給し、いずれも電気炉10の炉壁12に沿って山積みされるように供給した(図2参照)。一方、還元材かつ加炭材となる炭材粉、およびフライアッシュ、珪砂、レンガ屑といった成分調整用フラックス123は上部電極14の近傍の炉蓋13に設けた6か所の副原料供給管13bから炉内のスラグ浴面221の露出面に、鉄含有スクラップ101を供給する供給口13cの蓋13c1が開いている時を除き連続的に供給した。
また、鉄およびリンの回収と電気炉スラグ220の成分調整を目的として、転炉53から排出されたスラグ(製鋼スラグ140)をスラグ鍋16に収容し、電気炉10に供給口13cから溶融状態で供給した(図2参照)。具体的には、溶融スラグと溶銑210との直接反応を回避し、突沸を防止するために、山積み状に配置された還元鉄103aまたは鉄含有スクラップ101に向けて、供給口13cから供給した。
電気炉10は連続操業で、炉内には常時300tの溶銑210が種湯として存在し、40分おきに300tの溶銑210を出銑孔11b1から排出し、またスラグは出滓孔11b2より上部にある電気炉スラグ220を排出する形態をとり、一部はそのまま水砕処理を行ってセメント原料とした。
また、溶銑210と随伴して出銑孔11b1から排出されるスラグは、スキンマーで分離して徐冷処理を行い、ケイカル肥料や土木用材料とした。出銑と出滓の際、上部電極14によるアーク照射は継続して実施した。
電気炉10の底部11aには、炭材121の溶鉄への溶解と、固体鉄源100の溶解を促進する目的で、下部電極15(炉底耐火物電極)の位置の外側(上部電極14の直下から3m離れた位置)に底吹羽口11a1を合計八か所に設け、ガス吹き込みを行った。
電気炉10から排出された溶銑210は、容量300tの取鍋24で受銑し、取鍋脱リン精錬設備57での処理を行った(図3参照)。取鍋脱リン装置20の諸元を表2に示す。取鍋脱リン装置20には、
・石灰系脱リン剤と酸化鉄を上方添加する装置、
・酸素上吹き用のランス21、
・粉体を投射できる燃料バーナー22(LPGバーナーランス)、および
・鍋底ポーラスプラグ23(底吹ポーラス羽口)
が備わっている。
表4に示すCase1とCase3では石灰系脱リン剤供給と酸素上吹きを行い、酸化鉄供給によって冷却して温度調節を行った。
また、Case2とCase4では塩基度が2.0とやや高かったので、酸素上吹を途中で中止し、石灰系脱リン剤をバーナーで投射しながら酸化鉄を供給し、脱リン剤粒子にPを吸収させた。
Figure 0007518455000002
取鍋脱リン精錬設備57で得られた脱リン処理後溶銑310は普通溶銑と同レベルのP濃度のため、そのまま製鋼設備51に搬送した。また脱リンスラグ320は比較的(P)濃度が高いので、リン酸肥料として利用した。より(P)濃度の高い肥料を所望する場合には、脱リンスラグ320を還元用の電気炉10に供給して溶銑中のP濃度の上昇を図ってもよい。
製鋼設備51では、取鍋脱リン精錬設備57で得られた脱リン処理後溶銑310に対し溶銑脱硫設備52で脱硫処理を施し、転炉53に供給した。転炉53には、高炉溶銑は供給しなかった。転炉53で脱炭と仕上げ脱リンを行い、二次精錬設備54を経て連続鋳造設備56で鋳造した(図1参照)。また、転炉53へ供給時の溶銑中のC濃度が2.0%と高炉溶銑よりかなり低く、熱源が不足するため、鉄含有スクラップ101は供給せず、主原料は全て溶銑とした。
以下に本法の実施例の設備と操業の前提条件を示す。
表4に示すCase1~Case4の処理を行った。電気炉10へ供給する主原料のうち、還元鉄103aについては、いずれも表3に示す成分の高リン鉄鉱石由来のDRIを用いた。電気炉10に供給する成分調整用フラックス123については、SiO源として珪砂を用い、Al源としてアルミナれんが屑を用い、それぞれ表4の「成分調整用フラックス」欄の「SiO」「Al」欄に供給原単位を記載した。
Figure 0007518455000003
Figure 0007518455000004
《Case1》
固体鉄源100として、表3に示す還元鉄103a(高リン鉄鉱石由来のDRI)を100%使用し、製鋼スラグ140として表4のCase1の転炉工程「スラグ」に示す成分と原単位の転炉スラグを溶融状態で全量、電気炉10に供給した。
電気炉精錬で得られた生成物としての溶銑210のP濃度は0.23%であったので、取鍋脱リン精錬設備57で溶銑210をP濃度が0.10%になるまで脱リンして、得られた脱リン処理後溶銑310を製鋼設備51に送った。
この脱リン処理後溶銑310を転炉53に供給し、転炉吹錬の結果、溶鋼のP濃度は0.015%であった。
取鍋脱リン精錬設備57での脱リンスラグ320の(P)濃度は6.2%であったので、次チャージであるCase2において電気炉10にリサイクルした。
全体工程での濃度の推移は以下のとおりである。
・溶銑210のP濃度:0.23%、
・脱リンスラグ320のP濃度:0.10%、
・脱リンスラグ320の(P)濃度:6.2%、
・転炉出鋼P濃度:0.015%
《Case2》
固体鉄源100として、表3に示す還元鉄103a(高リン鉄鉱石由来のDRI)を100%使用し、製鋼スラグ140として表4のCase2の転炉工程「スラグ」に示す成分と原単位の転炉スラグを溶融状態で全量、電気炉10に供給した。
また、前チャージであるCase1の脱リンスラグ320も電気炉10に供給し、リン酸を富化した。
電気炉精錬で得られた生成物としての溶銑210のP濃度は0.35%であったので、取鍋脱リン精錬設備57で溶銑210をP濃度が0.10%になるまで脱リンして、得られた脱リン処理後溶銑310を製鋼設備51に送った。
この脱リン処理後溶銑310を転炉53に供給し、転炉吹錬の結果、溶鋼のP濃度は0.015%であった。
取鍋脱リン精錬設備57での脱リンスラグ320の(P)濃度は8.9%であったので、リン酸肥料として使用した。
全体工程での濃度の推移は以下のとおりである。
・溶銑210のP濃度:0.35%、
・脱リンスラグ320のP濃度:0.10%、
・脱リンスラグ320の(P)濃度:8.9%、
・転炉出鋼P濃度:0.015%
《Case3》
固体鉄源100として、表3に示す還元鉄103a(高リン鉄鉱石由来のDRI)を50%、鉄含有スクラップ101を50%使用し、製鋼スラグ140として表4のCase3の転炉工程「スラグ」に示す成分と原単位の転炉スラグを溶融状態で全量、電気炉10に供給した。
電気炉精錬で得られた生成物としての溶銑210のP濃度は0.16%であったので、取鍋脱リン精錬設備57で溶銑210をP濃度が0.10%になるまで脱リンして、製鋼設備51に送った。
この脱リン処理後溶銑310を転炉53に供給し、転炉吹錬の結果、溶鋼のP濃度は0.015%であった。
取鍋脱リン精錬での脱リンスラグ320の(P)濃度は4.5%であったので、次チャージの電気炉10にリサイクルした。
全体工程での濃度の推移は以下のとおりである。
・溶銑210のP濃度:0.16%、
・脱リンスラグ320のP濃度:0.10%、
・脱リンスラグ320の(P)濃度:4.5%、
・転炉出鋼P濃度:0.015%
《Case4》
固体鉄源100として、表3に示す還元鉄103a(高リン鉄鉱石由来のDRI)を50%、鉄含有スクラップ101を50%使用し、製鋼スラグ140として表4のCase4の転炉工程「スラグ」に示す成分と原単位の転炉スラグを溶融状態で全量、電気炉10に供給した。
電気炉精錬で得られた生成物としての溶銑210のP濃度は0.14%であったので、取鍋脱リン精錬設備57で溶銑210をP濃度が0.07%になるまで脱リンして、製鋼設備51に送った。
この脱リン処理後溶銑310を転炉53に供給し、転炉吹錬の結果、溶鋼のP濃度を0.010%まで下げ、極低リン鋼を溶製することができた。
取鍋脱リン精錬での脱リンスラグ320の(P)濃度は3.7%であったので、次チャージの電気炉10にリサイクルした。
全体工程での濃度の推移は以下のとおりである。
・溶銑210のP濃度:0.14%、
・脱リンスラグ320のP濃度:0.07%、
・脱リンスラグ320の(P)濃度:3.7%、
・転炉出鋼P濃度:0.010%
本発明によれば、高炉の代わりに固定式直流電気炉を用いることで製鉄におけるCO発生を大幅に削減し、効率よく連続的に溶銑を製造することを可能となる。
10 固定式直流電気炉
α 上部電極対向空間
β 炉内周壁空間
11 下部
11a 底部
11a1 底吹羽口
11b 壁部
11b1 出銑孔
11b2 出滓孔
12 炉壁
13 炉蓋
13A 傾斜部分
13B 水平部分
13a 固体鉄源供給管
13b 副原料供給管
13c 供給口
13c1 蓋
13d ダクト連結口
14 上部電極
15 下部電極(炉底耐火物電極)
16 スラグ鍋
17 ダクト
18 固体鉄源装入器具
20 取鍋脱リン装置
21 ランス
22 燃料バーナー
23 鍋底ポーラスプラグ
24 取鍋
25 浸漬ランス
42 高炉スラグ
51 製鋼設備
52 溶銑脱硫設備
53 転炉
54 二次精錬設備
55 高炉
56 連続鋳造設備
57 取鍋脱リン精錬設備
100 固体鉄源
101 鉄含有スクラップ
103a 還元鉄
103b 鉄含有ダスト
121 炭材
123 成分調整用フラックス
140 製鋼スラグ
210 溶銑
220 電気炉スラグ
221 スラグ浴面
310 脱リン処理後溶銑
320 脱リンスラグ
321 高リン酸スラグ

Claims (15)

  1. 固定式直流電気炉を用いた溶銑製造方法であって、
    炉内で、スラグ浴面と炉蓋より挿入された上部電極が隔離されており、
    前記スラグ浴面と、前記上部電極の下端との間の高さ位置における、前記上部電極の外周からの水平方向離間距離が、前記上部電極の直径の0.5倍以内である空間を上部電極対向空間と定義し、
    前記炉内で、前記スラグ浴面の高さ位置よりも上の高さ位置における、炉壁の内壁面からの水平方向離間距離が、前記炉壁と前記上部電極対向空間との最短距離以内である空間を炉内周壁空間と定義したとき、
    前記炉内周壁空間に固体鉄源が存在する状態で、且つ、前記上部電極対向空間に前記固体鉄源が存在しない状態で、副原料を前記固定式直流電気炉に供給し、
    質量%で、C濃度が2~4%、温度が1400℃~1550℃である溶銑を出銑孔から出銑する
    ことを特徴とする溶銑製造方法。
  2. 前記炉内周壁空間における前記固体鉄源の頂部が、前記上部電極の下端よりも高い位置に存在する
    ことを特徴とする請求項1に記載の溶銑製造方法。
  3. 前記炉内周壁空間の全周に沿って前記固体鉄源が存在する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶銑製造方法。
  4. 前記固定式直流電気炉は、
    二本以上の前記上部電極と、
    前記固定式直流電気炉の底部の耐火物内に設けられた二本以上の下部電極と、
    を有し、
    前記固定式直流電気炉を平面視したとき、前記二本以上の下部電極は、前記二本以上の上部電極に対応する位置に設けられている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶銑製造方法。
  5. 前記固体鉄源を供給するための供給口又は固体鉄源供給管が前記炉内周壁空間の上に配置されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶銑製造方法。
  6. 前記固体鉄源を供給するための供給口が前記炉内周壁空間の上に配置され、
    前記供給口から、前記固体鉄源を積載した固体鉄源装入器具を用いて、前記固体鉄源を供給する
    ことを特徴とする請求項5に記載の溶銑製造方法。
  7. 前記固体鉄源が、鉄含有スクラップ、還元鉄、及び、鉄含有ダスト、の少なくとも一種である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶銑製造方法。
  8. 前記固体鉄源が少なくとも還元鉄を含み、
    前記還元鉄は、水素ガス、天然ガス、及び、COガスの少なくとも一種を用いて鉄鉱石を還元することによりC濃度が0~4質量%とされた還元鉄であり、
    前記還元鉄は、DRI又はHBIである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶銑製造方法。
  9. 前記副原料が、炭材及び成分調整用フラックスの少なくとも一種である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶銑製造方法。
  10. 前記副原料が、粒径0.5mm~10mmの炭材であり、
    前記炭材を、前記上部電極の周辺の複数個所から前記上部電極対向空間に形成された前記スラグ浴面に供給する
    ことを特徴とする請求項9に記載の溶銑製造方法。
  11. 製鋼スラグを前記固定式直流電気炉に供給する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶銑製造方法。
  12. 前記製鋼スラグとして、転炉スラグ、溶銑脱硫スラグ、二次精錬スラグ、及び、脱リンスラグ、の少なくとも一種のスラグを用い、
    前記製鋼スラグを、溶融状態で、前記炉内周壁空間に存在する前記固体鉄源に供給する
    ことを特徴とする請求項11に記載の溶銑製造方法。
  13. 前記固定式直流電気炉の底部における、前記上部電極の直下から1m以上の水平距離で離れた位置に、流量可変型の小径円または扁平なガス流路を有する一本または複数の底吹羽口を設け、
    前記一本または複数の底吹羽口から、一本あたり最大で200Nm/hの不活性ガスを前記固定式直流電気炉の内部に吹き込む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶銑製造方法。
  14. 質量%で、T.Fe濃度が5%以下、CaO/SiO濃度比が1.0~1.3、Al濃度が8~20%である電気炉スラグを出滓孔から排出する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶銑製造方法。
  15. 前記溶銑のP濃度が0.15%より高い場合に、前記溶銑のP濃度が0.15%以下になるまで取鍋脱リン精錬による脱リン処理を施す
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶銑製造方法。
JP2023551517A 2021-09-30 2022-09-27 溶銑製造方法 Active JP7518455B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021161078 2021-09-30
JP2021161078 2021-09-30
PCT/JP2022/035903 WO2023054345A1 (ja) 2021-09-30 2022-09-27 溶銑製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2023054345A1 JPWO2023054345A1 (ja) 2023-04-06
JP7518455B2 true JP7518455B2 (ja) 2024-07-18

Family

ID=85782753

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023551517A Active JP7518455B2 (ja) 2021-09-30 2022-09-27 溶銑製造方法

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP4411000A1 (ja)
JP (1) JP7518455B2 (ja)
KR (1) KR20240035546A (ja)
CN (1) CN117858968A (ja)
CA (1) CA3226561A1 (ja)
WO (1) WO2023054345A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021080540A (ja) 2019-11-21 2021-05-27 株式会社神戸製鋼所 溶鋼の製造方法
JP2021134386A (ja) 2020-02-27 2021-09-13 日本製鉄株式会社 スラグ還元を伴った冷鉄源の溶解方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5178711A (ja) * 1974-12-30 1976-07-08 Kawasaki Heavy Ind Ltd Denkiaakushikiseikohoho oyobi sonosochi
JP3175079B2 (ja) * 1996-02-20 2001-06-11 新日本製鐵株式会社 鉄系スクラップ溶解方法
US6149709A (en) 1997-09-01 2000-11-21 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Method of making iron and steel
JP5589688B2 (ja) 2009-09-10 2014-09-17 Jfeスチール株式会社 溶銑の製造方法
EP2767597B1 (en) 2012-06-27 2016-11-02 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Method of reduction processing of steel-making slag
JP6003911B2 (ja) 2014-01-30 2016-10-05 Jfeスチール株式会社 リン酸質肥料原料、リン酸質肥料およびその製造方法
JP6395684B2 (ja) 2015-09-14 2018-09-26 株式会社神戸製鋼所 溶銑の製造方法
JP6597332B2 (ja) 2016-01-18 2019-10-30 日本製鉄株式会社 リン酸肥料の製造方法及びリン酸肥料の製造装置
EP3557171A4 (en) 2016-12-16 2020-05-06 Nippon Steel Corporation ELECTRIC OVEN
JP6620781B2 (ja) 2017-05-15 2019-12-18 Jfeスチール株式会社 ダストの溶融還元方法及び再利用方法
JP7544501B2 (ja) 2020-03-31 2024-09-03 株式会社コーセー ベシクル組成物及びそれを配合した化粧料

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021080540A (ja) 2019-11-21 2021-05-27 株式会社神戸製鋼所 溶鋼の製造方法
JP2021134386A (ja) 2020-02-27 2021-09-13 日本製鉄株式会社 スラグ還元を伴った冷鉄源の溶解方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2023054345A1 (ja) 2023-04-06
EP4411000A1 (en) 2024-08-07
CN117858968A (zh) 2024-04-09
CA3226561A1 (en) 2023-04-06
JPWO2023054345A1 (ja) 2023-04-06
KR20240035546A (ko) 2024-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2205878C2 (ru) Установка и способ (варианты) получения расплавов металла
JP5954551B2 (ja) 転炉製鋼法
WO2010072043A1 (zh) 熔炼炉和炼钢设备以及炼钢工艺
KR20140017676A (ko) 용선의 정련 방법
JP6164151B2 (ja) 転炉型精錬炉による溶鉄の精錬方法
JP7364899B2 (ja) スラグ還元を伴った冷鉄源の溶解方法
WO2018110171A1 (ja) 電気炉
JP6665884B2 (ja) 転炉製鋼方法
JP5834980B2 (ja) 溶鋼の製造方法
JP5471151B2 (ja) 転炉製鋼方法
JP6992604B2 (ja) リン酸スラグ肥料の製造方法
JP7518455B2 (ja) 溶銑製造方法
JP5962156B2 (ja) 溶鉄の精錬方法
JP5870584B2 (ja) 溶銑の脱燐処理方法
JP2018003075A (ja) 酸化鉄含有鉄原料の還元・溶解方法
JP4630031B2 (ja) 酸化鉄含有鉄原料の還元・溶解方法
JP5949627B2 (ja) 転炉における溶銑の精錬方法
RU2191831C1 (ru) Способ переработки железомарганцевого сырья
JP2006241478A (ja) 転炉操業方法
JP6327298B2 (ja) 溶銑の精錬方法
JPS62247013A (ja) 鉄系溶融金属の製造装置
JP2022117935A (ja) 溶鉄の精錬方法
JPH07146072A (ja) キュポラ型スクラップ溶融炉
EA044072B1 (ru) Способ получения расплавленной стали
JPS646242B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240126

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20240126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240402

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240522

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240604

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240617

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7518455

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150