JP7517382B2 - ベーパーチャンバー、及び電子機器 - Google Patents
ベーパーチャンバー、及び電子機器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7517382B2 JP7517382B2 JP2022161606A JP2022161606A JP7517382B2 JP 7517382 B2 JP7517382 B2 JP 7517382B2 JP 2022161606 A JP2022161606 A JP 2022161606A JP 2022161606 A JP2022161606 A JP 2022161606A JP 7517382 B2 JP7517382 B2 JP 7517382B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- flow path
- sheet
- steam flow
- groove
- steam
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 239000007788 liquid Substances 0.000 claims description 246
- 239000012530 fluid Substances 0.000 claims description 57
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 72
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 47
- 238000002347 injection Methods 0.000 description 19
- 239000007924 injection Substances 0.000 description 19
- 230000032258 transport Effects 0.000 description 16
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 10
- 238000005530 etching Methods 0.000 description 10
- 238000010992 reflux Methods 0.000 description 10
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 9
- 238000009792 diffusion process Methods 0.000 description 6
- 238000005219 brazing Methods 0.000 description 5
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 5
- 238000005304 joining Methods 0.000 description 5
- 230000008859 change Effects 0.000 description 4
- 238000000034 method Methods 0.000 description 4
- 238000012546 transfer Methods 0.000 description 4
- OKKJLVBELUTLKV-UHFFFAOYSA-N Methanol Chemical compound OC OKKJLVBELUTLKV-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 3
- 239000000463 material Substances 0.000 description 3
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 3
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 3
- 230000000149 penetrating effect Effects 0.000 description 3
- CSCPPACGZOOCGX-UHFFFAOYSA-N Acetone Chemical compound CC(C)=O CSCPPACGZOOCGX-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- LFQSCWFLJHTTHZ-UHFFFAOYSA-N Ethanol Chemical compound CCO LFQSCWFLJHTTHZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 2
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 2
- 230000000903 blocking effect Effects 0.000 description 2
- 238000009833 condensation Methods 0.000 description 2
- 230000005494 condensation Effects 0.000 description 2
- 230000008020 evaporation Effects 0.000 description 2
- 238000001704 evaporation Methods 0.000 description 2
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 2
- 230000004044 response Effects 0.000 description 2
- 238000003466 welding Methods 0.000 description 2
- RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N Copper Chemical compound [Cu] RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910000881 Cu alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000009471 action Effects 0.000 description 1
- 239000002131 composite material Substances 0.000 description 1
- 239000000470 constituent Substances 0.000 description 1
- 229910052802 copper Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010949 copper Substances 0.000 description 1
- 238000002788 crimping Methods 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 1
- 230000010365 information processing Effects 0.000 description 1
- 238000002844 melting Methods 0.000 description 1
- 230000008018 melting Effects 0.000 description 1
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 1
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 1
- 230000008569 process Effects 0.000 description 1
- 238000011160 research Methods 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Cooling Or The Like Of Electrical Apparatus (AREA)
- Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
Description
熱源からの熱を輸送した気体状態の作動流体は熱源から離れた位置にまで移動し、周囲に熱を吸収されることで冷却されて凝縮し、液体状態に相変化する。相変化した液体状態の作動流体は凝縮液用流路を通り、熱源の位置にまで戻ってまた熱源からの熱を受けて蒸発して気体状態に変化する。
以上のような循環により熱源から発生した熱が熱源から離れた位置に輸送され熱源が冷却される。
ベーパーチャンバーの薄型化が進むと蒸気流路の深さが制限され、蒸気流路の断面積を大きくして流路抵抗を下げるためには蒸気流路の幅を広げることになる。結果として薄型のベーパーチャンバーにおいて、蒸気流路は扁平形状となる。このとき蒸気流路が扁平形状となることで伝熱性能が向上して凝縮しやすくなるため、凝縮液による蒸気流路の閉塞が助長されると考えられる。また、扁平形状となると蒸気流路の高さが小さいため凝縮液が蒸気流路の平面方向へ広がりやすくなり、これによっても蒸気流路の閉塞が助長されると考えられる 。
これに対する1つの方法としては、例えば蒸気流路の幅を広げることで、流路断面積を大きく確保して凝縮液による蒸気流路の閉塞を防止することは可能である。しかしながら、1つの蒸気流路の幅を広くすると、蒸気流路に接する凝縮液流路が少なくなるので、蒸気輸送能力に対し凝縮液の供給が足りなくなり、熱輸送能力が低下してしまう。また、蒸気流路内が減圧されたとき、外圧との圧力差を蒸気流路の周囲の金属が支えきれず、蒸気流路がつぶれてしまう可能性が高くなる。さらに、蒸気流路の幅を広げるとベーパーチャンバーを構成する重ね合わせた2枚のシートの接合面積が低下する虞があり耐久性にも問題が生じる可能性がある。
従って、発明者は、熱輸送能力をできるだけ低下させないために蒸気流路の流路断面積を広げることなく、凝縮液による蒸気流路の閉塞を防止する手段が必要であるとの考えに至り次のような着想を得た。図23(a)~図23(c)に模式図を表した。
作動流体は蒸気流路の内表面で凝縮するとともに、凝縮液は表面張力により球状となるように力が働き、自由表面を形成できる方向に対しては等しい大きさとなる。そうすると、薄幅化によりその高さ(厚さ方向大きさ)が小さくなった蒸気流路では、図23(b)に示したように、凝縮液は高さ方向についてはHに制限され、流路の長さ方向及び幅方向には自由表面を作り同じ大きさW1となる。
さらに凝縮液が大きくなり、図23(c)のように、凝縮液がちょうど蒸気流路を塞いだときには、凝縮液の幅は蒸気流路の幅Wと同じであるため、流路の長さ方向における凝縮液の大きさもWとなる。
第一シート10は、内面10a、該内面10aとは反対側となる外面10b及び内面10aと外面10bとを連結して厚さを形成する側面10cを備え、内面10a側に作動流体が還流する流路のためのパターンが形成されている。後述するようにこの第一シート10の内面10aと第二シート20の内面20aとが対向するようにして重ね合わされることで密閉空間2が形成される。
注入部12は第一シート10と第二シート20により形成された密閉空間2(例えば図13参照)に対して作動流体を注入する部位であり、本形態では本体11の平面視長方形である一辺から突出する平面視四角形のシート状である。本形態では第一シート10の注入部12は内面10a側も外面10b側も平坦面とされている。
また、第一シート10を構成する材料も特に限定されることはないが、熱伝導率が高い金属であることが好ましい。これには例えば銅、銅合金を挙げることができる。
図2(b)、図3にA10で示した外周接合部13の幅は必要に応じて適宜設定することができるが、0.8mm以上3mm以下であることが好ましい。この幅が0.8mmより小さくなると第一シートと第二シートとの接合時における位置ずれが生じた際に接合面積が不足する虞がある。また、この幅が3mmより大きくなると、密閉空間の内容積が小さくなり蒸気流路や凝縮液流路が十分確保できなくなる虞がある。
ここで液流路溝14は溝であることから、その断面形状において、底部、及び底部とは向かい合わせとなる反対側の部位に開口を備えている。
図2(b)、図3、図4(a)、図4(b)にB10で示した外周液流路部14の幅は、ベーパーチャンバー全体の大きさ等から適宜設定することができるが、0.3mm以上2mm以下であることが好ましい。この幅が0.3mmより小さいと外側を還流する液の量が十分得られない虞がある。またこの幅が2mmを超えると内側の凝縮液流路や蒸気流路のための空間が十分にとれなくなる虞がある。
流路の毛管力をより強く発揮する観点から、C/Dで表される流路断面におけるアスペクト比(縦横比)は、1.0よりも大きい、又は1.0よりも小さいことが好ましい。その中でも製造の観点からC>Dであることが好ましく、アスペクト比は1.3より大きいことが好ましい。
このなかでも、入隅による角部があることにより表面張力が働きやすく、毛管力によって液の還流が円滑に行われる傾向にあることから、四角形であることが好ましい。
各内側液流路部15には、内側液流路部15が延びる方向に平行な溝である液流路溝15aが形成され、複数の液流路溝15aが、該液流路溝15aが延びる方向とは異なる方向に所定の間隔で配置されている。従って、図3、図8(a)からわかるように内側液流路部15ではその断面において凹部である液流路溝15aと液流路溝15aの間である凸部15bとが凹凸を繰り返して形成されている。
ここで液流路溝15aは溝であることから、その断面形状において、底部、及び底部とは向かい合わせとなる反対側の部位に開口を備えている。
この液連通開口部15cについても、液連通開口部14cと同様に、図6に示した例に倣って、いわゆる千鳥配列状に連通開口部が配置されてもよい。
図2(b)、図3、図8にG10で示した内側液流路部15の幅は、100μm以上2000μm以下であることが好ましい。また、複数の内側液流路部15のピッチは200μm以上4000μm以下であることが好ましい。これにより蒸気流路の流路抵抗を十分に下げ、蒸気の移動と、凝縮液の還流をバランスよく行うことができる。
流路の毛管力をより強く発揮する観点から、H/Jで表される流路断面におけるアスペクト比(縦横比)は、1.0よりも大きい、又は1.0よりも小さいことが好ましい。その中でも製造の観点からH>Jであることが好ましく、アスペクト比は1.3より大きいことが好ましい。
この中でも入隅による角部があることにより表面張力が働きやすく、毛管力で液の還流が円滑に行われる傾向にあることから、四角形であることが好ましい。
ここで蒸気流路溝16は溝であることから、その断面形状において、底部、及び該底部とは向かい合わせとなる反対側の部位に開口を備えている。
図2(b)、図3にM10で示した蒸気流路溝16の幅は、少なくとも上記した液流路溝14a、15aの幅C、幅Hより大きく形成され、100μm以上2000μm以下であることが好ましい。また、蒸気流路溝16のピッチは、内側液流路部15のピッチにより決まるのが通常である。
一方、図3にN10で示した蒸気流路溝16の深さは、少なくとも上記した液流路溝14a、15aの深さD、深さJより大きく形成され、10μm以上300μm以下であることが好ましい。
このように、蒸気流路溝の流路断面積を液流路溝よりも大きくすることにより、作動流体の性質上、凝縮液よりも体積が大きくなる蒸気を円滑に還流することができる。
図2(b)、図4(b)にP10で示した蒸気流路連通溝17の幅は、100μm以上1000μm以下であることが好ましい。
また、図4(b)にQ10で示した蒸気流路連通溝17の深さは、10μm以上300μm以下であることが好ましく、その中でも蒸気流路溝16の深さN10と同じであることが好ましい。これにより製造が容易になる。
第二シート20は、内面20a、該内面20aとは反対側となる外面20b及び内面20aと外面20bとを連結し厚さを形成する側面20cを備え、内面20a側に作動流体が還流するパターンが形成されている。後述するようにこの第二シート20の内面20aと上記した第一シート10の内面10aとが対向するようにして重ね合わされることで密閉空間が形成される。
注入部22は第一シート10と第二シート20とにより形成された密閉空間2(図13参照)に対して作動流体を注入する部位であり、本形態では本体21の平面視長方形である一辺から突出する平面視四角形のシート状である。本形態では第二シート20の注入部22には内面20a側に注入溝22aが形成されており、第二シート20の側面20cから本体21の内側(密閉空間2となるべき部位)に連通している。
このような第二シート20の厚さ及び構成する材料は第一シート10と同様に考えることができる。
図10(b)、図11、図12にA20で示した外周接合部23の幅は上記した本体11の外周接合部13の幅A10と同じであることが好ましい。
なお、このように第二シート20では外周接合部23と外周液流路部24とが面一であるため、構造的には両者を区別する境界線は存在しない。しかし、わかり易さのため、図10(b)では点線により両者の境界を表している。
図10(b)、図11、図12に示した外周液流路部24の幅B20は特に限定されることはなく、第一シート10の外周液流路部14の幅B10と同じでもよいし、小さくてもよい。本形態では幅B10と幅B20とは同じである。
幅B20を幅B10より小さくすると、後で図20に示す例のように外周液流路部14のうち少なくとも一部において、液流路溝14aの開口が外周液流路部24により閉鎖されずに開口し、ここから凝縮液が入りやすいため、より円滑な凝縮液の還流をさせることができる。
本形態で各内側液流路部25は、その内面20a側の表面が第一シート10との接合前において平坦面となるように形成されている。これにより上記した第一シート10の複数の液流路溝15aのうち少なくとも一部の液流路溝15aの開口を閉鎖して凝縮液流路3を形成する。
本形態では幅G10と幅G20とは同じである。
幅G20を幅G10より小さくすると、後で図20に示す例のように内側液流路部15のうち少なくとも一部において、液流路溝15aの開口が内側液流路部25により閉鎖されずに開口し、ここから凝縮液が入りやすいため、より円滑な凝縮液の還流をさせることができる。
ここで蒸気流路溝26は溝であることから、その断面形状において、底部、及び該底部とは向かい合わせとなる反対側の部位に開口を備えている。
図10(b)、図11にM20で示した蒸気流路溝26の幅は特に限定されることはなく、第一シート10の蒸気流路溝16の幅M10と同じでもよいし、大きくしてもよい。本形態では幅M10と幅M20とは同じである。
幅M20を幅M10より大きくすると、後で図20に示す例のように内側液流路部15のうち少なくとも一部において、液流路溝15aの開口が内側液流路部25により閉鎖されずに開口し、ここから凝縮液が入りやすいため、より円滑な凝縮液の還流をさせることができる。
一方、図11にN20で示した蒸気流路溝26の深さは、10μm以上300μm以下であることが好ましい。
幅P20を幅P10よりも大きくしたときには、第一シート10の外周液流路部14のうち少なくとも一部において、液流路溝14aの開口が蒸気流路4の一部を形成するように配置されるため凝縮液が入りやすくなり、より円滑に凝縮液を還流させることができる。
図13には、図1(a)にXIII-XIIIで示したy方向に沿ってベーパーチャンバー1を厚さ方向に切断した切断面を表した。この図は第一シート10における図3に表した図と、第二シート20における図11に表した図とが組み合わされてこの部位におけるベーパーチャンバー1の切断面が表されたものである。
図14には図13にXIVで示した部位を拡大した図、図15には図14のXV-XVに沿った矢視断面図をそれぞれ表した。また、図17には、図1(a)にXVI-XVIで示したx方向に沿ってベーパーチャンバー1の厚さ方向に切断した切断面を表した。この図は、第一シート10における図4(b)に表した図と、第二シート20における図12に表した図とが組み合わされてこの部位におけるベーパーチャンバー1の切断面が表されたものである。
同様に、第一シート10の凸条である内側液流路部15と第二シート20の凸条である内側液流路部25とが重なるように配置されている。これにより内側液流路部15の液流路溝15a及び内側液流路部25により凝縮液が流れる凝縮液流路3が形成される。
このようにピッチPAが幅WB以下となる液連通開口部15cは、全ての液連通開口部15cを対象とする必要はなく、少なくとも蒸気流路に隣接し、蒸気流路と凝縮液流路とを連通する液連通開口部に対してこのように構成すればよい。そしてその中でも蒸気流路に隣接し、蒸気流路と凝縮液流路とを連通する液連通開口部のうちの少なくとも90%以上においてPA≦WBが成立することが好ましい。また、このような関係が成立する部位を蒸気流路が凝縮液により閉塞し易い部位に限って設けてもよい。
ピッチPAが幅WBの1/2以下としてもよい。すなわち2PA≦WBである。これにより、さらに蒸気流路からの凝縮液の排出が円滑に行われ、より確実に蒸気流路の閉塞を防止することができる。
1つの蒸気流路の幅方向両側に液連通開口部が存在するとともに、当該両側の液連通開口部がPA≦WBとなるように構成してもよい。これによってもさらに蒸気流路からの凝縮液の排出が円滑に行われ、より確実に蒸気流路の閉塞を防止することができる。このとき、当該両側の液連通開口部でピッチ、及び/又は、ピッチ方向における液連通開口部の位置がずれているとさらに凝縮液の排出効果が高い。さらにこれによりベーパーチャンバーの強度が上がってつぶれ難くなる。
図15にLAで示した液連通開口部15cの長さは0.05mm以上0.2mm以下とすることができる。これにより凝縮液流路3の毛管力の大きさと、液連通開口部15cの上記連通機能とのバランスを良好にすることが可能である。同様の観点から、LA/PAで表される開口長さ比を0.2以上0.5以下、好ましくは0.4以下としてもよい。LA/PAが0.5より大きくなると特に薄型のベーパーチャンバーでは強度が低下して蒸気流路や凝縮液流路が潰れるおそれがある。
図14に示した凝縮液流路3の高さHAは、本形態では液流路溝15aの深さに準じるが、0.005mm以上0.2mm以下であることが好ましい。これにより還流に必要な凝縮液流路の毛管力を十分に発揮することができる。なお、本形態では液流路溝を第一シートのみに形成したが、第二シートにも液流路溝を形成して両方の液流路溝を重ねることにより凝縮液流路が形成されてもよい。その場合は、両方の液流路溝の深さの合計に基づいて凝縮液流路の高さHAが決まる。
図14に示した蒸気流路4の高さHBは、本形態では蒸気流路溝16の深さと蒸気流路溝26との合計に準じるが、20μm以上600μm以下であることが好ましい。
また、1つの蒸気流路に隣接し、蒸気流路と凝縮液流路とを連通する液連通開口部のうち少なくとも90%の液連通開口部でPA≦WBとすることが好ましい。
または、蒸気流路と凝縮液流路とを連通する液連通開口部のうち少なくとも90%の液連通開口部でPA≦WBmとなるように構成することもできる。
ここで、蒸気流路4はベーパーチャンバー1の薄型化に伴い、その断面形状が扁平形状とされている。これにより薄型化されても流路内の表面積を確保することが可能とされ、熱輸送能力を高い水準に維持することが可能となる。より具体的には、図14に表した蒸気流路4の幅WB、高さHBにおいて、WB/HBで表される比が2.0以上であることが好ましい。さらに高い熱輸送能力を確保する観点から、当該比は4.0以上がさらに好ましい。
ただし、注入流路5から密閉空間2に対して作動流体を注入した後は、注入流路5は閉鎖されるので、最終的な形態のベーパーチャンバー1では外部と密閉空間2とは連通していない。
第一シート10及び第二シート20の外周形状を有する金属シートに対して、液流路溝14a、15a、蒸気流路溝16、26、及び蒸気流路連通溝17、27をハーフエッチングにより形成する。ここでハーフエッチングとは、エッチングにより厚さ方向を貫通させることなく厚さ方向の途中までエッチングによる材料の除去を行い、溝や窪みを形成することである。
次いで、第一シート10及び第二シート20の内面10a、20aを向かい合わせるように重ね、位置決め手段としての穴13a、23aを用いて位置決めし、仮止めを行う。仮止めの方法は特に限定されることはないが、抵抗溶接、超音波溶接、及び接着剤による接着等を挙げることができる。
そして仮止め後に拡散接合を行い恒久的に第一シート10と第二シート20とを接合する。なお、拡散接合の代わりにろう付けにより接合してもよい。
図18に示したベーパーチャンバー1’では蒸気流路4が楕円形に形成されている。このような形状にすると、凝縮液流路へ凝縮液を引き込む際に楕円の両端にも毛管力が働くため、凝縮液が速やかに移動及び排出することができる。またこの形態では蒸気流路溝をエッチングにより作製しやすい。
さらにベーパーチャンバー1’の変形にかかる図19(a)に示したように重ね合わせる蒸気流路溝16、26の幅を代えて段差を形成したり、図19(b)に示したように重ね合わせる蒸気流路溝16、26を幅方向の位置をずらして段差を形成したりすることで、さらに楕円の両端の毛管力を強めることができる。これら図19(a)、図19(b)に示した形態は、蒸気流路4が楕円形ではないが、2つの半楕円形の蒸気流路溝が組み合わさって1つの蒸気流路を形成している。
これらいずれのベーパーチャンバー1’、1”も、蒸気流路4の断面形状においてその高さ方向(z方向)位置で幅(y方向大きさ)が異なる。このような場合には、当該蒸気流路の最大幅を蒸気流路の幅とし、これに基づいて液連通開口部のピッチを決めればよい。
図22には作動流体の流れを説明する図を表した。説明のし易さのため、この図では第二シート20は省略し、第一シート10の内面10aが見えるように表示している。
蒸気流路4内の蒸気は熱源である電子部品30から離れ、比較的温度が低いベーパーチャンバー1の外周部に移動し、当該移動の際に順次第一シート10及び第二シート20に熱を奪われながら冷却される。蒸気から熱を奪った第一シート10及び第二シート20はその外面10b、20bに接触した携帯型端末装置の筐体等に熱を伝え、最終的に熱は外気に放出される。
薄型で蒸気流路の熱性能が高いベーパーチャンバーは、気化した蒸気が熱源である電子部品30からあまり離れていない時点で凝縮を開始してしまい、蒸気流路を塞いでしまう虞がある。これに対してベーパーチャンバー1では、蒸気流路と、該蒸気流路に隣接する液連通開口部との間に上記した関係を具備している。これにより、薄型で蒸気流路の熱性能が高くても凝縮液が蒸気流路を塞いでしまう前に凝縮液を凝縮液流路に移動させることができ、蒸気流路の閉塞を防止するので作動流体の適切で円滑な還流が可能となる。
2 密閉空間
3 凝縮液流路
4 蒸気流路
10 第一シート
10a 内面
10b 外面
10c 側面
11 本体
12 注入部
13 外周接合部
14 外周液流路部
14a 液流路溝
14c 液連通開口部
15 内側液流路部
15a 液流路溝
15c 液連通開口部
16 蒸気流路溝
17 蒸気流路連通溝
20 第二シート
20a 内面
20b 外面
20c 側面
21 本体
22 注入部
23 外周接合部
24 外周液流路部
25 内側液流路部
26 蒸気流路溝
27 蒸気流路連通溝
Claims (5)
- 作動流体が封入された密閉空間を有するベーパーチャンバーであって、
第一シートと、前記第一シートに重ねられた第二シートを有し、
前記密閉空間には、前記作動流体の液体が流れる凝縮液流路と、前記凝縮液流路に隣接し、前記作動流体の気体が流れる蒸気流路と、が形成され、
前記蒸気流路は幅方向における流路断面が楕円形であり、前記楕円形の少なくとも一方の端部で前記蒸気流路内に厚さ方向において段差が形成されており、
前記蒸気流路は前記端部において隣接する前記凝縮液流路と連通している、
ベーパーチャンバー。 - 2つの前記蒸気流路の間には複数の前記凝縮液流路が設けられ、前記凝縮液流路のうち、前記蒸気流路に隣接した前記凝縮液流路は、前記蒸気流路にその全部が露出している、請求項1に記載のベーパーチャンバー。
- 前記第一シートの前記第二シート側の面および前記第二シートの前記第一シート側の面には、それぞれ、蒸気流路溝が形成され、
前記第一シートの前記蒸気流路溝と前記第二シートの前記蒸気流路溝とは、重なり合うように配置されることで前記蒸気流路が形成され、
前記第一シートの前記蒸気流路溝の幅と前記第二シートの前記蒸気流路溝の幅とが異なることにより、前記蒸気流路の前記段差が形成されている、
請求項1又は2に記載のベーパーチャンバー。 - 前記第一シートの前記第二シート側の面および前記第二シートの前記第一シート側の面には、それぞれ、蒸気流路溝が形成され、
前記第一シートの前記蒸気流路溝と前記第二シートの前記蒸気流路溝とは、重なり合うように配置されることで前記蒸気流路が形成され、
前記第一シートの前記蒸気流路溝と前記第二シートの前記蒸気流路溝の幅方向の位置がずれていることにより、前記蒸気流路の前記段差が形成されている、
請求項1又は2に記載のベーパーチャンバー。 - 前記蒸気流路は、幅方向に沿った断面視において左右非対称の形状である、請求項1、2または4に記載のベーパーチャンバー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022161606A JP7517382B2 (ja) | 2018-03-30 | 2022-10-06 | ベーパーチャンバー、及び電子機器 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018070273A JP7155585B2 (ja) | 2018-03-30 | 2018-03-30 | ベーパーチャンバー、及び電子機器 |
JP2022161606A JP7517382B2 (ja) | 2018-03-30 | 2022-10-06 | ベーパーチャンバー、及び電子機器 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018070273A Division JP7155585B2 (ja) | 2018-03-30 | 2018-03-30 | ベーパーチャンバー、及び電子機器 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022189849A JP2022189849A (ja) | 2022-12-22 |
JP2022189849A5 JP2022189849A5 (ja) | 2023-01-24 |
JP7517382B2 true JP7517382B2 (ja) | 2024-07-17 |
Family
ID=68278341
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018070273A Active JP7155585B2 (ja) | 2018-03-30 | 2018-03-30 | ベーパーチャンバー、及び電子機器 |
JP2022161606A Active JP7517382B2 (ja) | 2018-03-30 | 2022-10-06 | ベーパーチャンバー、及び電子機器 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018070273A Active JP7155585B2 (ja) | 2018-03-30 | 2018-03-30 | ベーパーチャンバー、及び電子機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP7155585B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20230026517A1 (en) * | 2020-01-10 | 2023-01-26 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Wick sheet for vapor chamber, vapor chamber, and electronic apparatus |
JP7568431B2 (ja) | 2020-06-30 | 2024-10-16 | 古河電気工業株式会社 | ベーパーチャンバおよびベーパーチャンバの製造方法 |
CN113301777B (zh) * | 2021-04-26 | 2022-12-02 | 江西新菲新材料有限公司 | 均热板及均热板的制备方法、电子设备 |
CN113453495B (zh) * | 2021-05-19 | 2022-06-24 | 江西新菲新材料有限公司 | 一种均热板及其电子设备 |
CN113453500B (zh) * | 2021-06-08 | 2023-04-14 | 江西新菲新材料有限公司 | 一种均热板及电子设备 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002039693A (ja) | 2000-07-21 | 2002-02-06 | Toufuji Denki Kk | フラット型ヒートパイプ |
US20160209122A1 (en) | 2015-01-20 | 2016-07-21 | Chaun-Choung Technology Corp. | Slim-type vapor chamber and capillary structure thereof |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100888363B1 (ko) * | 2007-08-08 | 2009-03-11 | 한국생산기술연구원 | 브레이징 공정을 이용한 히트 파이프의 제조방법 및 이에의한 히트 파이프 |
JP6121893B2 (ja) * | 2013-12-24 | 2017-04-26 | 東芝ホームテクノ株式会社 | シート型ヒートパイプ |
JP6023120B2 (ja) * | 2014-05-15 | 2016-11-09 | レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド | 携帯用情報機器 |
CN106211701B (zh) * | 2015-04-30 | 2018-09-25 | 鹏鼎控股(深圳)股份有限公司 | 薄型散热片及其制作方法 |
JP6509680B2 (ja) * | 2015-08-24 | 2019-05-08 | 東芝ホームテクノ株式会社 | シート状ヒートパイプ |
-
2018
- 2018-03-30 JP JP2018070273A patent/JP7155585B2/ja active Active
-
2022
- 2022-10-06 JP JP2022161606A patent/JP7517382B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002039693A (ja) | 2000-07-21 | 2002-02-06 | Toufuji Denki Kk | フラット型ヒートパイプ |
US20160209122A1 (en) | 2015-01-20 | 2016-07-21 | Chaun-Choung Technology Corp. | Slim-type vapor chamber and capillary structure thereof |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2022189849A (ja) | 2022-12-22 |
JP7155585B2 (ja) | 2022-10-19 |
JP2019178860A (ja) | 2019-10-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7517382B2 (ja) | ベーパーチャンバー、及び電子機器 | |
JP7563514B2 (ja) | ベーパーチャンバ、電子機器、及び、ベーパーチャンバ用シート | |
JP7347579B2 (ja) | ベーパーチャンバー | |
US10420253B2 (en) | Loop heat pipe, manufacturing method thereof, and electronic device | |
JP7464097B2 (ja) | ベーパーチャンバー、電子機器、及びベーパーチャンバーの製造方法 | |
TWI812723B (zh) | 蒸氣腔、電子機器及蒸氣腔用片材 | |
US8490683B2 (en) | Flat plate type micro heat transport device | |
JP7363199B2 (ja) | ベーパーチャンバー、電子機器 | |
JP2019120445A (ja) | ループ型ヒートパイプ及びその製造方法 | |
JP7102718B2 (ja) | ベーパーチャンバー | |
JP2024036641A (ja) | ベーパーチャンバー、電子機器 | |
JP7338770B2 (ja) | ベーパーチャンバ、電子機器、ベーパーチャンバ用シート、並びに、ベーパーチャンバシート及びベーパーチャンバの製造方法 | |
JP7459897B2 (ja) | ベーパーチャンバー、及び電子機器 | |
JP7247475B2 (ja) | ベーパーチャンバー、及び電子機器 | |
JP7200607B2 (ja) | ベーパーチャンバ、電子機器、及びベーパーチャンバ用シート | |
JP7567796B2 (ja) | ベーパーチャンバ、及び、電子機器 | |
JP7563055B2 (ja) | ベーパーチャンバ用の中間体が多面付けされたシートの製造方法、ベーパーチャンバ用の中間体が多面付けされたシートが巻かれたロールの製造方法、ベーパーチャンバ用の中間体の製造方法、及び、ベーパーチャンバの製造方法 | |
JP7452615B2 (ja) | ベーパーチャンバ、電子機器、及びベーパーチャンバ用シート | |
KR100499145B1 (ko) | 본체와 일체형으로 된 필 포트를 구비하는 평판형 열전달장치 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20221006 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230116 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230609 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230620 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230815 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20231107 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20231227 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20240304 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20240604 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20240617 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7517382 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |