JP2019178860A - ベーパーチャンバー、及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄型化しても高い熱輸送能力を得ることができるベーパーチャンバーを提供する。【解決手段】第一シート、及び第一シートに重ねて接合された第二シートを有し、第一シートと第二シートとの間には密閉された空間が形成されており、該空間に作動流体が封入されたベーパーチャンバーであって、密閉空間には、第一シートと第二シートとの重ね合わせにより、作動流体が凝縮した液が流れる複数の凝縮液流路(3)と、作動流体が気化した蒸気が流れる蒸気流路(4)と、が形成され、蒸気流路と蒸気流路に隣り合う凝縮液流路とは、複数の開口部(15c)により連通されており、複数の開口部のピッチが蒸気流路の幅の大きさ以下となる開口部がある。【選択図】図15

Description

本発明は密閉空間に封入された作動流体を相変化を伴いつつ還流することより熱輸送を行うベーパーチャンバーに関する。
パソコン並びに携帯電話及びタブレット端末等の携帯型端末に代表される電子機器に備えられているCPU(中央演算処理装置)等の電子部品からの発熱量は、情報処理能力の向上により増加する傾向にあり、これを冷却する技術が重要となっている。このような冷却のための手段としてヒートパイプがよく知られている。これはパイプ内に封入された作動流体により、熱源における熱を他の部位に輸送することで拡散させ、熱源を冷却するものである。
一方、近年においてこれら電子機器の薄型化が顕著であり、従来のヒートパイプよりも薄型の冷却手段が必要となってきた。これに対して例えば特許文献1に記載のようなベーパーチャンバーが提案されている。
ベーパーチャンバーはヒートパイプによる熱輸送の考え方を平板状の部材に展開した機器である。すなわち、ベーパーチャンバーでは、対向する平板の間に作動流体が封入されており、この作動流体が相変化を伴いつつ還流することで熱輸送を行い、熱源における熱を輸送及び拡散して熱源を冷却する。
より具体的には、ベーパーチャンバーの対向する平板間には蒸気用流路と凝縮液用流路とが設けられ、ここに作動流体が封入されている。ベーパーチャンバーを熱源に配置すると、熱源の近くにおいて作動流体は熱源からの熱を受けて蒸発し、気体(蒸気)となって蒸気用流路を移動する。これにより熱源からの熱が熱源から離れた位置に円滑に輸送され、その結果熱源が冷却される。
熱源からの熱を輸送した気体状態の作動流体は熱源から離れた位置にまで移動し、周囲に熱を吸収されることで冷却されて凝縮し、液体状態に相変化する。相変化した液体状態の作動流体は凝縮液用流路を通り、熱源の位置にまで戻ってまた熱源からの熱を受けて蒸発して気体状態に変化する。
以上のような循環により熱源から発生した熱が熱源から離れた位置に輸送され熱源が冷却される。
特許文献1には、このような蒸気用流路(蒸気通路)と凝縮液用流路(ウィック)とが形成されたシート型のヒートパイプ(ベーパーチャンバー)が開示されている。
特開2008−51407号公報
しかしながら、電子機器の薄型化に対応するためにベーパーチャンバーも薄型化すると、冷却能力(熱輸送能力)が十分に得られない問題があった。
そこで本発明は、薄型化しても高い熱輸送能力を得ることができるベーパーチャンバーを提供することを課題とする。またこのベーパーチャンバーを備える電子機器を提供する。
発明者は鋭意検討の結果、ベーパーチャンバーを薄くすると、作動流体が蒸発した部位の近くで蒸気流路が凝縮液により塞がれてしまう状態となり、蒸気の移動が阻害される知見を得た。蒸気の移動が阻害されると作動流体の還流が円滑に行われないため熱輸送能力が低下してしまう。
ベーパーチャンバーの薄型化が進むと蒸気流路の深さが制限され、蒸気流路の断面積を大きくして流路抵抗を下げるためには蒸気流路の幅を広げることになる。結果として薄型のベーパーチャンバーにおいて、蒸気流路は扁平形状となる。このとき蒸気流路が扁平形状となることで伝熱性能が向上して凝縮しやすくなるため、凝縮液による蒸気流路の閉塞が助長されると考えられる。また、扁平形状となると蒸気流路の高さが小さいため凝縮液が蒸気流路の平面方向へ広がりやすくなり、これによっても蒸気流路の閉塞が助長されると考えられる 。
これに対する1つの方法としては、例えば蒸気流路の幅を広げることで、流路断面積を大きく確保して凝縮液による蒸気流路の閉塞を防止することは可能である。しかしながら、1つの蒸気流路の幅を広くすると、蒸気流路に接する凝縮液流路が少なくなるので、蒸気輸送能力に対し凝縮液の供給が足りなくなり、熱輸送能力が低下してしまう。また、蒸気流路内が減圧されたとき、外圧との圧力差を蒸気流路の周囲の金属が支えきれず、蒸気流路がつぶれてしまう可能性が高くなる。さらに、蒸気流路の幅を広げるとベーパーチャンバーを構成する重ね合わせた2枚のシートの接合面積が低下する虞があり耐久性にも問題が生じる可能性がある。
従って、発明者は、熱輸送能力をできるだけ低下させないために蒸気流路の流路断面積を広げることなく、凝縮液による蒸気流路の閉塞を防止する手段が必要であるとの考えに至り次のような着想を得た。図23(a)〜図23(c)に模式図を表した。
図23(a)に示したように幅がW、高さがHである矩形断面を有する1つの蒸気流路を考える。ここで蒸気流路はW>Hであり、いわゆる扁平断面の形状を備えた流路である。
作動流体は蒸気流路の内表面で凝縮するとともに、凝縮液は表面張力により球状となるように力が働き、自由表面を形成できる方向に対しては等しい大きさとなる。そうすると、薄幅化によりその高さ(厚さ方向大きさ)が小さくなった蒸気流路では、図23(b)に示したように、凝縮液は高さ方向についてはHに制限され、流路の長さ方向及び幅方向には自由表面を作り同じ大きさWとなる。
さらに凝縮液が大きくなり、図23(c)のように、凝縮液がちょうど蒸気流路を塞いだときには、凝縮液の幅は蒸気流路の幅Wと同じであるため、流路の長さ方向における凝縮液の大きさもWとなる。
従って、発明者は蒸気流路の長さ方向において、少なくとも蒸気流路の幅と同じ大きさ毎に凝縮液を蒸気流路から移動させる(除外する)手段を設けることにより、薄型化しても凝縮液により蒸気流路が閉塞されてしまうことを回避し、作動流体を円滑に還流させることができると着想し、これを具体化することにより本発明を完成させた。以下、本発明について説明する。
本発明の1つの態様は、第一シート、及び第一シートに重ねて接合された第二シートを有し、第一シートと第二シートとの間には密閉された空間が形成されており、該空間に作動流体が封入されたベーパーチャンバーであって、密閉空間には、第一シートと第二シートとの重ね合わせにより、作動流体が凝縮した液が流れる複数の凝縮液流路と、作動流体が気化した蒸気が流れる蒸気流路と、が形成され、蒸気流路と蒸気流路に隣り合う凝縮液流路とは、複数の開口部により連通されており、複数の開口部のピッチが蒸気流路の幅の大きさ以下となる開口部があるベーパーチャンバーである。
上記ベーパーチャンバーにおいて、凝縮液流路は、第一シートに設けられた凸条と第二シートに設けられた凸条とが重ね合わされることにより形成されており、第一シートの凸条及び第二シートの凸条のうちの少なくとも一方に液流路溝が形成され、蒸気流路は、第一シートに設けられた凸条に隣接する凹条と、第二シートに設けられた凸条に隣接する凹条とが重ね合わされることにより形成されているように構成してもよい。
上記ベーパーチャンバーにおいて、蒸気流路を流路断面が扁平形状、楕円形状、又は、半楕円形が組み合わさった形状としてもよい。
また、筐体と、筐体の内側に配置された電子部品と、電子部品に対して直接又は他の部材を介して接触して配置された上記ベーパーチャンバーと、を備える、電子機器を提供することができる。
本発明のベーパーチャンバーによれば、薄型化されても蒸気流路が凝縮液で閉塞される前に凝縮液が凝縮液流路に入るため、蒸気流路が閉塞されることなく作動流体の円滑な還流が促進され、熱輸送能力を高めることができる。
図1(a)はベーパーチャンバー1の斜視図、図1(b)はベーパーチャンバー1の分解斜視図である。 図2(a)は第一シート10の斜視図、図2(b)は第一シート10の平面図である。 図3は第一シート10の切断面である。 図4(a)、図4(b)は第一シート10の他の切断面である。 図5は外周液流路部14を平面視して一部を拡大して表した図である。 図6は他の例の外周液流路部14を平面視して一部を拡大して表した図である。 図7は液流路溝14aの断面形状が半楕円形である例である。 図8(a)は内側液流路部15に注目した切断面、図8(b)は内側液流路部15を平面視して一部を拡大して表した図である。 図9は蒸気流路溝16の断面形状が半楕円形である例である。 図10(a)は第二シート20の斜視図、図10(b)は第二シート20の平面図である。 図11は第二シート20の切断面である。 図12は第二シート20の他の切断面である。 図13はベーパーチャンバー1の切断面である。 図14は、図13の一部を拡大した図である。 図15は、図14のXV−XV矢視断面図である。 図16(a)、図16(b)は蒸気流路幅が変化する場合の例について説明する図である。 図17はベーパーチャンバー1の他の切断面である。 図18はベーパーチャンバー1’の切断面である。 図19(a)、図19(b)はベーバーチャンバー1’の変形例である。 図20はベーパーチャンバー1”の切断面である。 電子機器40を説明する斜視図である。 図22はベーパーチャンバー1の作動を説明する図である。 図23(a)〜図23(c)は蒸気流路内の凝縮液について説明する図である。
以下、本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら形態に限定されるものではない。なお、以下に示す図面では分かりやすさのため部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさのため説明上不要な部分の図示や繰り返しとなる符号は省略することがある。
図1(a)には1つの形態にかかるベーパーチャンバー1の外観斜視図、図1(b)にはベーパーチャンバー1の分解斜視図を表した。これら図及び以下に示す各図には必要に応じて便宜のため、互いに直交する方向を表す矢印(x、y、z)も表した。ここでxy面内方向は平板状であるベーパーチャンバー1の板面に沿った方向であり、z方向は厚さ方向である。
ベーパーチャンバー1は、図1(a)、図1(b)からわかるように第一シート10及び第二シート20を有している。そして、後で説明するように、この第一シート10と第二シート20とが重ねられて接合(拡散接合、ろう付け等)されていることにより第一シート10と第二シート20との間に密閉空間2が形成され(例えば図13参照)、この密閉空間2に作動流体が封入されている。
本形態で第一シート10は全体としてシート状の部材である。図2(a)には第一シート10を内面10a側から見た斜視図、図2(b)には第一シート10を内面10a側から見た平面図をそれぞれ表した。また、図3には図2(b)のIII−IIIで切断したときの第一シート10の切断面を示した。
第一シート10は、内面10a、該内面10aとは反対側となる外面10b及び内面10aと外面10bとを連結して厚さを形成する側面10cを備え、内面10a側に作動流体が還流する流路のためのパターンが形成されている。後述するようにこの第一シート10の内面10aと第二シート20の内面20aとが対向するようにして重ね合わされることで密閉空間2が形成される。
このような第一シート10は本体11及び注入部12を備えている。本体11は作動流体が還流する部位を形成するシート状であり、本形態では平面視で角が円弧(いわゆるR)にされた長方形である。
注入部12は第一シート10と第二シート20により形成された密閉空間2(例えば図13参照)に対して作動流体を注入する部位であり、本形態では本体11の平面視長方形である一辺から突出する平面視四角形のシート状である。本形態では第一シート10の注入部12は内面10a側も外面10b側も平坦面とされている。
このような第一シート10の厚さは特に限定されることはないが、0.1mm以上1.0mm以下が好ましい。これにより薄型のベーパーチャンバーとして適用できる場面を多くすることができる。
また、第一シート10を構成する材料も特に限定されることはないが、熱伝導率が高い金属であることが好ましい。これには例えば銅、銅合金を挙げることができる。
本体11の内面10a側には、作動流体が還流するための構造が形成されている。具体的には、本体11の内面10a側には、外周接合部13、外周液流路部14、内側液流路部15、蒸気流路溝16、及び、蒸気流路連通溝17が具備されて構成されている。
外周接合部13は、本体11の内面10a側に、該本体11の外周に沿って形成された平坦面である。この外周接合部13が第二シート20の外周接合部23に重なって接合(拡散接合、ろう付け等)されることにより、第一シート10と第二シート20との間に密閉空間2が形成され、ここに作動流体が封入される。
図2(b)、図3にA10で示した外周接合部13の幅は必要に応じて適宜設定することができるが、0.8mm以上3mm以下であることが好ましい。この幅が0.8mmより小さくなると第一シートと第二シートとの接合時における位置ずれが生じた際に接合面積が不足する虞がある。また、この幅が3mmより大きくなると、密閉空間の内容積が小さくなり蒸気流路や凝縮液流路が十分確保できなくなる虞がある。
また外周接合部13のうち、本体11の四隅には厚さ方向(z方向)に貫通する穴13aが設けられている。この穴は第二シート20との重ね合せの際の位置決め手段として機能する。
外周液流路部14は、液流路部として機能し、作動流体が凝縮して液化した際に通る凝縮液流路3の一部を構成する部位である。図4(a)には図3のうち矢印IVaで示した部分、図4(b)には図2(b)にIVb−IVbで切断される部位の切断面を示した。いずれの図にも外周液流路部14の断面形状が表れている。また、図5には図4(a)に矢印Vで示した方向から見た外周液流路部14を平面視した拡大図を表した。
これら図からわかるように、外周液流路部14は本体11の内面10aのうち、外周接合部13の内側に沿って形成され、密閉空間2の外周に沿って環状となるように設けられている。また、外周液流路部14には、本体11の外周方向に平行に延びる複数の溝である液流路溝14aが形成され、複数の液流路溝14aが、該液流路溝14aが延びる方向とは異なる方向に所定の間隔で配置されている。従って、図4(a)、図4(b)からわかるように外周液流路部14ではその断面において凹部である液流路溝14aと液流路溝14aの間である凸部14bとが凹凸を繰り返して形成されている。
ここで液流路溝14は溝であることから、その断面形状において、底部、及び底部とは向かい合わせとなる反対側の部位に開口を備えている。
また、このように複数の液流路溝14aを備えることで、1つ当たりの液流路溝14aの深さ及び幅を小さくし、凝縮液流路3(図14参照)の流路断面積を小さくして大きな毛管力を利用することができる。一方、液流路溝14aを複数とすることにより合計した全体としての凝縮液流路3の流路断面積は適する大きさが確保され、必要な流量の凝縮液を流すことができる。
さらに、外周液流路部14では、図5からわかるように隣り合う液流路溝14aは、所定の間隔で液連通開口部14cにより連通している。これにより複数の液流路溝14a間で凝縮液量の均等化が促進され、効率よく凝縮液を流すことができ、円滑な作動流体の還流が可能となる。また、蒸気流路4を形成する蒸気流路溝16に隣接する凸部14bに設けられた液連通開口部14cは、蒸気流路4と凝縮液流路3とを連通させる。従って、後で説明するように液連通開口部14cを構成することにより蒸気流路4で生じた凝縮液を円滑に凝縮液流路3に移動させることができ、凝縮液による蒸気流路4の閉塞を防止することができる。
本形態では図5で示したように1つの液流路溝14aの該溝を挟んで液流路溝14aが延びる方向において同じ位置に対向するように液連通開口部14cが配置されている。ただしこれに限定されることはなく、例えば図6に示したように、1つの液流路溝14aの該溝を挟んで液流路溝14aが延びる方向において異なる位置に液連通開口部14cが配置されてもよい。すなわち、この場合はいわゆる千鳥配列状に液連通開口部14cが配置されている。
以上のような構成を備える外周液流路部14は、さらに次のような構成を備えていることが好ましい。
図2(b)、図3、図4(a)、図4(b)にB10で示した外周液流路部14の幅は、ベーパーチャンバー全体の大きさ等から適宜設定することができるが、0.3mm以上2mm以下であることが好ましい。この幅が0.3mmより小さいと外側を還流する液の量が十分得られない虞がある。またこの幅が2mmを超えると内側の凝縮液流路や蒸気流路のための空間が十分にとれなくなる虞がある。
液流路溝14aについて、図5、図4(a)にCで示した溝幅は20μm以上200μm以下であることが好ましい。また、図4(a)、図4(b)にDで示した溝の深さは5μm以上200μm以下であることが好ましい。これにより還流に必要な液流路の毛管力を十分に発揮することができる。
流路の毛管力をより強く発揮する観点から、C/Dで表される流路断面におけるアスペクト比(縦横比)は、1.0よりも大きい、又は1.0よりも小さいことが好ましい。その中でも製造の観点からC>Dであることが好ましく、アスペクト比は1.3より大きいことが好ましい。
本形態では液流路溝14aの断面形状は長方形であるがこれに限定されることなく、正方形、台形等の四角形、三角形、半円形、半楕円形、底部が半円形、底部が半楕円形等であってもよい。図7には液流路溝が半楕円形である例を示した。この形状によりエッチングを用いて液流路溝を作製することが容易になる。
このなかでも、入隅による角部があることにより表面張力が働きやすく、毛管力によって液の還流が円滑に行われる傾向にあることから、四角形であることが好ましい。
また、複数の液流路溝14aにおける隣り合う液流路溝14aのピッチは40μm以上600μm以下であることが好ましい。これにより、凝縮液流路の密度を上げつつ、接合時や組み立て時に変形して流路が潰れることを防止することができる。
図2、図3に戻って内側液流路部15について説明する。内側液流路部15も液流路部として機能し、作動流体が凝縮して液化した際に通る凝縮液流路3の一部を構成する部位である。図8(a)には図3のうちVIIIaで示した部分を示した。この図にも内側液流路部15の断面形状が表れている。また、図8(b)には図8(a)に矢印VIIIbで示した方向から見た内側液流路部15を平面視した拡大図を示した。
これら図からわかるように、内側液流路部15は本体11の内面10aのうち、環状である外周液流路部14の環の内側に形成されている。本形態の内側液流路部15は、図2(a)、図2(b)からわかるように、本体11の平面視長方形で長辺に平行な方向(x方向)に延びる凸条であり、複数(本形態では3つ)の内側液流路部15が同短辺に平行な方向(y方向)に所定の間隔で配列されている。
各内側液流路部15には、内側液流路部15が延びる方向に平行な溝である液流路溝15aが形成され、複数の液流路溝15aが、該液流路溝15aが延びる方向とは異なる方向に所定の間隔で配置されている。従って、図3、図8(a)からわかるように内側液流路部15ではその断面において凹部である液流路溝15aと液流路溝15aの間である凸部15bとが凹凸を繰り返して形成されている。
ここで液流路溝15aは溝であることから、その断面形状において、底部、及び底部とは向かい合わせとなる反対側の部位に開口を備えている。
このように複数の液流路溝15aを備えることで、1つ当たりの液流路溝15aの深さ及び幅を小さくし、凝縮液流路3(図14参照)の流路断面積を小さくして大きな毛管力を利用することができる。一方、液流路溝15aを複数とすることにより合計した全体としての凝縮液流路3の流路断面積は適する大きさが確保され、必要な流量の凝縮液を流すことができる。
さらに、図8(b)からわかるように隣り合う液流路溝15aは、所定の間隔で液連通開口部15cにより連通している。これにより複数の液流路溝15a間で凝縮液量の均等化が促進され、効率よく凝縮液を流すことができるため、作動流体の円滑な還流が可能となる。また、蒸気流路4を形成する蒸気流路溝16に隣接する凸部15bに設けられた液連通開口部15cは、蒸気流路4と凝縮液流路3とを連通させる。従って、後で説明するように液連通開口部15cを構成することにより蒸気流路4で生じた凝縮液を円滑に凝縮液流路3に移動させることができ、凝縮液による蒸気流路4の閉塞を防止することができる。
この液連通開口部15cについても、液連通開口部14cと同様に、図6に示した例に倣って、いわゆる千鳥配列状に連通開口部が配置されてもよい。
以上のような構成を備える内側液流路部15は、さらに次のような構成を備えていることが好ましい。
図2(b)、図3、図8にG10で示した内側液流路部15の幅は、100μm以上2000μm以下であることが好ましい。また、複数の内側液流路部15のピッチは200μm以上4000μm以下であることが好ましい。これにより蒸気流路の流路抵抗を十分に下げ、蒸気の移動と、凝縮液の還流をバランスよく行うことができる。
液流路溝15aについて、図8(a)、図8(b)にHで示した溝幅は20μm以上200μm以下であることが好ましい。また、図8(a)にJで示した溝の深さは5μm以上200μm以下であることが好ましい。これにより還流に必要な凝縮液流路の毛管力を十分に発揮することができる。
流路の毛管力をより強く発揮する観点から、H/Jで表される流路断面におけるアスペクト比(縦横比)は、1.0よりも大きい、又は1.0よりも小さいことが好ましい。その中でも製造の観点からH>Jであることが好ましく、アスペクト比は1.3より大きいことが好ましい。
また、本形態で液流路溝15aの断面形状は長方形であるが、これに限らず、正方形、台形等の四角形、三角形、半円形、半楕円形、底部が半円形、底部が半楕円形等であってもよい。図7の例に倣って液流路溝14aと同様に液流路溝15aの断面形状を半楕円形とすることもできる。この形状によりエッチングを用いて液流路溝を作製することが可能である。
この中でも入隅による角部があることにより表面張力が働きやすく、毛管力で液の還流が円滑に行われる傾向にあることから、四角形であることが好ましい。
また、複数の液流路溝15aにおける隣り合う液流路溝15aのピッチは40μm以上600μm以下であることが好ましい。液流路の密度を上げつつ、接合時や組み立て時に変形して流路が潰れることを防止することができる。
次に蒸気流路溝16について説明する。蒸気流路溝16は作動流体が蒸発して気化した蒸気が通る部位で、蒸気流路4の一部を構成する。図2(b)には平面視した蒸気流路溝16の形状、図3には蒸気流路溝16の断面形状がそれぞれ表れている。
これら図からもわかるように、蒸気流路溝16は本体11の内面10aのうち、環状である外周液流路部14の環の内側に形成された溝により構成されている。詳しくは本形態の蒸気流路溝16は、隣り合う内側液流路部15の間、及び、外周液流路部14と内側液流路部15との間に形成され、本体11の平面視長方形で長辺に平行な方向(x方向)に延びた溝である。そして、複数(本形態では4つ)の蒸気流路溝16が同短辺に平行な方向(y方向)に配列されている。従って、図3からわかるように第一シート10は、y方向において、外周液流路部14及び内側液流路部15を凸条とし、蒸気流路溝16を凹条とした凹凸が繰り返された形状を備えている。
ここで蒸気流路溝16は溝であることから、その断面形状において、底部、及び該底部とは向かい合わせとなる反対側の部位に開口を備えている。
このような構成を備える蒸気流路溝16は、さらに次のような構成を備えていることが好ましい。
図2(b)、図3にM10で示した蒸気流路溝16の幅は、少なくとも上記した液流路溝14a、15aの幅C、幅Hより大きく形成され、100μm以上2000μm以下であることが好ましい。また、蒸気流路溝16のピッチは、内側液流路部15のピッチにより決まるのが通常である。
一方、図3にN10で示した蒸気流路溝16の深さは、少なくとも上記した液流路溝14a、15aの深さD、深さJより大きく形成され、10μm以上300μm以下であることが好ましい。
このように、蒸気流路溝の流路断面積を液流路溝よりも大きくすることにより、作動流体の性質上、凝縮液よりも体積が大きくなる蒸気を円滑に還流することができる。
ここで蒸気流路溝16は、後で説明するように第二シート20と組み合わされて蒸気流路4が形成されたときに、蒸気流路4の幅が高さ(厚さ方向大きさ)よりも大きい扁平形状となるように構成されていることが好ましい。そのため、M10/N10で示されるアスペクト比は好ましくは4.0以上、より好ましくは8.0以上である。
本形態では蒸気流路溝16の断面形状は長方形であるが、これに限らず正方形、台形等の四角形、三角形、半円形、半楕円形、底部が円形、底部が半楕円形等であってもよい。図9に蒸気流路溝16が半楕円形である例を表した。この形状によりエッチングを用いて蒸気流路溝を作製することが容易になる。
蒸気流路連通溝17は、複数の蒸気流路溝16を連通させる溝である。これにより、複数の蒸気流路溝16の蒸気の均等化が図られたり、蒸気がより広い範囲に運ばれ、多くの液流路溝14a、15aによる凝縮液流路3を効率よく利用できるようになったりする。これにより、作動流体の還流をより円滑にすることが可能となる。
本形態の蒸気流路連通溝17は、図2(a)、図2(b)からわかるように、内側液流路部15が延びる方向の両端部及び蒸気流路溝16が延びる方向の両端部と、外周液流路部14との間に形成されている。図4(b)には蒸気流路連通溝17の連通方向に直交する断面が表れている。なお、蒸気流路連通溝17と蒸気流路16との境界は必ずしも形状による境界が形成されるわけではないので、図2(a)、図2(b)にはわかりやすさのため、当該境界を点線で表した。
蒸気流路連通溝17は、隣り合う蒸気流路溝16を連通させるように形成されていればよく、その形状は特に限定されることはないが、例えば次のような構成を備えることができる。
図2(b)、図4(b)にP10で示した蒸気流路連通溝17の幅は、100μm以上1000μm以下であることが好ましい。
また、図4(b)にQ10で示した蒸気流路連通溝17の深さは、10μm以上300μm以下であることが好ましく、その中でも蒸気流路溝16の深さN10と同じであることが好ましい。これにより製造が容易になる。
本形態で蒸気流路連通溝17の断面形状は長方形であるが、これに限らず、正方形、台形等の四角形、三角形、半円形、半楕円形、底部が半円形、底部が半楕円形等であってもよい。図9の蒸気流路溝16の例に倣って蒸気流路連通溝17を半楕円形の断面とすることができる。この形状によりエッチングを用いて蒸気流路連通溝を作製することが容易となる。
次に第二シート20について説明する。本形態で第二シート20も全体としてシート状の部材である。図10(a)には第二シート20を内面20a側から見た斜視図、図10(b)には第二シート20を内面20a側から見た平面図をそれぞれ表した。また、図11には図10(b)にXI−XIで切断したときの第二シート20の切断面を示した。また、図12には図10(b)にXII−XIIで切断したときの第二シート20の切断面を示した。
第二シート20は、内面20a、該内面20aとは反対側となる外面20b及び内面20aと外面20bとを連結し厚さを形成する側面20cを備え、内面20a側に作動流体が還流するパターンが形成されている。後述するようにこの第二シート20の内面20aと上記した第一シート10の内面10aとが対向するようにして重ね合わされることで密閉空間が形成される。
このような第二シート20は本体21及び注入部22を備えている。本体21は作動流体が還流する部位を形成するシート状の部位であり、本形態では平面視で角が円弧(いわゆるR)とされた長方形である。
注入部22は第一シート10と第二シート20とにより形成された密閉空間2(図13参照)に対して作動流体を注入する部位であり、本形態では本体21の平面視長方形である一辺から突出する平面視四角形のシート状である。本形態では第二シート20の注入部22には内面20a側に注入溝22aが形成されており、第二シート20の側面20cから本体21の内側(密閉空間2となるべき部位)に連通している。
このような第二シート20の厚さ及び構成する材料は第一シート10と同様に考えることができる。
本体21の内面20a側には、作動流体が還流するための構造が形成されている。具体的には、本体21の内面20a側には、外周接合部23、外周液流路部24、内側液流路部25、蒸気流路溝26、及び、蒸気流路連通溝27が具備されている。
外周接合部23は、本体21の内面20a側に、該本体21の外周に沿って形成された面である。この外周接合部23が第一シート10の外周接合部13に重なって接合(拡散接合やろう付け等)されることにより、第一シート10と第二シート20との間に密閉空間2を形成し、ここに作動流体が封入される。
図10(b)、図11、図12にA20で示した外周接合部23の幅は上記した本体11の外周接合部13の幅A10と同じであることが好ましい。
また外周接合部23のうち、本体21の四隅には厚さ方向(z方向)に貫通する穴23aが設けられている。この穴23aは第一シート10との重ね合せの際の位置決め手段として機能する。
外周液流路部24は、液流路部であり、作動流体が凝縮して液化した際に通る凝縮液流路3の一部を構成する部位である。
外周液流路部24は本体21の内面20aのうち、外周接合部23の内側に沿って形成され、密閉空間2の外周に沿って環状を成すように形成されている。本形態において第二シート20の外周液流路部24は、図11、図12からわかるように第一シート10との接合前において平坦面であり外周接合部23と面一である。これにより上記した第一シート10の複数の液流路溝14aのうち少なくとも一部の液流路溝14aの開口を閉鎖して凝縮液流路3を形成する。第一シート10と第二シート20との組み合わせに関する詳しい態様は後で説明する。
なお、このように第二シート20では外周接合部23と外周液流路部24とが面一であるため、構造的には両者を区別する境界線は存在しない。しかし、わかり易さのため、図10(b)では点線により両者の境界を表している。
外周液流路部24は、次のような構成を備えていることが好ましい。
図10(b)、図11、図12に示した外周液流路部24の幅B20は特に限定されることはなく、第一シート10の外周液流路部14の幅B10と同じでもよいし、小さくてもよい。本形態では幅B10と幅B20とは同じである。
幅B20を幅B10より小さくすると、後で図20に示す例のように外周液流路部14のうち少なくとも一部において、液流路溝14aの開口が外周液流路部24により閉鎖されずに開口し、ここから凝縮液が入りやすいため、より円滑な凝縮液の還流をさせることができる。
次に内側液流路部25について説明する。内側液流路部25も液流路部であり、凝縮液流路3を構成する1つの部位である。
内側液流路部25は、図10(a)、図10(b)、図11、図12からわかるように、本体21の内面20aのうち、外周液流路部24の環状である環の内側に形成されている。本形態の内側液流路部25は、本体21の平面視長方形で長辺に平行な方向(x方向)に延びる凸条であり、複数(本形態では3つ)の内側液流路部25が同短辺に平行な方向(y方向)に所定の間隔で配列されている。
本形態で各内側液流路部25は、その内面20a側の表面が第一シート10との接合前において平坦面となるように形成されている。これにより上記した第一シート10の複数の液流路溝15aのうち少なくとも一部の液流路溝15aの開口を閉鎖して凝縮液流路3を形成する。
図10(b)、図11に示した内側液流路部25の幅G20は特に限定されることはなく、第一シート10の内側液流路部15の幅G10と同じでもよいし、小さくてもよい。本形態では幅G10と幅G20とは同じである。
幅G20を幅G10より小さくすると、後で図20に示す例のように内側液流路部15のうち少なくとも一部において、液流路溝15aの開口が内側液流路部25により閉鎖されずに開口し、ここから凝縮液が入りやすいため、より円滑な凝縮液の還流をさせることができる。
次に蒸気流路溝26について説明する。蒸気流路溝26は作動流体が蒸発して気化した蒸気が通る部位であり、蒸気流路4の一部を構成する。図10(b)には平面視した蒸気流路溝26の形状、図11には蒸気流路溝26の断面形状がそれぞれ表れている。
これら図からもわかるように、蒸気流路溝26は本体21の内面20aのうち、環状である外周液流路部24の環の内側に形成された溝により構成されている。詳しくは本形態の蒸気流路溝26は、隣り合う内側液流路部25の間、及び、外周液流路部24と内側液流路部25との間に形成され、本体21の平面視長方形で長辺に平行な方向(x方向)に延びた溝である。そして、複数(本形態では4つ)の蒸気流路溝26が同短辺に平行な方向(y方向)に配列されている。従って、図11からわかるように第二シート20は、y方向において、外周液流路部24及び内側液流路部25を凸とする凸条が形成され、蒸気流路溝26を凹とする凹条が形成されて、これらの凹凸が繰り返された形状を備えている。
ここで蒸気流路溝26は溝であることから、その断面形状において、底部、及び該底部とは向かい合わせとなる反対側の部位に開口を備えている。
蒸気流路溝26は、第一シート10と組み合わされた際に該第一シート10の蒸気流路溝16と厚さ方向に重なる位置に配置されていることが好ましい。これにより蒸気流路溝16と蒸気流路溝26とで蒸気流路4を形成することができる。
図10(b)、図11にM20で示した蒸気流路溝26の幅は特に限定されることはなく、第一シート10の蒸気流路溝16の幅M10と同じでもよいし、大きくしてもよい。本形態では幅M10と幅M20とは同じである。
幅M20を幅M10より大きくすると、後で図20に示す例のように内側液流路部15のうち少なくとも一部において、液流路溝15aの開口が内側液流路部25により閉鎖されずに開口し、ここから凝縮液が入りやすいため、より円滑な凝縮液の還流をさせることができる。
一方、図11にN20で示した蒸気流路溝26の深さは、10μm以上300μm以下であることが好ましい。
ここで蒸気流路溝26は、後で説明するように第一シート10と組み合わされて蒸気流路4が形成されたときに、蒸気流路4の幅が高さ(厚さ方向大きさ)よりも大きい扁平形状となるように構成されていることが好ましい。そのため、M20/N20で示されるアスペクト比は好ましくは4.0以上、より好ましくは8.0以上である。
本形態で蒸気流路溝26の断面形状は長方形であるが、正方形、台形等の四角形、三角形、半円形、半楕円形、底部が半円形、底部が半楕円形等であってもよい。図9の蒸気流路溝16の例に倣って蒸気流路溝26を半楕円形断面にすることができる。この形状によりエッチングを用いて蒸気流路溝を作製することが容易になる。
蒸気流路連通溝27は、複数の蒸気流路溝26を連通させる溝であり、蒸気流路4の一部を構成する。これにより、複数の蒸気流路4の蒸気の均等化が図られたり、蒸気がより広い範囲に運ばれ、多くの凝縮液流路3を効率よく利用できるようになったりするため、作動流体の還流をより円滑にすることが可能となる。
本形態の蒸気流路連通溝27は、図10(b)、図11からわかるように、内側液流路部25が延びる方向の両端部及び蒸気流路溝26が延びる方向の両端部と、外周液流路部24との間に形成されている。また、図11には蒸気流路連通溝27の連通方向に直交する断面が表れている。
図10(b)、図12にP20で示した蒸気流路連通溝27の幅は特に限定されることはなく、第一シート10の蒸気流路連通溝17の幅P10と同じであってもいし、幅P10よりも大きくてもよい。
幅P20を幅P10よりも大きくしたときには、第一シート10の外周液流路部14のうち少なくとも一部において、液流路溝14aの開口が蒸気流路4の一部を形成するように配置されるため凝縮液が入りやすくなり、より円滑に凝縮液を還流させることができる。
幅P20の大きさは、50μm以上200μm以下の範囲であることが好ましく、図12にQ20で示した蒸気流路連通溝27の深さは、10μm以上300μm以下であることが好ましい。
本形態で蒸気流路連通溝27の断面形状は長方形であるが、これに限らず正方形、台形等の四角形、三角形、半円形、半楕円形、底部が半円形、底部が半楕円形等であってもよい。図9の蒸気流路溝16の例に倣って蒸気流路連通溝27の断面形状を半楕円形とすることもできる。この形状によりエッチングを用いて蒸気流路連通溝を作製することが容易になる。
次に、第一シート10と第二シート20とが組み合わされてベーパーチャンバー1とされたときの構造について説明する。この説明により、第一シート10及び第二シート20が有する各構成の配置、大きさ、形状等がさらに理解される。
図13には、図1(a)にXIII−XIIIで示したy方向に沿ってベーパーチャンバー1を厚さ方向に切断した切断面を表した。この図は第一シート10における図3に表した図と、第二シート20における図11に表した図とが組み合わされてこの部位におけるベーパーチャンバー1の切断面が表されたものである。
図14には図13にXIVで示した部位を拡大した図、図15には図14のXV−XVに沿った矢視断面図をそれぞれ表した。また、図17には、図1(a)にXVI−XVIで示したx方向に沿ってベーパーチャンバー1の厚さ方向に切断した切断面を表した。この図は、第一シート10における図4(b)に表した図と、第二シート20における図12に表した図とが組み合わされてこの部位におけるベーパーチャンバー1の切断面が表されたものである。
図1(a)、図1(b)、及び図13〜図17よりわかるように、第一シート10と第二シート20とが重ねられるように配置され接合されることでベーパーチャンバー1とされている。このとき第一シート10の内面10aと第二シート20の内面20aとが向かい合うように配置されており、第一シート10の本体11と第二シートの本体21とが重なり、第一シート10の注入部12と第二シート20の注入部22とが重なっている。本形態では、第一シート10と第二シート20との相対的な位置関係は、第一シート10の穴13aと第二シート20の穴23aと位置を合わせることで適切になるように構成されている。
このような第一シート10と第二シート20との積層体により、本体11及び本体21に具備される各構成が図13〜図17に表れるように配置される。具体的には次の通りである。
第一シート10の外周接合部13と第二シート20の外周接合部23とが重なるように配置されており、拡散接合やろう付け等の接合手段により両者が接合されている。これにより、第一シート10と第二シート20との間に密閉空間2が形成されている。
本形態のベーパーチャンバー1は、薄型である場合に特にその効果が大きい。かかる観点から図1、図13にTで示したベーパーチャンバー1の厚さは1mm以下、より好ましくは0.3mm以下、さらに好ましくは0.2mm以下である。0.3mm以下とすることにより、ベーパーチャンバー1を設置する電子機器において、ベーパーチャンバーを配置するスペースを形成するための加工をすることなく電子機器にベーパーチャンバーを設置することができることが多くなる。そして本形態によれば、このような薄いベーパーチャンバーであっても作動流体の円滑な還流ができる。
第一シート10の外周液流路部14と第二シート20の外周液流路部24とが重なるように配置されている。これにより外周液流路部14の液流路溝14a及び外周液流路部24により作動流体が凝縮して液化した状態である凝縮液が流れる凝縮液流路3が形成される。
同様に、第一シート10の凸条である内側液流路部15と第二シート20の凸条である内側液流路部25とが重なるように配置されている。これにより内側液流路部15の液流路溝15a及び内側液流路部25により凝縮液が流れる凝縮液流路3が形成される。
ここで、図15にも表れているように、凝縮液流路3には液連通開口部14c、及び液連通開口部15cが形成されている。これにより複数の凝縮液流路3が連通し、凝縮液の均等化が図られて効率よく凝縮液の移動が行われる。また、蒸気流路4に隣接し、蒸気流路4と凝縮液流路3を連通する液連通開口部14c、15cについては、蒸気流路4で生じた凝縮液を円滑に凝縮液流路3に移動させ、蒸気流路4が凝縮液で閉塞されることを防止することができる。
しかしながら、上記したようにベーパーチャンバーの高い熱輸送能力を保ちつつ薄型化をした場合には、単に液連通開口部14c、15cを設けただけでは凝縮液による蒸気流路の閉塞を防ぐことはできなかった。これに対して具体的に次の構成を備える。ここでは内側液流路部15、25による凝縮液流路3、蒸気流路4、及び液連通開口部15cの関係について説明するが、外周液流路部14、24による凝縮液流路3、蒸気流路4、及び液連通開口部14cの関係についても同様に考えることができる。ただし、必ずしも全ての凝縮液流路、蒸気流路、及び液連通開口部が下記構造を備えている必要はない。
液連通開口部15cは、図15に示した流路長手方向のピッチPが、蒸気流路4の幅(y方向大きさ)W以下とされている。すなわちP≦Wである。これにより図23に表して説明したように凝縮液が蒸気流路を閉塞する前に凝縮液を凝縮液流路に導くことができ、凝縮液を蒸気流路から排出することが可能となる。従って蒸気流路の閉塞が防止されて作動流体の円滑な還流が維持される。
このようにピッチPが幅W以下となる液連通開口部15cは、全ての液連通開口部15cを対象とする必要はなく、少なくとも蒸気流路に隣接し、蒸気流路と凝縮液流路とを連通する液連通開口部に対してこのように構成すればよい。そしてその中でも蒸気流路に隣接し、蒸気流路と凝縮液流路とを連通する液連通開口部のうちの少なくとも90%以上においてP≦Wが成立することが好ましい。また、このような関係が成立する部位を蒸気流路が凝縮液により閉塞し易い部位に限って設けてもよい。
さらに円滑に蒸気流路が閉塞する前に凝縮液を凝縮液流路へ移動させる観点から、併せて次のような構成を備えてもよい。
ピッチPが幅Wの1/2以下としてもよい。すなわち2P≦Wである。これにより、さらに蒸気流路からの凝縮液の排出が円滑に行われ、より確実に蒸気流路の閉塞を防止することができる。
1つの蒸気流路の幅方向両側に液連通開口部が存在するとともに、当該両側の液連通開口部がP≦Wとなるように構成してもよい。これによってもさらに蒸気流路からの凝縮液の排出が円滑に行われ、より確実に蒸気流路の閉塞を防止することができる。このとき、当該両側の液連通開口部でピッチ、及び/又は、ピッチ方向における液連通開口部の位置がずれているとさらに凝縮液の排出効果が高い。さらにこれによりベーパーチャンバーの強度が上がってつぶれ難くなる。
図15にLで示した液連通開口部15cの長さは0.05mm以上0.2mm以下とすることができる。これにより凝縮液流路3の毛管力の大きさと、液連通開口部15cの上記連通機能とのバランスを良好にすることが可能である。同様の観点から、L/Pで表される開口長さ比を0.2以上0.5以下、好ましくは0.4以下としてもよい。L/Pが0.5より大きくなると特に薄型のベーパーチャンバーでは強度が低下して蒸気流路や凝縮液流路が潰れるおそれがある。
図14に示した凝縮液流路3の高さHは、本形態では液流路溝15aの深さに準じるが、0.005mm以上0.2mm以下であることが好ましい。これにより還流に必要な凝縮液流路の毛管力を十分に発揮することができる。なお、本形態では液流路溝を第一シートのみに形成したが、第二シートにも液流路溝を形成して両方の液流路溝を重ねることにより凝縮液流路が形成されてもよい。その場合は、両方の液流路溝の深さの合計に基づいて凝縮液流路の高さHが決まる。
図14に示した蒸気流路4の高さHは、本形態では蒸気流路溝16の深さと蒸気流路溝26との合計に準じるが、20μm以上600μm以下であることが好ましい。
また、蒸気流路が延びる方向における形態の変化に対しては、次のように考えることができる。
蒸気流路が延びる方向で液連通開口部のピッチPが異なる場合には、その中で最も大きいピッチPが蒸気流路の幅W以下であることが最も好ましい。ただし、これに限らず、上記したように蒸気流路が凝縮液により閉塞し易い部位として、熱源が配置されて蒸発部となる部位と蒸発部から離隔した凝縮部となる部位との間となる部位があり、この部位でP≦Wとなるように構成されていてもよい。
また、1つの蒸気流路に隣接し、蒸気流路と凝縮液流路とを連通する液連通開口部のうち少なくとも90%の液連通開口部でP≦Wとすることが好ましい。
また、図16(a)、図16(b)に模式的に示した蒸気流路4のように蒸気流路が延在する方向において幅が異なる場合には次のように考えることができる。ここで図16(a)は蒸気流路4の延在方向に沿って幅が小さくなる例である。ここでは傾斜状に徐々に幅が小さくなる例を示したが、階段(ステップ)状に幅が小さくなるような構成も考えられる。一方、図16(b)は延在方向において一度幅が小さくなり途中で幅がまた大きくなるように変化する例である。この例でも傾斜状に徐々に幅が変化する例を示したが、階段(ステップ)状に幅が変化するような構成も考えられる。
このように蒸気流路がその延在方向で幅が異なる場合(図16(a)、図16(b)では最大幅をWB1、最小幅をWB2とした。)には、液連通開口部のピッチPが最小幅WB2以下であること、すなわちP≦WB2であることが最も好ましい。
また、図16(a)に模式的に表したように、1つの蒸気流路4を挟んで一方の液連通開口部15cのピッチと他方の液連通開口部15cのピッチとが異なる場合、図16(a)にWB3で示したように、液連通開口部15cが対向して存在する位置における蒸気流路4の幅が、ピッチP以上であるように構成してもよい。ここでピッチPは大きい方のピッチを用いる。またこのような部位が複数ある場合には、そのうちの最も狭い部位の蒸気流路の幅を用いる。
一方、蒸気流路の延在方向における液連通開口部のピッチの変化と、蒸気流路の延在方向における該蒸気流路の幅の変化と、が複合的に生じるように構成されている場合には、当該蒸気流路における液連通開口部の平均ピッチをPAmとし、蒸気流路の平均幅をWBmとしたときに、PAm≦WBmとなるようにしてもよい。
または、蒸気流路と凝縮液流路とを連通する液連通開口部のうち少なくとも90%の液連通開口部でP≦WBmとなるように構成することもできる。
また、1つの蒸気流路が延在する方向において、連続して並ぶ10個の液連通開口部を抽出し、この10個のうち少なくとも9個(90%に相当)の液連通開口部のピッチPA10が、この10個の液連通開口部が存在する範囲における蒸気流路の平均幅WB10以下となるように構成してもよい。
第一シート10の蒸気流路溝16の開口と第二シート20の蒸気流路溝26の開口とが向かい合うように重なって流路を形成し、これが蒸気が流れる蒸気流路4となる。
ここで、蒸気流路4はベーパーチャンバー1の薄型化に伴い、その断面形状が扁平形状とされている。これにより薄型化されても流路内の表面積を確保することが可能とされ、熱輸送能力を高い水準に維持することが可能となる。より具体的には、図14に表した蒸気流路4の幅W、高さHにおいて、W/Hで表される比が2.0以上であることが好ましい。さらに高い熱輸送能力を確保する観点から、当該比は4.0以上がさらに好ましい。
ベーパーチャンバー1では、このように薄型で熱輸送能力が高い形状であっても上記した液連通開口部と蒸気流路との関係を有していることにより、蒸気流路が凝縮液で閉塞することなく作動流体の還流が可能となる。
また、熱輸送能力をさらに高める観点から蒸気流路について、「流路断面積/当該断面における濡れ縁長さ」の値が0.03mm以上0.2mm以下とすることができる。このように、ベーパーチャンバー1ではさらに伝熱性能を高めても作動流体の円滑な還流が可能である。
図17からわかるように、第一シート10の蒸気流路連通溝17の開口と第二シート20の蒸気流路連通溝27の開口とが向かい合うように重なり流路を形成し、これが蒸気が流れる蒸気流路4となる。この蒸気流路4により全ての蒸気流路が連通する。
一方、注入部12、22についても図1に表れているように、その内面10a、20a同士が向かい合うように重なり、第二シート20の注入溝22aの底部とは反対側の開口が第一シート10の注入部12の内面10aより塞がれ、外部と本体11、21間の密閉空間2(凝縮液流路3及び蒸気流路4)とを連通する注入流路5が形成されている。
ただし、注入流路5から密閉空間2に対して作動流体を注入した後は、注入流路5は閉鎖されるので、最終的な形態のベーパーチャンバー1では外部と密閉空間2とは連通していない。
ベーパーチャンバー1の密閉空間2には、作動流体が封入されている。作動流体の種類は特に限定されることはないが、純水、エタノール、メタノール、アセトン等、通常のベーパーチャンバーに用いられる作動流体を用いることができる。
以上のようなベーパーチャンバーは例えば次のように作製することができる。
第一シート10及び第二シート20の外周形状を有する金属シートに対して、液流路溝14a、15a、蒸気流路溝16、26、及び蒸気流路連通溝17、27をハーフエッチングにより形成する。ここでハーフエッチングとは、エッチングにより厚さ方向を貫通させることなく厚さ方向の途中までエッチングによる材料の除去を行い、溝や窪みを形成することである。
次いで、第一シート10及び第二シート20の内面10a、20aを向かい合わせるように重ね、位置決め手段としての穴13a、23aを用いて位置決めし、仮止めを行う。仮止めの方法は特に限定されることはないが、抵抗溶接、超音波溶接、及び接着剤による接着等を挙げることができる。
そして仮止め後に拡散接合を行い恒久的に第一シート10と第二シート20とを接合する。なお、拡散接合の代わりにろう付けにより接合してもよい。
接合の後、形成された注入流路5から真空引きを行い、密閉空間2を減圧する。その後、減圧された密閉空間2に対して注入流路5から作動流体を注入して密閉空間2に作動流体が入れられる。そして注入部12、22に対してレーザーによる溶融を利用したり、かしめたりして注入流路5を閉鎖する。これにより密閉空間2の内側に作動流体が安定的に保持される。
図18、図20には変形例にかかるベーパーチャンバー1’、1”を示した。これらの図はいずれも図13に相当する図である。
図18に示したベーパーチャンバー1’では蒸気流路4が楕円形に形成されている。このような形状にすると、凝縮液流路へ凝縮液を引き込む際に楕円の両端にも毛管力が働くため、凝縮液が速やかに移動及び排出することができる。またこの形態では蒸気流路溝をエッチングにより作製しやすい。
さらにベーパーチャンバー1’の変形にかかる図19(a)に示したように重ね合わせる蒸気流路溝16、26の幅を代えて段差を形成したり、図19(b)に示したように重ね合わせる蒸気流路溝16、26を幅方向の位置をずらして段差を形成したりすることで、さらに楕円の両端の毛管力を強めることができる。これら図19(a)、図19(b)に示した形態は、蒸気流路4が楕円形ではないが、2つの半楕円形の蒸気流路溝が組み合わさって1つの蒸気流路を形成している。
図20に示したベーパーチャンバー1”では第二シート20の外周液流路部24、及び内側液流路部25の幅が、第一シート10の外周液流路部14、及び内側液流路部15の幅よりも小さくなるように形成されている。これによれば、最も蒸気流路4に近い凝縮液流路において、該凝縮液流路の開口が蒸気流路4に露出しているので、ここからも凝縮液が凝縮液流路3に入り易く、作動流体の還流をさらに円滑にすることができる。
これらいずれのベーパーチャンバー1’、1”も、蒸気流路4の断面形状においてその高さ方向(z方向)位置で幅(y方向大きさ)が異なる。このような場合には、当該蒸気流路の最大幅を蒸気流路の幅とし、これに基づいて液連通開口部のピッチを決めればよい。
次にベーパーチャンバー1の作用について説明する。図21には電子機器の一形態である携帯型端末40の内側にベーパーチャンバー1が配置された状態を模式的に表した。ここではベーパーチャンバー1は携帯型端末40の筐体41の内側に配置されているため点線で表している。このような携帯型端末40は、各種電子部品を内包する筐体41及び筐体41の開口部を通して外部に画像が見えるように露出したディスプレイユニット42を備えて構成されている。そしてこれら電子部品の1つとして、ベーパーチャンバー1により冷却すべき電子部品30が筐体41内に配置されている。
ベーパーチャンバー1は携帯型端末等の筐体内に設置され、CPU等の冷却すべき対象物である電子部品30に取り付けられる。電子部品30はベーパーチャンバー1の外面10b又は外面20bに直接、又は、熱伝導性の高い粘着剤、シート、テープ等を介して取り付けられる。外面10b、外面20bのうちどの位置に電子部品30が取り付けられるかは特に限定されることはなく、携帯型端末等において他の部材の配置との関係により適宜設定される。本形態では図1(a)に点線で示したように、冷却すべき熱源である電子部品30を第一シート10の外面10bのうち、本体11のxy方向中央に配置した。従って図1(a)において電子部品30は死角となって見えない位置なので点線で表している。
図22には作動流体の流れを説明する図を表した。説明のし易さのため、この図では第二シート20は省略し、第一シート10の内面10aが見えるように表示している。
電子部品30が発熱すると、その熱が第一シート10内を熱伝導により伝わり、密閉空間2内における電子部品30に近い位置に存在する凝縮液が熱を受ける。この熱を受けた凝縮液は熱を吸収し蒸発し気化する。これにより電子部品30が冷却される。
気化した作動流体は蒸気となって図22に実線の直線矢印で示したように蒸気流路4内を流れて移動する。この流れは電子部品30から離隔する方向に生じるため、蒸気は電子部品30から離れる方向に移動する。
蒸気流路4内の蒸気は熱源である電子部品30から離れ、比較的温度が低いベーパーチャンバー1の外周部に移動し、当該移動の際に順次第一シート10及び第二シート20に熱を奪われながら冷却される。蒸気から熱を奪った第一シート10及び第二シート20はその外面10b、20bに接触した携帯型端末装置の筐体等に熱を伝え、最終的に熱は外気に放出される。
蒸気流路4を移動しつつ熱を奪われた作動流体は凝縮して液化する。この凝縮液は蒸気流路4の壁面に付着する。一方で蒸気流路4には連続して蒸気が流れているので、凝縮液は蒸気で押し込まれるように、液連通開口部等から凝縮液流路3に移動する。本形態の凝縮液流路3は液連通開口部14c、15cを備えているので、凝縮液はこの液連通開口部14c、15cを通って複数の凝縮液流路3に分配される。
凝縮液流路3に入った凝縮液は、凝縮液流路による毛管現象、及び、蒸気からの押圧により、図22に点線の直線矢印で表したように熱源である電子部品30に近づくように移動する。そして再度熱源である電子部品30からの熱により気化して上記を繰り返す。
以上のように、ベーパーチャンバー1によれば、凝縮液流路において高い毛管力で凝縮液の還流が良好となり、熱輸送量を高めることができる。
薄型で蒸気流路の熱性能が高いベーパーチャンバーは、気化した蒸気が熱源である電子部品30からあまり離れていない時点で凝縮を開始してしまい、蒸気流路を塞いでしまう虞がある。これに対してベーパーチャンバー1では、蒸気流路と、該蒸気流路に隣接する液連通開口部との間に上記した関係を具備している。これにより、薄型で蒸気流路の熱性能が高くても凝縮液が蒸気流路を塞いでしまう前に凝縮液を凝縮液流路に移動させることができ、蒸気流路の閉塞を防止するので作動流体の適切で円滑な還流が可能となる。
1 ベーパーチャンバー
2 密閉空間
3 凝縮液流路
4 蒸気流路
10 第一シート
10a 内面
10b 外面
10c 側面
11 本体
12 注入部
13 外周接合部
14 外周液流路部
14a 液流路溝
14c 液連通開口部
15 内側液流路部
15a 液流路溝
15c 液連通開口部
16 蒸気流路溝
17 蒸気流路連通溝
20 第二シート
20a 内面
20b 外面
20c 側面
21 本体
22 注入部
23 外周接合部
24 外周液流路部
25 内側液流路部
26 蒸気流路溝
27 蒸気流路連通溝

Claims (5)

  1. 第一シート、及び前記第一シートに重ねて接合された第二シートを有し、前記第一シートと前記第二シートとの間には密閉された空間が形成されており、該空間に作動流体が封入されたベーパーチャンバーであって、
    前記密閉空間には、前記第一シートと前記第二シートとの重ね合わせにより、前記作動流体が凝縮した液が流れる複数の凝縮液流路と、前記作動流体が気化した蒸気が流れる蒸気流路と、が形成され、
    前記蒸気流路と前記蒸気流路に隣り合う前記凝縮液流路とは、複数の開口部により連通されており、
    前記複数の開口部のピッチが前記蒸気流路の幅の大きさ以下となる前記開口部がある、ベーパーチャンバー。
  2. 前記凝縮液流路は、前記第一シートに設けられた凸条と前記第二シートに設けられた凸条とが重ね合わされることにより形成されており、前記第一シートの前記凸条及び前記第二シートの前記凸条のうちの少なくとも一方に液流路溝が形成され、
    前記蒸気流路は、前記第一シートに設けられた前記凸条に隣接する凹条と、前記第二シートに設けられた前記凸条に隣接する凹条とが重ね合わされることにより形成されている、請求項1に記載のベーパーチャンバー。
  3. 前記蒸気流路は、流路断面が扁平形状である請求項1又は2に記載のベーパーチャンバー。
  4. 前記蒸気流路は、流路断面が楕円形、又は、半楕円形が組み合わさった形状である請求項1乃至3のいずれかに記載のベーパーチャンバー。
  5. 筐体と、
    前記筐体の内側に配置された電子部品と、
    前記電子部品に対して直接又は他の部材を介して接触して配置された請求項1乃至4のいずれかに記載されたベーパーチャンバーと、を備える、電子機器。
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