JP7511759B2 - 圧縮機用電動機、圧縮機、冷凍サイクル装置及び圧縮機用電動機の製造方法 - Google Patents

圧縮機用電動機、圧縮機、冷凍サイクル装置及び圧縮機用電動機の製造方法 Download PDF

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本開示は、複数の電線を有する圧縮機用電動機、圧縮機、冷凍サイクル装置及び圧縮機用電動機の製造方法に関する。
一般に、圧縮機用電動機(以下、電動機という)は、固定子の巻線部を構成する複数の電線を備えている。このような電動機において、これらの複数の電線は接合され、その接合部は例えば絶縁紙等の絶縁材で包まれている。複数の電線が接合された複数の電線の集合体について開示したものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の集合体は、第1電線の第1被覆部から露出する第1露出芯線部と、第2電線の第2被覆部から露出する第2露出芯線部とを接合して構成されている。特許文献1では、U字状に曲げられた第1露出芯線部の間に第2露出芯線部が配置された状態、あるいは、第2露出芯線部における先端部を除く部分の外周に第1露出芯線部を螺旋状に巻いた状態で、第1露出芯線部と第2露出芯線部とが接合されている。
特開2017-76497号公報
一般に、第1露出芯線部の先端面は、第1電線の切断時に加わる力によって先端の付近よりも幅広になり、先端面における幅方向の両側に突起が発生する。同様に、第2露出芯線部の先端面は、第2電線の切断時に加わる力によって先端の付近よりも幅広になり、幅方向の両側に突起が発生する。したがって、特許文献1に開示されるようにU字状に曲げられた第1露出芯線部の間に第2露出芯線部が配置される構成では、先端面における幅方向の中央は第2露出芯線部に覆われるものの、先端面における幅方向の両側の突起は第2露出芯線部からはみ出してしまう。また、特許文献1に開示されるように第2露出芯線部における先端部を除く部分の外周にのみ第1露出芯線部が螺旋状に巻かれた構成では、第2露出芯線部の先端面の縁部が露出するので、先端面における幅方向の両側の突起が第1露出芯線部から突出してしまう。よって、特許文献1に開示されたいずれの構成でも、第1露出芯線部と第2露出芯線部との接合部を包む絶縁材を突起が突き破り、絶縁不良になる場合があった。
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、絶縁不良を抑制する圧縮機用電動機、圧縮機、冷凍サイクル装置及び圧縮機用電動機の製造方法を提供することを目的とする。
本開示に係る圧縮機用電動機は、固定子巻線を有する固定子を備えた圧縮機用電動機であって、前記固定子巻線は、複数の第1電線の一端部が纏めて捻られて構成された線束状の第1端部を有し、前記第1端部の先端に第1端面を有する第1電線束と、複数の第2電線で構成され、前記第1電線束の前記第1端部に螺旋状に巻かれた第2端部を有する第2電線束と、前記第1端部と前記第2端部とを包む絶縁材と、を備え、前記第2端部は、前記第1電線束の前記第1端面の縁部を覆うように巻かれており、前記第2電線束は、前記第2端部の先端に第2端面を有し、前記第2電線束の前記第2端面は、前記第2端部の外周面が形成する円状の外形よりも内側に位置している。
また、本開示に係る圧縮機は、上記の圧縮機用電動機と、前記圧縮機用電動機により駆動し、外部から吸入した流体を圧縮する圧縮要素と、前記圧縮機用電動機及び前記圧縮要素を収容する密閉容器と、を備えている。
本開示に係る冷凍サイクル装置は、上記の圧縮機と、室外熱交換器、膨張弁及び室内熱交換器と、を備えている。
また、本開示に係る圧縮機用電動機の製造方法は、複数の第1電線の一端部が纏めて捻られて構成された線束状の第1端部を有し、前記第1端部の先端に第1端面を有する第1電線束と、複数の第2電線で構成され、前記第1電線束の前記第1端部に螺旋状に巻かれた第2端部を有する第2電線束と、前記第1端部と前記第2端部とを包む絶縁材と、を備えた固定子巻線を有する固定子を備えた圧縮機用電動機の製造方法であって、前記第2端部が、前記第1電線束の前記第1端面の縁部を覆うように巻かれ、且つ、前記第2端部の先端の第2端面が、前記第2端部の外周面が形成する円状の外形よりも内側に位置する状態で、前記第2端部の外周面に外部から圧力をかける加圧工程を有する。
本開示によれば、突起を生じ易い第1端面を含む第1端部には、第1端面の縁部を覆うように第2端部が巻かれており、且つ、突起を生じ易い第2端面は、第2端部の外周面が形成する円状の外形以内に位置している。したがって、第1端部と第2端部との接合部において突起が絶縁材を突き破ることが抑制されるので、絶縁不良を抑制することができる。
実施の形態1に係る冷凍サイクル装置における冷房運転時の冷媒回路を示す回路図である。 実施の形態1に係る冷凍サイクル装置における暖房運転時の冷媒回路を示す回路図である。 図1に記載された圧縮機の構成を示す縦断面図である。 図3に記載された電動機の固定子の概略構成を示す平面図である。 図3に記載された電動機の固定子における固定巻線部の配置図である。 図5に記載された固定巻線部の結線図である。 図5に記載された固定子巻線の他端部が絶縁材で被覆された状態を外周面側から見た図である。 図7に記載された接合部を先端側から見た場合における第2端部のみを示す図である。 実施の形態2に係る電動機の固定子巻線の接合部を先端側から見た場合における第2端部のみを示す図である。 実施の形態3に係る電動機の固定子巻線の他端部が絶縁材で被覆された状態を外周面側から見た図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置10における冷房運転時の冷媒回路11を示す回路図である。図2は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置10における暖房運転時の冷媒回路11を示す回路図である。図1中、実線矢印は冷房運転時に冷媒が流れる方向を示し、図2中、破線矢印は暖房運転時に冷媒が流れる方向を示している。
図1及び図2に基づき、冷凍サイクル装置10の構成について説明する。冷凍サイクル装置10は、冷媒が循環する冷媒回路11を備えている。実施の形態1では、冷凍サイクル装置10が空気調和機であるものとして説明するが、冷凍サイクル装置10は、例えばヒートポンプサイクル装置といった空気調和機以外の機器であってもよい。
冷媒回路11は、圧縮機12、室外熱交換器14、減圧装置15、及び室内熱交換器16等が冷媒配管により接続されて形成されている。圧縮機12は、冷媒を圧縮し、冷媒回路11に循環させる。室外熱交換器14及び室内熱交換器16は、冷媒と空気とを熱交換させる。減圧装置15は、例えば膨張弁で構成され、冷媒を膨張させ減圧する。
また、図1及び図2に示される例では、冷媒回路11は流路切替装置13を有している。流路切替装置13は、圧縮機12から吐出された冷媒の流路を切り替えるものであり、例えば四方弁で構成される。
流路切替装置13により、冷房と暖房とが切り替えられる。冷凍サイクル装置10は、各種アクチュエータを制御する制御装置17を備えている。制御装置17は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリ等を有する例えばマイクロコンピュータ等で構成される。制御装置17は、具体的には、圧縮機12の周波数、減圧装置15の開度、及び流路切替装置13の切り替え等を制御する。冷房運転では、図1に示されるように、圧縮機12から吐出された冷媒は、室外熱交換器14、減圧装置15、及び室内熱交換器16の順に流れて圧縮機12に戻る。一方、暖房運転では、図2に示されるように、圧縮機12から吐出された冷媒は、室内熱交換器16、減圧装置15、及び室外熱交換器14の順に流れて圧縮機12に戻る。すなわち、室内の冷房時には室外熱交換器14が凝縮機として機能し、室内熱交換器16が蒸発器として機能し、室内の暖房時には室内熱交換器16が凝縮機として機能し、室外熱交換器14が蒸発器として機能する。よって、室内熱交換器16は、暖房時には、圧縮機12により圧縮された冷媒を放熱させて室内空気を暖め、冷房時には、減圧装置15で膨張した冷媒に吸熱させて室内空気を冷却する。
冷媒回路11を循環する冷媒としては、R32、R125、R134a、R407C、及びR410A等のHFC(HydroFluoroCarbon)系冷媒が使用される。或いは、冷媒として、R1123、R1132(E)、R1132(Z)、R1132a、R1141、R1234yf、R1234ze(E)、及びR1234ze(Z)等のHFO(HydroFluoroOlefin)系冷媒が使用される。或いは、冷媒として、R290(プロパン)、R600a(イソブタン)、R744(二酸化炭素)、及びR717(アンモニア)等の自然冷媒が使用される。或いは、その他の冷媒が使用される。或いは、これらの冷媒のうち2種類以上の混合物が使用されてもよい。
なお、冷媒回路11の構成は上記の構成に限定されない。例えば、流路切替装置13は省略することができる。
図3は、図1に記載された圧縮機12の構成を示す縦断面図である。以下、圧縮機12が1気筒の密閉型ロータリ圧縮機であるものとして、図3に基づき圧縮機12の構成について説明する。なお、圧縮機12が多気筒のロータリ圧縮機、或いは、スクロール圧縮機であっても、本開示を適用することができる。
図3に示されるように、圧縮機12は、密閉容器20と、圧縮要素30と、電動機40(圧縮機用電動機)と、クランク軸50とを備える。密閉容器20は、上蓋20aと、筒状胴部20cと、下蓋20bとが接合された構成を有する。筒状胴部20cには、冷媒を吸入するための吸入管21が取り付けられ、また、上蓋20aには、冷媒を吐出するための吐出管22が取り付けられている。吐出管22は、密閉容器20の頂部すなわち上蓋20aの上面に取り付けられ、軸方向(矢印Z方向)両端が開口している。
圧縮要素30及び電動機40は、密閉容器20内に収納され、圧縮要素30は、吸入管21に吸入された冷媒を圧縮して吐出し、電動機40は、圧縮要素30を駆動する。図3に示される例では、圧縮要素30は、密閉容器20の内側下部に設置され、電動機40は、圧縮要素30の上方に設置されている。圧縮要素30から吐出されるガス冷媒は、密閉容器20内の密閉空間に放出されて充満した後に、密閉容器20の上蓋20aに設けられた吐出管22を通って外部の冷媒回路11(例えば、凝縮器)へ吐出される。なお、電動機40は、密閉容器20の中で、圧縮要素30により圧縮された冷媒が吐出管22から吐出される前に通過する位置に設置されていればよい。
密閉容器20の底部には、圧縮要素30の摺動部を潤滑するための冷凍機油25が貯留されている。冷凍機油25としては、例えば、合成油であるPOE(ポリオールエステル)、PVE(ポリビニルエーテル)、又はAB(アルキルベンゼン)が使用される。
密閉容器20の頂部すなわち上蓋20aの上面には、不図示の外部電源と接続する端子部24が取り付けられている。端子部24は、複数の端子24aを有しており、各端子24aは、例えばガラス端子で構成される。端子部24は、例えば溶接により、密閉容器20に固定されている。また、端子24aには、密閉容器20内の電動機40からのリード線45が接続される。このリード線45は、ガラス端子等の端子24aに固定されており、密閉容器20とは絶縁されている。
以下、図3に基づき、圧縮要素30の詳細について説明する。圧縮要素30は、密閉容器20の筒状胴部20cの内周に取り付けられるシリンダ31と、ローリングピストン32と、不図示のベーンと、主軸受33と、副軸受34とを備える。
シリンダ31は平板で構成されている。シリンダ31の外周は、平面視して略円形を有している。シリンダ31内には、平面視して略円形状の空間であるシリンダ室31aが形成されている。シリンダ31において、シリンダ室31aの軸方向(矢印Z方向)の両端は開口している。シリンダ室31aにはローリングピストン32が配置されている。
また、シリンダ31には、シリンダ室31aに連通し、半径方向に延びる不図示のベーン溝が設けられている。また、シリンダ31において、ベーン溝の半径方向外側には、ベーン溝に連通し、平面視して略円形の空間である背圧室が形成されている。
また、シリンダ31には、冷媒回路11(例えば、蒸発器)からガス冷媒が吸入される不図示の吸入ポートが設けられている。吸入ポートは、シリンダ31の外周面からシリンダ室31aに貫通している。また、シリンダ31には、圧縮された冷媒がシリンダ室31aから吐出される不図示の吐出ポートが設けられている。吐出ポートは、シリンダ31の上端面を切り欠いて形成されている。
ローリングピストン32は、リング形状を有している。ローリングピストン32は、クランク軸50の偏心軸部51に摺動自在に嵌合しており、シリンダ室31a内で偏心して回転する。ローリングピストン9がシリンダ室31a内で偏心して回転することで、クランク軸50の偏心軸部51がシリンダ室31a内において偏心回転運動する。
ベーンは、平坦な略直方体形状を有している。ベーンは、シリンダ31のベーン溝内に設置される。ベーンは、背圧室に設けられる不図示のベーンスプリングによって常にローリングピストン32に押し付けられる。密閉容器20内は高圧であるため、圧縮機12の運転が開始すると、ベーンの背面(即ち、背圧室側の面)に密閉容器20内の圧力とシリンダ室31a内の圧力との差による力が作用する。一方、圧縮機12の起動時等のように密閉容器20内とシリンダ室31a内とで圧力差がないときには、ベーンスプリングによりベーンがローリングピストン32に押し付けられる。このようにして、シリンダ室31aが低圧の吸入室と高圧の圧縮室とに仕切られている。
主軸受33は、側面視して略逆T字形状を有する。主軸受33は、クランク軸50の偏心軸部51よりも上の部分である主軸部52に摺動自在に嵌合している。主軸受33は、シリンダ31のシリンダ室31a及びベーン溝の上側を閉塞する。副軸受34は、側面視して略逆T字形状を有する。副軸受34は、クランク軸50の偏心軸部51よりも下の部分である副軸部53に摺動自在に嵌合している。副軸受34は、シリンダ31のシリンダ室31a及びベーン溝の下側を閉塞する。
主軸受33には、不図示の吐出口が設けられている。シリンダ31の吐出ポートは、主軸受33に形成された吐出口に連通しており、吐出口には、シリンダ室13a内が所定の圧力以上となった際に開く不図示の吐出弁が設置されている。また、主軸受33には、吐出弁を覆うように、吐出マフラ35が取り付けられている。吐出弁を介して吐出された高温かつ高圧のガス冷媒は、一旦吐出マフラ35に入り、その後、吐出マフラ35から密閉容器20内の空間に放出される。なお、吐出弁及び吐出マフラ35は、副軸受34に設けられても良いし、主軸受33と副軸受34との両方に設けられてもよい。
シリンダ31、主軸受33、及び副軸受34の材質は、例えば、ねずみ鋳鉄、焼結鋼、又は炭素鋼等である。ローリングピストン32の材質は、例えば、クロム等を含有する合金鋼である。ベーンの材質は、例えば、高速度工具鋼である。
密閉容器20の横には、吸入マフラ23が設けられる。吸入マフラ23は、冷媒回路11(例えば、蒸発器)から低圧のガス冷媒を吸入する。吸入マフラ23は、液冷媒が圧縮機12に戻る場合に液冷媒が直接シリンダ31のシリンダ室31aに入り込むことを抑制する。吸入マフラ23は、シリンダ31の吸入ポートに吸入管21を介して接続される。吸入マフラ23の本体は、溶接等により密閉容器20の側面に固定される。
図4は、図3に記載された電動機40の固定子41の概略構成を示す平面図である。図5は、図3に記載された電動機40の固定子41における固定子巻線44の配置図である。以下、図3~図5に基づき、電動機40の詳細について説明する。
実施の形態1において、電動機40は、誘導電動機であるものとする。なお、電動機40がブラシレスDC(Direct Current)モータ等、誘導電動機以外のモータであっても、本開示を適用することができる。
図3に示されるように、電動機40は、固定子41と、回転子42とを備える。固定子41は、略円筒形状を有し、密閉容器20の内周面に当接して固定される。回転子42は、円筒形状を有し、固定子41の内側に0.3~1mm程度の空隙を介して設置される。
固定子41は、固定子鉄心43と、固定子巻線44とを備える。固定子鉄心43は、複数枚の電磁鋼板で構成されている。固定子鉄心43は、具体的には、厚さが0.1~1.5mmの複数枚の電磁鋼板を所定の形状に打ち抜き、軸方向(矢印Z方向)に積層し、カシメ又は溶接等により固定して製作されている。
図4に示されるように、固定子鉄心43の外周には、周方向に略等間隔に複数の切欠43bが形成されている。図3及び図4に示されるように、それぞれの切欠43bは、密閉容器20の筒状胴部20cの内面との間に空間を形成し、この空間は、吐出マフラ35から密閉容器20内の空間へ放出されたガス冷媒の吐出管22への通路の1つとなる。それぞれの切欠43bは、電動機40の上から密閉容器20の底部に戻る冷凍機油25の通路にもなる。
図5に示されるように、固定子鉄心43は、円筒形状を有するヨーク部43yと、ヨーク部43yの内周面から回転軸Axへ向かって延びるティース部43tと、を有している。ティース部43tは、周方向(矢印R方向)に一定の間隔で複数設けられおり、隣り合うティース部43tの間にはスロット43aが形成されている。
固定子巻線44は、固定子鉄心43に形成された複数のティース部43tに巻線が巻かれて構成され、その一部はスロット43a内に配置される。また、固定子巻線44にはリード線45が接続され、リード線45により、固定子巻線44と端子24aとが接続されている。
図4に示される例では、電動機40は外部の三相電源から電力が供給される三相電動気であり、固定子巻線44には3本のリード線45が接合されている。また、図3に示される例において、密閉容器20に設けられた端子部24は、三相電源のV相、W相及びU相に対応した3つの端子24aを有しており、3本のリード線45のそれぞれは、固定子巻線44の巻線部と端子24aとを接続する構成とされている。
図5では、3本のリード線45を区別して符号を付している。以降の説明において、三相電源のV相に対応した端子24aと接続されるリード線をV相リード線45vと称する場合がある。同様に、W相に対応した端子24aと接続されるリード線をW相リード線45wと称し、U相に対応した端子24aと接続されるリード線をU相リード線45uと称する場合がある。
固定子41は、固定子巻線44への通電に伴い、ヨーク部43yの周方向に回転する複数の磁極がティース部43tに生じるものであり、これにより回転磁界が生じる。
また、図3に示されるように、回転子42は、軸方向(矢印Z方向)に延びる略円筒形状の回転子鉄心46と、軸方向に延びる棒状の導体48と、回転子鉄心46の軸方向両側に設けられ、複数の導体48を短絡する環状のエンドリング47と、を備える。回転子鉄心46の外周部には、周方向(矢印R方向)に複数の回転子スロット46aが形成されており、各回転子スロット46a内に導体48が収容されている。
回転子鉄心46は、複数枚の電磁鋼板で構成されている。具体的には、回転子鉄心46は、固定子鉄心43と同様に、厚さが0.1~1.5mmの複数枚の電磁鋼板を所定の形状に打ち抜き、軸方向に積層し、カシメ又は溶接等により固定して製作されている。
導体48は、アルミニウム等の導電性物質で構成されている。なお、導体48は、例えば銅で構成することができる。導体48は、回転子鉄心46の周方向に複数形成された回転子スロット46aのそれぞれに充填又は挿入される。エンドリング47は、複数の導体48の軸方向の両端を短絡する。
また、回転子鉄心46には、略軸方向に貫通する複数の不図示の貫通孔が形成されており、各貫通孔は、固定子鉄心43の切欠43b(図4参照)と同様に、吐出マフラ35から密閉容器20内の空間へ放出されたガス冷媒の吐出管22への通路の1つとなる。
回転子42は、例えば、アルミダイキャスト製のかご形ロータである。アルミダイキャストとは、金型にアルミニウム合金等の溶融金属を高速で充填して高圧をかけて鋳造する鋳造方式であり、この鋳造方式によって精度の良い鋳肌の優れた鋳物が鋳造される。具体的には、回転子スロット46aにアルミニウム等の導電性物質をダイキャスト等で鋳込み、成形することにより、かご形ロータが形成されている。なお、回転子42の構成は上記のものに限定されない。
上述した誘導電動機では、固定子41に設けられた固定子巻線44から回転子42の導体48に誘導された電流と、固定子41で生じた回転磁界との相互作用により生じる力によって回転子42が回転軸Axを中心に回転する。
なお、電動機40がブラシレスDCモータ(図示せず)である場合には、回転子鉄心46に形成された複数の回転子スロット46aには、導体48の代わりに永久磁石が挿入される。永久磁石としては、例えば、フェライト磁石又は希土類磁石が使用される。また、電動機40がブラシレスDCモータである場合には、永久磁石が軸方向(矢印Z方向)に抜けないようにするために、回転子鉄心46の軸方向の両端にはそれぞれ、エンドリング47の代わりに上端板及び下端板が設けられる。上端板及び下端板は、複数の固定用リベット等により回転子鉄心46に固定される。上端板及び下端板は、非磁性材料により形成され、永久磁石の抜け落ちを防止するとともに、漏れ磁束の発生を防止する。また、上端板及び下端板は、回転バランサを兼ねる。このようなブラシレスDCモータでは、回転子42の永久磁石による磁界と固定子巻線44による磁界とが直交するように、固定子巻線44に電流を流すことによって、回転子42が回転軸Axを中心に回転する。
図3に基づき、圧縮機12の動作について説明する。端子部24の端子24aからリード線45を介して電動機40の固定子41に電力が供給される。これにより、上述した電動機40の作用によって回転子42が回転する。回転子42の回転によって、回転子42に固定されたクランク軸50が回転する。クランク軸50の回転に伴い、圧縮要素30のローリングピストン32がシリンダ31のシリンダ室31a内で偏心回転する。シリンダ31とローリングピストン32との間の空間は、圧縮要素30のベーンによって2つに分割されており、クランク軸50の回転に伴い、それら2つの空間の容積が変化する。2つの空間のうち一方の空間では、徐々に容積が拡大することにより、吸入マフラ23から冷媒が吸入される。また、2つの空間のうち他方の空間では、徐々に容積が縮小することにより、中のガス冷媒が圧縮される。圧縮されたガス冷媒は、吐出マフラ35から密閉容器20内の密閉空間に一旦吐出され、吐出されたガス冷媒は、電動機40を通過して密閉容器20の頂部にある吐出管22から密閉容器20の外へ吐出される。密閉容器20内の密閉空間に、固定子巻線44、リード線45の結線部分及び接合部があり、これらは絶縁材で覆われているが、ガス状態の冷媒に晒されている。
図6は、図5に記載された固定子巻線44の結線図である。以下、電動機40が三相電動機であり、固定子巻線44が3つの独立した巻線部の集合体である場合を一例として、図5及び図6に基づき、固定子巻線44の構成について説明する。
図5に示されるように、固定子巻線44は、U相巻線部61、V相巻線部62、及びW相巻線部63を有している。U相巻線部61の一端側は、接合材等によりU相リード線45uと接続されている。同様に、V相巻線部62の一端側はV相リード線45vと接続され、W相巻線部63の一端側はW相リード線45wと接続されている。U相巻線部61の一端側とU相リード線45uとの接合部61a、V相巻線部62の一端側とV相リード線45vとの接合部62a、及びW相巻線部63の一端側とW相リード線45wとの接合部63aは、固定子41において端子部24側すなわち上方に配置されている。
なお、固定子41の上端に端末処理用の配線基板を設置し、配線基板において固定子巻線44の巻線部とリード線45とを接合する構成としてもよい。
U相巻線部61、V相巻線部62、及びW相巻線部63のそれぞれの他端側は、互いが接合されて接合部70を構成している。そして、U相巻線部61、V相巻線部62、及びW相巻線部63を互いに電気的に接続している接合部70は、常時電圧が零となる中性点70a(図6参照)を構成する。
また、固定子巻線44において接合部70を含む他端部44aには、接合部70を被覆する絶縁材71が設けられている。絶縁材71が被覆された接合部70は、固定子巻線44の巻線間に埋め込まれて固定される。また、U相巻線部61、V相巻線部62、及びW相巻線部63のそれぞれにおいて一端側と他端側との間の中間部は、固定子41のティース部43tに巻き付けられてスロット43a等に配置されている。
図6に示されるように、U相巻線部61、V相巻線部62、及びW相巻線部63のそれぞれは、2本巻で構成され、2本巻の一方の電線は銅線で構成され、2本巻の他方の電線はアルミニウム線で構成されている。具体的には、U相巻線部61は、U相銅線64とU相アルミニウム線65とにより構成されている。同様に、V相巻線部62は、V相銅線66とV相アルミニウム線67とにより構成され、W相巻線部63は、W相銅線68とW相アルミニウム線69とにより構成されている。なお、各巻線部の構成は特にこれに限定されず、例えば、各巻線部は、2本巻の双方が銅線で構成されたもの、あるいは、2本巻の双方がアルミ線で構成されたものでもよい。
U相銅線64、U相アルミニウム線65、V相銅線66、V相アルミニウム線67、W相銅線68及びW相アルミニウム線69はそれぞれ4つのコイルを有している。具体的には、U相銅線64は、4つの直列接続されたU相銅線コイル64a~64dにより構成され、U相アルミニウム線65は、4つの直列接続されたU相アルミニウム線コイル65a~65dにより構成されている。同様に、V相銅線66は4つの直列接続されたV相銅線コイル66a~66dにより構成され、V相アルミニウム線67は4つの直列接続されたV相アルミニウム線コイル67a~67dにより構成されている。また、同様に、W相銅線68は4つの直列接続されたW相銅線コイル68a~68dにより構成され、W相アルミニウム線69は4つの直列接続されたW相アルミニウム線コイル69a~69dにより構成されている。
U相巻線部61の他端側において、U相銅線64の端末線、及びU相アルミニウム線65の端末線はそれぞれ、中性点70aに接続されている。同様に、V相巻線部62の他端側において、V相銅線66の端末線、及びV相アルミニウム線67の端末線はそれぞれ、中性点70aに接続されている。また、同様に、W相巻線部63の他端側において、W相銅線68の端末線、及びW相アルミニウム線69の端末線はそれぞれ、中性点70aに接続されている。
ここで、U相銅線64の端末線は、U相銅線コイル64dの端末線であり、U相アルミニウム線65の端末線は、U相アルミニウム線コイル65dの端末線である。また、V相銅線66の端末線は、V相銅線コイル66dの端末線であり、V相アルミニウム線67の端末線は、V相アルミニウム線コイル67dの端末線である。また、同様に、W相銅線68の端末線は、W相銅線コイル68dの端末線であり、W相アルミニウム線69の端末線は、W相アルミニウム線コイル69dの端末線である。
このように、U相銅線64、V相銅線66及びW相銅線68といった3本の銅線の端末線と、U相アルミニウム線65、V相アルミニウム線67及びW相アルミニウム線69といった3本のアルミニウム線の端末線とが一箇所に集められ、接合部70が構成される。
以降の説明では、U相銅線64の端末線をU相銅線端末線64eと称し、U相アルミニウム線65の端末線をU相アルミニウム線端末線65eと称す場合がある。同様に、V相銅線66の端末線をV相銅線端末線66eと称し、V相アルミニウム線67の端末線をV相アルミニウム線端末線67eと称す場合がある。また、同様に、W相銅線68の端末線をW相銅線端末線68eと称し、W相アルミニウム線69の端末線をW相アルミニウム線端末線69eと称す場合がある。
図5に示されるように、U相銅線端末線64e及びU相アルミニウム線端末線65eは、固定子41の同一のスロット43aから引き出されている。同様に、V相銅線端末線66e及びV相アルミニウム線端末線67eは、U相銅線端末線64eが配置されたスロット43aとは別のスロット43aから引き出されている。また、同様に、W相銅線端末線68e及びW相アルミニウム線端末線69eは、U相銅線端末線64e等が配置されたスロット43a及びV相銅線端末線66e等が配置されたスロット43aとは別のスロット43aから引き出されている。そして、引き出されたこれらの端末線は、接合部70を含む一定の区間で絶縁材71によって束ねられて固定子巻線44の他端部44aを構成している。
絶縁材71は、例えば絶縁紙等で構成されている。絶縁材71は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)等の絶縁性の材質で構成される。絶縁材71は、U相銅線端末線64e、U相アルミニウム線端末線65e、V相銅線端末線66e、V相アルミニウム線端末線67e、W相銅線端末線68e、及びW相アルミニウム線端末線69eにおける接合部70側の一部を束ねるとともに、中性点70a(図6)を絶縁している。絶縁材71は、固定子巻線44の他端部44aにおける外周面と先端面とを覆っている。
なお、絶縁材71の構成は上記のものに限定されない。例えば、中性点70aを絶縁する絶縁材71として、絶縁紙を用いる代わりに、弾性のある絶縁チューブを用いてもよい。この場合、絶縁チューブの弾性による伸縮を利用して接合部70に絶縁チューブを密着させることができるので、絶縁材71に外側から圧力を掛ける等の収縮させる作業工程が不要となり、製作時の作業効率性が高まる。
図7は、図5に記載された固定子巻線44の他端部44aが絶縁材71で被覆された状態を外周面側から見た図である。図8は、図7に記載された接合部70を先端側から見た場合における第2端部91のみを示す図である。以下、図7及び図8に基づき、接合部70を含む固定子巻線44の他端部44aの構成について説明する。
図7に示されるように、3つの銅線の端末線すなわちU相銅線端末線64e、V相銅線端末線66e、及びW相銅線端末線68eは、纏めて捻られた第1電線束80を形成している。また、3つのアルミニウム線の端末線すなわちU相アルミニウム線端末線65e、V相アルミニウム線端末線67e、及びW相アルミニウム線端末線69eは、第2電線束90を形成している。
以下、第1電線束80を形成しているU相銅線端末線64e、V相銅線端末線66e、及びW相銅線端末線68eのそれぞれを、第1電線と称する場合がある。また、第2電線束90を形成しているU相アルミニウム線端末線65e、V相アルミニウム線端末線67e、及びW相アルミニウム線端末線69eのそれぞれを、第2電線と称する場合がある。
第1電線束80は、接合部70側に線束状の第1端部81を有し、第1端部81の先端に第1端面82aを有している。第1電線束80の第1端面82aは、例えば、第1電線束80に上下に力が加わって形成された切断面であり、第1電線の切断時に加わる力によって上下に潰れ、先端の付近よりも幅広の面となっている。
第2電線束90は、第1電線束80の第1端部81に螺旋状に巻かれた第2端部91を有し、第2端部91の先端に第2端面92a(図8参照)を有している。第2電線束90の第2端部91は、第1電線束80の第1端面82aの縁部を覆うように第1端部81に巻かれている。つまり、図7に示されるように、固定子巻線44の他端部44aにおいて最も先端側には、第2端部91が位置する。
図7に示される例では、第2電線束90を形成しているU相アルミニウム線端末線65e、V相アルミニウム線端末線67e、及びW相アルミニウム線端末線69eは、それぞれが第1端部81の外周面と接触するように、互いに隣接して設けられている。そして、第2端部91において、その先端部92側の第1螺旋部91aと、第1螺旋部91aに続いて巻かれた第2螺旋部91bとの間に、第1端部81の外周面の一部が露出する隙間Gが形成されている。
このように第1端部81に第2端部91が巻かれた状態で、第1端部81と第2端部91とを覆うように接合材75が設けられて第1端部81と第2端部91とが接合されている。接合材75は隙間Gにも設けられる。また、第1端部81と第2端部91との接合部70を包むように絶縁材71が設けられる。絶縁材71は、固定子巻線44の他端部44aにおける外周面及び先端面を覆うように設けられる。
上述したように、第2電線束90の第2端部91は、第1電線束80の第1端面82aの縁部を覆うように第1端部81に螺旋状に巻き付けられている。よって、絶縁材71が巻かれる際に、切断面である第1端面82aの縁部の突起が絶縁材71を突き破ることが抑制され、絶縁不良を抑制することができる。
特に、絶縁材71が例えば絶縁紙といったペーパー状のものを接合部70の外周面に巻き付けて形成される場合、絶縁材71は接合部70の外周面に押し当てられるので、第1端面82aの縁部に突起があると絶縁材71が破れ易い。本開示では、螺旋状の第2端部91によって、第1端面82aの縁部が絶縁材71と直接触れないので、ペーパー状の絶縁材71により接合部70を被覆する製造工程においても、突起により絶縁材71が破れてしまうことが抑制される。
また、図8に示されるように、接合部70を、固定子巻線44の他端部44aの先端面側から見た場合において、第2端部91の外周面93は、円状の外形を有している。第2端部91の先端である第2端面92aは、第2端部91の外周面93が形成する円状の外形以内に位置している。図8に示される例では、第2端面92aは、外周面93が形成する円状の外形からその中心C1に向かって延びる面とされている。
このように、外周面93が形成する円状の外形以内に第2端面92aが位置するように第2端部91が構成されることで、絶縁材71が巻かれる際、切断面である第2端面92aの縁部の突起が絶縁材71を突き破ることが抑制される。よって、絶縁不良を更に抑制することができる。
以上のように、実施の形態1に係る圧縮機用電動機(電動機40)は、固定子巻線44を有する固定子41を備えた電動機40である。固定子巻線44は、複数の第1電線の一端部が纏めて捻られて構成された線束状の第1端部81を有する第1電線束80と、複数の第2電線で構成され、第1電線束80の第1端部81に螺旋状に巻かれた第2端部91を有する第2電線束90と、を備える。また、固定子巻線44は、第1端部81と第2端部91とを包む絶縁材71を備える。第1電線束80は、第1端部81の先端に第1端面82aを有する。第2端部91は、第1電線束80の第1端面82aの縁部を覆うように巻かれており、第2電線束90は、第2端部91の先端に第2端面92aを有し、第2端面92aは、第2端部91の外周面93が形成する円状の外形以内に位置している。
これにより、突起を生じ易い第1端面82aを含む第1端部81には、第1端面82aの縁部を覆うように第2端部91が巻かれており、且つ、突起を生じ易い第2端面92aは、第2端部91の外周面93が形成する円状の外形以内に位置している。したがって、第1端部81と第2端部91との接合部70において突起が絶縁材71を突き破ることが抑制されるので、絶縁不良を抑制することができる。
また、実施の形態1に係る圧縮機12は、電動機40と、電動機40により駆動し、外部から吸入した流体を圧縮する圧縮要素30と、電動機40及び圧縮要素30を収容する密閉容器20と、を備えている。これにより、電動機40における絶縁不良を抑制した、信頼性及び安全性の高い圧縮機12を提供することができる。
また、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置10は、圧縮機12と、室外熱交換器14、減圧装置15及び室内熱交換器16と、を備えている。これにより、圧縮機12の動作不良を抑制した信頼性及び安全性の高い冷凍サイクル装置10を提供することができる。
実施の形態2.
図9は、実施の形態2に係る電動機40の固定子巻線44の接合部70を先端側から見た場合における第2端部91のみを示す図である。実施の形態2では、固定子巻線44の接合部70(図5参照)における第2端部91の先端部92の形状が、実施の形態1の場合とは異なり、その他の構成は実施の形態1の場合と同様である。実施の形態2では、実施の形態1と同一部分には同一符号を付し、実施の形態1との相違点を中心に説明するものとする。
図9に示されるように、第2端部91において第2端面92aを含む先端部92は、第2端部91の外周面93が形成する円状の外形の内側へ曲げられており、第2端面92aは、第2端部91の外周面93が形成する円状の外形よりも内側に位置している。つまり、実施の形態2では、接合部70を、固定子巻線44の他端部44aの先端面側から見た場合において、第2端部91の外周面93が形成する円状の外形から内側に離れて第2端部91の第2端面92aが位置している。
以上のように、実施の形態2に係る圧縮機用電動機(電動機40)において、第2電線束90の第2端面92aは、第2端部91の外周面93が形成する円状の外形よりも内側に位置している。これにより、接合部70に絶縁材71が巻かれる際に、切断面である第2端面92aに絶縁材71が押し当てられる力は、第2端面92aよりも外側の外周面93によって緩和される。よって、第2端面92aの縁部の突起が絶縁材71を突き破ることが更に抑制されるので、絶縁不良の抑制という実施の形態1の効果をより一層高めることができる。
実施の形態3.
図10は、実施の形態3に係る電動機40の固定子巻線44の他端部44aが絶縁材71で被覆された状態を外周面側から見た図である。実施の形態3では、固定子巻線44の接合部70(図5参照)における第2端部91の螺旋部同士の間隔が、実施の形態1の場合とは異なり、その他の構成は実施の形態1の場合と同様である。実施の形態3では、実施の形態1と同一部分には同一符号を付し、実施の形態1との相違点を中心に説明するものとする。
図10に示されるように、第1端部81に螺旋状に巻かれた第2端部91は、山部100と、山部100よりも潰れた谷部101とを交互に有する構成とされている。すなわち、第2端部91において谷部101は、山部100の外径D1よりも小さい外径D2を有している。また、第2端部91において、この第2端部91を構成している各端末線すなわちU相アルミニウム線端末線65e、V相アルミニウム線端末線67e、及びW相アルミニウム線端末線69eは、隙間G(図7参照)無く隣接して設けられている。
図10に示される例では、第2端部91において、第1螺旋部91aと第2螺旋部91bとは、第1端部81の外周面が露出しないように詰めて設けられており、第1螺旋部91a及び第2螺旋部91bのそれぞれに、山部100と谷部101とが設けられている。また、図10に示される例では、第2端部91の各螺旋部においてV相アルミニウム線端末線67eの両側に配置されたU相アルミニウム線端末線65e及びW相アルミニウム線端末線69eは、V相アルミニウム線端末線67eよりも潰れている。なお、第2端部91に山部100及び谷部101が複数設けられている場合について図示したが、山部100及び谷部101はそれぞれ一以上あればよい。
そして、第1端部81に巻かれた第2端部91の山部100及び谷部101を全て覆うように接合材75が設けられ、第1端部81と第2端部91とが接合されている。また、第1端部81と第2端部91との接合部70を包むように絶縁材71が設けられている。
上記のような固定子巻線44の他端部44aは、例えば次のような製造方法により製造することができる。まず、第1端部81に第2端部91が螺旋状に巻かれる。このとき、第2端部91が、第1電線束80の第1端面82aの縁部を覆うように巻かれ、第2端部91の先端の第2端面92aは、第2端部91の外周面93が形成する円状の外形以内に配置される。そして、第1端部81に第2端部91が巻かれた状態で、第2端部91に外部から加圧する。具体的には、第2端部91の外周面93に外部から圧力をかける加圧工程が実施される。このとき、外部からの加圧により、第2端面92aの縁部の突起が潰れる。また、このとき、第2端部91の外周面に加えられる圧力は、他端部44aが延びる方向で異なっており、第2端部91が加圧により塑性変形して第2端部91には山部100と谷部101とが形成される。その後、第2端部91の山部100及び谷部101を全て覆うように接合材75が塗布される。このとき、塗布された接合材75は、第2端部91の外周面93において山部100よりも凹んだ谷部101に浸透し易い。よって、谷部101では特に端末線の間を通って第1端部81に浸透し易いので、第1端部81と第2端部91との結合状態が良好となる。接合材75により第1端部81と第2端部91とが接合された後、絶縁材71により接合部70を被覆する。
以上のように、実施の形態3に係る圧縮機用電動機(電動機40)は、第1端部81と第2端部91とを接合する接合材75を備えている。そして、第2端部91は、山部100と、山部100よりも潰れ、山部100の外径D1よりも小さい外径D2を有する谷部101とを、第1端部81が延びる方向に交互に有する。接合材75は、第2端部91における山部100及び谷部101を覆っている。
これにより、接合材75は、第2端部91の外周面93において山部100よりも凹んだ谷部101に浸透し易くなる。よって、谷部101では特に第2電線の間を通って第1端部81に接合材75が到達し易くなるので、第1端部81と第2端部91との結合状態が良好となる。
また、実施の形態3に係る圧縮機用電動機(電動機40)の製造方法は、複数の第1電線の一端部が纏めて捻られて構成された線束状の第1端部81を有する第1電線束80と、複数の第2電線で構成され、第1電線束80の第1端部81に螺旋状に巻かれた第2端部91を有する第2電線束90と、第1端部81と第2端部91とを包む絶縁材71と、を備えた固定子巻線44を有する固定子41を備えた圧縮機用電動機の製造方法である。第1電線束80は、第1端部81の先端に第1端面82aを有する。そして、電動機40の製造方法は、第2端部91が、第1電線束80の第1端面82aの縁部を覆うように巻かれ、且つ、第2端部91の先端の第2端面92aが、第2端部91の外周面93が形成する円状の外形以内に位置する状態で、第2端部91の外周面93に外部から圧力をかける加圧工程を有する。
これにより、第2端部91の外周面93に外部から圧力をかける加圧工程により、第2端面92aの縁部の突起が潰れる。よって、切断面である第2端面92aの縁部において絶縁材71がより破れにくくなり、絶縁不良が更に抑制できる。
また、圧縮機用電動機(電動機40)の製造方法において、加圧工程では、第2端部91が延びる方向に異ならせた圧力を第2端部91の外周面93にかけることで第2端部91に山部100と谷部101とを形成する。また、電動機40の製造方法は、加圧工程後に実施される工程であって、第2端部91における山部100及び谷部101を覆うように接合材75を塗布して第1端部81と第2端部91とを接合する接合工程を有する。
これにより、第2端部91の外周面93において山部100よりも凹んだ谷部101に接合材75が浸透し易くなるので、谷部101では特に第2電線の間を通って第1端部81に接合材75が到達し易くなるので、第1端部81と第2端部91との結合状態が良好となる。
なお、各実施の形態を組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、又は省略したりすることが可能である。例えば、実施の形態3と実施の形態2とを組み合わせ、第2端部91の螺旋部同士が隣接する構成とし、且つ、第2端部91の外周面93が形成する円状の外形よりも内側に第2端部91の先端部92が位置する構成することができる。
9 ローリングピストン、10 冷凍サイクル装置、11 冷媒回路、12 圧縮機、13 流路切替装置、13a シリンダ室、14 室外熱交換器、15 減圧装置、16 室内熱交換器、17 制御装置、20 密閉容器、20a 上蓋、20b 下蓋、20c 筒状胴部、21 吸入管、22 吐出管、23 吸入マフラ、24 端子部、24a 端子、25 冷凍機油、30 圧縮要素、31 シリンダ、31a シリンダ室、32 ローリングピストン、33 主軸受、34 副軸受、35 吐出マフラ、40 電動機、41 固定子、42 回転子、43 固定子鉄心、43a スロット、43b 切欠、43t ティース部、43y ヨーク部、44 固定子巻線、44a 他端部、45 リード線、45u U相リード線、45v V相リード線、45w W相リード線、46 回転子鉄心、46a 回転子スロット、47 エンドリング、48 導体、50 クランク軸、51 偏心軸部、52 主軸部、53 副軸部、61 U相巻線部、61a 接合部、62 V相巻線部、62a 接合部、63 W相巻線部、63a 接合部、64 U相銅線、64a U相銅線コイル、64b U相銅線コイル、64c U相銅線コイル、64d U相銅線コイル、64e U相銅線端末線、65 U相アルミニウム線、65a U相アルミニウム線コイル、65b U相アルミニウム線コイル、65c U相アルミニウム線コイル、65d U相アルミニウム線コイル、65e U相アルミニウム線端末線、66 V相銅線、66a V相銅線コイル、66b V相銅線コイル、66c V相銅線コイル、66d V相銅線コイル、66e V相銅線端末線、67 V相アルミニウム線、67a V相アルミニウム線コイル、67b V相アルミニウム線コイル、67c V相アルミニウム線コイル、67d V相アルミニウム線コイル、67e V相アルミニウム線端末線、68 W相銅線、68a W相銅線コイル、68b W相銅線コイル、68c W相銅線コイル、68d W相銅線コイル、68e W相銅線端末線、69 W相アルミニウム線、69a W相アルミニウム線コイル、69b W相アルミニウム線コイル、69c W相アルミニウム線コイル、69d W相アルミニウム線コイル、69e W相アルミニウム線端末線、70 接合部、70a 中性点、71 絶縁材、75 接合材、80 第1電線束、81 第1端部、82a 第1端面、90 第2電線束、91 第2端部、91a 第1螺旋部、91b 第2螺旋部、92 先端部、92a 第2端面、93 外周面、100 山部、101 谷部、Ax 回転軸、C1 中心、D1 外径、D2 外径、G 隙間。

Claims (6)

  1. 固定子巻線を有する固定子を備えた圧縮機用電動機であって、
    前記固定子巻線は、
    複数の第1電線の一端部が纏めて捻られて構成された線束状の第1端部を有し、前記第1端部の先端に第1端面を有する第1電線束と、
    複数の第2電線で構成され、前記第1電線束の前記第1端部に螺旋状に巻かれた第2端部を有する第2電線束と、
    前記第1端部と前記第2端部とを包む絶縁材と、を備え、
    前記第2端部は、前記第1電線束の前記第1端面の縁部を覆うように巻かれており、
    前記第2電線束は、前記第2端部の先端に第2端面を有し、
    前記第2電線束の前記第2端面は、前記第2端部の外周面が形成する円状の外形よりも内側に位置している
    圧縮機用電動機。
  2. 前記第1端部と前記第2端部とを接合する接合材を備え、
    前記第2端部は、山部と、前記山部よりも潰れ、前記山部の外径よりも小さい外径を有する谷部とを、前記第1端部が延びる方向に交互に有し、
    前記接合材は、前記第2端部における前記山部及び前記谷部を覆っている
    請求項1に記載の圧縮機用電動機。
  3. 請求項1又は2に記載の圧縮機用電動機と、
    前記圧縮機用電動機により駆動し、外部から吸入した流体を圧縮する圧縮要素と、
    前記圧縮機用電動機及び前記圧縮要素を収容する密閉容器と、
    を備えた圧縮機。
  4. 請求項に記載の圧縮機と、
    室外熱交換器、膨張弁及び室内熱交換器と、
    を備えた冷凍サイクル装置。
  5. 複数の第1電線の一端部が纏めて捻られて構成された線束状の第1端部を有し、前記第1端部の先端に第1端面を有する第1電線束と、
    複数の第2電線で構成され、前記第1電線束の前記第1端部に螺旋状に巻かれた第2端部を有する第2電線束と、
    前記第1端部と前記第2端部とを包む絶縁材と、を備えた固定子巻線を有する固定子を備えた圧縮機用電動機の製造方法であって、
    前記第2端部が、前記第1電線束の前記第1端面の縁部を覆うように巻かれ、且つ、前記第2端部の先端の第2端面が、前記第2端部の外周面が形成する円状の外形よりも内側に位置する状態で、前記第2端部の外周面に外部から圧力をかける加圧工程を有する
    圧縮機用電動機の製造方法。
  6. 前記加圧工程では、前記第2端部が延びる方向に異ならせた前記圧力を前記第2端部の前記外周面にかけることで前記第2端部に山部と谷部とを形成し、
    前記加圧工程の後に実施され、前記第2端部における前記山部と前記谷部を覆うように接合材を塗布して前記第1端部と前記第2端部とを接合する接合工程を有する
    請求項に記載の圧縮機用電動機の製造方法。
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