JP7510572B2 - シールリングおよびそれを含む密封構造体 - Google Patents
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Description
このような密封構造体の中にはシールリングがあり、シールリングは、軸とこの軸が挿入される軸孔との隙間を密封するために用いられる。シールリングは、軸の外周面に形成された溝の内部に収容され、軸孔を構成する部材の内面と接触することにより軸と軸孔との隙間を密封し、密封対象物(例えば減速機内の冷却用の油)が軸孔から出てしまうことを抑制し、また、軸と軸孔との隙間における冷却用の油等の油圧を保持する。
また、シールリングは、通常、無端ではなく、分断されていて、この分断された部分に合口部を有する(例えば、特許文献1参照)。
(1)軸と、前記軸が挿入される軸孔を有する部材と、前記軸の外面と前記軸孔を構成する前記部材の内面との隙間を密封するためのシールリングと、を有する密封構造体であって、
前記軸は前記外面にその軸心線を中心とする円環状の溝を有し、その溝の底面には周方向において1箇所以上に、さらに前記軸心線へ近づく方向へ凹む凹部を有し、
前記シールリングはその内周面から前記軸心線へ近づく方向へ突き出る凸部を前記凹部と同数有し、前記凸部における最も前記軸心線に近い箇所の径は、前記軸における前記溝の前記底面の径よりも小さく、前記溝の内部に収容されると前記凸部が前記凹部に収容されるように構成され、
前記軸が回転したとき、前記凸部の周方向における端面Xおよび前記凹部の周方向における端面Yが互いに接して、前記シールリングが外径側に押し出されるように構成され、
前記軸心線に垂直方向の断面において前記端面Xおよび前記端面Yはいずれも直線であり、前記端面Xを表す直線の前記シールリングの径方向に対する角度αおよび前記端面Yを表す直線の前記軸の径方向に対する角度δが、共に45度以上であることを特徴とする、密封構造体。
(2)前記シールリングは合口部を有し、
前記軸心線に垂直方向の断面において、前記合口部を基準として20~60度の範囲内に前記端面Xの周方向の中心Xcが存在する、上記(1)に記載の密封構造体。
(3)前記凸部および前記凹部が各々2以上存在し、
前記軸心線に垂直方向の断面において、前記合口部を基準として左右対称の位置に前記凸部および前記凹部が存在する、上記(1)または(2)に記載の密封構造体。
(4)軸と、前記軸が挿入される軸孔を有する部材と、を有し、前記軸はその外面にその軸心線を中心とする円環状の溝を有し、その溝の底面には周方向において1箇所以上に、さらに前記軸心線へ近づく方向へ凹む凹部を有し、前記軸心線に垂直方向の断面において前記凹部の周方向における端面Yは直線であり、その直線の前記軸の径方向に対する角度δが45度以上をなす密封構造体において用いられる、前記軸の前記外面と前記軸孔を構成する前記部材の内面との隙間を密封するためのシールリングであって、
その内周面から前記軸心線へ近づく方向へ突き出る凸部を前記凹部と同数有し、前記凸部における最も前記軸心線に近い箇所の径は、前記軸における前記溝の前記底面の径よりも小さく、前記溝の内部に収容されると前記凸部が前記凹部に収容されるように構成され、
前記軸が回転したとき、前記端面Yおよび前記凸部の周方向における端面Xが互いに接して、外径側に押し出されるように構成され、
前記軸心線に垂直方向の断面において前記端面Xは直線であり、その直線のその径方向に対する角度αが45度以上であることを特徴とする、シールリング。
(5)合口部を有し、
前記軸心線に垂直方向の断面において、前記合口部を基準として20~60度の範囲内に前記端面Xの周方向の中心Xcが存在する、上記(4)に記載のシールリング。
(6)前記凸部が2以上存在し、
前記軸心線に垂直方向の断面において、前記合口部を基準として左右対称の位置に前記凸部が存在する、上記(4)または(5)に記載のシールリング。
本発明は、軸と、前記軸が挿入される軸孔を有する部材と、前記軸の外面と前記軸孔を構成する前記部材の内面との隙間を密封するためのシールリングと、を有する密封構造体であって、前記軸は前記外面にその軸心線を中心とする円環状の溝を有し、その溝の底面には周方向において1箇所以上に、さらに前記軸心線へ近づく方向へ凹む凹部を有し、前記シールリングはその内周面から前記軸心線へ近づく方向へ突き出る凸部を前記凹部と同数有し、前記凸部における最も前記軸心線に近い箇所の径は、前記軸における前記溝の前記底面の径よりも小さく、前記溝の内部に収容されると前記凸部が前記凹部に収容されるように構成され、前記軸が回転したとき、前記凸部の周方向における端面Xおよび前記凹部の周方向における端面Yが互いに接して、前記シールリングが外径側に押し出されるように構成され、前記軸心線に垂直方向の断面において前記端面Xおよび前記端面Yはいずれも直線であり、前記端面Xを表す直線の前記シールリングの径方向に対する角度αおよび前記端面Yを表す直線の前記軸の径方向に対する角度δが、共に45度以上であることを特徴とする、密封構造体である。
このような密封構造体を、以下では「本発明の密封構造体」ともいう。
このようなシールリングを、以下では「本発明のシールリング」ともいう。
なお、以下の図に示す本発明の密封構造体および本発明のシールリングは好適態様を示すものであり、本発明の密封構造体および本発明のシールリングは図に示す態様に限定されない。
なお、図1~5はシールリングに外力が加わっていない状態(シールリングを溝に収容した状態で、且つ、軸が回転していなくてシールリングの凸部4が軸の凹部3の端面Yに乗り上げておらず、且つ、密封対象物(油)の圧がシールリングに対して作用してない状態)を示している。また、図2において点線で示したシールリング2'は、外力が加わり移動した状態を示している。
軸孔61は、車両や汎用機械に含まれる減速機等の少なくとも一部である部材Rに形成されたものである。図1、2に示す好適態様では、減速機等の少なくとも一部である部材Rが含むハウジング60に軸孔61が形成されている。そして、軸50は軸孔61に挿入され、軸心線Lを中心として軸孔61に対して相対的に回転することができる。
密封構造体1は、例えば、EVやHEVのモータ機構の減速機やATやCTVの少なくとも一部を構成することができる。密封構造体1は、内部の油圧が低いモータ機構の減速機等の少なくとも一部を構成することが好ましい。
図1、2においてシールリング2(本発明のシールリングの好適態様)は、本発明の密封構造体1の一部を構成する。
図1~5に示した好適態様において、内周面21および外周面22は、各々、軸心線Lを中心または略中心とする円筒面または略円筒面であり、側面23および側面24は軸心線Lに垂直方向の環状の平面である。
合口部5は、シールリング2の熱膨張または熱収縮等によりシールリング2の周長が変化しても安定したシール性能を維持可能にする公知の構造となっている。合口部5の構造としては、例えば、図5に示すように、外周面22側および両側面23、24側のいずれから見ても階段状に切断された、いわゆる特殊ステップカット構造や、ストレートカット構造、バイアスカット構造、ステップカット構造等がある。
凸部4の個数は、軸50に形成されている凹部3の個数と同一である。
また、図1、3、4に示すように、凸部4は本体部20の内周面21において、周方向に延びるように存在している。ここで、周方向における凸部4の両端面を端面Xとする。
凸部4における端面Xは、図1、図3に示すような軸心線Lに垂直な方向の断面において直線である。ここで直線には、完全な直線だけでなく略直線(直線に近い曲線等)も含まれるものとする。
そして、図3に示すように、軸心線Lに垂直な方向の断面において、端面Xがなす直線がシールリング2の径方向に対してなす角度αは45度以上であり、60度~70度であることが好ましい。ここで角度αは、図3に示すような軸心線Lに垂直な方向の断面において端面Xの周方向における中心の点を中心Xcとし、この中心Xcと軸心線Lを示す点(軸心線Lに垂直な方向の断面において「軸心線Lを示す点」を、以下では単に「軸心線L」ともいう)とを結んだ直線を線dとしたときに、端面Xを表す直線とこの線dとがなす角度(90度以下の角度)である。
なお、図1、図3に示すような軸心線Lに垂直な方向の断面において端面Xが完全な直線ではない場合(例えば直線に近い曲線である場合)、図1、図3に示すような軸心線Lに垂直な方向の断面において端面Xを表す線の接線と線dとがなす角度(90度以下の角度)の平均値を角度αとする。
角度γは、図1に示すように、2つの端面Xの各々における周方向の中心Xcと軸心線Lとを結んだ2本の線dがなす角度である。
角度γは5~15度であることが好ましい。
ここで、係止面43が図1、3に示すような軸心線Lに垂直な方向の断面において、軸心線Lを中心とする円の一部(円弧)をなす曲面である場合、係止面43の半径m2は一義的に決まるが、このような曲面でない場合、半径m2は係止面43において最も軸心線Lに近い箇所において測定される半径を意味するものとする。
凸部4の肉厚(m1-m2)は1mm以上であることが好ましく、1mm~3mmであることがより好ましい。
凸部4の肉厚は、図2に示すように、軸50の外面50aと軸孔61を構成する部材Rの内面62との間の径方向の長さ(幅)よりも大きくなっている。
すなわち、図1に示すような本発明の密封構造体の軸心線Lに垂直な方向の断面において、合口部5が備える内周側の凹み5aの周方向における中心と軸心線Lとを結んだ直線を基準線Kとし、周方向においてその基準線Kに最も近い位置に存在する凸部4を特定したときに、その凸部4の2つの端面Xのうち周方向において基準線Kと近い側の端面Xの中心Xcと軸心線Lとを結んだ線dが、基準線Kに対してなす角度(角度β)が20~60度となる凸部4が存在することが好ましい。
ここで、合口部5が図5に示すように内周側に2以上の凹みを備える場合、合口部5の内周側の2以上の凹みのうち、合口部5の周方向における最も外側に存在する凹みに基づいて基準線Kを決定するものとする。例えば、図5に示す態様では合口部5の内周側の2つの凹みが形成されている。そして、合口部5の内周側の2つ凹みのうち、左側に存在する凹み(凹み5a)が周方向において(合口部5の周方向の中心付近に存在する凹みと比べて)、より外側に存在するため、この凹みに基づいて基準線Kを決定する)。
すなわち、図1、3に示すように、周方向において基準線Kに最も近い位置に存在する凸部4を特定したときに、基準線Kを基準として(基準線Kを対称軸として)その特定された凸部4に対する左右対象の位置に、別の凸部4が存在することが好ましい。
そして、シールリング2は溝51に取り付けられると、凸部4が凹部3に収容されるように構成されている。
射出成形法によって成形された場合、シールリング2は合口部5が広がった状態で成形されるため、成形後、所望の径となるようにシールリング2は矯正(縮径)処理がなされる。
図6に示すように、軸50はその外面50aに軸心線Lを中心とする円環状の溝51を有し、溝51の底面52には周方向において1箇所以上に、さらに軸心線Lへ近づく方向へ凹む凹部3を有する。
したがって、図1、6に示すように、凹部3は軸50における溝51の底面52において、周方向に延びるように存在している。ここで、凹部3の周方向における両端面を端面Yとする。
凹部3における端面Yは、図1、6に示すような軸心線Lに垂直な方向の断面において、直線である。ここで直線には、完全な直線だけでなく略直線(直線に近い曲線等)も含まれるものとする。
そして、図6に示すように、軸心線Lに垂直な方向の断面において、端面Yがなす直線が軸50の径方向に対してなす角度δは45度以上となり、60度~70度であることが好ましい。ここで角度δは、図6に示すような軸心線Lに垂直な方向の断面において端面Yの周方向における中心の点を中心Ycとし、この中心Ycと軸心線Lとを結んだ直線を線eとしたときに、端面Yを表す直線とこの線eとがなす角度(90度以下の角度)である。
角度δは角度αに対して±3度以内であることが好ましく、±2度以内であることがより好ましく、と±1度以内であることがさらに好ましい。
なお、図1、6に示すような軸心線Lに垂直な方向の断面において端面Yが直線ではない場合(例えば直線に近い曲線である場合)、図1、6に示すような軸心線Lに垂直な方向の断面において端面Yがなす線の接線と線eとがなす角度(90度以下の角度)の平均値を角度δとする。
角度εは、図6に示すように、2つの端面Yの各々における周方向の中心Ycと軸心線Lとを結んだ2本の線eがなす角度である。
角度εは角度γ+2度以上であることが好ましい。また、角度εは、角度γ+10度以下であってよい。
ここで、被係止面32が図1、6に示すような軸心線Lに垂直な方向の断面において、軸心線Lを中心とする円の一部(円弧)をなす曲面である場合、被係止面32の半径m4は一義的に決まるが、このような曲面でない場合、半径m4は被係止面32において最も軸心線Lに近い箇所において測定される半径を意味するものとする。
凹部3の深さ(m3-m4)は凸部4の肉厚(m1-m2)以上であることが好ましい。そうでないと軸50が軸心線Lを中心として回転し難くなることがある。凹部3の深さ(m3-m4)は凸部4の肉厚(m1-m2)+1mm~3mmであることがより好ましい。
凹部3の深さ(m3-m4)は1mm以上であることが好ましく、1mm~2mmであることがより好ましい。
また、前述のように、図1、3に示すような軸心線Lに垂直方向の断面において、合口部5を基準として20~60度の範囲内に端面Xの周方向の中心Xcが存在する位置に凸部4が存在することが好ましいため、同様の考え方に基づいて、合口部5を基準として20~60度の範囲内に端面Yの周方向の中心Ycが存在する位置に、凹部3が存在することが好ましい。
また、前述のように、図1、3に示すような軸心線Lに垂直方向の断面において、合口部5を基準として左右対称の位置に2以上の凸部4が存在することが好ましいため、同様の考え方に基づいて、合口部5を基準として左右対称の位置に2以上の凹部3が存在することが好ましい。
これについて図7~9を用いて説明する。
前述のように、密封構造体1は、シールリング2を軸50の溝51に取り付け、凸部4が凹部3に収容された状態では、凸部4の係止面43と凹部3の被係止面32とに隙間が生じ得る。また、シールリング2の真円度が不足する場合等において、シールリング2の外周面22の合口部5の近傍の部分が軸孔61の内周面62に接触せず、この部分において、シールリング2の外周面22と軸孔61の内周面62との間に微小な隙間Sが生じることがある。
この回転によってシールリング2の凸部4における一方の端面Xと軸50の凹部3の一方の端面Yとが近づく方向へ移動する。ここで、同時に凸部4における他方の端面Xと凹部3の他方の端面Yとは離れる。そして、端面Xと端面Yとが接すると、それ以上、シールリング2は軸50に対して相対に回転しなくなる。
そして、図8に示すように、凸部4における一方の端面Xと凹部3の一方の端面Yとが接触し、その後、シールリング2の全体が外径側へ押し出され、外径側へ移動していく。そのため、シールリング2の外周面22と軸孔61の内周面62との隙間Sが減少していく。
図1~図9に示した態様の密封構造体であって、軸心線に垂直方向の断面における凸部の周方向の端面Xの径方向に対する角度αと、凹部の周方向の端面Yの径方向に対する角度δとが同一角度で、共に30度、45度、60度または78度であり、それ以外は同一とした4種類の密封構造体を用意した。ここで軸心線に垂直方向の断面において端面Xおよび端面Yはいずれも直線であった。
そして、各々の密封構造体について以下の条件で実験を行い、シールリングの外周面と軸孔の内周面との隙間(S:外周隙間)を測定した。測定結果を図10に示す。なお、この隙間は径方向における最大値を意味する。
・軸孔の内径(呼び径):φ99.7mm
・圧力:なし
・トルク:10kPa+遠心油圧相当
・外周隙間Sを測定する際の雰囲気温度:25℃
・材質:PEEK
・凸部の位置(角度β):32.5度
・凸部の肉厚:1mm
・凸部の幅(角度γ):15度
図10に示すように、シミュレーション結果は、実測結果と同様となった。
角度αは80度以下であることが好ましい。
図1~図9に示した態様の密封構造体であって、軸心線に垂直方向の断面において合口部を基準とした位置、すなわち角度βが32度または60度となる位置に端面Xの周方向の中心(Xc)が存在し、それ以外は同一とした2種類の密封構造体を用意した。ここで軸心線に垂直方向の断面において端面Xおよび端面Yはいずれも直線であり、また、端面Xの径方向に対する角度αと、端面Yの径方向に対する角度δとが同一となるようにした。
そして、各々の密封構造体について以下の条件で実験を行い、シールリングの外周面と軸孔の内周面との隙間(S:外周隙間)を測定した。測定結果を図11に示す。なお、この隙間は径方向における最大値を意味する。
・軸孔の内径(呼び径):φ99.7mm
・圧力:なし
・トルク:10kPa+遠心油圧相当
・温度:25℃
・材質:PEEK
・角度α:45度
・角度δ:45度
・凸部の肉厚:1mm
・凸部の幅(角度γ):15度
図11に示すように、シミュレーション結果は、実測結果と同様の傾向を示した。
2 シールリング
3 凹部
4 凸部
5 合口部
20 本体部
21 内周面
22 外周面
23,24 側面
3 凸部
32 被係止面
34,35 側面
4 凸部
43 係止面
44,45 側面
50 軸
50a 外周面
51 溝
52 底面
53,54 側面
60 ハウジング
61 軸孔
62 内周面
R 減速機
S 隙間
L 軸心線
Claims (6)
- 軸と、前記軸が挿入される軸孔を有する部材と、前記軸の外面と前記軸孔を構成する前記部材の内面との隙間を密封するためのシールリングと、を有する密封構造体であって、
前記軸は前記外面にその軸心線を中心とする円環状の溝を有し、その溝の底面には周方向において1箇所以上に、さらに前記軸心線へ近づく方向へ凹む凹部を有し、
前記シールリングはその内周面から前記軸心線へ近づく方向へ突き出る凸部を前記凹部と同数有し、前記凸部における最も前記軸心線に近い箇所の径は、前記軸における前記溝の前記底面の径よりも小さく、前記溝の内部に収容されると前記凸部が前記凹部に収容されるように構成され、
前記軸が回転したとき、前記凸部の周方向における端面Xおよび前記凹部の周方向における端面Yが互いに接して、前記シールリングが外径側に押し出されるように構成され、
前記軸心線に垂直方向の断面において前記端面Xおよび前記端面Yはいずれも直線であり、前記端面Xを表す直線の前記シールリングの径方向に対する角度αおよび前記端面Yを表す直線の前記軸の径方向に対する角度δが、共に45度以上であることを特徴とする、密封構造体。 - 前記シールリングは合口部を有し、
前記軸心線に垂直方向の断面において、前記合口部を基準として20~60度の範囲内に前記端面Xの周方向の中心Xcが存在する、請求項1に記載の密封構造体。 - 前記凸部および前記凹部が各々2以上存在し、
前記軸心線に垂直方向の断面において、前記合口部を基準として左右対称の位置に前記凸部および前記凹部が存在する、請求項2に記載の密封構造体。
- 軸と、前記軸が挿入される軸孔を有する部材と、を有し、前記軸はその外面にその軸心線を中心とする円環状の溝を有し、その溝の底面には周方向において1箇所以上に、さらに前記軸心線へ近づく方向へ凹む凹部を有し、前記軸心線に垂直方向の断面において前記凹部の周方向における端面Yは直線であり、その直線の前記軸の径方向に対する角度δが45度以上をなす密封構造体において用いられる、前記軸の前記外面と前記軸孔を構成する前記部材の内面との隙間を密封するためのシールリングであって、
その内周面から前記軸心線へ近づく方向へ突き出る凸部を前記凹部と同数有し、前記凸部における最も前記軸心線に近い箇所の径は、前記軸における前記溝の前記底面の径よりも小さく、前記溝の内部に収容されると前記凸部が前記凹部に収容されるように構成され、
前記軸が回転したとき、前記端面Yおよび前記凸部の周方向における端面Xが互いに接して、外径側に押し出されるように構成され、
前記軸心線に垂直方向の断面において前記端面Xは直線であり、その直線のその径方向に対する角度αが45度以上であることを特徴とする、シールリング。 - 合口部を有し、
前記軸心線に垂直方向の断面において、前記合口部を基準として20~60度の範囲内に前記端面Xの周方向の中心Xcが存在する、請求項4に記載のシールリング。 - 前記凸部が2以上存在し、
前記軸心線に垂直方向の断面において、前記合口部を基準として左右対称の位置に前記凸部が存在する、請求項5に記載のシールリング。
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