JP7508057B1 - 静電容量式センサ及びロボットシステム - Google Patents

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晃生 山本
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Abstract

Figure 0007508057000001
【課題】空気状態の変化に対して物体検知の補正が可能であると共に、補正に係る構成を簡易化することのできる静電容量式センサを提供する。
【解決手段】静電容量式センサとしてのセンサ6は、検知用電極25を有し、検知用電極25と人H等の物体との間に生じる静電容量に応じたセンサ値を出力する検知用センサ11と、検知用電極25と対向して設けられ、スイッチ30bを介して基準電位へ接続された参照用電極12と、スイッチ30bを開閉制御して、参照用電極12が開放された第1状態と、参照用電極12が基準電位へ接続された第2状態とを切り替える処理装置13と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、静電容量式センサ及びロボットシステムに関する。
人とロボットとが協働してワークに対して作業を行う場合がある。このような場合に用いるロボットを協働ロボットという。協働ロボットは、作業環境を人と共有するため、人に対する安全性が求められる。このため、協働ロボットにおいて、近くの物体を検知する静電容量式センサが搭載される場合がある。
静電容量式センサは、周囲の温度や湿度の変化により既知のドリフトが発生する場合がある。ドリフトが発生すると検出精度が劣化する可能性がある。特に、静電容量式センサにおいて検知可能な距離を長く設定する場合にドリフトの影響が顕著となる。
例えば特許文献1においては、静電容量式センサであって、検知電極と参照電極とを用い、温度や湿度といった空気状態の変化に対する検知電極の信号の変動を、参照電極の信号により補正することが記載されている。
特開2006-145413号公報
しかしながら、特許文献1では、補正用の参照電極において物体が検知されないようにする必要がある。このため、特許文献1では、参照電極の周囲に十分なスペースを確保してシールド等を設置するといった周囲環境が必要となる可能性がある。
上記課題に鑑み、本発明は、空気状態の変化に対して物体検知の補正が可能であると共に、補正に係る構成を簡易化することのできる静電容量式センサ及びロボットシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る静電容量式センサは、検知用電極を有し、前記検知用電極と物体との間に生じる静電容量に応じたセンサ値を出力する検知用センサと、前記検知用電極と対向して設けられ、スイッチを介して基準電位へ接続された参照用電極と、前記スイッチを開閉制御して、前記参照用電極が開放された第1状態と、前記参照用電極が基準電位へ接続された第2状態とを切り替える処理装置と、を備える。
また、静電容量式センサにおいて、前記処理装置は、前記第1状態における前記センサ値を、前記第2状態における前記センサ値により補正する。
また、静電容量式センサにおいて、前記第1状態における前記センサ値は、開放された前記参照用電極を介して、前記検知用電極と、物体との間に形成される静電容量に応じた値であり、前記第2状態における前記センサ値は、前記検知用電極と、基準電位へ接続された前記参照用電極との間に形成される静電容量に応じた値である。
また、静電容量式センサは、検知用電極を有し、前記検知用電極と物体との間に生じる静電容量に応じたセンサ値を出力する検知用センサと、前記検知用電極と異なる位置に設けられ、周囲空気を介して対を成す電極を有する参照用センサと、前記参照用センサに基づいて前記周囲空気に対応する誘電率を算出し、前記センサ値を前記誘電率により補正する処理装置と、を備える。
また、静電容量式センサにおいて、前記検知用センサの前記検知用電極と、前記参照用センサとは異なる部材にそれぞれ設けられる。
また、静電容量式センサにおいて、前記検知用センサは複数設けられており、前記参照用センサは複数の前記検知用センサに対して1つ設けられており、前記処理装置は、前記参照用センサにより算出した前記誘電率を用いて前記検知用センサのそれぞれの前記センサ値を補正する。
また、ロボットシステムは、基台と、前記基台に対して設けられた複数のアームと、上記の静電容量式センサと、を備え、前記検知用電極及び前記参照用電極は、前記アームに設けられている。
また、ロボットシステムは、基台と、前記基台に対して設けられた複数のアームと、上記の静電容量式センサと、を備え、前記検知用センサの前記検知用電極は、前記アームに設けられ、前記参照用センサは、前記基台に設けられる。
本発明に係る静電容量式センサ及びロボットによれば、本発明は、空気状態の変化に対して物体検知の補正が可能であると共に、補正に係る構成を簡易化することができる。
本発明の第1実施形態に係る静電容量式センサを備えたロボットシステムの全体構成の一例を概略的に示す図である。 図1の静電容量式センサの具体的構成の一例を示す図である。 図1の静電容量式センサにおける第1状態を示す図である。 図1の静電容量式センサにおける第2状態を示す図である。 図1の処理装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る静電容量式センサを備えたロボットシステムの全体構成の一例を概略的に示す図である。 図6の静電容量式センサの具体的構成の一例を示す図である。 図6の処理装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本開示の実施形態について説明する。なお、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては極力同一の符号を付して、重複する説明は適宜省略する。
===第1実施形態===
まず、第1実施形態について説明する。
<全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る静電容量式センサとしてのセンサ6を備えたロボットシステム2の全体構成の一例を概略的に示す図である。なお、静電容量式センサとしてのセンサ6は、近接センサ及び変位センサを含む。すなわち、センサ6は、近接を検知するセンサとしても、変位を検知するセンサとしてもよい。本実施形態では、センサ6が近接センサである場合を一例として説明する。なお、センサ6において、近接物との距離に応じて変化する信号を「センサ値」とする。
ロボットシステム2は、ワークに対して例えば加工や搬送といった処理を行う産業用ロボットである。また、ロボットシステム2は、例えば人と同じ空間を共有して作業を行う協働ロボットである。
図1に示すように、ロボットシステム2は、ロボット4と、制御装置5と、センサ6とを主に備えている。
ロボット4は、多関節ロボットであり、複数のアームと複数の関節とを有している。具体的には、ロボット4は、基台7と、第1アームA1と、第2アームA2と、第3アームA3と、第4アームA4とを備えている。なお、設けられるアームの数は限定されない。基台7は、ロボット4の土台であり、ロボット4を配置する設置面に設けられている。基台7は、床面に対して固定され、ロボット4全体を支える。第1アームA1と、第2アームA2と、第3アームA3と、第4アームA4とは、基台7に対して設けられた複数のアームとなる。第1アームA1は、回動軸を介して基台7と接続されている。そして、第1アームA1は、不図示のモータにより基台7に対して当該回動軸周りに回動する。第2アームA2は、回動軸を介して第1アームA1と接続されており、不図示のモータにより当該回動軸周りに回動する。第3アームA3は、回動軸を介して第2アームA2と接続されており、不図示のモータにより当該回動軸周りに回動する。第4アームA4は、回動軸を介して第3アームA3と接続されており、不図示のモータにより当該回動軸周りに回動する。第4アームA4の先端にツール9が設けられる。各関節が可動することにより、ロボット4が所定の動作を行い、ツール9を用いてワークに対して所定の処理を行う。
制御装置5は、ロボット4の動作を制御する情報処理装置である。制御装置5は、例えばCPUやメモリ、通信装置、記憶装置を備えて構成され、所定のプログラムを実行することにより各種機能を実行する。制御装置5は、ロボット4の各アームの動作及びツール9を制御して、ロボット4に所定の動作を実行させる。例えば、制御装置5は、ツール9によりワークを把持し、ある位置から異なる位置へワークを搬送する所定の動作をロボット4に実行させる。
また、制御装置5は、後述するセンサ6から出力されるセンサ値を用い、ロボット4の動作を停止させる。具体的には、制御装置5は、センサ6が近接センサである場合、センサ値と閾値とを比較して、ロボット4に対して人等の物体が近接している状態であるか否かを判定する。そして、制御装置5は、センサ値が、ロボット4に対して物体が近接している状態を示している場合、ロボット4の動作を停止させる。例えば物体の近接に応じてセンサ値が増加する場合、制御装置5は、センサ値が閾値以上となった場合に物体が近接していると判定する。例えば物体の近接に応じてセンサ値が減少する場合、制御装置5は、センサ値が閾値以下となった場合に物体が近接していると判定する。例えば協働する人がロボット4に接近してしまった場合、ロボット4が所定の動作の途中であっても動作が停止される。なお、センサ6が変位センサである場合には、制御装置5は変位の検知結果をセンサ6から取得して処理を行う。
センサ6は、人等の物体を検知する静電容量式センサである。センサ6は、検知用センサ11と、参照用電極12と、処理装置13とを主に備えている。
検知用センサ11は、物体を検知する静電容量式のセンサである。検知用センサ11は、ロボット4に設けられる。例えば、検知用センサ11は、ロボット4のアームに設けられる。本実施形態では、第4アームA4に検知用センサ11が設けられる場合を一例として説明する。なお、検知用センサ11は、ロボット4の他の部位に設けられることとしてもよいし複数のアームに設けることとしてもよく、設置位置は限定されない。
なお、上記例では検知用センサ11がアームに設けられる場合を説明した。しかし、少なくとも検知用センサ11における後述する検知用電極25がアームに設けられれば、検知用センサ11のその他の構成はアームに設けないこととしてもよい。
検知用センサ11は、所定方向のエリアを検知エリアとして、検知エリアにおいて検知用センサ11へ近づいた物体を検知する。
図2は、センサ6の具体的構成の一例を示す図である。検知用センサ11は、任意波形生成器21と、抵抗22と、コンデンサ23aと、コンデンサ23bと、抵抗24と、検知用電極25と、計装アンプ26と、ロックインアンプ27と、A/Dコンバータ28とを備えている。抵抗22と、コンデンサ23aと、コンデンサ23bと、抵抗24と、検知用電極25とによりRCブリッジ回路29が構成される。
任意波形生成器21は、グランド電位(GND電位)を基準電位とし、所定の周波数の正弦波電圧若しくは矩形波電圧を発生させ、RCブリッジ回路29へ入力する。抵抗22は、一方が任意波形生成器21へ電気的に接続され、他方がコンデンサ23aへ電気的に接続される。コンデンサ23aは、一方が抵抗22へ電気的に接続され、他方が任意波形生成器21の基準電位へ電気的に接続される。コンデンサ23bは、コンデンサ23aに対してスイッチ30aを介して並列に電気的に接続される。抵抗24は、一方が任意波形生成器21へ電気的に接続され、他方が検知用電極25へ電気的に接続される。抵抗22と、コンデンサ23aと、コンデンサ23bと、抵抗24とは、予め値が設定される。例えば抵抗22と抵抗24とは等しい抵抗値である。
検知用電極25は、抵抗24へ電気的に接続される。検知用電極25は、例えば平板形状である。そして、検知用電極25は電界を発生させる。発生させた電界の領域が検知エリアとなり、検知エリアの内側へ入った物体が検知される。なお、検知用電極25における検知エリアと反対側に、基準電位へ接続されたシールド電極や、検知用電極25と同電位のアクティブシールド電極が設けられてもよい。
具体的には、検知用電極25は、物体との間に静電容量を形成する。図2は、物体の一例として人Hを示している。なお、人Hの電位は、基準電位と同等であると仮定する。検知用電極25は、人Hとの間において静電容量を形成し、RCブリッジ回路29の一部を形成する。
計装アンプ26は、マイナス入力端子が抵抗22とコンデンサ23aの間に電気的に接続され、プラス入力端子が抵抗24と検知用電極25の間に電気的に接続される。出力端子は、ロックインアンプ27へ電気的に接続される。なお、ロックインアンプ27は、任意波形生成器21の信号を同期検波のための参照用信号として使用している。計装アンプ26は、マイナス入力端子とプラス入力端子の入力を差動増幅する。そして、差動増幅された信号はロックインアンプ27において同期検波され、A/Dコンバータ28にてアナログ信号からデジタル信号へ変換される。デジタル信号は、センサ値として後述する処理装置13へ出力される。このように、検知用センサ11から出力されるセンサ値は、検知用電極25と物体の状態(距離)に応じて発生した静電容量に対応した値となる。なお、センサ値は、A/Dコンバータ28の出力に限定されず、例えばロックインアンプ27をセンサ値とすることとしてもよい。
なお、検知用電極25において形成される静電容量に応じたセンサ値が出力されれば、検知用センサ11の具体的な回路構成は図2に限定されない。
参照用電極12は、検知用電極25と対向して設けられる。参照用電極12は、検知用電極25に対して、検知エリアの方向に所定距離を空けて配置される。このため、参照用電極12は、検知用電極25と略等しい位置に設けられる。参照用電極12は、検知用電極25と同様に、アームに設けられる。参照用電極12は、例えば平板形状である。
参照用電極12は、スイッチ30bを介して基準電位へ接続される。スイッチ30bは、後述する処理装置13により開閉制御される。参照用電極12は、スイッチ30bが開状態である場合に、開放状態となり、スイッチ30bが閉状態である場合に、基準電位へ接続された状態(接地状態)となる。参照用電極12が開放状態である状態を、「第1状態」とし、参照用電極12が基準電位へ接続された状態を、「第2状態」とする。
参照用電極12は、第1状態と、第2状態とが切り替えられる。図3は、第1状態を示す図であり、図4は、第2状態を示す図である。図3に示すように、第1状態において、検知用電極25が発生する電界は、参照用電極12を通過する。そして、検知用電極25と人Hとの間で距離に応じた静電容量が形成される。なお、参照用電極12は、スイッチ30bは開状態であるため、開放状態となっている。このため、検知用電極25が発生する電界に対して参照用電極12が与える影響は無視可能である。このため、第1状態において、検知用センサ11から出力されるセンサ値は、開放された参照用電極12を介して、検知用電極25と、人H等の物体との間に形成される静電容量に応じた値となる。
また、図4に示すように、第2状態において参照用電極12はスイッチ30bが閉状態であるため基準電位へ接続される。このため、検知用電極25が発生する電界は参照用電極12を通過せず、検知用電極25と参照用電極12との間において静電容量が形成される。このため、第2状態において、検知用センサ11から出力されるセンサ値は、検知用電極25と、基準電位へ接続された参照用電極12との間において発生する静電容量に応じた値となる。なお、参照用電極12は、検知用電極25と等しい大きさ(面積)若しくは検知用電極25よりも大きい大きさ(面積)であることが好ましい。これにより、検知用電極25が発生する電界が参照用電極12から漏れ難くすることができ、人H等の物体の影響を抑制することができる。
第1状態と第2状態とは、いずれも空気を介して静電容量が形成される。このため、第1状態と第2状態とは、等しい空気状態において静電容量が形成される。平行平板コンデンサにおいて、空気状態は誘電率εに影響を及ぼし、静電容量の値を変化させる。具体的には、誘電率εは温度や湿度(相対湿度や絶対湿度)の影響を受け変化する。特に、誘電率εは絶対湿度に影響を受ける傾向にある。この誘電率εの変化が、センサ値のドリフトの原因となっている。しかし、第2状態とすることによって、第1状態と等しい空気状態、且つ人H等の物体の影響を抑制したセンサ値を得ることができる。すなわち、第2状態のセンサ値は、空気状態に依存したセンサ値のドリフト成分を示す値となる。
図2に戻って、処理装置13は、第1状態と第2状態とを制御する情報処理装置である。処理装置13は、例えばCPUやメモリ、通信装置、記憶装置を備えて構成され、所定のプログラムを実行することにより各種機能を実行する。
処理装置13は、切替部35と、補正部36とを備えている。なお、図2に示す切替部35と、補正部36とは、処理装置13が有する機能ブロックである。
切替部35は、参照用電極12における第1状態と第2状態とを切り替える制御を行う。切替部35は、スイッチ30bを開閉制御して切り替えを実行する。具体的には、切替部35は、スイッチ30bを開状態とすることによって第1状態とする。また、切替部35は、スイッチ30bを閉状態とすることによって第2状態とする。
また、切替部35は、切り替え制御に合わせてスイッチ30aを開閉制御する。具体的には、切替部35は、第1状態とする場合に、スイッチ30aを開状態とし、第2状態とする場合に、スイッチ30aを閉状態とする。すなわち、第2状態において、コンデンサ23aと、コンデンサ23bとは並列に電気的に接続されて合成容量となる。これは、第1状態よりも第2状態の方が、検知用電極25において形成される容量値が大きいためである。
切替部35は、例えば所定の制御周期で第1状態と第2状態とを繰り返し切り替える。第1状態の期間の方が、第2状態の期間よりも長く設定されることが好ましい。なお、切替部35による切り替えのタイミングは、上記に限定されない。例えば、切替部35は、ロボット4が動作を行っている場合に第1状態とし、ロボット4が停止している場合に第2状態とすることとしてもよい。
補正部36は、第1状態におけるセンサ値を、第2状態におけるセンサ値により補正する。補正部36は、第1状態におけるセンサ値と、第2状態におけるセンサ値との差分を算出する。
具体的には、補正部36は、第1状態におけるセンサ値から、第2状態におけるセンサ値を差し引く。すなわち、補正部36は、第1状態におけるセンサ値から、空気状態により変化するドリフト成分を抑制する。例えば、補正部36は、第1状態におけるセンサ値から、直近で取得した第2状態におけるセンサ値を差し引くことによって、ドリフト成分を抑制する。なお、差し引くための第2状態のセンサ値は、単体の第2状態のセンサ値としてもよいし、複数の第2状態のセンサ値の平均値としてもよい。
このように補正が行われることによって、温度や湿度といった空気状態の影響(ドリフト成分)を抑制したセンサ値を得ることができる。また、第1状態と第2状態とのセンサ値は、図2に示すように同一の回路を用いて出力されるため、回路自体に生ずる温度ドリフトの影響を抑制することも可能である。また、第1状態と第2状態とで検知用電極25を使用するため、電極状態の変化の影響も抑制することが可能である。電極状態とは、例えば電極表面の汚れや結露である。
補正部36は、第1状態のセンサ値を補正し、制御装置5へ出力する。
なお、上記例では、第1状態のセンサ値と第2状態のセンサ値との差分を取ることにより補正が行われる場合を説明した。しかし、第2状態のセンサ値により空気状態によるドリフト成分が抑制されるように第1状態のセンサ値が補正されれば補正方法は上記に限定されない。例えば、第2状態のセンサ値に対して一定の倍率を乗算し、第1状態のセンサ値から減算することとしてもよい。
<処理の流れ>
図5は、本実施形態に係る補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下のステップの各処理は、例えばロボット4の動作が開始されると実行される。なお、以下の各ステップの順番及び内容は適宜変更することが可能である。
(ステップSP10)
切替部35は、スイッチ30bを閉状態として、第2状態とする。そして、処理はステップSP11へ移行する。
(ステップSP11)
補正部36は、第2状態におけるセンサ値を取得する。そして、処理はステップSP12へ移行する。
(ステップSP12)
切替部35は、スイッチ30bを閉状態としてから所定期間が経過したか否かを判定する。所定期間が経過していない場合、ステップSP11へ戻って再度処理が実行される。所定期間が経過した場合、処理はステップSP13へ移行する。
(ステップSP13)
切替部35は、スイッチ30bを開状態として、第1状態とする。そして、処理はステップSP14へ移行する。
(ステップSP14)
補正部36は、第1状態におけるセンサ値を取得する。そして、処理はステップSP15へ移行する。
(ステップSP15)
補正部36は、第1状態におけるセンサ値を、第2状態におけるセンサ値により補正して、制御装置5へ出力する。具体的には、補正部36は、第1状態におけるセンサ値から、第2状態におけるセンサ値を減算する。例えば、補正部36は、ステップSP15を実行する直前に実行したステップSP11において取得した第2状態におけるセンサ値を、第1状態におけるセンサ値から減算する。
(ステップSP16)
切替部35は、スイッチ30bを開状態としてから所定期間が経過したか否かを判定する。所定期間が経過していない場合、ステップSP14へ戻って再度処理が実行される。所定期間が経過した場合、処理はステップSP10へ戻って再度処理が実行される。
このようにして、物体検知に係るセンサ値が補正される。制御装置5は、センサ値を受け取り、例えば物体の近接状態を判定し、ロボット4の制御に適用する。
<作用効果>
以上、本実施形態において、検知用電極25に対向して参照用電極12が設けられており、参照用電極12が開放された第1状態と、参照用電極12が基準電位へ接続第2状態とが切り替えられる。このため、物体に応じたセンサ値と、空気状態により変化するドリフト成分を示すセンサ値とを得ることができる。このため、物体に応じたセンサ値を補正することが可能となる。そして、補正を行うための参照用電極12は検知用電極25に対向して設けられるため、例えば物体が検知されないようにシールドを設置する環境整備が不要であり、補正に係る構成が簡略化される。すなわち、空気状態の変化に対して物体検知の補正を行うと共に、補正に係る構成を簡易化することができる。
また、第1状態におけるセンサ値を、第2状態におけるセンサ値により補正することによって、第1状態におけるセンサ値に対してドリフト成分を抑制するように補正を行うことが可能となる。
また、検知用電極25に対向して参照用電極12を設けた場合であっても、第1状態においては、開放された参照用電極12を介して検知用電極25と近くにある物体に応じたセンサ値を得ることがでる。また、第2状態においては、ドリフト成分を示すセンサ値を得ることができる。
また、検知用電極25がロボット4のアームに設けられることにより、アームに対する物体を検知することが可能となる。
===第2実施形態===
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、参照用センサ62を用いてセンサ値を補正する場合を説明する。なお、第1実施形態と同様の点は説明を省略する。また、第2実施形態は、第1実施形態と組み合わせることも可能である。
<全体構成>
図6は、本実施形態に係る静電容量式センサとしてのセンサ60を備えたロボットシステム40の全体構成の一例を概略的に示す図である。なお、静電容量式センサとしてのセンサ60は、近接センサ及び変位センサを含む。すなわち、センサ6は、近接を検知するセンサとしても、変位を検知するセンサとしてもよい。本実施形態では、センサ6が近接センサである場合を一例として説明する。
ロボットシステム40は、ロボットシステム2と同様に、産業用ロボットであり、例えば協働ロボットである。
図6に示すように、ロボットシステム40は、ロボット4と、制御装置5と、センサ60とを主に備えている。
センサ60は、ロボット4に対する人等の物体を検知する静電容量式センサである。センサ60は、検知用センサ61と、参照用センサ62と、処理装置63とを主に備えている。
検知用センサ61は、検知用センサ11と同様に、所定方向の検知エリアにおいて物体を検知する静電容量式のセンサである。検知用センサ61は、ロボット4におけるアーム(例えば第4アームA4)に設けられる。なお、検知用センサ61は、ロボット4の他の部位に設けられることとしてもよいし複数のアームに設けることとしてもよい。また、検知用センサ61は、検知用センサ11と同様に、少なくとも検知用センサ61における後述する検知用電極25がアームに設けられればよい。
図7は、センサ60の具体的構成の一例を示す図である。検知用センサ61は、検知用センサ11と同様に、任意波形生成器21と、抵抗22と、コンデンサ23aと、抵抗24と、検知用電極25と、計装アンプ26と、ロックインアンプ27と、A/Dコンバータ28とを備えている。検知用電極25はRCブリッジ回路29の一部を形成する。なお、検知用電極25において形成される静電容量に応じたセンサ値が出力されれば、検知用センサ61の具体的な回路構成は図7に限定されない。
検知用電極25は、人H等の物体との間において静電容量を形成する。そして、検知用センサ61から出力されるセンサ値は、検知用電極25と物体との間で発生した静電容量の値に対応した値となる。センサ値は、処理装置63へ出力される。
図6に戻って、参照用センサ62は、検知用センサ61とは異なる位置に設けられる。具体的には、検知用センサ61(特に検知用電極25)と、参照用センサ62とは異なる部材にそれぞれ設けられる。本実施形態では、検知用センサ61は第4アームA4に設けられ、参照用センサ62は基台7に設けられる。例えば、検知用センサ61は可動する部材に設けられ、参照用センサ62は固定された(可動しない)部材に設けられる。なお、参照用センサ62の設置位置は限定されない。
参照用センサ62は、検知用センサ61と干渉しない位置に設けられることが好ましい。すなわち、参照用センサ62は、検知用センサ61と所定距離以上離隔した位置に設けられる。具体的には、ロボット4が所定の動作を行う場合に、検知用センサ61(特に検知用電極25)と参照用センサ62とは近づく可能性がある。検知用センサ61と参照用センサ62とが最も近づいた状態であっても、参照用センサ62は、検知用センサ61に対して所定距離以上離隔するように設けられる。このように、ロボット4が動作を行った場合でも、検知用センサ61と参照用センサ62との距離(例えば直線距離)は所定距離が確保される。所定距離は、検知用センサ61と参照用センサ62との何れか一方が発生させる電界において、当該電界が他方へ及ぼす影響が許容範囲内となる距離以上に設定される。また、所定距離以上離隔して設けられることで、検知用センサ61と参照用センサ62との接触が抑制される。なお、検知用センサ61と参照用センサ62とは、配置制限等により干渉する位置に設けられることとしてもよい。
図7に示すように、参照用センサ62は、対を成す電極71と、測定部72とを備えている。
電極71は、2つ設けられて対を成し、平行平板のコンデンサ73を形成する。電極71の間は、空気(ロボット4の周囲空気)が流通した状態となる。なお、電極71の間の空気は、検知用センサ61の周囲の空気と等しい状態(もしくは近い状態)であることがより好ましい。電極71の電極面積Sと、電極間距離dとは予め設定され、固定値(設計値)となる。
例えば電極71は、検知用センサ61の検知用電極25と等しい仕様(例えば電極面積)により構成することとしてもよいし、検知用センサ61の検知用電極25よりも小さい構成とすることとしてもよい。例えば、検知用センサ61の検知用電極25よりも参照用センサ62の電極71の方が、電極面積が小さいこととすることにより、センサ60全体をコンパクト化することができる。
測定部72は、電極71により構成されるコンデンサ73の静電容量Csを測定する。例えば測定部72は、電極71に対して既知の電流Isを流し、電極71の間の電圧が基準電圧Vcに達するまでの時間Tcを測定する。そして、測定部72は、電流Isと時間Tcにより蓄積された電荷Qcを算出し、電荷Qcを基準電圧Vcにより割ることによって静電容量Csを算出する。すなわち、測定部72は、Cs=(Is×Tc)/Vcの関係により静電容量Csを算出する。なお、電極71による静電容量Csが算出できれば算出方法は上記に限定されない。算出した静電容量Csに係る情報は、後述する処理装置63へ出力される。
処理装置63は、検知用センサ61の検知情報を参照用センサ62の参照情報により補正する情報処理装置である。検知情報はセンサ値であり、参照情報は誘電率εである。処理装置63は、例えばCPUやメモリ、通信装置、記憶装置を備えて構成され、所定のプログラムを実行することにより各種機能を実行する。
処理装置63は、算出部75と、補正部76とを備えている。なお、図7に示す算出部75と補正部76とは、処理装置63が有する機能ブロックである。
算出部75は、参照用センサ62の静電容量Csより誘電率εを算出する。具体的には、算出部75は、測定部72において算出した静電容量Csを取得する。そして、算出部75は、静電容量Csと予め設定された参照用センサ62の仕様情報とに基づいて誘電率εを算出する。参照用センサ62の仕様情報とは、電極71の電極面積S及び電極間距離dである。算出部75は、電極面積Sに対する電極間距離dの比(d/S)と静電容量Csとを乗算することにより、誘電率εを算出する。すなわち、算出部75は、ε=Cs×(d/S)により誘電率εを算出する。なお、誘電率εの算出方法は上記に限定されない。
誘電率εは、温度や湿度といった空気状態により変動する。このため、既知の構成である参照用センサ62に基づいて誘電率εを算出することにより、ロボット4の周囲空気に対応する誘電率εを得ることができる。算出部75は、算出した誘電率εを補正部76へ出力する。
補正部76は、算出部75において算出した誘電率εに基づいて、検知用センサ61のセンサ値を補正する。具体的には、補正部76は、基準となる空気状態に対応する誘電率εを基準誘電率ε0として、誘電率εと基準誘電率ε0との差分に応じてセンサ値を補正する。例えば、誘電率εと基準誘電率ε0との差分と、センサ値の補正値とが、テーブルデータや関係式として予め補正用データとして対応付けられる。そして、補正部76は、実際に発生した差分に対応する補正値をセンサ値から加算や減算等する。また、誘電率εと基準誘電率ε0との差分に応じて、センサ値を補正後のセンサ値へ変換する変換式を予め設定しておき、補正部76は当該変換式を用いて補正を行うこととしてもよい。
このように補正が行われることによって、温度や湿度といった空気状態の影響を抑制したセンサ値を得ることができる。センサ値は、制御装置5へ出力される。
なお、図6では、第4アームA4に検知用センサ61が設けられる場合を示したが、第4アームA4と第3アームA3等の複数の位置に検知用センサ61が設けられることとしてもよい。すなわち、複数の検知用センサ61に対して1つの参照用センサ62が設けられることとしてもよい。この場合、処理装置63は、参照用センサ62により算出された誘電率εを用いて、それぞれの検知用センサ61のセンサ値を補正する。また、一つ検知用センサ61に対して複数の参照用センサ62が設けられることとしてもよい。
<処理の流れ>
図8は、本実施形態に係る補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下のステップの各処理は、例えば所定の制御周期により繰り返し実行される。なお、以下の各ステップの順番及び内容は適宜変更することが可能である。
(ステップSP20)
測定部72は、参照用センサ62における静電容量Csを測定する。そして、処理はステップSP21へ移行する。
(ステップSP21)
算出部75は、静電容量Csに基づいて、ロボット4の周囲空気に対応する誘電率εを算出する。具体的には、算出部75は、静電容量Cs、既知情報である電極面積S及び電極間距離dを用い、ε=Cs×(d/S)により誘電率εを算出する。そして、処理はステップSP22へ移行する。
(ステップSP22)
補正部76は、検知用センサ61のセンサ値を取得する。そして、処理はステップSP23へ移行する。
(ステップSP23)
補正部76は、誘電率εと基準誘電率ε0の差分が許容値以下か否かを判定する。誘電率εと基準誘電率ε0の差分が許容値以下である場合、処理はステップSP25へ移行する。誘電率εと基準誘電率ε0との差分が許容値以下でない場合、処理はステップSP24へ移行する。
(ステップSP24)
補正部76は、誘電率εによりセンサ値を補正する。そして、処理はステップSP25へ移行する。
(ステップSP25)
補正部76は、センサ値を制御装置5へ出力する。なお、誘電率εと基準誘電率ε0との差分が許容値以下である場合、補正が行われていないセンサ値が出力され、誘電率εと基準誘電率ε0の差分が許容値以下でない場合、補正が行われたセンサ値が出力される。
このようにして、物体検知に係るセンサ値が補正される。制御装置5は、センサ値を受け取り、例えば物体の近接状態を判定し、ロボット4の制御に適用する。
<作用効果>
以上、本実施形態において、静電容量式センサであるセンサ60は、周囲空気を介して対を成す電極71を有する参照用センサ62を用いて、検知用センサ61のセンサ値を補正する。このため、センサ値は空気特性によりドリフトが発生する可能性があるが、周囲空気の空気特性を考慮してセンサ値を補正することができる。そして、センサ値に基づいて物体検知を行うことで、物体検知の精度を向上させることができる。また、参照用センサ62は対となる電極71が形成するコンデンサ73であるため、物体が検知されないようにシールド等を設置する環境整備が不要であり、補正に係る構成が簡略化される。すなわち、空気状態の変化に対して物体検知の補正を行うと共に、補正に係る構成を簡易化することができる。なお、空気特性としての温度や湿度は直接測定することが可能であるが、測定精度が低い傾向にある。しかし上記の補正方法によれば、温度や湿度は直接測定することなく、高精度に補正を行うことが可能となる。
検知用センサ61の検知用電極25と、参照用センサ62とは異なる部材(部品)にそれぞれ設けられることにより、検知用センサ61と参照用センサ62との干渉が抑制される。
また、1つの参照用センサ62を用いて複数の検知用センサ61のセンサ値を補正することが可能である。このため、検知用センサ61のそれぞれに対応して参照用センサ62を用意する必要がなく、装置のコンパクト化を図ることができる。
また、検知用センサ61はアームに設けられ、参照用センサ62は基台7に設けられる。このため、検知用センサ61と参照用センサ62との干渉が抑制される。また、アームに参照用センサ62を設けると物体を検知できない領域が発生する可能性があるが、このような状況を回避することができる。
===変形例===
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。すなわち、上述した具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び下記変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態において、静電容量式センサとしてのセンサ6やセンサ60が、ロボット4に設けられる場合を一例として説明したが、ロボット4以外の装置に静電容量式センサを設けることとしてもよい。
また、第1実施形態及び第2実施形態では、制御装置5と、処理装置13又は処理装置63とによりそれぞれ機能が分かれる場合を説明した。しかし、処理装置13又は処理装置63の機能の一部又は全部が制御装置5に設けられることとしてもよいし、制御装置5の機能の一部が処理装置13又は処理装置63に設けられることとしてもよい。例えば、センサ値に基づいてロボット4に対して物体が近くにある状態であるか否かを判定する機能を制御装置5が有する場合を説明したが、当該機能を処理装置13又は処理装置63に設けることとしてもよい。
また、第1実施形態及び第2実施形態では、検知用センサ11及び検知用センサ61の具体的構成例を説明した。しかし、検知用センサ11及び検知用センサ61の具体的構成は、検知用電極25を有し、センサ値として検知用電極25と物体との間の静電容量に対応した値が出力されれば限定されない。例えば、検知用センサ11や検知用センサ61の構成を、検知用電極25と物体との間で発生した静電容量により発信周波数が変化するような方式としてもよい。このような場合であってもセンサ値を補正することができる。
また、第1実施形態では、補正部36は、ステップSP15を実行する直前に実行したステップSP11において取得した第2状態のセンサ値を、第1状態のセンサ値から減算することとした。しかし、第1状態のセンサ値の補正方法は上記に限定されない。例えば、補正部36は、ステップSP12の所定期間内に取得した複数の第2状態のセンサ値の平均値を、第1状態のセンサ値から減算することとしてもよい。
また、第2実施形態では、参照用センサ62をロボット4の基台7に設ける場合を一例として説明したが、参照用センサ62の設置位置は限定されない。例えば、参照用センサ62は、ロボット4から離れた周囲空間に設けることとしてもよい。また、参照用センサ62の設置個数は限定されない。例えば、複数の検知用センサ11に対応して複数の参照用センサ62が設けられることとしてもよい。
また、第2実施形態では、1つの参照用センサ62により誘電率εを算出してセンサ値が補正される場合を一例として説明したが、複数の参照用センサ62に基づいて誘電率εを算出することとしてもよい。例えば、ロボット4の周囲に複数の参照用センサ62を設け、ロボット4に対して最も位置が近い参照用センサ62を使用して誘電率εを算出し、センサ値を補正することとしてもよい。すなわち、誘電率εを算出する参照用センサ62がロボット4の動作に合わせて選択される。また、複数の参照用センサ62を設け、複数の参照用センサ62から算出された誘電率εの平均値によりセンサ値が補正されることとしてもよい。すなわち、複数の参照用センサ62から得た複数の誘電率εを使用して補正が行われる。
また、第2実施形態では、誘電率εを算出してセンサ値を補正する場合を一例として説明したが、誘電率εの算出タイミングと補正のタイミングとは同時期でなくてもよい。例えば補正を行う際に、過去に算出された(直近において算出された)算出済の誘電率εが使用されることとしてよい。また、第2実施形態では、第1実施形態のように参照用センサ62の出力を用い、検知用センサ11との差分等により補正を行うこととしてもよい。
また、第2実施形態では、参照用センサ62が基台等の固定部に固定される場合を一例として説明したが、参照用センサ62の位置を移動させる移動装置が設けられることとしてもよい。すなわち、ロボット4の動作に応じてアームに搭載した検知用センサ11と干渉しないように、移動装置が参照用センサ62の位置を移動させることとしてもよい。
また、第2実施形態において、処理装置63は、参照用センサ62のON-OFFを制御してもよい。具体的には、ロボット4の動作に応じて、参照用センサ62がOFFとされることとしてもよい。例えば、ロボット4の動作に応じて検知用センサ11が参照用センサ62へ近づく場合、参照用センサ62の動作を停止させる。これにより、検知用センサ11の電界が参照用センサ62へ影響して、当該影響を含む誘電率εが算出されることが抑制される。
また、第1実施形態及び第2実施形態において、センサ6やセンサ60が自己容量式の検知方式である場合を一例として説明したが、センサ6やセンサ60を相互容量式とすることとしてもよい。例えば、第1実施形態の場合、検知用センサ11の検知用電極25が2つの電極(ペア電極)により構成され、当該ペア電極と対向して参照用電極12が設けられる。また、例えば、第2実施形態の場合、検知用センサ61の検知用電極25が2つの電極(ペア電極)により構成される。いずれの場合においても、検知用電極25として設けたペア電極を用いて相互容量式により物体が検知される。
また、第1実施形態及び第2実施形態では、処理装置13及び処理装置63を、CPU等を用いた情報処理装置として説明したが、少なくとも一部(又は全部)の機能を論理回路を用いて構成することとしてもよい。このように、処理装置13及び処理装置63の具体的構成は限定されない。
2、40 :ロボットシステム
6、60 :センサ(静電容量式センサ)
7 :基台
11、61 :検知用センサ
12 :参照用電極
13、63 :処理装置
25 :検知用電極
30b :スイッチ
62 :参照用センサ
A1 :第1アーム(アーム)
A2 :第2アーム(アーム)
A3 :第3アーム(アーム)
A4 :第4アーム(アーム)
H :人(物体)
ε :誘電率

Claims (7)

  1. 検知用電極を有し、前記検知用電極と物体との間に生じる静電容量に応じたセンサ値を出力する検知用センサと、
    前記検知用電極と対向して設けられ、スイッチを介して基準電位へ接続された参照用電極と、
    前記スイッチを開閉制御して、前記参照用電極が開放された第1状態と、前記参照用電極が基準電位へ接続された第2状態とを切り替え、前記第1状態における前記センサ値を、前記第2状態における前記センサ値により補正する処理装置と、
    を備えることを特徴とする静電容量式センサ。
  2. 前記第1状態における前記センサ値は、開放された前記参照用電極を介して、前記検知用電極と、物体との間に形成される静電容量に応じた値であり、
    前記第2状態における前記センサ値は、前記検知用電極と、基準電位へ接続された前記参照用電極との間に形成される静電容量に応じた値であることを特徴とする請求項1に記載の静電容量式センサ。
  3. 検知用電極を有し、前記検知用電極と物体との間に生じる静電容量に応じたセンサ値を出力する検知用センサと、
    前記検知用電極と異なる位置に設けられ、周囲空気を介して対を成す電極を有する参照用センサと、
    前記参照用センサに基づいて前記周囲空気に対応する誘電率を算出し、前記センサ値を前記誘電率により補正する処理装置と、
    を備えることを特徴とする静電容量式センサ。
  4. 前記検知用センサの前記検知用電極と、前記参照用センサとは異なる部材にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項に記載の静電容量式センサ。
  5. 前記検知用センサは複数設けられており、
    前記参照用センサは複数の前記検知用センサに対して1つ設けられており、
    前記処理装置は、前記参照用センサにより算出した前記誘電率を用いて前記検知用センサのそれぞれの前記センサ値を補正することを特徴とする請求項又はに記載の静電容量式センサ。
  6. 基台と、
    前記基台に対して設けられた複数のアームと、
    請求項1に記載の静電容量式センサと、
    を備え、
    前記検知用電極及び前記参照用電極は、前記アームに設けられていることを特徴とするロボットシステム。
  7. 基台と、
    前記基台に対して設けられた複数のアームと、
    請求項又はに記載の静電容量式センサと、
    を備え、
    前記検知用センサの前記検知用電極は、前記アームに設けられ、
    前記参照用センサは、前記基台に設けられることを特徴とするロボットシステム。
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