JP2618822B2 - 静電容量センサ - Google Patents

静電容量センサ

Info

Publication number
JP2618822B2
JP2618822B2 JP3791294A JP3791294A JP2618822B2 JP 2618822 B2 JP2618822 B2 JP 2618822B2 JP 3791294 A JP3791294 A JP 3791294A JP 3791294 A JP3791294 A JP 3791294A JP 2618822 B2 JP2618822 B2 JP 2618822B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
output
capacitance
output signal
capacitance sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3791294A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07225137A (ja
Inventor
裕利 土屋
Original Assignee
裕利 土屋
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 裕利 土屋 filed Critical 裕利 土屋
Priority to JP3791294A priority Critical patent/JP2618822B2/ja
Publication of JPH07225137A publication Critical patent/JPH07225137A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2618822B2 publication Critical patent/JP2618822B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電容量センサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】静電容量センサとして、図8および図9
に示す静電容量センサ1fおよび1gが知られている。
図8に示す静電容量センサ1fでは、パルス信号発生回
路21から出力される一定周波数のパルス信号(電圧v
f1、角周波数ωf1)と、抵抗51および検出電極41か
ら成る減衰器からの出力信号(電圧vf2)とを、それぞ
れ、作動増幅器31へ入力し、この作動増幅器31の出
力信号(電圧vf3)をAC−DC変換器71によって交
流から直流に変換することにより、検出電極41の実質
上の静電容量Cf1に応じた出力信号(直流電圧Vf4)を
得るように構成されている。
【0003】この場合、検出電極41に被検物が接近す
ると検出電極41の実質上の静電容量Cf1が増加し、そ
れにより、減衰器からの出力信号の電圧vf2が減少す
る。その結果、作動増幅器31からの出力信号の電圧v
f3の振幅が増加し、AC−DC変換器71からの出力信
号の電圧Vf4が増加する。そのため、この電圧値V
f4や、電圧値Vf4の変化または変化量を検出することに
より、被検物の接近を感知できるようになっている。
【0004】また、図9に示す静電容量センサ1gで
は、パルス信号発生回路21から出力される一定周波数
のパルス信号と、抵抗51および検出電極41から成る
遅延回路からの出力信号とを、それぞれ、位相比較器7
2へ入力し、この位相比較器72により、遅延回路から
の出力信号とパルス信号発生回路21からのパルス信号
との位相差に対応する出力信号(直流電圧)を得るよう
に構成されている。
【0005】この場合、検出電極41に被検物が接近す
ると検出電極41の実質上の静電容量Cg1が増加し、遅
延回路からは前記検出電極41の静電容量Cg1に応じた
量だけ位相が遅延した信号が出力され、位相比較器72
へ入力される。これにより位相比較器72からの出力信
号の電圧値が増加するので、この電圧値や、電圧値の変
化または変化量を検出することにより、被検物の接近を
感知できるようになっている。
【0006】このような従来の静電容量センサを、例え
ば、距離(近接)センサに適用する場合、検出電極41
を外部に露出するように配置する。そして、検出電極4
1の実質上の静電容量(検出電極41固有の静電容量
と、被検物の接近による静電容量との合計の静電容量)
を直流電圧に変換して検出することにより、被検物の接
近を感知するようになっている。
【0007】具体的には、検出電極41に被検物が接近
すると、検出電極41の実質上の静電容量は被検物が接
近した分だけ増加し、検出電極41固有の静電容量と、
被検物の接近による静電容量との合計の静電容量に対応
する電圧値の出力信号が得られる。従って、この出力信
号の電圧値に基づいて、被検物の接近を検出するように
なっている。
【0008】しかしながら、前記検出電極41の実質上
の静電容量は、温度や湿度、あるいは振動等の何らかの
外的環境の変化により変動するので、外的環境が変動す
ると前記センサからの出力電圧値が変動し、このためセ
ンサの検出精度が低下する。これにより、センサが誤動
作するおそれがある。この誤動作は、センサによって被
検物を検出し得るセンサから被検物までの最大距離(最
大検出距離)が長い程生じ易くなるので、最大検出距離
に限界がある。
【0009】特に、センサを屋外で使用する場合には、
季節や時間帯、あるいは天候等によって温度や湿度が大
幅に変動するので、この温度や湿度の変動によって前記
センサからの出力電圧はより激しく変動し、このためセ
ンサの検出精度は極めて低くなり、誤動作が生じ安く、
また、最大検出距離がさらに低下してしまうといった問
題がある。
【0010】本発明者の実験によれば、例えば、前記図
9に示す静電容量センサ1gを近接センサに適用した場
合、温度22℃では検出距離200mmで人体を検出する
が、温度30℃では検出距離が180mmに減少してしま
い、8℃の温度上昇により検出距離に20mm(10%)
の誤差を生じることが確認された。また、検出電極41
の静電容量Cg1は、温度22℃では42.577pF、
温度30℃では42.515pFであり、温度が8℃上
昇するとCg1は0.062pF(0.15%)減少する
ことも確認された。
【0011】なお、温度や湿度、あるいは振動等の何ら
かの外的環境の変化により、静電容量センサの検出精度
が低下するといった問題は、静電容量センサを前記近接
センサに適用した場合に限らず、例えば、変位計および
厚み計等の他の各種センサに適用した場合にも同様に生
じるものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、検出
精度が高い静電容量センサを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(12)の本発明により達成される。
【0014】(1) 第1のパルス信号発生回路と、被
検物の接近または接触を検出する静電容量型の検出素子
と、前記第1のパルス信号発生回路からの出力信号を前
記検出素子からの情報に基づいて処理する信号処理回路
と、前記信号処理回路からの出力信号に基づいて、前記
信号処理回路からの出力信号が所定値を保持するよう作
動する第1の補正手段と、前記第1の補正手段が作動す
る状態と作動しない状態とを切り換える切換手段とを有
し、前記切換手段は、前記信号処理回路からの出力信号
がしきい値を超えた場合には、前記第1の補正手段が作
動しない状態に切り換えるよう構成したことを特徴とす
る静電容量センサ。
【0015】(2) 前記信号処理回路は、前記検出素
子の静電容量に対応する信号を出力する第1の信号抽出
手段を有している上記(1)に記載の静電容量センサ。
【0016】(3) さらに、前記検出素子と実質的に
同一の素子と、前記第1の信号抽出手段と実質的に同一
であって、前記素子の静電容量に対応する信号を出力
し、かつ前記第1の信号抽出手段と並列的に接続された
第2の信号抽出手段とを含む第2の補正手段を有し、前
記信号処理回路は、前記第1の信号抽出手段からの出力
信号と、前記第2の信号抽出手段からの出力信号との差
に相当する信号を出力するよう構成されている上記
(2)に記載の静電容量センサ。
【0017】(4) 前記第1の信号抽出手段は、前記
検出素子の静電容量に対応する電圧値を有する信号を出
力するよう構成されている上記(2)または(3)に記
載の静電容量センサ。
【0018】(5) 前記第1の補正手段は、増幅率
(増幅率≦1を含む)を変更し得る増幅手段を有し、前
記増幅手段の増幅率の変更により、前記信号処理回路か
らの出力信号が所定値を保持するよう構成されている上
記(4)に記載の静電容量センサ。
【0019】(6) 前記第1の信号抽出手段は、前記
検出素子の静電容量に応じた量だけ位相が遅れた信号を
出力するよう構成されている上記(2)または(3)に
記載の静電容量センサ。
【0020】(7) 前記第1の補正手段は、信号を遅
延させ、かつその遅延量を調整し得る遅延回路を有し、
前記遅延回路により、前記信号処理回路からの出力信号
が所定値を保持するよう構成されている上記(6)に記
載の静電容量センサ。
【0021】(8) 前記第1の補正手段は、前記信号
処理回路からの出力信号の増幅率(増幅率≦1を含む)
を変更し得る増幅手段を有し、前記増幅手段の増幅率の
変更により、増幅後の出力信号が所定値を保持するよう
構成されている上記(6)に記載の静電容量センサ。
【0022】(9) 被検物の接近または接触を検出す
る静電容量型の検出素子と、前記検出素子からの情報に
基づいて所定の周波数のパルス信号を発生する周波数可
変の第1のパルス信号発生回路と、前記第1のパルス信
号発生回路からの出力信号の周波数に応じた信号を出力
する信号処理回路と、前記信号処理回路からの出力信号
に基づいて、前記信号処理回路からの出力信号が所定値
を保持するよう作動する第1の補正手段と、前記第1の
補正手段が作動する状態と作動しない状態とを切り換え
る切換手段とを有し、前記切換手段は、前記信号処理回
路からの出力信号がしきい値を超えた場合には、前記第
1の補正手段が作動しない状態に切り換えるよう構成し
たことを特徴とする静電容量センサ。
【0023】(10) 前記第1のパルス信号発生回路
は、出力されるパルス信号の周波数を調整し得る周波数
調整部を有し、前記第1の補正手段は、前記周波数調整
部に作用して前記パルス信号の周波数を調整することに
より、前記信号処理回路からの出力信号が所定値を保持
するよう構成されている上記(9)に記載の静電容量セ
ンサ。
【0024】(11) 前記第1の補正手段は、前記信
号処理回路からの出力信号の増幅率(増幅率≦1を含
む)を変更し得る増幅手段を有し、前記増幅手段の増幅
率の変更により、増幅後の出力信号が所定値を保持する
よう構成されている上記(9)に記載の静電容量セン
サ。
【0025】(12) 前記切換手段は、第2のパルス
信号発生回路を有し、前記信号処理回路からの出力信号
が前記しきい値を超えない場合には、前記第2のパルス
信号発生回路からのパルス信号に同期して、前記第1の
補正手段が作動する状態と作動しない状態とを交互に切
り換えるよう構成されている上記(1)ないし(11)
のいずれかに記載の静電容量センサ。
【0026】
【実施例】以下、本発明の静電容量センサを添付図面に
示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。図1は、本
発明の静電容量センサの構成例を示す回路図である。同
図に示すように、静電容量センサ1aは、第1のパルス
信号発生回路(以下、パルス信号発生回路という)21
と、抵抗51および検出電極(静電容量型の検出素子)
41により構成された減衰器と、差動増幅器31と、交
流電圧を直流電圧に変換するAC−DC変換器71とを
有している。前記パルス信号発生回路21、減衰器、差
動増幅器31およびAC−DC変換器71は、この順序
で電気的に接続されている。以下、「電気的に接続」を
単に「接続」という。
【0027】この場合、前記抵抗51および差動増幅器
31により第1の信号抽出手段が構成され、この第1の
信号抽出手段およびAC−DC変換器71により信号処
理回路が構成されている。
【0028】なお、前記抵抗51の抵抗値はRa1、検出
電極41の実質上の静電容量(以下、静電容量という)
はCa1、差動増幅器31の増幅率はAa1、AC−DC変
換器71の伝達関数はBa1である。ここに、前記「検出
電極41の実質上の静電容量」とは、検出電極41固有
の静電容量と、被検物の接近または接触による静電容量
との合計の静電容量をいう。
【0029】静電容量センサ1aにおけるAC−DC変
換器71には、切換手段3と、第1の補正手段(以下、
補正手段という)2aとが、この順序で接続されてい
る。切換手段3は、切換スイッチ61、切換スイッチ6
2、第2のパルス信号発生回路(以下、パルス信号発生
回路という)22、比較器(増幅率が実質的に無限大の
差動増幅器)34および電源82により構成されてい
る。
【0030】前記切換スイッチ61は、図示しない切換
制御端子を有し、切換制御端子にハイレベルの信号(以
下、H信号という)が入力された場合には、端子S2に
接続し、ローレベルの信号(以下、L信号という)が入
力された場合には、端子S1に接続するよう構成されて
いる。また、前記切換スイッチ62も前記切換スイッチ
61と同様に、切換制御端子にH信号が入力された場合
には、端子S4に接続し、L信号が入力された場合に
は、端子S3に接続するよう構成されている。この場
合、切換スイッチ61は、AC−DC変換器71の出力
側に接続されており、この切換スイッチ61の端子S2
は、オープン状態である。
【0031】また、AC−DC変換器71の出力側は、
出力端子91および比較器34のプラス端子にそれぞれ
接続されている。比較器34のマイナス端子には、電源
82が接続されている。また、比較器34は、切換スイ
ッチ62の切換制御端子に接続されており、切換スイッ
チ62は、切換スイッチ61の切換制御端子に接続され
ている。この場合、切換スイッチ62の端子S3には、
第2のパルス信号発生回路(以下、パルス信号発生回路
という)22が接続され、端子S4には、図示しない電
源から直流電圧VDDが印加されている。
【0032】なお、前記電源82の電圧は、VEa2であ
り、この電圧VEa2は、後述する「しきい値」である。
この場合、VEa2の値は、静電容量センサ1aの用途、
被検物の種類、検出電極41の構成等の諸条件に応じて
適宜決定されるものであり、特に限定されないが、通
常、後述する検出期間において、AC−DC変換器71
からの出力信号の電圧Va5が外的環境の変化によって変
動したときのVa5の最大値より大きく、検出電極41に
被検物が接近することによるVa5の変化(増加)後の値
より十分小さい値とされる。
【0033】静電容量センサ1aにおける補正手段2a
は、ホールド用のコンデンサ42、電源81、差動増幅
器33および増幅手段である増幅器32により構成され
ている。増幅器32は、図示しない増幅率制御端子を有
し、外部入力により増幅率(増幅率≦1を含む)を直線
的に変更し得るよう構成されている。
【0034】差動増幅器33のマイナス端子には、切換
スイッチ61の端子S1が接続され、プラス端子には、
電源81が接続されている。また、差動増幅器33のマ
イナス端子と、切換スイッチ61の端子S1との間に
は、一方の電極が接地されたコンデンサ42の他方の電
極が接続されている。
【0035】また、差動増幅器33は増幅器32の増幅
率制御端子に接続され、この増幅器32は、パルス信号
発生回路21と、減衰器との間に設置(接続)されてい
る。なお、前記コンデンサ42の静電容量はCa2、電源
81の電圧はVEa1、差動増幅器33の増幅率はAa3
ある。また、差動増幅器33からの出力信号の電圧をV
a8とすると、増幅器32の増幅率はAa2・Va8(Va8
よって増幅率が可変)である。
【0036】次に、前述した静電容量センサ1aの動作
について説明する。図1に示すように、パルス信号発生
回路21からは、電圧va1、角周波数ωa1のパルス信号
が出力されている。このパルス信号発生回路21からの
出力信号は、増幅器32により増幅(増幅率≦1を含
む)されて、抵抗51および検出電極41により構成さ
れた減衰器と、差動増幅器31のマイナス端子とに入力
される。この場合、増幅器32からの出力信号の電圧を
a2とする。なお、前記検出電極41は、被検物の接近
または接触を検出するための電極であり、その静電容量
a1は、検出電極41に被検物が接近すると増加し、検
出電極41から被検物が遠ざかると減少する。
【0037】また、減衰器においては、増幅器32から
の出力信号を、検出電極41の静電容量Ca1の値に応じ
て減衰して出力する。この減衰器からの出力信号は、差
動増幅器31のプラス端子に入力される。この場合、減
衰器からの出力信号の電圧、すなわち検出電極41の片
端電圧をva3とする。
【0038】差動増幅器31は、前記va2とva3との差
を増幅し、電圧va4の信号を出力する。この差動増幅器
31からの出力信号は、AC−DC変換器71に入力さ
れ、AC−DC変換器71において、交流から直流に変
換される。この場合、AC−DC変換器71からの出力
信号の電圧をVa5とする。
【0039】ここで、切換スイッチ61が端子S1に接
続している場合には、AC−DC変換器71からの出力
信号は、切換スイッチ61を経て、差動増幅器33のマ
イナス端子に入力される。差動増幅器33のプラス端子
には、電源81から電圧VEa1が印加されており、差動
増幅器33は、Va5とVEa1との差を増幅し、電圧Va8
の信号を出力する。
【0040】差動増幅器33からの出力信号は、増幅器
32の増幅率制御端子に入力され、この差動増幅器33
からの出力信号により増幅器32の増幅率が調整され
る。なお、コンデンサ42には、AC−DC変換器71
からの出力信号により、Va5に応じた量の電荷が蓄積さ
れる。
【0041】このように切換スイッチ61が端子S1に
接続している場合において、温度や湿度、あるいは振動
等の何らかの外的環境の変化により、検出電極41の静
電容量Ca1が変化した場合には、静電容量センサ1aは
下記のように作動する。例えば、静電容量センサ1aの
検出電極41の静電容量Ca1が外的環境の変化により増
加した場合には、検出電極41の片端電圧va3は減少
し、これにより差動増幅器31からの出力信号の電圧v
a4の絶対値が増加して、AC−DC変換器71からの出
力信号の電圧Va5が増加する。
【0042】Va5が増加すると、差動増幅器33からの
出力信号の電圧Va8が減少して、増幅器32の増幅率が
下がり、増幅器32からの出力信号の電圧va2が減少す
る。これにより、va4の絶対値が減少して、Va5が減少
するので、Va5はCa1が増加する前の元の値に戻る。
【0043】逆に、静電容量センサ1aの検出電極41
の静電容量Ca1が外的環境の変化により減少した場合に
は、検出電極41の片端電圧va3は増加し、これにより
差動増幅器31からの出力信号の電圧va4の絶対値が減
少して、AC−DC変換器71からの出力信号の電圧V
a5が減少する。
【0044】Va5が減少すると、差動増幅器33からの
出力信号の電圧Va8が増加して、増幅器32の増幅率が
上がり、増幅器32からの出力信号の電圧va2が増加す
る。これにより、va4の絶対値が増加して、Va5が増加
するので、Va5はCa1が減少する前の元の値に戻る。
【0045】すなわち、静電容量センサ1aでは、切換
スイッチ61が端子S1に接続している場合、前述した
補正手段2aによる負帰還ループが形成され、フィード
バック制御がなされるため、AC−DC変換器71から
の出力信号の電圧Va5は、検出電極41の静電容量Ca1
の変動にかかわらず、一定値(VEa1)に保たれる。
【0046】また、切換スイッチ61が端子S2に接続
している場合には、前述した補正手段2aによる負帰還
ループは形成されず、AC−DC変換器71からの出力
信号は、差動増幅器33へは入力されないが、コンデン
サ42には、切換スイッチ61が端子S2に切り換わる
直前のVa5に応じた量の電荷が蓄積されており、このコ
ンデンサ42により、差動増幅器33からの出力信号の
電圧Va8が一定値に保たれ、これにより増幅器32の増
幅率は、切換スイッチ61が端子S2に切り換わる直前
の増幅率に保たれる。
【0047】AC−DC変換器71からの出力信号は、
出力端子91から出力されるとともに、比較器34のプ
ラス端子に入力される。比較器34のマイナス端子に
は、電源82から電圧VEa2が印加されており、比較器
34は、Va5とVEa2との差を増幅し、電圧Va7の信号
を出力する。
【0048】この場合、前記電源82の電圧VEa2
「しきい値」となり、比較器34は、Va5がVEa2を超
えた場合には、H信号を出力し、Va5がVEa2を超えな
い場合には、L信号を出力する。
【0049】比較器34からの出力信号は、切換スイッ
チ62の切換制御端子に入力される。切換スイッチ62
は、切換制御端子にH信号が入力された場合には、端子
S4に接続し、L信号が入力された場合には、端子S3
に接続する。
【0050】パルス信号発生回路22からは、電圧Va9
の一定周期(例えば、周波数10Hz程度)のパルス信
号、すなわち一定の周期でH信号とL信号とが交互に出
力されている。このパルス信号発生回路22からの出力
信号は、切換スイッチ62の端子S3に入力されてい
る。また、切換スイッチ62の端子S4には、直流電圧
DD、すなわちH信号が常時入力されている。
【0051】従って、切換スイッチ62の端子S3が接
続されている場合には、パルス信号発生回路22からの
パルス信号、すなわちH信号とL信号とが交互に切換ス
イッチ61の切換制御端子に入力される。また、切換ス
イッチ62の端子S4が接続されている場合には、H信
号が切換スイッチ61の切換制御端子に入力される。切
換スイッチ61は、切換制御端子にH信号が入力された
場合には、端子S2に接続し、L信号が入力された場合
には、端子S1に接続する。
【0052】前述した切換スイッチ61の動作をまとめ
ると下記のようになる。比較器34のプラス端子に入力
される信号の電圧Va5が電圧VEa2以下の場合、すなわ
ちVa5がしきい値を超えない場合には、切換スイッチ6
1は、パルス信号発生回路22からのパルス信号に同期
して、端子S1と端子S2とを交互に切り換える。ま
た、比較器34のプラス端子に入力される信号の電圧V
a5が電圧VEa2より大きい場合、すなわちVa5がしきい
値を超えた場合には、切換スイッチ61は端子S2に接
続する。
【0053】このように切換スイッチ61が切り換わ
り、前述したように、AC−DC変換器71からの出力
信号は、切換スイッチ61が端子S1に接続されている
場合にのみ、差動増幅器33に入力される。
【0054】ここで、前記「信号処理回路からの出力信
号(AC−DC変換器71からの出力信号の電圧Va5
がしきい値を超えた場合」とは、本実施例の静電容量セ
ンサ1aようにVa5がしきい値より小から大になった場
合に限らず、後述する静電容量センサ1eのように信号
処理回路からの出力信号がしきい値より大から小になっ
た場合(被検物が接近していないときには、信号処理回
路からの出力信号はしきい値より大)も含む意味であ
る。
【0055】次に、前述した静電容量センサ1aの動作
を、タイミングチャートに基づいて、より具体的に説明
する。この場合、代表的に、検出電極41の静電容量C
a1が徐々に増加するような何らかの外的環境の変化があ
る場合における動作を説明する。図2は、検出電極41
の静電容量Ca1が徐々に増加するような外的環境の変化
がある場合において、静電容量センサ1aの動作を示す
タイミングチャートである。
【0056】同図に示すように、パルス信号発生回路2
2からは、電圧Va9の一定周期のパルス信号、すなわち
H信号とL信号とが一定の周期で交互に出力されてい
る。この場合、時間t0 とt1 との間、t2 とt3 との
間、t4 とt5 との間、t7 とt8 との間およびt10
11との間がそれぞれL信号、t1 とt2 との間、t3
とt4 との間、t5 とt7 との間、t8 とt10との間お
よびt11とt12との間がそれぞれH信号となっている。
【0057】また、時間t6 〜t9 のみ検出電極41の
近傍に被検物が位置し、これによりt6 〜t9 は検出電
極41の静電容量Ca1が極端に大きくなっている。以
下、時間tを、t0 ≦t<t6 、t6 ≦t<t9 および
9 ≦t≦t12に分けて説明する。
【0058】[t0 ≦t<t6 ] t0 ≦t<t6 において、AC−DC変換器71からの
出力信号の電圧Va5は、しきい値である電圧VEa2より
低いので、比較器34からはL信号が出力され、これに
より切換スイッチ62は端子S3に接続される。
【0059】切換スイッチ62が端子S3に接続されて
いる場合には、切換スイッチ61は、パルス信号発生回
路22からのパルス信号に同期して交互に切り換わる。
すなわち、切換スイッチ61は、t0 とt1 との間、t
2 とt3 との間およびt4 とt5 との間は、それぞれ、
端子S1に接続され、t1 とt2 との間およびt3 とt
4 の間は、それぞれ、端子S2に接続される。
【0060】t0 〜t6 において、検出電極41の静電
容量Ca1は、外的環境の変化により徐々に増加するが、
前述したように、切換スイッチ61が端子S1に接続さ
れている場合には、Va5は補正手段2aにより一定値
(VEa1)に保持される。また、切換スイッチ61が端
子S2に接続されている場合には、補正手段2aは作動
せず、Va5はCa1の増加に伴って徐々に増加する。
【0061】すなわち、Va5は、t0 とt1 との間はV
a1に保持され、t1 とt2 との間はCa1の増加に伴っ
て徐々に増加し、切換スイッチ61が端子S2から端子
S1に切り換わるt2 において再びVEa1に戻り、t2
とt3 との間はVEa1に保持される。以下、t6 までは
前記と同様の動作が繰り返される。
【0062】なお、前記切換スイッチ61が端子S2に
接続されている期間が、Ca1の変化に応じてVa5が変化
し得る期間、すなわちCa1の変化により被検物の接近ま
たは接触等を検出し得る「検出期間」である。また、前
記切換スイッチ61が端子S1に接続されている期間
が、Ca1が変化してもVa5が一定値に保持される期間、
すなわちVa5に基づいてCa1の変化を監視し、補正手段
2aによりVa5が一定値になるよう補正を行う「補正期
間」である。
【0063】[t6 ≦t<t9 ] t6 (検出期間)において、検出電極41に被検物が接
近してCa1が急激に増加し、Va5がVEa2より高くなる
と、比較器34からはH信号が出力される。これにより
切換スイッチ62は端子S4に接続され、切換スイッチ
61の切換制御端子には電圧VDDの信号、すなわちH信
号が入力されるので、切換スイッチ61は端子S2に接
続された状態を保持する。
【0064】この場合には、出力電圧Va5はCa1の変化
に応じて変化する。従って、出力端子91からの出力信
号を利用して被検物の接近または接触を検出する。前記
の状態は、パルス信号発生回路22からのパルス信号に
関係なく、Va5がVEa2以下になるt9 まで保持され
る。
【0065】[t9 ≦t≦t12] t9 において、検出電極41から被検物が遠ざかりCa1
が減少し、Va5がVEa2以下になると、比較器34から
はL信号が出力され、これにより切換スイッチ62は端
子S3に接続される。
【0066】切換スイッチ62が端子S3に接続されて
いる場合には、前述したt0 ≦t<t6 の期間と同様
に、切換スイッチ61は、パルス信号発生回路22から
のパルス信号に同期して交互に切り換わる。
【0067】t9 〜t12において、Ca1は、外的環境の
変化により徐々に増加するが、切換スイッチ61が端子
S1に接続されている場合には、Va5は補正手段2aに
より一定値(VEa1)に保持され、端子S2に接続され
ている場合には、補正手段2aは作動せず、Va5はCa1
の増加に伴って徐々に増加する。
【0068】以下、検出期間において再びVa5がVEa2
より高くなると、前述したt6 ≦t<t9 の期間と同様
に、切換スイッチ62は端子S4に接続され、これによ
り切換スイッチ61は端子S2に接続された状態を保持
する。そして、出力電圧Va5がCa1の変化に応じて変化
する。
【0069】このように本実施例の静電容量センサ1a
では、一定周期で、検出電極41の静電容量Ca1の微少
変化を監視し、センサ出力を一定に保つ動作を行い、急
激なCa1の変化については、センサ出力を一定に保つ動
作を行わずにセンサ出力を出力する。なお、本実施例で
は、切換スイッチ61の切換周期は比較的短いので、被
検物の接近または接触の検出には、前記切換スイッチ6
1の切り換えによる影響はない。
【0070】次に、前述した静電容量センサ1aについ
て、検出期間および補正期間それぞれにおけるAC−D
C変換器71からの出力信号の電圧Va5の理論式を求
め、作用を確認する。
【0071】[補正期間(図2においてt0 とt1 との
間)]図1において、切換スイッチ61がS1、切換ス
イッチ62がS3にそれぞれ接続され、パルス信号発生
回路22からL信号が出力されている場合には、下記数
1に示す(1)〜(5)式が成立する。
【0072】
【数1】
【0073】上記(1)〜(4)式より下記数2に示す
(6)式が得られる。
【0074】
【数2】
【0075】上記(5)および(6)式より下記数3に
示す(7)式が得られる。
【0076】
【数3】
【0077】上記(7)式を変形すると下記数4に示す
(8)式が得られる。
【0078】
【数4】
【0079】上記(8)式において、下記数5に示す
(9)式が成立すれば、Va5≒VEa1となり、これより
補正期間におけるAC−DC変換器71からの出力電圧
a5は、一定電圧VEa1となる。
【0080】
【数5】
【0081】[検出期間(図2においてt1 とt2 との
間)]図1において、切換スイッチ61がS2、切換ス
イッチ62がS3にそれぞれ接続され、パルス信号発生
回路22からH信号が出力されている場合、または、切
換スイッチ61がS2、切換スイッチ62がS4にそれ
ぞれ接続されている場合には、上記(6)式が成立し、
(6)式のVa5が出力端子91からの出力電圧となる。
【0082】次に、前述した静電容量センサ1aの理論
上の検出誤差と、図8に示す従来の静電容量センサ1f
の理論上の検出誤差とを求め、両者を比較する。 [従来の静電容量センサ1f]図8に示す従来の静電容
量センサ1fのAC−DC変換器71からの出力信号の
電圧Vf4は、下記数6に示す(10)式のように表され
る。
【0083】
【数6】
【0084】検出電極41に被検物が接近することによ
り、検出電極41の静電容量Cf1が△C増加したとする
と、その際のAC−DC変換器71からの出力信号の電
圧Vf4△は下記数7に示す(11)式のように表され
る。
【0085】
【数7】
【0086】また、外的環境の変化により検出電極41
の静電容量Cf1がα倍、すなわちαCf1に変化したとす
ると、その際のAC−DC変換器71からの出力信号の
電圧Vf4’は下記数8に示す(12)式のように表され
る。
【0087】
【数8】
【0088】この状態で、検出電極41に被検物が接近
することにより、検出電極41の静電容量αCf1が△C
増加したとすると、その際のAC−DC変換器71から
の出力信号の電圧Vf4△’は下記数9に示す(13)式
のように表される。
【0089】
【数9】
【0090】ここで、上記(10)〜(13)式に下記
の数値を代入し、Vf4、Vf4△、Vf4’およびVf4△’
をそれぞれ求めると下記のようになる。 Bf1=1、Af1=100、|vf1|=1V、ωf1=10
00rad/sec 、Cf1=50pF、Rf1=200kΩ、α
=1.002、△C=1pF Vf4=999.95mV、 Vf4△=1019.95m
V、Vf4’=1000.15mV、 Vf4△’=102
1.95mV 従って、従来の静電容量センサ1fの場合、検出電極4
1に被検物が接近したときの検出誤差は、Vf4△−Vf4
△’=−2mVとなる。
【0091】[本実施例の静電容量センサ1a]図1に
示す本実施例の静電容量センサ1aにおいて、外的環境
の変化により検出電極41の静電容量Ca1がα倍、すな
わちαCa1に変化したとすると、その際のAC−DC変
換器71からの出力信号の電圧Va5’は、差動増幅器3
3のからの出力信号の電圧をVa8’とすると、下記数1
0に示す(14)式のように表される。
【0092】
【数10】
【0093】前述したように、補正期間においては
a5’=Va5となるので、上記(6)および(14)式
からVa8’を求めると、Va8’は下記数11に示す(1
5)式のように表される。
【0094】
【数11】
【0095】この状態で、検出電極41に被検物が接近
することにより、検出電極41の静電容量αCa1が△C
増加したとすると、その際のAC−DC変換器71から
の出力信号の電圧Va5△’は下記数12に示す(16)
式のように表される。
【0096】
【数12】
【0097】ここで、上記(6)、(14)〜(16)
式と、下記の数値とを用いて、Va5、Va5’、Aa2・V
a8’、Va5△およびVa5△’をそれぞれ求めると下記の
ようになる。 Ba1=Bf1=1、Aa1=Af1=100、|va1|=|v
f1|=1V、ωa1=ωf1=1000rad/sec 、Ca1=C
f1=50pF、Ra1=Rf1=200kΩ、α=1.00
2、△C=1pF、Aa2a8=1 Va5=999.95mV、Va5’=999.95mV、
a2・Va8’=0.998、Va5△=1019.95m
V、Va5△’=1019.906mV
【0098】従って、本実施例の静電容量センサ1aの
場合、検出電極41に被検物が接近したときの検出誤差
は、Va5△−Va5△’=0.044mVとなる。この静
電容量センサ1aの検出誤差(0.044mV)と、前
記従来の静電容量センサ1fの検出誤差(−2mV)と
を比較すると、本実施例の静電容量センサ1aにより、
検出誤差が従来の約1/45に改善されることが分か
る。
【0099】なお、図10に示す従来の静電容量センサ
1gの場合、温度22℃および30℃では、それぞれ、
検出距離200mmおよび180mmで人体を検出し、温度
が8℃上昇した場合の検出誤差は20mmであった。この
場合、前記理論上の検出誤差の比較から、静電容量セン
サ1aによれば、温度が22℃から30℃に上昇した際
の検出誤差は、20mm/45=0.44mmとなることが
予想される。
【0100】このように本実施例の静電容量センサ1a
によれば、温度や湿度、あるいは振動等の何らかの外的
環境の変動により検出電極41の静電容量Ca1が変動し
ても、補正手段2aによりAC−DC変換器71からの
出力信号の電圧Va5が一定値を保つように補正されるの
で、従来の静電容量センサに比較して検出精度が高い。
【0101】このため、例えば、静電容量センサ1aを
距離センサに適用した場合には、従来の静電容量センサ
に比較して、安定かつ正確に被検物の接近を検出でき、
また、前記のように検出精度が向上するので、静電容量
センサ1aによって被検物を検出し得るセンサから被検
物までの最大距離(以下、最大検出距離という)を長く
することができるといった利点がある。
【0102】次に、本発明の静電容量センサの他の構成
例について説明する。なお、前述した静電容量センサ1
aとの共通点については説明を省略し、相違点について
のみ説明する。図3は、本発明の静電容量センサの他の
構成例を示す回路図である。同図に示すように、静電容
量センサ1bは、パルス信号発生回路21と、抵抗51
および被検物の接近または接触を検出する検出電極41
により構成された第1の減衰器と、差動増幅器31と、
抵抗52および基準電極43により構成された第2の減
衰器と、差動増幅器35と、差動増幅器36と、AC−
DC変換器71と、切換手段3と、第1の補正手段(以
下、補正手段という)2bとを有している。
【0103】パルス信号発生回路21には、2つのライ
ン92、93が互いに並列的に接続されている。前記ラ
イン92は第1の減衰器に接続され、第1の減衰器には
差動増幅器31が接続されている。また、前記ライン9
3は後述する増幅器32に接続され、増幅器32には第
2の減衰器が接続され、第2の減衰器には差動増幅器3
5が接続されている。
【0104】差動増幅器31および35は、それぞれ、
差動増幅器36のプラス端子およびマイナス端子に接続
されている。そして、この差動増幅器36はAC−DC
変換器71に接続されている。この場合、抵抗51およ
び差動増幅器31により第1の信号抽出手段が構成さ
れ、この第1の信号抽出手段、差動増幅器36およびA
C−DC変換器71により信号処理回路が構成されてい
る。
【0105】また、抵抗52および差動増幅器35によ
り第2の信号抽出手段が構成され、この第2の信号抽出
手段および基準電極43により第2の補正手段(以下、
補正手段という)4bが構成されている。ここで、前記
補正手段4bの基準電極43、抵抗52および差動増幅
器35は、それぞれ、前記検出電極41、抵抗51およ
び差動増幅器31と特性が実質的に同一となるよう構成
されている。このため、外的環境の変動により検出電極
41の静電容量Cb1が変動した場合には、基準電極43
の静電容量Cb3もCb1と同じように変動し、これによ
り、外的環境の変動による影響を打ち消し合うようにな
っている。
【0106】しかしながら、検出電極41は装置の外部
に配置され、基準電極43は装置の内部に配置されてい
るので、外的環境の変動により前記両電極が受ける影響
は微妙に異なるとともに、両電極、抵抗および作動増幅
器をそれぞれ完全に同一にするのは不可能であるため、
前記補正手段4bのみでは、外的環境の変動による影響
を完全に解消することはできない。
【0107】従って、本実施例の静電容量センサ1bで
は、さらに補正手段2bを設け、この補正手段2bによ
り、前記補正手段4bへの入力信号の電圧を調整するこ
とで、AC−DC変換器71からの出力信号の電圧Vb6
が一定に保たれるように構成されている。
【0108】前記補正手段2bは、ホールド用のコンデ
ンサ42、電源81、差動増幅器33および増幅器32
により構成され、この増幅器32は、前記のとおり第2
の減衰器の直前、すなわちライン93に接続されてい
る。
【0109】次に、前述した静電容量センサ1bの動作
について説明する。図3に示すように、パルス信号発生
回路21からは、電圧vb0、角周波数ωb0のパルス信号
が出力されている。このパルス信号発生回路21からの
出力信号は、ライン92を経て抵抗51および検出電極
41により構成された第1の減衰器と、差動増幅器31
のマイナス端子とに入力される。第1の減衰器において
は、パルス信号発生回路21からの出力信号を、検出電
極41の静電容量Cb1の値に応じて減衰して出力する。
この第1の減衰器からの出力信号は、差動増幅器31の
プラス端子に入力される。この場合、第1の減衰器から
の出力信号の電圧、すなわち検出電極41の片端電圧を
b1とする。
【0110】また、パルス信号発生回路21からの出力
信号は、ライン93を経て増幅器32により増幅(増幅
率≦1を含む)された後、抵抗52および基準電極43
により構成された第2の減衰器と、差動増幅器35のマ
イナス端子とに入力される。第2の減衰器においては、
パルス信号発生回路21からの出力信号を、基準電極4
3の静電容量Cb3の値に応じて減衰して出力する。この
第2の減衰器からの出力信号は、差動増幅器35のプラ
ス端子に入力される。この場合、第2の減衰器からの出
力信号の電圧、すなわち基準電極43の片端電圧をvb2
とする。
【0111】差動増幅器31からの出力信号は差動増幅
器36のプラス端子に入力され、差動増幅器35からの
出力信号は差動増幅器36のマイナス端子に入力され、
これにより差動増幅器36からは、検出電極41の静電
容量Cb1の変化量に応じた信号が出力される。なお、外
的環境の変動によりCb1が変動した場合でも、ノイズ性
の変動等のように基準電極43の静電容量Cb3がCb1
同様の変動を受けるものについては、差動増幅器36に
おいてキャンセルされる。
【0112】差動増幅器31からの出力信号は、AC−
DC変換器71に入力され、AC−DC変換器71にお
いて、交流から直流に変換される。なお、差動増幅器3
1、35、36およびAC−DC変換器71からの出力
信号の電圧を、それぞれ、vb3、vb4、vb5およびVb6
とする。
【0113】切換手段3の動作は、前述した静電容量セ
ンサ1aの切換手段3と同様であるので説明を省略し、
以下、補正手段2bの動作を説明する。切換スイッチ6
1が端子S1に接続している場合には、AC−DC変換
器71からの出力信号は、切換スイッチ61を経て、差
動増幅器33のプラス端子に入力され、差動増幅器33
からは電圧Vb7の信号が出力される。
【0114】差動増幅器33からの出力信号は、増幅器
32の増幅率制御端子に入力され、この差動増幅器33
からの出力信号により増幅器32の増幅率が調整され
る。切換スイッチ61が端子S1に接続している場合に
おいて、外的環境の変化により、検出電極41の静電容
量Cb1が変化した場合には、静電容量センサ1bは下記
のように作動する。この場合、代表的に、Cb1が増加し
た場合について説明する。
【0115】外的環境の変化によりCb1が増加すると、
検出電極41の片端電圧vb1は減少し、これにより差動
増幅器31からの出力信号の電圧vb3の絶対値が増加す
る。そして、差動増幅器36からの出力信号の電圧vb5
が増加し、AC−DC変換器71からの出力信号の電圧
b6が増加する。Vb6が増加すると、差動増幅器33か
らの出力信号の電圧Vb7が増加して、増幅器32の増幅
率が上がる。これにより、vb4の絶対値が増加し、vb5
が減少して、Vb6が減少するので、Vb6はCb1が増加す
る前の元の値に戻る。
【0116】このように切換スイッチ61が端子S1に
接続している場合には、補正手段2bによる負帰還ルー
プが形成され、これによりAC−DC変換器71からの
出力信号の電圧Vb6は、検出電極41の静電容量Cb1
変動にかかわらず、一定値に保たれる。なお、基準電極
43の静電容量Cb3が変動した場合も前記と同様にVb6
は一定値に保たれる。
【0117】次に、本発明の静電容量センサの他の構成
例について説明する。なお、前述した静電容量センサ1
aとの共通点については説明を省略し、相違点について
のみ説明する。図4は、本発明の静電容量センサの他の
構成例を示す回路図である。同図に示すように、静電容
量センサ1cは、パルス信号発生回路21と、第1の信
号抽出手段である抵抗51および被検物の接近または接
触を検出する検出電極41により構成された遅延回路5
と、位相比較器72と、切換手段3と、第1の補正手段
(以下、補正手段という)2cとを有している。
【0118】パルス信号発生回路21には、2つのライ
ン92、93が互いに並列的に接続されており、前記ラ
イン92および93は、それぞれ、遅延回路5および後
述する遅延回路73に接続されている。また、遅延回路
5および遅延回路73には位相比較器72が接続されて
いる。この場合、抵抗51および位相比較器72により
信号処理回路が構成されている。
【0119】補正手段2cは、ホールド用のコンデンサ
42、電源81、差動増幅器33および遅延回路73に
より構成されている。前記遅延回路73は、図示しない
遅延量制御端子を有し、外部入力により信号の遅延量を
調整し得るよう構成され、前記のとおり位相比較器72
の直前、すなわちライン93に接続されている。また、
差動増幅器33は、遅延回路73の遅延量制御端子に接
続されている。
【0120】次に、前述した静電容量センサ1cの動作
について説明する。図4に示すように、パルス信号発生
回路21からの出力信号は、ライン92を経て遅延回路
5に入力される。遅延回路5においては、パルス信号発
生回路21からの出力信号を、検出電極41の静電容量
c1の値に応じて位相を遅延して出力する。この遅延回
路5からの出力信号は、位相比較器72へ入力される。
【0121】また、パルス信号発生回路21からの出力
信号は、ライン93を経て遅延回路73に入力され、こ
の遅延回路73において遅延される。遅延回路5からの
出力信号は、位相比較器72へ入力される。位相比較器
72は、遅延回路5からの出力信号と、遅延回路73か
らの出力信号との位相差に対応する直流電圧値Vc5の信
号を出力する。
【0122】切換手段3の動作は、前述した静電容量セ
ンサ1aの切換手段3と同様であるので説明を省略し、
以下、補正手段2cの動作を説明する。切換スイッチ6
1が端子S1に接続している場合には、位相比較器72
からの出力信号は、切換スイッチ61を経て、差動増幅
器33のマイナス端子に入力され、差動増幅器33から
は電圧Vc8の信号が出力される。
【0123】差動増幅器33からの出力信号は、遅延回
路73の遅延量制御端子に入力され、この差動増幅器3
3からの出力信号により遅延回路73が制御され、これ
によりライン93を通る信号の遅延量が調整される。
【0124】切換スイッチ61が端子S1に接続してい
る場合において、外的環境の変化により、検出電極41
の静電容量Cc1が変化した場合には、静電容量センサ1
cは下記のように作動する。この場合、代表的に、Cc1
が増加した場合について説明する。外的環境の変化によ
りCc1が増加すると、遅延回路5からの出力信号の遅延
量が増加し、これにより位相比較器72からの出力信号
の電圧Vc5が増加する。
【0125】Vc5が増加すると、差動増幅器33からの
出力信号の電圧Vc8が減少して、遅延回路73による信
号の遅延量が増加する。すなわち、遅延回路73からの
出力信号の遅延量が増加し、これによりVc5が減少する
ので、Vc5はCc1が増加する前の元の値に戻る。このよ
うに切換スイッチ61が端子S1に接続している場合に
は、補正手段2cによる負帰還ループが形成され、これ
により位相比較器72からの出力信号の電圧Vc5は、検
出電極41の静電容量Cc1の変動にかかわらず、一定値
に保たれる。
【0126】次に、本発明の静電容量センサの他の構成
例について説明する。なお、前述した静電容量センサ1
aとの共通点については説明を省略し、相違点について
のみ説明する。図5は、本発明の静電容量センサの他の
構成例を示す回路図である。同図に示すように、静電容
量センサ1dは、パルス信号発生回路21と、第1の信
号抽出手段である抵抗51および被検物の接近または接
触を検出する検出電極41により構成された遅延回路5
と、第2の信号抽出手段である抵抗52および基準電極
43により構成された遅延回路6と、位相比較器72
と、切換手段3と、第1の補正手段(以下、補正手段と
いう)2dとを有している。この場合、遅延回路6によ
り第2の補正手段が構成されている。
【0127】ここで、前記静電容量センサ1bと同様、
第2の補正手段の基準電極43および抵抗52は、それ
ぞれ、前記検出電極41および抵抗51と特性が実質的
に同一となるよう構成され、これにより外的環境の変動
による影響を打ち消し合うようになっているが、第2の
補正手段のみでは、外的環境の変動による影響を完全に
解消することはできない。
【0128】従って、本実施例の静電容量センサ1dで
は、さらに補正手段2dを設け、この補正手段2dによ
り、前記第2の補正手段(遅延回路6)への入力信号の
位相の遅延量を調整することで、位相比較器72からの
出力信号の電圧Vd6が一定に保たれるように構成されて
いる。
【0129】パルス信号発生回路21には、2つのライ
ン92、93が互いに並列的に接続されており、前記ラ
イン92および93は、それぞれ、遅延回路5および後
述する遅延回路73に接続されている。遅延回路5には
位相比較器72が接続されている。また、遅延回路73
には遅延回路6が接続され、遅延回路6には位相比較器
72が接続されている。この場合、抵抗51および位相
比較器72により信号処理回路が構成されている。
【0130】補正手段2dは、ホールド用のコンデンサ
42、電源81、差動増幅器33および遅延回路73に
より構成されている。前記遅延回路73は、図示しない
遅延量制御端子を有し、外部入力により信号の遅延量を
調整し得るよう構成され、前記のとおり遅延回路6の直
前、すなわちライン93に接続されている。また、差動
増幅器33は、遅延回路73の遅延量制御端子に接続さ
れている。
【0131】次に、前述した静電容量センサ1dの動作
について説明する。図5に示すように、パルス信号発生
回路21からの出力信号は、ライン92を経て遅延回路
5に入力される。遅延回路5においては、パルス信号発
生回路21からの出力信号を、検出電極41の静電容量
d1の値に応じて位相を遅延して出力する。この遅延回
路5からの出力信号は、位相比較器72へ入力される。
【0132】また、パルス信号発生回路21からの出力
信号は、ライン93を経て遅延回路73に入力され、こ
の遅延回路73において遅延されて、遅延回路6に入力
される。遅延回路6においては、遅延回路73からの出
力信号を、基準電極43の静電容量Cd3の値に応じて位
相を遅延して出力する。この遅延回路6からの出力信号
は、位相比較器72へ入力される。
【0133】位相比較器72は、遅延回路5からの出力
信号と、遅延回路6からの出力信号との位相差に対応す
る直流電圧値Vd6の信号を出力する。なお、前述した静
電容量センサ1bと同様に、外的環境の変動によりCd1
が変動した場合でも、ノイズ性の変動等のように基準電
極43の静電容量Cd3がCd1と同様の変動を受けるもの
については、位相比較器72においてキャンセルされ
る。
【0134】切換手段3の動作は、前述した静電容量セ
ンサ1aの切換手段3と同様であるので説明を省略し、
以下、補正手段2dの動作を説明する。切換スイッチ6
1が端子S1に接続している場合には、位相比較器72
からの出力信号は、切換スイッチ61を経て、差動増幅
器33のマイナス端子に入力され、差動増幅器33から
は電圧Vd7の信号が出力される。
【0135】差動増幅器33からの出力信号は、遅延回
路73の遅延量制御端子に入力され、この差動増幅器3
3からの出力信号により遅延回路73が制御され、これ
によりライン93を通る信号の遅延量が調整される。
【0136】切換スイッチ61が端子S1に接続してい
る場合において、外的環境の変化により、検出電極41
の静電容量Cd1が変化した場合には、静電容量センサ1
dは下記のように作動する。この場合、代表的に、Cd1
が増加した場合について説明する。外的環境の変化によ
りCd1が増加すると、遅延回路5からの出力信号の遅延
量が増加し、これにより位相比較器72からの出力信号
の電圧Vd6が増加する。
【0137】Vd6が増加すると、差動増幅器33からの
出力信号の電圧Vd7が減少して、遅延回路73による信
号の遅延量が増加する。すなわち、遅延回路73からの
出力信号の遅延量が増加し、これによりVd6が減少する
ので、Vd6はCd1が増加する前の元の値に戻る。このよ
うに切換スイッチ61が端子S1に接続している場合に
は、補正手段2dによる負帰還ループが形成され、これ
により位相比較器72からの出力信号の電圧Vd6は、検
出電極41の静電容量Cd1の変動にかかわらず、一定値
に保たれる。なお、基準電極43の静電容量Cd3が変動
した場合も前記と同様にVd6は一定値に保たれる。
【0138】次に、本発明の静電容量センサの他の構成
例について説明する。なお、前述した静電容量センサ1
aとの共通点については説明を省略し、相違点について
のみ説明する。図6は、本発明の静電容量センサの他の
構成例を示す回路図である。同図に示すように、静電容
量センサ1eは、被検物の接近または接触を検出する検
出電極41と、この検出電極41が接続された第1のパ
ルス信号発生回路(以下、パルス信号発生回路という)
23と、信号の周波数を直流電圧に変換するF−V変換
器74と、切換手段3と、第1の補正手段(以下、補正
手段という)2eとを有している。この場合、F−V変
換器74が信号処理回路である。
【0139】パルス信号発生回路23は、周波数を調整
し得る周波数調整部と周波数制御端子とを有し(いずれ
も図示せず)、該周波数制御端子から信号を入力するこ
とによりパルス信号(出力信号)の周波数を調整でき、
かつ検出電極41の静電容量Ce1の値に応じた周波数の
パルス信号を出力し得るよう構成されている。パルス信
号発生回路23にはF−V変換器74が接続され、F−
V変換器74には切換手段3の切換スイッチ61が接続
されている。
【0140】切換手段3は、差動増幅器34の極性が前
記静電容量センサ1aの場合とは逆になっており、この
点を除き、静電容量センサ1aの切換手段3と同様であ
る。補正手段2eは、ホールド用のコンデンサ42、電
源81および差動増幅器33により構成され、前記差動
増幅器33は、パルス信号発生回路23の周波数制御端
子に接続されている。
【0141】次に、前述した静電容量センサ1eの動作
について説明する。図6に示すように、パルス信号発生
回路23からは検出電極41の静電容量Ce1の値に応じ
た周波数のパルス信号が出力されている。パルス信号発
生回路21からの出力信号は、F−V変換器74に入力
され、このF−V変換器74において、周波数に対応す
る直流電圧Ve5の信号に変換されて出力される。
【0142】切換手段3の差動増幅器34は、F−V変
換器74からの出力信号の電圧Ve5がしきい値以上であ
る場合(被検物が検出電極41に接近していない場合)
にはL信号を出力する。また、差動増幅器34は、被検
物が検出電極41に接近して、F−V変換器74からの
出力信号の電圧Ve5がしきい値より小さくなると、すな
わち、Ve5がしきい値を超えるとH信号を出力する。
【0143】切換手段3の動作は、上記の点を除き、前
述した静電容量センサ1aの切換手段3と同様であるの
で説明を省略し、以下、補正手段2eの動作を説明す
る。切換スイッチ61が端子S1に接続している場合に
は、F−V変換器74からの出力信号は、切換スイッチ
61を経て、差動増幅器33のマイナス端子に入力さ
れ、差動増幅器33からは電圧Ve8の信号が出力され
る。
【0144】差動増幅器33からの出力信号は、パルス
信号発生回路23の周波数制御端子に入力され、この差
動増幅器33からの出力信号により、パルス信号発生回
路23から出力されるパルス信号の周波数が調整され
る。
【0145】切換スイッチ61が端子S1に接続してい
る場合において、外的環境の変化により、検出電極41
の静電容量Ce1が変化した場合には、静電容量センサ1
eは下記のように作動する。この場合、代表的に、Ce1
が増加した場合について説明する。外的環境の変化によ
りCe1が増加すると、パルス信号発生回路23からのパ
ルス信号の周波数が減少し、これによりF−V変換器7
4からの出力信号の電圧Ve5が減少する。
【0146】Ve5が減少すると、差動増幅器33からの
出力信号の電圧Ve8が増加して、パルス信号発生回路2
3からのパルス信号の周波数が増加する。これによりV
e5が増加するので、Ve5はCe1が増加する前の元の値に
戻る。このように切換スイッチ61が端子S1に接続し
ている場合には、補正手段2eによる負帰還ループが形
成され、これによりF−V変換器74からの出力信号の
電圧Ve5は、検出電極41の静電容量Ce1の変動にかか
わらず、一定値に保たれる。
【0147】なお、前記各実施例において、切換手段3
は、図示の構成に限定されない。例えば、図7に示すよ
うに、切換手段3を、切換スイッチ61、オワ回路6
3、比較器34およびパルス発生回路22により構成し
てもよい。この場合、比較器34およびパルス発生回路
22はオワ回路63の入力端子に接続され、オワ回路6
3の出力端子は切換スイッチ61の切換制御端子に接続
される。
【0148】また、本実施例の静電容量センサ1aにお
いて、増幅器32の位置は、図1に示す位置に限定され
ず、例えば、増幅器32は、差動増幅器31のプラス端
子と減衰器との間、差動増幅器31のマイナス端子と減
衰器との間、差動増幅器31とAC−DC変換器71と
の間、AC−DC変換器71と切換スイッチ61との間
等に接続されていてもよい。また、本実施例の静電容量
センサ1aにおいて、差動増幅器31の極性は図示の極
性と逆であってもよい。
【0149】また、本実施例の静電容量センサ1bにお
いて、増幅器32の位置は、図3に示す位置に限定され
ず、例えば、増幅器32は、第1の減衰器の直前(ライ
ン92上)、差動増幅器31のプラス端子と第1の減衰
器との間、差動増幅器31のマイナス端子と第1の減衰
器との間、差動増幅器35のプラス端子と第2の減衰器
との間、差動増幅器35のマイナス端子と第2の減衰器
との間、差動増幅器31と差動増幅器36との間、差動
増幅器35と差動増幅器36との間、差動増幅器36と
AC−DC変換器71との間、AC−DC変換器71と
切換スイッチ61との間等に接続されていてもよい。
【0150】また、本実施例の静電容量センサ1cにお
いて、遅延回路73の位置は、図4に示す位置に限定さ
れず、例えば、遅延回路73は、遅延回路5の直前(ラ
イン92上)、遅延回路5と位相比較器72との間等に
接続されていてもよい。また、静電容量センサ1cにお
いては、例えば、遅延回路73を静電容量センサ1aに
おける増幅器32に換え、この増幅器32を、例えば、
位相比較器72と切換スイッチ61との間等に接続して
もよい。
【0151】また、本実施例の静電容量センサ1dにお
いて、遅延回路73の位置は、図5に示す位置に限定さ
れず、例えば、遅延回路73は、遅延回路5の直前(ラ
イン92上)、遅延回路5と位相比較器72との間、遅
延回路6と位相比較器72との間等に接続されていても
よい。また、静電容量センサ1dにおいては、例えば、
遅延回路73を静電容量センサ1aにおける増幅器32
に換え、この増幅器32を、例えば、位相比較器72と
切換スイッチ61との間等に接続してもよい。
【0152】また、静電容量センサ1eにおいては、例
えば、図6に示す補正手段2eと、静電容量センサ1a
における増幅器32とにより補正手段を構成してもよ
い。この場合、例えば、F−V変換器74と切換スイッ
チ61との間に増幅器32を接続し、この増幅器32の
増幅率制御端子に差動増幅器33を接続する。また、本
発明では、例えば、前述したように補正手段の接続位置
を変更する場合等、回路を変更する場合には、差動増幅
器、比較器等の極性は、必要に応じて変更される。
【0153】本発明の静電容量センサの用途は特に限定
されないが、例えば、近接スイッチ等の距離センサ、タ
ッチセンサ、変位計、厚み計などの各種センサに適用さ
れる。以上、本発明の静電容量センサを、図示の構成例
に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。
【0154】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の静電容量
センサによれば、信号処理回路からの出力信号に基づ
き、第1の補正手段により補正されるので、温度や湿
度、あるいは振動等の何らかの外的環境の変化により静
電容量型の検出素子の静電容量が変動しても、信号処理
回路からの出力信号は、所定値に保持される。このた
め、本発明の静電容量センサは、従来の静電容量センサ
に比較して検出精度が高い。特に、第1の補正手段と、
第2の補正手段とを設けた場合には、さらに検出精度が
向上する。
【0155】従って、本発明の静電容量センサによれ
ば、屋内はもちろんのこと、屋外に設置しても被検物の
接近または接触を正確かつ安定的に検出することができ
る。また、例えば、本発明の静電容量センサを距離セン
サに適用した場合、前述のように検出精度が向上するの
で、従来の静電容量センサに比較して、最大検出距離を
長くすることができ、距離センサとしての用途が極めて
広いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電容量センサの構成例を示す回路図
である。
【図2】本発明の静電容量センサの動作を示すタイミン
グチャートである。
【図3】本発明の静電容量センサの構成例を示す回路図
である。
【図4】本発明の静電容量センサの構成例を示す回路図
である。
【図5】本発明の静電容量センサの構成例を示す回路図
である。
【図6】本発明の静電容量センサの構成例を示す回路図
である。
【図7】本発明における切換手段の構成例を示す回路図
である。
【図8】従来の静電容量センサの構成例を示す回路図で
ある。
【図9】従来の静電容量センサの構成例を示す回路図で
ある。
【符号の説明】
1a〜1g 静電容量センサ 2a〜2e 第1の補正手段 3 切換手段 4b 第2の補正手段 5 遅延回路 6 遅延回路 21、23 第1のパルス信号発生回路 22 第2のパルス信号発生回路 31、33、35、36 差動増幅器 32 増幅器 34 比較器 41 検出電極 42 コンデンサ 43 基準電極 51、52 抵抗 61、62 切換スイッチ 63 オワ回路 71 AC−DC変換器 72 位相比較器 73 遅延回路 74 F−V変換器 81、82 電源 91 出力端子 92、93 ライン S1〜S4 端子

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のパルス信号発生回路と、被検物の
    接近または接触を検出する静電容量型の検出素子と、前
    記第1のパルス信号発生回路からの出力信号を前記検出
    素子からの情報に基づいて処理する信号処理回路と、前
    記信号処理回路からの出力信号に基づいて、前記信号処
    理回路からの出力信号が所定値を保持するよう作動する
    第1の補正手段と、前記第1の補正手段が作動する状態
    と作動しない状態とを切り換える切換手段とを有し、 前記切換手段は、前記信号処理回路からの出力信号がし
    きい値を超えた場合には、前記第1の補正手段が作動し
    ない状態に切り換えるよう構成したことを特徴とする静
    電容量センサ。
  2. 【請求項2】 前記信号処理回路は、前記検出素子の静
    電容量に対応する信号を出力する第1の信号抽出手段を
    有している請求項1に記載の静電容量センサ。
  3. 【請求項3】 さらに、前記検出素子と実質的に同一の
    素子と、前記第1の信号抽出手段と実質的に同一であっ
    て、前記素子の静電容量に対応する信号を出力し、かつ
    前記第1の信号抽出手段と並列的に接続された第2の信
    号抽出手段とを含む第2の補正手段を有し、 前記信号処理回路は、前記第1の信号抽出手段からの出
    力信号と、前記第2の信号抽出手段からの出力信号との
    差に相当する信号を出力するよう構成されている請求項
    2に記載の静電容量センサ。
  4. 【請求項4】 前記第1の信号抽出手段は、前記検出素
    子の静電容量に対応する電圧値を有する信号を出力する
    よう構成されている請求項2または3に記載の静電容量
    センサ。
  5. 【請求項5】 前記第1の補正手段は、増幅率(増幅率
    ≦1を含む)を変更し得る増幅手段を有し、前記増幅手
    段の増幅率の変更により、前記信号処理回路からの出力
    信号が所定値を保持するよう構成されている請求項4に
    記載の静電容量センサ。
  6. 【請求項6】 前記第1の信号抽出手段は、前記検出素
    子の静電容量に応じた量だけ位相が遅れた信号を出力す
    るよう構成されている請求項2または3に記載の静電容
    量センサ。
  7. 【請求項7】 前記第1の補正手段は、信号を遅延さ
    せ、かつその遅延量を調整し得る遅延回路を有し、前記
    遅延回路により、前記信号処理回路からの出力信号が所
    定値を保持するよう構成されている請求項6に記載の静
    電容量センサ。
  8. 【請求項8】 被検物の接近または接触を検出する静電
    容量型の検出素子と、前記検出素子からの情報に基づい
    て所定の周波数のパルス信号を発生する周波数可変の第
    1のパルス信号発生回路と、前記第1のパルス信号発生
    回路からの出力信号の周波数に応じた信号を出力する信
    号処理回路と、前記信号処理回路からの出力信号に基づ
    いて、前記信号処理回路からの出力信号が所定値を保持
    するよう作動する第1の補正手段と、前記第1の補正手
    段が作動する状態と作動しない状態とを切り換える切換
    手段とを有し、 前記切換手段は、前記信号処理回路からの出力信号がし
    きい値を超えた場合には、前記第1の補正手段が作動し
    ない状態に切り換えるよう構成したことを特徴とする静
    電容量センサ。
  9. 【請求項9】 前記第1のパルス信号発生回路は、出力
    されるパルス信号の周波数を調整し得る周波数調整部を
    有し、前記第1の補正手段は、前記周波数調整部に作用
    して前記パルス信号の周波数を調整することにより、前
    記信号処理回路からの出力信号が所定値を保持するよう
    構成されている請求項に記載の静電容量センサ。
  10. 【請求項10】 前記切換手段は、第2のパルス信号発
    生回路を有し、前記信号処理回路からの出力信号が前記
    しきい値を超えない場合には、前記第2のパルス信号発
    生回路からのパルス信号に同期して、前記第1の補正手
    段が作動する状態と作動しない状態とを交互に切り換え
    るよう構成されている請求項1ないしのいずれかに記
    載の静電容量センサ。
JP3791294A 1994-02-10 1994-02-10 静電容量センサ Expired - Lifetime JP2618822B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3791294A JP2618822B2 (ja) 1994-02-10 1994-02-10 静電容量センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3791294A JP2618822B2 (ja) 1994-02-10 1994-02-10 静電容量センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07225137A JPH07225137A (ja) 1995-08-22
JP2618822B2 true JP2618822B2 (ja) 1997-06-11

Family

ID=12510766

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3791294A Expired - Lifetime JP2618822B2 (ja) 1994-02-10 1994-02-10 静電容量センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2618822B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6520535B1 (en) * 1998-12-30 2003-02-18 Automotive Systems Laboratory, Inc. Occupant detection system
JP4365264B2 (ja) * 2004-04-28 2009-11-18 日本電信電話株式会社 電子部品装置
EP1857329A1 (en) * 2006-05-17 2007-11-21 Hitachi Computer Products (Europe) S.A.S. Method for improving the localisation of a target in regard of a sensor
KR101063537B1 (ko) * 2009-02-23 2011-09-07 주식회사 애트랩 커패시턴스 측정 회로
US8456434B2 (en) 2006-06-22 2013-06-04 Atlab Inc. Touch sensor and operating method thereof
JP2011027630A (ja) * 2009-07-28 2011-02-10 Toyota Motor Corp 非接触動作検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07225137A (ja) 1995-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3498318B2 (ja) 容量検出システム及び方法
US4977480A (en) Variable-capacitance type sensor and variable-capacitance type sensor system using the same
EP0341691B1 (en) Detection voltage output circuit of charge generation type sensing device
JP2568242B2 (ja) 誘導性測定センサの信号を処理する回路装置
US20080122457A1 (en) Capacitance difference detecting circuit
US7640806B2 (en) Capacitive physical quantity sensor
US6530275B1 (en) Feedback circuit for micromachined accelerometer
KR100453971B1 (ko) 적분형 용량-전압 변환장치
JP2618822B2 (ja) 静電容量センサ
US5744968A (en) Ratiometric circuit
US6628147B2 (en) Comparator having reduced sensitivity to offset voltage and timing errors
JPH08327677A (ja) 容量型センサ用検出回路および検出方法
JP3282360B2 (ja) 容量型センサ
US5973538A (en) Sensor circuit
JP4272267B2 (ja) 静電容量型センサ回路
JP2005140657A (ja) 静電容量型センサの容量変化検出回路
US6104120A (en) Electric charge type sensor
US5467034A (en) Oxygen sensor interface circuit with optimized gain characteristics
JP4161873B2 (ja) 静電容量型距離センサ
JPH0278912A (ja) 可変容量形センサシステム
US20020047716A1 (en) Method and apparatus for providing detection of excessive negative offset of a sensor
JP2769911B2 (ja) 感圧回路
JP2001091373A (ja) 圧力センサ回路
JPH10190463A (ja) 信号処理装置
JPS6230594B2 (ja)