JP7502120B2 - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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本発明は、成膜装置及び成膜方法に関する。
半導体デバイスの微細化に伴い、金属配線パターンが微細化は益々進行している。従来のデュアルダマシン法を用いた、バリア膜形成、シード層形成、及びCu鍍金等の製造プロセスでは、微細配線パターンに対する良好な段差被覆性を得るのが難しくなっている。また、配線パターンが微細になるほど、金属配線中のバリア膜の体積割合が大きくなり、金属配線の抵抗が増加する場合がある。
このような状況の中、バリア層、シード層を必要とせず、微細な金属配線パターンの埋め込み特性に優れたCuとAlとを含む合金を用いる技術が注目されている(例えば、非特許文献参照)。
"CuAl2 thin films as a low-resistivity interconnect material for advanced semiconductor", Journal of Vacuum Science & Technology B 37, 031215 (2019)
しかしながら、CuとAlとを含む合金は、CuとAlとの比率に応じて、例えばα相を形成したり、あるいはη相を形成したりする。α相が金属配線に混在すると、エレクトロマイグレーション耐性が低いため、配線断線を引き起こす可能性がある。一方、η相が金属配線に混在すると、金属配線の抵抗増加を引き起こす可能性がある。従って、これらの相の形成を極力抑えることが望ましい。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、上記の相の形成を抑制し、信頼性の高いCuAl合金配線を形成する成膜装置、及び該合金配線を形成する成膜方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る成膜装置は、第1真空容器と、第2真空容器とを具備する。
上記第1真空容器は、Al含有率が化学量論組成CuAlのAl含有率よりも多い第1CuAl合金層を基板に成膜する。
上記第2真空容器は、Cu含有率が化学量論組成CuAlのCu含有率よりも多い第2CuAl合金層を上記基板に成膜する。
このような成膜装置であれば、η相またはα相の形成が抑制され、信頼性の高いCuAl合金配線が形成される。
上記の成膜装置においては、上記第1真空容器には、上記基板を支持する第1支持台が設けられ、上記第2真空容器には、上記基板を支持し、設定温度を上記第1支持台の設定温度よりも低く設定できる第2支持台が設けられてもよい。
このような成膜装置であれば、基板温度を所定の温度に設定することによって、η相またはα相の形成が抑制された、信頼性の高いCuAl合金配線が形成される。
上記の成膜装置においては、上記第1真空容器または上記第2真空容器で成膜処理された上記基板を加熱処理できるアニール室をさらに具備してもよい。
このような成膜装置であれば、第1真空容器または第2真空容器で成膜処理された基板を加熱処理することでη相またはα相の形成が抑制された、信頼性の高いCuAl合金配線が形成される。
上記の成膜装置においては、上記第1真空容器には、上記第1支持台に対向し、Al含有率が化学量論組成CuAlのAl含有率よりも多い第1CuAl合金で形成された第1スパッタリングターゲットが設けられ、上記第2真空容器には、上記第2支持台に対向し、Cu含有率が化学量論組成CuAlのCu含有率よりも多い第2CuAl合金で形成された第2スパッタリングターゲットが設けられ、上記第1スパッタリングターゲットと上記第1支持台との間の距離は、上記第2スパッタリングターゲットと上記第2支持台との間の距離よりも長く調整できてもよい。
このような成膜装置であれば、スパッタリングターゲットと支持台との間の距離が適正に調整され、η相またはα相の形成が抑制された、信頼性の高いCuAl合金配線が形成される。
本発明の一形態に係る成膜方法は、Al含有率が化学量論組成CuAlのAl含有率よりも多い第1CuAl合金層と、Cu含有率が化学量論組成CuAlのCu含有率よりも多い第2CuAl合金層とを基板に成膜する際に、上記第2CuAl合金層の成膜温度を上記第1CuAl合金層の成膜温度よりも低く設定して上記第1CuAl合金層及び上記第2CuAl合金層を上記基板に形成する。
このような成膜方法であれば、η相またはα相の形成が抑制され、信頼性の高いCuAl合金配線が形成される。
上記の成膜方法においては、上記基板は、Low-k材を含み、上記第1CuAl合金層を上記基板に形成した後に、上記第2CuAl合金層を上記基板に形成してもよい。
このような成膜方法であれば、第1CuAl合金層を基板に形成した後に、第2CuAl合金層を基板に形成するので、η相またはα相の形成が抑制され、信頼性の高いCuAl合金配線が形成される。
上記の成膜方法においては、上記基板を加熱しながら上記第1CuAl合金層を上記基板に形成し、上記基板の温度が室温状態で上記第2CuAl合金層を上記基板に形成し、上記基板に形成された、上記第1CuAl合金層及び上記第2CuAl合金層を加熱処理してもよい。
このような成膜方法であれば、第1CuAl合金層を基板に形成した後に、室温状態で第2CuAl合金層を形成し、第1CuAl合金層及び第2CuAl合金層を加熱処理するため、η相またはα相の形成が抑制され、信頼性の高いCuAl合金配線が形成される。
上記の成膜方法においては、上記基板は、複数の孔または複数のトレンチを有し、上記複数の孔または上記複数のトレンチを上記第1CuAl合金層によって埋め、上記第1CuAl合金層の上に上記第2CuAl合金層を形成してもよい
このような成膜方法であれば、複数の孔または複数のトレンチを第1CuAl合金層によって埋め、第1CuAl合金層の上に第2CuAl合金層を形成するため、η相またはα相の形成が抑制され、信頼性の高いCuAl合金配線が形成される。
上記の成膜方法においては、上記第1CuAl合金層の成膜源として、Al含有率が化学量論組成CuAlのAl含有率よりも多い第1CuAl合金で形成された第1スパッタリングターゲットを用い、上記第2CuAl合金層の成膜源として、Cu含有率が化学量論組成CuAlのCu含有率よりも多い第2CuAl合金で形成された第2スパッタリングターゲットを用い、上記第1スパッタリングターゲットと上記基板との間の距離を上記第2スパッタリングターゲットと上記基板との間の距離よりも長く設定して上記第1CuAl合金層及び上記第2CuAl合金層を上記基板に形成してもよい。
このような成膜方法であれば、スパッタリングターゲットと支持台との間の距離が適正に調整され、η相またはα相の形成が抑制された、信頼性の高いCuAl合金配線が形成される。
上記の成膜方法においては、上記第1CuAl合金層の少なくとも一部と上記第2CuAl合金層の少なくとも一部とを互いに拡散させた合金層を上記基板に形成した後に、上記合金層の表面から上記合金層の少なくとも一部を化学的機械研磨で取り除いてもよい。
このような成膜方法であれば、第1CuAl合金層の少なくとも一部と第2CuAl合金層の少なくとも一部とを互いに拡散させた合金層を基板に形成した後に、合金層の表面から合金層の少なくとも一部を化学的機械研磨で取り除くため、η相またはα相の形成が抑制された、信頼性の高いCuAl合金配線が形成される。
以上述べたように、本発明によれば、信頼性の高いCuAl合金配線を形成する成膜装置、及び該合金配線を形成する成膜方法が提供される。
本実施形態に係る成膜装置の一例を示す模式的上面図である。 本実施形態の成膜過程の一例を示す模式的断面図である。 本実施形態の成膜過程の一例を示す模式的断面図である。 参考例に係る成膜方法を示す模式的断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。各図面には、XYZ軸座標が導入される場合がある。また、同一の部材または同一の機能を有する部材には同一の符号を付す場合があり、その部材を説明した後には適宜説明を省略する場合がある。また、以下に示す数値は例示であり、この例に限らない。
また、本実施形態に係るCuAl合金とは、主成分としてθ相のCuAl合金を有する合金であることを意味する。例えば、本実施形態で形成されたCuAl合金層を元素分析した場合、CuAl(1.7≦Z≦2.3)の銅アルミニウム合金層を意味する。
図1は、本実施形態に係る成膜装置の一例を示す模式的上面図である。図1では、Z軸方向が成膜装置500の上下方向に対応している。
成膜装置500は、クラスタ型の成膜装置である。例えば、成膜装置500においては、多角形の搬送室510を中心に放射状に複数の真空容器520~525がゲートバルブ530を介して配置されている。複数の真空容器520~525には、それぞれの真空容器の減圧状態を維持可能にする排気系(不図示)が接続されている。複数の真空容器520~525のそれぞれには、真空度を計測する圧力計(不図示)が設けられててもよい。真空容器520~522には、放電用ガスを供給するガス供給機構(不図示)が接続されてもよい。
搬送室510は、真空容器520~525のいずれかにウェーハ状の基板2の受け渡しまたは受け取りを行う搬送ロボット511を有する。図1では、一例として基板2が搬送ロボット511によって真空容器521に受け渡された後の様子が例示されている。
真空容器521(第1真空容器)は、スパッタリング成膜を行う処理室である。真空容器521では、Al含有率が化学量論組成CuAlのAl含有率よりも多いCuAl合金層(第1CuAl合金層)が基板2に成膜される。真空容器521は、支持台521s(第1支持台)と、Z軸方向において支持台521sに対向するスパッタリングターゲット521t(第1スパッタリングターゲット)とを有する。
支持台521sは、真空容器521の下側に位置する。支持台521sは、搬送ロボット511によって真空容器521に搬送された基板2を支持することができる。支持台521sは、基板2を所定の温度に設定できる温調機構を有する。
スパッタリングターゲット521tは、支持台521sの上に位置する。スパッタリングターゲット521tは、Al含有率が化学量論組成CuAlのAl含有率よりも多いCuAl合金(第1CuAl合金)によって形成されている。例えば、第1CuAl合金の組成は、CuAl(2<x<2.82)で表される。また、Al含有率が化学量論組成CuAlのAl含有率よりも多いCuAl合金をAlリッチなCuAl合金と呼称する。スパッタリングターゲット521tには、電源(不図示)から所定の電力が供給される。
真空容器522(第2真空容器)は、スパッタリング成膜を行う処理室である。真空容器522では、Cu含有率が化学量論組成CuAlのCu含有率よりも多いCuAl合金層(第2CuAl合金層)が基板2に成膜される。真空容器522は、支持台522s(第2支持台)と、Z軸方向において支持台522sに対向するスパッタリングターゲット522t(第2スパッタリングターゲット)とを有する。
支持台522sは、真空容器522の下側に位置する。支持台522sは、搬送ロボット511によって真空容器522に搬送された基板2を支持することができる。支持台522sは、基板2を所定の温度に設定できる温調機構を有する。支持台522sは、基板2の設定温度を支持台521sの設定温度よりも低く設定できる。
スパッタリングターゲット522tは、支持台522sの上に位置する。スパッタリングターゲット522tは、Cu含有率が化学量論組成CuAlのCu含有率よりも多いCuAl合金(第2CuAl合金)によって形成されている。例えば、第2CuAl合金の組成は、CuAl(0.6≦y<2)で表される。また、Cu含有率が化学量論組成CuAlのCu含有率よりも多いCuAl合金をCuリッチなCuAl合金と呼称する。スパッタリングターゲット522tには、電源(不図示)から所定の電力が供給される。
スパッタリングターゲット521tと支持台521sとの間の距離は、スパッタリングターゲット522tと支持台522sとの間の距離よりも長くてもよい。ここで、距離とは、Z軸方向におけるT/S距離(ターゲット基板間距離)である。また、成膜装置500は、スパッタリングターゲット521tと支持台521sとの間の距離またはスパッタリングターゲット522tと支持台522sとの間の距離を調整できる駆動機構を有してよい。これにより、真空容器521及び真空容器522におけるT/S距離が適正に調整される。例えば、スパッタリングターゲット521tと支持台521sとの間の距離は、スパッタリングターゲット522tと支持台522sとの間の距離よりも長く調整できる。
真空容器523は、真空容器521または真空容器522で成膜処理された基板2を加熱処理できるアニール室である。真空容器523においては、支持台523sに静電吸着機構を備えたホットプレート等の公知の加熱手段が設けられている。真空容器523には、基板2の表面温度を検出する温度計が設けられてもよい。基板2の加熱手段としては、ランプヒータを用いてもよい。また、アニールは真空でのアニールでもよく、不活性ガスを真空容器523に流入させ、所定の圧力雰囲気下でのアニールでもよい。
なお、真空容器524は、真空処理前の基板2を収容するロードロック室であり、真空容器525は、真空処理後の基板2を収容するアンロードロック室である。真空容器520は、例えば、成膜前の基板2のクリーニング等を行う前処理室である。真空容器520は、前処理室時に基板2を支持する支持台520sを有する。
成膜装置500には、成膜装置500の自動運転を可能とする制御装置540が設けられている。例えば、使用者が制御装置540に設定(入力)した成膜条件に基づいて、成膜装置500は自動運転をする。
基板2は、シリコン等の半導体基板であり、その成膜面には、金属配線、Low-k材で形成された層間絶縁膜が設けられている。層間絶縁膜には、孔またはトレンチがパターニングされている。
プラズマを形成する電源は、DC電源でもよく、パルスDC電源、RF電源、またはVHF電源でもよい。また、成膜装置500は、クラスタ型の成膜装置に限らず、複数の成膜室が壁またはゲートバルブを介して直列に並設されたインライン型の成膜装置であってもよい。
成膜装置500を用いて実行される成膜方法の一例を説明する。
本実施形態では、真空容器521でAl含有率が化学量論組成CuAlのAl含有率よりも多い第1CuAl合金層と、真空容器522でCu含有率が化学量論組成CuAlのCu含有率よりも多い第2CuAl合金層とを基板2に成膜する際に、第2CuAl合金層の成膜温度を第1CuAl合金層の成膜温度よりも低く設定して第1CuAl合金層及び第2CuAl合金層が基板2に形成される。
図2(a)~図3(b)は、本実施形態の成膜過程の一例を示す模式的断面図である。
図2(a)には、成膜処理される基板2として、層間絶縁層10、11と、金属配線層12とを有する基板が例示される。層間絶縁層10の表面101には、溝または孔で構成された開口102が形成されている。開口102は、基板2に複数設けられてもよい。開口102が孔の場合、孔をZ軸方向から見た外形は、円形状または矩形状である。孔としては、ビアホール等が該当する。開口102は、層間絶縁層10において有底でもよく、無底でもよい。図2(a)では、無底の開口102が例示されている。すなわち、開口102は、層間絶縁層10を貫通している。
開口102において、底部における幅w1は、例えば、3nm以上30nm以下である。開口端における幅w2は、例えば、5nm以上50nm以下である。開口102の深さは、例えば、10nm以上140nm以下である。開口102は、ストレート型でもよく、底に向かうにつれ幅が広くなったり、あるいは逆に狭くなったりするテーパ型でもよい。
層間絶縁層10の下には、層間絶縁層11が設けられる。層間絶縁層11の内部には、例えば、金属配線層12が設けられている。金属配線層12の一部は、開口102の底部において露出されている。金属配線層12は、例えば、層間絶縁層11の下方に設けられた、トランジスタ、抵抗、コンデンサ、メモリ等(不図示)のいずれかに電気的に接続される。または、金属配線層12の電位は、浮遊してもよい。金属配線層12を取り除き、金属配線層12が層間絶縁層11で置き換えられた構造体も本実施形態に含まれる。この場合、開口102の底部では、層間絶縁層11が露出されることになる。
金属配線層12の材料は、Cu及びAlを含む金属間化合物である。例えば、金属配線層12の材料は、CuAl合金である。また、金属配線層12の材料は、コンタクト材料であるW及びCoでもよい。層間絶縁層10、11は、シリコン酸化物を含む。層間絶縁層10、11の材料は、例えば、シリコン酸化物、または、比誘電率3以下のLow-k材(CVD-SiOC、CVD-SiO等)である。
基板2は、必要に応じて真空容器524から真空容器520に搬送され、真空容器520で、例えば、表面クリーニング等の前処理がなされる。この後、真空容器520から真空容器521に搬送される。真空容器520での前処理は、適宜省略してもよい。
次に、図2(b)に示すように、真空容器521に搬送された基板2に基板2が200℃以上400℃以下の温度で加熱されながらスパッタリング成膜がなされる。これにより、層間絶縁層10の開口102(孔またトレンチ)は、CuAl合金層20A(第1CuAl合金層)によって埋められ、表面101にはCuAl合金層20Aが形成される。CuAl合金層20Aの成膜源としては、スパッタリングターゲット521tが用いられる。成膜条件の一例を以下に示す。
放電ガス:Ar
ターゲット投入電力:0.48W/cm
成膜時圧力:0.03Pa
基板温度:300℃
ここで、CuAl合金層20Aの組成は、スパッタリングターゲット521tを用いたことからとしては、アルミニウム含有率が化学量論組成CuAlのアルミニウム含有率よりも多いCuAl合金層となる。例えば、CuAl合金層20Aの組成は、CuAl(2<x<2.82)で表される。
CuAl合金層20Aは、基板2が加熱されたり、成膜中にはスパッタリング粒子から運動エネルギーを得たりする。このため、基板2上ではCuAl合金層20Aのマイグレーションが促進されて、CuAl合金層20Aの段差被覆性は良好になる。例えば、CuAl合金層20Aは、表面101、開口102の内壁104、及び開口102の底部に沿って形成される。CuAl合金層20Aの厚みは、開口102がCuAl合金層20Aによって埋まる程度の厚みでよい。例えば、CuAl合金層20Aの厚みは、5nm以上200nm以下に設定される。
次に、基板2にCuAl合金層20Aが形成された後に、真空容器521とは別の真空容器522に基板2が搬送されて、真空容器522においてCuAl合金層20C(第2CuAl合金層)が基板2に形成される。CuAl合金層20Cの成膜源としては、スパッタリングターゲット522tが用いられる。成膜条件の一例を以下に示す。
放電ガス:Ar
ターゲット投入電力:4.0W/cm
成膜時圧力:0.03Pa
基板温度:20℃以上200℃以下
例えば、基板2には、CuAl合金層20Aが形成されたときの成膜温度よりも低い温度でスパッタリング成膜がなされる。例えば、図2(c)に示すように、CuAl合金層20Aの上にCuAl合金層20Cが形成される。CuAl合金層20Cの厚みは、CuAl合金層20Aを介してCuAl合金層20Cの表面に反映される開口パターンによる凹凸が緩和される程度の厚みでよい。例えば、CuAl合金層20Cの厚みは、10nm以上600nm以下に設定される。
ここで、CuAl合金層20Cの組成は、スパッタリングターゲット522tを用いたことから、銅含有率が化学量論組成CuAlの銅含有率よりも多いCuAl合金層となる。例えば、CuAl合金層20Cの組成は、CuAl(0.6≦y<2)で表される。
CuAl合金層20A上に、一例として、100℃以上200℃以下でCuAl合金層20Cが形成されると、CuAl合金層20A上にCuAl合金層20Cが形成されている際中に、CuAl合金層20Aの少なくとも一部とCuAl合金層20Cの少なくとも一部とが互いに拡散し、CuAl合金層20AとCuAl合金層20Cとの反応が起きる。これにより、AlリッチなCuAl合金層とCuリッチなCuAl合金層とのそれぞれの組成が互いに補正されて、化学量論組成CuAl合金層で構成されたθ相の金属配線20が形成される。この状態を図3(a)に示す。この後、基板2は、真空容器525を介して成膜装置500から取り出される。
次に、図3(b)に示すように、表面101から上方の金属配線20の余剰部分がCMP(化学的機械研磨)により除去される。これにより、CuAl合金層の表面からCuAl合金層の少なくとも一部が取り除かれる。このような方法によって、信頼性の高いθ相のCuAl合金層(金属配線20)を安定して形成することができる。
なお、CuAl合金層20A及びCuAl合金層20Cのそれぞれの成膜回数は、1回とは限らない。例えば、基板2に形成するCuAl層の厚みに応じてCuAl合金層20AとCuAl合金層20Cとを交互に複数回繰り返し形成してもよい。
本実施形態の作用の一例を説明する前に、参考例に係る成膜方法を説明する。図4(a)、(b)は、参考例に係る成膜方法を示す模式的断面図である。
例えば、CuAl合金層20Aが基板2に形成された後に、CuAl合金層20Cの確実なリフロー性を優先させる余りに、CuAl合金層20CをCuAl合金層20Aの成膜温度と同じ温度(例えば、300℃)または、それ以上の成膜温度で形成すると、CuAl合金層20AとCuAl合金層20Cとの反応性が強くなりすぎ、例えば、以下のような現象が起き得る。
例えば、CuAl合金層20CをCuAl合金層20Aの成膜温度と同じ温度、または、それ以上の成膜温度で形成すると、CuリッチなCuAl合金層20Cに含まれるCu成分がCuAl合金層20A中に過剰に拡散して、拡散したCu成分とCuAl合金層20Aとの反応が引き起こされる可能性がある。この結果、Cu濃度がCuAl合金よりもより高くなったη相25が金属配線20に局部的に形成される虞がある。この状態を図4(a)に示す。
このようなη相25が金属配線20に混在すると、金属配線20の抵抗増加を引き起こす可能性があるので好ましくない。
あるいは、CuAl合金層20CをCuAl合金層20Aの成膜温度と同じ温度、または、それ以上の成膜温度で形成すると、AlリッチなCuAl合金層20Aに含まれるAl成分がCuAl合金層20C中に過剰に拡散し、AlがCuAl合金層20Aから引き抜かれた部分では局部的な体積収縮が起きる可能性がある。この結果、ピット26が金属配線20に形成される虞がある。この状態を図4(b)に示す。
ピット26が金属配線20に混在すると、金属配線20の抵抗増加を引き起こしたり、金属配線20の断線、ピット26へのCMP薬液の流入を引き起こしたりする可能性があるので好ましくない。
これに対し、本実施形態では、CuAl合金層20Aを基板2に形成した後に、CuAl合金層20Aの成膜温度よりも低く例えば200℃以下に設定してCuAl合金層20Cを形成する。これにより、CuAl合金層20Cに含まれるCu成分がCuAl合金層20A中に過剰に拡散する現象、またはCuAl合金層20Aに含まれるAl成分がCuAl合金層20C中に過剰に拡散する現象が抑制される。この結果、CuAl合金層20AとCuAl合金層20Cとが互いにそれぞれの組成を満遍なく補正し合って、化学量論組成CuAl合金層で構成されたθ相の金属配線20が形成される。
また、本実施形態によれば、金属配線20を形成する際に、CuAl層(θ相)の組成比を直接狙うことを要しない。本実施形態では、AlリッチなCuAl合金層20Aと、CuリッチなCuAl合金層20Cとを積層し、CuAl合金層20AとCuAl合金層20Cとを加熱することで、信頼性の高いθ相のCuAl層(金属配線20)が安定して形成され得る。
CuAl合金層20CよりもCuAl合金層20Aが先に基板2に形成されることで、CuAl合金層20Aに含まるAl成分が層間絶縁層10と反応して、金属配線20と層間絶縁層10との間にバリア層(例えば、アルミナ層)が形成されやすくなる。これにより、金属配線20に含まれるCuが層間絶縁層10に拡散されにくくなる。
また、CuAl合金においては、Al成分が多くなるほど、CuAl合金の流動性が向上する。従って、CuAl合金層20CよりもAl成分が多いCuAl合金層20AをCuAl合金層20Cよりも先に基板2に形成することによって、開口102における金属配線20の段差被覆性が良好になる。
また、本実施形態においては、CuAl合金層20Aを開口102を埋める埋め込み層、CuAl合金層20Cを金属配線20の表面凹凸を緩和する層として機能を持たせることにより、CMP後の金属配線20の厚み(金属配線12からの高さ)のばらつきが抑制される。
(変形例1)
CuAl合金層20Aを形成した後のCuAl合金層20Cの形成においては、CuAl合金層20Cの成膜時の基板温度を室温状態(20℃~25℃)としてもよい。例えば、真空容器521でCuAl合金層20Aが基板2に形成された後、真空容器522で成膜温度が室温でCuAl合金層20Cが基板2に形成される。次に、CuAl合金層20A、20Cが形成された基板2が真空容器523において250℃以上350℃以下で加熱処理する。
このように、CuAl合金層20Cの室温成膜を行うことで、CuAl合金層20Cに含まれるCu成分がCuAl合金層20A中に過剰に拡散する現象、またはCuAl合金層20Aに含まれるAl成分がCuAl合金層20C中に過剰に拡散する現象がより確実に抑制される。さらに、CuAl合金層20A、20Cが形成された基板2のポストアニールを施すことでCuAl合金層20AとCuAl合金層20Cとが互いにそれぞれの組成を満遍なく補正し合って、化学量論組成CuAl合金層で構成されたθ相の金属配線20が形成される。
(変形例2)
CuAl合金層20A、20Cのそれぞれを成膜する際、スパッタリングターゲット521tと基板2との間の距離がスパッタリングターゲット522tと基板2との間の距離よりも長く設定されて、CuAl合金層20A及びCuAl合金層20Cが基板2に形成されてもよい。
例えば、スパッタリングターゲット521tと基板2との間の距離は、200mm以上600mm以下(例えば、400mm)、スパッタリングターゲット522tと基板2との間の距離は、40mm以上200mm以下(例えば、50mm)に設定される。これにより、CuAl合金層20Aの成膜時には、開口102に入射するスパッタリング粒子の垂直入射成分が増し、CuAl合金層20Aの段差被覆性がより良好になる。
一方、開口102が良好な段差被覆性でCuAl合金層20Aによって埋め尽くされた後においては、CuAl合金層20Aの上に形成されるCuAl合金層20Cの高速成膜と、CuAl合金層20Cの基板面内における組成分布のばらつき抑制とを優先するために、スパッタリングターゲット522tと基板2との間の距離をスパッタリングターゲット521tと基板2との間の距離がよりも短く設定する。
これにより、開口102には、層間絶縁層10と金属配線20との間及び金属配線12と金属配線20との間に隙間なく金属配線20が形成される。また、成膜時間が短縮し、CMP後における基板面内の金属配線20の厚みばらつきがより抑制される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。各実施形態は、独立の形態とは限らず、技術的に可能な限り複合することができる。
2…基板
10、11…層間絶縁層
12…金属配線層
20…金属配線
20A、20C…CuAl合金層
25…η相
26…ピット
101…表面
102…開口
104…内壁
500…成膜装置
510…搬送室
511…搬送ロボット
520、521、522、523、524、525…真空容器
520s、521s、522s、523s…支持台
521t、522t…スパッタリングターゲット
530…ゲートバルブ
540…制御装置

Claims (10)

  1. Al含有率が化学量論組成CuAlのAl含有率よりも多い第1CuAl合金層を基板に成膜する第1真空容器と、
    Cu含有率が化学量論組成CuAlのCu含有率よりも多い第2CuAl合金層を前記基板に成膜する第2真空容器と
    を具備する成膜装置。
  2. 請求項1に記載された成膜装置であって、
    前記第1真空容器には、前記基板を支持する第1支持台が設けられ、
    前記第2真空容器には、前記基板を支持し、設定温度を前記第1支持台の設定温度よりも低く設定できる第2支持台が設けられた
    成膜装置。
  3. 請求項1または2に記載された成膜装置であって、
    前記第1真空容器及び前記第2真空容器で成膜処理された前記基板を加熱処理できるアニール室をさらに具備する
    成膜装置。
  4. 請求項に記載された成膜装置であって、
    前記第1真空容器には、前記第1支持台に対向し、Al含有率が化学量論組成CuAlのAl含有率よりも多い第1CuAl合金で形成された第1スパッタリングターゲットが設けられ、
    前記第2真空容器には、前記第2支持台に対向し、Cu含有率が化学量論組成CuAlのCu含有率よりも多い第2CuAl合金で形成された第2スパッタリングターゲットが設けられ、
    前記第1スパッタリングターゲットと前記第1支持台との間の距離は、前記第2スパッタリングターゲットと前記第2支持台との間の距離よりも長く調整できる
    成膜装置。
  5. Al含有率が化学量論組成CuAlのAl含有率よりも多い第1CuAl合金層と、Cu含有率が化学量論組成CuAlのCu含有率よりも多い第2CuAl合金層とを基板に成膜する際に、
    前記第2CuAl合金層の成膜温度を前記第1CuAl合金層の成膜温度よりも低く設定して前記第1CuAl合金層及び前記第2CuAl合金層を前記基板に形成する
    成膜方法。
  6. 請求項5に記載された成膜方法であって、
    前記基板は、Low-k材を含み、前記第1CuAl合金層を前記基板に形成した後に、前記第2CuAl合金層を前記基板に形成する
    成膜方法。
  7. 請求項5または6に記載された成膜方法であって、
    前記基板を加熱しながら前記第1CuAl合金層を前記基板に形成し、
    前記基板の温度が室温状態で前記第2CuAl合金層を前記基板に形成し、
    前記基板に形成された、前記第1CuAl合金層及び前記第2CuAl合金層を加熱処理する
    成膜方法。
  8. 請求項5~7のいずれか1つに記載された成膜方法であって、
    前記基板は、複数の孔または複数のトレンチを有し、
    前記複数の孔または前記複数のトレンチを前記第1CuAl合金層によって埋め、
    前記第1CuAl合金層の上に前記第2CuAl合金層を形成する
    成膜方法。
  9. 請求項5~8のいずれか1つに記載された成膜方法であって、
    前記第1CuAl合金層の成膜源として、Al含有率が化学量論組成CuAlのAl含有率よりも多い第1CuAl合金で形成された第1スパッタリングターゲットを用い、
    前記第2CuAl合金層の成膜源として、Cu含有率が化学量論組成CuAlのCu含有率よりも多い第2CuAl合金で形成された第2スパッタリングターゲットを用い、
    前記第1スパッタリングターゲットと前記基板との間の距離を前記第2スパッタリングターゲットと前記基板との間の距離よりも長く設定して前記第1CuAl合金層及び前記第2CuAl合金層を前記基板に形成する
    成膜方法。
  10. 請求項5~9のいずれか1つに記載された成膜方法であって、
    前記第1CuAl合金層の少なくとも一部と前記第2CuAl合金層の少なくとも一部とを互いに拡散させた合金層を前記基板に形成した後に、
    前記合金層の表面から前記合金層の少なくとも一部を化学的機械研磨で取り除く
    成膜方法。
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