JP7497316B2 - 周波数特性可変差動リニアアンプ - Google Patents

周波数特性可変差動リニアアンプ Download PDF

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Description

本発明は、周波数特性可変差動リニアアンプに関する。
通信において伝送される信号は伝送線路において周波数に依存して減衰し、特に高周波数ほど減衰が大きくなる傾向にある。このため、送信側では、伝送線路における減衰特性を考慮して、予め高周波数側を増幅して送信することが行われている。
このような信号増幅に用いられるリニアアンプは、減衰の大きい高周波域においてゲインのピークを形成するような周波数特性を有している(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、周波数に対するゲインの変化が特定の周波数(ピーク周波数)の近辺まで平坦な周波数特性を持つベースバンドアンプと、周波数に対するゲインの変化が特定の周波数(ピーク周波数)においてピークとなる周波数特性を持つピーキングアンプとが、差動回路の定電流源の電流(以下、駆動電流ともいう)を増減してゲインを調整する回路が記載されている。
また、通信において用いられるリニアアンプは、入力した信号を一定の比率(ゲイン)で増幅して出力するため、入力レベルと出力レベルが比例する。リニアアンプは、一定のゲインで入力信号を忠実に増幅するが、どれほど忠実に増幅しているかを示す指標にリニアリティ(直線性)がある。
近年、通信においてもPAM(Pulse-Amplitude Modulation)などの多値信号が用いられている。この多値信号の増幅にリニアリティの良くないアンプを用いると、出力波形は歪んだものとなる。PAM信号を忠実に増幅するためにはリニアリティの良いリニアアンプが必要とされる。
WO2014/136170
特許文献1に記載のリニアアンプでは、差動回路の駆動電流を下げてゲインを低下させたときに、トランジスタの動作点が最適値からずれてしまい、入力レベルに対する出力レベルのリニアリティが悪化する問題があり、例えばPAM4などの多値信号を増幅する場合には、アイ開口が劣化する問題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであって、ゲインが低い場合であってもリニアリティを悪化させることなくゲインと周波数特性を調整することができる周波数特性可変差動リニアアンプを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプは、入力差動信号を伝搬させるための入力側差動線路と、前記入力差動信号を入力する前記入力側差動線路の始端(2,3)と、その他端である終端と、該終端に接続された終端回路(401,402)と、出力差動信号を伝搬させるための出力側差動線路と、前記出力差動信号を出力する前記出力側差動線路の始端(6,7)と、その他端である終端と、該終端に接続された終端回路(501,502)とを有し、第1入力差動端子が前記入力側差動線路と電気的に接続され、第1出力差動端子が前記出力側差動線路と電気的に接続され、ゲインの第1周波数特性に従い前記入力差動信号を増幅して第1出力差動信号を出力する第1差動アンプ(100)と、第2入力差動端子が前記入力側差動線路と電気的に接続され、第2出力差動端子が前記出力側差動線路と電気的に接続され、ゲインの第2周波数特性に従い前記入力差動信号を増幅して第2出力差動信号を出力する第2差動アンプ(200)と、を備え、前記第1差動アンプは、差動型回路で構成され、前記差動型回路の定電流源の電流を一定に保ったまま、ゲインを変更できる第1ゲイン可変差動アンプ(101)を含み、前記入力差動信号は、前記第1差動アンプのゲインと前記第2差動アンプのゲインの大きさと比率に基づいて前記第1周波数特性及び前記第2周波数特性から定まるゲインの周波数特性に従い増幅され、前記第1出力差動信号と前記第2出力差動信号が前記出力側差動線路を伝搬しながら合波されて得られる前記出力差動信号の周波数特性を、前記大きさと比率を変えることで、可変でき、第3入力差動端子が前記入力側差動線路と電気的に接続され、第3出力差動端子が前記出力側差動線路と電気的に接続され、ゲインの第3周波数特性に従い前記入力差動信号を増幅して第3出力差動信号を出力する第3差動アンプ(300)をさらに備え、前記第3差動アンプは、差動型回路で構成され、該差動型回路の定電流源の電流を一定に保ったまま、ゲインを変更できる第3ゲイン可変差動アンプ(301)を含み、前記入力差動信号は、前記第1差動アンプのゲインと前記第2差動アンプのゲインと前記第3差動アンプのゲインの大きさと比率に基づいて前記第1周波数特性、前記第2周波数特性、及び前記第3周波数特性から定まるゲインの周波数特性に従い増幅され、前記第1出力差動信号、前記第2出力差動信号、及び前記第3出力差動信号が前記出力側差動線路を伝搬しながら合波されて得られる前記出力差動信号の周波数特性を、前記大きさと比率を変えることで、可変でき、前記第3ゲイン可変差動アンプ(301)は、前記入力差動信号を増幅する第3差動対回路(320)と、前記第3ゲイン可変差動アンプを駆動する電流を供給する第3定電流源回路(310)と、前記第3ゲイン可変差動アンプのゲインを調整する第3ゲイン調整回路(330)と、を備え、前記第3差動対回路は、エミッタ同士が第5エミッタ抵抗(323)及び第6エミッタ抵抗(324)を介して接続された差動対の第5差動対トランジスタ(321)及び第6差動対トランジスタ(322)を備え、前記第3定電流源回路(310)は、第3定電流源トランジスタ(311)を備え、前記第3ゲイン調整回路(330)は、エミッタ側が前記第5差動対トランジスタ(321)のコレクタ側と接続された差動対の第9ゲイン調整トランジスタ(331)及び第10ゲイン調整トランジスタ(332)と、エミッタ側が前記第6差動対トランジスタ(322)のコレクタ側と接続された差動対の第11ゲイン調整トランジスタ(333)及び第12ゲイン調整トランジスタ(334)と、を有し、前記第9ゲイン調整トランジスタ(331)のコレクタ側は、第1負荷抵抗(341)の一端側及び第1信号出力端子(306)に接続され前記第12ゲイン調整トランジスタ(334)のコレクタ側は、第2負荷抵抗(342)の一端側及び第2信号出力端子(307)に接続され、前記第5差動対トランジスタ(321)のベースは、第1ベース抵抗(325)を介して第1信号入力端子(303)に接続され、前記第6差動対トランジスタ(322)のベースは、第2ベース抵抗(326)を介して第2信号入力端子(304)に接続され、前記第9ゲイン調整トランジスタ(331)と前記第12ゲイン調整トランジスタ(334)のベースは、第5バイアス端子(35)に接続され、前記第10ゲイン調整トランジスタ(332)と前記第11ゲイン調整トランジスタ(333)のベースは、第6バイアス端子(36)に接続されており、前記第5バイアス端子に加えられる第5バイアス電圧と前記第6バイアス端子に加えられる第6バイアス電圧との電位差によりゲインが変えられることを特徴とする。
上記のように、第1差動アンプと第2差動アンプは、それぞれ入力側差動線路と出力側差動線路の間で電気的に接続されており、第1差動アンプは、差動型回路で構成され、該差動型回路の定電流源の電流を一定に保ったまま、ゲインを変更できる第1ゲイン可変差動アンプを備えている。この構成により、従来のようにアンプの駆動電流を下げてゲインを低下させたときにリニアリティが悪化する問題が生じない。これにより、例えばPAM4などの多値信号を増幅する場合であっても、アイ開口が劣化することもない。
また、入力差動信号は、第1差動アンプのゲインと第2差動アンプのゲインの大きさと比率に基づいて第1差動アンプの第1周波数特性及び第2差動アンプの第2周波数特性から定まるゲインの周波数特性に従い増幅され、出力側差動線路を伝搬しながら合波されて得られる出力差動信号の周波数特性を、該ゲインの大きさと比率を変えることで、可変できるようになっている。この構成により、リニアアンプのリニアリティを損なうことなく、第1周波数特性及び第2周波数特性を基にリニアアンプの周波数特性を調整することができる。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第1ゲイン可変差動アンプ(101)は、前記入力差動信号を増幅する第1差動対回路(120)と、前記第1ゲイン可変差動アンプを駆動する電流を供給する第1定電流源回路(110)と、前記第1ゲイン可変差動アンプのゲインを調整する第1ゲイン調整回路(130)と、を備える構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、第1ゲイン可変差動アンプは、第1定電流源回路により一定の駆動電流を供給しつつ、第1ゲイン調整回路によりゲインを調整することができる。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第1差動対回路(120)は、エミッタ同士が第1エミッタ抵抗(123)及び第2エミッタ抵抗(124)を介して接続された差動対の第1差動対トランジスタ(121)及び第2差動対トランジスタ(122)を備え、前記第1定電流源回路(110)は、第1定電流源トランジスタ(111)を備え、前記第1ゲイン調整回路(130)は、エミッタ側が前記第1差動対トランジスタ(121)のコレクタ側と接続された差動対の第1ゲイン調整トランジスタ(131)及び第2ゲイン調整トランジスタ(132)と、エミッタ側が前記第2差動対トランジスタ(122)のコレクタ側と接続された差動対の第3ゲイン調整トランジスタ(133)及び第4ゲイン調整トランジスタ(134)と、を有し、前記第1ゲイン調整トランジスタ(131)のコレクタ側は、第1負荷抵抗(141)の一端側及び第1信号出力端子(106)に接続され、前記第4ゲイン調整トランジスタ(134)のコレクタ側は、第2負荷抵抗(142)の一端側及び第2信号出力端子(107)に接続され、前記第1差動対トランジスタ(121)のベースは、第1信号入力端子(103)に接続され、前記第2差動対トランジスタ(122)のベースは第2信号入力端子(104)に接続され、前記第1ゲイン調整トランジスタ(131)と前記第4ゲイン調整トランジスタ(134)のベースは、第1バイアス端子(15)に接続され、前記第2ゲイン調整トランジスタ(132)と前記第3ゲイン調整トランジスタ(133)のベースは、第2バイアス端子(16)に接続され、前記第1バイアス端子に加えられる第1バイアス電圧と前記第2バイアス端子に加えられる第2バイアス電圧との電位差によりゲインが変えられる構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプの第1ゲイン可変差動アンプは、第1バイアス端子に加えられる第1バイアス電圧と第2バイアス端子に加えられる第2バイアス電圧との電位差によりゲインが変えられる。
具体的には、第1及び第4ゲイン調整トランジスタのエミッタ電流I1が最大で、第2及び第3ゲイン調整トランジスタのエミッタ電流I2が0mAとなるように第1及び第2バイアス電圧を設定したとき、第1ゲイン可変差動アンプのゲインは最大となる。また、第1及び第4ゲイン調整トランジスタのエミッタ電流I1と、第2及び第3ゲイン調整トランジスタのエミッタ電流I2とが同一となるように第1及び第2バイアス電圧を設定したとき、負荷抵抗に流れる互いに極性が反転した電流I1と電流I2が打ち消し合うので、第1ゲイン可変差動アンプのゲインは最小となる。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプは、前記第1ゲイン可変差動アンプ(101)において、前記第1差動対回路(120A)は、前記第1差動対トランジスタ(121)と前記第2差動対トランジスタ(122)のエミッタ同士を接続する前記第1エミッタ抵抗と前記第2エミッタ抵抗の代わりに、単一のエミッタ抵抗(125)を有し、前記第1定電流源回路(110A)は、前記第1定電流源トランジスタ(111)の代わりに、前記第1差動対トランジスタ(121)のエミッタ側に接続された第1分流電流源トランジスタ(113)と、前記第2差動対トランジスタ(122)のエミッタ側に接続された第2分流電流源トランジスタ(114)とを備える構成であってもよい。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第2差動アンプは、差動型回路で構成され、該差動型回路の定電流源の電流を一定に保ったまま、ゲインを変更できる第2ゲイン可変差動アンプ(201)を含む構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプは、従来のようにアンプの駆動電流を下げてゲインを低下させたときにリニアリティが悪化する問題が生じない。また、第2差動アンプのゲインも任意に変えることができるので、リニアアンプのリニアリティを損なうことなく、第1周波数特性及び第2周波数特性を基にリニアアンプの周波数特性を容易に調整することができる。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第2ゲイン可変差動アンプは、前記入力差動信号を増幅する第2差動対回路(220)と、前記第2ゲイン可変差動アンプを駆動する電流を供給する第2定電流源回路(210)と、前記第2ゲイン可変差動アンプのゲインを調整する第2ゲイン調整回路(230)と、を備える構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、第2ゲイン可変差動アンプは、第2定電流源回路により一定の駆動電流を供給しつつ、第2ゲイン調整回路によりゲインを調整することができる。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第2差動対回路(220)は、エミッタ同士が第3エミッタ抵抗(223)及び第4エミッタ抵抗(224)を介して接続されるとともに、コンデンサ(225)を介して接続された差動対の第3差動対トランジスタ(221)及び第4差動対トランジスタ(222)を備え、前記第2定電流源回路(210)は、第2定電流源トランジスタ(211)を備え、前記第2ゲイン調整回路は、エミッタ側が前記第3差動対トランジスタ(221)のコレクタ側と接続された差動対の第5ゲイン調整トランジスタ(231)及び第6ゲイン調整トランジスタ(232)と、エミッタ側が前記第4差動対トランジスタ(222)のコレクタ側と接続された第7ゲイン調整トランジスタ(233)及び第8ゲイン調整トランジスタ(234)と、を有し、前記第5ゲイン調整トランジスタ(231)のコレクタ側は、第1負荷抵抗(241)の一端側及び第1信号出力端子(206)に接続され、前記第8ゲイン調整トランジスタ(234)のコレクタ側は、第2負荷抵抗(242)の一端側及び第2信号出力端子(207)に接続され、前記第3差動対トランジスタ(221)のベースは、第1信号入力端子(203)に接続され、前記第4差動対トランジスタ(222)のベースは、第2信号入力端子(204)に接続され、前記第5ゲイン調整トランジスタ(231)と前記第8ゲイン調整トランジスタ(234)のベースは、第3バイアス端子(25)に接続され、前記第6ゲイン調整トランジスタ(232)と前記第7ゲイン調整トランジスタ(233)のベースは、第4バイアス端子(26)に接続されており、前記第3バイアス端子に加えられる第3バイアス電圧と前記第4バイアス端子に加えられる第4バイアス電圧との電位差によりゲインが変えられる構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプの第2ゲイン可変差動アンプは、第3バイアス端子に加えられる第3バイアス電圧と第4バイアス端子に加えられる第4バイアス電圧との電位差によりゲインが変えられる。
具体的には、第5及び第8ゲイン調整トランジスタのエミッタ電流I1が最大で、第6及び第7ゲイン調整トランジスタのエミッタ電流I2が0mAとなるように第3及び第4バイアス電圧を設定したとき、第2ゲイン可変差動アンプのゲインは最大となる。また、第5及び第8ゲイン調整トランジスタのエミッタ電流I1と、第6及び第7ゲイン調整トランジスタのエミッタ電流I2とが同一となるように第3及び第4バイアス電圧を設定したとき、負荷抵抗に流れる互いに極性が反転した電流I1と電流I2が打ち消し合うので、第2ゲイン可変差動アンプのゲインは最小となる。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第2ゲイン可変差動アンプ(201)において、前記第2差動対回路(220A)は、前記第3差動対トランジスタ(221)と前記第4差動対トランジスタ(222)のエミッタ同士を接続する前記第3エミッタ抵抗と前記第4エミッタ抵抗の代わりに、単一のエミッタ抵抗(226)を有し、前記第2定電流源回路(210A)は、前記第2定電流源トランジスタ(211)の代わりに、前記第3差動対トランジスタ(221)のエミッタ側に接続された第3分流電流源トランジスタ(213)と、前記第4差動対トランジスタ(222)のエミッタ側に接続された第4分流電流源トランジスタ(214)とを備える構成であってもよい。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第1差動アンプ(100)は、前記第1ゲイン可変差動アンプ(101)の前後のいずれか一方又は両方に、差動型回路から構成された第1従属アンプ(600)が縦続接続されている構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプは、リニアリティを損なうことなく、ゲイン可変差動アンプ101の最大ゲインを越えて、第1差動アンプのゲインを上げることができる。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第1従属アンプは、前記第1差動アンプの前記第1周波数特性に対応したゲインの周波数特性を有している構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプは、第1差動アンプの第1ゲイン可変差動アンプに第1従属アンプが縦続接続されることにより、第1差動アンプの第1周波数特性を得ることができる。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第2差動アンプ(200)は、前記第2ゲイン可変差動アンプ(201)の前後のいずれか一方又は両方に、差動型回路から構成された第2従属アンプ(700)が縦続接続されている構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプは、リニアリティを損なうことなく、ゲイン可変差動アンプ201の最大ゲインを越えて、第2差動アンプのゲインを上げることができる。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第2従属アンプは、前記第2差動アンプの前記第2周波数特性に対応したゲインの周波数特性を有している構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプは、第2差動アンプの第2ゲイン可変差動アンプに第2従属アンプが縦続接続されることにより、第2差動アンプの第2周波数特性を得ることができる。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第1差動アンプ(100)は、ベースバンドアンプ、ピーキングアンプ、及びLPF(Low Pass Filter)アンプのうち1のアンプであり、前記第2差動アンプ(200)は、残り2つのうち1のアンプである構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプは、所望の周波数特性を得ることができる。具体的には、ベースバンドアンプは、所定の周波数範囲においてゲインが一定の大きさを保った周波数特性を有し、ピーキングアンプは、所定の周波数範囲においてゲインが周波数に対して増加し、前記増加の傾きがベースバンドアンプよりも大きい周波数特性を有し、LPFアンプは、所定の周波数範囲において周波数に対してゲインが減少し、前記減少の傾きがベースバンドアンプよりも大きい周波数特性を有する。例えば、第1差動アンプがベースバンドアンプであり、第2差動アンプがピーキングアンプの場合、調整されたピーキングを示す周波数特性を得ることができる。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第1ゲイン可変差動アンプ(101)のゲインの周波数特性は、前記第1差動アンプの前記第1周波数特性に対応したゲインの周波数特性を有し、前記第2ゲイン可変差動アンプ(201)のゲインの周波数特性は、前記第2差動アンプの前記第2周波数特性に対応したゲインの周波数特性を有している構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプは、従属アンプを省略しても、第1差動アンプが第1周波数特性を保持し、第2差動アンプが第2周波数特性を保持することができる。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第1差動アンプ(100)と前記第2差動アンプ(200)のうち少なくとも一方は、作動をオン・オフできる構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプは、第1差動アンプと第2差動アンプのどちらか一方、又は両方を選択的に使用することができる。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第1差動アンプ(100)と前記第2差動アンプ(200)は、極性が同じである構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプは、ゲインの大きさと比率に応じて第1差動アンプの第1周波数特性と第2差動アンプの第2周波数特性とを同相で合成した周波数特性を有することができる。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第1差動アンプ(100)と前記第2差動アンプ(200)は、極性が異なっている構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプは、ゲインの大きさと比率に応じて第1差動アンプの第1周波数特性と第2差動アンプの第2周波数特性とを、逆相で合成した周波数特性を有することができる。
また、上述のように、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、第3入力差動端子が前記入力側差動線路と電気的に接続され、第3出力差動端子が前記出力側差動線路と電気的に接続され、ゲインの第3周波数特性に従い前記入力差動信号を増幅して第3出力差動信号を出力する第3差動アンプ(300)をさらに備え、前記第3差動アンプは、差動型回路で構成され、該差動型回路の定電流源の電流を一定に保ったまま、ゲインを変更できる第3ゲイン可変差動アンプ(301)を含み、前記入力差動信号は、前記第1差動アンプのゲインと前記第2差動アンプのゲインと前記第3差動アンプのゲインの大きさと比率に基づいて前記第1周波数特性、前記第2周波数特性、及び前記第3周波数特性から定まるゲインの周波数特性に従い増幅され、前記第1出力差動信号、前記第2出力差動信号、及び前記第3出力差動信号が前記出力側差動線路を伝搬しながら合波されて得られる前記出力差動信号の周波数特性を、前記大きさと比率を変えることで、可変できる構成であ
上記のように、第3差動アンプは、駆動電流を一定に保ったまま、第3差動アンプのゲインを変更できる第3ゲイン可変差動アンプを備えている。この構成により、従来のようにアンプの駆動電流を下げてゲインを低下させたときにリニアリティが悪化する問題が生じない。これにより、例えばPAM4などの多値信号を増幅する場合であっても、アイ開口が劣化することもない。
また、入力差動信号は、第1差動アンプのゲインと第2差動アンプのゲインと第3差動アンプのゲインの大きさと比率に基づいて第1周波数特性、第2周波数特性、及び第3周波数特性から定まるゲインの周波数特性に従い増幅され、出力差動信号として出力されるようになっている。この構成により、リニアアンプのリニアリティを損なうことなく、第1周波数特性、第2周波数特性、及び第3周波数特性を基にリニアアンプの周波数特性を調整することができる。
また、上述のように、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第3ゲイン可変差動アンプ(301)は、前記入力差動信号を増幅する第3差動対回路(320)と、前記第3ゲイン可変差動アンプを駆動する電流を供給する第3定電流源回路(310)と、前記第3ゲイン可変差動アンプのゲインを調整する第3ゲイン調整回路(330)と、を備え、前記第3差動対回路は、エミッタ同士が第5エミッタ抵抗(323)及び第6エミッタ抵抗(324)を介して接続された差動対の第5差動対トランジスタ(321)及び第6差動対トランジスタ(322)を備え、前記第3定電流源回路(310)は、第3定電流源トランジスタ(311)を備え、前記第3ゲイン調整回路(330)は、エミッタ側が前記第5差動対トランジスタ(321)のコレクタ側と接続された差動対の第9ゲイン調整トランジスタ(331)及び第10ゲイン調整トランジスタ(332)と、エミッタ側が前記第6差動対トランジスタ(322)のコレクタ側と接続された差動対の第11ゲイン調整トランジスタ(333)及び第12ゲイン調整トランジスタ(334)と、を有し、前記第9ゲイン調整トランジスタ(331)のコレクタ側は、第1負荷抵抗(341)の一端側及び第1信号出力端子(306)に接続され、前記第12ゲイン調整トランジスタ(334)のコレクタ側は、第2負荷抵抗(342)の一端側及び第2信号出力端子(307)に接続され、前記第5差動対トランジスタ(321)のベースは、第1ベース抵抗(325)を介して第1信号入力端子(303)に接続され、前記第6差動対トランジスタ(322)のベースは、第2ベース抵抗(326)を介して第2信号入力端子(304)に接続され、前記第9ゲイン調整トランジスタ(331)と前記第12ゲイン調整トランジスタ(334)のベースは、第5バイアス端子(35)に接続され、前記第10ゲイン調整トランジスタ(332)と前記第11ゲイン調整トランジスタ(333)のベースは、第6バイアス端子(36)に接続されており、前記第5バイアス端子に加えられる第5バイアス電圧と前記第6バイアス端子に加えられる第6バイアス電圧との電位差によりゲインが変えられる構成であ
この構成により、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプの第3ゲイン可変差動アンプは、第5バイアス端子に加えられる第5バイアス電圧と第6バイアス端子に加えられる第6バイアス電圧との電位差によりゲインが変えられる。これにより、第1差動アンプのゲインと第2差動アンプのゲインと第3差動アンプのゲインの大きさと比率を調整することにより、リニアアンプのゲインのリニアリティを損なうことなく、第1周波数特性、第2周波数特性、及び第3周波数特性を基にリニアアンプの周波数特性を調整することができる。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第3ゲイン可変差動アンプ(301)において、前記第3差動対回路(320A)は、前記第5差動対トランジスタ(321)と前記第6差動対トランジスタ(322)のエミッタ同士を接続する前記第5エミッタ抵抗と前記第6エミッタ抵抗の代わりに、単一のエミッタ抵抗(327)を有し、前記第3定電流源回路(310A)は、前記第3定電流源トランジスタ(311)の代わりに、前記第5差動対トランジスタ(321)のエミッタ側に接続された第5分流電流源トランジスタ(313)と、前記第6差動対トランジスタ(322)のエミッタ側に接続された第6分流電流源トランジスタ(314)とを備える構成であってもよい。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第3差動アンプ(300)は、前記第3ゲイン可変差動アンプ(301)の前後のいずれか一方又は両方に、差動型回路から構成された第3従属アンプ(800)が縦続接続されている構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプは、リニアリティを損なうことなく、ゲイン可変差動アンプ301の最大ゲインを越えて、第3差動アンプのゲインを上げることができる。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第3従属アンプは、前記第3差動アンプの前記第3周波数特性に対応したゲインの周波数特性を有している構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプは、第3差動アンプの第3ゲイン可変差動アンプに第3従属アンプが縦続接続されることにより、第3差動アンプの第3周波数特性を得ることができる。
また、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプにおいて、前記第1差動アンプ(100)は、ベースバンドアンプであり、前記第2差動アンプ(200)は、ピーキングアンプであり、前記第3差動アンプ(300)は、LPFアンプである構成であってもよい。また前記3つの差動アンプのうち、一つの差動アンプを省略した構成でも良い。
この構成により、本発明に係る周波数特性可変差動リニアアンプは、所望の周波数特性を得ることができる。
本発明によれば、ゲインが低い場合であってもリニアリティを悪化させることなくゲインと周波数特性を調整することができる周波数特性可変差動リニアアンプを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る周波数特性可変差動リニアアンプの概略構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る周波数特性可変差動リニアアンプの回路構成を示す図である。 図2の周波数特性可変差動リニアアンプのベースバンドアンプに用いられるゲイン可変差動アンプの回路構成を示す図である。 図2の周波数特性可変差動リニアアンプのピーキングアンプに用いられるゲイン可変差動アンプの回路構成を示す図である。 図2の周波数特性可変差動リニアアンプのベースバンドアンプに用いられるゲイン可変差動アンプの変形例を示す図である。 図2の周波数特性可変差動リニアアンプのベースバンドアンプに用いられるゲイン可変差動アンプの別の変形例を示す図である。 図2の周波数特性可変差動リニアアンプのピーキングアンプに用いられるゲイン可変差動アンプの変形例を示す図である。 ゲイン可変差動アンプと従属アンプが縦続接続された構成を示す図である。 ベースバンドアンプに用いられる従属アンプの回路構成を示す図である。 ベースバンドアンプに用いられる従属アンプの変形例を示す図である。 ピーキングアンプに用いられる従属アンプの回路構成を示す図である。 (a)はベースバンドアンプの周波数特性を示し、(b)はピーキングアンプの周波数特性を示し、(c)はLPFアンプの周波数特性を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る周波数特性可変差動リニアアンプの周波数特性を調整する様子を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る周波数特性可変差動リニアアンプの周波数特性を調整する様子を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る周波数特性可変差動リニアアンプの周波数特性を調整する様子を示す図である。 ゲインを調整した時の周波数特性可変差動リニアアンプのSDD21(差動モードゲイン)の測定結果を示す図である。 ピーキングを調整した時の周波数特性可変差動リニアアンプのSDD21(差動モードゲイン)の測定結果を示す図である。 (a)は、周波数特性可変差動リニアアンプの56Gbaud PAM4信号の入力波形を示し、(b)及び(c)は出力波形を示す。 (a)は、4dBのチャネルロスがある場合に56Gbaud PAM4信号が入力された周波数特性可変差動リニアアンプの出力波形を示し、(b)は、ピーキング調整後の出力波形を示す。 本発明の第3の実施形態に係る周波数特性可変差動リニアアンプの概略構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る周波数特性可変差動リニアアンプのLPFアンプに用いられるゲイン可変差動アンプの回路構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る周波数特性可変差動リニアアンプのLPFアンプに用いられるゲイン可変差動アンプの変形例を示す図である。 LPFアンプに用いられる従属アンプの回路構成を示す図である。 分布型回路の構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る周波数特性可変差動リニアアンプについて、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
本実施形態に係る周波数特性可変差動リニアアンプ(以下、差動リニアアンプともいう)1は、例えば通信における周波数依存のチャネルロスに応じて、周波数特性を変更することのできる差動リニアアンプである。このために、差動リニアアンプ1は、入力側差動線路900と、出力側差動線路910と、ベースバンドアンプとして機能する第1周波数特性を備えた第1差動アンプ100と、ピーキングアンプとして機能する第2周波数特性を備えた第2差動アンプ200と、を備えている。以下、各構成要素について説明する。
(入力側及び出力側差動線路)
図1は、第1の実施形態に係る差動リニアアンプ1の概略構成を示す図である。図1に示すように、差動リニアアンプ1は、入力差動信号Vinを伝搬させるための入力側差動線路900と、入力差動信号Vinを入力する入力側差動線路900の始端2、3と、その他端である終端4、5と、該終端4、5に接続された終端回路400と、出力差動信号Voutを伝搬させるための出力側差動線路910と、出力差動信号Voutを出力する出力側差動線路910の始端6、7と、その他端である終端8、9と、該終端8、9に接続された終端回路500とを有している。
入力側差動線路900は、一端が始端2に接続され他端が終端4に接続された主線路901と、一端が始端3に接続され他端が終端5に接続された主線路902とから構成されている。出力側差動線路910は、一端が始端6に接続され他端が終端8に接続された主線路911と、一端が始端7に接続され他端が終端9に接続された主線路912とから構成されている。
入力側差動線路900側の終端回路400は、一端が終端4に接続され他端が端子91に接続された終端抵抗401と、一端が終端5に接続され他端が端子92に接続された終端抵抗402とを備えている。端子91と端子92は、所定の電位の電源に接続されている。
出力側差動線路910側の終端回路500は、一端が終端8に接続され他端が端子93に接続された終端抵抗501と、一端が終端9に接続され他端が端子94に接続された終端抵抗502とを備えている。端子93と端子94は、所定の電位の電源に接続されている。
なお、本実施形態では入力側差動線路900と出力側差動線路910は、差動線路であるが、これに限定されず、入力側差動線路900と出力側差動線路910の片方又は両方がシングルの線路であってもよい。
(ベースバンドアンプとして機能する第1差動アンプ)
図1に示すように、第1差動アンプ100は、第1入力差動端子102が入力側差動線路900と電気的に接続され、第1出力差動端子105が出力側差動線路910と電気的に接続され、ゲインの第1周波数特性に従い入力差動信号Vinを増幅して第1出力差動信号V1outを出力するようになっている。
第1入力差動端子102は、入力側差動線路900の主線路901に接続された正相入力端子103と、入力側差動線路900の主線路902に接続された逆相入力端子104とからなる。第1出力差動端子105は、出力側差動線路910の主線路911に接続された正相出力端子107と、出力側差動線路910の主線路912に接続された逆相出力端子106とからなる。
入力差動信号Vinは、始端2に入力される入力正相信号Vin(+)と、始端3に入力される入力逆相信号Vin(-)とからなる。第1出力差動信号V1outは、正相出力端子107から得られる第1出力正相信号V1out(+)と、逆相出力端子106から得られる第1出力逆相信号V1out(-)とからなる。
図12(a)は、第1差動アンプ100のゲインの第1周波数特性を示す図である。図12(a)に示すように、第1周波数特性は、所定の周波数範囲、例えばカットオフ周波数付近までの範囲においてゲインが一定の周波数特性であり、ベースバンドアンプとして機能する。
(第1差動アンプを構成するゲイン可変差動アンプ)
図3は、差動リニアアンプ1の第1差動アンプ100に用いられるゲイン可変差動アンプ101の回路構成を示す図である。図3に示すように、ゲイン可変差動アンプ101は、入力差動信号を増幅する差動対回路120と、ゲイン可変差動アンプ101を駆動する電流を供給する定電流源回路110と、ゲイン可変差動アンプ101のゲインを調整するゲイン調整回路130とを備えている。
この構成により、ゲイン可変差動アンプ101は、定電流源回路110により一定の駆動電流を供給しつつ、ゲイン調整回路130によりゲインを調整することができる。
ゲイン可変差動アンプ101が、差動リニアアンプ1と同一である場合の差動リニアアンプ1の回路図を図2に示し、この図を用いて具体的な動作を説明する。
この構成では図3のゲイン可変差動アンプ101の負荷抵抗141、142は、出力側差動線路910に接続された終端回路500に代えられる。
差動対回路120は、エミッタ同士が第1エミッタ抵抗123及び第2エミッタ抵抗124を介して接続された差動対の第1差動対トランジスタ121及び第2差動対トランジスタ122を備えている。
第1差動対トランジスタ121のベースは、正相入力端子103に接続され、第2差動対トランジスタ122のベースは、逆相入力端子104に接続されている。入力正相信号Vin(+)は、正相入力端子103に入力され、入力逆相信号Vin(-)は、逆相入力端子104に入力される。
定電流源回路110は、定電流源トランジスタ111と抵抗112とを備えている。定電流源トランジスタ111は、コレクタ側が第1エミッタ抵抗123と第2エミッタ抵抗124の接続側に接続され、エミッタ側が抵抗112の一端に接続されている。抵抗112の他端は、端子11に接続され、端子11は低電位側の電源に接続される。定電流源トランジスタ111のベースは端子12に接続され、端子12はベース電圧源に接続される。
ゲイン調整回路130は、エミッタ側が第1差動対トランジスタ121のコレクタ側と接続された差動対の第1ゲイン調整トランジスタ131及び第2ゲイン調整トランジスタ132と、エミッタ側が第2差動対トランジスタ122のコレクタ側と接続された差動対の第3ゲイン調整トランジスタ133及び第4ゲイン調整トランジスタ134と、を有している。
第1ゲイン調整トランジスタ131と第3ゲイン調整トランジスタ133のコレクタ側は、第1出力差動端子105を構成する逆相出力端子106に接続される。
また、第2ゲイン調整トランジスタ132と第4ゲイン調整トランジスタ134のコレクタ側は、第1出力差動端子105を構成する正相出力端子107に接続される。
第1ゲイン調整トランジスタ131と第4ゲイン調整トランジスタ134のベースは、第1バイアス端子15に接続され、第2ゲイン調整トランジスタ132と第3ゲイン調整トランジスタ133のベースは、第2バイアス端子16に接続されている。これにより、第1バイアス端子15に加えられる第1バイアス電圧V1aと第2バイアス端子16に加えられる第2バイアス電圧V1bとの電位差によりゲインが変えられるようになっている。
具体的には、第1及び第4ゲイン調整トランジスタ131、134のエミッタ電流I1が最大で、第2及び第3ゲイン調整トランジスタ132、133のエミッタ電流I2が0mAとなるように第1及び第2バイアス電圧V1a、V1bを設定したとき、ゲイン可変差動アンプ101のゲインは最大となる。また、第1及び第4ゲイン調整トランジスタ131、134のエミッタ電流I1と、第2及び第3ゲイン調整トランジスタ132、133のエミッタ電流I2とが同一となるように第1及び第2バイアス電圧V1a、V1bを設定したとき、負荷抵抗を流れる互いに極性が反転した電流I1及び電流I2が打ち消し合うので、ゲイン可変差動アンプ101のゲインは最小となる。
ゲイン可変差動アンプ101は、図12(a)に示すような所定の周波数範囲においてゲインが一定である周波数特性を有しているため、ベースバンドアンプとして機能する。
<ゲイン可変差動アンプ101の変形例>
ゲイン可変差動アンプ101の回路の変形例として、ゲイン可変差動アンプ101の前段に、エミッタフォロア回路が配置され、前記エミッタフォロア回路の出力が、正相入力端子103、逆相入力端子104に接続された構成であっても良い。また、定電流源トランジスタ111が抵抗に置き換わった構成であっても良い。
次に、別の変形例としてゲイン可変差動アンプ101Aについて説明する。図5に示すように、ゲイン可変差動アンプ101Aにおいて、差動対回路120Aは、第1差動対トランジスタ121と第2差動対トランジスタ122のエミッタ同士を接続する第1エミッタ抵抗123と第2エミッタ抵抗124の代わりに、単一のエミッタ抵抗125を有している。また、定電流源回路110Aは、定電流源トランジスタ111の代わりに、第1差動対トランジスタ121のエミッタ側に接続された定電流源としての分流電流源トランジスタ113と、第2差動対トランジスタ122のエミッタ側に接続された定電流源としての分流電流源トランジスタ114とを備えている。分流電流源トランジスタ113、114のエミッタは抵抗115、116の一端にそれぞれ接続され、抵抗115、116の他端は、端子11a、11bにそれぞれ接続され、端子11a、11bは低電位側の電源に接続される。分流電流源トランジスタ113、114のベースは端子12a、12bにそれぞれ接続され、端子12a、12bはベース電圧源に接続される。なお、ゲイン可変差動アンプ101Aの前段に、エミッタフォロア回路が配置され、前記エミッタフォロア回路の出力が、正相入力端子103、逆相入力端子104に接続された構成であっても良い。また、分流電流源トランジスタ113、114が抵抗に置き換わった構成であっても良い。
図6は、さらに別の変形例としてゲイン可変差動アンプ101Bの回路構成を示す図である。図6に示すように、ゲイン可変差動アンプ101Bのゲイン調整回路130の第2ゲイン調整トランジスタ132のコレクタは、正相出力端子107に接続される代わりに、抵抗143の一端に接続され、抵抗143の他端が端子19に接続され、端子19が高電位側の電源に接続されている。また、第3ゲイン調整トランジスタ133のコレクタは、逆相出力端子106に接続される代わりに、抵抗144の一端に接続され、抵抗144の他端が端子20に接続され、端子20が高電位側の電源に接続されている。この変形例では、第1ゲイン調整トランジスタ131のコレクタ及び第4ゲイン調整トランジスタ134のコレクタが、逆相出力端子106及び正相出力端子107にそれぞれ接続される。なお、ゲイン可変差動アンプ101Bの前段に、エミッタフォロア回路が配置され、前記エミッタフォロア回路の出力が、正相入力端子103、逆相入力端子104に接続された構成であっても良い。また、定電流源トランジスタ111が抵抗に置き換わった構成であっても良い。また、抵抗143、144が省略された構成であっても良い。
(従属アンプ)
図8(a)に示すように、第1差動アンプ100は、ゲイン可変差動アンプ101の前後のいずれか一方又は両方に、差動型回路により構成された従属アンプ600が縦続接続されていてもよい。この構成により、第1差動アンプ100は、リニアリティを損なうことなく、ゲイン可変差動アンプ101の最大ゲインを越えて、ゲインを上げることができる。
図9は、従属アンプ600の回路構成を示す図である。図9に示すように、従属アンプ600は、エミッタ同士がエミッタ抵抗605及びエミッタ抵抗606を介して接続された差動対トランジスタ601、602と、定電流源トランジスタ607とを有している。差動対トランジスタ601のベースは、正相入力端子63に接続され、差動対トランジスタ602のベースは、逆相入力端子64に接続されている。差動対トランジスタ601のコレクタ側は、逆相出力端子65及び負荷抵抗603の一端に接続され、差動対トランジスタ602のコレクタ側は、正相出力端子66及び負荷抵抗604の一端に接続されている。負荷抵抗603の他端及び負荷抵抗604の他端は端子67に接続され、端子67は高電位側の電源に接続されている。定電流源トランジスタ607のエミッタ側は、抵抗608を介して端子61に接続され、端子61は低電位側の電源に接続されている。定電流源トランジスタ607のベースは端子62に接続され、端子62はベース電圧源に接続されている。
なお、従属アンプ600の前段に、エミッタフォロア回路が配置され、前記エミッタフォロア回路の出力が、正相入力端子63、逆相入力端子64に接続された構成であっても良い。また、定電流源トランジスタ607が抵抗に置き換わった構成であっても良い。
従属アンプ600は、図12(a)に示すようなベースバンドアンプに対応したゲインの周波数特性を有している。この構成により、ゲイン可変差動アンプ101に従属アンプ600が縦続接続されている場合であっても、第1差動アンプ100はベースバンドアンプとして機能する第1周波数特性を有効に保持することができる。
図10は、変形例として従属アンプ600Aの回路構成を示している。図10に示すように、従属アンプ600Aにおいて、図9のエミッタ抵抗605とエミッタ抵抗606の代わりに、単一のエミッタ抵抗609を有し、定電流源トランジスタ607の代わりに、差動対トランジスタ601のエミッタ側に接続された定電流源トランジスタ610と、差動対トランジスタ602のエミッタ側に接続された定電流源トランジスタ611とを備えている。また、定電流源トランジスタ610、611のエミッタ側は、抵抗612、613の一端にそれぞれ接続され、抵抗612、613の他端は、それぞれ端子61a、61bに接続され、端子61a、61bは低電位側の電源に接続されている。定電流源トランジスタ610、611のベースは端子62a、62bにそれぞれ接続され、端子62a、62bはベース電圧源に接続される。なお、従属アンプ600Aの前段に、エミッタフォロア回路が配置され、前記エミッタフォロア回路の出力が、正相入力端子63、逆相入力端子64に接続された構成であっても良い。また、定電流源トランジスタ610、611が抵抗に置き換わった構成であっても良い。
第1差動アンプ100は、作動をオン・オフできる構成となっていてもよい。例えば、定電流源回路110の定電流源トランジスタ111のベースにオンオフ切替部を接続し、オンオフを切り換えられるようにしてもよい。また、従属アンプ600の定電流源トランジスタ607のベースにオンオフ切替部を接続し、オンオフを切り換えられるようにしてもよい。この構成により、差動リニアアンプ1は、第1差動アンプ100を選択的に使用することができる。
(ピーキングアンプとして機能する第2差動アンプ)
次に、ピーキングアンプとして機能する第2差動アンプ200について説明する。
図1に示すように、ピーキングアンプ200は、第2入力差動端子202が入力側差動線路900と電気的に接続され、第2出力差動端子205が出力側差動線路910と電気的に接続され、ゲインの第2周波数特性に従い入力差動信号Vinを増幅して第2出力差動信号V2outを出力するようになっている。
第2入力差動端子202は、入力側差動線路900の主線路901に接続された入力差動端子(正相)203と、入力側差動線路900の主線路902に接続された入力差動端子(逆相)204とからなる。第2出力差動端子205は、出力側差動線路910の主線路911に接続された出力差動端子(正相)207と、出力側差動線路910の主線路912に接続された出力差動端子(逆相)206とからなる。
第2出力差動信号V2outは、出力差動端子207から得られる第2出力正相信号V2out(+)と、出力差動端子206から得られる第2出力逆相信号V2out(-)とからなる。
図12(b)は、ピーキングアンプ200のゲインの第2周波数特性を示す図である。図12(b)に示すように、第2周波数特性は、所定の周波数範囲において周波数に対してゲインが増加する周波数特性である。第2周波数特性は、例えば、伝送線路での損失の大きい高周波帯域でゲインのピークをもつような周波数特性である。
(第2差動アンプを構成するゲイン可変差動アンプ)
図4は、差動リニアアンプ1の第2差動アンプ200に用いられるゲイン可変差動アンプ201の回路構成を示す図である。図4に示すように、ゲイン可変差動アンプ201は、入力差動信号を増幅する差動対回路220と、ゲイン可変差動アンプ201を駆動する電流を供給する定電流源回路210と、ゲイン可変差動アンプ201のゲインを調整するゲイン調整回路230とを備えている。本回路はゲイン可変差動アンプ101の回路にコンデンサ225が追加された回路である。
この構成により、ゲイン可変差動アンプ201は、定電流源回路210により一定の駆動電流を供給しつつ、ゲイン調整回路230によりゲインを調整することができる。
ゲイン可変差動アンプ201が、差動リニアアンプ2と同一である場合の差動リニアアンプ1の回路図を図2に示し、この図を用いて具体的な動作を説明する。
この構成では図4のゲイン可変差動アンプ201の負荷抵抗241、242は、出力側差動線路910に接続された終端回路500に代えられる。
差動対回路220は、エミッタ同士が第1エミッタ抵抗223及び第2エミッタ抵抗224を介して接続されるとともに、コンデンサ225を介して接続された差動対の第1差動対トランジスタ221及び第2差動対トランジスタ222を備えている。そのため、第1及び第2差動対トランジスタ221、222のコレクタ側からエミッタ側へ流れる電流の高周波成分がコンデンサ225に流れる。また、第1及び第2差動対トランジスタ221、222は、全周波数帯域にわたってエミッタ側の電圧値を同一の値に維持しようと動作するので、ベースバンド成分と比べて高周波成分の電流が増加する。その結果、所定の周波数範囲において周波数に対してゲインが上昇する第2周波数特性が得られる。
第1差動対トランジスタ221のベースは、入力差動端子203に接続され、第2差動対トランジスタ222のベースは、入力差動端子204に接続されている。入力正相信号Vin(+)は、入力差動端子203に入力され、入力逆相信号Vin(-)は、入力差動端子204に入力される。
定電流源回路210は、定電流源トランジスタ211と抵抗212とを備えている。定電流源トランジスタ211は、コレクタ側が第1エミッタ抵抗223と第2エミッタ抵抗224の接続側に接続され、エミッタ側が抵抗212の一端に接続されている。抵抗112の他端は、端子21に接続され、端子21は低電位側の電源に接続される。定電流源トランジスタ211のベースは端子22に接続され、端子22はベース電圧源に接続される。
ゲイン調整回路230は、エミッタ側が第1差動対トランジスタ221のコレクタ側と接続された差動対の第1ゲイン調整トランジスタ231及び第2ゲイン調整トランジスタ232と、エミッタ側が第2差動対トランジスタ222のコレクタ側と接続された差動対の第3ゲイン調整トランジスタ233及び第4ゲイン調整トランジスタ234と、を有している。
第1ゲイン調整トランジスタ231と第3ゲイン調整トランジスタ233のコレクタ側は、第2出力差動端子205を構成する逆相出力端子206に接続される
また、第2ゲイン調整トランジスタ232と第4ゲイン調整トランジスタ234のコレクタ側は、第2出力差動端子205を構成する正相端子207に接続される。
第1ゲイン調整トランジスタ231と第4ゲイン調整トランジスタ234のベースは、第1バイアス端子25に接続され、第2ゲイン調整トランジスタ232と第3ゲイン調整トランジスタ233のベースは、第2バイアス端子26に接続されている。これにより、第1バイアス端子25に加えられる第1バイアス電圧V2aと第2バイアス端子26に加えられる第2バイアス電圧V2bとの電位差によりゲインが変えられるようになっている。
具体的には、第1及び第4ゲイン調整トランジスタ231、234のエミッタ電流I1が最大で、第2及び第3ゲイン調整トランジスタ232、233のエミッタ電流I2が0mAとなるように第1及び第2バイアス電圧V2a、V2bを設定したとき、ゲイン可変差動アンプ201のゲインは最大となる。また、第1及び第4ゲイン調整トランジスタ231、234のエミッタ電流I1と、第2及び第3ゲイン調整トランジスタ232、233のエミッタ電流I2とが同一となるように第1及び第2バイアス電圧V2a、V2bを設定したとき、負荷抵抗を流れる互いに極性が反転した電流I1及び電流I2が打ち消し合うので、ゲイン可変差動アンプ201のゲインは最小となる。
ゲイン可変差動アンプ201は、図12(b)に示すような所定の周波数範囲においてゲインが周波数に対して増加する周波数特性を有しているため、ピーキングアンプとして機能する。
<ゲイン可変差動アンプ201の変形例>
ゲイン可変差動アンプ201の回路の変形例として、ゲイン可変差動アンプ201の前段に、エミッタフォロア回路が配置され、前記エミッタフォロア回路の出力が、正相入力端子203、逆相入力端子204に接続された構成であっても良い。また、定電流源トランジスタ211が抵抗に置き換わった構成であっても良い。
次に、別の変形例としてゲイン可変差動アンプ201Aについて説明する。図7に示すように、ゲイン可変差動アンプ201Aにおいて、差動対回路220Aは、第1差動対トランジスタ221と第2差動対トランジスタ222のエミッタ同士を接続する第1エミッタ抵抗223と第2エミッタ抵抗224の代わりに、単一のエミッタ抵抗226を有している。また、定電流源回路210Aは、定電流源トランジスタ211の代わりに、第1差動対トランジスタ221のエミッタ側に接続された定電流源としての分流電流源トランジスタ213と、第2差動対トランジスタ222のエミッタ側に接続された定電流源としての分流電流源トランジスタ214とを備えている。分流電流源トランジスタ213、214のエミッタは抵抗215、216の一端にそれぞれ接続され、抵抗215、216の他端は、端子21a、21bにそれぞれ接続され、端子21a、21bは低電位側の電源に接続される。分流電流源トランジスタ213、214のベースは端子22a、22bにそれぞれ接続され、端子22a、22bはベース電圧源に接続される。なお、ゲイン可変差動アンプ201Aの前段に、エミッタフォロア回路が配置され、前記エミッタフォロア回路の出力が、正相入力端子203、逆相入力端子204に接続された構成であっても良い。また、分流電流源トランジスタ213、214が抵抗に置き換わった構成であっても良い。
(従属アンプ)
第2差動アンプ200は、ゲイン可変差動アンプ201の前後のいずれか一方又は両方に、差動型回路により構成された従属アンプ600が縦続接続されていてもよい。この構成により、第2差動アンプ200は、リニアリティを損なうことなく、ゲイン可変差動アンプ201の最大ゲインを越えて、ゲインを上げることができる。また図8(b)に示すように、第2差動アンプ200は、ゲイン可変差動アンプ201の前後のいずれか一方又は両方に、差動型回路により構成された従属アンプ700が縦続接続されていてもよい。この構成により、第2差動アンプ200は、リニアリティを損なうことなく、ゲイン可変差動アンプ201の最大ゲインを越えて、ゲインを上げることができる。
図11は、従属アンプ700の回路構成を示す図である。図11に示すように、従属アンプ700は、エミッタ同士がエミッタ抵抗705及びエミッタ抵抗706を介して接続されるとともに、コンデンサ709を介して接続された差動対トランジスタ701、702と、定電流源トランジスタ707とを有している。差動対トランジスタ701のベースは、正相入力端子73に接続され、差動対トランジスタ702のベースは、逆相入力端子74に接続されている。差動対トランジスタ701のコレクタ側は、逆相出力端子75及び負荷抵抗703の一端に接続され、差動対トランジスタ702のコレクタ側は、正相出力端子76及び負荷抵抗704の一端に接続されている。負荷抵抗703の他端及び負荷抵抗704の他端は端子77に接続され、端子77は高電位側の電源に接続されている。定電流源トランジスタ707のエミッタ側は、抵抗708を介して端子71に接続され、端子71は低電位側の電源に接続されている。定電流源トランジスタ707のベースは端子72に接続され、端子72はベース電圧源に接続されている。なお、従属アンプ700の前段に、エミッタフォロア回路が配置され、前記エミッタフォロア回路の出力が、正相入力端子73、逆相入力端子74に接続された構成であっても良い。また、定電流源トランジスタ707が抵抗に置き換わった構成であっても良い。
従属アンプ700は、図12(b)に示すようなピーキングアンプに対応したゲインの周波数特性を有している。この構成により、ゲイン可変差動アンプ201に従属アンプ700が縦続接続されている場合であっても、第2差動アンプ200はピーキングアンプとして機能する第2周波数特性を有効に保持することができる。
また第2差動アンプ200は、ゲイン可変差動アンプ101に従属アンプ700を縦続接続して構成することもできる。ゲイン可変差動アンプ101は、図12(a)に示すような所定の周波数範囲においてゲインが一定である周波数特性を有しているが、従属アンプ700が、図12(b)に示すようなピーキングアンプに対応したゲインの周波数特性を有しているため、第2差動アンプ200は回路全体ではピーキングアンプとして機能する第2周波数特性を有効に保持することができる。
第2差動アンプ200は、作動をオン・オフできる構成となっていてもよい。例えば、定電流源回路210の定電流源トランジスタ211のベースにオンオフ切替部を接続し、オンオフを切り換えられるようにしてもよい。また、従属アンプ700の定電流源トランジスタ707のベースにオンオフ切替部を接続し、オンオフを切り換えられるようにしてもよい。この構成により、差動リニアアンプ1は、第2差動アンプ200を選択的に使用することができる。
(アンプの極性)
差動リニアアンプ1の第1差動アンプ100と第2差動アンプ200は、極性が同じである。
具体的には、図1において、第1差動アンプ100では、主線路911に接続されているのが、第1正相出力信号V1out(+)が出力される正相出力端子107であり、主線路912に接続されているのが、第1逆相出力信号V1out(-)が出力される逆相出力端子106である。同様に、第2差動アンプ200では、主線路911に接続されているのが、第2正相出力信号V2out(+)が出力される正相出力端子207であり、主線路912に接続されているのが、第2逆相出力信号V2out(-)が出力される逆相出力端子206である。またV1out(+)とV2out(+)は同じ極性であり、V1out(-)とV2out(-)は同じ極性である。このような極性関係にあるとき、両アンプは極性が同じであるという。
この構成により、第1差動アンプ100から出力される第1出力差動信号V1outと第2差動アンプ200から出力される第2出力差動信号V2outは、出力側差動線路910を伝搬しながら同相で合波されて出力差動信号Voutが得られる。
(合波・周波数特性)
上述したように、終端回路400に接続された入力側差動線路900と、終端回路500に接続された出力側差動線路910の間に、ベースバンドアンプとして機能する第1周波数特性を備えた第1差動アンプ100とピーキングアンプとして機能する第2周波数特性を備えた第2差動アンプ200が並列に接続されている。このため、第1差動アンプ100から出力される第1出力差動信号V1outと第2差動アンプ200から出力される第2出力差動信号V2outは、出力側差動線路910を伝搬しながら同相で合波されて出力差動信号Voutが得られるようになっている。
また、差動リニアアンプ1において、入力差動信号Vinは、第1差動アンプ100のゲインと第2差動アンプ200のゲインの大きさと比率に基づいて第1周波数特性及び第2周波数特性から定まるゲインの周波数特性に従い増幅されるようになっている。
具体的には、差動リニアアンプ1において、第1差動アンプ100から出力される第1出力差動信号V1outと第2差動アンプ200から出力される第2出力差動信号V2outが出力側差動線路910を伝搬しながら同相で合波されて得られる出力差動信号Voutの周波数特性は、第1差動アンプ100のゲインと第2差動アンプ200のゲインの大きさと比率を変えることにより、可変できるようになっている。
図13は、差動リニアアンプ1の周波数特性を調整する様子を示す図である。例えば、第1差動アンプ100のゲインが所定の大きさで、第2差動アンプ200のゲインとの比率が1:0のときの周波数特性1110と、第2差動アンプ200の低域のゲインが前記所定の大きさと同じで、第1差動アンプ100のゲインとの比率が1:0のときの周波数特性1100との間で、ゲインの大きさと比率を変えることによりピーキング量を調整することができる。
(作用・効果)
次に作用効果について説明する。
本実施形態に係る差動リニアアンプ1において、ベースバンドアンプとして機能する第1差動アンプ100と、ピーキングアンプとして機能する第2差動アンプ200は、差動型回路で構成され該差動型回路の定電流源の電流を一定に保ったまま、ゲインを変更できるゲイン可変差動アンプ101とゲイン可変差動アンプ201をそれぞれ備えている。この構成により、従来のようにアンプの駆動電流を下げてゲインを低下させたときにリニアリティが悪化する問題が生じない。これにより、例えばPAM4などの多値信号を増幅する場合であっても、アイ開口が劣化することもない。
また、入力差動信号Vinは、第1差動アンプ100のゲインと第2差動アンプ200のゲインの大きさと比率に基づいて第1周波数特性及び第2周波数特性から定まるゲインの周波数特性に従い増幅され、第1出力差動信号V1outと第2出力差動信号V2outが出力側差動線路910を伝搬しながら同相で合波されて得られる出力差動信号Voutの周波数特性を、該大きさと比率を変えることで、可変できるようになっている。この構成により、リニアリティを損なうことなく、第1周波数特性及び第2周波数特性を基にリニアアンプの周波数特性を調整することができる。
(測定結果)
図16と図17は、差動リニアアンプ1の構成で作製した周波数特性可変差動リニアアンプのSDD21(差動モードゲイン)を測定した結果を示す図である。図16はベースバンドアンプとして機能する第1差動アンプのみを作動させて、ゲインを変化させたときの特性である。平坦な周波数特性のままゲインを変化できていることが分かる。
図17は、ベースバンドアンプとして機能する第1差動アンプとピーキングアンプとして機能する第2差動アンプを作動させて、ピーキングを調整した時のSDD21(差動モードゲイン)を測定した結果を示す図である。図17に示すように、例えば43GHzにおいて19dBの幅でピーキング量を調整できることが分かる。
図18(a)は、差動リニアアンプ1に入力された56GbaudのPAM4信号の入力波形を示し、(b)はゲイン2dB時の差動リニアアンプ1の出力波形を示し、(c)はゲイン-7dB時の差動リニアアンプ1の出力波形を示す。リニアリティーの測定値はどちらも0.99(1が理想値)であり、ゲインを2dBから-7dBに下げてもPAM4波形のリニアリティーが劣化しないことが分かる。
図19(a)は、28GHzにおいて4dBのチャネルロスがある56GbaudのPAM4信号が入力された差動リニアアンプ1の出力波形を示し、(b)は、ピーキング調整後の出力波形を示す。図19に示すように、アンプのピーキング特性でチャネルロスを補償して、アイ開口を回復できていることが分かる。
[第2の実施形態]
本実施形態に係る周波数特性可変差動リニアアンプは、前記周波数特性可変差動リニアアンプ1のピーキングアンプとして機能する第2差動アンプ200を、図12(c)に示す、所定の周波数範囲において周波数に対してゲインが減少するLPFアンプの周波数特性を有する差動アンプに置き換えた構成である。その他の構成要素は同一であり、同一の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は適宜省略する。
(第2差動アンプを構成するゲイン可変差動アンプ)
図21は、本実施形態の差動リニアアンプの第2差動アンプ200に用いられるゲイン可変差動アンプ301の回路構成を示す図である。図21に示すように、ゲイン可変差動アンプ301は、入力差動信号を増幅する差動対回路320と、ゲイン可変差動アンプ301を駆動する電流を供給する定電流源回路310と、ゲイン可変差動アンプ301のゲインを調整するゲイン調整回路330とを備えている。本回路はゲイン可変差動アンプ101の回路に抵抗325、326が追加された回路である。
この構成により、ゲイン可変差動アンプ301は、定電流源回路310により一定の駆動電流を供給しつつ、ゲイン調整回路330によりゲインを調整することができる。
差動対回路320は、エミッタ同士が第1エミッタ抵抗323及び第2エミッタ抵抗324を介して接続された差動対の第1差動対トランジスタ321及び第2差動対トランジスタ322を備えている。
第1差動対トランジスタ321のベースは、ベース抵抗325を介して入力差動端子303に接続され、第2差動対トランジスタ322のベースは、ベース抵抗326を介して入力差動端子304に接続されている。正相信号が、入力差動端子303に入力され、逆相信号が、入力差動端子304に入力される。この構成ではベース抵抗325と第1差動対トランジスタ321のベース容量によりローパスフィルタが形成され、ベース抵抗326と第2差動対トランジスタ322のベース容量によりローパスフィルタが形成され、所定の周波数範囲においてゲインが周波数に対して減少する周波数特性が得られる。
定電流源回路310は、定電流源トランジスタ311と抵抗312とを備えている。定電流源トランジスタ311は、コレクタ側が第1エミッタ抵抗323と第2エミッタ抵抗324の接続側に接続され、エミッタ側が抵抗312の一端に接続されている。抵抗312の他端は、端子31に接続され、端子31は低電位側の電源に接続される。定電流源トランジスタ311のベースは端子32に接続され、端子32はベース電圧源に接続される。
ゲイン調整回路330は、エミッタ側が第1差動対トランジスタ321のコレクタ側と接続された差動対の第1ゲイン調整トランジスタ331及び第2ゲイン調整トランジスタ332と、エミッタ側が第2差動対トランジスタ322のコレクタ側と接続された差動対の第3ゲイン調整トランジスタ333及び第4ゲイン調整トランジスタ334と、を有している。
第1ゲイン調整トランジスタ331と第3ゲイン調整トランジスタ333のコレクタ側は、第3出力差動端子305を構成する逆相出力端子306に接続される。
また、第2ゲイン調整トランジスタ332と第4ゲイン調整トランジスタ334のコレクタ側は、第3出力差動端子305を構成する正相出力端子307に接続されている。
第1ゲイン調整トランジスタ331と第4ゲイン調整トランジスタ334のベースは、第1バイアス端子35に接続され、第2ゲイン調整トランジスタ332と第3ゲイン調整トランジスタ333のベースは、第2バイアス端子36に接続されている。これにより、第1バイアス端子35に加えられる第1バイアス電圧V3aと第2バイアス端子36に加えられる第2バイアス電圧V3bとの電位差によりゲインが変えられるようになっている。
具体的には、第1及び第4ゲイン調整トランジスタ331、334のエミッタ電流I1が最大で、第2及び第3ゲイン調整トランジスタ332、333のエミッタ電流I2が0mAとなるように第1及び第2バイアス電圧V3a、V3bを設定したとき、ゲイン可変差動アンプ301のゲインは最大となる。また、第1及び第4ゲイン調整トランジスタ331、334のエミッタ電流I1と、第2及び第3ゲイン調整トランジスタ332、333のエミッタ電流I2とが同一となるように第1及び第2バイアス電圧V3a、V3bを設定したとき、負荷抵抗を流れる互いに極性が反転した電流I1及び電流I2が打ち消し合うので、ゲイン可変差動アンプ301のゲインは最小となる。
ゲイン可変差動アンプ301は、図12(c)に示すような所定の周波数範囲においてゲインが周波数に対して減少する周波数特性を有しているため、LPFアンプとして機能する。
<ゲイン可変差動アンプ301の変形例>
ゲイン可変差動アンプ301の回路の変形例として、ゲイン可変差動アンプ301の前段に、エミッタフォロア回路が配置され、前記エミッタフォロア回路の出力が、正相入力端子303、逆相入力端子304に接続された構成であっても良い。また、定電流源トランジスタ311が抵抗に置き換わった構成であっても良い。
次に、別の変形例としてゲイン可変差動アンプ301Aについて説明する。図22に示すように、ゲイン可変差動アンプ301Aにおいて、差動対回路320Aは、第1差動対トランジスタ321と第2差動対トランジスタ322のエミッタ同士を接続する第1エミッタ抵抗323と第2エミッタ抵抗324の代わりに、単一のエミッタ抵抗327を有している。また、定電流源回路310Aは、定電流源トランジスタ311の代わりに、第1差動対トランジスタ321のエミッタ側に接続された定電流源としての分流電流源トランジスタ313と、第2差動対トランジスタ322のエミッタ側に接続された定電流源としての分流電流源トランジスタ314とを備えている。分流電流源トランジスタ313、314のエミッタは抵抗315、316の一端にそれぞれ接続され、抵抗315、316の他端は、端子31a、31bにそれぞれ接続され、端子31a、31bは低電位側の電源に接続される。分流電流源トランジスタ313、314のベースは端子32a、32bにそれぞれ接続され、端子32a、32bはベース電圧源に接続される。なお、ゲイン可変差動アンプ301Aの前段に、エミッタフォロア回路が配置され、前記エミッタフォロア回路の出力が、正相入力端子303、逆相入力端子304に接続された構成であっても良い。また、分流電流源トランジスタ313、314が抵抗に置き換わった構成であっても良い。
(従属アンプ)
第2差動アンプ200は、ゲイン可変差動アンプ301の前後のいずれか一方又は両方に、差動型回路により構成された従属アンプ600が縦続接続されていてもよい。この構成により、第2差動アンプ200は、リニアリティを損なうことなく、ゲイン可変差動アンプ301の最大ゲインを越えて、ゲインを上げることができる。また図8(c)に示すように、第2差動アンプ200は、ゲイン可変差動アンプ301の前後のいずれか一方又は両方に、差動型回路により構成された従属アンプ800が縦続接続されていてもよい。この構成により、第2差動アンプ200は、リニアリティを損なうことなく、ゲイン可変差動アンプ301の最大ゲインを越えて、ゲインを上げることができる。
図23は、従属アンプ800の回路構成を示す図である。図23に示すように、従属アンプ800は、エミッタ同士がエミッタ抵抗805及びエミッタ抵抗806を介して接続された差動対トランジスタ801及び差動対トランジスタ802と、定電流源トランジスタ807とを有している。差動対トランジスタ801のベースは、ベース抵抗809を介して正相入力端子83に接続され、差動対トランジスタ802のベースは、ベース抵抗810を介して逆相入力端子84に接続されている。差動対トランジスタ801のコレクタ側は、逆相出力端子85及び負荷抵抗803の一端に接続され、差動対トランジスタ802のコレクタ側は、正相出力端子86及び負荷抵抗804の一端に接続されている。負荷抵抗803の他端及び負荷抵抗804の他端は端子87に接続され、端子87は高電位側の電源に接続されている。定電流源トランジスタ807のエミッタ側は、抵抗808を介して端子81に接続され、端子81は低電位側の電源に接続されている。定電流源トランジスタ807のベースは端子82に接続され、端子82はベース電圧源に接続されている。なお、従属アンプ800の前段に、エミッタフォロア回路が配置され、前記エミッタフォロア回路の出力が、正相入力端子83、逆相入力端子84に接続された構成であっても良い。また、定電流源トランジスタ807が抵抗に置き換わった構成であっても良い。
従属アンプ800は、図12(c)に示すようなLPFアンプに対応したゲインの周波数特性を有している。この構成により、ゲイン可変差動アンプ301に従属アンプ800が縦続接続されている場合であっても、第2差動アンプ200はLPFアンプとして機能する第2周波数特性を有効に保持することができる。
また第2差動アンプ200は、ゲイン可変差動アンプ101に従属アンプ800を縦続接続して構成することもできる。ゲイン可変差動アンプ101は、図12(a)に示すような所定の周波数範囲においてゲインが一定である周波数特性を有しているが、従属アンプ800が、図12(c)に示すようなLPFアンプに対応したゲインの周波数特性を有しているため、第2差動アンプ200は回路全体ではLPFアンプとして機能する第2周波数特性を有効に保持することができる。
第2差動アンプ200は、作動をオン・オフできる構成となっていてもよい。例えば、定電流源回路310の定電流源トランジスタ311のベースにオンオフ切替部を接続し、オンオフを切り換えられるようにしてもよい。また、従属アンプ800の定電流源トランジスタ807のベースにオンオフ切替部を接続し、オンオフを切り換えられるようにしてもよい。この構成により、本実施形態の差動リニアアンプは、第2差動アンプ200を選択的に使用することができる。
(アンプの極性)
本実施形態の差動リニアアンプの第1差動アンプ100と第2差動アンプ200は、極性が異なっている。
上述したように、図1において、第1差動アンプ100と第2差動アンプ200は、極性が同じ場合の構成を示している。一方、図1において、第2差動アンプ200の出力端子の接続を逆にして、主線路912に、正相出力端子207を、主線路911に逆相出力端子206を接続する構成をとることもできる。このような構成では、両アンプの極性は異なっているという。
この構成により、第1差動アンプ100から出力される第1出力差動信号V1outと第2差動アンプ200から出力される第2出力差動信号V2outは、出力側差動線路910を伝搬しながら逆相で合波されて出力差動信号Voutが得られる。
(合波)
上述したように、終端回路400に接続された入力側差動線路900と、終端回路500に接続された出力側差動線路910の間に、ベースバンドアンプとして機能する第1周波数特性を備えた第1差動アンプ100とLPFアンプとして機能する第2周波数特性を備えた第2差動アンプ200が並列に接続されている。このため、第1差動アンプ100から出力される第1出力差動信号V1outと第2差動アンプ200から出力される第2出力差動信号V2outは、出力側差動線路910を伝搬しながら逆相で合波されて出力差動信号Voutが得られるようになっている。
本実施形態の差動リニアアンプにおいて、入力差動信号Vinは、第1差動アンプ100のゲインと第2差動アンプ200のゲインの大きさと比率に基づいて第1周波数特性及び第2周波数特性から定まるゲインの周波数特性に従い増幅されるようになっている。
図14は、本実施形態の差動リニアアンプの周波数特性を調整する様子を示す図である。例えば、第1差動アンプ100のゲインが所定の大きさで、第2差動アンプ200のゲインとの比率が1:0のとき周波数特性は1200になる。第1差動アンプ100のゲインが前記所定の大きさと同じで、第2差動アンプ200のゲインとの比率が1:1のとき、第1差動アンプ100と第2差動アンプ200の出力信号は逆相で打ち消しあうため、特に低域のゲインが低下し周波数特性1210となり、ピーキング特性を得られる。周波数特性1200と周波数特性1210の間で、第1差動アンプ100と第2差動アンプ200のゲインの大きさと比率を変えることによりピーキング量を調整することができる。
(作用・効果)
次に作用効果について説明する。
本実施形態に係る差動リニアアンプにおいて、ベースバンドアンプとして機能する第1差動アンプ100と、LPFアンプとして機能する第2差動アンプ200は、差動型回路で構成され該差動型回路の定電流源の電流を一定に保ったまま、ゲインを変更できるゲイン可変差動アンプ101とゲイン可変差動アンプ201をそれぞれ備えている。この構成により、従来のようにアンプの駆動電流を下げてゲインを低下させたときにリニアリティが悪化する問題が生じない。これにより、例えばPAM4などの多値信号を増幅する場合であっても、アイ開口が劣化することもない。
また、入力差動信号Vinは、ベースバンドアンプとして機能する第1差動アンプ100のゲインとLPFアンプとして機能する第2差動アンプ200のゲインの大きさと比率に基づいて第1周波数特性及び第2周波数特性から定まるゲインの周波数特性に従い増幅され、第1出力差動信号V1outと第2出力差動信号V2outが出力側差動線路910を伝搬しながら逆相で合波されて得られる出力差動信号Voutの周波数特性を、該大きさと比率を変えることで、可変できるようになっている。この構成により、ゲインのリニアリティを損なうことなく、第1周波数特性及び第2周波数特性を基にリニアアンプの周波数特性を調整することができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る周波数特性可変差動リニアアンプ(以下、差動リニアアンプともいう)について説明する。
第3の実施形態に係る差動リニアアンプ1Aは、ベースバンドアンプとして機能する第1差動アンプ100とピーキングアンプとして機能する第2差動アンプ200に加えて、LPFアンプとして機能する第3差動アンプ300をさらに備えている点で、第1の実施形態と相違している。その他の構成要素は同一であり、同一の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は適宜省略する。
(入力側及び出力側差動線路)
図20は、第3の実施形態に係る差動リニアアンプ1Aの概略構成を示す図である。図20に示すように、差動リニアアンプ1Aは、入力側差動線路900と出力側差動線路910の間に、ベースバンドアンプとして機能する第1差動アンプ100とピーキングアンプとして機能する第2差動アンプ200に加えてLPFアンプとして機能する第3差動アンプ300が設けられている。
(アンプの極性)
図20に示すように、ベースバンドアンプとして機能する第1差動アンプ100とピーキングアンプとして機能する第2差動アンプ200とLPFアンプとして機能する第3差動アンプ300は、極性が同じである。
(合波)
このため、差動リニアアンプ1Aにおいて、ベースバンドアンプとして機能する第1差動アンプ100から出力される第1出力差動信号V1outとピーキングアンプとして機能する第2差動アンプ200から出力される第2出力差動信号V2outとLPFアンプとして機能する第3差動アンプ300から出力される第3出力差動信号V3outが、出力側差動線路910を伝搬しながら同相で合波されて得られる出力差動信号Voutの周波数特性は、前記3つの差動アンプのゲインの大きさと比率を変えることにより、可変できるようになっている。
図15は、差動リニアアンプ1Aの周波数特性を調整する様子を示す図である。例えば、第1差動アンプ100と第2差動アンプ200と第3差動アンプ300のゲインの比率が0:1:0のときの周波数特性は1300となり、前記比率が0:0:1のときの周波数特性は1310となり、周波数特性を自由に調整することができる。
(分布型回路)
図24は、差動リニアアンプ1Aが分布型回路により構成されている図である。差動リニアアンプ1Aは、例えばInP(インジウム・リン)やGaAs(ガリウム・砒素)等の半導体基板上に形成されている。
図24に示すように、入力側差動線路900Aは、ベースバンドアンプとして機能する第1差動アンプ100の一対の入力差動端子を構成する正相入力端子103及び逆相入力端子104、ピーキングアンプとして機能する第2差動アンプ200の一対の入力差動端子を構成する正相入力端子203及び逆相入力端子204、並びにLPFアンプとして機能する第3差動アンプ300の一対の入力差動端子を構成する正相入力端子303及び逆相入力端子304と向かい合う位置に、X軸に沿って形成されている。出力側差動線路910Aは、第1差動アンプ100の一対の出力差動端子を構成する正相出力端子107及び逆相出力端子106、第2差動アンプ200の一対の出力差動端子を構成する正相出力端子207及び逆相出力端子206、並びに第3差動アンプ300の一対の出力差動端子を構成する正相出力端子307及び逆相出力端子306と向かい合う位置に、X軸に沿って形成されている。
入力側差動線路900Aは、所定間隔G1でX軸に沿って平行に延びた一対の主線路901A、902Aを有し、主線路901A、902Aは直列に接続された各主線路導体901a~901d、902a~902dによって構成される。なお、主線路導体は特性インピーダンスが任意に設定された帯状の導体であり、矩形で表し、各主線路導体を結ぶ線は主線路導体間の接続を表している。また、配線の分岐点を黒丸、端子を白丸で表している。
主線路901A、902Aの始端2、3に入力された差動信号Vin(+)、Vin(-)は、主線路901A、902Aの終端4、5に接続された終端抵抗401、402によって吸収される。また、主線路901A、902Aは、ベースバンドアンプとして機能する第1差動アンプ100の入力差動端子103、104、ピーキングアンプとして機能する第2差動アンプ200の入力差動端子203、204、及びLPFアンプとして機能する第3差動アンプ300の入力差動端子303、304と、Y軸に沿った所定長の分岐配線903a~903c、904a~904cにより接続されている。分岐配線904a~904cと主線路導体901b~901dは、それぞれ絶縁層を介して交差している。
ここで、各主線路導体901a~901d、902a~902dは、電気的には特性インピーダンスが高い伝送線路であり、例えば、各主線路導体901a~901dと各アンプの入力差動端子103、203、303が接続された構成を考える。主線路導体のインダクタンス成分Lと入力差動端子103、203、303の入力容量Cが擬似的な分布定数線路を形成しており、インダクタンスLと容量Cの最適化によりカットオフ周波数が高い広帯域な伝送特性が得られるように設計される。このとき上記擬似的分布定数線路の特性インピーダンスは終端抵抗401の抵抗値と等しく設定される。
出力側差動線路910Aは、基板上で入力側差動線路900Aを反転させた(180度回転させた)形となっており、各アンプの出力差動端子106、107、206、207、306、307は、出力側差動線路910Aに接続されている。この差動リニアアンプ1Aは、入力側差動線路900Aより入力されて各アンプで増幅された出力信号を出力側差動線路910A上で合波して、元の入力信号Vin(+)、Vin(-)を増幅した信号Vout(+)、Vout(-)を出力する。
出力側差動線路910Aは、所定間隔G2でX軸に沿って平行に延びた一対の主線路911A、912Aを有しており、各主線路911A、912Aは、それぞれ始端6、7から直列に接続された各主線路導体911a~911d、912a~912dによって構成される。また、主線路911A、912Aと各アンプの出力差動端子106、107、206、207、306、307は、Y軸に沿った所定長の分岐配線913a~913c、914a~914cにより接続されており、各分岐配線913a~913cと主線路導体912b~912dは絶縁層を介して交差している。主線路911A、912Aの終端8、9は、終端抵抗501、502に接続されている。
また、入力側差動線路900Aと同じく電気的には各主線路導体911a~911d、912a~912dのインダクタンス成分と出力差動端子106、107、206、207、306、307の出力容量が、広帯域な特性を有した擬似分布定数線路となるように設計される。このとき特性インピーダンスは出力側の終端抵抗501又は終端抵抗502の抵抗値と等しく設定される。
さらに、入力側差動線路900Aの始端2、3から入力された信号は終端側へ伝搬しつつ、各アンプ100、200、300で順次増幅され、それらの増幅された信号は出力側差動線路910Aを始端6,7側(線路の出力端子側)へ伝搬しながら位相が一致した状態で合成されるように、入力側差動線路900A及び出力側差動線路910Aの電気長は最適化されている。
このように分布型回路により構成された差動リニアアンプ1Aは、周波数特性の異なる複数の差動アンプで増幅した出力信号を合波するので、周波数特性を任意に可変することができ、且つ広帯域に増幅することが可能となる。
上記第3の実施形態では、分布型回路として構成された差動リニアアンプ1Aは、ベースバンドアンプとして機能する第1差動アンプ100とピーキングアンプとして機能する第2差動アンプ200とLPFアンプとして機能する第3差動アンプ300の組合せが用いられているが、これに限定されず、これら3つのアンプのうち、ベースバンドアンプとピーキングアンプの組合せ、ベースバンドアンプとLPFアンプの組合せ、あるいはピーキングアンプとLPFアンプの組合せ、周波数に対するゲインの増加の傾きが異なる2つのピーキングアンプの組合せ、周波数に対するゲインの減少の傾きが異なる2つのLPFアンプの組合せのいずれかが、上記組合せ順又は上記組合せ順とは逆順で用いられるようにしてもよい。また上記各アンプの極性は同じであってもよい。上記各アンプの極性は異なっていても良い。
また、差動リニアアンプ1Aは、第1差動アンプ100と第2差動アンプ200と第3差動アンプ300のうち、任意の2つのアンプの組合せで構成してもよい。
上記第1及び第2及び第3の実施形態では、周波数特性可変差動リニアアンプ1、2、1Aを構成するトランジスタとして、バイポーラ型トランジスタを用いる例を示したが、電界効果型トランジスタ(FET)を用いて周波数特性可変差動リニアアンプ1、2、1Aを構成してもよい。
以上述べたように、本発明は、ゲインが低い場合であってもリニアリティを悪化させることなくゲインと周波数特性を調整することができるという効果を有し、周波数特性可変差動リニアアンプの全般に有用である。
1、1A 周波数可変差動リニアアンプ
2、3、6、7 始端
4、5、8、9 終端
11、12、21、22、31、32、61、62、67、71、72、77、81、82、87、91、92、93、94 端子
15、25、35 第1バイアス端子
16、26、36 第2バイアス端子
63、73、83 正相入力端子
64、74、84 逆相入力端子
65、75、85 逆相出力端子
66、76、86 正相出力端子
100 ベースバンドアンプ(第1差動アンプ)
101、201、301 ゲイン可変差動アンプ(第1~3ゲイン可変差動アンプ)
102 第1入力差動端子
103、203、303 正相入力端子(入力差動端子)
104、204、304 逆相入力端子(入力差動端子)
105 第1出力差動端子
106、206、306 逆相出力端子(出力差動端子)
107、207、307 正相出力端子(出力差動端子)
110、210、310 定電流源回路(第1~3定電流源回路)
111、211、311 定電流源トランジスタ(第1~3定電流源トランジスタ)
112、212、312、608、612、613、708、808 抵抗
113、114、213、214、313、314 分流電流源トランジスタ
120、220、320 差動対回路(第1~3差動対回路)
121、221、321 第1差動対トランジスタ
122、222、322 第2差動対トランジスタ
123、223、323 第1エミッタ抵抗
124、224、324 第2エミッタ抵抗
130、230、330 ゲイン調整回路(第1~3ゲイン調整回路)
131、231、331 第1ゲイン調整トランジスタ
132、232、332 第2ゲイン調整トランジスタ
133、233、333 第3ゲイン調整トランジスタ
134、234、334 第4ゲイン調整トランジスタ
141、142、241、242、341、342、603、604、703、704、803、804 負荷抵抗
200 ピーキングアンプ(第2差動アンプ)
202 第2入力差動端子
205 第2出力差動端子
225、709 コンデンサ
300 LPFアンプ(第3差動アンプ)
302 第3入力差動端子
305 第3出力差動端子
325、326、809、810 ベース抵抗
400、500 終端回路
401、402、501、502 終端抵抗
600、700、800 従属アンプ
601、602、701、702、801、802 差動対トランジスタ
605、606、609、705、706、805、806 エミッタ抵抗
607、610、611、707、807 定電流源トランジスタ
900 入力側差動線路
901、902、911、912 主線路
910 出力側差動線路
Vin 入力差動信号
Vin(+) 入力正相信号
Vin(-) 入力逆相信号
Vout 出力差動信号
Vout(+) 出力正相信号
Vout(-) 出力逆相信号
V1out 第1出力差動信号
V1out(+) 第1出力正相信号
V1out(-) 第1出力逆相信号
V2out 第2出力差動信号
V2out(+) 第2出力正相信号
V2out(-) 第2出力逆相信号
V3out 第3出力差動信号
V3out(+) 第3出力正相信号
V3out(-) 第3逆相出力信号
IN(+) 正相入力端子(入力差動端子)
IN(-) 逆相入力端子(入力差動端子)
OUT(+) 正相出力端子(出力差動端子)
OUT(-) 逆相出力端子(出力差動端子)
V1a、V2a、V3a 第1バイアス電圧
V1b、V2b、V3b 第2バイアス電圧

Claims (22)

  1. 入力差動信号を伝搬させるための入力側差動線路と、前記入力差動信号を入力する前記入力側差動線路の始端(2,3)と、その他端である終端と、該終端に接続された終端回路(401,402)と、出力差動信号を伝搬させるための出力側差動線路と、前記出力差動信号を出力する前記出力側差動線路の始端(6,7)と、その他端である終端と、該終端に接続された終端回路(501,502)とを有し、
    第1入力差動端子が前記入力側差動線路と電気的に接続され、第1出力差動端子が前記出力側差動線路と電気的に接続され、ゲインの第1周波数特性に従い前記入力差動信号を増幅して第1出力差動信号を出力する第1差動アンプ(100)と、
    第2入力差動端子が前記入力側差動線路と電気的に接続され、第2出力差動端子が前記出力側差動線路と電気的に接続され、ゲインの第2周波数特性に従い前記入力差動信号を増幅して第2出力差動信号を出力する第2差動アンプ(200)と、を備え、
    前記第1差動アンプは、差動型回路で構成され、前記差動型回路の定電流源の電流を一定に保ったまま、ゲインを変更できる第1ゲイン可変差動アンプ(101)を含み、
    前記入力差動信号は、前記第1差動アンプのゲインと前記第2差動アンプのゲインの大きさと比率に基づいて前記第1周波数特性及び前記第2周波数特性から定まるゲインの周波数特性に従い増幅され、前記第1出力差動信号と前記第2出力差動信号が前記出力側差動線路を伝搬しながら合波されて得られる前記出力差動信号の周波数特性を、前記大きさと比率を変えることで、可変でき
    第3入力差動端子が前記入力側差動線路と電気的に接続され、第3出力差動端子が前記出力側差動線路と電気的に接続され、ゲインの第3周波数特性に従い前記入力差動信号を増幅して第3出力差動信号を出力する第3差動アンプ(300)をさらに備え、
    前記第3差動アンプは、差動型回路で構成され、該差動型回路の定電流源の電流を一定に保ったまま、ゲインを変更できる第3ゲイン可変差動アンプ(301)を含み、
    前記入力差動信号は、前記第1差動アンプのゲインと前記第2差動アンプのゲインと前記第3差動アンプのゲインの大きさと比率に基づいて前記第1周波数特性、前記第2周波数特性、及び前記第3周波数特性から定まるゲインの周波数特性に従い増幅され、前記第1出力差動信号、前記第2出力差動信号、及び前記第3出力差動信号が前記出力側差動線路を伝搬しながら合波されて得られる前記出力差動信号の周波数特性を、前記大きさと比率を変えることで、可変でき、
    前記第3ゲイン可変差動アンプ(301)は、
    前記入力差動信号を増幅する第3差動対回路(320)と、
    前記第3ゲイン可変差動アンプを駆動する電流を供給する第3定電流源回路(310)と、
    前記第3ゲイン可変差動アンプのゲインを調整する第3ゲイン調整回路(330)と、を備え、
    前記第3差動対回路は、エミッタ同士が第5エミッタ抵抗(323)及び第6エミッタ抵抗(324)を介して接続された差動対の第5差動対トランジスタ(321)及び第6差動対トランジスタ(322)を備え、
    前記第3定電流源回路(310)は、第3定電流源トランジスタ(311)を備え、
    前記第3ゲイン調整回路(330)は、
    エミッタ側が前記第5差動対トランジスタ(321)のコレクタ側と接続された差動対の第9ゲイン調整トランジスタ(331)及び第10ゲイン調整トランジスタ(332)と、
    エミッタ側が前記第6差動対トランジスタ(322)のコレクタ側と接続された差動対の第11ゲイン調整トランジスタ(333)及び第12ゲイン調整トランジスタ(334)と、を有し、
    前記第9ゲイン調整トランジスタ(331)のコレクタ側は、第1負荷抵抗(341)の一端側及び第1信号出力端子(306)に接続され
    前記第12ゲイン調整トランジスタ(334)のコレクタ側は、第2負荷抵抗(342)の一端側及び第2信号出力端子(307)に接続され、
    前記第5差動対トランジスタ(321)のベースは、第1ベース抵抗(325)を介して第1信号入力端子(303)に接続され、前記第6差動対トランジスタ(322)のベースは、第2ベース抵抗(326)を介して第2信号入力端子(304)に接続され、前記第9ゲイン調整トランジスタ(331)と前記第12ゲイン調整トランジスタ(334)のベースは、第5バイアス端子(35)に接続され、前記第10ゲイン調整トランジスタ(332)と前記第11ゲイン調整トランジスタ(333)のベースは、第6バイアス端子(36)に接続されており、
    前記第5バイアス端子に加えられる第5バイアス電圧と前記第6バイアス端子に加えられる第6バイアス電圧との電位差によりゲインが変えられる
    ことを特徴とする周波数特性可変差動リニアアンプ。
  2. 前記第1ゲイン可変差動アンプ(101)は、
    前記入力差動信号を増幅する第1差動対回路(120)と、
    前記第1ゲイン可変差動アンプを駆動する電流を供給する第1定電流源回路(110)と、
    前記第1ゲイン可変差動アンプのゲインを調整する第1ゲイン調整回路(130)と、を備える、請求項1に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  3. 前記第1差動対回路(120)は、エミッタ同士が第1エミッタ抵抗(123)及び第2エミッタ抵抗(124)を介して接続された差動対の第1差動対トランジスタ(121)及び第2差動対トランジスタ(122)を備え、
    前記第1定電流源回路(110)は、第1定電流源トランジスタ(111)を備え、
    前記第1ゲイン調整回路(130)は、
    エミッタ側が前記第1差動対トランジスタ(121)のコレクタ側と接続された差動対の第1ゲイン調整トランジスタ(131)及び第2ゲイン調整トランジスタ(132)と、
    エミッタ側が前記第2差動対トランジスタ(122)のコレクタ側と接続された差動対の第3ゲイン調整トランジスタ(133)及び第4ゲイン調整トランジスタ(134)と、を有し、
    前記第1ゲイン調整トランジスタ(131)のコレクタ側は、第1負荷抵抗(141)の一端側及び第1信号出力端子(106)に接続され、
    前記第4ゲイン調整トランジスタ(134)のコレクタ側は、第2負荷抵抗(142)の一端側及び第2信号出力端子(107)に接続され、
    前記第1差動対トランジスタ(121)のベースは、第1信号入力端子(103)に接続され、前記第2差動対トランジスタ(122)のベースは、第2信号入力端子(104)に接続され、前記第1ゲイン調整トランジスタ(131)と前記第4ゲイン調整トランジスタ(134)のベースは、第1バイアス端子(15)に接続され、前記第2ゲイン調整トランジスタ(132)と前記第3ゲイン調整トランジスタ(133)のベースは、第2バイアス端子(16)に接続され、
    前記第1バイアス端子に加えられる第1バイアス電圧と前記第2バイアス端子に加えられる第2バイアス電圧との電位差によりゲインが変えられる、請求項2に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  4. 前記第1ゲイン可変差動アンプ(101)において、前記第1差動対回路(120A)は、前記第1差動対トランジスタ(121)と前記第2差動対トランジスタ(122)のエミッタ同士を接続する前記第1エミッタ抵抗と前記第2エミッタ抵抗の代わりに、単一のエミッタ抵抗(125)を有し、
    前記第1定電流源回路(110A)は、前記第1定電流源トランジスタ(111)の代わりに、前記第1差動対トランジスタ(121)のエミッタ側に接続された第1分流電流源トランジスタ(113)と、前記第2差動対トランジスタ(122)のエミッタ側に接続された第2分流電流源トランジスタ(114)とを備える、請求項3に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  5. 前記第2差動アンプは、差動型回路で構成され、該差動型回路の定電流源の電流を一定に保ったまま、ゲインを変更できる第2ゲイン可変差動アンプ(201)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  6. 前記第2ゲイン可変差動アンプは、
    前記入力差動信号を増幅する第2差動対回路(220)と、
    前記第2ゲイン可変差動アンプを駆動する電流を供給する第2定電流源回路(210)と、
    前記第2ゲイン可変差動アンプのゲインを調整する第2ゲイン調整回路(230)と、
    を備える、請求項5に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  7. 前記第2差動対回路(220)は、エミッタ同士が第3エミッタ抵抗(223)及び第4エミッタ抵抗(224)を介して接続されるとともに、コンデンサ(225)を介して接続された差動対の第3差動対トランジスタ(221)及び第4差動対トランジスタ(222)を備え、
    前記第2定電流源回路(210)は、第2定電流源トランジスタ(211)を備え、
    前記第2ゲイン調整回路は、
    エミッタ側が前記第3差動対トランジスタ(221)のコレクタ側と接続された差動対の第5ゲイン調整トランジスタ(231)及び第6ゲイン調整トランジスタ(232)と、
    エミッタ側が前記第4差動対トランジスタ(222)のコレクタ側と接続された第7ゲイン調整トランジスタ(233)及び第8ゲイン調整トランジスタ(234)と、を有し、
    前記第5ゲイン調整トランジスタ(231)のコレクタ側は、第1負荷抵抗(241)の一端側及び第1信号出力端子(206)に接続され、
    前記第8ゲイン調整トランジスタ(234)のコレクタ側は、第2負荷抵抗(242)の一端側及び第2信号出力端子(207)に接続され、
    前記第3差動対トランジスタ(221)のベースは、第1信号入力端子(203)に接続され、前記第4差動対トランジスタ(222)のベースは、第2信号入力端子(204)に接続され、前記第5ゲイン調整トランジスタ(231)と前記第8ゲイン調整トランジスタ(234)のベースは、第3バイアス端子(25)に接続され、前記第6ゲイン調整トランジスタ(232)と前記第7ゲイン調整トランジスタ(233)のベースは、第4バイアス端子(26)に接続されており、
    前記第3バイアス端子に加えられる第3バイアス電圧と前記第4バイアス端子に加えられる第4バイアス電圧との電位差によりゲインが変えられる、請求項6に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  8. 前記第2ゲイン可変差動アンプ(201)において、前記第2差動対回路(220A)は、前記第3差動対トランジスタ(221)と前記第4差動対トランジスタ(222)のエミッタ同士を接続する前記第3エミッタ抵抗と前記第4エミッタ抵抗の代わりに、単一のエミッタ抵抗(226)を有し、
    前記第2定電流源回路(210A)は、前記第2定電流源トランジスタ(211)の代わりに、前記第3差動対トランジスタ(221)のエミッタ側に接続された第3分流電流源トランジスタ(213)と、前記第4差動対トランジスタ(222)のエミッタ側に接続された第4分流電流源トランジスタ(214)とを備える、請求項7に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  9. 前記第1差動アンプ(100)は、前記第1ゲイン可変差動アンプ(101)の前後のいずれか一方又は両方に、差動型回路から構成された第1従属アンプ(600)が縦続接続されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  10. 前記第1従属アンプは、前記第1差動アンプの前記第1周波数特性に対応したゲインの周波数特性を有している、請求項9に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  11. 前記第2差動アンプ(200)は、前記第2ゲイン可変差動アンプ(201)の前後のいずれか一方又は両方に、差動型回路から構成された第2従属アンプ(700)が縦続接続されている、請求項5~8のいずれか一項に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  12. 前記第2従属アンプは、前記第2差動アンプの前記第2周波数特性に対応したゲインの周波数特性を有している、請求項11に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  13. 前記第1差動アンプ(100)は、ベースバンドアンプ、ピーキングアンプ、及びLPFアンプのうち1のアンプであり、前記第2差動アンプ(200)は、残り2つのうち1のアンプである、請求項1~12のいずれか一項に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  14. 前記第1ゲイン可変差動アンプ(101)のゲインの周波数特性は、前記第1差動アンプの前記第1周波数特性に対応したゲインの周波数特性を有し、前記第2ゲイン可変差動アンプ(201)のゲインの周波数特性は、前記第2差動アンプの前記第2周波数特性に対応したゲインの周波数特性を有している、請求項11又は12に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  15. 前記第1差動アンプ(100)と前記第2差動アンプ(200)のうち少なくとも一方は、作動をオン・オフできる構成である、請求項1~14のいずれか一項に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  16. 前記第1差動アンプ(100)と前記第2差動アンプ(200)は、極性が同じである、請求項1~15のいずれか一項に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  17. 前記第1差動アンプ(100)と前記第2差動アンプ(200)は、極性が異なっている、請求項1~15のいずれか一項に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  18. 前記第3ゲイン可変差動アンプ(301)において、前記第3差動対回路(320A)は、前記第5差動対トランジスタ(321)と前記第6差動対トランジスタ(322)のエミッタ同士を接続する前記第5エミッタ抵抗と前記第6エミッタ抵抗の代わりに、単一のエミッタ抵抗(327)を有し、
    前記第3定電流源回路(310A)は、前記第3定電流源トランジスタ(311)の代わりに、前記第5差動対トランジスタ(321)のエミッタ側に接続された第5分流電流源トランジスタ(313)と、前記第6差動対トランジスタ(322)のエミッタ側に接続された第6分流電流源トランジスタ(314)とを備える、請求項1~17のいずれか一項に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  19. 前記第3差動アンプ(300)は、前記第3ゲイン可変差動アンプ(301)の前後のいずれか一方又は両方に、差動型回路から構成された第3従属アンプ(800)が縦続接続されている請求項1~18のいずれか一項に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  20. 前記第3従属アンプは、前記第3差動アンプの前記第3周波数特性に対応したゲインの周波数特性を有している、請求項19に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  21. 前記第1差動アンプ(100)は、ベースバンドアンプであり、前記第2差動アンプ(200)は、ピーキングアンプであり、前記第3差動アンプ(300)は、LPFアンプである、請求項1~20のいずれか一項に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
  22. 前記第1差動アンプと前記第2差動アンプと前記第3差動アンプのうち、一つの差動アンプを省略したことを特徴とする請求項1~21のいずれか一項に記載の周波数特性可変差動リニアアンプ。
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