JP7497234B2 - 検査装置、演算装置、および検査方法 - Google Patents

検査装置、演算装置、および検査方法 Download PDF

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Description

本開示は、検査装置、演算装置、および検査方法に関する。
従来、プリント回路基板の、溶接部分の一例である半田付け部の合否判定を行う検査装置が知られている。特開平07-083628号公報(特許文献1)には、たとえば、プリント回路基板の主面に垂直な面における半田付け部の断面プロファイル(輪郭)を生成する技術が開示されている。また、実開平05-085051号公報には、半田付け部の強度は、半田付け部ののど厚によって定められる事項が開示されている。
特開平07-083628号公報 実開平05-085051号公報
特許文献1で開示されている技術により半田付け部のプロファイルを生成して、該プロファイルに基づいて半田付け部ののど厚を算出し、算出されたのど厚の値に基づいて、半田付け部の合否判定を行う検査装置が考えられる。この検査装置では、1つの断面におけるのど厚に基づいて半田付け部を検査する。しかしながら、この1つの断面に対応する箇所では適切な半田量であるがその他の箇所で半田量が不足しているといった半田付け部が形成されている場合がある。このような半田付け部は、本来、不合格と判断されるべきであるところ、この検査装置では合格と判断されてしまう。このように、この検査装置では、半田付け部の1の断面についてのみ検査することから、半田付け部の合否判定の精度が低いという問題が生じ得る。
本開示はこのような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、溶接部分の合否判定の精度を向上させる技術を提供することである。
本開示のある局面に従うと、検査装置は、主面を有する第1部材と、主面に溶接される第2部材との溶接部分を検査する。検査装置は、溶接部分の形状を計測する計測装置と、演算装置と、出力装置とを備える。演算装置は、主面と垂直な複数の面の各々における溶接部分の断面ののど厚を特定する。また、演算装置は、複数ののど厚に基づいた溶接部分の検査結果を出力装置に出力させる。
本開示によれば、第1部材の主面と垂直な複数の面の各々における溶接部分の断面ののど厚を特定し、複数ののど厚に基づいた溶接部分の検査結果を出力装置に出力させる。したがって、本開示によれば、溶接部分の1の断面についてのみ検査を行うことなく、溶接部分の全体的な検査を行うことから、溶接部分の検査結果の精度を向上させることができる。
検査装置の構造を示す透視斜視図である。 演算装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 コンデンサおよび半田付け部などの斜視図である。 コンデンサおよび半田付け部などの平面図である。 プロファイルデータの一例を示す図である。 のど厚を示す図である。 コントローラの機能ブロック図である。 のど厚と正常範囲とが示されたテーブルの一例である。 検査結果が「合格」である場合の表示画面の一例である。 検査結果が「不合格」である場合の表示画面の一例である。 検査装置の処理を示すフローチャートである。 半田付け部の検査処理および検査結果の表示処理を示すフローチャートである。 のど厚の算出の第1の方法を示すフローチャートである。 のど厚の算出の第2の方法を示すフローチャートである。 表示画面の一例を示す図である。 表示画面の一例を示す図である。 表示画面の一例を示す図である。 表示画面の一例を示す図である。 表示画面の一例を示す図である。 表示画面の一例を示す図である。 表示画面の一例を示す図である。 複数ののど厚の平均値の範囲と、第1領域画像の表示色との対応を示すテーブルである。 半田付け部の検査におけるマッチング処理を示す図である。 リードおよび半田付け部などの斜視図である。 リードおよび半田付け部などの平面図である。 リードおよび半田付け部などの断面図である。 表示画面の一例を示す図である。 表示画面の一例を示す図である。 表示画面の一例を示す図である。 表示画面の一例を示す図である。 表示画面の一例を示す図である。 表示画面の一例を示す図である。 別の実施の形態のリードおよび半田付け部などの斜視図である。 別の実施の形態のリードおよび半田付け部などの平面図である。 別の実施の形態のリードおよび半田付け部などの断面図である。 表示画面の一例を示す図である。 表示画面の一例を示す図である。 表示画面の一例を示す図である。 表示画面の一例を示す図である。 表示画面の一例を示す図である。 表示画面の一例を示す図である。
以下、本実施の形態の検査装置を図面等を参照しながら説明する。各図面において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通であるものとする。明細書全文に記載されている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。特に、構成要素の組み合わせは、各実施の形態における組み合わせのみに限定するものではなく、他の実施の形態に記載した構成要素を別の実施の形態に適用することができる。
実施の形態1.
[検査装置について]
図1は、検査装置100の構造を示す透視斜視図である。図1を参照して、検査装置100は、搬送コンベア2と、計測装置3と、駆動装置4と、駆動制御装置5と、演算装置6と、タッチパネル7とを有する。プリント基板1は、基板(たとえば、図3に示す基板30)と、該基板に搭載される電子部品(たとえば、図3に示すコンデンサ9)とを含む。1以上の電子部品は基板に溶接されて搭載されている。検査装置100の検査対象は、プリント基板1上に形成されている溶接部分である。本実施の形態では、溶接部分は半田付け部である例を説明する。しかしながら、溶接部分は他のものであってもよく、たとえば、ろう付け部としてもよい。検査装置100は、この半田付け部の形状が、合格および不合格のいずれであるかという検査処理を実行する。また、半田付け部の形状は、フィレット形状とも称される。
搬送コンベア2は、外部からプリント基板1を検査装置100内に案内する。搬送コンベア2は、検査が終了したプリント基板1を外部に排出する。搬送コンベア2は、駆動制御装置5により駆動される。
駆動装置4は、計測装置3を移動させる。計測装置3は、後述する方法で半田付け部の形状を計測する。計測装置3は、この計測により得られた計測結果を演算装置6に出力する。演算装置6は、該計測結果に基づいて後述の演算を行うことにより、半田付け部の形状の検査処理を実行する。演算装置6が、この検査処理の結果をタッチパネル7に表示する。
[演算装置のハードウェア構成]
図2は、演算装置6のハードウェア構成を示すブロック図である。演算装置6は、コントローラ22を有する。コントローラ22は、主な構成要素として、プロセッサ38と、メモリ32と、通信インターフェイス(I/F)34と、入出力I/F36とを有する。これらの各部は、バスを介して互いに通信可能に接続される。
通信I/F34は、計測装置3と、各種データをやり取りするための通信インターフェイスである。計測装置3からの計測結果(計測データ)は、通信I/F34を介して、演算装置6に入力される。
プロセッサ38は、典型的には、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)などの演算処理部である。プロセッサ38は、メモリ32に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、演算装置6の各部の動作を制御する。具体的には、プロセッサ38は、当該プログラムを実行することによって、計測装置3から送信された計測結果の分析処理を実現する。なお、図2の例では、プロセッサが単数である構成を例示しているが、コントローラ22は複数のプロセッサを有する構成であってもよい。
メモリ32は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびフラッシュメモリなどの不揮発性メモリによって実現される。メモリ32は、プロセッサ38によって実行されるプログラム、またはプロセッサ38によって用いられるデータなどを記憶する。
入出力I/F36は、プロセッサ38と、タッチパネル7との間で各種データをやり取りするためのインターフェイスである。タッチパネル7は、ディスプレイ24および操作部26により構成される。本実施の形態のディスプレイ24は、本開示の「出力装置」に対応する。コントローラ22は、様々な情報(たとえば、半田付け部の検査結果など)を、ディスプレイ24に表示する。コントローラ22は、操作部26からのユーザにより入力を受付ける。なお、本実施の形態では、ディスプレイ24および操作部26が一体化されたタッチパネル7が設けられているが、ディスプレイ24および操作部26が別個の装置(たとえば、PC:personal computer)に設けられていてもよい。
[のど厚について]
本実施の形態においては、検査装置100は、半田付け部の「のど厚」を用いて半田付け部の検査を行う。「のど厚」は、たとえば、半田付け部の後述の直交箇所11(図6参照)を通る線分(図6の投射線12参照)における該半田付け部の厚さをいう。以下に、のど厚を用いることが好ましい理由を説明する。以下では、基板と電子部品とをまとめて「接合対象物」とも称する。半田付け部の合否判定をする場合、半田付け部のどのような形状が不良であるかを定義する必要がある。
半田が適切に濡れている場合には、接合対象物同士の電気的な接合が確立される。しかしながら、半田付け部の品質については、初期の接合性のみならず、そのプリント回路基板の長期間使用による接合性についても考慮する必要がある。プリント回路基板が搭載される製品は、その製品の使用期間中に、周囲環境および製品自身の発熱によって、プリント回路基板の温度の上昇および下降を繰り返す温度サイクルの影響を受ける場合がある。この場合において、各々が異なる膨張係数を持つ接合対象物と半田との間に応力が繰り返し加わり塑性変形する場合がある。この場合には、接合対象物と、半田付け部と、接合対象物および半田付け部の境界部とのいずれかにクラックが生じる場合がある。この境界部に生じるクラックに関するパラメータとしては、接合対象物の素材の成分と、半田の素材の成分と、接合の際に生じる金属間化合物の状態が挙げられる。たとえば、接合対象物が銅であり、錫系の半田を用いた場合には、接合部に銅錫金属間の化合物が生成される。銅錫金属間の化合物の生成状態は、半田付け部のプロセスによって異なり、たとえば、半田付け部時の溶融温度が高く、溶融時間が長い場合には銅錫金属間の化合物層が厚くなる傾向がある。銅錫金属間の化合物は比較的硬くて脆いため、長期間の製品の使用時にこの部分からクラックが生じる場合がある。このような境界部に生じるクラックについては、接合対象物の素材、半田の素材、および半田付け部のプロセスのコントロールによって、適切な状態に維持管理することが可能である。また、工場において製品を大量に生産する場合には、生産プロセスが適切に管理されていることから、その状態が大きく変動することは稀である。
一方で、半田の量については、一般的にばらつきを生じやすいパラメータである。たとえば、溶融した半田を、基板の半田付け部面に対して噴流させることにより半田付け部を形成するフロー半田付け部工法がある。フロー半田付け部工法においては、様々な要因(たとえば、半田噴流の波の脈動および基板の反り等)によって、付着する半田の量にばらつきが生じる。
また、印刷マスクによりソルダーペーストを基板上に予め印刷し、その上に接合対象物を搭載して炉で半田を加熱溶融させるリフロー工法がある。このリフロー工法においても、印刷マスク開口部の詰まり等により、ソルダーペースト印刷の抜け状態が変化し、半田の量にばらつきを生じ得る。
このように、半田の量がばらつくことにより半田の量が少なくなった場合には、半田付け部の強度が不足する。したがって、長期間に亘って製品が使用されると境界部にクラックが生じる場合がある。半田量が不足した半田付け部は、検査によって不良品と判定されることが望ましい。
たとえば、特許文献1で開示されているように、半田付け部の予め定められた箇所の高さ、または、この高さ情報から計算した、半田付け部の平均高さおよび半田付け部の体積といった値をパラメータとして用いることが考えられる。しかしながら、形状および大きさが各々異なる複数の電子部品が、基板に搭載されていることから、該複数の電子部品の半田付け部の大きさが異なる。したがって、検査装置の設計者は、それぞれの電子部品の形状毎に、該電子部品のどこの高さをパラメータとして用いるか、および該高さに対応する閾値をどの値にするかを決定する必要があった。この決定には、膨大な時間をかけて電子部品の形状毎に上述の温度サイクルの試験で適正な半田量の範囲を予め調査研究して決定する、もしくは、設計者の勘または経験に頼るあいまいな判定基準を設定することになる。あるいは簡易的な判定としては、予め多くの検査サンプルを計測することにより、半田付け部の高さおよび半田付け部の体積であるパラメータを取得し、標準的なばらつきの範囲を設定することでこの範囲を検査閾値とし、標準的なばらつき範囲から外れた半田付け部を、不良品として判断することが考えられる。検査の目的がプロセスの異常を検知することであれば、このような異常値判定による方法も効果的である。しかしながら、プリント基板、および該プリント基板が搭載される製品の信頼性を担保することを検査の目的とする場合には、半田付け部自体の強度に着目して検査の判定がなされることが望ましい。
そこで、発明者は、半田付け部の強度に大きく関わるパラメータの一つである半田付け部ののど厚に着目した。半田量が少ない場合には、のど厚に相当する箇所が最も強度が低くなることから接合信頼性が低い箇所となり、製品の長期の使用によりクラックを生じて破損する傾向がある。そこで、半田付け部の検査パラメータとしてのど厚を用いることにより、たとえば、半田付け部の形状のばらつき、半田の濡れ広がりによる形状の差異によって生じる信頼性の低下についても、適切に判定することができる。
近年、半田の成分に鉛を含まない鉛フリー半田が、環境保護の観点から多くの産業分野のプリント回路基板で使用されている。一般的に使われている錫、銀、および銅の組成の鉛フリー半田は、従来の錫鉛共晶半田に比べ、濡れ広がりが悪いことが知られており、製造工程においても濡れ広がりの形状にばらつきを生じることが多い。このような形状のばらつきがある場合には、半田付け部の予め定められた箇所の高さは、半田付け部の強度とも相関の低い検査パラメータとなってしまう。このため、濡れ広がりのばらつきを生じやすい鉛フリー半田付け部については特に、のど厚が、長期の使用に対する信頼性との相関が高い検査パラメータである。また、検査装置100は、半田付け部の形状にかかわらず、のど厚について共通の正常範囲を用いることができる。以上により、本実施の形態では、検査装置100は、半田付け部ののど厚を用いて、半田付け部を検査する。
[検査装置の検査について]
図3は、本実施の形態の検査装置100の検査対象の半田付け部8などの斜視図である。図3の例では、主面30Aを有する基板30と、主面30Aに半田付けされるチップ型セラミックコンデンサ(以下、「コンデンサ9」と称する。)と、半田付け部8とが示されている。基板30が、本開示の「第1部材」に対応し、コンデンサ9が本開示の「第2部材」に対応する。なお、第1部材は、主面30Aを有する部材であれば、板状の部材に限らず他の部材であってもよい。また、半田付け部8の高さ方向をZ軸とし、このZ軸方向に直交する平面をXY平面(つまり、主面30Aがなす平面)とする。上述のように、検査装置100は、半田付け部8の「のど厚」を用いて半田付け部8の検査処理を実行する。なお、本開示において、「直交」とは、完全に直交していることのみならず、ほぼ直交していることも含む。なお、図3では、奥側の半田付け部8の記載は省略されている。
ここで、比較例の検査装置として半田付け部8のプロファイルを推定して、該プロファイルに基づいて半田付け部ののど厚を算出し、算出されたのど厚の値に基づいて、半田付け部8の合否判定を行う検査装置が考えられる。この検査装置では、1つの断面におけるのど厚に基づいて半田付け部8を検査する。しかしながら、1つの断面に基づく合否判定では、必ずしも半田付け部全体の状態が反映されない場合が生じ得る。たとえば、1の断面に対応する箇所では適切な半田量であるがその他の箇所で半田量が不足しているといった半田付け部8が形成されている場合がある。このような半田付け部8は、本来、不合格と判断されるべきであるところ、この検査装置は合格と判断してしまう。つまり、この検査装置では、半田付け部8を局所的に検査することから、半田付け部の合否判定の精度が低いという問題が生じ得る。
そこで、本実施の形態の検査装置100は、半田付け部8の複数の断面におけるのど厚を算出し、該複数ののど厚に基づいて半田付け部8の検査処理を実行する。したがって、本開示によれば、半田付け部8の1の断面についてのみ検査を行うことなく、半田付け部8の全体的な検査を行うことから、溶接部分の合否判定の精度を向上させることができる。
本実施の形態においては、複数ののど厚を算出するために、まず、半田付け部8の複数の断面の各々における複数のプロファイルデータを生成する。以下に、複数のプロファイルデータを生成する方法を説明する。
図4は、主面30Aの法線方向から平面視したときの、コンデンサ9および半田付け部8を示す図である。図4では、主面30Aに垂直でありX軸に沿ったN個(Nは2以上の整数)の面Jが示されている。面Jにおける半田付け部8の断面を「断面J」とも称する。図4の例では、N=5とされ、つまり、5個の面J1~面J5が示されている。なお、図4では、主面30Aの法線方向から平面視した面J1~面J5が示されていることから、面J1~面J5の各々は括弧書きで線Q1~線Q5でとしても示されている。
次に、図4を用いて、計測装置3による半田付け部8の形状の計測の方法を説明する。駆動装置4により、半田付け部8を計測可能となる位置まで計測装置3を移動させる。なお、本実施の形態では、検査装置100は、後述するようにユーザの入力により、半田付け部8の位置を特定できる。なお、検査装置100は、計測装置3の計測結果に基づいて、半田付け部8の位置を特定するようにしてもよい。計測装置3は、主面30Aの法線方向から(半田付け部8の真上から)、計測対象物の点領域に対してレーザ光を照射する。ここで、計測対象物は、コンデンサ9、および半田付け部8である。なお、検査装置100は、後述するように、ユーザの入力により計測対象物の位置(XY平面におけるXY座標)を認識できる。
照射されたレーザ光は、計測対象物で反射して反射光として、計測装置3で検出される。計測装置3は、レーザ光を照射した時から、該レーザ光の反射光が検出される時までの時間を計測する。以下では、この時間を「計測時間」とも称する。駆動制御装置5は、計測装置3に計測時間を計測させながら、線Q1~Q5の各々において予め定められた順序(線Q1、線Q2、線Q3、線Q4、および線Q5の順序)で、各線に沿って、計測装置3を移動させる。計測装置3は、全ての線Q1~Q5の各々における各点領域での計測時間を、該点領域のXY座標とともに取得する。計測装置3は、この計測時間と、該計測時間が得られたときの点領域のXY座標とを対応付けて、計測結果として演算装置6に出力する。なお、計測装置3は、計測時間を取得する度に、計測時間と、該計測時間が得られたときの点領域のXY座標とを出力するようにしてもよい。また、計測装置3は、全ての計測時間を取得したときに、該全ての計測時間と、該全ての計測時間の各々が得られたときの点領域のXY座標とを出力するようにしてもよい。
演算装置6は、計測装置3からの計測結果に基づいて、半田付け部8の複数の断面J1~J5の各々におけるプロファイルデータを生成する。図5は、面J3における半田付け部8の断面のプロファイルデータ8Xの一例を示す図である。図5の例における各点が上述の点領域に対応し、隣接する点(計測点)の間隔が、計測装置3の分解能に対応する。また、コンデンサ9は、主面30Aと、コンデンサ9が有する面(図6の側面9A)とが直交するように、基板30に溶着される。直交する箇所を、「直交箇所11」とも称する。
「プロファイルデータ」は、レーザ光が照射されたM個(Mは2以上の整数)の点領域の各々のXYZ座標により構成される。このXYZ座標のうちのXY座標は、計測装置3からの計測結果に含まれるXY座標そのものである。また、このXYZ座標のうちのZ座標(つまり、半田付け部8の高さ)は、計測結果に含まれる計測時間が、予め定められた変換式に代入されることにより求められる値である。この変換式は、代入された計測時間が長いとZ座標の値として小さい(つまり、この計測時間が得られた箇所の高さが低い)値が出力される。一方、この変換式は、代入された計測結果に含まれる計測時間が短いとZ座標の値として大きい(つまり、この計測時間が得られた箇所の高さが高い)値が出力される式である。
図5の例では、面J3における半田付け部8のプロファイルデータが示されていることから、全てのY座標は「y3」と示されている。一方、X座標およびZ座標は、コンデンサ9から遠ざかる順に、(x1、z1),...,(xm、zm),...,(xM、zM)と示されている。演算装置6は、全ての断面J1~J5のプロファイルデータを生成する。
また、半田付け部8の断面のプロファイルデータを生成する方法は他の方法としてもよい。たとえば、特許文献1に記載の技術を用いるようにしてもよい。特許文献1記載の技術が引用された場合には、計測装置3は、カメラと、複数のライトとを備える。カメラは、半田付け部8を撮像する。複数のライトの各々は、半田付け部8に対して光を出力する。また、複数のライトの各々は、半田付け部8に対して照射角度が異なるように設置されている。制御装置は、カメラで半田付け部8を撮像させながら、予め定められた順序で複数のライトを1つずつ点灯させる。制御装置は、半田付け部8の表面において最も強く光が反射する複数の点の位置と、該複数の点の勾配とに基づいてプロファイルデータを生成する。
また、プロファイルデータの生成の方法は、上述の方法に限られず他の方法であってもよい。また、演算装置6は計測結果に対して必要に応じて予め定められた処理を実行するようにしてもよい。予め定められた処理は、たとえば、二値化処理である。
次に、のど厚を説明する。図6は、のど厚を説明するための図である。図6は、プロファイル10が示されている図である。プロファイル10は、プロファイルデータを構成する複数のXYZ座標の点を結ぶことにより、コンデンサ9および半田付け部8の表面形状(輪郭)を示すデータである。プロファイル10は、半田付け部8の表面を示す情報である。図5でも説明したように、コンデンサ9は、主面30Aと側面9Aとが直交するように、主面30Aに溶接される。主面30Aは、本開示の「第1面」に対応し、側面9Aは、本開示の「第2面」に対応する。
また、X軸(主面30A)と投射角θをなし、かつ直交箇所11からの直線である投射線12が、プロファイル10と交わる点を「交点13」と称する。直交箇所11から交点13までの線分を、「投射線12」と称する。図6は、投射線12の長さが、のど厚Tとなる場合が示されている。のど厚Tの算出方法については後述する。また、半田付け部8と基板30との境界部分を「ランド端27」と称する。
[コントローラの機能ブロック図]
図7は、演算装置6に含まれるコントローラ22の機能ブロック図である。コントローラ22は、生成部102と、算出部104と、検査部106とを有する。
計測装置3は、計測結果(計測時間と、該計測時間が得られたときの点領域のXY座標)を演算装置6に出力する。演算装置6の生成部102は、該出力された計測結果に基づいて、各断面J1~J5(図4参照)の各々における半田付け部8のプロファイルデータ8X(図5参照)を生成する。本実施の形態では、生成部102は、5つの断面J1~J5の各々に対応するプロファイルデータ8Xを生成する。生成部102は、生成したプロファイルデータ8Xを算出部104に出力する。
算出部104は、生成部102からの5つのプロファイルデータ8Xを、メモリ32に一旦記憶する。そして、算出部104は、5つのプロファイルデータ8Xの各々に基づいて、5つの断面J1~J5の各々における半田付け部8ののど厚T(図6参照)を算出する。算出部104は、5つののど厚T1~T5を検査部106に出力する。
検査部106は、5つののど厚T1~T5に基づいて、半田付け部8の検査処理を実行する。ここで、検査処理は、第1~第3検査処理を含む。第1検査処理は、検査部106自身が半田付け部8の合否判定を行い、第1検査結果画像をディスプレイ24に表示する処理である。第1検査結果画像は、半田付け部8の合否判定の結果を示す画像であり、後述の図9および図10に示す画像である。
第2検査処理は、検査部106においては半田付け部8の検査を行わずに、第2検査結果画像を生成してディスプレイ24に表示する処理である。第2検査処理においては、第2検査結果画像に基づいて、ユーザによって半田付け部8の合否判定が行なわれる。第2検査結果画像は、後述の図15~図18に示す画像である。
第3検査処理は、第1検査結果画像と第2検査結果画像との双方をディスプレイ24に表示する処理である。第3検査処理においては、検査部106の検査とユーザによる検査とが行われる処理である。
なお、ディスプレイ24は、たとえば、プリンタとしてもよい。この場合には、検査部106は、第1検査結果画像と第2検査結果画像とのうちの少なくとも一方を用紙に印刷して、該プリンタから該用紙を出力させるようにしてもよい。
本実施の形態の検査部106は、第1検査処理を実行する。図8は、この第1検査処理で用いられるテーブルである。このテーブルでは、各断面J1~J5の各々におけるのど厚T1~T5の各々の正常範囲が規定されている。このテーブルは、予め定められた記憶領域(たとえば、メモリ32)に記憶されている。図8を参照して、このテーブルでは、5つののど厚T1~T5の各々に対応する正常範囲が規定されている。この正常範囲は、下限値と上限値とにより規定される。
たとえば、のど厚T1に対応する正常範囲は、下限値L1と上限値U1とにより構成される。のど厚T2に対応する正常範囲は、下限値L2と上限値U2とにより構成される。のど厚T3に対応する正常範囲は、下限値L3と上限値U3とにより構成される。のど厚T4に対応する正常範囲は、下限値L4と上限値U4とにより構成される。のど厚T5に対応する正常範囲は、下限値L5と上限値U5とにより構成される。なお、5つの正常範囲のうち少なくとも1つの正常範囲は、上限値を規定せずに下限値のみを規定する範囲としてもよい。
検査部106は、算出されたのど厚T1~T5の各々と、対応する正常範囲とを比較する。検査部106は、のど厚T1~T5のうち、正常範囲に属するのど厚の数を計数し、該計数したのど厚の数が基準値S以上であるか否かを判断する。ここで、基準値Sは、予め定められる数であり、たとえば、基準値Sは「3」である。
検査部106は、正常範囲内ののど厚Tの数が基準値S以上である半田付け部8を合格と判断し、基準値S未満である半田付け部8を不合格と判断する。検査部106は、判断結果をディスプレイ24に出力する。
次に、図9および図10を用いて、第1検査処理において出力される第1検査結果画像の例を示す。図9は、検査結果が「合格」である場合の表示画面の一例である。図9を参照して、検査結果が「合格」である場合には、検査部106は、対象物画像242と、該対象物画像242に対応づけて合格画像244とをディスプレイ24に表示する。対象物画像242は、コンデンサ9と半田付け部8の画像である。対象物画像242は、プロファイルデータに基づいて生成される。なお、対象物画像242は、基板30の画像を含むようにしてもよい。また、本開示において、ディスプレイ24に表示される画像のうち半田付け部8の画像以外の画像については、予め生成されている。なお、ディスプレイ24に表示される画像のうち半田付け部8の画像以外の画像については、計測装置3の計測結果に基づいて生成されるようにしてもよい。
合格画像244は、検査部106による検査結果が合格であることを示す画像であり、たとえば、「合格」という文字の画像である。なお、図9の例の対象物画像242により示される半田付け部8は、複数の断面J1~J5の各々におけるのど厚Tがいずれも正常範囲に属していることから、合格と判断されている場合の例である。
図10は、検査結果が「不合格」である場合の表示画面の一例である。図10を参照して、検査結果が「不合格」である場合には、検査部106は、不合格画像246をディスプレイ24に表示する。合格画像244は、検査対象物の検査結果が不合格であることを示す画像であり、たとえば、「不合格」という文字の画像である。なお、図10の例の対象物画像242により示される半田付け部8は、複数の断面J1~J5の各々におけるのど厚Tがいずれも正常範囲に属していないことから、不合格と判断されている場合の例である。このように、本実施の形態の検査装置100は、半田付け部8が合格および不合格のいずれであるかを示す検査結果の画像(第1検査結果画像)を表示させる。したがって、ユーザは、半田付け部8の検査結果を容易に認識できる。
また、検査装置100は、基板30に複数の半田付け部8が形成されている場合には、該複数の半田付け部8も検査可能である。この場合には、検査部106は、この複数の半田付け部8の各々に対応づけて、図9および図10で示したような第1検査結果画像を表示する。したがって、ユーザは、複数の半田付け部8の検査結果を容易に認識できる。
[検査装置のフローチャート]
図11は、検査装置100の検査処理を示すフローチャートである。まずステップS2において、検査装置100は、検査対象の基板30の検査箇所の入力をユーザから受付ける。たとえば、駆動制御装置5が、タッチパネル7に基板30の画像を表示する。ユーザは、該基板30の画像から検査対象箇所(たとえば、半田付け部8)を指定する。ユーザに指定された検査対象箇所の位置(座標)が予め定められた記憶領域(たとえば、メモリ32)に記憶される。
なお、他の例として、検査装置100は、基板30を構成する複数の部品が示されている部品構成表をタッチパネル7に表示するようにしてもよい。ユーザは該部品構成表に示されている該部品を指定すると、該指定された部品が検査対象箇所として検査装置100により認識される。認識された検査対象箇所の位置(座標)が予め定められた記憶領域(たとえば、メモリ32)に記憶される。
次に、ステップS4において、検査装置100は、検査方法および正常範囲(図8参照)などの入力をユーザから受付ける。検査方法は、後述の第1の方法または第2の方法である。
次に、ステップS6において、駆動制御装置5は、搬送コンベア2を制御することにより、検査対象のプリント基板1を検査装置100内の検査位置まで搬入する。次に、ステップS8において、ステップS2において入力された検査箇所(つまり、半田付け部8)の検査処理を実行する。さらに、ステップS8において、検査装置100は、ディスプレイ24に検査結果を表示する(図9および図10参照)。次に、ステップS10において、駆動制御装置5は、搬送コンベア2を制御することにより、検査が終了したプリント基板1を検査装置100外に搬出する。
なお、ステップS2において入力された検査箇所に、正常な搭載部品が対応づけられている構成が採用されてもよい。このような構成の場合には、検査装置100は、ステップS6で搬入されたプリント基板1の基板30上に搭載された部品の欠落の有無などを検査し、この検査結果を表示するようにしてもよい。
また、搬送コンベア2は別の搬送手段としてもよい。別の搬送手段は、たとえば、ロボットアームなどである。また、ユーザは、手動によりプリント基板1の搬入または搬出を行うようにしてもよい。また、計測装置3を移動させるのではなく、計測装置3を固定とする構成が採用されてもよい。この構成の場合には、検査装置100は、計測装置3が計測可能な位置に、プリント基板1を移動させて、該プリント基板1に形成されている半田付け部8を検査するようにしてもよい。
次に、ステップS8の半田付け部8の検査処理および検査結果の表示処理の詳細を説明する。図12は、このステップS8の処理を示したフローチャートである。まず、ステップS302において、計測装置3はステップS2で入力された検査箇所に対応する検査位置に、駆動制御装置5の制御により移動する。そして、計測装置3は、半田付け部8の形状を計測する。次に、ステップS304において、生成部102は、半田付け部8のN個(図4の例では5個)の断面の各々のプロファイルデータを生成する。次に、ステップS306において、算出部104は、変数n=1に初期化する。変数nは、断面の数Nに関する変数である。変数nの最大値は、Nである。算出部104は、ステップS308において、n番目の断面ののど厚Tを算出する。たとえば、n=4である場合には、4番目の断面である断面J4(図4参照)ののど厚Tを算出する。検査装置100は、このステップS308の処理により、のど厚を特定することができる。
次に、ステップS310において、算出部104は、n=Nであるか否かを判断する。すなわち、すべての断面ののど厚が算出されたか否かを判断する。n=Nでない場合(ステップS310でNO)、すなわちすべての断面におけるのど厚の算出が完了していない場合には、ステップS312において、算出部104は、変数nを1インクリメントし、ステップS8に処理が戻される。ステップS310でn=Nである場合(ステップS310でYES)、すなわちすべての断面におけるのど厚の算出が完了した場合には、ステップS314に処理が進められる。
ステップS314において、検査部106は、のど厚T1~T5のうち、対応する正常範囲(図8参照)に属するのど厚の数Pを計数する。ステップS316において、検査部106は、計数値Pが基準値S以上であるか否かを判断する。計数値Pが基準値S以上である場合には(ステップS316でYES)、ステップS318で、検査部106は、半田付け部8は合格であると判断する。一方、計数値Pが基準値S未満である場合には(ステップS316でYES)、ステップS320で、検査部106は、半田付け部8は不合格であると判断する。次に、ステップS322において、検査部106は、検査結果をディスプレイ24に表示させる(図9または図10参照)。
次に、ステップS308におけるのど厚Tの算出の方法を説明する。本実施の形態では、のど厚Tの算出のために、半田付け部8のプロファイルデータ8Xを構成するM個のデータ(x1、z1),...,(xm、zm),...,(xM、zM)が用いられる。上述のように、このプロファイルデータは、メモリにより記憶されている。以下では、半田付け部8のプロファイルデータを構成するM個のデータの各々を「単位データ」という。
のど厚Tの算出の方法は、第1の方法と第2の方法とがある。まず、第1の方法を説明する。図13は、第1の方法を示すフローチャートである。
ステップS102において、算出部104は、変数m=cとする。ここで、変数mは、半田付け部8のプロファイルデータを構成する単位データである(x1、z1),...,(xm、zm),...,(xM、zM)のインデックスである。また、cは、2以上の整数であり、予め定められた値である。
次に、ステップS104において、算出部104は、生成部102からのプロファイルデータ(記憶していたプロファイルデータ)から(xm、zm)を取得するとともに、直交箇所11から取得したプロファイルデータにより示される点までの距離である(xm+zm1/2を算出する。この算出結果が、のど厚Tの候補となる値である。ここで、zmは、半田付け部8のプロファイルデータを構成する単位データにおいて、xmに対応する値である。
次に、ステップS106において、算出部104は、算出結果を予め定められた記憶領域(たとえば、メモリ32)に記憶させる。次に、ステップS108において、算出部104は、m=Mであるか否かを判断する。Mは、半田付け部8のプロファイルデータを構成する単位データの数であり、mの最大値である。m=Mでない場合には(ステップS108でNO)、ステップS110において、算出部104は、変数mを1だけインクリメントする。このインクリメントされる値である「1」が、本開示の「Δx」に対応する。
ステップS110の処理が終了すると、処理は、ステップS104に戻される。ステップS108でm=Mである場合には(ステップS108でYES)、処理は、ステップS112に進められる。ステップS108でYESと判断される場合とは、m=c~Mの各々において、のど厚Tの候補の全てが算出された場合である。ステップS112において、算出部104は、ステップS106で記憶した複数の算出結果のうちの最小値を、のど厚Tとして検査部106に出力する。
このように、図5の例では、算出部104は、ステップS104で示した(xm+zm1/2の算出について、初期位置を初期値xcとなる位置から開始し、直交箇所11から離れる方向にΔxずつ増加させる毎にこの算出を行う。そして、算出部104は、これらの算出結果のうちの最小値を、のど厚Tとして検査部106に出力する。
また、各単位データにより示される隣接する座標点を結ぶ(隣接する座標点の間を補完する)ことにより、曲線が形成される。この曲線は、半田付け部8のプロファイルに対応する。この曲線は、X軸方向と、半田付け部8の高さ方向であるZ軸方向における関数とみなすことができる。つまり、半田付け部8の高さは、X軸方向の各点xを用いて関数h(x)であるとみなすことができる。のど厚は、直交箇所11から交点13までの距離のうちの最短の距離である。つまり、算出部104は、以下の式(1)により、のど厚Tを算出する。
Figure 0007497234000001
ただし、式(1)の関数min(α)は、αの範囲が、0≦α≦Lとした場合の最小値を返す関数である。また、この「0」は、図5のx1に対応し、この「L」は、直交箇所11からランド端27(図6参照)までの距離である。換言すれば、この「L」は、図5のxMに対応する。このように算出部104は、直交箇所11から半田付け部8の表面までの距離のうち最小の距離をのど厚Tとして算出する。
次に、第2の方法を説明する。第2の方法は、投射角θを用いる方法である。半田付け部8の形状(たとえば、半田付け部8の表面の勾配)と、投射角θとが対応づけられたテーブル(図示せず)がメモリ32に記憶されている。たとえば、半田付け部8の表面の勾配が大きいほど、投射角θは大きくなるように規定される。たとえば、図6に示す半田付け部8の形状であれば、投射角θとしてπ/4が対応づけられている。また、図35に示す半田付け部8であれば、投射角θとしてπ/6が対応づけられている。算出部104は、プロファイルデータから半田付け部8の形状を認識し、このテーブルを参照することにより、投射角θを特定する。このように、投射角θは、半田付け部8の形状により決定される。なお、投射角θは、ユーザが設定できるようにしてもよい。のど厚Tは、投射角θを用いて以下の式(2)により表すことができる。
Figure 0007497234000002
第2の方法は、この式(2)に基づいて、のど厚Tを算出する。図14は、算出部104によるのど厚を算出するための第2の方法が示されたフローチャートである。ステップS202において、算出部104は、変数m=cとする。次に、ステップS204において、算出部104は、生成部102からのプロファイルデータ(記憶していたプロファイルデータ)から(xm、zm)を取得するとともに、xm≧zm/tanθであるか否かを判断する。
ステップS204で、xm<zm/tanθである場合(ステップS204でNO)には、ステップS206において、算出部104は、変数mを1インクリメントする。このインクリメントされる値である「1」が、本開示の「Δx」に対応する。その後、処理は、ステップS204に戻される。
一方、ステップS204で、xm≧zm/tanθである場合(ステップS204でYES)には、処理は、ステップS208に進められる。ステップS208において、算出部104は、上記の式(2)に示すように、(xm)/cosθを算出して、この算出値をのど厚Tとして検査部106に出力する。
このように、図5の例では、算出部104は、xmとzm/tanθとの比較の初期位置を初期値xcとなる位置から開始し、直交箇所11から離れる方向にΔxずつ増加させる毎にこの比較を行う。そして、算出部104は、xm≧zm/tanθとなったときのxmに対して1/cosθを乗算した値を、のど厚Tとして算出する。このように、算出部104は、「交点13と直交箇所11との距離」、または「この距離に近い値」をのど厚Tとして算出する。また、交点13は、「直交箇所11における主面30Aと投射角θをなす投射線12」と「半田付け部8の表面」との交点である。なお、第2の方法においても、各単位データにより示される隣接する座標点を結ぶことにより得られる関数h(x)を用いて、のど厚Tの算出処理を行うようにしてもよい。
以上のように、第1の方法または第2の方法により算出部104は、のど厚Tを算出することができる。第1の方法では、投射角θを設定する必要がない一方、m=c~Mの各々において、(xm+zm1/2の算出処理(ステップS104の算出処理)を実行する必要がある。
一方、第2の方法では、m=cから、mの値が「ステップS204でYESと判断される値」となるまでの各々において、ステップS204の処理が実行される。つまり、第2の方法では、m=c~Mの全てにおいて、算出処理を実行する必要がない。したがって、第1の方法よりも算出処理の処理量を低減できる。また、投射角θは、半田付け部8の形状に応じて定まることから、ユーザに特段の負担を強いることはない。
図13のステップS102およびステップS202において、m=cと設定する構成を説明した。換言すれば、ステップS102およびステップS202において、初期位置は、定数cにΔxを乗算した値に対応する位置である構成を説明した。
このような構成が採用された理由を説明する。一般的に、コンデンサ9に近い位置(つまり、x1の位置など直交箇所11に近い位置)の投射線12は通常、のど厚とはなり得ない。そこで、本実施の形態では、算出の初期位置をx1からではなく、初期位置xcから始めることによって算出回数を減少させることができる。したがって、x1に対応する位置(直交箇所11)から初期値xcまでにおける算出処理を除外することにより、算出処理を軽減できる。定数cの値は、プロファイルデータの分解能または部品の大きさによって異なる。また、定数cは、ユーザが設定可能としてもよい。なお、演算装置6の演算処理能力が十分に高い場合には初期位置x1から算出を開始してもよい。
[表示画像の変形例について]
<表示画像の第1の変形例>
次に、表示画像の第1の変形例を説明する。図15は、図9で説明した合格と判定された検査対象物を示す対象物画像242と、複数の交点13と、第1線15とが三次元的にディスプレイ24に表示された図である。交点13は、図6で説明した通り、半田付け部8の断面ののど厚がなす線(つまり、図6の投射線12)と、半田付け部8の表面(プロファイル10)とが交わる点である。図15の例では、5つの断面J1~J5の各々における交点13が表示されており、つまり、5個の交点13が表示されている。第1線15は、この5個の交点13を結んだ線である。第1線15は、曲線としてもよく、また、直線としてもよい。図16は、図10で説明した不合格と判定された検査対象物を示す対象物画像242と、複数の交点13と、第1線15とが三次元的に示された図である。
演算装置6は、図15または図16の画像を二次元的に画像をディスプレイ24に表示するようにしてもよい。図17は、図15の画像(合格と判定された検査対象物の対象物画像242など)を主面30Aの法線方向から平面視した場合の画像(つまり、二次元的に表示された画像)の一例である。図18は、図16の画像(不合格と判定された検査対象物の対象物画像242など)を主面30Aの法線方向から平面視した場合の画像の一例である。
演算装置6は、図15~図18のような画像をディスプレイ24に表示することにより、のど厚の全体的な大きさをユーザに認識させ、半田付け部8が合格および不合格のいずれであるかをユーザに判断させることができる。なお、対象物画像242などを二次元および三次元のいずれで表示するかをユーザが選択可能となるようにしてもよい。
また、図15~図18のような画像をディスプレイ24に表示させる処理が、上述の第2検査処理に対応する。図15~図18のような画像をディスプレイ24に表示させるために、検査部106は、以下の処理を行う。検査部106は、生成部102が生成したプロファイルデータに基づいて、コンデンサ9の画像、および半田付け部8の画像を生成する。また、検査部106は、第2の方法で説明した投射角θを用いて複数ののど厚T1~T5を特定し、こののど厚T1~T5に基づいて5個の交点13を特定する。さらに検査部106は、この5個の交点13に基づいて第1線15を特定する。そして、検査部106は、第1線15の画像を生成する。検査部106は、生成した第1線15の画像、コンデンサ9の画像、および半田付け部8の画像をディスプレイ24に表示する。
また、図15~図18のような画像に併せて、検査対象物が合格である場合には合格画像244を表示し、検査対象物が不合格である場合には不合格画像246を表示するようにしてもよい。この処理は、上述の第3検査処理に対応する。
<表示画像の第2の変形例>
次に、表示画像の第2の変形例を説明する。図19は、表示画像の第2の変形例を示す図である。図19は、図17と同様に、コンデンサ9および半田付け部8を主面30Aの法線方向から平面視したときの画像である。以下では、半田付け部8の領域のうち、コンデンサ9と、第1線15に囲まれている領域(以下、「第1領域」とも称する。)の画像を「第1領域画像281」と称する。また、コンデンサ9の領域(以下、「第2領域」とも称する。)の画像を「第2領域画像282」と称する。
演算装置6は、第1領域画像281と、第2領域画像282とを異なる態様でディスプレイ24に表示させる。たとえば、演算装置6は、第1領域画像281と、第2領域画像282とを異なる色でディスプレイ24に表示させる。図19の例では、第1領域画像281と、第2領域画像282とは異なるハッチングで表示されている。
図19のような画像が表示されることにより、ユーザは、コンデンサ9と半田付け部8とを区別して認識することができる。さらに、ユーザは、第1領域画像281の面積に基づいて、のど厚Tの大きさを認識することができる。
<表示画像の第3の変形例>
次に、表示画像の第3の変形例を説明する。図9および図10では、ディスプレイ24が合格画像244または不合格画像246を表示することにより、検査対象物が合格および不合格のいずれであるかをユーザに認識させている。しかしながら、ディスプレイ24の表示領域が狭い場合などには、合格画像244および不合格画像246の表示領域を確保できない場合がある。
そこで、この変形例では、半田付け部8が合格である場合と半田付け部8が不合格である場合とで、第1領域画像281の表示態様を異ならせる。図20は、半田付け部8が合格である場合の画像であり、図21は、半田付け部8が不合格である場合の画像である。図20および図21に示すように、半田付け部8が合格である場合と半田付け部8が不合格である場合とで、第1領域画像281に異なるハッチングが付加されている。
図20および図21のような画像が表示されることにより、合格画像244または不合格画像246を表示しなくても、半田付け部8が合格および不合格のいずれであるかをユーザに認識させることができる。
<表示画像の第4の変形例>
第4の変形例は、半田付け部8が合格である場合の第1領域画像281の表示態様を、複数ののど厚Tの値に基づいて変更させる例である。この例では、半田付け部8が合格である場合の第1領域画像281の表示色を、複数ののど厚Tの値の平均値に基づいて変更させる。図22は、複数ののど厚Tの平均値の範囲と、第1領域画像281の表示色との対応を示すテーブルである。図22のテーブルは、予め定められた記憶領域(たとえば、メモリ32)に記憶されている。
図22のテーブルでは、複数ののど厚Tの平均値TavgがS1以上S2未満である場合には、第1領域画像281の表示色がC1であることが規定されている。また、複数ののど厚Tの平均値TavgがS2以上S3未満である場合には、第1領域画像281の表示色がC2であることが規定されている。また、複数ののど厚Tの平均値TavgがS3以上S4未満である場合には、第1領域画像281の表示色がC3であることが規定されている。
検査部106は、半田付け部8が合格であると判断すると、5個ののど厚Tの平均値Tavgを求める。さらに、検査部106は、図22のテーブルを参照して、平均値Tavgが属する範囲を特定するとともに、該特定した範囲に対応する表示色を決定する。検査部106は、該決定した表示色で第1領域画像281を表示する。
このように、複数ののど厚Tの平均値Tavgに応じて、第1領域画像281の表示態様が異なる。したがって、たとえば、複数の半田付け部8が検査された場合において、複数の半田付け部8における半田量のばらつきによるのど厚Tの分布をユーザに視覚的に認識させることができる。
なお、図22のテーブルは、複数ののど厚Tのうちの予め定められたのど厚(たとえば、中央の断面J3でののど厚)の範囲と第1領域画像の表示色とが対応づけられたテーブルであってもよい。この場合には、検査部106は、半田付け部8が合格であると判断すると、5個ののど厚Tのうちの断面J3でののど厚Tを特定する。そして、検査部106は、このテーブルを参照して、特定したのど厚が属する範囲を特定するとともに、該特定した範囲に対応する表示色を決定する。検査部106は、該決定した表示色で第1領域画像281を表示する。
実施の形態2.
実施の形態1の演算装置6は、のど厚Tを算出して、該算出されたのど厚Tを用いて半田付け部8を検査する構成を説明した。本実施の形態の演算装置6は、のど厚Tを算出せずに、第1領域データ302の形状に基づいて、半田付け部8を検査する。
図23は、実施の形態2の構成を説明するための図である。図23に示すように、演算装置6の検査部106は、第1領域のモデルを示すモデルデータ312を保持する。モデルデータ312は、合格となる半田付け部8の第1領域の形状を示すデータである。第1領域は、たとえば、図20により示される第1領域画像281が示す領域である。
また、検査部106は、生成部102が生成したプロファイルデータから第1領域を示す第1領域データ302を生成する。ここで、のど厚Tを算出することなく第1領域データ302を生成する方法を説明する。たとえば、図14等で説明したように投射角θ(図6参照)は、半田付け部8の形状(たとえば、半田付け部8の表面の勾配)に応じて定められる。したがって、検査部106は、半田付け部8の形状に応じて投射角θを決定し(たとえば、投射角θをπ/4に決定し)、該投射角θに基づいて交点13を特定する。検査部106は、全ての断面(たとえば、断面J1~J5)の各々において、交点13を特定し、該交点13を結ぶことにより第1線15を生成する。検査部106は、コンデンサ9と、第1線15とに囲まれている領域を第1領域とし、該第1領域に対応する第1領域データ302を生成する。
検査部106は、第1領域データ302とモデルデータ312との類似度を算出する。類似度の算出については、予め定められたマッチング処理などにより行われる。類似度が予め定められた値以上である場合(つまり、第1領域データ302により示される第1領域と、モデルデータ312により示されるモデル領域とが類似している場合)、検査部106は、半田付け部8を合格と判断する。一方、類似度が予め定められた値未満である場合、検査部106は、半田付け部8を不合格と判断する。
また、検査部106は、第1領域データ302に対してモデルデータ312を用いずに、いわゆるAI(Artificial Intelligence)を用いた処理により、半田付け部8が合格および不合格のいずれであるかを判断するようにしてもよい。たとえば、検査部106は、予め生成されたニューラルネットワークに対して、第1領域データ302を入力することにより、半田付け部8に対する検査結果を出力させるようにしてもよい。
また、第1領域の面積値を用いて、半田付け部8を検査する構成が採用されてもよい。この構成の場合には、検査部106は、合格と判断される第1領域の面積値を保持する。また、検査部106は、第1領域データ302により示される第1領域の面積値を算出する。検査部106は、たとえば、保持している面積値と、算出した面積値との差分を算出し、この差分が予め定められた閾値未満であれば、半田付け部8を合格と判断し、この差分が閾値以上であれば、半田付け部8を不合格と判断するようにしてもよい。
実施の形態3.
実施の形態1または実施の形態2では、第2部材が「コンデンサ9」である構成を説明した。実施の形態3は、第2部材が「リード」である構成を説明する。図24は、本実施の形態の検査装置100の検査対象の半田付け部8の斜視図である。図24の例では、主面30Aを有する基板30と、主面30Aに半田付けされるリード16と、半田付け部8とが示されている。図24の例では、リード16は直方体形状とされる。
図25は、リード16および半田付け部8を、主面30Aの法線方向から平面視したときの平面図である。図25では、主面30Aと垂直な4個の面である断面J1~J4が示されている。また、図25において、リード16の中心を「中心16C」と称する。断面J1~断面J4の各々は、中心16Cおよび直交箇所11を通る。
図26は、断面J1~J4のいずれかの断面における半田付け部8などの断面図である。図26の例では、主に、リード16と、半田付け部8と、リード型部品19と、スルーホール30Bが形成された基板30とが示されている。リード16は、スルーホール30Bにおいて、基板30を貫通する。基板30の主面30A、スルーホール30Bの内部、および基板30の裏面に亘って、銅箔17が形成されている。本実施の形態の「銅箔17が形成された基板30」は、本開示の「第1部材」に対応し、本実施の形態の「リード16」は、本開示の「第2部材」に対応する。また、本実施の形態の「銅箔17の主面17A」は、本開示の「第1面」に対応し、本実施の形態の「リード16の側面16A」は、「第2面」に対応する。
なお、半田付け部8のプロファイルデータの生成から、半田付け部8の検査結果の表示までの処理は、実施の形態1と同一である。また、のど厚Tの算出の方法として、第2の方法が用いられる場合には、投射角θは、たとえば、π/4に設定される。
図27は、検査部106の検査結果が「合格」である場合の表示画面の一例である。図27を参照して、検査結果が「合格」である場合には、検査部106は、対象物画像242と、該対象物画像242に対応づけて合格画像244とをディスプレイ24に表示する。対象物画像242は、リード16と半田付け部8との画像である。なお、対象物画像242は、基板30の画像を含むようにしてもよい。
図28は、検査部106の検査結果が「不合格」である場合の表示画面の一例である。図28を参照して、検査結果が「不合格」である場合には、検査部106は、不合格画像246をディスプレイ24に表示する。
図29は、図27で説明した合格と判定された検査対象物を示す対象物画像242と、複数の交点13(図22参照)と、複数の交点13を結んだ第1線15とが三次元的に示された図である。図30は、図28で説明した不合格と判定された検査対象物を示す対象物画像242と、複数の交点13(図22参照)と、複数の交点13を結んだ第1線15とが三次元的に示された図である。
図31は、半田付け部8が合格である場合の平面画像であり、図32は、半田付け部8が不合格である場合の平面画像である。図31の例では、第1領域画像281は、右上がり斜線のハッチングで表示されており図32の例では、第1領域画像281は、右下がり斜線のハッチングで表示されている。
なお、図27~図32の各々の図面は、図9、図10、図15、図16、図20、図21に対応する。
実施の形態4.
実施の形態1または実施の形態2では、第2部材が、「コンデンサ9」である構成を説明した。実施の形態4は、第2部材が「リード」である構成を説明する。
図33は、本実施の形態の検査装置100の検査対象の半田付け部8の斜視図である。図33の例では、主面30Aを有する基板30と、リード16の一部と、半田付け部8とが示されている。主面30Aには、平坦状の銅箔17が形成されている。リード16は、銅箔17の主面17A(図35参照)上において、銅箔17に半田付けされる。
図34は、リード16および半田付け部8を、主面30Aの法線方向から平面視したときを示す図である。図34では、主面17Aと垂直な5個の面である断面J1~J5が示されている。断面J1~断面J5の各々は、直交箇所11(図35参照)を通る。
図35は、断面J3における半田付け部8の断面図の一例である。なお、図33は、図35の一点鎖線で囲まれた部分の斜視図である。実施の形態4の検査対象物は、表面実装型ガルウィングリード部品(以下、「ガルウィングリード部品」とも称する)に形成された半田付け部8である。ガルウィングリード部品として、たとえば、SOP(Small Outline Package)、または、QFP(Quad Flat Package)のようなパッケージ形状が広く用いられている。
図35には、実装型部品21と、基板30と、銅箔17と、リード16と、半田付け部8とが示されている。銅箔17は、基板30上に形成される。リード16の一端は、実装型部品21に接続され、リード16の他端は銅箔17で半田付けされる。また、リード16の端面16Bの最上位置からランド端27までの補助線47が示されている。
本実施の形態の「銅箔17が形成された基板30」は、本開示の「第1部材」に対応し、本実施の形態の「リード16」は、本開示の「第2部材」に対応する。また、本実施の形態の「銅箔17の主面17A」は、本開示の「第1面」に対応し、本実施の形態の「リード16の側面16A」は、「第2面」に対応する。また、交点13から主面17Aに引いた垂線の足13Sが示されている。
半田付け部8のプロファイルデータの生成から、半田付け部8の検査結果の表示までの処理は、実施の形態1と同一である。また、本実施の形態では、上述の第2の方法(図14参照)を用いる例を説明する。
投射角θは、どのような角度であってもよいが、たとえば、主面17Aと、補助線47とがなす角度θなどとしてもよい。たとえば、投射角θは、π/6とされる。
図36は、検査部106の検査結果が「合格」である場合の表示画面の一例である。図36を参照して、検査結果が「合格」である場合には、検査部106は、対象物画像242と、該対象物画像242に対応づけて合格画像244とをディスプレイ24に表示する。対象物画像242は、リード16と半田付け部8などの画像である。なお、対象物画像242は、基板30の画像を含むようにしてもよい。
図37は、検査部106の検査結果が「不合格」である場合の表示画面の一例である。図37を参照して、検査結果が「不合格」である場合には、検査部106は、不合格画像246をディスプレイ24に表示する。
図38は、図36で説明した合格と判定された検査対象物を示す対象物画像242と、複数の交点13(図35参照)と、複数の交点13を結んだ第1線15とが二次元的に示された図である。
図39は、図37で説明した不合格と判定された検査対象物を示す対象物画像242と、複数の交点13(図35参照)と、複数の交点13を結んだ第1線15とが二次元的に示された図である。
ここで、ガルウィングリード部品では、リード16の端面16Bの高さは、直交箇所11からランド端27までの長さと比較して小さい。したがって、第1線15は、リード16の端面16B付近に形成されることから、リード16の端面16Bから第1線15までの距離L1は短くなる。よって、ユーザはこの距離L1の長短の判別が困難となる。
そこで、本実施の形態では、検査部106は、リード16から第1線15までの距離よりも長い距離となるように第2線151を算出し、この第2線151の画像をディスプレイ24に表示する。
以下では、第1線15を構成する複数の交点13の各々を、「第1交点13」とも称する。図38では、5つの第1交点13のうちの中央の交点13と、リード16との距離L1が示されている。検査部106は、リード16から5個の第1交点13の各々までの距離に対して係数Pを乗算することにより新たな距離L2を算出する。検査部106は、複数の第1交点13の各々において、リード16からの距離が新たな距離L2となる複数の第2交点131を算出する。検査部106は、該複数の第2交点131を結んだ第2線151の画像を生成する。そして、検査部106は、第1線15の画像を表示せずに、第1領域画像281と、第2領域画像282と、第2線151の画像とをディスプレイ24に表示する。このように、検査部106は、第2線151の画像を表示することにより、のど厚の全体的な大きさをユーザに認識させることができる。
図40は、図38で説明した画像を三次元的に表示した画像であり、図41は、図39で説明した画像を三次元的に表示した画像である。このように、第2線151などの画像を三次元的に表示したとしても、のど厚の全体的な大きさをユーザに認識させることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 プリント基板、2 搬送コンベア、3 計測装置、4 駆動装置、5 駆動制御装置、6 演算装置、7 タッチパネル、8 半田付け部、9 コンデンサ、10 プロファイル、11 直交箇所、12 投射線、15 第1線、16 リード、17 銅箔、19 リード型部品、21 実装型部品、22 コントローラ、24 ディスプレイ、26 操作部、27 ランド端、30 基板、30B スルーホール、32 メモリ、38 プロセッサ、47 補助線、100 検査装置、102 生成部、104 算出部、106 検査部、151 第2線、242 対象物画像、244 合格画像、246 不合格画像、281 第1領域画像、282 第2領域画像、302 第1領域データ、312 モデルデータ。

Claims (13)

  1. 主面を有する第1部材と、前記主面に溶接される第2部材との溶接部分を検査する検査装置であって、
    前記検査装置は、
    前記溶接部分の形状を計測する計測装置と、
    演算装置と、
    出力装置とを備え、
    前記演算装置は、
    前記主面と垂直な複数の面の各々における前記溶接部分の断面ののど厚を特定し、
    前記複数ののど厚に基づいた前記溶接部分の検査結果を前記出力装置に出力させ、
    前記複数の面の各々における前記溶接部分の断面ののど厚がなす線と、該溶接部分の表面とが交わる複数の交点を特定し、
    前記溶接部分を前記主面の法線方向から平面視した場合の領域のうち、前記複数の交点を結ぶ第1線と前記第2部材とにより囲まれる第1領域に基づいて、前記溶接部分が合格および不合格のいずれであるかを判断する、検査装置。
  2. 主面を有する第1部材と、前記主面に溶接される第2部材との溶接部分を検査する検査装置であって、
    前記検査装置は、
    前記溶接部分の形状を計測する計測装置と、
    演算装置と、
    表示装置とを備え、
    前記演算装置は、
    前記主面と垂直な複数の面の各々における前記溶接部分の断面ののど厚を特定し、
    前記複数の面の各々における前記溶接部分の断面ののど厚がなす線と、該溶接部分の表面とが交わる複数の交点を特定し、
    前記複数ののど厚に基づいた前記溶接部分の検査結果と、前記第2部材の画像と、前記溶接部分の画像と、前記複数の交点を結ぶ第1線の画像とを前記表示装置に表示させる、検査装置。
  3. 主面を有する第1部材と、前記主面に溶接される第2部材との溶接部分を検査する検査装置であって、
    前記検査装置は、
    前記溶接部分の形状を計測する計測装置と、
    演算装置と、
    表示装置とを備え、
    前記演算装置は、
    前記主面と垂直な複数の面の各々における前記溶接部分の断面ののど厚を特定し、
    前記複数の面の各々における前記溶接部分の断面ののど厚がなす線と、該溶接部分の表面とが交わる前記複数の第1交点を特定し、
    前記第2部材からの距離が、前記第2部材から前記複数の第1交点の各々までの距離に対して1より大きい係数を乗算することにより算出される距離となる前記複数の第2交点を特定し、
    前記複数ののど厚に基づいた前記溶接部分の検査結果と、前記第2部材の画像と、前記溶接部分の画像と、前記複数の第2交点を結ぶ第2線の画像とを前記表示装置に表示させる、検査装置。
  4. 前記演算装置は、
    前記複数ののど厚の各々を算出し、
    前記複数ののど厚と、該複数ののど厚の各々に対応する範囲とを比較し、
    前記範囲内ののど厚の数が基準値以上である前記溶接部分を合格と判断し、
    前記範囲外ののど厚の数が前記基準値未満である前記溶接部分を不合格と判断する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の検査装置。
  5. 前記第2部材は、前記主面と直交するように溶接され、
    前記演算装置は、前記直交する箇所から前記溶接部分の表面までの距離のうち最小の距離をのど厚として算出する、請求項4に記載の検査装置。
  6. 前記第2部材は、前記主面と直交するように溶接され、
    前記直交する箇所における前記主面と角度θをなす線と前記溶接部分の表面との交点と、前記直交する箇所との距離をのど厚として算出する、請求項4に記載の検査装置。
  7. 前記角度θは、前記溶接部分の形状に応じて定まる値である、請求項6に記載の検査装置。
  8. 前記演算装置は、前記第1線と前記第2部材とにより囲まれる第1領域を示す第1領域画像と、前記第2部材を示す第2領域画像とを異なる態様で前記表示装置に表示させる、
    請求項2に記載の検査装置。
  9. 前記溶接部分は、半田により溶接された部分であり、
    前記第1部材は、基板であり、
    前記第2部材は、電子部品である、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の検査装置。
  10. 請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の検査装置で用いられる演算装置。
  11. 主面を有する第1部材と、前記主面に溶接される第2部材との溶接部分を検査する検査方法であって、
    前記主面と垂直な複数の面の各々における前記溶接部分の断面ののど厚を特定するステップと、
    前記複数ののど厚に基づいた前記溶接部分の検査結果を出力装置に出力させるステップと、
    前記複数の面の各々における前記溶接部分の断面ののど厚がなす線と、該溶接部分の表面とが交わる複数の交点を特定するステップと、
    前記溶接部分を前記主面の法線方向から平面視した場合の領域のうち、前記複数の交点を結ぶ第1線と前記第2部材とにより囲まれる第1領域に基づいて、前記溶接部分が合格および不合格のいずれであるかを判断するステップと、を備える、検査方法。
  12. 主面を有する第1部材と、前記主面に溶接される第2部材との溶接部分を検査する検査方法であって、
    前記主面と垂直な複数の面の各々における前記溶接部分の断面ののど厚を特定するステップと、
    前記複数の面の各々における前記溶接部分の断面ののど厚がなす線と、該溶接部分の表面とが交わる複数の交点を特定するステップと、
    前記複数ののど厚に基づいた前記溶接部分の検査結果と、前記第2部材の画像と、前記溶接部分の画像と、前記複数の交点を結ぶ第1線の画像とを表示装置に表示させるステップと、を備える、検査方法。
  13. 主面を有する第1部材と、前記主面に溶接される第2部材との溶接部分を検査する検査方法であって、
    前記主面と垂直な複数の面の各々における前記溶接部分の断面ののど厚を特するステップと、
    前記複数の面の各々における前記溶接部分の断面ののど厚がなす線と、該溶接部分の表面とが交わる前記複数の第1交点を特定するステップと、
    前記第2部材からの距離が、前記第2部材から前記複数の第1交点の各々までの距離に対して1より大きい係数を乗算することにより算出される距離となる前記複数の第2交点を特定するステップと、
    前記複数ののど厚に基づいた前記溶接部分の検査結果と、前記第2部材の画像と、前記溶接部分の画像と、前記複数の第2交点を結ぶ第2線の画像とを表示装置に表示させるステップと、を備える、検査方法。
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