JP7496782B2 - 土留構造構築用治具及び土留構造の構築方法 - Google Patents

土留構造構築用治具及び土留構造の構築方法 Download PDF

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本発明は、複数の土留部材を接続して構築される土留構造構築用治具及びそれ用いた土留構造の構築方法に関する。
従来、構造物の基礎を構築するための立坑、地中に構築される集水井、斜面の擁壁などの土留構造は、地盤を堰き止めるために、例えば波付き鋼板で構成された土留部材(ライナープレートとも称する)を設置し、複数の土留部材を接続して環状(平面視において円形、楕円形、又は小判形など)又は馬蹄形(U字形)に土留構造を形成して構成される。
例えば、土留構造を立坑に設置する際には、地盤面を浅く掘り下げて形成した掘削穴の内部に、複数の土留部材を環状に連結して構成された最上段の環状体が掘削穴の内壁面を覆うように形成される。その後、環状に設置された最上段の土留部材の下方にさらに土留部材を連結する。そして、掘削穴をさらに掘り下げつつ、土留部材は掘削穴の内壁面を覆うように順次上部の環状体に連結される。このような土留構造の複数の土留部材は、波付き鋼板などで形成されており、それぞれが軽量であり、山間部等の大型の重機が使用できない現場においても施工が容易であるという利点がある(例えば、特許文献1参照)。
上記の土留構造を用いた立坑を構築する際、立坑を掘り下げていく度に、上から下へと掘削穴の壁面に沿って複数の土留部材を連結していく。土留部材の端縁は、フランジによって囲まれており、複数の孔が形成されている。複数の孔にはボルト又はクリップ状の連結金具が挿通され、上下2つの土留部材のフランジ同士が連結される。
特開2002-295170号公報
しかし、特許文献1に開示された土留構造を構築する場合、例えばフランジ同士を突き合わせて接合するにあたって孔にボルトを通し、ボルト及びナットを締結する必要がある。ボルトを孔に通しナットをボルトに螺合させて締結する作業は、作業者の手で行われ、土留部材のフランジを突き合わせた状態を保持しながら行う。このとき、作業者は、ボルト及びナットを設置するにあたり両手を使用することができず、作業が困難であるという課題があった。
また、作業者が土留部材にボルト及びナットを設置するために、土留部材を吊り上げる、ジャッキで持ち上げるなどの作業が必要となるか、又は複数の作業者で作業を行う必要があった。そのため、重機を持ち込むことのできない山間部等に土留構造を設置する場合や、立坑の内径が小さい場合には、土留構造の設置が困難であるという課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するものであり、土留構造の構築を容易にする土留構造構築用治具及び土留構造の構築方法を提供するものである。
本発明に係る土留構造構築用治具は、端縁にフランジ部が形成されている複数の土留部材を連結して形成される土留構造を構築する際に前記フランジ部に形成された連結孔の位置を合わせ、かつ前記フランジ部を重ねた状態で保持する土留構造構築用治具であって、前記連結孔に挿入される突出部が形成された第1挟持部が先端に設けられた固定片と、前記固定片にリンクを介して揺動自在に取り付けられたレバー部と、前記固定片に回動自在にとりつけられ、前記突出部が挿入される凹部が形成された第2挟持部が先端に設けられ、前記レバー部の揺動に連動して前記第2挟持部が前記第1挟持部に対し離合するように構成された可動片と、を備え、前記第1挟持部は、前記突出部の外周面から外側に張り出すように形成された鍔部を更に備え、前記第2挟持部は、前記凹部の周囲に形成された平坦面を更に備え、前記鍔部の端面と前記平坦面とは、前記レバー部と前記固定片とを最も近づけた状態において、所定の距離をもって対向する。
本発明に係る土留構造の構築方法は、上記の土留構造構築用治具を用いた土留構造の構築方法であって、土留構造を構成する第1土留部材の下端に形成されている下フランジ部に形成された前記連結孔に前記土留構造構築用治具の前記突出部を挿入する挿入工程と、前記第1土留部材の下方に位置し前記第1土留部材に連結される第2土留部材の上端に形成されている上フランジ部を前記土留構造構築用治具の前記第2挟持部に載置する載置工程と、前記土留構造構築用治具の前記レバー部を前記固定片に近接させて、前記第1土留部材の前記下フランジ部と前記第2土留部材の前記上フランジ部とを当接させる当接工程と、を備える。
本発明によれば、土留部材のフランジ部の連結孔を用いて土留部材同士の位置決めをしつつ、下側に位置する第2土留部材のフランジ部を上側に位置する第1土留部材のフランジ部に引き上げ、当接させることができる。そして、そのまま土留部材のフランジ部同士を突き合わせた状態で仮固定をすることもできるため、作業者は、土留部材を保持しながら容易に土留部材同士を仮固定でき、ボルト及びナットなどの連結部材を用いて連結する作業を容易に行うことができる。
実施の形態1に係る土留構造80の斜視図である。 実施の形態1に係る土留構造80の平面図(a)及び側面図(b)である。 実施の形態1に係る土留構造80を構成する土留部材50の一例の斜視図である。 図2(b)のB部を拡大した模式図である。 実施の形態1に係る土留構造構築用治具100の正面図(a)及び上面図(b)である。 図5(a)のハンドバイス部60の先端の断面構造の説明図である。 実施の形態1に係る土留構造構築用治具100の固定片61の先端に取り付けられている第1挟持部10の構造の説明図である。 実施の形態1に係る土留構造構築用治具100の可動片62の先端に取り付けられている第2挟持部20の構造の説明図である。 実施の形態1に係る土留構造構築用治具100を用いて2つの土留部材50aと50bとを仮固定した状態の説明図である。 実施の形態1に係る土留構造構築用治具100により下側の土留部材50bを上側の土留部材50aに向かって引き上げる工程の説明図である。
以下、実施の形態に係る土留構造構築用治具及び土留構造の構築方法について図面を参照しながら説明する。なお、図1を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係及び形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。また、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば、上、下、左、右、前、後、表及び裏等)を適宜用いるが、それらの表記は、説明の便宜上の記載であり、装置、器具、あるいは部品等の配置、方向及び向きを限定するものではない。
実施の形態1.
(土留構造80)
図1は、実施の形態1に係る土留構造80の斜視図である。図2は、実施の形態1に係る土留構造80の平面図(a)及び側面図(b)である。図3は、実施の形態1に係る土留構造80を構成する土留部材50の一例の斜視図である。図1~図3を用いて土留構造80について説明する。土留構造80は、例えば構造物の基礎を構築するための立坑又は地中に構築される集水井等の土木構造物であって、地盤92を掘削して形成された縦穴90に構築されるものである。
土留構造80は、まず地盤92を浅く掘削して形成された縦穴90に環状体40Aを設置し、その後縦穴90を掘り進めるごとに環状体40Aの下方に他の環状体40Bを形成し、下方に伸ばすようにして構築されるものである。環状体40A及び環状体40Bは、複数の土留部材50の長手方向の端縁に形成されている縦フランジ部53同士を突き合わせて形成された周方向連結部81に連結部材89(図9参照)を取り付けて連結する。連結部材89は、例えばボルト及びナット、又はフランジを挟みこんで連結するクリップ状の連結金具などが用いられる。
(土留部材50)
図3に示されるように、土留部材50は、波付き部57の端縁に、下フランジ部51a、上フランジ部51b、縦フランジ部53a及び53bと、を備える。下フランジ部51a及び上フランジ部51bのそれぞれは、z方向に垂直な面を有し、その先端縁56がθ方向に沿って延びる。θ方向は、z軸周りの回転方向である。縦フランジ部53a及び53bは、θ方向に垂直な面を有し、その先端縁がz方向に沿って延びる。なお、下フランジ部51aと上フランジ部51bとをまとめて横フランジ部51と称する。また、縦フランジ部53a及び53bをまとめて、縦フランジ部53と表示する場合がある。さらに、横フランジ部51と縦フランジ部53とをまとめて、フランジ部と称する場合がある。また、θ方向を第1方向と称し、z方向を第2方向とも称する。
図3に示されている土留部材50の波付き部57は、長手方向に垂直な断面においてサインカーブ状の波形が付されている。図3に示される土留部材50は、サインカーブ状の波形が付されており、地山側からの土圧による荷重に対抗することができる。波付き部57は、波形が付されていることにより、単純な平板状の断面形状に形成されるよりもr方向に掛かる荷重に対する強度及び剛性が高い。r方向は、径方向であり、θ方向及びz方向に垂直な方向である。r、θ及びzは、z軸を中心とする円筒座標系を構成している。
図3において波付き部57は、サインカーブ状に形成されているが、断面形状が矩形波状に形成されていても良いし、その他の形状に構成されていても良い。特に波付き部57がサインカーブ状に形成されているものはライナープレートと呼ばれる場合がある。なお、土留部材50は、ライナープレートのみに限定されるものではない。
土留部材50の上フランジ部51bには、連結孔55が複数形成されている。複数の連結孔55は、上フランジ部51bをz方向に貫通し、θ方向に等間隔に設けられている。下フランジ部51aも上フランジ部51bと同様に連結孔55が複数形成されている。実施の形態1においては、下フランジ部51a及び上フランジ部51bにそれぞれ10個の連結孔55が形成されている。土留部材50の下フランジ部51aは、他の土留部材50の上フランジ部51bと突き合わされ、連結孔55の位置が合うように調整される。複数の連結孔55の間隔は、等ピッチになるように配置されており、下フランジ部51aと上フランジ部51bとは、互いの連結孔55の位置を合わせた状態で連結部材89が挿通されることにより連結される。
土留部材50のθ方向の両端には縦フランジ部53が形成されており、それぞれ連結孔54が形成されている。連結孔54は、波付き部57の形状に合わせて設けられており、土留部材50が縦穴90に設置された状態で内側からボルトを挿通することができるように構成されている。土留部材50は、縦フランジ部53aを他の土留部材50の縦フランジ部53bと突き合わせた状態で、連結孔54に連結部材89を挿通させることにより連結される。
図4は、図2(b)のB部を拡大した模式図である。図4において環状体40Aの下方に環状体40Bを構築する方法について説明する。上部の構造に環状体40Aが固定された後、環状体40Aを構成する土留部材50Aの下端に形成された下フランジ部51aに、土留部材50Bの上端に形成された上フランジ部51bが突き合わされる。土留部材50Aの下フランジ部51aに形成されている連結孔55と土留部材50Bの上フランジ部51bの連結孔55とは、位置を合わせて仮固定される。また、土留構造80の周方向(θ方向)において土留部材50Bに隣り合って土留部材50Cが配置されており、土留部材50Cの上フランジ部51bも土留部材50Aの下フランジ部51aに突き合わされ、連結孔55の位置を合わせて仮固定される。さらに、土留部材50Bの縦フランジ部53aと土留部材50Cの縦フランジ部53bとは、θ方向に突き合わされて仮固定される。実施の形態1において、土留部材50Aの下方に土留部材50B及び50Cを仮固定する際には、土留構造構築用治具100(図5参照)を用いて仮固定する。なお、上側に位置する土留部材50Aを第1土留部材50aと呼ぶ場合がある。また、第1土留部材の下方に接続される土留部材50B及び50Cを第2土留部材50bと呼ぶ場合がある。
環状体40Aの土留部材50Aの周方向に隣り合って土留部材50B及び土留部材50Cが連結されている。土留部材50Aの下方に仮固定された土留部材50Bは、環状体40Aを構成する土留部材50Cにも仮固定される。また、土留部材50Aの下方に仮固定された土留部材50Cは、環状体40Aを構成する土留部材50Bにも仮固定される。環状体40Aの下方に仮固定された土留部材50B及び50Cは、ボルト及びナット又はクリップ状の連結金具などの連結部材89を用いて、上下方向及び周方向に連結される。
なお、環状体40Aと環状体40Bとは、上下方向に連結されており、環状体40Aの周方向連結部81と、環状体40Aの下方に連結されている環状体40Bの周方向連結部81とは、土留構造80の周方向(図2(a)のθ方向)にずれて配置されている。θ方向にずらす量は、例えば土留部材50のθ方向の全長の約1/2の長さである。つまり、環状体40Bの周方向連結部81は、環状体40Aを構成する複数の土留部材50の中間部の下方に接続されている。土留構造80は、各環状体70ごとに周方向連結部81をずらして配置されていることにより、周方向における各部分における強度及び剛性が平均化するように構成されている。ただし、上下に配置されている複数の土留部材50をθ方向にずらす量は、θ方向の長さの半分に限定されず、横フランジ部51に設けられた複数の連結孔55のピッチの分だけずらすこともできる。例えば、図3の土留部材50は、横フランジ部51に10個の連結孔55が形成されているが、上の土留部材50Aに対し下の土留部材50の連結孔55を1~5ピッチ分ずらして接続しても良い。
(土留構造構築用治具100)
図5は、実施の形態1に係る土留構造構築用治具100の正面図(a)及び上面図(b)である。図6は、図5(a)のハンドバイス部60の先端の断面構造の説明図である。ハンドバイス部60は、固定片61、可動片62、レバー部63、解除レバー65、及びリンク68を備える。固定片61の先端には、第1挟持部10が取り付けられており、可動片62の先端には第2挟持部20が取り付けられている。第1挟持部10と第2挟持部20とは、図5(a)及び図6に示されるように、ハンドバイス部60が閉じられた状態において、近接して位置し、第1挟持部10の突出部12が第2挟持部20の凹部22に進入するように構成されている。固定片61の把持部64aとレバー部63の把持部64bとが作業者の手により握られたときに、第1挟持部10と第2挟持部20とが近づく。そして、第1挟持部10と第2挟持部20とは、上側の土留部材50の下フランジ部51aと下側の土留部材50の上フランジ部51bとを挟み込む。土留構造構築用治具100は、下側の土留部材50を上側の土留部材50に仮固定し、ぶら下げた状態にするものである。
可動片62は、略L字形状に形成されており、軸71により一方の端部62aが固定片61に軸着され、固定片61に対し回動自在に構成されている。レバー部63は、可動片62の屈曲部62bに軸72により一方の端部63aが取り付けられている。また、レバー部63は、リンク68を介して固定片61に揺動自在に取り付けられている。リンク68とレバー部63とは、作業者が手で握る部分である把持部64bと端部63aとの間において軸73により軸着され、互いに回動自在に取り付けられている。リンク68は、固定片61の把持部64a近傍で軸74により回動自在に取り付けられている。このような構成により、可動片62の先端の第2挟持部20は、レバー部63の把持部64bが固定片61の把持部64aから離れたときに第1挟持部10から離れ、把持部64bと把持部64aとが近づいたときに第1挟持部10に近づくように構成されている。つまり、可動片62は、固定片61に対するレバー部63の揺動に連動して揺動し、第1挟持部10と第2挟持部20とが離合するように構成されている。換言すると、固定片61の先端と可動片62の先端との開閉は、固定片61の把持部64aとレバー部63の把持部64bとの開閉と連動している。
固定片61、可動片62、レバー部63、及びリンク68は、軸71、72、73及び74によりリンク機構を形成しており、ハンドバイス部60は、把持部64aと64bとを握って近づけた状態において各部が相対移動しないようにロックされる。これにより、第1挟持部10と第2挟持部20との間にフランジ部51a及び51bとを挟んだまま保持することができる。仮固定を解除する場合には、解除レバー65を引き上げることによりリンク68とレバー部63とを相対回転させて、容易にロックを解除することができる。
ハンドバイス部60の固定片61及び可動片62は、先端に雌ねじ部31が設けられており、ボルト30が螺合するように形成されている。ボルト30には雌ねじ部31の他にナット33が螺合しており、雌ねじ部31とナット33とによりダブルナットが構成されている。ボルト30は、先端部の雌ねじ部31からの突出量が調整された状態でダブルナットにより固定される。
図5及び図6に示すように、固定片61の先端に取り付けられたボルト30aの先端部32aは、雌ねじ部31aから可動片32に向かって突出している。ボルト30aの先端部32aには、第1挟持部10が螺合している。また、可動片62の先端に取り付けられたボルト30bの先端部32bは、雌ねじ部31bから固定片61に向かって突出している。ボルト30bの先端部32bには、第2挟持部20が螺合している。ハンドバイス部60が閉じられたときの第1挟持部10の鍔部11の端面11aと第2挟持部20の平坦面21との距離は、第1挟持部10又は第2挟持部20をボルト30に対し回転させることにより調整自在となっている。第1挟持部10の鍔部11の端面11aは、突出部12が突出する方向を向いた面である。
図7は、実施の形態1に係る土留構造構築用治具100の固定片61の先端に取り付けられている第1挟持部10の構造の説明図である。図7(a)は断面図であり、図7(b)は側面図、図7(c)は底面図である。第1挟持部10は、根元側に鍔部11が突出部12の外周面に対し外側に張り出すように形成されている。鍔部11の中央部から突出部12が突出している。突出部12の根元には円筒面を有する位置決め部15が形成されている。突出部12の先端部13は、先端に向かうに従い外径が小さくなるテーパー面からなる。第1挟持部10は、先端部13がテーパー面であることによりフランジ部51の連結孔55に挿入し易い。
また、鍔部11と先端部13との間には円筒面を有する位置決め部15が配置されており、円筒面は、連結孔55に挿入された状態で、第1挟持部10と連結孔55との位置関係を精度良く決定することができる。位置決め部15の円筒面は、土留部材50のフランジ部51を2つ重ねた厚さ寸法よりも大きく形成されている。そのため、2つの土留部材50のフランジ部51に形成された連結孔55に位置決め部15の円筒面を挿通することにより、2つの土留部材50の水平方向の位置を合わせることができる。
鍔部11の端面11aは、位置決め部15がフランジ部51の連結孔55に挿通された状態で、フランジ部51の連結孔55の周辺の平面部58に当接する。なお、鍔部11は、図7(c)に示すように円形に限定されるものではない。また、鍔部11の端面11aは、平面に限定されるものではない。鍔部11は、例えばスリットが形成されていたり、端面11aに凹凸が形成されていても良い。
第1挟持部10は、略円筒形状に形成されており、中心軸に沿って貫通孔が形成され、貫通孔の内面には雌ねじ14が形成されている。雌ねじ14は、ハンドバイス部60の固定片61の先端に取り付けられたボルト30aの先端部32aに螺合する。
図8は、実施の形態1に係る土留構造構築用治具100の可動片62の先端に取り付けられている第2挟持部20の構造の説明図である。図8(a)は平面図であり、図8(b)は側面図、図8(c)は断面図である。第2挟持部20は、略円筒形状に形成されており、第1挟持部10を向いた端面の中央部に凹部22が形成されている。凹部22は、第1挟持部10を向いた端面である平坦面21から所定の深さに形成され、第1挟持部10の突出部12が進入できるように構成されている。実施の形態1においては、凹部22の側面22bは、第1挟持部10の位置決め部15の円筒面の外径よりも大きく形成されている。
凹部22の底部22aの中央部には貫通孔が形成され、貫通孔の内面には雌ねじ24が形成されている。雌ねじ24は、ハンドバイス部60の可動片62の先端に取り付けられたボルト30bの先端部32bに螺合する。
凹部22の周囲には平坦面21が形成されている。平坦面21は、第1挟持部10の鍔部11の端面11aと対向し、フランジ部51を重ねた状態で保持するためのものである。なお、平坦面21は、平面に限定されず、フランジ部51と当接し2つのフランジ部を重ねた状態に保持できれば、例えば凹凸が形成されていても良い。
図9は、実施の形態1に係る土留構造構築用治具100を用いて2つの土留部材50aと50bとを仮固定した状態の説明図である。図9は、ハンドバイス部60の先端部分及び土留部材50a及び50bを断面構造で示している。土留構造構築用治具100は、作業者がハンドバイス部60の把持部64a及び64bを互いに近づけるように把持することにより、第1挟持部10と第2挟持部20とが近づく。図9に一点鎖線で示されているのは、把持部64a及び64bが開いた状態であり、第1挟持部10及び第2挟持部20も開いた状態である。把持部64a及び64bと第1挟持部10及び第2挟持部20とは、リンク機構により連動して揺動する。
第1挟持部10の鍔部11の端面11aと第2挟持部20の平坦面21との間の距離は、ハンドバイス部60が閉じられた状態においてフランジ部51a及び51bを挟んで保持できるように調整することができる。また、フランジ部51a及び51bを挟んで保持した状態において、突出部12の突出寸法及び凹部22の深さ寸法は第1挟持部10の突出部12の先端面が第2挟持部20の凹部22の底部22aに当たらないように、設定されている。
図10は、実施の形態1に係る土留構造構築用治具100により下側の土留部材50bを上側の土留部材50aに向かって引き上げる工程の説明図である。土留構造80は、上記のように、すでに設置された上側の土留部材50aの下フランジ部51aに土留部材50bを順次連結することにより形成される。土留構造構築用治具100は、上側の土留部材50aのフランジ部51aの連結孔55に第1挟持部10を設置し、可動片62の先端に設置された第2挟持部20に下側の土留部材50bのフランジ部51aを載置し引き上げることができる。下側の土留部材50bのフランジ部51bを引き上げつつ、土留部材50bの連結孔55が第1挟持部10の突出部12に嵌りこむことにより、土留部材50aの連結孔55と土留部材50bの連結孔55との位置が合う。
土留構造の構築方法は、まず、土留構造80を構成する第1土留部材50aの下端に形成されている下フランジ部51aに形成された連結孔55に、土留構造構築用治具100の第1挟持部10の突出部12を挿入する挿入工程が行われる。このとき、ハンドバイス部60は、把持部64a及び64bが開いた状態になっている。
次に、第1土留部材50aの下方に位置し第1土留部材50aに連結される第2土留部材50bの上端に形成されている上フランジ部51bを土留構造構築用治具100の第2挟持部20に載置する載置工程が行われる。作業者は、土留構造構築用治具100を第1土留部材50aの連結孔55に引っ掛けて設置した状態で、第2土留部材50bを持ち上げてフランジ部51bの連結孔55の周辺部を第2挟持部20の上に載置する。第2土留部材50bのフランジ部51bを第2挟持部20の上に載置し、作業者は、一方の手で土留構造構築用治具100の把持部64a及び64bを保持し、他方の手で第2土留部材50bを保持する。
第2土留部材50bのフランジ部51bを第2挟持部20の上に載置した状態で、作業者は、土留構造構築用治具100のレバー部63の把持部64bを固定片61の把持部64aに近接させる。これにより、第2土留部材50bの上フランジ部51bは、上方に引き上げられる。載置工程において、第2土留部材50bの上フランジ部51bの連結孔55は、第2挟持部20と概ね位置が合わされているため、第2土留部材50bが上方に引き上げられると、連結孔55に第1挟持部10の先端部13のテーパー面が入り込む。テーパー面は、載置工程において第2土留部材50bのフランジ部51bの連結孔55の位置がずれていても、突出部12の先端部13が連結孔55に挿入されるようにする効果を有する。そして、第2挟持部20が第1挟持部10にさらに近づいた状態になると、第2土留部材50bの連結孔55は、突出部12の位置決め部15の円筒面に嵌り、第1土留部材50aの連結孔55と位置が合う。位置決め部15の鍔部11からの高さは、フランジ部51を2枚重ねた厚さ寸法よりも大きくすることにより、連結孔55を位置決めする精度を確保している。以上の、第1土留部材50aと第2土留部材50bとの位置を合わせつつフランジ部51を重ねる工程を、当接工程と呼ぶ。
なお、実施の形態1においては、当接工程と同時又は当接工程の後に、作業者がレバー部63の把持部64bと固定片61の把持部64aとを近づく方向に握りこむことにより、固定片61、可動片62及びレバー部63とが相対移動しないように固定される。この工程を固定工程と呼ぶ。実施の形態1に係るハンドバイス部60は、固定片61、可動片62、レバー部63、及びリンク68を、軸71、72、73及び74により連結されトグル機構を構成し、固定片61、可動片62及びレバー部63の位置関係を固定でき、第1挟持部10と第2挟持部20とが離れないように保持できるが、図示されている構造のみに限定されない。例えば、把持部64a及び64bが開かないように固定する部材をはめ込んで、ハンドバイス部60の各部を固定しても良い。
以上の工程を経ることにより、第2土留部材50bは、上方に位置する第1土留部材50aの下フランジ部51aに仮固定される。上記の工程は、作業者が単独で2つのフランジ部51aと51bとを当接させて保持することを可能にし、作業者が土留構造構築用治具100から手を離した状態でも第1土留部材50aに第2土留部材50bを仮固定した状態が維持される。仮固定後に土留構造構築用治具100が設置されていない連結孔55に連結部材89を適用することにより、第1土留部材50aと第2土留部材50bとが連結される。
また、図3に示すような土留部材50を連結するにあたり、θ方向に間隔を置いて、少なくとも2箇所以上に土留構造構築用治具100を取り付けることにより、土留部材50は、上側の土留構造80に正確に位置合わせができる。また、土留構造構築用治具100は、把持部64a及び64bを握るだけで仮固定をすることができ、土留部材50の連結作業を迅速に行えるという利点がある。
以上の実施の形態においては、土留構造構築用治具100を土留部材50の横フランジ部51同士を重ねるように当接させて保持するために用いる工程について説明したが、土留構造構築用治具100は、2つの土留部材50の縦フランジ53同士を当接させて保持する際にも使用することができる。
図3に示される様に、土留部材50の縦フランジ部53には、連結孔54が形成されている。2つの隣合う土留部材50の縦フランジ部53同士を当接させ、それぞれの縦フランジ部53の連結孔54に第1挟持部10の突出部12を挿通させることにより、土留構造構築用治具100は、縦フランジ部53a及び53bを互いに位置決めすることができる。また、土留構造構築用治具100は、上記で説明した横フランジ51の仮固定と同様に、ハンドバイス部60の把持部64a及び64bを握り込むことにより第1挟持部10と第2挟持部20とが離れないように保持できる。これにより、土留構造構築用治具100は、縦フランジ部53a及び53bを重ねた状態で保持することができる。なお、土留部材50の横フランジ部51及び縦フランジ53を総称してフランジ部と称する場合がある。
また、以上の実施の形態においては、土留部材50としてライナープレートを例として説明しているが、土留部材50は、ライナープレートのみに限定されない。土留構造80は、フランジ部同士を連結して土留構造80を形成するライナープレート以外の波付き形状を有しかつフランジ部を有する鋼板又はフランジ部を有する鋼製土留めパネルを土留部材50として用いても良い。土留構造構築用治具100は、波付き部57の形態に拘わらずフランジ部に適用することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
10 第1挟持部、11 鍔部、11a 端面、12 突出部、13 先端部、14 雌ねじ、15 位置決め部、20 第2挟持部、21 平坦面、22 凹部、22a 底部、22b 側面、24 雌ねじ、30 ボルト、30a ボルト、30b ボルト、31 雌ねじ部、31a 雌ねじ部、31b 雌ねじ部、32 可動片、32a 先端部、32b 先端部、33 ナット、40A 環状体、40B 環状体、50 土留部材、50A 土留部材、50B 土留部材、50C 土留部材、50a (第1)土留部材、50b (第2)土留部材、50b 土留部材、51 (横)フランジ部51a (下)フランジ部、51b (上)フランジ部、53 縦フランジ部、53a 縦フランジ部、53b 縦フランジ部、54 連結孔、55 連結孔、56 先端縁、57 波付き部、58 平面部、60 ハンドバイス部、61 固定片、62 可動片、62a 端部、62b 屈曲部、63 レバー部、63a 端部、64a 把持部、64b 把持部、65 解除レバー、68 リンク、70 環状体、71 軸、72 軸、73 軸、74 軸、80 土留構造、81 周方向連結部、89 連結部材、90 縦穴、92 地盤、100 土留構造構築用治具。

Claims (9)

  1. 端縁にフランジ部が形成されている複数の土留部材を連結して形成される土留構造を構築する際に前記フランジ部に形成された連結孔の位置を合わせ、かつ前記フランジ部を重ねた状態で保持する土留構造構築用治具であって、
    前記連結孔に挿入される突出部が形成された第1挟持部が先端に設けられた固定片と、
    前記固定片にリンクを介して揺動自在に取り付けられたレバー部と、
    前記固定片に回動自在にとりつけられ、前記突出部が挿入される凹部が形成された第2挟持部が先端に設けられ、前記レバー部の揺動に連動して前記第2挟持部が前記第1挟持部に対し離合するように構成された可動片と、
    を備え、
    前記第1挟持部は、
    前記突出部の外周面から外側に張り出すように形成された鍔部を更に備え、
    前記第2挟持部は、
    前記凹部の周囲に形成された平坦面を更に備え、
    前記鍔部の端面と前記平坦面とは、
    前記レバー部と前記固定片とを最も近づけた状態において、所定の距離をもって対向する、土留構造構築用治具。
  2. 前記突出部の前記鍔部からの突出量は、
    前記フランジ部を重ねた厚さよりも大きい、請求項1に記載の土留構造構築用治具。
  3. 前記突出部の先端部は、
    先端から根元に向かって外径が大きくなるテーパー面が形成されている、請求項1又は2に記載の土留構造構築用治具。
  4. 前記先端部と前記鍔部との間に位置決め部を有し、
    前記位置決め部は、
    円筒面を有し、前記鍔部からの高さが前記フランジ部を重ねた厚さよりも大きい、請求項3に記載の土留構造構築用治具。
  5. 前記固定片と前記レバー部と前記可動片とは、
    前記レバー部と前記固定片とを最も近づけた状態において、相対的な位置関係が固定できるように構成されている、請求項1~4の何れか1項に記載の土留構造構築用治具。
  6. 前記第1挟持部及び前記第2挟持部の少なくとも一方は、
    前記固定片又は前記可動片の先端に取り付けられたねじに螺合しており、
    前記距離が調整自在に構成されている、請求項1~5の何れか1項に記載の土留構造構築用治具。
  7. 前記距離は、
    2つの前記土留部材のそれぞれの前記フランジ部を重ねた厚さ寸法以下に形成されている、請求項1~6の何れか1項に記載の土留構造構築用治具。
  8. 請求項1~7の何れか1項に記載の土留構造構築用治具を用いた土留構造の構築方法であって、
    土留構造を構成する第1土留部材の下端に形成されている下フランジ部に形成された前記連結孔に前記土留構造構築用治具の前記突出部を挿入する挿入工程と、
    前記第1土留部材の下方に位置し前記第1土留部材に連結される第2土留部材の上端に形成されている上フランジ部を前記土留構造構築用治具の前記第2挟持部に載置する載置工程と、
    前記土留構造構築用治具の前記レバー部を前記固定片に近接させて、前記第1土留部材の前記下フランジ部と前記第2土留部材の前記上フランジ部とを当接させる当接工程と、を備える、土留構造の構築方法。
  9. 前記当接工程と同時又は前記当接工程の後に、前記レバー部と前記固定片とを相対移動しないように固定する固定工程を備える、請求項8に記載の土留構造の構築方法。
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