JP7496458B2 - 情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、学習装置、学習方法および学習済モデル - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、学習装置、学習方法および学習済モデル Download PDF

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本発明は、欠陥の無い正常な検査対象物の画像データを用いて学習を行い、欠陥を有する異常な検査対象物を検出することを可能とする情報処理装置、学習装置、情報処理方法および情報処理プログラムと、当該学習時において行った学習方法および学習済モデルに関する。
従来、画像処理を用いて欠陥を有する異常な検査対象物を検出する技術が知られている。特に近年では、機械学習を応用させた技術の導入が進んでいる。機械学習を用いた欠陥検出技術については、例えば、特許文献1に記載されている。
特開2018-81629号公報
特許文献1には、機械学習を用いて対象物の画像に含まれるキズ部Df1の有無を判定することが可能な判定システム301が開示されている。判定システム301は、判定装置101と、蓄積装置131と、学習装置151とを備える。そして、蓄積装置131に蓄積された複数の画像のうち、キズ部Df1を含む対象物の画像である不良品画像Sngの500枚と、キズ部Df1を含まない対象物の画像である良品画像Sgの500枚とが選択され、これらが1枚ずつ63個の部分画像に分割される。また、部分画像にキズ部Df1が含まれる場合、キズ部Df1に対して軌跡Tr1が描画され、さらに軌跡Tr1の有無に関するラベル表示がなされる。次に、学習装置151は、当該複数の部分画像およびラベル表示を用いて機械学習する。さらに、機械学習が完了したモデルは、判定装置101に導入される。当該モデルに、画像データが入力されると、当該画像データにキズ部Df1が含まれるか否か判定され、判定結果が出力される。
しかしながら、欠陥を有する異常な検査対象物を検出するための機械学習を行う場合、少なくとも数千~数百万枚程度の多数の検査対象物の画像を、学習用データとして用いる必要がある。一方、工業製品の製造過程において、欠陥は頻繁に発生するものではなく、欠陥を有する検査対象物の画像を数千~数百万枚程度も取得することは現実的に難しい。また、欠陥の種類および状態は、未知のものを含めて多種多様であり、全ての種類および状態の欠陥を含む画像を取得することは、さらに難しい。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、容易に多数取得することが可能な、欠陥の無い正常な検査対象物の画像を用いて機械学習を行うことによって、欠陥を有する異常な検査対象物を検出することができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、割線を有する錠剤が撮像された画像の一部が隠された画像データから、前記隠された一部を復元する学習モデルを学習する画像復元部を有する学習装置であって、前記画像復元部は、前記割線を有し欠陥の無い正常な錠剤が斜め方向から撮像された複数の学習画像のそれぞれの一部が隠された画像データから、前記隠された一部が復元された復元画像を生成できるように、ディープラーニングにより学習し、前記割線は、錠剤のうちの前記割線が形成される割線面の中心を通り、前記割線面の両端まで真っ直ぐに延び、かつ、錠剤の側面に現れる前記割線の端部から、前記割線の位置を斜め方向から認識可能である。
本願の第2発明は、第1発明の学習装置であって、前記画像復元部は、前記画像データのうち、前記隠された一部の場所を順次に変更しながら、複数の前記復元画像を生成する。
本願の第3発明は、第2発明の学習装置であって、前記割線を有し欠陥の無い正常なものか或いは欠陥を有する異常なものか不明な錠剤が斜め方向から撮像された検査画像の一部が隠された画像データから、前記隠された一部が前記画像復元部によって復元された前記復元画像を、前記検査画像と比較することによって、錠剤が正常なものか異常なものかを判定する判定部をさらに有し、前記判定部は、前記復元画像と前記検査画像との差異が所定の許容値よりも大きい場合に、前記隠された一部の場所を前記欠陥の場所として決定する。
本願の第4発明は、第1発明から第3発明までのいずれか1発明の学習装置であって、前記画像復元部は、前記学習画像から特徴を抽出して潜在変数を生成するエンコード処理と、前記潜在変数から前記復元画像を生成するデコード処理と、を実行する。
本願の第5発明は、第4発明の学習装置であって、前記画像復元部は、前記学習において、畳み込みニューラルネットワークにより、前記エンコード処理および前記デコード処理を実行する。
本願の第6発明は、割線を有する錠剤が撮像された画像の一部が隠された画像データから、前記隠された一部を復元する学習モデルを学習する学習方法であって、前記割線を有し欠陥の無い正常な錠剤が斜め方向から撮像された複数の学習画像のそれぞれの一部が隠された画像データから、前記隠された一部が復元された復元画像を生成できるように、ディープラーニングにより学習する工程を有し、前記割線は、錠剤のうちの前記割線が形成される割線面の中心を通り、前記割線面の両端まで真っ直ぐに延び、かつ、錠剤の側面に現れる前記割線の端部から、前記割線の位置を斜め方向から認識可能である。
本願の第1発明~第6発明によれば、容易に多数取得することが可能な、割線を有し欠陥の無い正常な錠剤が斜め方向から撮像された画像の一部が隠された画像データを用いて機械学習を行うことによって、当該隠された一部が復元された復元画像を生成することが可能となる。そして、当該復元画像をもとの画像と比較することによって、錠剤が正常なものか異常なものかを判定することができる。これにより、錠剤における未知のものを含む多種多様な欠陥を高精度に検出することができる。また、割線を有する錠剤が斜め方向から撮像された画像を用いることによって、錠剤の表裏面のみでなく、錠剤の側面に存在する欠陥をも、検出をすることができる。また、錠剤の割線が形成された割線面が裏側を向いている場合でも、割線が割線面の中心を通り、割線面の両端まで真っ直ぐに延び、かつ、錠剤の側面に現れる割線の端部から割線の位置を斜め方向から認識可能であることにより、割線の位置を認識しつつ、学習および検査を行うことができる。
錠剤印刷装置の構成を示した図である。 搬送ドラム付近の斜視図である。 ヘッドの下面図である。 検査カメラ付近の斜視図である。 制御部と錠剤印刷装置内の各部との接続を示したブロック図である。 錠剤印刷装置内の制御部における機能の一部を概念的に示したブロック図である。 正常な錠剤が撮像された学習画像の例を示した図である。 正常な錠剤が撮像された学習画像のうちの一部が隠された画像データから、復元画像を生成する様子を示す概要図である。 正常か異常か不明な錠剤が撮像された検査画像のうちの一部が隠された画像データから、復元画像を生成する様子を示す概要図である。 正常か異常か不明な錠剤が撮像された検査画像のうちの一部が隠された画像データから、復元画像を生成する様子を示す概要図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明の一実施形態では、検査対象物の例として、医薬品である錠剤を例に挙げて、説明する。そして、錠剤の表面に、インクジェット方式で製品名等の画像を記録した後、錠剤の汚れや傷等の欠陥の有無を検査し、欠陥を有する異常な錠剤を検出することができる、装置、方法、およびプログラムについて、説明する。
<1.錠剤印刷装置の全体構成>
本発明の一実施形態に係る錠剤9の欠陥を検出する後述する情報処理装置200を含む錠剤印刷装置1の全体構成について、図1を参照しつつ説明する。図1は、錠剤印刷装置1の構成を示した図である。錠剤印刷装置1は、複数の錠剤9を搬送しながら、各錠剤9の表面に、製品としての識別を目的として、製品名、製品コード、会社名、ロゴマーク等の画像をインクジェット方式で印刷する装置である。本実施形態の錠剤9は、円盤形状を有する(後述する図4参照)。ただし、錠剤9の形状は、楕円形状等の他の形状であってもよい。なお、以下の説明においては、複数の錠剤9が搬送される方向を「搬送方向」と称し、搬送方向に対して垂直かつ水平な方向を「幅方向」と称する。
また、錠剤9には、錠剤9を半分に割るための溝状の割線90が形成されている。割線90は、錠剤9のうちの割線90が形成される面(以下「割線面」と称する)の中心を通り、割線面の両端まで真っ直ぐに延びる。なお、本実施形態では、円盤形状の錠剤9の上面および下面を形成する面のうちの一方のみに割線90が形成されている(一方のみが割線面となる)場合を想定する。ただし、割線90は、円盤形状の錠剤9の上面および下面を形成する面の両方(表裏面の両方)に形成されていてもよい。さらに、本実施形態では、錠剤9の割線面に対向する面のみに対して、裏側にある割線90の向きに沿って、製品名等を印刷する。ただし、錠剤9における印刷箇所は、これに限定されない。
図1に示すように、本実施形態の錠剤印刷装置1は、ホッパー10、フィーダ部20、搬送ドラム30、第1印刷部40、第2印刷部50、搬出コンベア60、および制御部70を有する。ホッパー10、フィーダ部20、搬送ドラム30、第1印刷部40の第1搬送コンベア41、第2印刷部50の第2搬送コンベア51、および搬出コンベア60によって、錠剤9を所定の搬送経路に沿って搬送する搬送機構が形成されている。
ホッパー10は、多数の錠剤9を一括して装置内に受け入れるための投入部である。ホッパー10は、錠剤印刷装置1の筐体100の最上部に配置されている。ホッパー10は、筐体100の上面に位置する開口部11と、下方へ向かうにつれて徐々に収束する漏斗状の傾斜面12とを有する。開口部11へ投入された複数の錠剤9は、傾斜面12に沿って直進フィーダ21へ流れ込む。
フィーダ部20は、ホッパー10へ投入された複数の錠剤9を、搬送ドラム30まで搬送する機構である。本実施形態のフィーダ部20は、直進フィーダ21、回転フィーダ22、および供給フィーダ23を有する。直進フィーダ21は、平板状の振動トラフ211を有する。ホッパー10から振動トラフ211に供給された複数の錠剤9は、振動トラフ211の振動によって、回転フィーダ22側へ搬送される。回転フィーダ22は、円盤状の回転台221を有する。振動トラフ211から回転台221の上面に落下した複数の錠剤9は、回転台221の回転による遠心力で、回転台221の外周部付近へ集まる。
供給フィーダ23は、回転台221の外周部から搬送ドラム30まで、鉛直下向きに延びる複数の筒状部231を有する。図2は、搬送ドラム30付近の斜視図である。図2に示すように、複数(図2の例では8本)の筒状部231は、互いに平行に配列されている。回転台221の外周部へ搬送された複数の錠剤9は、それぞれ、複数の筒状部231のいずれか1つに供給され、筒状部231内を落下する。そして、各筒状部231内に、複数の錠剤9が積層される。このように、複数の錠剤9は、複数の筒状部231に分散供給されることによって、複数の搬送列に整列される。そして、各搬送列の複数の錠剤9が、下端のものから順に搬送ドラム30へ供給される。
搬送ドラム30は、供給フィーダ23から第1搬送コンベア41へ、複数の錠剤9を受け渡す機構である。搬送ドラム30は、略円筒形状の外周面を有する。搬送ドラム30は、図示を省略したモータから得られる動力により、幅方向に延びる回転軸を中心として、図1および図2中の矢印の方向へ回転する。図2に示すように、搬送ドラム30の外周面には、複数の保持部31が設けられている。保持部31は、搬送ドラム30の外周面から内側へ向けて凹む凹部である。複数の保持部31は、上述した複数の搬送列の各々に対応する幅方向位置において、搬送ドラム30の外周面に、周方向に沿って配列されている。また、各保持部31の底部には、吸着孔32が設けられている。
搬送ドラム30の内部には、図示を省略した吸引機構が設けられている。吸引機構を動作させると、複数の吸着孔32のそれぞれに、大気圧よりも低い負圧が生じる。保持部31は、当該負圧によって、供給フィーダ23から供給される錠剤9を、1つずつ吸着保持する。また、搬送ドラム30の内部には、図示を省略したブロー機構が設けられている。ブロー機構は、搬送ドラム30の内側から後述する第1搬送コンベア41側へ向けて、局所的に加圧された気体を吹き付ける。これにより、第1搬送コンベア41に対向しない保持部31においては、錠剤9の吸着状態を維持しつつ、第1搬送コンベア41に対向する保持部31のみにおいて、錠剤9の吸着が解除される。搬送ドラム30は、このように、供給フィーダ23から供給される複数の錠剤9を吸着保持しつつ回転し、それらの錠剤9を、第1搬送コンベア41へ受け渡すことができる。
搬送ドラム30の外周面と対向する位置には、第1状態検出カメラ33が設けられている。第1状態検出カメラ33は、搬送ドラム30に保持された錠剤9の状態を撮像する撮像部である。第1状態検出カメラ33は、搬送ドラム30により搬送される錠剤9を撮像し、得られた画像を制御部70へ送信する。制御部70は、受信した画像に基づいて、各保持部31における錠剤9の有無や、保持部31に保持された錠剤9の表裏および割線90の向きを検出する。
第1印刷部40は、錠剤9の一方の面に画像を印刷するための処理部である。図1に示すように、第1印刷部40は、第1搬送コンベア41、第2状態検出カメラ42、第1ヘッドユニット43、第1検査カメラ44、および第1定着部45を有する。
第1搬送コンベア41は、一対の第1プーリ411と、一対の第1プーリ411の間に掛け渡された環状の第1搬送ベルト412とを有する。第1搬送ベルト412は、その一部分が、搬送ドラム30の外周面に近接して対向するように配置される。一対の第1プーリ411の一方は、図示を省略したモータから得られる動力で回転する。これにより、第1搬送ベルト412が、図1および図2中の矢印の方向へ回動する。このとき、一対の第1プーリ411の他方は、第1搬送ベルト412の回動に伴い従動回転する。
図2に示すように、第1搬送ベルト412には、複数の保持部413が設けられている。保持部413は、第1搬送ベルト412の外側の面から内側へ向けて凹む凹部である。複数の保持部413は、複数の搬送列の各々に対応する幅方向位置において、搬送方向に配列されている。すなわち、複数の保持部413は、幅方向および搬送方向に、それぞれ間隔をあけて配列されている。第1搬送ベルト412における複数の保持部413の幅方向の間隔は、搬送ドラム30における複数の保持部31の幅方向の間隔と等しい。
各保持部413の底部には、吸着孔414が設けられている。また、第1搬送コンベア41は、第1搬送ベルト412の内側に、図示を省略した吸引機構を有する。吸引機構を動作させると、複数の吸着孔414のそれぞれに、大気圧よりも低い負圧が生じる。保持部413は、当該負圧によって、搬送ドラム30から渡される錠剤9を、1つずつ吸着保持する。これにより、第1搬送コンベア41は、複数の錠剤9を、幅方向に間隔をあけた複数の搬送列に整列された状態で保持しつつ、搬送する。さらに、第1搬送ベルト412には、図示を省略したブロー機構が設けられている。ブロー機構を動作させると、後述する第2搬送コンベア51に対向する保持部413において、吸着孔414が大気圧よりも高い陽圧となる。これにより、当該保持部413における錠剤9の吸着が解除され、第1搬送コンベア41から第2搬送コンベア51へ、錠剤9が受け渡される。なお、第1搬送ベルト412に搬送される複数の錠剤9には、割線面側から保持部413に保持される錠剤9と、割線面に対向する面側から保持部413に保持される錠剤9とが、混在する。そして、各錠剤9は、第1搬送コンベア41から第2搬送コンベア51へ受け渡される際に、表裏が反転する。
第2状態検出カメラ42は、第1ヘッドユニット43よりも搬送方向の上流側において、第1搬送コンベア41に保持された錠剤9の状態を撮像する撮像部である。第1状態検出カメラ33と第2状態検出カメラ42とは、錠剤9の互いに反対側の面を撮像する。第2状態検出カメラ42において得られた画像は、第2状態検出カメラ42から制御部70へ送信される。制御部70は、受信した画像に基づいて、各保持部413における錠剤9の有無や、保持部413に保持された錠剤9の表裏および割線90の向きを検出する。
第1ヘッドユニット43は、第1搬送コンベア41により搬送される錠剤9の上面に向けてインク滴を吐出する、インクジェット方式のヘッドユニットである。第1ヘッドユニット43は、搬送方向に沿って配列された4つの第1ヘッド431を有する。4つの第1ヘッド431は、複数の錠剤9のうち、割線面側から保持部413に保持されている錠剤9の上面に向けて、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色)のインク滴を吐出する。これらの各色により形成される単色画像の重ね合わせによって、錠剤9の表面に、多色画像が印刷される。なお、各第1ヘッド431から吐出されるインクには、日本薬局方、食品衛生法等で認可された原料により製造された可食性インクが使用される。
図3は、1つの第1ヘッド431の下面図である。図3には、第1搬送ベルト412と、第1搬送ベルト412に保持された複数の錠剤9とが、二点鎖線で示されている。図3中に拡大して示したように、第1ヘッド431の下面には、インク滴を吐出可能な複数のノズル430が設けられている。本実施形態では、第1ヘッド431の下面に、複数のノズル430が、搬送方向および幅方向に二次元的に配列されている。各ノズル430は、幅方向に位置をずらして配列されている。このように、複数のノズル430を二次元的に配置すれば、各ノズル430の幅方向の位置を、互いに接近させることができる。ただし、複数のノズル430は、幅方向に沿って一列に配列されていてもよい。
ノズル430からのインク滴の吐出方式には、例えば、ピエゾ素子に電圧を加えて変形させることにより、ノズル430内のインクを加圧して吐出させる、いわゆるピエゾ方式が用いられる。ただし、インク滴の吐出方式は、ヒータに通電してノズル430内のインクを加熱膨張させることにより吐出する、いわゆるサーマル方式であってもよい。
図4は、第1検査カメラ44付近の斜視図である。第1検査カメラ44は、第1ヘッドユニット43による印刷の良否および錠剤9の欠陥の有無を確認するための撮像部である。第1検査カメラ44は、第1ヘッドユニット43よりも搬送方向の下流側において、第1搬送ベルト412に搬送される錠剤9の上面を撮像する。また、第1検査カメラ44は、得られた画像を制御部70へ送信する。制御部70は、受信した画像に基づいて、各錠剤9の上面に、傷、汚れ、印刷位置のずれまたはドット欠け等の欠陥が無いかどうかを検査する。これらの欠陥の検出方法については、詳細を後述する。
なお、本実施形態では、8つの第1検査カメラ44が、第1搬送ベルト412上の幅方向に並ぶ8つの錠剤9にそれぞれ対応する位置に配置される。各第1検査カメラ44は、幅方向に1つの錠剤9を撮像する。また、各第1検査カメラ44は、搬送方向に搬送される複数の錠剤9を順次撮像する。ただし、8つの第1検査カメラ44の配置スペースを考慮して、これらを互いに搬送方向に位置をずらして配置してもよい。
第1定着部45は、第1ヘッドユニット43から吐出されたインクを、錠剤9に定着させる機構である。本実施形態では、第1検査カメラ44よりも搬送方向の下流側に、第1定着部45が配置されている。ただし、第1ヘッドユニット43と第1検査カメラ44との間に、第1定着部45が配置されていてもよい。第1定着部45には、例えば、第1搬送コンベア41により搬送される錠剤9へ向けて、熱風を吹き付ける熱風乾燥式のヒータが用いられる。錠剤9の表面に付着したインクは、熱風により乾燥して、錠剤9の表面に定着する。
第2印刷部50は、第1印刷部40による印刷後に、錠剤9の他方の面に画像を印刷するための処理部である。図1に示すように、第2印刷部50は、第2搬送コンベア51、第3状態検出カメラ52、第2ヘッドユニット53、第2検査カメラ54、第2定着部55、および欠陥品回収部56を有する。
第2搬送コンベア51は、第1搬送コンベア41から受け渡された複数の錠剤9を保持しつつ搬送する。第3状態検出カメラ52は、第2ヘッドユニット53よりも搬送方向の上流側において、第2搬送コンベア51により搬送される複数の錠剤9を撮像する。第2ヘッドユニット53は、第2搬送コンベア51により搬送される錠剤9の上面に向けてインク滴を吐出する。第2検査カメラ54は、第2ヘッドユニット53よりも搬送方向の下流側において、第2搬送コンベア51により搬送される複数の錠剤9を撮像する。第2定着部55は、第2ヘッドユニット53の各ヘッド531から吐出されたインクを、錠剤9に定着させる。
第2搬送コンベア51、第3状態検出カメラ52、第2ヘッドユニット53、第2検査カメラ54、および第2定着部55の各々の詳細については、上述した第1搬送コンベア41、第2状態検出カメラ42、第1ヘッドユニット43、第1検査カメラ44、および第1定着部45と同等であるため、重複説明を省略する。
欠陥品回収部56は、上述の第1検査カメラ44および第2検査カメラ54から得られた撮影画像Ipに基づいて、欠陥品と判定された錠剤9を回収する。欠陥品回収部56は、第2搬送コンベア51の内側に配置されたブロー機構(図示省略)と、回収箱561とを有する。欠陥品と判定された錠剤9が、欠陥品回収部56まで搬送されると、ブロー機構は、第2搬送コンベア51の内側から、当該錠剤9に向けて、加圧された気体を吹き付ける。これにより、当該錠剤9が、第2搬送コンベア51から脱落して、回収箱561に回収される。
搬出コンベア60は、良品と判定された複数の錠剤9を、錠剤印刷装置1の筐体100の外部へ搬出する機構である。搬出コンベア60の上流側の端部は、第2搬送コンベア51の第2プーリ511の下方に位置する。搬出コンベア60の下流側の端部は、筐体100の外部に位置する。搬出コンベア60には、例えば、ベルト搬送機構が用いられる。欠陥品回収部56を通過した複数の錠剤9は、吸着孔の吸引が解除されることによって、第2搬送コンベア51から搬出コンベア60の上面に落下する。そして、搬出コンベア60によって、複数の錠剤9が、筐体100の外部へ搬出される。
制御部70は、錠剤印刷装置1内の各部を動作制御するための手段である。図5は、制御部70と、錠剤印刷装置1内の各部との接続を示したブロック図である。図5中に概念的に示したように、制御部70は、CPU等のプロセッサ701、RAM等のメモリ702、ハードディスクドライブ等の記憶装置703、受信部704、および送信部705を有するコンピュータにより構成される。記憶装置703内には、錠剤9の印刷処理および検査を実行するためのコンピュータプログラムPおよびデータDが、記憶されている。ただし、受信部704および送信部705は、制御部70とは別体として設けられてもよい。
また、図5に示すように、制御部70は、受信部704および送信部705を介して、上述した直進フィーダ21、回転フィーダ22、搬送ドラム30(モータ、吸引機構、およびブロー機構を含む)、第1状態検出カメラ33、第1搬送コンベア41(モータ、吸引機構、およびブロー機構を含む)、第2状態検出カメラ42、第1ヘッドユニット43(各第1ヘッド431の複数のノズル430を含む)、第1検査カメラ44、第1定着部45、第2搬送コンベア51、第3状態検出カメラ52、第2ヘッドユニット53(各第2ヘッド531の複数のノズル430を含む)、第2検査カメラ54、第2定着部55、欠陥品回収部56、および搬出コンベア60と、それぞれイーサネット(登録商標)等の有線通信、Bluetooth(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)等の無線通信を可能に、接続されている。
制御部70は、各部から受信部704を介して情報を受信すると、記憶装置703に記憶されたコンピュータプログラムPおよびデータDをメモリ702に一時的に読み出し、当該コンピュータプログラムPおよびデータDに基づいて、プロセッサ701が演算処理を行う。さらに、制御部70は、送信部705を介して各部へ司令を行うことによって、上記の各部を動作制御する。これにより、複数の錠剤9に対する各処理が進行する。
<2.制御部内のデータ処理>
図6は、錠剤印刷装置1内の制御部70における機能の一部を概念的に示したブロック図である。図6に示すように、本実施形態の制御部70は、角度認識部71、ヘッド制御部72、および検査部を有する。これらの機能は、記憶装置703に記憶されたコンピュータプログラムPおよびデータDをメモリ702に一時的に読み出し、当該コンピュータプログラムPおよびデータDに基づいて、プロセッサ701が演算処理を行うことによって、実現される。また、検査部としての機能は、制御部70の一部または全部の機械要素からなる情報処理装置200により実現される。情報処理装置200には、予め機械学習により生成された学習済みの学習モデルがインストールされている。
角度認識部71は、搬送される各錠剤9の回転角度(割線90の向き)を認識するための機能である。角度認識部71は、第1状態検出カメラ33および第2状態検出カメラ42の撮影画像を取得し、当該撮影画像に基づいて、第1搬送コンベア41により搬送される各錠剤9の回転角度を認識する。また、角度認識部71は、第3状態検出カメラ52の撮影画像を取得し、当該撮影画像に基づいて、第2搬送コンベア51により搬送される各錠剤9の回転角度を認識する。
上述のとおり、本実施形態では、錠剤9の割線面に対向する面のみに対して、裏側にある割線90の向きに沿って、製品名等を印刷する。このため、角度認識部71は、第1状態検出カメラ33および第2状態検出カメラ42から得られる撮影画像に基づいて、錠剤9毎に、第1ヘッドユニット43を通過するときの回転角度(割線90の向き)を認識する。同様に、角度認識部71は、第3状態検出カメラ52から得られる撮影画像に基づいて、錠剤9毎に、第2ヘッドユニット53を通過するときの回転角度(割線90の向き)を認識する。
なお、搬送される複数の錠剤9の表裏は一定ではない。このため、図4のように、割線面側から保持部413に保持される錠剤9と、割線面に対向する面側から保持部413に保持される錠剤9とが、混在して搬送される場合がある。このような場合には、角度認識部71は、一部の錠剤9については、第1状態検出カメラ33から得られる撮影画像に基づいて、第1ヘッドユニット43を通過するときの回転角度を認識し、他の錠剤9については、第2状態検出カメラ42から得られる撮影画像に基づいて、第1ヘッドユニット43を通過するときの回転角度を認識すればよい。また、一部の錠剤9については、第3状態検出カメラ52から得られる撮影画像に基づいて、第2ヘッドユニット53を通過するときの回転角度を認識し、他の錠剤9については、第2状態検出カメラ42から得られる撮影画像に基づいて、第2ヘッドユニット53を通過するときの回転角度を認識すればよい。
ヘッド制御部72は、第1ヘッドユニット43および第2ヘッドユニット53を動作制御するための機能である。図6に示すように、ヘッド制御部72は、第1記憶部721を有する。第1記憶部721の機能は、例えば、上述した記憶装置703により実現される。第1記憶部721には、錠剤9に印刷される画像に関する情報を含む印刷画像データD1が記憶される。当該画像は、製品名、製品コード、会社名、ロゴマーク等であり、例えば、アルファベットと数字とを含む文字列で形成される(図4および後述する図7参照)。ただし、当該画像は、文字列以外のマークやイラストであってもよい。さらに、当該画像は、錠剤9における割線面に対向する面に、裏面に有る割線90に沿って印刷される。ただし、画像は、錠剤9の割線面に、割線90に沿って印刷されてもよい。印刷画像データD1は、このような、錠剤9における画像の印刷位置および印刷の向きを指定する情報も含む。
製品としての錠剤9の表面に印刷を行うときには、ヘッド制御部72は、第1記憶部721から印刷画像データD1を読み出す。また、ヘッド制御部72は、読み出された印刷画像データD1を、角度認識部71において認識された回転角度に応じて回転させる。そして、ヘッド制御部72は、回転された印刷画像データD1に基づいて、第1ヘッド431または第2ヘッド531を制御する。これにより、錠剤9の表面に、割線90に沿って、印刷画像データD1が表す画像が印刷される。
検査部の機能については、詳細を後述する。
<3.情報処理装置200について>
続いて、情報処理装置200の構成について、説明する。上述のとおり、制御部70内の検査部としての機能は、制御部70の一部または全部の機械要素からなる情報処理装置200により実現される。情報処理装置200には、予め機械学習により生成された学習済みの学習モデルがインストールされている。情報処理装置200は、錠剤9における傷等の欠陥の有無を検査し、欠陥を有する異常な錠剤9を検出することができる装置である。図6に示すように、情報処理装置200は、機能として、画像復元部201、判定部202、および出力部203を有する。
まず、情報処理装置200にインストールされる学習モデルを機械学習により生成する工程について、説明する。当該学習時の流れを、図6上に破線にて概念的に図示している。学習時においては、予め正常な錠剤9が撮像された複数の学習画像Io(図7参照)が用意される。具体的には、第1ヘッドユニット43よりも搬送方向の下流側において、第1搬送ベルト412に搬送される錠剤9のうち、傷等の欠陥が無い錠剤9が、第1検査カメラ44によって多数撮像される。そして、撮像された錠剤9の上面の画像が、正常な錠剤9の学習用の画像(学習画像Io)として複数枚(本実施形態では、1000枚)用意される。なお、一般に、機械学習自体は、錠剤印刷装置1の外部において、実施される。複数枚の学習画像Ioは、画像復元部201に入力される。
画像復元部201に学習画像Ioが入力されると、画像復元部201は、各学習画像Ioを複数の区画に分割する。本実施形態では、縦4区画、横4区画の合計16区画(区画S1~区画S16)に分割する。ただし、学習画像Ioを分割する数は、これに限定されない。また、本実施形態では、分割された区画S1~区画S16は、互いに大きさが等しい。ただし、学習画像Ioを互いに大きさの異なる複数の区画に分割してもよい。
次に、画像復元部201は、各学習画像Ioの区画S1~区画S16のうちの1区画が隠された画像データIhを作成する。図8の上部には、例として、学習画像Ioの区画S1~区画S16のうち、区画S2が隠された画像データIhを図示している。なお、本実施形態の画像復元部201は、区画S1~区画S16のうちの1区画を、区画S1から順に隠しつつ、各学習画像Ioあたり16枚の画像データIhを作成する。画像復元部201は、1000枚の学習画像Ioのそれぞれに対して16枚、すなわち、合計16000枚の画像データIhを作成する。ただし、画像復元部201は、ランダムジェネレータを用いて、区画S1~区画S16のうちの1区画をランダムに隠しつつ、各学習画像Ioあたり所定枚数の画像データIhを作成してもよい。
続いて、画像復元部201は、各画像データIhから、隠された一部が復元された復元画像Irを高精度に生成できるように、ディープラーニングによる学習処理を行う。具体的には、画像復元部201は、各画像データIhが生成された元の学習画像Ioを、教師データ(正解のデータ)としつつ、復元画像Irを高精度に生成するための画像復元処理に係る学習モデルX(a,b,c…)を機械学習する。なお、図8は、例として、画像データIhから、隠された区画S2が復元された復元画像Irを高精度に生成する様子を図示している。
この時、画像復元部201は、畳み込みニューラルネットワーク(例えば、U-NetまたはFusionNet等)により、画像データIhから特徴を抽出して潜在変数を生成するエンコード処理と、潜在変数から復元画像Irを生成するデコード処理とを繰り返し実行する。そして、デコード処理後の復元画像Irと、エンコード処理前の画像データIhが生成された元の学習画像Ioとの画素値の差異を最小化するように、誤差逆伝播法または勾配降下法等を用いて、エンコード処理およびデコード処理のパラメータ(学習モデルX(a,b,c…)における複数のパラメータa,b,c…)を調整しつつ更新保存していく。なお、画像復元部201は、各画像データIhを用いて1回の学習を行ってもよく、複数回の学習を行ってもよい。
ただし、復元画像Irを高精度に生成する画像復元処理を機械学習する方法は、これに限定されない。例えば、画像復元部201は、復元画像Irを生成する学習モデルX(a,b,c…)に加え、生成された復元画像Irと学習画像Ioとを比較して、どちらが本物の画像かどうかを判定する学習モデルY(p,q,r…)をさらに有しもよい。そして、学習モデルX(a,b,c…)による生成結果および学習モデルY(p,q,r…)の判定結果に基づいて、誤差逆伝播法を用いて学習モデルX(a,b,c…)と学習モデルY(p,q,r…)とを互いに競い合わせながら交互に機械学習する、敵対的生成ネットワーク(例えば、GANsまたはpix2pix等)を有してもよい。
以上により、機械学習が完了すると、情報処理装置200に、学習済みの学習モデルX(a,b,c…)がインストールされる。そして、錠剤印刷装置1は、その学習モデルX(a,b,c…)を用いて、錠剤9の欠陥検出を行うことが可能となる。錠剤9の欠陥検出を行うときには、まず、錠剤印刷装置1内の情報処理装置200は、第1検査カメラ44から、第1ヘッドユニット43よりも搬送方向の下流側において、第1搬送ベルト412に搬送される錠剤9の撮影画像Ipを取得する。また、第2検査カメラ54から、第2ヘッドユニット53よりも搬送方向の下流側において、第2搬送ベルト512に搬送される錠剤9の撮影画像Ipを取得する。そして、撮影画像Ipを、角度認識部71において認識された回転角度に応じて回転させて、検査画像Iiを生成する。検査画像Iiは、欠陥の有無が不明、すなわち、正常か異常か不明な錠剤9が撮像された画像である。ただし、以下の説明では、錠剤9の後述する検査画像Iiの区画S15に位置する箇所に、欠陥Deである傷を有する場合を想定する。なお、欠陥Deは、インクによる汚れ、印刷位置のずれまたはドット欠け等であってもよい。
続いて、画像復元部201は、各検査画像Iiを、学習時と同じ縦4区画、横4区画の合計16区画(区画S1~区画S16)に分割する。次に、画像復元部201は、各検査画像Iiの区画S1~区画S16のうちの1区画が隠された画像データIhを作成する。図9および図10はそれぞれ、画像データIhから、隠された1区画が復元された復元画像Irを高精度に生成する様子を図示している。特に、図9では、区画S1が隠された画像データIh(説明容易のため以下「画像データIh1」と称する)から、区画S1が復元された復元画像Ir(説明容易のため以下「復元画像Ir1」と称する)を高精度に生成する様子を図示している。また、図10では、区画S15が隠された画像データIh(説明容易のため以下「画像データIh15」と称する)から、区画S15が復元された復元画像Ir(説明容易のため以下「復元画像Ir15」と称する)を高精度に生成する様子を図示している。なお、区画S15は隠されているため、画像復元部201は欠陥Deを認識できないが、説明容易のため、図10では欠陥Deを白色で表示している。
続いて、画像復元部201は、学習時と同様に、畳み込みニューラルネットワークにより、検査画像Iiの一部が隠された画像データIhから特徴を抽出して潜在変数を生成するエンコード処理と、潜在変数から復元画像Irを生成するデコード処理とを実行しつつ、学習時において学習済である学習モデルX(a,b,c…)を用いて、画像データIhから、隠された一部の場所を順次に変更しながら、複数の復元画像Irを生成する。
具体的には、画像復元部201は、まず、検査画像Iiから区画S1が隠された画像データIh1から、学習モデルX(a,b,c…)を用いて、区画S1が復元された復元画像Ir1を生成し、判定部202へ出力する。次に、画像復元部201は、検査画像Iiから区画S2が隠された画像データIh2から、学習モデルX(a,b,c…)を用いて、区画S2が復元された復元画像Ir2を生成し、判定部202へ出力する。画像復元部201は、このような復元処理を、隠される一部の場所を順次に変更しながら、繰り返し実行する。やがて、画像復元部201は、検査画像Iiから区画S15が隠された画像データIh15から、学習モデルX(a,b,c…)を用いて、区画S15が復元された復元画像Ir15を生成し、判定部202へ出力する。最後に、画像復元部201は、検査画像Iiから区画S16が隠された画像データIh16から、学習モデルX(a,b,c…)を用いて、区画S16が復元された復元画像Ir16を生成し、判定部202へ出力する。
ここで、上述のとおり、学習時において学習済である学習モデルX(a,b,c…)は、欠陥Deが無い正常な錠剤9が撮像された画像の一部が隠された画像データIhから、隠された一部が復元された復元画像Irを生成するためのパラメータが調整されたモデルである。このため、図9に示すように、画像復元部201が、検査画像Iiにおける欠陥Deが存在しない区画S1を隠した画像データIh1から学習モデルX(a,b,c…)を用いて復元画像Ir1を生成する場合は、検査画像Iiにおける欠陥Deが存在しない箇所において、欠陥Deが無い区画S1を含む復元画像Ir1が、精度よく復元される。一方、図10に示すように、画像復元部201が、検査画像Iiにおける欠陥Deが存在する区画S15を隠した画像データIh15から学習モデルX(a,b,c…)を用いて復元画像Ir15を生成する場合は、画像復元部201は欠陥Deを認識できない。このため、検査画像Iiにおける区画S15には欠陥Deが存在するものの、画像復元部201は欠陥Deが存在することを認識しないまま、欠陥Deが無い復元画像Ir15を生成してしまう。
続いて、判定部202は、画像復元部201から複数の復元画像Irが順に入力されると、複数の復元画像Irのそれぞれを、検査画像Iiと比較することによって、錠剤9が、欠陥Deが無い正常なものか或いは欠陥Deを有する異常なものかを判定し、判定結果Drを出力部203へ出力する。具体的には、判定部202は、まず、画像復元部201が生成した復元画像Ir1と検査画像Iiとを比較し、復元画像Ir1と検査画像Iiとの画素値の差異が所定の許容値よりも大きいか否かを判定する。次に、判定部202は、画像復元部201が生成した復元画像Ir2と検査画像Iiとを比較し、復元画像Ir2と検査画像Iiとの画素値の差異が所定の許容値よりも大きいか否かを判定する。判定部202は、このような判定処理を、全ての復元画像Irに対して実行する。やがて、判定部202は、画像復元部201が生成した復元画像Ir15と検査画像Iiとを比較し、復元画像Ir15と検査画像Iiとの画素値の差異が所定の許容値よりも大きいか否かを判定する。最後に、判定部202は、画像復元部201が生成した復元画像Ir16と検査画像Iiとを比較し、復元画像Ir16と検査画像Iiとの画素値の差異が所定の許容値よりも大きいか否かを判定する。
上述のとおり、画像復元部201が生成した復元画像Ir15には、欠陥Deは存在しない。一方、検査画像Iiにおける区画S15に位置する箇所には、欠陥Deが存在する。このため、復元画像Ir15と検査画像Iiとの画素値の差異は、他の比較結果とは異なり、大幅に大きな値となる。このように、判定部202は、復元画像Irと検査画像Iiとの差異が所定の許容値よりも大きい場合に、当該復元画像Irの元となった画像データIhにおいて隠されていた場所を、欠陥Deが存在する場所として決定する。そして、判定部202は、欠陥Deの有無および欠陥Deの場所に係る判定結果Drを出力部203へ出力する。
なお、判定部202は、画像復元部201から複数の復元画像Irが入力されると、複数の復元画像Irのそれぞれの元となった画像データIhにおいて隠されていた区画の、復元後の画像を互いに繋ぎ合わせた上で、検査画像Ii全体と比較して、画素値の差異が所定の許容値よりも大きいか否かを判定してもよい。
以上により、第1搬送コンベア41に搬送される錠剤9および第2搬送コンベア51に搬送される錠剤9の欠陥Deの有無が判定され、すべての錠剤9の検査が完了する。出力部203は、判定部202から判定結果Drが入力されると、錠剤9における欠陥Deの有無および欠陥Deの場所に係る情報を、モニターまたはスピーカー等に出力するとともに、欠陥品回収部56へ、欠陥Deを有する錠剤9に関する情報を送信して、回収させる。なお、出力部203は、判定部202によって錠剤9に欠陥Deが無いと判定された場合に、さらにその旨を表示してもよい。
上述のとおり、本実施形態では、容易に多数取得することが可能な、欠陥Deの無い正常な錠剤9の画像を用いて機械学習を行うことによって、欠陥Deを有する異常な錠剤9を検出することができる。これにより、錠剤9における未知のものを含む多種多様な欠陥Deを高精度に検出することができる。
また、出力部203からは、欠陥Deの有無とともに欠陥Deの場所に係る情報が出力される。これにより、作業員等が、当該欠陥Deの場所に係る情報を用いて、欠陥Deを有すると判定された錠剤9を容易に再確認することができる。これにより、欠陥Deを有する錠剤9の検出精度をさらに高めることができる。
また、本実施形態の画像復元部201は、畳み込みニューラルネットワークにより、画像データIhから特徴を抽出して潜在変数を生成するエンコード処理と、潜在変数から復元画像Irを生成するデコード処理とを繰り返し実行する。このため、検査画像Iiまたは学習画像Ioにおける錠剤9の位置が多少ずれている場合、または検査画像Iiまたは学習画像Ioに多少のノイズが含まれている場合でも、欠陥Deを有する錠剤9を高精度で検出することができる。
<4.変形例>
以上、本発明の主たる実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
上述の実施形態では、錠剤9に印刷処理を行った後の、錠剤9の上面の画像を用いて、学習および錠剤9における欠陥Deの検出を行っていた。しかしながら、錠剤9に印刷処理を行う前の、錠剤9の画像を用いて、学習および錠剤9における欠陥Deの検出を行ってもよい。また、錠剤9を斜め方向から撮像した画像を用いて、学習および錠剤9における欠陥Deの検出を行ってもよい。これにより、錠剤9の表裏面のみでなく、錠剤9の側面に存在する欠陥Deの検出をすることができる。
上述の実施形態では、錠剤印刷装置1の外部において予め機械学習が完了した学習モデルX(a,b,c…)を情報処理装置200内にインストールし、錠剤9における欠陥Deの検出を行っていた。しかしながら、学習モデルX(a,b,c…)を、錠剤印刷装置1内の情報処理装置200に既にインストールした状態において機械学習を行い、さらにそのまま錠剤9における欠陥Deの検出を行ってもよい。
上述の実施形態では、検査対象物の例として、医薬品である錠剤9を用いていた。そして、上述の実施形態の情報処理装置200は、検査対象物である錠剤9における傷、汚れ、印刷位置のずれまたはドット欠け等の欠陥Deの有無および欠陥Deの場所を判定するものであった。しかしながら、検査対象物は、さまざまな印刷装置において印刷処理が行われる、フィルムや紙等の基材、またはプリント基板等であってもよく、さまざまな装置に用いられる部品等であってもよい。すなわち、検査対象物は、正常な場合に略一定の外観を有する物体であればよい。そして、情報処理装置200は、当該検査対象物における、外観上の欠陥Deの有無および欠陥Deの場所を判定するものであってもよい。
すなわち、本発明の学習装置は、割線を有する錠剤が撮像された画像の一部が隠された画像データから、隠された一部を復元する学習モデルを学習する画像復元部を有する学習装置であって、画像復元部は、割線を有し傷等の欠陥の無い正常な錠剤が斜め方向から撮像された複数の学習画像のそれぞれの一部が隠された画像データから、隠された一部が復元された復元画像を生成できるように、ディープラーニングにより学習し、割線は、錠剤のうちの割線が形成される割線面の中心を通り、割線面の両端まで真っ直ぐに延び、かつ、錠剤の側面に現れる割線の端部から、割線の位置を斜め方向から認識可能であればよい。
また、画像復元部は、画像データのうち、隠された一部の場所を順次に変更しながら、複数の復元画像を生成してもよい。
また、学習装置は、割線を有し傷等の欠陥の無い正常なものか或いは欠陥を有する異常なものか不明な錠剤が斜め方向から撮像された検査画像の一部が隠された画像データから、隠された一部が画像復元部によって復元された復元画像を、検査画像と比較することによって、錠剤が正常なものか異常なものかを判定する判定部をさらに有していてもよい。また、判定部は、復元画像と検査画像との差異が所定の許容値よりも大きい場合に、隠された一部の場所を欠陥の場所として決定してもよい。
また、画像復元部は、学習画像から特徴を抽出して潜在変数を生成するエンコード処理と、潜在変数から復元画像を生成するデコード処理と、を実行してもよい。
また、画像復元部は、学習において、畳み込みニューラルネットワークにより、エンコード処理およびデコード処理を実行してもよい。
また、本発明の学習方法は、割線を有する錠剤が撮像された画像の一部が隠された画像データから、隠された一部を復元する学習モデルを学習する学習方法であって、割線を有し傷等の欠陥の無い正常な錠剤が斜め方向から撮像された複数の学習画像のそれぞれの一部が隠された画像データから、隠された一部が復元された復元画像を生成できるように、ディープラーニングにより学習する工程を有し、割線は、錠剤のうちの割線が形成される割線面の中心を通り、割線面の両端まで真っ直ぐに延び、かつ、錠剤の側面に現れる割線の端部から、割線の位置を斜め方向から認識可能であればよい。
これにより、容易に多数取得することが可能な、割線を有し傷等の欠陥の無い正常な錠剤が斜め方向から撮像された画像の一部が隠された画像データを用いて機械学習を行うことによって、当該隠された一部が復元された復元画像を生成することが可能となる。そして、当該復元画像をもとの画像と比較することによって、錠剤が正常なものか異常なものかを判定することができる。これにより、錠剤における未知のものを含む多種多様な欠陥を高精度に検出することができる。また、割線を有する錠剤が斜め方向から撮像された画像を用いることによって、錠剤の表裏面のみでなく、錠剤の側面に存在する欠陥をも、検出をすることができる。また、錠剤の割線が形成された割線面が裏側を向いている場合でも、割線が割線面の中心を通り、割線面の両端まで真っ直ぐに延び、かつ、錠剤の側面に現れる割線の端部から割線の位置を斜め方向から認識可能であることにより、割線の位置を認識しつつ、学習および検査を行うことができる。
なお、上述の実施形態では、第1印刷部40および第2印刷部50に、それぞれ4つのヘッドが設けられていた。しかしながら、各印刷部40,50に含まれるヘッドの数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
また、錠剤印刷装置1の細部の構成については、本願の各図と相違していてもよい。また、上述の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 錠剤印刷装置
9 錠剤
10 ホッパー
20 フィーダ部
30 搬送ドラム
33 第1状態検出カメラ
40 第1印刷部
41 第1搬送コンベア
42 第2状態検出カメラ
43 第1ヘッドユニット
44 第1検査カメラ
45 第1定着部
50 第2印刷部
51 第2搬送コンベア
52 第3状態検出カメラ
53 第2ヘッドユニット
54 第2検査カメラ
55 第2定着部
56 欠陥品回収部
60 搬出コンベア
70 制御部
71 角度認識部
90 割線
100 筐体
200 情報処理装置
201 画像復元部
202 判定部
203 出力部
411 第1プーリ
412 第1搬送ベルト
431 第1ヘッド
511 第2プーリ
512 第2搬送ベルト
531 第2ヘッド
561 回収箱
701 プロセッサ
702 メモリ
703 記憶装置
704 受信部
705 送信部
D データ
D1 印刷画像データ
De 欠陥
Dr 判定結果
Ih 画像データ
Ii 検査画像
Io 学習画像
Ip 撮影画像
Ir 復元画像
P コンピュータプログラム
X 学習モデル
Y 学習モデル

Claims (6)

  1. 割線を有する錠剤が撮像された画像の一部が隠された画像データから、前記隠された一部を復元する学習モデルを学習する画像復元部を有する学習装置であって、
    前記画像復元部は、前記割線を有し欠陥の無い正常な錠剤が斜め方向から撮像された複数の学習画像のそれぞれの一部が隠された画像データから、前記隠された一部が復元された復元画像を生成できるように、ディープラーニングにより学習し、
    前記割線は、錠剤のうちの前記割線が形成される割線面の中心を通り、前記割線面の両端まで真っ直ぐに延び、かつ、錠剤の側面に現れる前記割線の端部から、前記割線の位置を斜め方向から認識可能である、学習装置。
  2. 請求項1に記載の学習装置であって、
    前記画像復元部は、前記画像データのうち、前記隠された一部の場所を順次に変更しながら、複数の前記復元画像を生成する、学習装置。
  3. 請求項2に記載の学習装置であって、
    前記割線を有し欠陥の無い正常なものか或いは欠陥を有する異常なものか不明な錠剤が斜め方向から撮像された検査画像の一部が隠された画像データから、前記隠された一部が前記画像復元部によって復元された前記復元画像を、前記検査画像と比較することによって、錠剤が正常なものか異常なものかを判定する判定部
    をさらに有し、
    前記判定部は、前記復元画像と前記検査画像との差異が所定の許容値よりも大きい場合に、前記隠された一部の場所を前記欠陥の場所として決定する、学習装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の学習装置であって、
    前記画像復元部は、
    前記学習画像から特徴を抽出して潜在変数を生成するエンコード処理と、
    前記潜在変数から前記復元画像を生成するデコード処理と、
    を実行する、学習装置。
  5. 請求項4に記載の学習装置であって、
    前記画像復元部は、前記学習において、畳み込みニューラルネットワークにより、前記エンコード処理および前記デコード処理を実行する、学習装置。
  6. 割線を有する錠剤が撮像された画像の一部が隠された画像データから、前記隠された一部を復元する学習モデルを学習する学習方法であって、
    前記割線を有し欠陥の無い正常な錠剤が斜め方向から撮像された複数の学習画像のそれぞれの一部が隠された画像データから、前記隠された一部が復元された復元画像を生成できるように、ディープラーニングにより学習する工程
    を有し、
    前記割線は、錠剤のうちの前記割線が形成される割線面の中心を通り、前記割線面の両端まで真っ直ぐに延び、かつ、錠剤の側面に現れる前記割線の端部から、前記割線の位置を斜め方向から認識可能である、学習方法。
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