JP7495667B2 - カルコゲナイドガラスレンズ - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線センサ、赤外線カメラ等に使用されるカルコゲナイドガラスレンズに関する。
車載ナイトビジョンやセキュリティシステム等は、夜間の生体検知に用いられる赤外線センサを備えている。赤外線センサは、生体から発せられる波長約8~14μmの赤外線を感知するため、センサ部の前には当該波長範囲の赤外線を透過するフィルターやレンズ等の光学素子が設けられる。
上記のような光学素子用の材料として、GeやZnSeが挙げられる。これらは結晶体であるため加工性に劣り、非球面レンズ等の複雑な形状に加工することが困難である。そのため量産しにくく、また赤外線センサの小型化も困難であるという問題がある。
そこで、波長約8~14μmの赤外線を透過し、加工が比較的容易なガラス質の材料として、カルコゲナイドガラスが提案されている。(例えば特許文献1参照)
特開2009-161374号公報
しかしながら、特許文献1に記載のガラスは、波長10μm以上で赤外線透過率が顕著に低下しているため、特に生体から発せられる赤外線に対する感度に劣り、赤外線センサが十分に機能しないおそれがある。さらに、前記ガラスは、色収差が大きいという問題がある。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、色収差が小さく、赤外線センサ用途に好適なカルコゲナイドガラスレンズを提供することを目的とする。
本発明のカルコゲナイドガラスレンズは、モル%で、Te 20~90%を含有し、波長10μmにおけるアッベ数(ν10)が100以上であることを特徴とする。
本発明のカルコゲナイドガラスレンズは、必須成分としてTeを含有させているため、赤外線透過率に優れている。また、アッベ数(ν10)が100以上と高く色収差が小さいため、赤外線センサ用途に好適である。なお、アッベ数(ν10)は、波長8μm、10μm、及び12μmにおける屈折率の値を用い、アッベ数(ν10)={(n10-1)/(n8-n12)}の式から算出する。
本発明のカルコゲナイドガラスレンズは、さらに、モル%で、Ge 0~50%を含有することが好ましい。
本発明のカルコゲナイドガラスレンズは、さらに、モル%で、Ga 0~50%を含有することが好ましい。
本発明のカルコゲナイドガラスレンズは、波長10μmにおける屈折率(n10)が2.5以上であることが好ましい。屈折率(n10)が2.5以上と高いと、焦点距離が短くなるため赤外線センサを小型化しやすい。
本発明のカルコゲナイドガラスレンズは、表面に反射防止膜が形成されていることが好ましい。
本発明のカルコゲナイドガラスレンズは、反射防止膜が、低屈折率層と高屈折率層が交互に合計2層以上積層されていることが好ましい。
本発明のカルコゲナイドガラスレンズは、表面に微細構造が形成されていることが好ましい。
本発明のカルコゲナイドガラスレンズは、微細構造がモスアイ構造であることが好ましい。
本発明のカルコゲナイドガラスレンズは、プレス成型体であることが好ましい。
本発明のカルコゲナイドガラスレンズの製造方法は、モル%で、Te 20~90%を含有し、波長10μmにおけるアッベ数(ν10)が100以上であるカルコゲナイドガラスをプレス成形することを特徴とする。
本発明の赤外線センサは、上記のカルコゲナイドガラスレンズを用いることを特徴とする。
本発明によれば、色収差が小さく、赤外線センサ用途に好適なカルコゲナイドガラスレンズを提供することができる。
まず、本発明のカルコゲナイドガラスレンズの組成について説明する。なお、以下の各成分の含有量に関する説明において、特に断りのない限り、「%」は「モル%」を意味する。なお、本明細書において、「○+○+・・・」は該当する各成分の合量を意味する。ただし、当該記載は、該当する各成分からなる群から選択される少なくとも1種以上の成分を含む含有量を意味するものであり、上記群のうち、特定成分を含まない構成としてもよい。例えば、「A1+A2+A3+A4+A5 p~q%が好ましい」構成であるとき、「A1+A2+A3+A4 p~q%(ただしA5は含まない)」という構成にしてもよい。
本発明のカルコゲナイドガラスレンズは、Teを必須成分として含有する。カルコゲン元素であるTeはガラス骨格を形成し、赤外線透過率を高める成分である。Teの含有量は、20~90%であり、30~88%、40~84%、50~82%、特に60~80%であることが好ましい。Teの含有量が少なすぎると、ガラス化しにくくなり、赤外線透過率が低下しやすくなる。一方、Teの含有量が多すぎるとガラスの熱安定性が低下しやすく、Te系の結晶が析出しやすくなる。ちなみに、他のカルコゲン元素Se、Sは、Teより赤外線透過率を向上させにくく、赤外吸収端波長が短くなりやすい。そのため、Se、Sの含有量は、それぞれ0~10%、0~5%、0~3%、特に0~1%であることが好ましい。
上記成分以外にも、以下に示す種々の成分を含有させることができる。
Geは赤外線透過率を低下させることなく、ガラス化範囲を広げ、ガラスの熱安定性を高める成分である。Geの含有量は、0~50%、1~40%、3~35%、5~30%、7~25%、特に10~20%であることが好ましい。Geの含有量が多すぎると、Ge系の結晶が析出しやすくなるとともに、原料コストが高くなる傾向がある。
Gaは赤外線透過率を低下させることなく、ガラス化範囲を広げ、ガラスの熱安定性を高める成分である。Gaの含有量は、0~50%、1~30%、2~20%、3~15%、特に4~10%であることが好ましい。Gaの含有量が多すぎると、Ga系の結晶が析出しやすくなるとともに、原料コストが高くなる傾向がある。
なお、ガラス化の安定性を高める観点からは、Ge、Ga及びTeの含有量の合量が多いことが好ましい。具体的には、Ge+Ga+Teが50%以上であることが好ましく、60%以上、70%以上、特に80%以上であることが好ましい。ただし、他成分を導入するために、Ge+Ga+Teの上限値については98%以下、96%以下、特に95%以下としてもよい。
Agは、ガラスの熱的安定性(ガラス化の安定性)を高める成分である。Agの含有量は0~50%、0超~50%、1~45%、2~40%、3~35%、4~30%、5~25%、特に5~20%であることが好ましい。Agの含有量が多すぎると、ガラス化しにくくなる。
Siは、ガラスの熱的安定性(ガラス化の安定性)を高める成分である。Siの含有量は0~50%、0超~50%、1~45%、2~40%、3~35%、4~30%、5~25%、特に5~20%であることが好ましい。Siの含有量が多すぎると、Si起因の赤外吸収が発生しやすくなり、赤外線が透過しにくくなる。
Al、Ti、Cu、In、Sn、Bi、Cr、Sb、Zn、Mnは赤外線透過特性を低下させることなく、ガラスの熱的安定性(ガラス化の安定性)を高める成分である。Al+Ti+Cu+In+Sn+Bi+Cr+Sb+Zn+Mnの含有量(Al、Ti、Cu、In、Sn、Bi、Cr、Sb、Zn及びMnの合量)は0~40%、2~35%、4~30%、特に5~25%であることが好ましい。Al+Ti+Cu+In+Sn+Bi+Cr+Sb+Zn+Mnの含有量が多すぎると、ガラス化しにくくなる。なお、Al、Ti、Cu、In、Sn、Bi、Cr、Sb、Zn、Mnの各成分の含有量は、各々0~40%、1~40%、1~30%、1~25%、特に1~20%であることが好ましい。なかでもガラスの熱的安定性を高める効果が特に大きいという点でAl、Cu、及び/又はSnを使用することが好ましい。
F、Cl、Br、Iもガラスの熱的安定性(ガラス化の安定性)を高める成分である。F+Cl+Br+Iの含有量(F、Cl、Br及びIの合量)は0~40%、2~35%、4~30%、特に5~25%であることが好ましい。F+Cl+Br+Iの含有量が多すぎると、ガラス化しにくくなるとともに、耐候性が低下しやすくなる。なお、F、Cl、Br、Iの各成分の含有量は、各々0~40%、1~40%、1~30%、1~25%、特に1~20%であることが好ましい。なかでもIは、元素原料を使用可能であり、ガラスの熱的安定性を高める効果が特に大きいという点で好ましい。
また、上記成分以外にも、P、Pb、Tl等を本発明の効果を損なわない範囲で含有させても構わない。具体的には、これらの成分の含有量は、各々0~5%、特に各々0~2%であることが好ましい。
本発明のカルコゲナイドガラスレンズは、アッベ数(ν10)が100以上であり、120以上、150以上、180以上、特に220以上であることが好ましい。アッベ数が低すぎると、色収差が大きくなりやすい。なお、アッベ数の上限は特に限定されないが、現実的には350以下である。
本発明のカルコゲナイドガラスレンズは、屈折率(n10)が2.5以上、2.75以上、3以上、特に3.25以上であることが好ましい。屈折率が低すぎると、焦点距離が長くなり赤外線センサを小型化しにくくなる。なお、屈折率の上限は特に限定されないが、現実的には4.5以下である。
本発明のカルコゲナイドガラスレンズは波長約8~18μmにおける赤外線透過率に優れる。赤外線透過率を評価するための指標として、赤外吸収端波長が挙げられる。赤外吸収端波長が大きいほど、赤外線透過性に優れると判断できる。本発明のカルコゲナイドガラスレンズは、厚み2mmでの赤外吸収端波長が20μm以上、特に21μm以上であることが好ましい。なお、「赤外吸収端波長」とは、波長8μm以上の赤外域において光透過率が20%となる最大波長をいう。
本発明のカルコゲナイドガラスレンズは、例えば以下のようにして作製することができる。
まず、上記のガラス組成となるように、原料を混合し、原料バッチを得る。次に、石英ガラスアンプルに原料バッチを入れ、真空排気しながら酸素バーナーで石英ガラスアンプルを封管する。なお、アンプル中は酸素が存在しなければよく、不活性ガス等を封入してもよい。次に、封管された石英ガラスアンプルを溶融炉内で10~40℃/時間の速度で650~1000℃まで昇温後、6~12時間保持する。保持時間中、必要に応じて、石英ガラスアンプルの上下を反転し、溶融物を攪拌する。
続いて、石英ガラスアンプルを溶融炉から取り出し、室温まで急冷することによりカルコゲナイドガラスを作製する。
続いて、精密加工を施した金型中にカルコゲナイドガラスを投入して軟化状態となるまで加熱しながらプレス成型し、金型の表面形状をカルコゲナイドガラスに転写させる。このようにすれば、両凸形状(例えば球状)、平凸形状、メニスカス形状等、種々のカルコゲナイドガラスレンズを作製することが可能である。また、金型に微細構造を形成しておくことで、カルコゲナイドガラスレンズ表面に微細構造を形成することも可能である。なお、カルコゲナイドガラスを切削、研磨等することによりレンズ形状に加工しても構わない。
また、カルコゲナイドガラスレンズの表面に、反射防止膜を形成させても構わない。反射防止膜を形成させることにより、赤外線透過率を向上させることができる。反射防止膜の形成方法としては、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等が挙げられる。
次に、反射防止膜について具体的に説明する。
反射防止膜は、低屈折率層と高屈折率層が交互に合計2層以上、2~34層、特に4~12層積層されていることが好ましい。積層数が少なすぎると赤外光を透過しにくくなる。一方、積層数が多すぎると成膜に要する工程が多くなり高コスト化の要因となる傾向がある。なお、低屈折率層及び高屈折率層の組合わせに制限は無く、高屈折率層の屈折率が低屈折率層の屈折率より相対的に大きければよい。
低屈折率層及び高屈折率層(以下、単に屈折率層という)の1層当りの厚みは、0.01~10μm、0.02~5μm、特に0.03~2μmが好ましい。1層当たりの厚みが小さすぎると赤外光を透過しにくくなる。一方、厚みが大きすぎると、反射防止膜とカルコゲナイドガラスレンズの界面にかかる応力が大きくなり、膜の密着性、ガラスレンズの機械的強度が低下しやすくなる。
屈折率層の材質は、金属酸化物(Y、Al、SiO、SiO、MgO、TiO、TiO、Ti、CeO、Bi、HfO)、水素化炭素、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、Ge、Si、ZnS、ZnSe、As、AsSe、PbF、テルル化金属、フッ化金属が好ましい。なお、機械的強度をより向上させるためには、金属酸化物、水素化炭素、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)を最外層にすることが好ましい。また、密着性をより向上するためには、金属酸化物を中間層にすることが好ましい。なお、屈折率層の材質は、樹脂でもよく、例えばオレフィン系樹脂等を用いることができる。
また、カルコゲナイドガラスレンズの表面に微細構造を形成させても構わない。このような微細構造を形成させることにより、赤外線透過率を向上させることができる。微細構造の形成方法としては、例えば上述したように、金型に微細構造を形成しておくことにより、カルコゲナイドガラスレンズ表面に微細構造を形成することが可能である。微細構造の一例として、例えば、モスアイ構造が挙げられる。
次に、モスアイ構造について具体的に説明する。
モスアイ構造は、微小突起を多数形成することにより反射防止効果を得るものである。微小突起間の間隔は、反射防止効果を得ようとする光の波長よりも短いことが好ましい。例えば、8~14μmの波長の光に対して反射防止効果を得ようとする場合、微小突起間の間隔は14μm以下であることが好ましい。間隔が大きすぎると、光が散乱し十分な反射防止効果を得づらくなる。また、(微小突起の間隔/微小突起の高さ)で表される比は、10以下、5以下、特に2以下が好ましい。上記比が大きすぎると、十分な反射防止効果を得づらくなる。一方で、上記比が小さすぎても十分な反射防止効果を得ることができないため、上記比は1以上であることが好ましい。微小突起は先端部からガラス表面に向け緩やかに広がっていく錐体形状であることが好ましい。このような形状にすることにより、空気からレンズ表面までの屈折率変化が緩やかになり、反射防止効果をより大きくすることができる。モスアイ構造における錐体形状は特に限定されるものではなく、円錐形状、角錐形状、円錐台形状、角錐台形状、釣鐘形状、楕円錐台形状など、反射防止機能を有する錐体形状であればよい。
本発明のカルコゲナイドガラスレンズは、色収差が小さく、赤外線透過率に優れるため、赤外線センサ部に赤外光を集光させるためのレンズ等として好適である。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1~3は、実施例1~28、比較例1を示している。
Figure 0007495667000001
Figure 0007495667000002
Figure 0007495667000003
表に示すガラス組成になるように原料を調合し、原料バッチを得た。次に、純水で洗浄した石英ガラスアンプルに原料バッチを入れ、真空排気しながら石英ガラスアンプルを酸素バーナーで封管した。次いで、封管された石英ガラスアンプルを溶融炉内で10~40℃/時間の速度で650~1000℃まで昇温後、6~12時間保持した。保持時間中、石英ガラスアンプルの上下を反転し、溶融物を攪拌した。続いて、石英ガラスアンプルを溶融炉から取り出し、室温まで急冷することによりカルコゲナイドガラスを得た。その後、研削、研磨、洗浄してカルコゲナイドガラスレンズを得た。このようにして得られた試料について、各種特性を評価した。結果を表に示す。
屈折率(n10)は、屈折率計を用いて、10μmにおける測定値で示した。
アッベ数(ν10)は、波長8μm、10μm、及び12μmにおける屈折率の値を用い、アッベ数(ν10)={(n10-1)/(n8-n12)}の式から算出した。
赤外吸収端波長は、厚み2mmでの赤外線透過率を測定することにより求めた。
表から明らかなように、実施例1~28の試料は、屈折率が2.74~3.92と高く、アッベ数が194~285と高かった。また、赤外吸収端波長が24.1~24.3μmであり、波長8~18μm付近の赤外域において良好な光透過率を示していた。一方、比較例1は、ガラス化しなかった。
本発明のカルコゲナイドガラスレンズは、赤外線センサ部に赤外光を集光させるためのレンズ等として好適である。

Claims (10)

  1. モル%で、Te 30~90%、Ga 1~50%、S 0~1%を含有し、波長10μmにおけるアッベ数(ν10)が194以上であることを特徴とするカルコゲナイドガラスレンズ。
  2. さらに、モル%で、Ge 0~50%を含有することを特徴とする請求項1に記載のカルコゲナイドガラスレンズ。
  3. アッベ数(ν10)が285以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカルコゲナイドガラスレンズ。
  4. 波長10μmにおける屈折率(n10)が2.5以上であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のカルコゲナイドガラスレンズ。
  5. 表面に反射防止膜が形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のカルコゲナイドガラスレンズ。
  6. 反射防止膜が、低屈折率層と高屈折率層が交互に合計2層以上積層されていることを特徴とする請求項5に記載のカルコゲナイドガラスレンズ。
  7. 表面に微細構造が形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のカルコゲナイドガラスレンズ。
  8. 微細構造がモスアイ構造であることを特徴とする請求項7に記載のカルコゲナイドガラスレンズ。
  9. プレス成型体であることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載のカルコゲナイドガラスレンズ。
  10. 請求項1~9のいずれかに記載のカルコゲナイドガラスレンズを用いることを特徴とする赤外線センサ。
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