JP7494852B2 - 液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子に関する。
液晶表示素子には、電極構造、使用する液晶分子の物性、製造工程等が異なる種々の駆動方式が開発されている。例えば、TN(twisted nematic)型、STN(super-twisted nematic)型、VA(vertical Alignment)型、MVA(multi-domain vertical Alignment)型、IPS(in-plane switching)型、FFS(fringe field switching)型、PSA(polymer-Sustained Alignment)型等の液晶表示素子が知られている。
これらの液晶表示素子は、液晶分子を配向するために液晶配向膜を具備している。液晶配向膜の材料は、耐熱性、機械的強度、液晶との親和性等の各種の特性が良好である点から、一般に、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリシロキサン等の重合体からなる被膜が使用されている。
近年では、液晶表示素子の高画質化に対する要求がますます高くなっている。例えば、良好な液晶配向性とともに、高い電圧保持率を維持できる液晶表示素子が望まれており、特許文献1及び特許文献2には特定の化合物を含有する液晶配向剤が開示されている。
国際公開(WO)2016/063834号 日本特開2016-200798号公報
さらに、液晶表示素子は生産工程での経済性も非常に重要であることから、特に、素子基板の再生利用が求められている。すなわち、液晶配向剤から素子の基板上に液晶配向膜を形成後、配向性等の検査を行い、その結果、欠陥が生じていた場合、基板から液晶配向膜を除去し、基板を回収しこれを再生使用する、所謂リワーク工程が簡便に実施できることが求められている。
従来提案された液晶配向剤は必ずしも上記の課題を十分に満足して達成できるものとはいえなかった。本発明は、以上のような事情に基づいてなされるものであり、その目的は、高い電圧保持率を維持しつつ、リワーク性に優れた液晶配向膜が得られる液晶配向剤、それから得られる液晶配向膜、及びそれを用いた液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を進めたところ、特定の複数の成分を含有する液晶配向剤を使用することにより、上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、下記の要旨を有するものである。
下記の(A)成分と(B)成分を含有することを特徴とする液晶配向剤。
(A)成分:ポリイミド系重合体(A-1)、ポリオルガノシロキサン(A-2)、重合性不飽和結合を有するモノマーの重合体(A-3)及びセルロース系重合体(A-4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(A)。
(B)成分:2個以上の環が直接若しくは連結基を介して連結した構造又はステロイド骨格のいずれかを有し、下記式(b-1)~(b-5)で表される基を少なくとも一つ有するか、又は下記式(b-6)で表される基を少なくとも2つ有する、分子量が2000以下である化合物。
Figure 0007494852000001
(*は結合手を表し、R、R4a、R4b、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を表す。)
本発明の液晶配向剤によれば、高い電圧保持率を維持できる液晶表示素子及びリワーク性に優れた液晶配向膜が得られる液晶配向剤が得られる。
<(A)成分>
本発明の液晶配向剤は、下記式(1)で表される繰り返し単位及び下記式(2)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリイミド系重合体(A-1)、ポリオルガノシロキサン(A-2)、重合性不飽和結合を有するモノマーの重合体(A-3)及びセルロース系重合体(A-4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(A)を含有する。
<ポリイミド系重合体(A-1)>
ポリイミド系重合体としては、下記式(1)で表される繰り返し単位及び下記式(2)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有する重合体が好ましい。
Figure 0007494852000002
但し、式(1)、式(2)中、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基である。Rは水素原子、又は炭素数1~5のアルキル基であり、Z11、Z12は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2~10のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2~10のアルキニル基、tert-ブトキシカルボニル基、又は9-フルオレニルメトキシカルボニル基である。
上記式(2)におけるRの炭素数1~5のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基などが挙げられる。加熱によるイミド化のしやすさから、Rは、水素原子又はメチル基が好ましい。
上記式(2)におけるZ11、Z12の炭素数1~10のアルキル基の具体例としては、上記Rで例示した炭素数1~5のアルキル基の具体例に加えて、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。Z11、Z12の炭素数2~10のアルケニル基の具体例としては、例えばビニル基、プロペニル基、ブチニル基等が挙げられ、これらは直鎖状でも分岐状でもよい。Z11、Z12の炭素数2~10のアルキニル基の具体例としては、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基等が挙げられる。
上記Z11、Z12は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、水酸基、シアノ基、アルコキシ基などが挙げられる。残像が少ない点において、Z11、Z12は、水素原子又はメチル基が好ましい。
上記Xとしては、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステル及びテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物よりなる群から選ばれる少なくとも一種(以下、テトラカルボン酸誘導体と総称する。)に由来する4価の有機基が挙げられる。具体例を挙げると、芳香族テトラカルボン酸二無水物、脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、又はこれらのテトラカルボン酸ジエステル、若しくはテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物に由来する4価の有機基が挙げられる。式(1)のYはジアミンに由来する2価の有機基である。
ここで、芳香族テトラカルボン酸二無水物は、芳香環に結合する少なくとも1つのカルボキシル基を含めて4つのカルボキシル基が分子内脱水することにより得られる酸二無水物である。脂肪族テトラカルボン酸二無水物は、鎖状炭化水素構造に結合する4つのカルボキシル基が分子内脱水することにより得られる酸二無水物である。但し、鎖状炭化水素構造のみで構成されている必要はなく、その一部に脂環式構造や芳香環構造を有していてもよい。脂環式テトラカルボン酸二無水物は、脂環式構造に結合する少なくとも1つのカルボキシル基を含めて4つのカルボキシル基が分子内脱水することにより得られる酸二無水物である。但し、これら4つのカルボキシル基はいずれも芳香環には結合していない。また、脂環式構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状炭化水素構造や芳香環構造を有していてもよい。
は、高い電圧保持率が得られる点において、下記式(4a)~(4n)、下記式(5a)及び下記式(6a)からなる群から選ばれる4価の有機基が好ましい。
Figure 0007494852000003
但し、x、yは、単結合、-O-、-CO-、-CO(=O)-、炭素数1~5のアルカンジイル基、1,4-フェニレン、-SO-、又は-NRCO-(Rは水素原子又はメチル基を表す。)を表す。Z~Zは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、塩素原子又はベンゼン環を表す。j、kは、0又は1である。mは1~5の整数である。*は結合手を表す。
上記式(4a)の好ましい具体例として、高い電圧保持率が得られる点において、下記式(4a-1)~(4a-4)のいずれかで表される構造が挙げられる。
Figure 0007494852000004
上記式(5a)、(6a)における炭素数1~5のアルカンジイル基としては、メチレン、エチレン、1,3-プロパンジイル、1,4-ブタンジイル、1,5-ペンタンジイル等が挙げられる。
上記式(1)中のXは、高い電圧保持率が得られる点で、上記式(4a)~(4h)、(4j)、(4l)、(4m)、及び(4n)からなる群から選ばれる4価の有機基が好ましい。
高い電圧保持率が得られる点から、Xが上記式(4a)~(4n)、(5a)及び式(6a)からなる群から選ばれる4価の有機基であり、Yが2価の有機基である上記式(1)で表される繰り返し単位及び上記式(2)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる繰り返し単位(以下、繰り返し単位(t)ともいう。)の1種以上の含有量が、合計で、全繰り返し単位に対して、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましく、20モル%以上が特に好ましい。
式(1)のYとしては、ジアミンに由来する2価の有機基が挙げられる。例えば、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、又は芳香族ジアミンに由来する2価の有機基が挙げられる。具体例を挙げると、脂肪族ジアミンとしては、メタキシリレンジアミン、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等;脂環式ジアミンとしては、1,4-シクロヘキサンジアミン、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等が挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、p-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノアゾベンゼン、1-(4-アミノフェニル)-1,3,3-トリメチル-1H-インダン-5-アミン、1-(4-アミノフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,3,3-トリメチル-1H-インデン-6-アミン、2,6-ジアミノピリジン、3,4-ジアミノピリジン、2,4-ジアミノピリミジン、3,6-ジアミノカルバゾール、N-メチル-3,6-ジアミノカルバゾール、ビス(4-アミノフェニル)アミン、N,N-ビス(4-アミノフェニル)メチルアミン、N,N’-ビス(4-アミノフェニル)-ベンジジン、N,N’-ビス(4-アミノフェニル)-N,N’-ジメチルベンジジン、1,4-ビス(4-アミノフェニル)-ピペラジン、4-(4-アミノフェノキシカルボニル)-1-(4-アミノフェニル)ピペリジン、4,4’-[4,4’-プロパン-1,3-ジイルビス(ピペリジン-1,4-ジイル)]ジアニリン、下記式(z-1)~(z-19)などの窒素含有ジアミン、3,5-ジアミノ安息香酸などのカルボキシル基含有ジアミン、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3-ビス(3-アミノプロピル)-テトラメチルジシロキサン、下記式(H-1)~(H-16)、(H2-1)~(H2-17)、(H3-1)~(H3-4)のジアミン、下記式(V2-1)~(V2-13)などの炭素数3~20のアルキル基、炭素数3~20のフルオロアルキル基、炭素数3~20のアルコキシ基、炭素数17~51のステロイド骨格を有する基、2個以上の環が直接又は連結基を介して連結した構造(多環構造)を側鎖に有するジアミン、下記式(R1)~(R5)で表されるラジカル開始機能を有するジアミン、メタクリル酸2-(2,4-ジアミノフェノキシ)エチル、2,4-ジアミノ-N,N-ジアリルアニリンなどの光重合性基を末端に有するジアミン、WO2014/080865号の[0053]に記載の光配向性構造を有するジアミン、[0057]に記載の炭素-炭素不飽和結合を有するジアミン、[0058]に記載のアゾベンゼン骨格を有するジアミン、WO2012/086715号の[0069]~[0072]に記載の光反応性を有するジアミン等を挙げることができる。
Figure 0007494852000005
(nは2~10の整数を表す。)
Figure 0007494852000006
Figure 0007494852000007
(Bocは、tert-ブトキシカルボニル基を表す。以下でも同じである。)
Figure 0007494852000008
Figure 0007494852000009
(Rは水素原子、メチル基、又はtert-ブトキシカルボニル基を表す。)
Figure 0007494852000010
Figure 0007494852000011
(Rは水素原子、メチル基、又はtert-ブトキシカルボニル基を表す。*は結合手を表す。)
Figure 0007494852000012
Figure 0007494852000013
Figure 0007494852000014
但し、上記式(V2-1)~(V2-13)中、Xv1~Xv4、Xp1~Xp8は、それぞれ独立に、-(CH-(aは1~15の整数である)、-CONH-、-NHCO-、-CON(CH)-、-NH-、-O-、-CHO-、-CHOCO-、-COO-、又は-OCO-を示し、Xv5は-O-、-CHO-、-CHOCO-、-COO-、又は-OCO-を示す。XV6、XV7、Xs1~Xs4は、それぞれ独立に、-O-、-COO-又は-OCO-を示す。X~Xは、単結合、-O-、-NH-、-O-(CH-O-を示す。Rv1~Rv4、R1a~R1hはそれぞれ独立に、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基又は炭素数2~20のアルコキシアルキル基を示す。mは1~8の整数を表す。
本発明におけるポリイミド系重合体(A―1)は、例えば、上記Xの構造を有するテトラカルボン酸誘導体と、上記Yの構造を有するジアミンとを、WO2013/157586に記載されるような公知の方法で反応させることにより得ることができる。
かかるポリイミド系重合体(A―1)は、上記の如きテトラカルボン酸誘導体及びジアミンとともに、末端封止剤を用いて得られる末端修飾型の重合体であってもよい。
末端封止剤としては、例えば、無水マレイン酸、無水ナジック酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3-ヒドロキシフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、下記の(m-1)~(m-6)のいずれかで表される化合物などの酸一無水物;二炭酸ジ-tert-ブチルなどのクロロカルボニル化合物;アニリン、2-アミノフェノール、3-アミノフェノール、4-アミノサリチル酸、5-アミノサリチル酸、6-アミノサリチル酸、2-アミノ安息香酸、3-アミノ安息香酸、4-アミノ安息香酸などのモノアミン化合物;エチルイソシアネート、フェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどのモノイソシアネート化合物などを挙げることができる。
Figure 0007494852000015
末端封止剤の使用割合は、使用するジアミンの合計100モル部に対して、40モル部以下とすることが好ましく、30モル部以下とすることがより好ましい。
<ポリオルガノシロキサン(A-2)>
ポリオルガノシロキサン重合体(A-2)は、例えば加水分解性のシラン化合物を、好ましくは適当な有機溶媒、水及び触媒の存在下において、加水分解又は加水分解・縮合することにより得ることができる。重合体(A-2)の合成に使用する加水分解性のシラン化合物としては、例えば、液晶表示素子に高い電圧保持率を付与する点から、分子内にオキセタニル基及びオキシラニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有してもよい。オキセタニル基又はオキシラニル基を有するシラン化合物の具体例としては、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、2-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
重合体(A-2)の合成に使用するその他のシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のアルコキシシラン;3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(3-シクロヘキシルアミノ)プロピルトリメトキシシラン等の窒素・硫黄含有アルコキシシラン;3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等の不飽和結合含有アルコキシシラン;トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物などを挙げることができる。
TN型、STN型又は垂直配向型の液晶表示素子用の液晶配向剤に適用する場合、あるいは光配向法により塗膜に液晶配向能を付与する場合、重合体(A-2)の側鎖に、液晶配向性基や光配向性基などの特定基を導入してもよい。これら特定基を側鎖に有する重合体(A-2)を合成する方法は特に限定されないが、例えば、前記エポキシ基含有シラン化合物、又はエポキシ基含有シラン化合物とその他のシラン化合物との混合物を加水分解縮合してエポキシ基を有する重合体を合成し、次いで、得られたエポキシ基含有の重合体と、上記特定基を有するカルボン酸とを反応させる方法などが挙げられる。エポキシ基含有重合体とカルボン酸との反応は公知の方法に従って行うことができる。
上記特定基を有するカルボン酸としては、炭素数4~20のアルキル基、炭素数4~20のフルオロアルキル基、炭素数4~20のアルコキシ基、炭素数17~51のステロイド骨格を有する基、2個以上の環が直接又は連結基を介して連結した構造(多環構造)を有する基などの液晶配向性基を有するカルボン酸、桂皮酸構造などの光配向性基を有するカルボン酸などが挙げられる。
重合体(A-2)は、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が500~100,000が好ましく、1,000~30,000がより好ましく、1,000~20,000が更に好ましい。
<重合性不飽和結合を有するモノマーの重合体(A-3)>
重合体(A-3)の重合に用いるモノマーは、重合性不飽和結合を有していれば特に限定されない。例えば、(メタ)アクリル系化合物、共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、マレイミド化合物等が挙げられる。液晶表示素子に高い電圧保持率を付与する点から、重合に用いるモノマーは、分子内に、オキセタニル基、オキシラニル基、カルボキシル基、アルコキシシラン基、環状カーボネート基、イソシアネート基及び保護イソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有してもよい。
オキセタニル基又はオキシラニル基を有するモノマーとしては、例えばN-(4-グリシジルオキシフェニル)マレイミド、N-グリシジルマレイミド等のマレイミド系化合物;3-(グリシジルオキシメチル)スチレン、4-(グリシジルオキシメチル)スチレン、4-グリシジル-α-メチルスチレン等のスチレン系化合物;(メタ)アクリル酸グリシジル、α-エチルアクリル酸グリシジル、α-n-プロピルアクリル酸グリシジル、α-n-ブチルアクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4-エポキシブチル、α-エチルアクリル酸3,4-エポキシブチル、(メタ)アクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸6,7-エポキシヘプチル、α-エチルアクリル酸6,7-エポキシヘプチル、アクリル酸4-ヒドロキシブチルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル等の(メタ)アクリル系化合物をそれぞれ挙げることができる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば3-ビニル安息香酸、4-ビニル安息香酸等のスチレン系化合物;(メタ)アクリル酸、α-エチルアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル安息香酸、クロトン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3-マレイミド安息香酸、3-マレイミドプロピオン酸、無水マレイン等が挙げられる。イソシアネート基又は保護イソシアネート基を有するモノマーとしては、例えば、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(カレンズMOI、昭和電工社製)、2-[(3,5-ジメチルピラゾイル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート(カレンズMOI-BP、昭和電工社製)等を挙げることができる。アルコキシシラン基を有するモノマーとしては、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(サイラエース S710、JNC社製)、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
また、重合体(A-3)の重合に用いるモノマーは、光配向性基を有してもよく、光配向性基の具体例としては、アゾベンゼン又はその誘導体を基本骨格として含むアゾベンゼン含有基、桂皮酸又はその誘導体(桂皮酸構造)を基本骨格として含む桂皮酸構造含有基、カルコン又はその誘導体を基本骨格として含むカルコン含有基、ベンゾフェノン又はその誘導体を基本骨格として含むベンゾフェノン含有基、クマリン又はその誘導体を基本骨格として含むクマリン含有基、シクロブタン又はその誘導体を基本骨格として含むシクロブタン含有構造等が挙げられる。光に対する感度が高い点で、光配向性基は、中でも、桂皮酸構造含有基であることが好ましい。具体例としては、下記式(3-m1)~(3-m18)等が挙げられる。
Figure 0007494852000016
上記重合体(A-3)に用いるモノマーは、上記官能基のいずれも有さないモノマー(以下、その他のモノマーともいう。)を併用してもよい。その他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸シクロアルキル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル等の(メタ)アクリル系化合物;スチレン、メチルスチレン、ジビニルベンゼン;1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン;N-メチルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-フェニルマレイミド等が挙げられる。
重合体(A-3)の合成に際し、オキセタニル基、オキシラニル基、カルボキシル基、アルコキシシラン基、環状カーボネート基、イソシアネート基及び保護イソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するモノマーの使用割合は、重合体(A-3)の合成に使用するモノマーの全量に対して、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上が更に好ましい。なお、後述する光配向性基を併用する場合には、該モノマーの使用割合は90モル%以下が好ましく、80モル%以下が好ましい。
光配向性基を有するモノマーの含有割合は、重合体(A-3)の合成に使用するモノマーの全量に対して、10~99モル%が好ましく、10~95モル%がより好ましく、20~90モル%が更に好ましい。
重合体(A-3)の製造方法については、特に限定されるものではなく、工業的に扱われている汎用な方法が使用できる。具体的には、モノマーのビニル基を使用したカチオン重合やラジカル重合、アニオン重合により製造することができる。なかでも、反応制御のしやすさなどの点からラジカル重合が特に好ましい。重合体(A-3)は、例えば、モノマーを重合開始剤の存在下で重合して得ることができる。使用する重合開始剤としては、例えば2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が好ましい。重合開始剤の使用割合は、反応に使用する全モノマー100質量部に対して、0.01~30質量部とすることが好ましい。使用する有機溶媒としては、例えばアルコール、エーテル、ケトン、アミド、エステル、炭化水素化合物等が挙げられる。
重合体(A-3)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算のMwは、好ましくは1,000~300,000であり、より好ましくは2,000~100,000である。Mwと、GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは10以下であり、より好ましくは8以下である。
<セルロース系重合体(A-4)>
重合体(A-4)の具体例としては、下記式(4-c)で表される構造単位を有する重合体が挙げられる。
Figure 0007494852000017
(R~Rは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基である。Xは、酸素原子又は硫黄原子である。)
上記R~Rで表される1価の有機基としては、炭素数1~10の鎖状炭化水素基、炭素数3~10の脂環式炭化水素基、炭素数6~15の芳香族炭化水素基、これらの基と、-CO-、-COO-、-OCO-及び-O-からなる群より選択される少なくとも1種の基とを組み合わせてなる基等が挙げられる。入手性の点から、R~Rとしては、下記式(1a)~(1m)からなる群から選ばれる基であってもよい。液晶表示素子に高い電圧保持率を付与する点から、R~Rの少なくとも一つはカルボキシル基を含有することが好ましい。例えば、下記式(1f)、(1h)、(1i)、(1j)~(1m)などである。
Figure 0007494852000018
Figure 0007494852000019
但し、X及びXは、ベンゼン環又は炭素数1~4のアルキル基(具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、ブチル基など)を示す。X、X10、X11、X12、X13及びX14は、ベンゼン環又は炭素数1~4のアルキレン基(具体的には、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基など)を示す。
重合体(A-4)のMnは、溶媒への溶解性や、液晶配向剤としての取り扱い性の点から、100~500,000が好ましく、100~100,000がより好ましい。
<(B)成分>
本発明の液晶配向剤中に含有される(B)成分は分子内に側鎖構造を有するため、得られる液晶配向膜は分子内に柔軟な構造を含むことになる。これにより、リワーク溶剤に対する溶解性を高めることが出来るため、本発明の液晶配向膜は高いリワーク性を発現する。また、(B)成分はヒドロキシアルキル基を分子末端に有するため、(A)成分と(B)成分との間、又は(B)成分同士のいずれかにおいて架橋反応が生じるため、得られる液晶配向膜の架橋密度が高くなる。この結果、基板由来の不純物成分が液晶配向膜に捕捉されやすくなるため、これを具備する液晶表示素子は高い電圧保持率を示す。
(B)成分が、上記式(b-1)~(b-5)のいずれかで表される基を少なくとも一つ有する場合、液晶表示素子に高い電圧保持率を付与する点から、上記式(b-1)~(b-5)のいずれかで表される基を少なくとも2つ有してもよい。
(B)成分としては、下記式(3-1)又は下記式(3-2)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0007494852000020
但し、Bは下記式(b-1)~(b-6)からなる群から選ばれる構造を表し、Bは下記式(b-1)~(b-5)から選ばれる構造を表す。Lは、下記式(1L-1)又は(1L-2)の構造を表す。Lは、単結合、下記式(2L-1)、又は-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-、-(CH-(nは2~20の整数を表す。)及び-NR-(Rは水素原子又はメチル基を表す。)からなる群から選ばれる2価の基(以下、連結基(2a)という。)を表す。なお、上記-(CH-の任意のCHが、-O-、-CH(CH)-、-C(CH-、-CO-若しくは-NR-で置換されていてもよい。AL、ALは、それぞれ独立に、*-Cy-Z又は*-Cyを表す。m1は1~4の整数を表す。m2は1~2の整数を表す。Cyは、2個以上の環が直接又は連結基を介して連結した構造を表す。Cyは、ステロイド骨格を有する基を表す。Zは、炭素数が3以上の直鎖状又は分岐状の炭化水素基を表す。
Figure 0007494852000021
(但し、*1は、ALと結合する結合手を表し、*2はBと結合する結合手を表す。n1は1~2の整数を表し、n2は1~4の整数を表す。A11、A12は、それぞれ独立に、単結合、-O-、又は連結基(2a)を表す。A12が複数存在する場合、複数のA12は同一でも異なってもよい。A21、A22は、それぞれ独立に、連結基(2a)(-NR-を除く。)を表す。As11は、単結合、-O-、-CO-、又は連結基(2a)を表す。As12は、単結合、-CO-、又は連結基(2a)(-NR-を除く。)を表す。)
Figure 0007494852000022
(但し、*1は、Bと結合する結合手を表し、*2はALと結合する結合手を表す。As2は上記As11と同義である。)
Figure 0007494852000023
(但し、*は結合手を表し、R、R4a、R4b、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を表す。)
上記Zにおいて、直鎖状又は分岐状の炭化水素基は該基中の相隣り合わない1つ以上のメチレン基が、酸素原子、CO若しくはCO(=O)のような酸素原子含有基、又は硫黄原子により置換されたものや、メチレン基中の水素原子がアルコキシ基又はハロゲン等で置換されたものでもよい。リワーク特性が良好である点から、Zとしては、炭素数3~20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3~20の直鎖状若しくは分岐状のフルオロアルキル基、炭素数3~20の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基、又は炭素数3~20の直鎖状若しくは分岐状のアルキルエステル基などが挙げられる。
上記Cyにおいて、2個以上の環が直接又は連結基を介して連結した構造を構成する環は、ベンゼン環、ナフタレン環又はシクロヘキサン環であることが好ましい。多環構造を構成する環の数は2個以上であればよく、2~4個であることが好ましい。なお、多環構造を構成する複数の環は、互いに同じでも異なっていてもよい。環がベンゼン環である場合、環の結合位置は、他の基に対してパラ位であることが好ましい。環がナフタレン環である場合、環の結合位置は、他の基に対してアンフィ位(2,6-位)であることが好ましい。環がシクロヘキサン環である場合、環の結合位置は、他の基に対して1,4-位であることが好ましい。また、上記環上の任意の水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、フッ素原子を含有する炭素数1~6の1価の有機基、炭素数1~6のアルコキシ基などの1価の有機基で置き換えられてもよい。
上記Cyにおいて、連結基としては、例えば、-O-、-CO-、-COO-、-NR-、-CONR-(Rは、水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は保護基である。)、炭素数1~10のアルカンジイル基、又は炭素数1~10のアルカンジイル基の少なくとも1個のメチレン基を-O-、-CO-、-COO-、-NR-若しくは-CONR-で置換した2価の基などが挙げられる。Rの保護基としては、例えば、カルバメート系保護基が挙げられる。カルバメート系保護基の具体例としては、tert-ブトキシカルボニル基又は9-フルオレニルメトキシカルボニル基が挙げられる。
上記Cy1は中でも、下記式(Rn)で表される構造が好ましい。
Figure 0007494852000024
式(Rn)において、Xは、それぞれ独立して、単結合、又はCyで例示した2価の基を表す。mは2~6である。Gは、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環又はシクロヘキサン環を表す。*は結合手を表す。
上記Cyにおいて、ステロイド骨格を有する基は、炭素数17~51であることが好ましく、例えばコレステリル基、コレスタニル基、ラノスタニル基等が挙げられる。
は、高い電圧保持率を有する点から、上記式(b-1)、(b-3)、(b-5)、又は(b-6)が好ましい。
本発明における(B)成分は、リワーク性を高める理由から、分子量が2000以下の化合物である。なかでも、リワーク性を高める理由から分子量が1800以下であるのが好ましく、1500以下であるのがより好ましい。(B)成分の化合物の分子量は、電圧保持率を高める理由から、好ましくは100以上であり、より好ましくは150以上である。
(B)成分としては、高い電圧保持率を有する点から、上記式(3-1)で表される化合物であることが好ましい。
(B)成分としては、高い電圧保持率を有し、合成が容易である点から、下記式(B1-1-1)~(B1-1-43)、(B1-2-1)~(B1-2-22)、(B2-1-1)~(B2-1-18)、(B2-2-1)~(B2-2-34)、(B2-3-1)~(B2-3-14)のいずれかで表される化合物が好ましい。高い電圧保持率を有する点から、より好ましくは、(B1-1-1)~(B1-1-43)、(B1-2-1)~(B1-2-22)の化合物であり、合成が容易である点から、(B1-1-1)、(B1-1-3)、(B1-1-4)、(B1-1-6)、(B1-1-8)、(B1-1-9)、(B1-1-11)、(B1-1-12)、(B1-1-14)、(B1-1-15)、(B1-1-17)、(B1-1-18)、(B1-1-20)、(B1-1-21)、(B1-1-23)、(B1-1-24)、又は(B1-1-26)の化合物がさらに好ましい。
Figure 0007494852000025
Figure 0007494852000026
Figure 0007494852000027
Figure 0007494852000028
Figure 0007494852000029
Figure 0007494852000030
Figure 0007494852000031
Figure 0007494852000032
Figure 0007494852000033
Figure 0007494852000034
Figure 0007494852000035
Figure 0007494852000036
Figure 0007494852000037
Figure 0007494852000038
Figure 0007494852000039
Figure 0007494852000040
Figure 0007494852000041
Figure 0007494852000042
Figure 0007494852000043
Figure 0007494852000044
上記(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部あたり、0.1~40質量部が好ましく、0.5~35質量部がより好ましく、0.5~30質量部が特に好ましい。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、上記(A)成分及び(B)成分を含有する。本発明の液晶配向剤には、上記(A)成分である重合体(A-1)~(A-4)に加えて、その他の重合体を含有していてもよい。その他の重合体の種類としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリアセタール、ポリスチレン又はその誘導体、ポリ(スチレン-フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
液晶配向剤は、液晶配向膜を作製するために用いられるものであり、均一な薄膜を形成させるという点から、塗布液の形態をとる。本発明の液晶配向剤においても上記した(A)成分及び(B)成分と、有機溶媒とを含有する塗布液であることが好ましい。その際、液晶配向剤中の上記(A)成分を含む重合体の含有量(濃度)は、形成させようとする塗膜の厚みの設定によって適宜変更することができる。均一で欠陥のない塗膜を形成させる点から、1質量%以上が好ましく、溶液の保存安定性の点からは、10質量%以下が好ましく、特に好ましくは、2~8質量%である。
液晶配向剤に含有される有機溶媒は、重合体成分が均一に溶解するものであれば特に限定されない。その具体例を挙げるならば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、N,N-ジメチルラクトアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド(総称して、良溶媒ともいう)などを挙げることができる。印刷性が良好な点から、なかでも、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、N,N-ジメチルラクトアミド、又はγ-ブチロラクトンが好ましい。印刷性が良好な点から、良溶媒は、液晶配向剤に含まれる溶媒全体の20~99質量%が好ましく、20~90質量%がより好ましく、30~80質量%が特に好ましい。
また、液晶配向剤に含有される有機溶媒は、上記溶媒に加えて液晶配向剤を塗布する際の塗布性や塗膜の表面平滑性を向上させる溶媒(貧溶媒ともいう。)を混合した溶媒を使用することが好ましい。貧溶媒の具体例を下記に挙げるが、これらの例に限定されない。
例えば、ジイソプロピルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジイソブチルカルビノール(2,6-ジメチル-4-ヘプタノール)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、1,2-ブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、3-エトキシブチルアセタート、1-メチルペンチルアセタート、2-エチルブチルアセタート、2-エチルヘキシルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1-(2-ブトキシエトキシ)-2-プロパノール、2-(2-ブトキシエトキシ)-1-プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアセタート、ジエチレングリコールアセタート、プロピレングリコールジアセテート、酢酸n-ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸プロピル、3-メトキシプロピオン酸ブチル、乳酸n-ブチル、乳酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジイソブチルケトン(2,6-ジメチル-4-ヘプタノン)などを挙げることができる。
貧溶媒は、なかでも、印刷性が良好な点から、ジイソブチルカルビノール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、又はジイソブチルケトンが好ましい。
貧溶媒は、液晶配向剤に含まれる溶媒全体の1~80質量%が好ましく、10~80質量%がより好ましく、20~70質量%が特に好ましい。溶媒の種類及び含有量は、液晶配向剤の塗布装置、塗布条件、塗布環境などに応じて適宜選択される。
良溶媒と貧溶媒との溶媒の組み合わせとしては、印刷性が良好な点から、N-メチル-2-ピロリドンとエチレングリコールモノブチルエーテル、N-メチル-2-ピロリドンとγ-ブチロラクトンとエチレングリコールモノブチルエーテル、N-メチル-2-ピロリドンとγ-ブチロラクトンとプロピレングリコールモノブチルエーテル、N-エチル-2-ピロリドンとプロピレングリコールモノブチルエーテル、N-メチル-2-ピロリドンとγ-ブチロラクトンと4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンとジエチレングリコールジエチルエーテル、N-メチル-2-ピロリドンとγ-ブチロラクトンとプロピレングリコールモノブチルエーテルとジイソブチルケトン、N-メチル-2-ピロリドンとγ-ブチロラクトンとプロピレングリコールモノブチルエーテルとジイソプロピルエーテル、N-メチル-2-ピロリドンとγ-ブチロラクトンとプロピレングリコールモノブチルエーテルとジイソブチルカルビノール、N-メチル-2-ピロリドンとγ-ブチロラクトンとジプロピレングリコールジメチルエーテル、N-メチル-2-ピロリドンとプロピレングリコールモノブチルエーテルとジプロピレングリコールジメチルエーテル、N-エチル-2-ピロリドンとプロピレングリコールモノブチルエーテルとジプロピレングリコールジメチルエーテルなどの組合せなどを挙げることができる。
本発明の液晶配向剤は、(A)成分、(B)成分、及び有機溶媒に加えて、それ以外の成分を追加的に含有してもよい。追加成分としては、液晶配向膜と基板との密着性や液晶配向膜とシール材との密着性を高めるための密着助剤、液晶配向膜の強度を高めるための化合物(以下、架橋性化合物ともいう。)、液晶配向膜の誘電率や電気抵抗を調整するための誘電体や導電物質などが挙げられる。
上記架橋性化合物として、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-4、4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-p-フェニレンジアミン、下記式(r-1)~(r-3)などのオキシラニル基を有する化合物、下記式(bi-1)~(bi-3)、日本特開2016-200798号公報に記載の化合物などの保護イソシアネート基を有する化合物、下記式(hd-1)~(hd-8)で表されるヒドロキシアルキルアミド化合物、又は下記式(e-1)~(e-8)で表される化合物から選ばれる化合物を用いてもよい。
Figure 0007494852000045
Figure 0007494852000046
Figure 0007494852000047
Figure 0007494852000048
上記化合物は架橋性化合物の一例であり、これらに限定されない。例えば、WO2011/132751号の[0170]~[0175]に記載のオキセタニル基を有する化合物、日本特開2007-286597号公報の[0115]に記載のオキサゾリン構造を含む化合物、WO2012/091088号に記載のメルドラム酸構造を有する化合物、WO2011/155577号に記載のシクロカーボネート基を有する化合物、WO2015/060357号の[0105]~[0116]に開示されている上記以外の成分などが挙げられる。架橋性化合物は2種類以上併用してもよい。
本発明の液晶配向剤における、架橋性化合物の含有量は、目的の効果を発現し、かつ液晶配向性を高める点から、液晶配向剤に含まれる重合体成分100質量部に対して、0.5~20質量部が好ましく、1~15質量部がより好ましい。
上記密着助剤としては、例えば3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルジエトキシメチルシラン、2-アミノプロピルトリメトキシシラン、2-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N-エトキシカルボニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-エトキシカルボニル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N-トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N-ビス(オキシエチレン)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-ビス(オキシエチレン)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。これらシランカップリング剤の使用量は、液晶配向性を高める点から、液晶配向剤に含まれる重合体成分100質量部に対して、0.1~30質量部が好ましく、0.1~20質量部がより好ましい。
<液晶配向膜・液晶表示素子>
本発明に係る液晶表示素子は、上記液晶配向剤を用いて形成した液晶配向膜を具備する。液晶表示素子の動作モードは特に限定されず、例えばTN型、STN型、垂直配向型(VA-MVA型、VA-PVA型などを含む。)、面内スイッチング型(IPS型)、FFS型、光学補償ベンド型(OCB型)など種々の動作モードに適用できる。
本発明に係る液晶表示素子は、例えば、以下の工程(1-1)~(1-3)により製造できる。工程(1-1)は、所望の動作モードによって使用基板が異なる。工程(1-2)及び工程(1-3)は各動作モードに共通である。
[工程(1-1):塗膜の形成]
先ず、基板上に本発明の液晶配向剤を塗布し、次いで塗布面を加熱することにより基板上に塗膜を形成する。
(1-1A)
例えばTN型、STN型又はVA型の液晶表示素子を製造する場合、まず、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板の二枚を一対として、その各透明性導電膜形成面上に、液晶配向剤を、好ましくはオフセット印刷法、スピンコート法、ロールコーター法又はインクジェット印刷法により塗布する。基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(PPG社商標)、酸化インジウム-酸化スズ(In-SnO)からなるITO膜などを用いることができる。
液晶配向剤を塗布した後、塗布した液晶配向剤の液垂れ防止などの目的で、好ましくは予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、好ましくは30~200℃であり、より好ましくは40~150℃であり、特に好ましくは40~100℃である。その後、溶剤を完全に除去し、必要に応じて、重合体に存在するアミック酸構造を熱イミド化することを目的として焼成(ポストベーク)工程が実施される。このときの焼成温度(ポストベーク温度)は、好ましくは80~300℃であり、より好ましくは120~250℃である。ポストベーク時間は、好ましくは5~200分であり、より好ましくは10~100分である。このようにして形成される膜厚は、好ましくは0.001~1μmであり、より好ましくは0.005~0.5μmである。
(1-1B)
IPS型又はFFS型の液晶表示素子を製造する場合、櫛歯型にパターニングされた透明導電膜又は金属膜からなる電極が設けられている基板の電極形成面と、電極が設けられていない対向基板の一面とに液晶配向剤をそれぞれ塗布し、次いで各塗布面を加熱することにより塗膜を形成する。このとき使用される基板及び透明導電膜の材質、塗布方法、塗布後の加熱条件、透明導電膜又は金属膜のパターニング方法、基板の前処理、及び形成される塗膜の好ましい膜厚は上記(1-1A)と同様である。金属膜としては、例えばクロムなどの金属からなる膜を使用できる。
上記(1-1A)及び(1-1B)のいずれの場合も、基板上に液晶配向剤を塗布した後、有機溶媒を除去することによって液晶配向膜となる塗膜が形成される。このとき、塗膜形成後に更に加熱することによって、液晶配向剤に配合されるポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドの脱水閉環反応を進行させ、よりイミド化された塗膜としてもよい。
[工程(1-2):配向能付与処理]
TN型、STN型、IPS型又はFFS型の液晶表示素子を製造する場合、上記工程(1-1)で形成した塗膜に液晶配向能を付与する処理を実施する。配向能付与処理としては、例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで塗膜を一定方向に擦るラビング処理、塗膜に対して偏光又は非偏光の放射線を照射する光配向処理などが挙げられる。一方、VA型液晶表示素子の場合には、上記工程(1-1)で形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用できるが、該塗膜に対し配向能付与処理を施してもよい。
光配向処理により塗膜に液晶配向能を付与する場合、塗膜に照射する放射線としては、例えば150~800nmの波長の光を含む紫外線又は可視光線を用いることができる。放射線が偏光である場合、直線偏光であっても部分偏光であってもよい。また、用いる放射線が直線偏光又は部分偏光である場合には、照射は基板面に垂直の方向からでも、斜め方向から行ってもよく、又はこれらを組み合わせて行ってもよい。非偏光の放射線を照射する場合、照射の方向は斜め方向とされる。
光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプなどを使用することができる。好ましい波長領域の紫外線は、光源を、例えばフィルター、回折格子などと併用する手段などにより得ることができる。放射線の照射量は、好ましくは10~5,000mJ/cmであり、より好ましくは30~2,000mJ/cmである。
また、塗膜に対する光照射は、反応性を高めるために塗膜を加温しながら行ってもよい。加温の温度は、通常30~250℃であり、好ましくは40~200℃であり、より好ましくは50~150℃である。
また、150~800nmの波長の光を含む紫外線を使用する場合には、上記工程で得られた光照射膜をそのまま液晶配向膜として使用できるが、該光照射膜を焼成、水や有機溶媒による洗浄、又はこれらの組合せを実施してもよい。このときの焼成温度は、好ましくは80~300℃であり、より好ましくは80~250℃である。焼成時間は、好ましくは5~200分であり、より好ましくは10~100分である。尚、焼成の回数は2回以上の回数で行ってもよい。ここでの光配向処理が、液晶層と接触していない状態での光照射の処理に相当する。
上記のようにして液晶配向剤から基板上に液晶配向膜が形成されるが、液晶配向膜に欠陥が生じていた場合、本発明の液晶配向剤から形成された液晶配向膜は、これを基板から除去して基板を再生使用するリワーク工程において優れている。
すなわち、リワーク工程は、液晶配向膜を有する基板を溶剤中に好ましくは20~100℃で浸漬し、その後に純水により除去することにより実施されるが、本発明の液晶配向剤から形成された液晶配向膜は、リワーク工程において次の利点がある。即ち、本発明の液晶配向剤から形成された液晶配向膜はリワーク剤への溶解性が高い為、使用可能な溶剤の種類が増える、或いは溶剤に浸漬する温度や浸漬時間を低減することができるといった利点を有するため、製造コストを低減することができる。
[工程(1-3):液晶セルの構築]
(1-3A)
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより液晶セルを製造する。具体的には、以下の2つの方法が挙げられる。
第一の方法は、先ず、それぞれの液晶配向膜が対向するように間隙(セルギャップ)を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤で貼り合わせ、基板表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止することにより液晶セルを製造する。
第二の方法は、ODF(One Drop Fill)方式と呼ばれる手法である。液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上の所定の場所に、例えば紫外光硬化性のシール剤を塗布し、さらに液晶配向膜面上の所定の数箇所に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせるとともに液晶を基板の全面に押し広げ、次いで基板の全面に紫外光を照射してシール剤を硬化することにより液晶セルを製造する。いずれの方法による場合でも、製造した液晶セルにつき、更に、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより、液晶充填時の流動配向を除去することが望ましい。
シール剤としては、例えば、硬化剤及びスペーサとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
液晶としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶などを挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましく、例えば、シッフベース系、アゾキシ系、ビフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、エステル系、ターフェニル系、ビフェニルシクロヘキサン系、ピリミジン系、ジオキサン系、ビシクロオクタン系、キュバン系などが挙げられる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック液晶;「C-15」、「CB-15」(メルク社商品名)のようなカイラル剤;p-デシロキシベンジリデン-p-アミノ-2-メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶などを添加してもよい。
また、液晶は、異方性染料を追加で含むことができる。例えば、黒色染料(black dye)又はカラー染料(color dye)を使用できる。異方性染料の液晶に対する使用割合は目的とする物性を損なわない範囲内で適切に選択され、例えば、液晶化合物100質量部に対して0.01~5質量部であるが、必要によって適宜変更できる。
(1-3B)
PSA型液晶表示素子の場合には、液晶と共に、例えば下記式(w-1)~(w-5)などの光重合性化合物を注入又は滴下する点以外は上記(1-3A)と同様にして液晶セルを構築する。
Figure 0007494852000049
一対の基板の有する導電膜間に電圧を印加した状態で液晶セルに光照射する。ここで印加する電圧は、例えば5~50Vの直流又は交流とすることができる。また、照射する光としては、例えば150~800nmの波長の光を含む紫外線又は可視光線を用いることができるが、300~400nmの波長の光を含む紫外線が好ましい。光の照射量としては、好ましくは100~30,000mJ/cmであり、より好ましくは100~20,000mJ/cmである。
(1-3C)
光重合性基を有する化合物を含む液晶配向剤を用いて基板上に塗膜を形成した場合、上記(1-3A)と同様にして液晶セルを構築し、その後、一対の基板の有する導電膜間に電圧を印加した状態で液晶セルに光照射する工程を経ることにより液晶表示素子を製造する方法を採用してもよい。光重合性基を有する添加剤としては、上記式(w-1)~(w-5)で例示した構造を挙げることができる。その配合量は液晶配向剤に含まれる固形分に対して1~30質量%が好ましく、1~20質量%がより好ましく、1~15質量%が特に好ましい。
液晶セルに対する光照射は、電圧印加により液晶を駆動させた状態で行ってもよく、あるいは液晶を駆動させない程度に低い電圧を印加した状態で行ってもよい。印加する電圧は、例えば0.1~30Vの直流又は交流とすることができる。照射する光の条件については、上記(1-3B)の説明を適用することができる。ここでの光照射処理が、液晶層と接触した状態での光照射の処理に相当する。
そして、液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせることにより、本発明に係る液晶表示素子を得ることができる。液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光フィルムを酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板又はH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下における化合物の略号及び各特性の測定方法は、次のとおりである。尚、化合物(c-1)は、日本特開2008-052260号公報の合成例3に記載の方法に従って合成した。
(ジアミン)
DA-1~DA-27:それぞれ下記式(DA-1)~(DA-27)で表される化合物
(テトラカルボン酸二無水物)
CA-1~CA-8:それぞれ下記式(CA-1)~(CA-8)で表される化合物
(テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物)
CE-1:下記式(CE-1)で表される化合物
(モノカルボン酸塩化物)
E-1:アクリロイルクロライド
(B成分)
b-1~b-8:それぞれ下記式(b-1)~(b-8)で表される化合物
(その他の添加剤)
c-1~c-4:それぞれ下記式(c-1)~(c-4)で表される化合物
F-1:N-α-(9-フルオレニルメチルオキシカルボニル)-N-τ-t-ブトキシカルボニル-L-ヒスチジン(式(F-1)の化合物)
s-1:3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(式(s-1)の化合物)
s-2:3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(式(s-2)の化合物)
M-1:3-ピコリルアミン
(有機溶媒)
NMP:N-メチル-2-ピロリドン、GBL:γ-ブチロラクトン、
BCS:ブチルセロソルブ、DIBK:ジイソブチルケトン、
NEP:N-エチル-2-ピロリドン、DAA:ジアセトンアルコール、
PC:プロピレンカーボネート、DME:ジプロピレングリコールジメチルエーテル、
DPM:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、
PB:プロピレングリコールモノブチルエーテル、
PGDAC:プロピレングリコールジアセテート、
DEDE:ジエチレングリコールジエチルエーテル、
GVL:γ-バレロラクトン、DML:N,N-ジメチルラクトアミド、
EEP:3-エトキシプロピオン酸エチル
Figure 0007494852000050
Figure 0007494852000051
Figure 0007494852000052
Figure 0007494852000053
Figure 0007494852000054
Figure 0007494852000055
Figure 0007494852000056
(Fmocは、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基を表す。式(c-4)中、Rは、メチロール基又は-CH-O-C17基のいずれかを表す。)
[粘度]
E型粘度計TVE-22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE-1(1°34’、R24)、温度25℃で測定した。
[分子量]
常温GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)装置によって測定し、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド換算値として、Mn、Mwを算出した。
GPC装置:Shodex社製(GPC-101)、カラム:Shodex社製(GPC KD-803、GPC KD-805の直列)、カラム温度:50℃、溶離液:N,N-ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム一水和物(LiBr・HO)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o-リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10mL/L)、流速:1.0mL/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(Mw:約900,000、150,000、100,000、30,000)、及び、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(ピークトップ分子量(Mp)約12,000、4,000、1,000)。測定は、ピークが重なるのを避けるため、900,000、100,000、12,000、1,000の4種類を混合したサンプル、及び150,000、30,000、4,000の3種類を混合したサンプルの2サンプルを別々に測定した。
<イミド化率>
ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(NMRサンプリングチューブスタンダード,φ5(草野科学社製))に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6,0.05%TMS(テトラメチルシラン)混合品)(0.53ml)を添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定機(JNW-ECA500)(日本電子データム社製)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5ppm~10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1-α・x/y)×100
上記式中、xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値であり、yは基準プロトンのピーク積算値であり、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
[(B)成分の合成]
<合成例(b-1)>
下記に示す経路に従って化合物(b-1)を合成した。
Figure 0007494852000057
ナスフラスコに、化合物(b-1-1)(5.00g、16.5mmol)、トルエン(19.64g)、塩化チオニル(5.90g、49.5mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)をパスツールで数滴加え、室温で撹拌した後70℃まで昇温し、窒素雰囲気下で6時間反応させた。反応溶液を減圧濃縮することで化合物(b-1-2)を得た。
続いて別のナスフラスコに、ジエタノールアミン(3.47g、33.0mmol)、トリエチルアミン(2.51g、24.8mmol)及びジクロロメタン30mLを加え、氷冷条件にて撹拌した。次に、上記で得られた化合物(b-1-1)をジクロロメタン8mLに溶解した溶液を加え、一晩撹拌した。反応終了後、反応溶液に飽和食塩水を加えて有機層を取り出し、更に飽和食塩水で有機層を洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、得られた溶液を減圧濃縮した。析出した固体をヘプタンで洗浄し、化合物(b-1)を5.29g得た。
<合成例(b-2)>
下記に示す経路に従って化合物(b-2)を合成した。
Figure 0007494852000058
ナスフラスコに、5-アミノイソフタル酸(11.97g、66.1mmol)及びN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)(111.97g)を加えて撹拌した。次にこのナスフラスコに、化合物(b-1-2)(21.21g、66.1mmol)をトルエン(28.00g)に溶解した溶液を滴下して、60℃まで昇温した。窒素雰囲気下で一晩反応させた後、反応溶液をエタノール(80mL)と水(400mL)の混合溶液に注ぎ、固体を析出させた。得られた固体を回収した後に乾燥を行い、化合物(b-2-1)を31.07g得た。
続いて、ナスフラスコに化合物(b-2-1)(5.00g、10.7mmol)、ジエタノールアミン(2.37g、22.5mmol)、THF(27.27g)、及び4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(DMT-MM)(6.23g、22.5mmol)を加えて、室温で5時間反応させた。反応溶液に飽和食塩水を加え、有機層を取り出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、得られた溶液にアセトニトリルを加えて、固体を析出させた。得られた固体を回収した後に乾燥を行い、化合物(b-2)を3.57g得た。
<合成例(b-3)>
ジエタノールアミンの代わりにエタノールアミンを用いた以外は、合成例(b-2)と同様の手順に従って化合物(b-3)を得た。
Figure 0007494852000059
<合成例(b-4)>
下記の経路に従って化合物(b-4)を合成した。尚、化合物(b-4-4)は日本特開2010-285367号の実施例3と同様の手順で合成した。
Figure 0007494852000060
Figure 0007494852000061
ナスフラスコに、化合物(b-4-1)(5.00g、21.4mmol)及びTHF(70g)を加え、化合物(b-4-1)を溶解させた。これに対して、次に、ジエタノールアミン(4.72g、44.9mmol)及び4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(DMT-MM)(6.23g、22.5mmol)を加え、室温で撹拌した。得られた溶液に飽和食塩水を加え、有機層を取り出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、得られた溶液を減圧濃縮して、化合物(b-4-2)を5.90g得た。
次に、ナスフラスコに化合物(b-4-2)(5.00g、12.3mmol)、及び4N塩酸/酢酸エチル160mLを加え、室温にて4時間撹拌した。次いで、撹拌液から溶媒を減圧留去して化合物(b-4-3)を3.50g得た。
続いて、ナスフラスコに化合物(b-4-3)(3.00g、9.76mmol)、化合物(b-4-4)(4.77g、9.76mmol)、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(DMT-MM)(2.77g、10.0mmol)及びTHF(50g)を加えて室温で5時間反応させた。反応溶液に飽和食塩水を加え、有機層を取り出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、得られた溶液を減圧濃縮して、化合物(b-4)を5.00g得た。
<合成例(b-5)>
化合物(b-4-3)の代わりに、ジエタノールアミンを用いた以外は、合成例(b-4)と同様の手順に従って、化合物(b-5)を得た。
Figure 0007494852000062
<合成例(b-6)>
化合物(b-4-3)の代わりに、トリスヒドロキシメチルアミノメタンを、化合物(b-4-4)の代わりにtrans,trans-4’-アミルビシクロヘキシル-4-カルボン酸を用いた以外は、合成例(b-4)と同様の手順に従って、化合物(b-6)を得た。
Figure 0007494852000063
<合成例(b-7)>
下記の経路に従って化合物(b-7)を合成した。尚、化合物(b-7-1)は、WO2018/159733号の合成例4と同様の手順で合成した。また、化合物(b-7-2)は、化合物(b-1-2)の代わりに化合物(b-7-1)を用いた以外は、合成例(b-2)と同様の手順で合成した。続いて、化合物(b-7)は、化合物(b-2-1)の代わりに(b-7-2)を用い、かつジエタノールアミンの代わりにトリスヒドロキシメチルアミノメタンを用いた以外は合成例(b-2)と同様の手順で合成した。
Figure 0007494852000064
<合成例(b-8)>
化合物(b-4-3)の代わりにトリスヒドロキシメチルアミノメタンを用いた以外は、合成例(b-4)と同様の手順に従って、化合物(b-8)を得た。
Figure 0007494852000065
<合成例(c-3)>
化合物(b-4-3)の代わりに、モノエタノールアミンを用いた以外は、合成例(b-4)と同様の手順に従って、化合物(c-3)を得た。
<合成例(c-4)>
日本特開2011-70161の実施例4と同様の手順で化合物(c-4)を合成した。
[重合体(A)の合成]
<合成例1>
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの四つ口フラスコに、CA-2(2.25g、8.99mmol)、DA-6(2.97g、8.99mmol)、DA-7(3.43g、9.01mmol)、及びNMP(34.6g)を加えて溶解させ、60℃で4時間反応させた。その後、CA-3(1.75g、8.92mmol)及びNMP(6.99g)を加え、40℃で4時間反応させポリアミック酸溶液を得た。
このポリアミック酸溶液(40g)にNMPを加えて6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(7.06g)、及びピリジン(2.19g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(463g)に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(Mn:12500、Mw:38500、イミド化率:74%)を得た。
得られたポリイミド粉末(2.0g)にNMP(18.0g)を加え、M-1をポリイミド固形分に対して1質量%となるように添加し、70℃にて12時間撹拌して溶解させ、固形分濃度が10%のポリイミド(PI-V-1)の溶液を得た。
<合成例2>
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの四つ口フラスコに、CA-2(1.20g、4.80mmol)、DA-8(1.46g、9.59mmol)、DA-9(1.74g、7.18mmol)、DA-7(2.74g、7.20mmol)、及びNMP(28.58g)を加えて溶解させ、60℃で2時間反応させた。その後、CA-5(1.05g、4.81mmol)及びNMP(4.19g)を加え、室温で4時間反応させ、さらにCA-3(2.78g、14.18mmol)及びNMP(11.1g)を加え、室温で4時間反応させポリアミック酸溶液を得た。
このポリアミック酸溶液(40g)にNMPを加えて6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(8.90g)、及びピリジン(2.76g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(472g)に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥し、ポリイミド粉末(Mn:13000、Mw:39000、イミド化率:74%)を得た。
得られたポリイミド粉末に固形分濃度が10質量%になるようにNMPを加え、M-1をポリイミド固形分に対して1質量%となるように添加し、70℃にて12時間撹拌して溶解させ、ポリイミド(PI-V-2)の溶液を得た。
<合成例3>
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの四つ口フラスコに、DA-2を5.86g(24.0mmol)、DA-10を5.46g(16.0mmol)、DA-4を1.73g(16.0mmol)、DA-1を7.69g(24.0mmol)、及びNMPを194g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA-1を17.1g(76.4mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMPを加え、40℃で24時間撹拌してポリアミック酸溶液(粘度:549mPa・s、ポリアミック酸のMnは12400、Mwは33000)を得た。
このポリアミック酸溶液(225g)にNMPを加えて9.0質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(17.1g)、及びピリジン(3.54g)を加えて、55℃で3時間反応させた。この反応液をメタノール(1111g)に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で12時間乾燥し、ポリイミド粉末(Mn:11000、Mw:28000、イミド化率:66%)を得た。
得られたポリイミド粉末に固形分濃度が15質量%になるようにNMPを加え、70℃で24時間撹拌し溶解させてポリイミド(PI-I-3)の溶液を得た。
<合成例4>
撹拌装置及び窒素導入管付きの5Lの四つ口フラスコに、DA-5を5.73g(20.0mmol)、及びNMPを115g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-3を2.94g(15.0mmol)添加し、NMPを19.1g加え、窒素雰囲気下23℃で1時間撹拌した。その後、DA-3を11.9g(40.0mmol)、及びDA-11を6.01g(40.0mmol)量り取り、NMPを72g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-3を15.9g(81.0mmol)添加し、固形分濃度が15質量%になるようにNMPを加え、s-1をポリアミック酸固形分に対して1質量%となるように添加し、窒素雰囲気下23℃で6時間撹拌してポリアミック酸(PAA-I-4、Mn:12000、Mw:30000)の溶液を得た。
<合成例5>
撹拌装置付きの500mLの四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、DA-4を2.80g(25.9mmol)、DA-2を1.58g(6.47mmol)、NMPを111g、及び塩基としてピリジン6.18g(78.1mmol)を加え、撹拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を撹拌しながらCE-1を9.89g(30.4mmol)添加し、15℃で一晩反応させた。一晩撹拌後、E-1を0.38g(4.21mmol)加えて、15℃で4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を、1230gの水に撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて、1230gのイソプロピルアルコール(IPA)で5回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル粉末(Mn:20786、Mw:40973)10.2g(収率:83.0%)を得た。
得られたポリアミック酸エステル粉末に固形分濃度が10質量%になるようにGBLを加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル(PAE-I-5)の溶液を得た。
<合成例6>
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの四つ口フラスコに、DA-8を0.46g(3.00mmol)、DA-13を3.00g(15.0mmol)、DA-14を2.56g(12.0mmol)、NMPを11.0g、及びGBLを8.10g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA-6を4.76g(24.0mmol)添加し、GBLを10.9g加えて、室温で2時間撹拌した。次に、GBLを10.8g加えて撹拌した後、CA-5を1.31g(6.01mmol)添加し、GBLを14.3g加えて、室温で24時間撹拌した。得られたポリアミック酸(Mn:14200、Mw:30110)の溶液の粘度は2,041mPa・sであった。
その後、s-2をポリアミック酸固形分に対して1質量%となるように添加し、NMPとGBLの混合比率が、質量比でNMP:GBL=20:80となり、固形分濃度が15質量%になるように、NMP及びGBLを添加して、ポリアミック酸(PAA-I-6)の溶液を得た。
<合成例7~11、14~20>
下記表1に示す、ジアミン、テトラカルボン酸誘導体及び有機溶媒を使用し、それぞれ、上記合成例と同様の手順で実施することにより、下記表1に示すポリイミド(PI-V-V-8)、(PI-V-9)、(PI-I-11)、(PI-V-19)及び(PI-V-20)、ポリアミック酸(PAA-I-7)、(PAA-I-10)、(PAA-V-14)~(PAA-V-16)、(PAA-I-17)及び(PAA-I-18)の溶液を得た。
表1中、括弧内の数値は、テトラカルボン酸成分については、合成に使用したテトラカルボン酸誘導体の合計量100モル部に対する各化合物の配合割合(モル部)を表す。ジアミン酸成分については、合成に使用したジアミンの合計量100モル部に対する各化合物の配合割合(モル部)を表す。末端封止剤については、合成に使用したジアミンの合計量100モル部に対する配合割合(モル部)を表す。有機溶媒については、合成に使用した有機溶媒の合計量100質量部に対する各有機溶媒の配合割合(質量部)を表す。
Figure 0007494852000066
[その他の重合体の合成]
<合成例12>
日本特開2018-54761号の[0091]に記載の方法に従って、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECETS)を用いて反応性ポリオルガノシロキサン重合体を得た。次に、日本特開2018-54761号の[0093]に記載の方法に従って、下記式(P-S1)で表されるポリオルガノシロキサンの重合体を得た。尚、式(P-S1)中の数値(70、20、10)は合成に用いた各シラン化合物の合計に対する各化合物の使用割合(モル部)を示す。
Figure 0007494852000067
<合成例13>
日本特開2018-54761号の[0091]に記載の方法に従って、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECETS)を用いて反応性ポリオルガノシロキサン重合体を得た。次に、日本特開2018-54761号の[0093]に記載の方法に従って、下記式(P-S2)で表されるポリオルガノシロキサンの重合体を得た。尚、式(P-S2)中の数値(70、30)は合成に用いた各シラン化合物の合計に対する各化合物の使用割合(モル部)を示す。
Figure 0007494852000068
<実施例1>
[液晶配向剤の調製]
合成例1で得られたポリイミド(PI-V-1)の溶液及び合成例2で得られたポリイミド(PI-V-2)の溶液を用いて、NMP及びBCSにより希釈し、更に化合物(b-1)及び(b-2)を全ての重合体100質量部に対してそれぞれ1質量部、5質量部となるように添加し室温で撹拌した。次いで、この得られた溶液を孔径0.5μmのフィルターでろ過することにより、重合体の成分比率(固形分換算質量比)が(PI-V-1):(PI-V-2)=30:70、溶媒組成比(質量比)がNMP:BCS=60:40、重合体固形分濃度が4.5%、化合物(b-1)の配合割合が1質量部及び化合物(b-2)の配合割合が5質量部となる液晶配向剤(V1)を得た(下表2-1参照)。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例2~50、比較例1~6>
下記表2-1~表2-4の重合体及び添加剤を使用した以外は、実施例1と同様に実施することにより、液晶配向剤(V2)~(V11)、(I12-P)~(I29-P)、(I30-U)~(I37-U)、(V38)~(V43)、(I44-P)~(I47-P)、(V48-P)~(V49-P)、(I50-U)、(R-V1)~(R-V2)、(R-I3-P)、(R-I4-U)、(R-V5)~(R-V6)を得た。表2-1~表2-4中、括弧内の数値は、重合体及び添加剤についてはそれぞれ液晶配向剤の調製に使用した重合体成分の合計100質量部に対する各重合体成分又は添加剤の配合割合(質量部)を表す。有機溶媒については、液晶配向剤の調製に使用した有機溶媒の合計量100質量部に対する各有機溶媒の配合割合(質量部)を表す。
Figure 0007494852000069
Figure 0007494852000070
Figure 0007494852000071
Figure 0007494852000072
[液晶配向剤のリワーク性評価]
上記で得られた液晶配向剤をITO基板にスピンコート塗布にて塗布した。60℃のホットプレート上で1分30秒間乾燥させた後、230℃の熱風循環式オーブンで20分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。その後、35℃又は50℃に加熱したNMPに作製した基板を5分間浸漬させた後、超純水で20秒間流水洗浄を行った。35℃のNMPに5分浸漬して塗膜が残っていなかったものを「優良」、50℃のNMPに5分浸漬して塗膜が残っていなかったものを「良好」とし、50℃のNMPに5分浸漬して塗膜が残っていたものを「不良」とした。
[液晶表示素子の作製、評価]
1-1.垂直配向型液晶表示素子の作製
ITO電極付きガラス基板(縦:40mm、横:30mm、厚さ:1.1mm)を2枚準備し、純水及びイソプロピルアルコールで洗浄した。次に、各ITO面上に孔径1.0μmのフィルターで濾過した液晶配向剤(V1)~(V11)、(V38)~(V43)及び(R-V1)~(R-V2)、(R-V5)~(R-V6)をそれぞれスピンコートし、ホットプレート上にて70℃で90秒間、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間の加熱処理をして、膜厚が100nmの膜付きのITO基板を得た。
次に、シール剤(三井化学社製XN-1500T)で周囲を塗布した。次いで、もう一方の基板の液晶配向膜が形成された側の面を内側にして、先の基板と張り合わせた後、シール材を硬化させて空セルを作製した。液晶配向剤(V1)~(V2)、(V5)~(V11)、(V38)~(V43)及び(R-V1)を用いた空セルには液晶MLC-3023(メルク社製商品名)を減圧注入法によって注入し、液晶セルを作製した。
その後、得られた液晶セルに15Vの直流電圧を印加し、全ての画素エリアが駆動した状態で、光源に高圧水銀ランプを使用した紫外線照射装置を用いて、波長365nmのバンドパスフィルターを通した紫外線を10J/cm照射して、評価用の液晶表示素子を得た。紫外線照射量の測定にはORC社製UV-M03AにUV-35の受光器を接続し用いた。
液晶配向剤(V3)~(V4)及び(R-V2)、(R-V5)~(R-V6)を用いた空セルには液晶MLC-6608(メルク社製商品名)を減圧注入法によって注入し、評価用の液晶表示素子を得た。得られた液晶表示素子を偏光顕微鏡で観察したところ、いずれも液晶は均一に配向していることが確認された。
1-2.液晶表示素子の評価
[電圧保持率評価]
上記1-1で作製した液晶表示素子をLEDランプ照射下の80℃オーブン中で200時間静置した後、室温中に静置して室温まで自然冷却した。その後、60℃において1Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、1667ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から1,000ミリ秒後の電圧保持率を測定した。測定装置としては、東陽テクニカ社製を使用した。評価結果を表3に示す。
2-1.光配向によるFFS型液晶表示素子の作製
始めに、電極付きのガラス基板(縦:30mm、横:50mm、厚さ:0.7mm)を準備した。基板上には第1層目として対向電極を構成する、ベタ状のパターンを備えたITO電極が形成されている。第1層目の対向電極の上には第2層目として、CVD法により成膜されたSiN(窒化珪素)膜が形成されている。第2層目のSiN膜の膜厚は500nmであり、層間絶縁膜として機能する。第2層目のSiN膜の上には、第3層目としてITO膜をパターニングして形成された櫛歯状の画素電極が配置され、第1画素及び第2画素の2つの画素を形成している。各画素のサイズは、縦10mmで横約5mmである。このとき、第1層目の対向電極と第3層目の画素電極とは、第2層目のSiN膜の作用により電気的に絶縁されている。
第3層目の画素電極は、中央部分が内角160°で屈曲した「くの字」形状の電極要素を複数配列して構成された櫛歯状の形状を有する。各電極要素の短手方向の幅は3μmであり、電極要素間の間隔は6μmである。そして、各画素は、その中央の屈曲部分を境にして上下に分割され、屈曲部分の上側の第1領域と下側の第2領域を有する。
次に、液晶配向剤(I12-P)~(I29-P)、(I44-P)~(I47-P)及び(R-I3-P)を孔径1.0μmのフィルターで濾過した後、上記電極付き基板と裏面にITO膜が成膜されている高さ4μmの柱状スペーサを有するガラス基板に、スピンコート塗布にて塗布した。
液晶配向剤(I12-P)~(I29-P)及び(R-I3-P)から得られた塗膜に対しては、80℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、230℃の熱風循環式オーブンで20分間焼成を行い、膜厚100nmのポリイミド膜を得た。その後、塗膜面に偏光板を介して消光比26:1の直線偏光した波長254nmの紫外線を500mJ/cm照射し、次いで230℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの液晶配向膜付き基板を得た。尚、上記電極付き基板に形成する液晶配向膜は、上記画素屈曲部の内角を等分する方向と液晶の配向方向とが直交するように配向処理し、柱状スペーサを有する基板に形成する液晶配向膜は、液晶セルを作製した時に上記電極付き基板上の液晶の配向方向と柱状スペーサを有する基板上の液晶の配向方向とが一致するように配向処理した。
液晶配向剤(I44-P)~(I47-P)から得られた塗膜に対しては、80℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、塗膜面に偏光板を介して消光比26:1の直線偏光した波長254nmの紫外線を500mJ/cm照射し、次いで230℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの液晶配向膜付き基板を得た。
次に、上記一組の液晶配向膜付きガラス基板の一方にシール剤を印刷し、もう一方の基板を液晶配向膜面が向き合うように貼り合わせ、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC-3019(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、FFS駆動液晶表示素子を得た。その後、得られた液晶セルを120℃で1時間加熱し、一晩放置後に、この液晶表示素子を偏光顕微鏡で観察したところ、いずれも液晶は均一に配向していることが確認された。
2-2.液晶表示素子の評価
[電圧保持率評価]
ITO電極付きガラス基板(縦:40mm、横:30mm、厚さ:1.1mm)を2枚準備し、上記2-1と同様の手順でITO面上に膜厚が100nmの液晶配向膜を作製した。一方の基板の液晶配向膜面に、直径4μmのビーズスペーサー(日揮触媒化成社製、真絲球、SW-D1)を塗布した。
次に、シール剤(三井化学社製、XN-1500T)で周囲を塗布した。次いで、もう一方の基板の液晶配向膜が形成された側の面を内側にして、先の基板と張り合わせた後、シール材を硬化させて空セルを作製した。この空セルに液晶MLC-3019(メルク社製商品名)を減圧注入法によって注入し、液晶表示素子を作製した。次に、この液晶表示素子をLEDランプ照射下の80℃オーブン中で200時間静置した後、室温中に静置して室温まで自然冷却した。その後、上記1-2と同様の手順で評価を行った。評価結果を表3に示す。
3-1.ラビング配向によるFFS型液晶表示素子の作製
先ず、上記2-1と同様の一対のガラス基板の各表面に、孔径1.0μmのフィルターで濾過した液晶配向剤(I30-U)~(I37-U)、(I50-U)、(R-I4-U)をインクジェット塗布装置(HIS-200、日立プラントテクノロジー社製)を用いて塗布した。塗布は、塗布面積が70×70mm、ノズルピッチが0.423mm、スキャンピッチが0.5mm、塗布速度が40mm/秒、塗布から乾燥までに60秒間引き置きする条件で行った。次に、80℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、230℃の熱風循環式オーブンで20分間焼成を行い、膜厚100nmのポリイミド膜を得た。このポリイミド膜をレーヨン布でラビング(ローラー直径:120mm、ローラー回転数:500rpm、移動速度:30mm/sec、押し込み長:0.3mm、ラビング方向:3層目IZO櫛歯電極に対して10°傾いた方向)した後、純水中にて1分間超音波照射をして洗浄を行い、水滴を除去した。その後、80℃で15分間乾燥して、液晶配向膜付き基板を得た。これら2枚の液晶配向膜付き基板を1組とし、基板上に液晶注入口を残した形でシール剤を印刷し、もう1枚の基板を、液晶配向膜面が向き合い、ラビング方向が逆平行になるようにして張り合わせた。その後、シール剤を硬化させて、セルギャップが4μmの空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC-7026-100(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、FFS方式の液晶表示素子を得た。その後、得られた液晶表示素子を120℃で1時間加熱し、23℃で一晩放置してから残像評価の評価に使用した。得られた液晶表示素子を偏光顕微鏡で観察したところ、いずれも液晶は均一に配向していることが確認された。
3-2.液晶表示素子の評価
[電圧保持率評価]
上記3-1と同様の液晶配向膜を用いて、液晶をMLC-7026-100とした以外は、上記2-2と同様の手順で評価を行った。評価結果を表3に示す。
4-1.光配向によるVA型液晶表示素子の作製
上記1-1と同様のガラス基板を2枚準備し、それぞれの基板上に液晶配向剤(V48-P)又は(V49-P)をスピンコートし、ホットプレート上にて80℃で90秒間、熱循環型クリーンオーブンにて200℃で40分間の加熱処理をして、膜厚が100nmの液晶配向膜付きのITO基板を得た。
次に上記基板を直線偏光UV光に、基板表面の垂直に対して入射角40°で露光させる。加えられた露光量は、20mJ/cmとした。露光後、2枚の基板を有するセルを、露光された配向層がセルの内側に向くように組み立て、配向方向が互いに平行になるように、基板を調整した。次に、液晶MLC-7067(メルク社製)を注入した。その後、約90℃で10分間アニーリングし、室温まで冷ましてから残像評価の評価に使用した。得られた液晶表示素子を偏光顕微鏡で観察したところ、いずれも液晶は均一に配向していることが確認された。
4-2.液晶表示素子の評価
[電圧保持率評価]
上記4-1で作製した液晶表示素子をLEDランプ照射下の80℃オーブン中で200時間静置した後、室温中に静置して室温まで自然冷却した。上記1-2と同様の手順で評価を行った。評価結果を表3に示す。なお、表3中、例1~50は、本発明の実施例の液晶配向剤の評価結果であり、例51~56は、比較例の液晶配向剤の評価結果である。
Figure 0007494852000073
本発明の液晶配向剤は、垂直配向型やFFS駆動方式などの種々の液晶表示素子における液晶配向膜の形成に有用である。本発明の液晶配向剤を具備する液晶表示素子は、種々の装置に有効に適用することができ、例えば、時計、携帯型ゲーム、ワープロ、ノート型パソコン、カーナビゲーションシステム、カムコーダー、PDA、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、各種モニター、液晶テレビ、インフォメーションディスプレイなどの各種表示装置に用いることができる。また、上記に限らず、位相差フィルム用の液晶配向膜、走査アンテナや液晶アレイアンテナ用の液晶配向膜又は透過散乱型の液晶調光素子用の液晶配向膜、或いはこれら以外の用途、例えばカラーフィルタの保護膜、フレキシブルディスプレイのゲート絶縁膜、基板材料にも用いることができる。
なお、2019年7月8日に出願された日本特許出願2019-127053号の明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (15)

  1. 下記の(A)成分と(B)成分を含有することを特徴とする液晶配向剤。
    (A)成分:ポリイミド系重合体、ポリオルガノシロキサン、重合性不飽和結合を有するモノマーの重合体、及びセルロース系重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体。
    (B)成分:2個以上の環が直接若しくは連結基を介して連結した構造又はステロイド骨格のいずれかを有し、かつ下記式(b-1)~(b-5)で表される基を少なくとも一つ有するか、又は下記式(b-6)で表される基を少なくとも2つ有する、分子量が2000以下である化合物であって、下記式(3-1)又は下記式(3-2)で表される化合物。
    Figure 0007494852000074
    (但し、R、R4a、R4b、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を表す。*は結合手を表す。)
    Figure 0007494852000075
    (但し、B は前記式(b-1)~(b-6)から選ばれる構造を表し、B は前記式(b-1)~(b-5)から選ばれる構造を表す。L は、下記式(1L-1)又は(1L-2)を表す。L は単結合、下記式(2L-1)、又は-CH -、-CH(CH )-、-C(CH -、-(CH -(nは2~20の整数を表す。)及び-NR-(Rは水素原子又はメチル基を表す)からなる群から選ばれる2価の基(以下、連結基(2a)という。)を表す。なお、上記-(CH -の任意のCH が、-O-、-CH(CH )-、-C(CH -、-CO-若しくは-NR-で置換されていてもよい。AL 、AL は、それぞれ独立に、*-Cy -Z 又は*-Cy を表す。m1は1~4の整数を表す。m2は1~2の整数を表す。Cy は、2個以上の環が直接、又は連結基を介して連結した構造を表す。Cy は、ステロイド骨格を有する基を表す。Z は、炭素数が3以上の直鎖状又は分岐状炭化水素基を表す。)
    Figure 0007494852000076
    (但し、*1は、AL と結合する結合手を表し、*2はB と結合する結合手を表す。n1は1~2の整数を表し、n2は1~4の整数を表す。A 11 、A 12 はそれぞれ独立に、単結合、-O-、又は連結基(2a)を表す。A 12 が複数存在する場合、複数のA 12 は同一でも異なってもよい。A 21 、A 22 は、それぞれ独立に、連結基(2a)(-NR-を除く。)を表す。A s11 は、単結合、-O-、-CO-、又は連結基(2a)を表す。A s12 は、単結合、-CO-、又は連結基(2a)(-NR-を除く。)を表す。)
    Figure 0007494852000077
    (但し、*1は、B と結合する結合手を表し、*2はAL と結合する結合手を表す。A s2 はA s11 と同義である。)
  2. 前記ポリイミド系重合体が、下記式(1)で表される繰り返し単位及び下記式(2)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有する重合体(A-1)である請求項1に記載の液晶配向剤。
    Figure 0007494852000078
    (但し、Xは4価の有機基を表す。Yは2価の有機基を表す。Rは水素原子、又は炭素数1~5のアルキル基を表す。Z11、Z12は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2~10のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2~10のアルキニル基、tert-ブトキシカルボニル基、又は9-フルオレニルメトキシカルボニル基を表す。)
  3. 上記Xが下記式(4a)~(4n)、下記式(5a)及び下記式(6a)からなる群から選ばれる4価の有機基である請求項2に記載の液晶配向剤。
    Figure 0007494852000079
    (但し、x、yは、単結合、-O-、-CO-、-COO-、炭素数1~5のアルカンジイル基、1,4-フェニレン、-SO-、又は-NRCO-(Rは水素原子又はメチル基を表す。)を表す。Z~Zは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、塩素原子又はベンゼン環を表す。j、kは0又は1の整数である。mは1~5の整数である。*は結合手を表す。)
  4. 前記Xが上記式(4a)~(4n)、(5a)及び上記式(6a)からなる群から選ばれる4価の有機基であり、Yが2価の有機基である上記式(1)で表される繰り返し単位及び上記式(2)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる繰り返し単位の1種以上の含有量が、合計で、全繰り返し単位に対して、5モル%以上である請求項3に記載の液晶配向剤。
  5. 前記(B)成分が、前記式(3-1)で表される化合物である請求項に記載の液晶配向剤。
  6. 上記Zが、炭素数3~20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3~20の直鎖状若しくは分岐状のフルオロアルキル基、炭素数3~20の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基、又は炭素数3~20の直鎖状若しくは分岐状のアルキルエステル基である、請求項又はに記載の液晶配向剤。
  7. 上記Cyが下記式(Rn)で表される、請求項のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
    Figure 0007494852000080
    式(Rn)において、Xは、それぞれ独立して、単結合、-O-、-CO-、-COO-、-NR-、-CONR-(Rは、水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は保護基である。)、炭素数1~10のアルカンジイル基、又は炭素数1~10のアルカンジイル基の少なくとも1個のメチレン基を-O-、-CO-、-COO-、-NR-若しくは-CONR-で置換した2価の基を表す。mは2~6である。Gは、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環又はシクロヘキサン環を表す。*は結合手を表す。
  8. 前記(B)成分が、下記式(b-1)~式(b-8)のいずれかで表される化合物である請求項1~のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
    Figure 0007494852000081
    Figure 0007494852000082
  9. 前記(A)成分が、ポリイミド系重合体とともに、ポリオルガノシロキサン、重合性不飽和結合を有するモノマーの重合体、及びセルロース系重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体を含む請求項1~のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
  10. 前記(A)成分が、ポリイミド系重合体とともに、ポリオルガノシロキサンを含む請求項1~のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
  11. 前記(B)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部あたり、0.1~40質量部である請求項1~10のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
  12. 前記液晶配向剤が有機溶媒を含み、該有機溶媒としてN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、N,N-ジメチルラクトアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド及び3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の良溶媒を含む請求項1~11に記載の液晶配向剤。
  13. 前記液晶配向剤が、さらに、ジイソブチルカルビノール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート及びジイソブチルケトンからなる群から選ばれる少なくとも1種の貧溶媒を含む請求項12に記載の液晶配向剤。
  14. 請求項1~13のいずれか1項に記載の液晶配向剤から得られる液晶配向膜。
  15. 請求項14に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
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