JP7494840B2 - ガラス繊維巻回体の乾燥方法及びガラス繊維巻回体の乾燥装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス繊維巻回体の乾燥方法及びガラス繊維巻回体の乾燥装置に関する。
特許文献1には、モノフィラメントに集束剤を塗布する工程を通じて得られたガラス繊維巻回体を乾燥させる乾燥方法が開示されている。このガラス繊維巻回体の乾燥方法では、雰囲気加熱(例えば熱風加熱)、誘電加熱等の加熱方式が用いられている。
特開2016-217679号公報
上記のようなガラス繊維巻回体の乾燥方法に対して、例えば乾燥に要する時間を短縮させる等、さらなる向上が求められている。
本発明の目的は、ガラス繊維巻回体のより好適な乾燥方法及び乾燥装置を提供することにある。
本発明の一態様によれば、ガラス繊維巻回体の乾燥方法は、100℃以上の水蒸気をガラス繊維巻回体と接触させることにより、前記ガラス繊維巻回体を加熱する加熱工程を含む。
上記ガラス繊維巻回体の乾燥方法において、前記加熱工程を前記水蒸気の温度よりも低い雰囲気温度下で行ってもよい。
上記ガラス繊維巻回体の乾燥方法において、前記水蒸気から前記ガラス繊維巻回体への伝熱は、凝縮伝熱及び輻射伝熱を含んでもよい。
上記ガラス繊維巻回体の乾燥方法において、前記加熱工程を第1の加熱工程として行った後に、前記第1の加熱工程とは加熱方式の異なる第2の加熱工程をさらに行ってもよい。
上記ガラス繊維巻回体の乾燥方法では、前記水蒸気を用いる前記加熱工程において、前記ガラス繊維巻回体に含まれる集束剤から被膜を形成してもよい。
上記ガラス繊維巻回体の乾燥方法では、前記水蒸気は、等体積球相当径が1000nm以下である水滴を含んでもよい。
上記ガラス繊維巻回体の乾燥方法に用いられるガラス繊維巻回体の乾燥装置は、前記ガラス繊維巻回体が収容され、かつ前記水蒸気が供給される容器を備える。
本発明によれば、ガラス繊維巻回体をより好適に乾燥させることが可能となる。特に、ガラス繊維巻回体を100℃まで昇温させるのに要する時間を短くすることができる。
実施形態におけるガラス繊維巻回体を示す斜視図である。 ガラス繊維巻回体の乾燥装置を示す概略図である。 (a)~(d)は、加熱工程における伝熱のメカニズムを説明する説明図である。
以下、ガラス繊維巻回体の乾燥方法及びガラス繊維巻回体の乾燥装置の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、ガラス繊維巻回体11は、ガラスストランドGSを巻き取ることで円筒状に形成されている。ガラス繊維巻回体11のガラスストランドGSには、被膜を形成する被膜成分と、水分とを含有する集束剤が塗布されている。この集束剤を含むガラス繊維巻回体11を乾燥させることで、ガラス繊維巻回体11の製品が得られる。ガラス繊維巻回体11の乾燥は、集束剤中の水分を蒸発させるとともに集束剤中の被膜成分から被膜を形成するために行われる。
ガラス繊維巻回体11としては、例えば、直接巻き取り法によって製造されるガラスロービング(DWR:Direct Winding Roving)が挙げられる。このようなガラス繊維巻回体11は、ブッシングを用いて溶融ガラスを紡糸する周知の方法で製造することができる。詳述すると、ブッシングから引き出された多数本のガラスフィラメントに集束剤を塗布し、ギャザリングシューで集束してガラスストランドGSとする。続いて、ガラスストランドGSをトラバーサー及びワインダーを用いてコレットに円筒状に綾巻きすることで、ガラス繊維巻回体11が得られる。ガラスストランドGSの直径は、例えば、1mm以上、10mm以下の範囲内である。ガラスストランドGSは、例えば、100~10000本のガラスフィラメントから構成される。ガラスストランドGSを形成するガラスフィラメントの直径は、例えば、3μm以上、100μm以下の範囲内である。
ガラス繊維巻回体11のガラスとしては、例えば、Eガラス(アルカリ含有量2%以下のガラス)、Dガラス(低誘電率ガラス)、ARガラス(耐アルカリ性ガラス)、Cガラス(耐酸性のガラス)、Mガラス(高弾性率のガラス)、Sガラス(高強度、高弾性率のガラス)、Tガラス(高強度、高弾性率のガラス)、Hガラス(高誘電率のガラス)、NEガラス(低誘電率ガラス)等が挙げられる。例えば、Eガラスの組成は、酸化物基準の質量%で、SiO:52~62%、Al:10~16%、B:0~8%、MgO:0~5%、CaO:16~25%、及びRO(但し、Rは、Li、Na及びK):0~2%であることが好ましい。
集束剤中の被膜成分(樹脂成分)としては、例えば、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。集束剤には、必要に応じて、潤滑剤、シランカップリング剤等を含有させることもできる。
図2に示すように、ガラス繊維巻回体の乾燥装置12は、水蒸気発生部13と、水蒸気発生部13で発生させた水蒸気を加熱する水蒸気加熱部14とを備えている。
水蒸気発生部13は、外部から供給された水を加熱する加熱装置を備えている。水蒸気発生部13の加熱方式としては、例えば、熱交換器、電磁誘導、マイクロ波、抵抗加熱等が挙げられる。水蒸気発生部13で発生させた水蒸気は、水蒸気加熱部14に供給される。ガラス繊維巻回体の乾燥装置12は、水蒸気加熱部14に供給する水蒸気に乾燥空気を供給する乾燥空気供給部を備えていてもよい。乾燥空気供給部は、例えば、コンプレッサー、ドライヤー等を備える。
水蒸気加熱部14は、水蒸気発生部13から供給された水蒸気を加熱する加熱装置を備えている。水蒸気加熱部14の加熱方式としては、例えば、熱交換器、電磁誘導、マイクロ波、抵抗加熱等が挙げられる。水蒸気加熱部14は、水蒸気15の温度を調整する。水蒸気15の温度は、100℃以上であり、好ましくは120℃以上である。
ガラス繊維巻回体の乾燥装置12は、ガラス繊維巻回体11が収容される容器16をさらに備えている。容器16は、ガラス繊維巻回体11の乾燥室を画定する。容器16は、図示を省略した開閉扉を備え、開閉扉を開放することで、ガラス繊維巻回体11を容器16内に搬入又は容器16から搬出することができる。いくつかの実施形態において、容器16内では、支持台17を用いてガラス繊維巻回体11を支持することが好ましい。支持台17は、例えば、台座部18と、台座部18に立設される支柱部19と、支柱部19から水平方向に突出し、ガラス繊維巻回体11を支持する支持部20とを備えている。支持台17の突出部は、ガラス繊維巻回体11の中空部、すなわち円筒状のガラス繊維巻回体11の筒内に挿入可能に構成されている。この容器16内に水蒸気加熱部14から水蒸気15が供給される。水蒸気加熱部14で調整された水蒸気15は、例えば、図示を省略したノズルから容器16内に噴出させることができる。このような容器16内において、ガラス繊維巻回体11を乾燥させることができる。容器16は開閉扉を備える閉鎖系の容器であってもよいし、エアーカーテン等を用いた開放系の容器でもよい。支持台17は固定式でもよいし、例えば、支持台17を備えた台車等の移動式であってもよい。
次に、ガラス繊維巻回体11の乾燥方法について説明する。
ガラス繊維巻回体11の乾燥方法は、100℃以上の水蒸気をガラス繊維巻回体と接触させることにより、ガラス繊維巻回体を加熱する加熱工程を含む。いくつかの実施形態において、水蒸気15の温度は、120℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは140℃以上である。水蒸気15の温度は、600℃以下であることが好ましい。いくつかの実施形態において、水蒸気15は、等体積球相当径が1000nm以下の水滴を含むことが好ましく、700nm以下の水滴を含むことがより好ましく、500nm以下の水滴を含むことがさらに好ましい。水蒸気15が上記の範囲の等体積球相当径を有する水滴を含む場合、水蒸気の熱がガラス繊維巻回体11に効率的に伝わりやすくなる。等体積球相当径は、例えば、レーザー回折法により測定することができる。水蒸気15は、水蒸気と乾燥空気との混合ガスであってもよい。この場合、混合ガス中の水蒸気の含有量は、50体積%以上であることが好ましい。
水蒸気15の使用量は、水蒸気15の供給量において、例えば、10kg/h以上、200kg/h以下の範囲内である。いくつかの実施形態において、水蒸気15の使用量は、20kg/h以上であることが好ましく、50kg/h以上であることがより好ましい。ただし、水蒸気15の使用量は、容器16の容量、容器16内に配置したガラス繊維巻回体11の数、水蒸気15の温度等に応じて、適宜変更することができる。
ガラス繊維巻回体11の乾燥方法において、水蒸気15を用いる加熱工程は、水蒸気15の温度よりも高い雰囲気温度下で行ってもよいし、水蒸気15の温度よりも低い雰囲気温度下で行ってもよい。水蒸気15を用いることでガラス繊維巻回体11を十分に乾燥できるため、容器16内の雰囲気温度を上げる必要が無く、容器16内を加熱するためのコストを削減することができる。
ガラス繊維巻回体11の乾燥方法では、水蒸気15を用いる加熱工程を第1の加熱工程として行った後に、第1の加熱工程とは加熱方式の異なる第2の加熱工程をさらに行うこともできる。
第2の加熱工程で用いる加熱方式としては、例えば、誘電加熱、雰囲気加熱等が挙げられる。誘電加熱は、ガラス繊維巻回体11に含まれる水分子を回転又は振動させることで水分を加熱する加熱方式である。誘電加熱において高周波を使用する場合、高周波の周波数は、4MHz以上、80MHz以下の範囲であることが好ましい。また、誘電加熱には、マイクロ波を用いることもできる。雰囲気加熱としては、例えば、加熱空気を用いた熱風加熱、赤外線の放射を用いた赤外線加熱等が挙げられる。熱風加熱には、熱源と、熱源で発生させた熱を送るファンとを備えた熱風加熱装置を用いることができる。赤外線加熱には、赤外線ヒーターを備えた赤外線加熱装置を用いることができる。
第2の加熱工程は、例えば、誘電加熱と、雰囲気加熱とを組み合わせて行うこともできる。第2の加熱工程において、誘電加熱を用いてガラス繊維巻回体11を加熱した後、雰囲気加熱を用いてガラス繊維巻回体11を加熱してもよい。
ガラス繊維巻回体11の乾燥方法において、第1の加熱工程、又は第1の加熱工程の後に必要に応じて行われる第2の加熱工程では、ガラス繊維巻回体11に被膜を形成する。これにより、乾燥されたガラス繊維巻回体11の製品(最終製品)が得られる。第1の加熱工程で被膜を形成するには、水蒸気15の温度を被膜の形成に適した温度に設定すればよい。
第1の加熱工程の加熱時間、及び第2の加熱工程の加熱時間は、加熱温度、被膜成分の種類等に応じて設定することができる。加熱工程における加熱時間が長いほど、被膜成分の被膜化を促進することができる。加熱工程における加熱時間が短いほど、被膜の着色(変色)を抑えることができる。
いくつかの実施形態において、水蒸気15を用いる第1の加熱工程によってガラス繊維巻回体11を昇温させ、ガラス繊維巻回体11の温度が約100℃に達した時点で第2の加熱工程に移行してもよい。この第2加熱工程が誘電加熱又は熱風加熱であれば、ガラス繊維巻回体11をより短時間で乾燥させることができる。これは、ガラス繊維巻回体11の100℃までの昇温速度は加熱雰囲気中の水蒸気量が多いほど速くなる傾向にあり、100℃を超えてからの昇温速度は加熱雰囲気中の水蒸気量が少ないほど速くなる傾向にあるためである。
次に、ガラス繊維巻回体11の乾燥方法の作用について説明する。
図3(a)に示すように、ガラス繊維巻回体11に水蒸気15を接触させると、図3(b)に示すように、ガラス繊維巻回体11の外面で水蒸気15が凝縮し、凝縮水21が生成される。このとき、水蒸気15からの凝縮伝熱H1によってガラス繊維巻回体11を速やかに加熱することができる。ガラス繊維巻回体11の外面の温度が100℃に達すると、ガラス繊維巻回体11に含まれる水分22が蒸発し始める。
また、図3(c)に示すように、水蒸気15からは輻射熱が放出されるため、水蒸気15からの輻射伝熱H2によってもガラス繊維巻回体11を加熱することができる。さらに、図3(d)に示すように、水蒸気15からの対流伝熱H3によってガラス繊維巻回体11を加熱することもできる。
水蒸気15の単位体積当たりの熱容量は、加熱空気の単位体積当たりの熱容量よりも高いため、水蒸気15を用いることで、加熱空気を用いた加熱よりもガラス繊維巻回体11の内部の温度をより短時間で高めることが可能となる。また、水蒸気15は、ガラス繊維巻回体11の隙間(繊維間)に侵入し易いため、ガラス繊維巻回体11の内部を効率的に加熱することが可能となる。
次に、上記実施形態の効果について説明する。
(1)ガラス繊維巻回体11の乾燥方法は、100℃以上の水蒸気15をガラス繊維巻回体11と接触させることにより、ガラス繊維巻回体11を加熱する加熱工程を含む。この方法によれば、水蒸気15からの伝熱によってガラス繊維巻回体11を加熱することができる。これにより、ガラス繊維巻回体11をより好適に乾燥することが可能となる。具体的には、例えば、ガラス繊維巻回体11の内部の温度をより短時間で高めたり、ガラス繊維巻回体11の内部を効率的に加熱したりすることが可能となる。これにより、ガラス繊維巻回体11の乾燥時間を短縮させたり、ガラス繊維巻回体11の外周側と内周側との温度差によって生じるガラス繊維巻回体11の変形を抑えたりすることが可能となる。
(2)ガラス繊維巻回体11の乾燥方法において、水蒸気15を用いる加熱工程は、水蒸気15の温度よりも低い雰囲気温度下で行うこともできる。このように雰囲気温度を低く抑えてもガラス繊維巻回体11の乾燥を行うことが可能であるため、雰囲気温度を上げるためのコストを下げることができる。
(3)ガラス繊維巻回体11の乾燥方法において、水蒸気15を用いる加熱工程では、水蒸気15からガラス繊維巻回体11への伝熱が、少なくとも凝縮伝熱H1及び輻射伝熱H2を含むことで、ガラス繊維巻回体11を速やかに加熱することができる。
(4)ガラス繊維巻回体11の乾燥方法は、水蒸気15を用いる加熱工程を第1の加熱工程として行った後、第1の加熱工程とは加熱方式の異なる第2の加熱工程をさらに行ってもよい。このように異なる加熱方式を用いた第1の加熱工程及び第2の加熱工程を行うことで、例えば、ガラス繊維巻回体11の加熱条件の設定の自由度が増すため、乾燥速度をより高めることや、ガラス繊維巻回体11の製品における品位をより高めることが可能となる。
(5)ガラス繊維巻回体11の乾燥方法において、水蒸気15を用いる加熱工程(第1の加熱工程)では、ガラス繊維巻回体11に含まれる集束剤から被膜を形成することもできる。このように水蒸気15を用いる加熱工程では、集束剤中の水分の蒸発から集束剤中の被膜成分の被膜化まで行うことが可能である。
(6)ガラス繊維巻回体の乾燥装置12は、ガラス繊維巻回体11が収容され、かつ100℃以上の水蒸気15が供給される容器16を備えている。この場合、水蒸気15を容器16内に満たすことができるため、ガラス繊維巻回体11と、水蒸気15との接触を効率的に行うことができる。従って、例えば、水蒸気15の使用量を削減したり、ガラス繊維巻回体11の加熱時間を短縮したりすることが可能となる。
(変更例)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・ガラス繊維巻回体11の乾燥方法において、水蒸気15を用いる加熱工程(第1の加熱工程)は、水蒸気15と、水蒸気15以外の加熱方式とを組み合わせて行うことも可能である。水蒸気15を用いる加熱工程において、水蒸気15と組み合わせることができる加熱方式としては、例えば、誘電加熱、熱風加熱等が挙げられる。
・ガラス繊維巻回体11の乾燥方法において、水蒸気15を用いる加熱工程(第1の加熱工程)を、水蒸気15の条件を変更した複数の段階で行ってもよい。加熱工程は、例えば、所定温度の水蒸気15を用いる第1段階と、第1段階よりも低い温度の水蒸気15を用いる第2段階、又は第1段階よりも高い温度の水蒸気15を用いる第2段階とを含む加熱工程に変更してもよい。
・ガラス繊維巻回体11の乾燥方法において、水蒸気15を用いる加熱工程(第1の加熱工程)は、水蒸気15以外の加熱方式で予備加熱したガラス繊維巻回体11に対して行うこともできる。
・ガラス繊維巻回体11の乾燥方法において、加熱工程の全体が容器16内で行われる必要はない。加熱工程は、例えば、ガラス繊維巻回体11を搬入する搬入口と、ガラス繊維巻回体11を搬出する搬出口とを有し、コンベアでガラス繊維巻回体11を搬送する連続式の乾燥機を用いて行うこともできる。但し、水蒸気15を用いる加熱工程(第1の加熱工程)については、上記実施形態のように、容器16内、すなわち少なくとも部分的に閉鎖された空間に水蒸気15を供給して行うことが好ましい。
・ガラス繊維巻回体11の乾燥方法において、上記支持台17を用いずに加熱工程を行うこともできる。
・ガラス繊維巻回体11は、直接巻き取り法によって製造されるガラスロービング(DWR)に限定されず、複数個のケーキから引き出された複数本のガラスストランドGSを合糸することで得られた合糸ロービングであってもよい。
水蒸気を用いた加熱工程によって、集束剤(水分含量95質量%)を塗布したガラスロービングを加熱し、ガラスロービングが100℃に達するまでの時間を測定した。使用したガラスロービング及び加熱条件は以下のとおりである。
ガラスロービング:外径330mm、内径150mm、高さ325mm。
加熱条件
(実験例1)内寸800mm×800mm×800mmの閉鎖系乾燥室内の中央に、1個のガラスロービングを、支持台を用いて配置した。乾燥室内の温度は25℃であった。続いて、電磁誘導により190℃の温度に調節した水蒸気を、図2に示されるように乾燥室の天井面の縁付近に設けられた直径約10mmの1つの水蒸気吹き出し口から、70kg/hの量で乾燥室内に導入した。ガラスロービングの温度は、予めガラスロービングの端面から深さ50mm、外周から60mm内側の位置に差し込んでおいた熱電対を用いてモニタリングした。
(実験例2)実験例1と同じ加熱工程に加え、ヒーターからの150℃の熱風を、ガラスロービングの側方からガラスロービングに向けてファンで送風した。送風は水蒸気の導入と同時に開始した。
(比較例)実験例1の加熱工程に代えて、周波数13.56MHz、出力200kWの電磁波を用いた誘電加熱を行った。誘電加熱開始時の乾燥室内の温度は25℃であった。ガラスロービングの温度のモニタリングは実験例1と同じ方法で行った。
結果
ガラスロービングが100℃に達するまでに要した時間は、実験例1及び2では約4時間であり、比較例では約6時間であった。すなわち、水蒸気を用いた加熱工程では、誘電乾燥による加熱工程に比べ、大幅に短い時間でガラス繊維巻回体を100℃まで昇温できることが示された。実験例1と実験例2とでは、100℃までの到達時間には差がなかった。そのため、乾燥室内の温度が25℃程度であっても、短い時間でガラス繊維巻回体を100℃まで昇温できることが示された。
11…ガラス繊維巻回体、12…ガラス繊維巻回体の乾燥装置、15…水蒸気、16…容器、H1…凝縮伝熱、H2…輻射伝熱。

Claims (6)

  1. 100℃以上の水蒸気をガラス繊維巻回体と接触させることにより、前記ガラス繊維巻回体を加熱する第1の加熱工程と、
    誘電加熱及び雰囲気加熱の少なくとも一方の加熱方式を用いて、前記ガラス繊維巻回体を加熱する第2の加熱工程と、を含み、
    前記第1の加熱工程において前記ガラス繊維巻回体の温度が100℃に達した時点で前記第2の加熱工程に移行する、ガラス繊維巻回体の乾燥方法。
  2. 前記第1の加熱工程を前記水蒸気の温度よりも低い雰囲気温度下で行う、請求項1に記載のガラス繊維巻回体の乾燥方法。
  3. 前記水蒸気から前記ガラス繊維巻回体への伝熱は、凝縮伝熱及び輻射伝熱を含む、請求項1又は請求項2に記載のガラス繊維巻回体の乾燥方法。
  4. 前記ガラス繊維巻回体の乾燥により、前記ガラス繊維巻回体に含まれる集束剤から被膜を形成する、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のガラス繊維巻回体の乾燥方法。
  5. 前記水蒸気は、等体積球相当径が1000nm以下である水滴を含む、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のガラス繊維巻回体の乾燥方法。
  6. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載のガラス繊維巻回体の乾燥方法に用いられるガラス繊維巻回体の乾燥装置であって、
    前記ガラス繊維巻回体が収容され、かつ前記水蒸気が供給される容器を備える、ガラス繊維巻回体の乾燥装置。
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