JP6638422B2 - エナメル線の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エナメル線の製造方法及び製造装置に関する。
エナメル線は、通常、導体に塗布されたエナメル線塗料中の溶剤を蒸発させてエナメル線塗料を乾燥させる工程と、エナメル線塗料中の樹脂を硬化させて導体に皮膜を焼き付ける工程とを経て製造される。従来、これらの工程は1つの装置の中で行われていた。
エナメル線塗料中の溶剤を蒸発させてエナメル線塗料を乾燥させる方法としては、熱風、誘導加熱、赤外線等により加熱する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−252868号公報(段落〔0052〕)
しかしながら、従来の方法によれば、導体の外周に皮膜を短時間で形成しようとする場合、乾燥させたエナメル線塗料の表面に波形が生じたり、エナメル線塗料の表面のみが乾燥(いわゆる皮張り)して溶剤が蒸発せずに残留してしまい、残留した溶剤に起因した発泡が皮膜に生じたりする問題があった。そのため、導体の外周に外観が良好な皮膜を形成するには、エナメル線塗料中の溶剤を蒸発させて乾燥・焼付させるのに時間をかける必要があった。
また、エナメル線は、導体に塗布されたエナメル線塗料中の溶剤を蒸発、熱硬化させてエナメル皮膜を形成する場合に、導体を加熱する熱量が必要とされ、線径×線速に焼付度が比例するという理論が一般的に使われている。そのため、適正なエナメル皮膜の焼付度を得るために、線径の太いエナメル線(例えば、導体断面積が1.5mm以上のエナメル線)は、線径の細い線より、製造速度が遅くなる。
上記のように製造速度に制限があることから、線径によって、製造設備も竪型炉と横型炉とに分けられていた。一般的には導体断面積おおよそ1.0mm前後で製造可能な設備の区分けがあった。すなわち、おおよそ1.0mmより太いものは大型で高額な設備投資を要する竪型炉、おおよそ1.0mmより細いものは小型で竪型炉よりも設備投資の抑えられる横型炉での製造に大別されていた。
この理由は、製造速度の遅い太いエナメル線では、横型炉で乾燥・焼付する時間が長くなってしまうことによって、塗布した塗料が、乾燥・焼付されて不動化するまでの間に、重力等によって塗料が垂れ下がり、皮膜の偏り(偏肉)や寸法精度の悪化、更には発泡などの外観異常を引き起こすので、横型炉での製造が困難であったためである。
そこで、本発明の目的は、エナメル線塗料中の溶剤を短時間で蒸発させてエナメル線塗料を乾燥させても外観が良好な皮膜を形成することができ、線径の太いエナメル線であっても製造設備のタイプによらずに高速度で製造可能なエナメル線の製造方法及び製造装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、下記のエナメル線の製造方法及び製造装置を提供する。
[1]溶剤と樹脂とで構成されるエナメル線塗料を導体に塗布することにより前記エナメル線塗料からなる塗膜を前記導体の外周に形成する工程と、
前記溶剤が吸収する波長のうち4μm未満のピーク波長に合致するピーク波長を持つ光を蒸発炉内で反射させて前記塗膜が形成された前記導体に当てることにより前記塗膜を構成する前記エナメル線塗料中の溶剤を蒸発させる工程と、
前記溶剤を蒸発させた後に前記塗膜が形成された前記導体を加熱することにより前記塗膜を構成する前記エナメル線塗料中の樹脂を硬化させる工程と、
を有するエナメル線の製造方法。
[2]前記ピーク波長は、0.8〜3.5μmの範囲内である前記[1]に記載のエナメル線の製造方法。
]前記光は、近赤外線である前記[1]又は]に記載のエナメル線の製造方法。
]前記光は、レーザ光である前記[1]又は]に記載のエナメル線の製造方法。
前記蒸発炉は、横型炉からなる焼付炉に設けられている前記[1]〜[]のいずれか1つに記載のエナメル線の製造方法。
]前記導体は、横断面積が1.5mm2以上である前記[1]〜[]のいずれか1つに記載のエナメル線の製造方法。
溶剤と樹脂とで構成されるエナメル線塗料を導体に塗布することにより前記エナメル線塗料からなる塗膜を前記導体の外周に形成する塗料塗布部と、
前記エナメル線塗料中の溶剤が吸収する波長のうち4μm未満のピーク波長に合致するピーク波長を持つ光を反射させて前記塗膜が形成された前記導体に当てることにより前記塗膜を構成する前記エナメル線塗料中の溶剤を蒸発させる蒸発炉、及び前記溶剤を蒸発させた後に前記塗膜が形成された前記導体を加熱することにより前記塗膜を構成する前記エナメル線塗料中の樹脂を硬化させる硬化炉が設けられた焼付炉と、を備え、
前記焼付炉は、前記蒸発炉の内壁面に前記光を反射する部材を有するエナメル線の製造装置。
]前記焼付炉は、前記蒸発炉に前記光を照射する照射装置が設置されており、前記蒸発炉と前記硬化炉とが別々に設けられている前記[]に記載のエナメル線の製造装置。
]前記焼付炉は、横型炉である前記[]又は前記[]に記載のエナメル線の製造装置。
10]前記光を反射する部材は、前記蒸発炉の内壁面に設けられた反射膜である前記[]〜[]のいずれか1つに記載のエナメル線の製造装置。
本発明によれば、エナメル線塗料中の溶剤を短時間で蒸発させてエナメル線塗料を乾燥させても外観が良好な皮膜を形成することができ、線径の太いエナメル線であっても製造設備のタイプによらずに高速度で製造可能なエナメル線の製造方法及び製造装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係るエナメル線の製造装置の一例を示す概略図である。 図1の製造装置の主要部を示す上面図である。 図2とは別の実施の形態に係る製造装置の主要部を示す上面図である。 (a)は図1の蒸発炉の1実施形態を示す概略図(導体進行方向に垂直な断面図)であり、(b)は(a)の蒸発炉を示す概略図(導体進行方向と平行なB−B線における断面図)である。 (a)は図1の蒸発炉の別の1実施形態を示す概略図(導体進行方向に垂直な断面図)であり、(b)は(a)の蒸発炉を示す概略図(導体進行方向と平行なB−B線における断面図)である。
〔エナメル線の製造方法〕
本発明の実施の形態に係るエナメル線の製造方法は、導体に塗布したエナメル線塗料中の溶剤を、当該溶剤が吸収する波長のうち4μm未満のピーク波長に合致する波長を持つ光を焼付炉内で反射させて当てることにより蒸発させる工程を有することを特徴とする。
図1は、本発明の実施の形態に係るエナメル線の製造装置の一例を示す概略図であり、図2は、図1の製造装置の主要部を示す上面図である。また、図3は、図2とは別の実施の形態に係る製造装置の主要部を示す上面図である。
図1に示されるように、ボビン100に巻きつけられた導体1がプーリ11を介して焼鈍炉12に供給され、焼鈍しが行われる。焼鈍しは、必要が無ければ省略可能である。その後、導体1は、ターンプーリ13を介して塗料塗布部14へ走行され、導体1の外周にエナメル線塗料が塗布される。
エナメル線塗料が塗布された導体1は、焼付炉10を構成する蒸発炉15及び硬化炉16中を走行し、エナメル線塗料中の溶剤の蒸発(すなわちエナメル線塗料の乾燥)及びエナメル線塗料中の樹脂の硬化(すなわち皮膜の焼付)が行われる。焼付炉10を構成する蒸発炉15及び硬化炉16は、図2に示されるように別体であっても、図3に示される焼付炉20のように一体であってもよいが、別体であることが好ましい。
図2及び図3に示されるように、エナメル線2は、下流側のターンプーリ13を介して上流側のターンプーリ13に戻り、エナメル線塗料の塗布、エナメル線塗料中の溶剤の蒸発及びエナメル線塗料中の樹脂の硬化が所望の皮膜厚さとなるまで繰り返し行われる。
エナメル線塗料中の樹脂の硬化の方法は、特に限定されるものではなく、熱風等により加熱することで行なうことができる。
一方、エナメル線塗料中の溶剤の蒸発は、蒸発炉15中で、前述の通り、導体1に塗布したエナメル線塗料中の溶剤を、当該溶剤が吸収する波長のうち4μm未満のピーク波長に合致する波長を持つ光を焼付炉内で反射させて当てることにより蒸発させることで行われる。
上記ピーク波長は、0.8〜3.5μmの範囲内であることが好ましく、1.2〜3.4μmの範囲内であることがより好ましく、2.2〜3.1μmの範囲内であることが更に好ましく、2.3〜3.0μmの範囲内であることが最も好ましい。
エナメル線塗料が塗布された導体1に当てる上記光は、上記ピーク波長に合致するピーク波長を持つ光であることが好ましく、かつ、それ以外にピーク波長を持たない光であることがより好ましい。溶質である樹脂には吸収が無く、溶媒である溶剤にのみ吸収のある光を当てることにより、エナメル線塗料の表面の皮張りを抑制し、作業性が良化する。導体に塗布されたエナメル線塗料の表面の皮張りは、樹脂の架橋反応等の硬化反応が一因であるが、樹脂を加熱しないように溶剤のみが吸収する波長の光を照射することにより、樹脂の硬化反応を抑制でき、皮張りを抑制することができる。また、溶剤のみが吸収する波長の光を照射することにより、溶剤を低温で効率よく乾燥させることができる。このため、従来のように、短時間で乾燥させる場合に乾燥温度を高温にする必要が無く、溶剤の沸騰、突沸現象で生じる発泡を抑制することができる(発泡のリスクが減る)ため、導体の外周に形成した皮膜の外観が良好になる。
例えば、エナメル線塗料(例えばポリイミド塗料)中の溶剤としてN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を用いた場合、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)は、4μm未満において波長2.3μm及び3.0μmに吸収ピークを有しているため、2.3μm前後(2.3±0.2μm)又は3.0μm前後(3.0±0.2μm)にピーク波長を持つ光を照射することが好ましく、2.3μmか3.0μmにピーク波長を持つ光を照射することがより好ましく、かつそれら以外にピーク波長を持たない光を照射することがより好ましい。このとき、塗料中に溶けているポリアミック酸(硬化後にポリイミドとなる)には3.3μm以上にしか吸収が無いため、上記ピーク波長を持つ光を選ぶことにより、ポリアミック酸の閉環反応を抑制できるので、エナメル線塗料の表面を皮張りしにくくすることができる。
また、上記光を導体1に塗布したエナメル線塗料に直接に当てるだけでなく、閉鎖タイプ(密閉タイプの)蒸発炉10(焼付炉20)内で上記光を反射させて、導体1の周方向の全方位から反射光を当てることにより、ムラなく均一に溶剤を蒸発させることができ、高速度で塗膜を乾燥させることができる。なお、導体1の周方向の全方位から反射光が当てられていればよく、上記光を直接に当てることは必須ではない。
これにより、線径の太いエナメル線(例えば、導体の横断面積1.5mm以上)であっても、塗布した塗料が、重力等によって塗料が垂れ下がることなく、皮膜厚が均一且つ寸法精度の高い、外観及び品質の良好なものが製造設備タイプによらずに竪型でも横型でも製造可能である。
また、平角エナメル線であっても、コーナー部に塗布した塗料が、表面張力等によって流れる前に不動化し、同様に皮膜厚が均一且つ寸法精度の高い、外観及び品質の良好なものが製造設備タイプによらずに竪型でも横型でも製造可能である。
以下、具体例を挙げて説明する。
図4(a)は図1の蒸発炉の1実施形態を示す概略図(導体進行方向に垂直な断面図)であり、図4(b)は図4(a)の蒸発炉を示す概略図(導体進行方向と平行なB−B線における断面図)である。
蒸発炉の1実施形態である蒸発炉150には近赤外線ヒータ151が設置されており、蒸発炉150の内壁面には近赤外線ヒータ151が発する近赤外線(照射光)を反射する反射膜152が設けられている。これにより、蒸発炉150の炉開口部153を走行する導体1ないしエナメル線2の全周囲に対し、近赤外線ヒータ151からの近赤外線を当てることができる。反射光は、1回反射に限らず、多重反射した光であっても良い。
反射膜152は、例えば、金、銀、アルミ等の反射率の高い材質で形成されたものであることが好ましく、蒸着等の方法により設けることができる。蒸発炉の内壁全面に設けることが好ましい。導体1(エナメル線2)の周方向の全方位に光を当てることができれば、反射膜に替えて或いは追加(併用)して、その他の反射部材を設けても良い。
また、図5(a)は図1の蒸発炉の別の1実施形態を示す概略図(導体進行方向に垂直な断面図)であり、図5(b)は図5(a)の蒸発炉を示す概略図(導体進行方向と平行なB−B線における断面図)である。
蒸発炉の別の1実施形態である蒸発炉250にはレーザ照射ユニット251が設置されており、蒸発炉250の内壁面にはレーザ照射ユニット251が発するレーザ光(照射光)を反射する反射膜252が設けられている。これにより、蒸発炉250の炉開口部253を走行する導体1ないしエナメル線2の全周囲に対し、レーザ照射ユニット251からのレーザ光(照射光251A)を当てることができる。反射光は、1回反射に限らず、多重反射した光であっても良い。反射膜252は、上記反射膜152と同様である。
エナメル線塗料中の溶剤が吸収する波長のうち4μm未満のピーク波長に合致する波長を照射する光源としては、上記の近赤外線ヒータや半導体レーザ光に限られない。例えば、LED(発光ダイオード)、高輝度放電ランプ、EL(エレクトロルミネセンス)ライトであってもよい。
近赤外線は、近赤外線ヒータ151のみならず、石英管とタングステンフィラメントで赤外線を発生し、冷却により遠赤外線領域をカットすることで近赤外線のみを照射することができる波長制御ヒータを用いて照射することもできる。
レーザ照射ユニット251としては、例えば半導体レーザ照射ユニットが好適である。
近赤外線ヒータ151やレーザ照射ユニット251は、導体の進行方向に対し垂直な方向に、複数個(例えば12個)、配列されている。また、近赤外線ヒータ151は、導体進行方向に対し平行な方向に、走行する導体を挟むように互いに対向する位置(図4(a)、図4(b)では走行する導体の上下)に1つずつ50〜800cmの長さのものが設けられており、レーザ照射ユニット251は、導体の進行方向に対し平行な方向に、走行する導体を挟むように互いに対向する位置(図5(a)、図5(b)では走行する導体の上下)にそれぞれ複数個(例えば2個)、配列されている。近赤外線ヒータ151の長さ・設置個数、及びレーザ照射ユニット251の設置個数は、適宜設定すればよく、これらに限定されるものではない。
焼付が終了したエナメル線2は、巻取機17に巻き取られる。
本実施の形態において使用される導体1の素材は、銅、銅合金等、特に限定されることなく使用できる。また、導体1の形状としては、丸線、平角線、異形状の線等が挙げられるが、特に平角線の場合に従来方法に比べてメリットがある。
平角エナメル線に塗布すると従来の方法では、乾燥させる速度が遅く、短時間で乾燥させることができないことにより、塗膜(平角導体に塗布したエナメル線塗料)が乾燥する前に流れてしまう、特に平角導体の角部に塗布したエナメル線塗料が角部の周辺へと流れてしまうため、皮膜の付き回りが悪くなる。つまり、皮膜の厚さが均一にならなかった。これに対して、本発明の実施形態に係る方法によれば、短時間で(かつ好ましい実施形態では低温で)乾燥できるため、塗膜が流れるのを抑制した状態で乾燥させることができる。このため、皮膜の付き回りが悪くなるのを抑制することができる。このように、本発明の実施形態では、乾燥速度を速くすることができるため、塗膜が垂れにくくなり、良好な皮膜状態の太線や平角線が製造できるようになる。
本実施の形態において使用されるエナメル線塗料としては、エナメル線に使用可能なものであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、エナメル線塗料中の溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、クレゾール、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、シクロヘキサノン等が挙げられる。また、エナメル線塗料中の樹脂としては、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエステルイミド等が挙げられる。
〔エナメル線の製造装置〕
本発明の実施の形態に係るエナメル線の製造装置は、エナメル線塗料中の溶剤が吸収する波長のうち4μm未満のピーク波長に合致する波長を持つ光を前記エナメル線塗料が塗布された走行導体に照射する照射装置が設置された焼付炉を備え、前記焼付炉は、前記光を反射する部材を有することを特徴とする。
エナメル線の製造装置の具体的な構成例は、図1〜5に示す通りであり、前述した焼付炉10(20)〜巻取機17の通りである。
前述したように、本発明の実施形態においては、図2に示す如く、別々の蒸発炉15と硬化炉16からなる焼付炉10とし、蒸発炉15に上記照射装置と反射部材を設ける構成としてもよいし、図3に示す如く、蒸発炉15と硬化炉16とが一体となった焼付炉としてもよく、当該焼付炉の上流側(導体入口側)に上記照射装置と反射部材を設ける構成としてもよい。硬化炉16における硬化処理(熱風等)の影響を受けにくくする点においては、図2に示す実施形態のように蒸発炉15と硬化炉16とを別々にすることが好ましい。これにより、外観がより良好な皮膜を形成することができる。
また、本実施形態においては、焼付炉を横型炉としたが、前述の特許文献1に示されるような縦型炉としてもよい。
〔本発明の実施の形態の効果〕
本発明の実施の形態によれば、エナメル線塗料中の溶剤を短時間で蒸発させてエナメル線塗料を乾燥させても外観が良好な皮膜を形成することができ、線径の太いエナメル線であっても製造設備のタイプによらずに高速度で製造可能なエナメル線の製造方法及び製造装置を提供することができる。すなわち、熱風等を利用してエナメル線塗料を乾燥させる場合に比べ、短時間で溶剤を蒸発させてエナメル線塗料を乾燥できるため、エナメル線の製造速度がアップし、製造コストダウンが可能となる。また、焼付炉を短くできるため、製造装置の設置場所の省スペース化が可能となる。さらに、溶剤分子を振動させて溶剤を揮散させることにより溶剤を均一的に蒸発させてエナメル線塗料を乾燥させることを可能としたため、熱を利用する場合に比べて、発泡や皮張り等を抑制できる。そして、導体(エナメル線)の周方向の全方位から反射光を当てることにより、ムラなく均一に溶剤を蒸発させることができ、高速度で塗膜を乾燥させることができるため、線径の太いエナメル線(例えば、導体の横断面積1.5mm以上)や平角エナメル線であっても、皮膜厚が均一且つ寸法精度の高い、外観及び品質の良好なものが製造設備タイプによらずに竪型でも横型でも製造可能である。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず種々に変形実施が可能である。例えば、本発明の効果を奏する限りにおいて、蒸発炉15において、熱風(好ましくは低温・低風速)を併用することもできる。
100:ボビン、1:導体、2:エナメル線、10,20:焼付炉
11:プーリ、12:焼鈍炉、13:ターンプーリ
14:塗料塗布部、15:蒸発炉、16:硬化炉、17:巻取機
150:蒸発炉、151:近赤外線ヒータ
152:反射膜、153:炉開口部
250:蒸発炉、251:レーザ照射ユニット、251A:照射光
252:反射膜、253:炉開口部

Claims (10)

  1. 溶剤と樹脂とで構成されるエナメル線塗料を導体に塗布することにより前記エナメル線塗料からなる塗膜を前記導体の外周に形成する工程と、
    前記溶剤が吸収する波長のうち4μm未満のピーク波長に合致するピーク波長を持つ光を蒸発炉内で反射させて前記塗膜が形成された前記導体に当てることにより前記塗膜を構成する前記エナメル線塗料中の溶剤を蒸発させる工程と、
    前記溶剤を蒸発させた後に前記塗膜が形成された前記導体を加熱することにより前記塗膜を構成する前記エナメル線塗料中の樹脂を硬化させる工程と、
    を有するエナメル線の製造方法。
  2. 前記ピーク波長は、0.8〜3.5μmの範囲内である請求項1に記載のエナメル線の製造方法。
  3. 前記光は、近赤外線である請求項1又は2に記載のエナメル線の製造方法。
  4. 前記光は、レーザ光である請求項1又は2に記載のエナメル線の製造方法。
  5. 前記蒸発炉は、横型炉からなる焼付炉に設けられている請求項1〜のいずれか1項に記載のエナメル線の製造方法。
  6. 前記導体は、横断面積が1.5mm2以上である請求項1〜のいずれか1項に記載のエナメル線の製造方法。
  7. 溶剤と樹脂とで構成されるエナメル線塗料を導体に塗布することにより前記エナメル線塗料からなる塗膜を前記導体の外周に形成する塗料塗布部と、
    前記エナメル線塗料中の溶剤が吸収する波長のうち4μm未満のピーク波長に合致するピーク波長を持つ光を反射させて前記塗膜が形成された前記導体に当てることにより前記塗膜を構成する前記エナメル線塗料中の溶剤を蒸発させる蒸発炉、及び前記溶剤を蒸発させた後に前記塗膜が形成された前記導体を加熱することにより前記塗膜を構成する前記エナメル線塗料中の樹脂を硬化させる硬化炉が設けられた焼付炉と、を備え、
    前記焼付炉は、前記蒸発炉の内壁面に前記光を反射する部材を有するエナメル線の製造装置。
  8. 前記焼付炉は、前記蒸発炉に前記光を照射する照射装置が設置されており、前記蒸発炉と前記硬化炉とが別々に設けられている請求項に記載のエナメル線の製造装置。
  9. 前記焼付炉は、横型炉である請求項7又は8に記載のエナメル線の製造装置。
  10. 前記光を反射する部材は、前記蒸発炉の内壁面に設けられた反射膜である請求項7〜9のいずれか1項に記載のエナメル線の製造装置。
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