JP2007098358A - マイクロ波加熱乾燥方法 - Google Patents

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賢之 山口
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Abstract

【課題】ピンホール発生を十分に抑制して塗膜品質を向上し、塗膜の平滑性を極めて良好にでき、大幅に工程時間を短縮でき、マイクロ波加熱の工程だけで塗膜乾燥を完了できるマイクロ波加熱乾燥方法を提供する。
【解決手段】マイクロ波加熱乾燥方法は、被塗物17に塗料を塗布した後、被塗物の表面上の塗膜31にマイクロ波を照射して当該塗膜を乾燥する方法であり、被塗物と塗膜を室温で放置するセッティング工程41と、マイクロ波32を塗膜に照射し、塗膜の塗膜粘度を低下させかつその後に塗膜粘度が上昇し始める前まで被塗物と前記塗膜を加熱し昇温させる昇温工程42と、マイクロ波の塗膜への照射を継続し、塗膜の塗膜粘度をさらに上昇させて塗膜を硬化させる硬化工程43とを有する方法である。
【選択図】図3

Description

本発明はマイクロ波加熱乾燥方法に関し、特に、自動車の車体塗装等で塗装の焼付乾燥に利用されるマイクロ波加熱乾燥方法に関する。
自動車の車体塗装では、従来、一般的には、熱風を利用した焼付方式が知られている。熱風焼付乾燥方法では、熱風を塗膜に吹き付けて乾燥を行う。熱風焼付乾燥方法によれば、熱風の循環量が増えると熱効率が上昇し、塗膜への熱供給量が増えるため、塗膜内での温度分布が良好になる。また熱風の循環量と熱風温度の上昇とに基づき、乾燥と塗膜焼付速度が速くなる。熱風焼付乾燥方法を現象的に分子構造レベルで見てみると、一定時間熱を加えることにより分子間振動を発生させ、分子間架橋反応を促す。ここで「分子間架橋反応」とは、橋をかけるごとく分子同士が結びついて硬化する反応の意味である。
また最近では、マイクロ波の加熱作用を利用して塗膜を乾燥させる方法が提案されている(特許文献1)。
特開2004−344860号公報
従来の熱風焼付乾燥方法によれば、上記の分子間架橋の部位がほぐれにくいため、衝突確立が抑制され、架橋点ロスが発生するという問題を有する。また、熱風焼付乾燥方法で塗膜を加熱するとき、熱風を塗膜の表面側に吹き付けることにより塗膜を加熱させる。しかし、加熱時間を短縮する目的で熱風温度を急速に上げると、塗装材料が適正温度を超えてしまい、塗膜の表面に「ピンホール」という呼ばれる微少な穴が発生し、塗膜品質が低下する。
熱風焼付乾燥方法は、セッティング工程、昇温工程、硬化工程によって成り立っている。車体を急激に熱風で加熱すると、ピンホール発生が増加するので、セッティング工程が設けられる。このセッティング工程は或る程度の溶媒を塗膜内部から飛ばすための工程である。また昇温工程は熱風を吹き付けて塗膜の塗膜粘度を低下させる工程である。硬化工程は塗膜粘度が低下した塗膜を再び上昇させる工程である。熱風焼付乾燥方法では、セッティング工程と昇温工程に要する時間が長くなり、かつ塗膜粘度も十分に低い値に低下しないという問題を有している。
上記のマイクロ波を利用した乾燥方法は、熱風焼付乾燥方法の上記の問題点を解消することができる。しかしながら、特許文献1に記載されたマイクロ波加熱乾燥方法によれば、マイクロ波加熱は予備的な加熱として利用されており、これだけで乾燥を完了することができないものである。十分に塗膜を加熱乾燥するためには、マイクロ波加熱に加えて他の加熱方式との組み合わせが必要となる。さらに加熱設備の全体は大掛かりなものとなり、大幅に軽少化することは困難であった。
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、ピンホールの発生を十分に抑制して塗膜の品質を向上し、完成した塗膜の平滑性を極めて良好にでき、大幅に工程時間を短縮することができ、マイクロ波加熱の工程だけで塗膜乾燥を完了することができ、温度制御性を高めて塗膜品質をさらに向上することができ、加熱乾燥設備を簡素な構造でかつ低コストで作ることができるマイクロ波加熱乾燥方法を提供することにある。
本発明に係るマイクロ波加熱乾燥方法は、上記目的を達成するため、次のように構成される。
第1のマイクロ波加熱乾燥方法(請求項1に対応)は、被塗物に塗料を塗布した後、被塗物の表面上の塗膜にマイクロ波を照射して当該塗膜を乾燥する方法であり、被塗物と塗膜を室温で放置するセッティング工程と、マイクロ波を塗膜に照射し、塗膜の塗膜粘度を低下させかつその後に塗膜粘度が上昇し始める前まで被塗物と前記塗膜を加熱し昇温させる昇温工程と、マイクロ波の塗膜への照射を継続し、塗膜の塗膜粘度をさらに上昇させて塗膜を硬化させる硬化工程とを有する方法である。
上記のマイクロ波加熱乾燥方法では、セッティング工程と昇温工程と硬化工程の3つの工程で成立させ、マイクロ波加熱のみで乾燥工程を実行できるように構成される。マイクロ波の塗膜加熱によれば、塗膜の表面からの加熱ではなく、塗膜の外側部分と内側部分の全体を直接的に均一に加熱でき、さらに車体等の被塗物も伝熱作用ではなくマイクロ波で直接的に加熱することができる。塗膜の塗膜粘度の低下も十分に達成され、かつ短時間で望ましい塗膜粘度の低下を実現することが可能となる。
第2のマイクロ波加熱乾燥方法(請求項2に対応)は、上記の第1の方法において、好ましくは、マイクロ波を塗膜に照射するとき、マイクロ波照射出力を一定としかつマイクロ波照射時間を変化させることを特徴とする。この構成によって、マイクロ波による塗膜の加熱の制御性を高めることができ、効率よく、短時間で塗膜の昇温工程等を実行することが可能となり、さらに被塗物の昇温時間(粘度低下時間)を最適に調整することが可能となる。
第3のマイクロ波加熱乾燥方法(請求項3に対応)は、上記の方法において、好ましくは、昇温工程で、塗膜の塗膜粘度を低下させ、一定の低い塗膜粘度の状態で所定時間保持し、その後に塗膜粘度を上昇させるようにしたことを特徴とする。
上記の各マイクロ波加熱乾燥方法では、セッティング工程の条件と昇温工程の条件は、塗膜内のピンホール発生が抑制され、かつ塗膜が平滑化されるように設定される。
本発明に係るマイクロ波加熱乾燥方法によれば次の効果を奏する。
第1に、車体等の塗装における塗膜を乾燥するマイクロ波加熱乾燥方法をセッティング工程と昇温工程と硬化工程の3つの工程で構成し、マイクロ波加熱だけで乾燥を完了することができ、かつ工程時間を大幅に短縮することができる。また加熱のためのエネルギ損失を防止する工夫が不要であり、加熱乾燥設備の軽少化を実現することができる。
第2に、マイクロ波加熱乾燥方法によれば塗膜の全体が一様に加熱されるため、ピンホールが十分に抑制され、かつ、この抑制効果に基づきセッティング工程と昇温工程の各時間を熱風焼付乾燥方法に比較して短縮でき、大幅に全体工程の時間を短縮できる。マイクロ波によって塗膜と被塗物はそれぞれ直接的に加熱され、さらに塗膜の方が被塗物(金属素材)よりも早く昇温するので、塗膜硬化反応は被塗物の温度上昇の影響を受けず、ピンホール抑制効果が高まり、塗膜品質が向上する。
第3に、マイクロ波加熱乾燥方法によれば、電磁波共鳴による直接的分子間運動が励起されるため、架橋部位がよくほぐれ、衝突確率が向上し、架橋点ロスが減少する。そのため硬化反応が効率よく進み、反応開始から反応完了までの硬化時間が短縮化される。
第4に、マイクロ波照射時間の制御性を高めたため、塗膜の昇温時間(塗膜粘度低下時間)を制御でき、塗膜の表面の平滑性を向上することができる。
第5に、昇温工程で塗膜の粘度を十分に低下させかつ塗膜の粘度低下状態を一定時間保持することにより、塗膜の表面の平滑性をさらに向上することができる。
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
図1に、本発明に係るマイクロ波加熱乾燥方法を実施するための装置の構成を示す。マイクロ波加熱乾燥装置10はボックス状の容器11を備える。容器11の前面には被塗物出し入れ口12と開閉蓋13を備えている。容器11の内部には加熱炉14が設けられる。加熱炉14の中には、床部に回転トレイ15が設置されている。回転トレイ15は床部の内部に設けられた回転駆動機構15Aによって任意の方向に回転自在である。回転トレイ15の上には板状の電磁波吸収体16が配置され、さらに当該電磁波吸収体16の上にテストピースである被塗物17が配置されている。被塗物17の表面には、既に塗料が塗布された状態にある。
マイクロ波加熱乾燥装置10の容器11の天井部には導波管21が設けられている。導波管21の先端の開口部21aは、容器11の天井部のほぼ中央に位置している。導波管21の基部は、例えば2つの発振管(マグネトロン、クライストロン、またはジャイラトロン等)22のアンテナ23と接続されている。発振管22に対しては電源部24が設けられ、さらに電源部24の電力供給動作を制御する制御部25が設けられている。制御部25で電源部24の動作を制御することにより、発振管22から導波管21を経由して被塗物17に照射されるマイクロ波の供給・導入の状態を制御する。被塗物17へのマイクロ波照射の制御は、制御部25で用意されたプログラムによって実行される。
発振管22がそのアンテナ23を介して出力するマイクロ波の周波数は、例えば2.45GHz、28GHz等であり、好ましくは28GHzである。ただしマイクロ波の周波数帯域は、一般的に300MHz〜300GHzであり、上記の周波数に限定されるものではない。
上記の電磁波吸収体16は、マイクロ波が被塗物17に照射されたときに、当該被塗物17でアークが発生するのを抑制する作用を有している。また周波数が28GHzのマイクロ波は、通常、大気圧の条件でアークが発生しにくいと知られているので、その点で好都合である。さらに、誘電体損失による発熱量は周波数に比例して大きくなるので、28GHzのマイクロ波の方が乾燥時間を短縮できる観点でも好ましい。
図2を参照してマイクロ波加熱乾燥のメカニズムを説明する。図2では、被塗物17の表面部分の一部17aと、当該一部の表面部分17aに塗布された塗料による塗膜31を示している。ここで被塗物17は、金属素材で作られているものとする。さらに塗膜31の外側表面に当る矢印32は、塗膜31に対して照射されるマイクロ波の状態を示している。マイクロ波32が塗膜31に照射されると、塗膜31の内部では内側および外側に関係なく一様に均一な誘電体損失による発熱が生じる。図2で塗膜31内の複数の符号33で示された部分は、誘電体損失による発熱状態の一例を示している。またマイクロ波31が照射されることにより、金属素材で作られた被塗物17の表面部分17a内にも電磁誘導による発熱が生じる。電磁誘導による発熱は、うず電流損失とヒステリシス損失に基づいている。図2で表面部分17a内の複数の符号34で示された部分は電磁誘導による発熱状態の一例を示している。塗膜31における発熱と被塗物17の表面部分17aの発熱では、塗膜31の方がより高い温度に発熱するので、矢印35に示すごとく、塗膜31の側から被塗物17の表面部分17aの側に向って熱伝導の流れが生じる。
次に、図3を参照して本発明のマイクロ波加熱乾燥方法の第1実施形態を説明する。図3では、座標系においてグラフが示され、座標系の横軸は時間を示し、座標系の縦軸では温度(下側)の軸と塗膜粘度η(上側)の軸とがそれぞれ示されている。さらに、横軸の時間軸に沿って3つの工程、すなわちセッティング工程41と昇温工程42と硬化工程43が分割して示されている。セッティング工程41は時間間隔t1〜t2であり、昇温工程42は時間間隔t2〜t3であり、硬化工程43は時間間隔t3〜t4である。ここでt1〜t4についてはt1<t2<t3<t4の大小関係がある。
図3の座標系では、本実施形態に係るマイクロ波加熱乾燥方法に基づく塗膜31の温度変化を表すグラフ51と、塗膜31の塗膜粘度(η)の変化を表すグラフ52が示されている。マイクロ波加熱乾燥方法についてのグラフ51,52に関して、本発明の第1実施形態に係るマイクロ波を利用して塗膜31を急速に加熱する工程50が示される。急速加熱(急昇温)の工程50では、上記のセッティング工程41と昇温工程42と硬化工程43が示され、併せて塗膜31内でピンホールの発生が抑制される区間53と塗膜31が硬化反応する区間54が示されている。ピンホール抑制区間53はセッティング工程41と昇温工程42の両方に対応して、硬化反応区間54は硬化工程43に対応している。
図3の座標系では、前述のグラフ51,52のそれぞれに対比させる目的で、同じ乾燥条件に従って、従来の熱風焼付乾燥方法に基づく塗膜の温度変化を表すグラフ61と、塗膜31の塗膜粘度(η)の変化を表すグラフ62が示されている。熱風焼付乾燥方法についてのグラフ61,62に関して、熱風焼付乾燥方法に係る加熱工程60が示される。熱風焼付乾燥方法に係る加熱工程60では、上記の工程50と同様に、セッティング工程63と昇温工程64と硬化工程65が示され、併せて、塗膜内でピンホールの発生が抑制される区間66と塗膜が硬化反応する区間67が示されている。ここで、この場合のセッティング工程63は時間間隔t0〜t2であり、昇温工程64は時間間隔t2〜t4であり、硬化工程65はt4から始まる所要の時間間隔である。なおt0,t1についてはt0<t1の大小関係がある。ピンホール抑制区間66はセッティング工程63と昇温工程64の両方に対応して、硬化反応区間67は硬化工程65に対応している。
次に本実施形態に係るマイクロ波加熱乾燥方法に係る加熱(昇温)の仕方を説明する。被塗物17に塗布された塗料の塗膜31は、塗布後、必要な一定時間の間、常温で放置される。このとき「常温」はいわゆる室温であって、通常25±5℃の温度範囲に含まれる温度であり、好ましくは25±2℃の温度範囲に含まれる温度である。本実施形態に係るマイクロ波加熱乾燥方法におけるセッティング工程41は、塗膜31を所定期間(t1〜t2)の間放置する工程である。セッティング工程41は、急速加熱の場合には例えば約1分であり、標準加熱の場合には例えば約7分である。
時刻t2になると、導波管21を経由してマイクロ波が導入され、被塗物17の塗膜31に照射され、昇温工程42に入る。マイクロ波の塗膜31への照射は比較的に急速に行われ、その結果、グラフ51に示されるごとく塗膜31の温度は比較的に急速に立ち上がって上昇する。時間間隔t2〜t3の昇温工程42で塗膜31の温度は室温から120℃程度まで上昇する。昇温工程42において、塗膜31の塗膜粘度ηは、グラフ52に示されるように、或る任意の高い値の塗膜粘度値a1からマイクロ波による加熱で低下し、時刻t3で最低の塗膜粘度値a2になる。換言すれば、昇温工程42の時間間隔は、その最終時点で塗膜粘度が最低値となるように設定される。このマイクロ波が照射されてグラフ51に示すごとく塗膜31の温度が上昇すると、被塗物17の表面に塗布された塗膜31は急速に溶融して所要の塗膜粘度を有する液状になる。このとき、マイクロ波による加熱および温度上昇であるため、塗膜31はその全体が一様に加熱され、全体が同時に溶融する。従って、表面から溶融しかつ硬化されるわけではないので、短時間のセッティング工程および昇温工程であっても、ピンホールの発生が極めて抑制される。上記の昇温工程42は、急速加熱の場合には例えば5分であり、標準加熱の場合には例えば9分である。
昇温工程42から硬化工程43に移行する。この間、マイクロ加熱乾燥装置10でのマイクロ波の導入、および被塗物17へのマイクロ波の照射は継続される。従って、グラフ51に示すごとく、硬化工程43においても塗膜31の温度は上昇し続ける。硬化工程43の最後の時点t4に近くなると、最終的に塗膜31の温度は140℃程度になり、ほぼ一定の温度状態になる。硬化工程43に入る時点t3で塗膜31の塗膜粘度は最定値から上昇し始め、硬化工程43の間に塗膜粘度は次第に上昇する。こうして硬化工程43によって塗膜31は十分に硬化し、被塗物17の塗装が完了する。塗膜31は、十分に低い塗膜粘度a2から再び硬化して所要の硬度の塗膜粘度を得るので、塗膜31の平滑性は良好なものになる。硬化工程43は、急速加熱の場合、標準加熱の場合のいずれも例えば20分である。
上記の本実施形態に係るマイクロ波加熱乾燥方法に対して、熱風焼付乾燥方法60の場合には、グラフ61,62で明らかなように、セッティング工程63、昇温工程64、硬化工程65のそれぞれの時間間隔が相対的に長く、効率が悪いものであった。またグラフ62で明らかなように、昇温工程64が時間的に長いにも拘らず、塗膜粘度の最低値a3は十分に低下せず、ピンホールを発生しやすい状態が保持される。
本実施形態に係るマイクロ波加熱乾燥方法による塗装粘度の変化グラフ52と、従来の熱風焼付乾燥方法による塗装粘度の変化グラフ62とを比較すると、本実施形態の場合には矢印71で示されるように塗膜粘度が低減し、さらに矢印72に示されるごとく昇温工程の時間間隔を短縮することができる。
次に、図4を参照して、本発明のマイクロ波加熱乾燥方法の第2実施形態を説明する。図4では、図3と同様な座標系において、温度上昇の変化グラフと塗膜31の塗膜粘度ηの変化グラフが示されている。図4において、図3で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態に係るマイクロ波加熱乾燥方法で特徴的な点は、昇温工程42においてマイクロ波の照射出力について、その出力強度を固定して一定値に保ち、照射時間を適宜に変化(可変制御)させるようにした点である。従って、図4に示した塗膜31の温度上昇の変化グラフ81において、昇温工程42での変化特性81aは変則的な変化を生じさせている。上記のマイクロ波の照射時間の可変制御は、塗膜31の塗膜粘度ηの変化グラフ82において、塗膜粘度の最低値になったとき、当該最低値が所要の時間の間保持されるために行われる。このように、塗膜31の塗膜粘度の最低値を所要時間の間保持することにより、硬化時における塗膜31の平滑性をさらに高めることができ、塗装の品質を高めることができる。
図4に示すごとく、本実施形態に係るマイクロ波加熱乾燥方法(可変制御)の工程83によれば、昇温工程42の時間間隔は長くなるが、これに対応してピンホール抑制および平滑性の区間53’を設定することができる。その他の構成、作用効果については前述した第1実施形態に係るマイクロ波加熱乾燥方法に実質的に同一である。
図4において、区間84は、塗膜31の塗膜粘度が低下し塗膜31が溶融して被塗物17の表面上を流れる領域(フロー領域)を示し、区間85は、溶融した塗膜31が流れる時間帯域を示している。溶融した塗膜が流れる時間は、第1実施形態の場合に比較して、延長される。
上記の実施形態の説明では、被塗物17は金属素材の例を説明したが、被塗物17の材質は金属に限定されず、樹脂素材等であってもかまわない。
以上の実施形態で説明された構成等については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
本発明に係るマイクロ波加熱乾燥方法は、自動車の車体塗装等における塗膜の乾燥に利用される。
本発明に係るマイクロ波加熱乾燥方法が実施される装置を示す構成図である。 本発明に係るマイクロ波加熱乾燥方法による加熱の原理を説明する図である。 本発明に係るマイクロ波加熱乾燥方法の第1実施形態を説明するための変化特性を示すグラフと工程図である。 本発明に係るマイクロ波加熱乾燥方法の第2実施形態を説明するための変化特性を示すグラフと工程図である。
符号の説明
10 マイクロ波加熱乾燥装置
11 容器
14 加熱炉
15 回転トレイ
16 電磁波吸収体
17 被塗物
21 導波管
22 発振管
31 塗膜
32 マイクロ波
41 セッティング工程
42 昇温工程
43 硬化工程

Claims (3)

  1. 被塗物に塗料を塗布した後、前記被塗物の表面上の塗膜にマイクロ波を照射して前記塗膜を乾燥する方法であり、
    前記被塗物と前記塗膜を室温で放置するセッティング工程と、
    前記マイクロ波を前記塗膜に照射し、前記塗膜の塗膜粘度を低下させかつその後に塗膜粘度が上昇し始める前まで前記被塗物と前記塗膜を加熱し昇温させる昇温工程と、
    前記マイクロ波の前記塗膜への照射を継続し、前記塗膜の塗膜粘度をさらに上昇させて前記塗膜を硬化させる硬化工程と、
    を有することを特徴とするマイクロ波加熱乾燥方法。
  2. 前記マイクロ波を前記塗膜に照射するとき、マイクロ波照射出力を一定としかつマイクロ波照射時間を変化させることを特徴とする請求項1記載のマイクロ波加熱乾燥方法。
  3. 前記昇温工程で、前記塗膜の塗膜粘度を低下させ、一定の低い塗膜粘度の状態で所定時間保持し、その後に塗膜粘度を上昇させるようにしたことを特徴とする請求項1記載のマイクロ波加熱乾燥方法。
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