JP2003221752A - ガラス繊維織物の製造方法 - Google Patents
ガラス繊維織物の製造方法Info
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Abstract
して含有する集束剤が付着したガラス繊維を加熱により
脱油する工程を含むガラス繊維織物の製造方法であっ
て、脱油後の点状の染みの発生を低減させる方法を提供
すること。 【解決手段】 澱粉及び/又はポリビニルアルコールを
皮膜形成剤として含有する集束剤が付着したガラス繊維
束を、前記皮膜形成剤が膨潤及び/又は溶解するように
水蒸気に晒す水蒸気接触工程と、前記水蒸気接触工程で
得られたガラス繊維束を製織することにより、ガラス繊
維織物を得る製織工程と、前記ガラス繊維織物を加熱し
て、該ガラス繊維織物に付着している前記集束剤の少な
くとも一部の熱分解及び減量を生じせしめる脱油工程
と、を含むことを特徴とするガラス繊維織物の製造方
法。
Description
製造方法に関し、より詳しくは、脱油後の点状の染みの
発生を効果的に抑制することが可能なガラス繊維織物の
製造方法に関する。
て得られたガラス繊維フィラメントを複数本集束したガ
ラス繊維束を、エアージェット織機等により製織するこ
とにより製造される。ガラス繊維フィラメントを複数本
集束する場合には、澱粉等の皮膜形成剤や潤滑剤等を水
に溶解又は分散させた集束剤が用いられ、ガラス繊維フ
ィラメントに集束剤の皮膜が形成されることにより、ガ
ラス繊維織物製造工程におけるガラス繊維同士の接触や
機械との摩擦等に起因する毛羽立ちが低減される。
造工程において必要不可欠であるものの、得られたガラ
ス繊維織物を強化樹脂の補強材等として用いる時には、
集束剤の存在は却って補強材としての性能を損なう場合
があるため、補強材等として用いる前に、ガラス繊維織
物に付着した集束剤は高温で焼却して除去される(これ
を一般に「脱油」と呼ぶ)。
が付着したガラス繊維織物を高温で焼却した場合に、織
物に点状の染みが発生して、ガラス繊維織物の外観が不
良となる等の問題が生じていた。かかる問題点を解決す
るため集束剤に添加剤(熱分解促進物質等)を添加する
等の提案もなされているが(特開平7−197380号
公報等)、点状の染みの問題を充分なレベルまで解決す
るのは困難であった。また、添加剤等の種類や添加量等
により脱油条件を変化させる必要もあり、必ずしも簡便
な方法とは言えないのが現状であった。
てなされたものであり、澱粉やポリビニルアルコールを
皮膜形成剤として含有する集束剤が付着したガラス繊維
を加熱により脱油する工程を含むガラス繊維織物の製造
方法であって、脱油後の点状の染みの発生を実用上問題
のないレベルまで容易に低減させることができる方法を
提供することを目的とする。
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、脱油前のガラス繊
維束やガラス繊維織物においては、集束剤の付着量が多
い部分や少ない部分が生じており、脱油後の点状の染み
は、かかる集束剤の付着量のばらつきに起因しているこ
とを見出した。すなわち、集束剤の付着量の多い部分と
少ない部分では同一条件で加熱した場合の燃焼状態が異
なるために、集束剤の付着量が多い部分を中心として、
脱油による集束剤の燃え残りが生じやすくなっており、
これにより点状の染みが生じ易くなっているとの知見を
得た。
進めた結果、集束剤が付着したガラス繊維束やガラス繊
維織物を、脱油に先立って水蒸気と接触させて、集束剤
中の澱粉やポリビニルアルコール等の皮膜形成剤をガラ
ス繊維上で膨潤・溶解させるることにより、脱油後の点
状の染みを大幅に低減させることができることを見出
し、本発明を完成させた。
方法は、(1)澱粉及び/又はポリビニルアルコールを
皮膜形成剤として含有する集束剤が付着したガラス繊維
束を、前記皮膜形成剤が膨潤及び/又は溶解するように
水蒸気に晒す水蒸気接触工程と、(2)前記水蒸気接触
工程で得られたガラス繊維束を製織することにより、ガ
ラス繊維織物を得る製織工程と、(3)前記ガラス繊維
織物を加熱して、該ガラス繊維織物に付着している前記
集束剤の少なくとも一部の熱分解及び減量を生じせしめ
る脱油工程と、を含むことを特徴とするものである。
は、水蒸気接触工程で、集束剤中の澱粉やポリビニルア
ルコール等の皮膜形成剤がガラス繊維束上で膨潤及び/
又は溶解されるために、集束剤のガラス繊維上での移動
が可能となり、また、水蒸気接触工程後の水分の拡散・
蒸発に伴って、集束剤成分の少なくとも一部がガラス繊
維上に均一に分散される傾向にあり、集束剤の付着量が
均一化される。このために、かかるガラス繊維束を製織
して得られたガラス繊維織物は、集束剤に燃焼を促進さ
せるような添加剤を添加しない場合であっても、脱油後
の点状の染みの発生が効率的に防止される。
は、前記水蒸気接触工程において、前記ガラス繊維束を
前記水蒸気に80℃以上の雰囲気温度で晒すことが好ま
しい。水蒸気を晒す温度を80℃以上の高温にすること
により、ガラス繊維束上の皮膜形成剤の膨潤や溶解が特
に効率的に生じるようになるため、かかるガラス繊維束
を製織して得られるガラス繊維織物の脱油後の点状の染
みの発生が特に効果的に防止される。
ガラス繊維束を加圧条件下で前記水蒸気に晒すことが好
ましい。加圧条件下で水蒸気に晒すことにより、ガラス
繊維束上の皮膜形成剤の膨潤や溶解が促進されるため、
かかるガラス繊維束を製織して得られるガラス繊維織物
の脱油後の点状の染みの発生が特に効果的に防止され
る。そして、加圧条件下、且つ80℃以上の雰囲気温度
で水蒸気を晒すことにより、脱油後の点状の染みの発生
が顕著に減少する。
工程と前記製織工程の間に、前記水蒸気接触工程で得ら
れたガラス繊維束又はガラス繊維織物を加圧する加圧工
程を有することが好ましい。水蒸気接触工程と製織工程
の間に加圧工程を実施することにより、膨潤及び/又は
溶解された集束剤がガラス繊維束上でつぶされるため
に、集束剤の付着量がより均一化され、かかるガラス繊
維束を製織して得られるガラス繊維織物の脱油後の点状
の染みの発生が特に顕著に減少する。なお、水蒸気接触
工程又は加圧工程で得られたガラス繊維束を製織工程で
使用するために筒状物(巻糸体)に巻き取る場合は、巻
き取り前に水等の揮発成分を実質的に揮発させることが
好ましい。
リビニルアルコールを皮膜形成剤として含有する集束剤
が付着したガラス繊維織物を、前記皮膜形成剤が膨潤及
び/又は溶解するように水蒸気に晒す水蒸気接触工程
と、(2)前記水蒸気接触工程で得られたガラス繊維織
物を加熱して、該ガラス繊維織物に付着している前記集
束剤の少なくとも一部の熱分解及び減量を生じせしめる
脱油工程と、を含むことを特徴とするガラス繊維織物の
製造方法を提供する。
は、水蒸気接触工程で、集束剤中の澱粉やポリビニルア
ルコール等の皮膜形成剤がガラス繊維織物上で膨潤及び
/又は溶解するために、集束剤のガラス繊維織物上での
移動が可能となり、また、水蒸気と接触することにより
集束剤に取り込まれた水が水蒸気接触工程後に拡散・蒸
発するのに伴って、集束剤の成分がガラス繊維織物全体
に拡散される傾向にあるために、ガラス繊維織物におけ
る集束剤の付着量が均一化される。このために、脱油後
の点状の染みの発生が効率的に防止される。
は、前記水蒸気接触工程において、前記ガラス繊維織物
を前記水蒸気に80℃以上の雰囲気温度で晒すことが好
ましい。水蒸気を晒す温度を80℃以上の高温にするこ
とにより、ガラス繊維織物上の皮膜形成剤の膨潤や溶解
が特に効率的に生じるようになるため、脱油後の点状の
染みの発生が特に効果的に防止される。
ガラス繊維織物を加圧条件下で前記水蒸気に晒すことが
好ましい。加圧条件下で水蒸気に晒すことにより、ガラ
ス繊維織物上の皮膜形成剤の膨潤や溶解が促進されるた
め、脱油後の点状の染みの発生が特に効果的に防止され
る。そして、加圧条件下、且つ80℃以上の雰囲気温度
で水蒸気を晒すことにより、脱油後の点状の染みの発生
が顕著に減少する。
の間に、前記水蒸気接触工程で得られたガラス繊維織物
を加圧する加圧工程を有することが好ましい。水蒸気接
触工程と脱油工程の間に加圧工程を実施することによ
り、膨潤及び/又は溶解された集束剤がガラス繊維織物
上でつぶされるために、集束剤の付着量がより均一化さ
れ、脱油後の点状の染みの発生が特に顕著に減少する。
なお、水蒸気接触工程又は加圧工程で得られたガラス繊
維織物を脱油工程で使用するために筒状物(巻糸体)に
巻き取る場合は、巻き取り前に水等の揮発成分を実質的
に揮発させることが好ましい。
法は、上述のように水蒸気接触工程と、製織工程と、脱
油工程とを含む方法(以下「第1の製造方法」とい
う。)と、水蒸気接触工程及び脱油工程とを含む方法
(以下「第2の製造方法」という。)との2つの態様を
含むものである。以下、第1の製造方法及び第2の製造
方法のそれぞれについて詳述する。
第1の製造方法の水蒸気接触工程においては、澱粉及び
/又はポリビニルアルコールを皮膜形成剤として含有す
る集束剤が付着したガラス繊維束を、前記皮膜形成剤が
膨潤及び/又は溶解するように水蒸気に晒す。
コールを皮膜形成剤として含有する集束剤」とは、ガラ
ス繊維フィラメントを複数束ねるために使用される集束
剤であって、皮膜形成剤を必須成分として含み、その皮
膜形成剤が澱粉及び/又はポリビニルアルコールからな
るものをいう。なお、ガラス繊維フィラメントは、溶融
ガラスを数百〜数千の白金ノズルから高速で引きだすこ
とにより製造されるものが好ましく、繊維径は3〜30
μmが好適である。
成分として含んでおり、これら以外にも、集束剤として
の特性向上のために、潤滑剤、乳化剤、柔軟剤、防腐
剤、帯電防止剤、有機溶剤等を含有していてもよい。
澱粉(コーンスターチ)、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘
藷澱粉、馬鈴薯澱粉、ハイアミロースコーン澱粉、サゴ
澱粉、米澱粉等が挙げられる。また、馬鈴薯澱粉のアミ
ロース抽出物や、酵素により合成された特殊な澱粉も使
用することができる。これらの澱粉は、エーテル化、エ
ステル化、グラフト化、架橋等の加工が施されたもので
あってもよい。
シメチルエーテル化澱粉、ヒドロキシアルキルエーテル
化澱粉、アルキルエーテル化澱粉、ベンジルエーテル化
澱粉、カチオンエーテル化澱粉等が挙げられる。また、
エステル化された澱粉としては、酢酸エステル化澱粉、
燐酸エステル化澱粉、硫酸エステル化澱粉、硝酸エステ
ル化澱粉、キサントゲン酸エステル化澱粉等が挙げられ
る。このエーテル化及びエステル化のいずれにおいて
も、澱粉の置換度には特に制限はない。
酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸
エステル、アクリルアミド、スチレン、マレイン酸等の
不飽和二重結合を有するモノマーの少なくとも1種を澱
粉にグラフト重合させたものが例示可能である。
て架橋を導入したもの、又は上記のエーテル化、エステ
ル化、グラフト化が施された澱粉に対して架橋を導入し
たものを挙げることができる。架橋を導入する場合にお
いては、澱粉中の水酸基と反応性の官能基を2以上有す
る化合物や、澱粉中の水酸基との反応により水酸基反応
性の官能基を新たに生じるような化合物が架橋剤として
用いられる。このような架橋剤としては、エピクロルヒ
ドリン、ホルムアルデヒド、ジエポキシド化合物、ジア
ルデヒド化合物等を挙げることができる。
アミロペクチン成分の量は任意であるが、アミロース成
分が50重量%未満の通常型澱粉(典型的にはアミロー
ス成分を約30重量%、アミロペクチン成分を約70重
量%含む)と、アミロース成分を50重量%以上含むハ
イアミロース型澱粉(典型的にはアミロース成分を約7
0重量%、アミロペクチン成分を約30重量%含む)と
の組み合わせが好ましい。
とは、ビニルアルコールからなる繰返し単位を有するポ
リマーをいい、本発明においては、ポリ酢酸ビニルを鹸
化することにより得られるものであることが好ましい。
ポリビニルアルコールとしては、いわゆる完全鹸化品、
中間鹸化品、部分鹸化品、低鹸化品を単独若しくは組み
合わせて用いることができる。好適な鹸化度は80〜1
00モル%であり、水溶性の観点からは、鹸化度が90
〜100モル%のものがより好ましく、98〜100%
のいわゆる完全鹸化品が更に好ましい。
であるが、400〜3000が好ましく、ガラス繊維フ
ィラメントの集束力の観点からは、平均重合度は100
0〜3000程度の高重合度であることが好ましく、水
溶液(集束剤)を低粘度にすることを考慮すれば、平均
重合度は400〜2000の低重合度であることが好ま
しい。
性を極端に低下させない限りは、エステル化、エーテル
化、アセタール化(分子内アセタール化、分子間アセタ
ール化等)等の変成がなされたものを、その少なくとも
1部として含有していてもよい。
は、変性シリコーンオイル、牛脂油等の動物油及びこの
水素添加物;ゴマ油、ナタネ油、パーム油等の植物油及
びこの水素添加物;高級飽和脂肪酸と高級飽和アルコー
ルの縮合物(ラウリルステアレート等のステアリン酸エ
ステル等);パラフィンワックス等が挙げられ、乳化剤
としては、脂肪族4級アンモニウム塩等のカチオン性界
面活性剤、カルボキシベタイン等の両性界面活性剤、ポ
リオキシエチレンポリアルキルエーテル等のノニオン性
界面活性剤等が挙げられる。
ンタミンとステアリン酸の縮合物に酢酸を加えpHを
4.5〜5.5に調整した調整物(以下「TEPA/S
A」という。)等が挙げられ、防腐剤としては、ホルマ
リン(ホルムアルデヒド)が例示可能である。帯電防止
剤としては、硝酸リチウム、塩化リチウム等の無機塩や
4級アンモニウム塩等が代表的であり、有機溶剤として
用いることのできるものには、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等のアルコールが含まれる。
化剤、柔軟剤、防腐剤、帯電防止剤、有機溶剤及び水の
含有比率に関しては、集束剤全重量を基準として、皮膜
形成剤が1〜10重量%(好適には2〜5重量%)、潤
滑剤が0〜5重量%(好適には1〜3重量%)、乳化剤
が0〜1重量%(好適には0.1〜0.3重量%)、柔
軟剤が0〜0.5重量%(好適には0.1〜0.3重量
%)、防腐剤が0〜0.1重量%(好適には0.01〜
0.05重量%)、帯電防止剤が0〜0.1重量%(好
適には0.01〜0.05重量%)、有機溶剤が0〜1
重量%(好適には0〜0.1)、残余は水であることが
好ましい。
揮発が生じるか否かを基準として、揮発成分(水、有機
溶剤、防腐剤等)と不揮発成分(皮膜形成剤、潤滑剤、
乳化剤、柔軟剤、帯電防止剤等)に分けられる。不揮発
成分の組成比は、不揮発成分に皮膜形成剤以外の成分が
含まれる場合においては、皮膜形成剤が55〜75重量
%(好適には60〜70重量%)、潤滑剤が15〜35
重量%(好適には20〜30重量%)、乳化剤が1〜7
重量%(好適には1〜5重量%)、柔軟剤が1〜5重量
%(好適には1〜3重量%)、帯電防止剤が0〜5重量
%(好適には0〜3重量%)が好ましい。
用いられるガラス繊維束は、集束剤の不揮発成分が付着
したものであることが好ましいが、揮発成分を任意の比
率で含有するものであってもよい。
は、複数本のガラス繊維フィラメントと集束剤の不揮発
成分とから構成されており、該不揮発成分は複数のガラ
ス繊維フィラメント間に存在し、ガラス繊維フィラメン
トを束ねる接着剤(バインダ)として機能しているもの
であることが好ましい。この場合において、不揮発成分
はガラス繊維フィラメントの外周を連続又は不連続膜と
して被覆しているのが好適である。また、かかる不揮発
成分は、ガラス繊維束の使用時にガラス繊維フィラメン
トを束状に保っておくだけの強度を有していればよく、
ガラス繊維束間に一様に分布している必要はない。例え
ば、外縁部の集束剤濃度が高く中心部の集束剤濃度が低
くてもよい。
ラメントのフィラメント径は3〜23μmが好ましく、
ガラス繊維束はかかるガラス繊維フィラメントが50〜
1200本集束されてなるものであることが好ましい。
ガラス繊維フィラメントのガラス組成としては、例え
ば、Eガラス、Sガラス、Cガラス等が挙げられる。ガ
ラス繊維束におけるガラス繊維フィラメントの総重量と
集束剤の不揮発成分の重量との比は、前者100重量部
に対して、後者0.2〜5.0重量部が好ましく、0.
5〜2.0重量部がより好ましい。
繊維束を、皮膜形成剤が膨潤及び/又は溶解するように
水蒸気に晒す。ここで、「膨潤」とは、皮膜形成樹脂が
水を吸収することをいい、本発明においては、水蒸気に
接触し、水を吸収した後の重量から接触前の重量を差し
引いた増分が、接触前の重量100重量部に対して10
重量部以上であることが好ましい。一方、「溶解」と
は、皮膜形成剤が水蒸気により水溶液となることをい
う。膨潤と溶解は同時に生じてもよく、そのような場合
は両者を厳密に区別する必要はない。なお、集束剤が皮
膜形成剤以外の成分を含有する場合は、それらの成分は
水蒸気との接触により膨潤、溶解又は分散が生じること
が好ましい。
ガラス繊維束上で膨潤及び/又は溶解するために、集束
剤のガラス繊維束上での移動が可能となり、また、水蒸
気と接触することにより集束剤に取り込まれた水が水蒸
気接触工程後に拡散・蒸発するのに伴って、集束剤の成
分がガラス繊維束全体に拡散される傾向にあるために、
ガラス繊維束における集束剤の付着量が均一化される。
このために、脱油後の点状の染みの発生が効率的に防止
される。
束剤が付着したガラス繊維布を水又は熱水に浸漬する方
法が記載されているが、この方法を適用してガラス繊維
布を連続的に水又は熱水に浸漬すると、水中に徐々に集
束剤が溶け込んでいくため、集束剤を溶解する能力が徐
々に低下する。このために、浸漬後にガラス繊維布に残
存する集束剤量が経時的に増加する傾向にあり、それに
あわせて脱油条件を変化させる必要があるため、脱油不
良が生じ易い。これに比べて本発明の方法は水蒸気を使
用するため上記のような問題が生じない。また、ガラス
繊維布を水又は熱水に浸漬する場合は、集束剤を膨潤・
溶解させるまでにある程度の時間が要求されるために、
ガラス繊維布を連続的に浸漬する場合のガラス繊維布の
送り速度が低下してしまう、一方、水蒸気を用いる本発
明の方法によれば、集束剤の膨潤・溶解速度が水に浸漬
する場合に比べて高いために連続工程における送り速度
を高めることができる。更に、水蒸気は、凝縮して水に
なるときに体積が非常に小さくなるため、排水処理の負
荷も小さい。
ラス繊維束を水蒸気に80℃以上の雰囲気温度で晒すこ
とが好ましい。かかる温度で水蒸気を接触させることに
より皮膜形成剤の膨潤及び/又は溶解がより効率的に生
じるため、脱油後の点状の染みの低減の度合いが特に優
れるようになる。水蒸気を晒す雰囲気温度は、100℃
以上がより好ましく、120℃以上がより好ましい。な
お、雰囲気温度の上限は160℃とすることが好適であ
る。また、水蒸気接触工程における相対湿度は任意であ
るが、本発明においては75%以上が好ましく、90%
以上がより好ましく、95%以上が更に好ましい。
率化することから、第1の製造方法の水蒸気接触工程に
おいて、ガラス繊維束を加圧条件下で水蒸気に晒すこと
が好ましい。加圧条件としては、1.2気圧以上が好適
であり、1.9気圧以上がより好適である。皮膜形成剤
の膨潤及び/又は溶解を更に効率化するためには、水蒸
気に晒す雰囲気温度を上述のとおりにした上で、更に加
圧条件にするとよい。これを実施する手段としては、例
えば、恒温恒湿オーブンが挙げられる。
気接触工程の後に、水蒸気接触工程で得られたガラス繊
維束を加圧する加圧工程を実施して、その後製織工程を
実施することが好ましい。ガラス繊維束の加圧は、例え
ば、ガラス繊維束をスクイズローラーを通すことによ
り、0.05〜1.0kg/cmの線圧(スクイズ圧)
を付与することにより実施する。この場合において、ス
クイズ圧は、0.1〜0.5kg/cmがより好まし
い。加圧工程を実施することにより集束剤が押しつぶさ
れるために、ガラス繊維束における集束剤の付着量がよ
り均一化して、かかるガラス繊維束を製織して得られる
ガラス繊維織物の脱油後の点状の染みの発生が特に顕著
に減少する。
ラス繊維束における集束剤が水分等の揮発成分を保持し
ている間に行っても、揮発成分が実質的に揮発した後に
行ってもよい。加圧による集束剤の変形を容易化する観
点からは、集束剤は、水分等の揮発成分を多少保持して
いることが好ましい。
圧工程の後に、得られたガラス繊維束を製織することに
より、ガラス繊維織物を得る製織工程を実施する。製織
工程は、ガラス繊維束における集束剤から水等の揮発成
分が実質的に揮発した後に実施することが好ましい。
束からなる経糸及び緯糸を、これらが交差するように織
ることをいう。本発明のガラス繊維織物の製造方法にお
いては、経糸及び緯糸の少なくとも一方が水蒸気接触工
程又は加圧工程で得られたガラス繊維束であることが好
ましく、両方が水蒸気接触工程又は加圧工程で得られた
ガラス繊維束であることがより好ましい。製織は、エア
ージェット織機等の織機を用いて行うことが好ましく、
かかる場合においては、巻取りチューブ(外径:15〜
40cm、長さ:10〜60cm程度)の周囲に10〜
200km程度巻き付けて巻糸体としたガラス繊維束を
用い、かかる巻糸体からガラス繊維束を解舒して製織に
供することが製造工程上好ましい。なお、ガラス繊維束
を経糸として用いる場合は、製織に先立って経糸に二次
サイズ剤を塗布してもよい。
ましくは22〜68TEX)のガラス繊維束を経糸及び
緯糸として用い、織り密度が、経方向で16〜64本/
25mm、緯方向で15〜60本/25mmになるよう
に織られたものであることが好ましい。
得られたガラス繊維織物を加熱して、ガラス繊維織物に
付着している集束剤の少なくとも一部の熱分解及び減量
を生じせしめる脱油工程を実施する。
が好ましく、加熱時間は40〜120時間が好ましい。
加熱温度が350℃未満又は加熱時間が40時間未満で
ある場合は脱油が不充分となる傾向にある。一方、加熱
温度が450℃を超す場合又は加熱時間が120時間を
超す場合はガラス繊維フィラメントが劣化する可能性が
ある。なお、脱油は酸素の存在下(例えば、空気中)で
行うことが熱分解及び減量の効率の観点から好ましい。
続法」という。)、バッチ式で行っても(以下「バッチ
法」という。)よく、連続法とバッチ法を組み合わせて
行ってもよい。連続法においては、製織工程で得られた
ガラス繊維織物が連続的に供給されつつ加熱が行われ、
バッチ式ではロール状に巻き取られたガラス繊維織物を
加熱する。脱油効率を考慮すると、連続法で一次脱油を
行った後に、ガラス繊維織物をロール状に巻取り、バッ
チ法で二次脱油を行うことが好ましい。
気接触工程において集束剤中の皮膜形成剤が膨潤及び/
又は溶解されているために、脱油工程により得られるガ
ラス繊維束における点状の染みが実用上問題のないレベ
ルまで容易に低減される。
明する。本発明の第2の製造方法は、澱粉及び/又はポ
リビニルアルコールを皮膜形成剤として含有する集束剤
が付着したガラス繊維織物を、前記皮膜形成剤が膨潤及
び/又は溶解するように水蒸気に晒す水蒸気接触工程
と、前記水蒸気接触工程で得られたガラス繊維織物を加
熱して、該ガラス繊維織物に付着している前記集束剤の
少なくとも一部の熱分解及び減量を生じせしめる脱油工
程と、を含むことを特徴としている。
ポリビニルアルコールを皮膜形成剤として含有する集束
剤」については、上述した第1の製造方法におけるのと
同様である。
とは、ガラス繊維束を製織して得られる織物をいい、本
発明においては、Eガラス、Sガラス、Cガラス等から
なりフィラメント径が3〜23μmのガラス繊維フィラ
メントを、集束剤で50〜1200本集束したガラス繊
維束を、経糸及び/又は緯糸として用い製織した織物で
あることが好ましい。なお、ガラス繊維束の構造につい
ては上述のとおりである。
るガラス繊維織物は、5〜500TEX(好ましくは2
2〜68TEX)のガラス繊維束を経糸及び緯糸として
用い、織り密度が、経方向で16〜64本/25mm、
緯方向で15〜60本/25mmになるように織られた
ガラス繊維織物であることが特に好ましい。
動織機で作製する場合においては、緯糸に用いられるガ
ラス繊維束に、澱粉及び/又はポリビニルアルコールを
皮膜形成剤として含む二次サイズ剤を更に塗布して経糸
として用いることが一般的であるため、本発明における
ガラス繊維織物は、経糸と緯糸とで異なる種類の皮膜形
成剤を含有する集束剤が付着していてもよい。
繊維織物に付着した集束剤は、揮発成分を任意の比率で
含有するものであってもよいが、揮発成分が揮発した後
の不揮発成分が付着したものであることが好ましい。そ
して、ガラス繊維織物におけるガラス繊維フィラメント
の総重量と集束剤の不揮発成分の重量との比は、前者1
00重量部に対して、後者0.2〜5.0重量部が好ま
しく、0.5〜2.0重量部がより好ましい。
解」については、上述した第1の製造方法におけるのと
同様であり、膨潤と溶解が同時に生じる場合は両者を厳
密に区別する必要はなく、水蒸気に接触した後の重量か
ら接触前の重量を差し引いた増分が、接触前の重量10
0重量部に対して10重量部以上であることが好まし
い。
ガラス繊維織物上で膨潤及び/又は溶解するために、集
束剤のガラス繊維織物上での移動が可能となり、また、
水蒸気と接触することにより集束剤に取り込まれた水が
水蒸気接触工程後に拡散・蒸発するのに伴って、集束剤
の成分がガラス繊維織物全体に拡散される傾向にあるた
めに、ガラス繊維織物における集束剤の付着量が均一化
される。このために、脱油後の点状の染みの発生が効率
的に防止される。また、特開平4−50359号公報に
記載されているガラス繊維織物を水又は熱水に浸漬する
方法に比べて、ガラス繊維織物を水蒸気と接触させる第
2の製造方法は、脱油条件を変化させる必要がないため
脱油不良が起こり難く、ガラス繊維織物の送り速度を高
速にできるために、高い生産性を維持したまま、脱油後
の点状の染みの発生を実用上問題のないレベルまで容易
に低減させることが可能になる。
理由により、水蒸気接触工程で、ガラス繊維織物を水蒸
気に80℃以上の雰囲気温度で晒すことが好ましい。水
蒸気を晒す雰囲気温度は、100℃以上がより好まし
く、120℃以上がより好ましい。なお、雰囲気温度の
上限は160℃とすることが好適である。また、水蒸気
接触工程における相対湿度は、75%以上が好ましく、
90%以上がより好ましく、95%以上が更に好まし
い。
維織物を加圧条件下で水蒸気に晒すことが好ましい。加
圧条件としては、1.2気圧以上が好適であり、1.9
気圧以上がより好適である。また、皮膜形成剤の膨潤及
び/又は溶解を更に効率化するために、恒温恒湿オーブ
ン等を用いて上記温度及び湿度で加圧条件にするとよ
い。
程の後に、水蒸気接触工程で得られたガラス繊維織物を
加圧する加圧工程を実施して、その後脱油工程を実施す
ることが好ましい。ガラス繊維織物の加圧は、0.05
〜1.0kg/cm(好ましくは0.1〜0.5kg/
cm)の圧力で、例えば、ガラス繊維織物をスクイズロ
ーラーに通すことにより実施することが好ましい。加圧
工程を実施することにより集束剤が押しつぶされるため
に、ガラス繊維織物における集束剤の付着量がより均一
化して、脱油後の点状の染みの発生が特に顕著に減少す
る。なお、加圧工程は、集束剤が水分等の揮発成分を含
有している状態でも含有していない状態でも行うことが
でき、集束剤の変形の容易性からは揮発成分を多少含有
している状態で行うことが好ましい。
製造方法と同様の条件で実施することができる。すなわ
ち、脱油効率の観点から、ガラス繊維織物における集束
剤から水等の揮発成分を実質的に揮発させた後に、脱油
工程を実施することが好ましく、脱油工程の加熱温度及
び加熱時間は、それぞれ350〜450℃及び40〜1
20時間が好ましく、更に、脱油は酸素の存在下(例え
ば、空気中)で行うことが熱分解及び減量の効率の観点
から好ましい。
でも可能であり、連続法で一次脱油を行った後に、ガラ
ス繊維織物をロール状に巻取り、これをバッチ式で二次
脱油することが、脱油効率の観点から好ましい。
気接触工程において集束剤中の皮膜形成剤が膨潤及び/
又は溶解されているために、脱油工程により得られるガ
ラス繊維織物における点状の染みが実用上問題のないレ
ベルまで容易に低減される。
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
2.20kg及びエーテル化コーンスターチ2.20k
gに70kgの水を加え分散させた。次いで、これを加
熱昇温し95℃で30分間糊化した後、65℃まで冷却
した(得られた液をA液とする)。一方、加熱溶解させ
た牛脂油1.4kg、パラフィンワックス0.5kg、
ポリオキシエチレンポリプロピレンエーテル(HLB=
16)0.1kg及びポリオキシエチレンラウリルエー
テル(HLB=9)0.1kgに熱湯を加えながらミキ
サーで攪拌した。攪拌を5分間継続した後に熱湯で希釈
して、総重量を5kgとした(得られた液をB液とす
る)。また、TEPA/SA(テトラエチレンペンタミ
ンとステアリン酸とのモル比:前者/後者=1/2)1
50gに熱湯を加えて総重量を2kgとした(得られた
液をC液とする)。更に、ホルマリン液(ホルムアルデ
ヒド30重量%水溶液)100gを水で10倍に希釈し
た(得られた液をD液とする)。次いで、65℃のA液
に、B液、C液及びD液を順次全量添加した後、総重量
が100kgになるように湯を加えてガラス繊維用集束
剤を得、60℃で保温した。
ス繊維フィラメント(フィラメント径9μm)に、製造
例1の集束剤を塗布し400本集束して、室温で放置し
て風乾させガラス繊維束を得た。なお、得られたガラス
繊維束における集束剤の不揮発成分の付着量は、ガラス
繊維フィラメント100重量部に対して、1.0重量部
であった。
及び緯糸用の2種類)を、湿度100%、雰囲気温度1
33℃の恒温恒湿オーブン内に10分間保持して水蒸気
接触工程を実施した。なお、恒温恒湿オーブン内の圧力
は1.9気圧であった。そして、恒温恒湿オーブンから
ガラス繊維束を取り出した後、湿潤状態でスクイズロー
ラーを通し(スクイズ圧:0.3kg/cm)、その
後、室温で乾燥させた。なお、水蒸気に接触させる前の
ガラス繊維束100重量部を基準として、接触後の重量
は15重量部以上増加していた。
ち、経糸用のものに以下の表1に示す組成の二次サイズ
剤を塗布した後、揮発成分を除去させた(ガラス繊維束
100重量部に対するサイズ剤の被覆量は不揮発分とし
て1重量部)。そしてこれのガラス繊維束を経糸として
用い、二次サイズ剤を塗布していない緯糸用のガラス繊
維束を緯糸として用い、高速エアージェット織機(津田
駒工業社製、ZA)にて製織を行い(製織工程)、IP
Cスペック7628タイプのガラス繊維織物を得た。
m×18cmに切断して、410℃のオーブン中で3時
間加熱して脱油工程を実施した。脱油工程後のガラス繊
維織物の着色及び染みを目視で評価したところ、着色及
び染みのいずれも生じていないことがわかった。
維束に実施例1で用いたのと同様の二次サイズ剤を塗布
した後、揮発成分を除去させた(ガラス繊維束100重
量部に対する二次サイズ剤の被覆量は不揮発分として1
重量部)。このガラス繊維束を経糸として用い、製造例
2で得られた二次サイズ剤を塗布していないガラス繊維
束を緯糸として用い、高速エアージェット織機(津田駒
工業社製、ZA)にて製織を行い、IPCスペック76
28タイプのガラス繊維織物を得た。得られたガラス繊
維織物を実施例1と同様にして、切断した後、脱油を行
い、脱油工程後のガラス繊維織物の着色及び染みを目視
で評価したところ、染みが確認された。
維束(経糸用及び緯糸用の2種類)を、温度60℃の温
水中に10分間浸漬した。そして、水中からガラス繊維
束を取り出した後、湿潤状態でスクイズローラーを通し
(スクイズ圧:0.3kg/cm)、その後、室温で乾
燥させた。
ち、経糸用のものに実施例1で用いたのと同様の二次サ
イズ剤を塗布した後、揮発成分を除去させた(ガラス繊
維束100重量部に対する二次サイズ剤の被覆量は不揮
発分として1重量部)。そしてこれのガラス繊維束を経
糸として用い、二次サイズ剤を塗布していない緯糸用の
ガラス繊維束を緯糸として用い、高速エアージェット織
機(津田駒工業社製、ZA)にて製織を行い(製織工
程)、IPCスペック7628タイプのガラス繊維織物
を得た。得られたガラス繊維織物を実施例1と同様にし
て切断した後、脱油を行い、脱油工程後のガラス繊維織
物の着色及び染みを目視で評価したところ、ガラス繊維
束を浸漬した温水が清浄な場合は、ガラス繊維織物の点
状の染みはほとんど観察されなかったが、ガラス繊維束
を複数回浸漬した後の温水を用いた場合に染みが観察さ
れた。
1で用いたのと同様の二次サイズ剤を塗布した後、揮発
成分を除去させた(ガラス繊維束100重量部に対する
二次サイズ剤の被覆量は不揮発分として1重量部)。こ
のガラス繊維束を経糸として用い、製造例2で得られた
ガラス繊維束を緯糸として用い、高速エアージェット織
機(津田駒工業社製、ZA)にて製織を行い、IPCス
ペック7628タイプのガラス繊維織物を得た。
m×16cmに切断して、湿度100%、雰囲気温度1
33℃の恒温恒湿オーブン内に10分間保持して水蒸気
接触工程を実施した。なお、恒温恒湿オーブン内の圧力
は1.9気圧であった。そして、恒温恒湿オーブンから
ガラス繊維織物を取り出した後、湿潤状態でスクイズロ
ーラーを通し(スクイズ圧:0.3kg/cm)、その
後、室温で乾燥させた。なお、水蒸気に接触させる前の
ガラス繊維織物100重量部を基準として、接触後の重
量は15重量部以上増加していた。
オーブン中で3時間加熱して脱油工程を実施した。脱油
工程後のガラス繊維織物の着色及び染みを目視で評価し
たところ、着色及び染みのいずれも生じていないことが
わかった。
ガラス繊維織物を得て、24cm×16cmに切断した
後、水蒸気に接触させることなく実施例2と同様の条件
で脱油を行った。脱油工程後のガラス繊維織物の着色及
び染みを目視で評価したところ、染みが確認された。
ガラス繊維織物を得て、24cm×16cmに切断した
後、温度60℃の温水中に10分間浸漬した。そして、
水中からガラス繊維織物を取り出した後、湿潤状態でス
クイズローラーを通し(スクイズ圧:0.3kg/c
m)、その後、室温で乾燥させた。乾燥後のガラス繊維
織物を用いて実施例2と同様に脱油工程を実施し、脱油
工程後のガラス繊維織物の着色及び染みを目視で評価し
たところ、ガラス繊維織物を浸漬した温水が清浄な場合
は、ガラス繊維織物の点状の染みはほとんど観察されな
かったが、ガラス繊維織物を複数回浸漬した後の温水を
用いた場合に染みが観察された。
澱粉やポリビニルアルコールを皮膜形成剤として含有す
る集束剤が付着したガラス繊維を加熱により脱油する工
程を含むガラス繊維織物の製造方法であって、脱油後の
点状の染みの発生を実用上問題のないレベルまで容易に
低減させることができる方法を提供することが可能にな
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 澱粉及び/又はポリビニルアルコールを
皮膜形成剤として含有する集束剤が付着したガラス繊維
束を、前記皮膜形成剤が膨潤及び/又は溶解するように
水蒸気に晒す水蒸気接触工程と、 前記水蒸気接触工程で得られたガラス繊維束を製織する
ことにより、ガラス繊維織物を得る製織工程と、 前記ガラス繊維織物を加熱して、該ガラス繊維織物に付
着している前記集束剤の少なくとも一部の熱分解及び減
量を生じせしめる脱油工程と、を含むことを特徴とする
ガラス繊維織物の製造方法。 - 【請求項2】 前記水蒸気接触工程において、前記ガラ
ス繊維束を前記水蒸気に80℃以上の雰囲気温度で晒す
ことを特徴とする請求項1記載のガラス繊維織物の製造
方法。 - 【請求項3】 前記水蒸気接触工程において、前記ガラ
ス繊維束を加圧条件下で前記水蒸気に晒すことを特徴と
する請求項1又は2記載のガラス繊維織物の製造方法。 - 【請求項4】 前記水蒸気接触工程と前記製織工程の間
に、前記水蒸気接触工程で得られたガラス繊維束を加圧
する加圧工程を有することを特徴とする請求項1〜3の
いずれか一項に記載のガラス繊維織物の製造方法。 - 【請求項5】 澱粉及び/又はポリビニルアルコールを
皮膜形成剤として含有する集束剤が付着したガラス繊維
織物を、前記皮膜形成剤が膨潤及び/又は溶解するよう
に水蒸気に晒す水蒸気接触工程と、 前記水蒸気接触工程で得られたガラス繊維織物を加熱し
て、該ガラス繊維織物に付着している前記集束剤の少な
くとも一部の熱分解及び減量を生じせしめる脱油工程
と、を含むことを特徴とするガラス繊維織物の製造方
法。 - 【請求項6】 前記水蒸気接触工程において、前記ガラ
ス繊維織物を前記水蒸気に80℃以上の雰囲気温度で晒
すことを特徴とする請求項5記載のガラス繊維織物の製
造方法。 - 【請求項7】 前記水蒸気接触工程において、前記ガラ
ス繊維織物を加圧条件下で前記水蒸気に晒すことを特徴
とする請求項5又は6記載のガラス繊維織物の製造方
法。 - 【請求項8】 前記水蒸気接触工程と前記脱油工程の間
に、前記水蒸気接触工程で得られたガラス繊維織物を加
圧する加圧工程を有することを特徴とする請求項5〜7
のいずれか一項に記載のガラス繊維織物の製造方法。
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JP2002014709A JP3915522B2 (ja) | 2002-01-23 | 2002-01-23 | ガラス繊維織物の製造方法 |
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