以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
《第1実施形態》
(情報処理システム1)
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の一例を示す概略図である。
情報処理システム1は、情報を処理するシステムであって、図1に示されるように、複合機30と、情報処理装置10と、ユーザ端末50と、を備えている。以下、複合機30、ユーザ端末50及び情報処理装置10の具体的な構成について説明する。
(複合機30)
図2は、複合機30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、情報処理装置10のハードウェア構成の一例も示されている。
図2に示される複合機30は、機器の一例である。複合機30は、ユーザ(すなわち使用者)が指示したスキャン処理、コピー処理、及びプリント処理などの各種処理を実行する機器である。この複合機30は、一例として、コンビニエンスストア等の店舗などに設置される。
複合機30は、具体的には、図2に示されるように、画像読取部31と、画像形成部32と、入力部33と、ディスプレイ34と、通信部35と、QRコードリーダ36と、を備えている。
画像読取部31は、原稿の画像を読み取る構成部(例えば、スキャナ)である。画像読取部31は、原稿の画像を光学的に読み取って、デジタル信号に変換することで、画像データを生成する。なお、画像には、文字が含まれる。
画像形成部32は、用紙等の記録媒体に画像を形成する構成部である。画像形成部32は、例えば、帯電、露光、現像、転写及び定着の各工程を行う電子写真方式によって、記録媒体に画像を形成する。なお、画像形成部32は、インクジェット方式等の他の方式によって、記録媒体に画像を形成してもよい。
複合機30では、例えば、画像読取部31が原稿の画像を読み取って画像データを生成することで、スキャン処理が実行される。また、複合機30では、例えば、画像読取部31での原稿の画像の読み取りによって生成された画像データに基づき、画像形成部32が用紙等の記録媒体に画像を形成することで、コピー処理が実行される。
さらに、複合機30では、例えば、対象データが格納された取得先から取得した対象データに基づき、画像形成部32が用紙等の記録媒体に画像を形成することで、プリント処理が実行される。
プリント処理としては、具体的には、例えば、通常プリント処理と、ネットプリント処理と、がある。通常プリント処理は、USBメモリ等の記憶媒体、及びユーザ端末50などに格納した対象データに基づき、画像形成を行う処理である。通常プリント処理では、対象データが格納された記憶媒体及びユーザ端末50などをユーザが複合機30まで持参し、複合機30が取得先としての記憶媒体及びユーザ端末50から対象データを取得した後、画像形成を行う。
ネットプリント処理は、ウェブサーバ等の外部サーバに格納された対象データに基づき、画像形成を行う処理である。ネットプリント処理では、例えば、ユーザが対象データを外部サーバへアップロードし、その対象データを複合機30が、取得先としての外部サーバからダウンロードした後、画像形成を行う。なお、複合機30がダウンロードする対象データは、ネットプリント処理を実行するユーザが、アップロードしたものに限られず、外部サーバに予め格納されたものであってもよい。
なお、対象データには、画像データ及び文書データが含まれる。また、プリント処理は、画像形成処理の一例である。
入力部33は、ユーザによる指示が入力される構成部である。具体的には、入力部33は、例えば、ユーザによって入力操作がなされる入力キー及びタッチパネル等で構成される。
ディスプレイ34は、ユーザへ提示する提示情報を表示する構成部である。ディスプレイ34は、例えば、提示情報として、複合機30で実行する処理の処理内容(例えば、処理の種別及び設定内容)の情報を表示する。なお、ディスプレイ34は、例えば、入力部33としてのタッチパネルを有するディスプレイである。
通信部35は、外部サーバ及びユーザ端末50等の他の機器と通信するための構成部である。通信部35は、有線、無線、インターネット及びイントラネット等の通信手段の利用により、他の機器と通信する。通信部35は、ユーザ端末50に対しては、Wifi(登録商標)及びBluetooth(登録商標)などの無線通信機能により、予め定められた電波到達距離の範囲内において、通信可能とされている。なお、本実施形態では、通信部35は、複合機30に備えられているが、複合機30とは別の装置として設けられた構成であってもよい。
QRコードリーダ36は、QRコード(登録商標)を読み取り、QRコードに含まれる情報の受信を行う。
さらに複合機30には、情報処理装置10が設けられている。なお、情報処理装置10の具体的な構成については、後述する。
本実施形態では、機器の一例として複合機30を用いたが、これに限られない。機器の一例としては、例えば、プリント処理のみを実行するプリンターなどであってもよく、複合機以外の画像形成装置を用いてもよい。また、機器の一例としては、画像形成装置に限られず、ユーザの指示により処理を実行する機器であればよい。
(ユーザ端末50)
図3は、本実施形態に係るユーザ端末50のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示されるユーザ端末50は、端末の一例である。このユーザ端末50は、例えば、ユーザが持ち運び可能なスマートフォン、タブレット、及びパーソナルコンピュータ等の端末である。
ユーザ端末50は、コンピュータとしての機能を備え、図3に示されるように、CPU(Central Processing Unit)51と、ROM(Read Only Memory)52と、RAM(Random Access Memory)53と、ストレージ54、入力部55と、ディスプレイ56と、通信インタフェース57と、を有している。CPU51、ROM52、RAM53、ストレージ54、入力部55、ディスプレイ56、及び通信インタフェース57の各々は、バス58により相互に接続されている。
CPU51は、中央演算処理ユニットであり、情報処理プログラムを含む各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU51は、ROM52又はストレージ54からプログラムを読み出し、RAM53を作業領域としてプログラムを実行する。
ROM52は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM53は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ54は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
入力部55は、ユーザによる指示が入力される構成部である。具体的には、入力部55は、例えば、ユーザによって入力操作がなされる入力キー及びタッチパネル等で構成される。
ディスプレイ56は、ユーザへ提示する提示情報を表示する構成部である。ディスプレイ56は、例えば、提示情報として、QRコード59(図1参照)を表示する。なお、ディスプレイ56は、例えば、入力部55としてのタッチパネルを有するディスプレイである。
通信インタフェース57は、複合機30等の他の機器と通信するためのインタフェース(通信部)である。ユーザ端末50は、通信インタフェース57を介して、Wifi及びBluetoothなどの無線通信機能により、複合機30の通信部35の予め定められた電波到達距離の範囲内において、通信部35と通信可能とされている。
上記のプログラムを実行する際に、ユーザ端末50は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。ユーザ端末50が実現する機能構成について説明する。図4は、ユーザ端末50の機能構成の例を示すブロック図である。
図4に示されるように、ユーザ端末50は、機能構成として、取得部50Aと、生成部50Bと、表示部50Cと、を有している。各機能構成は、CPU51がROM52又はストレージ54に記憶された情報処理プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
取得部50Aは、ユーザが入力部55を介して入力した入力情報を取得する。入力情報としては、後述するように、ユーザが選択した処理の種別情報と、当該処理の設定情報とがある。また、入力情報には、ユーザが入力部55を介して行った指示(例えば、後述の表示指示)の情報が含まれる。
さらに、取得部50Aは、ユーザ端末50固有のID情報を取得する。ID情報は、例えば、ユーザ端末50ごとに予め設定されたID(識別子)の情報である。
ここで、本実施形態では、ユーザが複合機30で実行したい処理の設定を、事前にユーザ端末50において行うことが可能とされている。したがって、ユーザが入力部55を介して、複合機30で実行したい処理を選択し、当該処理の設定を行うと、取得部50Aは、ユーザが選択した処理の種別情報と、当該処理の設定情報とを入力情報として取得する。
種別情報は、例えば、スキャン処理、コピー処理、及びプリント処理などの各種処理の種別を示す情報である。
スキャン処理の設定情報は、画像を読み取る原稿の予定枚数、及び読取を行う色(カラーモードか白黒モードか)などを示す情報である。
コピー処理の設定情報は、コピーを行う原稿の予定枚数、コピーサイズ、及びコピーを行う色(カラーモードか白黒モードか)などを示す情報である。
通常プリント処理の設定情報は、プリントサイズ、プリントを行う色(カラーモードか白黒モードか)、プリント面(片面か両面か)、部数などを示す情報である。さらに、通常プリント処理の設定情報には、対象データの格納先(USBメモリ等の記憶媒体、及びユーザ端末50など)の情報が含まれる。
ネットプリント処理の設定情報は、プリントサイズ、プリントを行う色(カラーモードか白黒モードか)、プリント面(片面か両面か)、部数などを示す情報である。さらに、ネットプリント処理の設定情報には、外部サーバに格納された対象データを特定する特定情報が含まれる。特定情報は、例えば、ユーザが対象データを外部サーバへアップロードした際に、当該対象データに紐付けされた紐付情報などがある。紐付情報としては、ユーザが対象データを外部サーバへアップロードした際に発行される予約番号が該当する。
生成部50Bは、QRコード59(図1参照)を生成する。QRコード59には、複合機30に実行させる処理に関する情報(以下、処理情報という)が含まれる。処理情報には、取得部50Aが取得した種別情報、設定情報及びID情報が含まれる。このQRコード59は、画像の一例である。
なお、画像の一例としては、QRコード59に限られない。画像の一例としては、例えば、QRコード59以外の二次元コード、及びバーコード等の一次元コードなどであってもよく、処理情報を含む画像であればよい。
表示部50Cは、ユーザが入力部55を介して行った表示指示を取得部50Aが取得すると、QRコード59(図1参照)をディスプレイ56に表示する。ディスプレイ56に表示されたQRコード59を、ユーザが複合機30のQRコードリーダ36にかざすことで、QRコード59がQRコードリーダ36に読み取られる。
また、表示部50Cは、自身のユーザ端末50固有のID情報が付された各種情報を、通信インタフェース57を介して受信すると、ディスプレイ56を介して各種情報を表示する。各種情報には、複合機30の通信部35は発信した、後述の予約情報及び終了情報が含まれる。
(情報処理装置10)
図2には、情報処理装置10のハードウェア構成の一例が示されている。情報処理装置10は、コンピュータとしての機能を備え、図2に示されるように、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、ストレージ14と、を有している。
複合機30の各部、CPU11、ROM12、RAM13、及びストレージ14の各々はバス19により相互に接続されている。なお、CPU11は、プロセッサの一例である。
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、情報処理プログラムを含む各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12又はストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。
ROM12は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
上記のプログラムを実行する際に、情報処理装置10は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。情報処理装置10が実現する機能構成について説明する。図5は、情報処理装置10の機能構成の例を示すブロック図である。
図5に示されるように、情報処理装置10は、機能構成として、読取部10Aと、受付部10Bと、表示部10Cと、実行部10Dと、発信部10Eと、予備動作実行部10Fと、検知部10Gと、を有している。各機能構成は、CPU11がROM12又はストレージ14に記憶された情報処理プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
読取部10Aは、ユーザ端末50に表示されたQRコード59(図1参照)を読み取る。具体的には、読取部10Aは、QRコードリーダ36により、QRコード59を読み取る。読取部10Aは、QRコード59を読み取ることで、QRコード59に含まれる処理情報を取得する。
処理情報には、前述のように、ユーザが選択した処理の種別情報、当該処理の設定情報、及び、ユーザ端末50固有のID情報などが含まれる。
受付部10Bは、読取部10AがQRコード59を読み取った際に、処理情報に基づく処理(以下、処理Xという)とは別の処理(以下、別処理という)のために複合機30が使用状態である場合、処理Xの予約を受け付ける。使用状態としては、複合機30が別処理を実行している状態、入力部55に対して入力操作が行われている状態、及び、複合機30が占有されている状態などが該当する。処理Xは、具体的には、ユーザが複合機30で実行したい処理として、ユーザ端末50において選択した処理である。
表示部10Cは、読取部10AがQRコード59を読み取った際に、複合機30が使用されていない非使用状態である場合、処理Xの処理内容を示す情報(例えば、処理の種別及び設定内容)をディスプレイ34に表示する。なお、このとき、表示部10Cは、ディスプレイ34に実行開始ボタンを表示してもよい。
実行部10Dは、処理Xの実行指示を、入力部33を介して取得すると、処理Xを実行させる制御を複合機30に対して行う。
発信部10Eは、受付部10Bが処理Xの予約を受け付けると、予約受付を完了したことを示す予約情報を、通信部35を介して無線通信により発信する。このとき、発信部10Eは、ユーザ端末50固有のID情報を予約情報に付して、予約情報を発信する。
予備動作実行部10Fは、複合機30の使用状態において、処理Xの準備動作を実行させる制御を複合機30に対して行う。具体的には、予備動作実行部10Fは、別処理を実行中の複合機30において、バックグランドで処理Xの準備動作が実行可能である場合に、処理Xの準備動作を複合機30に実行させる。
準備動作は、処理の実行において、最終工程よりも前の工程で実行される動作である。処理Xが、対象データに基づき画像を形成する画像形成処理(具体的には、ネットプリント処理及び通常プリント処理)である場合、準備動作は、例えば、対象データを外部から取得する取得動作である。
ネットプリント処理では、例えば、複合機30の通信部35を介して、外部サーバから対象データをダウンロードする動作(取得動作の一例)が、準備動作である。
通常プリント処理においてユーザ端末50に格納された対象データを用いる場合では、複合機30の通信部35を介して、ユーザ端末50から対象データを受信する動作(取得動作の一例)が、準備動作である。
バックグランドで処理Xの準備動作が実行可能である場合とは、別処理を実行中の複合機30において使用していない構成部を準備動作で使用する場合が該当する。
ここで、別処理が、コピー処理である場合は、複合機30の構成部として、画像読取部31及び画像形成部32を使用するが、通信部35を使用しない。また、別処理が、スキャン処理である場合は、複合機30の構成部として、画像読取部31を使用するが、画像形成部32及び通信部35を使用しない。
一方、ネットプリント処理の準備動作では、対象データをダウンロードするため、複合機30の構成部として、通信部35を使用する。また、通常プリント処理においてユーザ端末50に格納された対象データを用いる場合では、準備動作において、対象データを受信するため、複合機30の構成部として、通信部35を使用する。
したがって、別処理として、コピー処理又はスキャン処理を実行中の複合機30において、ネットプリント処理の準備動作、又は、通常プリント処理においてユーザ端末50に格納された対象データを用いる場合の準備動作を実行する場合が、バックグランドで処理Xの準備動作が実行可能である場合に該当する。
検知部10Gは、複合機30の使用状態の終了を検知する。具体的には、検知部10Gは、例えば、複合機30の構成部の別処理による動作が終了した後、予め定められた期間、入力部33を介したユーザの入力がなかったことを検知することで、複合機30の使用状態の終了を検知する。
なお、検知部10Gは、例えば、センサにより、複合機30の前からユーザがいなくなったことを検知することで、複合機30の使用状態の終了を検知してもよい。
発信部10Eは、検知部10Gが複合機30の使用状態の終了を検知した場合に、複合機30の使用状態が終了したことを示す終了情報を、通信部35を介して無線通信により発信する。このとき、発信部10Eは、ユーザ端末50固有のID情報を終了情報に付して、終了情報を発信する。なお、本実施形態では、発信部10Eが通信部35を介して無線通信により、ユーザ端末50に対し各種情報を発信する構成とされていたが、これに限られない。例えば、インターネット等を介してユーザ端末50にメール通知してもよく、他の通信手段によりユーザ端末50へ通知する構成であってもよい。
なお、本実施形態では、情報処理装置10は、複合機30に設けられていたが、複合機30の外部に設けられた構成であってもよい。すなわち、情報処理装置10は、複合機30とは別に設けられた構成であってもよい。
(本実施形態に係る作用)
次に、情報処理装置10とユーザ端末50とが協働する情報処理システムの作用について説明する。図6は、本実施形態の情報処理システムの流れの一例を示すシーケンス図である。
ユーザが、ユーザ端末50の入力部55を介して、複合機30で実行したい処理を選択し、当該処理の設定を行うと、ユーザ端末50のCPU51は、処理情報として、ユーザが選択した処理の種別情報及び当該処理の設定情報を取得する(ステップS101)。また、CPU51は、処理情報として、ユーザ端末50固有のID情報を取得する(ステップS101)。CPU51は、取得した処理情報を含むQRコード59を生成する(ステップS102)。
CPU51は、QRコードを表示する表示指示を、入力部55を介して取得すると、ディスプレイ56にQRコード59(図1参照)を表示する(ステップS103)。
ユーザが、複合機30のQRコードリーダ36にQRコード59をかざすと、情報処理装置10のCPU11は、QRコードリーダ36によりQRコード59を読み取る(ステップS104)。CPU11は、読み取ったQRコード59に含まれる処理情報を取得する(ステップS105)。
CPU11は、QRコード59を読み取った際に、処理Xとは別の処理(すなわち、別処理)のために複合機30が使用状態であるか否かを判断する(ステップS106)。
CPU11は、複合機30が使用状態であると判断した場合に(ステップS106:YES)、処理Xの予約を受け付ける(ステップS107)。換言すれば、CPU11は、複合機30が使用状態である場合に、複合機30の使用状態が終了した後に実行可能な処理として、処理Xの受付を行う。
CPU11は、複合機30が使用されていない非使用状態であると判断した場合には(ステップS106:NO)、処理Xの処理内容(例えば、処理の種別及び設定内容)を示す内容情報をディスプレイ34に表示する(ステップS131)。なお、このとき、CPU51は、ディスプレイ34に実行開始ボタンを表示してもよい。換言すれば、CPU11は、複合機30が非使用状態である場合に、QRコード59の読み取り後、最初に実行可能な処理として、処理Xを受け付ける。したがって、本実施形態では、同一の処理情報を含むQRコード59を読み取った場合でも、複合機30が使用状態であるか非使用状態であるかによって、処理の受付態様が異なる。
CPU11は、処理Xの実行指示を、入力部33を介して取得すると(ステップS132)、処理Xを実行する(ステップS133)。
CPU11は、ステップS107にて処理Xの予約を受け付けると、予約受付完了したことを示す予約情報を、通信部35を介して無線通信により発信する(ステップS108)。このとき、CPU11は、ユーザ端末50固有のID情報を予約情報に付して、予約情報を発信する。なお、処理Xの予約を受け付けた場合では、処理Xの内容情報のディスプレイ34への表示は行わない。このように、本実施形態では、CPU11は、複合機30が使用状態である場合に、処理Xの内容情報をディスプレイ34に表示し、複合機30が非使用状態である場合には、処理Xの内容情報のディスプレイ34への表示は行わず、ユーザ端末50への通知を行う。
ユーザ端末50のCPU51は、自身のユーザ端末50固有のID情報が付された予約情報を受信すると(ステップS109)、ディスプレイ56を介して、予約情報を表示する(ステップS110)。なお、CPU51は、受信した予約情報に、自身のユーザ端末50固有のID情報が付されていない場合には、予約情報の表示は行わない。
情報処理装置10のCPU11は、別処理を実行中の複合機30において、バックグランドで処理Xの準備動作が実行可能であるか否かを判断する(ステップS111)。
CPU11は、バックグランドで処理Xの準備動作が実行可能であると判断した場合に(ステップS111:YES)、当該準備動作を実行する(ステップS112)。
なお、CPU11は、バックグランドで処理Xの準備動作が実行可能ではないと判断した場合には(ステップS111:NO)、当該準備動作を実行せずに、ステップS113に移行する。
CPU11は、ステップS113において、複合機30の使用状態が終了したか否かを検知する。複合機30の使用状態の終了を検知した場合に(ステップS113:YES)、複合機30の使用状態が終了したことを示す終了情報を、通信部35を介して無線通信により発信する(ステップS114)。このとき、CPU11は、ユーザ端末50固有のID情報を終了情報に付して、終了情報を発信する。
ユーザ端末50のCPU51は、自身のユーザ端末50固有のID情報が付された終了情報を受信すると(ステップS115)、ディスプレイ56を介して、終了情報を表示する(ステップS116)。なお、CPU51は、受信した終了情報に、自身のユーザ端末50固有のID情報が付されていない場合には、終了情報の表示は行わない。
ユーザが、複合機30のQRコードリーダ36にQRコード59を再度かざすと、情報処理装置10のCPU11は、QRコードリーダ36によりQRコード59を読み取る(ステップS117)。
CPU11は、QRコード59を読み取った際に、複合機30が使用状態であるか否かを判断する(ステップS118)。
CPU11は、QRコード59を読み取った際に、複合機30が非使用状態であると判断した場合に(ステップS118:NO)、処理Xの処理内容(例えば、処理の種別及び設定内容)を示す情報をディスプレイ34に表示する(ステップS119)。なお、このとき、CPU51は、ディスプレイ34に実行開始ボタンを表示してもよい。
CPU11は、処理Xの実行指示を、入力部33を介して取得すると(ステップS120)、処理Xを実行する(ステップS121)。
なお、CPU11は、ステップS117において、QRコード59を読み取った際に、複合機30が使用状態であると判断した場合には(ステップS118:YES)、処理内容を示す情報は表示せず、処理Xの実行指示を受け付けず、ステップS113に戻る。
以上のように、本実施形態では、CPU11が、QRコードリーダ36によりQRコード59を読み取った際に、別処理のために複合機30が使用状態である場合、処理Xの予約を受け付ける(ステップS107)。このため、ユーザが、複合機30を使用している別のユーザの傍で待たなくても、優先的に処理の実行可能となる。
また、本実施形態では、CPU11は、複合機30の使用状態において、処理Xの準備動作を複合機30に実行させる(ステップS112)。
このため、複合機30の使用状態が終了した後に処理Xの準備動作を実行する場合に比べ、処理Xが短時間で実行される。
また、本実施形態では、CPU11は、処理Xがプリント処理である場合、対象データを外部(例えば、外部サーバ及びユーザ端末50)から取得する取得動作を予備動作として実行する。このため、複合機30の使用状態の間に、画像形成のための対象データを予め取得可能となる。
また、対象データを外部から取得する取得動作は時間を要するため、処理Xの実行時間の短縮に有効である。すなわち、本実施形態によれば、取得動作よりも実行時間が短い動作を予備動作として実行する場合に比べ、処理Xの実行時間が効果的に短縮される。
また、本実施形態では、CPU11は、複合機30の使用状態が終了し、処理Xの実行指示を、入力部33を介して取得すると、処理Xを複合機30に実行させる(ステップS121)。
複合機30の使用状態が終了した後に、処理Xが自動的に実行される構成に比べ、ユーザが処理の実行の終了を把握しやすい。したがって、処理Xの実行によって出力された用紙等の記録媒体をすぐに取れるため、他のユーザの記録媒体と混在することが抑制される。
本実施形態では、CPU11が、QRコードリーダ36によりQRコード59を読み取った際に、別処理のために複合機30が使用状態である場合、処理Xの予約を受け付けていたが(ステップS107)、これに限られない。例えば、CPU11は、QRコードリーダ36によりQRコード59を読み取った際に、別処理のために複合機30が使用状態である場合において、QRコード59に処理情報が含まれるか否かを判断し、QRコード59に処理情報が含まれる場合に処理Xの予約を受け付ける構成であってもよい。この構成では、QRコード59には、処理情報以外の情報(以下、情報Aという)が含まれ得る。なお、当該構成では、CPU11は、QRコードリーダ36によりQRコード59を読み取った際に、別処理のために複合機30が使用状態である場合において、QRコード59に処理情報が含まれない場合には、処理Xの予約を受け付けない。当該構成としては、例えば、複合機30に実行させる処理の情報がQRコード59に含まれず、単に、ユーザが予め設定した設定情報が、情報Aとして、QRコード59に含まれる場合等が挙げられる。
《第2実施形態》
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、複数の予約持ちが発生する場合を考慮して、シーケンスを実行する形態である。
なお、本実施形態に係る情報処理システムの構成(図1参照)、複合機30及び情報処理装置10のハードウェア構成(図2参照)、及び情報処理装置10の機能構成(図5参照)は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、本実施形態に係るユーザ端末50のハードウェア構成(図3参照)、及びユーザ端末50の機能構成(図4参照)は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以下、情報処理装置10とユーザ端末50とが協働する情報処理システムの作用について説明する。図7は、本実施形態の情報処理システムの流れの一例を示すシーケンス図である。なお、図7における図6に示す情報処理と同様のステップについては、図6と同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
本実施形態では、情報処理装置10のCPU11は、ステップS107にて処理Xの予約を受け付けた際に、実行が完了していない処理の予約が既に存在する場合に、ステップS108にて、予約情報と共に、複数の予約における順番を示す順番情報を、通信部35を介して無線通信により発信する。順番情報は、例えば、複数の予約のうち、処理Xの予約が何番目かを示す情報である。順番情報は、例えば、処理Xの前に実行される処理の数を示す情報であってもよい。
また、本実施形態では、処理Xの直前に予約された処理に係る複合機30の使用状態の終了を検知した場合に(ステップS113:YES)、ステップS114にて、終了情報を、通信部35を介して無線通信により発信する。また、当該直前の処理より前の処理に係る複合機30の使用状態の終了を検知した場合に、更新した順番情報を無線通信により発信してもよい。
さらに本実施形態では、ユーザ端末50のCPU51が、ディスプレイ56を介して終了情報を表示した(ステップS116)後に、ユーザが、複合機30のQRコードリーダ36にQRコード59を再度かざすと、CPU11は、QRコードリーダ36によりQRコード59を読み取る(ステップS117)。
CPU11は、QRコード59を読み取った際に、複合機30が使用状態であるか否かを判断する(ステップS118)。
CPU11は、ステップS117において、QRコード59を読み取った際に、複合機30が使用状態であると判断した場合には(ステップS118:YES)、処理内容を示す情報は表示せず、当該処理の実行指示を受け付けず、ステップS113に戻る。
CPU11は、QRコード59を読み取った際に、複合機30が非使用状態であると判断した場合に(ステップS118:NO)、複数の処理が予約されている否かを判断する(ステップS202)。
CPU11は、単独の処理のみが予約されている場合に(ステップS202:NO)、ステップS119へ移行する。
CPU11は、複数の処理が予約されている場合に(ステップS202:YES)、ステップS117で読み取られたQRコード59に係る処理Xが、複数の予約の中で最も古く予約された処理か判断する(ステップS204)。
CPU11は、当該処理Xが、複数の予約の中で最も古く予約された処理である場合(ステップS204:YES)は、ステップS119へ移行する。
CPU11は、当該処理Xが、複数の予約の中で最も古く予約された処理以外の処理である場合(ステップS204:NO)は、当該処理Xの処理時間が予め定められた時間(以下、基準時間という)以下であるか判断する(ステップS206)。なお、CPU11は、処理内容(例えば、処理を行う部数、及び一部当たりの処理時間等)及び予備動作の実行の有無に基づき、処理時間を算出する。また、処理時間の算出において、一般的な機械学習等の技術を用いてもよい。具体的には、CPU11は、予約内容と処理時間とを取得し、逐次、機械学習を行うことで処理時間を算出するようにしてもよい。さらに、CPU11は、算出した処理時間を、次順の予約に係るユーザ端末50に待ち時間として通知してもよい。
CPU11は、当該処理Xの処理時間が基準時間を超える場合に(ステップS206:NO)処理内容を示す情報は表示せず、当該処理Xの実行指示を受け付けず、ステップS113に戻る。
当該処理Xの処理時間が基準時間以下である場合には、予約の順に関わらず、ステップS119へ移行する。ステップS119では、処理内容を示す情報をディスプレイ34に表示する。
CPU11は、当該処理Xの実行指示を、入力部33を介して取得すると(ステップS120)、当該処理Xを実行する(ステップS121)。
以上のように、本実施形態では、複数の処理が予約されている場合、複数の予約の中で最も古く予約された処理の実行指示を取得した場合に、当該処理を実行させる。
このため、予約の順に関わらず、処理の実行指示を取得した順に処理を実行する場合に比べ、最も古く予約された処理以外の処理が、最も古く予約された処理よりも先に実行されることが抑制される。
また、本実施形態では、最も古く予約された処理よりも先に、最も古く予約された処理以外の処理の実行指示を取得した場合、当該処理の処理時間が基準時間以下である場合には、予約の順に関わらず、当該処理を実行させる。
このため、予め定められた基準時間以下の処理の割り込みが許容される。また、最も古く予約された処理よりも先に、最も古く予約された処理以外の処理の実行指示を取得した場合、実行指示に係る処理の処理時間に関わらず、取得した処理を実行させる場合に比べ、最も古く予約された処理に係るユーザの待ち時間が低減される。
《第3実施形態》
次に、第3実施形態について説明する。
なお、本実施形態に係る情報処理システムの構成(図1参照)、複合機30及び情報処理装置10のハードウェア構成(図2参照)、及び情報処理装置10の機能構成(図5参照)は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、本実施形態に係るユーザ端末50のハードウェア構成(図3参照)、及びユーザ端末50の機能構成(図4参照)は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
情報処理装置10とユーザ端末50とが協働する情報処理システムの作用について説明する。図8は、本実施形態の情報処理システムの流れの一例を示すシーケンス図である。
なお、図8における図6に示す情報処理と同様のステップについては、図6と同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
本実施形態では、図8に示されるように、CPU11は、複合機30に関する機器情報を、通信部35の電波到達の範囲内で不特定のユーザ端末50に発信する制御を通信部35に対して行う(ステップS302)。
具体的には、CPU11は、複合機30が使用状態であるか否かを判断し(ステップS301)、複合機30が使用状態である場合に(ステップS301:YES)、複合機30が使用状態であることを示す使用情報を、通信部35の電波到達の範囲内で不特定のユーザ端末50へ、通信部35に発信させる(ステップS302)。使用情報は、機器情報の一例である。
なお、本実施形態では、複合機30が非使用状態である場合には(ステップS301:NO)、情報発信を行わない。
ユーザ端末50のCPU51は、処理Xの予約を行う前に、使用情報を受信すると、ディスプレイ56を介してQRコード59を表示する(ステップS303)。換言すれば、使用情報は、QRコード59を表示させる指示を含む情報といえる。
以上のように、本実施形態では、使用情報を通信部35の電波到達の範囲内で不特定のユーザ端末50に発信するので、ユーザ端末50を持ったユーザが当該範囲内に入ることで、複合機30の使用状態を把握可能となる。したがって、使用情報が、ユーザ端末50に対して非発信である場合に比べ、複合機30の使用状態を把握しやすい。
また、本実施形態では、処理Xの予約を行う前に、使用情報を受信すると、ディスプレイ56を介してQRコード59を表示するので、QRコード59を表示させるための操作が不要となる。
なお、使用情報には、複合機30における処理の予約状況を示す情報(例えば、予約を受け付けた処理Xの予約数の情報)を含んでいてもよい。これにより、ユーザが、処理Xの予約を行う前に、予約数が把握可能となる。
本実施形態では、複合機30が非使用状態である場合には(ステップS301:NO)、情報発信を行わなかったが、複合機30が非使用状態であることを示す非使用情報を、通信部35の電波到達の範囲内で不特定のユーザ端末50へ、通信部35に発信させてもよい。この場合、非使用情報は、機器情報の一例である。
さらに、ユーザ端末50のCPU51は、処理Xの予約を行う前に、非使用情報を受信すると、ディスプレイ56を介してQRコード59を表示する。換言すれば、非使用情報は、QRコード59を表示させる指示を含む情報といえる。
この構成によれば、非使用情報を通信部35の電波到達の範囲内で不特定のユーザ端末50に発信するので、ユーザ端末50を持ったユーザが当該範囲内に入ることで、複合機30の非使用状態を把握可能となる。
また、本実施形態では、処理Xの予約を行う前に、非使用情報を受信すると、ディスプレイ56を介してQRコード59を表示するので、QRコード59を表示させるための操作が不要となる。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した第2実施形態及び第3実施形態は、適宜、組み合わせて構成してもよい。また、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
また、上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、前述のCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。