JP3994881B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置に関し、特にサーバなどの画像情報蓄積手段から関連する画像データを検索して処理する機能を有する画像処理装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、多数人の職場などにおいてプリンタとしても使用可能なデジタル複写機やプリンタ等の画像処理装置やプリントサーバ等の種々のサーバが、複数のクライアント端末にネットワーク接続されて使用されるのが一般的になっている。
このようなネットワーク環境において、画像データをファイルサーバなどに蓄積しておき、必要に応じて読み出してプリントアウトする要請が強まっている。
【０００３】
これに対し、例えば、プリントしたい画像データを特定するための情報（画像データを格納するサーバのＩＰアドレスや画像ファイル名など。以下、これらを「画像特定情報」という。）を、記録シートに2次元バーコードなどにより表示させておき、プリンタ側で当該バーコードを読み込んでネットワーク内を検索して、当該画像データを自装置にダウンロードしてプリントアウトする装置がすでに開発されている（第１従来技術）。
【０００４】
また、特許文献１には、クライアント端末から文書データを送信すると、プリントサーバがこの文書データを蓄積すると共に、送信者の携帯電話に宛てて文書データの識別情報を通知するようになっており、送信者が当該携帯電話から所望のプリンタに対して、その識別情報を送信すると、プリンタがこの識別情報に基づいてプリントサーバから当該文書データを自動的にダウンロードしてプリント処理する構成が開示されている（第２従来技術）。
【０００５】
このような構成によれば、同じ文書データを再度プリントアウトする必要があるときに、わざわざ端末から同じ文書ファイルを読み出して再プリント要求する必要もなく、また、ユーザの最寄りのプリンタから出力させることも可能となるので、大変便利である。
【０００６】
【特許文献１】
特開２００２−１４９３７０号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第１、第２の従来技術によれば、例えば、ダウンロードされた画像情報の属性がカラー画像であり、ユーザが出力させたいプリンタがモノクロの画像形成機能しかない場合には、適正な処理ができなくなる。これを無理やりプリントアウトしようとすれば、モノクロの画像が出力されるので、ユーザの意思に合致せず、廃棄処分される。これによりユーザが不快な思いをするだけでなく、ダウンロードのため無駄にネットワークを混雑させる上、トナーと記録シートの無駄使いともなる。
【０００８】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、ファイルサーバやＨＤＤ（ハードディスク・ドライブ装置）などの画像データ蓄積手段に蓄積された画像データから、特定の画像データを読み出して所定の処理が可能な画像処理装置であって、ネットワークの通信などに不要な負荷をかけることなく、また、自装置において無駄な処理を行うこともない画像処理装置を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る画像処理装置は、ネットワークを介して接続された外部の画像データ蓄積手段に蓄積された画像データを特定する画像特定情報を取得する第１の取得手段と、前記第１の取得手段により取得した画像特定情報によって特定される画像データの属性に関する情報を取得する第２の取得手段と、前記第２の取得手段により取得した画像データの属性に関する情報に基づいて、自装置において、当該画像データに対する正規の処理が可能か否かを判断する判断手段と、前記判断手段により正規の処理が可能であると判断された場合に、前記画像データ蓄積手段から当該画像データを取得する第３の取得手段とを備えることを特徴とする。
【００１０】
ここで、「画像データ」とは、最終的にイメージ化が可能な全てのデータを意味しており、例えばテキストデータであってもフォント展開されてイメージ化が可能な以上、本発明における「画像データ」に含まれるものである。
また、「画像特定情報」とは、検索手段でサーバなどの画像データ蓄積手段を検索して関連する画像データを特定するのに足る何らかの情報をいう。例えば、ネットワーク上のサーバのＩＰアドレスや当該画像データのファイル名でもよいし、「画像データ」がテキストデータであるような場合には、そのテキストに含まれるキーワードなどであっても構わない。
【００１１】
また「第１の取得手段」と「第２の取得手段」は、それぞれの取得対象となる情報が同一のデータキャリアに記憶されている場合には、同一であっても構わない。
「正規な処理」とは、上記関連画像データの属性に則してなされる正しい処理のことをいう。
【００１２】
また、本発明に係る画像処理装置は、処理を選択させるための表示手段をさらに備え、前記判断手段によって正規の処理が可能でないと判断された場合、前記第３の取得手段による画像データの取得を行なわず、他の処理手段による処理内容を前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【００１３】
ここで、前記表示手段に表示させる他の処理手段による処理内容には、画像データを前記画像データ蓄積手段から他の画像処理装置に転送させる外部機器転送が含まれるようにしてもよい。
【００１４】
また、本発明に係る画像処理装置は、ネットワークを介して接続された外部の画像データ蓄積手段に蓄積された画像データから印字対象の画像データを特定する特定手段と、前記特定手段により特定された画像データをネットワークを介して取得する取得手段と、前記取得した画像データに基づいて印字を行う印字手段とを備え、前記取得手段は、画像データ蓄積手段から画像データを取得する際のモード設定が、ユーザの最終選択を待たずに当該画像データを取得する自動モードである場合、前記特定手段により印字対象の画像データが特定されたことを契機として当該画像データを前記画像データ蓄積手段から取得することを特徴とする。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像処理装置が、多機能のデジタル式複写機（Multiple Function Peripheral：以下、単に「ＭＦＰ」という。）である場合の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
＜ネットワークシステムの構成＞
まず、本実施の形態に係るＭＦＰを含むネットワークシステム（以下、単に「システム」という。）の全体構成について説明する。
【００１６】
図１は、本システムの構成を示す概略図である。同図に示すように、このシステムは、モノクロ画像のプリント機能を有するＭＦＰ１０、カラー画像のプリント機能を有するプリンタ２０および多数の画像ファイルを格納するファイルサーバ（以下、単に「サーバ」という。）３０などが、ＬＡＮ（Local Area Network）４０を介して接続されてなる。
【００１７】
なお、ＭＦＰ、プリンタなどの台数は、図１に示す台数に限定されず、実際にはさらに多くの台数が接続され得る。また、通常は、クライアント端末もＬＡＮ４０に接続され、ＭＦＰ１０やプリンタ２０に対してプリントデータを送信して、プリントアウトさせるようになっているが、本発明の内容に直接関係しないので、ここでは特に図示していない。
【００１８】
ＭＦＰ１０は、デジタル式のモノクロ複写機であって、原稿自動搬送装置（ＡＤＦ）１００と、スキャナ部２００と、プリンタ部３００などからなり、原稿をスキャンしてコピーする通常のコピー機能のほか、不図示のクライアント端末からの要求に応じてプリントジョブを実行するプリント機能なども有し、本実施の形態では、さらにサーバなど画像データを格納している機器から自装置にダウンロードした画像データを他のプリンタなどに転送してプリントアウトさせる処理（以下、「ネットワーク転送」という。）、サーバなどの画像データを格納している外部機器から直接他のプリンタなどに転送してプリントアウトさせる処理（以下、「外部機器転送」という。）、自装置のメモリ内に展開したイメージデータを自装置もしくは外部機器のＨＤＤに転送する処理（以下、「ＨＤＤ転送」という。）など複数の処理を実行できるようになっており、特定の場合にユーザが選択できる。
【００１９】
また、本実施の形態においては、原稿および記録用紙として、図２（ａ）に示すように非接触ＩＣタグ６１を埋め込んだ記録シートＳが使用されており、ＡＤＦ１００の原稿トレイ１１０には、ＩＣタグ６１の情報を読み込むＩＣタグリーダ６０１が配設されると共に、プリンタ部３００における画像形成された記録シートの排紙路の途中には、ＩＣタグ６１に所定の情報を書き込むＩＣタグライター６０２が配設されている。
【００２０】
ここで、非接触ＩＣタグとは、内部にコイルとＩＣチップを有し、いわゆるＩＣタグリーダ／ライターから放出される電波を受信して電磁誘導結合により無線通信を行うものである。非接触ＩＣタグとＩＣタグリーダ／ライターとの間の通信方式としては、国際標準規格としてＩＳＯ１４４４３やＩＳＯ１５６９３等に規定されているものがあるが、この通信方式のみに限られるものではない。
【００２１】
最近では、０．４ｍｍ角の微小な非接触ＩＣタグもできており、さらに微小化、および低価格化される傾向にある。以下では、この非接触ＩＣタグを単に「ＩＣタグ」という。
図２（ｂ）は、原稿のＩＣタグ６１のＩＣチップ内に記憶されている情報の内容を示すものである。なお、以下では、原稿には文字が印刷されているものとし、サーバなどに記憶されている当該原稿のテキストデータを「オリジナル文書」ということにする。
【００２２】
同図２（ｂ）に示すようにＩＣタグ６１には、当該原稿のオリジナル文書のファイルが格納されているサーバ３０のＩＰアドレス、そのファイル名などの画像特定情報、および当該オリジナル文書がカラー原稿かモノクロ原稿かなどの属性に関する情報（以下、「属性情報」という。）などが格納されており、この原稿がＩＣタグリーダ６０１と通信可能な範囲内（例えば、２０〜３０ｃｍ程度の範囲内）に入ると、ＩＣタグリーダ６０１により上記画像特定情報および属性情報が読み出され、その属性情報と自装置の処理機能とを比較して、自装置で適正な処理が可能か否かを判断するようになっている。
【００２３】
また、ＭＦＰ１０で画像形成が実行された場合には、ＩＣタグライター６０２により、画像形成された記録シートのＩＣタグ６１に上記読み出された画像特定情報を書き込むように構成される。
ＭＦＰ１０前面のユーザが操作しやすい位置には、操作パネル５００が設置されている。この操作パネル５００は、スタートボタン５０１と表示部５０２からなる（図１８、図１９参照）。表示部５０２は、液晶表示パネルの前面に透明タッチパネルを積層してなり、後述の制御部４００（図３参照）による制御を受けて、種々のメッセージを表示するほか、所定の入力画面を表示して、ユーザが画面上の操作ボタンにタッチすることにより、コピー部数やその他の処理モードの指定が可能なように構成されている。
【００２４】
図３は、ＭＦＰ１０内の制御部４００の構成を示すブロック図である。
同図に示すように制御部４００は、ＣＰＵ４０１とメモリ４０２、ＨＤＤ４０３、ＬＡＮインターフェース４０４などがバス４０５を介して接続されてなる。
ＣＰＵ４０１は、ＡＤＦ１００、スキャナ部２００、プリンタ部３００、操作パネル５００、ＩＣタグリーダ６０１、ＩＣタグライター６０２などの制御ならびにＬＡＮインターフェース４０４を介して受信した画像データをラスターライズする処理などを行う。なお、ＨＤＤ４０３に格納されている公知の検索プログラムに基づき、画像データを自己のＨＤＤ４０３内部や、ＬＡＮ４０に接続されているサーバ３０などにアクセスして、上記画像特定情報によって特定される画像データ（テキストデータ含む）を検索することができ、画像データ検索手段としても動作する。
【００２５】
ＨＤＤ４０３には、ＣＰＵ４０１が上記各部を制御するためのプログラム、検索プログラムなどの他、自装置の処理機能に関する情報（以下、「デバイス情報」という。）などを格納し、ＣＰＵ４０１により必要に応じて読み出され、メモリ４０２上で実行処理される。
ＣＰＵ４０１でラスタライズされた画像データは、一時的にメモリ４０２に記憶され、必要に応じてプリンタ部３００やＨＤＤ４０３に転送される。
【００２６】
ＬＡＮインターフェース４０４は、ＴＣＰ／ＩＰ(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)に基づきＬＡＮ４０を介して他のプリンタ２０、サーバ３０などと接続を確立し、データの送受信を実行する。なお、本実施の形態において、データを他の端末に送信する際のプロトコルとして例えばＦＴＰ（File Transfer Protocol）などが用いられる。
【００２７】
スキャナ部２００により光学的に読み取られた原稿の画像データは、スキャナ部２００内の信号処理回路（不図示）で、デジタル信号に変換されてエッジ強調や濃度変換などの各種の画像処理を受けた後、メモリ４０２にＤＭＡ転送される。
また、プリンタ部３００は、本実施の形態では、入力された画像データに基づきモノクロ画像を形成するものであって、プリントヘッドから発するレーザビームにより感光体ドラムを露光して、黒のトナーで現像する公知の電子写真式の画像形成部を有し、メモリ４０２に格納された画像データが上記プリントヘッドにＤＭＡ転送され、プリントが実行される。
【００２８】
ＩＣタグリーダ６０１、ＩＣタグライター６０２は、それぞれ受送信用アンテナとコントロールＩＣによりなる公知の構成を有し、前者は、原稿のＩＣタグの情報を読み出して、これをデジタル信号に変換してＣＰＵ４０１に送出し、後者は、ＣＰＵ４０１の指示を受けて上記読み出した情報を排出される記録シートのＩＣタグに書き込む。
【００２９】
図１に戻り、プリンタ２０は、カラー画像の形成が可能な、例えばレーザビーム式のプリンタである。また、サーバ３０は、ＣＰＵとＲＡＭ、ＲＯＭ、ＥＥＰＲＯＭおよびハードディスク装置（ＨＤＤ）などからなるＣＰＵ本体と、モニター装置と、キーボードおよびマウスなどの入力装置とを備えた汎用のパーソナルコンピュータであって、ネットワーク通信プログラムやその他必要な制御プログラムがインストールされており、既存の通信プロトコル（ＴＣＰ/ＩＰなど）により他の端末やＭＦＰ１０と接続され、これらとデータの送受信が可能なようになっている。
【００３０】
＜ＭＦＰ１０の制御部４００における制御動作＞
以下、上記制御部４００によって実行される制御動作をフローチャートに基づき説明する。
図４は、ＭＦＰ１０に電源が投入されてから、制御部４００によって実行される制御動作のメインルーチンを示すフローチャートである。
【００３１】
まず、制御部４００は、自装置のデバイス情報処理を実行する（ステップＳ１００）。この自装置デバイス情報処理は、自装置の処理機能に関する情報を取得する処理であって、図５のサブルーチンに示すように、ＨＤＤ４０３に格納されている自装置のデバイス情報を読み出して、そのデバイス情報を判別する（ステップＳ１０１、Ｓ１０２）。
【００３２】
なお、ここでのデバイス情報は、自装置の実行可能な機能を示す情報であって、カラー画像形成機能の有無や、両面画像形成機能の有無などについての情報のみならず、現在処理待ちのプリントジョブ件数や準備完了の状態（直ぐに処理できる状態）であるか否かなどの情報も含まれるものである。
ここで、まず、自装置がカラー画像形成機能を有するか否か、すなわち自装置がカラー機であるか否かについて判別し（ステップＳ１０３）、カラー機であれば、カラー機フラグを「１」に設定し（ステップＳ１０４）、カラー機でなければ、カラー機フラグを「０」に設定する（ステップＳ１０５）。そして、その他の自装置のデバイス情報、例えば、所定サイズの記録シートへのプリントが可能か、両面画像形成機能の有無などについても必要に応じて判断し（ステップＳ１０６）、図４のメインルーチンにリターンする。
【００３３】
次に、メモリ４０２に格納されている制御変数や後述の各種のフラグの設定値などを初期化する「その他の初期化処理」を実行して（図４、ステップＳ２００）、それ以降の制御動作に備える。
そして、ネットワークに接続されている他のプリンタなどのデバイス情報を取得する他装置デバイス情報処理を実行する（ステップＳ３００）。
【００３４】
図６は、当該他装置デバイス情報処理のサブルーチンを示すフローチャートである。まず、ＬＡＮ４０に接続されている他の装置を読み出して（ネットワーク読み出し）、同一エリア内、ここではＬＡＮ４０に接続されている画像処理のデバイスを検索する（ステップＳ３０１、Ｓ３０２）。
本実施の形態では、外部の画像処理装置（デバイス）を最高８つまで登録可能であり、ＬＡＮ４０上の画像処理装置を検索するたびに、そのデバイス名とデバイス情報を取得してメモリ４０２内に格納し（ステップＳ３０３〜Ｓ３１８）、図４のメインルーチンに戻る。
【００３５】
その後、ＩＣタグ処理を実行する（図４、ステップＳ４００）。このＩＣタグ処理は、原稿のＩＣタグ６１の情報を読み出して、その属性を判別する処理である。
具体的には、図７のサブルーチンに示すように、まず、所定の範囲内にＩＣタグ６１があるか否かを判断する（ステップＳ４０１）。本実施の形態では、ＩＣタグリーダ６０１は、ＩＣタグ６１との通信距離が例えば２０ｃｍ〜３０ｃｍ程度になるように出力が設定され、丁度、原稿トレイ１１０に原稿が載置されたときにＩＣタグ６１と通信可能なようになっている。もっとも、通信可能な範囲はこれに限られず、多少増減しても構わない。しかし、通信距離が大きくなり過ぎると、ＭＦＰ１０の近くを偶然通りかかったものが所持するＩＣタグ６１とまで通信してしまい望ましくないので、通信距離は長くても約５０〜６０ｃｍ以内であることが望ましいであろう。
【００３６】
ＩＣタグリーダ６０１は，短い周期で定期的にリクエスト信号を発しており、原稿が原稿トレイ１１０上に載置されて通信距離内になると、ＩＣタグ６１からの応答信号を受信できるので、これにより上記ステップＳ４０１の判定が可能となる。
ステップＳ４０１で所定範囲内にＩＣタグ６１があると判断された場合には、タグフラグを「１」にし（ステップＳ４０２）、当該載置された原稿のオリジナル文書を特定するための情報（画像特定情報）をＩＣタグ６１から読み出して取得し（ステップＳ４０３）、さらに当該オリジナル文書の属性情報を読み出して取得し（ステップＳ４０４）、双方の情報をメモリ４０２に記憶しておく。
【００３７】
そして、取得した属性情報により、オリジナル文書が、カラー原稿であると判断された場合には、カラーフラグを「１」に設定し（ステップＳ４０５：ＹＥＳ、ステップＳ４０６）、反対にオリジナル文書が、モノクロ原稿であると判断された場合には、カラーフラグを「０」に設定し（ステップＳ４０５：ＮＯ、ステップＳ４０７）、その後必要に応じてその他の属性情報の判別を行い（ステップＳ４０８）、図４のメインルーチンにリターンして、次のステップＳ５００のネットワーク処理を実行する。また、ステップＳ４０１において、ＩＣタグ６１がないと判断された場合には、タグフラグを「０」に設定して（ステップＳ４０９）、メインルーチンにリターンする。
【００３８】
このネットワーク処理は、主に上記オリジナル文書のネットワーク上の格納先にアクセスして、これを自装置にダウンロードしたり、ネットワーク転送処理、あるいは外部機器転送処理やそのための前準備の処理を含む。
図８、図９は、当該ネットワーク処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【００３９】
なお、以下の図８〜図１３のサブルーチンの判定ステップにおいて現れる各種の要求（例えば、図８のステップＳ５０８における「ダウンロード要求」など）は、全て図４のステップＳ１０００の操作パネル処理のサブルーチン（図１４〜図１７参照）において生成されるものである。
まず、ステップＳ５０１において、ネットワーク処理中であるか否かを判断する。この判断は、例えば、ＬＡＮインターフェース４０４（図３）を介してネットワーク上の他の装置と通信中であるか否かで判断することができる。
【００４０】
ステップＳ５０１でネットワーク処理中と判断された場合には、次にステップＳ５０２において、当該ネットワーク処理が終了したか否かを判断し、終了しておれば（ステップＳ５０２：ＹＥＳ）、図９のステップＳ５０３に移って、ネットワークフラグを「０」に設定する。
また、ステップＳ５０２における判断結果が否定的な場合には（ステップＳ５０２：ＮＯ）、ステップＳ５０４に移って、ダウンロード停止要求があるか否かを判断し、当該要求があれば、ダウンロードを停止させるダウンロード強制停止処理を行う（ステップＳ５０５）。
【００４１】
その後、ダウンロード以外の他の要件でネットワーク処理がされているか否かを確認して（ステップＳ５０６）、ネットワーク処理中であれば、図９のステップＳ５０７に移ってネットワークフラグを「１」に設定するが、そうでなければステップＳ５０３に移ってネットワークフラグを「０」に設定する。
また、ステップＳ５０１において、ネットワーク処理中でないと判断された場合は、ステップＳ５０８に移行して、ダウンロード要求の有無を判断し、当該要求があると判断されれば、ステップＳ４００（図４）で得られた画像特定情報に基づいてネットワークをファイル検索する（ステップＳ５０９）。このファイル検索は、具体的には、上記画像特定情報に含まれるＩＰアドレスに基づき、当該ファイルを格納する機器、例えばサーバ３０にアクセスして、オリジナルファイル名で当該サーバ３０内のＨＤＤを検索することにより実行される。なお、ＩＰアドレスの指定なしに、ファイル名のみでいきなりネットワーク上のすべての機器に対してオリジナル文書のファイルを検索することも可能であり、この場合には、画像特定情報として格納している機器のＩＰアドレスは不要となる。
【００４２】
さらに本例のように目的のファイルがテキストデータのファイルの場合には文字列による検索も可能であり、画像特定情報は、オリジナル文書のファイルを検索するための糸口を提供するものであれば、ＩＰアドレスやファイル名に限られない。
もし、ステップＳ５１０でオリジナル文書が検索された場合には（ステップＳ５１０：ＹＥＳ）、ＦＴＰなどのプロトコルを利用して当該オリジナル文書のダウンロードする処理を起動し（ステップＳ５１１）、図９のステップＳ５０７でネットワークフラグを「１」に設定する。
【００４３】
ステップＳ５１０でオリジナル文書のファイルが検索できない場合には、操作パネル５００の表示部５０２に、例えば「オリジナル文書の検索不能です。」と表示させるなどのエラー処理を行い（ステップＳ５１２）、図９に移ってメインルーチンにリターンする。
また、ステップＳ５０８において、ダウンロード要求がないと判断された場合には、図９のステップＳ５１３に移り、ネットワーク転送要求の有無を判断し、当該要求があれば、転送元のＩＰアドレス（すなわち自装置のＩＰアドレス）および後述の操作パネル処理においてユーザにより指定された転送先の機器のＩＰアドレスを設定し（ステップＳ５１４、Ｓ５１５）、ネットワーク転送動作を起動し（ステップＳ５１６）、ネットワークフラグを「１」に設定する（ステップＳ５０７）。
【００４４】
もし、ステップＳ５１３で、ネットワーク転送要求がないと判断された場合には（ステップＳ５１３：ＮＯ）、ステップＳ５１７に移って外部機器転送要求の有無を判断し、当該要求があれば（ステップＳ５１７：ＹＥＳ）、オリジナル文書を保持している転送元の機器のＩＰアドレスおよび転送先の機器のＩＰアドレスを通知し（ステップＳ５１８、Ｓ５１９）、転送すべきオリジナルファイルを指定して外部機器転送リクエストを発行する（ステップＳ５２０）。具体的に、例えば、サーバ３０から直接プリンタ２０にオリジナル文書のファイルを転送するような場合には、サーバ３０のＩＰアドレスをプリンタ２０に通知すると共に、プリンタ２０のＩＰアドレスをサーバ３０に通知し、外部機器転送リクエストをサーバ３０に宛てて発行することにより、サーバ３０は通知を受けたＩＰアドレス宛に指定されたオリジナルファイルを転送するようになっている。
【００４５】
その後、ネットワークフラグを「１」に設定し、図４のメインルーチンにリターンする。また、ステップＳ５１７において、外部機器転送要求がないと判断されたら（ステップＳ５１７：ＮＯ）、ネットワークフラグを「０」に設定してからメインルーチンにリターンする。
次に、図４のステップＳ６００に移り、ＲＩＰ（ラスター・イメージ・プロセッサー）処理を実行する。テキストデータの場合には、通常ＰＤＬ（ページ記述言語）で記述されているので、これを印刷する場合には、ＲＩＰ処理してビットマップデータに展開する必要がある。
【００４６】
図１０は、このＲＩＰ処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、現在画像データのＲＩＰ処理中であるか否かを判断し（ステップＳ６０１）、ＲＩＰ処理中であれば，ＲＩＰ停止要求があるか否かを判断し（ステップＳ６０２）、なければそのままＲＩＰ処理を実行して（ステップＳ６０４）、これが終了するとＲＩＰフラグを「０」に設定し（ステップＳ６０５：ＹＥＳ、ステップＳ６０９）、まだＲＩＰ処理が終了しない場合にはＲＩＰフラグを「１」に設定して（ステップＳ６０５：ＮＯ、ステップＳ６０６）、図４のメインルーチンにリターンする。
【００４７】
ステップＳ６０２において、ＲＩＰ停止要求があると判断された場合には、ＲＩＰフラグを「０」に設定して（ステップＳ６０３）、図４のメインルーチンにリターンする。
また、ステップＳ６０１において、ＲＩＰ処理中でないと判断された場合には（ステップＳ６０１：ＮＯ）、ＲＩＰ要求があるか否かを判断して（ステップＳ６０７）、あれば、ダウンロードデータが準備できたか否かを確認した上で（ステップＳ６０７：ＹＥＳ、ステップＳ６０８：ＹＥＳ）、ステップＳ６０４のＲＩＰ処理を実行させる。
【００４８】
ステップＳ６０７でＲＩＰ要求がないと判断された場合、およびステップＳ６０８においてダウンロードデータが準備できていないと判断された場合には、ステップＳ６０９でＲＩＰフラグを「０」に設定した後、図４のメインルーチンにリターンする。
次に、図４のステップＳ７００のＨＤＤ転送処理を実行する。図１１にこのＨＤＤ転送処理のサブルーチンを示す。
【００４９】
まず、ステップＳ７０１において、現在ＨＤＤ転送中であるか否かを判断し、転送中であれば（ステップＳ７０１：ＹＥＳ）、ステップＳ７０２においてＨＤＤ転送フラグを「１」に設定してメインルーチンにリターンする。
ステップＳ７０１でＨＤＤ転送中ではないと判断された場合には（ステップＳ７０１：ＮＯ）、ステップＳ７０３に移って、ＨＤＤ転送要求があるか否かを判断する。ＨＤＤ転送要求があれば（ステップＳ７０３：ＹＥＳ）、その転送元のメモリ上のアドレスと転送先のＨＤＤ上のアドレスをセットして（ステップＳ７０４、７０５）、転送動作を起動し（ステップＳ７０６）、ＨＤＤ転送フラグを「１」に設定する（ステップＳ７０２）。なお、ＬＡＮ４０を介して外部機器のＨＤＤに転送するような場合には、ステップＳ７０４、Ｓ７０５の「アドレス」には、それぞれ自装置のＩＰアドレスと転送先の外部機器のＩＰアドレスが含まれる。
【００５０】
また、ステップS７０３において、ＨＤＤ要求がないと判断された場合には（ステップS７０３：ＮＯ）、ＨＤＤ転送フラグを「０」に設定した後（ステップＳ７０７）、図４のメインルーチンにリターンする。
次に、図４のステップＳ８００のスキャン処理が実行される。図１２は、このスキャン処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【００５１】
まず、ステップＳ８０１において、現在スキャン中であるか否かを判断し、そうであれば（ステップＳ８０１：ＹＥＳ）、スキャナ部２００から読み取った画像データがメモリ４０２にＤＭＡ転送（以下、「入力ＤＭＡ」という。）される際にカウントされる入力ＤＭＡカウンタを読み出し（ステップＳ８０２）、そのカウンタ値から入力ＤＭＡが終了したか否かを判断する（ステップＳ８０３）。
【００５２】
入力ＤＭＡカウンタ値が所定の値になったとき、「入力ＤＭＡ終了」と判断され（ステップＳ８０３：ＹＥＳ）、スキャン中フラグを「０」に設定する。ステップＳ８０３で、「入力ＤＭＡ終了」と判断されないときは、スキャン中フラグを「１」に設定し（ステップＳ８０８）、図４のメインルーチンにリターンする。
【００５３】
また、ステップＳ８０１でスキャン中でないと判断された場合には、ステップＳ８０５に移って、スキャン要求があるか否かを判断し、スキャン要求があれば（ステップＳ８０５：ＹＥＳ）、ＡＤＦ１００およびスキャナ部２００に指示してスキャン動作を起動させ（ステップＳ８０６）、併せて入力ＤＭＡを起動する（ステップＳ８０７）。そして、スキャン中フラグを「１」に設定して図４のメインルーチンにリターンする。
【００５４】
次に、図４のステップＳ９００の印字処理が実行される。図１３は、この印字処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、ステップＳ９０１において、現在印字中であるか否かを判断し、そうであれば（ステップＳ９０１：Ｙ）、メモリ４０２からプリンタ部３００のプリントヘッドへ画像データがＤＭＡ転送（以下、「出力ＤＭＡ」という。）される際にカウントされる出力ＤＭＡカウンタを読み出し（ステップＳ９０２）そのカウンタ値から出力ＤＭＡが終了したか否かを判断する（ステップＳ９０３）。
【００５５】
出力ＤＭＡカウンタ値が所定の値になったとき、「出力ＤＭＡ終了」と判断され（ステップＳ９０３：ＹＥＳ）、印字中フラグを「０」に設定する。また、ステップＳ９０３で、「出力ＤＭＡ終了」と判断されないときは（ステップＳ９０３：ＮＯ）、印字中フラグを「１」に設定し（ステップＳ９０８）、メインルーチンにリターンする。
【００５６】
また、ステップＳ９０１で印字中でないと判断された場合には（ステップＳ９０１：ＮＯ）、ステップＳ９０５に移って、印字要求があるか否かを判断し、印字要求があれば（ステップＳ９０５：ＹＥＳ）、プリンタ部３００に指示して用紙搬送動作を実行させ（ステップＳ９０６）、併せて出力ＤＭＡを起動する（ステップＳ９０７）。そして、印字中フラグを「１」に設定して（ステップＳ９０８）、図４のメインルーチンにリターンする。
【００５７】
次に、図４のステップＳ１０００の操作パネル処理が実行される。図１４〜図１７は、この操作パネル処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
図１４において、まず、ＩＣタグ処理（ステップＳ４００）で設定されたタグフラグが、「１」であるか否かを判断する（ステップＳ１００１）。「１」の場合には、原稿トレイに載置された原稿にＩＣタグ６１が装着されており、ここから画像特定情報を読み込み、オリジナル文書をダウンロードしてプリントすることが選択される場合があるので、操作パネル５００の表示部５０２の表示画面を図１８に示すようなオリジナル選択画面に変える（ステップＳ１００２）。このオリジナル選択画面において、原稿をコピーする場合には、そのままスタートキー５０１を押し、オリジナル文書をプリント（オリジナルプリント）する場合にはオリジナルプリントボタン５０４を押下するようになっている。
【００５８】
次に、外部機器からオリジナル文書をダウンロードする際のモード設定が、「自動モード」になっているか否かを判断する。この自動モードは、オリジナル文書に対する処理についてユーザの最終選択を待たずに、オリジナル文書をダウンロードし、さらにＲＩＰ処理するモードであり、ＭＦＰ１０の管理者などが、例えばＭＦＰ１０内部のＤＩＰスイッチを操作することにより設定できるようになっている。
【００５９】
ネットワークの通信に無駄な負荷をかけないという観点からは、自動モードに設定されてない方が望ましいが、画像データの容量が大きくてダウンロードに時間を要するような場合には、待ち時間の短縮のため自動モードに設定される。
もし、自動モードに設定されておれば、ダウンロード要求を発行するダウンロード要求処理を実行し（ステップＳ１００４）、当該ダウンロードされた画像データをＲＩＰ処理するように要求する（ステップＳ１００５）。もし、ステップＳ１００３で、自動モードに設定されていないと判断された場合には、上記ステップＳ１００４、Ｓ１００５はスキップされる。
【００６０】
そして、操作パネル５００のスタートキー５０１が押されたか否かを判断し（ステップＳ１００６）、スタートキー５０１が押されたと判断されれば、これは、原稿トレイ１１０に載置された原稿をコピーするように指示されたと判断できるので、次にステップＳ１００７で自動モード設定の有無を確認する（ステップＳ１００７）。自動モードに設定されている場合には（ステップＳ１００７：ＹＥＳ）、上のステップＳ１００４により開始されているオリジナル文書のダウンロードが不要となる。そこで、ダウンロード停止要求およびＲＩＰ停止要求を発行して（ダウンロード停止要求処理、ＲＩＰ停止要求処理）、無駄な処理を停止させる（ステップＳ１００８、Ｓ１００９）。
【００６１】
もし、ステップＳ１００７において、自動モードに設定されていないと判断された場合には、上記ステップＳ１００８，Ｓ１００９はスキップされる。
そして、ステップＳ１０１０でスキャン要求を発行し（スキャン要求処理）、操作パネル５００の表示部５０２に「コピー中」である旨表示させる（ステップＳ１０１１）。
【００６２】
そして、印字データの準備ができたか否か、すなわち、原稿をスキャンしてこれを補正し、メモリ４０２に必要な走査ライン分の画像データの格納ができたか否かを判断し（ステップＳ１０１２）、準備ができておれば印字要求を発行し（ステップＳ１０１３）、準備ができていなければ、ステップＳ１０１４に移って、その他の操作パネル処理を実行する。
【００６３】
ここで「その他の操作パネル処理」とは、主に操作パネル５００の表示部５０２の表示を変更することをいい、例えば、ステップＳ１０１１で「コピー中」と表示された場合に、コピー終了と同時に当該表示を消去したり、ユーザより所定時間パネル操作がない場合に、パネル表示を初期画面に戻すように処理する。
なお、コピーが終了したか否かの判断は、例えば、スキャン中フラグが「０」に設定され（図１２、ステップＳ８０４参照）、かつ、印字中フラグが「０」に設定されたときに（図１３、ステップＳ９０４）、コピー終了と判断される。
【００６４】
また、ステップＳ１００１において、タグフラグが「１」でないと判断された場合には、原稿トレイに原稿が載置されていないか、載置されていたとしてもＩＣタグ６１が装着されていない原稿なので、操作パネル５００のスタートキー５０１が押されたか否かを判断し（ステップＳ１０１６）、もし押されていれば、ユーザからコピーの要求があったと解されるので、上述のステップＳ１０１０〜ステップＳ１０１３のコピー処理を実行する。
【００６５】
もし、スタートキー５０１が押されていなければ（ステップＳ１０１６：ＮＯ）、そのままステップＳ１０１４の「その他の操作パネル処理」を実行してメインルーチンにリターンする。
また、ステップＳ１００６において、スタートキー５０１が押されていない場合には、オリジナルプリントボタン５０４（図１８）が押下されて、オリジナルプリントが選択されているか否かを判断する（ステップＳ１０１５）。
【００６６】
ここで、もし、オリジナルプリントが選択されていなければ、ステップＳ１０１２に移って、印字データの準備完了の有無を判断する。もし、ステップＳ１００３において自動モードに設定されている場合には、ステップＳ１００４、Ｓ１００５により、ダウンロード処理およびＲＩＰ処理が進行しているので、所定時間の経過により印字データの準備が完了し（ステップＳ１０１２：ＹＥＳ）、印字要求が発行される（ステップＳ１０１３）。
【００６７】
しかし、ステップＳ１００３で自動モードが設定されていないと判断された場合には、オリジナル文書はダウンロードされないので、ステップＳ１０１２の判断は、常に「ＮＯ」となり、印字処理は実行されない。
つまり、本実施の形態では、オリジナル文書があり、かつ、自動モードが設定されている場合において、ユーザによりスタートキー５０１もオリジナルプリントボタン５０４も押されない場合には、印字データの準備が完了次第、オリジナル文書の印字処理が実行され、そうでない場合には印字処理は実行されないようになっているのである。
【００６８】
ステップＳ１０１５において、オリジナルプリントが選択されていると判断された場合には（ステップＳ１０１５：ＹＥＳ）、図１５のステップＳ１０１７に移って、カラーフラグが「１」であるか否かを判断する。カラーフラグが「１」であれば、オリジナル文書がカラー原稿であるので、次に、カラー機フラグが「１」であるか否かを判断する（ステップＳ１０１８）。
【００６９】
ここでカラー機フラグが「１」であれば、自装置がカラー印刷機能を有することになるので、自装置における正規な処理（カラー印刷）が可能となる。また、ステップＳ１０１７でカラーフラグが「１」でないと判断された場合には、オリジナル文書がモノクロ原稿なので、この場合には、自装置がカラー機であるか否かを判断するまでもなく、自装置での正規な処理（モノクロ印刷）が可能となる。
【００７０】
そこで、この両者の場合に、ステップＳ１０２３に移って、自装置における印字処理を実行する。
すなわち、自動モードに設定されているか否かについて判断し（ステップＳ１０２３）、自動モードに設定されていなければ、オリジナル文書のダウンロード処理とＲＩＰ処理の要求を発行し（ステップＳ１０２４、Ｓ１０２５）、表示部５０２にプリント中である旨表示して（ステップＳ１０２６）、図１４のステップＳ１０１２以降の処理を実行して、印字処理の準備をする。
【００７１】
ステップＳ１０２３において自動モードに設定されていると判断されれば（ステップＳ１０２３：ＹＥＳ）、既に図１３のステップＳ１００４、Ｓ１００５でオリジナル文書のダウンロードとこれに基づくＲＩＰ処理の要求を発行済みなので、ステップＳ１０２４、Ｓ１０２５をスキップして、ステップＳ１０２６のプリント中表示処理を実行して、図１４のステップＳ１０１２に移行する。
【００７２】
また、ステップＳ１０１７で、カラーフラグが「１」であると判断され、かつ、ステップＳ１０１８においてカラー機フラグが「１」でないと判断された場合には、もはやオリジナル文書に対して正規の処理（カラー印刷）ができないので、
ステップＳ１０１９に移って、操作パネル５００の表示部５０２にＬＡＮ４０に接続されているプリンタのリストを表示する処理（プリンタリスト表示処理）を実行し、当該リストに図５、図６において取得された自装置および他の外部プリンタのデバイス情報を表示させる（ステップＳ１０２０）。
【００７３】
図１９は、当該表示処理において表示部５０２に表示される画面の１例を示すものである。
同図に示すように、表示部５０２の上部には、オリジナルプリントのモードが設定された旨と、オリジナル文書がカラーである旨の属性表示をし、その下に、プリント出力ボタン５０５、ネットワーク転送ボタン５０６、外部機器転送ボタン５０７、ＨＤＤ転送ボタン５０８などのボタン群が処理モード選択受付手段として表示され、その下方にプリンタリスト５０９が表示される。
【００７４】
なお、プリンタリスト５０９の「名称」欄には、当該プリンタの名前が表示される。本例では、便宜上ＭＦＰ１０のプリンタ名を「Ａ」とし、ネットワーク上に他のＢ，Ｃ，Ｄの３台のプリンタが接続されている例を示している。
また、「プリントジョブ数」欄には、各プリンタにおいて処理待ちのプリントジョブ数が表示される。ユーザは、この処理待ちのプリントジョブ数を考慮して、オリジナル文書を処理させるべきプリンタを決定する一要因とすることができるので便利である。
【００７５】
なお、この欄は、プリントジョブ数でなくても、それらを処理時間に換算した時間、すなわち処理待ち時間として表示させることも可能であろう。
「状態」欄には、直ぐに印字処理できるか（準備完了）、他の文書を印字中であるか（処理中）など、各プリンタの状態が表示される。
さらに、「コメント」欄には、各プリンタのデバイス情報、とくに本例では、カラー機かモノクロ専用機かという区別が表示されるようになっている。
【００７６】
上記の各情報は、自装置デバイス情報処理（ステップＳ１００）や他装置デバイス情報処理（ステップＳ３００）で得られることは、既述の通りである。
図１５のフローチャートに戻り、ステップS１０１９、Ｓ１０２０の表示処理の後に、ステップＳ１０２１に移って、図１９の処理モード選択画面でのユーザの入力を待つ。
【００７７】
本実施の形態においては、初期設定としてプリント出力処理が選択されており、図１９の処理モード選択画面でユーザが他の処理モードを選択しない限り、自動的にステップＳ１０２２に移行し、ユーザによるスタートキー５０１の押下を契機として（ステップＳ１０２２：ＹＥＳ）ステップＳ１０２３以降の印字処理動作に移るようにしている。
【００７８】
なお、ステップＳ１０２２で「ＮＯ」と判断された場合は、図１４のステップＳ１０１４を経てメインルーチンにリターンし、当該ルーチンが循環して再びステップＳ１０２１に至るのを待つ。
ここで、ユーザが、ＭＦＰ１０以外の他のプリンタにおけるプリント出力もしくはＨＤＤ転送を希望する場合は、図１９の表示画面において、選択ボタン群の中から希望する処理モードのボタンを押して、さらにプリンタリスト５０９のプリンタの中から出力先のプリンタ名を押すと、そのプリンタが転送先として設定されるようになっており、さらにスタートキー５０１を押下することにより選択された処理モードが実行される。
【００７９】
すなわち、ステップＳ１０２１で、ネットワーク転送もしくは外部機器転送が選択されたと判断された場合には、図１６のステップＳ１０３０に移行し、まず出力先のデバイス（プリンタ）を判断する（デバイス選択処理）。本実施の形態では、自装置以外に８台の外部機器を登録可能としているので、ステップＳ１０３１〜Ｓ１０３８において、ステップＳ１０３０で選択されたと判断されたデバイス番号に応じてファイル転送先のデバイス番号が設定されるようにしている。なお、ここでのデバイス番号は、ＭＦＰ１０の制御部４００で自動的に付与するようになっており、例えば、図１９のプリンタリスト５０９のプリンタＢがデバイス１、プリンタＣがデバイス２というように設定されるが、このような特定の方法に限定されない。
【００８０】
このようにファイルの出力先が設定された後、選択された処理モードを判断し、これがネットワーク転送処理であれば、ステップＳ１０４０に移って、スタートキー５０１の押下を待って、自動モード設定の有無を判断する（ステップＳ１０４０：ＹＥＳ、ステップＳ１０４１）。
自動モードに設定されていなければ（ステップＳ１０４１：ＮＯ）、ダウンロード要求処理を実行し（ステップＳ１０４２）、自動モードに設定されていれば（ステップＳ１０４１：ＹＥＳ）、もう既にダウンロード要求処理は実行されているので（図１４、ステップＳ１００４参照）、ステップＳ１０４２をスキップして転送データの準備ができたか否かを判断する（ステップＳ１０４３）。
【００８１】
ここで、自装置にオリジナル文書のダウンロードが完了しておれば、転送データの準備が完了したと判断して（ステップＳ１０４３：ＹＥＳ）、ネットワーク転送要求処理を実行すると共に（ステップＳ１０４４）、現在ネットワーク転送中である旨を表示部５０２に表示させ、図１４のその他の操作パネル処理（ステップＳ１０１４）を経由して、図４のメインルーチンにリターンする。
【００８２】
また、ステップＳ１０３９において、外部機器転送処理が選択されていると判断された場合には、ステップＳ１０４６に移って、スタートキー５０１の押下を待って、自動モード設定の有無を判断する（ステップＳ１０４６：ＹＥＳ、ステップＳ１０４７）。
外部機器転送処理の場合には自装置へのダウンロードは不要なので、自動モードに設定されている場合には、ダウンロード停止要求およびＲＩＰ停止要求を発行してそれらの処理を停止させ（ステップＳ１０４８、Ｓ１０４９）、自動モードに設定されていなければ、上記ステップＳ１０４８、Ｓ１０４９をスキップする。そして、外部機器転送要求を発行する処理を実行し（ステップＳ１０５０）、表示部５０２に外部機器転送中である旨表示させて（ステップＳ１０５１）、図１４のその他の操作パネル処理（ステップＳ１０１４）を経由して、メインルーチンにリターンする。
【００８３】
また、図１５のステップＳ１０２１において、ＨＤＤ転送処理が選択されていると判断された場合には、図１７のステップＳ１０５２に移行し、スタートキー５０１の押下を待って、自動モード設定の有無を判断する（ステップＳ１０５２：ＹＥＳ、ステップＳ１０５３）。
ステップＳ１０５３で自動モードに設定されていないと判断された場合には（ステップＳ１０５３：ＮＯ）、ダウンロード要求およびＲＩＰ要求を発行してそれらの処理を指示し（ステップＳ１０５４、Ｓ１０５５）、自動モードに設定されていれば、上記ステップＳ１０５４、Ｓ１０５５は不要なのでスキップする。
【００８４】
そして、ＨＤＤ転送要求を発行する処理を実行し（ステップＳ１０５６）、表示部５０２にＨＤＤ転送中である旨表示させて（ステップＳ１０５７）、図１４のその他の操作パネル処理（ステップＳ１０１４）を経由して、メインルーチンにリターンする。
なお、図１５のステップＳ１０２６における「プリント中表示」、図１６のステップＳ１０４５における「ネットワーク転送表示」、ステップＳ１０５１における「外部機器転送表示」および図１７のステップＳ１０５７における「ＨＤＤ転送表示」は、ステップＳ１０１４のその他の操作パネル処理において、それぞれの対応する処理の終了と共に表示を消去される。それぞれの処理の終了は、図１４のステップＳ１０１１の「コピー中表示」の消去の場合と同様であり、対応する処理のフラグの設定状態から判断されるので、説明を省略する。
【００８５】
最後に、図４のステップＳ１１００のその他の処理を行って、以下、ステップＳ３００の他装置デバイス情報処理からステップＳ１１００のその他の処理までを所定のルーチン時間で繰り返し実行する。
なお、ステップＳ１１００における「その他の処理」は、例えば、定着装置の温度制御処理などのほか、自装置でプリント出力する場合において、印字処理された記録シートのＩＣタグに、ＩＣタグライター６０２によって当該原稿のＩＣタグ６１から読み出した画像特定情報を書き込む処理も含まれる。このようにすれば、コピーされた記録シートを再び原稿として用いる場合に、オリジナル文書の所在が明確になり、上述した一連の処理と同じ処理を行うことができる。
【００８６】
以上のように、本実施の形態においては、まず、ＩＣタグリーダ６０１により原稿に埋め込まれたＩＣタグ６１から、当該原稿に関する画像特定情報を読み出し、そのオリジナル文書の属性を把握して、自装置で正規に処理できるか否かを判断し、正規に処理できない場合にユーザの指示を待ってその後の処理を決定するようにしているので、従来のようにユーザの指定したプリンタによりオリジナル文書に対して正規の処理ができないにも関わらずダウンロードしてプリントアウトするような無駄を一切なくすることができるという利点がある。
【００８７】
また、オリジナル原稿に対して正規な処理（ここではカラー印刷）ができないと判断された場合に（ステップＳ１０１８：ＮＯ）、図１９に示すような他の実行可能な処理内容を表示部５０２に表示させることにより（ステップＳ１０１９、Ｓ１０２０）、ユーザは容易に他の手段を選択し得るので、大変使い勝手がよい。
【００８８】
＜変形例＞
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に限定されないのはいうまでもなく、次のような変形例を考えることができる。
（１）上記実施の形態では、原稿が文書である場合について説明してきたため、オリジナル文書としてテキストデータのファイルが検索されることになるが、このテキストデータもいずれＲＩＰ処理されてイメージ化されるという意味において一種の画像データとして把握することができる。したがって原稿がテキストの場合も含めて絵画や写真などの画像の電子データと共に画像デ−タと呼ぶことが可能であり、また、それを特定する情報を画像特定情報と呼んでも差し支えない。
【００８９】
また、上記実施の形態では、原稿のオリジナル文書のみを特定する情報を画像特定情報と呼んだが、当該オリジナル原稿のみならず、これに関連するその他の画像データ（本発明では、オリジナル原稿も含めて「関連画像データ」という。）を特定する情報を画像特定情報としてもよい。
なお、当該画像特定情報に基づいて複数の関連画像データが検索された場合にそれらを全て画像処理装置の処理対象の画像データとしてもよいし、それらの画像データのリストを表示部５０２に表示させて、ユーザが特定の画像データを選択できるように構成しても構わない。
【００９０】
（２）上記実施の形態においては、ユーザが処理したい原稿のオリジナル文書を検索するため、原稿に埋め込まれたＩＣタグ６１から画像特定情報を読み出すようにしたが、画像特定情報を取得する方法はこれに限らず、その他の携帯情報端末、例えば、ＩＣカードや、ＩＣタグを埋め込んだバッチ、ブルートゥースによる無線通信機能つきの携帯電話などであってもよい。もちろんこのような場合には、ＩＣタグリーダ６０１もそれらの携帯情報端末と通信可能な通信装置に置き換えられる。また、属性情報の入手についても同じことが言える。
【００９１】
（３）また、原稿自体に画像特定情報や属性情報を保持させる方法としては、原稿にＩＣタグを埋め込む方法のみに限定されない。例えば、原稿の余白部分に画像特定情報や属性情報をバーコードで表示しておき、スキャン時に当該バーコードを読み出してこれを解析して画像特定情報等を取得するような場合や、また、電子透かしとして、原稿の画像にユーザ情報を埋め込んで、これを抽出して復号して画像特定情報等を取得するような方法なども考えられる。これらの場合には、スキャナとこれにより読み取ったバーコード情報もしくは電子透かし情報を解析する電子回路もしくはソフトウェアが、画像特定情報を取得する取得手段として位置付けられる。
【００９２】
（４）上記実施の形態においては、オリジナル文書の属性（カラー原稿）から自装置で正規な処理（カラー印刷）ができないと判断された場合に他の処理可能な項目を表示部に表示させて、ユーザに選択させているが、ユーザの選択を待たずに、他の正規な処理を自動的に選択するように予めプログラムすることも可能である。例えば、自装置でカラー印刷できない場合に、プリンタリストからカラー印刷可能なプリンタを自動的に選択して、ネットワーク転送し、当該プリンタによりカラー印刷させるようにしてもよい。
【００９３】
（５）上記実施の形態においては、ＭＦＰを例にして説明したが、画像データに対し何らかの処理を施す画像処理装置であれば、特に限定されず、サーバなどの画像データ蓄積手段に接続して画像データの転送を受けることができるものであれば、単なるプリンタなどであっても構わない。
また、上記実施の形態においては、オリジナル文書の属性が、カラー原稿かモノクロ原稿かにより、自装置で正規の処理が可能かを判断したが、ＭＦＰ１０がＡ４サイズまでの印刷しかできず、オリジナル文書の属性がＡ３サイズであるような場合には，原稿サイズが正規処理の判断の基準となり得るし、ＭＦＰが片面印刷対応であるにもかかわらず、オリジナル文書が両面印刷の属性である場合には、その印刷モードが正規処理の判断の基準になり得る。
【００９４】
（６）上記実施の形態においては、ＩＣタグ６１からオリジナル文書の属性情報を読み出すようにしたが、属性情報を取得する方法はこれにのみに限らない。例えば、サーバ３０などの画像データ蓄積手段において、当該オリジナル文書のファイルに、当該オリジナル文書の属性情報を例えばプロパティの一内容として付加しておき、制御部４００は画像特定情報に基づき当該オリジナル文書のファイルを検索すると、そのファイルに付加された属性情報のみを先に読み出して、自装置において正規な処理が行えるか否か判断するようにしてもよい。この場合においては画像データの属性情報を取得する手段として、制御部４００におけるＣＰＵ４０１およびＬＡＮインターフェース４０４が担当することになる。
【００９５】
（７）なお、本発明は、画像処理装置における画像処理方法としても把握することもできる。この場合における、例えば、請求項１に対応する画像処理方法の内容は、「携帯情報端末に記憶された画像特定情報を、無線通信により取得する第１の取得ステップと、前記第１の取得ステップにおいて取得した画像特定情報に基づいて画像データ蓄積手段に蓄積された関連画像データを検索する検索ステップと、前記関連画像データの属性に関する情報を取得する第２の取得ステップと、
前記第２の取得ステップにおいて取得した関連画像データの属性に関する情報に基づき、自装置において当該関連画像データに対する正規の処理が可能か否かを判断する判断ステップとを備えることを特徴とする画像処理方法。」とすることができる。
【００９６】
また、本発明は、画像形成装置内のコンピュータに上記排紙管理方法を実行させるためのプログラムとして把握することもできる。さらに、本発明は、前記プログラムをコンピュータで読取可能な記録媒体、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、ＣＤ−ＲＯＭ、ＭＯ、ＤＶＤ、ＤＶＤ−ＲＯＭ、ＤＶＤ−ＲＡＭ、半導体メモリなどに記録したものとしても把えられる。
【００９７】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る画像処理装置によれば、画像特定情報を取得すると共に、当該画像特定情報に関連する関連画像データの属性に関する情報を取得し、当該関連画像データの属性に関する情報に基づき、自装置において当該関連画像データに対する正規の処理が可能か否かを判断する判断手段を備えており、この判断手段により正規の処理が可能であると判断された場合に、画像データ蓄積手段から当該画像データを取得するようにしているので、もし、関連画像データに対して正規な処理が実行できない場合に、そのまま無駄に当該処理を実行するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態に係るＭＦＰが接続されるネットワークシステムの一例を示す図である。
【図２】（ａ）は、ＩＣタグが埋め込まれた記録シートを示す図であり、（ｂ）はＩＣタグに記憶されている情報の一例を示す図である。
【図３】上記ＭＦＰ内の制御部の構成を示すブロック図である。
【図４】上記制御部で実行される制御内容のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図５】図４のステップＳ１００の自装置デバイス処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図６】図４のステップＳ３００の他装置デバイス処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図７】図４のステップＳ４００のＩＣタグ処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図８】図４のステップＳ５００のネットワーク処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図９】図８の続きのフローチャートを示す図である。
【図１０】図４のステップＳ６００のＲＩＰ処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図１１】図４のステップＳ７００のＨＤＤ転送処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図１２】図４のステップＳ８００のスキャン処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図１３】図４のステップＳ９００の印字処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図１４】図４のステップＳ１０００の操作パネル処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図１５】図１４の続きのフローチャートを示す図である。
【図１６】図１５の続きのフローチャートを示す図である。
【図１７】図１５の別の続きのフローチャートを示す図である。
【図１８】操作パネルの表示部に表示されたオリジナルプリントの選択画面である。
【図１９】オリジナル文書がカラー原稿で自装置がモノクロ機の場合に、他の処理を選択するため表示される選択画面である。
【符号の説明】
１０ ＭＦＰ（画像処理装置）
２０ プリンタ
３０ サーバ（画像データ蓄積手段）
４０ ＬＡＮ
６１ ＩＣタグ
１００ ＡＤＦ
２００ スキャナ部
３００ プリンタ部
４００ 制御部
５００ 操作パネル
５０１ スタートボタン
５０２ 表示部
５０４ オリジナルプリントボタン
５０５ プリント出力ボタン
５０６ ネットワーク転送ボタン
５０７ 外部機器転送ボタン
５０８ ＨＤＤ転送ボタン
５０９ プリンタリスト
６０１ ＩＣタグリーダー
６０２ ＩＣタグライター
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置に関し、特にサーバなどの画像情報蓄積手段から関連する画像データを検索して処理する機能を有する画像処理装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、多数人の職場などにおいてプリンタとしても使用可能なデジタル複写機やプリンタ等の画像処理装置やプリントサーバ等の種々のサーバが、複数のクライアント端末にネットワーク接続されて使用されるのが一般的になっている。
このようなネットワーク環境において、画像データをファイルサーバなどに蓄積しておき、必要に応じて読み出してプリントアウトする要請が強まっている。
【０００３】
これに対し、例えば、プリントしたい画像データを特定するための情報（画像データを格納するサーバのＩＰアドレスや画像ファイル名など。以下、これらを「画像特定情報」という。）を、記録シートに2次元バーコードなどにより表示させておき、プリンタ側で当該バーコードを読み込んでネットワーク内を検索して、当該画像データを自装置にダウンロードしてプリントアウトする装置がすでに開発されている（第１従来技術）。
【０００４】
また、特許文献１には、クライアント端末から文書データを送信すると、プリントサーバがこの文書データを蓄積すると共に、送信者の携帯電話に宛てて文書データの識別情報を通知するようになっており、送信者が当該携帯電話から所望のプリンタに対して、その識別情報を送信すると、プリンタがこの識別情報に基づいてプリントサーバから当該文書データを自動的にダウンロードしてプリント処理する構成が開示されている（第２従来技術）。
【０００５】
このような構成によれば、同じ文書データを再度プリントアウトする必要があるときに、わざわざ端末から同じ文書ファイルを読み出して再プリント要求する必要もなく、また、ユーザの最寄りのプリンタから出力させることも可能となるので、大変便利である。
【０００６】
【特許文献１】
特開２００２−１４９３７０号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第１、第２の従来技術によれば、例えば、ダウンロードされた画像情報の属性がカラー画像であり、ユーザが出力させたいプリンタがモノクロの画像形成機能しかない場合には、適正な処理ができなくなる。これを無理やりプリントアウトしようとすれば、モノクロの画像が出力されるので、ユーザの意思に合致せず、廃棄処分される。これによりユーザが不快な思いをするだけでなく、ダウンロードのため無駄にネットワークを混雑させる上、トナーと記録シートの無駄使いともなる。
【０００８】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、ファイルサーバやＨＤＤ（ハードディスク・ドライブ装置）などの画像データ蓄積手段に蓄積された画像データから、特定の画像データを読み出して所定の処理が可能な画像処理装置であって、ネットワークの通信などに不要な負荷をかけることなく、また、自装置において無駄な処理を行うこともない画像処理装置を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る画像処理装置は、ネットワークを介して接続された外部の画像データ蓄積手段に蓄積された画像データを特定する画像特定情報を取得する第１の取得手段と、前記第１の取得手段により取得した画像特定情報によって特定される画像データの属性に関する情報を取得する第２の取得手段と、前記第２の取得手段により取得した画像データの属性に関する情報に基づいて、自装置において、当該画像データに対する正規の処理が可能か否かを判断する判断手段と、前記判断手段により正規の処理が可能であると判断された場合に、前記画像データ蓄積手段から当該画像データを取得する第３の取得手段とを備えることを特徴とする。
【００１０】
ここで、「画像データ」とは、最終的にイメージ化が可能な全てのデータを意味しており、例えばテキストデータであってもフォント展開されてイメージ化が可能な以上、本発明における「画像データ」に含まれるものである。
また、「画像特定情報」とは、検索手段でサーバなどの画像データ蓄積手段を検索して関連する画像データを特定するのに足る何らかの情報をいう。例えば、ネットワーク上のサーバのＩＰアドレスや当該画像データのファイル名でもよいし、「画像データ」がテキストデータであるような場合には、そのテキストに含まれるキーワードなどであっても構わない。
【００１１】
また「第１の取得手段」と「第２の取得手段」は、それぞれの取得対象となる情報が同一のデータキャリアに記憶されている場合には、同一であっても構わない。
「正規な処理」とは、上記関連画像データの属性に則してなされる正しい処理のことをいう。
【００１２】
また、本発明に係る画像処理装置は、処理を選択させるための表示手段をさらに備え、前記判断手段によって正規の処理が可能でないと判断された場合、前記第３の取得手段による画像データの取得を行なわず、他の処理手段による処理内容を前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【００１３】
ここで、前記表示手段に表示させる他の処理手段による処理内容には、画像データを前記画像データ蓄積手段から他の画像処理装置に転送させる外部機器転送が含まれるようにしてもよい。
【００１４】
また、本発明に係る画像処理装置は、ネットワークを介して接続された外部の画像データ蓄積手段に蓄積された画像データから印字対象の画像データを特定する特定手段と、前記特定手段により特定された画像データをネットワークを介して取得する取得手段と、前記取得した画像データに基づいて印字を行う印字手段とを備え、前記取得手段は、画像データ蓄積手段から画像データを取得する際のモード設定が、ユーザの最終選択を待たずに当該画像データを取得する自動モードである場合、前記特定手段により印字対象の画像データが特定されたことを契機として当該画像データを前記画像データ蓄積手段から取得することを特徴とする。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像処理装置が、多機能のデジタル式複写機（Multiple Function Peripheral：以下、単に「ＭＦＰ」という。）である場合の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
＜ネットワークシステムの構成＞
まず、本実施の形態に係るＭＦＰを含むネットワークシステム（以下、単に「システム」という。）の全体構成について説明する。
【００１６】
図１は、本システムの構成を示す概略図である。同図に示すように、このシステムは、モノクロ画像のプリント機能を有するＭＦＰ１０、カラー画像のプリント機能を有するプリンタ２０および多数の画像ファイルを格納するファイルサーバ（以下、単に「サーバ」という。）３０などが、ＬＡＮ（Local Area Network）４０を介して接続されてなる。
【００１７】
なお、ＭＦＰ、プリンタなどの台数は、図１に示す台数に限定されず、実際にはさらに多くの台数が接続され得る。また、通常は、クライアント端末もＬＡＮ４０に接続され、ＭＦＰ１０やプリンタ２０に対してプリントデータを送信して、プリントアウトさせるようになっているが、本発明の内容に直接関係しないので、ここでは特に図示していない。
【００１８】
ＭＦＰ１０は、デジタル式のモノクロ複写機であって、原稿自動搬送装置（ＡＤＦ）１００と、スキャナ部２００と、プリンタ部３００などからなり、原稿をスキャンしてコピーする通常のコピー機能のほか、不図示のクライアント端末からの要求に応じてプリントジョブを実行するプリント機能なども有し、本実施の形態では、さらにサーバなど画像データを格納している機器から自装置にダウンロードした画像データを他のプリンタなどに転送してプリントアウトさせる処理（以下、「ネットワーク転送」という。）、サーバなどの画像データを格納している外部機器から直接他のプリンタなどに転送してプリントアウトさせる処理（以下、「外部機器転送」という。）、自装置のメモリ内に展開したイメージデータを自装置もしくは外部機器のＨＤＤに転送する処理（以下、「ＨＤＤ転送」という。）など複数の処理を実行できるようになっており、特定の場合にユーザが選択できる。
【００１９】
また、本実施の形態においては、原稿および記録用紙として、図２（ａ）に示すように非接触ＩＣタグ６１を埋め込んだ記録シートＳが使用されており、ＡＤＦ１００の原稿トレイ１１０には、ＩＣタグ６１の情報を読み込むＩＣタグリーダ６０１が配設されると共に、プリンタ部３００における画像形成された記録シートの排紙路の途中には、ＩＣタグ６１に所定の情報を書き込むＩＣタグライター６０２が配設されている。
【００２０】
ここで、非接触ＩＣタグとは、内部にコイルとＩＣチップを有し、いわゆるＩＣタグリーダ／ライターから放出される電波を受信して電磁誘導結合により無線通信を行うものである。非接触ＩＣタグとＩＣタグリーダ／ライターとの間の通信方式としては、国際標準規格としてＩＳＯ１４４４３やＩＳＯ１５６９３等に規定されているものがあるが、この通信方式のみに限られるものではない。
【００２１】
最近では、０．４ｍｍ角の微小な非接触ＩＣタグもできており、さらに微小化、および低価格化される傾向にある。以下では、この非接触ＩＣタグを単に「ＩＣタグ」という。
図２（ｂ）は、原稿のＩＣタグ６１のＩＣチップ内に記憶されている情報の内容を示すものである。なお、以下では、原稿には文字が印刷されているものとし、サーバなどに記憶されている当該原稿のテキストデータを「オリジナル文書」ということにする。
【００２２】
同図２（ｂ）に示すようにＩＣタグ６１には、当該原稿のオリジナル文書のファイルが格納されているサーバ３０のＩＰアドレス、そのファイル名などの画像特定情報、および当該オリジナル文書がカラー原稿かモノクロ原稿かなどの属性に関する情報（以下、「属性情報」という。）などが格納されており、この原稿がＩＣタグリーダ６０１と通信可能な範囲内（例えば、２０〜３０ｃｍ程度の範囲内）に入ると、ＩＣタグリーダ６０１により上記画像特定情報および属性情報が読み出され、その属性情報と自装置の処理機能とを比較して、自装置で適正な処理が可能か否かを判断するようになっている。
【００２３】
また、ＭＦＰ１０で画像形成が実行された場合には、ＩＣタグライター６０２により、画像形成された記録シートのＩＣタグ６１に上記読み出された画像特定情報を書き込むように構成される。
ＭＦＰ１０前面のユーザが操作しやすい位置には、操作パネル５００が設置されている。この操作パネル５００は、スタートボタン５０１と表示部５０２からなる（図１８、図１９参照）。表示部５０２は、液晶表示パネルの前面に透明タッチパネルを積層してなり、後述の制御部４００（図３参照）による制御を受けて、種々のメッセージを表示するほか、所定の入力画面を表示して、ユーザが画面上の操作ボタンにタッチすることにより、コピー部数やその他の処理モードの指定が可能なように構成されている。
【００２４】
図３は、ＭＦＰ１０内の制御部４００の構成を示すブロック図である。
同図に示すように制御部４００は、ＣＰＵ４０１とメモリ４０２、ＨＤＤ４０３、ＬＡＮインターフェース４０４などがバス４０５を介して接続されてなる。
ＣＰＵ４０１は、ＡＤＦ１００、スキャナ部２００、プリンタ部３００、操作パネル５００、ＩＣタグリーダ６０１、ＩＣタグライター６０２などの制御ならびにＬＡＮインターフェース４０４を介して受信した画像データをラスターライズする処理などを行う。なお、ＨＤＤ４０３に格納されている公知の検索プログラムに基づき、画像データを自己のＨＤＤ４０３内部や、ＬＡＮ４０に接続されているサーバ３０などにアクセスして、上記画像特定情報によって特定される画像データ（テキストデータ含む）を検索することができ、画像データ検索手段としても動作する。
【００２５】
ＨＤＤ４０３には、ＣＰＵ４０１が上記各部を制御するためのプログラム、検索プログラムなどの他、自装置の処理機能に関する情報（以下、「デバイス情報」という。）などを格納し、ＣＰＵ４０１により必要に応じて読み出され、メモリ４０２上で実行処理される。
ＣＰＵ４０１でラスタライズされた画像データは、一時的にメモリ４０２に記憶され、必要に応じてプリンタ部３００やＨＤＤ４０３に転送される。
【００２６】
ＬＡＮインターフェース４０４は、ＴＣＰ／ＩＰ(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)に基づきＬＡＮ４０を介して他のプリンタ２０、サーバ３０などと接続を確立し、データの送受信を実行する。なお、本実施の形態において、データを他の端末に送信する際のプロトコルとして例えばＦＴＰ（File Transfer Protocol）などが用いられる。
【００２７】
スキャナ部２００により光学的に読み取られた原稿の画像データは、スキャナ部２００内の信号処理回路（不図示）で、デジタル信号に変換されてエッジ強調や濃度変換などの各種の画像処理を受けた後、メモリ４０２にＤＭＡ転送される。
また、プリンタ部３００は、本実施の形態では、入力された画像データに基づきモノクロ画像を形成するものであって、プリントヘッドから発するレーザビームにより感光体ドラムを露光して、黒のトナーで現像する公知の電子写真式の画像形成部を有し、メモリ４０２に格納された画像データが上記プリントヘッドにＤＭＡ転送され、プリントが実行される。
【００２８】
ＩＣタグリーダ６０１、ＩＣタグライター６０２は、それぞれ受送信用アンテナとコントロールＩＣによりなる公知の構成を有し、前者は、原稿のＩＣタグの情報を読み出して、これをデジタル信号に変換してＣＰＵ４０１に送出し、後者は、ＣＰＵ４０１の指示を受けて上記読み出した情報を排出される記録シートのＩＣタグに書き込む。
【００２９】
図１に戻り、プリンタ２０は、カラー画像の形成が可能な、例えばレーザビーム式のプリンタである。また、サーバ３０は、ＣＰＵとＲＡＭ、ＲＯＭ、ＥＥＰＲＯＭおよびハードディスク装置（ＨＤＤ）などからなるＣＰＵ本体と、モニター装置と、キーボードおよびマウスなどの入力装置とを備えた汎用のパーソナルコンピュータであって、ネットワーク通信プログラムやその他必要な制御プログラムがインストールされており、既存の通信プロトコル（ＴＣＰ/ＩＰなど）により他の端末やＭＦＰ１０と接続され、これらとデータの送受信が可能なようになっている。
【００３０】
＜ＭＦＰ１０の制御部４００における制御動作＞
以下、上記制御部４００によって実行される制御動作をフローチャートに基づき説明する。
図４は、ＭＦＰ１０に電源が投入されてから、制御部４００によって実行される制御動作のメインルーチンを示すフローチャートである。
【００３１】
まず、制御部４００は、自装置のデバイス情報処理を実行する（ステップＳ１００）。この自装置デバイス情報処理は、自装置の処理機能に関する情報を取得する処理であって、図５のサブルーチンに示すように、ＨＤＤ４０３に格納されている自装置のデバイス情報を読み出して、そのデバイス情報を判別する（ステップＳ１０１、Ｓ１０２）。
【００３２】
なお、ここでのデバイス情報は、自装置の実行可能な機能を示す情報であって、カラー画像形成機能の有無や、両面画像形成機能の有無などについての情報のみならず、現在処理待ちのプリントジョブ件数や準備完了の状態（直ぐに処理できる状態）であるか否かなどの情報も含まれるものである。
ここで、まず、自装置がカラー画像形成機能を有するか否か、すなわち自装置がカラー機であるか否かについて判別し（ステップＳ１０３）、カラー機であれば、カラー機フラグを「１」に設定し（ステップＳ１０４）、カラー機でなければ、カラー機フラグを「０」に設定する（ステップＳ１０５）。そして、その他の自装置のデバイス情報、例えば、所定サイズの記録シートへのプリントが可能か、両面画像形成機能の有無などについても必要に応じて判断し（ステップＳ１０６）、図４のメインルーチンにリターンする。
【００３３】
次に、メモリ４０２に格納されている制御変数や後述の各種のフラグの設定値などを初期化する「その他の初期化処理」を実行して（図４、ステップＳ２００）、それ以降の制御動作に備える。
そして、ネットワークに接続されている他のプリンタなどのデバイス情報を取得する他装置デバイス情報処理を実行する（ステップＳ３００）。
【００３４】
図６は、当該他装置デバイス情報処理のサブルーチンを示すフローチャートである。まず、ＬＡＮ４０に接続されている他の装置を読み出して（ネットワーク読み出し）、同一エリア内、ここではＬＡＮ４０に接続されている画像処理のデバイスを検索する（ステップＳ３０１、Ｓ３０２）。
本実施の形態では、外部の画像処理装置（デバイス）を最高８つまで登録可能であり、ＬＡＮ４０上の画像処理装置を検索するたびに、そのデバイス名とデバイス情報を取得してメモリ４０２内に格納し（ステップＳ３０３〜Ｓ３１８）、図４のメインルーチンに戻る。
【００３５】
その後、ＩＣタグ処理を実行する（図４、ステップＳ４００）。このＩＣタグ処理は、原稿のＩＣタグ６１の情報を読み出して、その属性を判別する処理である。
具体的には、図７のサブルーチンに示すように、まず、所定の範囲内にＩＣタグ６１があるか否かを判断する（ステップＳ４０１）。本実施の形態では、ＩＣタグリーダ６０１は、ＩＣタグ６１との通信距離が例えば２０ｃｍ〜３０ｃｍ程度になるように出力が設定され、丁度、原稿トレイ１１０に原稿が載置されたときにＩＣタグ６１と通信可能なようになっている。もっとも、通信可能な範囲はこれに限られず、多少増減しても構わない。しかし、通信距離が大きくなり過ぎると、ＭＦＰ１０の近くを偶然通りかかったものが所持するＩＣタグ６１とまで通信してしまい望ましくないので、通信距離は長くても約５０〜６０ｃｍ以内であることが望ましいであろう。
【００３６】
ＩＣタグリーダ６０１は，短い周期で定期的にリクエスト信号を発しており、原稿が原稿トレイ１１０上に載置されて通信距離内になると、ＩＣタグ６１からの応答信号を受信できるので、これにより上記ステップＳ４０１の判定が可能となる。
ステップＳ４０１で所定範囲内にＩＣタグ６１があると判断された場合には、タグフラグを「１」にし（ステップＳ４０２）、当該載置された原稿のオリジナル文書を特定するための情報（画像特定情報）をＩＣタグ６１から読み出して取得し（ステップＳ４０３）、さらに当該オリジナル文書の属性情報を読み出して取得し（ステップＳ４０４）、双方の情報をメモリ４０２に記憶しておく。
【００３７】
そして、取得した属性情報により、オリジナル文書が、カラー原稿であると判断された場合には、カラーフラグを「１」に設定し（ステップＳ４０５：ＹＥＳ、ステップＳ４０６）、反対にオリジナル文書が、モノクロ原稿であると判断された場合には、カラーフラグを「０」に設定し（ステップＳ４０５：ＮＯ、ステップＳ４０７）、その後必要に応じてその他の属性情報の判別を行い（ステップＳ４０８）、図４のメインルーチンにリターンして、次のステップＳ５００のネットワーク処理を実行する。また、ステップＳ４０１において、ＩＣタグ６１がないと判断された場合には、タグフラグを「０」に設定して（ステップＳ４０９）、メインルーチンにリターンする。
【００３８】
このネットワーク処理は、主に上記オリジナル文書のネットワーク上の格納先にアクセスして、これを自装置にダウンロードしたり、ネットワーク転送処理、あるいは外部機器転送処理やそのための前準備の処理を含む。
図８、図９は、当該ネットワーク処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【００３９】
なお、以下の図８〜図１３のサブルーチンの判定ステップにおいて現れる各種の要求（例えば、図８のステップＳ５０８における「ダウンロード要求」など）は、全て図４のステップＳ１０００の操作パネル処理のサブルーチン（図１４〜図１７参照）において生成されるものである。
まず、ステップＳ５０１において、ネットワーク処理中であるか否かを判断する。この判断は、例えば、ＬＡＮインターフェース４０４（図３）を介してネットワーク上の他の装置と通信中であるか否かで判断することができる。
【００４０】
ステップＳ５０１でネットワーク処理中と判断された場合には、次にステップＳ５０２において、当該ネットワーク処理が終了したか否かを判断し、終了しておれば（ステップＳ５０２：ＹＥＳ）、図９のステップＳ５０３に移って、ネットワークフラグを「０」に設定する。
また、ステップＳ５０２における判断結果が否定的な場合には（ステップＳ５０２：ＮＯ）、ステップＳ５０４に移って、ダウンロード停止要求があるか否かを判断し、当該要求があれば、ダウンロードを停止させるダウンロード強制停止処理を行う（ステップＳ５０５）。
【００４１】
その後、ダウンロード以外の他の要件でネットワーク処理がされているか否かを確認して（ステップＳ５０６）、ネットワーク処理中であれば、図９のステップＳ５０７に移ってネットワークフラグを「１」に設定するが、そうでなければステップＳ５０３に移ってネットワークフラグを「０」に設定する。
また、ステップＳ５０１において、ネットワーク処理中でないと判断された場合は、ステップＳ５０８に移行して、ダウンロード要求の有無を判断し、当該要求があると判断されれば、ステップＳ４００（図４）で得られた画像特定情報に基づいてネットワークをファイル検索する（ステップＳ５０９）。このファイル検索は、具体的には、上記画像特定情報に含まれるＩＰアドレスに基づき、当該ファイルを格納する機器、例えばサーバ３０にアクセスして、オリジナルファイル名で当該サーバ３０内のＨＤＤを検索することにより実行される。なお、ＩＰアドレスの指定なしに、ファイル名のみでいきなりネットワーク上のすべての機器に対してオリジナル文書のファイルを検索することも可能であり、この場合には、画像特定情報として格納している機器のＩＰアドレスは不要となる。
【００４２】
さらに本例のように目的のファイルがテキストデータのファイルの場合には文字列による検索も可能であり、画像特定情報は、オリジナル文書のファイルを検索するための糸口を提供するものであれば、ＩＰアドレスやファイル名に限られない。
もし、ステップＳ５１０でオリジナル文書が検索された場合には（ステップＳ５１０：ＹＥＳ）、ＦＴＰなどのプロトコルを利用して当該オリジナル文書のダウンロードする処理を起動し（ステップＳ５１１）、図９のステップＳ５０７でネットワークフラグを「１」に設定する。
【００４３】
ステップＳ５１０でオリジナル文書のファイルが検索できない場合には、操作パネル５００の表示部５０２に、例えば「オリジナル文書の検索不能です。」と表示させるなどのエラー処理を行い（ステップＳ５１２）、図９に移ってメインルーチンにリターンする。
また、ステップＳ５０８において、ダウンロード要求がないと判断された場合には、図９のステップＳ５１３に移り、ネットワーク転送要求の有無を判断し、当該要求があれば、転送元のＩＰアドレス（すなわち自装置のＩＰアドレス）および後述の操作パネル処理においてユーザにより指定された転送先の機器のＩＰアドレスを設定し（ステップＳ５１４、Ｓ５１５）、ネットワーク転送動作を起動し（ステップＳ５１６）、ネットワークフラグを「１」に設定する（ステップＳ５０７）。
【００４４】
もし、ステップＳ５１３で、ネットワーク転送要求がないと判断された場合には（ステップＳ５１３：ＮＯ）、ステップＳ５１７に移って外部機器転送要求の有無を判断し、当該要求があれば（ステップＳ５１７：ＹＥＳ）、オリジナル文書を保持している転送元の機器のＩＰアドレスおよび転送先の機器のＩＰアドレスを通知し（ステップＳ５１８、Ｓ５１９）、転送すべきオリジナルファイルを指定して外部機器転送リクエストを発行する（ステップＳ５２０）。具体的に、例えば、サーバ３０から直接プリンタ２０にオリジナル文書のファイルを転送するような場合には、サーバ３０のＩＰアドレスをプリンタ２０に通知すると共に、プリンタ２０のＩＰアドレスをサーバ３０に通知し、外部機器転送リクエストをサーバ３０に宛てて発行することにより、サーバ３０は通知を受けたＩＰアドレス宛に指定されたオリジナルファイルを転送するようになっている。
【００４５】
その後、ネットワークフラグを「１」に設定し、図４のメインルーチンにリターンする。また、ステップＳ５１７において、外部機器転送要求がないと判断されたら（ステップＳ５１７：ＮＯ）、ネットワークフラグを「０」に設定してからメインルーチンにリターンする。
次に、図４のステップＳ６００に移り、ＲＩＰ（ラスター・イメージ・プロセッサー）処理を実行する。テキストデータの場合には、通常ＰＤＬ（ページ記述言語）で記述されているので、これを印刷する場合には、ＲＩＰ処理してビットマップデータに展開する必要がある。
【００４６】
図１０は、このＲＩＰ処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、現在画像データのＲＩＰ処理中であるか否かを判断し（ステップＳ６０１）、ＲＩＰ処理中であれば，ＲＩＰ停止要求があるか否かを判断し（ステップＳ６０２）、なければそのままＲＩＰ処理を実行して（ステップＳ６０４）、これが終了するとＲＩＰフラグを「０」に設定し（ステップＳ６０５：ＹＥＳ、ステップＳ６０９）、まだＲＩＰ処理が終了しない場合にはＲＩＰフラグを「１」に設定して（ステップＳ６０５：ＮＯ、ステップＳ６０６）、図４のメインルーチンにリターンする。
【００４７】
ステップＳ６０２において、ＲＩＰ停止要求があると判断された場合には、ＲＩＰフラグを「０」に設定して（ステップＳ６０３）、図４のメインルーチンにリターンする。
また、ステップＳ６０１において、ＲＩＰ処理中でないと判断された場合には（ステップＳ６０１：ＮＯ）、ＲＩＰ要求があるか否かを判断して（ステップＳ６０７）、あれば、ダウンロードデータが準備できたか否かを確認した上で（ステップＳ６０７：ＹＥＳ、ステップＳ６０８：ＹＥＳ）、ステップＳ６０４のＲＩＰ処理を実行させる。
【００４８】
ステップＳ６０７でＲＩＰ要求がないと判断された場合、およびステップＳ６０８においてダウンロードデータが準備できていないと判断された場合には、ステップＳ６０９でＲＩＰフラグを「０」に設定した後、図４のメインルーチンにリターンする。
次に、図４のステップＳ７００のＨＤＤ転送処理を実行する。図１１にこのＨＤＤ転送処理のサブルーチンを示す。
【００４９】
まず、ステップＳ７０１において、現在ＨＤＤ転送中であるか否かを判断し、転送中であれば（ステップＳ７０１：ＹＥＳ）、ステップＳ７０２においてＨＤＤ転送フラグを「１」に設定してメインルーチンにリターンする。
ステップＳ７０１でＨＤＤ転送中ではないと判断された場合には（ステップＳ７０１：ＮＯ）、ステップＳ７０３に移って、ＨＤＤ転送要求があるか否かを判断する。ＨＤＤ転送要求があれば（ステップＳ７０３：ＹＥＳ）、その転送元のメモリ上のアドレスと転送先のＨＤＤ上のアドレスをセットして（ステップＳ７０４、７０５）、転送動作を起動し（ステップＳ７０６）、ＨＤＤ転送フラグを「１」に設定する（ステップＳ７０２）。なお、ＬＡＮ４０を介して外部機器のＨＤＤに転送するような場合には、ステップＳ７０４、Ｓ７０５の「アドレス」には、それぞれ自装置のＩＰアドレスと転送先の外部機器のＩＰアドレスが含まれる。
【００５０】
また、ステップS７０３において、ＨＤＤ要求がないと判断された場合には（ステップS７０３：ＮＯ）、ＨＤＤ転送フラグを「０」に設定した後（ステップＳ７０７）、図４のメインルーチンにリターンする。
次に、図４のステップＳ８００のスキャン処理が実行される。図１２は、このスキャン処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【００５１】
まず、ステップＳ８０１において、現在スキャン中であるか否かを判断し、そうであれば（ステップＳ８０１：ＹＥＳ）、スキャナ部２００から読み取った画像データがメモリ４０２にＤＭＡ転送（以下、「入力ＤＭＡ」という。）される際にカウントされる入力ＤＭＡカウンタを読み出し（ステップＳ８０２）、そのカウンタ値から入力ＤＭＡが終了したか否かを判断する（ステップＳ８０３）。
【００５２】
入力ＤＭＡカウンタ値が所定の値になったとき、「入力ＤＭＡ終了」と判断され（ステップＳ８０３：ＹＥＳ）、スキャン中フラグを「０」に設定する。ステップＳ８０３で、「入力ＤＭＡ終了」と判断されないときは、スキャン中フラグを「１」に設定し（ステップＳ８０８）、図４のメインルーチンにリターンする。
【００５３】
また、ステップＳ８０１でスキャン中でないと判断された場合には、ステップＳ８０５に移って、スキャン要求があるか否かを判断し、スキャン要求があれば（ステップＳ８０５：ＹＥＳ）、ＡＤＦ１００およびスキャナ部２００に指示してスキャン動作を起動させ（ステップＳ８０６）、併せて入力ＤＭＡを起動する（ステップＳ８０７）。そして、スキャン中フラグを「１」に設定して図４のメインルーチンにリターンする。
【００５４】
次に、図４のステップＳ９００の印字処理が実行される。図１３は、この印字処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、ステップＳ９０１において、現在印字中であるか否かを判断し、そうであれば（ステップＳ９０１：Ｙ）、メモリ４０２からプリンタ部３００のプリントヘッドへ画像データがＤＭＡ転送（以下、「出力ＤＭＡ」という。）される際にカウントされる出力ＤＭＡカウンタを読み出し（ステップＳ９０２）そのカウンタ値から出力ＤＭＡが終了したか否かを判断する（ステップＳ９０３）。
【００５５】
出力ＤＭＡカウンタ値が所定の値になったとき、「出力ＤＭＡ終了」と判断され（ステップＳ９０３：ＹＥＳ）、印字中フラグを「０」に設定する。また、ステップＳ９０３で、「出力ＤＭＡ終了」と判断されないときは（ステップＳ９０３：ＮＯ）、印字中フラグを「１」に設定し（ステップＳ９０８）、メインルーチンにリターンする。
【００５６】
また、ステップＳ９０１で印字中でないと判断された場合には（ステップＳ９０１：ＮＯ）、ステップＳ９０５に移って、印字要求があるか否かを判断し、印字要求があれば（ステップＳ９０５：ＹＥＳ）、プリンタ部３００に指示して用紙搬送動作を実行させ（ステップＳ９０６）、併せて出力ＤＭＡを起動する（ステップＳ９０７）。そして、印字中フラグを「１」に設定して（ステップＳ９０８）、図４のメインルーチンにリターンする。
【００５７】
次に、図４のステップＳ１０００の操作パネル処理が実行される。図１４〜図１７は、この操作パネル処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
図１４において、まず、ＩＣタグ処理（ステップＳ４００）で設定されたタグフラグが、「１」であるか否かを判断する（ステップＳ１００１）。「１」の場合には、原稿トレイに載置された原稿にＩＣタグ６１が装着されており、ここから画像特定情報を読み込み、オリジナル文書をダウンロードしてプリントすることが選択される場合があるので、操作パネル５００の表示部５０２の表示画面を図１８に示すようなオリジナル選択画面に変える（ステップＳ１００２）。このオリジナル選択画面において、原稿をコピーする場合には、そのままスタートキー５０１を押し、オリジナル文書をプリント（オリジナルプリント）する場合にはオリジナルプリントボタン５０４を押下するようになっている。
【００５８】
次に、外部機器からオリジナル文書をダウンロードする際のモード設定が、「自動モード」になっているか否かを判断する。この自動モードは、オリジナル文書に対する処理についてユーザの最終選択を待たずに、オリジナル文書をダウンロードし、さらにＲＩＰ処理するモードであり、ＭＦＰ１０の管理者などが、例えばＭＦＰ１０内部のＤＩＰスイッチを操作することにより設定できるようになっている。
【００５９】
ネットワークの通信に無駄な負荷をかけないという観点からは、自動モードに設定されてない方が望ましいが、画像データの容量が大きくてダウンロードに時間を要するような場合には、待ち時間の短縮のため自動モードに設定される。
もし、自動モードに設定されておれば、ダウンロード要求を発行するダウンロード要求処理を実行し（ステップＳ１００４）、当該ダウンロードされた画像データをＲＩＰ処理するように要求する（ステップＳ１００５）。もし、ステップＳ１００３で、自動モードに設定されていないと判断された場合には、上記ステップＳ１００４、Ｓ１００５はスキップされる。
【００６０】
そして、操作パネル５００のスタートキー５０１が押されたか否かを判断し（ステップＳ１００６）、スタートキー５０１が押されたと判断されれば、これは、原稿トレイ１１０に載置された原稿をコピーするように指示されたと判断できるので、次にステップＳ１００７で自動モード設定の有無を確認する（ステップＳ１００７）。自動モードに設定されている場合には（ステップＳ１００７：ＹＥＳ）、上のステップＳ１００４により開始されているオリジナル文書のダウンロードが不要となる。そこで、ダウンロード停止要求およびＲＩＰ停止要求を発行して（ダウンロード停止要求処理、ＲＩＰ停止要求処理）、無駄な処理を停止させる（ステップＳ１００８、Ｓ１００９）。
【００６１】
もし、ステップＳ１００７において、自動モードに設定されていないと判断された場合には、上記ステップＳ１００８，Ｓ１００９はスキップされる。
そして、ステップＳ１０１０でスキャン要求を発行し（スキャン要求処理）、操作パネル５００の表示部５０２に「コピー中」である旨表示させる（ステップＳ１０１１）。
【００６２】
そして、印字データの準備ができたか否か、すなわち、原稿をスキャンしてこれを補正し、メモリ４０２に必要な走査ライン分の画像データの格納ができたか否かを判断し（ステップＳ１０１２）、準備ができておれば印字要求を発行し（ステップＳ１０１３）、準備ができていなければ、ステップＳ１０１４に移って、その他の操作パネル処理を実行する。
【００６３】
ここで「その他の操作パネル処理」とは、主に操作パネル５００の表示部５０２の表示を変更することをいい、例えば、ステップＳ１０１１で「コピー中」と表示された場合に、コピー終了と同時に当該表示を消去したり、ユーザより所定時間パネル操作がない場合に、パネル表示を初期画面に戻すように処理する。
なお、コピーが終了したか否かの判断は、例えば、スキャン中フラグが「０」に設定され（図１２、ステップＳ８０４参照）、かつ、印字中フラグが「０」に設定されたときに（図１３、ステップＳ９０４）、コピー終了と判断される。
【００６４】
また、ステップＳ１００１において、タグフラグが「１」でないと判断された場合には、原稿トレイに原稿が載置されていないか、載置されていたとしてもＩＣタグ６１が装着されていない原稿なので、操作パネル５００のスタートキー５０１が押されたか否かを判断し（ステップＳ１０１６）、もし押されていれば、ユーザからコピーの要求があったと解されるので、上述のステップＳ１０１０〜ステップＳ１０１３のコピー処理を実行する。
【００６５】
もし、スタートキー５０１が押されていなければ（ステップＳ１０１６：ＮＯ）、そのままステップＳ１０１４の「その他の操作パネル処理」を実行してメインルーチンにリターンする。
また、ステップＳ１００６において、スタートキー５０１が押されていない場合には、オリジナルプリントボタン５０４（図１８）が押下されて、オリジナルプリントが選択されているか否かを判断する（ステップＳ１０１５）。
【００６６】
ここで、もし、オリジナルプリントが選択されていなければ、ステップＳ１０１２に移って、印字データの準備完了の有無を判断する。もし、ステップＳ１００３において自動モードに設定されている場合には、ステップＳ１００４、Ｓ１００５により、ダウンロード処理およびＲＩＰ処理が進行しているので、所定時間の経過により印字データの準備が完了し（ステップＳ１０１２：ＹＥＳ）、印字要求が発行される（ステップＳ１０１３）。
【００６７】
しかし、ステップＳ１００３で自動モードが設定されていないと判断された場合には、オリジナル文書はダウンロードされないので、ステップＳ１０１２の判断は、常に「ＮＯ」となり、印字処理は実行されない。
つまり、本実施の形態では、オリジナル文書があり、かつ、自動モードが設定されている場合において、ユーザによりスタートキー５０１もオリジナルプリントボタン５０４も押されない場合には、印字データの準備が完了次第、オリジナル文書の印字処理が実行され、そうでない場合には印字処理は実行されないようになっているのである。
【００６８】
ステップＳ１０１５において、オリジナルプリントが選択されていると判断された場合には（ステップＳ１０１５：ＹＥＳ）、図１５のステップＳ１０１７に移って、カラーフラグが「１」であるか否かを判断する。カラーフラグが「１」であれば、オリジナル文書がカラー原稿であるので、次に、カラー機フラグが「１」であるか否かを判断する（ステップＳ１０１８）。
【００６９】
ここでカラー機フラグが「１」であれば、自装置がカラー印刷機能を有することになるので、自装置における正規な処理（カラー印刷）が可能となる。また、ステップＳ１０１７でカラーフラグが「１」でないと判断された場合には、オリジナル文書がモノクロ原稿なので、この場合には、自装置がカラー機であるか否かを判断するまでもなく、自装置での正規な処理（モノクロ印刷）が可能となる。
【００７０】
そこで、この両者の場合に、ステップＳ１０２３に移って、自装置における印字処理を実行する。
すなわち、自動モードに設定されているか否かについて判断し（ステップＳ１０２３）、自動モードに設定されていなければ、オリジナル文書のダウンロード処理とＲＩＰ処理の要求を発行し（ステップＳ１０２４、Ｓ１０２５）、表示部５０２にプリント中である旨表示して（ステップＳ１０２６）、図１４のステップＳ１０１２以降の処理を実行して、印字処理の準備をする。
【００７１】
ステップＳ１０２３において自動モードに設定されていると判断されれば（ステップＳ１０２３：ＹＥＳ）、既に図１３のステップＳ１００４、Ｓ１００５でオリジナル文書のダウンロードとこれに基づくＲＩＰ処理の要求を発行済みなので、ステップＳ１０２４、Ｓ１０２５をスキップして、ステップＳ１０２６のプリント中表示処理を実行して、図１４のステップＳ１０１２に移行する。
【００７２】
また、ステップＳ１０１７で、カラーフラグが「１」であると判断され、かつ、ステップＳ１０１８においてカラー機フラグが「１」でないと判断された場合には、もはやオリジナル文書に対して正規の処理（カラー印刷）ができないので、
ステップＳ１０１９に移って、操作パネル５００の表示部５０２にＬＡＮ４０に接続されているプリンタのリストを表示する処理（プリンタリスト表示処理）を実行し、当該リストに図５、図６において取得された自装置および他の外部プリンタのデバイス情報を表示させる（ステップＳ１０２０）。
【００７３】
図１９は、当該表示処理において表示部５０２に表示される画面の１例を示すものである。
同図に示すように、表示部５０２の上部には、オリジナルプリントのモードが設定された旨と、オリジナル文書がカラーである旨の属性表示をし、その下に、プリント出力ボタン５０５、ネットワーク転送ボタン５０６、外部機器転送ボタン５０７、ＨＤＤ転送ボタン５０８などのボタン群が処理モード選択受付手段として表示され、その下方にプリンタリスト５０９が表示される。
【００７４】
なお、プリンタリスト５０９の「名称」欄には、当該プリンタの名前が表示される。本例では、便宜上ＭＦＰ１０のプリンタ名を「Ａ」とし、ネットワーク上に他のＢ，Ｃ，Ｄの３台のプリンタが接続されている例を示している。
また、「プリントジョブ数」欄には、各プリンタにおいて処理待ちのプリントジョブ数が表示される。ユーザは、この処理待ちのプリントジョブ数を考慮して、オリジナル文書を処理させるべきプリンタを決定する一要因とすることができるので便利である。
【００７５】
なお、この欄は、プリントジョブ数でなくても、それらを処理時間に換算した時間、すなわち処理待ち時間として表示させることも可能であろう。
「状態」欄には、直ぐに印字処理できるか（準備完了）、他の文書を印字中であるか（処理中）など、各プリンタの状態が表示される。
さらに、「コメント」欄には、各プリンタのデバイス情報、とくに本例では、カラー機かモノクロ専用機かという区別が表示されるようになっている。
【００７６】
上記の各情報は、自装置デバイス情報処理（ステップＳ１００）や他装置デバイス情報処理（ステップＳ３００）で得られることは、既述の通りである。
図１５のフローチャートに戻り、ステップS１０１９、Ｓ１０２０の表示処理の後に、ステップＳ１０２１に移って、図１９の処理モード選択画面でのユーザの入力を待つ。
【００７７】
本実施の形態においては、初期設定としてプリント出力処理が選択されており、図１９の処理モード選択画面でユーザが他の処理モードを選択しない限り、自動的にステップＳ１０２２に移行し、ユーザによるスタートキー５０１の押下を契機として（ステップＳ１０２２：ＹＥＳ）ステップＳ１０２３以降の印字処理動作に移るようにしている。
【００７８】
なお、ステップＳ１０２２で「ＮＯ」と判断された場合は、図１４のステップＳ１０１４を経てメインルーチンにリターンし、当該ルーチンが循環して再びステップＳ１０２１に至るのを待つ。
ここで、ユーザが、ＭＦＰ１０以外の他のプリンタにおけるプリント出力もしくはＨＤＤ転送を希望する場合は、図１９の表示画面において、選択ボタン群の中から希望する処理モードのボタンを押して、さらにプリンタリスト５０９のプリンタの中から出力先のプリンタ名を押すと、そのプリンタが転送先として設定されるようになっており、さらにスタートキー５０１を押下することにより選択された処理モードが実行される。
【００７９】
すなわち、ステップＳ１０２１で、ネットワーク転送もしくは外部機器転送が選択されたと判断された場合には、図１６のステップＳ１０３０に移行し、まず出力先のデバイス（プリンタ）を判断する（デバイス選択処理）。本実施の形態では、自装置以外に８台の外部機器を登録可能としているので、ステップＳ１０３１〜Ｓ１０３８において、ステップＳ１０３０で選択されたと判断されたデバイス番号に応じてファイル転送先のデバイス番号が設定されるようにしている。なお、ここでのデバイス番号は、ＭＦＰ１０の制御部４００で自動的に付与するようになっており、例えば、図１９のプリンタリスト５０９のプリンタＢがデバイス１、プリンタＣがデバイス２というように設定されるが、このような特定の方法に限定されない。
【００８０】
このようにファイルの出力先が設定された後、選択された処理モードを判断し、これがネットワーク転送処理であれば、ステップＳ１０４０に移って、スタートキー５０１の押下を待って、自動モード設定の有無を判断する（ステップＳ１０４０：ＹＥＳ、ステップＳ１０４１）。
自動モードに設定されていなければ（ステップＳ１０４１：ＮＯ）、ダウンロード要求処理を実行し（ステップＳ１０４２）、自動モードに設定されていれば（ステップＳ１０４１：ＹＥＳ）、もう既にダウンロード要求処理は実行されているので（図１４、ステップＳ１００４参照）、ステップＳ１０４２をスキップして転送データの準備ができたか否かを判断する（ステップＳ１０４３）。
【００８１】
ここで、自装置にオリジナル文書のダウンロードが完了しておれば、転送データの準備が完了したと判断して（ステップＳ１０４３：ＹＥＳ）、ネットワーク転送要求処理を実行すると共に（ステップＳ１０４４）、現在ネットワーク転送中である旨を表示部５０２に表示させ、図１４のその他の操作パネル処理（ステップＳ１０１４）を経由して、図４のメインルーチンにリターンする。
【００８２】
また、ステップＳ１０３９において、外部機器転送処理が選択されていると判断された場合には、ステップＳ１０４６に移って、スタートキー５０１の押下を待って、自動モード設定の有無を判断する（ステップＳ１０４６：ＹＥＳ、ステップＳ１０４７）。
外部機器転送処理の場合には自装置へのダウンロードは不要なので、自動モードに設定されている場合には、ダウンロード停止要求およびＲＩＰ停止要求を発行してそれらの処理を停止させ（ステップＳ１０４８、Ｓ１０４９）、自動モードに設定されていなければ、上記ステップＳ１０４８、Ｓ１０４９をスキップする。そして、外部機器転送要求を発行する処理を実行し（ステップＳ１０５０）、表示部５０２に外部機器転送中である旨表示させて（ステップＳ１０５１）、図１４のその他の操作パネル処理（ステップＳ１０１４）を経由して、メインルーチンにリターンする。
【００８３】
また、図１５のステップＳ１０２１において、ＨＤＤ転送処理が選択されていると判断された場合には、図１７のステップＳ１０５２に移行し、スタートキー５０１の押下を待って、自動モード設定の有無を判断する（ステップＳ１０５２：ＹＥＳ、ステップＳ１０５３）。
ステップＳ１０５３で自動モードに設定されていないと判断された場合には（ステップＳ１０５３：ＮＯ）、ダウンロード要求およびＲＩＰ要求を発行してそれらの処理を指示し（ステップＳ１０５４、Ｓ１０５５）、自動モードに設定されていれば、上記ステップＳ１０５４、Ｓ１０５５は不要なのでスキップする。
【００８４】
そして、ＨＤＤ転送要求を発行する処理を実行し（ステップＳ１０５６）、表示部５０２にＨＤＤ転送中である旨表示させて（ステップＳ１０５７）、図１４のその他の操作パネル処理（ステップＳ１０１４）を経由して、メインルーチンにリターンする。
なお、図１５のステップＳ１０２６における「プリント中表示」、図１６のステップＳ１０４５における「ネットワーク転送表示」、ステップＳ１０５１における「外部機器転送表示」および図１７のステップＳ１０５７における「ＨＤＤ転送表示」は、ステップＳ１０１４のその他の操作パネル処理において、それぞれの対応する処理の終了と共に表示を消去される。それぞれの処理の終了は、図１４のステップＳ１０１１の「コピー中表示」の消去の場合と同様であり、対応する処理のフラグの設定状態から判断されるので、説明を省略する。
【００８５】
最後に、図４のステップＳ１１００のその他の処理を行って、以下、ステップＳ３００の他装置デバイス情報処理からステップＳ１１００のその他の処理までを所定のルーチン時間で繰り返し実行する。
なお、ステップＳ１１００における「その他の処理」は、例えば、定着装置の温度制御処理などのほか、自装置でプリント出力する場合において、印字処理された記録シートのＩＣタグに、ＩＣタグライター６０２によって当該原稿のＩＣタグ６１から読み出した画像特定情報を書き込む処理も含まれる。このようにすれば、コピーされた記録シートを再び原稿として用いる場合に、オリジナル文書の所在が明確になり、上述した一連の処理と同じ処理を行うことができる。
【００８６】
以上のように、本実施の形態においては、まず、ＩＣタグリーダ６０１により原稿に埋め込まれたＩＣタグ６１から、当該原稿に関する画像特定情報を読み出し、そのオリジナル文書の属性を把握して、自装置で正規に処理できるか否かを判断し、正規に処理できない場合にユーザの指示を待ってその後の処理を決定するようにしているので、従来のようにユーザの指定したプリンタによりオリジナル文書に対して正規の処理ができないにも関わらずダウンロードしてプリントアウトするような無駄を一切なくすることができるという利点がある。
【００８７】
また、オリジナル原稿に対して正規な処理（ここではカラー印刷）ができないと判断された場合に（ステップＳ１０１８：ＮＯ）、図１９に示すような他の実行可能な処理内容を表示部５０２に表示させることにより（ステップＳ１０１９、Ｓ１０２０）、ユーザは容易に他の手段を選択し得るので、大変使い勝手がよい。
【００８８】
＜変形例＞
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に限定されないのはいうまでもなく、次のような変形例を考えることができる。
（１）上記実施の形態では、原稿が文書である場合について説明してきたため、オリジナル文書としてテキストデータのファイルが検索されることになるが、このテキストデータもいずれＲＩＰ処理されてイメージ化されるという意味において一種の画像データとして把握することができる。したがって原稿がテキストの場合も含めて絵画や写真などの画像の電子データと共に画像デ−タと呼ぶことが可能であり、また、それを特定する情報を画像特定情報と呼んでも差し支えない。
【００８９】
また、上記実施の形態では、原稿のオリジナル文書のみを特定する情報を画像特定情報と呼んだが、当該オリジナル原稿のみならず、これに関連するその他の画像データ（本発明では、オリジナル原稿も含めて「関連画像データ」という。）を特定する情報を画像特定情報としてもよい。
なお、当該画像特定情報に基づいて複数の関連画像データが検索された場合にそれらを全て画像処理装置の処理対象の画像データとしてもよいし、それらの画像データのリストを表示部５０２に表示させて、ユーザが特定の画像データを選択できるように構成しても構わない。
【００９０】
（２）上記実施の形態においては、ユーザが処理したい原稿のオリジナル文書を検索するため、原稿に埋め込まれたＩＣタグ６１から画像特定情報を読み出すようにしたが、画像特定情報を取得する方法はこれに限らず、その他の携帯情報端末、例えば、ＩＣカードや、ＩＣタグを埋め込んだバッチ、ブルートゥースによる無線通信機能つきの携帯電話などであってもよい。もちろんこのような場合には、ＩＣタグリーダ６０１もそれらの携帯情報端末と通信可能な通信装置に置き換えられる。また、属性情報の入手についても同じことが言える。
【００９１】
（３）また、原稿自体に画像特定情報や属性情報を保持させる方法としては、原稿にＩＣタグを埋め込む方法のみに限定されない。例えば、原稿の余白部分に画像特定情報や属性情報をバーコードで表示しておき、スキャン時に当該バーコードを読み出してこれを解析して画像特定情報等を取得するような場合や、また、電子透かしとして、原稿の画像にユーザ情報を埋め込んで、これを抽出して復号して画像特定情報等を取得するような方法なども考えられる。これらの場合には、スキャナとこれにより読み取ったバーコード情報もしくは電子透かし情報を解析する電子回路もしくはソフトウェアが、画像特定情報を取得する取得手段として位置付けられる。
【００９２】
（４）上記実施の形態においては、オリジナル文書の属性（カラー原稿）から自装置で正規な処理（カラー印刷）ができないと判断された場合に他の処理可能な項目を表示部に表示させて、ユーザに選択させているが、ユーザの選択を待たずに、他の正規な処理を自動的に選択するように予めプログラムすることも可能である。例えば、自装置でカラー印刷できない場合に、プリンタリストからカラー印刷可能なプリンタを自動的に選択して、ネットワーク転送し、当該プリンタによりカラー印刷させるようにしてもよい。
【００９３】
（５）上記実施の形態においては、ＭＦＰを例にして説明したが、画像データに対し何らかの処理を施す画像処理装置であれば、特に限定されず、サーバなどの画像データ蓄積手段に接続して画像データの転送を受けることができるものであれば、単なるプリンタなどであっても構わない。
また、上記実施の形態においては、オリジナル文書の属性が、カラー原稿かモノクロ原稿かにより、自装置で正規の処理が可能かを判断したが、ＭＦＰ１０がＡ４サイズまでの印刷しかできず、オリジナル文書の属性がＡ３サイズであるような場合には，原稿サイズが正規処理の判断の基準となり得るし、ＭＦＰが片面印刷対応であるにもかかわらず、オリジナル文書が両面印刷の属性である場合には、その印刷モードが正規処理の判断の基準になり得る。
【００９４】
（６）上記実施の形態においては、ＩＣタグ６１からオリジナル文書の属性情報を読み出すようにしたが、属性情報を取得する方法はこれにのみに限らない。例えば、サーバ３０などの画像データ蓄積手段において、当該オリジナル文書のファイルに、当該オリジナル文書の属性情報を例えばプロパティの一内容として付加しておき、制御部４００は画像特定情報に基づき当該オリジナル文書のファイルを検索すると、そのファイルに付加された属性情報のみを先に読み出して、自装置において正規な処理が行えるか否か判断するようにしてもよい。この場合においては画像データの属性情報を取得する手段として、制御部４００におけるＣＰＵ４０１およびＬＡＮインターフェース４０４が担当することになる。
【００９５】
（７）なお、本発明は、画像処理装置における画像処理方法としても把握することもできる。この場合における、例えば、請求項１に対応する画像処理方法の内容は、「携帯情報端末に記憶された画像特定情報を、無線通信により取得する第１の取得ステップと、前記第１の取得ステップにおいて取得した画像特定情報に基づいて画像データ蓄積手段に蓄積された関連画像データを検索する検索ステップと、前記関連画像データの属性に関する情報を取得する第２の取得ステップと、
前記第２の取得ステップにおいて取得した関連画像データの属性に関する情報に基づき、自装置において当該関連画像データに対する正規の処理が可能か否かを判断する判断ステップとを備えることを特徴とする画像処理方法。」とすることができる。
【００９６】
また、本発明は、画像形成装置内のコンピュータに上記排紙管理方法を実行させるためのプログラムとして把握することもできる。さらに、本発明は、前記プログラムをコンピュータで読取可能な記録媒体、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、ＣＤ−ＲＯＭ、ＭＯ、ＤＶＤ、ＤＶＤ−ＲＯＭ、ＤＶＤ−ＲＡＭ、半導体メモリなどに記録したものとしても把えられる。
【００９７】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る画像処理装置によれば、画像特定情報を取得すると共に、当該画像特定情報に関連する関連画像データの属性に関する情報を取得し、当該関連画像データの属性に関する情報に基づき、自装置において当該関連画像データに対する正規の処理が可能か否かを判断する判断手段を備えており、この判断手段により正規の処理が可能であると判断された場合に、画像データ蓄積手段から当該画像データを取得するようにしているので、もし、関連画像データに対して正規な処理が実行できない場合に、そのまま無駄に当該処理を実行するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態に係るＭＦＰが接続されるネットワークシステムの一例を示す図である。
【図２】（ａ）は、ＩＣタグが埋め込まれた記録シートを示す図であり、（ｂ）はＩＣタグに記憶されている情報の一例を示す図である。
【図３】上記ＭＦＰ内の制御部の構成を示すブロック図である。
【図４】上記制御部で実行される制御内容のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図５】図４のステップＳ１００の自装置デバイス処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図６】図４のステップＳ３００の他装置デバイス処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図７】図４のステップＳ４００のＩＣタグ処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図８】図４のステップＳ５００のネットワーク処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図９】図８の続きのフローチャートを示す図である。
【図１０】図４のステップＳ６００のＲＩＰ処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図１１】図４のステップＳ７００のＨＤＤ転送処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図１２】図４のステップＳ８００のスキャン処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図１３】図４のステップＳ９００の印字処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図１４】図４のステップＳ１０００の操作パネル処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図１５】図１４の続きのフローチャートを示す図である。
【図１６】図１５の続きのフローチャートを示す図である。
【図１７】図１５の別の続きのフローチャートを示す図である。
【図１８】操作パネルの表示部に表示されたオリジナルプリントの選択画面である。
【図１９】オリジナル文書がカラー原稿で自装置がモノクロ機の場合に、他の処理を選択するため表示される選択画面である。
【符号の説明】
１０ ＭＦＰ（画像処理装置）
２０ プリンタ
３０ サーバ（画像データ蓄積手段）
４０ ＬＡＮ
６１ ＩＣタグ
１００ ＡＤＦ
２００ スキャナ部
３００ プリンタ部
４００ 制御部
５００ 操作パネル
５０１ スタートボタン
５０２ 表示部
５０４ オリジナルプリントボタン
５０５ プリント出力ボタン
５０６ ネットワーク転送ボタン
５０７ 外部機器転送ボタン
５０８ ＨＤＤ転送ボタン
５０９ プリンタリスト
６０１ ＩＣタグリーダー
６０２ ＩＣタグライター
Claims (4)
- ネットワークを介して接続された外部の画像データ蓄積手段に蓄積された画像データを特定する画像特定情報を取得する第１の取得手段と、
前記第１の取得手段により取得した画像特定情報によって特定される画像データの属性に関する情報を取得する第２の取得手段と、
前記第２の取得手段により取得した画像データの属性に関する情報に基づいて、自装置において、当該画像データに対する正規の処理が可能か否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により正規の処理が可能であると判断された場合に、前記画像データ蓄積手段から当該画像データを取得する第３の取得手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 処理を選択させるための表示手段をさらに備え、
前記判断手段によって正規の処理が可能でないと判断された場合、前記第３の取得手段による画像データの取得を行なわず、他の処理手段による処理内容を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項１に記載の画像処理装置。 - 前記表示手段に表示させる他の処理手段による処理内容には、画像データを前記画像データ蓄積手段から他の画像処理装置に転送させる外部機器転送が含まれることを特徴とする請求項２に記載の画像処理装置。
- ネットワークを介して接続された外部の画像データ蓄積手段に蓄積された画像データから印字対象の画像データを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された画像データをネットワークを介して取得する取得手段と、
前記取得した画像データに基づいて印字を行う印字手段と、を備え、
前記取得手段は、画像データ蓄積手段から画像データを取得する際のモード設定が、ユーザの最終選択を待たずに当該画像データを取得する自動モードである場合、前記特定手段により印字対象の画像データが特定されたことを契機として当該画像データを前記画像データ蓄積手段から取得することを特徴とする画像処理装置。
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