JP7494577B2

JP7494577B2 - 液体吐出装置

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Publication number: JP7494577B2
Application number: JP2020094914A
Authority: JP
Inventors: 徹郎伊藤
Original assignee: Brother Industries Ltd
Current assignee: Brother Industries Ltd
Priority date: 2020-05-29
Filing date: 2020-05-29
Publication date: 2024-06-04
Anticipated expiration: 2040-05-29
Also published as: US20210370695A1; JP2021187066A

Description

本発明は、液体吐出装置に関する。

ヘッドからインク、抜染剤等の液体を媒体に吐出する液体吐出装置が知られている。特許文献１に記載のインクジェット記録装置は、一対のガイドレールとキャリッジとヘッドとを備える。一対のガイドレールはそれぞれキャリッジの走査方向に延びる。一対のガイドレールのそれぞれには係合部が設けられる。各係合部は一対のガイドレールに沿って移動可能にそれぞれのガイドレールに係合する。キャリッジは各係合部に固定され、ヘッドを搭載する。ヘッドは媒体にインクを吐出することで画像を印刷する。

特開２０１３－６３６０３号公報

上記インクジェット記録装置では、二つの係合部がいずれも一対のガイドレールに対して上方から係合している。このため、係合部とガイドレールとの間のガタ等に起因して、キャリッジがガイドレールに対して上下方向にずれる可能性がある。キャリッジがガイドレールに対して上下方向にずれた場合、ヘッドと媒体との間の距離が変化する。このため、媒体への実際のインクの着弾位置がインクの着弾目標からずれる可能性があった。

本発明の目的は、媒体への実際の液体の着弾位置が液体の着弾目標からずれることを抑制できる液体吐出装置を提供することである。

本発明の一態様に係る液体吐出装置は、第一方向に延びる第一レールと、前記第一レールに沿って移動可能に設けられた第一ブロックと、前記第一レールに対して前記第一方向に直交する第二方向に設けられ、前記第一方向に延びる第二レールと、前記第二レールに沿って移動可能に設けられた第二ブロックと、前記第一ブロックと前記第二ブロックとに固定され、媒体に液体を吐出するヘッドが設けられるキャリッジとを備え、前記第一ブロックおよび前記第二ブロックの一方は、前記キャリッジを前記第二方向に位置決めし、前記第一ブロックおよび前記第二ブロックの他方は、前記キャリッジを前記第一方向と前記第二方向とに直交する第三方向に位置決めすることを特徴とする。

上記態様によれば、キャリッジは、第一ブロックおよび第二ブロックによって第二方向および第三方向に位置決めされる。このため、キャリッジが第一方向に移動した場合に、キャリッジが第一レールおよび第二レールに対して第二方向および第三方向にずれることが抑制される。よって、液体吐出装置は、媒体への実際の液体の着弾位置が液体の着弾目標からずれることを抑制できる。

前記第一ブロックには、前記第一レールが嵌まる第一開口部が設けられ、前記第二ブロックには、前記第二レールが嵌まる第二開口部が設けられ、前記第一開口部および前記第二開口部の一方は、前記第三方向を向き、前記第一開口部および前記第二開口部の他方は、前記第二方向を向いてもよい。この場合、第一開口部に第一レールが嵌まることで、第一ブロックが第一レールに係合し、第二開口部に第二レールが嵌まることで、第二ブロックが第二レールに係合する。このため、キャリッジの第二方向および第三方向の位置決め精度が向上する。よって、液体吐出装置は、媒体への実際の液体の着弾位置が液体の着弾目標からずれることを抑制できる。

前記液体吐出装置は、前記第一ブロックに対して固定され、前記キャリッジの前記第一方向の位置を検出するリニアエンコーダを備え、前記第一方向および前記第二方向は、水平方向と平行であってもよい。この場合、第一レールが第二レールに対して第二方向に位置するので、第一ブロックが第二ブロックよりも第二方向に位置する。よって、液体吐出装置は、例えば作業者が液体吐出装置の第二方向とは反対側からリニアエンコーダを取り扱う場合には、リニアエンコーダが第二ブロックに設けられる場合よりも、リニアエンコーダの取り扱いがしやすい。

前記第三方向は、鉛直下方であり、前記第一開口部は、前記第三方向を向き、前記第二開口部は、前記第二方向を向いてもよい。この場合、液体吐出装置はリニアエンコーダの取り扱いがしやすい。

前記キャリッジには、複数の前記ヘッドが設けられ、前記複数のヘッドには、下地を形成する前記液体である下地液体を前記媒体に吐出する第一ヘッドと、カラー画像を印刷する前記液体であるカラーインクを前記下地の上に吐出する第二ヘッドとがあり、前記第二ヘッドは、前記第一ヘッドに対して前記第二方向に位置してもよい。この場合、第二ヘッドが第一ヘッドに対して第二方向に位置するので、リニアエンコーダからの距離は第一ヘッドよりも第二ヘッドの方が近くなる。このため、液体吐出装置は、リニアエンコーダによって検出されたキャリッジの第一方向の位置と実際の第二ヘッドの第一方向の位置とのずれを抑制できる。よって、液体吐出装置は、媒体への実際のカラーインクの第一方向の着弾位置がカラーインクの着弾目標からずれることを抑制できるので、カラー画像の画質の低下を抑制できる。

プリンタ１の斜視図である。プリンタ１の内部構造を示す斜視図である。プリンタ１の内部構造を示す平面図である。ヘッド３１～３６を取り除いた、図３のＩＶ－ＩＶ線矢視方向のキャリッジ６およびガイドシャフト２０の断面図である。キャリッジ６を取り除いたガイドシャフト２０の斜視図である。

図面を参照して、本発明の一実施形態に係るプリンタ１を説明する。図１の上方、下方、左下方、右上方、右下方、および左上方が、それぞれ、プリンタ１の上方、下方、前方、後方、右方、および左方である。図１の上下方向は鉛直方向である。本実施形態において図面中の機械的要素は、実際のスケールを示す。

図１に示すプリンタ１はインクジェットプリンタであり、布帛、紙等の印刷媒体にインクを吐出して印刷を行う。プリンタ１は、白、黒、イエロー、シアン、およびマゼンタの５色のインクを用いて、印刷媒体にカラー画像を印刷できる。

以下では、５色のインクのうち白色のインクを白インクといい、黒、シアン、イエロー、およびマゼンタの４色のインクを総称してカラーインクという。白インクとカラーインクとを総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、単にインクという。白インクは画像の白色を表す部分として、または他の色のインクの下地として印刷に用いられる。カラーインクは、印刷媒体に直接、または白インクによる下地の上に吐出され、カラー画像の印刷に用いられる。

図１を参照し、プリンタ１の外観構成を説明する。プリンタ１は筐体１０と蓋１１とを備える。筐体１０は正面視Ｕ字状である。筐体１０には開口部１３が形成される。開口部１３は筐体１０の前面から後方に延びる。蓋１１は筐体１０の上側に設けられ、蓋１１の後端を軸として回転することで、筐体１０の上面を覆う位置と筐体１０の上面を開放する位置とに開閉できる。

筐体１０の前面のうち開口部１３の右側には、操作ボタン１５と表示画面１６とが設けられる。操作ボタン１５は、作業者による操作に応じて各種情報をプリンタ１に入力する。表示画面１６は各種情報を表示する。したがって、作業者はプリンタ１の前側でプリンタ１を操作する。すなわち、本実施形態ではプリンタ１の前側がプリンタ１の正面である。

開口部１３内にはプラテン１２が配置される。プラテン１２は板状であり、支持部１４によって下方から前後方向に移動可能に支持される。支持部１４は開口部１３内で図２に示す枠体２に固定される。プラテン１２は、副走査モータ（図示略）の駆動により前後方向に移動する。したがって、本実施形態では前後方向が副走査方向となる。

プラテン１２は、前方に移動することで筐体１０の前面よりも前側、つまり前シャフト２１よりも前まで突出でき、且つ後方に移動することで筐体１０内において後シャフト２２よりも後側まで移動できる。作業者は、プラテン１２が筐体１０の前面よりも前側に突出した状態で、プラテン１２の上面に印刷媒体を配置する。筐体１０の右側には収納部１７が設けられる。収納部１７には複数のカートリッジ１８が前側から収納される。各カートリッジ１８内には印刷に使用されるインク等の各種液体が入っている。

図２、図３を参照し、プリンタ１の内部構造を説明する。図２に示すように、図１に示す筐体１０の内部には枠体２が設けられる。枠体２は前後方向に延びる複数のシャフト、左右方向に延びる複数のシャフト、上下方向に延びる複数のシャフトで格子状に構成される。枠体２の上端にはガイドシャフト２０が固定される。ガイドシャフト２０は前シャフト２１、後シャフト２２、左シャフト２３、および右シャフト２４で構成される。

前シャフト２１は枠体２の前端部に配置され、枠体２の左端部から右端部まで左右方向に延びる。後シャフト２２は枠体２の前後方向の略中央に配置され、枠体２の左端部から右端部まで左右方向に延びる。左シャフト２３は枠体２の左端部に配置され、前シャフト２１の左端から後シャフト２２の左端までの前後方向に延びる。右シャフト２４は枠体２の右端部に配置され、前シャフト２１の右端から後シャフト２２の右端まで前後方向に延びる。

前シャフト２１および後シャフト２２はキャリッジ６を支持する。キャリッジ６は板であり、前シャフト２１から後シャフト２２まで延びる。図３に示すように、キャリッジ６には六つの装着部６１～６６が設けられる。装着部６１～６６は、それぞれ、後述のヘッドが装着される領域であり、キャリッジ６を上下方向に貫通する開口と開口の周りとを含む。装着部６１～６６の平面視の形状は、ヘッドの平面視の外形形状に対応する。

装着部６１、６２、６３はキャリッジ６の右部に配置され、装着部６１、６２、６３の順で後側から前側に向かって一列に並ぶ。装着部６４、６５、６６は装着部６１、６２、６３の列の左側に配置され、装着部６４、６５、６６の順で後側から前側に向かって一列に並ぶ。

装着部６１～６６のそれぞれにはヘッドが装着可能である。図２は、装着部にヘッドが装着された状態の一例を示し、装着部６１～６６のそれぞれにヘッド３１～３６が装着された状態を示す。以下では図２の状態を前提とする。装着部６１～６６のそれぞれにヘッド３１～３６が装着された状態で、キャリッジ６はヘッド３１～３６とプラテン１２との間の上下方向の距離、すなわちヘッド３１～３６と印刷媒体との間の上下方向の距離を一定に維持する。

ヘッド３１、３４には、それぞれ、白インクのカートリッジ１８から白インクが供給される。ヘッド３２、３５には、それぞれ、抜染剤のカートリッジ１８から抜染剤が供給される。抜染剤は印刷媒体の色を抜くための液体である。ヘッド３３、３６には、それぞれ、カラーインクのカートリッジ１８からカラーインクが供給される。

図２、図３に示すように、キャリッジ６の後端部には駆動ベルト９８が連結する。駆動ベルト９８は後シャフト２２上に設けられ、左右方向に延びる。駆動ベルト９８の左端部は主走査モータ９９に連結する。主走査モータ９９は後シャフト２２の左端部の上側に設けられる。主走査モータ９９が駆動することで、駆動ベルト９８は、キャリッジ６を前シャフト２１および後シャフト２２に沿って左右方向に移動させる。したがって、本実施形態では、左右方向が主走査方向となる。図２、図３は、キャリッジ６が移動範囲の右端に位置する状態を示す。

上記構成によれば、プリンタ１は、副走査モータ（図示略）の駆動によってプラテン１２を前後方向（副走査方向）に移動させ、主走査モータ９９の駆動によってキャリッジ６を左右方向（主走査方向）に移動させることで、印刷媒体をヘッド３１～３６に対して前後方向および左右方向に搬送する。プリンタ１は、印刷媒体をヘッド３１～３６に対して前後方向および左右方向に搬送しながらヘッド３１～３６から各種液体を吐出する。詳細には、プリンタ１は、まず、ヘッド３２、３５から抜染剤を吐出して印刷媒体から色を抜く。または、プリンタ１は、まず、ヘッド３１、３４から白インクを吐出して印刷媒体に下地を形成する。プリンタ１は、印刷媒体の色が抜かれた部分または形成された下地の上に、ヘッド３３、３６からカラーインクを吐出してカラー画像を印刷する。なお、プリンタ１は、白インクも抜染剤も吐出してもよい。

図３、図４を参照し、キャリッジ６の詳細構造を説明する。キャリッジ６は支持板７１、前延出板７２、前固定板７３、および後固定板７４を備える。支持板７１は平面視で矩形状であり、上下方向において前シャフト２１および後シャフト２２の下端と略同じ位置で、前シャフト２１の後側から後シャフト２２の前側まで延びる。装着部６１～６６は支持板７１に設けられる。

図４に示すように、前延出板７２は支持板７１の前端から上方に、前シャフト２１の上端よりも上側まで延びる。前固定板７３は前延出板７２の上端から前方に延びる。後固定板７４は支持板７１の後端から上方に延びる。

図２～図５を参照し、ガイドシャフト２０の詳細構造を説明する。図４、図５に示すように、前シャフト２１の上面には前リニアガイドレール２５が設けられる。前リニアガイドレール２５は前シャフト２１の前後方向の中央よりも後側から上方に突出し、前シャフト２１の左端部から右端部まで左右方向に延びる。前リニアガイドレール２５の上下方向の中央部の前後方向の長さは、前リニアガイドレール２５の上端部の前後方向の長さおよび前リニアガイドレール２５の下端部の前後方向の長さのいずれよりも短い。

前リニアガイドレール２５には二つの前リニアガイドブロック４が設けられる。二つの前リニアガイドブロック４は互いに左右方向に並ぶ。前リニアガイドブロック４には開口部４１が設けられる。開口部４１は下方に開口し、前リニアガイドブロック４を左右方向に貫通する。前リニアガイドブロック４の断面における開口部４１の形状は、前リニアガイドレール２５の断面の外形形状に対応する。

二つの前リニアガイドブロック４は、それぞれ、開口部４１内に前リニアガイドレール２５が嵌まることで、前リニアガイドレール２５に係合する。これにより、前リニアガイドブロック４は、前リニアガイドレール２５に沿って移動でき、前リニアガイドレール２５に対して前後方向に位置決めされる。

図４に示すように、二つの前リニアガイドブロック４のそれぞれの上面には前固定板７３が固定される。これにより、前リニアガイドブロック４が前リニアガイドレール２５に対して前後方向に位置決めされているので、キャリッジ６およびヘッド３１～３６も前リニアガイドレール２５に対して前後方向に位置決めされる。二つの前リニアガイドブロック４は、それぞれ、前固定板７３に対して図３に示す位置Ｐ１、Ｐ２に位置する。位置Ｐ１は前固定板７３の左端部である。位置Ｐ２は前固定板７３の右端部である。

前リニアガイドブロック４の前側にはリニアエンコーダ９１が設けられる。リニアエンコーダ９１は前固定板７３に固定される。これにより、リニアエンコーダ９１は前リニアガイドブロック４に対して固定される。詳細には、リニアエンコーダ９１は図３に示す位置Ｐ３に位置する。位置Ｐ３は位置Ｐ１、Ｐ２の左右方向の間である。リニアエンコーダ９１は反射型の光センサであり、発光部および受光部（図示略）を備える。リニアエンコーダ９１の発光部および受光部は、いずれも前側からエンコーダストリップ９３と対向する。

図５に示すように、エンコーダストリップ９３は、帯状であり、前リニアガイドレール２５の前側で前シャフト２１の左端部から右端部まで左右方向に延びる。すなわち、エンコーダストリップ９３は前リニアガイドレール２５に沿って延びる。エンコーダストリップ９３の前面は、光の反射率が互いに異なる反射領域が左右方向に交互に並んで構成される。リニアエンコーダ９１は、発光部からエンコーダストリップ９３に光を照射し、エンコーダストリップ９３の反射領域で反射された光を受光部で受光する。リニアエンコーダ９１は受光部で受光した光の強度に基づいて図３に示すキャリッジ６の左右方向の位置を検出する。

エンコーダストリップ９３の左右両端部は、それぞれ、支持部材９４、９５によって支持される。支持部材９４、９５の下端部には、それぞれ、接触部９４１、９５１が設けられる。接触部９４１は支持部材９４から後方に突出し、前リニアガイドレール２５の左端部に突き当てられて固定される。接触部９５１は支持部材９５から後方に突出し、前リニアガイドレール２５の右端部に突き当てられて固定される。これにより、支持部材９４、９５は、前リニアガイドレール２５に対して前後方向に位置決めされる。

図２に示すように、図５に示すエンコーダストリップ９３はカバー９６で前方および上方から覆われる。カバー９６は図５に示す支持部材９４から支持部材９５まで左右方向に延びる。

図４、図５に示すように、後シャフト２２の前面には後リニアガイドレール２６が設けられる。後リニアガイドレール２６は後シャフト２２の上下方向の中央よりも下側から前方に突出し、後シャフト２２の左端部から右端部まで左右方向に延びる。したがって、後リニアガイドレール２６は前リニアガイドレール２５に対して後側で前リニアガイドレール２５と平行に延びる。後リニアガイドレール２６の前後方向の中央部の上下方向の長さは、後リニアガイドレール２６の前端部の上下方向の長さおよび後リニアガイドレール２６の後端部の上下方向の長さのいずれよりも短い。

後リニアガイドレール２６には二つの後リニアガイドブロック５が設けられる。二つの後リニアガイドブロック５は互いに左右方向に並ぶ。後リニアガイドブロック５には開口部５１が設けられる。開口部５１は後方に開口し、後リニアガイドブロック５を左右方向に貫通する。後リニアガイドブロック５の断面における開口部５１の形状は、後リニアガイドレール２６の断面の外形形状に対応する。

二つの後リニアガイドブロック５は、それぞれ、開口部５１内に後リニアガイドレール２６が嵌まることで、後リニアガイドレール２６に係合する。これにより、後リニアガイドブロック５は、後リニアガイドレール２６に沿って移動でき、後リニアガイドレール２６に対して上下方向に位置決めされる。

図４に示すように、二つの後リニアガイドブロック５の前面には後固定板７４が固定される。これにより、後リニアガイドブロック５が後リニアガイドレール２６に対して上下方向に位置決めされているので、キャリッジ６およびヘッド３１～３６も後リニアガイドレール２６に対して上下方向に位置決めされる。二つの後リニアガイドブロック５は、それぞれ、後固定板７４に対して図３に示す位置Ｐ４、Ｐ５に位置する。位置Ｐ４は後固定板７４の左端部である。位置Ｐ５は後固定板７４の右端部である。

上記構成によれば、図３に示すように、プリンタ１の制御部（図示略）は、図４に示すリニアエンコーダ９１によって検出されたキャリッジ６の左右方向の位置に基づいて、主走査モータ９９を制御する。この場合、主走査モータ９９の駆動力が駆動ベルト９８を介してキャリッジ６に伝達されると、図５に示す前リニアガイドブロック４および後リニアガイドブロック５がそれぞれ前リニアガイドレール２５および後リニアガイドレール２６に沿って移動する。これにより、キャリッジ６が前シャフト２１および後シャフト２２に沿って移動する。すなわち、ヘッド３１～３６が左右方向（主走査方向）に移動する。

以上説明したように、キャリッジ６は、前リニアガイドブロック４によって前後方向に位置決めされ、後リニアガイドブロック５によって上下方向に位置決めされる。このため、キャリッジ６が左右方向（主走査方向）に移動した場合に、キャリッジ６が前リニアガイドレール２５および後リニアガイドレール２６に対して前後方向および上下方向にずれることが抑制される。よって、プリンタ１は、印刷媒体への実際の液体の着弾位置が液体の着弾目標からずれることを抑制できる。

上記実施形態のように装着部６１～６６にインクを吐出するヘッド３１、３３、３４、３６が装着される場合には、印刷媒体への実際のインクの着弾位置がインクの着弾目標からずれることが抑制される。このため、プリンタ１は印刷媒体に下地を適切に形成でき、且つカラー画像を適切に印刷できる。よって、プリンタ１はカラー画像の画質の低下を抑制できる。

開口部４１に前リニアガイドレール２５に嵌まることで、前リニアガイドブロック４が前リニアガイドレール２５に係合し、開口部５１に後リニアガイドレール２６が嵌まることで、後リニアガイドブロック５が後リニアガイドレール２６に係合する。このため、キャリッジ６の前後方向および上下方向の位置決め精度が向上する。よって、プリンタ１は、媒体への実際の液体の着弾位置が液体の着弾目標からずれることを抑制できる。

作業者は、リニアエンコーダ９１を取り扱う場合、プリンタ１の正面（前側）に立って蓋１１を筐体１０に対して開く。この場合、蓋１１は、蓋１１の後端を軸として右側面視で時計回り方向に開かれる。前リニアガイドブロック４が後リニアガイドブロック５よりも前方に位置するので、作業者とリニアエンコーダ９１との間の距離は、後リニアガイドブロック５にリニアエンコーダ９１が設けられる場合よりも前リニアガイドブロック４にリニアエンコーダ９１が設けられる場合の方が近い。プリンタ１では、リニアエンコーダ９１が前リニアガイドブロック４に設けられるので、作業者はリニアエンコーダ９１が後リニアガイドブロック５に設けられる場合よりも、リニアエンコーダ９１の取り扱いがしやすい。このため、作業者はリニアエンコーダ９１の清掃、交換等の作業をしやすい。

仮に、開口部４１が前方を向く場合、すなわち前リニアガイドブロック４が前シャフト２１に対して後方に設けられる場合、リニアエンコーダ９１は前シャフト２１と前延出板７２との前後方向の間に配置される。仮に、開口部４１が後方を向く場合、すなわち前リニアガイドブロック４が前シャフト２１に対して前方に設けられる場合、リニアエンコーダ９１は前シャフト２１と筐体１０との前後方向の間に配置される。これらの場合には、作業者はリニアエンコーダ９１にアクセスしづらいので、リニアエンコーダ９１の取り扱いがしにくい。一方、プリンタ１では、開口部４１が下方を向く、すなわち、前リニアガイドブロック４が前シャフト２１に対して上方に設けられるので、リニアエンコーダ９１が前延出板７２または筐体１０と前シャフト２１とによって挟まれない位置に位置する。このため、プリンタ１では、作業者はリニアエンコーダ９１の取り扱いがしやすい。

リニアエンコーダ９１からヘッドまでの距離が近い方がリニアエンコーダ９１によって検出されたキャリッジ６の左右方向の位置と実際のヘッドの左右方向の位置とのずれが小さくなる。プリンタ１では、リニアエンコーダ９１からの距離はヘッド３１、３２、３３の順で近くなり、ヘッド３４、３５、３６の順で近くなる。このため、プリンタ１は、リニアエンコーダ９１によって検出されたキャリッジ６の左右方向の位置と実際のヘッド３３、３６の左右方向の位置とのずれを抑制できる。プリンタ１では、ヘッド３１、３２、３４、３５が白インクまたは抜染剤を吐出し、ヘッド３３、３６がカラーインクを吐出する。よって、プリンタ１は、媒体への実際のカラーインクの左右方向の着弾位置がカラーインクの着弾目標からずれることを抑制できるので、カラー画像の画質の低下を抑制できる。なお、白インクおよび抜染剤の左右方向の着弾位置が白インクおよび抜染剤の着弾目標からずれたとしても、下地として使用されるので、カラーインクの着弾位置がずれる場合よりも、カラー画像の画質への影響は小さい。

前リニアガイドレール２５側にリニアエンコーダ９１が設けられ、後リニアガイドレール２６側に主走査モータ９９が設けられる。このため、リニアエンコーダ９１と主走査モータ９９とが同じ側に設けられる場合よりも、主走査モータ９９の駆動による振動がリニアエンコーダ９１に伝わりにくい。よって、プリンタ１はリニアエンコーダ９１によってキャリッジ６の左右方向の位置を精度よく検出できる。

上記実施形態において、プリンタ１の左方または右方が本発明の「第一方向」に相当する。前リニアガイドレール２５が本発明の「第一レール」に相当する。前リニアガイドブロック４が本発明の「第一ブロック」に相当する。プリンタ１の後方が本発明の「第二方向」に相当する。後リニアガイドレール２６が本発明の「第二レール」に相当する。後リニアガイドブロック５が本発明の「第二ブロック」に相当する。ヘッド３１～３６が本発明の「ヘッド」に相当する。キャリッジ６が本発明の「キャリッジ」に相当する。プリンタ１の下方が本発明の「第三方向」に相当する。

開口部４１が本発明の「第一開口部」に相当する。開口部５１が本発明の「第二開口部」に相当する。リニアエンコーダ９１が本発明の「リニアエンコーダ」に相当する。ヘッド３１、３２、３４、３５が本発明の「第一ヘッド」に相当する。ヘッド３３、３６が本発明の「第二ヘッド」に相当する。

本発明は上記実施形態から種々変更できる。以下説明する各種変形例は、矛盾が生じない限りそれぞれ組み合わせ可能である。本発明はプリンタ１に限定されず、例えば前処理剤吐出装置にも適用できる。前処理剤吐出装置は、前処理剤を吐出するためのヘッドを備える。前処理剤はインクの定着、発色等を向上させるための液体であり、印刷前の媒体に吐出される。

上記実施形態において、前リニアガイドレール２５および後リニアガイドレール２６は左右方向に延びなくてもよく、例えば上下方向に延びてもよいし、前後方向に延びてもよい。例えば前リニアガイドレール２５および後リニアガイドレール２６が上下方向に延び、互いに左右方向に離れる場合、プリンタ１の上方または下方が本発明の「第一方向」に相当し、プリンタ１の左方または右方が本発明の「第二方向」に相当し、プリンタ１の前方または後方が本発明の「第三方向」に相当する。この場合、ヘッド３１～３６は前方または後方に液体を吐出してもよい。この場合、プラテン１２はヘッド３１～３６に対して前方または後方から対向する位置に設けられる。

上記実施形態において、前リニアガイドレール２５は前シャフト２１の上面に設けられなくてもよく、例えば前シャフト２１の前面、下面、または後面に設けられてもよい。例えば前リニアガイドレール２５が前シャフト２１の前面に設けられる場合には、前固定板７３の前端からさらに下方に板が延びればよい。後リニアガイドレール２６は後シャフト２２の前面に設けられなくてもよく、後シャフト２２の上面、下面、または後面に設けられてもよい。前リニアガイドレール２５が設けられる前シャフト２１の面と後リニアガイドレール２６が設けられる後シャフト２２の面とが互いに直交する方向を向けばよい。すなわち、前リニアガイドブロック４および後リニアガイドブロック５が、それぞれ、開口部４１、５１が互いに直交する方向を向くように、前リニアガイドレール２５および後リニアガイドレール２６に係合すればよい。例えば開口部４１が上方を向き、開口部５１が前方を向く場合には、プリンタ１の上方が本発明の「第三方向」に相当し、プリンタ１の前方が本発明の「第二方向」に相当する。

上記実施形態において、前シャフト２１および後シャフト２２自体が、それぞれ、前リニアガイドレール２５および後リニアガイドレール２６の機能を有していてもよい。すなわち、前リニアガイドブロック４および後リニアガイドブロック５は、それぞれ、前リニアガイドレール２５および後リニアガイドレール２６に係合してもよい。

上記実施形態では、前リニアガイドレール２５および後リニアガイドレール２６は、それぞれ、前シャフト２１の上面および後シャフト２２の前面から突出する。これに対し、前リニアガイドレール２５および後リニアガイドレール２６は、前シャフト２１の上面および後シャフト２２の前面から凹んでもよい。この場合、前リニアガイドブロック４および後リニアガイドブロック５は凸状を有し、前シャフト２１および後シャフト２２の凹部に嵌められてもよい。すなわち、前リニアガイドブロック４および後リニアガイドブロック５の形状は上記実施形態に限定されない。前リニアガイドブロック４はキャリッジ６を前後方向に位置決めできれば平板形状等でもよい。後リニアガイドブロック５は上下方向に位置決めできる形状であれば平板形状等でもよい。上記実施形態において、前リニアガイドブロック４および後リニアガイドブロック５の個数は、それぞれ、２個に限定されず、１個でもよいし、３個以上でもよい。

上記実施形態において、リニアエンコーダ９１は前リニアガイドブロック４に対して固定されなくてもよく、例えば後リニアガイドブロック５に対して固定されてもよい。この場合、エンコーダストリップ９３は後シャフト２２の前面に設けられればよい。リニアエンコーダ９１は、前固定板７３に固定されずに、前リニアガイドブロック４に直接固定されてもよい。リニアエンコーダ９１は反射型の光センサに限定されず、透過型の光センサでもよい。この場合、リニアエンコーダ９１の発光部および受光は、エンコーダストリップ９３を間にして互いに前後方向に対向すればよい。

上記実施形態では、装着部６１～６６の全部にヘッド３１～３６が装着された。これに対し、ヘッド３１～３６のいずれか、例えば印刷に抜染剤が不要であればヘッド３１、３３、３４、３６のみが装着部６１、６３、６４、６６に装着されてもよいし、一つが装着部６１～６６のいずれかに装着されてもよい。装着部６１～６６の個数も六つに限定されず、少なくとも一つあればよい。

上記実施形態において、各ヘッド３１～３６が吐出する液体の種類は上記実施形態に限定されない。例えばヘッド３１、３４がカラーインクを吐出し、ヘッド３２、３５が抜染剤を吐出し、ヘッド３３、３６が白インクを吐出してもよい。上記実施形態において、主走査モータ９９は後シャフト２２に設けられなくてもよく、例えば前シャフト２１に設けられてもよい。

１プリンタ
４前リニアガイドブロック
５後リニアガイドブロック
６キャリッジ
２５前リニアガイドレール
２６後リニアガイドレール
３１～３６ヘッド
４１、５１開口部
９１リニアエンコーダ

Claims

水平方向と平行な第一方向に延びる第一レールと、
前記第一レールに沿って移動可能に設けられ、前記第一レールが嵌まる第一開口部が設けられた第一ブロックと、
前記第一レールに対して、前記水平方向と平行であり且つ前記第一方向に直交する第二方向に設けられ、前記第一方向に延びる第二レールと、
前記第二レールに沿って移動可能に設けられ、前記第二レールが嵌まる第二開口部が設けられた第二ブロックと、
前記第一ブロックと前記第二ブロックとに固定され、媒体に液体を吐出するヘッドが設けられるキャリッジと
を備え、
前記第一開口部および前記第二開口部の一方は、前記第一方向と前記第二方向とに直交する第三方向を向き、
前記第三方向を向く開口部が設けられた前記第一ブロックおよび前記第二ブロックの一方は、前記キャリッジを前記第二方向に位置決めし、
前記第一開口部および前記第二開口部の他方は、前記第二方向を向き、
前記第二方向を向く開口部が設けられた前記第一ブロックおよび前記第二ブロックの他方は、前記キャリッジを前記第三方向に位置決めする液体吐出装置であって、
前記第一ブロックに対して固定され、前記キャリッジの前記第一方向の位置を検出するリニアエンコーダをさらに備えた
ことを特徴とする液体吐出装置。
前記第三方向は、鉛直下方であり、
前記第一開口部は、前記第三方向を向き、
前記第二開口部は、前記第二方向を向くことを特徴とする請求項１に記載の液体吐出装置。
前記キャリッジには、複数の前記ヘッドが設けられ、
前記複数のヘッドには、下地を形成する前記液体である下地液体を前記媒体に吐出する第一ヘッドと、カラー画像を印刷する前記液体であるカラーインクを前記下地の上に吐出する第二ヘッドとがあり、
前記第二ヘッドは、前記第一ヘッドに対して前記第二方向に位置することを特徴とする請求項１または２に記載の液体吐出装置。