JP2005246695A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インク滴で汚れることなく、各インクジェット記録ヘッドの搭載位置の位置ズレを検知する。
【解決手段】 インクジェット記録ヘッド112をインク滴検知機構200上に移動し、一方の端のノズル10Xから他方の端のノズル10Yまで順番にインク滴を吐出する。吐出したインク滴がスリット202Bを通過し、発光LED205から出射したセンサー光K1を遮ると受光素子207が非受光となりインク滴を検出する。そして、検出されたノズル番号(一方の端から何番目ノズル10)であるかを確定する。各インクジェット記録ヘッド112にそれぞれ行う。そして、各インクジェット記録ヘッド112毎に検出されたノズル番号を各インクジェット記録ヘッド112間で比較し、副走査方向Sの各インクジェット記録ヘッド112の相対位置を確定し、各インクジェット記録ヘッド112の位置ズレを検出する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、インクジェット記録装置に関する。
マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のインクジェット記録ヘッドを着脱可能にキャリッジに搭載し、このキャリッジを走査しながら各インクジェット記録ヘッドのノズルから各色インク滴を吐出し、記録媒体にカラー画像を記録するインクジェット記録装置が考案されている。
さて、このように、各色のインクジェット記録ヘッドを着脱可能にキャリッジに搭載すると、各インクジェット記録ヘッドの搭載位置を高精度に保つことは困難である。このため、各色のインクジェット記録ヘッド間の搭載位置の位置ズレが生じ、この位置ズレにより、記録媒体のインク滴の着弾位置がズレ、色ズレを発生させる。
このような色ズレを補正する方法として、各インクジェット記録ヘッド間の位置ズレにより濃度差が発生するようなテストパターンを印字し、これをセンサーで読み取り、この読み取った情報に基づいて、インク滴の吐出タイミングを調整して記録媒体への着弾位置、すなわち色ズレを補正する補正方法が考案されている。
しかしながら、このように色ズレを補正する方法は、テストパターンを印字する必要があり、色ズレ補正のためにインクと記録媒体とを消費してしまう。更に、補正の精度を保つためにテストパターンを複数枚印字する必要があったり、また、滲みが少ない高価な記録媒体が必要な場合もある。
このような問題を解決するため、次のような方法が提案されている。
図14(A)に示すように、4つのインクジェット記録ヘッド501、502、503、504はキャリッジ(図示省略)に搭載され、主走査方向Mに走査する。また、インクジェット記録ヘッド501、502、503、504は、インク滴Qを吐出するノズルのが副走査方向Sに沿って列をなした、ノズル列506が形成されている。
遮蔽板510が、インクジェット記録ヘッド501、502、503、504と着弾センサ512との間に配設されている。図14(B)にも示すように、遮蔽板510は、インクジェット記録ヘッド501、502、503、504から吐出されるインク滴Q(図14(A)参照)のうち、一部を遮蔽するように配置されている。
まず、ノズル列506と平行方向(副走査方向S)の位置ズレに関しては、次のように検出する。
図14(B)に示すように、インク滴Qをノズル列506の一方の端のノズルから順番に吐出する。着弾センサ512で、遮蔽板510に遮られるノズル(インク滴Q)とそうでないノズル(インク滴Q)とを検知する。各インクジェット記録ヘッド501、502、503、504の遮蔽板510に遮られるノズルを特定することで、各インクジェット記録ヘッド501、502、503、504のノズル列506に平行な方向(副走査方向S)の相対的な位置ズレが検出できる。
つぎに、ノズル列506と直交する方向(主走査方向M)の位置ズレ、及び傾きに関しては、次のように検出する。
図15に示すように、ノズル列506と平行に遮蔽境界610Aが形成されるように遮蔽板610を設ける。ノズル列506の両端のノズルよりインク滴Qを吐出しながら、各インクジェット記録ヘッド501、502、503、504をM1方向に動かす。それぞれのノズルからインク滴Qが遮蔽板610に遮られずに、着弾センサ512に着弾する位置を検知することで、ノズル列506と直交する方向(主走査方向M)の位置ズレ、及び傾きが検出できる。(例えば、特許文献1参照)。
特開平05−270013
しかしながら、特開平05−270013に記載の方法では、遮蔽板510と着弾センサ512とにインク滴を直接着弾させるため、各インクジェット記録ヘッド501、502、503、504の位置ズレの検出を数回行うと、遮蔽板510と着弾センサ512とがインクにより汚れてしまう。よって、インクで汚れた遮蔽板510と着弾センサ512とをクリーニングするクリーニング手段が必要である。しかし、このようなクリーニング手段は機構として複雑であり、また高コストである。
更に、クリーニングが行われなかったり、あるいは、不完全であった場合は、着弾センサ512の検知不良や故障の原因となる。また、遮蔽板510、610の端部(遮蔽境界510A、610A)上に貯まったインクにより遮蔽境界510A、610Aが変化し、正確な位置検出ができなくなる。
あるいは、図16(A)に示すように、インク滴Qが遮蔽板510、610の端部(遮蔽境界510A、610A)に衝突すると、図16(B)に示すように、インク滴Qが飛び散り正確な位置検出ができない。なお、これはインク滴Qの大きさ以下の精度で位置の検出ができないことを意味する。
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、インク滴で汚れることなく、各インクジェット記録ヘッドのキャリアの搭載位置の位置ズレを検出することを目的とする。
請求項1に記載のインクジェット記録装置は、搬送される記録媒体に対してノズルからインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッドと、複数の前記インクジェット記録ヘッドを搭載するキャリッジと、前記キャリッジを前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に走査するキャリッジ走査機構と、各前記インクジェット記録ヘッドの前記キャリアの搭載位置の位置ズレを検出する記録ヘッド位置検出手段と、前記記録ヘッド位置検出手段による検出結果に基づいて、インク滴の前記記録媒体の着弾位置の着弾ズレを補正する補正手段と、を備えるインクジェット記録装置において、前記記録ヘッド位置検出手段は、前記ノズルから吐出されたインク滴を回収する回収手段と、前記ノズルと前記回収手段との間に設けられ、前記ノズルから吐出された飛翔中のインク滴を非接触で検知するインク滴検知手段と、で構成されていることを特徴としている。
請求項1に記載のインクジェット記録装置は、キャリッジに、複数のインクジェット記録ヘッドが搭載されている。そして、キャリッジをキャリッジ走査機構で記録媒体の搬送方向と直交する方向に走査しながら、記録媒体に対して各インクジェット記録ヘッドのノズルからインク滴を吐出し、記録媒体に画像を記録する。
しかし、各インクジェット記録ヘッドのキャリアの搭載位置に位置ズレがあると、記録媒体への着弾位置に着弾ズレが生じ、良好な画像とならない。このため、記録ヘッド位置検出手段で、各インクジェット記録ヘッドの搭載位置の位置ズレを検出し、この検出結果に基づいて、記録媒体の着弾位置の着弾ズレを補正手段で補正している。
記録ヘッド位置検出手段は、ノズルから吐出されたインク滴を回収する回収手段と、ノズルと回収手段との間に設けられノズルから吐出された飛翔中のインク滴を非接触で検知するインク滴検知手段と、で構成されている。
各インクジェット記録ヘッド毎にインク滴検知手段で、飛翔中のインク滴を非接触で検知し、インク滴を吐出したノズルを特定し、そのノズルの位置を検出する。各インクジェット記録ヘッド毎にノズルの位置が検出されると、各インクジェット記録ヘッドの搭載位置の位置ズレが検出できる。なお、ノズルから吐出されたインク滴は、インク滴検知手段で非接触で検知された後、回収手段に回収される。
したがって、インク滴で汚れることなく、各インクジェット記録ヘッドの搭載位置の位置ズレを検出できる。
請求項2に記載のインクジェット記録装置は、請求項1に記載の構成において、前記キャリッジの位置を検知するキャリッジ位置検知手段を備え、前記インク滴検知手段は、所定の検知空間を通過するインク滴を検知し、前記所定の検知空間は前記キャリッジの走査領域に設けることを特徴としている。
請求項2に記載のインクジェット記録装置は、インク滴検知手段は、所定の検知空間を通過するインク滴を検知し、この所定の検知空間はキャリッジの走査領域に設けられている。そして、キャリッジの位置を検知するキャリッジ位置検知手段を備えている。
キャリッジ走査機構でキャリッジに搭載されたインクジェット記録ヘッドを、所定の検知空間をインク滴が通過する位置に移動する。なお、キャリッジの位置はキャリッジ位置検知手段で検知できるので、インクジェット記録ヘッドを、所定の検知空間をインク滴が通過する位置に正確に移動できる。
そして、ノズルからインク滴を吐出し、インク滴を吐出したノズルをインク滴検知手段で特定する。その他の各インクジェット記録ヘッドに対しても、同様に、所定の検知空間をインク滴が通過する位置に移動し、インク滴を吐出したノズルをインク滴検知手段で特定する。すべてのインクジェット記録ヘッドについてインク滴を吐出したノズルを特定し、各ノズルの位置を比較することで、走査方向と直交する方向の各インクジェット記録ヘッドの位置ズレが検出できる。
また、キャリッジ位置検知手段で位置を検知しながら、かつ、インクジェット記録ヘッドからインク滴を一定間隔でノズルから吐出しながら、キャリッジを走査する。そして、所定の検知空間を通過する飛翔中のインク滴を検知する。検知した際のキャリッジの位置から走査方向のノズル位置が検出できる。そして、その他の各インクジェット記録ヘッドも同様に一定間隔でインク滴を吐出しながら走査し、所定の空間を通過する飛翔中のインク滴を検知し、キャリッジの位置から走査方向のノズル位置を検出する。
各インクジェット記録ヘッドのインク滴を吐出したノズルの走査方向の位置から、各インクジェット記録ヘッドの搭載位置の走査方向の位置ズレを検出できる。
更に、各インクジェット記録ヘッドにおいて、走査方向に対して交差する方向に異なる二つ以上のノズルの位置を特定し、二つのノズルの走査方向の位置を比較することで、各インクジェット記録ヘッドが走査方向に交差する方向の角度が判る。
例えば、インクジェット記録ヘッドを走査方向と直交する方向に搭載する仕様である場合、その直交方向に対する位置ズレ(走査方向と直交する方向に対するインクジェット記録ヘッドの傾き)が検出できる。
このように、インク滴で汚れることなく、各インクジェット記録ヘッドの搭載位置の走査方向、走査方向と直交する方向、及び傾きに関する位置ズレを検出できる。
請求項3に記載のインクジェット記録装置は、請求項1に記載の構成において、前記インク滴検知手段を前記キャリッジの走査領域を該キャリッジの走査方向に沿って走査する走査手段と、前記インク滴検知手段の位置を検知する走査位置検知手段と、を備え、前記インク滴検知手段は、所定の検知空間を通過するインク滴を検知することを特徴としている。
請求項3に記載のインクジェット記録装置は、走査位置検知手段でインク滴検知手段の位置を検知し、走査手段でインク滴検知手段をインクジェット記録ヘッドのノズルから吐出したインク滴が所定の検知空間を通過する位置に正確に移動する。そして、ノズルからインク滴を吐出し、インク滴を吐出したノズルをインク滴検知手段で特定する。
同様にその他の各インクジェット記録ヘッドに対して、インク滴検知手段をノズルから吐出したインク滴が所定の検知空間を通過する位置に移動し、インク滴を吐出したノズルをインク滴検知手段で特定する。すべてのインクジェット記録ヘッドについてインク滴を吐出したノズルを特定すると、走査方向に直交する方向の各インクジェット記録ヘッドの位置ズレが検出できる。
また、走査位置検知手段で位置を検知しながら、かつ、インクジェット記録ヘッドからインク滴を一定間隔でノズルから吐出しながら、走査手段でインク滴検知手段を走査する。そして、所定の検知空間を通過する飛翔中のインク滴を検知する。検知した際のインク滴検知手段の位置から走査方向のノズル位置が検出できる。そして、その他の各インクジェット記録ヘッドも同様に一定間隔でインク滴を吐出しながら、インク滴検知手段を走査し、インク滴検知手段を通過する飛翔中のインク滴を検知し、インク滴検知手段の位置から走査方向のノズル位置を検出する。
各インクジェット記録ヘッドのインク滴を吐出したノズルの走査方向の位置から、インクジェット記録ヘッドの走査方向の位置ズレが検出できる。
更に、各インクジェット記録ヘッドにおいて、走査方向に対して交差する方向に異なる二つ以上のノズルの位置を特定し、二つのノズルの走査方向の位置を比較することで、各インクジェット記録ヘッドの走査方向と交差する方向の角度が判る。
このように、インク滴で汚れることなく、各インクジェット記録ヘッドの搭載位置の走査方向、走査方向に直交する方向、及び傾きに関する位置ズレを検出できる。
なお、請求項2に記載のインクジェット記録装置では、インクジェット記録ヘッドをインク滴が所定の検知空間を通過する位置に移動、走査し位置ズレを検出する。これに対し、請求項3に記載のインクジェット記録装置は、インク滴検知手段と回収手段とをインク滴が所定の検知空間を通過する位置に移動、走査し位置ズレを検出する。
また、請求項2、3では、走査方向の位置ズレ、及び走査方向と交差する方向の角度の検出は、インクジェット記録ヘッドからインク滴を一定間隔でノズルから吐出しながら、キャリッジ又は、インク滴検知手段を走査したが、以下のようにしても良い。
所定の検知空間に対応する位置でノズルからインク滴を吐出する。そして、所定のピッチだけ走査方向に移動して止まり、インク滴を吐出する。そしてまた、所定のピッチだけ走査方向に移動して止まり、インク滴を吐出する。そして、インク滴検知手段がインク滴を検知する位置を検出する。
つまり、各インクジェット記録ヘッド毎に所定のピッチ毎に止まってインク滴吐出を繰り返し、インク滴検知手段がインク滴を検知したノズルの位置を検出することで、インクジェット記録ヘッドの走査方向の位置ズレが検出できる。
また、走査方向に対して交差する方向に異なる二つ以上のノズルの位置を特定し、二つのノズルの走査方向の位置を比較することで、各インクジェット記録ヘッドの走査方向と交差する方向の角度が判る。
請求項4に記載のインクジェット記録装置は、請求項2又は請求項3に記載の構成において、前記インク滴検知手段は、信号発信手段と信号受信手段とから構成され、前記信号発信手段と前記信号受信手段との間の検知空間をインク滴が通過し、信号を遮ることでインク滴を検知することを特徴としている。
請求項4に記載のインクジェット記録装置は、信号発信手段と信号受信手段との間の検知空間をインク滴が通過し信号を遮ることでインク滴を検知できる。すなわち、信号発信手段と信号受信手段とからなる簡単な構成のインク滴検知手段で、容易にインク滴を検知できる。
請求項5に記載のインクジェット記録装置は、請求項4に記載の構成において、前記インク滴検知手段は、インク滴の吐出方向と直交する方向に対して前記検知空間の検知範囲を限定する検知範囲限定手段を備えることを特徴としている。
請求項5に記載のインクジェット記録装置は、検知範囲限定手段でインク滴の吐出方向と直交する方向に対して検知空間の検知範囲を限定されている。よって、インク滴を検知する分解能が向上している。したがって、より正確にインク滴を吐出したノズルの位置を検出できる。
請求項6に記載のインクジェット記録装置は、請求項5に記載の構成において、インク滴の位置の違いが、インク滴が吐出され前記検知範囲を通過する時間の違いで測定可能に、該検知範囲が形成されていることを特徴としている。
請求項6に記載のインクジェット記録装置は、インク滴の位置の違いが、インク滴が吐出され検知範囲を通過する時間の違いで測定可能となっている。したがって、より正確にインク滴を吐出したノズルの位置を検出できる。
請求項7に記載のインクジェット記録装置は、前記インク滴検知手段は、発光LEDと受光素子とで構成され、前記発光LEDと前記受光素子との間の検知空間に、インク滴の吐出方向に沿ってスリットが設けられていることを特徴としている。
請求項7に記載のインクジェット記録装置は、発光LEDから出射した光がインク滴で遮られると受光素子が光を受光しないのでインク滴が検知される。また、発光LEDと受光素子との間にインク滴の吐出方向に沿ってスリットが設けられているので、発光LEDから出射した光を受光素子が受光する範囲が狭くなっている。すなわち、インク滴を検知する分解能が向上している。
したがって、発光LED、受光素子、スリットという安価で簡単な構成で、インク滴を正確に検知し、ノズルの位置を正確に検出できる。
請求項8に記載のインクジェット記録装置は、請求項7に記載の構成において、前記スリットは、インク滴の吐出方向に対し長手方向が斜めに設けられていることを特徴としている。
請求項8に記載のインクジェット記録装置は、スリットがインク滴の吐出方向に対し長手方向が斜めに設けられている。
よって、インク滴が吐出されてからスリットを通過する時間が、スリットを通過する吐出方向に直交する方向の位置で変る。このため、インク滴が吐出されてから発光LEDから出射した光がインク滴で遮られる時間も変る。すなわち、インク滴の位置は、インク滴が吐出されスリットを通過する時間で測定可能となっている。
したがって、より正確にインク滴を吐出したノズルの位置を検出できる。
請求項9に記載のインクジェット記録装置は、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の構成において、前記記録ヘッド位置検出手段は、前記インクジェット記録ヘッドの吐出検査にも用いることを特徴としている。
請求項9に記載のインクジェット記録装置は、記録ヘッド位置検出手段をインクジェット記録ヘッドの吐出検査、すなわち、インク滴の不吐出が起きていないかの検査にも用いている。よって、別途、インク滴の吐出検査のための検査手段を設ける必要がないので、コストダウンがはかれる。
なお、インク滴の不吐出の原因としては、例えば、ノズルでのインクの固化やゴミ詰まり、あるいは、インク記録ヘッド内の空気が流入などがある。
以上説明したように本発明によれば、インク滴で汚れることなく、各インクジェット記録ヘッドの搭載位置の位置ズレを検出できる。
以下、本発明に係るインクジェット記録装置の第1実施形態を説明する。
なお、インクジェット記録装置は、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)及びブラック(K)の各色インクを用いて、記録紙Pにカラー画像の記録が可能とされたものである。なお、各部品を各色ごとに区別する必要がある場合には、符号の末尾にY、M、C、Kのいずれかを付して区別する。(例えば、インクジェット記録ヘッド112Yなど)。
図1、図3、図7に示すように示すように、インクジェット記録装置102は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各4色に対応した4つのインクジェット記録ヘッド112がキャリッジ114に搭載されている。
図8、図11に示すように、各インクジェット記録ヘッド112は、底面のノズル面10Aにノズル10が等間隔で一列形成されている。なお、判りやすくするため、図8、図11にはキャリッジ114は省略して図示している。
図6に示すように、キャリッジ114には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色の4つのインクジェット記録ヘッド112を交換可能に収納する4つの収納室40が設けられている。各収納室40は、キャリッジ114の左側壁42と、右側壁44と、その間を等間隔に区切る3枚の側壁46とで構成されており、各収納室40の底部には、各インクジェット記録ヘッド112のノズル面10A(図3、図8参照)に設けられたノズル10(図8、図11参照)を露出させるように開口している。そして、各収納室40の上部には各インクジェット記録ヘッド112を収納した後、そのインクジェット記録ヘッド112が外れないように固定するロックレバー48がそれぞれ上下方向に回動可能に設けられている。
図1に示すように、待機位置Tには、インクジェット記録ヘッド112の性能を維持するためにメンテナンスを行うメンテナンスユニット116と、4本のチューブ120を介して4つのインクタンク122に繋がり、インクジェット記録ヘッド112にインクを充填するリフィールユニット118と、が備えられている。なお、インクタンク122は各インクジェット記録ヘッド112(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各4色)に対応して4つ備えられている。
インクジェット記録装置102の右前面上部には、各種操作や設定を行うコントロールパネル124が配置されている。また、インクジェット記録装置102の左側内部には、インクジェット記録装置102を制御する中央制御部150を備えている。
図2にも示すように、インクジェット記録装置102の下部には記録紙Pが収容された給紙トレイ126を備えている。
給紙トレイ126に収容された記録紙Pは、ピックアップロール128によって給紙トレイ126から搬出されて、ドライブロール130、フィードロール132によって搬送され、プラテン134上を通過して、イグジットロール136によって、インクジェット記録装置102の前面の排紙トレイ138に排出される。なお、プラテン134上の記録紙Pの搬送方向を副走査方向Sとする。
図3に示すように、キャリッジ114は、キャリッジ走査機構15で主走査方向Mに往復運動する。キャリッジ走査機構15は、記録紙Pの搬送方向(副走査方向S)と直交する方向(主走査方向M)を軸方向とするキャリッジシャフト28、キャリッジモータ20、キャリッジベルト22とから構成している。そして、キャリッジ114は、キャリッジシャフト28に通され、キャリッジモータ20によりキャリッジベルト22を介して主走査方向Mに往復運動する。
なお、インクジェット記録ヘッド112は、ノズル10が形成されたノズル面10A(図8、図5参照)が記録紙Pと対向するように、また、ノズル10の列(図8、図11参照)が副走査方向Sに沿うように、キャリッジ114上に搭載されている。
そして、キャリッジ114が記録紙Pの動きに同期してプラテン134の上方を主走査方向Mに移動しながら、インクジェット記録ヘッド112のノズル10から記録紙Pにインク滴を吐出することによって、一定のバンド領域BEに対して画像の記録を行う。主走査方向Mへの1回の移動が終了すると、記録紙Pが副走査方向Sに搬送され、再びキャリッジ114を主走査方向Mに移動させながら次のバンド領域BEを記録する。こうした動作(往復運動)を複数回繰り返すことにより、記録紙Pの全面にわたって画像の記録を行うことができる。
インクジェット記録装置102には、キャリッジ114が走査するときに位置を検知す
るために、光学式リニアエンコーダシステム30が搭載されている。
図4に示すように、光学式リニアエンコーダシステム30は、主走査方向Mに沿って設けられたエンコーダスケール32と、キャリッジ114に搭載された光学式センサー34とで構成されている。
エンコーダスケール32は、光を透過する透過部50と透過しない非透過部52とが交互に側面32Aに形成され、その間隔は約1/150インチ(約1.8mm)となっている。
光学式センサー34は、図4(B)に示すように、エンコーダスケール32の側面32Aを挟むようにコの字形状をしている。また、光学式センサー34は、エンコーダスケール32の側面32Aを挟んで、一方にセンサー光Lを出射するLED56を、他方にセンサー光Lを受光する受光素子58を、備えている。
光学式リニアエンコーダシステム30では以下のように、キャリッジ114の位置を検知する。
図3に示すようにキャリッジ114と一体となって光学式センサー34が走査する。光学式センサー34がエンコーダスケール32の透過部50に位置するとセンサー光Lが透過し受光素子38が受光し、非透過部52に位置するとセンサー光Lが透過しないので受光素子38は受光しない。このようにエンコーダスケール32の透過部50と非透過部52との間隔で、受光素子38が受光と非受光とを繰り返すことで、図4(イ)に示すような2相クロックを生成する。そして、この2相クロックから図4(ロ)に示すようなフェンス信号をつくりだす。そして、このフェンス信号が中央制御部150(図1参照)に送られ、中央制御部150が、キャリッジ114の位置検知を検知し、キャリッジモータ20(図3参照)の制御、インク滴の吐出タイミング制御等を行う。
なお、キャリッジ114の絶対位置(図3参照)は、キャリッジ114がコントロールパネル124側(図1参照)のフレーム(図示省略)に衝突した場所を基準としている。
図1、図3に示すように、インクジェット記録装置102の左側(待機位置Tと反対側)に、キャリッジ114の走査領域内で、かつ記録紙Pの搬送経路外に、インク滴検知機構200が配設されている。
図8にも示すように、インク滴検知機構200は、四角柱形状で上下が開口した枠体202を備えている。なお、上下の開口は、各インクジェット記録ヘッド112が枠体の上方に位置すると、いずれのノズル10から吐出したインク滴Qでも、枠体202内を通過可能に形成されていている。(図10参照)。
枠体202の四つの側面には、主走査方向Mに対して同一ラインに1対の同形状のスリット202Aと、副走査方向Sに対して同一ラインに1対の同形状のスリット202Bと、が形成されている。なお、スリット202A、202Bはインク滴の吐出方向(本実施形態では上下)に長く形成されている。また、スリット202A、202Bインク滴の吐出方向と直交する方向の幅はノズル10の間隔と略同一幅となっている。
図9にも示すように、1対のスリット202A、202Bの一方の外側に、センサー光K1、K2を出射する発光LED204、205、他方の外側にセンサー光K1、K2を受光する受光素子206、207が枠体202に取り付けられている。
このような構成のため、発光LED204、205が出射するセンサー光K1、K2を受光素子206、207が受光できる範囲はスリット202A、202Bの範囲のみとなる。つまり、受光素子206、207が受光できる範囲は、ノズル10の間隔と略同一幅の範囲となる。
なお、本実施形態では、スリット202A、202Bは1対となって形成されているが、発光LED204、205側、あるいは、受光素子206、207側のいずれか一方のみスリットが形成されていても良い。
図8に示すように、枠体202のノズル面10Aと反対側(本実施形態では下方)に、インク回収部201が配設されている。換言すると、ノズル面10Aとインク回収部201との間にインク滴検知機構200が配設されている。
インク回収部201は、上面が開口した箱体210とこの箱体210の内側に充填されているインク吸収体212とから構成されている。なお、上方から見ると、箱体210の上面の開口は枠体202の上下の開口より大きく形成されている。よって、ノズル10から吐出されたインク滴Qは、インク滴検知機構200の枠体202を通過した後、インク吸収体212に確実に吸収される。(図10参照)。
つぎに、第1実施形態に係るインクジェット記録装置102の作用について説明する。
図3に示すように、キャリッジ114が記録紙Pの動きに同期してプラテン134上を主走査方向Mに移動しながら、インクジェット記録ヘッド112のノズル10から記録紙Pにインク滴を吐出することによって、一定のバンド領域BEに対して画像の記録を行う。主走査方向Mへの1回の移動が終了すると、記録紙Pが副走査方向Sに搬送され、再びキャリッジ114を主走査方向Mに移動させながら次のバンド領域BEを記録する。こうした動作(往復運動)を複数回繰り返すことにより、記録紙Pの全面にわたって画像の記録を行うことができる。
さて、図7に示すように、各色の4つのインクジェット記録ヘッド112は、キャリッジ114に搭載されているが、寸法公差や着脱可能(図6参照)とするための遊び等のため、各インクジェット記録ヘッド112はキャリッジ114に高精度に位置決めされて搭載されていない。つまり、各インクジェット記録ヘッド112の搭載位置には位置ズレが生じている。そして、この位置ズレによって、インク滴の記録紙Pの着弾位置がズレ、いわゆる、色ズレが発生する。
このため、インクジェット記録装置102は、下記に説明する方法で各インクジェット記録ヘッド112のキャリッジ114の搭載位置の位置ズレを検出し、この検出結果を基に中央制御部150(図1参照)がインク滴の吐出タイミングを調整し、記録紙Pへの着弾位置を補正し、色ズレを補正している。
以下に、その各インクジェット記録ヘッド112のキャリッジ114の搭載位置の位置ズレの検出方法を説明する。
図11は、各インクジェット記録ヘッド112Y、112M、112C、1112Kがキャリッジ114に位置がズレて搭載されている状態を模式的に示した図である。
具体的には、インクジェット記録ヘッド112Cが副走査方向Sに沿って、位置ズレSS1(ノズル10、2個分相当)が発生している。また、インクジェット記録ヘッド112Kが主走査方向Mに沿って、位置ズレMM1が発生している。更に、インクジェット記録ヘッド112Kは、主走査方向Mに対して、位置ズレMM2だけ傾いている。
まず、副走査方向Sのインクジェット記録ヘッド112Cの位置ズレSS1の検出方法について説明する。
<ステップ1>
図10(A)に示すように、インクジェット記録ヘッド112Kをインク滴検知機構200上に移動し、一方の端のノズル10Xから他方の端のノズル10Y(図11参照)まで順番にインク滴Qを吐出する。なお、判りやすくするため、図10にはキャリッジ114は省略して図示している。
<ステップ2>
インク滴Qがスリット202Bを通過し、発光LED205から出射したセンサー光K1(図9参照)を遮ると受光素子207が非受光となり、インク滴Qを検出する。そして、検出されたノズル番号、すなわち一方の端から何番目のノズル10であるかを確定する。
なお、スリット207の幅が非常に狭く形成されると、ノズル10間の中間に位置した場合、いずれのインク滴Qもセンサー光K1を遮らない場合が考えられる。しかし、スリット207の幅は、ノズル10の間隔の幅と略同一であるので、スリット207がノズル10間の中間に位置しても、インク滴Qは必ずセンサー光K1を遮る。つまり、受光素子207は必ずインク滴Qを検出できる。
上記、<ステップ1>と<ステップ2>とをその他の各インクジェット記録ヘッド112Y、112M、112Cにもそれぞれ行う。
そして、各インクジェット記録ヘッド112毎に検出されたノズル番号を各インクジェット記録ヘッド112間で比較し、副走査方向Sの各インクジェット記録ヘッド112の相対位置を確定する。
本実施形態では、インクジェット記録ヘッド112Y、112M、112Kはn番目のノズル10が検出されたが、インクジェット記録ヘッド112Cは、n+2番目のノズル10が検出された。したがって、図11に示すように、インクジェット記録ヘッド112Cに対し、副走査方向Sの位置ズレSS1(ノズル10が、2個分相当)が検出される。
なお、光学式リニアエンコーダシステム30でキャリッジ114の位置を検知できるので、各々のインクジェット記録ヘッド112をインク滴検知機構200上に正確に移動可能となっている。
次に、主走査方向Mの各インクジェット記録ヘッド112の位置ズレの検出方法について説明する
<ステップ1>
図10(B)に示すように、インクジェット記録ヘッド112Kの一方の端のノズル10X(図11参照)からインク滴Qを一定間隔で吐出しながら、インク滴検知機構200上を通過させる。なお、このとき光学式リニアエンコーダシステム30でキャリッジ114の位置を測定しながら通過させる。
<ステップ2>
インク滴Qがスリット202Aを通過し、発光LED204から出射したセンサー光K2を遮ると受光素子206が非受光となる。そして、その非受光になったときの信号と光学式リニアエンコーダシステム30からの検知結果とで、インク滴Qを吐出したノズル10Xの位置を確定する。なお、インク滴Qの吐出間隔とキャリッジ114の走査速度であるが、スリット202Bを通過するセンサー光K2をインク滴Qが必ず遮るように調整されている。
<ステップ3>
インクジェット記録ヘッド112Kの他方の端のノズル10Y(図11参照)からインク滴Qを一定間隔で吐出しながら、<ステップ2>と同様にインク滴Qを吐出したノズル10Yの位置を確定する。
上記、<ステップ1>から<ステップ3>をその他のインクジェット記録ヘッド112Y、112M、112Cにもそれぞれに行う。
そして、各インクジェット記録ヘッド112毎に検出されたノズル10X、10Yの位置から副走査方向Sに対する各インクジェット記録ヘッド112の傾きと、各インクジェット記録ヘッド112間の主走査方向Mの相対位置を確定する。
本実施形態では、インクジェット記録ヘッド112Y、112M、112Cは、ノズル10Xと10Yとの位置の差がないので傾いていないが、インクジェット記録ヘッド112Kは位置ズレMM2だけ傾いている。
また、インクジェット記録ヘッド112Yとインクジェット記録ヘッド112M、インクジェット記録ヘッド112Mとインクジェット記録ヘッド112Cとは、等間隔LMであるが、インクジェット記録ヘッド112Cとインクジェット記録ヘッド112Kの間隔はLM+MM1でありインクジェット記録ヘッド112Kは位置ズレMM1となっている。
なお、インクジェット記録ヘッド112Kは位置ズレMM2傾いているので、インクジェット記録ヘッド112Cとの間隔は、インクジェット記録ヘッド112Kの中心(MM2/2)からとしている。
このようにして、図11に示す各インクジェット記録ヘッド112Y、112M、112C、112Kの位置ズレSS1、MM1、MM2が検出される。
そして、この位置ズレSS1、MM1、MM2に基づいて、中央制御部150(図1参照)がインク滴Qの吐出タイミングを調整し、記録紙Pへの着弾位置を補正し、色ズレを補正する。
なお、ノズル10から吐出されたインク滴Qは、枠体202を通過した後、インク吸収体212に吸収される。つまり、ノズル10から吐出したインク滴Qは、どこにも接触することなくインク吸収体212に吸収され回収される。したがって、各インクジェット記録ヘッド112の搭載位置の検出動作によって、インク滴検知機構200がインクで汚れることはない。また、インク滴検知機構200、例えば、発光LED204、206や受光素子205、207をクリーニングするクリーニング機構も必要ない。
このように、インクで汚れることなく、各インクジェット記録ヘッド112の搭載位置の主走査方向M、副走査方向S、及び傾きに関する位置ズレを、簡単で安価な機構で検出できる。
さて、インクジェット記録ヘッド112は、例えば、ノズル10でのインクの固化やゴミ詰まり、あるいは、インクジェット記録ヘッド112内部への気泡侵入などが原因で、ノズル10からインク滴が吐出しない不吐出が発生する。そして、不吐出が発生すると、メンテナンスユニット116(図1参照)で不吐出を回復するメンテンナンスを行う必要がある。
しかし、ユーザーが印字された画像を見て不吐出を判断し、メンテナンスを行うようにコントロールパネル124(図1参照)を操作する必要がある。あるいは、不吐出を回復するメンテナンスを自動的に行うには、不吐出を自動的に検出する吐出検査機構を別途備える必要がある。
しかし、本実施形態のインクジェット記録装置102は、インク滴検知機構200を吐出検査にも用いている。
よって、ユーザーが印字された画像を見て判断したり、あるいは、別途、吐出検査機構を設けることなく、インクジェット記録ヘッド112の吐出検査を行い、その結果を基に自動的に不吐出を回復するメンテナンスを行える。
つぎに、本発明に係るインクジェット記録装置の第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態で説明した部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図12に示すように、第1実施形態のインクジェット記録装置102のインク滴検知機構200の枠体202では、スリット202A、202Bはインク滴Qの吐出方向に対して同方向に長く形成されていた。これに対し、図13に示すように、第2実施形態のインクジェット記録装置103は、インク滴検知機構300の枠体302にインク滴の吐出方向に対して斜めにスリット302A、302Bが形成されている。なお、図13(a)に示すように、斜めの角度や形状は1対のスリット302A、302Bで同じになっている。なお、スリット302A、302Bは1対となって形成されているが、発光LED204、205側、あるいは、受光素子206、207側のいずれか一方のみスリットが形成されていても良い。
つぎに、第2実施形態に係るインクジェット記録装置103の作用について説明する。
さて、図12(a)に示すように、第1実施形態の形状のスリット202A、202Bでは、図12(b)上図に示すように、インク滴Qがスリット202A、202Bの範囲内で通過したときは、図12(b)下図に示すような出力波形となる。しかし、図12(c)上図に示すように、インク滴Qがスリット202A、202Bから一部がハミ出して通過したときは、図12下図に示すような出力波形となる。
つまり、図12(b)、(c)の違いは、出力電圧の差となって表れる。しかし、出力電圧の違いでは、図12(c)で示しているように、インク滴Qがスリット202A、202Bの図に向かって左側にハミ出た場合と、図示しないが右側にハミ出た場合の差は判らない。
また、図示しないが、スリット202A、202Bからインク滴Qがハミ出していなくても(スリット202A、202B内を通過しても)、スリット202A、スリット202Bの中央付近、右端付近、左端付近のいずれを通過しても、その差を検出することはできない。
すなわち、インク滴検知機構200の分解能は、スリット202A、202Bの幅で決まってしまう。
なお、副走査方向Sの位置ズレは、ノズル10の間隔単位の分解能でしか測定できない。また、主走査方向Mの位置ズレと傾きの分解能は、インク滴Qの吐出間隔とキャリッジ14の走査速度とで決まる。
また、吐出されるインク滴Qのバラツキで小滴化するとインク滴検知機構200から出力される出力電圧の違いとなって表れる(小滴化すると出力電圧が低下する)。しかし、上述したように、インク滴Qがスリット202A、202Bから一部がハミ出して通過したときも出力電圧が変化するため、どちらで変化したのか区別がつかない。
これに対し、第2実施形態のインクジェット記録装置103のインク滴検知機構300の枠体302では、図13(a)に示すように、インク滴の吐出方向に対して斜めにスリット302A、302Bは形成されている。よって、図13(b)、(c)、(d)に示すように、インク滴Qがノズル10から吐出されてからのスリット302A、302Bを通過するまでの時間U1、U2、U3が信号出力時間として検出できる。よって、スリット202A、202Bのどの位置、具体的には、図13に示すように、スリット302A、302Bに対し、(b)左端付近、(c)中央部、(d)右端付近のいずれをインク滴Qが通過したかを検知することができる。よって、ノズル10の位置を検出できる分解能が向上する。つまり、副走査方向Sの位置ズレは、ノズル10の間隔以下の分解能で検出できる。また、主走査方向Mの位置ズレと傾きは、インク滴Qの吐出間隔とキャリッジ114の走査速度によらずに高分解能で検出できる。
また、図示しないが、インク滴Qがスリット302A、302Bから一部がハミ出して通過すると出力電圧が低下する。しかし、信号出力時間でインク滴の位置を検出できるので、インク滴のバラツキで小滴化して出力電圧が低下(変化)しても、分解能には影響を与えない。
尚、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、副走査方向Mの位置ズレ、及び副走査方向Mの位置ズレと傾きとは、各インクジェット記録ヘッド112からインク滴Qを一定間隔でノズル10から吐出しながら、キャリッジ114を走査したが、以下のようにしても良い。
枠体202上にインクジェット記録ヘッド112を移動して止まる。ノズル10X、10Yからインク滴Qを吐出する。そして、所定のピッチだけ副走査方向Mに移動して止まり、インク滴Qをノズル10X、10Yから吐出する。そしてまた、所定のピッチだけ副走査方向Mに移動して止まり、インク滴Qを吐出する。つまり、所定のピッチだけ副走査方向Mに移動して止まってのインク滴Q吐出を繰り返す。そして、インク滴Qがレーザー光K2を遮りインク滴Qを検知したときのノズル10X、10Yの位置を検出する。
つまり、各インクジェット記録ヘッド112毎に所定のピッチ毎に移動して止まってインク滴Qを吐出し、インク滴Qを検知しノズル10X、10Yの位置を検出することで、各インクジェット記録ヘッド112の副走査方向Mの位置ズレと傾きとを検出する。
なお、この場合、第1実施形態での副走査方向Mの分解能は所定のピッチとなる。
また、例えば、上記実施形態ではインクジェット記録ヘッド112がインク滴検知機構200、300上に移動したが、これに限定されない。インク滴検知機構200、300をインクジェット記録ヘッド112の下方に移動及び下方を走査する構成であっても良い。具体的には、キャリッジ114を走査するキャリッジ走査機構15とキャリッジ114の位置を検知する光学式リニアエンコーダシステム30と同様の機構やシステムを、インク滴検知機構200、300に適用すれば良い。
また、例えば、図9に示すように、主走査方向Mと副走査方向Sとに、それぞれ一対の発光LED204、205と受光素子206、207を設けているが、これに限定されない。例えば、主走査方向Mと副走査方向Sのいずれか一方のみ測定すれば良い場合は、どちらか1つ対の、例えば、発光LED204と受光素子206のみであっても良い。
なお、このように主走査方向Mと副走査方向Sどちから一方のみ測定可能な構成あっても、他方向を検知するときには、インク滴検知機構を90度回転させることで、両方向とも検知できる。例えば、主走査方向Mの位置ズレを検知した後、インク滴検知機構を90度回転させ、副走査方向Sを検知すれば良い。
また、例えば、検知範囲限定手段もスリット202A、202B、302A、302Bに限定されない。例えば、光学レンズで検知範囲を限定する方法を用いても良い。
また、例えば、インク検知手段は発光LED204、205と受光素子206、207とでなくても良い。インク滴を非接触で検知しインク滴を吐出したノズルの位置を検出できれば良い。例えば、超音波センサ、レーザーセンサ、磁気センサなどであっても良い。また、透過型でなく反射型のセンサーであっても良い。また、検知範囲限定手段は、それぞれの検知手段に応じた方法で実現すれば良い。
また、例えば、本実施形態のインクジェット記録ヘッド112は、図11に示すように、副走査方向Sに沿って一列であったが、複数列であっても良い。あるいは、列方向も副走査方向Sに対して角度を持って斜めに配列されていても良い。また、インクジェット記録ヘッド112も、例えば、副走査方向Sに対して斜めにキャリッジに搭載されていても良い。
また、例えば、インク回収手段は、上記実施形態では、上面が開口した箱体210とこの箱体210の内側に充填されているインク吸収体212とからなるインク回収部201であったが、これに限定されない。例えば、インク滴をダクトから吸引する方法でも良い。
また、例えば、インクジェット記録ヘッド112のインク滴Qの吐出方向は垂直方向であったが、これに限定されない。例えば、斜めであっても良いし、従来例として示した[特開平05−270013]の図1に記載されているように水平方向であっても良い。そして、吐出方向に応じて、インク滴検知機構200、300を配設すれば良い。
本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の断面を模式的に示す図である 本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の要部を示す図である。 (A)は光学式リニアエンコーダシステムの要部を模式的に示す図であり、(B)は(A)のB−B断面の断面図であり、(C)は(A)の部分拡大図であり、(イ)は2相クロックを示す図であり、(ロ)はフェンス信号を示す図である。 インクジェット記録ヘッドを示す斜視図である。 インクジェット記録ヘッドをキャリッジに搭載する過程を示す図である。 インクジェット記録ヘッドがキャリッジに搭載された状態を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の要部を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置のインク滴検知機構を模式的に示す上面図である。 本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置のインク滴検知機構を模式的に示し、(A)は図9の矢印A方向から見た側面図、(B)は図9の矢印B方向から見た側面図である。 各インクジェット記録ヘッドがキャリッジに位置がズレて搭載されている状態を模式的に示した図である。 (a)は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置のインク滴検知機構を模式的に示している。(b)の上図は、スリット内にインク滴が通過する様子を模式的に示し、(b)の下図は、そのときの出力波形を示している。(c)の上図は、スリット外にインク滴が1部ハミ出して通過する様子を模式的に示し、(c)の下図は、そのときの出力波形を示している。 (a)は、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置のインク滴検知機構を模式的に示している。(b)の上図は、スリットの左端部にインク滴が通過する様子を模式的に示し、(b)の下図は、そのときの出力波形を示している。(c)の上図は、スリットの中央部にインク滴が通過する様子を模式的に示し、(c)の下図は、そのときの出力波形を示している。(d)の上図は、スリットの右端部にインク滴が通過する様子を模式的に示し、(d)の下図は、そのときの出力波形を示している。 (A)は従来のインク滴検知機構を模式的に示す斜視図であり、(B)は(A)を下方から見た図である。 従来のインク滴検知機構を模式的に示す図である。 従来のインク滴検知機構の遮蔽板の端部にインク滴が当たり、飛び散る様子を(A)から(B)へと模式的に示す図である。
符号の説明
10 ノズル
15 キャリッジ走査機構
30 光学式リニアエンコーダーシステム(キャリッジ位置検知手段)
112 インクジェット記録ヘッド
104 キャリッジ
150 中央制御部(補正手段)
201 インク回収部(回収手段)
204 発光LED
205 発光LED
206 受光素子
207 受光素子
202A スリット
202B スリット
302A スリット
302B スリット
P 記録紙(記録媒体)
Q インク滴

Claims (9)

  1. 搬送される記録媒体に対してノズルからインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッドと、
    複数の前記インクジェット記録ヘッドを搭載するキャリッジと、
    前記キャリッジを前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に走査するキャリッジ走査機構と、
    各前記インクジェット記録ヘッドの前記キャリアの搭載位置の位置ズレを検出する記録ヘッド位置検出手段と、
    前記記録ヘッド位置検出手段による検出結果に基づいて、インク滴の前記記録媒体の着弾位置の着弾ズレを補正する補正手段と、
    を備えるインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッド位置検出手段は、
    前記ノズルから吐出されたインク滴を回収する回収手段と、
    前記ノズルと前記回収手段との間に設けられ、前記ノズルから吐出された飛翔中のインク滴を非接触で検知するインク滴検知手段と、
    で構成されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記キャリッジの位置を検知するキャリッジ位置検知手段を備え、
    前記インク滴検知手段は、所定の検知空間を通過するインク滴を検知し、前記所定の検知空間は前記キャリッジの走査領域に設けることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記インク滴検知手段を前記キャリッジの走査領域を該キャリッジの走査方向に沿って走査する走査手段と、
    前記インク滴検知手段の位置を検知する走査位置検知手段と、
    を備え、
    前記インク滴検知手段は、所定の検知空間を通過するインク滴を検知することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記インク滴検知手段は、信号発信手段と信号受信手段とから構成され、前記信号発信手段と前記信号受信手段との間の検知空間をインク滴が通過し、信号を遮ることでインク滴を検知することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記インク滴検知手段は、インク滴の吐出方向と直交する方向に対して前記検知空間の検知範囲を限定する検知範囲限定手段を備えることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. インク滴の位置の違いが、インク滴が吐出され前記検知範囲を通過する時間の違いで測定可能に、該検知範囲が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インク滴検知手段は、発光LEDと受光素子とで構成され、
    前記発光LEDと前記受光素子との間の検知空間に、インク滴の吐出方向に沿ってスリットが設けられていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記スリットは、インク滴の吐出方向に対し長手方向が斜めに設けられていることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記記録ヘッド位置検出手段は、前記インクジェット記録ヘッドの吐出検査にも用いることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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