JP3750465B2 - 開口を通過させた光束を使用して行う不動作ノズルの検出 - Google Patents

開口を通過させた光束を使用して行う不動作ノズルの検出 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のノズルからインク滴をそれぞれ吐出して印刷媒体の表面にドットを記録する印刷装置のノズルの検査技術に関し、特に、各ノズルからのインク滴の吐出の有無を検査し、不動作ノズルを検出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、複数のノズルからインク滴を吐出して画像の印刷を行う。インクジェットプリンタの印刷ヘッドには、多数のノズルが設けられているが、インクの粘度の増加や気泡の混入等の原因によって、いくつかのノズルが目詰まりしてインク滴を吐出できない場合がある。ノズルが目詰まりすると画像内にドットの抜けが生じ、画質を劣化させる原因となる。なお、本明細書においては、ノズルの検査を「ドット抜け検査」とも呼ぶ。
【0003】
インクジェットプリンタのノズルの検査方法については複数種類のものが存在するが、その中のひとつに光を用いた検査法がある。この方法は、発光素子から受光素子に向けて光を射出し、印刷ヘッドの各ノズルから順にその光に向けてインク滴を吐出させて、各ノズルのインク滴が実際に光を遮るか否かで、ノズルが動作しているか否かを判定するものである。この検査においては、光をレンズで収束させて用いていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
インク滴の吐出検査においては、印刷ヘッド上に設けられたノズル列に含まれる各ノズルについて検査をする必要がある。したがって検査対象であるノズルは、印刷ヘッド上において少しずつ異なる位置に設けられている。一方、光はレンズによって収束されているため、光束の太さは光路上の一点において極小となり、そこから離れるにつれて太くなる。このため、最も光束の太さが細くなっている場所(ビームウェスト)の近傍で検査されるノズルと、印刷ヘッド上の位置の都合でビームウェストから遠い場所で検査されるノズルとでは、検査条件が大きく異なっていた。
【0005】
なお、この問題を解決する手段として、特開平10−119307号公報において、光路上のビームウェストの位置をずらした2本の平行なレーザ光を用いる技術が開示されている。これは、それぞれのレーザ光には、一定の検査条件を満たしてインク滴の吐出検査を実行できる範囲についてのみ、ノズルの検査を担当させることとして、検査対象の複数のノズルを二つのレーザ光で分担させて検査を実行する、というものである。その結果、一つのレーザ光で検査する場合に比べて、各ノズルの検査条件を均一に近づけることができる。しかし、この技術は、上述したレーザ光の光軸方向についての検査条件の変化の問題を、本質的に解決するものではない。
【0006】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、不動作ノズルの検出の精度を高める技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、以下のような印刷装置を対象として後述する不動作ノズルの検出を行う。すなわち、対象とするのは、複数のノズルからインク滴を吐出することによって印刷を行う印刷装置であって、複数のノズルを有する印刷ヘッドと、光を射出する発光部とその光を受ける受光部とを有し光がノズルから吐出されるインク滴によって遮られるか否かに応じて当該ノズルの動作を確認する検査部と、を備える印刷装置である。そして、検査部は、さらに、発光部が射出する光の進行方向に、光を収束する第1の集光部と、光の照射範囲よりも開口面積が狭い収束用開口を光の照射範囲内に有する遮光部と、を有する。また、光の受光部に至る光路のうちの集光部と遮光部よりも下流の部分が、印刷ヘッドの複数のノズルから吐出されるインク滴の吐出経路と交差するよう、遮光部と受光部とが印刷ヘッドに対して配置されている。
【0008】
そして、本発明は、そのような印刷装置において、まず、光を射出する発光部からの光を、収束させ、および、光の照射範囲より狭い収束用開口を介して取り出し、収束されかつ取り出された光が受光部に至る光路が、ノズルから吐出されるインク滴の行路に交差するよう配置した上で、発光部を駆動して、光を射出する。そして、ノズルを駆動して、収束用開口から受光部に至るまでの間の光路のうち、所定値以上の光の強度を有する空間であるインク滴検知空間に向けて、インク滴を吐出させる。その後、受光部が受光した光が吐出されたインク滴によって遮られたか否かを検出して不動作ノズルを検出する。
【0009】
このような態様とすれば、収束用開口を使ってインク滴を検出する光束の太さを細くすることができる。そして、同時に、光が収束する角度が狭く(小さく)なるため、光束が最も細くなる部分の太さを太くすることができる。すなわち、光束の太さを光軸方向についてより均一に近いものとすることができる。よって、光束の光軸方向の検査条件の差異を小さくすることができ、より正確なインク滴吐出検査を行うことができる。
【0010】
なお、遮光部は、第1の集光部によって収束された光の進行方向に設けられていることが好ましい。インク滴の吐出検査の際には、微小なインク滴が飛散することがあるが、このような態様とすれば、飛散したインク滴は遮光部に遮られるため、集光部が汚れにくい。なお、第1の集光部が、遮光部の収束用開口によって収束された光の進行方向に設けられる態様とすることもできる。
【0011】
なお、印刷装置の検査部には、以下のようなインクミスト遮蔽部を設けることが好ましい。すなわち、第1の集光部および遮光部の収束用開口を通過した光の進行方向に少なくとも設けられ、ノズルが光路に向けてインク滴を吐出する領域と、発光部、第1の集光部および遮光部が設けられている領域とを遮断する部材であって、光の少なくとも一部が通過できる第1の開口を有する第1のインクミスト遮蔽部である。
【0012】
このような態様とすれば、ノズルからインク滴を吐出する際に生じるインクミストが発光部や集光部などに付着するのを、第1のインクミスト遮蔽部によって防ぐことができる。よって、長期にわたって検査部を使用しても発光部や第1の集光部などの性能が低下しにくく、安定した精度でインク滴の吐出検査をすることができる。
【0013】
なお、第1のインクミスト遮蔽部は複数設けることが好ましい。第1のインクミスト遮蔽部の第1の開口は、インクミストの進入を減らすためにはできるだけ小さいことが望ましいが、一方で、光の通過に十分なだけの径を有している必要がある。このため、開口は所定の大きさよりも小さくすることはできない。しかし、上記のような態様とすれば、直進性に優れた光が通過するには十分なだけ第1の開口の大きさを確保しながら、同時に、気流に乗って運ばれるインクミストについては、複数の第1のインクミスト遮蔽部の間に落下させたり、第1のインクミスト遮蔽部の間の構造物に付着させたりして、発光部や第1の集光部などに到達するのを防ぐことができる。
【0014】
また、検査部は、さらに、第1の集光部および遮光部の収束用開口とを通過した光の進行方向に設けられ、所定の面積を有する受光領域を有し、該受光領域で受光した光を収束する第2の集光部を有することが好ましい。そして、光の第2の集光部に至る光路のうちの第1の集光部と遮光部よりも下流の部分が、印刷ヘッドの複数のノズルから吐出されるインク滴の吐出経路と交差するよう、第1の集光部、遮光部および第2の集光部が印刷ヘッドに対して配置されていることが好ましい。
【0015】
このような態様とすれば、アライメントのズレなどによって光の射出方向が想定した方向からずれていた場合にも、その照射位置が第2の集光部の受光領域からはずれていなければ、光束は第2の集光部によって収束され、屈折されて受光部に向けて照射されうる。よって、光の射出方向が想定した方向からずれた場合にも、受光部が受光し損なう可能性が低く、容易に検査機能を失ってしまうことがない。
【0016】
なお、検査部は、さらに、以下のような第2のインクミスト遮蔽部を有することが好ましい。すなわち、第1の集光部および遮光部の収束用開口を通過した光の進行方向に少なくとも設けられ、ノズルが光路に向けてインク滴を吐出する領域と、受光部および第2の集光部が設けられている領域とを遮断する部材であって、光の少なくとも一部が通過できる第2の開口を有する第2のインクミスト遮蔽部である。
【0017】
このような態様とすれば、第2のインクミスト遮蔽部によって、インクミストが受光部や第2の集光部などに付着するのを防ぐことができる。よって、長期にわたって使用しても受光部や第2の集光部などの性能が低下しにくく、安定した精度でインク滴の吐出検査をすることができる。
【0018】
また、第2のインクミスト遮蔽部は複数設けることが好ましい。そのような態様とすれば、第1のインクミスト遮蔽部を複数設けた場合と同様、受光部や第2の集光部などにインクミストが到達するのを効果的に防ぐことができる。
【0019】
なお、本発明は、以下に示すような種々の態様で実現することが可能である。
(1)印刷装置または印刷制御装置。
(2)印刷方法または印刷制御方法。
(3)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラム。
(4)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラム
を記録した記録媒体。
(5)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラムを含み
搬送波内に具現化されたデータ信号。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を次のように分けて順次説明する。
A.第1実施例:
A−1.装置全体の構成:
A−2.ドット抜け検査部の構成:
A−3.ドット抜け検査の方法:
A−4.第1実施例の効果:
A−5.第1実施例の変形例:
B.第2実施例:
B−1.装置の構成:
B−2.第2実施例の効果:
B−3.第2実施例の変形例:
C.第3実施例:
C−1.装置の構成:
C−2.第3実施例の効果:
D.第4実施例:
D−1.装置の構成:
D−2.第4実施例の効果:
D−3.第4実施例の変形例:
【0021】
A.第1実施例:
A−1.装置全体の構成:
図1は、本発明の一実施例としてのカラーインクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図である。このプリンタ20は、用紙スタッカ22と、図示しないステップモータで駆動される紙送りローラ24と、プラテン板26と、キャリッジ28と、ステップモータ30と、ステップモータ30によって駆動される牽引ベルト32と、キャリッジ28のためのガイドレール34とを備えている。キャリッジ28には、多数のノズルを備えた印刷ヘッド36が搭載されている。
【0022】
印刷用紙Pは、用紙スタッカ22から紙送りローラ24によって巻き取られて、プラテン板26の表面上を一方向に搬送される。この方向を「副走査方向」と呼ぶ。キャリッジ28は、ステップモータ30により駆動される牽引ベルト32に牽引されて、ガイドレール34に沿って副走査方向に垂直な方向に移動する。この副走査方向に垂直な方向を「主走査方向」と呼ぶ。なお、印刷ヘッド36による印刷は、この主走査においてプラテン板26上の印刷用紙Pに対して行われる。この印刷が行われるプラテン板26上の領域を「印刷領域」と呼ぶ。
【0023】
印刷領域の外側(図1において右側)には、ドット抜け検査部40とクリーニング機構200が設けられている。なお、図1においては、クリーニング機構200はヘッドキャップ210のみ示し、他の構成は省略している。印刷ヘッド36がガイドレール34に沿って主走査方向に移動する行路のうち、このドット抜け検査部40とヘッドキャップ210が設けられている領域を、上記「印刷領域」に対して「調整領域」とよぶ。
【0024】
ドット抜け検査部40は、2本のガイドレール34と向かい合うように設けられた廃インク受け46を有する。この廃インク受け46は、インク滴の吐出検査の際に印刷ヘッド36から吐出されるインク滴を受けるものである。また、ドット抜け検査部40は、発光部40aと受光部40bを有する。この発光部40aと受光部40bは、廃インク受け46を挟んで向かい合うように設けられている。発光部40aはレーザ光を射出し、受光部40bは、そのレーザ光を受光する。受光部40bは、受光する光量に応じてその出力を変える装置であればよく、例えば、フォトダイオードとすることができる。この発光部40aが射出し受光部40bが受光するレーザ光は、副走査方向に対して約26度の角度をなして、2本のガイドレール34と廃インク受け46の間の空間を横切る。このレーザ光を使って廃インク受け46上の領域でインク滴の吐出検査を行うことから、ガイドレール34に沿った印刷ヘッド36の主走査方向の移動範囲のうち、この廃インク受け46上の領域を「検査領域」とよぶ。なお、ドット抜け検査部40の詳細な構成およびドット抜け検査の方法については、後述する。また、図1においては、ドット抜け検査部40の他の構成要素については、図示が省略されている。
【0025】
ヘッドキャップ210は、機密性のあるキャップであり、印刷をしないときに印刷ヘッド36に被せてノズル内のインクの乾燥を防止するものである。また、ノズルが詰まった場合にも印刷ヘッド36にヘッドキャップ210を被せて、クリーニングを実行する。なお、このヘッドキャップ210上の領域でノズルクリーニングを行うことから、ガイドレール34に沿った印刷ヘッド36の主走査方向の移動範囲のうち、このヘッドキャップ210上の領域を「クリーニング領域」とよぶ。
【0026】
図2は、プリンタ20の電気的な構成を示すブロック図である。プリンタ20は、ホストコンピュータ100から供給された信号を受信する受信バッファメモリ50と、印刷データを格納するイメージバッファ52と、プリンタ20全体の動作を制御するシステムコントローラ54と、メインメモリ56と、を備えている。システムコントローラ54には、キャリッジモータ30を駆動する主走査駆動ドライバ61と、紙送りモータ31を駆動する副走査駆動ドライバ62と、ドット抜け検査部40を駆動する検査部ドライバ63と、印刷ヘッド36を駆動するヘッド駆動ドライバ66とが接続されている。
【0027】
ホストコンピュータ100のプリンタドライバ(図示せず)は、ユーザの指定した印刷モード(高速印刷モード、高画質印刷モード等)に基づいて、印刷動作を規定する各種のパラメータ値を決定する。このプリンタドライバは、さらに、これらのパラメータ値に基づいて、その印刷モードで印刷を行うための印刷データを生成して、プリンタ20に転送する。転送された印刷データは、一旦、受信バッファメモリ50に蓄えられる。プリンタ20内では、システムコントローラ54が、受信バッファメモリ50から印刷データの中から必要な情報を読取り、これに基づいて、各ドライバに対して制御信号を送る。
【0028】
イメージバッファ52には、受信バッファメモリ50で受信された印刷データを色成分毎に分解して得られた複数の色成分の印刷データが格納される。ヘッド駆動ドライバ66は、システムコントローラ54からの制御信号に従って、イメージバッファ52から各色成分の印刷データを読出し、これに応じて印刷ヘッド36に設けられた各色のノズルアレイを駆動する。
【0029】
A−2.ドット抜け検査部の構成:
図3は、検査領域の近傍におけるプリンタの構成を示す平面図である。また、図4は、ドット抜け検査部40の主要な構成のみを示す側面図である。以下では、この図3及び図4にしたがってドット抜け検査部40の構成について詳細に説明する。
【0030】
ドット抜け検査部40においては、前述の通り、廃インク受け46を挟んで発光部40aと受光部40bが設けられている。そして、発光部40aが、副走査方向に対して約26度の角度をなすレーザ光を射出し、受光部40bがそれを受光する。図3に示すように、この発光部40aと受光部40bの間には、発光部40aが射出するレーザ光の進行方向に沿った順番で、レンズ41、遮光板43、第1のインクミスト遮蔽板45a,45b,45c,45d、廃インク受け46、第2のインクミスト遮蔽板49a,49b、レンズ47が、配されている。
【0031】
レンズ41(第1の集光部)は、発光部40aに対してレーザ光の進行方向の下流の位置に設けられている。このレンズ41は、発光部40aが射出するレーザ光を収束するものである。
【0032】
遮光板43は、レンズ41に対してレーザ光の進行方向の下流の位置に設けられている。この遮光板43には、図4に示すように、この遮光板43におけるレーザ光の照射範囲よりも小さい収束用開口43aが設けられている。そして、レーザ光のうち、光軸付近の一部のみがこの収束用開口43aを通過する。その結果、レーザ光の太さは細くなり、光軸方向についてより均一に近いものとなる。
【0033】
第1のインクミスト遮蔽板45a,45b,45cは、図3に示すように、遮光板43に対してレーザ光の進行方向の下流の位置に設けられている。これら3枚の第1のインクミスト遮蔽板45a,45b,45cは、いずれもレーザ光の光軸に対して垂直な壁であり、互いに所定の間隔をあけて設けられている。これら第1のインクミスト遮蔽板45a,45b,45cは、廃インク受け46上の印刷ヘッド36からインク滴が吐出される領域と、発光部40a、レンズ41および遮光板43との間を仕切っている。そして、これら第1のインクミスト遮蔽板45a,45b,45cには、レーザ光の照射位置に第1の開口45a1,45b1,45c1がそれぞれ設けられている。レーザ光は、この第1の開口45a1,45b1,45c1を通って廃インク受け46上の領域に向かう。
【0034】
廃インク受け46は、いずれも主走査方向MSに平行な壁である第1のインクミスト遮蔽板45dと第2のインクミスト遮蔽板49aに挟まれている。廃インク受け46に対して発光部40a側に設けられている第1のインクミスト遮蔽板45dは、第1のインクミスト遮蔽板45a,45b,45cと同様、廃インク受け46上のインク滴が吐出される領域と、発光部40a、レンズ41および遮光板43との間を仕切っている。そして、第1のインクミスト遮蔽板45dも、他の第1のインクミスト遮蔽板と同様に、レーザ光の照射位置に第1の開口45d1を有しており、レーザ光は、この第1の開口45d1を通って廃インク受け46上の領域に入射する。なお、本実施例においては、廃インク受け46上のインク滴が吐出される領域と、発光部40a、レンズ41および遮光板43との間を仕切っている部材を、統一して「第1のインクミスト遮蔽板」と呼ぶ。これらの第1のインクミスト遮蔽板45a,45b,45c,45dは、図3以外の図面においては図示を省略している。
【0035】
ドット抜け検査部40は、外周を覆う外周壁40vに覆われている。また、ドット抜け検査部40は、第1のインクミスト遮蔽板45dから副走査方向SSの下流側の部分の上部を、天井板で覆われている。上述の第1のインクミスト遮蔽板45a,45b,45c,45dは、この天井板および外周壁40vとともに、発光部40a、レンズ41および遮光板43を覆い、それらを廃インク受け46上のインクミストから遮蔽している。なお、この天井板は各図において図示を省略している。
【0036】
廃インク受け46の底部には、インク滴のはね防止のためのフェルトが敷かれている。この廃インク受け46上の領域においてインク滴の吐出検査が行われ、その際に吐出されるインク滴を、廃インク受け46が当該フェルトで受ける。
【0037】
廃インク受け46に対して受光部40b側に設けられている第2のインクミスト遮蔽板49aは、廃インク受け46上のインク滴が吐出される領域と、レンズ47および受光部40bとの間を仕切っている。そして、この第2のインクミスト遮蔽板49aには、レーザ光の照射位置に第2の開口49a1が設けられており、レーザ光は、この第2の開口49a1を通って廃インク受け46上の領域から受光部40b側の領域に入射する。
【0038】
第2のインクミスト遮蔽板49aに対して受光部40b側の領域には、レーザ光の進行方向に沿って、第2のインクミスト遮蔽板49b、レンズ47(第2の集光部)、受光部40bが配されている。第2のインクミスト遮蔽板49bは、レーザ光の光軸に垂直な壁である。この第2のインクミスト遮蔽板49bも、第2のインクミスト遮蔽板49aと同様に、廃インク受け46上のインク滴が吐出される領域と、レンズ47および受光部40bとの間を仕切っている。そして、第2のインクミスト遮蔽板49bも、レーザ光の照射位置には第2の開口49b1を有している。レーザ光は、この第2の開口49b1を通過してレンズ47に到達する。なお、本実施例においては、廃インク受け46上のインク滴が吐出される領域と、レンズ47および受光部40bとの間を仕切っている部材を、統一して「第2のインクミスト遮蔽板」と呼ぶ。また、これらの第2のインクミスト遮蔽板49a,49bは、図3以外の図面においては図示を省略している。
【0039】
ドット抜け検査部40は、第2のインクミスト遮蔽板49aから副走査方向SSの上流側の部分の上部を、天井板で覆われている。上述の第2のインクミスト遮蔽板49a,49bは、この天井板および外周壁40vとともにレンズ47および受光部40bを覆い、それらを廃インク受け46上のインクミストから遮蔽している。なお、この天井板は各図において図示を省略している。
【0040】
レンズ47は、所定の面積の受光領域を有するレンズである。このレンズ47は、第2のインクミスト遮蔽板49bに対してレーザ光の進行方向下流に配されており、第2のインクミスト遮蔽板49bの第2の開口49b1を通過したレーザ光を受けてこれを収束する。そして、収束されたレーザ光は、レンズ47に対してレーザ光の進行方向下流に配された、受光部40bで受光される。インク滴の吐出検査においては、この受光部40bで受光されるレーザ光の光量が低下したか否かによって、インク滴の吐出の有無が確認される。なお、インク滴の吐出検査の方法については、以下で詳述する。
【0041】
A−3.ドット抜け検査の方法:
(1)発光部40aおよび受光部40bとノズル列の関係:
図5は、ドット抜け検査部40の構成と、その検査方法の原理を示す説明図である。図5は、印刷ヘッド36を下面側から見た図であり、印刷ヘッド36の6色分のノズルアレイと、第1のドット抜け検査部40を構成する発光部40aおよび受光部40bが模式的に描かれている。
【0042】
印刷ヘッド36の下面には、ブラックインクを吐出するためのブラックインクノズル群Kと、濃シアンインクを吐出するための濃シアンインクノズル群Cと、淡シアンインクを吐出するための淡シアンインクノズル群Cと、濃マゼンタインクを吐出するための濃マゼンタインクノズル群Mと、淡マゼンタインクを吐出するための淡マゼンタインクノズル群Mと、イエローインクを吐出するためのイエローインクノズル群Yとが形成されている。
【0043】
なお、各ノズル群を示す符号における最初のアルファベットの大文字はインク色を意味しており、また、添え字の「」は濃度が比較的高いインクであることを、添え字の「」は濃度が比較的低いインクであることを、それぞれ意味している。なお、イエローインクノズル群Yの添え字「」は、このノズル群から吐出されるイエローインクが、濃シアンインクおよび濃マゼンタインクとほぼ等量ずつ混合されたときにグレー色となることを意味している。また、ブラックインクノズル群Kの添え字「」は、これらから吐出されるブラックインクがグレー色では無く、濃度100%の黒色であることを意味している。
【0044】
各ノズル群の複数のノズルは副走査方向SSに沿ってそれぞれ配列されている。印刷時には、キャリッジ28(図1)とともに印刷ヘッド36が主走査方向MSに移動しつつ、各ノズルからインク滴が吐出される。
【0045】
発光部40aは、射出位置における外径が約1mm以下の光束Lを射出するレーザである。このレーザ光Lは、図5に示すように、副走査方向SSに対して約26度傾いた方向に射出され、受光部40bで受光される。すなわち、レーザ光Lは、副走査方向SSに沿って配列されている各ノズル列に対して約26度傾いた方向に射出される。
【0046】
(2)ドット抜け検査の原理:
図6は、ドット抜け検査の検査方法の原理を示す拡大図である。ドット抜け検査の際には、まず、図5の矢印ARで示されているように印刷ヘッド36を一定速度で移動させて、濃イエローYのノズル群から順にレーザ光Lに近づけていく。このとき、レーザ光Lは、図6のように、印刷ヘッド36が送られるにつれて、濃イエローYのノズル群の後端からノズル#48,#47,#46,,,の順に各ノズルの下方を(相対的に)横切ることとなる。なおここでは、印刷ヘッド36の1色分のノズル群がそれぞれ48個のノズル#1〜#48を有しているものと仮定している。
【0047】
そして、レーザ光Lは、濃イエローYのノズル群の前端に位置するノズル#1を横切ると、次には、淡マゼンタインクノズル群Mのノズル群の後端からノズル#48,#47,#46,,,の順に各ノズルの下方を横切る。同様にして、図5において矢印a,a,aなどに示すように、ブラックインクノズル群Kの前端のノズル#1にいたるまで、各ノズルの下方をひとつずつ(相対的に)横切ることとなる。
【0048】
各ノズルには、レーザ光Lがインク滴の軌跡を横切る時にインク滴がレーザ光Lを横切るようなタイミングを含む前後一定の時間、インク滴の吐出指示が出される。すなわち、インク滴軌跡空間とレーザ光Lのインク滴検知空間とが交差するときに、インク滴が両者の共有空間を通過するように、一定の時間、複数滴のインク滴が吐出される。これにより、レーザ光Lが遮断されたか否かを十分確実に検出できる。
【0049】
ここで、レーザ光Lの「インク滴検知空間」とは、レーザ光Lの光路のうちインク滴を検出できる程度の単位面積あたりの光の強度を有する空間である。なお、本明細書では、簡単のために、「レーザ光Lのインク滴検知空間」を単に「レーザ光L」と書くことがある。また、図においても単に「L」と表記する。なお、第1実施例では光にレーザ光を用いているが、レーザ光以外の光を用いる場合においても、「インク滴検知空間」は、発光部が発する光の光路のうち単位面積あたりの光の強度が所定値以上である空間、と定めることができる。
【0050】
また、「インク滴軌跡空間」とは、「所定の大きさを有するインク滴がノズルから吐出されて、空間を通過すると想定される軌跡」を意味している。この「インク滴軌跡空間」とレーザ光Lの「インク滴検知空間」とが共有空間を有する状態において、ノズルから正常にかつ想定した範囲内にインク滴が吐出されれば、吐出されたインク滴は、レーザ光Lのインク滴検知空間を横切る。
【0051】
ノズルから正常にかつ下方の想定した範囲内にインク滴が吐出されると、吐出されたインク滴は、途中でレーザ光Lのインク滴検知空間を横切るので、受光部40bにおける受光が一時的に中断されるか、または弱くなり、受光される光量が所定の閾値未満となる。この場合には、そのノズルに目詰まりが無いと判断することができる。一方、あるノズルの駆動期間内に受光部40bで受光される光量が所定の閾値以上のときには、そのノズルは目詰まりしている可能性があると判断される。
【0052】
従って、レーザ光Lの「インク滴検知空間」とは、レーザ光Lの光路のうち、検知対象であるインク滴がその空間にあって自己の投影面積分の光を遮ったとき、それによる光量の低下を受光部40bで検知できるだけの、単位面積あたりの光の強さをもった空間、ということである。
【0053】
以上に説明したようにして、ブラックインクノズル群Kの前端のノズル#1がレーザ光Lの上方を通過するまでにすべてのノズルについてインク滴の吐出検査がなされる。
【0054】
なお、印刷ヘッド36の送りの方向については、主走査方向のいずれの向きに送ることとしても、同様の検査を実現することができる。そして、ここでは印刷ヘッド36は、キャリッジ28(図1)上で、ステップモータ30により駆動される牽引ベルト32に牽引されて、ガイドレール34に沿って主走査方向に送られるものとするが、独立に検査用のヘッド走査駆動装置を備えるものとしてもよい。すなわち、印刷装置は、ノズルと検査部の少なくとも一方を移動させることによって、両者の相対位置を変えさせる送り機構を備えていればよい。印刷においてヘッドの主走査を行う装置と検査において走査を行う装置とを同一の機構で兼用すれば、装置を小型化できる。一方、検査において走査を行う装置を独立に有するものとすれば、位置の精度が高いなどの検査の目的にそった最適な装置を備えることができる。
【0055】
(3)ノズルのグループ分けと検査グループごとの吐出検査:
第1実施例では、印刷ヘッド36に設けられたノズルを6個の検査グループに分けている。そして、全ノズルについて順にインク滴の吐出検査を行っていくのではなく、それぞれ検査グループごとに吐出検査を行う。
【0056】
図7は、印刷ヘッド36a上のノズルのグループ分けの状態を示す説明図である。ここでは説明を簡単にするため、1列48個のノズル列を6列有する印刷ヘッド36に代えて、1列9個のノズル列を同じく6列有する印刷ヘッド36aを使って説明する。そして、図7においては、各ノズルは、○に自己が所属する検査グループの番号1〜6を書いたもので表されている。この印刷ヘッド36aは、上述の印刷ヘッド36の1列のノズルの数を48個から9個に変えたものであり、ノズル数以外の構成は印刷ヘッド36と同様である。そして、最初の送りで印刷ヘッド36aがレーザ光Lを横切る際には、上述の場合と同様に、ノズル列YD のノズル#9が最初にレーザ光Lを横切り、ノズル列KD のノズル#1が最後にレーザ光Lを横切ることとなる。なお、図7は、ノズルのグループ分けの状態を示す説明図であり、ノズルピッチやノズル列の間隔は実際の寸法を反映するものではない。
【0057】
これら9個×6列のノズルは、9個ずつの六つのグループに分けられる。すなわち、
第1の検査グループはノズル列YD 、MD 、CD のノズル#9,#6,#3、
第3の検査グループはノズル列YD 、MD 、CD のノズル#8,#5,#2、
第5の検査グループはノズル列YD 、MD 、CD のノズル#7,#4,#1
である。以上の検査グループでノズル列YD 、MD 、CD のすべてのノズルが網羅される。また、
第2の検査グループはノズル列KD 、C、Mのノズル#1,#4,#7、
第4の検査グループはノズル列KD 、C、Mのノズル#2,#5,#8、
第6の検査グループはノズル列KD 、C、Mのノズル#3,#6,#9
である。以上の検査グループでノズル列KD 、C、Mのすべてのノズルが網羅される。
【0058】
ノズルを各列48個備える第1実施例の印刷ヘッド36の場合も、上記の説明のように、YD 、MD 、CD とKD 、C、Mという1列おきのノズル列内の、2個おきのノズルで各検査グループを構成する。そして、主走査の往路と復路において、各検査グループごとのインク滴の吐出検査を行う。
【0059】
図3により、主走査の往路/復路と検査グループのインク滴の吐出検査の関係を説明する。廃インク受け46上の領域において、あらかじめ発光部40aから受光部40bに向かってレーザ光が射出されている。そして、印刷領域における最初の主走査による印刷の後、印刷ヘッド36が廃インク受け46上の領域に搬送されてきたときには(復路)、まず、第1の検査グループのノズルに対して、上記レーザ光を横切るようにインク滴を吐出する指示が出される。そして、レーザ光がインク滴によって遮られたか否かによって、インク滴の吐出の有無が判断される。すなわち、第1の検査グループのノズルについてインク滴の吐出検査が行われる。その後、印刷ヘッド36は、廃インク受け46上をいったん通過して、次に向きを変えて印刷領域に向かって搬送される(往路)。印刷ヘッド36が再び廃インク受け46上を通過する際には、今度は第2の検査グループのノズルに対して上記レーザ光を横切るようにインク滴を吐出する指示が出され、インク滴の吐出検査が行われる。その後、印刷ヘッド36が印刷領域に搬送されて、印刷領域で印刷が行われる。すなわち、印刷開始後、印刷領域と調整領域をまたぐ印刷ヘッド36の一往復の主走査の間に、復路における印刷と、復路における第1の検査グループのインク滴吐出検査と、往路における第2の検査グループのインク滴吐出検査と、往路における印刷と、が行われる。
【0060】
その後、印刷領域での印刷の後に、再び印刷ヘッド36が調整領域に搬送されてきたときには、復路において第3の検査グループについてインク滴の吐出検査が実行され、往路においては第4の検査グループについてインク滴の吐出検査が実行される。その後さらに、印刷領域における印刷を経て印刷ヘッド36が調整領域に搬送されてきたときには、第5および第6の検査グループについて吐出検査が行われる。その後は、印刷領域における印刷を経て、再び第1および第2の検査グループについての吐出検査が実行され、順に各検査グループについて吐出検査がくり返し実行される。
【0061】
すなわち、印刷ヘッド36が主走査方向に沿って復路又は往路を1回搬送されるごとに、検査グループの一つについてインク滴の吐出検査が実行される。そして、印刷ヘッド36が主走査において一往復、搬送されると、二つの検査グループについて吐出検査が実行されることとなり、三往復、搬送されると、印刷ヘッド36上のすべてのノズルについて吐出検査が行われることとなる。なお、これらの作業は、具体的には、システムコントローラ54(図2)が各ドライバを通じてキャリッジモータ30、ドット抜け検査部40、印刷ヘッド36を制御して実現する。
【0062】
A−4.第1実施例の効果:
(1)各ノズルの検査条件の差異の縮小と検査範囲の拡大:
図8は、レンズのみによって収束する場合のレーザ光Lのビームの径の変化を示す説明図である。一方、図9は、第1実施例におけるレーザ光のビーム径の変化を示す説明図である。第1実施例では、図8のようにレンズのみによってレーザ光を収束するのではなく、図9に示すように、遮光板43に設けられた収束用開口43aでもレーザ光を収束している。この収束用開口43aを通過するとレーザ光の太さは細くなる。そして、同時に、収束する角度があさくなるため、ビームウェストLwにおけるビーム径の太さは、レンズ41のみによってレーザ光Lを収束する場合(図8参照)に比べて太くなる。その結果、レーザ光Lの光束の太さの光軸方向の変化は、レンズ41のみによってレーザ光を収束する場合に比べてより小さくなり、レーザ光は、光軸方向につき均一な状態により近くなる。このため、ビームウェストLw近辺で検査されるノズルと、ビームウェストLwから離れた位置で検査されるノズルと、の検査条件の差異が、レンズのみによって収束する場合に比べて小さくなる。よって、発光部40aのレーザ光の出力および受光部40bの検出ゲインを適切に調整すれば、ノズルごとの検出精度のばらつきがより少ない状態で、インク滴の吐出検査を行うことができる。
【0063】
また、ノズルごとの検出精度のばらつきを、レンズ41のみで光を収束する場合と同程度とするのであれば、図9に示す第1実施例の態様では、インク滴を検知することができる範囲Asを、より広くとることができる。よって、より長いノズル列に対しても、1本のレーザ光でインク滴の吐出検査を行うことができる。図8および図9において、Wnは、検査対象のノズルが存在する範囲である。図9に示す第1実施例の態様では、インク滴を検知することができる範囲Asが、検査対象のノズルが存在する範囲Wnよりも広くなっている。
【0064】
また、収束用開口43aを出た光の回折によって、ビームウェスト位置が発光部40a側に移動する。このため、インク滴を検出する範囲Asを発光部40a側に近づけることができ、発光部40aから受光部40bまでの距離を小さくすることができる。すなわち、装置の構造を小さくすることができる。
【0065】
なお、レンズなどで収束される光束には、所定の検査条件の差異の範囲内でインク滴を検出することができる範囲Asが存在する。この範囲Asは、ビームウェストを中心とする光軸方向の所定の範囲である。そのような範囲Asが存在する理由は、以下のとおりである。すなわち、光束は、光軸に垂直な断面において、光軸を最大とする一定の強度分布を有している。そして、実際にインク滴の検出に使用されるレーザ光のビームウェストLwの径と、実際にインク滴の検出に必要とされるビームの断面強度pの条件下では、「光束の光軸に垂直な断面において断面強度がp以上である範囲」の径は、断面がビームウェストLwに近づくにつれて大きくなる。したがって、逆にレーザ光の光束のうちビームウェストLwから所定の距離以上離れた部分は、インク滴検知空間の径が細くなりすぎていてインク滴の検知に使用することはできない。このため、レンズなどで収束される光束には、所定の検査条件の差異の範囲内でインク滴を検出することができる範囲Asが存在する。第1実施例では、収束用開口43aを使用することによって、光軸に垂直な断面における光の強度分布の、光軸方向の変化を小さくしている。そうすることで、インク滴検知空間の径の光軸方向についての変化を小さくして、上記範囲Asを広く設定することを可能としている。
【0066】
(2)レーザ光の射出方向のズレに対する許容度の向上:
図10は、レーザ光の射出方向が想定した方向からずれていた場合のレーザ光の光路を示す説明図である。第1実施例では、レーザ光を直接、受光部40bで受けるのではなく、所定の面積の受光領域を有するレンズ47を介して受光部40bで受けている。よって、アライメントの狂いなどによってレーザ光の射出方向が想定した方向からずれていた場合にも、その照射位置がレンズ47の受光範囲からはずれていなければ、レーザ光はレンズ47によって収束され、屈折されて受光部40bで受光されうる。よって、少々レーザ光が想定した方向からずれても、容易に検査機能を失ってしまうことがない。
【0067】
(3)インクミストによる検査性能の劣化の低減:
第1実施例においては、印刷ヘッド36が主走査方向に移動する領域と、発光部40a、レンズ41および遮光板43が設けられている空間との間に、第1のインクミスト遮蔽板45a,45b,45c、45dが設けられている。そして、発光部40a、レンズ41および遮光板43が設けられている空間は、第1のインクミスト遮蔽板が設けられている側以外の外周を外周壁40vで覆われ、上部を天井板で覆われている。よって、インク滴の吐出によって生じるインクミストが発光部40a、レンズ41および遮光板43に付着しにくい。また、印刷ヘッド36が主走査方向に移動する領域と、レンズ47が設けられている空間との間についても、同様に、第2のインクミスト遮蔽板49a,49bが設けられており、受光部40bおよびレンズ41が設けられている空間は、他の外周を外周壁40vで覆われ、上部を天井板で覆われている。よって、インク滴の吐出によって生じるインクミストがレンズ47および受光部40bに付着しにくい。また、遮蔽板はそれぞれ複数設けられているため、直進性に優れた光は開口を通過させ、気流で運ばれるインクミストについては、遮蔽板の間に落下させ、または付着させるなどして、通過を妨げることができる。したがって、光学系機器の性能がインクミストによって劣化する可能性が低く、長期にわたって安定した精度でインク滴の吐出検査を行うことができる。
【0068】
(4)各ノズルが吐出するインク滴の混同防止:
図11は、レーザ光Lのインク滴軌跡空間と、ノズルの関係を示す説明図である。第1実施例では、1列おきのノズル列内の、2個おきのノズルで各検査グループを構成し、主走査の往路または復路において、検査グループ単位でインク滴の吐出検査を行っている。よって、印刷ヘッド上のノズルをすべて対象とした場合に比べて、一の検査グループを構成するノズルで互いに最も近いノズルの間では、列方向で3倍、列間で2倍の距離が開いている。このため、図11のように二つ以上の検査対象ノズルのインク滴軌跡空間がインク滴検知空間と同時に交差することがなく、インク滴の吐出検査において、各ノズルから吐出されるインク滴を混同する可能性が少ない。よって、他のノズルが吐出したインク滴によって検査対象のノズルを「正常動作している」と誤判定するおそれが少ない。
【0069】
上記の効果を印刷ヘッド36aの例を使って具体的に説明すると、例えば、図7に示す状態は、ノズル列YD の#3のノズルを検査する状態である。よって、図7では、第1の検査グループに属しているノズル列YD の#3のノズルのインク滴軌跡空間と、レーザ光のインク滴検知空間Lとが交差している。そして、同じく第1の検査グループに属しており、この#3のノズルの一つ前にインク滴検知空間Lと交差するノズル列YD の#6のノズルのインク滴軌跡空間は、インク滴検知空間Lと交差していない。また、#3のノズルの次にインク滴検知空間Lと交差するノズル列MD の#9のノズルのインク滴軌跡空間も、インク滴検知空間Lと交差していない。よって、第1の検査グループにおいて連続して吐出検査が行われるノズル列YD の#6のノズル、#3のノズル、ノズル列MD の#9のノズルのインク滴が、吐出検査において混同されることはない。なお、図7では、一点鎖線で示すレーザ光L内に含まれるノズルが、レーザ光のインク滴検知空間とインク滴軌跡空間が交差するノズルであるものとする。
【0070】
なお、ノズル列の並び方向(第1実施例において副走査方向)に対するレーザ光の傾きが大きくなるほど、インク滴の検出に使用できる範囲Asの、ノズル列の並びの方向に対する射影が短くなる。よって、ノズル列の並び方向に対するレーザ光の傾きが小さい場合にはノズル列内の全ノズルを範囲As内に収めることができるレーザ光であっても、ノズル列の並び方向に対する傾きが大きくなれば、ノズル列内の全ノズルを範囲As内に収めることができなくなる。したがって、一定のレーザ光を使用するという条件下では、ノズル列の並び方向に対するレーザ光の傾きは、ノズル列内の全ノズルを範囲As内に収めることができる程度に小さい傾きであることが好ましい。しかし、ノズル列の並び方向に対するレーザ光の傾きを小さくしていけば、図11に示すように、レーザ光のインク滴検知空間と複数のノズルのインク滴軌跡空間が同時に交差して、インク滴吐出検査においてインク滴を混同してしまう可能性が高まる。よって、ノズル列内の全ノズルを範囲As内に収めることができ、しかも、インク滴吐出検査においてインク滴を混同しないようにするには、第1実施例のように、レーザ光の傾きを小さくし、一方で、インク滴の吐出検査を検査グループごとに行うこととするのは大変有効な方法である。ただし、レーザ光の傾きを小さくすると、各ノズルのインク滴を混同しないために検査グループの数を増やさなければならず、その結果、各ノズルごとの検査の時間間隔が長くなる。このため、ノズル列の並び方向に対するレーザ光の傾きは、20度から35度であることが好ましく、さらには23度から30度であることがより好ましい。
【0071】
A−5.第1実施例の変形例:
なお、第1実施例においては、インク滴の吐出検査に使用する光はレーザ光を用いたが、吐出検査に使用できる光はこれに限られるものではなく、例えば、発光ダイオードの光を収束させて用いることとしてもよい。すなわち、光を射出する発光部とその光を受ける受光部とを有し光がノズルから吐出されるインク滴によって遮られるか否かに応じて当該ノズルの動作を確認する検査部を備えるものとすれば、どのような態様であってもよい。
【0072】
また、インク滴が吐出される領域と、発光部40a、レンズ41および遮光板43との間を仕切る手段は、本実施例のような、発光部40a、レンズ41および遮光板43の周囲に設けられる平板状の壁および天井板に限られるわけではない。例えば、発光部40a、レンズ41および遮光板43の周囲全体を覆うドーム状の壁としてもよい。また、インク滴が吐出される領域と、発光部40a、レンズ41および遮光板43との間を仕切る手段は、薄手の壁などでなくてもよい。すなわち、遮光板43の収束用開口43aを通過した光の進行方向に少なくとも設けられ、ノズルがレーザ光路に向けてインク滴を吐出する領域と、レンズ41および遮光板43が設けられている領域とを遮断する部材であって、光の少なくとも一部が通過できる第1の開口をレーザ光の進行方向に有するものであれば、どのような厚み、形状のものでもよい。インク滴が吐出される領域と、レンズ47および受光部40bとの間を仕切る手段についても同様である。
【0073】
図12は、第1実施例の変形例の検査部を示す説明図である。この変形例においては、受光側のレンズ47が設けられていない。他の構成は、第1実施例と同様である。このような構成であっても、第1実施例と同様、収束用開口43aによってレーザ光を収束しているため、レンズのみによってレーザ光を収束させる場合に比べて、インク滴検知空間の径の変化を小さくすることができ、検査条件の差異を小さくすることができる。
【0074】
また、各検査グループを構成するノズルは、1列おきのノズル列内の、2個おきのノズルに限られるものではない。すなわち、各検査グループは、ノズルの列内においてn個(nは2以上の整数)に1個の割合で周期的に選択されたノズルで構成することができ、さらに、ノズルの列のうちm列(mは2以上の整数)に1列の割合で周期的に選択された列に含まれるノズルで構成することもできる。そして、ノズルピッチやノズル列間隔、インク滴検知空間の形状及び光軸の向きなどに応じて、上記nとmを適宜の値に定めて、一度の吐出検査において一の検査グループのノズルのみを対象とすれば、レーザ光Lのインク滴検知空間が複数のノズルからのインク滴の行路と干渉しないようにすることができる。なお、ノズルピッチおよびノズル列間隔が十分に大きく、レーザ光のインク滴検知空間が複数のノズルのインク滴軌跡空間と同時に交差しない場合は、印刷ヘッド上のノズルをノズルグループに分けて、ノズルグループごとにインク滴の吐出検査を行わなくともよい。
【0075】
B.第2実施例:
B−1.装置の構成:
図13は、第2実施例のドット抜け検査部を示す説明図である。第2実施例においては、第1実施例において発光部40a、レンズ41および遮光板43が設けられていた位置に、プリズム40p1が設けられている。そして、発光部40a、レンズ41および遮光板43は、プリズム40p1に対して主走査方向のプラテン板26側の所定の位置に設けられている。他の構成は第1実施例と同様である。第2実施例においては、レーザ光は、発光部40aから照射され、レンズ41と遮光板43の収束用開口43aを通過し、プリズム40p1で反射されて、受光部40bに到達する。レーザ光がプリズム40p1で反射された後、受光部40bに至る過程は、第1実施例と同様である。
【0076】
B−2.第2実施例の効果:
レンズで収束されるレーザ光において、インク滴の吐出検査を行う光軸方向の光路の範囲(以下、「検査光路」という)内の光の強度分布の変化を小さくするためには、発光部40aから検査光路までの光路長が長いことが好ましい。発光部40aから検査光路内のビームウェストまでの距離が長くなれば、光軸方向の単位長さあたりの強度分布の変化が小さくなるからである。第2実施例では、プリズム40p1でレーザ光を反射させ光路を屈曲させることによって、第1実施例に比べて検査光路までの光路長を長くしている。よって、第1実施例に比べて検査光路内の光軸方向の光の強度分布の変化が小さい。そして同時に、光路を屈曲させることによって、光路長の増大に伴う装置の大型化を防止している。なお、このプリズム40p1は、レーザを反射させることができるものであればどのような物でもよく、例えば、透明基板にアルミを蒸着させたミラーであってもよい。
【0077】
B−3.第2実施例の変形例:
図14は、第2実施例の変形例のドット抜け検査部を示す説明図である。この変形例では、発光部40a、レンズ41、遮光板43およびプリズム40p1は第2実施例と同様に配されているが、受光部40bとレンズ47は、第1のインクミスト遮蔽板45aに対して発光部40aと同じ側に、発光部40aに近接して配されている。そして、第1実施例および第2実施例で受光部40bが配されていた位置にはプリズム40p2が設けられている。また、廃インク受け46には、プリズム40p2から受光部40bに向かう軸線上に、レーザ光が通るための保護管46aが設けられている。他の構成は、第2実施例と同様である。この変形例においては、レーザ光が発光部40aから射出され、廃インク受け46上の領域に至るまでの過程は第2実施例と同様である。そして、レーザ光は、廃インク受け46上の領域を通過した後は、プリズム40p2によって反射され、保護管46a内を通ってレンズ47および受光部40bに到達する。このような構成とすれば、発光部40aと受光部40bを近接させて配することができ、発光部40aと受光部40bを同一基板上に構成することができる。
【0078】
C.第3実施例:
C−1.装置の構成:
図15は、第3実施例のドット抜け検査部を示す説明図である。ここでは、受光部40bは、第1のインクミスト遮蔽板45aに対して発光部40aと同じ側に、発光部40aに近接して配されている。そして、レンズ47の後から受光部40bに至る光ファイバ40qが設けられている。他の構成は第1実施例と同様である。
【0079】
C−2.第3実施例の効果:
このような構成とすれば、発光部40aと受光部40bを近接させて配することができ、発光部40aと受光部40bを同一基板上に構成することができる。また、プリズムやミラーなどによる反射を利用していないので、プリズムやミラーなどの取り付け精度によって、受光部40bにおけるレーザ光の受光精度が影響を受けることがない。すなわち、第3実施例では、光ファイバ40qを用いることで、発光部40aに近接して配されており発光部40aから射出されるレーザ光の進行方向にない受光部40bに、正確かつ容易にレーザ光を導いている。
【0080】
D.第4実施例:
D−1.装置の構成:
図16は、第4実施例のドット抜け検査部を示す説明図である。ここでは、発光部40aと第1のインクミスト遮蔽板45aとの間には、レーザ光の進行方向に沿って、ビームスプリッタ40rと1/4波長板40sがその順に配されている。ビームスプリッタ40rは、偏光分離膜を有している。そして、ビームスプリッタ40rは、その偏光分離膜がレーザ光の光軸に対して45度の角度をなすように配されている。一方、第1のインクミスト遮蔽板45aに対して発光部40a、ビームスプリッタ40rなどと同じ側で、1/4波長板40tの偏光分離膜からレーザ光の光軸に対して90度の方向の所定の位置には、受光部40bが設けられている。さらに、第1実施例において受光部40bが設けられていた位置には、ミラー40tが設けられている。他の構成は第1実施例と同様である。
【0081】
第4実施例の各構成要素の作用について説明する。発光部40aから射出されたレーザ光は、レンズ41および遮光板43を経て、ビームスプリッタ40rを通過する。このビームスプリッタ40rを通過したレーザ光は偏光成分のみとなる。さらにレーザ光は、1/4波長板40sを通過するが、その際、レーザ光は円偏光に変わる。そして、レーザ光はミラー40tで反射され、再び1/4波長板40sを通過する。その際、レーザ光は、偏波面が入射光と90度異なる直線偏光となる。よって、その後、レーザ光はビームスプリッタ40rに到達すると、ビームスプリッタ40rの偏光分離膜を通過することができず、偏光分離膜に反射されて受光部40bに向かい、受光部40bで受光される。
【0082】
D−2.第4実施例の効果:
第4実施例のような構成とすれば、発光部40a、受光部40b、ビームスプリッタ40r、1/4波長板40s等を、インク滴の吐出検査を行う領域(廃インク受け46上の領域)に対して同じ側にまとめて設けることができる。
【0083】
D−3.第4実施例の変形例:
図17は、第4実施例の変形例のドット抜け検査部を示す説明図である。ここでは、第4実施例におけるビームスプリッタ40rと1/4波長板40sの位置に、それらに代えて、ホログラム40uが設けられている。そして、受光部40bは、第1のインクミスト遮蔽板45aに対して発光部40aと同じ側に、発光部40aに近接して配されている。他の構成は第4実施例と同様である。この変形例においては、レーザ光が発光部40aから射出され、第1のインクミスト遮蔽板45a,45b,45cの第1の開口45a1,45b1,45c1を通過し、ミラー40tで反射されて、再び第1のインクミスト遮蔽板45aの第1の開口45a1に至る過程は、第4実施例と同様である。そして、レーザ光はその後、ホログラム40uに到達する。ホログラム40uは、そのミラー40tで反射されてきたレーザ光を、その進行方向に対して90度以内の所定の角度にそらせて通過させる。その結果、ミラー40tで反射されてきたレーザ光は、発光部40aに近接して配されている受光部40bで受光される。通常、発光部40a、受光部40b及びホログラム40uは一体として「ホログラムレーザ」として流通している。このため、第4実施例においてそのホログラムレーザを使用することとすれば、検査部の構造を簡単なものとすることができ、部品点数を減らすことができる。
【0084】
以上、本発明の実施例およびその変形例について説明したが、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる態様で実施することができる。例えば、上記各実施例においては、カラープリンタを本発明の適用対象としたが、単色プリンタを適用対象とすることもできる。そして、上記各実施例の印刷装置においては、ドット抜け検査部は、印刷領域に対して一方にのみ設けられていたが、印刷領域に対して両側にドット抜け検査部が設けられている印刷装置にも、本発明は適用可能である。さらに、A0サイズやB0サイズなどの大型の印刷媒体に印刷することができる印刷装置に適用することもできる。大型の印刷媒体に印刷する印刷装置においては、一枚の印刷媒体の印刷に多大な時間を要するため、印刷の途中で不動作ノズルによるドット抜けが発生した場合には、印刷のやり直しによって無駄になる時間が大きい。よって、本発明を適用することによりインク滴の吐出検査を正確に行い、不動作ノズルを正確に検出することができれば、印刷のやり直しによって無駄になる時間を大幅に節約することができる。
【0085】
図18は、変形例における遮光板43とレンズ41の配置を示す説明図である。上記各実施例では、発光部40aと遮光板43の間にレンズ41を配していたが、図18に示すように、発光部40aとレンズ41の間に遮光板43を配することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのカラーインクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図。
【図2】プリンタ20の電気的な構成を示すブロック図。
【図3】プラテン板26と、ドット抜け検査部40と、廃インク受け46と、ヘッドキャップ210の位置関係を示す説明図。
【図4】ドット抜け検査部40の主要な構成のみを示す側面図。
【図5】第1のドット抜け検査部40の構成と、その検査方法の原理を示す説明図。
【図6】ドット抜け検査の検査方法の原理を示す拡大図。
【図7】印刷ヘッド36a上のノズルのグループ分けの状態を示す説明図。
【図8】レンズのみによって収束する場合のレーザ光のビームの径の変化を示す説明図。
【図9】第1実施例におけるレーザ光のビーム径の変化を示す説明図。
【図10】レーザ光の照射方向が想定した方向からずれていた場合のレーザ光の光路を示す説明図。
【図11】レーザ光Lのインク滴軌跡空間と、ノズルの関係を示す説明図。
【図12】受光側のレンズ47を有しない態様のドット抜け検査部を示す説明図。
【図13】第2実施例のドット抜け検査部を示す説明図。
【図14】第2実施例の変形例のドット抜け検査部を示す説明図。
【図15】第3実施例のドット抜け検査部を示す説明図。
【図16】第4実施例のドット抜け検査部を示す説明図。
【図17】第4実施例の変形例のドット抜け検査部を示す説明図。
【図18】変形例における遮光板43とレンズ41の配置を示す説明図。
【符号の説明】
20…カラーインクジェットプリンタ
22…用紙スタッカ
24…紙送りローラ
26…プラテン板
28…キャリッジ
30…キャリッジモータ
31…紙送りモータ
32…牽引ベルト
34…ガイドレール
36…印刷ヘッド
40…ドット抜け検査部
40a…発光部
40b…受光部
40p1,40p2…プリズム
40q…光ファイバ
40r…ビームスプリッタ
40s…1/4波長板
40t…ミラー
40u…ホログラム
40v…外周壁
41…レンズ
43…遮光板
43a…収束用開口
45a,45b,45c,45d…第1のインクミスト遮蔽板
45a1,45b1,45c1,45d1…第1の開口
46…廃インク受け
46a…保護管
47…レンズ
49a,49b…第2のインクミスト遮蔽板
49a1,49b1…第2の開口
50…受信バッファメモリ
52…イメージバッファ
54…システムコントローラ
56…メインメモリ
58…タイマ
61…主走査駆動ドライバ
62…副走査駆動ドライバ
63…検査部ドライバ
66…ヘッド駆動ドライバ
80…インク通路
100…ホストコンピュータ
210…ヘッドキャップ

Claims (10)

  1. 複数のノズルからインク滴を吐出することによって印刷を行う印刷装置であって、
    前記複数のノズルを有する印刷ヘッドと、
    光を射出する発光部とその光を受ける受光部とを有し前記光が前記ノズルから吐出されるインク滴によって遮られるか否かに応じて当該ノズルの動作を確認する検査部と、を備え、
    前記検査部は、さらに、前記発光部が射出する光の進行方向に、
    前記光を収束する第1の集光部と、
    前記光の照射範囲よりも開口面積が狭い収束用開口を前記光の照射範囲内に有する遮光部と、を有し、
    前記光の前記受光部に至る光路のうちの前記集光部と前記遮光部よりも下流の部分が、前記印刷ヘッドの前記複数のノズルから吐出されるインク滴の吐出経路と交差するよう、第1の集光部、前記遮光部および前記受光部が前記印刷ヘッドに対して配置されており、
    前記検査部は、さらに、
    前記第1の集光部および前記遮光部の前記収束用開口を通過した光の進行方向に少なくとも設けられ、前記ノズルが前記光路に向けてインク滴を吐出する領域と、前記発光部、前記第1の集光部および前記遮光部が設けられている領域とを遮断する部材であって、前記光の少なくとも一部が通過できる第1の開口を有する第1のインクミスト遮蔽部を有する、印刷装置。
  2. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記遮光部は、前記第1の集光部によって収束された前記光の進行方向に設けられている、印刷装置。
  3. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記第1の集光部は、前記遮光部の前記収束用開口によって収束された前記光の進行方向に設けられる、印刷装置。
  4. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記第1のインクミスト遮蔽部が複数設けられている、印刷装置。
  5. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記検査部は、さらに、
    前記第1の集光部および前記遮光部の前記収束用開口とを通過した光の進行方向に設けられ、所定の面積を有する受光領域を有し、該受光領域で受光した光を収束する第2の集光部を有し、
    前記光の前記第2の集光部に至る光路のうちの前記第1の集光部と前記遮光部よりも下流の部分が、前記印刷ヘッドの前記複数のノズルから吐出されるインク滴の吐出経路と交差するよう、前記第1の集光部、前記遮光部および前記第2の集光部が前記印刷ヘッドに対して配置されている、印刷装置。
  6. 複数のノズルからインク滴を吐出することによって印刷を行う印刷装置であって、
    前記複数のノズルを有する印刷ヘッドと、
    光を射出する発光部とその光を受ける受光部とを有し前記光が前記ノズルから吐出されるインク滴によって遮られるか否かに応じて当該ノズルの動作を確認する検査部と、を備え、
    前記検査部は、さらに、前記発光部が射出する光の進行方向に、
    前記光を収束する第1の集光部と、
    前記光の照射範囲よりも開口面積が狭い収束用開口を前記光の照射範囲内に有する遮光部と、を有し、
    前記光の前記受光部に至る光路のうちの前記集光部と前記遮光部よりも下流の部分が、前記印刷ヘッドの前記複数のノズルから吐出されるインク滴の吐出経路と交差するよう、第1の集光部、前記遮光部および前記受光部が前記印刷ヘッドに対して配置されており、
    前記検査部は、さらに、前記第1の集光部および前記遮光部の前記収束用開口とを通過した光の進行方向に設けられ、所定の面積を有する受光領域を有し、該受光領域で受光した光を収束する第2の集光部を有し、
    前記光の前記第2の集光部に至る光路のうちの前記第1の集光部と前記遮光部よりも下流の部分が、前記印刷ヘッドの前記複数のノズルから吐出されるインク滴の吐出経路と交差するよう、前記第1の集光部、前記遮光部および前記第2の集光部が前記印刷ヘッドに対して配置されており、
    前記検査部は、さらに、前記第1の集光部および前記遮光部の前記収束用開口を通過した光の進行方向に少なくとも設けられ、前記ノズルが前記光路に向けてインク滴を吐出する領域と、前記受光部および前記第2の集光部が設けられている領域とを遮断する部材であって、前記光の少なくとも一部が通過できる第2の開口を有する第2のインクミスト遮蔽部を有する、印刷装置。
  7. 請求項6記載の印刷装置であって、
    前記遮光部は、前記第1の集光部によって収束された前記光の進行方向に設けられている、印刷装置。
  8. 請求項6記載の印刷装置であって、
    前記第1の集光部は、前記遮光部の前記収束用開口によって収束された前記光の進行方向に設けられる、印刷装置。
  9. 請求項6記載の印刷装置であって、
    前記第2のインクミスト遮蔽部が複数設けられている、印刷装置。
  10. 複数のノズルからインク滴を吐出して印刷を行なう印刷装置における不動作ノズルを検出する方法であって、
    (a)光を射出する発光部からの光を、収束させ、および、光の照射範囲より狭い収束用開口を介して取り出し、前記収束されかつ取り出された光が受光部に至る光路が、前記ノズルから吐出される前記インク滴の行路に交差するよう配置した上で、前記発光部を駆動して、光を射出する工程と、
    (b)前記ノズルを駆動して、前記収束用開口から前記受光部に至るまでの間の前記光路のうち、所定値以上の光の強度を有する空間であるインク滴検知空間に向けて、インク滴を吐出させる工程と、
    (c)前記受光部が受光した光が前記吐出されたインク滴によって遮られたか否かを検出して不動作ノズルを検出する工程と、を有し、
    前記印刷装置は、
    前記収束され取り出された光の進行方向に少なくとも設けられ、前記ノズルから前記光路に向けてインク滴を吐出させる領域と、前記光を収束させ取り出す領域とを遮断する部材であって、前記光の少なくとも一部が通過できる第1の開口を有する第1のインクミスト遮蔽部を有する、方法。
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