JP7494527B2 - 印刷媒体供給装置 - Google Patents

Description

本発明は、印刷媒体供給装置に関する。

特許文献１は、用紙ロールに巻回された被印刷用紙を供給可能な一対のローラホルダを備えたプリンタを開示する。一対のローラホルダは、被印刷用紙を巻回した用紙ロールをそれぞれ回転可能に支持する。プリンタは、一対のローラホルダにより供給された被印刷用紙に対して印刷を実行する。

特開２０１２－２２３９２３号公報

印刷媒体として、ステンシル紙、間紙、及びサーマルカーボン紙が重ね合わされてロール状に巻回された複合ロールを使用する場合がある。複合ロールを用いて印刷を行うためには、印刷媒体の供給経路の途中で間紙を取り除いた後、ステンシル紙とサーマルカーボン紙を再び重ね合わせて印刷装置に供給する必要がある。

本発明の目的は、複数のシートが重ねられた印刷媒体のうち、印刷装置の印刷に必要なシートのみを供給できる印刷媒体供給装置を提供することである。

本発明の第１態様に係る印刷媒体供給装置は、第１シート、第２シート、及び第３シートが順に重なった状態の印刷媒体から前記第２シートを取り除いて前記第１シートと前記第３シートを重ねて印刷装置に供給する印刷媒体供給装置であって、前記第３シートに接触し前記第３シートの移動により従動回転する第１ローラと、前記第１ローラと対向する位置に配置され、前記第１シートに接触し前記第１シートの移動により従動回転する第２ローラと、前記第１ローラよりも前記第１シートの搬送方向の上流側に配置され、前記第２シートを巻き取る巻取部材と、前記第１ローラの回転力を前記巻取部材に伝達する伝達手段とを備えることを特徴とする。

印刷媒体供給装置は、第３シートの移動によって従動回転する第１ローラの回転力が、伝達手段により第２シートを巻き取る巻取部材に伝達される。即ち、第３シートが移動することによって第２シートが巻取部材に巻き取られる。故に、印刷媒体供給装置は、複数のシートが重ねられた印刷媒体のうち、印刷装置の印刷に必要なシートのみを供給できる。

本発明の第２態様に係る印刷媒体供給装置は、少なくとも第１シートと第２シートとが重なった状態の印刷媒体を印刷装置に供給する印刷媒体供給装置であって、筐体と、前記筐体に設けられ、前記印刷装置を着脱可能に装着する装着部と、前記筐体に設けられ、前記印刷媒体を収容する収容部と、前記装着部と前記収容部との間に配置され、前記印刷装置が行う印刷動作によって少なくとも前記第１シートが移動することにより従動回転する第１ローラを含む案内機構と、前記案内機構の前記第１ローラと前記収容部との間に配置され、前記第２シートを巻き取る巻取部材と、前記第１ローラの回転力を前記巻取部材に伝達する伝達手段とを備えることを特徴とする。

印刷媒体供給装置は、少なくとも第１シートが案内機構の第１ローラに向けて移動する過程で、第２シートが巻取部材により巻き取られる。故に、印刷媒体供給装置は、複数のシートが重ねられた印刷媒体のうち、印刷装置の印刷に必要なシートのみを供給できる。

本発明の第３態様に係る印刷媒体供給装置は、第１シート、第２シート、及び第３シートが重なった状態の印刷媒体を印刷装置に供給する印刷媒体供給装置であって、筐体と、前記筐体に設けられ、前記印刷装置を着脱可能に装着する装着部と、前記筐体に設けられ、前記印刷媒体を収容する収容部と、前記装着部と前記収容部との間に配置され、前記第１シート及び前記第３シートを挟持すると共に、前記印刷装置が行う印刷動作によって前記第１シート及び前記第３シートが移動することにより従動回転する第１ローラを含む案内機構と、前記案内機構の前記第１ローラと前記収容部との間に配置され、前記第２シートを巻き取る巻取部材と、前記第１ローラの回転力を前記巻取部材に伝達する伝達手段と、前記収容部から前記第１ローラに至る経路であって、前記巻取部材の長手方向と直交する直交方向の一方側を移動して前記第１シートが搬送される第１搬送経路に設けられる第１案内部材と、前記収容部から前記巻取部材に至る経路であって、前記第２シートが搬送される第２搬送経路、且つ、前記収容部から前記第１ローラに至る経路であって、前記巻取部材に対して前記直交方向の他方側を移動して前記第３シートが搬送される第３搬送経路に設けられる第２案内部材とを備えたことを特徴とする。

印刷媒体供給装置は、第１シート及び第３シートが案内機構の第１ローラに向けて搬送される過程で、第２シートが巻取部材により巻き取られる。故に、印刷媒体供給装置は、複数のシートが重ねられた印刷媒体のうち、印刷装置の印刷に必要なシートのみを供給できる。

前記第１搬送経路の長さと、前記第３搬送経路の長さが同一であってもよい。印刷媒体供給装置は、第１搬送経路と第３搬送経路の長さが同じなので、第１ローラに到達する第１シートと第３シートの先端部分を再度重ね合わせることが可能である。

前記第２案内部材に対し、前記直交方向において離れた位置に配置され、且つ前記収容部と前記第２案内部材との間の前記第２搬送経路と前記第３搬送経路に設けられた第３案内部材を備え、前記第２搬送経路及び前記第３搬送経路は、前記収容部から前記第２案内部材に至る経路が、前記第３案内部材により前記直交方向に屈曲してもよい。印刷媒体供給装置では、第２搬送経路と第３搬送経路は、第３案内部材により、直行方向に屈曲する経路をなしているので、第２搬送経路と第３搬送経路において長手方向及び直交方向と直交する前後方向の長さを短くできる。故に、印刷媒体供給装置は、筐体の前後方向の大きさを小型化できる。

前記第１搬送経路と前記第３搬送経路が合流する位置に設けられた第４案内部材を備えてもよい。印刷媒体供給装置は、第４案内部材により、第１シートと第３シートを案内できる。

前記第１案内部材、前記第２案内部材、前記第３案内部材、及び前記第４案内部材の少なくとも何れか一つは、ローラであってもよい。印刷媒体供給装置は、印刷媒体を搬送するときに印刷媒体の移動に伴ってローラが回転する。よって、印刷媒体供給装置は、印刷媒体を円滑に案内できる。

前記伝達手段は、前記第１ローラと一体的に回転する第１プーリと、前記第１プーリよりも大きな外径を有し、前記巻取部材と一体的に回転する第２プーリと、前記第１プーリと前記第２プーリとに掛けられたベルトとを備え、前記第１プーリは、前記ベルトとの摩擦力により、駆動力を前記第２プーリに伝達し、前記巻取部材に巻き取られる前記第２シートの巻取量の増加に応じて前記ベルトに対するスリップ量が増加し、前記巻取部材は、前記スリップ量が増加することで前記第２シートを均一に巻回してもよい。印刷媒体供給装置は、第２プーリの外径が第１プーリの外径よりも大きいので、巻取量の増加に応じて第１プーリに対するベルトのスリップ量が増加する。印刷媒体供給装置は、スリップ量が増加することで、第２シートを巻取り軸に均一に巻回できる。

前記案内機構は、前記第１ローラに対向する第２ローラを含み、前記第１ローラは、前記筐体に回転可能に支持され、前記第２ローラは、前記第１ローラとの間に前記印刷媒体を挟持する挟持位置と、前記第１ローラから離れた退避位置とに亙って位置を切り替える切替機構によって回転可能に支持され、前記第１ローラは、長手方向の一方側の端部に第１ギヤを有し、前記第２ローラは、前記長手方向の前記一方側の端部に第２ギヤを有し、前記第２ローラが前記挟持位置のとき、前記第１ローラの前記第１ギヤと前記第２ローラの前記第２ギヤが噛合することで、前記第１ローラと前記第２ローラは等しい周速度で回転してもよい。印刷媒体供給装置は、第１ローラと第２ローラの周速度が等しいので、第１シートと第３シートがずれることなく搬送できる。

前記第１ローラにより搬出される少なくとも前記第１シートを、前記印刷装置の用紙挿入口に案内する案内受面を備えてもよい。印刷媒体供給装置は、案内受面が設けられているので、印刷媒体を円滑に搬送できる。

前記印刷媒体は、円筒の芯に巻回されたロールであり、前記収容部には、前記ロールを保持する保持部材が取り付けられ、前記保持部材は、前記円筒の芯に係合する軸部材と、前記軸部材に回転可能に支持され、前記筐体に設けられた受部に係脱可能に係合する係合部と、前記係合部が前記受部に係合した状態で、前記軸部材に対して、前記ロールから前記印刷媒体が供給されるときの回転方向とは反対方向に付勢する付勢部材とを備えてもよい。軸部材に係合されたロールは、付勢部材によって印刷媒体が供給されるときの回転方向とは反対方向に付勢されるので、印刷媒体の弛みの発生を抑制できる。

前記第２プーリに、前記巻取部材に対する前記第２シートの弛みを巻き取るための摘み部が設けられていてもよい。第２シートに弛みがあっても、ユーザは摘み部を回すことで、第２シートの弛みをなくすことができる。

前記第１案内部材の位置を、前記第１搬送経路に沿って前記第１シートを案内する案内位置と、前記案内位置から離隔した非案内位置とに切替える位置切替部材を備えてもよい。ユーザは、第１案内部材の位置を案内位置から非案内位置に切り替えることで、印刷媒体を容易にセットすることができる。

前記装着部に装着された前記印刷装置から排出される印刷後の前記印刷媒体を切断する切断部を備えてもよい。印刷媒体供給装置は、切断部により印刷後の印刷媒体を切断できる。

前記装着部は、前記装着部に装着された前記印刷装置が、前記印刷媒体の搬送方向と逆方向に移動することを規制する規制部を備えてもよい。印刷装置には、印刷動作中、印刷媒体の搬送方向とは逆方向の力が作用するが、印刷媒体供給装置は、印刷装置の位置を搬送方向とは逆方向への移動を規制できる。

前記第１ローラの長手方向の長さは、前記印刷媒体の幅よりも大きくてもよい。印刷媒体供給装置は、印刷媒体をより確実に搬送できる。

供給装置１の斜視図である。 印刷媒体Ｓ、巻取りロール２９、及び印刷装置１００が取り付けられた状態の供給装置１の斜視図である。 上支持ローラ１１が非案内位置にある場合の軸受部５２周辺を拡大した斜視図である。 第２ローラ２１Ｂが退避位置にある場合の切替機構３１周辺を拡大した斜視図である。 第２ローラ２１Ｂが挟持位置にある場合の切替機構３１周辺を拡大した斜視図である。 ロール保持部材７０の拡大斜視図である。 （ａ）は、第１搬送経路Ｐ１、第２搬送経路Ｐ２、及び第３搬送経路Ｐ３を示す図であり、（ｂ）は、被印刷シートＳ１、保護シートＳ２、及びインクシートＳ３が移動する態様を示した図である。

本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載される装置の構成などは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。本実施形態の説明では、図１の左下側、右上側、右下側、左上側、上側、下側を、それぞれ印刷媒体供給装置（以下、「供給装置１」という。）の前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。

図１～図６を参照して、供給装置１について説明する。供給装置１は、印刷装置１００に対して印刷媒体Ｓを供給するための装置である。印刷媒体Ｓは、被印刷シートＳ１、保護シートＳ２、及びインクシートＳ３が順に重なっている（図７参照）。供給装置１は、印刷媒体Ｓから保護シートＳ２を取り除いて被印刷シートＳ１とインクシートＳ３を重ねて印刷装置１００に供給する。

図１に示すように、供給装置１は、筐体３、収容部６、搬送機構１６、傾斜面３９、案内機構２１、案内受面４１、装着部８、及びカット機構７等を備えている。筐体３は、平面視略正方形状の底壁部３Ａ、一対の側壁部３Ｂ、一対の後壁部３Ｃを備えている。一対の側壁部３Ｂは、底壁部３Ａの左右方向の両端部に設けられる。一対の側壁部３Ｂは、底壁部３Ａの左右方向の端部から、上方に向けてそれぞれ立設されている。一対の側壁部３Ｂは、右側面視、略凸状の形状を呈する。一対の後壁部３Ｃは、底壁部３Ａの左右の後端部から上方に向けてそれぞれ立設されている。

収容部６は、筐体３の後方に設けられている。収容部６は、下方に湾曲した形状を呈している。収容部６は、該湾曲した形状の部分に、ロール状に巻かれた印刷媒体Ｓ（以下、「ロールＲ」ともいう。）を収容可能である（図２参照）。筐体３の後方側には、受部５が設けられている。受部５は、後述するフランジ部材８５を支持するための凹部である。

＜ローラ＞
搬送機構１６は、共通ローラ１５、上支持ローラ１１、下支持ローラ１３（図７参照）、巻取りロール２９（図７参照）、及び合流ローラ１７等を備えている。共通ローラ１５は、軸方向が左右方向に延びるローラである。共通ローラ１５は、側壁部３Ｂの後方側に設けられる。また、共通ローラ１５は、収容部６の前側に配置されている。共通ローラ１５の左右方向の端部は、一対の側壁部３Ｂのそれぞれの軸受部５０に対して回転可能に支持されている。共通ローラ１５は、右側面視反時計回りに回転することで、保護シートＳ２とインクシートＳ３を案内する。

上支持ローラ１１は、軸方向が左右方向に延びるローラである。上支持ローラ１１の両端部１１Ａは、一対の側壁部３Ｂのぞれぞれの上端部の軸受部５２に対して回転可能に支持されている。上支持ローラ１１は、右側面視反時計回りに回動することで、被印刷シートＳ１を案内する。

上支持ローラ１１は、案内位置（図１、図２参照）と非案内位置（図３参照）とに切り替え可能である。案内位置は、上支持ローラ１１が軸受部５２に装着されて、被印刷シートＳ１を案内する位置である。非案内位置は、上支持ローラ１１が軸受部５２から取り外されて、案内位置から離隔した位置である。ユーザは、上支持ローラ１１の左右の端部を軸受部５２に着脱することで、上支持ローラ１１を案内位置と非案内位置とに切替える。

案内位置において、上支持ローラ１１の両端部１１Ａは円柱状をなし、一対の側壁部３Ｂの上端部に設けられた底部５２Ａ（図３参照）に回転可能に装着される。案内部５２Ｂ（図３参照）は、一対の側壁部３Ｂのそれぞれの上端から下方の底部５２Ａに向けて延びている。案内部５２Ｂは、前後方向に対向する対向壁を有する。対向壁間の寸法は、上支持ローラ１１の両端部１１Ａの外径よりも僅かに小さい。底部５２Ａは、上方が開放された略Ｃ字形状をなし、両端部１１Ａの外径よりも僅かに大きい。案内部５２Ｂが設けられる一対の側壁部３Ｂは、合成樹脂材料で形成されており、案内部５２Ｂは僅かに弾性変形が可能である。ユーザは、非案内位置にある上支持ローラ１１の両端部１１Ａを案内部５２Ｂの上から下方に押圧して案内部５２Ｂを押し拡げ、案内部５２Ｂを通過させて底部５２Ａに到達させる。両端部１１Ａが底部５２Ａに到達すると、弾性変形で拡がった案内部５２Ｂは元に戻るので、両端部１１Ａは底部５２Ａに保持される。また、ユーザは、案内位置にある上支持ローラ１１を適度な力で上方に持ち上げれば、上支持ローラ１１を案内部５２Ｂから外すことができる。

下支持ローラ１３（図７参照）は、軸方向が左右方向に延びる。下支持ローラ１３は、筐体３の内部の前後方向略中央、且つ、上下方向において共通ローラ１５よりも下方に配置されている。下支持ローラ１３の左右方向の端部は、一対の側壁部３Ｂの軸受部５７（図１参照）により、回転可能に支持されている。下支持ローラ１３は、右側面視時計回りに回動することで、保護シートＳ２及びインクシートＳ３を案内する。

巻取りロール２９（図７参照）は、保護シートＳ２を巻き取るロールであり、軸方向が左右方向に延びる。巻取りロール２９は、一対の側壁部３Ｂのそれぞれの略中央部に配置される。詳しく図示しないが、巻取りロール２９は、両端部にフランジ部材８６（図２参照）が設けられる。フランジ部材８６は、一対の側壁部３Ｂの軸受部５５（図１参照）により回転可能に支持されている。巻取りロール２９は、右側面反視反時計回りに回転することで、保護シートＳ２を巻き取る。巻取りロール２９は、上下方向において、上支持ローラ１１と下支持ローラ１３との間に設けられている（図７参照）。なお、巻取りロール２９は、前後方向において、後述する第１ローラ２１Ａよりも後方側に配置されている（図７参照）。

合流ローラ１７は、軸方向が左右方向に延びる。合流ローラ１７は、一対の側壁部３Ｂの前方の上端部に配置されている。合流ローラ１７の左右方向の端部は、支持部５８により回転可能に支持されている。合流ローラ１７は、右側面視反時計回りに回転することで、被印刷シートＳ１とインクシートＳ３を案内する。支持部５８は、傾斜面３９の左右両端部から立設する側板３９Ａの後端から後方に延びる部位である。傾斜面３９は、平面視、左右方向に長い長方形状の板部材である。傾斜面３９の後端部は、合流ローラ１７の下端部よりも下方に位置する。傾斜面３９は、前端部に向けて前方ほど下方に傾斜している。左右一対の側板３９Ａは、被印刷シートＳ１とインクシートＳ３の左右の両縁部をそれぞれ案内する。

＜案内機構２１＞
案内機構２１は、一対のニップローラ及び切替機構３１を備える。一対のニップローラは、第１ローラ２１Ａと第２ローラ２１Ｂからなる。第１ローラ２１Ａと第２ローラ２１Ｂは、それぞれ左右方向に延びる細長い円柱状をなす。第１ローラ２１Ａは、傾斜面３９の下端部よりも下方に設けられる。第２ローラ２１Ｂは、傾斜面３９の下端部の前方に設けられる。

第１ローラ２１Ａ、第２ローラ２１Ｂの軸方向である左右方向の長さは、印刷媒体Ｓの左右方向における幅よりも長い。第１ローラ２１Ａと第２ローラ２１Ｂの直径は同一である。第１ローラ２１Ａは、第２ローラ２１Ｂの下面に対向して配置されている。第１ローラ２１Ａは、左右方向の両端部が、一対の側壁部３Ｂの前端部に対して、回転可能に支持されている。第１ローラ２１Ａは、インクシートＳ３に接触し、インクシートＳ３の移動により従動回転する。

切替機構３１は、一対の支持腕部３２を備えている。一対の支持腕部３２の後端部は、第１ローラ２１Ａの後上方において、一対の側壁部３Ｂの内側に回動可能に支持されている。一対の支持腕部３２は、後端部を中心として回動可能である。第２ローラ２１Ｂの左右方向の端部は、一対の支持腕部３２の前端部に回転可能に設けられている。

第２ローラ２１Ｂは、切替機構３１の一対の支持腕部３２の回動により、挟持位置（図５参照）と、退避位置（図４参照）に移動可能である。挟持位置は、第１ローラ２１Ａとの間に印刷媒体Ｓを挟持する位置である（図７（ｂ）参照）。退避位置は、第２ローラ２１Ｂが第１ローラ２１Ａから上方に離れた位置である。切替機構３１は、第２ローラ２１Ｂの位置を、挟持位置と退避位置とに切り替え、且つ回転可能に支持している。また、図４に示すように、一対の支持腕部３２の前端部には、小さい突起３２Ａが設けられる。また、案内受面４１の左右両端部には、突起３２Ａが係脱可能に係合する小さい引掛部４１Ａが設けられる。引掛部４１Ａは、僅かに弾性変形が可能に構成されている。第２ローラ２１Ｂが挟持位置のとき、突起３２Ａが引掛部４１Ａに係合し、第２ローラ２１Ｂは挟持位置で保持される。また、第２ローラ２１Ｂが挟持位置のとき、一対の支持腕部３２の前端部を持ち上げる方向に適度な大きさの力を加えると、突起３２Ａは引掛部４１Ａから外れて保持状態から開放される。

第１ローラ２１Ａの右方側の端部に第１ギヤ２５Ａが設けられている。第２ローラ２１Ｂの右方側の端部に第２ギヤ２５Ｂが設けられている。第１ギヤ２５Ａと第２ギヤ２５Ｂは、ピッチ円直径及び歯数が同一のギヤである。第２ローラ２１Ｂが挟持位置のとき、第１ローラ２１Ａの第１ギヤ２５Ａと第２ローラ２１Ｂの第２ギヤ２５Ｂが噛合する。

第１ギヤ２５Ａと第２ギヤ２５Ｂのギヤ比は１：１である。また、第１ローラ２１Ａと第２ローラ２１Ｂの直径は同一である。従って、第２ローラ２１Ｂが挟持位置のとき、第１ギヤ２５Ａと第２ギヤ２５Ｂが噛合してそれぞれ回転し、第１ローラ２１Ａと第２ローラ２１Ｂは等しい周速度で回転する。

第２ローラ２１Ｂは、第１ローラ２１Ａと対向する挟持位置に配置された状態で、被印刷シートＳ１に接触し、被印刷シートＳ１が移動することにより従動回転する。

＜伝達機構２３＞
図２を参照して、伝達機構２３について説明する。伝達機構２３は、第１ローラ２１Ａの回転力を巻取りロール２９に伝達する。伝達機構２３は、第１プーリ２３Ａ、第２プーリ２３Ｂ、及びベルト２４を備える。第１プーリ２３Ａは、第１ローラ２１Ａの回転軸に設けられ、第１ギヤ２５Ａの右側に配置される。第１プーリ２３Ａは、第１ローラ２１Ａと一体的に回転する。

第２プーリ２３Ｂは、第１プーリ２３Ａよりも大きな外径を有する。第２プーリ２３Ｂは、巻取りロール２９の右端部に設けられる。より詳しくは、第２プーリ２３Ｂは、巻取りロール２９のフランジ部材８６が軸受部５５に支持される部位よりも右側に設けられる。第２プーリ２３Ｂは、巻取りロール２９と一体的に回転する。

ベルト２４は、第１プーリ２３Ａと第２プーリ２３Ｂとに掛けられている。第１プーリ２３Ａは、ベルト２４との摩擦力により、駆動力を第２プーリ２３Ｂに伝達する。第１プーリ２３Ａは、巻取りロール２９に巻き取られる保護シートＳ２の巻取量の増加に応じてベルト２４に対するスリップ量が増加する。これにより、巻取りロール２９は、保護シートＳ２を均一に巻回することが可能である。詳しく説明すると、巻取りロール２９に巻き取られる保護シートＳ２はロール状に巻回されてゆくが、ロールの外径が大きくなる程、巻取りロール２９が１回の回転で巻き取る保護シートＳ２の量が多くなる。このため、巻取りロール２９が保護シートＳ２を均一に巻回するには、巻取りロール２９の回転速度を一定ではなく徐々に遅くする必要がある。また、後述するように、保護シートＳ２には、引き出される方向とは逆方向、即ち引き戻す方向に一定のテンションが付与されている。これによって、第１プーリ２３Ａが一定の回転速度で回転しても、伝達機構２３は、保護シートＳ２の巻取量の増加に応じて、第１プーリ２３Ａとベルト２４のスリップ量が増加し、第２プーリ２３Ｂと一体的に回転する巻取りロール２９の回転速度を徐々に遅くすることができる。なお、第２プーリ２３Ｂは、第１プーリ２３Ａよりも外径が大きいので、ベルト２４との接触長さが長い。よって、保護シートＳ２の巻取量が増加しても、第２プーリ２３Ｂとベルト２４はスリップせずに、第１プーリ２３Ａとベルト２４がスリップする。

第２プーリ２３Ｂは、右方に略円柱状に突出する摘み部２９Ａが設けられている。ユーザは、摘み部２９Ａを右側面視反時計回り方向に回転させることにより、巻取りロール２９に対する保護シートＳ２の弛みを巻き取ることが可能である。このため、ユーザは、後述する印刷準備において、摘み部２９Ａを回転させることにより、保護シートＳ２に対して弛みをとって、適切にテンションを付与できる。

案内受面４１は、第１ローラ２１Ａにより搬出される被印刷シートＳ１及びインクシートＳ３を、印刷装置１００の用紙挿入口１０１（図２参照）に案内する。案内受面４１の傾斜角度は、後述する印刷装置１００の用紙挿入口１０１の受面と略同じ角度である。つまり、案内受面４１は、前方ほど下方を向く面である。これにより、供給される被印刷シートＳ１及びインクシートＳ３は、用紙挿入口１０１に挿入されやすい。

装着部８は、筐体３の前端部に設けられている（図１参照）。装着部８は、左右方向に長い略直方体状に形成されている。装着部８は、印刷装置１００が左側から挿入されることで装着可能である。装着部８には、規制部６１が設けられる。規制部６１は、一対の前側延出部９と、一対の後側延出部１０と、からなる。一対の前側延出部９は、装着部８の前側の左右両端部にそれぞれ設けられる。一対の後側延出部１０は、装着部８の後側の左右両端から少し中央寄りの位置にそれぞれ設けられる。一対の前側延出部９は、立設部９Ａ、突出部９Ｂをそれぞれ備えている。立設部９Ａは、上方に向けて立設されている。突出部９Ｂは、立設部９Ａの上端から後方ほど上方の斜め方向に延びた後に、更に後方に向けて延びている。これにより、一対の前側延出部９は、略逆Ｌ字状を呈している。一対の後側延出部１０は、上方に延びる。装着部８に装着された印刷装置１００は、一対の前側延出部９と一対の後側延出部１０に前後方向から挟まれ、突出部９Ｂが上方から当接している状態となる。このように、規制部６１は、装着部８に装着された印刷装置１００の前後方向及び上下方向の移動を規制する。よって、印刷装置１００が印刷媒体Ｓを搬送するとき、印刷装置１００には、印刷媒体Ｓの搬送方向とは逆方向の力が作用するが、規制部６１は、装着部８に装着された印刷装置１００が、印刷媒体Ｓの搬送方向と逆方向に移動することを規制する。

カット機構７は、装着部８に装着された印刷装置１００から排出される印刷後の被印刷シートＳ１及びインクシートＳ３を切断する。カット機構７（図１、図２参照）は、筐体３の右前端部に設けられている。カット機構７は、切断刃（図示略）を備える。ユーザは、カット機構７を左方向にスライドすることで、排出口１０３から排出された被印刷シートＳ１及びインクシートＳ３を切断刃でカットする。

＜ロール保持部材７０＞
図６に示すように、印刷媒体Ｓを支持するロール保持部材７０は、回転ユニット７２を備えている。回転ユニット７２は、左右一対あって左右対称の構成であるので、以下、右側の回転ユニット７２を説明し、左側の回転ユニット７２の説明は省略する。回転ユニット７２は、左側から順に、筒部８１、トルクリミッタ４２、中間部材４３、トーションバネ４４、フランジ部材８５を備える。

筒部８１は、左右方向に延びる筒状部８１Ａと、筒状部８１Ａの右端に設けられる略十字形状をなす側板部８１Ｂと、からなる。筒状部８１Ａは、印刷媒体Ｓが巻かれたロールＲの芯の内側に係合される。側板部８１Ｂは、ロールＲの右側面に当接する。筒状部８１Ａの内側の穴部８１１の中央には、穴部８１１の左底面（図示略）から右方に延びる中央軸７１が設けられる。トルクリミッタ４２、中間部材４３、及びフランジ部材８５は、左右方向に貫通する貫通孔がそれぞれ形成されており、中央軸７１に貫通した状態で穴部８１１に収納される。このとき、後述するフランジ部材８５のブロック部８５Ｂは、側板部８１Ｂよりも右方に突出する。

トルクリミッタ４２は、本体輪部４２１と、従動輪部４２２と、からなる。トルクリミッタ４２は、一方に入力されるトルクが設定トルクを超えると、他方がスリップする公知の構造を有する。トルクリミッタ４２の本体輪部４２１は、穴部８１１に係合して筒部８１と一体的に回転する。トルクリミッタ４２の従動輪部４２２は、中間部材４３に係合して中間部材４３と一体的に回転する。中間部材４３は、係合突起４３８が設けられる。係合突起４３８の作用は後述する。トーションバネ４４の第２腕部４４２は、中間部材４３に係止されている。

フランジ部材８５は、円板部８５Ａと、略直方体形状のブロック部８５Ｂと、からなる。トーションバネ４４の第１腕部４４１は、フランジ部材８５に係止されている。フランジ部材８５は、中央軸７１の右端部に回転可能に支持されている。フランジ部材８５のブロック部８５Ｂは、筐体３の受部５に係脱可能に係合する。円板部８５Ａの左側面には、図示はしないが、第１突起及び第２突起が、所定の角度だけ離れた位置にそれぞれ設けられる。第１突起及び第２突起の作用は後述する。

収容部６のロールＲから印刷媒体Ｓが繰り出されると、筒部８１は右側面視時計回りに回転し始める。これに伴い、トルクリミッタ４２及び中間部材４３は、筒部８１と一体となって回転する。中間部材４３の回転により、トーションバネ４４の第２腕部４４２も同一方向に回転する。この場合、トーションバネ４４の第１腕部４４１が係止しているフランジ部材８５は、受部５に係合しているので回転しない。これにより、トーションバネ４４は、巻込む方向に撓む。

筒部８１が更に右側面視時計回りに回転すると、中間部材４３の係合突起４３８が、フランジ部材８５の第１突起に当接するまで回転して停止する。このとき、トーションバネ４４は、巻込む方向に撓んでいるので、中間部材４３に対して、巻き戻る方向、即ち右側面視反時計回り方向に付勢する。

係合突起４３８が第１突起に当接すると、中間部材４３の回転が停止する。しかし、筒部８１は回転し続けるので、トルクリミッタ４２に対して設定トルクを超えるトルクがかかる。このとき、トルクリミッタ４２の従動輪部４２２に対して本体輪部４２１が滑り出す。これにより、ロールＲから印刷媒体Ｓが前方に引き出される間、ロール保持部材７０は、トルクリミッタ４２の設定トルクにより、印刷媒体Ｓに対して一定のテンションを付与する。従って、ロールＲの外径、すなわち印刷媒体Ｓの巻き長さによって、印刷媒体Ｓを引き出すときの力がばらつかず、ロール保持部材７０は、印刷媒体Ｓの搬送精度を安定化できる。

印刷媒体Ｓの引き出しが停止された場合、トルクリミッタ４２により付与されていたテンションが解放される。この場合、トーションバネ４４の付勢力により、中間部材４３の係合突起４３８が、フランジ部材８５の第１突起に当接した位置から、第２突起に当接する位置まで回転する。つまり、トーションバネ４４の付勢力により、中間部材４３が右側面視反時計回り方向に回転する。これより、トルクリミッタ４２及び筒部８１も右側面視反時計回り方向に回転する。つまり、回転ユニット７２が逆転することで、印刷媒体Ｓを巻き戻すことができる。故に、供給装置１は、印刷媒体Ｓの弛みの発生を防止できる。

＜印刷装置１００＞
図２に示すように、印刷装置１００は、左右方向に長い略直方体形状をなしている。印刷装置１００は、本体カバー１０２の内部に搬送ローラ１１１、サーマルヘッド１１２等を備える。

搬送ローラ１１１は、サーマルヘッド１１２の発熱抵抗体に対して上側から対向するように配置されている。搬送ローラ１１１は、右側面視時計回り方向に回転することで、被印刷シートＳ１及びインクシートＳ３を搬送する。サーマルヘッド１１２は、複数の加熱素子が選択的に導通されることで、インクシートＳ３を加熱して被印刷シートＳ１に対して印刷を実行する。

＜搬送経路＞
図７（ａ）を参照して第１搬送経路Ｐ１、第２搬送経路Ｐ２、第３搬送経路Ｐ３を説明する。第１搬送経路Ｐ１は、被印刷シートＳ１が搬送される経路である。第２搬送経路Ｐ２は、保護シートＳ２が搬送される経路である。第３搬送経路Ｐ３は、インクシートＳ３が搬送される経路である。

第１搬送経路Ｐ１は、収容部６から第１ローラ２１Ａに至る経路である。第１搬送経路Ｐ１は、上支持ローラ１１の上面、合流ローラ１７の上面、傾斜面３９、第１ローラ２１Ａの上面を通過する経路である。上支持ローラ１１は、巻取りロール２９に対して上方側に配置されており、合流ローラ１７は、巻取りロール２９に対して前方側に配置されている。従って、第１搬送経路Ｐ１は、上支持ローラ１１が配置されている上方に向けて屈曲した経路となっている。

第２搬送経路Ｐ２は、収容部６から巻取りロール２９に至るまでの経路である。第２搬送経路Ｐ２は、共通ローラ１５の上面、下支持ローラ１３の下面を通過し、巻取りロール２９に巻き取られた保護シートＳ２の下面に至るまでの経路である。

第３搬送経路Ｐ３は、収容部６から第１ローラ２１Ａに至るまでの経路である。第３搬送経路Ｐ３は、共通ローラ１５の上面、下支持ローラ１３の下面、合流ローラ１７の上面、第１ローラ２１Ａの上面を通過する経路である。なお、第３搬送経路Ｐ３は、収容部６から下支持ローラ１３に至るまでの経路が第２搬送経路Ｐ２と共通である。

共通ローラ１５は、巻取りロール２９と収容部６の間に配置されている。下支持ローラ１３は、共通ローラ１５に対して、前下方向に離れた位置に配置されている。これにより、第２搬送経路Ｐ２及び第３搬送経路Ｐ３の共通した経路は、収容部６から下支持ローラ１３に至る経路が、共通ローラ１５により上方向に屈曲している。

下支持ローラ１３は、巻取りロール２９に対して、下方に離れた位置に配置されている。また、合流ローラ１７は、巻取りロール２９に対して前方に離れた位置に配置されている。これにより、第３搬送経路Ｐ３では、共通ローラ１５から合流ローラ１７に至る経路が、下方向に屈曲した経路となっている。

第１搬送経路Ｐ１と第３搬送経路Ｐ３では、位置Ｐｓにおいて、被印刷シートＳ１が、保護シートＳ２及びインクシートＳ３から分離し、位置Ｐｍにおいて、被印刷シートＳ１とインクシートＳ３が合流する。また、合流ローラ１７は、位置Ｐｓから位置Ｐｍに至るまでの経路において、第１搬送経路Ｐ１と、第３搬送経路Ｐ３が同一の長さとなる位置に設けられている。

＜印刷媒体Ｓの印刷準備＞
ユーザは、印刷処理の実行前に印刷準備を行い、収容部６のロールＲから印刷媒体Ｓを引き出して印刷可能な状態にそれぞれセットする。ユーザは、被印刷シートＳ１を、第１搬送経路Ｐ１を通過するようにセットする。ユーザは、保護シートＳ２を、第２搬送経路Ｐ２を通過するようにセットする。また、ユーザは、保護シートＳ２を、巻取りロール２９に保護シートＳ２の先端部が巻かれた状態にセットする。この場合、ユーザは、摘み部２９Ａを回すことで、保護シートＳ２に一定のテンションを付与して弛みを取ることができる。

ユーザは、インクシートＳ３を、第３搬送経路Ｐ３を通過するようにセットする。なお、ユーザは、インクシートＳ３の先端部を、合流ローラ１７において被印刷シートＳ１の先端部と合流させる。これにより、被印刷シートＳ１及びインクシートＳ３は互いに重ね合わされる。

ユーザは、被印刷シートＳ１及びインクシートＳ３の先端部が重ね合せた状態で、傾斜面３９、案内機構２１の第１ローラ２１Ａの上面、案内受面４１を通過させる。また、ユーザは、案内受面４１を通過した被印刷シートＳ１及びインクシートＳ３を、印刷装置１００の用紙挿入口１０１に挿通する。ユーザは、用紙挿入口１０１に挿通した被印刷シートＳ１及びインクシートＳ３更に前下方向に移動させ、搬送ローラ１１１とサーマルヘッド１１２の対向位置を通過させる。これにより、印刷装置１００は、搬送ローラ１１１の回転により被印刷シートＳ１及びインクシートＳ３を排出口１０３へ向けて排出可能な状態となる。以上により、印刷装置１００に対する印刷準備が完了する。

＜印刷動作＞
印刷装置１００の印刷動作及び供給装置１の印刷媒体Ｓの供給について説明する。印刷装置１００に電源が投入され、印刷動作が開始されると、搬送ローラ１１１が回転駆動される。搬送ローラ１１１によって、被印刷シートＳ１及びインクシートＳ３が、排出口１０３へ向けて排出される。この時、印刷装置１００は、サーマルヘッド１１２がインクシートＳ３を加熱することで、被印刷シートＳ１にキャラクタを印刷する。なお、被印刷シートＳ１及びインクシートＳ３が前下方向に向けて搬送されると、印刷装置１００には後上方向への反力が作用するが、規制部６１により印刷装置１００は後上方向への移動を規制されている。このため、印刷装置１００は、装着部８に安定的に支持される。

＜印刷媒体Ｓの搬送＞
印刷装置１００は、印刷の実行により被印刷シートＳ１及びインクシートＳ３を前下方向に移動させるので、収容部６に収容されたロールＲから印刷媒体Ｓが繰り出される。ロールＲから繰り出された被印刷シートＳ１、保護シートＳ２、及びインクシートＳ３は、第１搬送経路Ｐ１、第２搬送経路Ｐ２、第３搬送経路Ｐ３をそれぞれ移動する。収容部６から繰り出された被印刷シートＳ１は、位置Ｐｓにおいて保護シートＳ２と分離され、上支持ローラ１１の上面に向けて移動する。被印刷シートＳ１は、上支持ローラ１１の上面に向けて移動した後、合流ローラ１７に向けて移動する。

保護シートＳ２及びインクシートＳ３は、被印刷シートＳ１から分離した後、共通ローラ１５に向けて移動し、共通ローラ１５の上面から下支持ローラ１３下面に向けて移動する。下支持ローラ１３の下面に移動した保護シートＳ２は、インクシートＳ３と分離して巻取りロール２９の下面に向けて後上方向へ移動する。巻取りロール２９は、伝達機構２３の駆動により、右側面視反時計回り方向へ回転している。これにより、保護シートＳ２は、巻取りローラ２８に巻き取られる。

一方、インクシートＳ３は、下支持ローラ１３から合流ローラ１７の上面に向けて、前上方向へ移動する。合流ローラ１７まで移動したインクシートＳ３は、合流ローラ１７の位置Ｐｍにおいて被印刷シートＳ１と重なる。ここで、第１搬送経路Ｐ１と第３搬送経路Ｐ３は等しい距離に設定されている。従って、位置Ｐｓにおいて分離した被印刷シートＳ１の先端部とインクシートＳ３の先端部が位置Ｐｍで再び重なることになる。

被印刷シートＳ１及び保護シートＳ２は、合流ローラ１７の位置Ｐｍで重なり合った状態で、案内機構２１の第１ローラ２１Ａ、第２ローラ２１Ｂとの間に向けて前方且つ下方へ傾斜面３９を移動する。

案内機構２１を通過した被印刷シートＳ１とインクシートＳ３は、案内受面４１を通過する。案内受面４１を通過した被印刷シートＳ１とインクシートＳ３は、印刷装置１００の用紙挿入口１０１の挿入面１１５に案内される。挿入面１１５に案内された被印刷シートＳ１と保護シートＳ２は、印刷装置１００内部のサーマルヘッド１１２に向けて移動する。

サーマルヘッド１１２により印刷された被印刷シートＳ１と共にインクシートＳ３が排出口１０３へ移動する。印刷済の被印刷シートＳ１及び使用済みのインクシートＳ３は、排出部１０５から印刷装置１００の外部に排出され、カット機構７によってカットされる。

＜本実施形態の作用、効果＞
以上説明したように、供給装置１では、被印刷シートＳ１及びインクシートＳ３が案内機構２１の第１ローラ２１Ａに向けて移動する過程で、保護シートＳ２が巻取りロール２９により巻き取られる。故に、供給装置１は、複数のシートが重ねられた印刷媒体Ｓのうち、印刷装置１００の印刷に必要なシートのみを供給できる。

第１搬送経路Ｐ１の長さと、第３搬送経路Ｐ３の長さが同一である。このため、被印刷シートＳ１と保護シートＳ２の先端部分を再度重ね合わせることが可能である。

共通ローラ１５は、下支持ローラ１３に対し、上下方向において離れた位置に配置され、且つ収容部６と下支持ローラ１３との間の第２搬送経路Ｐ２と第３搬送経路Ｐ３に設けられる。第２搬送経路Ｐ２及び第３搬送経路Ｐ３は、収容部６から下支持ローラ１３に至る経路が、共通ローラ１５により上下方向に屈曲する。供給装置１では、第２搬送経路Ｐ２と第３搬送経路Ｐ３は、共通ローラ１５により、上下方向に屈曲する経路をなしているので、第２搬送経路Ｐ２と第３搬送経路Ｐ３の前後方向の長さを短くできる。故に、供給装置１は、筐体３の前後方向の大きさを小型化できる。

合流ローラ１７は、第１搬送経路Ｐ１と第３搬送経路Ｐ３が合流する位置に設けられる。供給装置１は、合流ローラ１７により、被印刷シートＳ１とインクシートＳ３を案内できる。

上支持ローラ１１、下支持ローラ１３、共通ローラ１５、及び合流ローラ１７は、ローラである。供給装置１は、印刷媒体Ｓを搬送するときに印刷媒体Ｓの移動に伴ってローラが回転する。よって、供給装置１は、印刷媒体Ｓを円滑に案内できる。

伝達機構２３は、第１プーリ２３Ａ、第２プーリ２３Ｂ、ベルト２４等を備える。第１プーリ２３Ａは、第１ローラ２１Ａと一体的に回転する。第２プーリ２３Ｂは、第１プーリ２３Ａよりも大きな外径を有し、巻取りロール２９と一体的に回転する。ベルト２４は、第１プーリ２３Ａと第２プーリ２３Ｂとに掛けられている。第１プーリ２３Ａは、ベルト２４との摩擦力により、駆動力を第２プーリ２３Ｂに伝達する。供給装置１は、第２プーリ２３Ｂの外径が第１プーリ２３Ａの外径よりも大きいので、保護シートＳ２の巻取量の増加に応じて第１プーリ２３Ａに対するベルト２４のスリップ量が増加する。故に、供給装置１は、スリップ量が増加することで、保護シートＳ２を巻取り軸に均一に巻回できる。

案内機構２１は、第１ローラ２１Ａに対向する第２ローラ２１Ｂを含む。第１ローラ２１Ａは、筐体３に回転可能に支持される。切替機構３１は、第２ローラ２１Ｂの位置を、挟持位置と退避位置に切り替え、且つ第２ローラ２１Ｂを回転可能に支持する。挟持位置は、第２ローラ２１Ｂが第１ローラ２１Ａとの間に印刷媒体Ｓを挟持する位置である。退避位置は、第２ローラ２１Ｂが第１ローラ２１Ａから離れた位置である。第１ローラ２１Ａは、軸方向の右側の端部に第１ギヤ２５Ａを有する。第２ローラ２１Ｂは、軸方向の右側の端部に第２ギヤ２５Ｂを有する。第２ローラ２１Ｂが挟持位置のとき、第１ギヤ２５Ａと第２ギヤ２５Ｂが噛合することで、第１ローラ２１Ａと第２ローラ２１Ｂは等しい周速度で回転する。供給装置１は、第１ローラ２１Ａと第２ローラ２１Ｂの周速度が等しいので、被印刷シートＳ１とインクシートＳ３がずれることなく搬送できる。

案内受面４１は、第１ローラ２１Ａにより搬出される被印刷シートＳ１及びインクシートＳ３を、印刷装置１００の用紙挿入口１０１に案内する。供給装置１は、案内受面４１が設けられているので、印刷媒体Ｓを円滑に搬送できる。

ロールＲは、印刷媒体Ｓが円筒の芯に巻回されている。収容部６には、ロールＲを保持するロール保持部材７０が取り付けられる。ロール保持部材７０は、筒部８１、フランジ部材８５、トーションバネ４４等を備える。ロール保持部材７０のトーションバネ４４は、フランジ部材８５が受部５に係合した状態で、筒部８１に対して、ロールＲから印刷媒体Ｓが供給されるときの回転方向とは反対方向に付勢する。供給装置１は、印刷媒体Ｓに対して供給されるときの回転方向とは反対方向に力を付与できる。

第２プーリ２３Ｂに、巻取りロール２９に対する保護シートＳ２の弛みを巻き取るための摘み部２９Ａが設けられている。供給装置１は、摘み部２９Ａが設けられていることで、保護シートＳ２の弛みの調整を容易にできる。

軸受部５２は、上支持ローラ１１の位置を、第１搬送経路Ｐ１に沿って被印刷シートＳ１を案内する案内位置と、案内位置から離隔した非案内位置とに切替える。供給装置１は、上支持ローラ１１の位置を案内位置と非案内位置に切り替えできるので、ユーザが印刷媒体Ｓをセットしやすい。

カット機構７は、装着部８に装着された印刷装置１００から排出される印刷後の印刷媒体Ｓを切断する。供給装置１は、カット機構７により印刷後の印刷媒体Ｓを切断できる。

規制部６１は、装着部８に装着された印刷装置１００が、印刷媒体Ｓの搬送方向と逆方向に移動することを規制する規制部６１を備える。供給装置１は、規制部６１により、印刷装置１００の位置を搬送方向とは逆方向への移動を規制できる。

第１ローラ２１Ａの長手方向の長さは、印刷媒体Ｓの幅よりも大きい。供給装置１は、印刷媒体Ｓをより確実に搬送できる。

＜変形例＞
上記実施形態の供給装置１は、種々の変更が可能である。上記実施形態では、被印刷シートＳ１、保護シートＳ２、及びインクシートＳ３が順に重なった状態の印刷媒体Ｓから保護シートＳ２を取り除いて被印刷シートＳ１とインクシートＳ３を重ねて印刷装置１００に供給したがこれに限らない。供給装置１は、被印刷シートＳ１と保護シートＳ２とが重なった状態の印刷媒体Ｓから、被印刷シートＳ１を印刷装置１００に供給してもよい。この場合、印刷装置１００に供給される過程で、保護シートＳ２が巻取りロール２９により巻き取られれば、供給装置１は、複数のシートが重ねられた印刷媒体Ｓのうち、印刷装置１００の印刷に必要なシートのみを供給できる。

第１ローラ２１Ａと第２ローラ２１Ｂはローラであったが、何れか一方は、ローラの代わりに、平面又は湾曲面からなる案内面を有する案内部材であってもよい。例えば、第１ローラ２１Ａが案内面であり、第２ローラ２１Ｂがローラであってもよい。このような場合においても、案内機構２１は、被印刷シートＳ１とインクシートＳ３を案内可能である。この場合、伝達機構２３は、第２ローラ２１Ｂ側に設けられ、駆動力を巻取りロール２９に伝達すればよい。また、第１ローラ２１Ａと第２ローラ２１Ｂの直径は同一であったがこれに限らす、適宜変更してもよい。この場合、第１ギヤ２５Ａと第２ギヤ２５Ｂのギヤ比は１：１ではなく、周速度が一定となるよう構成されていればよい。第１ギヤ２５Ａと第２ギヤ２５Ｂは、第１ローラ２１Ａと第２ローラ２１Ｂの右側に設けられたが、左側に設けられてもよい。この場合、伝達機構２３は左側に設けられるとよい。

上支持ローラ１１、下支持ローラ１３、共通ローラ１５、及び合流ローラ１７等の配置位置は、上記実施形態に限らず適宜変更してもよい。上支持ローラ１１、下支持ローラ１３、共通ローラ１５、及び合流ローラ１７は、ローラであったが、これらのうち少なくとも何れか一つがローラであってもよい。例えば、上支持ローラ１１、下支持ローラ１３、共通ローラ１５、及び合流ローラ１７は、例えば、案内面で構成されていてもよい。

案内受面４１は、用紙挿入口１０１の挿入面１１５と略同じ角度で傾斜したが適宜変更してもよい。摘み部２９Ａは、ユーザにより操作されたが、ロール保持部材７０の機構を適用して、保護シートＳ２の弛みを排除可能としてもよい。規制部６１の構成は、上述した構成に限らず、装着部８に装着された印刷装置１００が、印刷媒体Ｓの搬送方向と逆方向に移動することを規制できる構成であればよい。

＜その他＞
上記実施形態において、被印刷シートＳ１は、本発明の「第１シート」の一例である。保護シートＳ２は、本発明の「第２シート」の一例である。インクシートＳ３は、本発明の「第３シート」の一例である。上下方向は、本発明の「直交方向」の一例である。前方は、本発明の「搬送方向」の一例である。左右方向は、本発明の「長手方向」の一例である。巻取りロール２９は、本発明の「巻取部材」の一例である。伝達機構２３は本発明の「伝達手段」の一例である。トーションバネ４４は、本発明の「付勢部材」の一例である。フランジ部材８５は、本発明の「係合部」の一例である。ロール保持部材７０は、本発明の「保持部材」の一例である。カット機構７は、本発明の「切断部」の一例である。上支持ローラ１１は、本発明の「第１案内部材」の一例である。下支持ローラ１３は、本発明の「第２案内部材」の一例である。共通ローラ１５は、本発明の「第３案内部材」の一例である。合流ローラ１７は、本発明の「第４案内部材」の一例である。軸受部５２は、本発明の「位置切替部材」の一例である。筒部８１は、本発明の「軸部材」の一例である。

１ 供給装置
３ 筐体
５ 受部
６ 収容部
７ カット機構
８ 装着部
９Ａ 立設部
９Ｂ 突出部
１１ 上支持ローラ
１３ 下支持ローラ
１５ 共通ローラ
１７ 合流ローラ
２１ 案内機構
２１Ａ 第１ローラ
２１Ｂ 第２ローラ
２９ 巻取りロール
２９Ａ 摘み部
２３ 伝達機構
２３Ａ 第１プーリ
２３Ｂ 第２プーリ
２４ ベルト
２５Ａ 第１ギヤ
２５Ｂ 第２ギヤ
３１ 切替機構
３２ 支持腕部
４１ 案内受面
５２ 軸受部
４４ トーションバネ
７０ ロール保持部材
６１ 規制部
８１ 筒部
８５ フランジ部材
１００ 印刷装置
１０１ 用紙挿入口
Ｓ 印刷媒体
Ｒ ロール
Ｓ１ 被印刷シート
Ｓ２ 保護シート
Ｓ３ インクシート
Ｐ１、Ｐ２、Ｐ３ 搬送経路

Claims (16)

1. 第１シート、第２シート、及び第３シートが順に重なった状態の印刷媒体から前記第２シートを取り除いて前記第１シートと前記第３シートを重ねて印刷装置に供給する印刷媒体供給装置であって、
   前記第３シートに接触し前記第３シートの移動により従動回転する第１ローラと、
   前記第１ローラと対向する位置に配置され、前記第１シートに接触し前記第１シートの移動により従動回転する第２ローラと、
   前記第１ローラよりも前記第１シートの搬送方向の上流側に配置され、前記第２シートを巻き取る巻取部材と、
   前記第１ローラの回転力を前記巻取部材に伝達する伝達手段と
   を備えることを特徴とする印刷媒体供給装置。
2. 少なくとも第１シートと第２シートとが重なった状態の印刷媒体を印刷装置に供給する印刷媒体供給装置であって、
   筐体と、
   前記筐体に設けられ、前記印刷装置を着脱可能に装着する装着部と、
   前記筐体に設けられ、前記印刷媒体を収容する収容部と、
   前記装着部と前記収容部との間に配置され、前記印刷装置が行う印刷動作によって少なくとも前記第１シートが移動することにより従動回転する第１ローラを含む案内機構と、
   前記案内機構の前記第１ローラと前記収容部との間に配置され、前記第２シートを巻き取る巻取部材と、
   前記第１ローラの回転力を前記巻取部材に伝達する伝達手段と
   を備えることを特徴とする印刷媒体供給装置。
3. 第１シート、第２シート、及び第３シートが重なった状態の印刷媒体を印刷装置に供給する印刷媒体供給装置であって、
   筐体と、
   前記筐体に設けられ、前記印刷装置を着脱可能に装着する装着部と、
   前記筐体に設けられ、前記印刷媒体を収容する収容部と、
   前記装着部と前記収容部との間に配置され、前記第１シート及び前記第３シートを挟持すると共に、前記印刷装置が行う印刷動作によって前記第１シート及び前記第３シートが移動することにより従動回転する第１ローラを含む案内機構と、
   前記案内機構の前記第１ローラと前記収容部との間に配置され、前記第２シートを巻き取る巻取部材と、
   前記第１ローラの回転力を前記巻取部材に伝達する伝達手段と、
   前記収容部から前記第１ローラに至る経路であって、前記巻取部材の長手方向と直交する直交方向の一方側を移動して前記第１シートが搬送される第１搬送経路に設けられる第１案内部材と、
   前記収容部から前記巻取部材に至る経路であって、前記第２シートが搬送される第２搬送経路、且つ、前記収容部から前記第１ローラに至る経路であって、前記巻取部材に対して前記直交方向の他方側を移動して前記第３シートが搬送される第３搬送経路に設けられる第２案内部材と
   を備えることを特徴とする印刷媒体供給装置。
4. 前記第１搬送経路の長さと、前記第３搬送経路の長さが同一である
   ことを特徴とする請求項３に記載の印刷媒体供給装置。
5. 前記第２案内部材に対し、前記直交方向において離れた位置に配置され、且つ前記収容部と前記第２案内部材との間の前記第２搬送経路と前記第３搬送経路に設けられた第３案内部材
   を備え、
   前記第２搬送経路及び前記第３搬送経路は、
   前記収容部から前記第２案内部材に至る経路が、前記第３案内部材により前記直交方向に屈曲することを特徴とする請求項３又は４に記載の印刷媒体供給装置。
6. 前記第１搬送経路と前記第３搬送経路が合流する位置に設けられた第４案内部材
   を備えることを特徴とする請求項５に記載の印刷媒体供給装置。
7. 前記第１案内部材、前記第２案内部材、前記第３案内部材、及び前記第４案内部材の少なくとも何れか一つは、ローラである
   ことを特徴とする請求項６に記載の印刷媒体供給装置。
8. 前記伝達手段は、
   前記第１ローラと一体的に回転する第１プーリと、
   前記第１プーリよりも大きな外径を有し、前記巻取部材と一体的に回転する第２プーリと、
   前記第１プーリと前記第２プーリとに掛けられたベルトと
   を備え、
   前記第１プーリは、
   前記ベルトとの摩擦力により、駆動力を前記第２プーリに伝達し、
   前記巻取部材に巻き取られる前記第２シートの巻取量の増加に応じて前記ベルトに対するスリップ量が増加し、
   前記巻取部材は、前記スリップ量が増加することで前記第２シートを均一に巻回する
   ことを特徴とする請求項１～７の何れか一つに記載の印刷媒体供給装置。
9. 前記案内機構は、前記第１ローラに対向する第２ローラを含み、
   前記第１ローラは、前記筐体に回転可能に支持され、
   前記第２ローラは、前記第１ローラとの間に前記印刷媒体を挟持する挟持位置と、前記第１ローラから離れた退避位置とに亙って位置を切り替える切替機構によって回転可能に支持され、
   前記第１ローラは、長手方向の一方側の端部に第１ギヤを有し、
   前記第２ローラは、前記長手方向の前記一方側の端部に第２ギヤを有し、
   前記第２ローラが前記挟持位置のとき、前記第１ローラの前記第１ギヤと前記第２ローラの前記第２ギヤが噛合することで、前記第１ローラと前記第２ローラは等しい周速度で回転する
   ことを特徴とする請求項２～７の何れか一つに記載の印刷媒体供給装置。
10. 前記第１ローラにより搬出される少なくとも前記第１シートを、前記印刷装置の用紙挿入口に案内する案内受面
    を備えることを特徴とする請求項１～７の何れか一つに記載の印刷媒体供給装置。
11. 前記印刷媒体は、円筒の芯に巻回されたロールであり、
    前記収容部には、前記ロールを保持する保持部材が取り付けられ、
    前記保持部材は、
    前記円筒の芯に係合する軸部材と、
    前記軸部材に回転可能に支持され、前記筐体に設けられた受部に係脱可能に係合する係合部と、
    前記係合部が前記受部に係合した状態で、前記軸部材に対して、前記ロールから前記印刷媒体が供給されるときの回転方向とは反対方向に付勢する付勢部材と
    を備えることを特徴とする請求項２～７の何れか一つに記載の印刷媒体供給装置。
12. 前記第２プーリに、前記巻取部材に対する前記第２シートの弛みを巻き取るための摘み部が設けられている
    ことを特徴とする請求項８に記載の印刷媒体供給装置。
13. 前記第１案内部材の位置を、前記第１搬送経路に沿って前記第１シートを案内する案内位置と、前記案内位置から離隔した非案内位置とに切替える位置切替部材
    を備えることを特徴とする請求項３～７の何れか一つに記載の印刷媒体供給装置。
14. 前記装着部に装着された前記印刷装置から排出される印刷後の前記印刷媒体を切断する切断部
    を備えることを特徴とする請求項２～７の何れか一つに記載の印刷媒体供給装置。
15. 前記装着部は、前記装着部に装着された前記印刷装置が、前記印刷媒体の搬送方向と逆方向に移動することを規制する規制部を
    備えることを特徴とする請求項２～７の何れか一つに記載の印刷媒体供給装置。
16. 前記第１ローラの長手方向の長さは、前記印刷媒体の幅よりも大きい
    ことを特徴とする請求項１～１５の何れか一つに記載の印刷媒体供給装置。

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