JP7493745B2 - 離型シート - Google Patents

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本発明は、複合シート及び離型シートに関する。
フッ素樹脂は、耐熱性、耐薬品性及び非粘着性などに優れた樹脂である。フッ素樹脂をガラスクロスなどの織布に含浸させたシート状の複合材料が、化学、機械、電気、通信、建築など幅広い分野で用いられている。特許文献1には、外壁や屋根材などの建築用途に用いられる膜構造物が開示されている。この膜構造物は、織布を含む基材と、基材上に設けられ、四ふっ化エチレン樹脂及び二酸化ケイ素を含む組成物層と、組成物層上に配置される光透過性樹脂層とを備える。
特開2017-105211号公報
本発明が解決しようとする課題は、クラックの少ない複合シート及び離型シートを提供することである。
実施形態によると、複合シートを含む離型シートが提供される。複合シートは、基布と、樹脂層とを備える。樹脂層は、基布の少なくとも一方の主面上に設けられる。樹脂層は、フッ素樹脂としてポリテトラフルオロエチレンと、二酸化ケイ素粒子とを含む。二酸化ケイ素粒子の平均一次粒子径は、10nm以上60nm以下である。フッ素樹脂の平均一次粒子径は、0.1μm以上0.5μm以下である。樹脂層は複合シートの表面に位置する。
他の実施形態によると、離型シートが提供される。離型シートは、実施形態に係る複合シートを含む。
実施形態によれば、クラックが生じにくい複合シート及び離型シートを提供することができる。
実施形態に係る複合シートの一例を概略的に示す断面図。 二酸化ケイ素粒子の平均粒子径と限界膜厚クラックとの関係の一例を示すグラフ。 実施例1で得られた複合シートのマイクロスコープ写真。 比較例1で得られた複合シートのマイクロスコープ写真。 実施例2で得られた複合シートのマイクロスコープ写真。 比較例2で得られた複合シートのマイクロスコープ写真。
シート状の複合材料は、例えば、以下の方法により製造される。先ず、フッ素樹脂の粒子を含むディスパージョンを貯留する貯留槽に、ガラスクロスなどの織布を浸漬させる。ディスパージョンから織布を取り出し、スペーサーを用いて所定の膜厚となるように塗膜を形成して、乾燥させる。所望の膜厚となるまで、この作業を繰り返し行い、乾燥後の塗膜を焼成する。これにより、所望の膜厚のフッ素樹脂層が織布上に設けられたシート状の複合材料を得る。
この際、ディスパージョンの塗膜が過剰に厚いと、フッ素樹脂層にクラックが生じることがある。フッ素樹脂層にクラックが生じると、膜の美観が損なわれるとともに、耐久性や離型性などの複合材料の機能が低下する。
本発明者らは鋭意研究した結果、フッ素樹脂層に二酸化ケイ素の微粒子を配合させることにより、クラックが生じにくくなることを見出した。本発明は、この知見に基づくものである。
実施形態によると、複合シートが提供される。複合シートは、基布と、樹脂層とを備える。樹脂層は、基布の少なくとも一方の主面上に設けられる。樹脂層は、フッ素樹脂と、二酸化ケイ素粒子とを含む。二酸化ケイ素粒子の平均一次粒子径は、10nm以上60nm以下である。樹脂層の少なくとも一部は複合シートの表面に位置する。
実施形態に係る複合シートの樹脂層は、二酸化ケイ素粒子を含むため、クラックが生じにくい。この理由は定かではないが、フッ素樹脂の粒子と比較してより小さい粒径を有する二酸化ケイ素の微粒子が、基布の網目等の凹凸部に入り込むことにより、塗膜の安定性が高まるためと考えられる。
実施形態に係る複合シートの樹脂層は、クラックが生じにくい。そのため、樹脂層は色ムラが発生しにくく、発色性に優れるなど、美観が向上する。また、耐久性や離型性などの機能性にも優れる。実施形態に係る複合シートは、化学、機械、電気、通信、建築など幅広い分野で用いることができる。実施形態に係る複合シートは、特に耐久性及び離型性に優れるため、食品や日用品などの搬送ベルト用の離型シートとして好適に用いることができる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
基布は、例えば、織布又はメッシュである。基布は、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、及びアラミド(芳香族ポリアミド)繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種の単繊維を含む。使用する単繊維の種類は、1種または2種以上にすることができる。基布は、ガラス繊維及びアラミド繊維の少なくとも一方を含むことが好ましく、ガラスクロス、アラミドクロス、ガラスメッシュ、又はアラミドメッシュであることが好ましい。
単繊維の線径は、3μm以上13μm以下の範囲にすることが望ましい。また、単繊維束によって構成される糸の太さは、1.7テックス以上4080テックス以下の範囲にすることが望ましい。これにより、織布の柔軟性と強度をより向上することができる。
織布又はメッシュの織り方は、特に限定されないが、例えば、平織、綾織、朱子織、からみ織、又は摸紗織である。基布の厚みは、例えば、27μm以上1440μm以下である。
樹脂層は、基布の少なくとも一方の主面上に設けられる。樹脂層は、基布の両方の主面上に設けられていることが好ましい。樹脂層の少なくとも一部は、複合シートの最表面に位置する。複合シートの少なくとも一方の主面が、樹脂層の主面で規定されていることが好ましい。樹脂層は、複合シートが対象物と接する場合、その対象物と直接的に接するように配置される。
樹脂層の形状は、基布の表面の形状に沿って変化し得る。すなわち、基布が貫通孔を有する目の粗い織布又はメッシュである場合、樹脂層は、基布の貫通孔を完全に塞ぐように存在していてもよく、貫通孔の一部を塞ぐように存在していてもよい。
樹脂層は、フッ素樹脂と二酸化ケイ素粒子とを含む。樹脂層は、フッ素樹脂からなる膜又はフッ素樹脂の焼結体内に、二酸化ケイ素粒子が分散した形態にあり得る。二酸化ケイ素は、粒子の形態になくてもよい。樹脂層は、基布に追従して折れ曲がる柔軟性を有し得る。
樹脂層の厚みは、例えば、10μm以上500μm以下である。樹脂層の厚みは、10μm以上300μm以下であることが好ましい。樹脂層は、クラックが生じにくいため、その厚みを比較的厚くすることができる。
フッ素樹脂としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)、ECTFE(エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVF(ポリフッ化ビニル)、及びこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる。
フッ素樹脂は、PTFEを含むことが好ましい。樹脂層において、PTFEは、粒子状であることが好ましい。PTFE粒子の平均一次粒子径は、0.02μm以上0.5μm以下の範囲であることが望ましい。より好ましい範囲は、0.1μm以上0.3μm以下である。PTFEの平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡観察により測定できる。
フッ素樹脂は、樹脂層の主成分であり得る。樹脂層におけるフッ素樹脂の割合は、70重量%以上98重量%以下であることが好ましい。
二酸化ケイ素(SiO)粒子は、平均粒子径が10nm以上60nm以下のコロイド粒子状である。二酸化ケイ素粒子の平均粒子径は、10nm以上40nm以下であることが好ましく、10nm以上25nm以下であることがより好ましい。二酸化ケイ素粒子の平均粒子径が小さいと、樹脂層にクラックがより生じにくく、樹脂層の膜厚をより厚くすることができる。二酸化ケイ素粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡観察により測定できる。
二酸化ケイ素の粒子は、複合シートの中間層位置に混在していることが望ましい。このような配列になるとクラックが減少し、複合シートの離型性が高まる。
二酸化ケイ素(SiO)粒子は、非晶質シリカ粒子であることが好ましい。非晶質シリカは、親水性であることがより好ましい。親水性非晶質シリカを用いると、樹脂層にクラックがより生じ難い。
二酸化ケイ素の粒子は、Brunauer, Emmett, Teller(BET)の吸着等温式による比表面積が10m/g以上であることが好ましい。比表面積を10m/g以上にすることにより、基布との密着性を向上することができる。より好ましい範囲は、50m/g以上400m/g以下である。
樹脂層における二酸化ケイ素の割合は、1.0重量%以上15.0重量%以下であることが好ましい。二酸化ケイ素の割合がこの範囲内にあると、樹脂層にクラックがより生じ難い。二酸化ケイ素の割合は、1.5重量%以上7.0重量%以下であることがより好ましい。
樹脂層は、フッ素樹脂及び二酸化ケイ素粒子の他に、添加剤を含み得る。添加剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が挙げられる。添加剤は1種類でもよく、2種類以上でもよい。樹脂層における添加剤の割合は、0.1重量%以上1.0重量%以下であることが好ましい。
図1は、実施形態に係る複合シートの一例を概略的に示す断面図である。図1に示す複合シート1は、基布110と、基布110の両方の主面上に設けられた樹脂層111とを含む。樹脂層111の主面は、複合シート1の表面に露出している。
実施形態に係る複合シートの構成には、様々な変形が可能である。例えば、基布の一方の主面に樹脂層を設け、他方の主面にゴム層を設けてもよい。ゴム層は、例えば、ニトリルゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、又はアクリルゴムなどのゴムを含む。また、基布と樹脂層との間に、ゴム層を設けてもよい。
実施形態に係る複合シートは、例えば、以下の方法で作成される。
先ず、フッ素樹脂分散液を準備する。フッ素樹脂分散液は、例えば、フッ素樹脂粒子と、水と、任意に添加剤とを含む。フッ素樹脂分散液におけるフッ素樹脂粒子、水、及び添加剤の割合は、例えば、20.0重量%以上60.0重量%以下、33.5重量%以上79.0重量%以下、及び1.0重量%以上6.5重量%以下である。フッ素樹脂分散液としては、市販のフッ素樹脂ディスパージョンを用いることができる。
次に、二酸化ケイ素のコロイド分散液を準備する。二酸化ケイ素のコロイド分散液は、例えば、二酸化ケイ素と、水と、任意に添加剤を含む。二酸化ケイ素のコロイド分散液における二酸化ケイ素、水、及び添加剤の割合は、例えば、10.0重量%以上60.0重量%以下、49.0重量%以上85.0重量%以下、及び1.0重量%以上5.0重量%以下である。添加剤は、例えば、安定剤である。安定剤としては、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化アンモニウム(NHOH)、又はこれらの混合物を用いる。二酸化ケイ素のコロイド分散液としては、市販のコロイド溶液状シリカを用いることができる。
次に、フッ素樹脂分散液と二酸化ケイ素のコロイド分散液とを混合して、二酸化ケイ素含有フッ素樹脂分散液を調製する。
次に、二酸化ケイ素含有フッ素樹脂分散液内に、基布を浸漬させる。その後、二酸化ケイ素含有フッ素樹脂分散液内から基布を取り出し、スペーサーを用いて所定の膜厚となるように、基布の両方の主面上に塗膜を形成する。この塗膜を、十分に乾燥させる。乾燥後の塗膜を、フッ素樹脂の融点以上で焼成することにより、所望の膜厚の樹脂層が基布の両面に設けられた複合シートを得る。
なお、基布の片面又は両面に、二酸化ケイ素含有フッ素樹脂分散液を塗布することにより、塗膜を形成してもよい。二酸化ケイ素含有フッ素樹脂分散液の塗布方法としては、スプレー法やスピンコート法など従来公知の方法が用いられる。
二酸化ケイ素含有フッ素樹脂分散液により設けられる樹脂層は、クラックが生じにくい。そのため、この方法では、塗膜の厚みを従来よりも厚くすることができる。これにより厚みの大きい樹脂層を設ける場合にあっても、塗膜の積層数を削減し、製造効率を高めることができる。これに対して、従来の技術では、クラックが生じないように薄い塗膜を重ね塗りして樹脂層の大きな厚みを実現する必要があり、製造効率が低かった。
以下、実施例を説明する。
(分散液1-1の調製)
先ず、フッ素樹脂分散液として、GFL(Gujarat Fluorochemicals Limited)製のPTFE水系ディスパージョンを準備した。PTFE粒子の平均一次粒子径は0.3μmであった。フッ素樹脂分散液中のPTFE濃度は60wt%であり、界面活性剤濃度は6wt%であった。フッ素樹脂分散液の比重は1.51であり、pHは9.5以上であった。
次に、二酸化ケイ素のコロイド分散液として、日産化学株式会社製のコロイド溶液状シリカを準備した。二酸化ケイ素の平均粒子径は12.5nmであった。二酸化ケイ素のコロイド分散液中の二酸化ケイ素濃度は50.0重量%であり、安定剤の濃度は4.0重量%であった。
次に、フッ素樹脂分散液に、二酸化ケイ素のコロイド分散液を添加して、二酸化ケイ素含有フッ素樹脂分散液を調製した。二酸化ケイ素含有フッ素樹脂分散液中の二酸化ケイ素の含有量は5.2重量%であり、フッ素樹脂の含有量は46.8重量%であった。以下、このフッ素樹脂分散液を分散液1-1とした。
(分散液1-2、1-3、2-1及び2-2の調製)
表1に示すように平均粒子径の異なる二酸化ケイ素のコロイド分散液を用いたこと以外は、分散液1-1と同様の方法で分散液1-2、1-3、2-1及び2-2を調製した。
<限界膜厚試験>
上記で得られた分散液を用いて、限界膜厚試験を行った。具体的には、上記分散液内にガラス板を浸漬させた後、余分な分散液が取り除かれるように傾けながらガラス板を分散液内から取り出した。その後、分散液の塗膜が形成されたガラス板を、十分に乾燥させた後、フッ素樹脂の融点以上で塗膜を焼成して、ガラス板と樹脂層との積層体を得た。マイクロスコープを用いて樹脂層の表面を観察し、クラックの有無を確認した。この積層体の厚みから、ガラス板の厚みを差し引くことにより、樹脂層の厚みを算出した。クラックが生じなかった樹脂層の最大厚みを、限界膜厚クラック(CCT:Critical Crack Thickness)とした。
この結果を表1及び図2に示す。図2は、二酸化ケイ素粒子の平均粒子径と限界膜厚クラックとの関係の一例を示すグラフである。表1及び図2から明らかなように、二酸化ケイ素粒子の平均粒子径が10nm以上60nm以下である樹脂層の限界膜厚クラックは、平均粒子径が60nmよりも大きい樹脂層の限界膜厚クラックよりも大きかった。すなわち、平均粒子径が10nm以上60nm以下である二酸化ケイ素粒子を含む樹脂層は、平均粒子径が60nmよりも大きい二酸化ケイ素を含む樹脂層よりもクラックが生じにくいと言える。また、二酸化ケイ素粒子の平均粒子径が10nm以上25nm以下の範囲内にある樹脂層の限界膜厚クラックは、特に大きかった。すなわち、平均粒子径が10nm以上25nm以下である二酸化ケイ素粒子を含む樹脂層は、特にクラックが生じにくいと言える。
(実施例1)
二酸化ケイ素含有フッ素樹脂分散液中に、基布を浸漬させた。二酸化ケイ素含有フッ素樹脂液としては、分散液1-3を用いた。基布としては、基布厚み530μm、織組織 模写織のメッシュガラス繊維織物を用いた。その後、二酸化ケイ素含有フッ素樹脂分散液内から基布を取り出し、スペーサーを用いて膜厚が15~25μmとなるように塗膜を形成して、乾燥させた。乾燥後の塗膜を、370℃の温度で、3分間にわたって焼成し基布の両面に樹脂層が設けられた複合シートを得た。
(実施例2)
基布として基布厚み620μm、織組織 平織のガラス繊維織物を用いたこと以外は、実施例1に記載したのと同様の方法で複合シートを得た。
(比較例1)
二酸化ケイ素含有フッ素樹脂分散液として分散液2-1を用いたこと以外は、実施例1に記載したのと同様の方法で複合シートを得た。
(比較例2)
二酸化ケイ素含有フッ素樹脂分散液として分散液2-1を用いたこと以外は、実施例2に記載したのと同様の方法で複合シートを得た。
<表面観察>
実施例1及び2並びに比較例1及び2で得られた複合シートの樹脂層を、マイクロスコープで観察し、クラックの有無を観察した。
図3は、実施例1で得られた複合シートのマイクロスコープ写真である。図4は、比較例1で得られた複合シートのマイクロスコープ写真である。図3及び図4の対比から明らかなように、実施例1に係る複合シートは、樹脂層にクラックが生じず、かつ、縦糸と横糸とが交差する微細な凹凸部にも樹脂層が設けられていた。一方、比較例1に係る複合シートは、樹脂層にクラックが生じており、縦糸と横糸とが交差する微細な凹凸部に樹脂層が浸透していなかった。その結果、実施例1に係る複合シートは、比較例1に係る複合シートと比較して着色ムラがなく、発色性に優れて見えた。
図5は、実施例2で得られた複合シートのマイクロスコープ写真である。図6は、比較例2で得られた複合シートのマイクロスコープ写真である。図5及び図6の対比から明らかなように、実施例2に係る複合シートは、樹脂層にクラックが生じず、かつ、縦糸と横糸とが交差する微細な凹凸部にも樹脂層が設けられていた。一方、比較例2に係る複合シートは、樹脂層にクラックが生じており、縦糸と横糸とが交差する微細な凹凸部に樹脂層が浸透していなかった。
<繰り返し離型試験>
実施例1及び比較例1で得られた複合シートについて、繰り返し離型試験を行った。具体的には、先ず、複合シートの表面に、ゴムをプレスして、試験片を作製した。プレス条件としては、プレス温度を185℃とし、プレス圧力を2kg/cmとし、プレス時間を5分とした。プレスは、ゴムを載せた表側から行った後、裏側からも行った。その後、表側及び裏側からのプレスを繰り返した。すなわち、トータルプレス回数は4回とした。ゴムの寸法は、長辺が130mmであり、短辺が100mmである長方形状とした。ゴムの材質は、塩化ビニルであった。次に、複合シートの表面からゴムを剥離し、その際の剥離強度を測定した。剥離条件は、剥離角を45°とし、剥離速度を50mm/minとした。
その結果、実施例1に係る複合シートの剥離強度は、1.64N/mであり、比較例1で得られた複合シートの剥離強度は2.43N/mであった。すなわち、実施例1の複合シートの離型性は、比較例1の複合シートの離型性よりも優れていた。
<揉み試験後離型試験>
実施例1及び比較例1で得られた複合シートについて、揉み試験後離型試験を行った。具体的には、先ず、上述したのと同様の方法で試験片を作製した。この試験片を、スコット形試験機にセットし、往復摩擦を行った。試験条件としては、チャック間の長さを40mmとし、荷重を2kgとし、揉み回数を20回とした。次に、複合シートの表面からゴムを剥離し、その際の剥離強度を測定した。剥離条件は、剥離角を45°とし、剥離速度を50mm/minとした。
その結果、実施例1に係る複合シートの剥離強度は、28.3N/mであり、比較例1で得られた複合シートの剥離強度は34.0N/mであった。すなわち、実施例1の複合シートの離型性は、比較例1の複合シートの離型性よりも優れていた。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 基布と、前記基布の少なくとも一方の主面上に設けられた樹脂層とを備えた複合シートであって、
前記樹脂層は、フッ素樹脂と、平均粒子径が10nm以上60nm以下の二酸化ケイ素粒子とを含み、前記樹脂層の少なくとも一部は前記複合シートの表面に位置する複合シート。
[2] 前記樹脂層の厚みは、10μm以上500μm以下である[1]に記載の複合シート。
[3] 前記樹脂層における前記二酸化ケイ素粒子の割合は、1.0重量%以上15.0重量%以下である[1]又は[2]に記載の複合シート。
[4] 前記二酸化ケイ素粒子は、親水性非晶質シリカ粒子である[1]~[3]の何れか1項に記載の複合シート。
[5] 前記フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレンである[1]~[4]の何れか1項に記載の複合シート。
[6] 前記フッ素樹脂の平均一次粒子径は、0.02μm以上0.5μm以下である[1]~[5]の何れか1項に記載の複合シート。
[7] 前記基布は、織布又はメッシュである[1]~[6]の何れか1項に記載の複合シート。
[8] [1]~[7]の何れか1項に記載の複合シートを含む離型シート。
1…複合シート、110…基布、111…樹脂層。

Claims (7)

  1. 基布と、前記基布の少なくとも一方の主面上に設けられた樹脂層とを備えた複合シートを含む離型シートであって、
    前記樹脂層は、フッ素樹脂としてポリテトラフルオロエチレンと、平均粒子径が10nm以上60nm以下の二酸化ケイ素粒子とを含み、
    前記フッ素樹脂の平均一次粒子径は、0.1μm以上0.5μm以下であり、
    前記樹脂層は前記複合シートの表面に位置する離型シート。
  2. 前記樹脂層の厚みは、10μm以上500μm以下である請求項1に記載の離型シート。
  3. 前記樹脂層における前記二酸化ケイ素粒子の割合は、1.0重量%以上15.0重量%以下である請求項1又は2に記載の離型シート。
  4. 前記二酸化ケイ素粒子は、親水性非晶質シリカ粒子である請求項1~3の何れか1項に記載の離型シート。
  5. 前記樹脂層における前記フッ素樹脂の割合は、70重量%以上である請求項1~4の何れか1項に記載の離型シート。
  6. 前記樹脂層は、前記基布の両方の主面上に設けられている、請求項1~5の何れか1項に記載の離型シート。
  7. 前記基布は、織布又はメッシュである請求項1~6の何れか1項に記載の離型シート。
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