JP7492849B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録装置に関する。
特許文献1は、インクジェット装置を開示する。インクジェット装置では、インクジェット吐出ユニットが多軸型ロボットの先端部に取り付けられる。インクジェット吐出ユニットは、プッシュ式インクジェットヘッドと、インクタンクと、圧力制御部とを有する。プッシュ式インクジェットヘッドは、インクジェット吐出ユニットの先端に取り付けられ、インクをワークに吐出する。インクタンクは、プッシュ式インクジェットヘッドに接続され、プッシュ式インクジェットにインクを供給する。圧力制御部は、インクタンクに接続され、多軸型ロボットの動作状態に合わせてインクタンクにかけるガス圧を調整する。プッシュ式インクジェットヘッドは、吐出状態がインクの供給圧力に大きく影響を受ける。インクの供給圧力は、インクタンク内の液面とプッシュ式インクジェットヘッドのノズルとの高さの差によって影響を受ける。この高さの差は、インクジェット吐出ユニットの傾斜に対して変化する。圧力制御部は、多軸型ロボットの動作状態から割り出したインクジェット吐出ユニットの傾斜量に対し、インクタンクに供給するガス圧を制御する。プッシュ式インクジェットヘッドでは、インクジェット吐出ユニットの傾斜によらず、安定したインク吐出が可能となる。
特開2016-131914号公報
インクジェット記録装置は、貯留室に貯留されたインクをインクジェットヘッドに供給し、このインクを複数のノズルから記録媒体の外面に向けて吐出する。記録媒体が立体形状を有する場合、発明者は、インクジェットヘッドの吐出面が記録媒体の複数の外面と正対するように支持具を回転することが好ましいと考えた。支持具は、インクジェットヘッドを支持する。吐出面には、複数のノズルが設けられる。更に、発明者は、種々の検討の結果、インクジェットヘッドと共に貯留室も支持具で支持することが好ましいと考えた。但し、支持具は、インクジェットヘッドと貯留室とをそれぞれ直接支持してもよく、又はインクジェットヘッド及び貯留室の一方を直接支持し、インクジェットヘッド及び貯留室の他方を間接的に支持してもよい。
貯留室には、複数のノズルにインクのメニスカスを安定して形成するためにエア流路が繋げられる。エア流路には、負圧源に吸い込まれるエアが流れる。負圧源は、貯留室内の気圧を負圧とする。発明者は、次の第一位置が支持具の回転に伴い次の第二位置より高くなり、次の事象が生じることがあることを見出した。第一位置は、複数のノズルのうち最も鉛直方向上側に位置するノズルの鉛直方向の位置である。第二位置は、貯留室内のインクの液面の鉛直方向の位置である。前述の事象は、エア流路へのインクの逆流である。
本発明は、貯留室内のインクが支持具の回転に伴いエア流路に逆流することを防止可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、インクジェット記録装置であって、インクを吐出する複数のノズルを含むインクジェットヘッドと、内部に前記インクを貯留する貯留室と、前記貯留室と前記インクジェットヘッドとを接続し、前記貯留室から前記インクジェットヘッドに供給される前記インクが流れるインク流路と、前記インクジェットヘッドと前記貯留室とを支持する支持具と、前記貯留室と繋がり、前記貯留室内の気圧を負圧とする負圧源に吸い込まれるエアが流れるエア流路と、前記支持具を水平な回転軸を中心として第一回転方向及び前記第一回転方向とは反対の第二回転方向に回転させ、前記支持具を鉛直な仮想軸に対する前記複数のノズルが設けられる前記インクジェットヘッドの吐出面の傾斜角が第一角度である状態と前記傾斜角が前記第一角度とは異なる第二角度である状態とする移動機構と、を備え、前記貯留室は、前記支持具が前記傾斜角が前記第一角度である状態である場合及び前記傾斜角が前記第二角度である状態である場合、前記貯留室内に貯留されている前記インクの液面を前記複数のノズルのうち最も鉛直方向上側に位置する前記ノズルよりも鉛直方向上側とする可動部と、内部に前記貯留室内に貯留された前記インクの液面との気液界面が形成される空間を有する第一部分と、前記可動部を介して前記第一部分と連結され、且つ内部に前記第一部分内の空間と共に前記貯留室内の前記インクを貯留する空間を形成する空間を有する第二部分と、を含み、前記エア流路は、前記第一部分と繋がり、前記移動機構は、前記支持具を前記傾斜角が前記第一角度から前記第二角度である状態とする場合、前記支持具を前記第一回転方向に回転させ、前記支持具を前記傾斜角が前記第二角度から前記第一角度である状態とする場合、前記支持具を前記第二回転方向に回転させ、前記可動部は、前記移動機構が前記支持具を前記第一回転方向に回転させる場合、前記第二部分に対して前記第一部分を前記第二回転方向に可動させ、前記移動機構が前記支持具を前記第二回転方向に回転させる場合、前記第二部分に対して前記第一部分を前記第一回転方向に可動させ、前記インクジェット記録装置は、前記貯留室内に貯留されている前記インクの液面を前記複数のノズルのうち最も鉛直方向上側に位置する前記ノズルよりも鉛直方向上側とする力を前記貯留室の前記第一部分に作用させる付勢具を備え、前記付勢具は、前記移動機構が前記支持具を前記第一回転方向に回転させる場合、前記第一部分を前記第二回転方向に可動させる力を前記第一部分に作用させ、前記移動機構が前記支持具を前記第二回転方向に回転させる場合、前記第一部分を前記第一回転方向に可動させる力を前記第一部分に作用させる、インクジェット記録装置である。
このインクジェット記録装置によれば、可動部により、支持具が傾斜角が第一角度及び第二角度の何れの状態である場合も貯留室内に貯留されているインクの液面を複数のノズルのうち最も鉛直方向上側に位置するノズルよりも鉛直方向上側とすることができる。支持具の第一回転方向への回転に応じて、第二部分に対して第一部分を第二回転方向に可動させることができる。支持具の第二回転方向への回転に応じて、第二部分に対して第一部分を第一回転方向に可動させることができる。第二部分に対する第一部分の可動を補助することができる。支持具の第一回転方向への回転に応じて、第二部分に対して第一部分を第二回転方向にスムーズに回転させることができる。支持具の第二回転方向への回転に応じて、第二部分に対して第一部分を第一回転方向にスムーズに回転させることができる。
前記エア流路は、前記付勢具を含む、ようにしてもよい。
この構成によれば、エア流路によって付勢具を兼用することができる。部品点数を削減することができる。
本発明によれば、貯留室内のインクが支持具の回転に伴いエア流路に逆流することを防止可能なインクジェット記録装置を得ることができる。
インクジェット記録装置の概略構成の一例を示す斜視図である。 インクジェット記録装置の概略構成の一例を示す断面図である。図1のインクジェット記録装置に対応する。移動機構及び負圧源の図示を省略し、支持具及びエア流路の一部を示す。 図2のA矢視断面図である。図2に対し載置台及び記録媒体の図示を省略する。 移動機構による支持具の回転動作を説明する断面図である。移動機構、負圧源、載置台及び記録媒体の図示を省略し、支持具及びエア流路の一部を示す。(A)は、傾斜角が90°(第一角度)である状態を示す。(B)は、傾斜角が0°(第二角度)である状態を示す。 インクジェット記録装置の概略構成の他の例を示す斜視図である。
本発明を実施するための実施形態について、図面を用いて説明する。本発明は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に示す構成の一部は、省略し又は他の構成に置換してもよい。本発明は、他の構成を含んでもよい。図面は、所定の構成を模式的に示す。各図面は、他の図面との対応が正確ではない場合もある。ハッチングは、切断面を示す。破線は、かくれ線である。
<インクジェット記録装置10>
インクジェット記録装置10について、図1~4を参照して説明する。実施形態では、インクジェット記録装置10を特定するための方向を、鉛直方向、第一水平方向、第二水平方向及び回転方向RA,RB,RC,RDという。第二水平方向は、第一水平方向に直交する。第一水平方向の一方側を「第一側」といい、第一水平方向の他方側を「第二側」という。第二水平方向の一方側を「第三側」といい、第二水平方向の他方側を「第四側」という。回転方向RA,RBは、第一水平方向に沿った水平な回転軸を中心とする。回転方向RBは、回転方向RAとは反対である。回転方向RC,RDは、第二水平方向に沿った水平な回転軸を中心とする。回転方向RDは、回転方向RCとは反対である。
インクジェット記録装置10は、記録媒体90に柄を記録する(図1参照)。実施形態では、記録媒体90は、平板形状を有し、記録媒体90の第一面91、第二面92及び第三面93を含む全ての面は、二次元平面である。記録媒体90が図1,2の状態である場合、第一面91は、鉛直方向上側に配置され、第二面92は、第二水平方向の第三側に配置され、第三面93は、第一水平方向の第一側に配置され、第四面94は、第二水平方向の第四側に配置される。但し、インクジェット記録装置10は、各種形状の記録媒体90に柄を記録することができる。例えば、インクジェット記録装置10は、三次元表面に柄を記録することもできる。図1で第一面91に付した交差模様は、第一面91に記録された柄に対応する。
柄の記録に複数色のインクを用いることで、インクジェット記録装置10は、記録媒体90にフルカラーの柄を記録することができる。インク色の例としては、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックが挙げられる。但し、柄の記録には、これらとは異なる色のインクを用いてもよい。インク色数は、3色以下又は5色以上としてもよい。実施形態は、インク色を区別することなく説明する。図2~4に示す網点模様は、この網点模様が付された部分がインクで満たされていることを示す。
インクジェット記録装置10は、載置台15と、インクジェットヘッド20と、貯留室30と、インク流路50と、支持具55と、エア流路60と、移動機構70とを備える(図1,2参照)。インクジェット記録装置10には、負圧源63が接続される(図1参照)。
載置台15には、記録媒体90が載せ置かれる(図1,2参照)。載置台15は、柄の記録時、記録媒体90を支持する。インクジェット記録装置10は、記録媒体90が載置台15に載せ置かれた状態で、載置台15に接していない記録媒体90の外面に柄を記録することができる。
インクジェットヘッド20は、ノズル21と、接続口23と、内部流路24とを含む(図2~4参照)。ノズル21は、インクを吐出する。インクジェットヘッド20には、複数のノズル21が設けられる。実施形態では、インクジェットヘッド20は、5個のノズル21を含む。但し、このようなノズル21の数は例示である。インクジェットヘッド20に設けるノズル21の数は、諸条件を考慮して適宜決定される。ノズル21が設けられているインクジェットヘッド20の面を「吐出面22」という。接続口23は、インクジェットヘッド20に供給されるインクの流入口である。接続口23には、インク流路50が接続される。インク流路50については後述する。
内部流路24は、インクジェットヘッド20の内部に設けられる。内部流路24は、本流部25と、複数の支流部26とを含む。本流部25は、接続口23と繋がる。支流部26は、本流部25から分岐し、ノズル21に繋がる。内部流路24は、ノズル21と同数の支流部26を含む。インクは、接続口23を通ってインクジェットヘッド20に流入した後、本流部25を流れる。本流部25を流れるインクは、複数の支流部26に流入し、複数のノズル21の側に流れる。
貯留室30は、内部にインクを貯留する(図2~4参照)。貯留室30内の空間には、貯留室30内に貯留されたインクの液面との気液界面が形成される。インクジェット記録装置10は、貯留室30として、管状の容器を採用する。貯留室30は、サブタンクと称されることもある。貯留室30は、可動部40を含む。可動部40は、貯留室30内に貯留されているインクの液面を複数のノズル21のうち最も鉛直方向上側に位置するノズル21よりも鉛直方向上側とする(図4参照)。貯留室30に関するこの他の説明は後述する。
インク流路50は、貯留室30とインクジェットヘッド20とを接続する(図1~4参照)。インク流路50の一端は、貯留室30に接続され、インク流路50の他端は、インクジェットヘッド20(接続口23)に接続される。インク流路50は、一端で貯留室30内と通じ合い、他端で内部流路24と通じ合う(図2~4参照)。インクは、貯留室30内からインク流路50に流出する。更に、インクは、インク流路50を流れ、接続口23からインクジェットヘッド20に流入する。
支持具55には、インクジェットヘッド20及び貯留室30が搭載される(図1~4参照)。即ち、支持具55は、インクジェットヘッド20と貯留室30とを支持する。
エア流路60は、貯留室30の第一部分と繋がる(図1~4参照)。貯留室30の第一部分については後述する。エア流路60には、エアが流れる。エア流路60は、付勢具61と、電磁弁62とを含む。付勢具61は、エア流路60の途中に螺旋状に設けられる(図1参照)。付勢具61は、エア流路60を形成する管部分を螺旋状として形成される。付勢具61は、エア流路60に弾性力を生じさせる。エア流路60で付勢具61は、貯留室30の鉛直方向上側に設けられる。付勢具61は、次の力を貯留室30の第一部分に作用させる。前述の力は、貯留室30内に貯留されているインクの液面を複数のノズル21のうち最も鉛直方向上側に位置するノズル21よりも鉛直方向上側とする(図4参照)。実施形態では、付勢具61は、貯留室30の第一部分を鉛直方向上側に引っ張る(図1~4参照)。
電磁弁62は、エア流路60の貯留室30側端に設けられる。エア流路60は、電磁弁62を介して貯留室30の第一部分と繋がる。電磁弁62は、エア流路60を開閉する。インクジェット記録装置10は、電磁弁62として、公知の比例制御弁を採用する。電磁弁62は、エア流路60の開度を全閉と全開との間で比例制御する。全開は、開度100%を意味し、全閉は、開度0%を意味する。
負圧源63は、エア流路60の貯留室30とは反対側に繋がり、エア流路60を介して貯留室30内と通じ合う(図1参照)。負圧源63は、貯留室30内のエアを吸い込む。貯留室30内のエアは、エア流路60を流れて負圧源63に吸い込まれる。これに伴い、負圧源63は、貯留室30内に負圧を発生させる。即ち、負圧源63は、貯留室30内の気圧を負圧とする。負圧は、大気圧より低い圧力である。負圧源63の例としては、真空ポンプが挙げられる。インクジェット記録装置10は、貯留室30内の気圧を大気圧とする機構を含んでもよい。但し、実施形態では、この機構を不図示とし、これに関する説明は省略する。
電磁弁62の開度が全閉でない場合(開度>0%)、負圧源63は、貯留室30内のエアを吸い込む。貯留室30内の気圧は、電磁弁62を開くことで(開度>0%)、開く前の圧力から低下する。インクジェット記録装置10は、電磁弁62の開度の設定によって貯留室30内から流出するエア量を可変する。インクジェット記録装置10は、貯留室30内の気圧の低下速度(減圧速度)を制御する。
貯留室30内の気圧を大気圧とした場合、ノズル21からインクが垂れ落ちることがある。そのため、柄の記録時、貯留室30内の気圧は、大気圧未満の所定の負圧とすることが好ましい。貯留室30内の気圧は、ノズル21でのメニスカスの形成に影響を与える。インクジェット記録装置10は、ノズル21にメニスカスを安定して形成することができるよう貯留室30内の気圧を調整する。
インクジェット記録装置10は、移動機構70として、垂直多関節ロボットを採用する(図1参照)。移動機構70の軸数は、第一軸L1、第二軸L2、第三軸L3、第四軸L4、第五軸L5及び第六軸L6の6軸である。垂直多関節ロボットは、既に実用化され公知である。従って、移動機構70の構造に関する説明は省略する。
移動機構70には、支持具55が設けられる(図1参照)。移動機構70が垂直多関節ロボットである場合、支持具55は、ロボットアームの先端に取り付けられる。移動機構70は、支持具55の鉛直方向、第一水平方向及び第二水平方向の位置を移動させる。
移動機構70は、支持具55を第一水平方向に沿った回転軸としての第一軸L1、第二軸L2及び第三軸L3の一部又は全部を中心として回転方向RA,RBに回転させる(図1,4参照)。支持具55は、第一軸L1、第二軸L2及び第三軸L3の一部又は全部を中心として回転することで、傾斜角θが第一角度である状態となり(図4(A)参照)、又は傾斜角θが第二角度である状態となる(図4(B)参照)。傾斜角θは、鉛直な仮想軸L0に対する吐出面22の傾きを示す(図2参照)。即ち、移動機構70は、支持具55を第一軸L1、第二軸L2及び第三軸L3の一部又は全部を中心として回転させ、支持具55を傾斜角θが第一角度である状態と傾斜角θが第二角度である状態とする。
移動機構70は、支持具55を第二水平方向に沿った回転軸としての第四軸L4を中心として回転方向RC,RDに回転させる(図1参照)。支持具55は、第四軸L4を中心として回転することで、傾斜角θが第一角度である状態となり、又は傾斜角θが第二角度である状態となる(共に不図示)。即ち、移動機構70は、支持具55を第四軸L4を中心として回転させ、支持具55を傾斜角θが第一角度である状態と傾斜角θが第二角度である状態とする。
実施形態では、第一軸L1、第二軸L2及び第三軸L3を区別しない場合、又はこれらを総称する場合、「第一回転軸」という。第二水平方向に沿った回転軸(第四軸L4)を「第二回転軸」という。傾斜角θに関し、第一角度を90°とし、第二角度を0°とする(図4参照)。但し、移動機構70は、支持具55を傾斜角θが所定の範囲で任意の角度となる状態とすることができる。第一回転軸及び第二回転軸の何れを中心とした回転についても、吐出面22は、傾斜角θが90°(第一角度)である状態では水平面となり(図1~3及び図4(A)参照)、傾斜角θが0°(第二角度)である状態では鉛直面となる(第一回転軸を中心とした回転について図4(B)参照)。
実施形態では、図4に基づき移動機構70が支持具55を第一回転軸を中心として回転方向RA,RBに90°回転させる場合を例として説明することとし、図面に基づく次の説明は省略する。前述の説明は、移動機構70が支持具55を第二回転軸を中心として回転方向RC,RDに90°回転させる場合についてである。
インクジェット記録装置10は、上述の各部の他、補給流路を備える。例えば、補給流路は、メインタンクと貯留室30とを接続する。メインタンクは、インクを貯留する。貯留室30内のインクは、ノズル21から吐出されることで減少する。貯留室30内のインク量の下限値が設定されているとする。この場合、貯留室30内のインク量が下限値未満又は以下となった場合、メインタンクに貯留されたインクが補給流路を介して貯留室30に補給される。図1~4及び後述する図5では、補給流路及びメインタンクの図示を省略する。
<貯留室30>
貯留室30について、図1~4を参照して説明する。貯留室30は、可動部40を含む。可動部40は、支持具55が次の場合、貯留室30内に貯留されているインクの液面を複数のノズル21のうち最も鉛直方向上側に位置するノズル21よりも鉛直方向上側とする(図4参照)。前述の場合は、傾斜角θが第一角度である状態である(図4(A)参照)。更に、前述の場合は、傾斜角θが第二角度である状態である(図4(B)参照)。図4で高低差Hは、貯留室30内に貯留されているインクの液面の鉛直方向の位置と複数のノズル21のうち最も鉛直方向上側に位置するノズル21の鉛直方向の位置との差を示す。実施形態では、複数のノズル21のうち最も鉛直方向上側に位置するノズル21を「最上位置のノズル21」という。
貯留室30内に貯留されているインクの液面を最上位置のノズル21よりも鉛直方向上側とすることで、貯留室30内に貯留されているインクの液面は、最上位置のノズル21内のインクの液面よりも鉛直方向上側となる。高低差Hに関し、最上位置のノズル21の鉛直方向の位置は、最上位置のノズル21内のインクの液面として定義してもよい。支持具55が傾斜角θが90°である状態である場合、複数のノズル21内のインクの液面の鉛直方向の位置は同じとなる(図4(A)参照)。従って、この場合、複数のノズル21の全てが最上位置のノズル21となる。
貯留室30は、可動部40の他、第一室部31と、第二室部32と、第三室部33とを含む(図1~4参照)。可動部40は、第一可動部41と、第二可動部42とを含む(図2~4参照)。実施形態では、第一可動部41及び第二可動部42を区別しない場合、又はこれらを総称する場合、「可動部40」という。
第一室部31は、第二室部32と連結され、第二室部32は、第三室部33と連結される(図2~4参照)。第一室部31、第二室部32及び第三室部33は、内部に空間を有する。第一室部31、第二室部32及び第三室部33が連結されることで、第一室部31、第二室部32及び第三室部33内の空間は繋がり、貯留室30内の空間を形成する。インクは、この貯留室30内の空間に貯留される。第一室部31内の空間には、貯留室30内に貯留されたインクの液面との気液界面が形成される。貯留室30は、第一室部31で電磁弁62を介してエア流路60と繋がり、第三室部33で支持具55に支持される。
第一室部31と第二室部32との連結部分及び第二室部32と第三室部33との連結部分には、可動部40が形成される(図2~4参照)。即ち、第一室部31と第二室部32との連結部分には、第一可動部41が形成され(図3参照)、第二室部32と第三室部33との連結部分には、第二可動部42が形成される(図2,4参照)。
第一可動部41は、第二可動部42によって連結された第二室部32及び第三室部33に対して第一室部31を回転方向RA,RBに可動させる(図4参照)。即ち、第一室部31は、第二室部32と第三室部33との連結体に対して回転方向RA,RBに相対回転する。図1の第七軸L7は、この相対回転の回転軸を示す。
第二可動部42は、第三室部33に対して第一可動部41によって連結された第一室部31及び第二室部32を回転方向RC,RDに可動させる(不図示)。即ち、第一室部31と第二室部32との連結体は、第三室部33に対して回転方向RC,RDに相対回転する。図1の第八軸L8は、この相対回転の回転軸を示す。
可動部40は、移動機構70が支持具55を第一回転方向に回転させる場合、貯留室30の第二部分に対して貯留室30の第一部分を第二回転方向に可動させる。可動部40は、移動機構70が支持具55を第二回転方向に回転させる場合、貯留室30の第二部分に対して貯留室30の第一部分を第一回転方向に可動させる。
上記の第一回転方向及び第二回転方向に関し、第二回転方向は、第一回転方向とは反対である。従って、第一回転方向及び第二回転方向は、回転方向RA,RBの組み合わせと、回転方向RC,RDの組み合わせとに対応する。柄が記録媒体90の第一面91と第二面92とに記録されるとする。この場合、第一回転方向を回転方向RAとすると、第二回転方向は、回転方向RBである。柄が記録媒体90の第一面91と第三面93とに記録されるとする。この場合、第一回転方向を回転方向RCとすると、第二回転方向は、回転方向RDである。
上記の貯留室30の第一部分及び第二部分に関し、移動機構70が支持具55を第一回転方向及び第二回転方向としての回転方向RA,RBに回転させる場合、第一部分は、第一室部31であり、第二部分は、第二室部32と第三室部33との連結体である。この場合、可動部40は、第一可動部41である。移動機構70が支持具55を第一回転方向及び第二回転方向としての回転方向RC,RDに回転させる場合、第一部分は、第一室部31と第二室部32との連結体であり、第二部分は、第三室部33である。この場合、可動部40は、第二可動部42である。前述の記載から明らかな通り、第一室部31は、回転方向RA,RB及び回転方向RC,RDに関わらず、貯留室30の第一部分に含まれる。
<柄の記録動作>
柄の記録動作についての実施例1~3を説明する。但し、実施例2の説明では、実施例1と共通する点は適宜省略する。実施例3の説明は簡略化し、可動部40の第二可動部42の動作を説明する。
<実施例1>
実施例1は、インクジェット記録装置10が第一面91に柄を記録し、その後、第二面92に柄を記録する場合を例とする。柄の記録開始前、支持具55は、傾斜角θが90°(第一角度)である状態となる(図4(A)参照)。この場合、移動機構70は、第一面91に対して支持具55を第一水平方向に往復移動させる(図1参照)。更に、移動機構70は、支持具55をこの往復移動に対応させて第二水平方向の第三側から第四側又は第四側から第三側に間欠的に移動させる。図1は、移動機構70が支持具55を第二水平方向の第三側から第四側に間欠的に移動させる態様に対応する。インクジェットヘッド20は、第一水平方向への移動途中、ノズル21から第一面91に向けてインクを吐出する。このような記録動作は、公知のシリアル型のインクジェット記録装置と同様である。
第一面91への柄の記録後、移動機構70は、第一回転軸を基準として支持具55を回転方向RAに90°回転させ、支持具55を傾斜角θが90°(第一角度)から0°(第二角度)である状態とする(図4(A)~(B)参照)。これに伴い、図4(A)の支持具55は、傾斜角θが0°(第二角度)である状態となる(図4(B)参照)。貯留室30では、可動部40の第一可動部41が第二室部32と第三室部33との連結体(貯留室30の第二部分)に対して第一室部31(貯留室30の第一部分)を回転方向RBに90°可動させる(図4(A)~(B)参照)。第一室部31は、第二室部32と第三室部33との連結体に対して回転方向RBに90°相対回転する。
続けて、移動機構70は、第一面91への柄の記録時と同様、第二面92に対して支持具55を第一水平方向に往復移動させる(不図示)。更に、移動機構70は、支持具55をこの往復移動に対応させて鉛直方向上側から下側又は鉛直方向下側から上側に間欠的に移動させる。インクジェットヘッド20は、第一水平方向への移動途中、ノズル21から第二面92に向けてインクを吐出する。
第二面92への柄の記録が、第一水平方向の第一側から第二側又は第二側から第一側への1回の移動によって行えるとする。この場合、移動機構70は、第二面92への柄の記録時、支持具55を第一水平方向に往復移動させない。移動機構70は、支持具55を第一水平方向の第一側から第二側又は第二側から第一側に1回移動させる。第二面92への柄の記録が、第一水平方向の第一側から第二側又は第二側から第一側への1回の移動又は第一水平方向への1回の往復移動によって行えるとする。この場合、移動機構70は、第二面92への柄の記録時、支持具55を鉛直方向に移動させない。
<実施例2>
実施例2は、インクジェット記録装置10が第二面92に柄を記録し、その後、第一面91に柄を記録する場合を例とする。柄の記録開始前、支持具55は、傾斜角θが0°(第二角度)である状態となる(図4(B)参照)。この場合、移動機構70は、第二面92に対して支持具55を第一水平方向に往復移動させる(不図示)。更に、移動機構70は、支持具55をこの往復移動に対応させて鉛直方向上側から下側又は鉛直方向下側から上側に間欠的に移動させる。インクジェットヘッド20は、第一水平方向への移動途中、ノズル21から第二面92に向けてインクを吐出する。
第二面92への柄の記録後、移動機構70は、第回転軸を基準として支持具55を回転方向RBに90°回転させ、支持具55を傾斜角θが0°(第二角度)から90°(第一角度)である状態とする(図4(B)~(A)参照)。これに伴い、図4(B)の支持具55は、傾斜角θが90°(第一角度)である状態となる(図4(A)参照)。貯留室30では、可動部40の第一可動部41が第二室部32と第三室部33との連結体(貯留室30の第二部分)に対して第一室部31(貯留室30の第一部分)を回転方向RAに90°可動させる(図4(B)~(A)参照)。第一室部31は、第二室部32と第三室部33との連結体に対して回転方向RAに90°相対回転する。
続けて、移動機構70は、第一面91に対して支持具55を第一水平方向に往復移動させる(図1参照)。更に、移動機構70は、支持具55をこの往復移動に対応させて第二水平方向の第三側から第四側又は第四側から第三側に間欠的に移動させる。インクジェットヘッド20は、第一水平方向への移動途中、ノズル21から第一面91に向けてインクを吐出する。
<実施例3>
実施例3は、実施例1,2とは異なり、第一面91と第三面93とに柄を記録する場合を例とする。例えば、第一面91への柄の記録が終了した後、第三面93に柄を記録する場合、移動機構70は、第二回転軸を基準として、支持具55を回転方向RCに90°回転させる。貯留室30では、可動部40の第二可動部42が第三室部33(貯留室30の第二部分)に対して第一室部31と第二室部32との連結体(貯留室30の第一部分)を回転方向RDに90°可動させる。第一室部31と第二室部32との連結体は、第三室部33に対して回転方向RDに90°相対回転する。
この他、第三面93への柄の記録が終了した後、第一面91に柄を記録する場合、移動機構70は、第二回転軸を基準として、支持具55を回転方向RDに90°回転させる。貯留室30では、可動部40の第二可動部42が第三室部33(貯留室30の第二部分)に対して第一室部31と第二室部32との連結体(貯留室30の第一部分)を回転方向RCに90°可動させる。第一室部31と第二室部32との連結体は、第三室部33に対して回転方向RCに90°相対回転する。
<実施形態の効果>
実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)インクジェット記録装置10は、インクジェットヘッド20と、貯留室30と、インク流路50と、支持具55と、エア流路60と、移動機構70とを備える(図1参照)。インクジェットヘッド20は、複数のノズル21を含む(図2~4参照)。複数のノズル21は、インクを吐出する。貯留室30は、内部にインクを貯留する。インク流路50は、貯留室30とインクジェットヘッド20とを接続する(図1~4参照)。インク流路50には、貯留室30からインクジェットヘッド20に供給されるインクが流れる(図2~4参照)。支持具55は、インクジェットヘッド20と貯留室30とを支持する(図1~4参照)。エア流路60は、貯留室30と繋がる(図1~4参照)。エア流路60には、負圧源63に吸い込まれるエアが流れる。負圧源63は、貯留室30内の気圧を負圧とする。移動機構70は、支持具55を水平な第一回転軸を中心として第一回転方向及び第二回転方向としての回転方向RA,RBに回転させる(図1,4参照)。移動機構70は、支持具55を水平な第二回転軸を中心として第一回転方向及び第二回転方向としての回転方向RC,RDに回転させる(図1参照)。移動機構70は、支持具55を傾斜角θが第一角度である状態と傾斜角θが第二角度である状態とする(図4参照)。傾斜角θは、鉛直な仮想軸L0に対する吐出面22の傾きを示す(図3参照)。貯留室30は、可動部40を含む(図2~4参照)。可動部40は、支持具55が傾斜角θが第一角度である状態である場合及び傾斜角θが第二角度である状態である場合、貯留室30内に貯留されているインクの液面を最上位置のノズル21よりも鉛直方向上側とする(図4参照)。
インクジェット記録装置10によれば、可動部40により、支持具55が傾斜角θが第一角度及び第二角度の何れの状態である場合も貯留室30内に貯留されているインクの液面を最上位置のノズル21よりも鉛直方向上側とすることができる。貯留室30内のインクが支持具55の回転に伴いエア流路60に逆流することを防止することができる。
(2)貯留室30は、第一部分と、第二部分とを含む。移動機構70が支持具55を第一回転方向及び第二回転方向としての回転方向RA,RBに回転させる場合、第一部分は、第一室部31であり、第二部分は、第二室部32と第三室部33との連結体である。移動機構70が支持具55を第一回転方向及び第二回転方向としての回転方向RC,RDに回転させる場合、第一部分は、第一室部31と第二室部32との連結体であり、第二部分は、第三室部33である。第一室部31は、内部に次の空間を有する(図2~4参照)。前述の空間には、貯留室30内に貯留されたインクの液面との気液界面が形成される。貯留室30では、第二部分は、可動部40を介して第一部分と連結される。第二部分又は第一部分としての第二室部32と第二部分としての第三室部33とは、内部に次の空間を有する(図2~4参照)。前述の空間は、第一室部31内の空間と共に貯留室30内のインクを貯留する空間を形成する。エア流路60は、第一部分としての第一室部31と繋がる(図1~4参照)。
例えば、移動機構70は、図4に示すように、支持具55を傾斜角θが90°(第一角度)から0°(第二角度)である状態とする場合(図4(A)~(B)参照)、支持具55を回転方向RAに回転させる。移動機構70は、図4に示すように、支持具55を傾斜角θが0°(第二角度)から90°(第一角度)である状態とする場合(図4(B)~(A)参照)、支持具55を回転方向RBに回転させる。可動部40の第一可動部41は、移動機構70が支持具55を回転方向RAに回転させる場合、第二室部32と第三室部33との連結体(貯留室30の第二部分)に対して第一室部31(貯留室30の第一部分)を回転方向RBに可動させる。可動部40の第一可動部41は、移動機構70が支持具55を回転方向RBに回転させる場合、第二室部32と第三室部33との連結体(貯留室30の第二部分)に対して第一室部31(貯留室30の第一部分)を回転方向RAに可動させる。
この構成によれば、支持具55の回転方向RAへの回転に応じて、第二室部32と第三室部33との連結体(貯留室30の第二部分)に対して第一室部31(貯留室30の第一部分)を回転方向RBに可動させることができる。支持具55の回転方向RBへの回転に応じて、第二室部32と第三室部33との連結体(貯留室30の第二部分)に対して第一室部31(貯留室30の第一部分)を回転方向RAに可動させることができる。
(3)インクジェット記録装置10は、付勢具61を備える(図1~4参照)。付勢具61は、次の力を貯留室30の第一部分に作用させる。前述の力は、貯留室30内に貯留されているインクの液面を最上位置のノズル21よりも鉛直方向上側とする。例えば、付勢具61は、図4に示すように、移動機構70が支持具55を回転方向RAに回転させる場合(図4(A)~(B)参照)、第一室部31(貯留室30の第一部分)を回転方向RBに可動させる力を第一室部31に作用させる。付勢具61は、図4に示すように、移動機構70が支持具55を回転方向RBに回転させる場合(図4(B)~(A)参照)、第一室部31(貯留室30の第一部分)を回転方向RAに可動させる力を第一室部31に作用させる。
この構成によれば、貯留室30の第二部分に対する貯留室30の第一部分の可動を補助することができる。例えば、図4に示すように、移動機構70が支持具55を回転方向RAに回転させるとする(図4(A)~(B)参照)。この場合、支持具55の回転方向RAへの回転に応じて、第二室部32と第三室部33との連結体(貯留室30の第二部分)に対して第一室部31(貯留室30の第一部分)を回転方向RBにスムーズに回転させることができる。図4に示すように、移動機構70が支持具55を回転方向RBに回転させるとする(図4(B)~(A)参照)。この場合、支持具55の回転方向RBへの回転に応じて、第二室部32と第三室部33との連結体(貯留室30の第二部分)に対して第一室部31(貯留室30の第一部分)を回転方向RAにスムーズに回転させることができる。図4とは異なり、移動機構70が支持具55を回転方向RCに回転させるとする(不図示)。この場合、支持具55の回転方向RCへの回転に応じて、第三室部33(貯留室30の第二部分)に対して第一室部31と第二室部32との連結体(貯留室30の第一部分)を回転方向RDにスムーズに回転させることができる。移動機構70が支持具55を回転方向RDに回転させるとする(不図示)。この場合、支持具55の回転方向RDへの回転に応じて、第三室部33(貯留室30の第二部分)に対して第一室部31と第二室部32との連結体(貯留室30の第一部分)を回転方向RCにスムーズに回転させることができる。
(4)エア流路60は、付勢具61を含む(図1~4参照)。この構成によれば、エア流路60によって付勢具61を兼用することができる。部品点数を削減することができる。
<変形例>
実施形態は、次のようにすることもできる。以下に示す変形例のうちの幾つかの構成は、適宜組み合わせて採用することもできる。以下では、上記とは異なる点を説明することとし、同様の点についての説明は適宜省略する。
(1)エア流路60は、付勢具61を含む(図1~4参照)。付勢具61は、エア流路60の途中に螺旋状に設けられる(図1参照)。付勢具61は、エア流路60とは別体としてもよい(図5参照)。図5では、図1~4のインクジェット記録装置10との対応を明らかにするため、各部に対する符号は、上記と同様としている。図5のインクジェット記録装置10は、エア流路60の他、付勢具61を備える。例えば、図5の付勢具61は、鉛直方向下側の端部で貯留室30の第一部分としての第一室部31に取り付けられる。但し、付勢具61をエア流路60と別体とする場合、付勢具61の鉛直方向下側の端部の取付位置は、諸条件を考慮して適宜決定される。例えば、この付勢具61は、エア流路60に取り付けられてもよい。
図5の付勢具61は、図1~4の付勢具61と同様、次の力を貯留室30の第一部分に作用させる。前述の力は、上述した通り、貯留室30内に貯留されているインクの液面を最上位置のノズル21よりも鉛直方向上側とする。図5の付勢具61は、第一室部31を鉛直方向上側に引っ張る。
図1~4のインクジェット記録装置10では、付勢具61の鉛直方向上側となるエア流路60の部分は、次の位置に支持されてもよい。図5のインクジェット記録装置10では、付勢具61の鉛直方向上側の端部は、次の位置に支持されてもよい。移動機構70が垂直多関節ロボットである場合、前述の位置は、ロボットアームの所定の位置としてもよい。ロボットアームには、ステーを設けてもよい。このステーは、付勢具61の鉛直方向上側となるエア流路60の部分(図1参照)又は付勢具61の鉛直方向上側の端部(図5参照)を支持してもよい。この他、前述の位置は、インクジェット記録装置10が設置される部屋の天井又は壁面としてもよい。この場合、図1~4のインクジェット記録装置10では、エア流路60は、付勢具61の鉛直方向上側となる部分で部屋の天井又は壁面から吊り下げられてもよい。図5のインクジェット記録装置10では、付勢具61は、鉛直方向上側の端部で部屋の天井又は壁面から吊り下げられてもよい。
図1~5の付勢具61は、螺旋状のバネ構造を有し、弾性力を生じる。この付勢具61の弾性力は、貯留室30の第一部分に作用させる力として機能する。付勢具は、バネ構造を含む機構とは異なる機構としてもよい。例えば、付勢具は、次のような第一機構又は第二機構としてもよい。
第一機構は、ロープと、駆動機とを含む。ロープは、貯留室30の第一部分としての第一室部31と駆動機とを接続する。ロープの一端は、鉛直方向下側に設けられ、例えば、図5の付勢具61と同様、貯留室30の第一部分としての第一室部31に取り付けられる。ロープの他端は、鉛直方向上側に設けられ、駆動機に接続される。駆動機は、ロボットアームの所定の位置、又はインクジェット記録装置10が設置される部屋の天井又は壁面に支持される。図1~5のインクジェット記録装置10と同様、ロボットアームには、ステーを設け、このステーは、駆動機を支持してもよい。駆動機は、モータを含む。駆動機は、このモータの駆動に伴いロープを鉛直方向上側に引き上げる。
第二機構は、ロープと、滑車と、錘とを含む。ロープは、貯留室30の第一部分としての第一室部31と錘とを接続する。ロープの一端は、鉛直方向下側に設けられ、例えば、図5の付勢具61と同様、貯留室30の第一部分としての第一室部31に取り付けられる。滑車は、鉛直方向上側に設けられる。滑車は、ロボットアームの所定の位置、又はインクジェット記録装置10が設置される部屋の天井又は壁面に支持される。図1~5のインクジェット記録装置10と同様、ロボットアームには、ステーを設け、このステーは、滑車を支持してもよい。ロープの他端は、錘に接続される。他端が錘に接続されたロープでは、他端側の部分が滑車に引っ掛けられる。錘は、滑車に引っ掛けられたロープを鉛直方向下側に引っ張る。
第一機構及び第二機構の付勢具は、図1~5の付勢具61と同様、次の力を貯留室30の第一部分に作用させる。前述の力は、貯留室30内に貯留されているインクの液面を最上位置のノズル21よりも鉛直方向上側とする。但し、付勢具は、このような力を貯留室30の第一部分に作用させることが可能な機構であればよい。付勢具として採用する機構は、諸条件を考慮して適宜決定される。
図1~5の付勢具61及びこの変形例の付勢具が貯留室30の第一部分に作用させる力は、柄の記録時、貯留室30内に貯留されているインクの液面を最上位置のノズル21よりも鉛直方向上側とすることができればよい。この力の向きは、必ずしも鉛直方向に一致していなくてもよい。この力は、鉛直方向上向きの成分を有していればよい。
(2)インクジェット記録装置10は、検出器を備えてもよい。この検出器は、インクの液圧を検出する。貯留室30には、検出流路が設けられる。但し、検出流路は、貯留室30を拡張させた貯留室30と一体的な構造であってもよい。貯留室30内のインクは、検出流路に供給される。検出流路は、このインクで満たされる。検出器は、検出流路内のインクの液圧を検出する。
傾斜角θが90°である状態を基準とする(図1~3、図4(A)及び図5参照)。この状態で検出流路は、インク流路50と同様、貯留室30から鉛直方向下側に向けて設けることが好ましい。検出器は、検出流路の鉛直方向下側の端部に設けることが好ましい。この場合、検出器は、支持具55上でインクジェットヘッド20と隣り合って配置されることがより好ましい。これにより、検出器は、インクジェットヘッド20と近い位置で、ノズル21内のインクと同様の状態のインクの液圧を検出することができる。
インクジェット記録装置10では、インクがノズル21から吐出されることで貯留室30内に貯留されたインクの液面が低下する。この他、インクジェット記録装置10では、上述した通り、移動機構70がインクジェットヘッド20を搭載する支持具55を回転させることで高低差Hが変化する。このような事象に伴い、貯留室30内のインクの液面とノズル21内のインクの液面との水頭差が変化する。この場合、インクの液圧が変化し、ノズル21にインクのメニスカスが安定して形成されなくなることが想定される。インクジェット記録装置10に検出器を設けることで、インクの液圧の変動を直接検出することができる。検出器の検出値に応じて貯留室30内の気圧を制御することで、ノズル21に形成されるメニスカスを安定させることができる。
(3)貯留室30は、可動部40を含む。可動部40は、貯留室30内に貯留されているインクの液面を最上位置のノズル21よりも鉛直方向上側とする(図4参照)。可動部40は、貯留室30の第二部分に対して貯留室30の第一部分を可動させることができればよい。この可動は、貯留室30の第二部分と第一部分の相対回転でなくてもよい。可動部40(第一可動部41及び第二可動部42)が採用する次の構造(図2~4参照)は例示である。前述の構造は、第一可動部41では、第一室部31と第二室部32とにそれぞれ設けた環状の凹凸の嵌め合わせであり、第二可動部42では、第二室部32と第三室部33とにそれぞれ設けた環状の凹凸の嵌め合わせである。可動部の構造は、諸条件を考慮して適宜決定される。例えば、可動部は、公知の自在継手又は蛇腹構造としてもよい。自在継手及び蛇腹構造は、管の一方側の部分を他方側の部分に対して可動可能な構造として公知である。従って、自在継手及び蛇腹構造に関する説明は省略する。
(4)傾斜角θに関し、第一角度を90°とし、第二角度を0°とした(図3,4参照)。第二角度は、第一角度より大きな角度であってもよい。例えば、記録媒体90の第四面94に柄を記録する場合、移動機構70は、支持具55を傾斜角θが180°となる状態に回転させる。
上記では、柄が記録媒体90の第一面91と第二面92とに記録される場合を例として、第一回転方向を回転方向RAとすると、第二回転方向は、回転方向RBであるとした。第一回転方向及び第二回転方向と回転方向RA,RBとの関係は、第一回転方向が回転方向RBであってもよく、第二回転方向が回転方向RAであってもよい。このことは、第一回転方向及び第二回転方向と回転方向RC,RDとの関係についても同様である。即ち、第一回転方向が回転方向RDであってもよく、第二回転方向が回転方向RCであってもよい。
(5)支持具55には、インクジェットヘッド20及び貯留室30が搭載される(図1~5参照)。即ち、支持具55は、インクジェットヘッド20と貯留室30とを支持する。支持具は、インクジェットヘッド20及び貯留室30の一方を直接支持し、インクジェットヘッド20及び貯留室30の他方を間接的に支持してもよい。即ち、支持具がインクジェットヘッド20と貯留室30とを支持する態様は、支持具がインクジェットヘッド20及び貯留室30の一方を直接支持し、インクジェットヘッド20及び貯留室30の他方を間接的に支持する態様を含む。
例えば、支持具は、インクジェットヘッド20を介して貯留室30を支持してもよい。この場合、例えば、インクジェットヘッド20は、貯留室30を支持する。支持具は、インクジェットヘッド20を直接支持し、このインクジェットヘッド20に支持された貯留室30を間接的に支持する。この支持具では、上述の支持具55の次の部分に相当する部分を省略してもよい。前述の部分は、傾斜角θが90°である状態で鉛直方向に沿って設けられ、且つこの部分には、第三室部33が取り付けられる。即ち、支持具は、平板状の形状としてもよい。
この他、支持具は、貯留室30を介してインクジェットヘッド20を支持してもよい。この場合、例えば、貯留室30は、インクジェットヘッド20を支持する。支持具は、貯留室30を直接支持し、この貯留室30に支持されたインクジェットヘッド20を間接的に支持する。この支持具は、インクジェットヘッド20が搭載される部分を含まない。但し、例えば、インクジェット記録装置は、支持具とは別体でインクジェットヘッド20が搭載される支持板を含んでもよい。
支持具がインクジェットヘッド20及び貯留室30の一方を他方を介して支持する場合、インク流路50は、剛性を有する管とすることが好ましい。剛性を有する管の例としては、金属製の管が挙げられる。金属製の管の例としては、鋼管が挙げられる。但し、インク流路50を剛性を有する管とする場合、インク流路50とする管の材質は、諸条件を考慮して適宜決定される。例えば、この管の材質は、硬質樹脂又は繊維強化プラスチックとしてもよい。
10 インクジェット記録装置、 15 載置台、 20 インクジェットヘッド
21 ノズル、 22 吐出面、 23 接続口、 24 内部流路、 25 本流部
26 支流部、 30 貯留室、 31 第一室部、 32 第二室部
33 第三室部、 40 可動部、 41 第一可動部、 42 第二可動部
50 インク流路、 55 支持具、 60 エア流路、 61 付勢具
62 電磁弁、 63 負圧源、 70 移動機構、 90 記録媒体
91 第一面、 92 第二面、 93 第三面、 94 第四面、 θ 傾斜角
H 高低差、 L0 仮想軸、 L1 第一軸、 L2 第二軸、 L3 第三軸
L4 第四軸、 L5 第五軸、 L6 第六軸、 L7 第七軸、 L8 第八軸
RA,RB,RC,RD 回転方向

Claims (2)

  1. インクジェット記録装置であって、
    インクを吐出する複数のノズルを含むインクジェットヘッドと、
    内部に前記インクを貯留する貯留室と、
    前記貯留室と前記インクジェットヘッドとを接続し、前記貯留室から前記インクジェットヘッドに供給される前記インクが流れるインク流路と、
    前記インクジェットヘッドと前記貯留室とを支持する支持具と、
    前記貯留室と繋がり、前記貯留室内の気圧を負圧とする負圧源に吸い込まれるエアが流れるエア流路と、
    前記支持具を水平な回転軸を中心として第一回転方向及び前記第一回転方向とは反対の第二回転方向に回転させ、前記支持具を鉛直な仮想軸に対する前記複数のノズルが設けられる前記インクジェットヘッドの吐出面の傾斜角が第一角度である状態と前記傾斜角が前記第一角度とは異なる第二角度である状態とする移動機構と、を備え、
    前記貯留室は、
    前記支持具が前記傾斜角が前記第一角度である状態である場合及び前記傾斜角が前記第二角度である状態である場合、前記貯留室内に貯留されている前記インクの液面を前記複数のノズルのうち最も鉛直方向上側に位置する前記ノズルよりも鉛直方向上側とする可動部と、
    内部に前記貯留室内に貯留された前記インクの液面との気液界面が形成される空間を有する第一部分と、
    前記可動部を介して前記第一部分と連結され、且つ内部に前記第一部分内の空間と共に前記貯留室内の前記インクを貯留する空間を形成する空間を有する第二部分と、を含み、
    前記エア流路は、前記第一部分と繋がり、
    前記移動機構は、
    前記支持具を前記傾斜角が前記第一角度から前記第二角度である状態とする場合、前記支持具を前記第一回転方向に回転させ、
    前記支持具を前記傾斜角が前記第二角度から前記第一角度である状態とする場合、前記支持具を前記第二回転方向に回転させ、
    前記可動部は、
    前記移動機構が前記支持具を前記第一回転方向に回転させる場合、前記第二部分に対して前記第一部分を前記第二回転方向に可動させ、
    前記移動機構が前記支持具を前記第二回転方向に回転させる場合、前記第二部分に対して前記第一部分を前記第一回転方向に可動させ、
    前記インクジェット記録装置は、前記貯留室内に貯留されている前記インクの液面を前記複数のノズルのうち最も鉛直方向上側に位置する前記ノズルよりも鉛直方向上側とする力を前記貯留室の前記第一部分に作用させる付勢具を備え、
    前記付勢具は、
    前記移動機構が前記支持具を前記第一回転方向に回転させる場合、前記第一部分を前記第二回転方向に可動させる力を前記第一部分に作用させ、
    前記移動機構が前記支持具を前記第二回転方向に回転させる場合、前記第一部分を前記第一回転方向に可動させる力を前記第一部分に作用させる、インクジェット記録装置。
  2. 前記エア流路は、前記付勢具を含む、請求項に記載のインクジェット記録装置。
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JP2009214040A (ja) 2008-03-11 2009-09-24 Seiko Epson Corp 印刷装置
JP2016131914A (ja) 2015-01-16 2016-07-25 国立大学法人山形大学 インクジェット装置
JP2019001157A (ja) 2017-06-15 2019-01-10 ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company 動的に制御されるインクリザーバを有するインクジェット印刷システム

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