JP2008074050A - インクジェット記録装置およびインク供給方法 - Google Patents

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【課題】繰り返しインクを供給することによる気液分離部材からのインク漏れを防止し、インク供給動作の信頼性を向上する。
【解決手段】サブタンク3は、メインタンク4からインクが供給されるインク供給口11と、このインク供給口11から供給されたインクを貯留するインク貯留部と、このインク貯留部に連通され空気を外部に排出する排気路36と、インク貯留部と排気路36との境界に配置される気液分離部材33とを有する。また、負圧発生装置7は、排気路36から気液分離部材33を介してインク貯留部内の空気を排出することで、メインタンク4からこのインク貯留部内にインクを導入するジョイント10を有する。そして、サブタンク3にインクを供給するときにサブタンク3の姿勢を重力方向に対して変化させる姿勢移動機構32を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクが貯留されたメインタンクからサブタンクにインクを供給するピットイン方式のインクジェット記録装置、特に、気液分離部材が設けられたサブタンクを備えるインクジェット記録装置およびインク供給方法に関する。
従来、インクジェット記録装置では、図8に示すように、記録ヘッドがガイド軸によって案内されて、記録紙に対して往復走査しながら記録が行われる。この種のインクジェット記録装置では、一般にインク供給手段として、図8に示すように、インクを吐出するノズルが有する記録ヘッド1と、インクが貯留されたメインタンク4とが1つにまとまったヘッドカートリッジ1bが用いられている。このいわゆるヘッドカートリッジ方式では、キャリッジ1a上に装着され、キャリッジ1aがヘッドカートリッジ1bをガイド軸8に沿って走査させることで、記録紙に記録が行われる。
また、従来のインクジェット記録装置では、図9に示すように、キャリッジ1a上には記録ヘッド1のみが装着され、インクが収容されたタンクカートリッジ1cが記録装置本体側に着脱可能に設けられた構成も知られている。このいわゆるタンクカートリッジ方式では、記録ヘッド1とタンクカートリッジ1cがフレキシブルなインク供給チューブ1dで連通させることで、このインク供給チューブ1dを介して記録ヘッド1にインクが供給される。
ところで、上述のヘッドカートリッジ方式では、キャリッジ1a上に、インクが内部に収容されたヘッドカートリッジ1bが装着されているので、インク量に応じてキャリッジ全体の重量が重くなり、キャリッジ1aの高速走査の妨げになる。一方で、キャリッジ全体の重量を軽くするためにヘッドカートリッジ1bを小型化した場合には、内部に収容されたインク量が減少し、連続記録可能な枚数が少なくなるなどの欠点があった。
また、タンクカートリッジ方式では、記録装置本体側に設けられたインクカートリッジ1cと記録ヘッド1とをインク供給チューブを介して連結することで機構が複雑になり、装置の小型化が難しいという欠点があった。
そこで、キャリッジ上には記録ヘッドのみが設けられ、キャリッジがホームポジションあるいは所定の位置にあるときに、キャリッジ上の記録ヘッドに所定量のインクを供給する、いわゆるピットイン方式が提案されている。
従来のピットイン方式のインクジェット記録装置は、紙送りローラによって搬送される記録紙に対して記録を行う記録ヘッドが設けられたサブタンクがキャリッジ上に搭載されている。このキャリッジは、ガイド軸とリードスクリューに係合し、リードスクリューが回転することでガイド軸にガイドされながらキャリッジが移動する。インクをサブタンクに補充するためのメインタンクは、ホームポジションに配置されている。このメインタンクには、サブタンクのインク供給口と接続されるジョイントが設けられている。
また、この記録装置は、インクジェット記録素子を密閉、保護するためのダミーキャップと、インクジェット記録素子のノズルからインクを吸引するための吸引キャップと、サブタンクの通気口から吸気するための吸気キャップとを備えている。吸引キャップは吸気回復ポンプに連通されており、吸気キャップは負圧発生装置に連通されている。
ピットイン動作について説明する。非記録時において、記録ヘッドは、吸引キャップ、吸気キャップ、ダミーキャップ、メインタンクと接続可能なホームポジションに待機している。
記録信号が記録装置本体に送られると、ダミーキャップがインクジェット記録素子の吐出口を密閉し、メインタンクのジョイントとサブタンクのインク供給口が接続される。そして、吸気キャップがサブタンクの通気口に接続され、負圧発生装置が作動してサブタンク内が減圧されることで、メインタンクからサブタンクにインクが供給される。
次に、サブタンク内を減圧時にノズル内のインクがサブタンク側に逆流したり、増粘インクのノズルへの目詰まりを回復させ吐出特性を良好にするために回復動作が行われる。この回復動作は、サブタンクの通気口とインク供給口は開放、インクジェット記録素子に吸引キャップが接続され、吸気回復ポンプが作動しノズル内のインクを吸引する。さらに、インクの吸引後に、インクジェット記録素子の吐出口面に付着したインクの拭き取り(ワイピング)、ワイピングによってノズル内に押し込まれた混色インクを除去するための予備吐出を行い、記録動作が開始される。
このように、ピットイン方式は、キャリッジ上にインクジェット記録素子とサブタンクのみが設けられ、キャリッジ全体の重量を比較的軽くすることができるので、記録ヘッドを高速で走査させることができる。また、このピットイン方式は、ホームポジションでメインタンクからインクが補充されるので、連続記録枚数も増やすことができる。さらに、ピットイン方式は、タンクカートリッジ方式のようにキャリッジとインクカートリッジとをインク供給チューブを介してつなぐこともないので、記録装置の構成が非常に簡素になるという利点もある。
このピットイン方式インクジェット記録装置におけるメインタンクからサブタンクへのインクの補充機構としては、ピットイン時に、サブタンクに供給可能なインク量をセンサで検知してインクを供給する供給系を制御する構成がある(特許文献1参照)。しかしながら、このインクの補充機構は、構成が非常に複雑かつ繊細で高価なものとなった。これを解決するためにサブタンクに気液分離部材を配置したピットイン方式記録ヘッドが提案された。
図4にこの気液分離部材が配置されたピットイン方式記録ヘッドの概略断面図を示し、図5に、図4におけるB−B断面図を示す。この記録ヘッドは、上述したようなピットイン方式のインクジェット記録装置に搭載される。インク貯留部内にはインク吸収部材37が配置され、気液分離部材33はインク貯留部構成部材に固定され、排気路36とインク貯留部の境界に位置している。気液分離部材33は、気体は透過するがインクなどの液体は遮断する、厚さ数十μm程度のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などで形成される多孔質膜である。また、図5に示すように、インク貯留部は3つに分かれており、1枚の気液分離部材33がインク貯留部構成部材外周にあるリブの内側に熱溶着により各インク貯留部を分断するように溶着されている。
インク補充動作について説明する。ピットインインク供給が記録装置本体に送られると、ダミーキャップ6がインクジェット記録素子38の吐出口を密閉し、メインタンクのジョイント10と、サブタンク3のインク供給口11とが接続される。そして、吸気キャップ5とサブタンク3の通気口15が接続され、負圧発生装置7が作動し、インク貯留部内の空気が気液分離部材33を通して通気口15から排出される。これに伴いサブタンク3内が減圧され、メインタンク4からジョイント10、インク供給口11、インク供給路12を通ってインク貯留部内が満タンになるまでインクが供給される。負圧発生装置7には、リミットバルブ24が設置されており、所定負圧以下に制御し、気液分離部材33に高い負圧が作用することが抑制されている。インク供給直後に、吐出不良を防止するための回復動作、ワイピング動作、初期予備吐出が行われ、記録紙に記録される。負圧発生装置7の吸気量がサブタンク3の内容積以上であれば、インク貯留部内に残ったインク量が、どのような状態であってもインク貯留部内の空気は気液分離部材33を通じて排出され、代わりに新しいインクが満タンに補給されることになる。このようにインクを満タンに注入するためには一定量以上の空気を吸い出すことで完了するので、空気の吸出し動作の制御を行う必要はなく、十分なマージンもって負圧発生装置を設計すれば、原理的には容易に達成可能である。
特開平08−112913号公報
上述したように、従来のピットイン方式の記録ヘッドでは、図5に示すように、サブタンク3のインク貯留部が3つに分けられている。そして、この記録ヘッドでは、組み立て性を良くするために、1枚の気液分離部材33がインク貯留部構成部材35に設けられたリブの内側に各インク貯留部を分断するように溶着されている。このため、インク吸収部材37と気液分離部材33間のインク貯留部には、インク吸収部材37が配置されていない吸収部材非配置領域16が存在している。このような構成でピットインインク供給を行ったときに、インク貯留部が満タンになる直前のインク充填状態を、図6および図7に示す。
通気口15から気液分離部材33を通してインク貯留部内の空気が排出されると、インクが徐々にインク吸収部材37の重力方向の下方から上方に向かって充填されていく。インクがインク吸収部材37と吸収部材非配置領域16に到達すると、吸収部材非配置領域16の空間内にインクが充填されて、図6および図7に示す部分17Rのように気液分離部材33の所定の位置に、最後にインクが充填される。気液分離部材33には、このような最後にインクが充填される部分17R(以下、消泡点17Rと称する。)に、水撃によって非常に高い圧力が作用する。
そして、繰り返しインク供給動作を行うのに伴って、気液分離部材33のその消泡点17Rにおける気液分離力が低下し、徐々にインクが気液分離部材33から排気路側に染み出すという問題がある。この消泡点17Rの位置は、インク室の形状によって若干の差があるが、気液分離部材33の通気面18内のほぼ中央でインク室固有の決まった消泡点を持つものである。このように、繰り返しインク充填を行うことで、排気路側に多量のインクが漏れて気液分離部材33の通気性が低下し、正常にインク供給動作を行うことができなくなることがある。また、通気口からインクが漏れた場合には、インクジェット記録装置内を汚したり、記録時に記録紙を汚損したりするといった不都合を引き起こす。
そこで、本発明は、インク供給動作の信頼性を向上することができるインクジェット記録装置およびインク供給方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明に係るインクジェット記録装置は、インクを貯留するメインタンクと、インクを吐出する記録ヘッドが設けられメインタンクから供給されたインクを貯留するサブタンクと、サブタンク内に負圧を発生する負圧発生装置とを備える。また、サブタンクは、メインタンクからインクが供給されるインク供給口と、このインク供給口から供給されたインクを貯留するインク貯留部と、このインク貯留部に連通され空気を外部に排出する排気路と、インク貯留部と排気路との境界に配置される気液分離部材とを有する。また、負圧発生装置は、排気路から気液分離部材を介してインク貯留部内の空気を排出することで、メインタンクからこのインク貯留部内にインクを導入するインク供給手段を有する。そして、このインクジェット記録装置は、サブタンクにインクを供給するときにサブタンクの姿勢を重力方向に対して変化させる姿勢移動手段を備える。
本発明によれば、インク供給時のサブタンクの姿勢を重力方向に対して複数種の向きに変化させることによって、気液分離部材に作用する消泡点を分散させることが可能になる。このため、本発明は、サブタンクが1種類の姿勢でインク供給動作を行う場合と比べて、その分散領域に比例して気液分離部材の耐久性を向上させることができる。したがって、本発明によれば、気液分離部材からのインク漏れを防止することが可能になり、信頼性を向上することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に、ピットイン方式のインクジェット記録装置の概略図を示す。図1に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置は、紙送りローラ21によって搬送される記録紙20に対して記録を行う記録ヘッドが設けられたサブタンク3がキャリッジ1a上に搭載されている。このキャリッジ1aは、ガイド軸8とリードスクリュー9に係合されており、リードスクリュー9が回転駆動されることで、ガイド軸8にガイドされて移動される。サブタンク3にインクを補充するためのメインタンク4は、ホームポジション23に配置されている。このメインタンク4には、サブタンク3のインク供給口11に接続されるジョイント10が設けられている。
また、この記録装置は、インクジェット記録素子を密閉、保護するためのダミーキャップ6と、インクジェット記録素子のノズルからインクを吸引するための吸引キャップ5と、サブタンク3の通気口15から吸気するための吸気キャップ22とを備えている。吸引キャップ5は吸気回復ポンプ19に連通されており、吸気キャップ22は負圧発生装置7に連通されている。
ピットイン動作について説明する。非記録動作時、記録ヘッドは、吸引キャップ5、吸気キャップ22、ダミーキャップ6、メインタンク4と接続可能なホームポジション23に待機している。
記録信号が記録装置本体に送られると、ダミーキャップ6によってインクジェット記録素子の吐出口が密閉され、メインタンク4のジョイント10とサブタンク3のインク供給口11とが接続される。そして、吸気キャップ22がサブタンク3の通気口15に接続され、負圧発生装置7が作動してサブタンク3内が減圧されることで、メインタンク4からサブタンク3にインク供給路12を介してインクが供給される。
次に、サブタンク3内を減圧時にノズル内のインクがサブタンク3側に逆流したり、増粘インクがノズル内に目詰まりしたりすることを回復し、吐出特性を良好に確保するために回復動作が行われる。この回復動作は、サブタンク3の通気口15とインク供給口11が開放され、インクジェット記録素子に吸引キャップ5が接続され、吸気回復ポンプ19が作動しノズル内のインクを吸引する。さらに、インクの吸引後に、インクジェット記録素子の吐出口面に付着したインクの拭き取り(ワイピング)、ワイピングによってノズル内に押し込まれた混色インクを除去するための予備吐出を行い、記録動作が開始される。
図2に、気液分離部材が配置されたサブタンクの断面図を示し、図3に、図2におけるA−A断面図を示す。図2および図3に示すように、本実施形態のサブタンクの構成は、図4および図5に示した従来のサブタンクの構成と同一である。
サブタンク3のインク貯留部内にはインク吸収部材37が配置されており、気液分離部材33がインク貯留部構成部材に固定され、排気路36とインク貯留部の境界に位置している。気液分離部材33は、気体を透過させるがインクなどの液体を遮断する、例えば厚さ数十μm程度のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などで形成される多孔質膜である。また、図3に示すように、インク貯留部は3つに分かれており、1枚の気液分離部材33が、インク貯留部構成部材の外周に形成されたリブの内側に熱溶着によって各インク貯留部を分断するように溶着されている。
サブタンク3へのインク補充動作について説明する。ピットインインク供給の制御信号が記録装置本体に送られると、ダミーキャップ6がインクジェット記録素子38の吐出口を密閉し、メインタンクのジョイント10とサブタンク3のインク供給口11が接続される。そして、吸気キャップ5とサブタンク3の通気口15が接続され、負圧発生装置7が作動し、インク貯留部内の空気が気液分離部材33を通して通気口15から排出される。
これに伴いサブタンク3内が減圧され、メインタンク4からジョイント10、インク供給口11を通ってインク貯留部内が満タンになるまでインクが供給される。負圧発生装置7には、リミットバルブ24が設置されており、所定負圧以下に制御し、気液分離部材33に高い負圧が作用することが抑制されている。インク供給直後に、吐出不良を防止するための回復動作、ワイピング動作、初期予備吐出が行われ、記録紙20に対する記録動作が行われる。負圧発生装置7の吸気量がサブタンク3の内容積以上であれば、インク貯留部内に残ったインク量が、どのような状態であってもインク貯留部内の空気は気液分離部材33を通じて排出され、代わりに新しいインクが満タンに補給されることになる。このようにインクを満タンに注入するためには一定量以上の空気を吸い出すことで完了するので、空気の吸出し動作の制御を行う必要はなく、十分なマージンをもって負圧発生装置7を設計すれば、原理的には容易に達成可能である。
以上のように構成された本実施形態のサブタンク3は、図1に示したインクジェット記録装置において、ガイド軸8およびリードスクリュー9の一端部を昇降させる機能を有するインクジェット記録装置に搭載されている。
本実施形態のインクジェット記録装置は、サブタンク3にインクを供給するときのサブタンク3の姿勢を制御する制御部31と、サブタンク3にインクを供給するときにサブタンク3の姿勢を重力方向に対して変化させる姿勢移動機構32とを備えている。
姿勢移動機構32は、制御部31によって制御されており、ガイド軸8の一端部およびリードスクリュー9の一端部を保持している。姿勢移動機構32は、制御部31からの制御信号に基づいて、これらガイド軸8およびリードスクリュー9の一端を昇降させることで、サブタンク3の姿勢を重力方向に対して変化させる。
なお、本発明において、サブタンク3の姿勢を重力方向に対して変化させる動作は、サブタンク3内の気液分離部材33の通気面18を、鉛直方向に直交する水平方向に対して傾斜させる動作を指している。
そして、本実施形態は、ピットインインク供給時にサブタンク3の姿勢を重力方向に対して複数の向きに傾斜させてインク供給動作を行う点を特徴とする。以下、インク供給時のサブタンク3の姿勢の変化について説明する。
(第1の姿勢R)
従来のインクジェット記録装置におけるピットインインク供給時のサブタンク3の姿勢と同じ姿勢を第1の姿勢Rとする。記録ヘッドからのインクの吐出方向は重力方向と同一方向で記録紙20の主面に対して垂直に吐出され、インクジェット記録素子およびサブタンク3の気液分離部材33の通気面18は記録紙20の主面に対して平行すなわち水平に設置される。この記録動作時と同じ水平状態が、サブタンク3の第1の姿勢Rである。この第1の姿勢Rでインク供給動作が行われたとき、気液分離部材33の通気面18上の消泡点は、図2および図3中に第1の消泡点17Rで示すように、通気面18の略中央に集中する。
(第2の姿勢A)
次に、記録紙20に対する記録動作後、サブタンク3内に所定量のインクが残っていない場合にはピットインインク供給を開始する。サブタンク3がホームポジション23に位置していない場合には、リードスクリュー9が回転駆動されてキャリッジ1aおよびサブタンク3がホームポジション23に移動される。続いて、制御部31および姿勢移動機構32によって、ホームポジション23と反対側に位置する、ガイド軸8およびリードスクリュー9の各端部が鉛直上方に所定の移動量だけ上昇されることで、サブタンク3が第2の姿勢Aにされる。
図2に、この第2の姿勢Aにされたサブタンク3の状態の断面図を示す。この第2の姿勢Aのときのガイド軸8およびリードスクリュー9の各端部の移動量は、図2に示すように、サブタンク3内の気液分離部材33の通気面18が水平方向(第1の姿勢R)に対して、傾斜角θが10゜程度で回動されるように設定されている。そして、サブタンク3は、インク供給口11および通気口15にジョイント10および吸気キャップ22がそれぞれ接続されて、インクが供給される。このとき、サブタンク3の姿勢が重力方向に対して傾斜されることで、気液分離部材33の通気面18は、水平方向に対して傾斜されている。このため、気液分離部材33は、インク貯留部内で最後にインクが充填される部分が、すなわち第2の消泡点17Aで示すように、通気面18の中央から上方付近に位置がずれる。(図2、図3参照)。
(第3の姿勢B)
ピットインインク供給時に第2の姿勢Aでは、ガイド軸8およびリードスクリュー9におけるホームポジション23と反対側に位置する各端部を、気液分離部材33の通気面18が水平方向に対して傾斜角θをなすように、鉛直上方に上昇させた。一方、この第2の姿勢Aで傾斜されたサブタンク3の姿勢と逆向きに、気液分離部材33の通気面18が水平方向に対して傾斜角θをなすように、ガイド軸8およびリードスクリュー9の各端部を鉛直下方に下降させた状態が第3の姿勢Bである。この第3の姿勢Bのときは、図2に示した第2の姿勢Aとは逆方向に気液分離部材33の通気面18が傾斜される(傾斜角θ=−10゜)ので、図3中に示す第3の消泡点17Bは、第1の消泡点17Rに対して第2の消泡点17Aと反対側に位置がずれる。
本実施形態は、従来のインク供給時のサブタンクの姿勢、すなわち記録動作時と同様に気液分離部材33の通気面18が水平状態の第1の姿勢Rに、第2の姿勢Aおよび第3の姿勢Bを加えた合計3種類のサブタンク3の姿勢でインク供給動作が可能にされている。
そして、インクジェット記録装置は、インク供給回数をカウントする供給回数カウンタ(不図示)を備えている。インクジェット記録装置は、供給回数カウンタで供給回数を検出することで、サブタンク3が第1の姿勢Rでのインク供給を10回行ったとき、次回からは第2の姿勢Aでインク供給を10回行う。続いて、インクジェット記録装置は、第2の姿勢Aでインク供給を10回行ったとき、第3の姿勢Bでインク供給動作を10回行うというようなサブタンク3の姿勢の変化を1サイクルとして行い、このサイクルを繰り返してピットインインク供給を行う。
このインク供給動作によって気液分離部材に水撃が作用する消泡点を3箇所に分散させることができるので、気液分離部材の耐久性を向上させることができる。上述のインク供給動作で、気液分離部材の耐久試験を行った。その結果、1点に消泡点が集中する従来の構成と比べて、本実施形態では3点に消泡点が分散されたことで、耐久性を約3倍に向上することができた。
また、本実施形態では、1つの姿勢でサブタンク3がインク供給動作を10回行う毎に順次姿勢を変えてインク供給を行うように構成された。しかしながら、この構成に限らず、インク供給動作ごとにサブタンク3の姿勢が毎回変えられてもよく、例えば無作為に姿勢が変えられてもよい。また、本実施形態では、サブタンク3の姿勢として、3種類の姿勢に変化可能に構成されたが、必要に応じて他の姿勢が追加されてもよい。姿勢移動機構は、サブタンク3の姿勢として、上述の3種類の姿勢に加えて、例えば、ガイド軸8の両端部のみを鉛直方向に昇降させることで、リードスクリュー9の軸線を中心としてサブタンク3を回動させるように構成されてもよい。この構成によれば、合計で5種類のサブタンク3の姿勢に適宜変化させてインク供給が可能に構成されることで、気液分離部材33の耐久性をさらに向上させることができる。
気液分離部材の耐久性は、気液分離部材の種類、インク供給条件、インクの種類等に応じて変わる。このため、インクジェット記録装置のシステム構成、インク供給回数の設計上の目標値に応じて、サブタンクの姿勢の種類の数、重力方向に対するサブタンクの傾斜角度、傾斜させる順序などは、適宜選択可能である。また、本実施形態では、ガイド軸8とリードスクリュー9を昇降させてサブタンク3の姿勢を変えたが、その構成や手段は任意であり、例えばインクジェット記録装置全体を水平方向に対して傾斜させる傾斜機構でサブタンクの姿勢が可変する構成にしても良い。また、本実施形態では、インク供給前にサブタンクの姿勢が変えられ、各姿勢でインク供給動作を行うときは、静止状態にされている。しかしながら、例えば、インク供給動作時にのみ、ガイド軸を振動させる等によってサブタンクを振動させる構成として、消泡点が変動するように構成されてもよい。
上述したように、本実施形態によれば、インク供給動作時にサブタンク3の姿勢を、重力方向に対して機械的に可変させることで、気液分離部材33の通気面18における水撃が作用する消泡点を分散させることができる。したがって、本実施形態によれば、通気面18における消泡点の分散領域に比例して気液分離部材33の耐久性を向上させることができる。
実施形態のインクジェット記録装置を模式的に示す斜視図である。 実施形態におけるサブタンクを模式的に示す断面図である。 図2におけるサブタンクを示すA−A断面図である。 従来のサブタンクを模式的に示す断面図である。 図4における従来のサブタンクを示すB−B断面図である。 従来のサブタンクにおけるインク供給状態を説明する図である。 図6における従来のサブタンクを示すC−C断面図である。 従来のヘッドカートリッジ方式記録装置を示す概略斜視図である。 従来のタンクカートリッジ方式記録装置を示す概略斜視図である。
符号の説明
1 記録ヘッド
1a キャリッジ
1b ヘッドカートリッジ
1c タンクカートリッジ
1d インク供給チューブ
3 サブタンク
4 メインタンク
5 吸引キャップ
7 負圧発生装置
8 ガイド軸
9 リードスクリュー
10 ジョイント
11 インク供給口
12 インク供給路
13 インク
15 通気口
16 吸収部材非配置領域
17 消泡点
18 通気面
20 記録紙
22 吸気キャップ
23 ホームポジション
33 気液分離部材
35 インク貯留部構成部材
36 排気路
37 インク吸収部材
38 インクジェット記録素子

Claims (10)

  1. インクを貯留するメインタンクと、
    インクを吐出する記録ヘッドが設けられ、前記メインタンクから供給されたインクを貯留するサブタンクと、
    前記サブタンク内に負圧を発生する負圧発生装置とを備え、
    前記サブタンクは、前記メインタンクからインクが供給されるインク供給口と、該インク供給口から供給されたインクを貯留するインク貯留部と、該インク貯留部に連通され空気を外部に排出する排気路と、該インク貯留部と該排気路との境界に配置される気液分離部材とを有し、
    前記負圧発生装置は、前記排気路から前記気液分離部材を介して前記インク貯留部内の空気を排出することで、前記メインタンクから該インク貯留部内にインクを導入するインク供給手段を有するインクジェット記録装置において、
    前記サブタンクにインクを供給するときに、前記サブタンクの姿勢を重力方向に対して変化させる姿勢移動手段を備えるインクジェット記録装置。
  2. 前記姿勢移動手段を制御することで、前記サブタンクにインクを供給するときの前記サブタンクの姿勢を制御する制御手段を備える請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記制御手段は、前記サブタンクへのインク供給回数を計る計測手段を有し、前記インク供給回数に基づいて前記姿勢移動手段によって前記サブタンクの姿勢の向きを変化させる請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記制御手段は、前記サブタンクへのインク供給動作ごとに前記姿勢移動手段によって前記サブタンクの姿勢の向きを無作為に変化させる請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記サブタンクへのインク供給動作中に前記サブタンクを振動させる振動手段を備える請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記気液分離部材は多孔質膜である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. インクを貯留するメインタンクから、インクを吐出する記録ヘッドが設けられたサブタンクに、前記サブタンク内に負圧を発生させてインクを供給するインク供給方法において、
    前記サブタンクの姿勢を鉛直方向に対して変化させた後に、前記メインタンクから前記サブタンクにインクを供給するインク供給方法。
  8. 前記サブタンクへのインク供給回数が規定の回数になったときに前記サブタンクの姿勢の向きを変化させる請求項7に記載のインク供給方法。
  9. 前記サブタンクへのインク供給動作ごとに前記サブタンクの姿勢の向きを無作為に変化させる請求項7に記載のインク供給方法。
  10. 前記サブタンクへのインク供給動作中に前記サブタンクを振動させる請求項7に記載のインク供給方法。
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