JP7491101B2 - 光配線部品用筐体、光配線部品および電子機器 - Google Patents

光配線部品用筐体、光配線部品および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、光配線部品用筐体、光配線部品および電子機器に関するものである。
特許文献1には、き線光ケーブルから分岐した分岐ケーブルに装着された光コネクタープラグと、光終端装置から引き回された光ファイバーに装着された光コネクタープラグと、が開示されている。そして、箱本体の内部において、き線光ケーブル側の光コネクタープラグと光終端装置側の光コネクタープラグとが接続されてなる光端子箱が開示されている。
特許文献1に記載の箱本体は、直方体状をなしている。そして、箱本体を貫通するように、封止導入金具が装着されている。分岐ケーブルおよび光ファイバーは、それぞれこの封止導入金具を介して箱本体の内部に導入されている。また、特許文献1では、箱本体の内部に導入された分岐ケーブルの余長を巻回状態にしている。
特開平10-90524号公報
特許文献1に記載の光端子箱の小型化を図るためには、箱本体を小型化する必要がある。その場合、箱本体の内部で分岐ケーブルの余長を巻回状態にしたとき、巻回体の径、つまり分岐ケーブルで形成されたリングの径を小さくする必要がある。しかしながら、リングの径を小さくするためには、分岐ケーブルをより小さな半径で曲げる必要があり、分岐ケーブルには大きな応力が発生することになる。そうすると、例えば分岐ケーブルの分岐点や複数のケーブルの接続点等では、伝送効率が低下するという課題がある。
本発明の目的は、小型で、かつ、収容した光配線における伝送効率の低下を抑制することができる光配線部品用筐体、小型で損失が少ない光配線部品、および、光配線部品を収納するためのスペースの省スペース化が可能で、信頼性の高い電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記(1)~(10)の本発明により達成される。
(1) 第1光ファイバー、第2光ファイバー、第3光ファイバー、ならびに、前記第1光ファイバーと前記第2光ファイバーおよび前記第3光ファイバーとを接続し、光を分配または混合する機能を有する光導波路、を備える光配線が収容される光配線部品用筐体であって、
底面を有する底部と、
前記底面から突出して設けられ、前記底面を平面視したとき枠状をなしている壁部と、
前記底部および前記壁部とは別体であって、前記底面または前記壁部の内壁面から突出し、互いに離間して設けられている第1突出部および第2突出部、ならびに、前記第1突出部と前記第2突出部とを連結する連結部を備える支持部材と、
を備え
記第1突出部は、前記第1突出部と前記第2突出部とを結ぶ敷設方向に延在し、前記第1光ファイバーが挿入される第1溝を有し、
前記第2突出部は、前記敷設方向に延在し、前記第2光ファイバーおよび前記第3光ファイバーが挿入される第2溝を有し、
前記底部または前記壁部は、前記底面または前記壁部の内壁面に開口し、前記連結部が挿入される凹部を有することを特徴とする光配線部品用筐体。
(2) 第1光ファイバー、第2光ファイバー、第3光ファイバー、ならびに、前記第1光ファイバーと前記第2光ファイバーおよび前記第3光ファイバーとを接続し、光を分配または混合する機能を有する光導波路、を備える光配線が収容される光配線部品用筐体であって、
底面を有する底部と、
前記底面から突出して設けられ、前記底面を平面視したとき枠状をなしている壁部と、
前記底面または前記壁部の内壁面から突出し、互いに離間して設けられている第1突出部および第2突出部と、
を備え、
前記第1突出部は、前記第1突出部と前記第2突出部とを結ぶ敷設方向に延在し、前記第1光ファイバーが挿入される第1溝を有し、
前記第2突出部は、前記敷設方向に延在し、前記第2光ファイバーおよび前記第3光ファイバーが挿入される第2溝を有し、
前記第2溝の幅は、前記第1溝の幅より広いことを特徴とする光配線部品用筐体。
(3) 前記第1溝の延長線と重なる位置で前記壁部を貫通する窓部を有する上記(1)または(2)に記載の光配線部品用筐体。
(4) 前記底面と交差する方向に延在する少なくとも2つのポール部を備える上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の光配線部品用筐体。
(5) 前記ポール部同士の離間距離は、前記第1突出部の前記第2突出部とは反対側の面から、前記第2突出部の前記第1突出部とは反対側の面まで、の距離よりも長い上記(4)に記載の光配線部品用筐体。
(6) 前記第2溝の深さは、前記第1溝の深さより深い上記(1)に記載の光配線部品用筐体。
(7) 上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の光配線部品用筐体と、
前記光配線部品用筐体に収容されている前記光配線と、
を備えることを特徴とする光配線部品。
(8) 第1光ファイバー、第2光ファイバー、第3光ファイバー、ならびに、前記第1光ファイバーと前記第2光ファイバーおよび前記第3光ファイバーとを接続し、光を分配または混合する機能を有する光導波路、を備える光配線と、
底面を有する底部、前記底面から突出して設けられ、前記底面を平面視したとき枠状をなしている壁部、ならびに、前記底面または前記壁部の内壁面から突出し、互いに離間して設けられている第1突出部および第2突出部、を備え、前記光配線を収容している光配線部品用筐体と、
を備え、
前記第1突出部は、前記第1突出部と前記第2突出部とを結ぶ敷設方向に延在し、前記第1光ファイバーが挿入されている第1溝を有し、
前記第2突出部は、前記敷設方向に延在し、前記第2光ファイバーおよび前記第3光ファイバーが挿入されている第2溝を有し、
前記光導波路は、前記底部、前記壁部ならびに前記第1突出部および前記第2突出部、から離れた状態で保持されていることを特徴とする光配線部品。
(9) 第1光ファイバー、第2光ファイバー、第3光ファイバー、ならびに、前記第1光ファイバーと前記第2光ファイバーおよび前記第3光ファイバーとを接続し、光を分配または混合する機能を有する光導波路、を備える光配線と、
底面を有する底部、前記底面から突出して設けられ、前記底面を平面視したとき枠状をなしている壁部、前記底面と交差する方向に延在する2つのポール部、ならびに、前記底面または前記壁部の内壁面から突出し、互いに離間して設けられている第1突出部および第2突出部、を備え、前記光配線を収容している光配線部品用筐体と、
を備え、
前記第1突出部は、前記第1突出部と前記第2突出部とを結ぶ敷設方向に延在し、前記第1光ファイバーが挿入されている第1溝を有し、
前記第2突出部は、前記敷設方向に延在し、前記第2光ファイバーおよび前記第3光ファイバーが挿入されている第2溝を有し、
前記第1光ファイバーは、一方の前記ポール部の側面に沿って曲げられた状態で、一方の前記ポール部と前記壁部との隙間に挿通されて保持され、
前記第2光ファイバーおよび前記第3光ファイバーは、他方の前記ポール部の側面に沿って曲げられた状態で、他方の前記ポール部と前記壁部との隙間に挿通されて保持されていることを特徴とする光配線部品。
(10) 上記(7)ないし(9)のいずれかに記載の光配線部品を備えることを特徴とする電子機器。
本発明によれば、小型で、かつ、収容した光配線における伝送効率の低下を抑制することができる光配線部品用筐体が得られる。
また、本発明によれば、小型で損失が少ない光配線部品が得られる。
さらに、本発明によれば、光配線部品を収納するためのスペースの省スペース化が可能で、信頼性の高い電子機器が得られる。
第1実施形態に係る光配線部品を示す斜視図である。 図1に示す光配線部品の分解図である。 図1に示す光配線部品の蓋体を外した状態を示す平面図である。 図3に示す容器および導光部の斜視図である。 図3に示す光配線部品のうち、筐体内に収容されている導光部を伸ばした状態を示す平面図である。 図5のA部拡大図である。 図6に示す導光部の断面図である。 図6に示す導光部の断面図である。 図7のB部拡大図である。 図5のA部近傍の斜視図である。 図3に示す容器および導光部のC-C線断面図である。 図3に示す容器および導光部のD-D線断面図である。 図1に示す光配線部品を組み立てるとき、図5に示す導光部および支持部材を容器に取り付ける様子を説明した断面図である。 図1に示す光配線部品を組み立てるとき、導光部とポール部との位置関係を示す平面図である。 第2実施形態に係る光配線部品用筐体を構成する支持部材およびその支持部材で支持されている導光部を示す斜視図である。 各変形例に係る光配線部品用筐体を示す断面図である。 各変形例に係る光配線部品用筐体を示す断面図である。 各変形例に係る光配線部品用筐体を示す断面図である。 各変形例に係る光配線部品用筐体を示す平面図である。 各変形例に係る光配線部品用筐体を示す平面図である。
以下、本発明の光配線部品用筐体、光配線部品および電子機器について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.第1実施形態
1.1.光配線部品
まず、第1実施形態に係る光配線部品について説明する。
図1は、第1実施形態に係る光配線部品を示す斜視図である。図2は、図1に示す光配線部品の分解図である。図3は、図1に示す光配線部品の蓋体を外した状態を示す平面図である。図4は、図3に示す容器および導光部の斜視図である。図5は、図3に示す光配線部品のうち、筐体内に収容されている導光部を伸ばした状態を示す平面図である。図6は、図5のA部拡大図である。図7および図8は、それぞれ図6に示す導光部の断面図である。図9は、図7のB部拡大図である。図10は、図5のA部近傍の斜視図である。図11は、図3に示す容器および導光部のC-C線断面図である。図12は、図3に示す容器および導光部のD-D線断面図である。
なお、各図では、導光部の一部または光アダプターの図示を簡略化している場合がある。また、各図では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を設定しており、各軸を矢印で示している。なお、矢印の先端側を各軸のプラス側とし、基端側をマイナス側とする。また、以下の説明では、説明の便宜上、Z軸のうち、プラス側を「上」、マイナス側を「下」として説明する。
図1ないし図3に示すように、光配線部品100は、第1光ファイバー1と、第2光ファイバー2と、第3光ファイバー3と、光導波路4と、筐体5(光配線部品用筐体)と、を備えている。このうち、第1光ファイバー1と、第2光ファイバー2および第3光ファイバー3とが、図5に示すように、光導波路4を介して光学的に接続されている。これにより、導光部10(光配線)が構成されている。図2に示す導光部10は、X-Y面内において、途中で湾曲するように曲げられており、その状態で筐体5の内部に収容されている。
また、図5に示す導光部10は、第1光ファイバー1、第2光ファイバー2および第3光ファイバー3に接するように設けられた支持部材9によって支持されている。支持部材9は、筐体5を構成する部材の1つである。
筐体5は、図2に示すように、容器5a、蓋体5bおよび支持部材9を備えている。
容器5aの開口には、蓋体5bが被さるようになっている。これにより、筐体5の内部に空間が形成され、その空間に導光部10が収容される。
光導波路4には、図6に示すコア部44が形成されており、そのコア部44は途中の分岐コア部46で2本に分岐している。このため、例えば外部から第1光ファイバー1に入射した光は、分岐コア部46で2つに分けられ、第2光ファイバー2および第3光ファイバー3に分配される。したがって、この場合の光配線部品100は、光分配器として機能する。一方、外部から第2光ファイバー2および第3光ファイバー3に入射した光は、分岐コア部46で1つに混合され、第1光ファイバー1に集約される。したがって、この場合の光配線部品100は、光混合器として機能する。
以下、光配線部品100の各部について詳述する。
1.1.1.筐体
筐体5は、前述したように、容器5a、蓋体5bおよび支持部材9を備えている。
容器5aは、図2に示すように、上方に開口する開口部を有する有底の箱状をなしている。
容器5aは、図2または図3に示すように、底部501と、壁部500と、3つの固定部509と、を備えている。このうち、底部501は、図12に示すように、互いに表裏の関係を有する底面502および裏面503を備える。底面502は、底部501の上面であり、裏面503は、底部501の下面である。
壁部500は、底面502の縁部から上方に突出して設けられ、内側が空間となる枠状をなしている。また、壁部500は、側壁51、52、53、54を備えている。このうち、側壁51は、図2に示すように、内側と外側とを貫通する貫通部511、512を備えている。そして、貫通部511には、図2に示すように、第1光アダプター6が装着されている。また、貫通部512には、図2に示すように、第2光アダプター7が装着されている。第1光アダプター6は、壁部500の内側および外側にそれぞれはみ出す形状を有している。同様に、第2光アダプター7は、壁部500の内側および外側にそれぞれはみ出す形状を有している。なお、壁部500は、閉じた枠状である必要はなく、一部が途切れていてもよい。
固定部509は、壁部500の外面から外側に向かって突出するとともに、上下方向に貫通するねじ孔を備えている。ねじ孔にねじを通し、被固定部材にねじ止めすることにより、筐体5を被固定部材に固定することができる。
第1光アダプター6には、図3に示すように第1光ファイバー1が挿入されており、第2光アダプター7には、図3に示すように第2光ファイバー2および第3光ファイバー3が挿入されている。
壁部500には、環状に巻き取られた状態の導光部10が接している。換言すれば、巻回状態の導光部10が壁部500に接することにより、導光部10の展開が防止され、導光部10の巻回状態を維持することができる。ただし、壁部500に導光部10が接することは必須ではない。また、導光部10が環状に巻き取られていることも必須ではない。
容器5aは、さらに、Y-Z面に平行な2つの側壁53、54を備えている。側壁53は、底面502よりもX軸プラス側に位置し、側壁54は、底面502よりもX軸マイナス側に位置している。
蓋体5bは、容器5aの開口部を覆うことができる板状をなしており、Z軸に沿った方向から見た平面視形状は、容器5aと同様である。また、蓋体5bは、省略されていてもよい。
なお、上述した筐体5の形状は一例であり、これに限定されない。例えば、容器5aと蓋体5bとがつながっていてもよい。また、容器5aは、複数の部品を組み立ててなる組立体であってもよい。
容器5aの構成材料および蓋体5bの構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ-(4-メチルペンテン-1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン-スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂等、またはこれらを主とするブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、容器5aの構成材料および蓋体5bの構成材料としては、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートおよびABS樹脂からなる群から選択される1種が好ましく用いられる。これらは、曲げ強度が比較的大きいことから、構成材料として有用である。
また、容器5aは、図2等に示すように、底面502から突出する柱状をなすポール部551、552を備えている。ポール部551は、円柱状をなしており、側壁52と側壁53との接続部近傍であって、かつ、側壁52、53から離間した位置に設けられている。ポール部552は、円柱状をなしており、側壁52と側壁54との接続部近傍であって、かつ、側壁52、54から離間した位置に設けられている。なお、ポール部551、552は、必要に応じて設けられればよく、省略されていてもよい。
ポール部551、552は、それぞれ、底面502に対して交差する方向に延在している。ただし、ポール部551、552の延在方向は、図2および図3に示すZ軸方向に限定されず、Z軸に対して傾いた方向であってもよい。
ポール部551、552と壁部500(図2参照)との間には、図3に示すように、導光部10を挿通可能な隙間553、554が設けられている。これらの隙間553、554に導光部10を挿通することにより、導光部10をポール部551、552の側面に沿って曲げることができるので、曲げ半径が小さくなりすぎるのを防止することができる。また、巻回状態にある導光部10が展開しようとする力を利用し、筐体5に対して導光部10を固定することができる。
また、容器5aは、底面502から突出する台状をなす台座部504、505を備えている。台座部504は、貫通部511に対応する位置に設けられている。また、台座部505は、貫通部512に対応する位置に設けられている。
台座部504の上面には、図2および図3に示すように、第1光アダプター6が載置されている。また、台座部505の上面には、図2および図3に示すように、第2光アダプター7が載置されている。
そして、第1光アダプター6には、前述したように、導光部10の第1光ファイバー1が挿入されている。また、第2光アダプター7には、前述したように、導光部10の第2光ファイバー2および第3光ファイバー3が挿入されている。さらに、導光部10の一部は、図3に示すように、環状に巻き取られた状態で、ポール部551、552と台座部504、505との間のスペースに収容されている。
1.1.2.第1光ファイバー
第1光ファイバー1は、第1光ファイバー本体11と、第1光ファイバー本体11の端部に装着された第1光コネクター12と、を備えている。
第1光ファイバー本体11としては、例えばガラス製光ファイバー、プラスチック製光ファイバー等が挙げられる。
第1光ファイバー本体11の導波モードは、シングルモードであっても、マルチモードであってもよいが、マルチモードであるのが好ましい。マルチモードでは、シングルモードに比べて位置合わせの際の軸ずれに対する許容度が大きくなる。このため、マルチモードの第1光ファイバー本体11は、光導波路4との光学的な接続に際し、接続作業を容易にすることができるので、光配線部品100の組立容易性を高めるという観点で有用である。
図7および図8に示す第1光ファイバー本体11は、横断面形状が円形をなしており、その中央に位置するコア部111と、その側面を覆うクラッド部112と、を有している。第1光ファイバー本体11は、必要に応じて、クラッド部112の側面を覆う被覆部を有していてもよい。被覆部の構成材料としては、例えば、樹脂材料、ガラス材料、金属材料、繊維強化複合材料等が挙げられる。
図7は、第1光ファイバー1から光導波路4を経由して第2光ファイバー2に至る線に沿って切断してなる断面図である。図8は、第1光ファイバー1から光導波路4を経由して第3光ファイバー3に至る線に沿って切断してなる断面図である。
第1光ファイバー本体11の2つの端面のうち、図7および図8に示す光導波路4側の端面を第1光入出射面113とする。この第1光入出射面113と光導波路4との間が後述する第1接着部81を介して光学的に接続されている。
第1光コネクター12は、図示しない挿通孔を有しており、この挿通孔に第1光ファイバー本体11の端部が挿入されることにより、第1光ファイバー本体11が保持されている。
第1光コネクター12としては、例えばセラミックス製光コネクター、ガラス製光コネクター、プラスチック製光コネクター等が挙げられる。また、第1光コネクター12は、これらの各種光コネクターを本体とし、その本体に金具が装着されてなるものであってもよい。
第1光コネクター12は、フェルールと、このフェルールを挿入可能なハウジングと、の組立体であってもよい。ハウジングは、光接続用の種々の規格に応じた形状を有している。この規格としては、例えばSC、FC、MU、D、DJ、ST、LC、SCF、SCH、MT、MPO、MT-RJ等が挙げられる。
1.1.3.第2光ファイバー
第2光ファイバー2は、第2光ファイバー本体21と、第2光ファイバー本体21の端部に装着された第2光コネクター22と、を備えている。
第2光ファイバー本体21としては、例えばガラス製光ファイバー、プラスチック製光ファイバー等が挙げられる。
第2光ファイバー本体21の導波モードは、シングルモードであっても、マルチモードであってもよいが、マルチモードであるのが好ましい。マルチモードでは、シングルモードに比べて位置合わせの際の軸ずれに対する許容度が大きくなる。このため、マルチモードの第2光ファイバー本体21は、光導波路4との光学的な接続に際し、接続作業を容易にすることができるので、光配線部品100の組立容易性を高めるという観点で有用である。
図7に示す第2光ファイバー本体21は、横断面形状が円形をなしており、その中央に位置するコア部211と、その側面を覆うクラッド部212と、を有している。第2光ファイバー本体21は、必要に応じて、クラッド部212の側面を覆う被覆部を有していてもよい。被覆部の構成材料としては、例えば、樹脂材料、ガラス材料、金属材料、繊維強化複合材料等が挙げられる。
第2光ファイバー本体21の2つの端面のうち、図7および図9に示す光導波路4側の端面を第2光入出射面213とする。この第2光入出射面213と光導波路4との間が後述する第2接着部82を介して光学的に接続されている。
第2光コネクター22は、図示しない挿通孔を有しており、この挿通孔に第2光ファイバー本体21の端部が挿入されることにより、第2光ファイバー本体21が保持されている。
第2光コネクター22としては、例えばセラミックス製光コネクター、ガラス製光コネクター、プラスチック製光コネクター等が挙げられる。また、第2光コネクター22は、これらの各種光コネクターを本体とし、その本体に金具が装着されてなるものであってもよい。
第2光コネクター22は、フェルールと、このフェルールを挿入可能なハウジングと、の組立体であってもよい。ハウジングは、光接続用の種々の規格に応じた形状を有している。この規格としては、例えばSC、FC、MU、D、DJ、ST、LC、SCF、SCH、MT、MPO、MT-RJ等が挙げられる。
1.1.4.第3光ファイバー
第3光ファイバー3は、第3光ファイバー本体31と、第3光ファイバー本体31の端部に装着された第3光コネクター32と、を備えている。
第3光ファイバー本体31としては、例えばガラス製光ファイバー、プラスチック製光ファイバー等が挙げられる。
第3光ファイバー本体31の導波モードは、シングルモードであっても、マルチモードであってもよいが、マルチモードであるのが好ましい。マルチモードでは、シングルモードに比べて位置合わせの際の軸ずれに対する許容度が大きくなる。このため、マルチモードの第3光ファイバー本体31は、光導波路4との光学的な接続に際し、接続作業を容易にすることができるので、光配線部品100の組立容易性を高めるという観点で有用である。
図8に示す第3光ファイバー本体31は、横断面形状が円形をなしており、その中央に位置するコア部311と、その側面を覆うクラッド部312と、を有している。第3光ファイバー本体31は、必要に応じて、クラッド部312の側面を覆う被覆部を有していてもよい。被覆部の構成材料としては、例えば、樹脂材料、ガラス材料、金属材料、繊維強化複合材料等が挙げられる。
第3光ファイバー本体31の2つの端面のうち、図8に示す光導波路4側の端面を第3光入出射面313とする。この第3光入出射面313と光導波路4との間が後述する第3接着部83を介して光学的に接続されている。
第3光コネクター32は、図示しない挿通孔を有しており、この挿通孔に第3光ファイバー本体31の端部が挿入されることにより、第3光ファイバー本体31が保持されている。
第3光コネクター32としては、例えばセラミックス製光コネクター、ガラス製光コネクター、プラスチック製光コネクター等が挙げられる。また、第3光コネクター32は、これらの各種光コネクターを本体とし、その本体に金具が装着されてなるものであってもよい。
第3光コネクター32は、フェルールと、このフェルールを挿入可能なハウジングと、の組立体であってもよい。ハウジングは、光接続用の種々の規格に応じた形状を有している。この規格としては、例えばSC、FC、MU、D、DJ、ST、LC、SCF、SCH、MT、MPO、MT-RJ等が挙げられる。
1.1.5.光導波路
光導波路4は、前述したように、第1光ファイバー1と第2光ファイバー2および第3光ファイバー3との間に設けられ、これらを光学的に接続している。なお、以下の説明では、第1光ファイバー1、第2光ファイバー2および第3光ファイバー3を、「第1光ファイバー1等」ということがある。
図9に示す光導波路4は、下側から、下側保護層47、クラッド層41、コア層43、クラッド層42、および上側保護層48がこの順で積層されてなるシート状の積層体を備えている。また、コア層43中には、図6に示すように、線状のコア部44と、コア部44に隣接して設けられた側面クラッド部45と、が形成されている。
以下、光導波路4の各部についてさらに詳述する。
1.1.5.1.コア層
図6に示すコア部44は、その側面が、図6に示す側面クラッド部45および図9に示すクラッド層41、42で囲まれている。そして、コア部44の屈折率は、側面クラッド部45やクラッド層41、42の屈折率よりも高くなっている。これにより、コア部44に光を閉じ込めて伝搬させることができる。
コア層43において、光路に直交する面内における屈折率分布は、いかなる分布であってもよく、例えば屈折率が不連続的に変化したいわゆるステップインデックス(SI)型の分布であってもよく、屈折率が連続的に変化したいわゆるグレーデッドインデックス(GI)型の分布であってもよい。
コア部44の光路に直交する面によるコア部44の断面形状は、特に限定されず、真円、楕円形、長円形等の円形、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形、その他の異形状であってもよい。
コア層43の平均厚さは、特に限定されず、第1光ファイバー本体11、第2光ファイバー本体21、第3光ファイバー本体31のコア部111、211、311の径に応じて結合損失が最小になるように最適化されるが、1~500μm程度であるのが好ましく、10~300μm程度であるのがより好ましく、30~100μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、コア部44に必要とされる光学的特性および機械的強度が確保される。
コア層43の構成材料(主材料)としては、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ系樹脂やオキセタン系樹脂のような環状エーテル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシラン、ポリシラザン、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、PETやPBTのようなポリエステル、ポリエチレンサクシネート、ポリサルフォン、ポリエーテル、また、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂のような各種樹脂材料等が挙げられる。なお、樹脂材料には、異なる組成のものを組み合わせた複合材料が用いられてもよい。
図6に示すコア部44は、分岐コア部46を備えている。分岐コア部46では、1本のコア部44が2本に分岐している。これにより、例えば、1本のコア部44に入射した光を分岐コア部46において2本のコア部44に分配することができる。
1.1.5.2.クラッド層
クラッド層41、42の平均厚さは、それぞれ1~200μm程度であるのが好ましく、3~100μm程度であるのがより好ましく、5~60μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、クラッド層41、42に必要とされる光学的特性および機械的強度が確保される。
クラッド層41、42の構成材料としては、例えば、前述したコア層43の構成材料と同様の材料を用いることができる。
クラッド層41、42は、必要に応じて設けられればよく、省略されてもよい。このとき、例えばコア層43が外気(空気)に曝されていれば、その外気がクラッド層41、42として機能する。
また、コア層43中の側面クラッド部45と、クラッド層41およびクラッド層42の一方または双方と、が一体になっていてもよい。
1.1.5.3.保護層
下側保護層47および上側保護層48は、コア層43やクラッド層41、42を保護し、外部環境等に起因したコア部44の伝送効率の低下を抑制するとともに、光導波路4の機械的強度を高める。
下側保護層47および上側保護層48の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミド等の各種樹脂を含む材料が挙げられる。
下側保護層47および上側保護層48の平均厚さは、特に限定されないが、5~500μm程度であるのが好ましく、10~400μm程度であるのがより好ましい。
また、下側保護層47および上側保護層48は、互いに同じ構成であっても互いに異なる構成であってもよい。
なお、下側保護層47および上側保護層48は、それぞれ必要に応じて設けられればよく、少なくとも一方が省略されていてもよい。
1.1.6.接着部
光導波路4のうち、図7および図8に示す第1光ファイバー1側の端面を第4光入出射面491とし、図7に示す第2光ファイバー2側の端面および図8に示す第3光ファイバー3側の端面を第5光入出射面492とする。第1光ファイバー1の第1光入出射面113と光導波路4の第4光入出射面491との間が第1接着部81を介して光学的に接続されている。また、第2光ファイバー2の第2光入出射面213と光導波路4の第5光入出射面492との間が第2接着部82を介して光学的に接続されている。さらに、第3光ファイバー3の第3光入出射面313と光導波路4の第5光入出射面492との間が第3接着部83を介して光学的に接続されている。なお、第2接着部82および第3接着部83は、互いに一体化して境界が判別できない状態になっていてもよい。
第1接着部81、第2接着部82および第3接着部83としては、光透過性を有する接着剤であれば、いかなる接着剤も用いられるが、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコーン系接着剤、オレフィン系接着剤、各種ホットメルト接着剤(ポリエステル系、変性オレフィン系)等が挙げられる。
また、第1接着部81、第2接着部82および第3接着部83の各硬化原理は、特に限定されず、熱硬化型、硬化剤混合型、溶剤揮散型等であってもよいが、光硬化型であるのが好ましい。すなわち、第1接着部81、第2接着部82および第3接着部83は、それぞれ光硬化型接着剤の硬化物を含んでいるのが好ましい。光硬化型接着剤は、透光性を有する治具等で接着対象物を保持したまま、短時間で硬化可能である。このため、光導波路4と、第1光ファイバー1、第2光ファイバー2および第3光ファイバー3と、を位置合わせした状態で、これらを精度よく簡単に固定することができる。その結果、接続部の光結合効率をより高めることができる。なお、光硬化型には紫外線硬化型を含む。
また、第1接着部81、第2接着部82および第3接着部83が光硬化型接着剤の硬化物を含んでいる場合、第1接着部81、第2接着部82および第3接着部83の弾性率を比較的大きくすることができる。具体的には、第1接着部81、第2接着部82および第3接着部83の各弾性率は、好ましくは100~20000MPa程度とされ、より好ましくは300~15000MPa程度とされ、さらに好ましくは500~12500MPa程度とされ、特に好ましくは1000~10000MPa程度とされる。第1接着部81、第2接着部82および第3接着部83の各弾性率を前記範囲内に設定することにより、第1接着部81、第2接着部82および第3接着部83が変形しにくくなるため、光導波路4と、第1光ファイバー1、第2光ファイバー2および第3光ファイバー3と、を位置合わせした後、位置ずれが発生しにくくなる。このため、光結合効率を良好に維持することができる。
なお、第1接着部81、第2接着部82および第3接着部83の各弾性率は、JIS K 7127に規定された方法で測定され、測定温度は25℃とする。
さらに、第1接着部81の屈折率は、特に限定されないが、第1光ファイバー本体11のコア部111の屈折率と光導波路4のコア部44の屈折率との間の値であるのが好ましい。第1接着部81の屈折率を前記範囲内に設定することにより、第1接着部81が屈折率調整機能を有することになる。このため、第1光ファイバー1と光導波路4との間で、屈折率差に伴う結合損失が発生するのを抑制することができ、光結合効率が良好な光配線部品100を実現することができる。
同様に、第2接着部82の屈折率は、特に限定されないが、第2光ファイバー本体21のコア部211の屈折率と光導波路4のコア部44の屈折率との間の値であるのが好ましい。第2接着部82の屈折率を前記範囲内に設定することにより、第2接着部82が屈折率調整機能を有することになる。このため、第2光ファイバー2と光導波路4との間で、屈折率差に伴う結合損失が発生するのを抑制することができ、光結合効率が良好な光配線部品100を実現することができる。
同様に、第3接着部83の屈折率は、特に限定されないが、第3光ファイバー本体31のコア部311の屈折率と光導波路4のコア部44の屈折率との間の値であるのが好ましい。第3接着部83の屈折率を前記範囲内に設定することにより、第3接着部83が屈折率調整機能を有することになる。このため、第3光ファイバー3と光導波路4との間で、屈折率差に伴う結合損失が発生するのを抑制することができ、光結合効率が良好な光配線部品100を実現することができる。
1.1.7.光アダプター
第1光アダプター6のY軸に交差する2つの面のうち、Y軸マイナス側の面には、図3に示すように、第1光ファイバー1を挿入可能な挿入部61が1つ設けられている。一方、Y軸プラス側の面には、図2および図3に示すように、第1光ファイバー1と光学的に接続される接続相手の光ファイバーを挿入可能な挿入部62が1つ設けられている。したがって、第1光アダプター6を介して、第1光ファイバー1と図示しない接続相手の光ファイバーとが光学的に接続される。
第1光アダプター6は、光コネクターハウジングに関する種々の規格に準拠していてもよい。この規格としては、例えばSC、FC、MU、D、DJ、ST、LC、SCF、SCH、MT、MPO、MT-RJ等が挙げられる。
第2光アダプター7のY軸に交差する2つの面のうち、Y軸マイナス側の面には、図3に示すように、第2光ファイバー2を挿入可能な挿入部71aおよび第3光ファイバー3を挿入可能な挿入部71bが設けられている。2つの挿入部71a、71bは、X軸に沿って並んでいる。一方、Y軸プラス側の面には、第2光ファイバー2または第3光ファイバー3と光学的に接続される接続相手の光ファイバーが挿入される挿入部72a、72bが設けられている。したがって、第2光アダプター7を介して、第2光ファイバー2および第3光ファイバー3と図示しない接続相手の2本の光ファイバーとが光学的に接続される。2つの挿入部72a、72bは、X軸に沿って並んでいる。
第2光アダプター7は、光コネクターハウジングに関する種々の規格に準拠していてもよい。この規格としては、例えばSC、FC、MU、D、DJ、ST、LC、SCF、SCH、MT、MPO、MT-RJ等が挙げられる。
なお、第2光アダプター7は、挿入部71a、72aを有する部位と、挿入部71b、72bを有する部位と、に分かれていてもよい。
1.1.8.支持部材
支持部材9は、前述したように、筐体5を構成する部材の1つである。図2ないし図5および図10ないし図12には、導光部10に支持部材9を取り付けた状態を図示している。
支持部材9は、第1部位91、第2部位92、および、第1部位91と第2部位92とを連結する連結部位93を備えている。
図10に示す第1部位91および第2部位92は、それぞれ上下方向に延在する角柱状をなしている。なお、この形状は、特に限定されず、例えば、円柱状、角錐状、円錐状等であってもよい。第1部位91の下端部および第2部位92の下端部は、連結部位93を介して互いに連結されている。
第1部位91は、上面910に開口する第1溝911を有している。第2部位92は、上面920に開口する第2溝921を有している。第1溝911は、第1部位91と第2部位92とを結ぶ方向、具体的には図4のX軸方向に延在し、第1部位91を貫通している。第2溝921も、図4のX軸方向に延在し、第2部位92を貫通している。なお、第1溝911および第2溝921は、互いに異なる方向に延在していてもよいが、後述するように、光導波路4を保持するとき、光導波路4を真っ直ぐに延ばした姿勢で保持することができるという観点から、互いに同じ方向に延在していることが好ましい。
第1溝911には、導光部10を構成する第1光ファイバー1の第1光ファイバー本体11が挿入されている。これにより、第1光ファイバー1が支持部材9に支持される。
第2溝921には、導光部10を構成する第2光ファイバー2の第2光ファイバー本体21および第3光ファイバー3の第3光ファイバー本体31が挿入されている。これにより、第2光ファイバー2および第3光ファイバー3が支持部材9に支持される。
このようにして導光部10を支持している支持部材9は、図4に示すように、容器5aの底面502に配置されている。これにより、支持部材9を介して、導光部10を容器5aに固定することができる。
なお、必要に応じて、第1光ファイバー本体11を第1溝911に接着する接着剤、ならびに、第2光ファイバー本体21および第3光ファイバー本体31を第2溝921に接着する接着剤が設けられていてもよい。
また、必要に応じて、第1光ファイバー本体11が挿入された第1溝911を塞ぐ部材、ならびに、第2光ファイバー本体21および第3光ファイバー本体31が挿入された第2溝921を塞ぐ部材が設けられていてもよい。
第1溝911または第2溝921を塞ぐ部材としては、例えば、粘着テープ、接着テープ、第1溝911または第2溝921に嵌合する部材等が挙げられる。
また、容器5aには、図2に示すように、底面502に開口する凹部56が設けられている。そして、凹部56には、支持部材9の連結部位93が挿入されている。このような構成によれば、連結部位93を凹部56に挿入するだけで、第1部位91を底面502から上方に突出させることができる。これにより、第1部位91を第1突出部とみなすことができる。同様に、第2部位92を底面502から上方に突出させることができる。これにより、第2部位92を第2突出部とみなすことができる。なお、凹部56は、必要に応じて設けられればよく、省略されていてもよい。
第1部位91および第2部位92は、互いに離間して設けられている。そして、光導波路4は、第1部位91と第2部位92との間に保持されている。これにより、光導波路4は、支持部材9から離れた位置に保持されることになる。一方、第1部位91は、第1光ファイバー1を支持し、第2部位92は、第2光ファイバー2および第3光ファイバー3を支持している。このため、光導波路4は支持部材9によって間接的に補強されることになる。その結果、曲げられたり、温度が変化したりして第1光ファイバー1等が伸縮したとしても、その影響が支持部材9によって遮断される。
これにより、第1光ファイバー1と光導波路4との接続部である第1接着部81、第2光ファイバー2と光導波路4との接続部である第2接着部82、および、第3光ファイバー3と光導波路4との接続部である第3接着部83では、応力の集中が抑えられる。
以上のように、本実施形態に係る筐体5(光配線部品用筐体)は、光配線である導光部10が収容される筐体であって、底面502を有する底部501と、底面502から突出して設けられている壁部500と、底面502から突出し、互いに離間して設けられている第1突出部としての第1部位91および第2突出部としての第2部位92と、を備えている。そして、第1部位91と第2部位92とを結ぶ方向を敷設方向とするとき、第1部位91は、敷設方向に延在する第1溝911を有し、第2部位92は、敷設方向に延在する第2溝921を有している。
このような構成によれば、導光部10が、例えば、図2および図3に示すように巻回状態に置かれ、かつ、温度変化を伴う環境試験に供された場合でも、光導波路4の接続部における応力の集中が緩和される。具体的には、温度上昇に伴って第1光ファイバー1等が熱膨張したとしても、その熱膨張の影響が、第1接着部81等に及ぶのを抑制することができる。これにより、第1接着部81等における応力の集中を抑制することができるので、小型で、かつ、収容した導光部10(光配線)における伝送効率の低下を抑制することができる筐体5を実現することができる。
また、本実施形態に係る筐体5では、容器5aの底部501と支持部材9とが別体になっている。具体的には、筐体5の支持部材9は、第1部位91と第2部位92とを連結する連結部位93(連結部)を備えている。そして、第1部位91、第2部位92および連結部位93は、底部501から分離可能、つまり別体になっている。
このような構成によれば、光配線部品100を組み立てるとき、あらかじめ支持部材9と導光部10とを組み立てた後、その組立体を容器5aに収容するという手順を採用することが可能になる。このような手順によれば、第1溝911に第1光ファイバー1を挿入したり、第2溝921に第2光ファイバー2および第3光ファイバー3を挿入したりする細かな作業を、容器5aから独立した環境下で、効率よく行うことができる。その結果、光配線部品100の製造効率を高めることができる。
なお、支持部材9が容器5aと別体であることは必須ではなく、両者は一体になっていてもよい。その場合、例えば、連結部位93が凹部56を埋めていて、第1部位91および第2部位92が底面502から突出している形態が挙げられる。
支持部材9の構成材料(主材料)は、その曲げ剛性を第1光ファイバー1等の曲げ剛性よりも大きくし得るものであれば、特に限定されない。一例として、支持部材9の構成材料には、前述した容器5aの構成材料として挙げた材料の中から適宜選択して用いられる。
1.1.9.筐体への導光部の収容
ポール部551、552と壁部500との隙間553、554に挿通された第1光ファイバー1等は、隙間553、554に嵌ることにより、拘束される。したがって、第1光ファイバー1等を隙間553、554に差し込むだけで、第1光ファイバー1等を固定することができる。
このとき、隙間553には第1光ファイバー1が湾曲した状態で挿通され、隙間554には第2光ファイバー2および第3光ファイバー3がそれぞれ湾曲した状態で挿通されている。具体的には、隙間553は、側壁53とポール部551との間の部分と、側壁52とポール部551との間の部分と、を含んでいる。このため、隙間553に挿通された第1光ファイバー1は、延在方向を約90°変えながら湾曲している。同様に、隙間554は、側壁54とポール部552との間の部分と、側壁52とポール部552との間の部分と、を含んでいる。このため、隙間554に挿通された第2光ファイバー2および第3光ファイバー3は、延在方向を約90°変えながら湾曲している。このように湾曲した第1光ファイバー1等には、それぞれ、湾曲した状態から元に戻ろうとする復元力が発生する。これにより、第1光ファイバー1等は、この復元力によって壁部500やポール部551、552に押し付けられ、隙間553、554に固定される。
以上のように、本実施形態に係る筐体5は、底面502と交差する方向に延在する2本のポール部551、552を備えている。具体的には、図2および図3に示すように、ポール部551、552は、Z軸に沿って延在し、かつ、X軸に沿って並んでいる。ポール部551、552と壁部500との間には、図3に示すように、導光部10を挿通可能な隙間553、554が設けられている。これらの隙間553、554に導光部10を挿通することにより、曲げられた状態にある導光部10が展開する力を利用して、導光部10を容易に固定することができる。また、導光部10をポール部551、552の側面に沿って曲げることができるので、曲げ半径が小さくなりすぎるのを防止することができる。
また、ポール部551、552同士の離間距離S1は、図11に示すように、第1部位91(第1突出部)の第2部位92(第2突出部)とは反対側の面から、第2部位92の第1部位91とは反対側の面まで、の距離S2よりも長いことが好ましい。
このような構成によれば、ポール部551、552同士の間に、第1部位91および第2部位92を配置することができる。これにより、支持部材9で支持された導光部10の近傍にポール部551、552が位置することになるので、導光部10をポール部551、552に沿わせて曲げることができる。その結果、曲げ半径が小さくなりすぎるのをより確実に防止することができる。
一方、本実施形態に係る筐体5では、図10に示すように、第2部位92の第2溝921の深さD2が、第1部位91の第1溝911の深さD1より深くなっている。
このような構成によれば、図10に示す第2光ファイバー2および第3光ファイバー3を、1つの第2溝921を用い、良好に支持することができる。また、第2光ファイバー2および第3光ファイバー3を第2溝921に対して縦方向、つまり、Z軸に沿って並べた場合、光導波路4の長手方向を底面502に対してほぼ平行に保持することができる。これにより、光導波路4の傾きを防止して、傾きによる弊害、例えば第1光ファイバー1等に上下方向の意図しない曲げが発生し、それに伴って曲げ損失が発生してしまうのを防止することができる。
また、第2光ファイバー2および第3光ファイバー3を、第2溝921に対して縦方向に並べた場合、第2光ファイバー2および第3光ファイバー3をX-Y面内で曲げるとき、双方の曲げ半径を互いに等しくすることができる。このため、曲げ半径が異なった場合に発生する問題、例えば、余長が発生して局所的な曲げ半径が小さくなってしまうという問題を回避することができる。
なお、ポール部551、552が底面502に設けられることは必須ではなく、例えば壁部500に設けられていてもよいし、蓋体5bに設けられていてもよい。また、ポール部551、552の本数は、特に限定されず、1本であっても、3本以上であってもよい。
ポール部551、552が底面502と平行な平面で切断されたときの断面形状としては、特に限定されないが、例えば、真円、楕円、長円のような円形、四角形、六角形、八角形のような多角形、その他の形状等が挙げられる。図3では、ポール部551、552の断面形状が円形である。これにより、隙間553、554に導光部10を差し込んだとき、導光部10が損傷を受けにくくなる。
ポール部551の形状とポール部552の形状とは異なっていてもよいが、図2および図3では、両者が同じになっている。また、ポール部551、552の形状や大きさは、Z軸に沿って一定であってもよいし、変化していてもよい。例えば、ポール部551、552の径は、先端に向かって漸減または漸増していてもよい。
一方、図10に示す支持部材9では、第2溝921の幅W2が、第1溝911の幅W1と同じになっている。これは、第1光ファイバー本体11の径φ1が第2光ファイバー本体21の径φ2および第3光ファイバー本体31の径φ3と同じである場合である。したがって、これらが互いに異なる場合には、幅W1、W2が互いに異なっていてもよい。
第1溝911の幅W1は、第1光ファイバー本体11の径φ1に応じて設定されるが、一例として、第1光ファイバー本体11の径φ1の100%超150%以下であるのが好ましく、101%以上120%以下であるのがより好ましい。同様に、第2溝921の幅W2は、第2光ファイバー本体21の径φ2および第3光ファイバー本体31の径φ3に応じて設定されるが、一例として、第2光ファイバー本体21の径φ2および第3光ファイバー本体31の径φ3のうち、大きい方の100%超150%以下であるのが好ましく、101%以上120%以下であるのがより好ましい。このような条件にしたがうことにより、第1光ファイバー1等を位置精度よく固定することができる。
また、本実施形態に係る筐体5は、底面502に開口し、連結部位93が挿入される凹部56を有する。
このような構成によれば、光配線部品100を組み立てるとき、凹部56に連結部位93を挿入することによって、容器5aに対する支持部材9の位置合わせを容易かつ正確に行うことができる。これにより、ポール部551、552と第1光ファイバー1等との位置合わせを精度よく行うことができる。その結果、第1光ファイバー1とポール部551、552との位置ずれに伴う、導光部10の伝送効率の低下を抑制することができる。また、光配線部品100の組立作業効率を高めることができる。
ここで、光配線部品100の製造方法の一例について説明する。
図13は、図1に示す光配線部品100を組み立てるとき、図5に示す導光部10および支持部材9を容器5aに取り付ける様子を説明した断面図である。
光配線部品100を組み立てるときには、まず、一例として、あらかじめ図5に示す構造体を作製する。次に、得られた構造体を容器5aに取り付ける。このとき、図13に示すように、まず、支持部材9を凹部56に挿入する。次いで、第1光ファイバー1等を巻回状態にして、容器5a内に収める。
支持部材9からは第1光ファイバー1等が延出しているので、支持部材9を凹部56に挿入するときには、延出している第1光ファイバー1等を壁部500の内側に収まる大きさになるまで曲げる必要がある。このため、誤って小さな曲げ半径で曲げてしまうと、第1光ファイバー1等に損傷を与えてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態に係る筐体5では、壁部500に窓部57、58を設けている。具体的には、筐体5は、第1溝911の延長線と重なる位置で側壁53を貫通する窓部57を有している。また、筐体5は、第2溝921の延長線と重なる位置で側壁54を貫通する窓部58を有している。
このような構成によれば、支持部材9を凹部56に挿入した後、窓部57、58を介して第1光ファイバー1等を壁部500の外側にはみ出させることができる。これにより、第1光ファイバー1等を小さな曲げ半径で曲げることなく、支持部材9を凹部56に挿入することができる。
なお、窓部57、58は、いずれか一方のみが設けられていてもよいが、双方設けられているのが好ましい。また、図2に示す窓部57、58には、蓋体5bの一部59が嵌合することによって塞がれるようになっている。なお、窓部57、58は、開放されていてもよいし、別の部材で塞がれていてもよい。
また、窓部57、58のZ軸方向の長さおよびY軸方向の長さは、特に限定されず、作業性を考慮して適宜設定される。
さらに、図4に示す窓部57、58は、それぞれY軸プラス側が斜めに切り欠かれている。このような切り欠き571、581が設けられることにより、図13に示すように窓部57、58を介して外側にはみ出させた第1光ファイバー1等を曲げながら壁部500の内側に収めるとき、第1光ファイバー1等が壁部500に引っ掛かりにくくなる。具体的には、図13に示すように、下に凸のU字状に導光部10を吊り下げた状態から、支持部材9を凹部56に挿入した後、第1光ファイバー1等を巻回させながら、壁部500の内側に収める作業を行うが、そのとき、切り欠き571、581が設けられていることで、その作業を効率よく行うことができる。これにより、組立作業に伴って第1光ファイバー1等に損傷が発生する確率を下げることができる。
ここで、図5に示すように、第1光ファイバー1の長さをL1とし、第2光ファイバー2の長さをL2とし、第3光ファイバー3の長さをL3とする。
長さL2および長さL3は、互いに同じでもよいが、図5に示すように互いに異なっているのが好ましい。これにより、第2光ファイバー2および第3光ファイバー3のうち、短い方が内側になるようにこれらを湾曲させたとき、第2光コネクター22の位置と第3光コネクター32の位置とを揃えやすくなる。そして、その際、光ファイバーの余長が発生しにくくなる。これにより、余長に伴って第2接着部82または第3接着部83に負荷が及んでしまうのを抑制することができる。
また、第1光ファイバー1の長さL1は、第2光ファイバー2の長さL2および第3光ファイバー3の長さL3の双方より長くてもよいが、図5では、双方より短くなっている。つまり、導光部10は、L1<L2を満たし、かつ、L1<L3を満たしているのが好ましい。
このような関係を満たす導光部10では、その全長における長さL2、L3が占める割合が大きくなる。そうすると、導光部10を曲げる際、例えば製造誤差等によって曲げ半径がばらついたときでも、第2光ファイバー2または第3光ファイバー3には余長がより発生しにくくなる。換言すれば、全長における長さL2、L3が占める割合を大きくすることで、撓みの発生を抑えることができる曲げ半径の範囲を拡大することができる。その結果、第2接着部82または第3接着部83における光結合損失の増大を抑制し得る導光部10を実現することができる。
なお、光導波路4の分岐コア部46におけるコア部44の分岐数は、上記の2つに限定されず、3つ以上であってもよい。その場合、第2光ファイバー2および第3光ファイバー3と並列するように、第4光ファイバー、第5光ファイバー、・・・を追加すればよい。
また、コア部44の分岐数が3つ以上の場合、第2光アダプター7は、前述した第4光ファイバー、第5光ファイバー、・・・も接続可能になっていてもよい。その場合、第2溝921の深さD2も、光ファイバーの数に応じて増やすようにすればよい。
なお、光導波路4の主面の各辺のうち、最も長い辺を長軸とするとき、図5に示す光導波路4の長軸の長さL4は、分岐数によっても若干異なるものの、5~80mm程度であるのが好ましく、7~50mm程度であるのがより好ましい。
また、光導波路4の長軸に直交する短軸の長さを幅とするとき、図6に示す光導波路4の幅Wは、分岐数によっても若干異なるものの、1.0~15mm程度であるのが好ましく、1.5~10mm程度であるのがより好ましい。
図7および図8に示す光導波路4の厚さtは、50~500μm程度であるのが好ましく、100~300μm程度であるのがより好ましい。
第1光ファイバー本体11の径φ1、第2光ファイバー本体21の径φ2、および第3光ファイバー本体31の径φ3は、それぞれ特に限定されないが、100~1000μm程度であるのが好ましく、200~800μm程度であるのがより好ましい。これにより、第1光ファイバー本体11、第2光ファイバー本体21、第3光ファイバー本体31の機械的特性を最適化することができる。その結果、導光部10が曲げられたとき、折れ曲がらない程度の剛性と、大きすぎない復元力と、を両立させることができる。
導光部10の全長は、特に限定されないが、5~200cm程度であるのが好ましく、10~100cm程度であるのがより好ましい。
図14は、図1に示す光配線部品100を組み立てるとき、導光部10とポール部551、552との位置関係を示す平面図である。
図14に示す一点鎖線は、第1溝911の幅W1の中心線C1を示している。図14に示すように、容器5aに取り付けられた支持部材9の位置は、中心線C1が、ポール部551、552の側面近傍を通過する位置であるのが好ましい。具体的には、中心線C1とポール部551との離間距離S31が、第1光ファイバー本体11の半径(φ1)/2超であるのが好ましく、第1光ファイバー本体11の半径(φ1)/2の110%以上300%以下であるのがより好ましい。離間距離S31がこの範囲内であれば、第1光ファイバー本体11と第1溝911との接触点に負荷がかかりにくくなるため、第1光ファイバー本体11に損傷が発生しにくくなる。また、導光部10を容器5aに収容する作業において、部材間のクリアランスを確保して、作業性の低下を避けることができる。同様に、中心線C1とポール部552との離間距離S32が、第2光ファイバー本体21の半径(φ2)/2超であるのが好ましく、第2光ファイバー本体21の半径(φ2)/2の110%以上300%以下であるのがより好ましい。離間距離S32がこの範囲内であれば、第2光ファイバー本体21と第2溝921との接触点に負荷がかかりにくくなるため、第2光ファイバー本体21に損傷が発生しにくくなる。また、導光部10を容器5aに収容する作業において、部材間のクリアランスを確保して、作業性の低下を避けることができる。
なお、上記の効果に鑑みると、ポール部551、552は、図14に示すように、中心線C1よりもY軸プラス側に位置しているのが好ましい。これにより、X軸に沿って延在する第1光ファイバー1等をポール部551、552の側面に沿わせたとき、自ずと、Y軸プラス側へ向かって曲げやすくなる。
以上のような光配線部品100は、筐体5と、筐体5に収容されている導光部10と、を備える。このような構成によれば、第1光ファイバー1等を小さく巻回した状態でも、光導波路4等については、真っ直ぐに伸ばした状態で保持することができる。これにより、小型でも収容した導光部10における伝送効率の低下が抑制されるため、損失の少ない光配線部品100を実現することができる。
また、光配線部品100では、導光部10(光配線)が、光を分岐する機能を有している。具体的には、導光部10は、第1光ファイバー1、第2光ファイバー2、第3光ファイバー3、ならびに、第1光ファイバー1と第2光ファイバー2と第3光ファイバー3とを接続し、光を分配する機能、すなわち分岐コア部46を有する光導波路4を備えている。このような光配線部品100は、小型で損失の少ない光分配器または光混合器となる。
なお、光導波路4は、上記以外の機能を有していてもよい。上記以外の機能としては、例えば光信号の減衰等が挙げられる。光導波路4がかかる機能を有している場合には、前述した光配線部品100から第3光ファイバー3を省略することができ、光配線部品100は、小型で、かつ、減衰量が精度よく制御された光減衰器となる。
また、本実施形態では、光配線として前述した導光部10を例に挙げたが、光配線はこれに限定されない。例えば、光導波路4は、光ファイバーで代替されていてもよい。
さらに、導光部10を筐体5に固定するための部材が追加されていてもよい。かかる部材としては、例えば、粘着テープ、接着テープ、接着剤、粘着剤等が挙げられる。
また、容器5a内にポッティング剤のような樹脂材料を収容し、好ましくは充填することによって、導光部10の保持性および耐候性を高めるようにしてもよい。
2.第2実施形態
次に、第2実施形態に係る光配線部品用筐体および光配線部品について説明する。
図15は、第2実施形態に係る光配線部品用筐体を構成する支持部材およびその支持部材で支持されている導光部を示す斜視図である。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態と異なる事項について説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図15において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
図15に示す支持部材9Aは、第2溝921Aの幅W2が広くなっている以外、図10に示す支持部材9と同様である。
具体的には、図15に示す支持部材9Aでは、第2溝921Aの幅W2が、第2光ファイバー本体21の径φ2と第3光ファイバー本体31の径φ3との和より広くなっている。より具体的には、第2溝921Aの幅W2は、第2光ファイバー本体21の径φ2と第3光ファイバー本体31の径φ3との和の100%超150%以下であるのが好ましく、101%以上120%以下であるのがより好ましい。
この結果、本実施形態では、第2溝921Aの幅W2が、第1溝911の幅W1よりも広くなる。これにより、第2光ファイバー2および第3光ファイバー3を横に並べた状態、つまりY軸に沿って並べた状態でも、1つの第2溝921Aに挿入することができる。なお、コア部44の分岐数を3つ以上に増やした場合には、光ファイバーの数も増えるため、それに応じて第2溝921Aの幅W2を広げるようにすればよい。
以上のような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第2溝921Aは、互いに並列する複数の溝の集合体であってもよい。つまり、第2溝921Aは、互いに独立する2本の溝で構成されていてもよい。これら2本の溝には、第2光ファイバー2および第3光ファイバー3をそれぞれ挿入することができる。
3.変形例
次に、各変形例に係る光配線部品用筐体および光配線部品について説明する。
図16ないし図18は、それぞれ、各変形例に係る光配線部品用筐体を示す断面図である。図19および図20は、それぞれ、各変形例に係る光配線部品用筐体を示す平面図である。
以下、各変形例について説明するが、以下の説明では、第1実施形態と異なる事項について説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図16ないし図20において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
図16に示す容器5aでは、底面502ではなく、側壁52の内壁面521に凹部56が開口している。そして、図16に示す筐体5では、この凹部56に支持部材9が挿入されている。
図17に示す容器5aでは、第1部位91の上面910ではなく、第1部位91の側面912に第1溝911が開口している。また、図17には図示していないが、第2溝921も第2部位92の側面に開口している。このように、第1溝911および第2溝921が設けられるのは、第1部位91の上面910や第2部位92の上面920に限定されず、それ以外の面であってもよい。
図18に示す容器5aは、図16に示す構成と図17に示す構成とを合わせたものである。すなわち、図18に示す容器5aでは、底面502ではなく、側壁52の内壁面521に凹部56が開口している。それに加え、図18に示す容器5aでは、図17に示す第1部位91の上面910ではなく、第1部位91の側面912に第1溝911が開口している。また、図18には図示していないが、第2溝921も第2部位92の側面に開口している。
図19に示す容器5aでは、ポール部551A、552Aの形状が円柱状ではなく、一部に欠損部551a、552aが設けられた楕円柱状をなしている。この欠損部551a、552aは、凹部56の外縁に合わせて設けられている。これにより、欠損部551a、552aは、支持部材9を凹部56に挿入するときのガイドとして機能する。つまり、欠損部551a、552aに支持部材9を沿わせることにより、凹部56に支持部材9を挿入する作業の効率を高めることができる。また、図19では、ポール部551A、552Aと支持部材9との隙間がほとんどなくなっている。このため、支持部材9から延出している第1光ファイバー1等を、ポール部551A、552Aにより沿わせやすくなる。
図20に示すポール部551Bは、図19に示すポール部551A、552Aを一体化したものである。これにより、容器5aと支持部材9との位置合わせがさらに容易になる。
以上のような各変形例においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
4.電子機器
上述したような実施形態に係る光配線部品100によれば、小型で損失が少ない光配線部品100を実現することができる。したがって、このような光配線部品100を備える電子機器は、光配線部品100を収納するためのスペースの省スペース化が可能で、かつ、光配線部品100における損失が少ないため、信頼性の高いものとなる。
本発明の電子機器は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末、スマートウォッチ、スマートグラス、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、ゲーム機、ルーター装置、WDM装置、パソコン、テレビ、サーバー、スーパーコンピューター等の情報通信機器類や、医療用機器、センサー機器の他、車両、航空機、船舶の計器類、自動車制御機器、航空機制御機器、鉄道車両制御機器、船舶制御機器、宇宙船制御機器、ロケット制御機器のような移動体制御機器類、発電所、製油所、製鉄所、化学コンビナートのようなプラントを制御するプラント制御機器類等に適用される。
以上、本発明の光配線部品用筐体、光配線部品および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明の光配線部品用筐体および光配線部品は、前記実施形態の各部の構成が、同様の機能を有する任意の構成に置換されたものであってもよく、前記実施形態に任意の構成が追加されたものであってもよい。
1 第1光ファイバー
2 第2光ファイバー
3 第3光ファイバー
4 光導波路
5 筐体
5a 容器
5b 蓋体
6 第1光アダプター
7 第2光アダプター
9 支持部材
9A 支持部材
10 導光部
11 第1光ファイバー本体
12 第1光コネクター
21 第2光ファイバー本体
22 第2光コネクター
31 第3光ファイバー本体
32 第3光コネクター
41 クラッド層
42 クラッド層
43 コア層
44 コア部
45 側面クラッド部
46 分岐コア部
47 下側保護層
48 上側保護層
51 側壁
52 側壁
53 側壁
54 側壁
56 凹部
57 窓部
58 窓部
59 一部
61 挿入部
62 挿入部
71a 挿入部
71b 挿入部
72a 挿入部
72b 挿入部
81 第1接着部
82 第2接着部
83 第3接着部
91 第1部位
92 第2部位
93 連結部位
100 光配線部品
111 コア部
112 クラッド部
113 第1光入出射面
211 コア部
212 クラッド部
213 第2光入出射面
311 コア部
312 クラッド部
313 第3光入出射面
491 第4光入出射面
492 第5光入出射面
500 壁部
501 底部
502 底面
503 裏面
504 台座部
505 台座部
509 固定部
511 貫通部
512 貫通部
521 内壁面
551 ポール部
551A ポール部
551B ポール部
551a 欠損部
552 ポール部
552A ポール部
552a 欠損部
553 隙間
554 隙間
571 切り欠き
581 切り欠き
910 上面
911 第1溝
912 側面
920 上面
921 第2溝
921A 第2溝
C1 中心線
D1 深さ
D2 深さ
L1 長さ
L2 長さ
L3 長さ
L4 長さ
S1 離間距離
S2 距離
S31 離間距離
S32 離間距離
t 厚さ
W 幅
W1 幅
W2 幅
φ1 径
φ2 径
φ3 径

Claims (10)

  1. 第1光ファイバー、第2光ファイバー、第3光ファイバー、ならびに、前記第1光ファイバーと前記第2光ファイバーおよび前記第3光ファイバーとを接続し、光を分配または混合する機能を有する光導波路、を備える光配線が収容される光配線部品用筐体であって、
    底面を有する底部と、
    前記底面から突出して設けられ、前記底面を平面視したとき枠状をなしている壁部と、
    前記底部および前記壁部とは別体であって、前記底面または前記壁部の内壁面から突出し、互いに離間して設けられている第1突出部および第2突出部、ならびに、前記第1突出部と前記第2突出部とを連結する連結部を備える支持部材と、
    を備え
    記第1突出部は、前記第1突出部と前記第2突出部とを結ぶ敷設方向に延在し、前記第1光ファイバーが挿入される第1溝を有し、
    前記第2突出部は、前記敷設方向に延在し、前記第2光ファイバーおよび前記第3光ファイバーが挿入される第2溝を有し、
    前記底部または前記壁部は、前記底面または前記壁部の内壁面に開口し、前記連結部が挿入される凹部を有することを特徴とする光配線部品用筐体。
  2. 第1光ファイバー、第2光ファイバー、第3光ファイバー、ならびに、前記第1光ファイバーと前記第2光ファイバーおよび前記第3光ファイバーとを接続し、光を分配または混合する機能を有する光導波路、を備える光配線が収容される光配線部品用筐体であって、
    底面を有する底部と、
    前記底面から突出して設けられ、前記底面を平面視したとき枠状をなしている壁部と、
    前記底面または前記壁部の内壁面から突出し、互いに離間して設けられている第1突出部および第2突出部と、
    を備え
    記第1突出部は、前記第1突出部と前記第2突出部とを結ぶ敷設方向に延在し、前記第1光ファイバーが挿入される第1溝を有し、
    前記第2突出部は、前記敷設方向に延在し、前記第2光ファイバーおよび前記第3光ファイバーが挿入される第2溝を有し、
    前記第2溝の幅は、前記第1溝の幅より広いことを特徴とする光配線部品用筐体。
  3. 前記第1溝の延長線と重なる位置で前記壁部を貫通する窓部を有する請求項1または2に記載の光配線部品用筐体。
  4. 前記底面と交差する方向に延在する少なくとも2つのポール部を備える請求項1ないしのいずれか1項に記載の光配線部品用筐体。
  5. 前記ポール部同士の離間距離は、前記第1突出部の前記第2突出部とは反対側の面から、前記第2突出部の前記第1突出部とは反対側の面まで、の距離よりも長い請求項に記載の光配線部品用筐体。
  6. 前記第2溝の深さは、前記第1溝の深さより深い請求項に記載の光配線部品用筐体。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の光配線部品用筐体と、
    前記光配線部品用筐体に収容されている前記光配線と、
    を備えることを特徴とする光配線部品。
  8. 第1光ファイバー、第2光ファイバー、第3光ファイバー、ならびに、前記第1光ファイバーと前記第2光ファイバーおよび前記第3光ファイバーとを接続し、光を分配または混合する機能を有する光導波路、を備える光配線と、
    底面を有する底部、前記底面から突出して設けられ、前記底面を平面視したとき枠状をなしている壁部、ならびに、前記底面または前記壁部の内壁面から突出し、互いに離間して設けられている第1突出部および第2突出部、を備え、前記光配線を収容している光配線部品用筐体と、
    を備え、
    前記第1突出部は、前記第1突出部と前記第2突出部とを結ぶ敷設方向に延在し、前記第1光ファイバーが挿入されている第1溝を有し、
    前記第2突出部は、前記敷設方向に延在し、前記第2光ファイバーおよび前記第3光ファイバーが挿入されている第2溝を有し、
    前記光導波路は、前記底部、前記壁部ならびに前記第1突出部および前記第2突出部、から離れた状態で保持されていることを特徴とする光配線部品。
  9. 第1光ファイバー、第2光ファイバー、第3光ファイバー、ならびに、前記第1光ファイバーと前記第2光ファイバーおよび前記第3光ファイバーとを接続し、光を分配または混合する機能を有する光導波路、を備える光配線と、
    底面を有する底部、前記底面から突出して設けられ、前記底面を平面視したとき枠状をなしている壁部、前記底面と交差する方向に延在する2つのポール部、ならびに、前記底面または前記壁部の内壁面から突出し、互いに離間して設けられている第1突出部および第2突出部、を備え、前記光配線を収容している光配線部品用筐体と、
    を備え、
    前記第1突出部は、前記第1突出部と前記第2突出部とを結ぶ敷設方向に延在し、前記第1光ファイバーが挿入されている第1溝を有し、
    前記第2突出部は、前記敷設方向に延在し、前記第2光ファイバーおよび前記第3光ファイバーが挿入されている第2溝を有し、
    前記第1光ファイバーは、一方の前記ポール部の側面に沿って曲げられた状態で、一方の前記ポール部と前記壁部との隙間に挿通されて保持され、
    前記第2光ファイバーおよび前記第3光ファイバーは、他方の前記ポール部の側面に沿って曲げられた状態で、他方の前記ポール部と前記壁部との隙間に挿通されて保持されていることを特徴とする光配線部品。
  10. 請求項7ないし9のいずれか1項に記載の光配線部品を備えることを特徴とする電子機器。
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