以下、図面を参照して実施形態を説明する。図1は、実施形態に係る丁合機システムの一例の構成を示す図である。丁合機システムは、丁合機1a、1b、1cと、端末4a、4b、4cと、サーバ5とを有している。丁合機1と、端末4a、4b、4cとは互いに通信できるように接続されている。同様に、丁合機1と、サーバ5とは互いに通信できるように構成されている。端末4a、4b、4cと、サーバ5とも互いに通信できるように構成されている。
丁合機1a、1b、1cは、それぞれ、端末4a、4b、4c及びサーバ5と通信できるように構成されている。丁合機1aは、例えば、有線接続されたルータ2a及びネットワーク3を介して端末4a、4b、4c及びサーバ5と通信する。また、丁合機1bは、例えば、無線接続によりルータ2b及びネットワーク3を介して端末4a、4b、4c及びサーバ5と通信する。また、丁合機1cは、有線接続されたモデム2cを介してモデム2dと無線通信する。そして、モデム2dはネットワーク3を介して端末4a、4b、4c及びサーバ5と通信する。ここで、丁合機1bにおいて、ルータ2bがアクセスポイントの機能を備えていなければ、丁合機1bとルータ2bとは、アクセスポイントを介して通信するように構成されていてもよい。また、丁合機1aはルータ2aを内蔵していてもよく、丁合機1bはルータ2bを内蔵していてもよく、丁合機1cはモデム2cを内蔵していてもよい。以下、特に断りがない場合には、丁合機1a、1b、1cは、まとめて丁合機1と記される。
丁合機1は、折込広告及び折込広告のセットといった紙葉類を丁合するように構成されている。図2は、丁合機1の外観を示す概略斜視図である。以下の説明では、丁合機1における丁合束の排出方向が丁合機1の前方であるとする。図2に示すY方向は、丁合機1の前後方向に沿っている。Y方向の正方向は、前方向である。図2に示すX方向は、丁合機1を前方から見たときの左右方向となる方向である。X方向の正方向は、右方向である。図2に示すZ方向は、丁合機1を前方から見たときの上下方向となる方向である。Z方向の正方向は、上方向である。X方向、Y方向、Z方向は、図3においても同様に設定されているものとする。
丁合機1は、丁合機構10を有する。丁合機1は、新聞紙供給機構(インサータ)、中入れ及び搬送機構(コンベア)、昇降機構(リフター)といった各種機構と組み合わせて用いられてもよい。これらの機構と組み合わせて用いられることにより、丁合機1は、例えば丁合した折込広告を新聞紙供給機構から供給された新聞紙に挟んで搬送するという一連の動作をすることもできる。
丁合機構10は、複数の給紙棚を有している。丁合機構10は、入止設定等に従って給紙棚から給紙された紙葉類を重ね合わせて排出する機構である。以下、丁合機構10についてさらに説明する。図3は、丁合機構10を示す概略図である。
丁合機構10は、Z方向に長い略直方体形状の筐体11を有する。筐体11のY方向に沿った前面側(図示左側)及び背面側(図示右側)には、Z方向に並んだ複数段の給紙棚12が設けられている。以下、前面側の段の給紙棚12を前段の給紙棚12、背面側の給紙棚12を後段の給紙棚12と言う。それぞれの給紙棚12は、筐体11の内側下方に向けて傾斜するように取り付けられている。それぞれの給紙棚12には、複数枚の紙葉類が重ねて投入される。全ての給紙棚に異なる種類の紙葉類が投入されてもよいし、複数の給紙棚に同じ種類の紙葉類が投入されてもよい。ただし、本実施形態では、筐体11の前方側の最下段にある給紙棚12aは、折り紙を投入するための給紙棚である折段として割り当てられている。ここで、紙葉類が載せられる給紙棚には番号がつけられている。給紙棚の番号と投入される紙葉類の種類とは丁合機1の設定画面等において対応付けされてよい。
筐体11の中には、筐体11の中心を通ってZ方向に延びた搬送パス13が設けられている。搬送パス13は、前段の給紙棚12と後段の給紙棚12の間でXZ平面に沿って設けられている。つまり、それぞれの給紙棚12から所定のタイミングで取り出された紙葉類は搬送パス13へ送り込まれて互いに重ねられる。そして、重なった状態の複数枚の紙葉類は搬送パス13を介して下方へ搬送される。搬送パス13には、複数組の搬送ローラ対14が設けられている。搬送ローラ対14は、重なった状態の複数枚の紙葉類を挟持しつつ搬送する。
それぞれの給紙棚12の傾斜方向の下端側、すなわち搬送パス13に近い中心寄りの端部には、それぞれ、第1給紙ローラ15及び第2給紙ローラ16が設けられている。第1給紙ローラ15は、給紙棚12から搬送された複数枚の紙葉類のうちの最上端の紙葉類に接触するように配置されている。第2給紙ローラ16は、第1給紙ローラ15よりも紙葉類の給紙方向の下流側に設けられている。さらに、第2給紙ローラ16よりも紙葉類の取り出し方向の下流側には、送りローラ対18が設けられている。
第1給紙ローラ15は、給紙棚12の上に投入された複数枚の紙葉類のうちの最上端の紙葉類に接触して回転し、最上端の紙葉類を送りローラ対18まで送り込む。第2給紙ローラ16は、捌き板17に2枚目以降の紙葉類の先端を押し付けることで2枚目以降の紙葉類が送りローラ対まで送り込まれることを防止する。つまり、給紙棚12から給紙された紙葉類は、1枚ずつ、送りローラ対18に送り込まれる。送りローラ対18は、搬送パス13へ紙葉類を送り込む。
搬送パス13の下端には、折りローラ対19が配置されている。折りローラ対19は、そのニップが搬送パス13の延長線上に位置する姿勢で設けられている。この構成により、搬送パス13を介して下方へ搬送された複数枚の紙葉類は、折りローラ対19のニップへ送り込まれる。
折り紙を給紙するための給紙棚12aの給紙方向の下流側(図示右側)には、送りローラ対18aが設けられている。送りローラ対18aは、給紙棚12aから投入された折り紙を折りローラ対19の上方へ送り込む。また、給紙棚12aの給紙方向の先端には、係止部20が設けられている。係止部20は、折り紙の給紙方向の中央位置が折りローラ対19のニップに対向する位置で折り紙を停止させる。折りローラ対19の斜め上方には、折込ナイフ21が配置されている。折込ナイフ21は、折りローラ対19のニップに向けて折り紙の中央部を押し込む。
このような構成により、それぞれの給紙棚12から投入された紙葉類は、搬送パス13で重ねられて折りローラ対19のニップへ送り込まれる。この時点で予め給紙された折り紙の中央は、折込ナイフ21によって折り込まれている。そして、重なった状態で搬送パス13を介して搬送された複数枚の紙葉類は、折り紙の中央に押し込まれ、折りローラ対19の回転によって折り紙の間に挟み込まれる。折りローラ対19を通過して2つ折りにされた紙葉類の束、すなわち折り紙の間に複数枚の紙葉類を挟んで構成される丁合束は、搬送ベルト22へ受け渡されて排出ローラ対23を介して筐体11の前面側に設けられた排出口24から排出される。このようにして丁合束が生成される。
さらに、丁合機構10の筐体11には、インタフェース装置としての操作パネル11aが設けられている。操作パネル11aは、例えば表示素子を備えたタッチパネルである。ユーザは、操作パネル11aを操作して丁合機1に関する設定を行う。
ここで、図1の説明に戻る。端末4a、4b、4cは、例えば丁合機1を遠隔から操作するユーザの端末である。端末4a、4b、4cは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末といった各種の端末であってよい。ここで、図1では、3台の端末が示されているが、端末の数は3台に限定されるものではない。端末の数は、1台又は2台であってもよいし、4台以上であってもよい。
サーバ5は、例えば丁合機1の保守サービスを提供する業者、例えば丁合機1の製造業者の所在地に置かれているサーバである。サーバ5は、例えばプロセッサと、ストレージと、操作インタフェースと、表示器とを備えたコンピュータである。丁合機1から送られる各種の情報は、サーバ5のストレージに記憶される。保守の担当者は、サーバ5にアクセスしてストレージに記憶されている情報を閲覧することができる。ここで、サーバ5は、クラウドサーバであってもよい。
図4は、丁合機1の構成を示すブロック図である。図4の丁合機1は、主制御回路101と、副制御回路102、103、104、105と、表示器106と、操作スイッチ類107と、通信モジュール108とを有している。また、図4の丁合機1では、丁合機構10に加えて、新聞紙供給機構30と、中入れ及び搬送機構40と、昇降機構50とが組み合わせて用いられる例が示されている。新聞紙供給機構30は、積み重ねられた状態で投入された複数部の新聞紙を1部ずつ中入れ及び搬送機構40に投入する機構である。中入れ及び搬送機構40は、新聞紙供給機構30から投入された新聞紙に丁合機構10で丁合された丁合束を折り込み、丁合束が折り込まれた新聞紙を昇降機構50に搬送する機構である。昇降機構50は、丁合束が折り込まれた新聞紙を昇降させる機構である。新聞紙供給機構30、中入れ及び搬送機構40、昇降機構50以外の機構等が丁合機1と組み合わせて用いられてもよい。
主制御回路101は、副制御回路102、103、104、105の制御を含む丁合機1の全体の動作を制御する回路である。主制御回路101は、例えばプロセッサ及びメモリにより構成される。主制御回路101のプロセッサは、メモリに記憶されている制御アプリケーションプログラムに従って丁合機1の動作を制御する。プロセッサは、例えばCPUであるが、必ずしもCPUとして構成される必要はない。また、主制御回路101は、ASIC等のハードウェアロジック回路として構成されていてもよい。また、プロセッサは、必ずしも単一のプロセッサで構成されている必要はなく、複数のプロセッサで構成されていてもよい。
副制御回路102は、丁合機構10に接続される。副制御回路102は、主制御回路101の下で丁合機構10の動作を制御する専用回路である。副制御回路102は、主制御回路101とは別にプロセッサ及びメモリを有していてもよいし、有していなくてもよい。
副制御回路103は、新聞紙供給機構30に接続される。副制御回路103は、主制御回路101の下で新聞紙供給機構30の動作を制御する専用回路である。副制御回路103は、主制御回路101とは別にプロセッサ及びメモリを有していてもよいし、有していなくてもよい。
副制御回路104は、中入れ及び搬送機構40に接続される。副制御回路104は、主制御回路101の下で中入れ及び搬送機構40の動作を制御する専用回路である。副制御回路104は、主制御回路101とは別にプロセッサ及びメモリを有していてもよいし、有していなくてもよい。
副制御回路105は、昇降機構50に接続される。副制御回路105は、主制御回路101の下で昇降機構50の動作を制御する専用回路である。副制御回路105は、主制御回路101とは別にプロセッサ及びメモリを有していてもよいし、有していなくてもよい。
ここで、丁合機1は、副制御回路102、103、104、105以外の副制御回路を有していてもよい。
表示器106は、LED及び操作パネル11aの液晶ディスプレイ等の、丁合機1の各種の状態を表示するための表示器である。例えば、表示器106は、丁合機1の電源がオンであることを示す表示をするための表示器を有する。また、表示器106は、各種の丁合回数を表示するためのカウンタを表示するための表示器を有する。丁合回数は、丁合動作の際の丁合された紙葉類の総数、残りの紙葉類の数といった情報を含む。また、表示器106は、各種の設定画面を表示するための表示器を有する。各種の設定は、段毎の紙葉類の設定、地域及び区域の設定等を含む。また、表示器106は、各種のエラーを報知するための表示器を有する。
操作スイッチ類107は、丁合機1に設けられる各種のスイッチ及び前述した操作パネル11aを含む。例えば、操作スイッチ類107のスイッチは、丁合機1の電源スイッチを含む。また、例えば、操作スイッチ類107は、各種のモードスイッチを含む。モードスイッチは、丁合機1のモードを特定のモードにするためのスイッチである。特定のモードは、例えば紙葉類の丁合のみをするモード、丁合された丁合束を新聞紙に折り込むモードといったモードを含む。操作スイッチ類107は、これらのスイッチ以外のスイッチを含んでもよい。また、操作スイッチ類107の各種のスイッチと同様の操作は、操作パネル11a上でも行われ得る。
通信モジュール108は、端末4a、4b、4c及びサーバ5との通信のための処理回路を含むモジュールである。通信モジュール108は、例えば無線LAN通信に必要な無線通信モジュールを備えている。
以下、丁合機1の動作を説明する。図5は、丁合機1のメインの動作を示すフローチャートである。図5の処理は、主制御回路101によって制御される。
ステップS1において、主制御回路101は、丁合機1の電源をオンするか否かを判定する。例えば、電源スイッチがオンされたとき、丁合機1の電源をオンすると判定される。また、主制御回路101は、通信モジュール108を介して外部からのコマンドの受信の有無を監視し、コマンドの受信が確認されたときに丁合機1の電源をオンすると判定してもよい。ステップS1において、丁合機1の電源をオンすると判定されるまで、主制御回路101は、処理を待機する。ステップS1において、丁合機1の電源をオンすると判定されたとき、処理はステップS2に移行する。
ステップS2において、主制御回路101は、丁合機1の制御アプリケーションプログラムを起動し、例えば操作パネル11aに起動画面を表示させる。起動画面の表示中、主制御回路101は、丁合機1の起動に必要な各種の処理を行う。
ステップS3において、主制御回路101は、通信モジュール108により、丁合機1の稼働情報を例えばサーバ5に送信する。起動処理の間は、丁合機1は丁合動作等をすることができない。また、起動処理の間は、丁合機1の電源が確実にオンしている。したがって、起動処理の間は、丁合機1の情報を送信するのに好適な期間である。ここで、丁合機1の稼働情報は、使用状態の情報と、動作設定の情報とを含む。使用状態の情報は、例えば総回転数、各段回転数、稼働時間といった丁合機1の状態を示す情報である。総回転数は、丁合機1の各ローラの回転数の総計である。各段回転数は、それぞれの給紙棚についてのローラの回転数の累計である。稼働時間は、丁合機1の初回の電源オンからの稼働時間である。動作設定の情報は、段毎の紙葉類の設定、地域及び区域の設定、動作モードの設定等の丁合機1の各種の設定の情報である。これらのサーバ5に送信される稼働情報は、一例であって適宜に設定されてよい。例えば、主制御回路101は、丁合機1の稼働情報として、使用状態の情報と、動作設定の情報との何れかだけをサーバ5に送信してもよい。サーバ5に蓄積された稼働情報は、例えばメンテナンス時期の判断に利用される。例えば、総回転数、各段回転数、稼働時間の何れかが閾値を超えたときには、メンテナンス時期が到来したと判断され得る。なお、主制御回路101は、サーバ5ではなく、端末4a、4b、4cに稼働情報を送信してもよい。この場合において、主制御回路101は、端末4a、4b、4cのすべてに稼働情報を送信してもよいし、予め定められた特定の端末だけに稼働情報を送信してもよい。
起動処理の完了後のステップS4において、主制御回路101は、例えば操作パネル11aにメイン画面を表示する。メイン画面では、ユーザは、丁合機1の丁合動作を開始させたり、丁合動作中の各種の状態を確認したりすることができる。また、メイン画面から、ユーザは、種々の設定画面を表示させることができる。
ステップS5において、主制御回路101は、丁合系動作処理を行う。丁合系動作処理は、丁合動作の実行及び丁合動作に関わる設定を含む丁合動作関連の処理である。丁合系動作処理については後で詳しく説明する。丁合系動作処理の完了後、処理はステップS6に移行する。
ステップS6において、主制御回路101は、丁合機1の電源をオフするか否かを判定する。例えば、電源スイッチがオフされたとき又は電源のオフのコマンドが受信されたとき、丁合機1の電源をオフすると判定される。ステップS6において、丁合機1の電源をオフしないと判定されたとき、処理はステップS5に戻る。ステップS6において、丁合機1の電源をオフすると判定されたとき、処理はステップS7に移行する。
ステップS7において、主制御回路101は、通信モジュール108により、丁合機1の電源オフ情報を例えばサーバ5に送信する。ここで、丁合機1の電源オフ情報は、稼働情報と同様に、使用状態の情報と、動作設定の情報とを含む。使用状態の情報は、例えば総回転数、各段回転数、稼働時間といった丁合機1の状態を示す情報である。動作設定の情報は、段毎の紙葉類の設定、地域及び区域の設定、動作モードの設定等の丁合機1の各種の設定の情報である。なお、主制御回路101は、サーバ5ではなく、端末4a、4b、4cに電源オフ情報を送信してもよい。この場合において、主制御回路101は、端末4a、4b、4cのすべてに電源オフ情報を送信してもよいし、予め定められた特定の端末だけに電源オフ情報を送信してもよい。電源オフ情報の送信後、主制御回路101は、丁合機1の電源をオフにし、図5の処理を終了させる。
次に、丁合系動作処理を説明する。図6は、丁合系動作処理について示すフローチャートである。ステップS101は、主制御回路101は、通信モジュール108を介してコマンドが受信されたか否かを判定する。端末4a、4b、4cのユーザ又はサーバ5の管理者は、遠隔から丁合機1を操作し得る。例えば、端末4a、4b、4c及びサーバ5には丁合機1の操作のためのアプリケーションプログラムがインストールされており、端末4a、4b、4cのユーザ又はサーバ5の管理者は、このアプリケーションプログラムの画面上で、丁合動作の指示の操作及び丁合動作に関わる各種の設定の指示の操作をすることができる。アプリケーションプログラムの画面においてこれらの指示がされた場合、端末4a、4b、4c又はサーバ5から丁合機1に対してコマンドが送信される。このコマンドは、操作対象の丁合機1を特定するための宛先の情報、送信元の端末又はサーバを特定するための情報及び実際のコマンドの内容の情報を含む。主制御回路101は、コマンドを受信した場合にコマンドが自身を宛先としたものであることを確認し、コマンドが自身を宛先としたものであるときにはコマンドが受信されたと判定する。ステップS101において、コマンドが受信されたと判定されたときには、処理はステップS102に移行する。ステップS101において、コマンドが受信されていないと判定されたときには、処理はステップS103に移行する。
ステップS102において、主制御回路101は、コマンド処理を行う。コマンド処理は、コマンドに応じた動作を実行する処理である。コマンド処理については後で説明する。コマンド処理の完了後、処理はステップS103に移行する。
ステップS103において、主制御回路101は、操作パネル11aの操作等によって設定変更が指示されたか否かを判定する。ステップS103において、設定変更が指示されたと判定されたときには、処理はステップS104に移行する。ステップS103において、設定変更が指示されていないと判定されたときには、処理はステップS105に移行する。
ステップS104において、主制御回路101は、指示に従って設定変更をする。例えば、主制御回路101は、指示に従って、段毎の紙葉類の設定、地域及び区域の設定、動作モードの設定等をする。また、主制御回路101は、必要に応じて、副制御回路102、103、104、105の設定もする。また、設定変更に際して、主制御回路101は、必要に応じて例えば操作パネル11aに表示される設定画面を遷移させることも行う。設定変更の後、処理はステップS105に移行する。
ステップS105において、主制御回路101は、操作パネル11aの操作等によって丁合動作の開始が指示されたか否かを判定する。ステップS105において、丁合動作の開始が指示されたと判定されたときには、処理はステップS106に移行する。ステップS105において、丁合動作の開始が指示されていないと判定されたときには、図6の処理は終了する。この場合、主制御回路101は、処理を図5のステップS6に移行させる。
ステップS106において、主制御回路101は、現在の設定に従って丁合動作を実行する。例えば、丁合機1の設定が丁合のみをする設定であるときには、主制御回路101は、副制御回路102を制御して丁合機構10による丁合動作を実行させる。一方、丁合機1の設定が丁合及び中入れをする設定であるときには、主制御回路101は、副制御回路102、103、104を制御して丁合機構10と新聞紙供給機構30と中入れ及び搬送機構40を連動させつつ、丁合動作を実行させる。
ステップS107において、主制御回路101は、丁合動作中にエラーが発生したか否かを判定する。エラーは、丁合機構10における紙詰まり、紙抜け、重送、新聞紙供給機構30における紙詰まり、中入れ及び搬送機構40における新聞紙の開き不良といったものを含む。それぞれのエラーは、予めエラー毎に固有のエラーコードと対応付けられていてよい。なお、エラーの検知方法は、特には限定されない。ステップS107において、エラーが発生していないと判定されたときには、処理はステップS108に移行する。ステップS107において、エラーが発生したと判定されたときには、処理はステップS111に移行する。
ステップS108において、主制御回路101は、丁合動作が完了したか否かを判定する。例えば、指定の数の丁合束の丁合が完了した場合又は指定の数の丁合束の新聞紙への折り込みが完了した場合に丁合動作が完了したと判定される。ステップS108において、丁合動作が完了していないと判定されたときには、処理はステップS106に戻る。ステップS108において、丁合動作が完了したと判定されたときには、処理はステップS109に移行する。
ステップS109において、主制御回路101は、例えば操作パネル11aに丁合動作が完了した旨の報知を表示する。
ステップS110において、主制御回路101は、通信モジュール108により、丁合動作が完了した旨の情報を例えばサーバ5に送信する。その後、図6の処理は終了する。この場合、主制御回路101は、処理を図5のステップS6に移行させる。ここで、丁合動作が完了した旨の完了情報は、各段回転数の情報を含む。完了情報は、総回転数の情報、稼働時間の情報、動作設定の情報を含んでいてもよい。なお、主制御回路101は、サーバ5ではなく、端末4a、4b、4cに情報を送信してもよい。この場合において、主制御回路101は、端末4a、4b、4cのすべてに情報を送信してもよいし、予め定められた特定の端末だけに情報を送信してもよい。また、主制御回路101は、エラー情報の送信に加えて、例えば操作パネル11aにエラーに応じたエラーコードを表示させてもよい。
ステップS111において、主制御回路101は、通信モジュール108により、エラーの情報を、丁合機1の情報とともにサーバ5に送信する。その後、主制御回路101は、丁合機1の電源をオフにし、図6の処理を終了させる。この場合、図5の処理も終了する。エラーの情報は、エラーコードを含む。また、丁合機1の情報は、ステップS3と同様に、各段回転数の情報等の使用状態の情報と、動作設定の情報とを含む。使用状態の情報と動作設定の情報により、エラーコードだけでは分からないエラーの詳細が特定できることがある。したがって、これらの情報をサーバ5に送信することは有益である。ここで、図6の例では、エラーが発生した場合に電源がオフされる。これに対し、例えば軽度のエラーのときには、電源がオフされなくてもよい。この場合、エラーが解消されたときには、丁合動作が再開されてもよい。なお、主制御回路101は、サーバ5ではなく、端末4a、4b、4cにエラーの情報を送信してもよい。この場合において、主制御回路101は、端末4a、4b、4cのすべてに情報を送信してもよいし、予め定められた特定の端末だけに情報を送信してもよい。
次に、コマンド処理を説明する。図7は、コマンド処理について示すフローチャートである。ステップS201は、主制御回路101は、受信されたコマンドの内容を解析する。
ステップS202において、主制御回路101は、受信されたコマンドの内容が情報の送信であるか否かを判定する。ステップS202において、受信されたコマンドの内容が情報の送信であると判定されたときには、処理はステップS203に移行する。ステップS203において、受信されたコマンドの内容が情報の送信でないと判定されたときには、処理はステップS204に移行する。
ステップS203において、主制御回路101は、通信モジュール108により、コマンドによって指定された情報を、コマンドの送信元に送信する。例えば、コマンドによって指定された情報が丁合機構10に関わる情報であるときには、主制御回路101は、丁合機構10の各種センサの情報を送信する。同様に、コマンドによって指定された情報が新聞紙供給機構30に関わる情報であるときには、主制御回路101は、新聞紙供給機構30の各種センサの情報を副制御回路102から受け取り、受け取ったセンサの情報を送信する。その後、処理はステップS204に移行する。
ステップS204において、主制御回路101は、受信されたコマンドの内容が設定変更であるか否かを判定する。ステップS204において、受信されたコマンドの内容が設定変更であると判定されたときには、処理はステップS205に移行する。ステップS204において、受信されたコマンドの内容が設定変更でないと判定されたときには、処理はステップS206に移行する。
ステップS205において、主制御回路101は、コマンドの内容に従って設定変更をする。例えば、主制御回路101は、コマンドの内容に従って、段毎の紙葉類の設定、地域及び区域の設定、動作モードの設定等をする。また、主制御回路101は、必要に応じて、副制御回路102、103、104、105の設定もする。設定変更の後、主制御回路101は、通信モジュール108により、設定変更が完了した旨の通知を、コマンドの送信元に送信する。その後、処理はステップS206に移行する。
ステップS206において、主制御回路101は、受信されたコマンドの内容が丁合動作の開始であるか否かを判定する。ステップS206において、受信されたコマンドの内容が丁合動作の開始であると判定されたときには、処理はステップS207に移行する。ステップS206において、受信されたコマンドの内容が丁合動作の開始でないと判定されたときには、図7の処理は終了する。この場合、主制御回路101は、処理を図6のステップS103に移行させる。
ステップS207において、主制御回路101は、コマンドによって指定された設定に従って丁合動作を実行する。例えば、丁合のみをするようにコマンドで指定されたときには、主制御回路101は、副制御回路102を制御して丁合機構10による丁合動作を実行させる。一方、丁合及び中入れをするようにコマンドで指定されたときには、主制御回路101は、副制御回路102、103、104を制御して丁合機構10と新聞紙供給機構30と中入れ及び搬送機構40とを連動させつつ、丁合動作を実行させる。
ステップS208において、主制御回路101は、丁合動作中にエラーが発生したか否かを判定する。ステップS208において、エラーが発生していないと判定されたときには、処理はステップS209に移行する。ステップS208において、エラーが発生したと判定されたときには、処理はステップS211に移行する。
ステップS209において、主制御回路101は、丁合動作が完了したか否かを判定する。ステップS209において、丁合動作が完了していないと判定されたときには、処理はステップS207に戻る。ステップS209において、丁合動作が完了したと判定されたときには、処理はステップS210に移行する。
ステップS210において、主制御回路101は、通信モジュール108により、丁合動作が完了した旨の完了情報をコマンドの送信元に送信する。図7の処理は終了する。この場合、主制御回路101は、処理を図6のステップS103に移行させる。完了情報は、各段回転数の情報を含む。完了情報は、総回転数の情報、稼働時間の情報、動作設定の情報を含んでいてもよい。また、コマンド処理では、丁合機1における丁合動作の完了の報知が省略されているが、コマンド処理においても丁合動作の完了の報知がされてもよい。
ステップS211において、主制御回路101は、通信モジュール108により、エラーの情報を、丁合機1の情報とともにコマンドの送信元に送信する。その後、主制御回路101は、丁合機1の電源をオフにし、図7の処理を終了させる。この場合、図5、図6の処理も終了する。エラーの情報は、エラーコードを含む。また、丁合機1の情報は、ステップS3と同様に、各段回転数の情報等の使用状態の情報と、動作設定の情報とを含む。ここで、図7の例では、エラーが発生した場合に電源がオフされる。これに対し、例えば軽度のエラーのときには、電源がオフされなくてもよい。この場合、エラーが解消されたときには、丁合動作が再開されてもよい。
図8A及び図8Bは、サーバ5の動作を示すフローチャートである。ステップS301において、サーバ5は、丁合機1から稼働情報又は電源オフ情報を受信したか否かを判定する。ステップS301において、稼働情報又は電源オフ情報を受信したと判定されたときには、処理はステップS302に移行する。ステップS301において、稼働情報又は電源オフ情報を受信していないと判定されたときには、処理はステップS305に移行する。
ステップS302において、サーバ5は、受信した稼働情報又は電源オフ情報をストレージに記憶させる。なお、サーバ5は、稼働情報又は電源オフ情報を表示器に表示してもよい。
ステップS303において、サーバ5は、総回転数、各段回転数、稼働時間の何れかが閾値を超えたか否かを判定する。ステップS303において、総回転数、各段回転数、稼働時間の何れかが閾値を超えたと判定されたときには、処理はステップS304に移行する。ステップS303において、総回転数、各段回転数、稼働時間の何れもが閾値を超えていないと判定されたときには、処理はステップS305に移行する。
ステップS304において、サーバ5は、端末4a、4b、4cの少なくとも何れかに対して丁合機1のメンテナンス時期が到来したことを示すアラートを配信する。アラートの配信先は、例えば、端末4a、4b、4cのうち、丁合機1の保守の担当者が所有する端末であってよい。アラートの配信後、処理はステップS305に移行する。
ステップS305において、サーバ5は、丁合機1から完了情報を受信したか否かを判定する。ステップS305において、完了情報を受信したと判定されたときには、処理はステップS306に移行する。ステップS305において、完了情報を受信していないと判定されたときには、処理はステップS309に移行する。
ステップS306において、サーバ5は、受信した完了情報をストレージに記憶させる。なお、サーバ5は、完了情報を表示器に表示してもよい。
ステップS307において、サーバ5は、完了情報に含まれる各段回転数が閾値を超えたか否かを判定する。ステップS307において、各段回転数が閾値を超えたと判定されたときには、処理はステップS308に移行する。ステップS307において、各段回転数が閾値を超えていないと判定されたときには、処理はステップS309に移行する。
ステップS308において、サーバ5は、端末4a、4b、4cの少なくとも何れかに対して丁合機1のメンテナンス時期が到来したことを示すアラートを配信する。アラートの配信先は、例えば、端末4a、4b、4cのうち、丁合機1の保守の担当者が所有する端末であってよい。アラートの配信後、処理はステップS309に移行する。
ステップS309において、サーバ5は、丁合機1からエラー情報を受信したか否かを判定する。ステップS309において、エラー情報を受信したと判定されたときには、処理はステップS310に移行する。ステップS309において、エラー情報を受信していないと判定されたときには、図8A及び図8Bの処理は終了する。
ステップS310において、サーバ5は、受信したエラー情報をストレージに記憶させる。なお、サーバ5は、エラー情報を表示器に表示してもよい。
ステップS311において、サーバ5は、エラー情報によって示されるエラーが予め定められた特定のエラーであるか又は同じエラーが所定回数以上続いているか否かを判定する。ステップS311において、エラー情報によって示されるエラーが予め定められた特定のエラーであると判定されたとき又は同じエラーが所定回数以上続いていると判定されたときには、処理はステップS312に移行する。ステップS311において、エラー情報によって示されるエラーが予め定められた特定のエラーでないと判定され、同じエラーが所定回数以上続いていないと判定されたときには、処理はステップS313に移行する。
ステップS312において、サーバ5は、端末4a、4b、4cの少なくとも何れかに対して丁合機1において特定のエラーが発生したこと又は同じエラーが頻発していることを示すアラートを配信する。アラートの配信先は、例えば、端末4a、4b、4cのうち、丁合機1の保守の担当者のうちのエラー毎の担当者が所有する端末であってよい。アラートの配信後、処理はステップS313に移行する。
ステップS313において、サーバ5は、エラー情報に含まれる各段回転数が閾値を超えたか否かを判定する。ステップS313において、各段回転数が閾値を超えたと判定されたときには、処理はステップS314に移行する。ステップS313において、各段回転数が閾値を超えていないと判定されたときには、図8A及び図8Bの処理は終了する。
ステップS314において、サーバ5は、端末4a、4b、4cの少なくとも何れかに対して丁合機1のメンテナンス時期が到来したことを示すアラートを配信する。アラートの配信先は、例えば、端末4a、4b、4cのうち、丁合機1の保守の担当者が所有する端末であってよい。アラートの配信後、図8A及び図8Bの処理は終了する。
ここで、図8A及び図8Bで示したサーバ5の動作は、端末4a、4b、4cにおける丁合機1の操作のためのアプリケーションプログラムに従って実行される動作に置き換えられてもよい。
以上説明したように本実施形態によれば、丁合機1に通信モジュール108が設けられていることにより、丁合機1で取得される種々の情報を端末4a、4b、4c及びサーバ5に送信することができる。これにより、例えば丁合機1の製造業者は、丁合機1で取得される種々の情報を容易に利用できる。例えば、エラーの発生時にエラーの情報が送信されることにより、保守の担当者は、丁合機1のユーザからの連絡を受けることなく、丁合機1にエラーが発生したことを知ることができる。
また、エラーには、種々の要因がある。したがって、エラーコードを見ただけでは、実際にどのような原因でそのエラーが発生しているのかが分からないこともある。このような複雑なエラーは、ユーザからの説明を見ただけでは分からないことも多い。本実施形態では、エラーとともに使用状態の情報と動作設定の情報が送られるので、保守の担当者は、エラーの原因を特定し易い。これにより、保守の担当者は、必要な対策を実際にユーザの場所に行く前に講じることができる。
また、本実施形態では、エラーが発生していないときにも、使用状態の情報と動作設定の情報が送られる。これにより、丁合機1の使用状態や動作設定等の分析を行うことができる。この分析結果は、次世代の丁合機の開発等に利用され得る。さらに、本実施形態では、エラーが発生していないときの情報の送信は、丁合機1の起動のための起動処理中に行われる。丁合機1の起動処理は必要であるが、この間、丁合動作等を行うことができずに主制御回路101は待機をしたままになる。また、起動処理中は丁合機1の電源がオンされている可能性が高い。本実施形態では、このような空き時間を利用して情報の送信が行われるので、確実に情報の送信が行われ得る。
また、本実施形態では、端末4a、4b、4c及びサーバ5からネットワークを介したコマンドの送信によって丁合機1が動作し得る。これにより、例えば、複数のユーザによって1台の丁合機1が共用され得る。また、本実施形態では、コマンドの内容は丁合機1の動作を指示するものであり、このコマンドの内容が解析されることによって必要に応じて主制御回路から副制御回路への指示等が行われる。このため、コマンドに含まれるデータとして簡素なものが用いられ得る。
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。