JP7489282B2 - 複合断熱材 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮応力が繰り返し加わっても応力弛緩による圧縮復元性の低下がほとんどなく、且つ耐熱性及び断熱性に優れた複合断熱材及びその製造方法に関する。
高温の流体や材料を取り扱う各種の産業設備においては、断熱や保温の目的で様々な材質の断熱材が用いられている。例えば、ガラス繊維、シリカ・アルミナ繊維、アルカリアースシリケート繊維等の無機繊維質断熱材、若しくはそれらの少なくとも1種の主材料に無機や有機のバインダーが添加された断熱材、ウレタンフォーム等の難燃性の有機材料を用いた有機質断熱材、シリカ微粒子等を主材とした低熱伝導性断熱材が知られている。
上記の断熱材には、用途によっては、断熱性に加えて1000℃を超える耐熱性や、圧縮応力が繰り返し加わる条件下における優れた圧縮復元性が求められることがある。例えば鋳造に際して金属の溶湯を出し入れする溶湯容器の断熱材、高炉から出銑された溶銑を運搬する台車である混銑車等の断熱材、高温流体と低温流体とが交互に流れることで加熱冷却が繰り返される配管のつなぎ部分に使用するパッキン材等では、高温の流体によって耐火材や金属等の熱面側材料が熱膨張し、その結果、断熱材が圧縮応力を受ける。
上記の圧縮応力を受けた断熱材が弾性限界を超えて塑性変形すると、その後の冷却により圧縮応力が解放されても変形が残るため、塑性変形した分の空間が熱面側材料との間に生じてしまう。そうなると熱面側材料の構造的な強度低下や断熱性低下が生じる。そこで圧縮応力がかかっても容易に変形しないように断熱材を高強度にすることが考えられるが、この場合は熱面側材料の熱膨張を緩衝することができなくなるので、断熱材自体が損傷する要因になっていた。このように、断熱材には、施工される熱面側材料が加熱により熱膨張したときはその緩衝のため収縮変形し、その後の冷却により該熱面側材料が熱収縮して圧力が解放された時は元の大きさに戻る圧縮復元性が求められていた。
特許文献1には、焼却炉等の内張り用の耐火材に用いる断熱材として、シリカ微粒子を主材とした複数のシート状の断熱材をプレキャスト耐火物に埋設させる技術が開示されている。この耐火材は複数のシート状の断熱材が離間して配されているので、圧力が加わっても隣接する断熱材同士の間に存在する耐火物が支柱となり、該シリカ微粒子を主材とする断熱材の圧潰を防止できると記載されている。
また、特許文献2には、シリカやアルミナ等の微粒子からなる母材と、この母材の支柱の役目を担う強化材とからなる一体構造の複合断熱材が開示されている。この複合断熱材は、断熱効果の高いアルミナ微粒子によって母材を形成することで800℃において熱伝効率を0.10W/(m・k)以下にできるうえ、母材よりも強度特性に優れた断熱材を強化材に用いるので圧縮強さにも優れていると記載されている。
また、特許文献3には、アルミナ、シリカ、及びカルシアが所定の範囲内の組成となるように配合された無機繊維の成形体からなる断熱材が開示されている。この断熱材は、耐熱性等のほか、優れた圧縮復元性を有しているため、例えば自動車の触媒コンバーターにおいて触媒担体の保持材に好適に利用できると記載されている。
特開2008-190728号公報 特開2016-148466号公報 特許第5272103号公報
しかしながら、上記の特許文献1や2の断熱材は圧縮復元性については特に言及されていない。また、特許文献1の断熱材は、プレキャスト耐火物の上記の支柱部分の熱伝導率が大きくなるので、所望の断熱効果が得られないことがあった。また、断熱材の主材にシリカ微粒子を用いるため、耐熱温度は1000℃程度までであった。一方、特許文献3の技術では、圧縮応力が繰り返されると、時間の経過とともに応力がしだいに減少する現象である応力弛緩(応力緩和とも称する)が生じて、圧縮変形が大きくなることがあった。本発明は、上記した従来の断熱材が抱える問題点に鑑みてなされたものであり、圧縮応力が繰り返し加わっても、応力弛緩による圧縮復元率の低下が従来のものと比較して小さい複合断熱材及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る複合断熱材は、無機繊維の集合体からなる母材と、前記母材の厚み方向の変形を抑えるように支持する無機材料からなる支持材とが一体構造になった複合断熱材であって、前記複合断熱材をその厚み方向に見たとき、全体の5~60%の面積を前記支持材が占めており、前記支持材は1MPaの圧力を加えた時の圧縮率が5%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、高い耐熱性及び断熱性に加えて、優れた形状安定性を有する断熱材を提供することができる。
本発明の実施形態に係る複合断熱材の一具体例を示す模式的な斜視図である。 本発明の実施形態に係る複合断熱材の他の具体例を示す模式的な斜視図である。 本発明の実施形態に係る複合断熱材の更に他の具体例を示す模式的な斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係る複合断熱材について説明する。この本発明の実施形態の複合断熱材は、無機繊維の集合体からなる母材と、該母材の厚さ方向の変形を抑えるように該母材を支持する支持材とが一体構造になった複合断熱材である。ここで一体構造とは、母材と支持材とが簡単に分離しない程度に固着した状態にあることをいう。上記した本発明の実施形態の複合断熱材は、圧縮応力が繰り返し加わっても応力弛緩による圧縮復元率の低下が生じにくく、具体的には、複合断熱材に対して1MPaの圧力がかかる状態(負荷状態)と圧力がかからない状態(解放状態)とからなるサイクルを100サイクル繰り返した後に圧縮復元率80%以上を確保することが可能になる。
本発明の実施形態の複合断熱材は、使用温度域の異なる様々な用途に用いることができる。例えば、高温ガスと冷却ガスとが交互に内部を流れることで加熱と冷却が繰り返される配管のつなぎ部分に使用するパッキン材の用途では、最高使用温度は600℃程度であるが、金属の溶湯を出し入れする溶湯容器や混銑車等の断熱材の用途では、最高使用温度は1400℃程度になる。よって、本発明の実施形態の複合断熱材は、1400℃の耐熱性を有しているのが好ましい。なお、1400℃の耐熱性を有しているとは、欧州規格のEN-1091に準拠して雰囲気温度1400℃で24時間加熱したときの加熱線収縮率が3%を超えない場合と定義する。また、本発明の実施形態の複合断熱材は、600℃での熱伝導率が0.25W/(m・K)以下の断熱性を有していることが好ましい。
本発明の実施形態の複合断熱材の一方の構成要素である母材は、無機繊維の集合体からなる断熱材である。この無機繊維は、アルミナ・シリケート繊維、アルミナ繊維、ムライト繊維、アルカリアースシリケート繊維、ガラス繊維、及びシリカ繊維等のうちの1種以上であるのが好ましい。これら繊維は、それぞれ最高使用温度や圧縮復元性が異なるため、用途等に応じて適宜いずれか1種類のみを選択するか、あるいは複数種類を選択する。
上記の無機繊維の平均繊維径は1~10μmが好ましく、3~6μmがより好ましい。この平均繊維径が1μm未満では、無機繊維自体の機械的強度が小さくなりすぎる。更に、人体の健康への影響を考慮すると、平均繊維径は3μm以上が好ましい。一方、この平均繊維径が10μmより大きいと、無機繊維自体の伝導伝熱が増加して結果的に複合断熱材の断熱性の低下を招くおそれがある。なお、平均繊維径が6μm以下であれば、上記の伝導伝熱増加の問題がほとんど生じなくなるのでより好ましい。ここで、平均繊維径とは、測定対象となる繊維群を電子顕微鏡で撮像し、得られた画像上の任意の200本の繊維に対して、それらの任意の部分の幅を計測して算術平均したものである。
上記の無機繊維の平均繊維長は0.1~50mmが好ましく、0.5~10mmがより好ましい。この平均繊維長が0.1mm未満では、無機繊維同士の絡み合いが小さくなり、所望の機械的強度が得られなくなる。一方、この平均繊維長が50mmを超えると、無機繊維同士が絡みやすくなって容易に塊が生じるため、密度が不均一になったり機械的強度が低下したりし、結果的に複合断熱材の断熱性の低下を招くおそれがある。ここで、平均繊維長とは、測定対象となる繊維群を電子顕微鏡で撮像し、得られた画像上の任意の100本の繊維に対して、それらの長手方向の端から端までの直線距離を計測して算術平均したものである。
上記の無機繊維の集合体からなる母材の形状は、該無機繊維が実質的に折損しない程度の応力をかけた後の圧縮復元率が90%以上を確保できる形状であれば特に限定はない。このような形状としては、例えばシート状、ブランケット状、平板(ボード)状等を挙げることができる。上記の母材は、600℃での熱伝導率が0.10W/(m・K)以下の断熱性を有していることが好ましく、0.08W/(m・K)以下の断熱性を有していることがより好ましい。なお、上記の母材には、シリカ等の無機バインダー、でんぷんやラテックス等の有機バインダー、シリカ、ムライト、アルミナ等の無機粒子が含まれていてもよい。
本発明の実施形態の複合断熱材のもう一方の構成要素である支持材は、外部から1MPaの圧力を加えた時の圧縮率が5%以下であり、好ましくは600℃での熱伝導率が0.35W/(m・K)以下の断熱性を有している。また、支持材は母材に比べて例えば圧縮強さに代表される強度特性に優れており、使用する材料によるものの、例えば支持材は圧縮強さが4~12MPa程度である。上記の条件を満たし且つその用途における最高使用温度での耐熱性を有する無機材料あれば、その材料には特に限定はない。このような材料としては、例えば高温でムライトとなり強度が向上するアルミナ・シリカ系の接着材である、イソライト工業株式会社製の無機接着剤(商品名:カオスティック)を挙げることができる。
本発明の実施形態の複合断熱材は、上記の母材と支持材とが一体構造になっている。この一体構造の例としては、圧縮応力がかかる厚み方向における表面側から裏面側まで支持材が貫通しているか、又は母材の厚みの半分以上、好適には80%以上、より好適には90%以上の深さで該厚み方向に延在するように支持材が埋設されていることが好ましい。これにより、該複合断熱材にその厚み方向に外部から圧力が働いても、その負荷のほとんどを支持材で受け止めることができるので、母材自体には強い応力がかからないようにでき、無機繊維の折損を防ぐことができる。
本発明の実施形態の複合断熱材は、その厚み方向から見たとき、母材の中央部又は周辺部に支持部が1又は複数個設けられていてもよいし、母材の全体に亘って複数個の支持部が均等に点在するように又は格子状に設けられていてもよい。例えば図1には、矩形のシート状の母材11に全面に亘って複数の支持材12が水玉模様状(a)や千鳥模様状(b)に設けられた複合断熱材10の例が示されており、図2には矩形のシート状の母材21に支持材22が格子模様状に設けられた複合断熱材20の例が示されており、図3には、矩形のシート状の母材31の周囲に支持材32を枠状に配置した複合断熱材30の例が示されている。
本発明の実施形態の複合断熱材は、その厚み方向から見たとき、全体の5~60%の面積を支持材が占めている。この支持材が占める割合が5%未満では、隣接する支持材同士の間に位置する母材の無機繊維が応力により折損しやすくなるため、複合断熱材の圧縮復元率が80%未満になる。逆に、この支持材が占める割合が60%を超えると、複合断熱材の600℃における熱伝導率が0.25W/(m・K)を超え、断熱性が不十分になるおそれがある。
本発明の実施形態の複合断熱材の厚さや形状は、該複合断熱材が施工される各位置において一般的に定められている断熱仕様から求めることができ、用途に応じて様々な厚さや形状に成形することができる。例えば、金属の溶湯を保持する溶湯容器や混銑車等の断熱材、高温配管のパッキン材では、厚さ1~5mm程度の平板状に成形するのが好ましい。
上記のように、本発明の実施形態の複合断熱材は、母材と支持体とが一体化しているため、無機繊維の圧縮復元性を維持することができる。すなわち、上記母材を構成する無機繊維は、本来は高い圧縮復元性を有するが、無機繊維の種類、平均繊維長、平均繊維径、かさ密度によるものの、最大でも数十kPa程度を超えて応力がかかると繊維が折損し始め、1MPa程度の圧縮応力が繰り返し掛かる条件下では無機繊維の多くが折損し、結果的に応力弛緩による圧縮復元率の低下が生じていた。これに対して、上記のように母材と支持体とを一体化させることで、上記の1MPa程度の圧力がかかる負荷状態及び圧力のかからない解放状態からなるサイクルが100サイクル繰り返された後に圧縮復元率80%以上を確保することが可能になる。
次に、上記した本発明の実施形態に係る複合断熱材の製造方法について説明する。先ず、型枠内に無機繊維の集合体からなる母材若しくはその原料(以下、母材等と称する)を配した後、その厚み方向に見たとき、該母材等の中央部又は周辺部に支持材が単一で存在するか若しくは全面に亘って複数個が均等に点在するように、且つ全体の5~60%の面積を占めるように支持材若しくはその原料(以下、支持材等)を配置する。この支持材の原料が接着剤である場合は、該母材等内に該接着剤を充填することになる。このようにしてレイアウトした母材等及び支持材等の表面を、必要に応じて、上記の母材と同種の若しくは異種の母材若しくはその原料を用いて全面的に覆った後、該母材等の厚み方向に圧縮成形する。その後、好適には雰囲気温度100~200℃で1~3時間程度かけて加熱処理を行なう。これにより、本発明の実施形態の複合断熱材を作製することができる。
材料が異なる無機繊維からなる複数の母材を用意し、それらの各々を支持材と一体化させて下記に示す実施例及び比較例の複合断熱材を作製した。そして、各複合断熱材に対して、耐熱性、圧縮復元性、及び断熱性を評価した。耐熱性は、24時間加熱したときの下記式1に示す加熱線収縮率が3%以下の条件を満たす加熱温度として定義される耐熱温度で評価した。
[式1]
加熱線収縮率=(1-(加熱後寸法/加熱前寸法))×100
圧縮復元性は、上記耐熱温度において1MPaの圧力がかかる負荷状態と圧力がかからない解放状態からなるサイクルを100サイクル繰り返した後における、下記式2に示す圧縮復元率で評価した。断熱性は、JISA1412-2(1999)付属書Aの平板比較法に準拠して測定した熱伝導率で評価した。
[式2]
圧縮復元率=復元後の厚さ/圧縮前の厚さ×100
[実施例1]
無機繊維の集合体の形態を有するイソライト工業株式会社製のアルカリアースシリケート繊維質ペーパー(商品名:BSSRペーパーS、厚さ1mm、平均繊維径3.5μm、平均繊維長4.5mm)を母材として用意した。この母材の断熱性を評価したところ、600℃での熱伝導率が0.08W/(m・K)であった。一方、支持材の原料としてイソライト工業株式会社製の無機接着剤(商品名 カオスティック)を用意した。この無機接着剤は、乾燥することで1MPaの圧力を加えた時の圧縮率が5%、600℃での熱伝導率が0.35W/(m・K)の断熱性を有する支持材になる。
母材を縦20mm×横20mmの複数枚の正方形シート片に裁断し、これら複数枚のシート片を隣同士が幅8.5mmの隙間をあけて離間するようにマトリックス状に配し、その隙間部分に上記無機接着剤を充填した。この複合断熱材をその厚み方向から見たとき、複合断熱材の全面積に対する支持材の占める面積の割合は60%となった。このようにしてレイアウトした複数枚の正方形シート片及び支持材を全面的に覆うように、同じ種類の厚さ1mmの母材で表面側を覆った。これにより、母材の厚みの半分の深さまで該厚み方向に支持材を延在させた。このようにして配置した母材及び支持材を圧縮成形した後、雰囲気温度120℃で3時間かけて乾燥処理を施すことで上記無機接着剤を乾燥させた。得られた複合断熱材は、耐熱温度が1200℃、圧縮復元率が83%、600℃での熱伝導率が0.24W/(m・K)であった。
[実施例2]
実施例1の母材を用い、隣接するシート片同士の隙間の幅を8.5mmに代えて0.4mmとした以外は実施例1と同様にして複合断熱材を作製した。この複合断熱材をその厚み方向から見たとき、複合断熱材の全面積に対する支持材の占める面積の割合は5%であった。得られた複合断熱材は、耐熱温度が1200℃、圧縮復元率が80%、600℃での熱伝導率が0.23W/(m・K)であった。
[実施例3]
母材としてイソライト工業株式会社製のアルミナ繊維質ペーパー(商品名:1600ペーパー、厚さ1mm、平均繊維径5μm、平均繊維長3.0mm、600℃での熱伝導率は0.10W/(m・K))を用いた以外は実施例1と同様にして複合断熱材を作製した。この複合断熱材をその厚み方向から見たとき、複合断熱材の全面積に対する支持材の占める面積の割合は60%であった。得られた複合断熱材は、耐熱温度が1400℃、圧縮復元率が81%、600℃での熱伝導率が0.25W/(m・K)であった。
[実施例4]
実施例3の母材を用い、隣接するシート片同士の隙間の幅を8.5mmに代えて0.4mmとした以外は実施例1と同様にして複合断熱材を作製した。この複合断熱材をその厚み方向から見たとき、複合断熱材の全面積に対する支持材の占める面積の割合は5%であった。得られた複合断熱材は、耐熱温度が1400℃、圧縮復元率が80%、600℃での熱伝導率が0.24W/(m・K)であった。
[実施例5]
母材としてイソライト工業株式会社製のアルミナ・シリケート繊維質ペーパー(商品名:RCF1260ペーパー、厚さ1mm、平均繊維径3μm、平均繊維長4.2mm、600℃での熱伝導率は0.08W/(m・K))のペーパーを用いた以外は実施例1と同様にして複合断熱材を作製した。この複合断熱材をその厚み方向から見たとき、複合断熱材の全面積に対する支持材の占める面積の割合は60%であった。得られた複合断熱材は、耐熱温度が1260℃、圧縮復元率が82%、600℃での熱伝導率が0.24W/(m・K)であった。
[実施例6]
実施例5の母材を用い、隣接するシート片同士の隙間の幅を8.5mmに代えて0.4mmとした以外は実施例1と同様にして複合断熱材を作製した。この複合断熱材をその厚み方向から見たとき、複合断熱材の全面積に対する支持材の占める面積の割合は5%であった。得られた複合断熱材は、耐熱温度が1260℃、圧縮復元率が81%、600℃での熱伝導率が0.23W/(m・K)であった。
[実施例7]
母材としてITM社製のムライト繊維質ペーパー(商品名:ファイバーマックス、厚さ1mm、平均繊維径5μm、平均繊維長3.0mm、600℃での熱伝導率は0.08W/(m・K))を用いた以外は実施例1と同様にして複合断熱材を作製した。この複合断熱材をその厚み方向から見たとき、複合断熱材の全面積に対する支持材の占める面積の割合は60%であった。得られた複合断熱材は、耐熱温度が1400℃、圧縮復元率が81%、600℃での熱伝導率が0.24W/(m・K)であった。
[実施例8]
実施例7の母材を用い、隣接するシート片同士の隙間の幅を8.5mmに代えて0.4mmとした以外は実施例1と同様にして複合断熱材を作製した。この複合断熱材をその厚み方向から見たとき、複合断熱材の全面積に対する支持材の占める面積の割合は5%であった。得られた複合断熱材は、耐熱温度が1400℃、圧縮復元率が81%、600℃での熱伝導率が0.22W/(m・K)であった。
[実施例9]
母材として日本グラスファイバー株式会社製のシリカ繊維(平均繊維径8μm、平均繊維長3.0mm)を用いて抄造したペーパー(600℃での熱伝導率は0.10W/(m・K))を用いた以外は、実施例1と同様にして複合断熱材を作製した。この複合断熱材をその厚み方向から見たとき、複合断熱材の全面積に対する支持材の占める面積の割合は60%であった。得られた複合断熱材は、耐熱温度が900℃、圧縮復元率が80%、600℃での熱伝導率が0.25W/(m・K)であった。
[実施例10]
実施例9の母材を用い、隣接するシート片同士の隙間の幅を8.5mmに代えて0.4mmとした以外は実施例1と同様にして複合断熱材を作製した。この複合断熱材をその厚み方向から見たとき、複合断熱材の全面積に対する支持材の占める面積の割合は5%であった。得られた複合断熱材は、耐熱温度が700℃、圧縮復元率が81%、900℃での熱伝導率が0.24W/(m・K)であった。
[実施例11]
母材として日本グラスファイバー株式会社製のガラス繊維(平均繊維径10μm、平均繊維長3.5mm)を用いて抄造したペーパー(600℃での熱伝導率は0.10W/(m・K))を用いた以外は、実施例1と同様にして複合断熱材を作製した。この複合断熱材をその厚み方向から見たとき、複合断熱材の全面積に対する支持材の占める面積の割合は60%であった。得られた複合断熱材は、耐熱温度が700℃、圧縮復元率が80%、600℃での熱伝導率が0.25W/(m・K)であった。
[実施例12]
実施例11の母材を用い、隣接するシート片同士の隙間の幅を8.5mmに代えて0.4mmとした以外は実施例1と同様にして複合断熱材を作製した。この複合断熱材をその厚み方向から見たとき、複合断熱材の全面積に対する支持材の占める面積の割合は5%であった。得られた複合断熱材は、耐熱温度が700℃、圧縮復元率が81%、600℃での熱伝導率が0.24W/(m・K)であった。
[実施例13]
母材として上記のイソライト工業株式会社製のアルミナ・シリケート繊維と上記のガラス繊維とを混紡して抄造した厚さ1mmのペーパー(600℃での熱伝導率は0.10W/(m・K))を用いた以外は実施例1と同様にして複合断熱材を作製した。この複合断熱材をその厚み方向から見たとき、複合断熱材の全面積に対する支持材の占める面積の割合は60%であった。得られた複合断熱材は、耐熱温度が700℃、圧縮復元率が80%、600℃での熱伝導率が0.25W/(m・K)であった。
[実施例14]
実施例13の母材を用い、隣接するシート片同士の隙間の幅を8.5mmに代えて0.4mmとした以外は実施例1と同様にして複合断熱材を作製した。この複合断熱材をその厚み方向から見たとき、複合断熱材の全面積に対する支持材の占める面積の割合は5%であった。得られた複合断熱材は、耐熱温度が700℃、圧縮復元率が81%、600℃での熱伝導率が0.23W/(m・K)であった。
[実施例15]
支持材の原料にイソライト工業株式会社製の無機接着剤(製品名 カオスティックC)を用いた以外は実施例1と同様にして複合断熱材を作製した。この無機接着剤は、乾燥することで1MPaの圧力を加えた時の圧縮率が5%、600℃での熱伝導率が0.36W/(m・K)の断熱性を有する支持材になる。得られた複合断熱材は、耐熱温度が1200℃、圧縮復元率が80%、600℃での熱伝導率が0.26W/(m・K)であった。
[比較例1]
実施例1の母材を用いて、隣接するシート片同士の隙間の幅を8.5mmに代えて0.3mmとした以外は実施例1と同様にして複合断熱材を作製した。この複合断熱材をその厚み方向から見たとき、複合断熱材の全面積に対する支持材の占める面積の割合は4%であった。この複合断熱材は、無機繊維に応力が掛かりすぎて折損したため、圧縮復元率は60%と小さくなった。
[比較例2]
実施例1の母材を用いて、隣接するシート片同士の隙間の幅を8.5mmに代えて9.5mmとした以外は実施例1と同様にして複合断熱材を作製した。この複合断熱材をその厚み方向から見たとき、複合断熱材の全面積に対する支持材の占める面積の割合は62%であった。支持材を伝わる熱伝達が大きいため600℃での熱伝導率が0.27W/(m・K)と大きくなった。
[比較例3]
支持材の原料にイソライト工業株式会社製の無機接着剤(商品名 カオスティックW)を用いた以外は実施例1と同様にして複合断熱材を作製した。この無機接着剤は、乾燥することで1MPaの圧力を加えた時の圧縮率が15%、600℃での熱伝導率が0.35W/(m・K)の断熱性を有する支持材になる。この複合断熱材の母材は圧縮率が大きいために無機繊維に応力が掛かりすぎて折損したため、圧縮復元率は55%で小さくなった。
10、20、30 複合断熱材
11、21、31 母材
12、22、32 支持材

Claims (4)

  1. 無機繊維の集合体からなる母材と、前記母材の厚み方向の変形を抑えるように支持する無機材料からなる支持材とが一体構造になった複合断熱材であって、前記複合断熱材をその厚み方向に見たとき、全体の5~60%の面積を前記支持材が占めており、前記支持材は1MPaの圧力を加えた時の圧縮率が5%以下であり、
    前記複合断熱材は、1MPaの圧力がかかる状態と該圧力が解放された状態とからなるサイクルを100サイクル繰り返した後の圧縮復元率が80%以上の形状安定性を有し、且つ600℃での熱伝導率が0.25W/(m・K)以下の断熱性を有していることを特徴とする複合断熱材。
  2. 前記支持材は、前記母材の厚み方向に貫通するか若しくは該母材の厚みの半分以上に亘って延在するように埋設されており、該厚み方向から見たとき、該母材の中央部又は周辺部に単一若しくは全体に複数個が均等に点在するように配置されていることを特徴とする、請求項に記載の複合断熱材。
  3. 前記無機繊維が、アルミナ・シリケート繊維、アルミナ繊維、ムライト繊維、アルカリアースシリケート繊維、ガラス繊維、及びシリカ繊維のうちの1種以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の複合断熱材。
  4. 無機繊維の集合体からなる母材と、前記母材の厚み方向の変形を抑えるように支持する無機材料からなる支持材とが一体構造になった複合断熱材であって、前記複合断熱材をその厚み方向に見たとき、全体の5~60%の面積を前記支持材が占めており、前記支持材は1MPaの圧力を加えた時の圧縮率が5%以下であり、
    前記母材は600℃での熱伝導率が0.10W/(m・K)以下であり、前記支持材は600℃での熱伝導率が0.35W/(m・K)以下であることを特徴とする複合断熱材。
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