JP7488131B2 - 電解水生成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、容器内に入れた水を電気分解することにより電解水を生成する電解水生成装置に関する。
供給された水道水や井戸水等を浄水処理した後、これらの水を電気分解して電解水、すなわち飲用水として利用可能なアルカリ性電解水と洗浄水等の非飲用に用いる酸性電解水とを生成する電解水生成装置(イオン整水器)や、同様に水の電気分解を利用するものとして、所定の大きさの容器に入れた水に対し電気分解を行い、この電気分解で得られた還元力の強い水素ガスを水中に溶存する状態として、この水(水素水)を使用者が飲用できるようにした水素水生成装置がよく知られている。これらの生成装置は水道配管に接続して使用する場合が多い。
昨今、ウィルスや細菌等による感染症の問題があり、除菌や殺菌液として、水に食塩を入れて電気分解することで生成することができる電解次亜水や洗顔用に肌を引き締める作用(アストリンゼント効果)がある酸性電解水など、使用者が手軽に電解水を生成して、そのまま対象へ直接吹きかけることができる構造を持つ携帯用の電解水生成装置が提案されている。
こうした従来の電解水生成装置の例として、特開2003-266073号公報に開示されるものがある。
特開2003-266073号公報
従来の電解水生成装置は、前記特許文献に示される構成とされており、水を所定の容器に入れて電極部で電気分解を行って電解水を生成し、吐出部にて電解水を外部に吐出していた。
こうした電解水生成装置は電気分解の効率を重視して、電極部が水に接触しやすいように、電極部が露出状態とされる構造が多く採用されており、電極部と外部へ吐出するための吸込み口を有するパイプ部が直接触れることにより、吸込み口を有するパイプ部を傷つける可能性があるという課題を有していた。
また、電解水生成装置は携帯して使用するため、落下させた場合はその衝撃で電極板が短絡する可能性や、異物が混入して電極板間に付着した場合、電気分解が上手くできないという課題を有していた。
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、電極部を壁部で覆った電解水生成装置を提供することを目的とする。
本発明の開示に係る電解水生成装置は、水を電気分解して電解水を得る電解水生成装置において、水を貯留可能な中空部を有する本体部と、前記中空部に配設され、水に対して電圧を印加可能とする複数の電極板からなる電極部と、前記電極部への電力供給を行う電源部と、前記中空部内の水を外部に吐出するための吸込み口を有するパイプ部を備え、前記電極部を覆う壁部を備えたものである。
このように本発明の開示によれば、電極部を壁部で覆うことにより、パイプ部が電極部に直接触れて、傷つける可能性が無くなる。また、壁部は落下衝撃による電極板の短絡や異物混入による電気分解の阻害を防止し、安定して電気分解を行うことができる。
また、本発明の開示に係る電解水生成装置は必要に応じて、前記吸込み口の両側に前記電極部の壁部を配設したものである。
このように本発明の開示によれば、吸込み口の両側に電極部を配設することで、吸込み口を位置決めすることができ、適量の電解水を良好に吸込むことができる。
また、本発明の開示に係る電解水生成装置は必要に応じて、前記壁部の上端部に、前記パイプ部を所定方向に案内するガイド面を備えているものである。
このように本発明の開示によれば、壁部の上端部にパイプ部を所定方向に案内するガイド面を備えることで、パイプ部が、壁部の上端部に当接することがあっても、パイプ部が壁部の上端部に乗り上げたままの状態になること無く、スムーズに吸込み口を適切な位置に誘導することで、中空部の下部に溜まった電解水を良好に吸込むことができる。
本発明の第1の実施形態に係る電解水生成装置の正面図である。 本発明の第1の実施形態に係る電解水生成装置の断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る電解水生成装置のガイド面誘導状態説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る電解水生成装置のガイド面拡大図である。 本発明の第1の実施形態に係る電解水生成装置の電極部距離関係説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る電解水生成装置の正面図である。 本発明の第2の実施形態に係る電解水生成装置の下部断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る電解水生成装置の電極部平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る電解水生成装置のガイド面拡大図である。 本発明の第3の実施形態に係る電解水生成装置の正面図である。 本発明の第4の実施形態に係る電解水生成装置の斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る電解水生成装置の本体部組立斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る電解水生成装置の底面図である。 本発明の第4の実施形態に係る電解水生成装置の電極部平面図である。 本発明の第4の実施形態に係る電解水生成装置の下部断面図である。
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る電解水生成装置1を前記図1ないし図5に基づいて説明する。本実施形態においては吐出部90(スプレーノズル)への接続に適した例を説明する。
前記各図において本実施形態に係る電解水生成装置1は、両端が閉塞された筒状の中空容器として形成され、中空部19に水を貯留可能な本体部10と、この本体部10における中空部19の下の底面部13aに配設され、中空部19に向けて光を照射可能とされる発光部20と、本体部10における底面部13aの上側に配設され、水に対し電圧を印加可能とする複数の電極31、32、33からなる電極部30と、この電極部30に設けられて発光部20から照射された光の一部を反射させる壁部40と、本体部10における底面部13aの下側に配設され、電極部30への通電状態を調整制御する制御回路部50と、この制御回路部50の制御下で電極部30への電力供給を行う電源部60と、中空部内の水を外部に吐出するための着脱可能な吐出部90と、吐出部90における中空部内の水を吸引するためのパイプ部91とを備える構成である。また、本実施形態においてはパイプ部91の先端の吸込み口92に前記壁部40との当接時の衝撃を緩和するためにピース部93を備える構成である。
前記本体部10は、内部に水を所定量貯留可能な中空容器として形成されるものであり、詳細には、先細り状の中空円筒状に形成される筒体部11と、この筒体部11の一方の開口部を閉塞する状態で筒体部11に着脱可能に取り付けられる吐出部90と、電解槽の底となる底面部13aを有して筒体部11の他方の開口部を閉塞する状態で筒体部11に一体に取り付けられる基部13とを備える構成である。また筒体部11の上部には着脱可能に取り付けられたドーナツ形状のカートリッジ16を備える構成である。需要によってはカートリッジ16を配設しない構造にしても構わない。
前記筒体部11の両端の開口部を吐出部90と基部13とで閉塞することで、内部に閉じた中空部19が生じており、本体部10は電解槽としてこの中空部19に水を貯留し、この水に対し電気分解が行われることとなる。
この本体部10のうち、中空部19に面する筒体部11の側面における電極部30より上側となる所定箇所に、本体部10の外側と中空部19との間で可光を透過可能とする透明材質製の窓部11bを設けられ、この窓部11bを通じて外から本体部10内の水を視認可能とされる。窓部11b以外の本体部10各部は光を通さない不透明材質であり、需要に応じた任意の色調を与えられる。また、窓部11bは必要に応じて、本体部10側面に複数配設して、各窓部から中空部19が見えるように構成することもできる。
前記吐出部90は、トリガー90aを引くことで噴霧上の液体を吐出することが可能であり、本体部10の筒体部11に着脱可能に取り付けられている。前記吐出部90は筒体部11の開口部を閉塞する一方、パイプ部91の先端の吸込み口92より水を吸上げて必要に応じて本体部10内から取り出せるようにするものである。
筒体部11の上部にある着脱可能に取り付けられたカートリッジ16は筒体部11への取り付け状態では、筒体部11の窓部11bより上側に位置しており、窓部11bからカートリッジ16は見えず、中空部19の水中に気泡が拡散する状態を窓部11b全体で見ることができ、美観の面でも優れたものとなる。
この吐出部90は、筒体部11に対し螺合等により水密状態を維持しつつ着脱可能に取り付けられて、カートリッジ交換時などに必要に応じて取り外せる構成である。この吐出部90を筒体部11から取り外して開放された筒体部11の一方の開口部は、中空部19に水や電気分解補助剤または電解次亜水を生成するための食塩等の添加物17を投入可能な投入口として用いることができる。また、カートリッジ16を筒体部11の上部に備える場合は、吐出部90のパイプ部91をドーナツ形状のカートリッジ16に貫通させて挿入する。
前記カートリッジ16は、多数の貫通孔を有して水を内部と外部との間で滞りなく流通させられる中空容器内に、添加物17を収容したものであり、筒体部11の上部に着脱可能に取り付けられる構成である。使用者が水を本体に入れる際に、水がカートリッジ16を通過し、水がカートリッジ16内の添加物17と接触することで、水に添加する仕組みである。また、カートリッジ16は中空部19への貯水状態で使用できるように構成することも可能である。
添加物17の総体積はカートリッジ16の内容積に対し少なく設定され、添加物17はカートリッジ内で移動可能とされる。添加物17がカートリッジ16内で移動できることで、本体部10を傾けるなど動かすたびに添加物17が移動して攪拌される状態となり、カートリッジ16内における添加物17の位置や、添加物17の水と接する表面位置を装置使用ごとに入れ替えて、カートリッジ16全体としての添加機能を長期にわたり維持できる。
前記基部13は、電極部30、壁部40、制御回路部50及び電源部60を取り付けられてなり、吐出部90と共に筒体部11と一体に組み合わされて本体部10をなし、本体部10内に水密状態の中空部19を生じさせるものである。なお、基部13は筒体部11に対し着脱可能に取り付けられるようにすることもでき、その場合は電極部30のメンテナンス等が容易となる。
この基部13の底部は、底カバー13cを配設されて閉塞された構成である。基部13上部の底面部13aと下部の底カバー13cとの間の空間部分には、制御回路部50及び電源部60が設けられる。
基部13における底面部13aの中央には発光部20が設けられる。また、基部13の側面には、作動状態表示部を兼ねる電源スイッチ部80やカートリッジ状態表示部81、さらに、非使用時はカバーで覆われる充電用の接続端子部82がそれぞれ設けられる。
前記発光部20は、本体部10における中空部19の下の底面部13aの中央に配設され、壁部40の内壁40aとパイプ部91の吸込み口92に向けて光を照射可能とされるものである。また、パイプ部91は光を透過可能とする透明材質製であり、吸込み口92から侵入した一部の光が外部に漏れて、窓部11bから視認可能となる。
詳細には、発光部20は、本体部10の基部13における底面部13aに設けられる透光性材質からなる透光窓部21と、透光窓部21の下側に設けられる発光素子(例えば、LED)22とを備える構成である。
発光部20は、本体部10の中空部に水を貯留した状態で、照射した光を、電極部30に設けられた壁部40の内壁40aに反射させて、前記窓部11bを経て本体部10の外に到達可能として配設される。
そして、発光部20は、電極部30への通電による水の電気分解が正常に実行される間、制御回路部50による制御で、発光素子22を所定色、例えば青色での点灯状態とされる。使用者は窓部11bから見えるこの発光部20からの光とこの光に照らされた気泡が水中を拡散しパイプ部91に付着する様子とから、電気分解による電解水の生成進行状態を確認することができる。また、使用者は発光部20から光が照射されたパイプ部91を見ることで、電解水の吸込み状況がより視認しやすくなる。
前記電極部30は、本体部10の基部13における底面部13aの上側で、且つ発光部20の周囲に、略筒状の起立状態として配設され、中空部19に入れた水に対し電圧を印加可能とする三つの電極31、32、33からなるものである。この電極部30は、発光部20の側方に位置して、発光部20からの光の中空部19上方への進行を妨げない配置とされる。
前記電極31、32、33は、金属製の薄板を湾曲させた略円筒形状とされて、本体部10の内部の壁部40の内側の隙間部分に壁部40に沿って配設される構成である。吐出部90を取付けた際は、パイプ部91の吸込み口92は略筒状の電極部30の間に位置決めされて配設される。
これら電極31、32、33は、略筒状配置の薄板部分と共に、これと一体化された略棒状の接続導体を有しており、この接続導体が下方に延出して本体部10における基部13の底面部13aを貫通した配設状態とされる構成である。
これら電極31、32、33については、最も内側の電極31と最も外側の電極33が陽極とされ、これらに挟まれた中間の電極32が陰極とされる場合と、逆に内外の電極31、33が陰極とされ、中間の電極32が陽極とされる場合とがあり、制御回路部50で極性を切換可能とされる。なお、制御回路部50では、電極31、33が陽極とされ、電極32が陰極とされる場合を順方向通電状態、電極31、33が陰極とされ、電極32が陽極とされる場合を逆方向通電状態としている。例えば、食塩を添加して電解次亜水を生成する場合、電極への通電による電気分解実行の際には、陽極とされる電極の表面部で次亜塩素酸イオンが発生することとなる。発生した気泡は、電極の表面に沿って上昇し、電極部30の上側で電極部から離れて中空部19の水中に拡散する。
前記壁部40は、大きさの異なる二つの筒体を内外で重なるように一体に組み合わせて中間に電極部30を収容する隙間を生じさせた略筒状体とされ、本体部10における基部13の底面部13a上側に上向きに突出する状態で配設される構成である。この壁部40は、壁部40をなす内外の筒状部分の間に電極部30を挟むような配置として電極部30近傍に配設される。吐出部90を取付けた際、壁部40は吐出部90のパイプ部91と吸込み口92が電極部30に当接して傷つくことを防止する。
この壁部40も、電極部30と同様に、発光部20の側方に位置して、発光部20からの光の中空部19上方への進行を妨げない配置とされており、発光部20からの光が水中を中空部19上方へ直進するのを許容する一方、発光部20から壁部40に向かって斜めに進む光については、壁部40の内周側の表面で一又は複数回反射させて、中空部19の水中を上方へ進行させることとなる。
壁部40の内壁40aの表面は、発光部20からの光が表面に当たって反射する際に拡散反射(乱反射)を生じさせにくい滑らかな面となっている。さらには、パイプ部91とピース部93とが当接しても滑りやすく所定の位置に誘導することが容易となる効果がある。
そして、壁部40はその表面が明度の高い色である材質製、例えば、白色やそれに近い色のプラスチック製とされており、表面における発光部20からの光の吸収を少なくし、光の反射する度合いを大きくしている。この他、壁部40としては、光の一部又は全部を一又は複数回反射して窓部11bのある上方へ到達可能とするものであれば、他の表面性状を有するもの、例えば、透明で平滑なガラス板や樹脂板の裏面側に反射面としての金属膜を付着させた一般的な鏡や、表面が金属光沢を有する板状体を用いることもできる。なお、必要に応じて、内壁40aの表面に水を電極に行き渡らせるための開口部を設けても構わない。
壁部40の上部は、その上端部の高さを電極部30の上端部の高さよりわずかに大きくされると共に、電極部30の上側に達して電極部30を上から覆う形状として形成される構成である。そして、壁部40上部の電極部30を上から覆う部分には、吸込み口92を有するピース部93を所定方向に案内するガイド面40bとガイド機能を損なわない程度に電極部30が発生させた気泡を上向きに通過させる円孔状の開口部41を複数設けられてなる構成である。
こうして電極部30に壁部40を設け、壁部40で電極部30をその少なくとも内周側から覆うようにすると共に、電極部30で発生した気泡が通過可能な開口部分を壁部40の上部に設けて、壁部40の上端部より上側でのみ、気泡の中空部19の水中への拡散を許容する構造とすることで、電極部30で発生させた気泡が電極部30から離れて中空部19の水中に拡散する位置は、発光部20から離れた電極部30の上側となり、この位置までは気泡は壁部40に阻まれて電極部30から離れず、電極表面にとどまる又は電極表面近くで上昇するのみであるため、発光部20からの光が気泡等で進行を妨げられることはなく、窓部11bの近くの水中に拡散する気泡とパイプ部91に付着した気泡とを光が適切に照らして視認可能とすることができる。なお、このように電極部30に壁部40を設けるなどして、発光部20の上側で気泡が光の進行を妨げることを防止できる場合には、電極部30をなす各電極31、32、33の一部が発光部20より下まで達して、気泡が発光部20より下の位置で発生するようにしても構わない。
また、壁部40上部の開口部41のいずれかは、窓部11bの内面寄りに位置するように配置されており、こうした開口部41から出た気泡が窓部11bの近傍で水中に拡散することで、発光部20から進んだ光が窓部11bを経て外部に達する直前で、この窓部11b近傍で水中に拡散する気泡を照らすこととなり、ここで気泡を照らした光が最短距離で窓部11bに達して外部に出る。これにより、気泡を照らした光が水中を進む間に減衰することを抑えられる分、光に照らされながら水中に拡散する気泡とパイプ部91に付着した気泡とを窓部11bを通じて確実に視認可能とすることができる。また、窓部11bを複数配設した場合や筒体部11を透明部材にした場合でも、同様に窓部11bの内面寄りに開口部41を位置することで、使用者はいずれの窓部11bからも水中を拡散する気泡を明確に視認できる。
図3ないし図4に示すように、壁部40の内壁40aの上端部のガイド面40bは、吐出部90を取付けた際に挿入する吐出部90のパイプ部91やパイプ部91の先端のピース部93が壁部40の上端部に当接した際に所定方向に誘導するものである。ガイド面40bの形状はR面やC面取り等の形状がある。また、ピース部93の寸法Aを中空部19の内壁と壁部40までの距離C(空隙)より大きくすることで、ピース部93を略筒状の電極部30の内側に誘導することができる。前記距離C(空隙)はできるだけ短い方が望ましいが、十分に水を電極部30に行き渡らせるためにある程度の距離を確保している。
壁部40の上端部の開口部41の円孔の寸法は、パイプ部91のピース部93の寸法Aによって選定するのが良い。ピース部93の寸法を開口部41の円孔の寸法より大きくすることでピース部93が開口部41に引っかかって所定の位置に誘導されないことを防止する。
図5に示すように、電極部30を上から覆う壁部40から中空部19の内壁の間の距離C(空隙)は中空部19の中心から壁部40の内壁40aまでの距離Bの1/10以上ないし1/3以下(望ましくは1/5程度)に設定されているものである。このように、中空部19の中心から壁部40の内壁40aまでの距離Bは、十分に大きくすることで、電極部30は中空部19の内壁に沿って可能な限り、最大径とすることで電極面積を大きくし、電気分解の効率を高めることができる。また、パイプ部91の吸込み口92と電極部30との距離が離れることで吸込み口92にて水を吸上げる際に、電極部30が邪魔にならない構造にすることができる。電極31、32、33の極間の距離を小さくすることで、電気分解の効率を高めることができ、また、距離Bをより大きくすることが可能となる。
電極部30を壁部40が上から覆うことで使用者が誤って電解水生成装置1を落下させても壁部40が衝撃を吸収することで電極部30の短絡を防止することや、壁部40は内部に異物が混入した場合でも、電極間への付着を防ぎ電気分解の阻害を防止するなど、使用者に悪影響が及ぶ事態を回避できる。
前記制御回路部50は、本体部10の基部13における底面部13aの下側に中空部19とは隔離されて配設され、電極部30の各電極31、32、33と電気的に接続され、この電極部30への通電状態を調整制御すると共に、発光部20の発光素子22の発光制御をはじめとする各種制御を行うものである。
詳細には、制御回路部50は、制御回路等をなす各素子が実装された回路基板として、基部13の内部に取り付けられ、基部13の底面部13aを貫通した各電極31、32、33の接続導体とリード線を介して電気的に接続されると共に、基板上に発光部20の発光素子22を設けられてなるものである。
この制御回路部50は、電源部60をなす電池とも電気的に接続され、必要な電力の供給を受けつつ、電気分解に係る電極部30への電力供給の可否や供給度合い等の制御を行うと共に、回路基板上に設けられた発光部20の発光素子22を、電極部30への通電中に所定の発光状態として、発光部20として光照射を行わせるよう制御を実行することとなる。
この他、制御回路部50には、基部13の側面に位置する電源スイッチ部80のスイッチ80b及び作動状態表示部としての発光素子や、カートリッジ状態表示部81の発光素子81b、充電用の接続端子部82がそれぞれ回路基板上への表面実装状態で設けられる。
電源スイッチ部80は、基部13の側面に埋め込まれた状態で取り付けられ、使用者により押操作されるボタン部80aと、このボタン部80aと接する配置として制御回路部50の回路基板上に設けられ、ボタン部80aが押操作される間、接点の状態が変化するタイプのスイッチ80bと、ボタン部80aの背面側に配設され、透光性を有するボタン部80aを通じて照射した光を外部に到達させる発光素子とを備える構成である。この電源スイッチ部80のボタン部80a及び発光素子が、制御回路部50の制御に基づいて装置作動状態やエラー状態に応じた発光表示を行う作動状態表示部を兼ねることとなる。この発光素子は、発光色の調整が可能なRGB LEDとされ、制御回路部50で発光色を作動状態に応じて切替可能とされ、使用者がその光の色で装置の状態を把握できるようにしている。
カートリッジ状態表示部81は、基部13の側面に一体化されて配設される透光窓部81aと、この透光窓部81a近傍となる制御回路部50の回路基板上に設けられ、透光窓部81aを通じて照射した光を外部に到達させる発光素子81bとを備える構成であり、制御回路部50の制御に基づいてカートリッジ16の交換の要否に応じた発光表示を行うものである。カートリッジ16が添加機能を正常に発揮できるとあらかじめ見込まれた期間の間は、制御回路部50により、カートリッジ状態表示部81の発光素子81bは、カートリッジ16の正常状態を示す所定色(例えば、緑色)の点灯状態とされる。
接続端子部82は、基部13の側面に設けられた開口を通じて外部に露出可能とされて、電源アダプタ等の充電用装置側の端子部を接続可能とされるものである。この接続端子部82は、基部13の開口に対し着脱可能に取り付けられるカバー82aで非使用時は覆われて、外気や水分との接触を阻止される仕組みである。この接続端子部82を通じて接続された充電用装置からの電力供給を受けて、制御回路部50は電源部60への充電を制御する。接続端子部82としては、例えばUSBメスコネクタが用いられ、USB規格に対応した電圧(5V)で充電用の電力供給を受けることとなる。
なお、制御回路部50による電源部60への充電においては、接続端子部82により充電用装置との直接的な電気的接続状態を確立して、充電に係る電力供給を受ける仕組みとしているが、これに限られるものではなく、非接触給電方式で電力供給を受けるコイル等の素子と周辺回路を組み合わせた受電用回路を制御回路部50と共に基部13に内蔵して、非接触給電に対応した給電用装置の近傍に基部13を位置させて充電に係る電力供給を受ける構成とすることもでき、充電に係る電力供給用ケーブル等の接続の手間を省くことができる。
制御回路部50は、使用者による電源スイッチ部80への操作入力に基づいて、電源部60からの電力供給を受け、電極部30の各電極31、32、33への通電で水の電気分解を行って気泡を発生させ、電解水を生成可能とする中で、安全を確保した状態で適切に電気分解を行えるよう、各電極31、32、33への通電をはじめとする各種制御を実行している。
制御回路部50では、電極部30への通電による電気分解の開始後、通電に係る電流値を監視し、この値が所定時間(例えば、0.2秒)の間に、あらかじめ設定された過電流判定の閾値となる所定電流値(例えば、600mA)以上に達した場合、過電流状態と判定して、通電を停止して電気分解を中断すると共に、エラー表示として電源スイッチ部80の発光素子を所定色(例えば、赤色)で所定時間(例えば10秒間)点滅状態とする制御を行う。
同じく制御回路部50では、電気分解開始後に通電に係る電流値を監視する中、この電流値が所定時間(例えば、1秒)の間に、あらかじめ設定された過小電流判定の閾値となる所定電流値(例えば、100mA)未満に達した場合、電極部30周囲に水が存在しないことに伴う過小電流状態(いわゆるオープン状態)と判定して、通電を停止して電気分解を中断する制御を行う。こうして過電流検知やオープン検知を適切に行うことで、安全を確保すると共に、電力の無駄な消費を抑えられる。
電気分解に際し、制御回路部50は、電気分解に伴う電極部30の劣化を最小限とするために、電極部30の三つの電極31、32、33のうち、最も内側の電極31と最も外側の電極33を陽極とし、中間の電極32を陰極とする順方向通電状態と、これとは逆の、最も内側の電極31と最も外側の電極33を陰極とし、中間の電極32を陽極とする逆方向通電状態とを、あらかじめ設定された電解時間(例えば、3分間)の半分の時間(例えば、90秒)が経過した後に切り替える制御を行う。また、制御回路部50は、これら順方向通電状態と逆方向通電状態とによるそれぞれの累積電解時間を記録し、電極部30への通電開始時に、順方向通電状態での累積電解時間と逆方向通電状態での累積電解時間との比較を行って、累積電解時間の短い方の通電状態を当初設定として通電を開始するようにしており、電極部30の劣化状態を均等として電気分解への悪影響を抑えている。
また、制御回路部50は、電源スイッチ部80への誤操作で電極部30への通電が開始するのを防止するために、使用者が電源スイッチ部80を押操作した後、数秒以内(例えば、3秒以内)に再度押操作することではじめて電極部30への通電を行う制御を開始するようにしている。これにより、電源スイッチ部80への物の接触等で誤って電源スイッチ部80が押された状態となった際に、そのまま電極部30への通電が開始して電気分解を実行し、無駄に電力を消費してしまうことを防止し、電池である電源部60の電力供給可能期間を最大限確保可能としている。
加えて、制御回路部50は、電源スイッチ部80が最初に押されてから、その後電源スイッチ部80への押操作がない状態で所定時間(例えば、5秒)経過すると、低消費電力状態へ移行し、各発光素子や制御回路各部への電力供給を停止することで、装置を使用していない状態での電力消費を抑えるようにしている。
さらに、制御回路部50は、電池電圧を監視しており、ある設定値を下回ると要充電状態として、電極部30への通電による水の電気分解を制限する制御を行う。詳細には、電気分解を行っていない時に電池電圧が前記設定値を下回ると、使用者が電源スイッチ部80を二回押操作して電気分解の実行を指示した際、制御回路部50は電極部30への通電を開始せず、充電催促表示として電源スイッチ部80の発光素子を所定色(例えば、青色)で所定時間(例えば、10秒間)点滅状態とする制御を行う。
一方、電気分解を行っている際に電池電圧が前記設定値を下回ると、実行中の電気分解は開始から当初規定の時間(例えば、3分)が経過するまで通常通り実行し、その後は充電要求表示として電源スイッチ部80の発光素子を所定色(例えば、青色)での点滅状態とする制御を行う。これにより、電気分解を行うためには充電が必要な状態にあることを使用者に知らせて、充電の実行を促し、スムーズに電源部60で電気分解に係る電力供給が可能な状態に復帰させることができる。
加えて、制御回路部50は、電池である電源部60の温度を監視しており、この温度が電解可能範囲としてあらかじめ設定された範囲(例えば、-20℃~60℃)を外れると、電源部60の安定性を維持するために、電極部30への通電による水の電気分解を制限する制御を行う。詳細には、電気分解を行っていない時に温度が前記電解可能範囲を外れると、使用者が電源スイッチ部80を二回押操作して電気分解の実行を指示した際、制御回路部50は電極部30への通電を開始せず、エラー表示として電源スイッチ部80の発光素子を前記各状態とは異なる所定色(例えば、ピンク色)で所定時間(例えば10秒間)点滅状態とする制御を行う。
一方、電気分解を行っている際に温度が前記電解可能範囲を外れると、制御回路部50は、実行中の電気分解を停止し、エラー表示として電源スイッチ部80の発光素子を所定色(例えば、ピンク色)での点滅状態とする制御を行う。これにより、電源部60が電気分解を行うのに適していない温度状態にあることを使用者に知らせて、電源部60が適切な温度範囲に戻るまで待ったり、周囲環境の温度が原因の場合は、電源部60の温度が電解可能範囲となるような適切な環境へいったん移動して、装置を用いるような対応が可能となり、無理な使用による電源部60の劣化を防止できる。
この他、制御回路部50は、カートリッジ16の交換時期を管理する制御も行っている。詳細には、制御回路部50は、あらかじめ設定された電解時間(例えば、3分間)にわたる電気分解を完了したか、電気分解を前記電解時間の途中で使用者の操作により強制的に終了させたかによらず、電極部30への通電がなされて電気分解が実行された回数をカートリッジ使用カウンタ数として保持記録しており、電気分解の完了時又は強制終了時にその更新が行われる。制御回路部50は、このカートリッジ使用カウンタ数の更新後の値があらかじめ設定された限界値、例えば360回(1日3回使用として約4ヶ月使用の場合に相当)に達した場合、カートリッジ状態表示部81の発光素子81bを、正常状態を示す所定色(例えば、緑色)以外の他色(例えば、赤色)での点灯状態とし、カウンタ数がリセットされるまでは、仮に使用者が電源スイッチ部80を二回押操作して電気分解の実行を指示しても、制御回路部50は電極部30への通電を開始しない電解禁止状態とする制御を行う。
また、これに先立ち、制御回路部50は、カートリッジ使用カウンタ数の更新後の値が前記限界値より少ない所定値、例えば318回(1日3回使用として約2週間の使用で360回に達する場合、すなわち限界値の2週間前時点に相当)に達した場合に、カートリッジ状態表示部81の発光素子81bを、正常状態を示す所定色(例えば、緑色)の点灯状態からこの所定色での点滅状態に切替える制御を行い、カートリッジ16の交換時期に達したことを使用者に通知するようにしている。
これらにより、使用により添加能力が低下して寿命に達したカートリッジ16をそのまま使い続けることができないようにして、使用者にカートリッジ16を交換させることができ、添加能力が確保されたカートリッジ16を使用させて電解水の水質を維持できる。また、電気分解が行えなくなる前にカートリッジ状態表示部81の点滅表示でカートリッジ16が交換時期に達したことを使用者は知ることができるため、使用者のカートリッジ16交換を促して、電気分解が行えず電解水が得られない状況に使用者が陥ることを阻止できる。
なお、制御回路部50におけるカートリッジ使用カウンタ数は、制御回路部50が電源部60への充電を制御する充電状態で、使用者の電源スイッチ部80への所定時間(例えば、3秒)以上の長押し操作を検知するとリセットされるように設定される。リセットにあたり一旦充電状態とするなど、事前の準備作業を必要とすることで、使用者が容易にリセットできないようにし、使用者にカートリッジの交換を促している。リセット後は電気分解が可能となり、且つ新たな電気分解実行回数のカウントが一から開始する状態となる。
上述の電解水生成装置1の構成を前提として、水に食塩を添加し電気分解して生成する電解次亜水(電解水)の実施例についてさらに詳しく述べる。電解次亜水には、次亜塩素酸濃度やpH値など(以下濃度)につき、除菌や殺菌液として能力を発揮できる適切な値がある。この所定の適切な濃度は、時間の経過とともに減衰し、水温や紫外線量、本体構造や容積によってその時間が異なることが確認できている。この使用に適さない濃度となる時間、殺菌能力減衰時間(以下例えば48時間)をあらかじめ制御回路部50に記憶・設定しておき、制御回路部50に設けられる計時手段によってこれをカウントできるように構成されている。例えば、中空部19内に水と食塩を投入したうえで、電源スイッチ部80が押操作され電極部30に電圧が印加されれば所定時間(例えば3分間)電気分解が行われ電解次亜水が生成される。しかし、中空部19に蓄えられている電解次亜水は、生成後、48時間は殺菌能力を維持しており、殺菌能力を維持できている48時間に満たない時間に再び電源スイッチ部80が押操作され電気分解が許可されることは、まだ殺菌能力を有していることから、不必要なことであり、無駄に電力が消費されることにもなる。
そこで本実施例では、電極部30への電圧の印加を調整する調整手段が、制御回路部50と、計時手段とを含んで構成されている。計時手段が48時間をカウントしており、制御回路部50は、48時間の前に、再び電源スイッチ部80が押操作された場合、電極部30への電圧の印加を不許可とする構成としている。ただ、中空部19の容量からすると、生成後、その日のうちに使用される可能性が高く、再度、水と食塩を中空部19に投入して電源スイッチ部80を押操作して電気分解しようとしても、計時手段のカウントが継続しており電気分解が行われない状態となる。
このような不具合を解消するために、中空部19内の底面部13aあるいは底面部13aの壁部40に、液体検知センサを設け、液体(電解次亜水)の有無を検知できるようになっている。液体検知センサは、一対の電極から構成される。一対の電極には制御回路部50からパルス状に電流が流されており、液体があれば導通、無ければ非導通となって、それぞれの信号を制御回路部50で解析して液体の有無を検知できるように構成されている。
つまり、制御回路部50は、常時、液体検知センサからの信号をセンシングしており、電解次亜水生成後、48時間に満たない時間の間に液体が無いことを検知すれば、48時間のカウントをリセットする構成としている。これにより48時間という設定時間内に電解次亜水を使い切った場合では、中空部19に水と食塩を投入し、再度、電源スイッチ部80を押操作すれば新たに電気分解を行い、電解次亜水を生成することができる。このとき、電源スイッチ部80の押操作により新たに48時間の設定時間が設定され、計時がカウントされる。
また、上記した48時間の時間設定は、季節や室温によって変える必要がある。つまり中空部19内の水温によって設定時間を変える必要がある。水温が高ければ電解次亜水の濃度が低下する時間が早まり、殺菌能力が低下する時間が早まることから、これをひとつの要素として取入れれば、より正確な制御が可能となり、無駄な電力消費を防止できる。
具体的には、中空部19内に水温センサを設け、この水温センサの信号に基づき制御回路部50によって前記の48時間の設定時間を調整する。基準となる水温(例えば20~25℃範囲)よりも水温が高ければ例えば数時間設定時間を短くし、基準となる水温よりも低ければ例えば数時間設定時間を長くするといった制御を行う。
また、前記の48時間の時間設定は、窓際、暗室など使用する場所によっても変える必要がある。つまり、中空部19内に照射される紫外線の量によって設定時間を変える必要がある。紫外線量が多ければ電解次亜水の濃度が低下する時間が早まり、殺菌能力が低下する時間が早まることから、これをひとつの要素として取入れればより正確な制御が可能となり、無駄な電力消費を防止できる。
具体的には、本体部10の表面に紫外線センサを設け、この紫外線センサの信号に基づき制御回路部50によって前記の48時間の設定時間を調整する。基準となる紫外線量よりも紫外線が多ければ、例えば数時間設定時間を短くし、基準となる紫外線量よりも少なければ、例えば数時間設定時間を長くするといった制御を行う。これら水温と紫外線量を同時に計測して設定時間を導き出すこともできる。
前記殺菌能力減衰時間を設定し、調整する以外に電解次亜水の濃度を検知するセンサとして、ここでは、次亜塩素酸濃度の値を測定できる次亜塩素酸濃度センサとpH値を測定できるpHセンサとを併用したものを搭載することもできる。上述でも述べた通り、電解次亜水の濃度には、除菌や殺菌液として能力を発揮できる適切な値がある。この所定の適切な濃度は、時間の経過とともに減衰する。48時間程度で殺菌能力を発揮できなくなるが、使用する場所によっては、殺菌能力が低下する時間はまちまちである。濃度が薄くなっていると判断してスイッチを入れた場合、実際はまだ十分に殺菌能力がある濃度であるのに、無駄に電気分解して無駄な消費電力を使うことになる。
そこで、中空部19内に、中空部19内で生成された電解次亜水における殺菌能力に適する濃度(次亜塩素酸濃度やpH値)を測定できるセンサ(次亜塩素酸濃度センサやpHセンサ)を設け、使用に適さない基準となる濃度をあらかじめ制御回路部50に記憶・設定しておき、制御回路部50に送られてくるセンサからの信号を解析して、使用に適する濃度かそうでないかの判断を行う構成となっている。
例えば、中空部19内に水と食塩を投入したうえで、電源スイッチ部80が押操作され電極部30に電圧が印加されれば所定時間(例えば3分間)電気分解が行われ電解次亜水が生成される。しかし、中空部19に蓄えられている電解次亜水は、通常、生成後、48時間は殺菌能力を維持しており、殺菌能力を維持できている48時間に満たない時間に再びスイッチ操作され電気分解が許可されることは、まだ殺菌能力を有していることから、不必要なことであり、無駄に電力が消費されることにもなる。
そこで本実施例では、電極部30への電圧の印加を調整する調整手段が、制御回路部50と、電解次亜水の濃度を検知するセンサとを含んで構成されており、電解次亜水の濃度が所定濃度まで減衰していなければ、再び電源スイッチ部80が押操作されたとしても、電極部30への電圧の印加を不許可とする構成としている。上記技術思想は電解次亜水を生成する電解水生成装置の実施例以外でも飲用としてのアルカリ性電解水や洗顔用に肌を引き締める作用(アストリンゼント効果)がある酸性電解水を生成する電解水生成装置などにも適用することができる。もちろん上述の電解水生成装置1の構成に限定されるものではなく、後述の各実施形態の電解水生成装置にも適用できる。上記実施例に係る電解水生成装置1は以下のように表現できる。
電源スイッチが操作されると電極部に電圧が印加され電解水が生成される電解水生成装置であって、電極部への電圧の印加を調整する調整手段を備えており、前記調整手段は、電解水の生成完了後において、(所定時間内に、あるいは電解水濃度が所定の設定濃度を上回っていれば)再び電源スイッチが操作されたとき、電極部への電圧の印加を不許可とすることを特徴とする電解水生成装置。
上記構成であって、前記調整手段は、制御回路と、計時手段を含み、使用に適さない濃度となる時間が設定されており、前記計時手段が、前記使用に適さない濃度となる時間をカウントしており、前記制御回路は、前記使用に適さない濃度となる時間の前に、再び電源スイッチが操作された場合、電極部への電圧の印加を不許可とすることを特徴とする電解水生成装置。
上記構成であって、前記調整手段は、制御回路と、電解水の濃度を検知するセンサを含み、前記制御回路は、電解水の濃度が所定濃度まで減衰していなければ、再び電源スイッチが操作されたとしても、電極部への電圧の印加を不許可とすることを特徴とする電解水生成装置。
前記電源部60は、制御回路部50の制御下で電極部30やその他の作動部分に電力供給を行うものである。具体的には、この電源部60としては、例えばリチウムイオン電池等の、充電可能な二次電池が用いられる。
この電源部60は、本体部10における基部13上部の底面部13aと下部の底カバー13cとの間の空間部分で、且つ制御回路部50より下側の領域に配設される。なお、電源部60をなす電池を、基部13に対する底カバー13cの着脱で電源部60へのアクセスを可能とした上で、交換できるようにしても構わない。この場合、電源部60は充電できる二次電池に限られるものではなく、例えばアルカリ電池やマンガン電池等の一次電池とすることもできる。
次に、本実施形態に係る電解水生成装置1の使用状態について説明する。前提として、装置の周囲環境温度はあらかじめ設定された電解可能範囲に含まれる常温に近い状態にあり、電源部60はあらかじめ充電されて、使用者による電源スイッチ部80の操作を経て、電極部30への通電が可能な状態にあるものとする。ただし、操作前の制御回路部50の当初状態は、電源スイッチ部80に対する使用者の操作等の入力は検出可能な状態を維持しつつ、各発光素子や制御回路各部への電力供給を停止する低消費電力状態にあるものとする。また、電極部30の各電極31、32、33は析出物の付着や劣化等なく、通電で問題なく水の電気分解が可能であるものとする。さらに、制御回路部50での記録では、前記順方向通電状態での累積電解時間が短くなっており、順方向通電状態を当初設定として通電が行われるものとする。
まず、使用者は、本体部10における吐出部90を筒体部11から外し、中空部19を開放した状態で、水道水等の水を中空部19に適宜注水し、あらかじめ定められた水量となるまで水を入れる。水を入れたら、食塩を入れて吐出部90を筒体部11に取り付けて本体部10を一体化し、中空部19を本体部10の外部に対し水密状態で隔離する。
使用者が、本体部10に水を入れた後、電解水生成のために電源スイッチ部80を押操作すると、制御回路部50は、スイッチ80bの導通状態変化を受けて、二回目の操作を待つ待機状態に一旦移行し、電源スイッチ部80の発光素子を第一の所定色(例えば、白色)での点灯状態とする。
電源スイッチ部80の一回目の操作の後、あらかじめ設定された第一の所定時間(例えば、3秒)が経過する前に、使用者により電源スイッチ部80への二回目の押操作がなされると、制御回路部50は使用者による電解水生成の正式な指示操作と認定して、電極部30への通電を開始させると共に、電源スイッチ部80の発光素子を第二の所定色(例えば、青色)での点灯状態に切り替える。こうして、電極部30の各電極31、32、33への通電が行われ、本体部10の中空部19にある水の電気分解が進行する。
電源スイッチ部80の一回目の操作の後、前記第一の所定時間経過前に使用者による電源スイッチ部80への二回目の押操作がない場合、制御回路部50は一回目の操作は誤操作と見なして、次の操作を新たな一回目の操作として待つ状態に移行する。そして、前の操作から第二の所定時間(例えば、5秒)が経過する前に、使用者により電源スイッチ部80への新たな押操作がなされると、制御回路部50はあらためて使用者による電源スイッチ部80への二回目の押操作を待つこととなる。一方、前の操作から前記第二の所定時間が経過する前に、使用者による電源スイッチ部80への操作がない場合には、制御回路部50は低消費電力状態へ移行し、電源スイッチ部80の発光素子を消灯状態に切り替えて、使用者の電源スイッチ部80への一回目の押操作を待つ当初の状態に戻る。
電極部30への通電で水の電気分解が進行する状態では、順方向通電状態にあって陰極である中間の電極32の、陽極である内外の電極31、33と対向する表裏両面で、次亜塩素酸イオンが発生し、且つ気泡が電極31、33表面に沿って上昇する状態となる。
また、この電気分解の進行状態で、制御回路部50により発光部20の発光素子22も所定色(例えば、青色)での点灯状態とされており、発光部20から照射された光のうち、透光窓部21を経て水中を斜めに進んで壁部40に向かう光が、壁部40の内周側の表面で一又は複数回反射して、中空部19におけるこの壁部40の内側の空間部分の水中を上方へ進行していく。
こうして光が壁部40の内側の空間部分を進む間は、発光部20からの光が気泡等で進行を妨げられることはなく、光は壁部40の上端部より上側の領域に達する。
この壁部40の上側では、上昇して壁部40上部の開口部41から出た気泡が水中に拡散しており、こうした気泡を発光部20からの光が照らす状態となる。特に、使用者が中空部19を見ることができる本体部10側面の窓部11bでは、発光部20から進んだ光がこの窓部11bを経て外部に達する直前で、この窓部11bの内面寄りに位置する開口部41から出て、窓部11bの近傍で水中に拡散する気泡を照らす。この気泡を照らした光が最短距離でほとんど減衰せずに窓部11bに達し、窓部11bを経て本体部10の外に出て、使用者はこの光を見ることとなる。
使用者は窓部11bから明瞭に視認できるこの発光部20からの光に照らされた気泡の水中を拡散する様子から、電気分解による電解水の生成進行状態を確認可能となる。
この電極部30への通電により水の電気分解が進行する状態で、制御回路部50は、使用者による電気分解の中断指示に係る電源スイッチ部80への数秒間(例えば、2秒間)の長押しの操作がなされたか否かを判定し、長押しの操作がされた場合には、電極部30への通電を停止し、電気分解を終了する。
一方、こうした長押しの操作がされていない場合、制御回路部50は、電気分解を継続させ、その後、電気分解に係る電極部30への通電開始からの経過時間が、あらかじめ設定された一回の電解時間(例えば、3分間)の半分となる第三の所定時間(例えば、90秒)に達すると、電極部30への通電状態を、内外の電極31、33を陽極とし、中間の電極32を陰極とする当初の順方向通電状態から、内外の電極31、33を陰極とし、中間の電極32を陽極とする逆方向通電状態に切り替える。
これにより、逆方向通電状態となって、陰極となった内外の電極31、33の、陽極となった中間の電極32と対向する各面で、電極32の表面に次亜塩素酸イオンが発生し、且つ各気泡が電極31、33表面に沿って上昇する状態となるが、上昇した気泡が壁部40上部の開口部41のみから出る点は順方向通電状態の時と変わりなく、中空部19の水中への気泡の拡散と、この気泡の水中を拡散する様子を使用者が窓部11bから視認できる状態はそのまま維持される。
制御回路部50は、電極部30への通電状態を順方向通電状態から逆方向通電状態に切り替えた後、あらためて使用者による電気分解の中断指示に係る電源スイッチ部80への数秒間(例えば、2秒間)の長押しの操作がなされたか否かを判定する。ここで長押しの操作がされた場合には、電極部30への通電を停止し、電気分解を終了する。長押しの操作がされていない場合には、制御回路部50は、電気分解を継続させ、その後、電気分解に係る電極部30への通電開始からの経過時間が、あらかじめ設定された一回の電解時間(例えば、3分間)に達すると、電極部30への通電を停止し、電気分解を終了する。
電極部30への通電停止後、制御回路部50は、電源スイッチ部80の発光素子及び発光部20の発光素子22を点灯状態から消灯状態に切り替えると共に、先の電気分解における電極部30への順方向通電状態と逆方向通電状態の各継続時間に基づいて、各通電状態の累積電解時間を更新して記録する。また、制御回路部50は、カートリッジ使用カウンタ数を1回分増やして更新する。
続いて、制御回路部50は、このカートリッジ使用カウンタ数の更新後の値が、あらかじめ設定された限界値前の所定値(例えば、318回)に達したか否かを判定し、前記所定値に達している場合には、さらに、前記限界値(例えば、360回)に達したか否かを判定し、限界値に達した場合、制御回路部50は、カートリッジ状態表示部81の発光素子81bを、正常状態と異なる所定色(例えば、赤色)での点灯状態とすると共に、これ以降新たに使用者が電源スイッチ部80を二回押操作して電気分解の実行を指示しても、電極部30への通電を開始しない電解禁止状態に移行する。一方、限界値に達していない場合は、制御回路部50は、カートリッジ状態表示部81の発光素子81bを、カートリッジ16の正常状態を示す所定色(例えば、緑色)での点滅状態とすることで、カートリッジ16の交換時期に達したことを使用者に通知する。
この他、カートリッジ使用カウンタ数の更新後の値が、前記所定値にも達していない場合には、電気分解の正常終了として、制御回路部50は低消費電力状態へ移行し、一回の電気分解に係る処理は完了となる。
使用者は、電気分解終了を電源スイッチ部80の発光素子や発光部20の発光素子22の消灯により確認後、所望のタイミングで、吐出部90にて電解水を外部に吐出して使用する。
使用者は、カートリッジ状態表示部81の発光素子81bが、正常状態と異なる所定色での点灯状態や、正常状態を示す所定色での点滅状態にある場合には、本体部10におけるカートリッジ16を筒体部11から取り外し、新しいカートリッジ16と交換する。
カートリッジ16の交換後、使用者は本体部側面の接続端子部82を覆うカバー82aを外して、接続端子部82を露出させ、この接続端子部82に充電用装置側の端子部を接続する。電力供給可能な充電用装置を接続端子部82に接続すると、制御回路部50は、電源部60への充電を行う充電状態に移行すると共に、電源スイッチ部80の発光素子を充電状態を示す所定色(例えば、赤色)の点灯状態とする。
使用者は、充電状態への移行を電源スイッチ部80の発光素子の前記所定色での点灯状態から確認した後、カートリッジ使用カウンタ数をリセットするために、電源スイッチ部80に対し第四の所定時間(例えば、3秒)以上にわたる長押しの操作を行う。
制御回路部50は、この充電状態において、使用者によるカートリッジ使用カウンタ数のリセット指示に係る、電源スイッチ部80への第四の所定時間以上にわたる長押しの操作がなされた場合には、記録しているカートリッジ使用カウンタ数をリセットして0とする。この後、制御回路部50は、カートリッジ状態表示部81の発光素子81bを、正常状態を示す所定色での点灯状態に戻し、これ以降、使用者が新たに電源スイッチ部80を二回押操作して電気分解の実行を指示すると、電極部30への通電を開始して電気分解を行える当初状態に復帰する。そして、新たな電気分解が行われると、電気分解実行回数のカウントが一から開始する状態となる。
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る電解水生成装置2を前記図6ないし図9に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係る電解水生成装置2は、両端が閉塞された筒状の中空容器として形成され、中空部23に水を貯留可能な本体部12と、この本体部12における中空部23の下の底面部14aに配設され、中空部23に向けて光を照射可能とされる発光部20と、本体部12における底面部14aの上側に配設され、水に対し電圧を印加可能とする複数の電極34、35からなる電極部39と、この電極部39に設けられて発光部20から照射された光の一部を反射させる壁部43と、本体部12における底面部14aの下側に配設され、電極部39への通電状態を調整制御する制御回路部50と、この制御回路部50の制御下で電極部39への電力供給を行う電源部60と、中空部内の水を外部に吐出するための着脱可能な吐出部90と、吐出部90における中空部内の水を吸引するためのパイプ部91を備える構成である。
本実施形態に係る電解水生成装置2は、前記第1の実施形態に係る電解水生成装置1と共通する構成を有する一方、異なる点として、電極部39が略筒状ではなく平板形状に変更した構成とされるものである。本実施形態の電解水生成装置2における各部構成のうち、前記第1の実施形態における構成と共通するものについては、同一の符号を付し、図示も共通化して、新たな図示は異なる構成部分のみとする。
前記本体部12は、内部に水を所定量貯留可能な中空容器として形成されるものであり、詳細には、先細り状の中空円筒状に形成される筒体部18と、この筒体部18の一方の開口部を閉塞する状態で筒体部18に着脱可能に取り付けられる吐出部90と、電解槽の底となる底面部14aを有して筒体部18の他方の開口部を閉塞する状態で筒体部18に一体に取り付けられる基部14とを備える構成である。
前記筒体部18の両端の開口部を吐出部90と基部14とで閉塞することで、内部に閉じた中空部23が生じており、本体部12は電解槽としてこの中空部23に水を貯留し、この水に対し電気分解が行われることとなる。
この本体部12のうち、中空部23は透明材質である。すなわち、本実施形態における本体部12は、前記第1の実施形態における本体部とは異なり、本体部12における筒体部18の側面に透明材質製の窓部を設けない構成としている。筒体部18における窓部以外の構成については、前記第1の実施形態における筒体部18と同様のものであり、詳細な説明を省略する
前記吐出部90は、筒体部18に対し螺合等により水密状態を維持しつつ着脱可能に取り付けられて、必要に応じて取り外せる構成である。この吐出部90を筒体部18から取り外して開放された筒体部11の一方の開口部は、中空部23に水や電気分解補助剤または電解次亜水を生成するための食塩等を投入可能な投入口として用いることができる。吐出部90は、前記第1の実施形態における吐出部90と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記基部14は、大きさの異なる二つの有底筒体を一体に組み合わせて上部と下部で大きさを異ならせた筒状体とされ、一方の底が電解槽の底をなす底面部14aとされ、この底面部14aから起立する小さい方の筒体部分を筒体部18の他端部に螺合連結させることで筒体部18と一体化される構成である。この基部14は、電極部39、壁部43、制御回路部50及び電源部60を取り付けられてなり、吐出部90と共に筒体部18と一体に組み合わされて本体部12をなし、本体部12内に水密状態の中空部23を生じさせるものである。
本実施形態における基部14は、前記第1の実施形態における基部における電極部と壁部の形状が異なっていることがあるが、それ以外の構成については、基部における底面部14aの中央の発光部20、基部側面の電源スイッチ部80、及び接続端子部82も含めて、前記第1の実施形態における基部14と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記電極部39は、本体部12の基部14における底面部14aの上側で、且つ発光部20の周囲に、正方形状に起立状態で取り囲むように配設されたものである。電極部39は中空部23に入れた水に対し電圧を印加可能とする金属性の薄板の電極34、35からなるものである。この電極部39は、発光部20の側方に位置して、発光部20からの光の中空部23上方への進行を妨げない配置とされる。電極部39には電極34、35を上から覆っている壁部43がある。吐出部90を取付けた際は、パイプ部91のピース部93を有する吸込み口92は正方形状に配設された電極部39の中央に位置決めされる。電極部39は正方形状に立設するものだけではなく、他の多角形状としても良い。電極部はパイプ部91のピース部93を有する吸込み口92を位置決めし易いように中央によっても良い。また、電極部39は中空部23の内壁に沿った配置にしても構わない。このように中空部23内の内壁に沿って可能な限り、最大径とすることで電極面積を大きくし、電極34、35の極間の距離を小さくすることで電気分解の効率を高めることができる。また、電極部39及び壁部43は必ずしも複数の分割体が隙間を空けて配置する必要はなく、連続した一つである構成として配設しても構わない。
これら電極34、35の構成は薄板部分と共に、これと一体化された略棒状の接続導体を有しており、この接続導体が下方に延出して本体部12における基部14の底面部14aを貫通した配設状態とされる構成である。
これら電極34、35の陽極と陰極の極性切替についての制御や、電気分解により電極34、35に発生する成分に関しては前記第1の実施形態と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記壁部43は、大きさの異なる二つの筒体を重なるように一体に組み合わせて中間に電極部39を収容する隙間を生じさせた形状とされ、本体部12における基部14の底面部14a上側に上向きに突出する状態で配設される構成である。この壁部43は、壁部43をなす内外の間に電極部39を挟むような配置として電極部39近傍に配設される。吐出部90を取付けた際、壁部43は吐出部90のパイプ部91と吸込み口92が電極部39に当接して傷つくことを防止する。
この壁部43も、電極部39と同様に、発光部20の側方に位置して、発光部20からの光の中空部23上方への進行を妨げない配置とされており、発光部20からの光が水中を中空部23上方へ直進するのを許容する一方、発光部20から壁部43に向かって斜めに進む光については、壁部43の内側の表面で一又は複数回反射させて、中空部23の水中を上方へ進行させることとなる。また、各壁部43の隙間からも発光部20からの光が視認可能である。
壁部43の内壁43aの表面は、発光部20からの光が表面に当たって反射する際に拡散反射(乱反射)を生じさせにくい滑らかな面となっている。さらには、パイプ部91が当接しても滑りやすく所定の位置に誘導することが容易となる効果がある。
そして、壁部43はその表面が明度の高い色である材質製、例えば、白色やそれに近い色のプラスチック製とされており、表面における発光部20からの光の吸収を少なくし、光の反射する度合いを大きくしている。なお、必要に応じて、内壁43aの表面に水を電極に行き渡らせるための開口部を設けても構わない。
壁部43の上部は、その上端部の高さを電極部39の上端部の高さよりわずかに大きくされると共に、電極部39の上側に達して電極部39を上から覆う形状として形成される構成である。そして、壁部43上部の電極部39を上から覆う部分には、吸込み口92を有するパイプ部91を所定方向に案内するガイド面43bとガイド機能を損なわない程度に電極部39が発生させた気泡を上向きに通過させる円孔状の開口部44を複数設けられてなる構成である。
電極部39の隙間の寸法はパイプ部91の先端のピース部93の寸法により決定するのが良い。電極部39の隙間の寸法はピース部93が引っかからない程度に小さくしている。
図9に示すように、壁部43の内壁43aの上端部のガイド面43bは、吐出部90を取付けた際に挿入する吐出部90のパイプ部91やパイプ部91の先端のピース部93が壁部43の上端部に当接した際に所定方向に誘導するものである。ガイド面43bの形状はR面やC面取り等の形状がある。
壁部43の上端部の開口部44の円孔の寸法は、パイプ部91のピース部93の寸法Aによって選定するのが良い。ピース部93の寸法を開口部44の円孔の寸法より大きくすることでピース部93が開口部44に引っかかって所定の位置に誘導されないことを防止する。
このように、本実施形態に係る電解水生成装置2は、電極34、35を平板にすることで材料費と加工費のコスト削減と、中央に正方形状に配置することでパイプ部91の先端のピース部93を有する吸込み口92を位置決めする効果がある。
(本発明の第3の実施形態)
本実施形態に係る電解水生成装置3は、第1の実施形態及び第2の実施形態において生成された電解水が吸込み口から吸い込まれ、外部に吐出して様々な用途で使用される例を記載する。例えば、図10に示すように除菌及び殺菌水として広範囲に大容量で吐出する場合は吐出部90のパイプ部91がホース形状にて本体部の外部に伸びて噴霧ノズルとなり吐出することができる。その他、電解水を飲用として使用する飲用ディスペンサーやウォーターサーバーなどや、空間除菌に電解水を使用する加湿器や空気清浄機などでも同様の構成として応用することができる。
(本発明の第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る電解水生成装置4を前記図11ないし図15に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係る電解水生成装置4は、両端が閉塞された筒状の中空容器として形成され、水を貯留可能な本体部100と、この本体部100に着脱可能に取り付けられて本体部100の開口部100aを閉館する蓋体120と、本体部100の内部の底面部112から起立する壁部165と、壁部165の底部近傍部分を挟んで、水に対し電圧を印加可能として配設される二つの電極161、162とからなる電極部160と、これら各電極161、162と電気的に接続され、本体部100の底部に配設される受電部150、151と、本体部100を載置可能な台状に形成されて本体部100の受電部150、151に電力供給可能とされる電源部171とを備える構成である。
本実施形態に係る電解水生成装置4は、前記第1及び第2の実施形態に係る電解水生成装置1及び2と共通する構成を有する一方、異なる点として、極性の異なる電極が隔膜にて隔てられており、アルカリ性電解水と酸性電解水がそれぞれ生成される構成とされるものである。
前記本体部100は、有底筒状に形成され、内部に底部から起立する所定高さの壁部165を有し、この内部に水を入れる構成である。
この本体部100は上部を中の水が視認可能な透明材質で形成され、底部を含む下部を不透明材質で形成される。そして、本体部100の開口部100aを取り囲む上端縁の一部は側方に凸状に突出拡張されて注ぎ口100bとされる。この本体部100の側面には、本体部100を手で持ちやすくするための凹部100dを設けている。
また、本体部100は、内部への水の注水量の目安としての、周囲部分と区別可能に凸状に形成される水量指示部100cを側面に有すると共に、この水量指示部100c位置より下側に壁部165の上端が位置する形状として形成される。これにより、本体部100は、水量指示部100c位置までの水を注入することで、壁部165で隔てられるアルカリ性電解水の生成領域と酸性電解水の生成領域のいずれにも水を導入可能とされる。
本体部100の底部は、容器本体自体の底面部112の下側にさらに底カバー112cが配設された二重底構造とされる構成である。本体部100と一体の底14の下側は底カバー112cで覆われており、底面部112と底カバー112cとの間に受電部配置用の空間が設けられる。
前記壁部165は、大きさの異なる複数の筒を一体に組み合わせて上部と下部で大きさを異ならせた円形断面の筒状体とされ、上部断面形状より下部断面形状を大きくして本体部100の略中央に配設される構成である。壁部165の筒形状は本体部100側面部の材質の違いに対応して、本体部100の透明材質部分の範囲に壁部165上部の小さい筒状部分が位置し、本体部100の不透明材質部分の範囲に壁部165下部の大きい筒状部分が位置することとなる。この壁部165に対し、壁部165の下部筒状部分を内外から挟むように二つの電極161、162が配設される。
そして、壁部165下部の二つの電極部161、162に挟まれた複数の所定領域が、イオンを透過させる一方で水を通さない隔膜110で形成される構成である。言い替えると、隔膜110が、容器本体内部における電極161、162に挟まれる仮想円筒面上に所定間隔で複数配置されて壁部165の一部をなす。
壁部165下部におけるこれら各隔膜110配置部分に挟まれた中間部分には、壁部165の筒内側と筒外側にそれぞれ盛り上がって突出状態とされるリブ部111が形成される。このリブ部111が存在することで、各電極161、162と隔膜110との間に隙間を確実に生じさせることができ、各電極161、162と隔膜110との間に水を適切に流通させて、効率よく電気分解を進行させられる。また、壁部165は、その下部から上部へ筒形状が変化する中間の遷移部分を、下から上に徐々に大きさを小さくしていく錐面状とされる構成である。
前記蓋体120は、本体部100に着脱可能に取り付けられて本体部100の開口部を閉塞するものである。
この蓋体120は、中央部の下面側に下方へ突出する筒状の突出部123を形成されてなり、本体部100への取り付け状態で本体部100内部に突出する突出部123が、壁部165と連続する配置となり、壁部165と共に本体100内部を内外二つに仕切って、互いに隔離された外側のアルカリ性電解水貯水部140と内側の酸性電解水を貯水する中空部141とを生じさせる構成である。
詳細には、蓋体120の突出部123は、本体部100内の壁部165における上部筒状部分と略同じ大きさとされて下方に突出し、蓋体120の本体部100への取り付け状態で突出部123先端部を壁部165の筒上端開口部に嵌合させる構成である。この突出部123先端部と壁部165との嵌合で、突出部123と壁部165が上下連続状態の筒状仕切りとなり、筒内側の酸性電解水を貯水する中空部141が筒外側のアルカリ性電解水貯水部140から隔離される。
また、蓋体120は、本体部100への取り付け状態で本体部100の開口部を閉塞し、本体部100内部を外部から隔離するものであるが、この蓋体120のうち、本体部100の注ぎ口100b上側部分は、開閉可能な注ぎ口蓋100eとされる構成である。本体部100の注ぎ口100bは、水量指示部100cより上で一方の面が外部に面し且つ他方の面がアルカリ性電解水貯水部140に面しており、蓋体の注ぎ口蓋100eを開放状態として本体部100を十分に傾けると、この注ぎ口100bからアルカリ性電解水貯水部140の水を外部に取り出すことができる。
この他、本体部100の注ぎ口100bに代えて、蓋体120の本体部100の上端縁部分に隣接して、上面が外部に面し且つ下面がアルカリ性電解水貯水部140に面する所定箇所に、アルカリ性電解水貯水部140の水を外部に取り出し可能となる注ぎ口を設けるようにすることもできる。取り出したアルカリ性電解水は飲用や料理などに使用することができる。
さらに、蓋体120中央部における突出部123の上方にあたる部分は、下面側が酸性電解水を貯水する中空部141に面する一方、上面側は外部に面しているが、この部分には外部に酸性電解水を吐出可能にする着脱可能な吐出部190を配設する。取り出した酸性電解水は除菌・殺菌水の用途や、肌を引き締める作用(アストリンゼント効果)がある洗顔水などに使用することができる。この吐出部190を取り外して開放された開口部分は、酸性電解水を貯水する中空部141に電気分解補助剤を投入可能な投入口とされる。
前記吐出部190は、酸性電解水を貯水する中空部141内の水を吸引するためのパイプ部191と、パイプ部191の先端にピース部193を備える構成である。パイプ部191は蓋体120の突出部123の径の内側に配設され、パイプ部191は突出部123より長くて細い。突出部123の先端部が壁部165の筒上端開口部に嵌合することでパイプ部191の先端のピース部193が壁部165の下部の電極近傍に達することができる。
壁部165の筒上端開口部には吐出部123の先端部と嵌合させる際にパイプ部191の先端のピース部193が壁部165の筒上端開口部に当接した際に、壁部165の開口部に誘導するようにガイド面165bを備えている構成である。ガイド面165bはR面やC面取り等の形状がある。
前記電極161、162は、金属製の薄板を湾曲させた略円筒形状とされて、容器本体100の壁部165における底部寄りの下部筒状部分を挟んで、すなわち、壁部165下部の内外に、それぞれ壁部165に沿って配設される構成である。そして、壁部165内側の電極162は、壁部165の前記錐面状部分の下方に配置される。本実施形態においては、電極162の内側は露出した形態ではあるが、必要に応じて壁部165が電極162の内側も覆う構造としても良い。さらに、追加した内側の壁部165には必要に応じて、電極161、162に水を行き渡らせるための開口部を設けても良い。
これら電極161、162は、略筒状配置の薄板部分と共に、これと一体化された略棒状の接続導体161a、162aを有しており、この接続導体161a、162aが下方に延出して本体部100の底面部112を貫通した配設状態とされる構成である。また、電極161、162は、上下端部近傍の複数箇所に、水を通す貫通孔35b、36bを穿設される。
この他、壁部165の外側に位置する電極161の外側には、電極161を保護しつつ、この電極部161を壁部165の隔膜110配置部分近傍から離れないよう保持するカバー130が設けられる。
これら電極161、162については、壁部165の外側に位置する電極161が陰極とされ、壁部165の内側に位置する電極162が陽極とされる。これにより、本体部100内部のうち、電極部162のある、本体部100の壁部165及び蓋体120の突出部123に囲まれた内側領域が酸性電解水を貯水する中空部141とされ、且つ、電極部161のある、壁部165及び突出部123の外側領域がアルカリ性電解水貯水部140とされる。
なお、電極部160は、金属製薄板を湾曲させた単純な筒状曲面形状として形成される構成に限らず、表面積を増やすように細かく蛇腹状に折り曲げた断面形状を有するものとすることもできる。
前記受電部150、151は、電極161、162とそれぞれ電気的に接続されて、容器本体10の底部に配設されるものであり、より詳細には、本体部100の底面部112に取り付けられる金属製の端子板である。この受電部150、151としての端子板が、本体部100の底面部112を貫通した電極161、162の接続導体161a、162aと接して電気的に接続されており、この端子板の一部が、本体部100の底面部112を覆う底カバー112cに設けられた開口から外部に露出して、本体部100の電源部171への載置状態で、電源部171側の端子部152、153と接触可能とされる構成である。
なお、受電部150、151は、こうした直接接触型の金属端子構造に限られるものではなく、非接触給電方式で電力供給を受けるコイル等の素子と周辺回路を組み合わせた電子部品とすることもできる。
前記電源部171は、本体部100を載置可能な台状に形成され、本体部100の載置状態で本体100底部の受電部150、151に電力を供給すると共にこの電力供給の可否や供給度合い等の制御を実行可能とされる構成である。
より詳細には、この電源部171は、電源の入切や電解水生成のための通電開始等を指示する複数のスイッチを有して使用者の操作入力を受付ける操作部172と、操作に基づいて通電を制御する制御回路部と、本体部100側の受電部150、151と接触して電気的に接続する端子部152、153とを備える構成である。
また、電源部171には、本体部100を正しい向きで載置して本体部100底部の受電部150、151と電源部171上面の端子部152、153とを確実に接触状態にするための位置合せ用の突起155が設けられており、この電源部171の突起155と本体部100底部に設けられた突起107が揃うように本体部100を電源部171に載置すると、本体部100を容易にその受電部150、151が端子部152、153に接触する正しい配置状態にできる仕組みである。
前記制御回路部は、使用者による操作部172への操作入力に基づいて、あらかじめ設定された通電状態となるように、端子部152、153を介して本体部100側へ供給される電力を調整制御して、本体部100の各電極161、162への通電で適切に電解水を生成可能とするものである。
この制御回路部は、電源部171内部の所定のスペースに配設され、電源部171表面の操作部172や端子部152、153と電気的に接続されると共に、外部の電源アダプタを着脱可能に接続されて、必要な電力の供給を受ける構成である。外部の電源アダプタはUSBに接続するタイプでも構わない。
また、制御回路部は、電極161、162に通電して電気分解を行うごとに、通電開始からの時間を計測取得して、電解水のイオン濃度等の性質が目標の状態に至ったと見込める所定経過時間に達すると通電を確実に停止できるようにすると共に、通電時間の積算や電気分解実行回数のカウント等を行って、各電極161、162を洗浄や再生処理する時期に達したことや、電極161、162の使用限界時間に達したことなどを判別し、LED表示等を併用して使用者に通知可能としている。
なお、この電解水生成装置4における本体部100や各電極161、162、隔膜110などの、水の電気分解によりアルカリ性電解水及び酸性電解水を生成する仕組み自体については、アルカリイオン水整水器など、公知の貯槽式電解水生成器と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
次に、本実施形態に係る電解水生成装置4の使用状態について説明する。前提として、電源部171があらかじめ電源アダプタと接続されており、本体部100を電源部171に載置して操作部172で所定の操作を行うと電極161、162への通電が可能な状態にあるものとする。また、電極161、162は析出物の付着や劣化等なく、通電で問題なく水の電気分解が可能であるものとする。
まず、使用者は、本体部100から蓋体120を外した状態で、浄水等の水を本体部100に適宜注水し、水量指示部100c位置まで水を入れる。水を入れたら、蓋体120を本体部100に取り付けて、本体部100の開口部100aを閉塞する。
なお、この水を入れた本体部100を、電気分解に先立って、公知の冷水筒のように冷蔵庫に入れて冷やすようにしてもよく、嵩張らない本体部100を無理なく冷蔵庫に収容して容器内の水を冷やすことができ、水が十分冷えた後に冷蔵庫から取り出した本体部100を用いて、そのまま電解水を生成すると、水の入れ替え等の手間も無く、冷えた水からそのまま冷たさを維持したアルカリ性電解水とすることができ、夏場におけるアルカリ性電解水飲用の際に、冷えて飲みやすい電解水をその電解水としての性質を損なうことなく得られることとなる。
このように、取り出されたアルカリ性電解水は飲用や料理水に、酸性電解水は除菌・殺菌水や肌を引き締める作用(アストリンゼント効果)がある洗顔水などに使用することができるなど、それぞれ生成された電解水を捨てずに活用できる電解水生成装置4である。
第1から3の実施形態は水を貯留可能な中空部と制御回路部と電源部が一体となった構成となっていた。第4の実施形態のように水を貯留可能な中空部と制御回路部及び電源部とを分離可能な別体にする構成でも構わない。別体にすることで中空部を小型、軽量化することができ、取扱い性や携帯性に優れる。
1、2、3、4 電解水生成装置
10、12、100 本体部
11、18 筒体部
11b 窓部
13、14 基部
13a、14a、112 底面部
13c、14c、112c 底カバー
16 カートリッジ
17 添加物
19、23、141 中空部
20 発光部
21 透光窓部
22 発光素子
30、39、160 電極部
31、32、33、34、35 電極
161、162 電極
161a、162a 接続導体
161b、162b 貫通孔
40、43、165 壁部
40a、43a 内壁
41、44 開口部
40b、43b、165b ガイド面
50 制御回路部
60、171 電源部
172 操作部
80 電源スイッチ部
80a ボタン部
80b スイッチ
81 カートリッジ状態表示部
81a 透光窓部
81b 発光素子
82 接続端子部
82a カバー
90、190 吐出部
90a、190a トリガー
91、191 パイプ部
92、192 吸込み口
93、193 ピース部
110 隔膜
111 リブ部
120 蓋体
121 注ぎ口蓋
123 突出部
130 カバー
140 アルカリ性電解水貯水部
150、151 受電部
152、153 端子部
155 突起
100a 開口部
100b 注ぎ口
100c 水量指示部
100d 凹部
107 突起

Claims (1)

  1. 水を電気分解して電解水を得る電解水生成装置において、
    水を貯留可能な中空部を有する本体部と、
    前記中空部に配設され、水に対して電圧を印加可能とする複数の電極板からなる電極部と、
    前記電極部への電力供給を行う電源部と、
    前記中空部内の水を外部に吐出するための吸込み口を有するパイプ部と、
    前記本体部の底面部上で前記電極部の少なくとも内側に沿って連続して立設される略筒状体の壁部とを備え、
    前記電極部が、前記中空部の内壁に寄せて、かつ中空部の内壁に沿った起立状態として配置されており、
    前記壁部の高さは前記電極部の高さよりわずかに大きくされると共に、電極部の上側に達して電極部を上から覆う形状とし、上から覆う部分には、前記パイプ部を壁部の内側に案内するガイド面を備えていることを特徴とする電解水生成装置。
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