JP2020063460A - 携帯用電解水噴霧器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハンドバッグ等に収容して持ち歩く携帯用として小型の電解装置を提供する。【解決手段】タンク部と、前記タンク部に塩化物イオンを供給する塩化物供給手段と、前記タンク部から流入した水を電気分解する少なくとも第1の電極と第2の電極で構成された電解部と、前記電解部に電力を供給する電源部と、第1の電極と第2の電極への電力供給を制御する制御部と、前記電解部で電解された水を噴霧する噴霧部を備える構成とすることで、都度食塩水を水溶液タンクに入れる手間を省くことが可能となる。よって、外出時に塩や食塩水を持ち運ぶ必要がなく、除菌や消臭性能に優れた水を手軽に生成することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、水を電気分解して活性物質を生成する電解装置に関し、特に、外出時に持ち歩き、任意の部位に電解水を噴霧して、その部位を除菌消臭することに適する携帯用電解水噴霧器に関する。
病院、人が出入りする施設、あるいは、家庭内で手指等を除菌する機器として、容器に収容した塩素化合物の溶液を電気分解し、次亜塩素酸水を生成して、容器のスプレー部から噴霧する次亜塩素酸生成噴霧器が知られている(特許文献1参照)。
図5は、特許文献1の次亜塩素酸生成噴霧器の平面図である。
特許文献1の次亜塩素酸生成噴霧器は、多量の塩素化合物の溶液を容器に収容し、容器の上端にトリガスプレーを着脱自在に取り付け、0.1ml〜1mlの塩素化合物の溶液を容器内から汲み上げてノズルから噴霧されるものである。
また、他の機器として、図6に示す電解水噴霧器が知られている(特許文献2参照)。図6に示す電解水噴霧器は、外観を円筒状に形成して、中間部に上面開口の筒状水タンク部12、下部に電源部13、上部に噴霧部14を配置している。水タンク部12内には、筒状の電解部15が水タンク部12の軸方向に配置されている。電解部15は、内部に電極16を配置し、下部から流入する水タンク部12の水を電解してオゾン水を生成する。生成されたオゾン水は、噴霧部14先端のノズルから噴霧して、除菌する構成となっている。
また、他の機器として、図7に示す電解水噴霧器が知られている(特許文献3参照)。図7に示す電解水噴霧器は、電極26によって電解溶液を電解して電解水を生成する電解槽25と、電解槽25において生成された電解水を手動で噴霧する手動スプレーポンプ(噴霧機構)23と、電極26に通電する電源(バッテリ)を容器22内に収容してなる電解水生成噴霧装置21において、電解溶液を貯留するタンク24と電解槽25を容器22内に各々独立に設け、タンク24の下方に電解槽25を配置するとともに、タンク24と電解槽25とを連通路27によって連通させる。
しかしながら、特許文献1の次亜塩素酸生成噴霧器は、病院、施設、あるいは、家庭の棚等に設置して使用するものであり、図示された全体形態からして大きく、携帯用としては不向きである。また、次亜塩素酸を生成するために必要な塩素化合物の溶液は、使用者が水と塩素化合物を混合して所定の濃度に調整し、容器に入れる必要がある。
特許文献2の電解水噴霧器は、オゾン水を噴霧し、除菌するものである。オゾン水は、酸化力が高く、即効性があるため、手や便座、テーブルなどの除菌を短時間で行え、加齢
臭、カビ臭などの消臭には適している。
臭、カビ臭などの消臭には適している。
しかしながら、オゾン水は、酸化持続性がない。衣類などのファブリック製品に対する除菌の場合、布にオゾンが消費されてしまうため、衣類の除菌や消臭性能の確保が困難であるという課題がある。
また、特許文献3の電解水噴霧装置は、特許文献1同様に図示された全体形態からして大きく、携帯用としては不向きである。さらに、電解水を噴霧装置に入れ替える作業が煩雑、かつ面倒である点は改善されたものの、未だ被電解水であるNaCl電解溶液は、使用者が水とNaClを混合させて使用するなど手間がかかっていた。また、NaCl容積濃度がばらつくと、生成される次亜塩素酸濃度(遊離塩素濃度)のばらつき原因となり、安定した除菌性能を得ることが困難となっていた。
本発明は、手やテーブル、便座など任意の部位を除菌するとともに、衣類などのファブリック製品や靴などの除菌消臭を行なえる携帯用電解水噴霧器を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の携帯用電解水噴霧器は、水溶液を貯蔵するタンク部と、前記タンク部に塩化物イオンを供給する塩化物供給手段と、前記タンク部から流入した水を電気分解する少なくとも第1の電極と第2の電極で構成された電解部と、前記電解部に電力を供給する電源部と、前記電源部の電力供給を制御する制御部と、前記電解部で電解された水溶液を噴霧する噴霧部を備えたものである。
本発明によれば、外出時にハンドバッグ等に収容して持ち歩くことが可能な小型化設計と、手やテーブル、便座など任意の部位を除菌するだけでなく、衣類などのファブリック製品や靴などの除菌消臭、さらには、菌の増殖予防による抗菌消臭なども安定した性能を保有可能な電携帯用電解水噴霧器を提供できる。
本発明によれば、外出時にハンドバッグ等に収容して持ち歩くことが可能な小型化設計と、手やテーブル、便座など任意の部位を除菌するだけでなく、衣類などのファブリック製品や靴などの除菌消臭、さらには、菌の増殖予防による抗菌消臭も実現可能な電携帯用電解水噴霧器を提供できる。
第1の発明は、水溶液を貯蔵するタンク部と、前記タンク部に塩化物イオンを供給する塩化物供給手段と、前記タンク部から流入した水を電気分解する少なくとも第1の電極と第2の電極で構成された電解部と、前記電解部に電力を供給する電源部と、前記電源部の電力供給を制御する制御部と、前記電解部で電解された水を噴霧する噴霧部を備える構成
としたものである。
としたものである。
これにより、タンク部に投入するNaCl水溶液などの塩化物イオンを含む水溶液を手軽に作ることができるため、外出時にClイオンを含む溶液や固体を持ち運ぶ必要がなく手間を省くことができる。
第2の発明は、塩化物供給手段は、塩化物水溶液を貯蔵する塩化物貯蔵タンクと、前記タンク部内の水溶液を所定の塩化物イオン濃度になるよう前記塩化物水溶液を前記タンク部に所定量添加するポンプとで構成したものである。
これにより、手軽にタンク部内に塩化物イオンを供給することができるとともに、タンク部内の塩化物イオン濃度のばらつきを抑制することができるため、電解部で生成される活性主濃度、例えば次亜塩素酸濃度(遊離塩素濃度)のばらつきを抑制し、安定した除菌・消臭性能を得ることが可能となる。
第3の発明は、塩化物供給手段は、塩化物水溶液を貯蔵する点眼容器で構成したものである。
これにより、ポンプを使用することなく簡単かつ小型な構成で塩化物イオンをタンク部に供給することが可能となる。
第4の発明は、点眼容器を取り外し可能な構成とし、タンク部に手動で塩化物水溶液を添加する構成としたものである。
これにより、より小型な構成で塩化物イオンをタンク部に供給することが可能となるとともに、取り外し可能な構成のため点眼容器の清掃性も向上することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る携帯用電解水噴霧器の内部構成を示す断面図である。図2は、同電解部の構成を示す断面図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る携帯用電解水噴霧器の内部構成を示す断面図である。図2は、同電解部の構成を示す断面図である。
図1において、本実施の形態では、電解装置1は、外観形状が筒状、あるいは四角形に形成されている。電解装置1の断面形状は、円筒形、楕円形、多角形等の任意の形状を選択できる。
電解装置1は、水溶液を貯蔵するタンク部2と、タンク部2に隣接し、タンク部2に塩化物イオンを供給する塩化物供給手段8を設けている。タンク部2の下部には、制御部7を設けている。制御部7は、電源部3からの供給電力を所定の電流や電圧に制御し、タンク部2内に設けた電解部5に印加し、電解水を生成する。タンク部2の上部には、プッシュ式の噴霧部4を配置し、電気分解で生成した電解水を噴霧する。
本実施の形態では、電解装置1の外観形状は、タンク部2と電源部3の外観が、略同じ四角形に形成している。
図1に示すように、タンク部2の中央部には、筒状の電解部5がタンク部2の軸方向に配置されている。電解部5は、タンク部2の水が下部の流入孔から流入し、上面開口からプッシュ式の噴霧部4へ流出する。このため、電解装置1は、噴霧部4を上にした垂直状
態において、電解部5とタンク部2の水位が同レベルとなる構成である。
態において、電解部5とタンク部2の水位が同レベルとなる構成である。
さらに、タンク部2に隣接する塩化物供給手段8は、高濃度の塩化物イオンを含む水溶液を貯蔵する塩化物貯蔵タンク8aと、塩化物イオンを含む水溶液をタンク部2に供給するポンプ8bで構成される。ポンプ8bは、ポンプ電源9が使用者によってONされたことを検知すると、タンク部2内の水溶液が所定濃度の塩化物イオンになるように、塩化物貯蔵タンク8a内の水溶液をタンク部2内へ供給する。
使用方法としては、使用者がタンク部2に所定量の水を入れ、ポンプ電源9を入れると動作し、塩化物貯蔵タンク8a内の水溶液を所定量供給する構成となっている。
本実施の形態において、塩化物貯蔵タンク8aには、塩化物イオンを含む水溶液として生理食塩水を貯蔵している。
電解部5は、塩化物貯蔵タンク8a内部の水に浸るように、電解水を生成するための電解水生成用の電極6が収容されている。
図2に、電解部5の構成を示す。
電解水生成用の電極6は、第1の電極6Aと第2の電極6Bから構成される。本実施の形態において、第1の電極6Aは、次亜塩素酸を発生する白金イリジウム系もしくは白金ロジウム系の電極を用い、第2の電極6Bは、耐食性に優れるTi基板を用いている。
電解部5は、筒状体5P内に、第1の電極6Aと第2の電極6Bが所定間隔で収容された構成であり、第1の電極6Aと第2の電極6Bとの間が水の流通路となる電解室5Sを構成している。第1の電極6Aと第2の電極6B間の電解室5S以外の部分に水が存在すると、水は、オゾンや塩素物質を含んでいない水となり、水がプッシュ式の噴霧部4から噴霧されると、除菌効果が損なわれる。電解室5S以外の部分に水が存在するのを防止するために、電解部5は、第1の電極6Aと第2の電極6B間以外の部分を水が流れないようにシール構成としている。
電極6は、第1の電極6Aと第2の電極6Bが電解装置1の軸方向、即ち、タンク部2タンク部2の軸方向に平行に収容される。電極6は、2枚乃至5枚の第1の電極6Aと第2の電極6Bで構成される。1枚の第1の電極6Aと1枚の第2の電極6Bの一対で構成することもできる。
本実施の形態では、電解水を効果的に生成するために、電極6の好ましい形態として、1枚の第1の電極6Aの両側に第2の電極6Bを所定間隔で配置する構成としている。
本実施の形態において、第1の電極6Aの両側に第2の電極6Bを配置し、第1の電極6Aと第2の電極6Bは、絶縁材のスペーサ5Bにより第1、第2の電極6A、6B間に略均一な所定間隔(0.1mm〜1mm)を存して対向配置して構成される。第2の電極6Bの電気分解に作用しない非対向面は、絶縁材からなる筒状体5Pで覆われている。筒状体5Pは、合成樹脂製の熱収縮チューブで構成しており、加熱により熱収縮チューブを収縮させることによって、熱収縮チューブが第2の電極6Bの周囲に密着し、筒状体5Pが形成される。
これによって、第1の電極6Aと第2の電極6Bとの間に、水の流通路となる電解室5Sが形成される。電解室5Sに存在する水を電気分解して、次亜塩素酸を含む水を発生させ、各々の電解水を効果的に生成することができる。
なお、制御部7は、電源部3から第1の電極6Aおよび第2の電極6Bへの電力供給を噴霧部4の作動時のみ行うよう制御する。これにより、噴霧される次亜塩素酸水の濃度が動作時間で変動することなく、安定して生成することが可能となる。
また、制御部7は、使用者が噴霧部4を動作させたことを噴霧部4内に設置した静電容量センサや導電スイッチなどで検知し、電解部5内の第1の電極6Aおよび第2の電極6Bへの電力供給を所定時間供給するようにしてもよい。このようにすることで、噴霧部4の動作スピードに依存せず、安定した濃度の次亜塩素酸を生成することができる。
本実施の形態1において、第1の電極6Aは、次亜塩素酸発生電極として、電極触媒を白金とイリジウムの合金層からなる電極触媒を使用している。第1の電極6Aを陽極、第2の電極6Bとして電力を供給した場合の電気分解による次亜塩素酸の生成メカニズムについて簡単に説明する。
タンク部2内の水溶液中に含まれる塩化物イオンは、第1の電極6Aで酸化されて塩素を発生する(化1)。発生した塩素は一部水と反応して次亜塩素酸を生成する(化2)。
(化1) 2Cl― →Cl2+2e-
(化2) Cl2+H2O → HCl+HClO
よって、生成される次亜塩素酸は、タンク部2内の水溶液の塩化物イオン濃度によって濃度が変化する。
(化2) Cl2+H2O → HCl+HClO
よって、生成される次亜塩素酸は、タンク部2内の水溶液の塩化物イオン濃度によって濃度が変化する。
図3は、タンク部2内の塩化物イオン濃度と制御部7から第1の電極6Aと第2の電極6Bに印加する印加電流を可変させた際の次亜塩素酸濃度を示している。
制御部7からの印加電流は、0.05A〜0.3Aとし、塩化物貯蔵タンク8aに貯蔵した生理食塩水0.8%NaClの供給量を塩化物供給手段8としてポンプ8bにより制御して、タンク部2内に添加してタンク部2内の塩化物イオン濃度を調整した。
図3に示すように、塩化物イオン濃度が高いほど同じ印加電流でも生成される次亜塩素酸濃度が高いことが確認できた。よって、制御部7で印加電流を一定にした場合、タンク部2内の塩化物イオン濃度がばらつくと、生成される次亜塩素酸濃度もばらつくことが分かる。
本実施の形態では、ポンプ8bによりNaCl溶液添加量を常に一定に供給することが可能となるため、安定した次亜塩素酸濃度を生成することが可能となる。
また、塩化物貯蔵タンク8a内を高濃度のNaCl溶液にすることで、タンク部2内へのNaClの添加量は微量となるため、最初に塩化物貯蔵タンク8aに高濃度のNaClをいれておけば、タンク部2には水をいれるだけでよいので、外出時でも手軽に電解水を生成することができる。
なお、第1の電極6Aは、白金単体でも次亜塩素酸を生成するが、イリジウムとの合金層とすることによって、次亜塩素酸の生成効率を向上することが可能である。本実施の形態1においては、白金を60%、イリジウムを40%配合した電極触媒を使用した。本材料組成にすることによって、白金のみに比べ、次亜塩素酸の生成効率を約3.5倍に向上することが可能となった。これは、酸素過電圧が低下したためと推察している。
なお、第1の電極6Aの電極触媒は、上記以外に、例えば、白金とロジウムの合金層か
らなる電極触媒や、貴金属または貴金属酸化物を含んでもよい。
らなる電極触媒や、貴金属または貴金属酸化物を含んでもよい。
また、制御部7は、印加電圧、電流の可変だけでなく、第1の電極6Aと第2の電極6Bの極性を変更させることも可能である。本構成にすることで、第1の電極6Aで生成される活性種だけでなく、第2の電極6Bで生成可能な活性種も生成することができる。
第2の電極6Bは、Ti基板で構成したが、オゾンを生成可能となるように、Ti基板の上に電極触媒としてタンタル酸化物を形成してもよい。
第2の電極6Bにおいて、電極触媒にタンタル酸化物を用いたことによるオゾン生成のメカニズムについて説明する。
第2の電極6Bは、電極触媒であるタンタル酸化物の表面と洗浄水との界面に、薄い空乏層が形成される。水の電気分解により、第2の電極6Bの反応で生成された電子は、酸化タンタル表面に形成された空乏層をトンネル効果により通過する。
これにより、電子の授受が行われる電位が、オゾンの酸化還元電位以上になる。その結果、オゾンの生成反応が、より効率的に行われ、オゾンが生成可能になると考えられる。
なお、第2の電極6Bのオゾン生成用の電極触媒として、例えば、二酸化鉛、ダイヤモンド、白金などを用いることが考えられる。しかし、鉛の場合、環境や人体への影響が懸念される。また、ダイヤモンドや白金などの場合、コスト高や、オゾンの生成効率が低いなどの問題がある。
そこで、本実施の形態1では、電極触媒として、タンタル酸化物を用いることとした。
タンタル酸化物は、白金と比較して、低電流密度でのオゾン生成が可能である。また、タンタル酸化物は、電流密度が低いほどオゾンの生成効率が高まるという特長を有している。さらに、タンタル酸化物は、高い酸素過電圧を有する。そのため、低い電圧で酸素を発生させることなく、例えば、1.5V程度を超える程度の電圧で、オゾンを発生させることができる。特に、白金と比べ、タンタル酸化物は、1/4程度の電力でオゾンを生成することができ、電池や充電池で動作させることが可能となり、携帯用電解水噴霧器に適している。なお、第2の電極6Bの電極触媒は、タンタル酸化物と白金で構成しても同様の効果を得ることが可能である。
以上の構成によって、本実施の形態の携帯用電解水噴霧器は、次亜塩素酸水とオゾン水の両方を選択して生成することが可能である。
特に、オゾンは、高い酸化力と即効性を有するため、例えば、酸化分解が困難な加齢臭の主成分となるノネナールやカビ臭、さらには、皮脂成分を酸化分解することが可能である。さらに、便座やテーブル、手、玩具などに付着した菌も短時間で除菌することが可能となる。
本実施の形態において、大腸菌を付着させたシャーレに、オゾン水と次亜塩素酸水をそれぞれ1ml噴霧させ、5秒放置後の除菌効果を評価した。その結果、オゾン水は、0.2ppmで99%以上の除菌率を達成するのに対し、次亜塩素酸は、オゾン水の10倍の濃度の2ppmでも99%除菌を達成するのは困難であった。
次に、大腸菌を付着させた布に、オゾン水と次亜塩素酸水をそれぞれ1ml噴霧させ、30分放置後の除菌効果を評価した。その結果、1ppmのオゾン水では、99%の除菌
は困難であったが、18ppmの次亜塩素酸水は、99%以上の除菌を達成した。
は困難であったが、18ppmの次亜塩素酸水は、99%以上の除菌を達成した。
タバコ臭をしみこませた布に、オゾン水と次亜塩素酸水をそれぞれ1ml噴霧させ、30分放置後の消臭効果を評価した。その結果、オゾン水では、消臭効果は確認できなかったが、次亜塩素酸水は、消臭効果が確認され、市販の衣類消臭剤と同等効果を得ることができた。
電解装置1は、長期間使用している間に、電極6の表面にカルシウム等のスケールが付着して、電気分解作用が阻害される。電気分解作用の阻害を抑制するため、時々、噴霧部4をタンク部2から外し、タンク部2内に水とクエン酸を入れて、タンク部2内をクエン酸によって洗浄することにより、電極6の表面に付着したカルシウム等のスケールを取り除くことができる。
また、他のスケール除去方法として、制御部7によって、第1の電極6Aと第2の電極6Bに印加する電力極性を反転させることにより、第1の電極6Aや第2の電極6Bにスケール成分が付着することを抑制することも可能である。
これは、第1の電極6Aを陽極、第2の電極6Bを陰極に接続して電力を印加して電気分解した際に、被処理水中に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの陽イオンを、電気的に引き寄せることになる。つまり、電気分解することによって、第2の電極6Bの表面は、アルカリ性になる。被処理水中のカルシウムやマグネシウムは、水酸化カルシウムや水酸化カルシウムとして、第2の電極6Bの表面に析出する。あるいは、炭酸イオンとの反応により、カルシウムやマグネシウムは、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムとして、第2の電極6Bの表面に付着する。
そこで、第1の電極6Aと第2の電極6Bに印加する電力の極性を制御部7によって反転して電気分解することにより、第2の電極6Bの表面に生成される水酸化カルシウムや水酸化カルシウム、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムなどのスケール成分の生成および付着などを抑制できる。
また、第2の電極6Bの表面に付着したスケール成分を除去できる。具体的には、電極6の転極により、電極近傍のpHが強酸性になる。そのため、電極6表面に析出したスケールの溶解、もしくは、電極界面から剥離させてスケールを電極6表面から除去することができる。よって、スケールの電極付着を抑制できるため、スケール付着による閉塞を防ぎ、スケール付着による電極性能の劣化を抑制可能となり、安定した性能と耐久性を確保することができる。
なお、本実施の形態1において、第2の電極6Bとしてオゾン発生電極の電極触媒をタンタル酸化物で構成したが、ダイヤモンド電極などを使用しても良い。
また、第2の電極6BとしてAgイオンを生成するためにAg基板を電極として使用してもよい。Agを含む金属基板や電極触媒でも同様の効果を得ることができる。さらに、Ag以外に、Cu、Zn金属を含む基板や貴金属酸化物あるいは金属触媒でも同様の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態における携帯用電解水噴霧器の構成図を示すものである。
図4は、本発明の第2の実施の形態における携帯用電解水噴霧器の構成図を示すものである。
図4において、実施の形態1と異なる点は、塩化物供給手段8を、塩化物水溶液を貯蔵
する点眼容器8Cで構成するとともに、電解装置1から取り外し可能な構成としたことにある。本構成においては、自動でタンク部2に塩化物イオンを供給するポンプ8bを廃止し、手動で点眼容器8Cからタンク部2塩化物水溶液を添加する構成とした。
する点眼容器8Cで構成するとともに、電解装置1から取り外し可能な構成としたことにある。本構成においては、自動でタンク部2に塩化物イオンを供給するポンプ8bを廃止し、手動で点眼容器8Cからタンク部2塩化物水溶液を添加する構成とした。
点眼容器8Cは、容器を軽い力で直接押すことにより液を滴下させるとともに、容器復元時には、圧力弁の開口からの液漏れを防止するものである。
構成としては、液を収容する可撓性の容器本体、及び該容器本体に設けられ、容器本体に収容されている薬液を吐出させるための吐出口を備えた点眼用容器が用いられる。本容器では、容器本体を押圧して変形させ、容器本体の内圧が大気圧より高くなるときに、吐出口より薬液を吐出させる。次いで、容器本体を押圧から解除して、容器本体の内圧が大気圧より低くなるときに、吐出口から外部空気を流入させて、容器本体を押圧前の形に復元させることで一定量を添加する構成としている。
本構成にすることによって、ポンプ8bやポンプ電源9を除去することができるため、電解装置1を小型・軽量化することができ、携帯用として便利である。
また、本実施の形態2において、点眼容器8cは、電解装置1に窪みを設けて、その中に設置するような構成としたが、点眼容器8cをストラップのように取り付けることで、より小型化を実現することも可能である。
また、点眼容器8cを着脱可能な構成とすることで、点眼容器8cの清掃性も向上することが可能となる。
本発明に係る携帯用電解水噴霧器は、上記実施の形態に示した構成に限定されず、種々の形態のものに適用できるものであり、本発明の技術範囲において種々の形態を包含するものである。
1 電解装置
2 タンク部
3 電源部
4 噴霧部
5 電解部
5S 電解室
6 電極
6A 第1の電極
6B 第2の電極
7 制御部
8 塩化物供給手段
8a 塩化物貯蔵タンク
8b ポンプ
9 ポンプ電源
2 タンク部
3 電源部
4 噴霧部
5 電解部
5S 電解室
6 電極
6A 第1の電極
6B 第2の電極
7 制御部
8 塩化物供給手段
8a 塩化物貯蔵タンク
8b ポンプ
9 ポンプ電源
Claims (4)
- 水溶液を貯蔵するタンク部と、前記タンク部に塩化物イオンを供給する塩化物供給手段と、前記タンク部から流入した水を電気分解する少なくとも第1の電極と第2の電極で構成された電解部と、前記電解部に電力を供給する電源部と、前記電源部の電力供給を制御する制御部と、前記電解部で電解された水を噴霧する噴霧部を備える構成とした携帯用電解水噴霧器。
- 前記塩化物供給手段は、塩化物水溶液を貯蔵する塩化物貯蔵タンクと、前記タンク部内の水溶液を所定の塩化物イオン濃度になるよう前記塩化物水溶液を前記タンク部に所定量添加するポンプとにより構成した請求項1記載の携帯用電解水噴霧器。
- 前記塩化物供給手段は、塩化物水溶液を貯蔵する点眼容器で構成された請求項1記載の携帯用電解水噴霧器。
- 前記点眼容器は、取り外し可能な構成とし、タンク部に手動で塩化物水溶液を添加する構成とした請求項3記載の携帯用電解水噴霧器。
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JP2018193934A Pending JP2020063460A (ja) | 2017-12-22 | 2018-10-15 | 携帯用電解水噴霧器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020063460A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7052130B1 (ja) * | 2021-08-17 | 2022-04-11 | 田中貴金属工業株式会社 | 塩素発生用電極およびその製造方法 |
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2018
- 2018-10-15 JP JP2018193934A patent/JP2020063460A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7052130B1 (ja) * | 2021-08-17 | 2022-04-11 | 田中貴金属工業株式会社 | 塩素発生用電極およびその製造方法 |
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