(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る水素水生成装置を前記図1ないし図16に基づいて説明する。本実施形態においては携帯に対応したボトル型の装置に適用した例を説明する。
前記各図において本実施形態に係る水素水生成装置1は、両端が閉塞された筒状の中空容器として形成され、中空部19に水を貯留可能な本体部10と、この本体部10における中空部19の下の底面部13aに配設され、中空部19に向けて可視光を照射可能とされる発光部20と、本体部10における底面部13aの上側に配設され、水に対し電圧を印加可能とする複数の電極31、32、33からなる電極部30と、この電極部30に設けられて発光部20から照射された光の一部を反射させる壁部40と、本体部10における底面部13aの下側に配設され、電極部30への通電状態を調整制御する制御回路部50と、この制御回路部50の制御下で電極部30への電力供給を行う電源部60とを備える構成である。
なお、本実施形態に係る水素水生成装置1における電極部30や通電のための各部品などの、水の電気分解により水素気泡を発生させて水素水を得る仕組み自体については、公知の水素水生成装置と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記本体部10は、内部に水を所定量貯留可能な中空容器として形成されるものであり、詳細には、中空円筒状に形成される筒体部11と、この筒体部11の一方の開口部11aを閉塞する状態で筒体部11に着脱可能に取り付けられる蓋体12と、電解槽の底となる底面部13aを有して筒体部11の他方の開口部を閉塞する状態で筒体部11に一体に取り付けられる基部13とを備える構成である。
中空円筒状である筒体部11の両端の開口部を蓋体12と基部13とで閉塞することで、内部に閉じた中空部19が生じており、本体部10は電解槽としてこの中空部19に水を貯留し、この水に対し電気分解が行われることとなる。
この本体部10のうち、中空部19に面する筒体部11の側面における電極部30より上側となる所定箇所に、本体部10外側と中空部19との間で可視光を透過可能とする透明材質製の窓部11aを設けられ、この窓部11aを通じて外から本体部10内の水を視認可能とされる。窓部11a以外の本体部10各部は光を通さない不透明材質であり、需要に応じた任意の色調を与えられる。
前記蓋体12は、本体部10の筒体部11に着脱可能に取り付けられて筒体部11の開口部を閉塞する一方、新たな通水孔12cを開閉可能に設けて、水素水を必要に応じて本体部10内から取り出せるようにするものである。
蓋体12は、詳細には、筒体部11の一方の端部に着脱可能に取り付けられ、水素水を取り出し可能とする通水孔12cを設けられる蓋基部12aと、この蓋基部12aに蝶番部12dを介して傾動可能に連結され、蓋基部12aの通水孔12cを開閉する上蓋部12bとを備える構成である。
この蓋部12の蓋基部12aにおける通水孔12cの奥方には、通水孔12cから水素水を取り出す際に空気を中空部19側に流入可能として水素水の流出をスムーズにする通気孔12eが設けられる。蓋基部12aにおける通水孔12cと通気孔12eを取り囲む周囲部分は略筒状に突出する形状とされ、その上端縁の正面寄りの一部は他部分より上方に突出拡張されて飲み口12fとされる。また、蓋体12の蝶番部12dの反対側となる正面位置に、上蓋部12bの凸部を係止して上蓋部12bを閉状態に保持可能とする係止部12gが設けられる。
前記飲み口12fは、通水孔12cを通じて中空部19につながっており、蓋体12の上蓋部12bを開放状態として本体部10を十分に傾けると、中空部19の水を通水孔12cから外に出すことができ、さらに、飲み口12fに沿って外部に出ようとする水を、この飲み口12fに口を付けて飲むことができる。
蓋体12は、蓋基部12a中央部の下面側に下方へ突出する略筒状の係合部12hを形成されてなり、この係合部12hに浄水用のカートリッジ16を係脱交換可能に係合して取り付けられる仕組みである。蓋基部12aの筒体部11への取り付け状態では、筒体部11内部に突出するカートリッジ16は筒体部11の窓部11aより上側に位置しており、窓部11aからカートリッジ16は見えず、中空部19の水中に水素気泡が拡散する状態を窓部11a全体で見ることができ、美観の面でも優れたものとなる。
この蓋基部12aは、筒体部11に対し螺合等により水密状態を維持しつつ着脱可能に取り付けられて、カートリッジ交換時などに必要に応じて取り外せる構成である。この蓋基部12aを筒体部11から取り外して開放された筒体部11の一方の開口部は、中空部19に水や電気分解補助剤を投入可能な投入口として用いることができる。なお、浄水用のカートリッジを設けない場合には、筒体部11の上側に蓋体12を着脱可能とする構造部分を設けず、簡略な閉塞構造としてもかまわない。
また、上蓋部12bには、蓋基部12aの筒状突出部分の内側に挿入可能な大きさとされて下方に突出する突出部12iが形成され、上蓋部12bを蓋基部12aに対し閉状態で保持した状態で、突出部12iを蓋基部12aの筒状突出部分に嵌合させる構成である。この突出部12iと蓋基部12aの筒状突出部分との嵌合で、突出部12i表面の弾性体からなる封止部材12jが、その周縁部で蓋基部12aの筒状突出部分上端と隙間なく密着すると共に、先端部で蓋基部12aの通水孔12cと通気孔12eの各孔縁部とそれぞれ密着して各孔を閉塞することで、本体部10内側の中空部19が外部から水密状態で隔離される。
前記カートリッジ16は、多数の貫通孔を有して水を内部と外部との間で滞りなく流通させられる中空容器内に、浄水用の粒状のセラミック材17を多数収容したものであり、蓋体12の蓋基部12a下側に着脱可能に取り付けられる構成である。使用者が本体部10を傾けて中空部19の水を飲もうとすると、中空部19から通水孔12cを通じて外に出ようとする水がカートリッジ16を通過し、水がカートリッジ16内のセラミック材17と接触することで、例えば水のカルキ臭を除去するなどの浄水が行える仕組みである。また、カートリッジ16は中空部19への貯水状態で一部が水没するようにされ、中空部19に入っている水に対し浄水機能を一部発揮できる。
セラミック材17の総体積はカートリッジ16の内容積に対し少なく設定され、セラミック材17はカートリッジ内で移動可能とされる。このため、水素水の飲用時は、本体部10を傾けるのに伴い、セラミック材17がカートリッジ内で下に移動して水の通る領域に集中する状態となることで、多数のセラミック材17が水と接触可能となり、セラミック材17をカートリッジ16の内容積一杯に密に充填しなくても十分な浄水能力を発揮でき、効率よく浄水可能となる。また、各セラミック材17がカートリッジ16内で移動できることで、本体部10を傾けるなど動かすたびにセラミック材17が移動して攪拌される状態となり、カートリッジ16内における各セラミック材17の位置や、セラミック材17の水と接する表面位置を装置使用ごとに入れ替えて、カートリッジ16全体としての浄水機能を長期にわたり維持できる。
前記基部13は、大きさの異なる二つの有底筒体を一体に組み合わせて上部と下部で大きさを異ならせた筒状体とされ、一方の底が電解槽の底をなす底面部13aとされ、この底面部13aから起立する小さい方の筒体部分を筒体部11の他端部に螺合連結させることで筒体部11と一体化される構成である。この基部13は、電極部30、壁部40、制御回路部50及び電源部60を取り付けられてなり、蓋体12と共に筒体部11と一体に組み合わされて本体部10をなし、本体部10内に水密状態の中空部19を生じさせるものである。なお、基部13は筒体部11に対し着脱可能に取り付けられるようにすることもでき、その場合は電極部30のメンテナンス等が容易となる。
この基部13の底部は、底カバー13cを配設されて閉塞された構成である。基部13上部の底面部13aと下部の底カバー13cとの間の空間部分には、制御回路部50及び電源部60が設けられる。
基部13における底面部13aの中央には発光部20が設けられる。また、基部13の側面には、作動状態表示部を兼ねる電源スイッチ部80やカートリッジ状態表示部81、さらに、非使用時はカバーで覆われる充電用の接続端子部82がそれぞれ設けられる。
前記発光部20は、本体部10における中空部19の下の底面部13aに配設され、中空部19に向けて可視光を照射可能とされるものである。
詳細には、発光部20は、本体部10の基部13における底面部13aに設けられる透光性材質からなる透光窓部21と、透光窓部21の下側に設けられる発光素子(例えば、LED)22とを備える構成である。
発光部20は、本体部10の中空部に水を貯留した状態で、照射した光を、電極部30に設けられた壁部40に反射させて、前記窓部11aを経て本体部10の外に到達可能として配設される。
そして、発光部20は、電極部30への通電による水の電気分解が正常に実行される間、制御回路部50による制御で、発光素子22を所定色、例えば青色での点灯状態とされる。使用者は窓部11aから見えるこの発光部20からの光とこの光に照らされた水素気泡の水中を拡散する様子とから、電気分解による水素水の生成進行状態を確認することができる。
前記電極部30は、本体部10の基部13における底面部13aの上側で、且つ発光部20の周囲に、略筒状の起立状態として配設され、中空部19に入れた水に対し電圧を印加可能とする三つの電極31、32、33からなるものである。この電極部30は、発光部20の側方に位置して、発光部20からの光の中空部19上方への進行を妨げない配置とされる。
前記電極31、32、33は、金属製の薄板を湾曲させた略円筒形状とされて、本体部10の内部の壁部40の内側の隙間部分に壁部40に沿って配設される構成である。
これら電極31、32、33は、略筒状配置の薄板部分と共に、これと一体化された略棒状の接続導体31a、32a、33aを有しており、この接続導体31a、32a、33aが下方に延出して本体部10における基部13の底面部13aを貫通した配設状態とされる構成である。
これら電極31、32、33については、最も内側の電極31と最も外側の電極33が陽極とされ、これらに挟まれた中間の電極32が陰極とされる場合と、逆に内外の電極31、33が陰極とされ、中間の電極32が陽極とされる場合とがあり、制御回路部50で極性を切換可能とされる。なお、制御回路部50では、電極31、33が陽極とされ、電極32が陰極とされる場合を順方向通電状態、電極31、33が陰極とされ、電極32が陽極とされる場合を逆方向通電状態としている。電極への通電による電気分解実行の際には、陰極とされる電極の表面部で水素が発生することとなる。発生した水素の気泡は、電極の表面に沿って上昇し、電極部30の上側で電極部から離れて中空部19の水中に拡散する。
前記壁部40は、大きさの異なる二つの筒体を内外で重なるように一体に組み合わせて中間に電極部30を収容する隙間を生じさせた略筒状体とされ、本体部10における基部13の底面部13a上側に上向きに突出する状態で配設される構成である。この壁部40は、壁部40をなす内外の筒状部分の間に電極部30を挟むような配置として電極部30近傍に配設される。
この壁部40も、電極部30と同様に、発光部20の側方に位置して、発光部20からの光の中空部19上方への進行を妨げない配置とされており、発光部20からの光が水中を中空部19上方へ直進するのを許容する一方、発光部20から壁部40に向かって斜めに進む光については、壁部40の内周側の表面で一又は複数回反射させて、中空部19の水中を上方へ進行させることとなる。
壁部40の表面は、発光部20からの光が表面に当たって反射する際に拡散反射(乱反射)を生じさせにくい滑らかな面となっている。また、壁部40はその表面が明度の高い色である材質製、例えば、白色やそれに近い色のプラスチック製とされており、表面における発光部20からの光の吸収を少なくし、光の反射する度合いを大きくしている。
壁部40の上部は、その上端部の高さを電極部30の上端部の高さよりわずかに大きくされると共に、電極部30の上側に達して電極部30を上から覆う形状として形成される構成である。そして、壁部40上部の電極部30を上から覆う部分には、電極部30が発生させた水素気泡を上向きに通過させる開口部41を複数設けられてなる構成である。
こうして電極部30に壁部40を設け、壁部40で電極部30をその少なくとも内周側から覆うようにすると共に、電極部30で発生した水素気泡が通過可能な開口部分を壁部40の上部に設けて、壁部40の上端部より上側でのみ、水素気泡の中空部19の水中への拡散を許容する構造とすることで、電極部30で発生させた水素気泡が電極部30から離れて中空部19の水中に拡散する位置は、発光部20から離れた電極部30の上側となり、この位置までは水素気泡は壁部40に阻まれて電極部30から離れず、電極表面にとどまる又は電極表面近くで上昇するのみであるため、発光部20からの光が気泡等で進行を妨げられることはなく、窓部11aの近くの水中に拡散する水素気泡を光が適切に照らして視認可能とすることができる。なお、このように電極部30に壁部40を設けるなどして、発光部20の上側で水素気泡が光の進行を妨げることを防止できる場合には、電極部30をなす各電極31、32、33の一部が発光部20より下まで達して、水素気泡が発光部20より下の位置で発生するようにしてもかまわない。
また、壁部40上部の開口部41のいずれかは、窓部11aの内面寄りに位置するように配置されており、こうした開口部41から出た水素気泡が窓部11aの近傍で水中に拡散することで、発光部20から進んだ光が窓部11aを経て外部に達する直前で、この窓部11a近傍で水中に拡散する水素気泡を照らすこととなり、ここで水素気泡を照らした光が最短距離で窓部11aに達して外部に出る。これにより、水素気泡を照らした光が水中を進む間に減衰することを抑えられる分、光に照らされながら水中に拡散する水素気泡を窓部11aを通じて確実に視認可能とすることができる。
さらに、壁部40の隙間に配設された電極部30が略筒状の起立状態とされて、本体部10の横断面の面積に占める電極部30の配置領域の割合が必要最小限とされると共に、こうした電極部30の上側に達するように壁部40が配置されることで、本体部10の中空部19に誤って水以外の異物(例えば、氷など)が投入された場合でも、異物が電極部30の上側に載って電極部30に接して力を加える状態となることはない。この場合、異物は壁部40の内側の空間部分に誘導されるが、壁部40の内側の空間部分に入って底面部13a上に達した異物は、電極部30の内側に沿う壁部40に遮られて電極部30に横からも接触できない。このように、電極部30に異物から不要な力が加わりにくい構造を採用することで、電極部30の変形を抑えて不具合を防止でき、中空部19に異物を入れるような誤った使用に際しても、使用者に悪影響が及ぶ事態を回避できる。
前記制御回路部50は、本体部10の基部13における底面部13aの下側に中空部19とは隔離されて配設され、電極部30の各電極31、32、33と電気的に接続され、この電極部30への通電状態を調整制御すると共に、発光部20の発光素子22の発光制御をはじめとする各種制御を行うものである。
詳細には、制御回路部50は、制御回路等をなす各素子が実装された回路基板として、基部13の内部に取り付けられ、基部13の底面部13aを貫通した各電極31、32、33の接続導体31a、32a、33aとリード線を介して電気的に接続されると共に、基板上に発光部20の発光素子22を設けられてなるものである。
この制御回路部50は、電源部60をなす電池とも電気的に接続され、必要な電力の供給を受けつつ、電気分解に係る電極部30への電力供給の可否や供給度合い等の制御を行うと共に、回路基板上に設けられた発光部20の発光素子22を、電極部30への通電中に所定の発光状態として、発光部20として光照射を行わせるよう制御を実行することとなる。
この他、制御回路部50には、基部13の側面に位置する電源スイッチ部80のスイッチ80b及び作動状態表示部としての発光素子80cや、カートリッジ状態表示部81の発光素子81b、充電用の接続端子部82がそれぞれ回路基板上への表面実装状態で設けられる。
電源スイッチ部80は、基部13の側面に埋め込まれた状態で取り付けられ、使用者により押操作されるボタン部80aと、このボタン部80aと接する配置として制御回路部50の回路基板上に設けられ、ボタン部80aが押操作される間、接点の状態が変化するタイプのスイッチ80bと、ボタン部80aの背面側に配設され、透光性を有するボタン部80aを通じて照射した光を外部に到達させる発光素子80cとを備える構成である。この電源スイッチ部80のボタン部80a及び発光素子80cが、制御回路部50の制御に基づいて装置作動状態やエラー状態に応じた発光表示を行う作動状態表示部を兼ねることとなる。発光素子80cは、発光色の調整が可能なRGB LEDとされ、制御回路部50で発光色を作動状態に応じて切替可能とされ、使用者がその光の色で装置の状態を把握できるようにしている。
カートリッジ状態表示部81は、基部13の側面に一体化されて配設される透光窓部81aと、この透光窓部81a近傍となる制御回路部50の回路基板上に設けられ、透光窓部81aを通じて照射した光を外部に到達させる発光素子81bとを備える構成であり、制御回路部50の制御に基づいてカートリッジ16の交換の要否に応じた発光表示を行うものである。カートリッジ16が浄水機能を正常に発揮できるとあらかじめ見込まれた期間の間は、制御回路部50により、カートリッジ状態表示部81の発光素子81bは、カートリッジ16の正常状態を示す所定色(例えば、緑色)の点灯状態とされる。
接続端子部82は、基部13の側面に設けられた開口を通じて外部に露出可能とされて、ACアダプタ等の充電用装置側の端子部を接続可能とされるものである。この接続端子部82は、基部13の開口に対し着脱可能に取り付けられるカバー82aで非使用時は覆われて、外気や水分との接触を阻止される仕組みである。この接続端子部82を通じて接続された充電用装置からの電力供給を受けて、制御回路部50は電源部60への充電を制御する。接続端子部82としては、例えばUSBメスコネクタが用いられ、USB規格に対応した電圧(5V)で充電用の電力供給を受けることとなる。
なお、制御回路部50による電源部60への充電においては、接続端子部82により充電用装置との直接的な電気的接続状態を確立して、充電に係る電力供給を受ける仕組みとしているが、これに限られるものではなく、非接触給電方式で電力供給を受けるコイル等の素子と周辺回路を組み合わせた受電用回路を制御回路部50と共に基部13に内蔵して、非接触給電に対応した給電用装置の近傍に基部13を位置させて充電に係る電力供給を受ける構成とすることもでき、充電に係る電力供給用ケーブル等の接続の手間を省くことができる。
制御回路部50は、使用者による電源スイッチ部80への操作入力に基づいて、電源部60からの電力供給を受け、電極部30の各電極31、32、33への通電で水の電気分解を行って水素気泡を発生させ、水素水を生成可能とする中で、安全を確保した状態で適切に電気分解を行えるよう、各電極31、32、33への通電をはじめとする各種制御を実行している。
制御回路部50では、電極部30への通電による電気分解の開始後、通電に係る電流値を監視し、この値が所定時間(例えば、0.2秒)の間に、あらかじめ設定された過電流判定の閾値となる所定電流値(例えば、600mA)以上に達した場合、過電流状態と判定して、通電を停止して電気分解を中断すると共に、エラー表示として電源スイッチ部80の発光素子80cを所定色(例えば、赤色)で所定時間(例えば10秒間)点滅状態とする制御を行う。
同じく制御回路部50では、電気分解開始後に通電に係る電流値を監視する中、この電流値が所定時間(例えば、1秒)の間に、あらかじめ設定された過小電流判定の閾値となる所定電流値(例えば、100mA)未満に達した場合、電極部30周囲に水が存在しないことに伴う過小電流状態(いわゆるオープン状態)と判定して、通電を停止して電気分解を中断する制御を行う。こうして過電流検知やオープン検知を適切に行うことで、安全を確保すると共に、電力の無駄な消費を抑えられる。
電気分解に際し、制御回路部50は、電気分解に伴う電極部30の劣化を最小限とするために、電極部30の三つの電極31、32、33のうち、最も内側の電極31と最も外側の電極33を陽極とし、中間の電極32を陰極とする順方向通電状態と、これとは逆の、最も内側の電極31と最も外側の電極33を陰極とし、中間の電極32を陽極とする逆方向通電状態とを、あらかじめ設定された電解時間(例えば、3分間)の半分の時間(例えば、90秒)が経過した後に切り替える制御を行う。また、制御回路部50は、これら順方向通電状態と逆方向通電状態とによるそれぞれの累積電解時間を記録し、電極部30への通電開始時に、順方向通電状態での累積電解時間と逆方向通電状態での累積電解時間との比較を行って、累積電解時間の短い方の通電状態を当初設定として通電を開始するようにしており、電極部30の劣化状態を均等として電気分解への悪影響を抑えている。
また、制御回路部50は、電源スイッチ部80への誤操作で電極部30への通電が開始するのを防止するために、使用者が電源スイッチ部80を押操作した後、数秒以内(例えば、3秒以内)に再度押操作することではじめて電極部30への通電を行う制御を開始するようにしている。これにより、電源スイッチ部80への物の接触等で誤って電源スイッチ部80が押された状態となった際に、そのまま電極部30への通電が開始して電気分解を実行し、無駄に電力を消費してしまうことを防止し、電池である電源部60の電力供給可能期間を最大限確保可能としている。
加えて、制御回路部50は、電源スイッチ部80が最初に押されてから、その後電源スイッチ部80への押操作がない状態で所定時間(例えば、5秒)経過すると、低消費電力状態へ移行し、各発光素子や制御回路各部への電力供給を停止することで、装置を使用していない状態での電力消費を抑えるようにしている。
さらに、制御回路部50は、電池電圧を監視しており、ある設定値を下回ると要充電状態として、電極部30への通電による水の電気分解を制限する制御を行う。詳細には、電気分解を行っていない時に電池電圧が前記設定値を下回ると、使用者が電源スイッチ部80を二回押操作して電気分解の実行を指示した際、制御回路部50は電極部30への通電を開始せず、充電催促表示として電源スイッチ部80の発光素子80cを所定色(例えば、青色)で所定時間(例えば、10秒間)点滅状態とする制御を行う。
一方、電気分解を行っている際に電池電圧が前記設定値を下回ると、実行中の電気分解は開始から当初規定の時間(例えば、3分)が経過するまで通常通り実行し、その後は充電要求表示として電源スイッチ部80の発光素子80cを所定色(例えば、青色)での点滅状態とする制御を行う。これにより、電気分解を行うためには充電が必要な状態にあることを使用者に知らせて、充電の実行を促し、スムーズに電源部60で電気分解に係る電力供給が可能な状態に復帰させることができる。
加えて、制御回路部50は、電池である電源部60の温度を監視しており、この温度が電解可能範囲としてあらかじめ設定された範囲(例えば、-20℃~60℃)を外れると、電源部60の安定性を維持するために、電極部30への通電による水の電気分解を制限する制御を行う。詳細には、電気分解を行っていない時に温度が前記電解可能範囲を外れると、使用者が電源スイッチ部80を二回押操作して電気分解の実行を指示した際、制御回路部50は電極部30への通電を開始せず、エラー表示として電源スイッチ部80の発光素子80cを前記各状態とは異なる所定色(例えば、ピンク色)で所定時間(例えば10秒間)点滅状態とする制御を行う。
一方、電気分解を行っている際に温度が前記電解可能範囲を外れると、制御回路部50は、実行中の電気分解を停止し、エラー表示として電源スイッチ部80の発光素子80cを所定色(例えば、ピンク色)での点滅状態とする制御を行う。これにより、電源部60が電気分解を行うのに適していない温度状態にあることを使用者に知らせて、電源部60が適切な温度範囲に戻るまで待ったり、周囲環境の温度が原因の場合は、電源部の温度が電解可能範囲となるような適切な環境へいったん移動して、装置を用いるような対応が可能となり、無理な使用による電源部60の劣化を防止できる。
この他、制御回路部50は、カートリッジ16の交換時期を管理する制御も行っている。詳細には、制御回路部50は、あらかじめ設定された電解時間(例えば、3分間)にわたる電気分解を完了したか、電気分解を前記電解時間の途中で使用者の操作により強制的に終了させたかによらず、電極部30への通電がなされて電気分解が実行された回数をカートリッジ使用カウンタ数として保持記録しており、電気分解の完了時又は強制終了時にその更新が行われる。制御回路部50は、このカートリッジ使用カウンタ数の更新後の値があらかじめ設定された限界値、例えば360回(1日3回使用として約4ヶ月使用の場合に相当)に達した場合、カートリッジ状態表示部81の発光素子81bを、正常状態を示す所定色(例えば、緑色)以外の他色(例えば、赤色)での点灯状態とし、カウンタ数がリセットされるまでは、仮に使用者が電源スイッチ部80を二回押操作して電気分解の実行を指示しても、制御回路部50は電極部30への通電を開始しない電解禁止状態とする制御を行う。
また、これに先立ち、制御回路部50は、カートリッジ使用カウンタ数の更新後の値が前記限界値より少ない所定値、例えば318回(1日3回使用として約2週間の使用で360回に達する場合、すなわち限界値の2週間前時点に相当)に達した場合に、カートリッジ状態表示部81の発光素子81bを、正常状態を示す所定色(例えば、緑色)の点灯状態からこの所定色での点滅状態に切替える制御を行い、カートリッジ16の交換時期に達したことを使用者に通知するようにしている。
これらにより、使用により浄水能力が低下して寿命に達したカートリッジ16をそのまま使い続けることができないようにして、使用者にカートリッジ16を交換させることができ、浄水能力が確保されたカートリッジ16を使用させて水素水の水質を維持できる。また、電気分解が行えなくなる前にカートリッジ状態表示部81の点滅表示でカートリッジ16が交換時期に達したことを使用者は知ることができるため、使用者のカートリッジ16交換を促して、電気分解が行えず水素水が得られない状況に使用者が陥ることを阻止できる。
なお、制御回路部50におけるカートリッジ使用カウンタ数は、制御回路部50が電源部60への充電を制御する充電状態で、使用者の電源スイッチ部80への所定時間(例えば、3秒)以上の長押し操作を検知するとリセットされるように設定される。リセットにあたり一旦充電状態とするなど、事前の準備作業を必要とすることで、使用者が容易にリセットできないようにし、使用者にカートリッジの交換を促している。リセット後は電気分解が可能となり、且つ新たな電気分解実行回数のカウントが一から開始する状態となる。
前記電源部60は、制御回路部50の制御下で電極部30やその他の作動部分に電力供給を行うものである。具体的には、この電源部60としては、例えばリチウムイオン電池等の、充電可能な二次電池が用いられる。
この電源部60は、本体部10における基部13上部の底面部13aと下部の底カバー13cとの間の空間部分で、且つ制御回路部50より下側の領域に、ホルダ60aにより保持された状態で配設される。なお、電源部60をなす電池を、基部13に対する底カバー13cの着脱で電源部60へのアクセスを可能とした上で、交換できるようにしてもかまわない。この場合、電源部60は充電できる二次電池に限られるものではなく、例えばアルカリ電池やマンガン電池等の一次電池とすることもできる。
次に、本実施形態に係る水素水生成装置の使用状態について説明する。前提として、装置の周囲環境温度はあらかじめ設定された電解可能範囲に含まれる常温に近い状態にあり、電源部60はあらかじめ充電されて、使用者による電源スイッチ部80の操作を経て、電極部30への通電が可能な状態にあるものとする。ただし、操作前の制御回路部50の当初状態は、電源スイッチ部80に対する使用者の操作等の入力は検出可能な状態を維持しつつ、各発光素子や制御回路各部への電力供給を停止する低消費電力状態にあるものとする。また、電極部30の各電極31、32、33は析出物の付着や劣化等なく、通電で問題なく水の電気分解が可能であるものとする。さらに、制御回路部50での記録では、前記順方向通電状態での累積電解時間が短くなっており、順方向通電状態を当初設定として通電が行われるものとする。
まず、使用者は、本体部10における蓋体12を筒体部11から外し、中空部19を開放した状態で、水道水等の原水を中空部19に適宜注水し、あらかじめ定められた水量となるまで水を入れる。水を入れたら、蓋体12を筒体部11に取り付けて本体部10を一体化し、中空部19を本体部10の外部に対し水密状態で隔離する。
使用者が、本体部10に水を入れた後、水素水生成のために電源スイッチ部80を押操作すると、制御回路部50は、スイッチ80bの導通状態変化を受けて、二回目の操作を待つ待機状態に一旦移行し、電源スイッチ部80の発光素子80cを第一の所定色(例えば、白色)での点灯状態とする。
電源スイッチ部80の一回目の操作の後、あらかじめ設定された第一の所定時間(例えば、3秒)が経過する前に、使用者により電源スイッチ部80への二回目の押操作がなされると、制御回路部50は使用者による水素水生成の正式な指示操作と認定して、電極部30への通電を開始させると共に、電源スイッチ部80の発光素子80cを第二の所定色(例えば、青色)での点灯状態に切り替える。こうして、電極部30の各電極31、32、33への通電が行われ、本体部10の中空部19にある水の電気分解が進行する。
電源スイッチ部80の一回目の操作の後、前記第一の所定時間経過前に使用者による電源スイッチ部80への二回目の押操作がない場合、制御回路部50は一回目の操作は誤操作と見なして、次の操作を新たな一回目の操作として待つ状態に移行する。そして、前の操作から第二の所定時間(例えば、5秒)が経過する前に、使用者により電源スイッチ部80への新たな押操作がなされると、制御回路部50はあらためて使用者による電源スイッチ部80への二回目の押操作を待つこととなる。一方、前の操作から前記第二の所定時間が経過する前に、使用者による電源スイッチ部80への操作がない場合には、制御回路部50は低消費電力状態へ移行し、電源スイッチ部80の発光素子80cを消灯状態に切り替えて、使用者の電源スイッチ部80への一回目の押操作を待つ当初の状態に戻る。
電極部30への通電で水の電気分解が進行する状態では、順方向通電状態にあって陰極である中間の電極32の、陽極である内外の電極31、33と対向する表裏両面で、公知の水の電気分解の場合と同様、還元により気体の水素が生じることとなり、電極32表面に水素が微細気泡として多数発生し、且つ各水素気泡が電極32表面に沿って上昇する状態となる。
また、この電気分解の進行状態で、制御回路部50により発光部20の発光素子22も所定色(例えば、青色)での点灯状態とされており、発光部20から照射された光のうち、透光窓部21を経て水中を斜めに進んで壁部40に向かう光が、壁部40の内周側の表面で一又は複数回反射して、中空部19におけるこの壁部40の内側の空間部分の水中を上方へ進行していく。
こうして光が壁部40の内側の空間部分を進む間は、発光部20からの光が気泡等で進行を妨げられることはなく、光は壁部40の上端部より上側の領域に達する。
この壁部40の上側では、上昇して壁部40上部の開口部41から出た水素気泡が水中に拡散しており、水に水素が多く溶け込むことで水素水が生成される中、こうした水素気泡を発光部20からの光が照らす状態となる。特に、使用者が中空部19を見ることができる本体部10側面の窓部11aでは、発光部20から進んだ光がこの窓部11aを経て外部に達する直前で、この窓部11aの内面寄りに位置する開口部41から出て、窓部11aの近傍で水中に拡散する水素気泡を照らす。この水素気泡を照らした光が最短距離でほとんど減衰せずに窓部11aに達し、窓部11aを経て本体部10の外に出て、使用者はこの光を見ることとなる。
使用者は窓部11aから明瞭に視認できるこの発光部20からの光に照らされた水素気泡の水中を拡散する様子から、電気分解による水素水の生成進行状態を確認可能となる。
この電極部30への通電により水の電気分解が進行する状態で、制御回路部50は、使用者による電気分解の中断指示に係る電源スイッチ部80への数秒間(例えば、2秒間)の長押しの操作がなされたか否かを判定し、長押しの操作がされた場合には、電極部30への通電を停止し、電気分解を終了する。
一方、こうした長押しの操作がされていない場合、制御回路部50は、電気分解を継続させ、その後、電気分解に係る電極部30への通電開始からの経過時間が、あらかじめ設定された一回の電解時間(例えば、3分間)の半分となる第三の所定時間(例えば、90秒)に達すると、電極部30への通電状態を、内外の電極31、電極33を陽極とし、中間の電極32を陰極とする当初の順方向通電状態から、内外の電極31、33を陰極とし、中間の電極32を陽極とする逆方向通電状態に切り替える。
これにより、逆方向通電状態となって、陰極となった内外の電極31、33の、陽極となった中間の電極32と対向する各面で、還元により気体の水素が生じることとなり、電極31、33表面に水素が微細気泡として多数発生し、且つ各水素気泡が電極31、33表面に沿って上昇する状態となるが、上昇した水素気泡が壁部40上部の開口部41のみから出る点は順方向通電状態の時と変わりなく、中空部19の水中への水素気泡の拡散と、この水素気泡の水中を拡散する様子を使用者が窓部11aから視認できる状態はそのまま維持される。
制御回路部50は、電極部30への通電状態を順方向通電状態から逆方向通電状態に切り替えた後、あらためて使用者による電気分解の中断指示に係る電源スイッチ部80への数秒間(例えば、2秒間)の長押しの操作がなされたか否かを判定する。ここで長押しの操作がされた場合には、電極部30への通電を停止し、電気分解を終了する。長押しの操作がされていない場合には、制御回路部50は、電気分解を継続させ、その後、電気分解に係る電極部30への通電開始からの経過時間が、あらかじめ設定された一回の電解時間(例えば、3分間)に達すると、電極部30への通電を停止し、電気分解を終了する。
電極部30への通電停止後、制御回路部50は、電源スイッチ部80の発光素子80c及び発光部20の発光素子22を点灯状態から消灯状態に切り替えると共に、先の電気分解における電極部30への順方向通電状態と逆方向通電状態の各継続時間に基づいて、各通電状態の累積電解時間を更新して記録する。また、制御回路部50は、カートリッジ使用カウンタ数を1回分増やして更新する。
続いて、制御回路部50は、このカートリッジ使用カウンタ数の更新後の値が、あらかじめ設定された限界値前の所定値(例えば、318回)に達したか否かを判定し、前記所定値に達している場合には、さらに、前記限界値(例えば、360回)に達したか否かを判定し、限界値に達した場合、制御回路部50は、カートリッジ状態表示部81の発光素子81bを、正常状態と異なる所定色(例えば、赤色)での点灯状態とすると共に、これ以降新たに使用者が電源スイッチ部80を二回押操作して電気分解の実行を指示しても、電極部30への通電を開始しない電解禁止状態に移行する。一方、限界値に達していない場合は、制御回路部50は、カートリッジ状態表示部81の発光素子81bを、カートリッジ16の正常状態を示す所定色(例えば、緑色)での点滅状態とすることで、カートリッジ16の交換時期に達したことを使用者に通知する。
この他、カートリッジ使用カウンタ数の更新後の値が、前記所定値にも達していない場合には、電気分解の正常終了として、制御回路部50は低消費電力状態へ移行し、一回の電気分解に係る処理は完了となる。
使用者は、電気分解終了を電源スイッチ部80の発光素子80cや発光部20の発光素子22の消灯により確認後、所望のタイミングで、本体部10における蓋体12の係止部12gによる係止を解除して上蓋部12bを上げ、通水孔12cを開放状態としてから、本体部10を傾けて、生成済みの水素水を中空部19から通水孔12cを通じて外に出し、この水素水を飲み口12fに口を付けて直接飲むか、他の容器に注いで飲むことができる。
こうした飲用にあたり、本体部10を傾けて水素水を中空部19から通水孔12cを通じて外に出す際、水素水がカートリッジ16内を通過し、このカートリッジ16内で下側に寄り集まった多数のセラミック材17と接触することで、水素水を効率よく浄水でき、原水として水道水を使用する場合でも、カルキ臭等による不快感を与えない良好な水質の飲用に適した水素水を得ることができる。
なお、使用者は、カートリッジ状態表示部81の発光素子81bが、正常状態と異なる所定色での点灯状態や、正常状態を示す所定色での点滅状態にある場合には、本体部10における蓋体12を筒体部11から取り外し、蓋基部12aの下面側に係合するカートリッジ16を取り外して新しいカートリッジと交換する。
カートリッジ16の交換後、使用者は本体部側面の接続端子部82を覆うカバー82aを外して、接続端子部82を露出させ、この接続端子部82に充電用装置側の端子部を接続する。電力供給可能な充電用装置を接続端子部82に接続すると、制御回路部50は、電源部60への充電を行う充電状態に移行すると共に、電源スイッチ部80の発光素子80cを充電状態を示す所定色(例えば、赤色)の点灯状態とする。
使用者は、充電状態への移行を電源スイッチ部80の発光素子80cの前記所定色での点灯状態から確認した後、カートリッジ使用カウンタ数をリセットするために、電源スイッチ部80に対し第四の所定時間(例えば、3秒)以上にわたる長押しの操作を行う。
制御回路部50は、この充電状態において、使用者によるカートリッジ使用カウンタ数のリセット指示に係る、電源スイッチ部80への第四の所定時間以上にわたる長押しの操作がなされた場合には、記録しているカートリッジ使用カウンタ数をリセットして0とする。この後、制御回路部50は、カートリッジ状態表示部81の発光素子81bを、正常状態を示す所定色での点灯状態に戻し、これ以降、使用者が新たに電源スイッチ部80を二回押操作して電気分解の実行を指示すると、電極部30への通電を開始して電気分解を行える当初状態に復帰する。そして、新たな電気分解が行われると、電気分解実行回数のカウントが一から開始する状態となる。
このように、本実施形態に係る水素水生成装置は、電解槽をなす本体部10に発光部20を設けると共に、本体部10の側面に窓部11aを設け、発光部20から照射された光が、壁部40に反射して水中を進み、電気分解で発生した水素気泡が電極部30から離れて水中に拡散している領域を通過した上で、窓部11aを経て本体部10の外に到達し、この光を本体部10の外で使用者が視認して、水素気泡の水中を進む状態を確認できることから、内側からの光で水素気泡を照らして、使用者が水中の水素気泡が窓部11aから見える状態を確実に得られ、窓部11aを小さくして外から中に光が入りにくい構造としても窓部11aを通じて水素気泡が見える状態を確保でき、窓部11aを必要最小限の大きさとして携帯に係る持ち運び等に耐えうる十分な強度を本体部10に付与でき、無理なく携帯使用できることに加えて、本体部のデザインの自由度を大きくして美観を向上させられる。また、発光部20上方の水素気泡が拡散している箇所までは光の進む経路に障害物がなく、光が遮られずに水素気泡の箇所まで達することとなり、少ない光量で水素気泡を照らして視認可能とすることができ、水素気泡の発生を適切に確認可能として使用者に安心感を与えられ、装置の積極的な使用を促せると共に、発光に係る電力消費を抑えられ、特に電源部60が電池の場合に使用時間を長くすることができる。
なお、前記実施形態に係る水素水生成装置において、壁部40は、表面が明度の高い色であるプラスチック等の材質で略筒状に形成され、発光部20からの光が当たる表面を、光が反射する際に拡散反射(乱反射)を生じさせにくい滑らかな面とされる構成としているが、この他、壁部としては、光の一部又は全部を一又は複数回反射して窓部11aのある上方へ到達可能とするものであれば、他の表面性状を有するもの、例えば、透明で平滑なガラス板や樹脂板の裏面側に反射面としての金属膜を付着させた一般的な鏡や、表面が金属光沢を有する板状体を用いることもできる。
また、前記実施形態に係る水素水生成装置において、壁部40は、電極部30をその内部に収める形で電極部30を内周側から覆う略筒状に形成される構成としているが、これに限らず、例えば図17に示すように、電極部35に設けられる壁部42を、電極部35近傍における発光部20からの光が照射される箇所に立設配置して、反射する光を窓部11a側に向かわせられるものであれば、壁部42を筒状以外の形状として、発光部20に対し電極部35を壁部42で覆い隠さない構成とすることもできる。そして、発光部20から照射された光の一部が電極部35の表面にも達する場合には、図17に示すように、電極部35の表面でも光をできるだけ拡散させずに反射させて、窓部11aのある側に向かわせれば、水素気泡を照らす光量をより大きくすることができ、望ましい。
また、前記実施形態に係る水素水生成装置においては、中空部の水中での水素気泡の拡散状態を、本体部10の筒体部11の側面に一つ設けられる窓部11aを通じて、外から見えるようにする構成としているが、この他、窓部を本体部側面に複数配設して、各窓部から中空部が見えるようにする構成とすることもできる。この場合、各窓部の位置を、壁部40の開口部41が窓部の内方にそれぞれ位置するように設定すると、前記実施形態同様、発光部20から進んだ光が各窓部を経て外部に達する直前で、各窓部近傍で水中に拡散する水素気泡を照らした後、最短距離で窓部を経て本体部10の外に出る状態が得られ、使用者はいずれの窓部からも水中を拡散する水素気泡を明瞭に視認できる。
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る水素水生成装置を前記図18ないし図21に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係る水素水生成装置2は、両端が閉塞された筒状の中空容器として形成され、中空部19に水を貯留可能な本体部10と、この本体部10における底面部13bの上側に配設され、水に対し電圧を印加可能とする複数の電極31、32、33からなる電極部30と、この電極部30に設けられる壁部40と、本体部10における底面部13bの下側に配設され、電極部30への通電状態を調整制御する制御回路部50と、この制御回路部50の制御下で電極部30への電力供給を行う電源部60とを備える構成である。
本実施形態に係る水素水生成装置2は、前記第1の実施形態に係る水素水生成装置1と共通する構成を有する一方、異なる点として、本体部10における中空部19の下の底面部13bに発光部を設けない構成とされるものである。本実施形態の水素水生成装置2における各部構成のうち、前記第1の実施形態における構成と共通するものについては、同一の符号を付し、図示も共通化して、新たな図示は異なる構成部分のみとする。
なお、本実施形態に係る水素水生成装置2における電極部30や通電のための各部品などの、水の電気分解により水素気泡を発生させて水素水を得る仕組み自体については、前記第1の実施形態の場合と同じく、公知の水素水生成装置と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記本体部10は、内部に水を所定量貯留可能な中空容器として形成されるものであり、詳細には、中空円筒状に形成される筒体部11と、この筒体部11の一方の開口部11aを閉塞する状態で筒体部11に着脱可能に取り付けられる蓋体12と、電解槽の底となる底面部13bを有して筒体部11の他方の開口部を閉塞する状態で筒体部11に一体に取り付けられる基部13とを備える構成である。
中空円筒状である筒体部11の両端の開口部を蓋体12と基部13とで閉塞することで、内部に閉じた中空部19が生じており、本体部10は電解槽としてこの中空部19に水を貯留し、この水に対し電気分解が行われることとなる。
この本体部10の各部は光を通さない不透明材質であり、需要に応じた任意の色調を与えられる。すなわち、本実施形態における本体部10は、前記第1の実施形態における本体部とは異なり、本体部10における筒体部11の側面に透明材質製の窓部を設けない構成としている。ただし、筒体部11における窓部以外の構成については、前記第1の実施形態における筒体部11と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記蓋体12は、本体部10の筒体部11に着脱可能に取り付けられて筒体部11の開口部を閉塞する一方、新たな通水孔12cを開閉可能に設けて、水素水を必要に応じて本体部10内から取り出せるようにするものである。
この蓋体12は、蓋基部12aの下側に取り付けられるカートリッジ16も含めて、前記第1の実施形態における蓋体12と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記基部13は、大きさの異なる二つの有底筒体を一体に組み合わせて上部と下部で大きさを異ならせた筒状体とされ、一方の底が電解槽の底をなす底面部13bとされ、この底面部13bから起立する小さい方の筒体部分を筒体部11の他端部に螺合連結させることで筒体部11と一体化される構成である。この基部13は、電極部30、壁部40、制御回路部50及び電源部60を取り付けられてなり、蓋体12と共に筒体部11と一体に組み合わされて本体部10をなし、本体部10内に水密状態の中空部19を生じさせるものである。
本実施形態における基部13は、前記第1の実施形態における基部とは異なり、基部13における底面部13bに発光部を設けない構成としている。この基部13における底面部13b以外の構成については、基部側面の電源スイッチ部80、カートリッジ状態表示部81、及び接続端子部82も含めて、前記第1の実施形態における基部13と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記電極部30は、本体部10の基部13における底面部13bの上側に、略筒状の起立状態として配設され、中空部19に入れた水に対し電圧を印加可能とする三つの電極31、32、33からなるものである。
この電極部30は、前記第1の実施形態における電極部30と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記壁部40は、大きさの異なる二つの筒体を内外で重なるように一体に組み合わせて中間に電極部30を収容する隙間を生じさせた略筒状体とされ、本体部10における基部13の底面部13b上側に上向きに突出する状態で配設される構成である。この壁部40をなす内外の筒状部分の間に電極部30を挟むような配置とされて、壁部40は電極部30近傍に配設される。この壁部40は、上部の電極部30を上から覆う部分に設けられる複数の開口部41も含めて、前記第1の実施形態における壁部40と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
ただし、本実施形態における壁部40は、発光部からの光を反射させる必要がないことから、壁部40の内周側の表面は滑らかでない粗面とすることもでき、また、光の反射より吸収の度合いを大きくするような、表面が明度の低い色である材質製、例えば、黒色やそれに近い色の材質で形成することもできる。
壁部40の隙間に位置するようにされた電極部30が略筒状の起立状態とされて、本体部10の横断面の面積に占める電極部30の配置領域の割合が必要最小限とされると共に、こうした電極部30の上側に達するように壁部40が配置されることで、本体部10の中空部19に誤って水以外の異物(例えば、氷など)が投入された場合でも、異物が電極部30の上側に載って電極部30に接して力を加える状態となることはない。この場合、異物は壁部40の内側の空間部分に誘導されるが、壁部40の内側の空間部分に入って底面部13b上に達した異物は、電極部30の内側に沿う壁部40に遮られて電極部30に横からも接触できない。このように、電極部30に異物から不要な力が加わりにくい構造を採用することで、電極部30の変形を抑えて不具合を防止でき、中空部19に異物を入れるような誤った使用に際しても、使用者に悪影響が及ぶ事態を回避できる。
前記制御回路部50は、本体部10の基部13における底面部13bの下側に中空部19とは隔離されて配設され、電極部30の各電極31、32、33と電気的に接続され、この電極部30への通電の制御をはじめとする各種制御を行うものである。
本実施形態における制御回路部50は、前記第1の実施形態における制御回路部とは異なり、発光部をなす発光素子を回路基板上に設けず、この発光部の発光素子に係る制御を行わない構成としている。この制御回路部50における発光部に関わる点以外の構成や制御内容については、前記第1の実施形態における制御回路部50と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記電源部60は、制御回路部50の制御下で電極部30やその他の作動部分に電力供給を行うものである。この電源部60は、前記第1の実施形態における電源部60と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
次に、本実施形態に係る水素水生成装置の使用状態について説明する。前提として、装置の周囲環境温度はあらかじめ設定された電解可能範囲に含まれる常温に近い状態にあり、電源部60はあらかじめ充電されて、使用者による電源スイッチ部80の操作を経て、電極部30への通電が可能な状態にあるものとする。ただし、操作前の制御回路部50の当初状態は、電源スイッチ部80に対する使用者の操作等の入力は検出可能な状態を維持しつつ、各発光素子や制御回路各部への電力供給を停止する低消費電力状態にあるものとする。また、電極部30の各電極31、32、33は析出物の付着や劣化等なく、通電で問題なく水の電気分解が可能であるものとする。さらに、制御回路部50での記録では、前記順方向通電状態での累積電解時間が短くなっており、順方向通電状態を当初設定として通電が行われるものとする。
まず、使用者は、本体部10における蓋体12を筒体部11から外し、中空部19を開放した状態で、水道水等の原水を中空部19に適宜注水し、あらかじめ定められた水量となるまで水を入れる。水を入れたら、蓋体12を筒体部11に取り付けて本体部10を一体化し、中空部19を本体部10の外部に対し水密状態で隔離する。
使用者が、本体部10に水を入れた後、水素水生成のために電源スイッチ部80を押操作すると、制御回路部50は、スイッチ80bの導通状態変化を受けて、二回目の操作を待つ待機状態に一旦移行し、電源スイッチ部80の発光素子80cを第一の所定色(例えば、白色)での点灯状態とする。
電源スイッチ部80の一回目の操作の後、あらかじめ設定された第一の所定時間(例えば、3秒)が経過する前に、使用者により電源スイッチ部80への二回目の押操作がなされると、制御回路部50は使用者による水素水生成の正式な指示操作と認定して、電極部30への通電を開始させると共に、電源スイッチ部80の発光素子80cを第二の所定色(例えば、青色)での点灯状態に切り替える。こうして、電極部30の各電極31、32、33への通電が行われ、本体部10の中空部19にある水の電気分解が進行する。
電源スイッチ部80の一回目の操作の後、前記第一の所定時間経過前に使用者による電源スイッチ部80への二回目の押操作がない場合、制御回路部50は一回目の操作は誤操作と見なして、次の操作を新たな一回目の操作として待つ状態に移行する。そして、前の操作から第二の所定時間(例えば、5秒)が経過する前に、使用者により電源スイッチ部80への新たな押操作がなされると、制御回路部50はあらためて使用者による電源スイッチ部80への二回目の押操作を待つこととなる。一方、前の操作から前記第二の所定時間が経過する前に、使用者による電源スイッチ部80への操作がない場合には、制御回路部50は低消費電力状態へ移行し、電源スイッチ部80の発光素子80cを消灯状態に切り替えて、使用者の電源スイッチ部80への一回目の押操作を待つ当初の状態に戻る。
電極部30への通電で水の電気分解が進行する状態では、順方向通電状態にあって陰極である中間の電極32の、陽極である内外の電極31、33と対向する表裏両面で、公知の水の電気分解の場合と同様、還元により気体の水素が生じることとなり、電極32表面に水素が微細気泡として多数発生し、且つ各水素気泡が電極32表面に沿って上昇する状態となる。
水素気泡は、上昇して壁部40上部の開口部41に達し、この開口部41から出た水素気泡が水中に拡散し、水に水素が多く溶け込むことで水素水が生成される。
この電極部30への通電により水の電気分解が進行する状態で、制御回路部50は、使用者による電気分解の中断指示に係る電源スイッチ部80への数秒間(例えば、2秒間)の長押しの操作がなされたか否かを判定し、長押しの操作がされた場合には、電極部30への通電を停止し、電気分解を終了する。
一方、こうした長押しの操作がされていない場合、制御回路部50は、電気分解を継続させ、その後、電気分解に係る電極部30への通電開始からの経過時間が、あらかじめ設定された一回の電解時間(例えば、3分間)の半分となる第三の所定時間(例えば、90秒)に達すると、電極部30への通電状態を、内外の電極31、電極33を陽極とし、中間の電極32を陰極とする当初の順方向通電状態から、内外の電極31、33を陰極とし、中間の電極32を陽極とする逆方向通電状態に切り替える。
これにより、逆方向通電状態となって、陰極となった内外の電極31、33の、陽極となった中間の電極32と対向する各面で、還元により気体の水素が生じることとなり、電極31、33表面に水素が微細気泡として多数発生し、且つ各水素気泡が電極31、33表面に沿って上昇する状態となるが、上昇した水素気泡が壁部40上部の開口部41のみから出る点は順方向通電状態の時と変わりなく、中空部19の水中に水素気泡が拡散する状態はそのまま維持される。
制御回路部50は、電極部30への通電状態を順方向通電状態から逆方向通電状態に切り替えた後、あらためて使用者による電気分解の中断指示に係る電源スイッチ部80への数秒間(例えば、2秒間)の長押しの操作がなされたか否かを判定する。ここで長押しの操作がされた場合には、電極部30への通電を停止し、電気分解を終了する。長押しの操作がされていない場合には、制御回路部50は、電気分解を継続させ、その後、電気分解に係る電極部30への通電開始からの経過時間が、あらかじめ設定された一回の電解時間(例えば、3分間)に達すると、電極部30への通電を停止し、電気分解を終了する。
電極部30への通電停止後、制御回路部50は、電源スイッチ部80の発光素子80cを点灯状態から消灯状態に切り替えると共に、先の電気分解における電極部30への順方向通電状態と逆方向通電状態の各継続時間に基づいて、各通電状態の累積電解時間を更新して記録する。また、制御回路部50は、カートリッジ使用カウンタ数を1回分増やして更新する。
続いて、制御回路部50は、このカートリッジ使用カウンタ数の更新後の値が、あらかじめ設定された限界値前の所定値(例えば、318回)に達したか否かを判定し、前記所定値に達している場合には、さらに、前記限界値(例えば、360回)に達したか否かを判定し、限界値に達した場合、制御回路部50は、カートリッジ状態表示部81の発光素子81bを、正常状態と異なる所定色(例えば、赤色)での点灯状態とすると共に、これ以降新たに使用者が電源スイッチ部80を二回押操作して電気分解の実行を指示しても、電極部30への通電を開始しない電解禁止状態に移行する。一方、限界値に達していない場合は、制御回路部50は、カートリッジ状態表示部81の発光素子81bを、カートリッジ16の正常状態を示す所定色(例えば、緑色)での点滅状態とすることで、カートリッジ16の交換時期に達したことを使用者に通知する。
この他、カートリッジ使用カウンタ数の更新後の値が、前記所定値にも達していない場合には、電気分解の正常終了として、制御回路部50は低消費電力状態へ移行し、一回の電気分解に係る処理は完了となる。
使用者は、この電気分解終了を電源スイッチ部80の発光素子80cの消灯により確認後、所望のタイミングで、本体部10における蓋体12の係止部12gによる係止を解除して上蓋部12bを上げ、通水孔12cを開放状態としてから、本体部10を傾けて、生成済みの水素水を中空部19から通水孔12cを通じて外に出し、この水素水を飲み口12fに口を付けて直接飲むか、他の容器に注いで飲むことができる。
こうした飲用にあたり、本体部10を傾けて水素水を中空部19から通水孔12cを通じて外に出す際、水素水がカートリッジ16内を通過し、このカートリッジ16内で下側に寄り集まった多数のセラミック材17と接触することで、水素水を効率よく浄水でき、原水として水道水を使用する場合でも、カルキ臭等による不快感を与えない良好な水質の飲用に適した水素水を得ることができる。
なお、使用者は、カートリッジ状態表示部81の発光素子81bが、正常状態と異なる所定色での点灯状態や、正常状態を示す所定色での点滅状態にある場合には、前記第1の実施形態と同様に、カートリッジ16を新しいものと交換した後、本体部側面の接続端子部82に充電用装置の端子部を接続して、装置を電源部60への充電状態に移行させる。この充電状態への移行を電源スイッチ部80の発光素子80cの所定色での点灯状態から確認した後、使用者が電源スイッチ部80に対し前記第四の所定時間以上にわたる長押しの操作を行うと、制御回路部50がカートリッジ使用カウンタ数をリセットして0とし、またカートリッジ状態表示部81の発光素子81bを、正常状態を示す所定色での点灯状態に戻して、使用者の電源スイッチ部80操作に基づいて電気分解を行える当初状態に復帰する。
このように、本実施形態に係る水素水生成装置は、電解槽をなす本体部10内で電極部30が起立状態として配設され、本体部10の横断面の面積に占める電極部30の割合を必要最小限とすると共に、電極部30より内側にこの電極部30の高さを上回る壁部40を配置していることから、本体部10内に誤って水以外の異物が投入された場合でも、異物が電極部30の上側に載って電極部30に接して力を加える状態は生じにくく、異物は略筒状の壁部40より内側の空間部分に導かれることとなる。そして、壁部40の内側の空間部分に入って底面部13b上に達した異物は、壁部40に遮られて電極部30に横からも接触しないことで、電極部30には異物から不要な力が加わりにくく、電極部30の変形を抑えて不具合を防止でき、本体部10内に異物を入れるような誤った使用に際しても、使用者に悪影響が及ぶ事態を回避できる。
なお、前記実施形態に係る水素水生成装置においては、壁部40の上部を、電極部30の上側に達して電極部30を上から覆うように形成する構成としているが、これに限られるものではなく、本体部10の中空部19への投入を想定される異物が、家庭用の冷凍冷蔵庫で製氷された氷など、電極部30の本体部横断面径方向の設置寸法に比べて十分大きい場合は、必ずしも壁部が電極部30を上から覆う形状とする必要はなく、壁部が電極部30の高さをわずかに上回る高さを有する形状とすれば、電極部30に上から異物が接触しない状態を壁部で維持できる。また、電極部30及び壁部40は、これら電極部30や壁部40の高さを、投入を想定される異物より十分高くすると共に、異物の大きさに対し、本体部横断面における電極部30や壁部40の配設領域の割合を小さくして、異物が電極部30や壁部40の上側に載った状態となりにくい配置で、且つ異物の横からの電極部30への接触を壁部で40で阻止可能な位置関係としていれば、電極部30及び壁部40は必ずしも連続した一つの筒体である必要はなく、電極部や壁部をなす複数の分割体が隙間を空けて略筒状に並ぶような配置として設ける構成としてもかまわない。